ゴールドマン・サックス・インターナショナル 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | ゴールドマン・サックス・インターナショナル |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
ゴールドマン・サックス・インターナショナル(E05875)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021 年6月23日
【事業年度】 2020 年度 (自 2019年12月1日 至 2020年12月31日)
【会社名】 ゴールドマン・サックス・インターナショナル
(Goldman Sachs International)
【代表者の役職氏名】 マネージング・ディレクター
マリリン・ステファニー・ジュリエット・メルツ
(Maryline Stephanie Juliette Mertz, Managing Director)
【本店の所在の場所】 英国 EC4A 4AU ロンドン シューレーン 25 プラムツリー・コート
(Plumtree Court, 25 Shoe Lane, London EC4A 4AU, United Kingdom)
【代理人の氏名又は名称】 弁 護 士 庭 野 議 隆
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03(6775)1000
【事務連絡者氏名】 弁 護 士 福 田 淳
同 梶 谷 裕 紀
同 須 藤 綾 太
同 髙 山 大 輝
同 宮 崎 太 郎
同 垣 下 沙 織
同 原 口 恵
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03(6775)1000
【縦覧に供する場所】 該当なし
( 注1) 本書における「GSI」、「当社」、「発行会社」および「我々」との記載は、文脈上別段の解釈が必要な場合を除
き、ゴールドマン・サックス・インターナショナルを指す。本書における「ゴールドマン・サックス」および「GS
グループ」との記載は、文脈上別段の解釈が必要な場合を除き、ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク
(「グループ・インク」)およびその連結子会社を指す。
( 注2) 本書において、別段の記載がある場合または文脈により別意に解すべき場合を除き、「米ドル」、「ドル」または
「$」とはアメリカ合衆国の法定通貨である米ドルを意味し、「円」または「¥」とは日本の法定通貨である日本
円を意味する。
( 注3) 本書において便宜上、一部の財務データは米ドルから日本円へと換算されている。別段の記載がある場合を除き、
それらの換算は、2021年4月9日現在の株式会社三菱UFJ銀行による対顧客電信直物売買相場の仲値である1ドル=
109.31円の換算率で計算されている。当該換算は、当該日において当該換算率もしくはその他の換算率で米ドルが
換算できた可能性があるか、または当該換算率が当該日以降変更されていないという表明ではない。
( 注4) 本書中の表において計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当社に適用される主な法的枠組は、2006年英国会社法(「2006年会社法」)である。2006年会社法は、2006年
11月8日に国王の裁可を取得し、段階的に発効した。2006年会社法は、2009年10月1日から全面施行され、同法
は1985年英国会社法(「1985年法」)に代わるものである。2009年10月1日より前に設立された会社について
は、一定の経過規定が設けられており、これらの会社に対しては、2006年会社法は異なる態様で適用される。
以下は、当社のような会社に適用される2006年会社法の一部の規定を要約したものである。本項は、英国にお
いて当社に適用されるその他の主な法律(たとえば、1986年倒産法、金融サービス法およびコモンロー等)につ
いては検討しておらず、また、2006年会社法の規定に関する包括的な説明を行うことを意図するものでもない。
会社の種類
英国の会社法は、他の形態の法人も認めているが、2006年会社法に基づき設立可能な会社の主な形態は以下の
とおりである:(a)公開株式会社(public companies limited by shares)、(b)非公開株式会社(private
companies limited by shares)、(c)非公開保証有限会社(private companies limited by guarantee)、お
よび(d)無限責任会社(unlimited companies)。無限責任会社の会社形態は非公開のみが認められている。
当社は、1988年6月2日に、1985年法に基づく非公開株式会社として設立された。当社は、1994年2月25日、
無限責任会社として再登記された。
1986 年倒産法の重要な非適用事項に従うことを条件として、当社(無限責任会社である)が清算する場合、現
存する株主および清算開始前の1年以内に株主であった人はすべて、当社の債務および負債ならびに清算の経費
の支払、ならびに出資者間での権利の調整に十分な金額を当社の資産に出資する義務がある。
基本定款(Memorandum of Association)
各会社は、基本定款を制定しなければならない。2006年会社法においては、基本定款には、引受人が2006年会
社法に基づき会社を設立することを希望し、そして会社の株主になること(株主資本を有する会社の場合は、少
なくとも1株を引き受けること)に同意する旨が記載される。
2009 年10月1日より前に設立された会社については、それらの基本定款の規定のうち、上記に該当しない商
号、会社の責任、会社の目的、登録事務所が所在する国および株式資本の内容といった事項は、通常定款の規定
として扱われている。2011年5月17日の書面による決議により、当社はその通常定款から、2006年会社法の効力
発生以降、2011年5月17日まで通常定款の規定として扱われてきたすべての不必要な基本定款の規定を削除し
た。
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通常定款(Articles of Association)
各会社は、通常定款を制定しなければならない。2006年会社法の要件に従い、通常定款には、会社の社内的事
項を規律する規則、およびその他広範にわたる事項について定める規則が含まれる。これらには、通常以下が含
まれる。
(a)会社の株式に付随する権利および義務に関する事項(株主総会における議決権の行使および株主総会の
開催に関する事項を含む)
(b)取締役に関する事項(取締役の員数、権限および職務(借入権限を含む)、報酬、費用および利益、利
益相反の宣言および承認に係る手続、選任および解任の手続ならびにそれらの手続に関する事項を含
む)
(c)配当の宣言および支払
定款は、会社とその各株主の間の契約を構成し、これらの変更は、株主の特別決議によってのみ行うことがで
きる(2006年会社法、または定款中で固定化(entrenchment)について特別に規定している場合、それらを条件
とする)。
2006 年会社法に基づき制定された規則である、英国2008年モデル定款会社規則(SI 2008/3229)は、非公開株
式会社、非公開保証有限会社および公開会社の通常定款のモデル様式を3つ定めている。これらは、2006年会社
法に基づき設立されたこれらの形態の会社の通常定款の標準様式となるが、これらを全く採用せずに独自に策定
した定款を使ってもよく、またはこれらに変更を加えて採用することもできる。無限責任会社についてはモデル
定款は制定されていない。
報告書および財務書類
会社は、有限責任会社であるか無限責任会社であるかを問わず、会社の取引を表示および説明し、いかなる時
にも会社の財政状態を合理的な正確さをもって開示し、かつ、作成を要求されるすべての財務書類が2006年会社
法を遵守するものであることを取締役会が確保する上で、十分な会計帳簿を保持することを2006年会社法によっ
て義務づけられている。会社の取締役会は、事業年度毎に、2006年会社法の規定に従って、貸借対照表、損益計
算書および注記から成る財務書類を作成しなければならない。
会社の取締役会は、事業年度毎に、取締役報告書(directors' report)を作成しなければならない。かかる
報告書の内容は、とりわけ、2006年会社法の規定により定められている。2006年会社法の2013年戦略報告書
(strategic report)および取締役報告書規則(SI 2013/1970)により、2013年9月30日以降に終了する事業年
度に関して会社の取締役報告書の内容変更が導入された。その結果、事業に関する報告の作成の要件は同規則に
より廃止され、小会社を除く会社は、(取締役報告書だけでなく)単体で戦略報告書を作成することが必要と
なった。取締役報告書の内容もまた、会社の規模によって異なる。たとえば、小会社は、上場しているか否かを
問わず、取締役報告書に関する小会社の免除の利益を受けることができる。2018年会社(諸報告)規則の制定に
より、法定基準を満たす大会社は、2020年度の取締役報告書に以下を含む新規の報告を盛り込むことが求められ
る。
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(a)当該事業年度において、取締役による主要な決定が供給者、顧客およびその他の主要な利害関係者と当
該会社との取引関係を発展させる必要性を考慮してどのように行われたかを詳細に記載した、取引関係
の発展についての報告。
(b)当該事業年度において、取締役がどのようにして社員と関与したか、および取締役が行った主要な決定
において、どのように社員の利益が考慮されたかを詳細に記載した、社員エンゲージメントについての
報告。
戦略報告書については、会社、パートナーシップおよびグループ(会計および非財務的報告)規制2016によ
り、非財務的情報に関する報告を盛り込むことが義務づけられた。これには、環境、会社の社員、社会、人権の
尊重ならびに腐敗防止および贈収賄防止に関連する情報が含まれる。法定基準を満たす大会社は、2020年度の戦
略報告書に以下の報告を盛り込むことも求められる。
(a)取締役が決定を行うにあたってどのように利害関係者の利益を考慮したか、およびかかる決定の長期的
結果についてどのように検討したかを詳細に記載した、利害関係者の利益および意思決定についての報
告。
(b)いかなるコーポレート・ガバナンス・コードがどのようにして適用されたか、およびかかるコードの特
定の部分に準拠しなかった理由(もしあれば)を詳細に記載した、コーポレート・ガバナンスについて
の報告。当該会社がガバナンス・コードを適用していない場合、報告にはガバナンス・コードを適用し
ない理由および当該会社における所定のガバナンスに関する取決めの説明を詳細に記載するものとす
る。
会社の監査人は、とりわけ2006年会社法に従った、会社の株主に対する会社の年次財務書類に関する報告書を
作成しなければならない。監査人は、年次財務書類が、当該事業年度末現在の会社の(または(該当する場合)
グループの)状況および当該事業年度の損益について真実かつ公正な概観を与えているかどうか、当該財務書類
が関連する財務報告に係る枠組に従って適正に作成されているかどうか、ならびに2006年会社法の要件に従って
作成されているかどうかについての自己の意見を同報告書に明確に記載しなければならない。監査人は、当該事
業年度に係る取締役報告書に記載の情報が当該事業年度に係る財務書類と整合しているかどうかを検討し、その
点に関する自己の意見をその報告書に記載しなければならない。
年次財務書類は、戦略報告書、取締役報告書、取締役報酬報告書(ただし、上場会社の場合であり、当社は該
当しない)および当該財務書類に対する監査人の報告書と共に、株主総会において会社に提出されなければなら
ず、当該財務書類等が会社に提出される株主総会の21日前までに、とりわけ会社の各株主に送付されなければな
らない。公開会社の場合(当社は該当しない)、財務書類は株主総会において会社に提出されなければならず、
当該事業年度末から6ヶ月以内に会社登記官に送達されなければならない。発行する有価証券がロンドン証券取
引所のメインマーケットまたは欧州経済領域(「EEA」)の他の規制市場において取引可能な会社の場合、財務
書類は当該事業年度末から4ヶ月以内に公表されなければならない。
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株式資本および種類株式
会社の発行済株式資本は、会社が発行し、実際に引き受けられた株式数である。たとえば保証有限会社のよう
に、すべての会社が株式資本を有するとは限らない。会社の各種類株式に付随する権利は、会社の通常定款に規
定される。種類株式の権利については制限はなく、無限の異なる形態をとることができる。慣例上の種類分けお
よび通常使用される株式の種類は:(a)普通株式、(b)優先株式、(c)償還株式、(d)転換株式、および
(e)後配株式である。会社の株式に付随する議決権は、通常、株主総会でその権利を行使する方法と共に、会
社の通常定款に定められている。
株式の発行および新株引受権
株式資本の種類が1種類のみの非公開会社の取締役会は、同種の株式の割当を行うにあたり、株主による授権
を必要としない。しかし、2種類以上の株式を発行している非公開会社および公開会社においては、取締役会
は、2006年会社法に基づき、新株発行に関して会社の通常定款の規定または株主の通常決議により授権されてい
なければならない。2006年会社法はまた、現金の払い込みに対する新株発行に際し、株主の新株引受権を定めて
いる(ただし、株式等その他の対価に対する新株発行の場合は認められない)。会社が現金と引き換えの新株割
当を予定する場合、会社はまず第一に既存の株主に対して、それら株主が保有する株式数の割合に応じてこれら
新株の割当を受ける権利を与えなければならない。しかし、新株引受権は、会社の株主の特別決議によって適用
を排除することができ、非公開会社の場合には、通常定款の規定により適用を排除することができる。
株主:年次株主総会
公開会社は、その事業年度終了から6ヶ月以内に年次株主総会を開催しなければならない。株式が取引されて
いる非公開会社(すなわち、EEAの規制市場においてその株式の取引が認められている会社)は、その各事業年
度終了の翌日から起算して9ヶ月以内に年次株主総会を開催しなければならない。株式が取引されていない非公
開会社については、当該会社の通常定款に別段の定めがない限り、年次株主総会の開催を義務づける法律上の要
件はない。2006年会社法は、年次株主総会で取り扱われるべき議題を特定しておらず、また議題の制限もしてな
い。
年次株主総会の招集通知は、送達の日と総会の日の間が少なくとも中21日間となるように行われなければなら
ないが、同総会に出席し、議決権を行使する権利を有する者全員がこれより短い期間の通知に同意する場合は、
この限りではない。
株主:株主総会
年次株主総会を除くすべての株主の総会は、株主総会である。通常、株主総会の法定の最短の通知期間は、中
14日間である。
株主総会に参加し、議決権を行使する権利が付与された全株式の額面価額の90パーセント以上(非公開会社の
場合)または95パーセント以上(公開会社の場合)を保有する株主の同意があれば、株主総会の通知期間をさら
に短くすることができる。通常定款によって、より長い通知期間を定めることもできる(ただし、通常定款に
よって、より短い通知期間を定めることはできない)。
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株主:株主総会における議事の進行および議決権の行使
株主総会の定足数は、会社の通常定款において定められる。定足数を満たすためには各種類株式の株主の出席
を必要とする特別の種類株式に関する権利が存在していない限り、あるいは会社が一人会社でない限り、通常、
定足数は株主2名である。
2006 年会社法の下では、株主総会に出席し議決権を行使する権限を有する株主はいずれも代理人(株主である
必要はない)を選任し、当該代理人に当該株主に代わり株主総会において出席、発言および議決権の行使を行わ
せることができる。株主は、代理人を選任できる権限について知らされていなければならない。会社による総会
の招集通知の発送と併せて、株主に対して委任状が提供される。委任状が有効となるためには、該当する総会
(またはその延会)の少なくとも48時間前までに委任状が返送されていなければならない。
投票(すなわち投票用紙による投票であり、通常本人がまたは代理人により出席している各株主が保有株式1
株につき1つの議決権を有する)が要求されていない限り、株主総会における決議に対する議決権の行使は、挙
手により行われる。定款に別段の定めがない限り、本人が出席している各株主および株主が適式に選任した各出
席代理人は、出席株主または委任した株主が保有している持分にかかわらず、挙手により1つの議決権を行使で
きる。
株主:株主による承認
2006 年会社法が規定する決議方法は、出席株主(本人または代理人による)の過半数の同意および議決権行使
を必要とする通常決議、ならびに出席株主(本人または代理人による)の75パーセント以上の同意および議決権
行使を必要とする特別決議の2種類である。
2006 年会社法は、株主総会開催に代わるものとして、非公開会社による書面による決議の手続について定めて
いる。2006年会社法は、書面による決議は、通常決議の場合は株主の過半数が同意した場合、特別決議の場合は
株主の75パーセント以上が同意した場合可決が可能であると定めている。書面による決議は、可決された場合、
株主総会で可決された決議と同じ効力を有する。
2006 年会社法は、公開会社が書面による決議を行うことを認めていない。
配当
配当とは、会社の税引後利益の株主への分配である。会社が行う配当支払のうち、最も一般的なものは、最終
および中間配当である。最終配当は、1年に1度支払われ、年次財務書類が作成された後に計算される。一方、
中間配当は年度を通じていつでも支払うことができ、会社の年次収益が確定される前に計算される。定款には会
社による配当の宣言と支払に関する明確な規定が通常含まれているが、2006年会社法は配当の宣言は誰が行うの
か規定しておらず、特に株主総会において株主が宣言する配当(最終および中間いずれについても)について要
件を定めていない。したがって、会社の定款にこの点の定めがない場合、取締役会は、配当の宣言について株主
総会で株主の承認を受けることなく、すべての配当(最終および中間)を宣言する権利を有することとなる。し
かしながら、標準的な慣習においては、取締役会は中間配当を宣言し、支払うことができる一方で、最終配当に
ついては取締役会が提言を行うが、配当宣言は株主が株主総会において行うこととなっている。
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配当の支払を提言または宣言するにあたり、取締役は、それらのコモンローおよび衡平法上の義務ならびに
2006年会社法に基づく法令上の義務を考慮しなければならず、とりわけ、その権限の範囲で行為する義務、会社
の成功を推進する義務ならびに相当な注意、能力発揮および努力を行う義務を考慮しなければならない。取締役
は、会社の最善の利益を全般的に考慮しなければならず、仮に慎重さに欠けた方法で配当の支払を行った場合、
責任を問われる可能性がある。取締役会は、収益の一部を準備金として(たとえば将来の収益が少なかった年度
の配当に充てるために)確保しておくことができる。さらに、配当を宣言するためには、会社は分配可能な準備
金を有していなければならず、会社の分配可能な利益を上回る額の配当といった、2006年会社法に反する配当の
支払を取締役が承認した場合、当該取締役は法律上およびコモンロー上の義務に違反している可能性があり、当
該取締役が株主でなくても、会社に対して個人的に補填を行う義務を負う場合がある。
経営および運営
2006 年会社法の下においては、非公開会社は少なくとも1名、公開会社は少なくとも2名の取締役を置かなけ
ればならない。この規定に従うことを条件として、定款には、取締役の最大または最低員数を定めることができ
る。取締役は業務執行取締役(任用契約に基づく)または非業務執行取締役のいずれかであり、様々な役務およ
び義務を果たす。法人取締役も認められているが、取締役のうち少なくとも1名は個人でなくてはならない。会
社の取締役の年齢の下限は16歳である。年齢の上限は定められていない。外国人取締役に関する制限は設けられ
ていない。
取締役の義務
2006 年会社法は、取締役が会社に対して負う義務に関する法定の規定をすべて列挙している。取締役の法定の
義務は以下のとおりである。
(a)会社の設立憲章により付与された権限の範囲内で行為する義務
(b)株主全体の利益のために会社の成功を推進する義務
(c)独立して判断する義務
(d)相当の注意、能力発揮および努力を行う義務
(e)利益相反を回避する義務
(f)第三者から利益の供与を受けない義務
(g)予定されている会社との取引に対する利害関係を開示する義務
これらの義務は、会社の取締役全員に適用される。ただし、ここに列挙された法定の義務は、会社の取締役と
して取締役が負う可能性があるすべての義務を網羅してはいない。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
下記は、本書の日付現在において効力を有している当社の通常定款の規定の一部の要約である。下記は通常定
款の一部の規定の要約にすぎず、詳細については当社の2019年10月16日付通常定款に定められている。
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取締役
当社の取締役は、当社の日々の事業経営について責任を負っている。この目的のため、取締役は当社のすべて
の権能を行使することができる。取締役は、自らに付与された権能を、取締役が適切と考える人または委員会に
対して、取締役が適切と考えるあらゆる方法(委任状によるものを含む)および条件で委任することができる。
取締役または取締役の授権に基づき行為する人は随時、取締役が随時決定する期間中、取締役が随時決定する条
件で、取締役が随時決定する権能を付与して、1名または複数の当社の代表者を選任して当社の事業またはその
1つまたは複数の部門の経営を支援させることができる。取締役会の決議または取締役会の授権に基づき行為す
る人の決定によって、付与された肩書きを有する人をいつでも解任することができる。
当社が株主総会において(通常決議により)別段の決定を下さない限り、取締役の員数は、1名以上とし、上
限は設けない。いずれの取締役も、取締役に通知を行うことにより、または会社の秘書役(該当する場合)にか
かる通知を行う権限を付与することにより、取締役会を招集することができる。取締役は、いずれの取締役会ま
たは取締役の委員会においても、そしていずれの決議に際しても議決権を行使することができると共に、定足数
に参入され、いずれの意思決定にも参加することができる。これは、かかる意思決定に当該取締役が(直接・間
接を問わず)利害または責務(種類を問わず、また、当社の利益に反するか否かにかかわらず)を有する事項に
(形式を問わず)関係または関連するかどうかにかかわらない。取締役がかかる決議に際して議決権を行使する
(またはかかる意思決定を行い、もしくは意思決定に参加する)場合、当該取締役の議決権は算入され、当該取
締役は定足数に算入されるものとする。取締役会の決定により別段の定めがなされない限り、取締役会の定足数
は1名とする。
取締役が自己の利害関係の性質および範囲を開示していることを条件として、またはかかる利害関係が定款に
従い開示されたとみなされたことを条件として、取締役は、
(a)当社が当事者となるか、当社がその他の方法により利害関係を有する取引または取決めの当事者となる
か、その他の方法により利害関係を有すること、
(b)当社が利害関係を有する法人もしくはグループ会社もしくはグループ会社が利害関係を有する法人の取
締役、その他の役員もしくは従業員となること、または当社が利害関係を有する法人もしくはグループ
会社もしくはグループ会社が利害関係を有する法人との間の取引もしくは取決めの当事者となること、
または当社が利害関係を有する法人もしくはグループ会社もしくはグループ会社が利害関係を有する法
人に対してその他の方法により利害関係を有すること、
(c)自ら、または自己が利害関係を有する企業を通じて、当社、グループ会社またはグループ会社が利害関
係を有する法人のために、その専門能力において行為すること(ただし、監査人としての行為を除
く)、ならびに
(d)取締役会が決定するところにより、取締役と兼務して当社における他の役職(監査人を除く) に就くこ
と
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ができる。また、(ⅰ)当該取締役は、自己の役職またはそれによって生じた信認関係を理由として、当該取締
役またはその他の人が、かかる役職もしくは雇用関係によって、かかる取引もしくは取決めによって、専門能力
において行為することによって、またはかかる事業もしくは法人に対する利害関係によって得る報酬またはその
他の利益について、当社に対し責任を負わないものとし、(ⅱ)かかる取引または取決めはいずれも、かかる利
害関係または報酬もしくはその他の利益を理由として回避されなくてはならないものではなく、さらに(ⅲ)か
かる報酬またはその他の利益を受領すること は、2006年会社法第176条に基 づく義務違反を構成しないものとす
る。
株式および分配
取締役会は、新株引受権を付与しない形(すなわち、下記の割り当て等において既存株主にその持株数に応じ
て比例案分した株式先買権を付与しない形)で当社の株式を割り当て、またはそれらの株式を引き受ける権利を
付与し、もしくはいずれかの有価証券をそれらの株式に転換する権利を付与するために、当社のあらゆる権限を
行使することができる。定款の定めに従うことを条件として、ただし、既存の株式に付与された権利をさらに損
なうことなく、当社は、当社の通常決議により決定される権利または制限を付した追加の種類株式を発行するこ
とができる。かかる決議が可決されていない場合、またはかかる決議によって特別の規定が設けられない場合
は、取締役会の決定による。当社は、当社または保有者の選択により償還可能なまたは償還義務がある株式を発
行することができる。取締役会は、かかる株式の償還の条件および方法を決定することができる。
取締役会は、以下のいずれかの条件が満たされない場合にのみ、当社における株式の譲渡の登録を拒否する裁
量を有するものとする。
(a)当該譲渡が、関連する株券および譲渡人が当該譲渡を行う権利を有することを証明するための取締役会
が合理的に要求することのある他の証拠と共に、当社の登録事務所または取締役会が指定する他の場所
に申し出られること
(b)当該譲渡が1種類の株式のみに関すること
(c)当該譲渡が 4名以内の譲受人に対するものであること
配当および分配
当社は、通常決議により配当を宣言することができる。取締役会は、自らが判断した場合、中間または最終配
当を宣言し、支払う権限を有しており、かかる配当は、当該配当の宣言または支払の決議または決定がなされた
日現在の各株主の保有株式を基準に支払われる。
支払期限後12年間請求されなかった配当の権利は失効し、当社に返還される。
定款の定めに従うことを条件とし、かつ、当社の通常決議により承認された場合、取締役会は、当社の利益の
うち、優先配当の支払に使用しなくてもよい金額または当社の資本剰余金もしくは資本償還準備金の残高を資本
化することができ、当該金額を、配当によって分配されていたとしたら受け取る権利を有していたであろう者に
割り当てることができる。
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株主および総会
年次株主総会は、中21日間以上の通知期間を設けて招集される。その他すべての総会は、中14日間以上の通知
期間を設けて招集される。当該招集通知には、総会が開催される場所、日時、および議題を記載するものとす
る。年次株主総会の招集通知には、年次株主総会である旨を記載するものとし、特別決議を行うための総会の招
集通知には、当該決議を提案する意図および決議の文言を記載しなければならない。
2【外国為替管理制度】
随時効力を有する一定の経済的制裁および2009年英国銀行法(「銀行法」)(および銀行法に基づく二次的法
律)の規定を除き、現在、当社の債務証券の英国非居住者である保有者に対する利息および元本の支払を制限す
るような英国の外国為替管理制度は存在しない。
3【課税上の取扱い】
(1)【英国の租税制度】
以下は、(ⅰ)当社のシリーズBプログラムまたは(ⅱ)当社のシリーズKプログラムのいずれかに係る一般
社債要項に基づき社債として当社が発行する有価証券(あわせて「本プログラム社債」)の元利金の支払に関す
る本書の日付現在の英国の源泉徴収課税制度の概要である。以下においては、本プログラム社債の取得、保有、
処分または放棄に係るその他の英国税務上の側面については触れておらず、また本プログラム社債以外の有価証
券の取扱いについても触れていない。本プログラム社債の発行および引受、本プログラム社債の購入、処分また
は決済等の本プログラム社債に関する取引は、購入予定者に対して、英国税務上の影響(譲渡税および本プログ
ラム社債についてなされる支払からの英国の租税のためのまたは英国の租税を理由として行われる可能性のある
源泉徴収または控除を含むが、これらに限定されない)を及ぼす可能性がある。かかる税務上の影響は、特に投
資予定者の地位や、価格決定追補書類に定める特定の本社債に係る条件等に左右される。本項は、英国歳入関税
庁(「歳入関税庁」)の現行の法律および実務に基づいており、これらは場合により遡及的効力をもって変更さ
れる可能性がある。以下の記述はもっぱら本プログラム社債の絶対的な受益権者である者の税務ポジションに関
するものである。関連価格決定追補書類に定めるあるシリーズの本プログラム社債の特定の発行条件は、当該シ
リーズのまたはその他のシリーズの本プログラム社債の税務上の取扱いに影響を及ぼす可能性がある。以下の記
述は一般的な指針であり、慎重な取扱いを要する。また、税務上の助言として記載されたものではなく、購入予
定者に関係する可能性のある税務上の考慮事項を網羅することを意図したものでもない。
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A. 社債-発行会社による利払いに対する英国源泉徴収税
1. 1年未満の満期期間にて発行された(かつ、本プログラム社債を合計で1年以上の期間に及ぶ借入れの一
環とする旨の取決めに基づき発行されたのではない)本プログラム社債に係る利息は、英国所得税のための
または英国所得税を理由とする源泉徴収または控除を受けることなく当社より支払うことが可能である。
2. 1年以上の満期期間にて(または、本プログラム社債を合計で1年以上の期間に及ぶ借入れの一環とする
旨の取決めに基づき)発行された本プログラム社債に係る利息は、英国所得税のためのまたは英国所得税を
理由とする源泉徴収または控除を受けることなく当社より支払うことが可能であるが、当社が2000年金融
サービス市場法の趣旨において認可されており、今後も認可を維持し、当社の事業の全部または主要部分
が、現在および今後も、本人として金融商品(2007年所得税法第885条に定めるところによる)を取引する
ことによって構成され、かつ、当該支払がかかる事業の通常の営業過程において行われることを条件とす
る。歳入関税庁公表のガイダンスに基づき、利息は、当該利息を生じる取引の特性が主に英国の租税を回避
することを目的としている場合を除き、一般に通常の営業過程において支払われたものと認められると理解
されている。
3. 他のすべての場合においては、本プログラム社債に係る利息は、基本税率(現在20パーセント)の英国所
得税を控除した上で支払われることとなるが、適用ある二重課税防止条約の規定に基づき歳入関税庁の指示
に従い利用可能な減税措置または適用されるその他の免税措置に従うことを前提とする。
B. 捺印証書に基づく支払
当社が捺印証書に基づき行う支払は、上記の英国源泉徴収税の免除を受けることはできない。
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C. 英国源泉徴収税に関するその他の規則
1. 本プログラム社債が、プレミアムを上乗せした価格で償還されるか、またはその可能性がある場合、かか
るプレミアム部分は利息の支払を構成する可能性がある。利息の支払は上記の英国源泉徴収税の適用を受け
る。
2. 利息が英国所得税を控除された上で支払われた場合、英国の居住者でない社債権者は、適用ある二重課税
防止条約に該当する規定がある場合、控除された租税の全部または一部の還付を受けることができる場合が
ある。
3. 本英国税制セクションにおいて「利息」という場合、英国税法上の理解に基づく「利息」を意味する(一
定の場合は割引を含む)。上記の記述は、その他の法律に基づく「利息」もしくは「元本」の異なる定義ま
たは本プログラム社債もしくは関連書類の条件により定められる異なる定義を考慮していない。本社債に係
る支払が、英国の税務上利息を構成しない場合(または利息として取り扱われない場合)において、支払が
英国を源泉とするときは、かかる支払が英国の税務上、たとえば年次支払金、マニュファクチャード・ペイ
メント、貸料または使用料を構成する(またはそのように取り扱われる)のであれば、かかる支払は英国源
泉徴収税を課される可能性がある。ただし、上記Aに記載の免除はこの場合は適用されない可能性がある。
かかる支払が英国源泉徴収税の課税対象である場合(特に本プログラム社債の価格決定追補書類に定める条
件等によって判断される)、かかる支払は、英国の租税の控除(源泉徴収税率は、支払の性質によって異な
る)を受けた上でなされる可能性がある。ただし、適用される源泉徴収税の免税措置および適用ある二重課
税防止条約の規定に基づき利用可能な減税措置に従うことを前提とする。
4. 上記の英国源泉徴収税の課税見解に関する記述は、当社の代位が行われないことを前提としており、かか
る代位による税務上の影響については考慮していない。
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(2)【日本の租税制度】
日本の租税
(a) 社債の利息に対する課税
日本国の居住者または日本国の法人が支払を受ける社債の利息は、日本国の租税に関する現行法令の定め
るところにより一般的に課税対象となる。
日本の居住者が、日本国内における支払取扱者を通じて利息を受け取る場合には、当該利息金額(外国に
おける当該利息の支払の際に外国の源泉徴収税が徴収される場合、当該控除後の金額)につき、以下の税率
で源泉徴収が行われる。
利息の支払を受けるべき期間 日本国の居住者の源泉徴収税率
2016 年1月1日~ 2037 年 12 月 31 日 所得税 15.315 %* + 地方税5%
2038 年1月1日以降 所得税 15 % + 地方税5%
* 2011年の震災に関連する復興特別所得税を含む
さらに、日本国の居住者は、申告不要制度または申告分離課税を選択することができ、申告分離課税を選
択した場合には以下の税率が適用される(ただし、外国で徴収された税額がある場合には、その金額は一定
の範囲内で日本における課税額から控除される)。
利息の支払を受けるべき期間 日本国の居住者に対する課税率
2013 年1月1日~ 2037 年 12 月 31 日 所得税 15.315 %* + 地方税5%
2038 年1月1日以降 所得税 15 % + 地方税5%
* 2011年の震災に関連する復興特別所得税を含む
日本国の法人が、日本国内における支払取扱者を通じて利息を受け取る場合には、当該利息金額(外国に
おける当該利息の支払の際に外国の源泉徴収税が徴収される場合、当該控除後の金額)につき、以下の税率
で源泉徴収が行われる。
利息の支払を受けるべき期間 日本国の法人の源泉徴収税率
2016 年1月1日~2037年12月31日 所得税15.315%*
2038 年1月1日以降 所得税15%
* 2011年の震災に関連する復興特別所得税を含む
日本国の法人の場合、源泉徴収された所得税の額は、それぞれ、当該年度にかかる法人税の額から控除す
ることができる。
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(b) 一定の振替社債等につき非居住者または外国法人が支払を受ける利息または償還差益に対する非課税措
置
一定の振替社債等につき非居住者または外国法人が支払を受ける利息または償還差益については、一定の
要件を満たす場合に、日本国の所得税および法人税が非課税とされる。
(c) 社債の譲渡によって生じる所得
社債の譲渡によって生じる所得については、その譲渡人が日本の法人である場合は益金となる。譲渡人が
日本の居住者である場合には、社債の譲渡によって生じる所得については20.315パーセント(2038年1月1
日以降は20パーセント)の税率による申告分離課税の対象となる。
4【法律意見】
当社の法律顧問であるアシャースト・LLPは、法律意見書記載の日付時点における次の趣旨の法律意見書を
2021年6月23日付で提出している。
(1) 当社は、1985年英国会社法に基づき適法に設立され1994年2月25日に無限責任会社として再登記されて
いる。
(2) 彼らの知りかつ信ずるところによれば、本有価証券報告書の「第一部 企業情報」の「第1 本国にお
ける法制等の概要」に含まれる、「1 会社制度等の概要」および「2 外国為替管理制度」と題する
項の内容は、イングランド法に関する記述を構成する限り、すべての重要な点において真実かつ正確で
ある。
(3) 本有価証券報告書の「第一部 企業情報」の「第1 本国における法制等の概要」に含まれる、「3
課税上の取扱い (1)英国の租税制度」と題する項の内容は、それらの記述が英国の税法に関する事
項の概要を述べる意図である限りにおいて、当該事項の適正な概略である。彼らは、本有価証券報告書
の上記の項目に明確に記されているものを除き、いずれの英国の課税上の影響についても、いかなる意
見も申し述べることを依頼されておらず、またいかなる意見も表明していない。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
国際財務報告基準(「IFRS」)
(単位:百万ドル)
2020 年12月31日に 2019 年11月30日に
-
終了した期間 終了した期間
営業活動による/(に使用された)
16,453 (2,646 ) -
純キャッシュ
投資活動による/(に使用された)
422 (421 ) -
純キャッシュ
財務活動による純キャッシュ 1,672 1,515 -
現金および現金同等物、
43,718 22,359 -
当座貸越純額、期末残高
税引前利益 3,524 2,434 -
当期純利益 2,755 2,008 -
当期包括利益合計 2,569 1,739 -
2020 年12月31日現在 2019 年11月30日現在 2018 年12月1日現在
資産合計 1,267,858 1,041,576 887,573
負債合計 1,231,280 1,007,322 853,656
株主資本合計 36,578 34,254 33,917
注:2020年度中、財務書類は2006年会社法およびEUで適用される欧州議会・理事会規則1606/2002に従って採用された国際財務
報告基準(IFRS)の要件に基づき、国際会計基準に従って作成された。当社は過年度においては、英国会計基準に基づき、FRS
第101号「簡易化された開示のフレームワーク」(「FRS第101号」)に準拠した財務書類を作成していた。
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英国会計基準
(単位:百万ドル)
2019 年11月30日に 2018 年11月30日に 2017 年12月31日に 2016 年12月31日に
終了した期間 終了した期間 終了した期間 終了した期間
営業利益 2,656 3,259 2,389 2,280
税引前利益 2,426 3,030 2,091 1,943
当期純利益 1,802 2,198 1,557 1,456
2019 年11月30日現在 2018 年11月30日現在 2017 年12月31日現在 2016 年12月31日現在
固定資産 409 315 210 140
流動資産 1,040,845 886,652 939,863 934,129
株主持分合計 34,248 33,917 31,701 27,533
2【沿革】
沿革および発展
正式名称、登記地、登記番号および設立日
GSI は、「トラシェルフコー・リミテッド(Trushelfco Limited)」(番号1266)の商号で1988年6月2日
に設立された英国会社である。GSIは、1988年9月21日に「ゴールドマン・サックス・インターナショナル・
リミテッド(Goldman Sachs International Limited)」に商号変更し、1994年2月25日、イングランドおよ
びウェールズの非公開の無限責任会社として英国の会社登記官に対して再登記された(登記番号02263951)。
これ以前は、「ゴールドマン・サックス・インターナショナル・リミテッド(Goldman Sachs International
Limited)」の商号で有限責任会社として登記されていた。GSIは、英国の健全性監督機構(「PRA」)により
認可され、英国の金融行為監督機構(「FCA」)およびPRAの規制対象となっており、また、英国の2000年金融
サービス市場法(「FSMA」)に基づく認可業者(authorised person)であり、それらの規則に従わなくては
ならない。GSIおよびその関連会社の一部は、様々な取引所の会員であり、ロンドン証券取引所およびロンド
ン国際金融先物取引所の規則等、それら取引所の規則に従わなくてはならない。GSIの関連会社の一部もま
た、FCAおよびPRAの規制対象となっている。
登記上の事務所
GSI の登記上の事務所の所在地は英国 EC4A 4AU ロンドン シューレーン 25 プラムツリー・コート
(Plumtree Court, 25 Shoe Lane, London EC4A 4AU, United Kingdom)であり、電話番号は+44 (0)20 7774
1000である。
正式名称および商号
GSI の正式名称および商号は、ゴールドマン・サックス・インターナショナル(Goldman Sachs
International)である。
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3【事業の内容】
以下は、当社の2020年度アニュアル・レポートの抄訳である。
はじめに
ゴールドマン・サックス・インターナショナル(「GSI」または「当社」)は、世界中の顧客に対して幅広
い金融サービスを提供している。当社はまた、ヨーロッパ、中東およびアフリカ(「EMEA」)の顧客に金融
サービスを提供するために、これらの地域全体にわたり数多くの支店および駐在員事務所を有している。
当社の主要な規制機関は、健全性監督機構(「PRA」)および金融行為監督機構(「FCA」)である。
当社の最終親会社かつ支配事業体は、ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク(「グループ・イン
ク」)である。グループ・インクは、米国の連邦準備制度理事会(「FRB」)の規制対象である銀行持株会社
であり、金融持株会社である。当社に関して、「GSグループ関連会社」とは、グループ・インクまたはその子
会社のいずれをも意味する。GSグループは、法人、金融機関、政府および個人を含む大規模かつ多様な顧客層
に対し、投資銀行業務、証券業務、投資運用業務および消費者向け銀行業務にわたる幅広い金融サービスを提
供している一流のグローバル金融機関である。米国において一般に公正妥当と認められている会計原則(「米
国会計基準」)に準拠して作成された当社の決算内容は、GSグループの連結財務書類に含まれている。
当社は、その顧客が選任するアドバイザーとなること、およびグローバル金融市場の主要な参加者となるこ
とを目指している。当社はまた、GSグループの一員として、日常的な業務の過程において、そのマーケット・
メイキング業務および通常業務の一部として、関連会社との取引を行っている。
当社は、次の事業活動により収益を上げている。それらの事業活動は、投資銀行業務、債券・為替・コモ
ディティ(「FICC」)関連業務、株式関連業務および投資運用業務(アセット・マネジメント業務および富裕
層向け金融業務が含まれる)である。
当社は、社員のプロ意識、卓越性、多様性および連携、ならびに高水準の商業倫理を育む労働環境を維持す
べく努力している。当社は、顧客に対して素晴らしい成果をもたらすためには、最も能力が高い人員が必要で
あると認識している。性別、民族性、性的指向、バックグラウンド、文化および教育の観点から多様な労働力
を有することにより、より良いアイディア、商品およびサービスの開発が確保される。ゴールドマン・サック
スの人員、文化および多様性へのコミットメントに関する詳細については、当社のウェブサイト
www.goldmansachs.com/our-firm/people-and-culture 参照。
「財務書類」への言及は、本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書
類」に記載されている監査済財務書類および取締役報告書を指す。
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有価証券報告書
「2020年12月」への言及はいずれも、2020年12月31日に終了した13ヶ月間または文脈により当該決算日を指
す。「2019年11月」への言及はいずれも、2019年11月30日に終了した12ヶ月間または文脈により当該決算日を
指す。
2020 年12月に終了した期間中、当社は国際財務報告基準(「IFRS」)を採用した。当社はこれまで、英国に
おいて一般に公正妥当と認められている会計慣行(「英国会計基準」)に準拠した財務書類を作成していた。
そのため当社は、本アニュアル・レポートの作成にあたり、IFRS第1号「IFRSの初度適用」(「IFRS第1
号」)の規定を適用している。
2020 年12月に終了した期間中、当社は米国の税務申告上使用している期間に合わせるため、会計上の基準日
を11月30日から12月31日に変更した。そのため、財務書類は2020年12月31日に終了した13ヶ月について作成さ
れており、比較情報は2019年11月30日に終了した12ヶ月について表示されている。結果として、本アニュア
ル・レポートに記載されている金額は、直接比較可能ではない。
当社の金融リスク管理および資本管理に関してIFRSにより要求される一定の開示は、2020年度アニュアル・
レポートの戦略報告書におけるその他のリスク管理および規制上の情報と共に表示されている。かかる開示
は、関連する箇所で、監査済として特定されている。2020年度アニュアル・レポートの戦略報告書中のその他
すべての情報は、未監査である。
GSI の業務は、(ⅰ)有価証券の引受・販売業務、(ⅱ)社債および株式ならびに米国以外のソブリン債およ
びモーゲージ証券の取引、(ⅲ)スワップおよびデリバティブ商品の締結、(ⅳ)M&A、(ⅴ)再編、私募なら
びにリースおよびプロジェクト・ファイナンスに対するファイナンシャル・アドバイザリー・サービス、(ⅵ)
不動産仲介および融資、ならびに(ⅶ)マーチャント・バンキングおよび株式仲介ならびにリサーチを含み、か
つ、その収益はこれらに関して発生する。法人、金融機関、政府および個人投資家を含む世界中の広範かつ多様
な顧客層に対して金融サービスが提供されている。
以下は、当社の2020年度アニュアル・レポートの抄訳である。
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自己資本管理および規制上の自己資本
自己資本比率は、当社にとって非常に重要である。当社は、通常の業務状況とストレス下の状況の双方にお
いて、自己資本の適切な水準および構成を維持する上で有用となる枠組を示し、目的を定め、指針を示す総合
的な資本管理方針を定めている。
自己資本管理(監査済)
当社は、現在および将来における当社の規制上の自己資本要件、当社の資本計画およびストレス・テス
ト・プロセスの結果、破綻処理資金モデルの結果、ならびに格付機関のガイドライン、事業環境および金融
市況等のその他の要因を含む複数の要因を考慮した上で、当社の適正な自己資本の額および構成を決定す
る。
当社の資本計画およびストレス・テスト・プロセスには、PRAの自己資本充実度内部評価プロセス
(「ICAAP」)のガイドラインに基づき構築された、内部で策定されたストレス・テストが組み込まれてい
る。かかるプロセスは、市場リスク、信用リスク、オペレーションリスクおよびその他のリスクを含む事業
活動に関連する重大なリスクを特定および計測するようにも設計されている。当社は、強いストレス事由が
生じた後でも当社の自己資本比率が適正な水準に保たれるように、十分な自己資本を維持することを目標と
している。当社の自己資本比率の評価は、流動性比率の評価と共に検討され、当社の全社的なリスク管理の
体制、ガバナンスおよび方針の枠組に統合される。
また、当社の総合的な資本管理方針の一環として、緊急時資本計画が維持されている。この緊急時資本計
画は、認識された、または実際の資本不足を分析し、これに対処するための枠組を定めている。これには、
資本不足の原因を特定することのほか、その緩和策および潜在的な方策を見極めることが含まれるが、これ
らに限定されない。緊急時資本計画は、危機発生期間中に従うべき適切なコミュニケーション手続(内部の
情報伝達を含む)のほか、外部の利害関係者に対する適時のコミュニケーションについての概要も定めてい
る。
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規制上の自己資本(監査済)
ブレグジットの移行期間中(かかる移行期間は2020年12月31日をもって終了した)、当社は、EU資本要求
指令(「CRD」)およびEU自己資本規制(「CRR」)において規定されている、EUの規制対象金融機関に関す
る自己資本規制の枠組に服していた。これらの自己資本規制は、バーゼル銀行監督委員会(「バーゼル委員
会」)による国際的な自己資本比率水準を強化した自己資本規制の枠組(「バーゼル3」)に概ね基づいて
いる。バーゼル委員会は、健全な銀行規制に係るグローバルな基準を設定する主要な機関であり、その加盟
法域においては、同委員会の基準およびガイドラインに基づく規制が実施されている。ブレグジットの移行
期間が終了した2020年12月31日からは、当社は、英国における自己資本規制の枠組(かかる枠組は、大部分
がEUにおける自己資本規制の枠組に沿ったものである)に服することとなった。
リスク・ベースの自己資本要件は、規制上の自己資本指標とリスク・ウェイト資産(「RWA」)を比較し
た自己資本比率として表示される。普通株式等Tier1(「CET1」)資本比率とは、CET1資本をRWAで除した値
として定義される。Tier1資本比率は、Tier1資本をRWAで除した値として定義される。総自己資本比率は、
総自己資本をRWAで除した値として定義される。
CET1 資本、Tier1資本および総自己資本比率の要件(総称して「Pillar 1自己資本要件」)は、以下によ
り補完される。
・CET1資本として認められる自己資本のみで構成される、RWAの2.5パーセントにあたる資本保全バッ
ファー。
・過度の信用拡大に対抗することを目的とした、最大でRWAの2.5パーセントにあたる(同じくCET1資本の
みで構成される)カウンターシクリカル資本バッファー。同バッファーは、カウンターシクリカルバッ
ファーを発表している法域に拠点を置く特定の種類の取引相手先に対する当社のエクスポージャーにの
み適用される。2020年12月現在の同バッファーは、無視できる程度であった。当社に対して適用あるカ
ウンターシクリカル資本バッファーは将来変更される可能性があり、その結果、当社のリスク・ベース
の自己資本要件が引き上げられる可能性がある。
・Pillar 2Aに基づく個別自己資本要件(Pillar 1では十分に把握できないリスクをカバーするための追
加額)。PRAは、監督当局として当社のICAAPを定期的に審査しており、それに基づきPRAは、Pillar 2A
に基づく個別自己資本要件に関する最終決定を下す。同個別自己資本要件は、当社が保持しているべき
とPRAが考える自己資本の最低額に関する基準点における評価である。
2020 年3月11日に、イングランド銀行は、英国のカウンターシクリカル資本バッファーを、2020年3月11
日付で英国内の借主と取引相手先に対する銀行のエクスポージャーの1パーセントから0パーセントに引き
下げた旨を発表した。このレートは、少なくとも2022年度第4四半期まで当社に適用される見込みであり、
これにより当社のCET1資本比率要件は約0.20パーセント減少することとなった。
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規制上のリスク・ベースの自己資本比率
下表は、当社のリスク・ベースの最小自己資本要件に関する情報を示したものである。
2020 年12月現在 2019 年11月現在
CET1 資本比率 8.1 % 8.8 %
Tier1 資本比率 10.0 % 10.7 %
総自己資本比率 12.5 % 13.4 %
上表において、
・リスク・ベースの最小自己資本要件は、PRAから受領したPillar 2A資本ガイダンスを組み込んだもので
あり、将来的に変更される可能性がある。
・新型コロナウイルス感染症(「COVID-19」)パンデミックへの対応として当社の規制当局により公表さ
れた、カウンターシクリカル資本バッファーの引下げおよびPillar 2A自己資本要件の変更により、当
社のリスク・ベースの最小自己資本要件は、2019年11月と比較して引き下げられた。
Pillar 2A 自己資本要件に加え、PRAは、ストレス下の市況において損失を吸収するために当社に必要であ
るとPRAがみなす自己資本を示す、フォワード・ルッキングな自己資本要件も定義している。同要件は、
Pillar 2Bまたは「PRAバッファー」として知られており、上記の要件には反映されていない。
下表は、当社のリスク・ベースの自己資本比率に関する情報を示したものである。
(単位:百万ドル) 2020 年12月現在 2019 年11月現在
リスク・ベースの自己資本およびRWA
CET1 資本 26,962 24,082
その他Tier1債 8,300 8,300
Tier1 資本 35,262 32,382
Tier2 資本 5,377 5,377
総自己資本 40,639 37,759
RWA 252,355 206,768
リスク・ベースの自己資本比率
CET1 資本比率 10.7 % 11.6 %
Tier1 資本比率 14.0 % 15.7 %
総自己資本比率 16.1 % 18.3 %
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上表において、
・2020年12月現在における当社のCET1資本比率、Tier1資本比率および総自己資本比率は、主として2020
年10月1日から2020年12月31日までの当社の利益に帰属する23ベーシス・ポイントを含んでいる。当該
期間中の利益は、財務書類の確定時をもって規制上の自己資本に含めることが承認されている。
・2020年12月現在における当社のCET1資本比率、Tier1資本比率および総自己資本比率は、2019年11月現
在と比較して低下した。これは、主として、当社のRWAの増加(詳細については、下記「リスク・ウェ
イト資産」参照)によるものであったが、CET1資本の増加により部分的に相殺された。
一定の健全性規則は、当社の監督当局により公表される追加のガイダンスおよび解説の対象となる。すべ
ての自己資本、RWAおよび比率は、適用ある規則についての現時点における解釈、予測および理解に基づい
ており、同規則の解釈および適用に関する当社の規制当局との協議次第で変更される可能性がある。
リスク・ベースの自己資本(監査済)
下表は、当社のリスク・ベースの自己資本に関する情報を示したものである。
( 単位:百万ドル) 2020 年12月現在 2019 年11月現在 2018 年12月1日現在
払込資本金 598 590 582
資本剰余金 5,568 5,196 4,864
利益剰余金 22,437 20,338 20,070
その他の包括利益累計額 (325 ) (168 ) 101
控除項目 (1,316 ) (1,874 ) (1,718 )
CET1 資本 26,962 24,082 23,899
その他Tier1債 8,300 8,300 8,300
Tier1 資本 35,262 32,382 32,199
Tier2 資本 5,377 5,377 5,377
総自己資本 40,639 37,759 37,576
当社は、2020年12月に終了した期間および2019年11月に終了した期間のいずれにおいても、PRAにより設
定された自己資本要件を満たしていた。
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リスク・ウェイト資産
下表は、当社のRWAに関する情報を示したものである。
( 単位:百万ドル) 2020 年12月現在 2019 年11月現在
信用RWA 132,441 106,329
市場RWA 103,761 85,031
オペレーションRWA 16,153 15,408
合計 252,355 206,768
上表において、
・2020年12月現在の信用RWAの項目は、主として、ボラティリティの水準の上昇を主因としてデリバティ
ブのエクスポージャーが増加したことを反映して、2019年11月現在と比較して261.1億ドル増加した。
・2020年12月現在の市場RWAの項目は、主として、市場のボラティリティの上昇を主因としてバリュー・
アット・リスク(「VaR」)が増加したことを反映して、2019年11月現在と比較して187.3億ドル増加し
た。
信用リスク
信用RWAは、エクスポージャー指標に基づき計算されており、その後リスク加重される。エクスポー
ジャー額は、一般に以下に基づいている。
・オンバランスシート資産については、帳簿価額。
・オフバランスシート・エクスポージャー(コミットメントおよび保証を含む)については、信用相当
値のエクスポージャー額は、各エクスポージャーの名目上の金額に信用換算係数を乗じて得られた値
に基づき計算される。
カウンターパーティー信用リスクは、信用リスク合計の構成要素であり、デリバティブ、証券金融取引
および信用貸から生じる信用エクスポージャーを含んでいる。
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市場リスク
トレーディング勘定のポジションは、市場リスクに係る自己資本要件を満たさなければならない。この
要件は、規制当局により予め設定された水準または内部モデルのうち、いずれかに基づいたものとなる。
市場リスクに関する規制上の自己資本規則は、会社がそのリスク・ベースの自己資本要件を算出するため
にどの内部モデルを使用する場合であっても、事前にその規制当局から書面による承認を受けなければな
らないと定めている。
市場リスクに係るRWAは、エクスポージャー指標に基づき算出される。これには以下の内部モデルが含
まれる。すなわち、VaR、ストレス下におけるVaR(「SVaR」)、追加的リスク、および包括的リスク指標
(PRAにおける全価格リスク指標に該当し、フロアが設定されている)である。VaRに関する情報について
は、本書第一部第3 3(3)「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-市場リスク
管理-リスク指標(監査済)」参照。また、CRRに基づく標準ルールも、一定の証券化・非証券化ポジ
ションに関する市場リスクに係るRWAを算定するために、適用あるネッティング後のかかるポジションに
対し規制当局により予め設定されたリスク加重要素を適用する方法で用いられる。市場リスクに係るRWA
は、これらの各指標の合計に12.5を乗じた値である。
オペレーションリスク
当社のオペレーションリスクに係る自己資本要件は、現在、標準的手法に基づき計算されている。この
標準的手法により、該当する会社は、その業務を定められた8つの事業ラインまたは分類に分けることを
要求されている。各事業ラインには、当該事業ラインの3年間の平均収益(ただし、特別利益等一部の所
定の項目は除外される)に適用されるベータ因子が割り当てられる。費用は計算に含まれない。個々の事
業ラインの要件の合計に12.5を乗じることにより、オペレーションRWAの値が得られる。
集中リスク
CRR の下では、機関は、自らの大口エクスポージャーをモニターおよび管理することが要求される。大
口エクスポージャーの枠組は、個別の取引相手先または関係する取引相手先のグループに対して過度に依
存するリスクを制限するよう設計されている。当該機関の個別の取引相手先または関係する取引相手先へ
のエクスポージャーのすべてに対して適用される一般的な限度額が存在し、それは適格資本の25パーセン
トに設定されている。かかる枠組には、報告要件、ハード・リミットおよびトレーディング勘定の大口エ
クスポージャーに対する付加的な集中資本費用が含まれる。2020年12月現在および2019年11月現在、当社
は集中リスク自己資本要件を有していない。
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レバレッジ比率
当社は、CRRの定義によるエクスポージャーを用いてそのレバレッジ比率をモニターおよび開示すること
を要求されている。ブレグジットの移行期間中、当社は、一定のEU金融機関について3パーセントの最低レ
バレッジ比率要件を設ける内容の、CRRにおいて定められたレバレッジ比率の枠組の対象となっていた。ブ
レグジットの後、当社は、2022年1月に発効予定のPRAによる類似のレバレッジ比率の要件の対象となる予
定である 。 このレバレッジ比率は、CRRの定義によるTier1資本を、レバレッジ・エクスポージャー(一定の
資産と、一定のオフバランスシート・エクスポージャー(デリバティブの指標、証券金融取引、コミットメ
ントおよび保証を含む)の合計額から、Tier1資本の控除項目を減じた額と定義される)の指標と比較する
ものである。
下表は、当社のレバレッジ比率に関する情報を示したものである。
( 単位:百万ドル) 2020 年12月現在 2019 年11月現在
Tier1 資本 35,262 32,382
レバレッジ・エクスポージャー 751,188 740,306
レバレッジ比率 4.7 % 4.4 %
上表において、2020年12月現在のレバレッジ比率は、主としてTier1資本の増加により2019年11月現在と
比較して上昇したが、レバレッジ・エクスポージャーの増加により部分的に相殺された。
このレバレッジ比率は、同規則についての当社の現時点における解釈および理解に基づいており、同規則
の解釈および適用に関する当社の規制当局との協議次第で変更される可能性がある。
自己資本および適格債務の最低基準
当社は、GSグループ関連会社向けに発行される自己資本および適格債務の最低基準(「MREL」)の対象と
なっている。同基準は、2019年1月1日から段階的に導入が開始された移行期間を経て、2022年1月1日付
で完全に発効する予定である。
2020 年12月現在、当社のMRELは573.3億ドルで、当社の移行期間中の最低基準を超過しており、その内訳
は、当社の規制上の総自己資本が406.4億ドル、適格優先関係会社間借入金(未払利息を除く)が166.9億ド
ルであった。
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4【関係会社の状況】
(1) 親会社
ゴールドマン・サックスの概要
デラウェア法人であるザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク(「グループ・インク」)は、連結
子会社と共に(あわせて「当会社」)、法人、金融機関、政府および個人を含む大規模かつ多様な顧客基盤に
対し、投資銀行業務、証券業務、投資運用業務および消費者向け銀行業務にわたる幅広い金融サービスを提供
している一流のグローバル金融機関である。当会社は1869年に設立され、本社をニューヨークに置き、営業所
を世界中のあらゆる主要な金融中心地区に有している。
グループ・インクの修正基本定款に基づくその授権株式資本は、1株当たり額面0.01ドルの4,350,000,000
株から成り、その内訳は以下のとおりである。
(a)優先株式に指定された株式150,000,000株。うち、2021年3月現在 340,282 株が発行済であり、 340,280
株が社外流通している。
(b)普通株式に指定された株式4,000,000,000株。うち、2021年3月現在 906,270,681 株が発行済であり、
340,018,220 株が社外流通している。
(c)無議決権普通株式に指定された株式200,000,000株。2021年3月現在これらは全株が未発行であり、社
外流通していない。
グループ・インク取締役会の事務所住所および電話番号は、グループ・インクの本店の住所および電話番号
と同じ、ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク(The Goldman Sachs Group, Inc.)、アメリカ合
衆国10282ニューヨーク州ニューヨーク、ウェスト・ストリート200(200 West Street, New York, New York
10282, U.S.A.)、電話番号:+1(212)902-1000である。
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グループ・インク は、デラウェア州法に基づき設立され、また下図に示されるとおり、GSIの持分の100パー
セントを間接的に保有している。
ゴールドマン・サックス・グループの持株構造
(2) 重要な子会社および関連会社
本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類-(6)財務書類に対する注
記」注記18「その他の事業体に対する持分」参照。
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5【従業員の状況】
人件費の分析については、本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類-
(6)財務書類に対する注記」注記8「報酬および給付」参照。2020年12月31日現在、従業員数合計は、4,115名で
あった。
また、本書第一部第6 1「財務書類-取締役報告書-従業員との関係」および「-障がい者の雇用」も参
照。
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第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1)経営方針・経営戦略等
本書第一部第2 3「事業の内容」、下記3(3)「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の
分析」および本書第一部第5 3「コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの
概要-④リスク管理」参照。
(2)経営環境及び対処すべき課題
下記2「事業等のリスク」および3(3)「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」参
照。
2【事業等のリスク】
以下は、当社の2020年度アニュアル・レポートの抄訳である。
主なリスクおよび不確実性
当社は、当社の事業にとって本質的であり、また当社の事業に内在する様々なリスクにさらされている。
当社がさらされている主なリスクおよび不確実性は、市場リスク、流動性リスク、信用リスク、オペレーショ
ンリスク、法務リスクおよび規制上のリスク、市場開拓リスクおよび事業環境全般に関するリスク、ならびに競
争上のリスクである。これらのリスクについて、以下に要約する。
市場リスク
・当社の事業は、これまでグローバル金融市況およびより広範な経済情勢による悪影響を受けてきており、将
来においても同様となる可能性がある。
・当社の事業は、とりわけ当社がネットの「ロング」ポジションをとっている業務や、当社が運用している資
産の価値に基づく報酬を受領する業務、または担保を受領したり差し入れたりする業務において、これまで
資産価値の下落による悪影響を受けてきており、将来においても同様となる可能性がある。
流動性リスク
・当社が債券市場を利用できなかった場合または当社が資産を売却できなかった場合、当社の流動性、収益性
および事業に悪影響が及ぶ可能性がある。
・当社の事業は、これまで信用枠の縮小および信用枠を得るための費用の上昇を含む、クレジット市場の混乱
または流動性の欠如による悪影響を受けてきており、将来においても同様となる可能性がある。
・当社の信用格付が低下した場合、または当社のクレジット・スプレッドが拡大した場合、当社の流動性およ
び資金調達費用に悪影響が及ぶ可能性がある。
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信用リスク
・第三者の信用の質が低下した場合または第三者が債務を履行しない場合、当社の事業、収益性および流動性
に悪影響が及ぶ可能性がある。
・リスクの集中は、当社のマーケット・メイキング、引受、投資および財務活動に対する重大な損失の可能性
を増加させる。
・デリバティブ取引および書類作成または決済の遅延により、当社が信用リスク、予期せぬリスクおよび潜在
的な損失にさらされる可能性がある。
オペレーションリスク
・当社または第三者のオペレーション・システムやインフラの故障のほか、人為的なエラー、不正行為または
他の違法行為が生じた場合、当社の流動性が損なわれ、当社の事業に支障が生じ、機密情報の漏洩が生じ、
当社の評判が傷つき、そして当社が損失を被るおそれがある。
・当社のコンピューター・システム、ネットワークおよび情報ならびに当社の顧客の情報を、サイバー攻撃お
よび同様の脅威から保護できない場合、当社の事業遂行能力が損なわれ、機密情報の漏洩、窃取または破壊
がもたらされ、当社の評判が傷つき、そして当社が損失を被るおそれがある。
・リスク管理のプロセスおよび戦略の効果がなかった場合、当社が損失を被る可能性がある。
・当社は、パンデミック、テロ攻撃、異常気象もしくはその他の自然災害を含む、予見できない事象または大
災害により損失を被る可能性がある。
・気候変動に対する懸念は、当社の事業を中断させ、顧客取引水準に悪影響を及ぼし、当社の取引相手先の信
用力に悪影響を及ぼし、また当社の社会的評価を悪化させるおそれがある。
・当社は顧客向け事業、様々なサービスおよび資本について、グループ・インクおよび他のGSグループ関連会
社に依存している。
法務リスクおよび規制上のリスク
・当社および当社の顧客の事業は、全世界の広範囲に及ぶ規制の対象となっている。
・潜在的な利益相反を適切に特定し、かつ適切にそれに対処できなかった場合、当社の事業に悪影響が及ぶお
それがある。
・当社は、政府および関連規制当局による監視の強化またはネガティブな報道により、悪影響を受ける可能性
がある。
・当社に多大な民事上もしくは刑事上の責任の負担が発生した場合または当社が重要な規制措置の対象とされ
た場合には、当社の財務に重大な悪影響が及び、または当社の社会的評価が著しく悪化するおそれがあり、
その結果、事業の見通しに重大な支障が生じるおそれがある。
・世界中で事業を遂行するにあたり、当社は、多数の国々において営業活動を行うことに内在する政治的リス
ク、法務リスク、規制上のリスク、およびその他のリスクにさらされている。
・大手金融機関の秩序ある破綻処理を促進するための規制戦略および要件の適用により、当社の証券保有者に
対して、より大きな損失リスクがもたらされるおそれがある。
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市場開拓リスクおよび事業環境全般に関するリスク
・当社の事業、財務状態、流動性および業績は、これまでCOVID-19パンデミックによる悪影響を受けてきてお
り、将来においても同様となる可能性がある。
・ブレグジットに関する当社の戦略は、効果的ではない可能性がある。
・一定の当社の事業、資金調達手段および金融商品は、銀行間取引金利(「IBOR」)、とりわけロンドン銀行
間取引金利(「LIBOR」)の変動または廃止により悪影響を受ける可能性がある。
・一定の当社の事業および資金調達手段は、当社が提供する商品もしくは当社が行う資金調達に関連するその
他の指標金利、通貨、指数、バスケットまたは上場ファンド(「ETF」)の変動により悪影響を受ける可能
性がある。
・業務上の新しい取組および買収により、当社は新規の活動に携わり、新しい場所で営業活動を行い、より多
岐にわたる顧客および取引相手先と取引を行い、また新しい資産クラスおよび新しい市場にさらされること
となり、その結果当社はより多くのリスクに直面している。
競争上のリスク
・当社の業績は、これまで当社の顧客基盤の構成による悪影響を受けてきており、将来においても同様となる
可能性がある。
・金融サービス業界は激しい競争にさらされている。
・当社が能力のある社員を採用し、確保することができなかった場合、当社の事業に悪影響が及ぶだろう。
当社のリスク管理プロセスに関する詳細については、本書第一部第5 3「コーポレート・ガバナンスの状況
等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要-④リスク管理-リスク管理の概要および体制」参照。また、当社
のリスク分野およびリスク低減策に関する情報については、下記3(3)「財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フローの状況の分析-流動性リスク管理」、「-市場リスク管理」、「-信用リスク管理」、「-オペ
レーションリスク管理」および「-モデルリスク管理」参照。
以下は、上記に概要を示した当社の主なリスクおよび不確実性の詳細である。
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市場リスク
当社の事業は、これまでグローバル金融市況およびより広範な経済情勢による悪影響を受けてきており、将
来においても同様となる可能性がある。
当社の事業からの利益は、その性質上、予測不可能である。当社の事業は、一般的に、グローバル金融市
況および経済情勢によって直接的に、かつ、それらが顧客取引水準および信用力に及ぼす影響を通じて重大
な影響を受ける。これらの状況は急速に変化し、そして悪化する場合がある。
当社の財務成績は、当社が事業を行う環境に大きく左右される。有利な事業環境は、通常、とりわけ次の
ような特徴を備えている。それらは、世界的に国内総生産が大きく成長していること、規制状況および市況
が資本市場の透明性、流動性および効率性をもたらしていること、インフレ率が低いこと、企業、消費者お
よび投資家の景況感、地政学的情勢が安定していること、ならびに企業収益が堅調なこと等である。
経済情勢および市況の不利または不確実な状態は、①経済成長、事業活動、または投資家、企業もしくは
消費者の景況感の低水準もしくは悪化、②パンデミック、③信用枠および資本の利用の制約またはコストの
増加、④非流動的な市場、⑤インフレ率、金利、為替レート、もしくは基本的コモディティ価格のボラティ
リティまたは債務不履行率の上昇、⑥ソブリン債不履行の懸念、⑦財政政策または金融政策に関する不透明
感、⑧税率引上の可能性その他の規制の変更の範囲およびそれらに関する不透明感、⑨国際貿易および渡航
に対する関税の賦課またはその他の制限、⑩国内外の関係の緊張もしくは紛争、テロ、核拡散、サイバーセ
キュリティに対する脅威もしくは攻撃およびグローバル通信、エネルギー伝送もしくは運輸網へのその他の
形の断絶もしくは縮小の発生、またはその他の地政学的な不安定性もしくは不確実性、⑪投資家の資本市場
に対する信頼感を損なうような企業、政治またはその他の不祥事、⑫異常気象またはその他の自然災害、あ
るいは⑬これらまたはその他の要因の組合せにより発生する場合がある。
金融サービス業界ならびに証券市場およびその他の金融市場は、過去に、ほぼすべての資産クラスにおけ
る価値の大幅な下落、深刻な流動性の欠如および高い借主不履行の水準により、重大な悪影響を被った。ま
た、新型コロナウイルス感染症(「COVID-19」)パンデミック、欧州ソブリン債リスクおよびその欧州銀行
システムに対する影響、ブレグジットの影響、関税の賦課およびそれを受けたその他の国々による措置、な
らびに潜在的または実際の金利およびその他の市況の変動の結果ならびにそれらに関する懸念は、時に著し
いボラティリティをもたらし、顧客取引水準に悪影響を及ぼした。
経済、政治および市場活動ならびに規制改革の範囲、時期およびその影響に関する全般的な不透明感のほ
か、主にそのような不透明感がもたらす消費者、投資家および首席経営執行役員の景況感の冷え込みは、過
去において顧客取引に悪影響を及ぼしており、これは当社の事業の多くに悪影響を及ぼす場合がある。ボラ
ティリティが低い期間および流動性の欠如と相まったボラティリティの高い期間は、時折、当社のマーケッ
ト・メイキング事業に悪影響を及ぼしてきた。
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金融機関の利益率は、将来的な金融危機時においてかかる金融機関に対して行われることが予想される政
府援助の欠如を一因とする資金調達費用の増加により、政府援助が維持される国々における金融機関と比較
した場合、悪影響を受ける可能性がある。また、金融市場内の流動性も、市場参加者ならびに市場慣行およ
び構成が発展を続ける規制上の枠組に適合し続けることにより悪影響を受けてきた。
当社の事業は、とりわけ当社がネットの「ロング」ポジションをとっている業務や、当社が運用している資
産の価値に基づく報酬を受領する業務、または担保を受領したり差し入れたりする業務において、これまで
資産価値の下落による悪影響を受けてきており、将来においても同様となる可能性がある。
当社の事業の多くは、債券、ローン、デリバティブ、モーゲージ、持分証券(プライベート・エクイティ
を含む)およびその他の大部分の資産クラスにおいて、ネットの「ロング」ポジションをとっている。これ
らには、取引所におけるマーケット・メイキング活動を含む、当社が顧客取引を円滑にするために行う自己
勘定での取引の際に、または当社が金利およびクレジット商品のほか、為替、コモディティ、株式および
モーゲージ関連取引におけるポジションを維持するために多額の資金を投入する際にとるポジションが含ま
れる。また、当社は類似する資産クラスに対して投資を行っている。当社の投資およびマーケット・メイキ
ング・ポジションの実質的にすべては毎日時価評価されており、資産価値の下落は、当社がそれらの下落に
対するエクスポージャーを効果的に「ヘッジ」していない場合、直接そして直ちに利益に影響を及ぼす。
一定の状況下においては(特に、自由に取引できず、または確立され流動性のある取引市場が存在しない
クレジット商品およびプライベート・エクイティまたはその他の有価証券の場合)、当社のエクスポー
ジャーをヘッジすることができないまたは不経済となる可能性があり、ヘッジを行った場合でもその範囲に
おいてヘッジが効果的でない可能性や、資産価値の上昇から当社が利益を得る能力が大きく低下する可能性
がある。資産価格の急激な下落および高いボラティリティは、過去において一定の資産の取引市場を大幅に
縮小しまたは廃止させており、将来も同様となる可能性があり、これにより、それらの資産を売却、ヘッ
ジ、または評価することが困難になる可能性がある。資産を売却しまたは効果的にヘッジすることができな
い場合、それらのポジションにおける損失を抑える当社の能力が低下し、また、資産の評価が困難な場合、
当社の自己資本比率、流動性比率またはレバレッジ比率に悪影響を及ぼし、当社の資金調達費用を増大さ
せ、さらに、一般論として追加の資本を維持することが要求される可能性がある。
当社の取引所におけるマーケット・メイキング活動においては、当社は証券取引所の規則に基づき市場の
秩序を保つ義務を課されており、それには下落しつつある市場において有価証券を購入することも含まれて
いる。資産価値が下落している市場および不安定な市場においては、このことにより損失が生じ流動性の必
要性が増す。
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当社の債務を裏付けるために担保の差入れが行われ、また顧客および取引相手先の債務を裏付けるために
担保が受領される。担保として差し入れられた資産の価値またはかかる担保を差し入れた当事者の信用格付
が下落した場合、かかる担保を差し入れた当事者は、追加担保を提供しなければならない可能性があり、ま
た、可能な場合、そのトレーディング・ポジションを減少させなければならない可能性がある。このような
状況の一例として、委託売買口座に関する「追い証の請求」がある。したがって、担保として利用されてい
る資産クラスの価値の下落は、ポジションの資金調達費用の上昇か、ポジションの規模の縮小を意味する。
当社が担保を提供している当事者である場合、この状況は費用を増加させ、収益性を低下させる場合があ
る。また、当社が担保を受領している当事者である場合でも、顧客および取引相手先との事業活動水準の低
下により収益性が低下する場合がある。また、不安定なまたは流動性が低い市場は資産の評価をより困難に
し、これにより資産価値および必要な担保の水準をめぐって多額の費用と時間を要する紛争が起こる場合が
あるほか、適切な担保を受領することの遅延による、担保の受領者に係る信用リスクを増大させる場合があ
る。当社が担保権を実行する場合、当社は、担保の価値または流動性の突然の低下により、信用のモニタリ
ングを行い、超過担保を有し、追加担保を請求する能力または原債務の返済を強制する能力を有しているに
もかかわらず、とりわけその債務を裏付ける担保が一種類である場合、大幅な損失を被る可能性がある。ま
た、当社は、かかる担保権の実行が法律文書上許容されていなかった、不適切に行われた、または顧客もし
くは取引相手先を倒産させた等の訴えを受ける可能性がある。
流動性リスク
当社が債券市場を利用できなかった場合または当社が資産を売却できなかった場合、当社の流動性、収益性
および事業に悪影響が及ぶ可能性がある。
流動性は当社の事業に不可欠なものである。金融機関の破綻の大部分は、主として流動性の不足により生
じたものであるため、当社にとって流動性は極めて重要である。担保付および/もしくは無担保債券市場を
利用できない場合、グループ・インク(ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク)もしくは他のGS
グループ関連会社(グループ・インクもしくはその子会社)から資金を調達できない場合、資産を売却でき
ない場合もしくは投資を償還できない場合、取引の決済が適時に行われない場合、またはその他の予測不可
能な現金支出もしくは担保の流出を被った場合には、当社の流動性が損なわれる可能性がある。第三者、当
社もしくはその関連会社に影響する全般的な市場・経済の混乱やオペレーション上の問題等の当社の支配が
及ばない可能性がある事由によって、または当社もしくはその他の市場参加者の流動性リスクが高まってい
るという認識が市場参加者の間に広まることによってでさえ、かかる事態が生じる可能性がある。
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当社は、当社の顧客に利益をもたらし、当社自身のリスクをヘッジするために仕組商品を用いている。当
社が保有している金融商品および当社が当事者となっている契約は、多くの場合複雑なものであり、これら
の複雑な仕組商品は、多くの場合、流動性ストレス下においてすぐに利用できる市場を有していない。当社
の投資および財務活動により、それらの活動による持分が特定の市場のかなりの部分を占めるという状況に
つながる可能性があり、これにより、当社のポジションの流動性が制限されるおそれがある。
さらに、かかる資産に対して一般的に流動性のある市場が存在しない場合のほか、他の市場参加者が当社
と同時に同種の通常は全般的に流動性のある資産を売却しようとした場合(流動性やその他の市場の危機の
際または規則もしくは規制の変更に反応して生じる可能性が高い)にも、当社の資産売却能力が損なわれる
可能性がある。また、当社がやり取りを行っている金融機関は、厳しい市況においても、相殺権または追加
担保を要求する権利を行使する可能性があり、これにより当社の流動性がさらに損なわれるおそれがある。
流動性に関係する規制上の変更も、当社の経営成績および競争力に悪影響を及ぼす可能性がある。大手金
融機関に対しより厳格な流動性要件を導入するための数多くの規制が採用または提案されている。これらの
規制は、とりわけ流動性ストレス・テスト、最低流動性要件、ホールセール資金調達、最上位の持株会社に
より発行される短期債務および仕組債に対する制限、総損失吸収能力(「TLAC」)保有の削減、ならびに特
定のクロス・デフォルトの対象である親会社保証の禁止に向けられたものである。新たな、そして将来の流
動性関連の規制は、大手金融機関に対して適用ある最低長期債務要件およびTLAC、ならびに自己資本、レバ
レッジおよび破綻処理・再建枠組に関連する規則を含む、その他の規制上の変更と重複する可能性があり、
かつ、それらの影響を受ける可能性がある。これらの新たな、そして将来の規制との間の重複および複雑な
相互作用を考慮した場合、それらは意図せぬ累積的影響を生じさせる可能性があり、そして、規制改革の採
用が進められ、市場慣行が発展していく中、それらによる影響の全貌は依然として不透明である。
当社の事業は、これまで信用枠の縮小および信用枠を得るための費用の上昇を含む、クレジット市場の混乱
または流動性の欠如による悪影響を受けてきており、将来においても同様となる可能性がある。
当社またはグループ・インクのクレジット・スプレッドの拡大のほか、信用枠の大幅な縮小は、過去にお
いて当社が担保付または無担保で借入を行う能力に悪影響を及ぼしてきており、将来においても同様となる
可能性がある。当社は、その無担保の資金調達の大部分をグループ・インクから間接的に得ている。グルー
プ・インクは、長期債務の発行、その銀行子会社での預金受入、ハイブリッド金融商品の発行、および銀行
ローンや貸出限度額からの融資により無担保ベースで資金を調達している。当社は、資産調達の多くを担保
付ベースで行うよう努めている。クレジット市場の混乱時には、事業のための資金を調達することがより困
難になり、またその費用も増大する可能性がある。当社が利用可能な資金調達が限定されている場合、また
は当社が営業活動のための資金調達をより多額の費用で行わなければならない場合は、これらの状況により
事業活動を縮小し、資金調達費用を増加させなければならない可能性がある。どちらの状況も、特に、投資
およびマーケット・メイキングに関連する事業における収益性を低下させるおそれがある。
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M&A およびその他の種類の戦略的取引を行う顧客は、しばしばそれらの取引の資金を調達するために担保
付および無担保のクレジット市場の利用に頼っている。利用可能な信用枠がないこと、または信用コストの
増加は、顧客によるM&A取引の規模、取引高および時期に悪影響を及ぼす場合があり、それはとりわけ大規
模な取引で顕著となり、また当社のファイナンシャル・アドバイザリーおよび引受業務に悪影響を及ぼす場
合がある。
当社の信用事業は、これまでクレジット市場の流動性の欠如による悪影響を受けてきており、将来におい
ても同様となる可能性がある。流動性の欠如は、価格の透明性を低下させ、価格のボラティリティを引き上
げ、さらに取引の量および規模を縮小させる。これらすべては、かかる事業の取引リスクを増加させ、また
は収益性を低下させる場合がある。
当社の信用格付が低下した場合、または当社のクレジット・スプレッドが拡大した場合、当社の流動性およ
び資金調達費用に悪影響が及ぶ可能性がある。
当社は、グループ・インクの間接完全所有事業子会社であり、資本および資金調達についてグループ・イ
ンクに依存している。当社およびグループ・インクの信用格付は、当社の流動性に大きな影響を及ぼす。当
社および/またはグループ・インクの信用格付が低下した場合には、当社の流動性や競争力に悪影響が及
び、借入コストが増加し、資本市場の利用もしくはグループ・インクからの資金調達を制限され、または一
部のトレーディング契約や担保付融資契約の一定の規定に基づく義務を生じさせる結果となるおそれがあ
る。これらの規定に基づき、取引相手先に当社もしくはグループ・インクとの契約を解除する権利または追
加担保を要求する権利が生じるおそれがある。トレーディング契約や担保付融資契約を解除された場合に
は、グループ・インクもしくは当社は他の資金調達源を確保する必要に迫られるまたは多額の現金支払や有
価証券の譲渡を要求されることとなり、その結果、損失が発生し、流動性が損なわれるおそれがある。
当社が長期かつ無担保の資金調達を行うための費用は、当社とグループ・インクの双方のクレジット・ス
プレッドに直接関連している。当社および/またはグループ・インクのクレジット・スプレッドの拡大は、
この方法での資金調達の費用を大幅に増加させる場合がある。クレジット・スプレッドの変動は継続的で、
市況に左右され、時に予測不可能かつ極めて不安定な動向に左右される。当社および/またはグループ・イ
ンクのクレジット・スプレッドは、当社および/またはグループ・インクの信用力に関する市場認識ならび
にグループ・インクの長期債務を参照するクレジット・デフォルト・スワップの購入者の費用の変動による
影響も受ける。クレジット・デフォルト・スワップの市場は、非常に不安定で、時折高度な透明性や流動性
を有していない場合があることが分かっている。
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信用リスク
第三者の信用の質が低下した場合または第三者が債務を履行しない場合、当社の事業、収益性および流動性
に悪影響が及ぶ可能性がある。
当社は、金銭、有価証券またはその他の資産を借りている第三者が債務を履行しないリスクにさらされて
いる。これらの当事者は、破産、流動性の欠如、オペレーション障害またはその他の理由により、当社に対
する債務を履行しない可能性がある。重要な市場参加者による債務不履行、またはそのような当事者が債務
不履行を起こす懸念のみでさえ、他の機関の流動性に関わる重大な問題、損失または債務不履行の発生につ
ながり、その結果、当社に悪影響が及ぶおそれがある。
当社はまた、いかなる状況下においても第三者に対する権利を行使できるとは限らないというリスクも有
している。さらに、当社がその発行する有価証券を保有している、または当社に対し債務を負う第三者の信
用の質が低下した場合(第三者が当社に対する債務を保証するためにデリバティブ契約およびローン契約に
基づき当社に差し入れた担保の価値の低下を含む)、損失が発生するおそれがあり、および/または、当社
が流動性を維持する目的でこれらの有価証券もしくは債務を再担保に供するか、その他の方法で利用する能
力に悪影響が及ぶおそれがある。
当社の取引相手先の信用格付が大幅に引き下げられた場合も、当社の業績に悪影響が及ぶおそれがある。
多くの場合において当社は、財政難に直面している取引相手先に追加担保を要求することを認められている
ものの、当社が受領する権利を有している担保および担保資産の価額について紛争が生じる可能性がある。
契約の解除および担保権の実行により、当社は、当社の権利を不適切に行使したとの主張を受ける可能性が
ある。債務不履行率、格下げ、および担保物件の査定に関する取引相手先との紛争は、概して、市場ストレ
スが発生している時、ボラティリティが上昇している時または流動性が低下している時において大幅に増加
する。
リスクの集中は、当社のマーケット・メイキング、引受、投資および財務活動に対する重大な損失の可能性
を増加させる。
リスクの集中は、マーケット・メイキング、引受、投資および財務活動に対する重大な損失の可能性を増
加させる。これらの取引の件数および規模は、これまで一定期間内で当社の経営成績に影響を及ぼしてきて
おり、将来においても同様に影響を及ぼす可能性がある。さらに、リスクが集中していることが原因で、当
社は、経済情勢および市況が競合他社にとっては一般に有利な場合であっても損失を被る可能性がある。ク
レジット市場の混乱は、これらの信用エクスポージャーを効果的または経済的にヘッジすることを困難にす
る場合がある。
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通常の業務過程において、当社は特定の取引相手先、借主、発行体(ソブリン発行体を含む)または地理
的地域もしくはEU等の関連国のグループに対する信用リスクの集中にさらされる可能性がある。そのような
事業体に破綻もしくは格下げまたは債務不履行が生じた場合、当社の事業に(おそらく重大な)悪影響が及
ぶおそれがあり、個々の事業体、業界、国および地域に対する当社の信用エクスポージャーの水準の上限を
設け、モニターしているシステムが、予測していたようには機能しない可能性がある。欧州市場インフラ規
則ならびに米国ドッド・フランク・ウォール街改革および消費者保護法を含む規制改革によって、特定の決
済機関、中央機関または取引所を通じての取引活動への集中の増大が生じており、このことは、これらの事
業体に関する当社のリスクの集中を著しく増大させた。当社の活動により、当社は多くの異なる業界、取引
相手先および国家と関わっている一方、当社は、ブローカーおよびディーラー、商業銀行、決済機関ならび
に取引所を含む金融サービス活動に従事する取引相手先と定期的に大量の取引を行っている。これにより、
これらの取引相手先に関して著しい信用集中が起きている。
デリバティブ取引および書類作成または決済の遅延により、当社が信用リスク、予期せぬリスクおよび潜在
的な損失にさらされる可能性がある。
当社は、信用デリバティブを含む大量のデリバティブ取引の当事者である。これらデリバティブ商品の多
くは、個別に交渉が行われ、標準化されていないものであるため、解約、譲渡またはポジションを決済する
ことが困難となる場合がある。多くの信用デリバティブにおいては、支払を受けるためには、当社は取引相
手先に対して、対象となる有価証券、ローンまたはその他の債務を提供しなければならない。多くの場合に
おいて、当社は、対象となる有価証券、ローンまたはその他の債務を保有しておらず、対象となる有価証
券、ローンまたはその他の債務を得ることができない可能性がある。このことにより、これらの契約に基づ
き当社が期限の到来した支払を受ける権利を喪失するおそれがあり、または、決済の遅延やそれらに付随し
た信用リスクおよびオペレーションリスクにさらされるおそれがあるほか、当社の費用が増大するおそれが
ある。
国際スワップ・デリバティブ協会ユニバーサル・レゾリューション・ステイ・プロトコル(「ISDAユニ
バーサル・プロトコル」)および国際スワップ・デリバティブ協会2018年米国レゾリューション・ステイ・
プロトコル(総称して「ISDAプロトコルズ」)の締約者として、当社は取引相手先に対する解除権およびそ
の他の是正措置を行使できない可能性があり、またこの新たな制度はいまだ検証されていないため、当社
は、解除事由が発生した際に直ちに取引を終了できれば被ることが想定されなかったであろうリスクまたは
損失を被る可能性がある。多様な米国以外の規制当局は、ISDAユニバーサル・プロトコルにより検討された
規制を採用または提案しており、これにより、取引相手先に対する是正措置を行使する当社の能力にさらな
る制限が課せられる可能性がある。ISDAプロトコルズおよびこれらの規則と規制は、買戻条件付有価証券
(「買戻条件付契約」)およびデリバティブ契約ではないその他の商品にまで及ぶものであり、その影響
は、市場慣行および市場構造の発展に左右される。
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第三者と締結したデリバティブ契約やその他の取引は、必ずしも取引相手先により適時に約定確認または
決済がされているわけではない。取引が約定確認未了または決済が少しでも遅延した状態の間は、当社の信
用リスクおよびオペレーションリスクは増大し、債務不履行があった場合、当社の権利を行使することがよ
り困難となる可能性がある。
また、広範な対象となるクレジットおよびその他の商品をカバーする、新しい複雑なデリバティブ商品が
作られるにつれ、対象となる契約の条件に関する紛争が生じるおそれがある。かかる紛争は、当社がこれら
の商品によるリスク・エクスポージャーを有効に管理する能力を損なわせ、当社にコスト増を生じさせるお
それがある。信用デリバティブおよびその他の店頭デリバティブの中央清算を要求する法律の規定や、標準
化されたデリバティブへの市場のシフトは、これらの取引に関連したリスクの軽減につながる可能性がある
が、一定の状況下では、顧客のニーズに最も合致するデリバティブを開発する当社の能力および当社自身の
リスクをヘッジする当社の能力を制限し、当社の収益性に悪影響を及ぼすおそれがあり、また中央清算プ
ラットフォームに対する信用エクスポージャーを増大させた。
オペレーションリスク
当社または第三者のオペレーション・システムやインフラの故障のほか、人為的なエラー、不正行為または
他の違法行為が生じた場合、当社の流動性が損なわれ、当社の事業に支障が生じ、機密情報の漏洩が生じ、
当社の評判が傷つき、そして当社が損失を被るおそれがある。
当社の事業は、多数かつ多様な市場における、様々な通貨による大量の取引(多くの場合、高度に複雑で
あり非常に大きな規模で頻繁に行われている)を日常的に処理およびモニターする能力によって大きく左右
される。これらの取引のほか、顧客に提供されているITサービスは、多くの場合、法律上および規制上の基
準ならびに顧客毎の固有のガイドラインを遵守したものでなければならない。
世界中の多数の規則および規制は、当社の取引を執行する義務ならびに規制当局、取引所および投資家に
当該取引およびその他の情報を報告する義務を規定している。これらの法的要件および報告要件の遵守は難
しい場合もあり、当社はこれまで、これらの規則を遵守しなかったことによる、または、これらの規則に従
い正確かつ完全な情報を適時に報告しなかったことによる規制上の罰金および罰則の対象となったことがあ
り、また将来においても同様に対象となる可能性がある。かかる要件が拡大するに伴い、これらの規則およ
び規制を遵守することはより一層難しくなっている。
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計算装置および電話の使用は当社の社員の業務ならびに当社、当社の顧客、第三者サービス提供者および
ベンダーのシステムおよび事業のオペレーションに不可欠である。これらの重要性は、とりわけCOVID-19パ
ンデミックを受けて実施された在宅勤務体制によって増し続けている。コンピューターおよびコンピュー
ター・ネットワークは、特に、サイバー攻撃、内在する技術上の欠陥、システム障害および人為的なエラー
を含む様々なリスクにさらされている。たとえば、過去には、これらの計算装置および電話の多くに使用さ
れているコンピューターチップにおける根本的なセキュリティ欠陥が報告されており、将来においてもそれ
らが発見される可能性がある。クラウド技術もまた、当社のシステムおよびプラットフォームのオペレー
ションに不可欠であり、当社のクラウド技術への依存は高まっている。サービスの途絶は、当社の事業に
とって重要なデータへのアクセス遅延やその喪失につながる可能性があり、当社の顧客による当社のプラッ
トフォームへのアクセスを阻害する可能性がある。これらの問題および類似した問題への対応には多くの費
用がかかるおそれがあり、これらの事業およびシステムのパフォーマンスに影響を及ぼすおそれがある。修
正を行う場合にはオペレーションリスクを招く可能性があり、またセキュリティリスクの残存の可能性も依
然としてある。
加えて、分散型台帳技術および類似技術の普及および適用の範囲が広がっているとはいえ、かかる技術も
まだ初期段階にすぎず、サイバー攻撃への脆弱性やその他の固有の脆弱性を有している可能性がある。当社
は、ブロックチェーンまたは暗号通貨等の分散型台帳技術と関連する金融商品を伴う顧客取引の当社による
円滑化、分散型台帳技術に基づくプラットフォームの開発を目指す会社への当社による投資、ならびに第三
者ベンダー、顧客、取引相手先、決済機関およびその他の金融仲介機関による分散型台帳技術の使用を通じ
たものを含む、分散型台帳技術に関連するリスクにさらされている、または将来さらされる可能性がある。
また、当社は、有価証券およびデリバティブの取引を円滑に行うために利用している決済代理機関、取引
所、決済機関またはその他の金融仲介機関のいずれかのオペレーション障害もしくは著しいオペレーション
遅延、機能停止または容量制約のリスクに直面している。顧客との相互接続性が増大するにつれ、当社が直
面する、顧客のシステムに関連するオペレーション障害または著しいオペレーション遅延のリスクはますま
す増大することとなる。
当社のレジリエンス計画およびそのための設備にもかかわらず、当社の事業やその所在地の地域社会を支
えるインフラに不具合が生じた結果、当社が事業を遂行する能力に悪影響が及ぶ可能性がある。これには、
当社、当社の社員またはその取引先である第三者(クラウドサービス・プロバイダーを含む)が使用する電
気、衛星、海底ケーブル、またはその他の通信、インターネット、輸送もしくはその他の設備の途絶があっ
た場合が含まれる。これらの途絶は、当社の社屋やシステムもしくはかかる第三者の社屋やシステムのみに
影響を及ぼす事象の結果として生じるか、または、世界、地域規模で、もしくは当社やかかる第三者の社屋
やシステムが位置する都市に対して影響を及ぼすより広範に及ぶ事象(自然災害、戦争、社会不安、テロ、
経済的もしくは政治的進展、パンデミックおよび気象事象を含むが、これらに限定されない)の結果として
生じる可能性がある。
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また、当社は自らのレジリエンスを向上させるために第三者ベンダーの多様化に努めているものの、当社
のベンダーに共通するサービス提供者における不具合またはその他のIT関連の事象により、かかるベンダー
の当社へ商品またはサービスを提供する能力(当社の業務上の新しい取組に関連したものを含む)に支障が
生じるリスクにもさらされている。当社は、当社のベンダーが共通するサービス提供者を使用することに関
連するオペレーションリスクを効果的にモニターし、または低減させることができない可能性がある。
当社のコンピューター・システム、ネットワークおよび情報ならびに当社の顧客の情報を、サイバー攻撃お
よび同様の脅威から保護できない場合、当社の事業遂行能力が損なわれ、機密情報の漏洩、窃取または破壊
がもたらされ、当社の評判が傷つき、そして当社が損失を被るおそれがある。
当社は、日常的にサービス妨害攻撃を含むサイバー攻撃の標的とされており、当社の技術インフラの完全
性および機能性ならびに当社のデータへのアクセスおよびそのセキュリティを保護するため、継続的に当社
のシステムをモニターし開発しなければならない。COVID-19パンデミックを受けて在宅勤務体制が実施され
たこと等のように、当社における通信が当社の提供するデバイスから社員の所有するデバイスへより一層移
行するにつれ、さらなるサイバー攻撃のリスクが発生している。また、第三者ベンダー(および各第三者ベ
ンダーのサービス提供者)、中央機関、取引所、決済機関およびその他の金融機関との間に相互接続性があ
るため、これらのいずれかがサイバー攻撃を受けそれが成功してしまった場合、またはいずれかにその他の
情報セキュリティ上の事象が生じた場合、当社は悪影響を受けるおそれがある。これらの影響には、サイ
バー攻撃を受けたまたはその他の情報セキュリティ上の事象が生じた第三者の情報またはサービスへのアク
セスの喪失が含まれるおそれがあり、これにより、当社の業務の一部が妨害されるおそれがある。
当社は、当社のシステムおよび情報の完全性を確保するため努力を払っているが、あらゆるサイバー攻撃
の脅威を予測もしくは検出しまたはそれらに対する有効な防止手段を講じることはできない可能性がある。
これは、特に、使用される技術がますます洗練され、頻繁に変更され、また多くの場合攻撃が開始されるま
で認識されることがないことを理由とする。サイバー攻撃は、様々な出所から発生する場合があり、これに
は、外国政府と関係しているかもしくは外国政府から資金提供を受けている、または組織犯罪もしくはテロ
リスト組織に関係している第三者が含まれる。さらに、第三者は、当社の営業所内に個人を送り込むことを
試みたり、あるいは社員、顧客またはその他の当社システムの利用者に対し、機密情報を漏洩させ、または
当社もしくは当社の顧客のデータへのアクセスを提供させようとしたりする可能性があるが、これらの種類
のリスクは、検出または防止が困難である可能性がある。
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当社は、積極的に保護対策を講じており、状況に応じてそれらを変更するよう努力しているが、当社のコ
ンピューター・システム、ソフトウェアおよびネットワークは、不正アクセス、不正使用、コンピュー
ター・ウイルスまたはその他の悪質なコード、当社のベンダーに対するサイバー攻撃およびセキュリティに
影響を及ぼすおそれのあるその他の事象に対して脆弱である可能性がある。当社のシステムの複雑さと相互
接続性により、保護対策を強化する過程そのものがシステムの混乱およびセキュリティ上の問題を引き起こ
す場合がある。また、当社がそのデータを区分化するために講じる保護対策は、サイバー脅威および当社の
システムにおける問題に対する当社の可視性を低下させ、それらに対処する当社の能力に悪影響を及ぼす可
能性がある。
このような事象が1つまたは複数生じた場合、当社のコンピューター・システムおよびネットワーク上で
処理・保存され、またはそこから送信される当社または当社の顧客もしくは取引相手先の機密情報およびそ
の他の情報を危険にさらすおそれ、あるいは、当社、当社の顧客、当社の取引相手先、または第三者のオペ
レーションに障害をもたらすか、それらの機能を損なうおそれが潜在的にあり、その結果、それらが当社と
取引を行う能力に影響が及ぶおそれ、あるいは法的措置もしくは規制措置の対象となる、多大な損失を被
る、または評判被害を受けるおそれがある。さらに、かかる事象は、発見されるまで長期間にわたり持続す
るおそれがあり、また、発見の後、流出した情報の範囲、分量および種類に関する完全かつ信頼のおける情
報を当社が取得するためには多大な時間を要するおそれがある。調査の過程において、かかる事象の影響の
全貌およびそれを是正する方法を当社が認識できない可能性があり、また、採られた措置、下された判断お
よび生じた誤りにより、かかる事象が当社の事業、経営成績および社会的評価に及ぼす悪影響がさらに増大
する可能性がある。
当社の保護対策を変更するため、および脆弱性またはその他のエクスポージャーを調査し修正するため
に、当社はこれまで多大な資源を継続的に費やしてきており、今後も引き続きそうする予定であるが、これ
らの措置は効果的でない可能性があり、また、当社が、保険の対象となっていないか、当社が掛けている保
険によっては完全に保護されない法的措置または規制措置の対象となるほか、財務的損失を被る可能性があ
る。
当社の機密情報はまた、顧客個人の電子機器のセキュリティ危殆化によるか、または無関係の会社におけ
るデータセキュリティ侵害によりリスクにさらされる可能性がある。アカウントの不正使用による損失は、
当社の社会的評価を損なうおそれがあり、当社の事業、財政状況および経営成績に悪影響を及ぼす可能性が
ある。
モバイルおよびクラウド技術の利用増加や在宅勤務体制は、これらおよびその他のオペレーションリスク
を高める場合がある。かかる技術のセキュリティの一定の側面は、予測不可能または当社の制御が及ばない
ものであり、モバイル技術の提供者およびクラウドサービス・プロバイダーが適切にそのシステムを保護
し、サイバー攻撃を防止できない場合、当社のオペレーションに支障を来し、機密情報およびその他の情報
の不正流用、破壊または喪失につながるおそれがある。また、暗号化およびその他の保護対策には、高度な
ものであるにもかかわらず、とりわけ新たなコンピューティング技術により利用可能なスピードおよびコン
ピューティング能力が大幅に向上する限り、打破されるリスクがある。
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当社は電子メールおよびその他の電子的手段により、日常的に個人情報、機密情報および専有情報を送受
信している。当社はこれまで、顧客、ベンダー、サービス提供者、取引相手先およびその他の第三者と協議
し、共同して安全な伝送能力を確立しサイバー攻撃に対する防御を行おうとしてきているが、当社の顧客、
ベンダー、サービス提供者、取引相手先およびその他の第三者すべてとの間では、安全な能力を確立できて
はおらず、これを確立することができない可能性がある。また当社は、これらの第三者が情報の機密を保持
するための適切な統制を設けることを確保できない可能性がある。顧客、ベンダー、サービス提供者、取引
相手先もしくはその他の第三者に送信し、またはそれらから受信した個人情報、機密情報もしくは専有情報
の傍受、不正利用または取扱いミスは、法的責任および規制措置の対象となるおそれがあり、また、それら
により評判が損なわれる結果となるおそれがある。
リスク管理のプロセスおよび戦略の効果がなかった場合、当社が損失を被る可能性がある。
当社は、様々な、別個の、しかし相互補完的な財務、信用、オペレーション、コンプライアンスおよび法
務に関する報告体系、内部統制、経営監査プロセス、ならびにその他の手段を網羅するリスクおよび統制の
枠組により、当社のリスク・エクスポージャーをモニターし、統制するよう努めている。当社のリスク管理
プロセスは、潜在的な損失に対する当社のエクスポージャーを、当社のマーケット・メイキング・ポジショ
ンおよび引受業務により利益を得る能力で埋め合わせをしようとするものである。当社は、リスクのモニタ
リングおよびリスクの低減に関わる幅広く多様な手法を採用しているが、これらの手法と、その適用に伴う
判断によっても、すべての経済的および財務上の結果を予想することはできず、また、それらの結果につい
ての詳細および時期も予想できない。このため、当社はこれまで、その活動の過程において損失を被ってき
ており、将来においても同様となる可能性がある。近年の市況は、未曾有の混乱状態にあり、リスクを管理
する際にヒストリカルデータを利用することに内在する限界を浮き彫りにした。
当社がリスク・エクスポージャーを評価し管理するために利用しているモデルは、様々な資産クラスの価
格またはその他の市場の指標の間のコリレーションの程度や有無に関する仮定を反映したものとなってい
る。市場ストレス時やその他の予測不可能な状況下では、従前にはコリレーションがなかった指標の間にコ
リレーションが生じる可能性があり、また逆に、従前にはコリレーションが存在していた指標が、異なる方
向に進展する可能性がある。このような形の市場の変動は、時に当社のヘッジ戦略の有効性を制限し、当社
に多大な損害を負わせてきており、そして、これらは将来も起こる可能性がある。これらのコリレーション
の変化は、これまで、他の市場参加者が当社と同様の仮定またはアルゴリズムを伴うリスクまたは取引モデ
ルを使用している場合には悪化しており、将来においても同様となる可能性がある。このような場合および
その他の場合においても、他の市場参加者の活動や、資産価値が大幅に減少し、または一部の資産に関して
市場が存在しないといった状況を含む広範囲に及ぶ市場の混乱により、当社のリスク・ポジションを削減す
ることが難しくなる可能性がある。
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また、リスク管理およびその他の数多くの重要な活動に関連してモデルを用いることには、不十分な設
計、効果的でないテスト、または不適切もしくは欠陥のある入力データにより、ならびに当該モデルが無許
可で利用された結果当該モデルまたは入力データに未承認のまたは悪意ある変更が生じることにより、かか
るモデルが効果を発揮しない可能性があるというリスクが伴う。
当社がそのマーケット・メイキングまたは組成業務を通じたポジションをとる範囲において、あるいは確
立された流動的な取引市場を持たないか、またはその他の理由で売却もしくはヘッジについて制限が課され
ているプライベート・エクイティを含む当社の投資活動により当社が直接投資を行う範囲においては、当社
はそのポジションを縮小できない可能性があり、そのためそれらのポジションに関連したリスクを削減でき
ない可能性がある。また、適用ある法令により認められる範囲内において、当社は、当社の自己資本を当社
が運用するプライベート・エクイティ、クレジット、不動産およびヘッジファンドに投資しており、当社が
これらのファンドに対する投資の一部またはすべてを引き揚げることが、法律上の理由、評判に関わる理
由、またはその他の理由により制限された場合には、当社がこれらの投資に関するリスク・エクスポー
ジャーを管理することがより困難になる可能性がある。
適切なリスク管理のほか、規制上の制限により、当社の取引相手先、地理的地域または市場に対するエク
スポージャーが制限される可能性があり、これにより当社の事業機会が制限され、資金調達またはヘッジ活
動の費用が増加する可能性がある。
当社は、パンデミック、テロ攻撃、異常気象もしくはその他の自然災害を含む、予見できない事象または大
災害により損失を被る可能性がある。
COVID-19 のようなパンデミックまたはその他の広範囲にわたる保健衛生上の緊急事態(またはそのような
緊急事態が発生する可能性に関する懸念)、テロ攻撃、地球上もしくは太陽に関係する異常気象またはその
他の自然災害を含む、予見できない事象あるいは大災害が発生した場合、経済および金融の混乱が発生する
おそれがあり、それにより当社がその事業を運営する能力が損なわれ、損失を被り得る営業活動上の問題
(移動の制限および当社オフィスの出勤率の制限を含む)が発生するおそれがある。
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気候変動に対する懸念は、当社の事業を中断させ、顧客取引水準に悪影響を及ぼし、当社の取引相手先の信
用力に悪影響を及ぼし、また当社の社会的評価を悪化させるおそれがある。
気候変動は、当社のいずれかまたは複数の主たる所在地における営業活動を中断させる異常気象を引き起
こす可能性があり、これにより、当社が顧客に対してサービスを提供し、顧客と関わり合う能力に悪影響が
及ぶ可能性がある。気候変動は、当社の顧客の財務状態に対して悪影響を及ぼす可能性もあり、これによ
り、これらの顧客からの収益が減少し、かつ、これらの顧客に対するローンおよびその他の信用エクスポー
ジャーに関する信用リスクが増大する可能性がある。さらに、当社または当社の顧客による、気候変動の発
生や悪化に関係する一定の業界またはプロジェクトへの関与、および気候変動に関連した問題を受けて当社
が下す、その活動を継続したり、変更したりする判断の結果として、当社の社会的評価および顧客との関係
が悪化する可能性がある。気候変動に関する新たな規制やガイダンスのほか、株主、社員またはその他の利
害関係者の気候変動に関する見解は、当社が一定の活動に従事することができるか否か、または当社が一定
の商品を提供することができるか否かと、それを行う場合はその条件に影響を及ぼす可能性がある。
当社は顧客向け事業、様々なサービスおよび資本について、グループ・インクおよび他のGSグループ関連会
社に依存している。
当社は、グループ・インクの完全所有子会社である。完全所有子会社であるため、当社は、グループ・イ
ンクおよび他のGSグループ関連会社全般の様々な取引関係に依存している。当該取引関係には、様々なサー
ビスを受ける能力のほか、部分的には、当社の最終親会社であるグループ・インクの資本および流動性なら
びにゴールドマン・サックス・ファンディング・エルエルシー(「ファンディングIHC」)の流動性が含ま
れる。当社は、他のGSグループ関連会社への依存度を下げるべく複数の措置を講じてきているが、大規模な
組織の事業子会社のままであり、そのため、当社の組織内の相関状態は継続するだろう。当社の事業がグ
ループ・インクおよび他のGSグループ関連会社に大幅に依存しているため、これらの事業体に影響を及ぼす
おそれのあるリスクは、当社に対しても重大な影響を及ぼすおそれがある。
さらに、当社は、取引執行、リレーションシップ管理、決済および清算、リスク管理ならびにその他の技
術、オペレーションおよび事務管理サービスを含む(ただし、これらに限定されない)様々なサポートサー
ビスについて、一定のGSグループ関連会社に依存している。これらのサービスは、会社間サービス契約に基
づき当社に提供されており、かかる契約は通常、重大な契約違反等の一定の例外に服することを条件とし
て、グループ・インクとその子会社双方の合意により解約可能である。
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上記の帰結として、グループ・インクが随時行う可能性のある戦略的決定の結果、またはグループ・イン
クの業績の重大な悪化の結果によるものを含む何らかの理由により、当社と他のGSグループ関連会社との関
係が維持されない場合、当社の純収益が減少し、営業費用および当社の事業のための資金調達費用が増加
し、そして当社の事業、財務状態および収益性が重大な悪影響を受ける可能性がある。
さらに、当社は、その調達資金の一部を、グループ・インクからの間接的無担保借入金およびファンディ
ングIHCからの無担保借入金、ならびに他のGSグループ関連会社からの担保付借入金の形で受領している。
当社がかかる資金を調達できない限りにおいて、当社の成長が抑制され、および/または当社の資金調達費
用が増加するおそれがある。
法務リスクおよび規制上のリスク
当社および当社の顧客の事業は、全世界の広範囲に及ぶ規制の対象となっている。
当社は金融サービス業界の一員であり、そしてシステム上重要な金融機関の子会社であるため、主に英国
において、そしてより全般的にEUにおいて、加えてグループ・インクの子会社として米国において、さらに
一定のその他の法域において、広範囲に及ぶ規制の対象となっている。当社は、当社が事業を行っているす
べての法域における法執行機関、規制当局および税務当局ならびに民事訴訟による大幅な介入を受けるリス
クにさらされている。多くの場合、当社の活動は、これまで異なる法域において重複または相違する規制の
対象となっており、今後も引き続き同様となる可能性がある。とりわけ、法執行機関、規制当局または民間
の当事者が当社による法令の遵守に疑いを掛けた場合、当社または当社の社員は、これまで罰金を科された
り、刑事責任を問われるかもしくは刑事制裁を受けたり、一定の事業活動を行うことを禁止されたり、当社
の事業活動に、自己資本要件の強化を含む、制限もしくは条件を付されたり、または当社の業務もしくは社
員に関して新規のもしくは大幅に増額された税もしくは政府によるその他の賦課金を課されており、今後も
同様となるおそれがある。これらの制限または条件は、事業活動を制限し、当社の収益性に悪影響を及ぼす
可能性がある。
当社の事業活動の範囲および収益性への影響に加え、法令の日常的な遵守には、これまで膨大な時間を要
しており、今後も引き続き同様となるだろう。かかる時間には、当社のシニア・リーダーの時間ならびに多
くのコンプライアンスおよびその他の報告・オペレーションの専門スタッフの時間が含まれる。これらすべ
ては、当社の収益性に悪影響を及ぼす可能性がある。
当社および当社の競合他社の収益および収益性は、これまで自己資本、追加的な損失吸収能力、レバレッ
ジ、最低流動性および長期の資金調達の水準に係る要件、破綻処理・再建計画に関する要件、デリバティブ
清算および証拠金に関するルール、規制上の監督の水準、ならびに金融機関が行うことのできる事業活動に
関する制限および一定の事業活動を行うことが認められた場合はその方法による影響を受けてきており、今
後も引き続き同様となるだろう。
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自己資本、流動性、レバレッジ、長期債務、TLACおよび証拠金に係る要件、その他の商慣行に対する制
限、報告要件、EU銀行再建・破綻処理指令の施行に関連した要件、税負担ならびに報酬制限を含む、当社ま
たは当社の顧客の事業に対して適用ある新しい法令または既存の法令の執行に係る変更が(それが規模、資
金調達の方法、活動、地域またはその他の基準に基づくものであるかにかかわらず)当社またはGSグループ
を含む可能性がある限定された一部の金融機関に課された場合、それらの新しい法令または既存の法令の執
行に係る変更を遵守することにより、同様の影響を受けていないその他の機関と当社が効果的に競争する能
力に悪影響が及ぶおそれがある。また、株式譲渡およびその他の金融取引に対する税のような金融機関また
は市場参加者一般に課される規制は、市場活動の水準により広範に悪影響を及ぼし、それにより当社の事業
にも影響が及ぶおそれがある。税法等の法令の変更も、それらの法令が金融サービス会社および金融会社に
適用される方法によっては、または当社の企業構造によっては、不均衡な影響を当社に及ぼすおそれがあ
る。
これらの展開により、その影響を受ける法域において当社の収益性に影響が及ぶおそれがあり、さらには
それらの法域において事業の全部もしくは一部を継続することが不経済となるおそれがあり、あるいは、商
慣行の変更、事業の再編、事業および社員の全部もしくは一部を他の場所に移動させること、または、当社
がその資金調達費用を不利に増加させるか、もしくは当社の株主および債権者に悪影響を及ぼすその他の方
法での資産の流動化もしくは資金の調達等、適用ある自己資本要件を満たすことに関連して、当社が多額の
費用負担を要する結果となるおそれがある。
自己資本要件の強化、流動性カバレッジ比率、安定調達比率、長期債務およびTLACに関連した要件、なら
びにボルカー・ルールによる自己勘定取引の禁止およびカバード・ファンドのスポンサーシップまたはそれ
らへの投資の禁止の実施は、とりわけかかる要件が当社の競合他社に適用されない、もしくは平等に適用さ
れない場合、または法域を越えて一律に実施されない場合は、当社の収益性および競争力に悪影響を及ぼし
続ける可能性がある。2017年12月に公表されたものも含め、バーゼル委員会(バーゼル銀行監督委員会)の
基準の実施の結果として、当社はより高水準の厳しい自己資本要件およびその他の規制上の要件の対象とな
る可能性もある。
当社は、顧客、社員またはその他の者の情報のプライバシーに関する法令の適用対象ともなっており、こ
れらの法令を遵守しない場合、当社は責任の負担および/または評判被害にさらされるおそれがある。プラ
イバシー関連の新たな法令が施行されるにつれ、当社のかかる法令の遵守に必要な時間および資源ならびに
データ漏洩が発生した場合の違反および報告義務に対する潜在的責務は大きく増加する可能性がある。
また、当社の事業は、以前にも増して当社が事業を行う法域内における監視、暗号化およびデータのオン
ショア化に関する法令の適用対象となっている。これらの法令の遵守により、当社の情報セキュリティに関
する方針、手続および技術の変更が必要となる可能性があり、これにより当社は、とりわけサイバー攻撃お
よび情報もしくは技術の不正流用、破損または損失による被害に遭いやすくなるおそれがある。
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規制当局および裁判所は以前にも増して、金融機関がその顧客により行われた不正行為を見抜くべきで
あったと判断した場合に、かかる顧客による違法行為の責任を当該金融機関に負わせるようになっており、
当該金融機関が顧客の関係している取引に関する直接的な知識を有していなかった場合にもかかる責任が問
われている。規制当局および裁判所はまた、以前にも増して、金融機関または金融機関により支配された
ファンドが投資しているが積極的に管理していない事業体の活動の「コントロール・パーソン」としての責
任をより重くしている。また、規制当局および裁判所は引き続き「信認」義務を、かかる義務の存在が従前
は想定されていなかった取引相手先との関係で生じさせようとしている。かかる取組がうまく機能する限
り、仲介、決済、マーケット・メイキング、プライム・ブローカレッジ、投資およびその他同様の業務遂行
に係る費用ならびにこれらに関係する債務は、大幅に増加するおそれがある。当社が、顧客である個人、機
関、政府または投資ファンドのファイナンシャル・アドバイザーもしくは投資アドバイザーまたはその他の
役割に関連して信認義務を負っている場合、かかる義務の違反または違反の疑いでさえ、法律、規制および
評判に関する重大な悪影響をもたらすおそれがある。
当社の事業に関連する規制上の進展に関する情報については、下記3(3)「財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析-規制関連事項およびその他の展開」参照。
潜在的な利益相反を適切に特定し、かつ適切にそれに対処できなかった場合、当社の事業に悪影響が及ぶお
それがある。
GS グループの事業および顧客基盤は広範囲であるため、当社は潜在的な利益相反に定期的に対処してい
る。そうした潜在的な利益相反には、特定の顧客に対するサービスの提供もしくはGSグループの自己勘定に
よる投資またはその他の利益が当該顧客または別の顧客の利益と相反しているか、または相反すると認識さ
れる状況、ならびに当社の1つまたは複数の事業が、GSグループ内のその他の事業とは共有してはならない
重要な非公開の情報にアクセスできる状況、および当社が、GSグループが顧問またはその他の関係にある事
業体の債権者でもある状況等が含まれる。
利益相反を特定し、かつそれに対処するための広範囲にわたる手続および統制が設けられている。それら
には、事業間での不適切な情報の共有を防止するために設計されたものも含まれる。しかしながら、利益相
反を適切に特定し、かつ適切にそれに対処することは、複雑かつ困難であり、当社が利益相反を適切に特
定・開示できず、かつ適切にそれに対処できなかった場合、またはできなかったように見える場合、当社の
最も重要な資産の1つである社会的評価が傷つくおそれがあり、また顧客の、当社との取引に参加しようと
する意欲に悪影響が及ぶ可能性がある。また、潜在的な利益相反または利益相反と認識される事象により訴
訟が提起されたり、規制上の強制措置が課されたりするおそれがある。さらに、GSグループの ワン・ゴール
ドマン・サックス(One Goldman Sachs) イニシアティブは、GSグループの事業間の協力を強化することを
目的としており、これにより実際の利益相反もしくは利益相反と認識される事象、または不適切な情報共有
が発生するおそれが高まる可能性がある。
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当社は、政府および関連規制当局による監視の強化またはネガティブな報道により、悪影響を受ける可能性
がある。
金融サービス業界全般およびとりわけ当社の事業は、ネガティブな報道の対象となっている。当社の社会
的評価および事業は、それが正確であるかまたは真実であるか否かを問わず、ソーシャルメディアもしくは
その他のインターネット上の掲示板に投稿され、または報道機関により公表される可能性のある、当社の事
業および人員に関するネガティブな報道または情報により悪影響を受ける可能性がある。これらの種類の掲
示板への投稿は、当社の顧客および当社から金銭、有価証券またはその他の資産を借り入れているその他の
当事者のリスク・ポジションにも悪影響を及ぼす可能性があり、それらが当社に対する義務を履行しない可
能性を増大させるか、またはそれらが当社のサービスを利用したことにより当社が受領する収益を減少させ
る可能性がある。これらのチャネル、とりわけソーシャルメディアを通じた情報伝達のスピードおよび広汎
性は、ネガティブな報道に関連するリスクを拡大させる可能性がある。
当社に多大な民事上もしくは刑事上の責任の負担が発生した場合または当社が重要な規制措置の対象とされ
た場合には、当社の財務に重大な悪影響が及び、または当社の社会的評価が著しく悪化するおそれがあり、
その結果、事業の見通しに重大な支障が生じるおそれがある。
当社はその事業において著しい法務リスクに直面しており、金融機関を相手方とする訴訟や規制手続の請
求件数および賠償請求額や罰金の額は依然として高水準となっている。当社は、随時、当社の事業および営
業活動の様々な点に関して、様々な政府機関、規制機関および自主規制機関による、その他の数多くの調査
および審査の対象となっており、一部の例においては、それらの機関から文書および情報提供の要請を受け
ている。当社はこれまで、顧客による法的請求が市場の低迷時に増加し、また雇用関係の請求が、従業員数
削減時期の後に増加することを見てきた。さらに、政府事業体は、これまで当社の一定の訴訟の原告となっ
てきており、また現在も当事者であり、当社は将来同一またはその他の政府事業体による民事上もしくは刑
事上の訴訟または請求のほか、しばしば規制当局との和解後に開始される後続民事訴訟に直面する可能性が
ある。
いくつかの大手金融機関が政府事業体と大規模な和解を行ったことが公表された。政府事業体との大規模
な和解の傾向は、他の金融機関に対する類似訴訟の結果に悪影響を及ぼす可能性があり、大規模な和解がそ
の他の和解の根拠またはひな形として利用されると政府関係者が発表している場合は、とりわけその可能性
が高い。不確実な規制執行環境により、見積損失額を推定することが困難となり、その結果として、法定準
備金が、その後実際に生じた和解金または制裁金と大幅に異なるものとなる場合がある。
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当社は、世界中で政府関係者その他への贈賄および不正支出、ならびに政府関係者その他に関する雇用慣
行に関連する法令に服しており、かかる法令には米国海外腐敗行為防止法および英国贈収賄防止法が含まれ
る。これらの法令または類似の法令に違反した場合、過去には多額の罰金が生じており、将来においても同
様となるおそれがある。これらの違反により、当社の業務に対して厳しい規制が課せられ、および当社の社
会的評価が悪化するおそれもある。
当社または当社の社員に関連する刑事事件の解決は、これにより民事訴訟に対するエクスポージャーが高
まり、当社の社会的評価に悪影響を及ぼし、制裁金が科され、または当社が一般にもしくは一定の状況にお
いて業務を行う上で事業制限を課される結果となり、またその他の悪影響を及ぼすおそれがある。
世界中で事業を遂行するにあたり、当社は、多数の国々において営業活動を行うことに内在する政治的リス
ク、法務リスク、規制上のリスク、およびその他のリスクにさらされている。
当社が事業を遂行し、また当社の世界中での営業活動を支援するにあたり、当社は、国有化、収用、価格
統制、資本規制、為替管理、コミュニケーションおよびその他のコンテンツの制限、ならびにその他の政府
による制限的措置の可能性、ならびに敵対行為またはテロ行為の発生等のリスクにさらされている。たとえ
ば、米国およびEUによって、ロシアおよびベネズエラ国内の一定の個人および企業に対し制裁措置が課され
ている。多くの国では、証券および金融サービス業界ならびに当社が関与している多くの取引に対して適用
ある法令は不確定で変化を続けており、すべての市場において現地の法律の要件を厳密に判断することは困
難である可能性がある。当社は、当社の事業が市場全般にわたる互いに異なる法令の適用対象となる可能性
があり、当社が営業を行っている法域において、別の法域の法令に直接的に抵触する法令が導入される可能
性があるというリスクにもさらされている。当社が、ある特定の市場において現地の法律の適用を遵守して
いないと現地の規制当局に判断された場合、または現地の規制当局と効果的な業務上の関係を築けなかった
場合、その市場における当社の事業のみならず、当社の全般的な社会的評価に多大な悪影響が及ぶおそれが
ある。さらに、一部の法域においては、法令を遵守しない場合、または遵守していないと申し立てられた場
合、当社および従業員に対し民事手続のみならず刑事手続およびその他の制裁措置が開始されており、また
将来においても開始される可能性がある。当社はまた、当社が仕組を組成した取引が、すべての場合におい
て法的に執行可能であるとは限らないというリスクの増大にもさらされている。
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全世界で様々な事業およびその他の慣行が存在するが、当社は、その全世界における営業活動について、
贈賄、不正支出、雇用慣行およびマネーロンダリングに関連する規則および規制、ならびに一定の個人、集
団および国と事業を行うことに関する法律の適用対象となっている。それらの法律には、米国海外腐敗行為
防止法、2001年米国愛国者法および英国贈収賄防止法が含まれる。当社は、研修およびコンプライアンスの
モニタリングに対して多額の資源を投資してきており、今後もかかる投資を続ける予定であるが、当社の営
業活動、社員および顧客の地理的な多様性、ならびに当社が取引を行うベンダーおよびその他の第三者の地
理的な多様性は、当社が当該規則または規制に違反したとされるリスクを大きく増加させる可能性があり、
それらの違反により、当社に多額の罰金が科されるおそれがあり、または当社の社会的評価に悪影響が及ぶ
おそれがある。例として、本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類
-(6)財務書類に対する注記」注記27「財務上のコミットメントおよび偶発債務-訴訟事件等-1MDB関連訴
訟」参照。
大手金融機関の秩序ある破綻処理を促進するための規制戦略および要件の適用により、当社の証券保有者に
対して、より大きな損失リスクがもたらされるおそれがある。
破綻処理当局が、破綻した事業体の無担保債券の評価切下げまたは無担保債券を株式に転換することによ
り、かかる事業体に資本注入を行う「ベイル・イン」権限を行使する状況は、不明確である。これらの権限
が当社に関して行使される場合(またはそれらが行使され得るとの示唆がある場合)、かかる行使は、当社
の債券の投資価値に重大な悪影響(かかる投資の一部または全部の潜在的損失を含む)を及ぼす可能性が高
いだろう。
市場開拓リスクおよび事業環境全般に関するリスク
当社の事業、財務状態、流動性および業績は、これまでCOVID-19パンデミックによる悪影響を受けてきてお
り、将来においても同様となる可能性がある。
COVID-19 パンデミックにより経済および財務上の混乱が生じ、それによりこれまで当社の事業、財務状
態、流動性および業績に悪影響が及んでおり、将来においても同様となる可能性がある。COVID-19パンデ
ミックがどの程度当社の事業、財務状態、流動性および業績に対して悪影響を及ぼすかは、ワクチンの普
及、接種および有効性を含む将来の展開に左右されるが、これは不確実性が高く、予測することができな
い。
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2020 年度下半期中に、金融市場はパンデミックの初期において生じた大幅な下落から回復してきており、
グローバルな経済情勢は改善の兆しを見せたが、COVID-19パンデミックの発生後に生じた、またはより鮮明
になった、(ⅰ)多くの経済分野にわたる事業活動水準の抑制、消費者景況感の相対的低下、および高失業
率、(ⅱ)市場のボラティリティ水準の上昇、(ⅲ)一定の翌日物金利および一定の政府証券の利回りがゼ
ロに近いこと、(ⅳ)従前に発表されたM&A取引が完了するか、または条件変更が行われるかどうかについ
ての相当な不確実性、(ⅴ)パンデミックにより最も深刻な影響を受けた業界(石油・ガス、賭博・宿泊、
および航空業界を含む)に関する信用リスクの増大、(ⅵ)投資家による(リスク資産と比較してより少額
の手数料を生み出す)流動性商品の重視の拡大、ならびに(ⅶ)在宅勤務体制導入の結果によるサイバーセ
キュリティリスク、情報セキュリティリスクおよびオペレーションリスクの増大を含む状況の多くが、当年
度末時点でも持続していた。
今後のパンデミックの継続期間および深刻さ、ならびにパンデミックによる消費者および企業の景況感へ
の影響によっては、上記の状況が長期にわたり継続するおそれがあり、また(ⅰ)パンデミックの発生時に
生じた株式、債券およびコモディティ市場における評価額の低下の繰り返し、またはさらにひどい状況、
(ⅱ)一定の金利のゼロまでのまたはゼロを下回るさらなる低下、(ⅲ)ヘッジ戦略の有効性が低下する、
または効果が上がらなくなる可能性がある市場の混乱、(ⅳ)債券および株式新規発行市場における混乱
と、それによってもたらされる取引の減少、(ⅴ)法人借主の流動性プロファイルの悪化と、それによる貸
出限度額における追加の引出し、(ⅵ)消費者または法人顧客によるローンの債務不履行、ならびに(ⅶ)
デリバティブ・ポジションおよび関連する担保の評価がより困難なものになったことと、それによってもた
らされる増担保請求および評価に係る紛争の大幅な増加を含む、その他の不利な展開が発生または再発する
可能性がある。
COVID-19 パンデミックによる経済情勢および市況への影響により、顧客のニーズに応じて当社における流
動性需要が過去に増大しており、将来においても同様となる可能性がある。同様に、これらの不利な展開
は、過去に当社の自己資本比率およびレバレッジ比率に対して影響を及ぼしており、将来においても同様と
なる可能性がある。
世界中の政府当局が、2020年3月以降、市場の安定化および経済成長支援のための対策の強化を実施して
いる。これらの対策が引き続き成功するかどうかは不明であり、またこれらの対策は、将来の市場の混乱に
対応する、または深刻かつ長引く経済活動の低下を回避するのに十分ではない可能性がある。当社はまた、
COVID-19パンデミックによる経済情勢および市況への影響により、顧客との紛争、訴訟、ならびに政府およ
び関連規制当局による監視に係るリスクの増大に直面している。
パンデミックの継続期間およびこれに対応するために導入されてきた臨時対策の有効性は不明である。当
社は、パンデミックが収束するまでは、投資銀行業務の取引水準が低下し、投資運用業務の収益が減少し、
顧客による債務不履行が増加するという状況に直面する可能性がある。パンデミックの収束後であっても、
大半の主要な経済圏は引き続き不況に陥る可能性があり、当社は、当社の事業が主要な市場における長引く
不況により重大な悪影響を受けるだろうと予測している。
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ブレグジットに関する当社の戦略は、効果的ではない可能性がある。
2020 年1月31日に、英国はEUを脱退し、2020年12月31日に、英国とEUの間のブレグジット離脱協定(「離
脱協定」)に基づく移行期間が終了した。下記3(3)「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状
況の分析-規制関連事項およびその他の展開-ブレグジット」に記載されているとおり、当社は、EUにおけ
る当社による取引および事業に対して適用される規制上の枠組の大幅な変更に直面した。英国は、2020年12
月31日現在で効力を有していたEU金融サービス法を採用している。すなわち、英国の金融サービス制度は、
引き続きEU金融サービス法に基づいたものと実質的に同一となる。ただし、将来においては、英国はEU法か
ら逸れる可能性があり、英国内ではまだ効力がないEU法に対応する規則を採用しないことを決定する可能性
がある。その結果、当社は、当社の事業の遂行、当社の収益性および流動性に悪影響を及ぼすおそれのある
様々なリスクにさらされている。さらに、第三国において支店を設立することにより、当社はそれらの法域
における追加的な規制および監督の対象となっており、今後も対象となるだろう。
当社は、英国において設立され、英国内に本店を有しており、移行期間中、クロス・ボーダーの「パス
ポーティング(passporting)」やEUにおける支店開設に係る協定を含む、EU条約およびEU法に基づくEUの
顧客およびインフラに対する非差別的アクセスによる恩恵を受けた。2020年12月31日付で、また2020年度末
において締結された英国とEUの間の貿易協力協定にかかわらず、当社を含む英国において設立された企業
は、そのEU全土における「パスポート(passports)」を失い、またEUへのアクセスがEUおよび国内法に準
拠しているEU外の国における他の事業体と概ね同様に扱われている。
必要に応じて、当社が現在有している一定の顧客関係および行っている一定の活動は、EU内のグループ・
インクの他の子会社に移行されており、それが当社の純収益の減少および収益性の低下につながる可能性が
あり、そして当社の事業および流動性に悪影響を及ぼすおそれがある。
一定の当社の事業、資金調達手段および金融商品は、銀行間取引金利(「IBOR」)、とりわけロンドン銀行
間取引金利(「LIBOR」)の変動または廃止により悪影響を受ける可能性がある。
LIBOR の運営機関は、最も一般的に使用されている米ドルLIBORの公表を2023年6月30日まで延長し、その
他のLIBORの公表を2021年12月31日付で停止することを提案した。米国連邦金融監督諸機関は、金融機関に
対し、可及的速やかに、ただしいかなる場合においても2021年12月31日までに、新規契約における金利指標
として米ドルLIBORを使用しないことを強く推奨するガイダンスを公表した。LIBORが引き続き受入可能な市
場ベンチマークとみなされるかどうか、どのレートまたはいかなる複数のレートがLIBORに代わるものとし
て受け入れられるか、または当該判断の変更もしくは代替レートによってLIBOR連動金融商品に係る金融市
場にどのような影響が及ぶかを把握することは不可能である。その他のIBORについても、同様の状態が生じ
ている。
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IBOR に関する不確実性および裁量的措置の実施またはフォールバック規定に関する交渉は、価格設定ボラ
ティリティ、一定の商品に係る市場シェアの喪失、税務または会計上の悪影響、コンプライアンス・コス
ト、法務コストおよびオペレーション・コスト、ならびに顧客への情報開示に関連するリスクのほか、シス
テム障害、モデル障害およびその他の事業継続性に関する問題につながるおそれがある。また、IBORに関す
る不確実性は、潜在的な取引高の減少、流動性の欠如、またはIBORもしくはその後継となる新たなレートに
関連するエクスポージャーに係る観測可能性の制限、ならびにIBORの変動および廃止に関連するオペレー
ション上のインシデントを考慮すると、当社に対する自己資本要件の増加につながるおそれがある。
当社の契約書および金融商品において、IBOR(とりわけLIBOR)を定義している文言は、経時的に発展し
てきており、指定されたレートの後継レートを選定すべき時点についてのトリガーとなる様々な事由が存在
する。あるトリガーに該当した場合、契約書および金融商品の規定により、計算代理人(当社である可能性
がある)に対し、しばしば後継レートまたはベンチマークの選定に対する裁量権が付与される。その結果、
金融サービス業界が契約書および金融商品における指定レートの廃止に対して、または当該指定レートが受
入可能な指標金利ではなくなった場合にどのように対応するかは、非常に不確実なものとなっている。この
不確実性は、最終的に、当社のIBORに基づく契約書および金融商品の適切な解釈に関する顧客による紛争お
よび訴訟につながるおそれがある。当社はISDA IBORフォールバック・プロトコルを批准しているが、この
プロトコルがデリバティブに対して適用されるのは、当事者双方がこのプロトコルを批准している場合、そ
の他当該当事者間でこのプロトコルをデリバティブに適用することに合意している場合である。
さらに、IBORの廃止、IBORの変動、または市場において指標金利として受け入れられるIBORの変更も、当
社が保有するローンもしくは有価証券の利回り、当社が発行した有価証券について支払われる金額、当社が
契約を締結したデリバティブ商品について受領され、支払われる金額、当該ローン、有価証券もしくはデリ
バティブ商品の価値、有価証券の流通市場、異なるもしくは修正された指標金利を用いて行われる新規ロー
ンの条件、デリバティブ商品をリスク管理に効率的に利用するための当社の能力、または当社の変動利付資
金調達の利用可能性もしくはコスト、および金利変動に対する当社のエクスポージャーに対しても悪影響を
及ぼす可能性がある。
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一定の当社の事業および資金調達手段は、当社が提供する商品もしくは当社が行う資金調達に関連するその
他の指標金利、通貨、指数、バスケットまたは上場ファンド(「ETF」)の変動により悪影響を受ける可能
性がある。
仕組債、ワラント、スワップもしくは有価証券ベースのスワップ等の当社が所有し、または提供する商品
の多くが、レートまたは指数、通貨、バスケット、ETFもしくはその他の財務指標(「原資産」)を参照し
て金利の支払を行い、あるいは満期または債務不履行となった場合において支払われる元本額を決定してい
る。当該原資産に適用される規則を参照することその他の方法により原資産の構成に大幅な変更が生じた場
合、原資産が存在しなくなった場合(たとえば、ユーロから加盟国が脱退し、または自国通貨を他の通貨も
しくはベンチマークと連動させ、もしくはかかる連動を解除した場合、指数またはETFのスポンサーが指数
またはETFの構成を大幅に変更した場合、あるいは株式バスケットに含まれる株式が上場廃止になり、また
は当該指数もしくはETFに含めることができなくなった場合)、または原資産が受入可能な市場ベンチマー
クとして認識されなくなった場合、当社は、上記のIBORの場合と同様の悪影響を被る可能性がある。
業務上の新しい取組および買収により、当社は新規の活動に携わり、新しい場所で営業活動を行い、より多
岐にわたる顧客および取引相手先と取引を行い、また新しい資産クラスおよび新しい市場にさらされること
となり、その結果当社はより多くのリスクに直面している。
当社の最近の、そして計画されている業務上の取組の多くおよび既存の事業の拡大により、当社は、当社
の伝統的な顧客および取引相手先基盤に属していなかった個人および事業体に直接または間接的に関わって
いき、そして新しい資産クラスおよび新しい市場にさらされることとなる可能性がある。たとえば、当社
は、幅広い新興および成長市場を含めた新しい分野において、事業活動および投資を継続している。
業務上の新しい取組は、政府事業体と取引を行うことに関連したリスク、異なる種類の顧客、取引相手先
および投資家と取引を行うことによる評判低下の懸念、これらの活動に対する規制当局による監視の強化、
信用関連、市場、ソブリンおよびオペレーションリスクの増大、事故またはテロ行為に起因するリスク、な
らびに一定の資産を運用もしくは所有する方法または当社がこれらの顧客、取引相手先および投資家と接触
する方法に関する評判低下の懸念を含む、新しい、さらなるリスクに当社をさらしている。新たな商品また
は市場を伴う活動および取引に関連して、規制上の不確実性が存在する場合、または関係する規制機関もし
くは法域によって異なるもしくは相反する規制が存在する場合、とりわけ当該商品の取引が複数の法域にお
いて行われる場合にも、法務リスク、規制上のリスクおよび評判リスクが存在する可能性がある。
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また、近年、金融サービス業界における社員による詐欺やその他の不正行為(実際に起きたものまたは申
し立てられているもの)に関わる多数の事件が世界中で大きく報道されており、さらに、当社の社員による
不正行為がこれまでに発生しており、また将来においても発生する可能性がある。このような不正行為に
は、適用ある方針、規則もしくは手続を意図的に無視もしくは回避しようとすること、または資金の不正支
出、および専有ソフトウェアを含む専有情報の窃盗が含まれており、今後もそのような行為が含まれる可能
性がある。1マレーシア・ディベロップメント・バーハッド(「1MDB」)に係る和解が示すとおり、社員の
不正行為を抑止または防止することは必ずしも可能ではなく、このような行為を防止し、発見するために取
られている予防措置は、すべての場合において効果的であったとは言えず、将来においても同様となる可能
性がある。
競争上のリスク
当社の業績は、これまで当社の顧客基盤の構成による悪影響を受けてきており、将来においても同様となる
可能性がある。
当社の顧客基盤は、当社の主要な競合他社の顧客基盤と同一ではない。当社の事業は、一定の業界または
市場において、当社の一部もしくはすべての競合他社よりも高い、または低い割合の顧客を有している可能
性がある。したがって、一定の業界または市場に影響を及ぼす好ましくない業界の進展、または好ましくな
い市況の結果、仮に当該業界または市場に当社の事業の顧客がより集中している場合においては、当社の事
業が競合他社の類似の事業と比較して採算が下回ったことが過去にあり、また将来においても同様となる可
能性がある。
同様に、ある事業において、当社の顧客集中度が低い業界もしくは市場に関する有利な、または単により
不利ではない進展もしくは市況も、当該業界または市場に顧客がより集中している競合他社の類似の事業と
比較してより低い事業成績につながったことが過去にあり、また将来においても同様となる可能性がある。
たとえば、当社はマーケット・メイキング事業において多くの同業他社よりも小さい企業顧客基盤を有して
おり、そのため、当社の競合他社は企業顧客による活動の増加によって当社より多くの利益を享受する可能
性がある。同様に、当社はこれまで、他の金融機関と同程度まではリテール向け株式仲介業務に従事してこ
なかった。このことは、過去において株式取引執行における当社の市場シェアに悪影響を及ぼしており、ま
た、将来においても同様となるおそれがある。
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金融サービス業界は激しい競争にさらされている。
当社が新規の事業分野および新規の地理的地域へと拡大していく範囲において、当社は、より多くの経験
を持ち、関連市場における顧客、規制当局および業界関係者と、より確立された関係を持つ競合他社と対峙
することとなり、このことにより、当社の事業拡大能力に悪影響が及ぶおそれがある。
政府および規制当局は、一部またはすべての法域において費用効果の高い方法で一定の事業を行う当社の
能力、または一定の事業を行う当社の能力そのものに影響を及ぼしたか、及ぼす可能性がある規制を導入
し、税を課し、報酬制限を導入し、またはその他の様々な提案を行った。それらには、金融機関が行うこと
を認められる活動の種別に対する制限に関する提案が含まれている。これらの規則またはその他同様の規則
の多くは、当社の競合他社すべてには適用されず、当社が効果的に競争する能力に影響を及ぼすおそれがあ
る。
当社の事業における価格圧力およびその他の競争圧力は、引き続き増大している。これは、競合他社の一
部が価格を引き下げることで市場シェアを拡大しようとする場合に特に顕著となっている。たとえば、当社
は、投資銀行案件等に関連して、当社が受けてきた競争圧力に応じて、当社が引き受けるリスクに必ずしも
完全に見合うとは言えない水準の信用の供与や価格の設定を行った。
金融サービス業界は、取引量の相当部分が業界内の限られた数の成員間で発生するため、高度に相関して
いる。取引の多くは他の金融機関にシンジケートされており、金融機関がしばしば取引の相手方となる。こ
の結果として、その他の市場参加者および規制当局により、かかる機関が市場または市場価格を操作するた
めに共謀したとの訴えを起こされており、この訴えには反トラスト法に違反したとの主張が含まれる。当社
は、かかる活動を特定し、防止するための広範囲にわたる手続および統制を設けているものの、とりわけ規
制当局によるかかる活動に対する申立てにより、当社に評判上マイナスの影響が及ぶ場合や当社に巨額の罰
金や和解金が課され、3倍損害賠償を含む非常に高額の損害賠償が課される場合がある。
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当社が能力のある社員を採用し、確保することができなかった場合、当社の事業に悪影響が及ぶだろう。
当社の業績は、高い能力を持つ人材の素質と努力に大きく依存している。したがって、当社が継続して、
その事業遂行において効果的に競争し、当社の事業を効果的に運営し、新規の事業分野および新規の地理的
地域に拡大することができるかどうかは、能力が高く多様な新しい社員を惹き付け、既存の社員を確保し、
意欲を上げる当社の能力に左右される。そのような社員を惹き付け、確保する当社の能力に影響を及ぼす要
因には、報酬や手当の水準および構成、ならびに当社の事業が成功しており、能力のある社員の公正な採
用、研修、および昇進を行う文化を当社が有しているという評判が含まれる。当社が社員に支払う報酬の重
要な部分は、年度末裁量報酬の形態で支払われるものであり、その大部分は、繰延株式関連報奨の形態で支
払われるため、GSグループの収益性の低下またはGSグループの将来的な収益性の見通しの低下のほか、報酬
水準および条件に対する規制上の制限は、能力の高い社員を採用し、確保する当社の能力に悪影響を及ぼす
場合がある。
金融サービス業界および金融サービス業界以外の業界(テクノロジー業界を含む)における、能力のある
社員を獲得するための競争はしばしば熾烈である。当社は新たな規制上の要件による要請および当社の技術
イニシアティブに対応するための社員を採用し、確保するための競争の激化を経験している。新興および成
長市場においてもこれは同様であり、当社は、当該市場において当社よりもはるかに大きなプレゼンスを有
し、またはより幅広い経験を有している事業体との間で、しばしば能力のある社員の獲得を争っている。
当社が営業活動を行っている法域における法令の変更が当社の社員の収入に対する課税または報酬額もし
くは報酬の構成に影響を及ぼす場合においても、それらの法域で能力のある社員を採用し確保する当社の能
力に悪影響が及ぶ可能性がある。
当社の報酬慣行は、PRA(健全性監督機構)およびFCA(金融行為監督機構)の審査および基準の対象と
なっている。大手金融機関として、当社はPRAおよびFCA、ならびにその他の世界中の規制当局による、報酬
慣行に対する制限(競合他社に影響を及ぼす可能性もあり、及ぼさない可能性もある)の対象となってい
る。これらの制限(今後制定される法律もしくは規制により、またはその結果として課されるすべての制限
を含む)により、能力が高い社員を惹き付け、確保する当社の能力に悪影響が及ぶ形で、当社が報酬慣行を
変更しなければならなくなる可能性がある。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績等の概要
下記(3)「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」参照。
(2)生産、受注及び販売の状況
該当なし。
(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
以下は、当社の2020年度アニュアル・レポートの抄訳である。
概況
取締役会は、当期純利益、資産合計および普通株式等Tier1(「CET1」)資本比率を当社の主要な業績指標で
あると考えている。
損益計算書
損益計算書は、本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類」に記載さ
れている。2020年12月に終了した期間における当社の純利益は27.6億ドルで、2019年11月に終了した期間と比
較して37パーセント増加した。
2020年12月に終了した期間の純収益は100.1億ドルであり、2019年11月に終了した期間と比較して27パーセ
ント増加した。これは、FICC(債券・為替・コモディティ)業務および投資銀行業務における純収益の大幅な
増加ならびに株式関連業務および投資運用業務における純収益の増加を反映している。
2020年12月に終了した期間の営業費用純額は64.9億ドルであり、2019年11月に終了した期間と比較して20
パーセント増加した。これは、主として、取引関連費用の大幅な増加、人件費の増加およびその他費用の大幅
な増加によるものであったが、事務所関連費用、減価償却費および無形資産償却費ならびに市場開拓費の大幅
な減少により部分的に相殺された。
純収益および営業費用純額に関する詳細については、下記「業績」参照。
自己資本比率
適用ある自己資本規制の枠組に基づく当社のCET1資本比率は、2019年11月現在の11.6パーセントに対して、
2020年12月現在は10.7パーセントであった。
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貸借対照表
貸借対照表は、本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類」に記載さ
れている。
2020年12月現在の資産合計は1.27兆ドルであり、2019年11月現在と比較して2,262.8億ドル増加した。これ
は、主として、特定取引資産が1,975.5億ドル(主として、金利デリバティブの増加を主因としてデリバティ
ブが増加したことによる)、顧客等受取債権が185.7億ドル(主として、差入現金担保および顧客取引が増加
したことによる)、ならびに現金および現金同等物が214.4億ドル(主として、グローバル・コア流動資産
(「GCLA」)として保有される現金預金の増加による)増加したことを反映しているが、担保付契約が156.7
億ドル減少したこと(主として、当社の取引および顧客取引が減少したことによる)により部分的に相殺され
た。
2020年12月現在の負債合計は1.23兆ドルであり、2019年11月現在と比較して2,239.6億ドル増加した。これ
は、特定取引負債が2,177.7億ドル(主として、金利デリバティブの増加を主因としてデリバティブが増加し
たことによる)および顧客等未払債務が155.5億ドル(主として、受取現金担保が増加したことによる)増加
したことを反映しているが、無担保借入金が83.2億ドル減少したこと(主として、関係会社間ローンが減少し
たことによるが、発行社債の増加により部分的に相殺された)により部分的に相殺された。
2020年12月現在、株主資本合計は365.8億ドルであり、2019年11月と比較して23.2億ドル増加した。これ
は、主として、当社の2020年12月に終了した期間の純利益27.6億ドルおよび株式の発行380百万ドルを反映し
ているが、その他Tier1債(「AT1債」)に係る利息751百万ドルにより部分的に相殺された。
2020年12月現在および2019年11月現在のレベル3の金融資産は、それぞれ合計で63.7億ドルおよび53.3億ド
ルであった。レベル3の金融資産の推移およびこれに関連する公正価値の測定を含む、レベル3の金融資産に
関する詳細については、本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類-(6)
財務書類に対する注記」注記31参照。
米国会計基準(米国において一般に公正妥当と認められている会計原則)に基づくと、2020年12月現在で、
資産合計は4,302.8億ドル、負債合計は4,019.6億ドルであった。米国会計基準に基づく資産合計および負債合
計は、IFRS(国際財務報告基準)に基づき報告されたものとは異なっている。これは、主として、当社がデリ
バティブの残高について、それらが通常の業務の過程において差金決済されなかった場合に、当該残高につい
て法的に強制力のある相殺権を有している場合であっても、IFRSに基づき総額で表示しているからである。
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今後の見通し
取締役会は、当社の当年度末の財務状況は満足のいくものであったと考えている。当社に対して影響を及ぼ
す可能性がある、または継続的に影響を及ぼす可能性がある進展には、以下が含まれる。
・ブレグジット
2020年12月31日にブレグジットの移行期間が終了した結果、当社は、クロス・ボーダーの「パスポーティ
ング(passporting)」やEUにおける支店開設に係る協定を含む、EU条約およびEU法に基づくEUの顧客およ
びインフラに対する非差別的アクセスによる恩恵を受けられなくなった。そのため、当社は今後、EUへのア
クセスがEUおよび国内法に準拠しているEU外の国における他の事業体と概ね同様に扱われるようになる。従
前は当社が行っていた一定の顧客との関係および顧客取引は、グループ・インク(ザ・ゴールドマン・サッ
クス・グループ・インク)の他のEU子会社に移行されており、これが、当社の純収益および収益性に対して
影響を及ぼす可能性がある。詳細については、下記「規制関連事項およびその他の展開-ブレグジット」参
照。
・新型コロナウイルス感染症(「COVID-19」)
2020年度アニュアル・レポート公表時点において、ワクチンを配布するための初期努力が進行中であるも
のの、短期の経済見通しに対するCOVID-19の影響に関する不確実性が引き続き存在している。当社は、事業
継続計画(「BCP」)戦略を引き続き成功裏に実施しており、また、当社の優先順位は、引き続き当社の社
員を保護することおよび当社の顧客のために事業運営の継続を確保することとなっている。当社の営業成績
および財務成績に対してCOVID-19がどの程度の影響を及ぼすかは、当該状況の継続期間および継続的な拡大
感染を含む将来の展開に左右される。詳細については、下記「規制関連事項およびその他の展開-COVID-19
パンデミックによる影響」参照。
事業環境
2020年度初めにおいて、世界中でCOVID-19が蔓延し、それに伴い生活に必須ではない事業の臨時休業と外出自
粛が要求されたことで、世界各国の経済活動の急激な縮小、失業率の上昇、大半の金融資産および世界各国の市
場にわたる高水準のボラティリティ、世界的な株価の前例のない下落、ならびにクレジット・スプレッドの著し
い拡大が生じた。世界各国の中央銀行は、政策金利の引下げと大規模資産買入れによる緩和的な金融政策と、市
場の機能を支援するため、かつ市場に流動性を提供するための多数のファシリティーの設定により、素早い対応
を行った。また、世界各国の政府は、これらの影響を緩和するため、金融政策への介入を行い、これにより企業
および個人向けに経済的救済が提供された。これらの金融・財政への介入は、事業の再開および先のロックダウ
ンの緩和と相まって、2020年度下半期中の世界各国の経済活動の急速な回復に寄与した。その結果、早期の経済
回復およびパンデミック前の水準への回復の見通しに対して投資家がより楽観的になり、株価の急激な上昇とク
レジット・スプレッドの縮小につながった。当年度末において、医療専門家がCOVID-19に対する有効なワクチン
を開発し、各国政府が世界規模でのワクチン配布を開始した。このことは、ウイルス蔓延の軽減と、経済回復の
さらなる助力となることが見込まれている。
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2019年12月、英国およびEUは、ブレグジット離脱協定(「離脱協定」)を批准し、その結果、2020年1月に英
国がEUを離脱した。2020年12月、英国およびEUは、貿易協力協定に合意した。かかる協定には、両者間の将来に
おける貿易協定に関する規定が含まれている。
パンデミック発生以降の経済全般における幅広い改善にもかかわらず、引き続き、経済成長の見通し、ウイル
スの再流行、ワクチン配布、さらなる財政刺激策および地政学的リスクに関する不確実性が存在している。
業績
純収益
純収益には、第三者とGSグループ関連会社(グループ・インクまたはその子会社)の双方との有価証券、外
国為替およびその他の金融商品の取引から生じる純利益、ならびに委託手数料が含まれる。これには、関連す
る利息および配当金が含まれる。
下表は、純収益を事業活動ごとに示したものである。
2020 年12月に終了した期間 2019 年11月に終了した期間
( 単位:百万ドル)
投資銀行業務 2,174 1,471
FICC 業務 3,943 2,777
株式関連業務 2,916 2,669
投資運用業務 978 942
合計 10,011 7,859
2020年12月に終了した期間中、様々な税務当局との議論に基づき、GSグループは、GSグループ関連会社間の
純収益の分配手法を更新し、GSグループ関連会社の純収益をGSグループのFICC業務および株式関連業務に計上
できるようにした。この変更は、2020年1月1日より効力を生じており、その結果として当社の純収益は、
2019年11月に終了した期間と比較して約352百万ドル(株式関連業務が210百万ドル、FICC業務が142百万ド
ル)増加した。
投資銀行業務
投資銀行業務は、以下の業務から成る。
ファイナンシャル・アドバイザリー業務
M&A、事業部門の売却、企業防衛、リストラクチャリングおよびスピンオフに関する戦略的アドバイザ
リー案件を含む。
引受業務
幅広い有価証券およびその他の金融商品(ローンを含む)の公募・私募(国内・国外取引および買収資金
貸付を含む)を含む。
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企業向け貸付業務
リレーションシップに基づく貸付、中小企業向け貸付および買収資金貸付を通じたものを含む法人顧客向
け貸付を含む。
2020年12月に終了した期間と2019年11月に終了した期間の比較
2020年12月に終了した期間の投資銀行業務の純収益は21.7億ドルで、2019年11月に終了した期間と比較し
て48パーセント増加した。これは、主として引受業務の純収益の大幅な増加によるものであった。引受業務
の純収益の増加は、株式引受業務と債券引受業務の双方の純収益の大幅な増加を反映している。ファイナン
シャル・アドバイザリー業務の純収益も、M&A取引完了案件の増加を反映して増加した。
2020年12月現在のEMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)の投資銀行取引の受注残高は、2019年11月現
在と比較して増加した。これは、主として、潜在的な債券引受取引による純収益の見積りの大幅な増加、お
よび潜在的な株式引受取引による純収益の見積りの増加によるものであった。潜在的なアドバイザリー取引
による純収益の見積りは、実質的に増減なしであった。
受注残高は、将来の収益が実現する可能性が比較的高いと当社が考える将来の取引による純収益の見積り
を示している。受注残高の変動は、純収益に対して長期にわたって影響を及ぼす顧客取引水準についての有
益な指標になる可能性がある。しかしながら、受注残高に係る取引の完結および対応する収益の認識までの
概算時間は、一定の取引が長期にわたり受注残高に留まる可能性があるため(COVID-19パンデミックによる
M&Aへの影響を踏まえると、かかる状況が発生するおそれがある)、案件の性質によって異なる。また、受
注残高は、将来において個々の顧客の取引が生じる可能性についての仮定等の一定の制限に服している。取
引は、中止または修正される可能性があり、また見積りに含まれていない取引(現在の環境においては協議
から完了までの概算時間が短縮されている引受取引を含む)が生じる可能性もある。
FICC業務および株式関連業務
FICC業務および株式関連業務は、金融商品の売買、資金調達およびリスク管理を行う当社の顧客に対して
サービスを提供している。当社は、マーケット・メイカーとして行動し、世界規模で専門知識を提供すること
により、かかるサービスを提供している。FICC業務および株式関連業務は、債券、株式、為替およびコモディ
ティ商品においてマーケット・メイキングおよび顧客の取引の円滑化を行っている。また、当社は、世界中の
主要な株式、オプションおよび先物取引所においてマーケット・メイキングおよび顧客の取引の決済を行って
いる。
当社は、大規模で流動性が高い市場において、当社の顧客のために大量の取引を執行している。当社はま
た、流動性が低い市場において、より流動性の高い市場で請求されるものよりも一般的にやや高めのスプレッ
ドおよび手数料により、当社の顧客のために取引を執行している。さらに当社は、顧客のリスク・エクスポー
ジャー、投資目的、またはその他の複雑なニーズに対応するカスタマイズもしくはオーダーメイド商品を伴う
取引のほか、顧客アドバイザリー案件および引受業務に関連するデリバティブ取引を構築および執行してい
る。
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当社の純収益は、(ⅰ)顧客取引水準および取引上のビッド/オファーのスプレッド(総称して「顧客取
引」)、ならびに(ⅱ)当社のトレーディング商品の公正価値の変動、ならびに当社のトレーディング商品の
保有、ヘッジおよび資金調達に関連する受取利息および支払利息を含む、互いに関連し合う様々な要因の組合
せによる影響を受ける。
FICC業務
FICC業務は、仲介業務および資金調達業務から収益を生み出している。
・FICC仲介業務
下記で詳述するとおり、現物商品とデリバティブ商品の双方によるマーケット・メイキングに関連する
顧客取引執行業務を含む。
金利商品
様々な満期の国債(インフレ連動証券を含む)、その他の政府保証証券、ならびに金利スワップ、オ
プションおよびその他のデリバティブ
クレジット商品
投資適格およびハイイールド社債、信用デリバティブ、上場ファンド(「ETF」)、銀行ローンおよ
びブリッジ・ローン、地方自治体証券、新興市場債および不良債権、ならびに倒産企業に対する債権
モーゲージ
商業用モーゲージ関連証券、ローンおよびデリバティブ、住宅用モーゲージ関連証券、ローンおよび
デリバティブ、ならびにその他の資産担保証券、ローンおよびデリバティブ
為替
G10通貨および新興市場商品に対する通貨オプション、直物・先物、ならびにその他のデリバティブ
コモディティ
コモディティ・デリバティブ、ならびに(これよりは影響が少ないものの)原油および石油製品、天
然ガス、卑金属、貴金属およびその他の金属、電力、石炭、農産物ならびにその他のコモディティ商品
を含む現物コモディティ
・FICC資金調達業務
売戻条件付有価証券(「売戻条件付契約」)、ならびにストラクチャード・クレジット貸付および資産
担保貸付を通じた当社の顧客への資金の提供を含む。これらは、一般的に長期の特性を有する商品であ
る。
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2020年12月に終了した期間と2019年11月に終了した期間の比較
2020年12月に終了した期間のFICC業務の純収益は39.4億ドルで、2019年11月に終了した期間と比較して42
パーセント増加した。これは、FICC仲介業務の純収益の大幅な増加によるものであったが、FICC資金調達業
務の純収益の減少により部分的に相殺された。FICC仲介業務の純収益の増加は、金利商品、コモディティ、
クレジット商品および為替の純収益の大幅な増加、ならびにモーゲージの純収益の微増を反映している。
株式関連業務
株式関連業務は、仲介業務および資金調達業務から収益を生み出している。
・株式関連仲介業務
株式商品のマーケット・メイキングに関連する顧客取引執行業務、ならびに世界中の主要な株式、オプ
ションおよび先物取引所で機関投資家顧客の取引を執行・決済することによる委託手数料のほか、店頭取
引からの委託手数料を含む。
・株式関連資金調達業務
プライム・ブローカレッジおよびその他の株式関連資金調達業務(証券貸借、信用貸借およびスワップ
を含む)を含んでおり、主に金利スプレッドまたは手数料の形で収益を生み出している。
2020年12月に終了した期間と2019年11月に終了した期間の比較
2020年12月に終了した期間の株式関連業務の純収益は29.2億ドルで、2019年11月に終了した期間と比較し
て9パーセント増加した。これは、株式関連仲介業務の純収益が大幅に増加したことによるものであった
が、株式関連資金調達業務の純収益が大幅に減少したことにより部分的に相殺された。株式関連仲介業務の
純収益の増加は、現金性商品およびデリバティブの純収益の大幅な増加を反映している。株式関連資金調達
業務の純収益の減少は、主として、2020年度の最初の6ヶ月間の配当金の減少および資金調達費用純額の増
加を反映している。
投資運用業務
投資運用業務には、アセット・マネジメント業務および富裕層向け金融業務が含まれる。
アセット・マネジメント業務には、当社による直接投資が含まれ、これは通常長期的な性質である。また、
GSグループ関連会社に対してまたはGSグループが運用するファンドに対して提供される投資サービスも含まれ
る。
富裕層向け金融業務には、ポートフォリオ管理および財務カウンセリングを含むウェルス・アドバイザ
リー・サービス、ならびに富裕層の個人および家族に対する委託売買業務およびその他の取引サービスが含ま
れる。
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2020年12月に終了した期間と2019年11月に終了した期間の比較
2020年12月に終了した期間の投資運用業務の純収益は978百万ドルで、2019年11月に終了した期間と比較
して4パーセント増加した。これは、主として、富裕層向け金融業務の純収益が大幅に増加したことによる
ものであったが、アセット・マネジメント業務の純収益が大幅に減少したことにより部分的に相殺された。
地域別データ
地域別の純収益の概要については、本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の
財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記6参照。
営業費用純額
営業費用純額は、主に人件費(グループ・インクの株価が株式報酬に及ぼす影響を含む)、従業員数および
事業活動の水準の影響を受ける。人件費には、給与、手当、年度末裁量報酬、株式報酬の償却、付与日から交
付日までの間の株式支払報奨の公正価値の変動、ならびに手当等のその他の項目が含まれる。裁量報酬は、と
りわけ純収益の水準、財務成績全般、労働市場の実勢、事業構成、株式報酬制度の内容および外部環境等によ
り著しい影響を受ける。
下表は、営業費用純額および従業員数合計を示したものである。
2020 年12月に 2019 年11月に
( 単位:百万ドル) 終了した期間 終了した期間
人件費 2,825 2,394
取引関連費用 1,680 1,177
市場開拓費 43 94
通信およびテクノロジー費用 145 122
減価償却費および無形資産償却費 194 249
専門家報酬等 181 186
事務所関連費用 4 78
GS グループ関連会社から受けたサービスに対するマネジメント費用の支払い 921 919
その他費用 838 576
営業費用 6,831 5,795
GS グループ関連会社に対して提供したサービスに対するマネジメント費用の
(344 ) (370 )
請求
営業費用純額 6,487 5,425
年度末現在の従業員数合計 4,115 4,230
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上表において、
・人件費には、年度中の株式支払報奨の公正価値の変動に相当するグループ・インクからの再費用を表章す
る、2020年12月に終了した期間には259百万ドルの費用および2019年11月に終了した期間には175百万ドル
の費用が含まれていた。
・当社のロンドン新社屋に係る事務所関連費用は、GSグループ関連会社から受けたサービスに対するマネジ
メント費用の支払いに含まれている。
・当社のロンドン旧社屋に係る事務所関連費用は、減価償却費および無形資産償却費、事務所関連費用、な
らびにGSグループ関連会社から受けたサービスに対するマネジメント費用の支払いに含まれている。
・仲介、決済、取引所費および販売手数料の名称は、取引関連費用に変更されており、取引完了案件により
生じた費用(顧客の収益に直接関連するもの)およびIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」
(「IFRS第15号」)の要求に従い、当社が自己勘定で取引を行う場合に履行義務を充足するために負担し
た一定の費用が追加で含まれている。かかる費用は、従前はその他費用に計上されており、2020年12月に
終了した期間は467百万ドルであった。当社は、2019年11月に終了した期間の当該費用270百万ドルを、当
年度の表示に合わせて振り替えている。
2020年12月に終了した期間と2019年11月に終了した期間の比較
2020年12月に終了した期間の営業費用純額は64.9億ドルで、2019年11月に終了した期間と比較して20パー
セント増加した。
2020年12月に終了した期間の人件費は28.3億ドルで、2019年11月に終了した期間と比較して18パーセント
増加した。両期間につき株式支払報奨の公正価値の変動に相当するグループ・インクからの再費用による影
響を除くと、2020年12月に終了した期間の人件費は25.7億ドルで、2019年11月に終了した期間と比較して16
パーセント増加した。これは、業績の上昇を反映している。
2020年12月に終了した期間の取引関連費用は16.8億ドルで、2019年11月に終了した期間と比較して43パー
セント増加した。これは、取引水準の上昇および当社が他のGSグループ関連会社に当社の履行義務の一部ま
たは全部を充足させている取引において当社が自己勘定で行う活動の増加を反映している。その結果、IFRS
第15号の要求に従い、純収益および費用がグロスアップされている。
2020年12月に終了した期間の減価償却費および無形資産償却費ならびに事務所関連費用は合わせて198百
万ドルであり、2019年11月に終了した期間と比較して39パーセント減少した。これは、主として、当社がそ
のロンドンにおける業務をプラムツリー・コートにおける当社の新たなヨーロッパ本社に統合した結果とし
て前年度において生じた経常外費用による。この減少は、無形資産(コンピューター・ソフトウェア)の増
加により無形資産償却費が増加したことにより部分的に相殺された。
2020年12月に終了した期間のその他費用は838百万ドルで、2019年11月に終了した期間と比較して45パー
セント増加した。これは、当社が他のGSグループ関連会社に当社の履行義務の一部または全部を充足させて
いる取引において当社が自己勘定で行う活動の増加を反映している。その結果、IFRS第15号の要求に従い、
純収益および費用がグロスアップされ、規制当局による手続に係る費用が増加した。
2020年12月現在の従業員数合計は、2019年11月現在と比較して3パーセント減少した。
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法人税費用
2020年12月に終了した期間の当社の実効税率は21.8パーセントであり、これに対し、適用ある英国の法人税
率は27パーセントであった。実効税率は、当社の法人税費用を税引前利益で除した値を示している。この差異
は、主として、当社のAT1債に対する利息の税効果が法人税費用に計上されているのに対し、関連する利息が
利益剰余金に直接計上されていることに関連している。これは、2018年12月1日より遡及的に適用されている
IAS第12号「法人所得税」の修正の採用を受けたものである。詳細については、本書第一部第6 1「財務書類
-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記3参照。
貸借対照表および資金調達源
貸借対照表管理
当社のリスク管理上の課題の1つとして、当社の貸借対照表の規模および構成を管理できるようにすること
が挙げられる。当社は、GSグループのレベルで行われているファームワイドな貸借対照表管理のプロセスを、
これらの要素の管理に利用している。当社の資産基盤は、顧客取引、相場の変動および事業機会によって変動
するが、当社の貸借対照表の規模および構成は、特に、(ⅰ)全体的なリスク許容度、(ⅱ)保有する自己資
本の額、および(ⅲ)当社の資金調達プロファイルを含む要素も反映している。当社の自己資本の管理プロセ
スに関する情報については、本書第一部第2 3「事業の内容-自己資本管理および規制上の自己資本-自己
資本管理(監査済)」参照。
当社は、適切なリスク管理を確保するため、十分に流動性の高い貸借対照表の維持に努めており、また当社
の資産および負債の積極的な管理のため、以下を含めたGSグループの手続を活用している。
(ⅰ)貸借対照表計画
(ⅱ)貸借対照表上の限度額
(ⅲ)主要指標のモニタリング
(ⅳ)シナリオ分析
貸借対照表計画
GSグループは、資産合計および資産構成の見積りと、3年間の計測期間において予定される資金調達源と
を組み合わせた貸借対照表計画を作成している。この計画は四半期ごとに見直され、事業上の必要性や市況
の変化に応じて調整されることがある。
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貸借対照表上の限度額
限度額は、GSグループの収益創出部門、トレジャリーおよびGSグループの独立したリスク監督・管理部門
の間の迅速な上申および協議を日常的に確保するために、GSグループの最大リスク選好度を反映したレベル
ではなく、実際の運用レベルに近い水準に設定されている。GSグループのファームワイド資産・負債委員会
およびGSグループのリスク・ガバナンス委員会は、貸借対照表上の限度額の検討および承認を行っている。
さらに、GSグループのリスク・ガバナンス委員会は、一定の金融商品について、当該ポジションのより長期
の保有を防ぐため、長期保有限度額を定めている。限度額の変更要請は、GSグループの主要指標に及ぼす影
響を考慮して判断される。限度額の遵守状況は、収益創出部門およびトレジャリー、ならびに独立したリス
ク監督・管理部門によってモニターされている。
主要指標のモニタリング
資産および負債の規模および構成、限度額の利用状況ならびにリスク指標を含む主要な貸借対照表指標
は、事業別とGSグループ・ベースの双方でモニターされている。資産は各事業に配分され、新たな事業活動
により生じた動きのほか、相場の変動が検討および分析されている。
シナリオ分析
GSグループは、貸借対照表の規模および構成の管理をいかにして行うかを判断するため、グループ・イン
クおよびその子会社のシナリオ分析を行っている。これらのシナリオは、多岐にわたる経済シナリオに基づ
き、様々なマクロ経済的な仮定およびGSグループ固有の仮定を用いて短期および長期の計測期間を対象とし
ている。
資金調達源
当社は、担保付借入金、無担保借入金および株主資本を主な資金調達源としている。当社は、以下を含む多
数の様々な商品を通じて、この資金調達を行っている。
・買戻条件付有価証券(「買戻条件付契約」)および貸付有価証券担保金
・GSグループ関連会社からの関係会社間ローン
・発行社債(ノート、証書、コマーシャル・ペーパーおよびワラントを含む)
・その他借入金(資金の手当のあるデリバティブ商品および売却ではなく資金調達として会計処理される資
産の移転を含む)
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下表は、資金調達源に関する情報を示したものである。
( 単位:百万ドル) 2020 年12月現在 2019 年11月現在
担保付借入金 113,127 49 % 115,936 49 %
無担保借入金 80,351 35 % 88,669 37 %
株主資本合計 36,578 16 % 34,254 14 %
合計 230,056 100 % 238,859 100 %
一般に当社は、様々なグローバル市場において、資金調達のための商品を多数の多様な債権者の基盤に対し
て、当社自身の販売員および第三者販売者を通じて販売している。当社は、外部債権者との関係は当社の流動
性に重要な意味を持つと考えている。これらの債権者には、銀行、借入有価証券の貸付人、企業、年金ファン
ド、保険会社、ミューチュアル・ファンドおよび個人が含まれる。当社は、当社の外部資金調達プログラム全
般にわたる債権者の集中をモニターするため、様々な内部ガイドラインを設定している。
担保付資金調達
当社は、トレーディング商品の相当な部分について、外部の取引相手先のほかGSグループ関連会社から必
要な資金を担保付で調達する。担保付資金調達には、貸借対照表上の担保付借入金が含まれる。当社はま
た、証券貸借契約に基づき借り入れた有価証券の担保として、当社のトレーディング商品を差し入れること
がある。当社は、当社のまたは顧客による売却済未購入の有価証券の売建て取引をカバーするためにも、自
社のトレーディング商品を用いる。担保付資金調達は、貸し手に担保を提供するため、無担保資金調達の場
合よりグループ・インクおよび/または当社の信用度の変化による影響を受けにくい。とはいうものの、当
社は、取引期間、満期の構成、取引相手先の集中、担保の適格性および取引相手先のロールオーバーの可能
性を考慮して、当社の担保付資金調達活動の借換リスクを分析している。当社は、満期が分散化した期間取
引、取引相手先の分散化、余剰の担保付資金調達、および当社のGCLAを通じた残余リスクへの事前の資金調
達の実施により、借換リスクの低減に努めている。
当社は、資金調達の対象である資産の流動化のために適切な期間が設定された担保付資金調達の実行に努
めており、とりわけ市場ストレス時には担保付での資金調達がより困難となり得る資産クラスを担保とする
担保付資金調達の場合には、長めの満期を設定することに努めている。
GCLAに含めることができない有価証券を担保とする当社の担保付資金調達の大半は、短期買戻条件付契約
および貸付有価証券担保金取引を通じて実行している。当社は、発行社債、その他借入金および関係会社間
ローンを通じた担保付資金調達も行っている。
貸借対照表上の担保付借入金に含まれる当社の外部からの担保付資金調達(流動性の高い政府債および政
府機関債のみを担保とし得る資金調達を除く)の加重平均満期は、2020年12月現在、120日間を超えてい
た。
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無担保借入金
当社は、関係会社間無担保借入金と外部無担保借入金の双方を有している。
関係会社間無担保借入金
当社は、主として、その直接親会社であるゴールドマン・サックス・グループUKリミテッドと、ゴール
ドマン・サックス・ファンディング・エルエルシー(「ファンディングIHC」)からの関係会社間無担保
借入金を通じて資金調達を行っている。
ファンディングIHCは、グループ・インクの全額出資直接子会社であり、GSグループの優先的破綻処理
戦略の実行を促進している。GSグループの無担保での資金調達の大半はグループ・インクが行っており、
同社は、ファンディングIHCおよび当社を含むその他の子会社に対し、それぞれの資産担保融資需要、流
動性要件および自己資本要件を満たすために必要な資金を貸し付けている。このような子会社の資金調達
方法には、管理が強化され、当社およびその他の子会社の資金需要に、より柔軟に対応できるという利点
がある。関係会社間無担保借入金には、ローン、劣後ローン、当座貸越、発行社債およびその他借入金が
含まれる。
外部無担保借入金
外部無担保借入金には、発行社債、その他借入金、銀行ローンおよび当座貸越が含まれる。
株主資本
株主資本は、安定的かつ永続的な資金調達源である。詳細については、本書第一部第6 1「財務書類-
A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記23および25参照。
規制関連事項およびその他の展開
当社の事業は、世界中で広範囲にわたる規制および監督の対象となっている。規制当局および政策立案当局
は、規制を導入済みまたは検討中である。規制改革により当社に対して影響が及ぶ主な分野は、規制上の自己資
本要件の引上げと、一定の業務に対する規制および制限の強化になるものと予想されている。しかし、新規則お
よび規則案の多くは非常に複雑であるため、当該規制改革の影響の全容は、規則が実施され、EUおよび/または
英国の最終的な規制の下で市場慣行が発展するまでは不明であろう。
当社は、ブレグジットの結果として、当社が行う取引および事業に対して適用される規制上の枠組に大幅な変
更が生じるものと予想している。
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ブレグジット
EUおよび英国が合意した離脱協定は、2020年1月31日付で発効し、同日をもって英国はEU加盟国ではなく
なった。離脱協定の下での移行期間は、2020年12月31日に終了し、以降EU法は英国に適用されなくなった。
2020年度末において締結されたEUと英国の間の貿易協力協定にかかわらず、当社を含む英国において設立され
た企業は、2020年12月31日付でそのEU全土における「パスポート(passports)」を失い、その結果、EUへの
アクセスがEUおよび国内法に準拠しているEU外の国における他の事業体と概ね同様に扱われ、そしてこれらの
企業のEUへのアクセスは、EUの同等性の決定、またはこれらの企業が国内の体制に基づき免許もしくは適用除
外を得られるかどうかに左右される。
英国は、2020年12月31日現在で効力を有していたEU金融サービス法を採用している。すなわち、英国の金融
サービス制度は、引き続きEU金融サービス法に基づいたものと実質的に同一となる。ただし、将来において
は、英国はEU法から逸れる可能性があり、英国内ではまだ効力がないEU法に対応する規則を採用しないことを
決定する可能性がある。
GSグループは、当社を含む英国の金融サービス会社がEU市場へのアクセスを失った場合のシナリオに対する
備えをしていた。この結果、GSグループのEUに本店を置く銀行であるゴールドマン・サックス・バンク・ヨー
ロッパSE(「GSBE」)が、当社では効率的かつ効果的に果たせなくなった一定の機能を引き継いだ。
当社の投資銀行業務、FICC業務、株式関連業務および富裕層向け金融業務のEUに拠点を置く顧客との関係の
うちかなりの数がGSBEへと移行した一方で、一部の関係は、クロス・ボーダー免許、適用除外等の個々の加盟
国が定める取決めに基づき、またはフランス、スペインおよびスウェーデンにおける当社の国内支店を通じて
当社に留まった。
COVID-19パンデミックによる影響
2020年度末頃から2021年度にかけてCOVID-19の拡大が再燃したため、ワクチン配布のための初期的な努力が
既に始まっているものの、短期的な経済見通しに関する不確実性が高まっている。各国政府および中央銀行は
引き続き積極的な財政・金融刺激策を実施したが、世界経済の回復は依然として脆弱である。
当社は、COVID-19パンデミック発生への対応として当初2020年3月にBCP戦略を始動して以来、引き続きこ
れを成功裏に実施してきている。当社の優先事項は、当社の社員を保護することおよび当社の顧客のために事
業運営の継続性を確保するよう努力することである。当社のBCP戦略の結果、当社の社員の多数が2020年度の
大半の期間リモートワークを行い、2021年度初めにおいても引き続きそうしている。2020年度第2四半期中に
当初の制限が緩和され始めた後、社員向けに当社オフィスを部分的に再開するため、当社は、人員、地域社会
および施設の準備状況を考慮しつつ、安全上の課題に対処するための方針や手順を策定した。今回のパンデ
ミックの間、当社の社員がどの程度当社オフィスで勤務したかは、それぞれの所在地の状況の進展によって異
なっていた。当社は、建物へのアクセスに関する管理、物理的な距離の確保のための厳格な措置、清掃体制の
強化および現場でのCOVID-19検査等、当社の全オフィス所在地にわたる安全衛生の状況を評価するためおよび
社員の健康を守るための強固な手続を整備するため、主要な利害関係者と持続的な対話を行っている。
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当社のシステムおよびインフラは、COVID-19パンデミックの期間を通して強固であり続け、これにより当社
はその活動を中断することなく行うことができている。また、当社は、当社のベンダー管理プロセスの一環と
して、事業継続性に関する当社の基準を第三者サービス提供者が引き続き満たしていることを確保するため、
第三者サービス提供者と継続的に対話を行っている。
2020年12月に終了した期間中の当社の流動性ポジションは、堅調を維持していた。2020年12月に終了した期
間の当社のGCLAは、平均で598.1億ドルであり、2019年11月に終了した期間と比較して16.4億ドル減少した。
2020年12月現在の当社の自己資本比率は、2019年11月現在と比較して低下した。これは、主としてRWA(リス
ク・ウェイト資産)の増加によるものであったが、CET1資本の増加により部分的に相殺された。ただし、これ
らは最低要件を引き続き大幅に上回っていた。詳細については、下記「流動性リスク管理」および本書第一部
第2 3「事業の内容-自己資本管理および規制上の自己資本」参照。
COVID-19パンデミックは、金融市場におけるボラティリティ水準の上昇をもたらし、これに応じて顧客取引
水準が上昇した。2020年12月に終了した期間の当社の1日の平均VaR(バリュー・アット・リスク)は54百万
ドルであり、2019年11月に終了した期間と比較して22百万ドル増加した。これは、ボラティリティ水準の上昇
を反映している。当社は、エスクポージャーの限度額に関する継続的な検討を通じて、かつ、リスクの低減方
法に焦点を当てて積極的に市場リスク水準の管理を行いながら、当社の顧客に対するマーケット・メイキン
グ・サービスの提供を継続した。信用リスクに関しては、2020年度下半期に経済状況が改善したことは、概し
てクレジット市場の状態の安定化を後押しした。今般の危機的状況の間、当社は信用エクスポージャーのモニ
タリングならびに追加証拠金請求および紛争の管理に引き続き高い重点を置いていた。当社のリスク・ポジ
ションは、カウンターパーティー・リスク・エクスポージャーと業界エクスポージャーの双方に関して引き続
き均衡および統制を保ち、また十分な額の引当金が計上されていた。詳細については、下記「市場リスク管
理」および「信用リスク管理」参照。
COVID-19パンデミックの先行きが予測不可能であることは、将来の営業環境に対する見通しを著しく低下さ
せた。パンデミックによる経済状況の低迷が長引いた場合、顧客取引の水準および取引相手先の信用力等、当
社の営業成績にとって重要な要因に悪影響が及ぶため、当社の事業に害が及ぶだろう。当社は、COVID-19ワク
チンの配布および投与が現在行われていることに伴う継続的な進展をモニターしており、当社の社員、顧客お
よび取引相手先にとって最善の利益になる追加的な措置を講じる予定である。COVID-19パンデミックに伴うリ
スクに関する詳細については、本書第一部第3 2「事業等のリスク-主なリスクおよび不確実性-市場開拓
リスクおよび事業環境全般に関するリスク」参照。
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ロンドン銀行間取引金利(「LIBOR」)を含む銀行間取引金利(「IBOR」)の置換
いくつかの主要法域(たとえば、米国、英国、EU、スイスおよび日本)における中央銀行および規制当局
は、IBORに代わる適切な指標を選定し、かかる指標への移行を実施するため、ワーキング・グループを招集し
ている。LIBORの運営機関は、最も一般的に使用されている米ドルLIBORの公表を2023年6月30日まで延長し、
その他のLIBORの公表を2021年12月31日付で停止することを提案した。米国連邦金融監督諸機関は、金融機関
に対し、可及的速やかに、ただしいかなる場合においても2021年12月31日までに、新規契約における金利指標
として米ドルLIBORを使用しないことを強く推奨するガイダンスを公表した。
2020年10月、国際スワップ・デリバティブ協会(「ISDA」)は、IBORフォールバック・プロトコルを公表し
た。同プロトコルは、2021年1月に発効しており、デリバティブ市場参加者に対して旧来のおよび新規のデリ
バティブ契約に係る新たなフォールバック条項を提供するものである。デリバティブ契約において同条項を有
効にするためには、双方の当事者がフォールバック・プロトコルを批准するか、または二者間での修正が合意
されなければならない。当社は、適用対象となる当社のデリバティブ契約については、フォールバック・プロ
トコルを批准済みである。
当社を含むGSグループは、自らおよびその顧客のために、IBORから代替的リスクフリー指標金利への秩序あ
る移行を促進している。GSグループの集中型LIBOR移行プログラムは、以下の事項に主眼を置いて引き続き進
行している。
・自らの事業(取引および商品を含む)全体にわたる影響の評価およびモニタリング
・移行の影響を被る金融商品および契約に適切なフォールバック条項が既に含まれていること、または二者
間の交渉による修正もしくはプロトコル等の業界共通のツールを用いた修正が既に行われていることの確
保
・代替的リスクフリー指標金利への円滑な移行に備えるためのインフラ(たとえば、モデルおよびシステ
ム)の強化
・様々な代替的リスクフリー指標金利商品を提供および支援するためのオペレーション上の即応力の確保
・中央銀行や業界のワーキング・グループへの積極的な参加(業界の協議に応じることを含む)
・顧客の啓発および顧客とのコミュニケーション
GSグループは、このプログラムの一環として、この移行に内在するリスクをシステマティックに特定するこ
とを試みている。これらのリスクには、財務リスク(たとえば、スワップ・スプレッドの拡大に起因するスト
レス下の利益のボラティリティや、取引相手先がそのポジション移行への参加に難色を示したことによる資金
調達源の喪失)ならびに非財務リスク(たとえば、顧客および/または取引相手先とのフォールバックに関す
る交渉不能、フォールバック条項の解釈および導入に関連した紛争の可能性、ならびに移行に係るオペレー
ション上の障害)が含まれる。
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代替的リスクフリー指標金利の市場は引き続き発展しており、流動性に基づき可能な範囲で、当社は代替的
リスクフリー指標金利市場への参加を開始した。また、2020年度中、当社を含むGSグループは、業界の動きに
合わせて、シカゴ・マーカンタイル取引所、ロンドン・クリアリング・ハウスおよびEurex取引所において中
央清算されるユーロ金利デリバティブ割引率の調整方式をユーロ圏無担保翌日物平均金利からユーロ短期金利
へ、また、これらの取引所において中央清算される米ドル金利デリバティブ割引率の調整方式をフェデラル
ファンドから担保付翌日物調達金利(「SOFR」)へ、成功裏に移行した。
スワップ、デリバティブおよびコモディティの規制
当社は、スワップ・ディーラーとして米国商品先物取引委員会(「CFTC」)に登録されている。2020年7
月、CFTCは、カバード・スワップ・エンティティに係る財務報告要件を採用した。2021年10月6日までに最終
規則を遵守することが要求されている。
CFTCは、一定の適用除外の対象(真正なヘッジ・ポジション等)を除き、あらゆる事業体、または関連会社
のグループもしくは共通の支配下において取引を行うその他の当事者が取り得る、現物コモディティ・デリバ
ティブのポジションの規模を制限する、ポジション制限規則を採用した。しかしながら、2023年度に発効する
新規則により、スワップ・ディーラーがスワップ関連リスクのヘッジにつき適用除外請求を行うことを可能と
していたリスク管理の適用除外が廃止される。新たなCFTCポジション制限は、スワップにおける一定のポジ
ションのほか、現物コモディティの先物取引および先物オプション取引に対しても適用され、その制限は、現
物ポジションと現金決済ポジションの双方に対して適用される。現在、現物コモディティの先物取引のポジ
ションに対する制限は、関連する取引所により管理されているが、一定の農業コモディティの先物取引は、例
外的にCFTCにより管理されている。CFTCのポジション制限規則の下では、一定の農業コモディティ、エネル
ギーコモディティおよび金属コモディティを含む現物コモディティの一覧表に記載されたすべての先物および
先物オプションのほか、関連するスワップがCFTCのポジション制限の対象となる。新たなポジション制限規則
はスポット月(すなわち、現物コモディティの引渡期間(通常、数日間))のみに制限を課すものであるが、
CFTCは将来、スポット月以外にも制限を課す可能性がある。CFTCのスポット月およびスポット月以外の制限
は、一定の旧来の農業コモディティの先物取引に対して引き続き適用される。
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マネーロンダリング防止規制
2021年1月、米国銀行秘密法(「BSA」)を改正する2020年マネーロンダリング防止法(「AMLA」)が施行
された。AMLAは、米国におけるマネーロンダリング防止に関する法律を包括的に刷新し、近代化することを目
的としている。とりわけ、AMLAは、金融機関によるマネーロンダリング防止の遵守に関してリスク・ベースの
アプローチを体系化し、BSAの遵守に係る技術的プロセスおよび内部の手続を評価するための基準の策定を米
国財務省に要求し、かつ、執行および調査に関連した権限を拡大(一定のBSAの違反に対して実施可能な制
裁、ならびにBSAにおける内部告発のインセンティブおよび内部告発者の保護の制定を大幅に拡大することを
含む)するものである。AMLAの法規定の多くは、新たな規則の制定、報告およびその他の措置を要するもので
あり、AMLAによる影響は、とりわけ、規則の制定および実施ガイダンスに左右される。これらの規則は、グ
ループ・インクの完全所有事業子会社としての当社に対して適用される可能性がある。
ボルカー・ルール
FRB(連邦準備制度理事会)、米国通貨監督庁、米国連邦預金保険公社、CFTCおよび米国証券取引委員会
(「ボルカー・ルール規制当局」)は、2019年10月に、ボルカー・ルールを実施する規則の改正を成立させ
た。この改正は、銀行事業体による取引活動の規模および範囲に基づきコンプライアンス要件を調整し、一定
の定義、要件および適用除外を明確化および改正するものである。この改正の遵守は、2021年1月1日に有効
となった。また、2020年6月に、ボルカー・ルール規制当局は、以前提案したカバード・ファンドに関するボ
ルカー・ルール規則の改正を成立させた。この改正は、一定の種類の投資ビークルについて、カバード・ファ
ンドの定義からの新たな除外要件を設定し、一定の既存の除外要件について適格基準を変更し、また、銀行事
業体によるカバード・ファンドへの投資ならびにカバード・ファンドに関連するその他の取引および関係を規
制するその他の規定について明確化および修正を行ったものである。これには、カバード・ファンドと共に行
う投資であっても、一定の条件を満たせば、上記の(訳注:原文ママ)3パーセントの制限の対象となるカ
バード・ファンドに対する投資として取り扱われないことを明確化することが含まれる。この改正は2020年10
月に発効し、グループ・インクの完全所有事業子会社としての当社に対して適用されている。
リスク管理
リスクは、当社の事業に内在するものであり、これには流動性リスク、市場リスク、信用リスク、オペレー
ションリスク、モデルリスク、法務リスク、コンプライアンスリスク、コンダクトリスク、規制上のリスクおよ
び評判リスクが含まれる。当社のリスクには、当社のリスクの種類、地域または世界中の事業全般にわたるリス
ク、ならびに不確実な結果をもたらし、当社の財務成績、流動性および社会的評価に対して重大な影響を及ぼす
可能性があるリスクが含まれている。当社のリスク管理プロセスに関する詳細については、本書第一部第5 3
「コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要-④リスク管理-リスク管理の
概要および体制」、下記「流動性リスク管理」、「市場リスク管理」、「信用リスク管理」、「オペレーション
リスク管理」および「モデルリスク管理」ならびに本書第一部第3 2「事業等のリスク-主なリスクおよび不
確実性」参照。
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流動性リスク管理
概要(監査済)
流動性リスクは、当社固有の、広く業界全体の、または市場全体の流動性ストレス事由が生じた場合に当社
が資金調達をできなくなり、または当社の流動性に対するニーズを満たすことができなくなるリスクである。
当社は、流動性および資金調達に関する包括的かつ保守的な一連の方針を策定している。当社の主たる目的
は、逆境下にあっても、当社の資金需要を満たすと共に、当社の中核事業が顧客にサービスを提供し続け、収
益を生み出し続けることができるようにすることにある。
トレジャリーは、GSグループの首席財務執行役員に報告を行っている。トレジャリーは、GSグループのリス
ク選好度の範囲内で、GSグループの流動性および資金調達戦略を策定、管理および執行することについて主た
る責任を負っている。
流動性リスク部門は、収益創出部門およびトレジャリーから独立しており、GSグループの首席リスク担当役
員に報告を行っている。流動性リスク部門は、GSグループの世界中の事業全般にわたる監督ならびにストレ
ス・テストおよび限度額の枠組の構築を通じて、GSグループの流動性リスクを評価、モニターおよび管理する
ことについて主たる責任を負っている。当社の流動性リスク管理の枠組は、GSグループの枠組に沿ったもので
あり、かつその一部である。
流動性リスク管理原則(監査済)
当社は、(ⅰ)ストレス時における流出を補填するためのGCLAの形での十分な超過流動性の保持、(ⅱ)適
切な資産・負債管理の維持、および(ⅲ)実行可能な緊急時資金調達計画の維持という3つの原則に従い、流
動性リスクを管理している。
GCLA
GCLAは、ストレス環境下で現金支出および担保提供が必要となる様々な可能性に対応するために当社が維
持している流動性である。流動性の一次的原則とは、流動性危機に陥った場合に必要と予想される当社の潜
在的現金および担保提供の必要性に対して事前に資金手当を行い、その流動性を、非担保対象であり、流動
性の高い有価証券および現金の形で保持することである。当社は、買戻条件付契約の締結により、または売
戻条件付契約の満期により、流動化を通じて、当社のGCLA上で保有する有価証券を数日以内に現金に換金す
ることができるほか、当該現金により、当座の債務履行に際し、その他の資産を売却したり、または信用リ
スクに敏感な市場から追加融資を受けたりすることなく対応できると考えている。
当社のGCLAは、資金調達が困難な環境下でも、すべての主要な市場において適時決済を確保する上で十分
な営業上の流動性を提供するために、複数の資産の種類、発行体および清算機関にわたり配分されている。
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資産・負債管理
当社の流動性リスクの管理方針は、資金調達市場が長期的なストレスにさらされている場合であっても、
十分な資金調達が確実に行えるよう構築されている。当社は、複数の市場、商品および取引相手先にわたる
資金調達について、その満期および多様性を管理するほか、その資産の特徴および流動性プロファイルを考
慮して、適切な期間の多様な外部資金調達プロファイルを維持するよう努めている。
当社の目標は、平常時のみならず市場ストレス時にも当社の資産のための資金調達を行い、契約債務およ
び偶発債務を履行するための十分な流動性を確保することである。積極的な貸借対照表管理プロセスを通じ
て、実際の資産残高およびその予測を用いて担保付または無担保での資金調達の必要性が判断される。流動
性危機が生じた場合には、資産の売却(当社のGCLAを除く)に依存しないようにするため、当社はGCLAをま
ず利用する。しかしながら、当社は、流動性危機が重大である場合または長期に及ぶ場合には、秩序ある方
法で資産を売却することが賢明または必要になり得ると認識している。
緊急時資金調達計画
GSグループは、流動性危機や市場ストレス期間を分析し、それらに対応するための枠組を定めるために緊
急時資金調達計画(GSI固有の補遺を含む)を整備している。緊急時資金調達計画は、流動性危機および/
または市場混乱の深刻さの評価ならびにそれらの管理を助けるために継続的に検討される一連の潜在的リス
ク要因、主要な報告および数的指標について概説している。緊急時資金調達計画には、当社が流動性危機に
直面していると評価される場合に当社がとることのできる方策(これには、当社の潜在的現金需要および担
保提供の必要性の見積りに対する事前の資金調達、ならびに流動性の二次的源泉の利用が含まれる)につい
ても記載されている。当該計画には、発生する可能性のある特定のリスクに対する低減策および取組事項に
ついても記載され、これらの実行責任者が定められている。
ストレス・テスト
当社のGCLAの適切な規模を決定するため、当社は、幅広いシナリオおよび計測期間にわたる流動性の流出に
ついてモデルを作成している。流動性流出モデルと称される当社の主要な内部的流動性リスクモデルの1つ
は、当社の流動性リスクを30日間のストレス・シナリオで数値化する。その他の要因についても検討が行われ
ている。これには、日中流動性モデルと称される追加の内部的流動性リスクモデルを通じた日中流動性に対す
る潜在的ニーズの評価、当社の長期ストレス・テスト・モデルの結果、破綻処理流動性モデル、およびその他
の適用ある規制上の要件、ならびに当社の状態のほか金融市況に対する定性的評価が含まれるが、これらに限
定されない。流動性流出モデル、日中流動性モデル、長期ストレス・テスト・モデルおよび破綻処理流動性モ
デルの結果は、幹部経営陣に対して定期的に報告される。GSグループおよび当社は、ストレス・テストも実施
している。全社的なストレス・テストに関する情報については、本書第一部第5 3「コーポレート・ガバン
スの状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要-④リスク管理-リスク管理の概要および体制」参照。
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流動性流出モデル
流動性流出モデルは、市場全体に及ぶストレスおよびGSグループ固有のストレスの組合せを含む複数シナ
リオの実施に基づくものである。これらのシナリオは、以下の定性的要素を特徴としている。
・消費者および企業の景況感の冷込み、金融および政治の不安定性、ならびに市場価値の悪化(株式市場
の潜在的な落込みおよびクレジット・スプレッドの拡大を含む)をはじめとする深刻で厳しい市場環
境。
・重大な損失、評判被害、訴訟、および/または格付の引下げによってもたらされる可能性のあるGSグ
ループ固有の危機。
以下は、当社の流動性流出モデルにおいてモデル化された要素のうち主要なものである。
・30日間のシナリオにおける流動性に対するニーズ。
・グループ・インクおよびその格付対象子会社(GSIを含む)の長期的な優先無担保信用格付の2段階引
下げ。
・資金調達市場における市況の変化による、当社の無担保資金調達および担保付資金調達の利用の制限。
・無担保債券の満期到来等の契約上の流出および偶発的な流出(当社のプライム・ブローカレッジ業務に
おける顧客預金残高の引出しまたは当社の上場デリバティブおよび清算対象の店頭取引デリバティブの
価値が悪化することにより必要となる変動証拠金の増額を含むが、これらに限定されない)の組合せ。
日中流動性モデル
当社の日中流動性モデルは、流動性流出モデルと同じ定性的要素を特徴とするシナリオ分析を用いて当社
の日中流動性に対するニーズを測定している。同モデルは、日中流動性の源泉の利用が制限されるというシ
ナリオにおいて増加した日中流動性要件のリスクの評価を行うものである。
長期ストレス・テスト
当社は、当社が厳しい流動性ストレスにさらされ、その後も困難な状況が継続する環境の中で回復を図る
長期ストレス期間における当社の流動性ポジションを見通すために、長期ストレス・テストを活用してい
る。
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破綻処理流動性モデル
GSグループの破綻処理計画に対する取組に関連して、GSグループは、ストレス環境下におけるGSグループ
の主要な子会社(当社を含む)の流動性に対するニーズを見積もる破綻処理流動性の充実・調整の枠組を設
定した。GSグループは、破綻処理流動性執行ニーズの枠組も設定しており、かかる枠組は、GSグループの優
先的破綻処理戦略に基づいたグループ・インクの破産申請後、GSグループの主要な子会社(当社を含む)が
安定化し縮小するために必要とする、流動性に対するニーズを測定するものである。
また、GSグループは、グループ・インクの破産手続開始の是非およびその時期について詳細な情報に基づ
いた判断を下すために必要となる情報をGSグループの取締役会に対して提供するよう設計された、トリガー
およびアラートの枠組も設定している。
限度額
当社は、様々なレベルおよび各種の流動性リスクにわたり流動性リスク限度額を使用し、当社の流動性エク
スポージャーの規模を管理している。限度額は、当社の流動性リスク許容度を踏まえた許容可能なリスクのレ
ベルと比較して計測される。これらの限度額を設定する目的は、幹部経営陣による当社全体の流動性プロファ
イルのモニタリングおよび管理を支援することである。
GSI取締役会のリスク委員会およびGSIのリスク委員会は、当社の限度額を承認する。限度額は頻繁に検討さ
れ、必要な承認を取得した上で、変遷する市況または事業状況を反映するために恒久的または臨時的のうちい
ずれか該当する形式で変更される。
限度額は、当社のトレジャリーおよび流動性リスク部門によってモニターされる。流動性リスク部門は、限
度額を超過した事象を適時に認識し、かつその旨を幹部経営陣および/または適切なリスク関連の委員会へ上
申する責任を負っている。
GCLAおよび非担保対象指標
GCLA
上記の当社の内部的流動性リスクモデルの結果のほか、その他の要因(当社の状態のほか金融市況に対す
る定性的評価を含むが、これらに限定されない)の検討に基づき、当社は、2020年12月現在および2019年11
月現在の当社の流動性ポジションが共に適切であったと考えている。当社はごく限られた有価証券および現
金のみに当社のGCLAの範囲を限定しているが、資金調達が困難な環境下でもそれらの流動性が高いことがそ
の理由である。非担保対象有価証券の中でも流動性の低いものや約定済のクレジット・ファシリティー等も
超過流動性の源泉となり得るが、当社はこれらをGCLAに含めていない。
下表は、GCLAについての情報を示したものである。
2020 年12月に終了した 2019 年11月に終了した
( 単位:百万ドル) 期間の平均値 期間の平均値
翌日物現金預金 19,269 13,583
米国政府債 14,951 19,747
米国以外の政府債 25,590 28,124
合計 59,810 61,454
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最低所要GCLAは、当社が直接的に保有しているものであり、当社が流動性要件を満たすためにのみ利用す
ることが意図されているものであって、グループ・インクまたはファンディングIHCはこれを利用すること
ができないと想定されている。当社において保有しているGCLAに加え、GSグループは、グループ・インクま
たはファンディングIHCにおいてグローバルGCLAの一部を直接保有している。これは、場合によっては当社
またはその他の主要な子会社に対して追加で提供されることがある。
その他の非担保対象資産
当社のGCLAに加え、当社は、その他の非担保対象である現金および金融商品も大量に保有している。これ
らの資産には、当社のGCLAに含まれていないその他の政府債、マネー・マーケット優良証券、社債、証拠金
取引可能な株式、ローンおよび現金預金が含まれる。当社のその他の非担保対象資産の公正価値の平均値
は、2020年12月に終了した期間において321.4億ドル、および2019年11月に終了した期間において330.0億ド
ルであった。
規制上の流動性枠組
バーゼル委員会(バーゼル銀行監督委員会)による流動性リスクの管理、基準およびモニタリングの国際的
な枠組の実施により、流動性カバレッジ比率(「LCR」)および安定調達比率(「NSFR」)の使用が要求され
ている。
当社は、英国規制当局および欧州委員会が承認したLCR規則に基づき、最低100パーセントのLCRを満たす必
要がある。2020年12月に終了した直近の12ヶ月間における当社の平均月間LCRは、最低要件を上回っていた。
NSFRは、1年間の計測期間にわたり、金融機関の資産およびオフバランスシート取引に対する中長期的かつ
安定した資金調達を促進することを目的とするものである。2019年6月、欧州委員会は、当社を含むEUの一定
の金融機関に対してNSFRを導入する旨のCRR(EU自己資本規制)を改正する規則を成立させた。この要件は、
英国法に組み込まれている。2020年12月31日をもってブレグジットの移行期間が終了した結果、当社は、2022
年1月に発効すると見込まれている英国で導入されたNSFRの要件の適用対象となった。
当該規則の実施および規制当局が採択する改正は、今後、当社の流動性ならびに資金調達に係る要件および
実務に影響を及ぼすおそれがある。
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信用格付
当社は、日常業務における資金需要の一部について、債券市場での資金調達に依拠しており、債券による資
金調達の費用および当社がこの調達手段を利用できるか否かは、当社およびグループ・インクの信用格付によ
る影響を受ける。信用格付は当社にとって、一定の市場での競争上(店頭デリバティブ市場等)、そして比較
的長期にわたる取引を実行しようとする場合にも重要となる。当社および/またはグループ・インクの信用格
付が引き下げられた場合のリスクに関する情報については、本書第一部第3 2「事業等のリスク-主なリス
クおよび不確実性-流動性リスク」参照。
下表は、当社およびグループ・インクの無担保信用格付および今後の見通しを示したものである。
2020 年12月現在
フィッチ ムーディーズ S&P
GSI
短期債務 F1 P-1 A-1
長期債務 A+ A1 A+
格付見通し ネガティブ 安定的 安定的
グループ・インク
短期債務 F1 P-2 A-2
長期債務 A A3 BBB+
劣後債 BBB+ Baa2 BBB-
信託優先証券 BBB- Baa3 BB
優先株式 BBB- Ba1 BB
格付見通し ネガティブ 見直し中 安定的
2021年1月、ムーディーズはグループ・インクの長期債務の格付をA3からA2に、短期債務の格付をP-2から
P-1に引き上げ、見通しを「格付見直し中」から「安定的」に戻した。
当社の一定のデリバティブは、当社および/またはグループ・インクのいずれかの信用格付の変動に基づい
て当社に担保の差入れまたは取引の終了を求めることができる取引相手先との間の双務契約の下で取引されて
いる。当社は、すべての格付機関がグループ・インクおよび当社の格付を双方同時にまたはそれぞれの格付を
別々に引き下げた場合に生じるであろう担保または契約終了に伴う金銭の支払を決定することにより、これら
の双務契約による影響を査定している。
下表は、グループ・インクおよび/または当社の信用格付が1段階または2段階引き下げられた場合に取引
相手先により要求される可能性のある双務契約における当社のデリバティブ純負債に関係した追加担保または
契約終了に伴う金銭の支払を示したものである。
( 単位:百万ドル) 2020 年12月現在 2019 年11月現在
追加担保または契約終了に伴う金銭の支払:
信用格付が1段階引き下げられた場合 275 166
信用格付が2段階引き下げられた場合 907 594
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キャッシュ・フロー
グローバル金融機関である当社のキャッシュ・フローは複雑であり、当社の収益性や純資産との関連性は薄
い。そのため、当社はその流動性ポジションを評価する方法として、伝統的なキャッシュ・フロー分析は、上
記の流動性や資産・負債管理方針ほど意味のあるものではないと考えている。しかし、キャッシュ・フロー分
析は、当社事業における一定のマクロトレンドや戦略的取組を際立たせるために有用な場合もある。
キャッシュ・フロー計算書は、本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務
書類」に記載されている。
2020年12月に終了した期間
2020年12月末現在の当社の現金および現金同等物(当座貸越控除後)は、185.5億ドル増の437.2億ドルで
あった。これは、主として、営業活動による純キャッシュ164.5億ドル、財務活動による純キャッシュ16.7
億ドルおよび投資活動による純キャッシュ422百万ドルによるものであった。財務活動による純キャッシュ
16.7億ドルは、MREL(自己資本および適格債務の最低基準)適格関係会社間借入の34.0億ドルの増加および
株主からの払込みによる収入380百万ドルを主に反映していたが、当社によるAT1債、劣後ローンおよびMREL
適格関係会社間借入に対する利息支払額20.5億ドルにより部分的に相殺された。
2019年11月に終了した期間
2019年11月末現在の当社の現金および現金同等物(当座貸越控除後)は、15.5億ドル減の223.6億ドルで
あった。これは、主として、営業活動に使用された純キャッシュ26.5億ドルおよび投資活動に使用された純
キャッシュ421百万ドルによるものであったが、財務活動による純キャッシュ15.2億ドルにより部分的に相
殺された。財務活動による純キャッシュ15.2億ドルは、MREL適格関係会社間借入の33.7億ドルの増加および
株主からの払込みによる収入340百万ドルを主に反映していたが、当社によるAT1債、劣後ローンおよびMREL
適格関係会社間借入に対する利息支払額10.7億ドルならびに配当金の支払10.0億ドルにより部分的に相殺さ
れた。
金融負債の満期
当社の金融負債の満期分析については、本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期
間の財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記32参照。
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市場リスク管理
概要(監査済)
市場リスクとは、市況の変動により、公正価値で会計処理される当社のトレーディング商品ならびにその他
の金融資産および負債の価値に損失が生じるリスクをいう。当社は、市場リスクをモニターするために、下記
の各項に記載されている様々なリスク指標を用いている。市場リスクの種類には、以下が含まれる。
・金利リスク:イールド・カーブの水準、勾配および曲率、金利のボラティリティ、期限前返済速度ならび
にクレジット・スプレッドの変動に対するエクスポージャーにより発生する。
・株価リスク:個別株式、株式バスケットおよび株式指標の価格およびボラティリティの変動に対するエク
スポージャーにより発生する。
・為替レートリスク:為替レートの直物価格、先物価格およびボラティリティの変動に対するエクスポー
ジャーにより発生する。
・コモディティ価格リスク:原油および金属等のコモディティの直物価格、先物価格およびボラティリティ
の変動に対するエクスポージャーにより発生する。
市場リスク部門は、収益創出部門から独立しており、GSグループの首席リスク担当役員に報告を行ってい
る。市場リスク部門は、GSグループの世界中の事業全般にわたる監督を通じて、GSグループの市場リスクを評
価、モニターおよび管理することについて主たる責任を負っている。
収益創出部門のマネージャーおよび市場リスク部門は、市場の情報、ポジションおよび想定される損失シナ
リオについて、継続的に協議している。収益創出部門のマネージャーは、GSグループと当社の双方のレベルに
おいて、予め定められた限度額にリスクを限定するよう管理する責任を負っている。
市場リスク管理プロセス(監査済)
当社の市場リスクを管理するプロセスには、本書第一部第5 3「コーポレート・ガバンスの状況等-
(1)コーポレート・ガバナンスの概要-④リスク管理-リスク管理の概要および体制」に記載されているリ
スクの枠組に不可欠な要素のほか、以下が含まれる。
・設定された市場リスク限度額の遵守に対するモニタリングおよび当社のエクスポージャーの報告
・エクスポージャーの分散化
・ポジション規模の管理
・低減策(関連する有価証券またはデリバティブの経済的ヘッジ等)の評価
当社の市場リスク管理の枠組は、GSグループの枠組に沿ったものであり、かつその一部である。そのため、
結果の分析は、GSグループのレベルと当社のレベルの双方において事業ごとおよび全体について行われる。
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リスク指標(監査済)
当社は、リスク指標を作成し、これらを設定された市場リスク限度額に照らしてモニターしている。これら
の指標は、広範囲にわたるシナリオを反映しており、その結果は商品、事業および全社レベルで集約される。
様々なリスク指標を使用し、緩やかな市場の変動とより急激な市場の変動の双方について、短期および長期
双方の計測期間における潜在的な損失の規模の見積りが行われている。主要なリスク指標は、VaR(比較的短
期間の測定に使用される)およびストレス・テストである。当社のリスク報告は、各事業に関する主なリス
ク、その要因および変化の詳細を記載しており、収益創出部門と独立したリスク監督・管理部門の双方の幹部
経営陣に日々配布される。
VaR
VaRとは、特定の信頼水準の下で一定の計測期間中に市場が不利に推移した場合に生じる潜在的な価値の
損失を示すものである。通常、計測期間を1日とし、95パーセントの信頼水準が用いられる。VaRモデル
は、金利、株価、為替レートおよびコモディティ価格を含むリスクを把握する単一のモデルである。そのた
め、VaRは、異なるリスクの特徴を有するポートフォリオ間の比較を容易にする。VaRは、当社全体にわたっ
て集約されたリスクの分散化も把握する。VaRモデルは、当社を含むGSグループ全体にわたり一貫して適用
されている。
VaRは、当社レベルで分析されており、また、リスクの種類および事業を含む、様々な、かつ、より詳細
なレベルでも分析されている。VaRに内在する限界には、以下が含まれる。
・VaRは、極端な変動の可能性がある比較的長期の計測期間における潜在的な損失を見積もることはでき
ない。
・VaRは、異なるリスク・ポジションの相対的な流動性は考慮しない。
・市場リスク要因のそれまでの変動によって、将来における市場のすべての変動の正確な予測ができると
は限らない。
VaRの算定において、当社のエクスポージャーおよび関連するリスクを包括的に把握するため、ポジショ
ン・レベルにおける市場要素を完全に評価したヒストリカル・シミュレーションが、当該ポジションに関連
した市場要素に同時にショックを与えることにより利用される。これらの市場要素には直物価格、クレジッ
ト・スプレッド、資金調達スプレッド、イールド・カーブ、ボラティリティおよびコリレーションが含まれ
ている。また、これらの市場要素は、ポジションの構成における変化のほか、市況の変動に基づき定期的に
アップデートされる。5年分のヒストリカルデータをサンプルとし、VaRの算定に用いるシナリオが作成さ
れる。ヒストリカルデータには加重値が与えられ、データの相対的な重要性が時間の経過と共に減少するよ
うになっている。これにより、より最近の計測がさらに重視され、現時点における資産価値のボラティリ
ティが反映されるようになり、潜在的な損失の見積りの正確性が増す。そのため、VaRに含まれるポジショ
ンに変動がなくても、市場のボラティリティが上昇すればVaRは上昇する場合があり、また逆の場合もあ
る。
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ヒストリカルデータに依拠しているため、VaRは、市況に突然の根本的変化またはシフトが発生していな
い場合において、市場におけるリスク・エクスポージャーを見積もるのに最も効果的な方法である。
VaR指標には、以下は含まれない。
・感応度指標により最適な測定およびモニタリングができるポジション
・デリバティブに関する取引相手先ならびにGSグループおよび/または当社のクレジット・スプレッドの
変動、ならびに損益を通じて公正価値で評価するものに指定される無担保借入金に関するGSグループお
よび/または当社のクレジット・スプレッドの変動の影響
GSグループおよび当社レベルで、またGSグループの各事業について、VaRモデルのバックテスト(すなわ
ち、VaRに含まれるポジションの1日の純収益を、その前営業日に算出されたVaR指標と比較すること)が
日々行われている。
ストレス・テスト
ストレス・テストは、様々な仮定上のストレス・シナリオがGSグループに及ぼす影響を判断する手法であ
る。GSグループは、特定のポートフォリオのリスクのほか、GSグループ全体にわたる重大なリスク・エクス
ポージャーの潜在的な影響および当社への個別の影響を検証するためにストレス・テストを利用している。
広範にわたる市場変動による当社のポートフォリオにおける潜在的な損失を算出するために様々なストレ
ス・テスト技術が利用されている。これらの技術には、ファームワイドなストレス・テスト、感応度分析お
よびシナリオ分析が含まれる。様々なストレス・テストの結果は、リスク管理のために総合して分析され
る。全社的なストレス・テストに関する情報については、本書第一部第5 3「コーポレート・ガバンスの
状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要-④リスク管理-リスク管理の概要および体制」参照。
特定の信頼水準で算定されるために確率の要素を含んでいるVaR指標とは異なり、GSグループのストレ
ス・テストのシナリオには、当該シナリオに該当する事象が発生する確率の要素は含まれていない可能性が
ある。その代わり、ストレス・テストは、市場に内在する要素の緩やかな変化とより急激な変化の双方のモ
デル化に使用される。潜在的な損失を見積もるにあたり、通常、(経験に基づけば当社にとって通常可能で
あるにもかかわらず)ポジションは削減またはヘッジできないと仮定される。
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限度額
当社は、様々なレベルにおいて市場リスク限度額を使用し、当社の市場エクスポージャーの規模を管理して
いる。これらの限度額は、VaRおよび当社のエクスポージャーに関連する様々なストレス・テストに基づき定
められる。
GSI取締役会のリスク委員会およびGSIリスク委員会は、事業体、事業および商品のレベルで、当社のリスク
選好度と一致する当社の市場リスク限度額を設定している。
市場リスク部門は、これらの限度額をモニターし、限度額を超過した事例(たとえば、ボラティリティの上
昇またはコリレーションの変化等、ポジションの変化または市況の変化によるもの)を適時に特定し、幹部経
営陣および/または適切なリスク関連の委員会に適時に上申する責任を負っている。それらの状況は、当社が
保有するポジションの削減、および/または限度額の一時的もしくは恒久的な引上げによって解消される。
指標(監査済)
VaRは、当社レベルで分析されており、また、リスクの種類および事業を含む、様々な、かつ、より詳細な
レベルでも分析されている。下表それぞれの分散化の影響は、VaRの合計と4種類のリスク別VaRの合計の差額
を示している。この影響は、4種類の市場リスクが完全には相関しないために生じるものである。
下表は、当社の1日の平均VaRを示したものである。
2020 年12月に 2019 年 11 月に
終了した期間 終了した期間
( 単位:百万ドル)
項目
金利 38 24
株価 33 18
為替レート 11 8
コモディティ価格 2 1
分散化の影響 (30 ) (19 )
合計 54 32
当社の1日の平均VaRは、2019年11月に終了した期間の32百万ドルから2020年12月に終了した期間には54百
万ドルに増加した。これは、主として、株価および金利の項目の増加によるものであったが、分散化の影響の
項目の増加により部分的に相殺された。全体的な増加は、ボラティリティ水準の上昇によるものであった。
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下表は、当社の各年度末現在のVaRを示したものである。
( 単位:百万ドル) 2020 年12月現在 2019 年11月現在 2018 年12月1日現在
項目
金利 26 23 25
株価 24 18 19
為替レート 9 6 10
1
コモディティ価格 2 1
分散化の影響 (22 ) (17 ) (24 )
合計 39 31 31
当社の年度末現在のVaRは、2019年11月現在の31百万ドルから2020年12月現在には39百万ドルに増加した。
これは、主として、株価、金利および為替レートの項目の増加によるものであったが、分散化の影響の項目の
増加により部分的に相殺された。全体的な増加は、ボラティリティ水準の上昇によるものであった。
下表は、当社の最高・最低VaRを示したものである。
2020 年12月に終了した期間 2019 年11月に終了した期間
( 単位:百万ドル)
最高 最低 最高 最低
項目
金利 77 19 34 18
株価 118 15 37 13
為替レート 20 6 16 4
コモディティ価格 8 1 2 -
全社レベル
VaR 155 29 49 25
感応度指標(監査済)
一定のポートフォリオおよび個別のポジションは、VaRがそれらのポジションの最適なリスク指標とはいえ
ないため、VaRの対象外となる。
10%感応度指標
公正価値で会計処理されたVaR対象外のポジションに伴う市場リスクは、当該ポジションの価値が10パー
セント下落した場合に純収益が減少する可能性を見積もる方法で判断している。これらのポジションの市場
リスクは、2020年12月現在で34.7百万ドル、2019年11月現在で31.6百万ドルおよび2018年12月1日現在で
33.2百万ドルであった。
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信用リスク管理
概要(監査済)
信用リスクは、取引相手先(たとえば、店頭デリバティブの取引相手先または借主)または当社が保有する
有価証券もしくはその他の商品の発行体が債務不履行に陥り、あるいはその信用度が悪化した場合に当社が被
るおそれのある潜在的な損失を示すものである。信用リスクに対する当社のエクスポージャーは、大部分が店
頭デリバティブにおける顧客の取引において発生する。信用リスクは、銀行預金、証券金融取引(すなわち、
売戻条件付契約・買戻条件付契約および有価証券の借入・貸付活動)、顧客等受取債権およびその他の資産か
らも発生する。また、当社は、信用リスクを発生させるその他のポジション(たとえば、債券)を保有してい
る。これらの信用リスクは、市場リスクの指標の一部として把握され、市場リスク部門がモニターおよび管理
している。
信用リスク部門は、収益創出部門から独立しており、GSグループの首席リスク担当役員に報告を行ってい
る。信用リスク部門は、GSグループの世界中の事業全般にわたる監督を通じて、GSグループの信用リスクを評
価、モニターおよび管理することについて主たる責任を負っている。当社の信用リスク管理の枠組は、GSグ
ループのリスク・ガバナンス委員会によって策定されたGSグループの同枠組に沿ったものである。
信用リスク管理プロセス(監査済)
信用リスクを管理するプロセスには、本書第一部第5 3「コーポレート・ガバンスの状況等-(1)コー
ポレート・ガバナンスの概要-④リスク管理-リスク管理の概要および体制」に記載されている当社のリスク
管理の枠組に不可欠な要素のほか、以下が含まれる。
・設定された信用リスク限度額の遵守に対するモニタリングならびに当社の信用エクスポージャーおよび信
用の集中の報告
・取引相手先がその支払義務の不履行に陥る可能性の評価
・当社の現在の信用エクスポージャーおよび潜在的信用エクスポージャーならびに取引相手先の不履行によ
り生じる損失の測定
・担保およびヘッジを含む信用リスク低減策の利用
・積極的なワークアウトおよび債権の再構成を通じた回収額の最大化
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当社はまた、当社の取引相手先の初期分析および継続的分析を含む信用審査を行っている。信用審査は、取
引相手先がその金融債務を履行する能力および意欲を有しているか否かについての独自の分析であり、かかる
分析が内部信用格付となる。内部信用格付を決定する際には、取引相手先の業界の性質および見通し、ならび
に経済的環境に関する想定も加味される。幹部スタッフは、特定の業界に関する専門知識を駆使し、信用審査
および内部信用格付を検査し、承認する。
信用リスク管理システムは、個々の取引相手先ならびに取引相手先およびその子会社全体に対する信用エク
スポージャーを把握している。これらのシステムは、商品別、内部信用格付別、業界別、国別および地域別の
総合的な信用リスクに関する包括的な情報も、経営陣に対して提供している。
リスク指標
取引相手先が支払を怠った場合における潜在的な損失に基づき、現在のエクスポージャーおよび潜在的エク
スポージャーを用いて信用リスクが測定されている。デリバティブおよび証券金融取引について、現在のエク
スポージャーとは、適用あるネッティングおよび担保に関する契約を考慮後の当社に対する現在の債務額をい
い、潜在的エクスポージャーとは、特定の信頼水準の下で市場の推移に基づき取引期間中に発生する可能性の
ある、将来のエクスポージャーの当社における見積りである。潜在的エクスポージャーは、ネッティングおよ
び担保に関する契約も考慮したものとなっている。
ストレス・テスト
当社は、取引相手先の信用格付または信用リスク要因(たとえば、為替レート、金利、株価)にショックを
与えることにより発生し得る潜在的集中を含む信用エクスポージャーを算定するために、定期的なストレス・
テストを行っている。かかるショックは、緩やかな市場の変動から、より急激な市場の変動までを幅広く対象
とし、市場または経済における深刻な事象の発生に合致した形での、複数のリスク要因に対するショックを含
んでいる。ソブリン債の不履行の場合については、当社は、不履行が当社のソブリン信用エクスポージャーに
及ぼす直接的影響、不履行に反応した市場の潜在的な動向から生じる当社の信用エクスポージャーの変動、な
らびにソブリン債の不履行により生じ得るクレジット市場の悪化が法人借主および取引相手先に及ぼす影響を
見積もっている。特定の信頼水準の下で算定される潜在的エクスポージャーとは異なり、ストレス・テストは
通常、かかる事象が発生する確率を想定していない。当社はまた、全社的なストレス・テストを行っている。
全社的なストレス・テストに関する情報については、本書第一部第5 3「コーポレート・ガバンスの状況等
-(1)コーポレート・ガバナンスの概要-④リスク管理-リスク管理の概要および体制」参照。
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限度額
信用限度額は、当社の信用エクスポージャーの規模および性質を管理するため、様々なレベルで使用されて
いる。GSI取締役会のリスク委員会およびGSIリスク委員会は、全社レベル、事業レベルおよび商品レベルで、
当社のリスク選好度と一致する信用リスク限度額を承認する。さらに、GSIリスク委員会は、当社レベルで信
用リスクの二次的限度額の設定を行うための枠組を承認するが、この権限は、(GSグループのリスク・ガバナ
ンス委員会より委譲された権限を通じて)信用リスク部門に対して委譲されている。
信用リスク部門は、これらの限度額をモニターし、限度額を超過した事例を適時に特定し、幹部経営陣およ
び/または適切なリスク関連の委員会に適時に上申する責任を負っている。
リスク低減策
当社は、デリバティブおよび証券金融取引に関する信用エクスポージャーを軽減するため、取引相手先との
間で、当社が当該取引相手先との間の債権債務を相殺できるネッティング契約を締結することがある。当社
は、取引相手先から事前に、または条件付で担保を徴求し、かつ/または当該取引相手先の信用格付が一定水
準を下回った場合に取引を終了させることのできる契約を締結することにより、取引相手先との間で発生する
信用リスクを軽減することもある。当社は、担保の公正価値をモニターすることにより、信用エクスポー
ジャーに対して適切な担保が付されていることを確保する。当社は、取引相手先の信用力と受取担保の市場価
値の間に顕著な正のコリレーションが存在する場合のエクスポージャーを最小化するよう努めている。
当社が取引相手先の財務能力を十分に見通すことができない場合、または取引相手先が親会社からの支援を
必要としていると当社が判断する場合は、当社は当該取引相手先の債務について第三者の保証を受けることが
ある。当社は、信用デリバティブを利用して当社の信用リスクを低減させることもある。
信用エクスポージャー(監査済)
当社の信用エクスポージャーについては、下記でさらに詳述する。
現金および現金同等物
現金および現金同等物には、利付預金と無利息預金の双方が含まれる。信用損失のリスクを低減させるた
め、当社は、当社の預金のほぼすべてを高格付の銀行および中央銀行に預け入れている。
担保付契約
当社は、取引相手先に対して前貸しされた現金が受取担保の価額を超える範囲内においてのみ、担保付契
約に関連する信用リスクを負っている。したがって、これらの取引に関する当社の信用エクスポージャー
は、受取担保を考慮前の公正価値または約定価値である貸借対照表に計上されている金額よりも大幅に少な
い。当社は、これらの取引のために取引相手先に対して差し入れた担保の価額が受取現金または受取担保の
価額を超える範囲内において、その貸借対照表上負債となっている担保付借入金に対する信用エクスポー
ジャーも有している。
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顧客等受取債権
当社は、ブローカー/ディーラーおよび決済機関からの受取債権ならびに顧客からの受取債権を通じた、
顧客等受取債権に起因する信用リスクにさらされている。これらの顧客等受取債権は、主として、デリバ
ティブ金融商品負債に関連して取引相手先および決済機関に支払われた現金担保に関連した受取債権から成
る。顧客等受取債権には、顧客との有価証券取引に係る担保付受取債権も含まれる。かかる受取債権に関す
る信用リスクは、一般に、受取担保の価額とこれらの受取債権は短期のものが多いことの双方から、最低限
に抑えられている。
特定取引資産
特定取引資産には、特定取引現物商品およびデリバティブが含まれる。下表ではそれぞれ、特定取引現物
商品はエクスポージャー総額に含まれているが、市場リスクに含まれている範囲内においては、エクスポー
ジャー総額から除外されて正味信用エクスポージャーに含まれている。現在有効な相殺の法的権利が存在
し、純額ベースで決済を行う意図もある場合を除き、デリバティブは当社の財務書類において取引相手先別
の公正価値の総額ベースで計上される。店頭デリバティブは、上記のリスク・プロセス、指標および限度額
を用いてリスク管理されている。
投資資産
投資資産には、債務商品および株式が含まれる。下表ではそれぞれ、投資資産はエクスポージャー総額に
含まれているが、市場リスクに含まれている範囲内においては、エクスポージャー総額から除外されて正味
信用エクスポージャーに含まれている。
ローン
ローンには、投資目的保有のローンが含まれる。下表ではそれぞれ、ローンはエクスポージャー総額に含
まれているが、市場リスクに含まれている範囲内においては、エクスポージャー総額から除外されて正味信
用エクスポージャーに含まれている。下記「公正価値で測定する金融商品」において定量化されている低減
策に加え、当社は、一定の貸付活動に関連する信用リスクを低減させるため、一定のローンについて、個別
銘柄契約または指数ベース契約の信用デリバティブを通じて、信用プロテクションを得る場合もある。
その他の資産
当社は、主としてその関係会社間ローンおよび他の様々な受取債権を通じた、当社のその他の資産に起因
する信用リスクにさらされている。
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信用リスク・エクスポージャー(監査済)
下表は、経営陣が信用リスクを判断する際に考慮する、当社の金融資産に対する信用エクスポージャー総額
と、当社のリスク管理プロセスにおいて市場リスクに含まれる資産、取引相手先との相殺(すなわち、ある取
引相手先に関し、法的効力のあるネッティング契約に基づき相殺の法的権利が存在する場合に金融資産および
負債を相殺すること)ならびに信用補完契約に基づいて受け取った現金担保・有価証券担保および信用補完契
約に基づいて差し入れた現金担保を考慮後の正味信用エクスポージャーを示したものである。
( 単位:百万ドル) 公正価値 償却原価 合計
2020 年12月現在
信用エクスポージャー総額 1,083,006 183,571 1,266,577
正味信用エクスポージャー 28,367 64,235 92,602
2019 年11月現在
信用エクスポージャー総額 879,993 160,425 1,040,418
正味信用エクスポージャー 20,165 43,763 63,928
2018 年12月1日現在
信用エクスポージャー総額 741,686 144,684 886,370
正味信用エクスポージャー 20,721 44,860 65,581
上表において、正味信用エクスポージャーは、当年度の表示に合わせて、2019年11月現在で477百万ドル、
および2018年12月1日現在で248百万ドル増加した。詳細については、下記「公正価値で測定する金融商品」
参照。
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公正価値で測定する金融商品
下表は、経営陣が信用リスクを判断する際に考慮する、損益を通じて公正価値で測定する金融資産に対す
る当社の信用エクスポージャー総額と、当社のリスク管理プロセスにおいて市場リスクに含まれる資産、取
引相手先との相殺、ならびに信用補完契約に基づいて受け取った現金担保・有価証券担保および信用補完契
約に基づいて差し入れた現金担保を考慮後の正味信用エクスポージャーを示したものである。
担保付 その他
特定取引
( 単位:百万ドル) 契約 資産 投資資産 ローン の資産 合計
2020 年12月現在
6,013
信用エクスポージャー総額 92,619 982,919 888 567 1,083,006
-
市場リスクに含まれる資産 - (83,083 ) (888 ) - (83,971 )
-
取引相手先との相殺 (19,790 ) (807,180 ) - (215 ) (827,185 )
-
現金担保 - (49,190 ) - - (49,190 )
-
受取有価証券担保 (71,995 ) (22,137 ) - (161 ) (94,293 )
6,013
正味信用エクスポージャー 834 21,329 - 191 28,367
2019 年11月現在
-
信用エクスポージャー総額 91,586 785,365 1,492 1,550 879,993
-
市場リスクに含まれる資産 - (97,265 ) (1,492 ) (663 ) (99,420 )
-
取引相手先との相殺 (33,612 ) (612,754 ) - (2 ) (646,368 )
-
現金担保 - (40,382 ) - - (40,382 )
-
受取有価証券担保 (57,478 ) (15,939 ) - (241 ) (73,658 )
-
正味信用エクスポージャー 496 19,025 - 644 20,165
2018 年12月1日現在
-
信用エクスポージャー総額 146,767 592,781 1,318 820 741,686
-
市場リスクに含まれる資産 - (73,486 ) (1,318 ) (555 ) (75,359 )
-
取引相手先との相殺 (58,327 ) (450,418 ) - - (508,745 )
-
現金担保 - (35,148 ) - - (35,148 )
-
受取有価証券担保 (87,254 ) (14,319 ) - (140 ) (101,713 )
-
正味信用エクスポージャー 1,186 19,410 - 125 20,721
上表において、当社は、以下についてその比較数値を更新した。
・特定取引資産中の一定の企業向けローンおよび一定のローンが信用リスクに含められたことを反映する
ため、市場リスクに含まれる資産の数値を減少させた。これらの正味信用エクスポージャーの数値の増
加は、適用ある取引相手先との相殺および受取有価証券担保の数値が増加したことによって部分的に相
殺された。
・法的効力のあるネッティング契約の存在を反映するため、特定取引資産中の一定のデリバティブに関す
る取引相手先との相殺の数値を増加させた。その結果、正味信用エクスポージャーの数値が減少した。
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上記の変更の結果、以下の影響が生じた。
・市場リスクに含まれる資産の数値は、2019年11月現在で16.9億ドル、および2018年12月1日現在で804
百万ドル減少した。
・取引相手先との相殺の数値は、2019年11月現在で967百万ドル、および2018年12月1日現在で556百万ド
ル増加した。
・受取有価証券担保の数値は、2019年11月現在で241百万ドル増加した。
・正味信用エクスポージャーの数値は、2019年11月現在で477百万ドル、および2018年12月1日現在で248
百万ドル増加した。
下表は、損益を通じて公正価値で測定する金融資産に対する当社の信用エクスポージャー総額を、格付機
関の公表値に相当するものとして内部で判断した格付別およびその他の信用指標別に示したものである。
( 単位:百万ドル) 2020 年12月現在 2019 年11月現在 2018 年12月1日現在
AAA 16,789 16,752 12,663
AA 64,833 62,611 60,143
A 789,934 586,450 481,759
BBB 79,858 78,009 76,178
BB 以下 40,199 34,730 35,290
格付なし 91,393 101,441 75,653
合計 1,083,006 879,993 741,686
上表において、
・格付なしの当社の信用エクスポージャー総額には、市場リスクに含まれる資産が含まれている。格付な
しの当社の正味信用エクスポージャーは、2020年12月現在で794百万ドル、2019年11月現在で438百万ド
ル、および2018年12月1日現在で210百万ドルであり、これらは、格付機関の公表値に相当するものと
して内部で判断した格付を付していない金融資産である。
・当社は、一定のローンに格付機関の公表値に相当するものとして内部で判断した格付が付されたことを
反映するため、その比較数値を更新した。その結果、損益を通じて公正価値で測定する金融資産に対す
る信用エクスポージャー総額について、2019年11月現在で16.6億ドルおよび2018年12月1日現在で718
百万ドルが、格付なしの項目から格付機関の公表値に相当するものとして内部で判断した格付の項目に
振り替えられた。
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償却原価で測定する金融商品
当社の償却原価で測定する金融資産は、本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した
期間の財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記30に記載されている。これらの数値は、償却原価で測定
する金融資産に対する当社の信用エクスポージャー総額を示している。これらの金融資産に対する信用リス
クを低減させる担保およびその他の信用補強策に関する情報については、上記「リスク低減策」参照。
当社の償却原価で測定する金融資産はすべて、当社の減損モデルにおけるステージ1、すなわち、当初認
識時に信用減損が生じておらず、2020年12月現在、2019年11月現在および2018年12月1日現在において、当
初認識以降に信用リスクの著しい増大が認められないものとして分類された。2020年12月現在、2019年11月
現在および2018年12月1日現在において、これらの金融資産に関する予想信用損失(「ECL」)は重大なも
のではなかった。報告期間中、見積技術または重要な仮定について、重大な変更はなかった。
下表は、償却原価で測定する金融資産に対する当社の信用エクスポージャー総額を、格付機関の公表値に
相当するものとして内部で判断した格付別およびその他の信用指標別に示したものである。
( 単位:百万ドル) 2020 年12月現在 2019 年11月現在 2018 年12月1日現在
AAA 2,578 13,761 15,689
AA 52,950 21,203 18,728
A 81,432 91,284 79,700
BBB 17,414 18,874 17,175
BB 以下 27,274 14,236 11,899
格付なし 1,923 1,067 1,493
合計 183,571 160,425 144,684
上表において、格付なしの当社の信用エクスポージャー総額は、格付機関の公表値に相当するものとして
内部で判断した格付を付していない金融資産に関連していた。
コミットメントおよび偶発債務
金融資産に係る信用リスクに加え、当社は、条件付およびフォワード・スタート担保付契約における信用
エクスポージャーも有している。これらの取引に関係する当社の信用エクスポージャー総額は、2020年12月
現在で619.8億ドル、2019年11月現在で632.9億ドルおよび2018年12月1日現在で605.3億ドルであった。し
かし、これらのコミットメントが履行された場合、かかるエクスポージャーは、2020年12月現在で約614.0
億ドル、2019年11月現在で約626.9億ドルおよび2018年12月1日現在で約600.6億ドルの担保により低減す
る。その結果、これらのコミットメントに対する当社の正味信用エクスポージャーは、2020年12月現在で約
580百万ドル、2019年11月現在で約601百万ドルおよび2018年12月1日現在で約473百万ドルとなった。
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信用の集中(監査済)
当社の信用リスクの集中は、そのマーケット・メイキング、顧客取引の円滑化、投資、引受、貸付および担
保付取引、ならびに現金管理活動から生じ、また、経済、業界または政治的な要因の変動による影響を受ける
可能性がある。これらの活動によって、当社は数多くの異なる業界および取引相手先に関与しており、また、
これらの活動によって当社が特定の中央銀行、取引相手先、借主もしくは発行体(ソブリン発行体を含む)、
または特定の清算機関もしくは取引所に対する信用リスクの集中にさらされる可能性もある。当社は、個々の
事業体およびそれらの連結グループならびに各国および各業界に対する限度額に照らしてエクスポージャー総
額を積極的にモニターし、適切と判断した場合は取引相手先から担保を徴求することにより、信用リスクの低
減に努めている。
当社は、経営陣が信用リスクを判断する上で検討するリスク低減策を考慮の上、当社に対する債務額に基づ
きその信用エクスポージャーを測定し、モニターしている。かかるリスク低減策には、ネッティングおよび担
保に関する契約、ならびに信用デリバティブ、先物契約および先渡契約等の経済的ヘッジが含まれる。ネッ
ティングおよび担保付契約により、当社は当該取引相手先との間で債権債務を相殺することができ、かつ/ま
たは事前にもしくは条件付で担保を徴求することが可能となる。
デリバティブ資産に関連して当社が徴求する担保は主に現金で、当社または第三者保管機関により保管され
る。担保付契約取引に関連して当社が徴求する担保は、主に政府債および政府機関債ならびに株式である。
下表は、金融資産に対する当社の正味信用エクスポージャーを業界および地域別に示したものである。
( 単位:百万ドル) 2020 年12月現在 2019 年11月現在 2018 年12月1日現在
業界別信用エクスポージャー
ファンド 6,599 7,429 8,038
金融機関 34,767 28,606 25,248
ソブリン 42,760 21,896 26,594
天然資源および公益事業 1,470 738 1,886
多角事業 1,362 1,178 1,233
その他(特別目的事業体を含む) 5,644 4,081 2,582
合計 92,602 63,928 65,581
地域別信用エクスポージャー
EMEA 64,381 41,523 43,178
南北アメリカ 18,937 15,076 14,965
アジア 9,284 7,329 7,438
合計 92,602 63,928 65,581
上表において、業界別および地域別正味信用エクスポージャーは、当年度の表示に合わせて、2019年11月現
在で477百万ドル、および2018年12月1日現在で248百万ドル増加した。詳細については、上記「公正価値で測
定する金融商品」参照。
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オペレーションリスク管理
概要(監査済)
オペレーションリスクとは、内部の手続、人員およびシステムの不足もしくは不備または外部的事象によ
り、有害な結果が生じるリスクをいう。オペレーションリスクに対する当社のエクスポージャーは、日常的な
手続上の過誤、ならびに大規模システム障害または法的および規制に関連する事由といった非日常的な事由か
ら発生する。
内部および外部のオペレーションリスクに関連する損失を発生させ得る事由の潜在的な種類には、以下が含
まれる。
・顧客、商品および商慣行
・執行、引渡および処理の管理
・事業の混乱およびシステム障害
・雇用慣行および職場の安全
・有形資産への損害
・内部不正行為
・外部不正行為
オペレーションリスク部門は、収益創出部門から独立しており、GSグループの首席リスク担当役員に報告を
行っている。オペレーションリスク部門は、GSグループのリスク選好度の範囲内の水準でオペレーションリス
クに対するGSグループのエクスポージャーを維持することを目標として、オペレーションリスクの評価、モニ
タリングおよび管理のための定式化された枠組を策定し、実施することについて主たる責任を負っている。当
社のオペレーションリスク管理の枠組は、GSグループの枠組に沿ったものであり、かつその一部である。
オペレーションリスク管理プロセス(監査済)
当社のオペレーションリスクを管理するプロセスには、本書第一部第5 3「コーポレート・ガバンスの状
況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要-④リスク管理-リスク管理の概要および体制」に記載されて
いる当社のリスク管理の枠組に不可欠な要素が含まれる。これらの要素には、オペレーションリスク事由に関
する包括的なデータ収集プロセスならびに全社的な方針および手続が含まれる。
トップダウン・アプローチおよびボトムアップ・アプローチを組み合わせてオペレーションリスクの管理お
よび測定が行われている。トップダウンの視点からは、幹部経営陣が、全社的および事業レベルのオペレー
ションリスク・プロファイルを評価している。ボトムアップの視点からは、第1および第2の防衛線が、オペ
レーションリスクの幹部経営陣への上申を含む日常的なリスク特定およびリスク管理の責任を負っている。
当社は、オペレーションリスクを最小限に抑えるため、統制の行き届いた環境を提供すべく策定された包括
的な統制の枠組を有している。EMEAオペレーションリスク委員会は、当社のオペレーションリスクの監督なら
びに当社のビジネスおよびオペレーションレジリエンスの確保について責任を負っている。
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オペレーションリスク管理の枠組は、一部がバーゼル3(バーゼル委員会による国際的な自己資本比率水準
を強化した自己資本規制の枠組)に基づくオペレーションリスク測定規則を遵守すべく策定されており、常に
変化している当社の事業上のニーズおよび規制上のガイダンスに応じて発展してきた。
オペレーションリスク事由を報告および上申することを全社員に対して義務付ける方針が定められている。
かかる方針では、オペレーションリスク事由が特定された場合、将来発生する事由のリスクをさらに低減させ
るためにシステムおよび/またはプロセスを変更する必要性を判断するために、当該事由について書面化し、
これを分析することを義務付けている。
オペレーションリスク管理アプリケーションを用いて、オペレーションリスク事由データおよび主要指標が
把握および整理されている。当社の主要なリスクの特定および評価手段の1つは、当社のマネージャーによっ
て実施される、オペレーションリスクおよび統制の自己評価プロセスである。かかるプロセスは、フォワー
ド・ルッキングな視点に基づくオペレーションリスクの特定および評定、ならびに関連する統制から成る。か
かるプロセスの結果は、オペレーションリスク・エクスポージャーの評価、およびオペレーションリスクの水
準が高まっている事業、業務または商品の特定を行うために分析される。
リスクの測定
当社の各事業について、内部および外部のオペレーションリスク事由データおよび内部統制に係る要因に関
する定性的評価および定量的評価を含む統計的モデリングとシナリオ分析の双方を行うことにより、当社のオ
ペレーションリスク・エクスポージャーが測定されている。
かかるシナリオ分析の結果は、オペレーションリスクの変化のモニタリングおよびオペレーションリスクに
対するエクスポージャーが高まっている可能性のある事業ラインの特定に利用される。当該分析結果は、保有
すべきオペレーションリスク資本の適切な水準の決定に利用される。当社は、全社的なストレス・テストも実
施している。全社的なストレス・テストに関する情報については、本書第一部第5 3「コーポレート・ガバ
ンスの状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要-④リスク管理-リスク管理の概要および体制」参
照。
オペレーションリスクの種類
技術および第三者との関係に対する依存度が高くなった結果、情報セキュリティおよびサイバーセキュリ
ティリスク、サードパーティーリスクならびにビジネスレジリエンスリスク等のオペレーションリスクが増大
している。当社は、これらのリスクを以下のとおり管理している。
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情報セキュリティおよびサイバーセキュリティリスク
情報セキュリティおよびサイバーセキュリティリスクとは、当社、当社の社会的評価、当社の顧客およ
び/または、より広範囲の金融システムに悪影響を及ぼすことにつながる当社のデータおよびシステムの機
密性、完全性または利用可能性の危殆化リスクをいう。当社は、情報および/もしくは情報システムへの不
正アクセス、不正妨害またはその不正使用の発生や、それらによる影響を最小限に抑えるよう努めている。
当社は、新たな、そして変化を続ける情報セキュリティおよびサイバーセキュリティに対する脅威を緩和す
るため、予防的および発見的な統制ならびにプロセスの活用および運用を行っている。かかる統制およびプ
ロセスには、当社のデータおよびシステムにおける既知の脆弱性ならびにそれらに対する不正アクセスの試
みの兆候について当社のネットワークをモニターすることが含まれる。当社のデータを複数の外部サービス
提供者に分散化させること(クラウドで提供またはホストされる様々なサービスおよびアプリケーションの
使用を含む)により、情報リスクが増大している。情報セキュリティおよびサイバーセキュリティリスクに
関する詳細については、本書第一部第3 2「事業等のリスク-主なリスクおよび不確実性」参照。
サードパーティーリスク
ベンダーリスクを含むサードパーティーリスクとは、当社に代わりサービスまたは業務を提供する第三者
への依存により悪影響が生じるリスクをいう。これらのリスクには、法務リスク、規制上のリスク、情報セ
キュリティリスク、評判リスク、オペレーションリスク、または第三者を起用することに内在するその他の
リスクが含まれる可能性がある。当社は、主要なサードパーティーリスクを特定、管理および報告し、情報
セキュリティおよびサイバーセキュリティ、レジリエンスならびにさらなる第三者への依存を含む複数のリ
スク領域にわたるデューディリジェンスを行っている。GSグループのサードパーティーリスクプログラム
は、サードパーティーリスクを継続的にモニターし、検討し、再評価する。サードパーティーリスクに関す
る詳細については、本書第一部第3 2「事業等のリスク-主なリスクおよび不確実性」参照。
ビジネスレジリエンスリスク
ビジネスレジリエンスリスクとは、当社の重要なプロセスが途絶するリスクをいう。当社は、脅威のモニ
タリングおよびリスクの評価を行い、重要な施設、システム、第三者、データおよび/またはスタッフ等、
当社の重要な機能またはそれらに付随するものの通常のオペレーションに著しいオペレーション途絶が起き
た場合に対して、備えができている状態を確保するよう努めている。当社のBCPへの取組は、ビジネスおよ
びオペレーションレジリエンスの観点から行われる。レジリエンスの枠組は、BCPおよび危機管理の基本原
則を定めており、これにより重要な機能の途絶があった場合にも確実にオペレーションが継続できるように
している。事業継続プログラムは包括的であり、GSグループ全体にわたり一貫しており、かつ最新のもので
あり、新たな情報、手法および技術をそれらが入手可能となり次第組み込んだものとなっている。また、当
社のレジリエンス復旧計画は、ローカルマーケットのベストプラクティスおよび規制上の要件に従った、そ
して、特定のシナリオに基づいた、特定の測定可能な復旧時間の目標を組み込んでおり、かつ、それをテス
トするものである。
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モデルリスク管理
概要(監査済)
モデルリスクとは、不正確である可能性または不適切に使用された可能性のあるモデルの出力結果に基づい
てなされた判断により、悪影響が生じる潜在的な可能性をいう。当社は、一定の金融資産および負債の査定、
当社のリスクのモニタリングおよび管理、ならびに当社の規制上の自己資本の計測およびモニタリングを主な
目的として、当社の事業活動全般にわたり定量的モデルに依拠している。
モデルリスク部門は、収益創出部門、モデル開発者、モデルオーナーおよびモデルユーザーから独立してお
り、GSグループの首席リスク担当役員に報告を行っている。モデルリスク部門は、GSグループの世界中の事業
全般にわたる監督を通じて、GSグループのモデルリスクを評価、モニターおよび管理することについて主たる
責任を負っており、かつ幹部経営陣、リスク関連の諸委員会およびGSグループの取締役会のリスク委員会に定
期的な報告を行っている。当社のモデルリスク管理の枠組は、GSグループの枠組に沿ったものであり、かつそ
の一部である。
GSグループのモデルリスク管理の枠組は、ガバナンス体制およびリスク管理統制を通じて管理されており、
これは、リスク評価および分類、健全なモデル開発実務、独自の検討ならびにモデル別の使用統制を含む、包
括的なモデル構造をGSグループが維持していることを確保するために策定された基準を網羅している。GSグ
ループのファームワイド・モデルリスクコントロール委員会は、モデルリスク管理の枠組を監督している。
モデルの検討および検証プロセス
モデルリスク部門は、モデルを独自に検討、検証および承認する定量化業務の専門家職員で構成されてい
る。当該検討には、モデル文書の分析、独自のテスト、使用された方法の適切性に関する評価、およびモデル
の開発・実施基準の遵守の検証が含まれる。
当社は、市況または経済状況および当社の事業構成の変化を反映させるために、定期的にそのモデルを改良
し、強化している。すべてのモデルは年に1回検討され、新規モデルを策定する場合、または既存モデルおよ
びそれらの仮定に重要な変更を行う場合は、その実施前に承認を受けることとなっている。
モデル検証プロセスは、モデルの理論上の健全性、計算手法の適切性、関連する商品の特徴およびその重大
なリスクを正確に反映しているか否か、入力されたパラメーターおよび仮定事項に対する感応度、ならびにモ
デル開発者により実施されるテストの範囲を批判的観点から評価および検証するために、広範なシナリオ(極
限の状況を含む)におけるモデルならびに取引およびリスクパラメーターの検討を組み込んだものとなってい
る。
当該分野における当社によるモデルの使用に関する詳細については、上記「流動性リスク管理」、「市場リ
スク管理」、「信用リスク管理」および「オペレーションリスク管理」参照。
4【経営上の重要な契約等】
該当なし。
5【研究開発活動】
該当なし。
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第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類-(6)財務書類に対する注記」
注記15「その他の資産」参照。
2【主要な設備の状況】
本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類-(6)財務書類に対する注記」
注記15「その他の資産-有形固定資産・賃借物件附属設備および装置」および「その他の資産-使用権資産およ
びリース負債」参照。
3【設備の新設、除却等の計画】
該当なし。
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第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2020 年12月31日現在)
株式数
授権株数(株) 発行済株式総数(株) 未発行株式数(株)
米ドル普通株式
- 598,182,053 株 -
(1株当たり額面1米ドル)
株式合計数 - 598,182,053 株 -
②【発行済株式】
(2020 年12月31日現在)
上場金融商品取引所名
記名・無記名の別
又は
及び 種類 発行数(株) 内容
登録認可金融商品取引
額面・無額面の別
業協会名
各米ドル普通株式は、その
種類株式内で1議決権を有
1株当たり額面1米ドルの する。米ドル普通株式は、
米ドル普通株式 598,182,053 株 該当なし
記名式普通株式 種類株式全体として株主総
会における議決権の100
パーセントを有する。
計 - 598,182,053 株 - -
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
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(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
普通株式
普通株式額面総額 普通株式額面総額
発行済株式 発行済株式
( 1株当たり額面1ドル)およ (1株当たり額面1ドル)
年月日 総数増減数 総数残高
び追加払込済資本金増減額 および追加払込済資本金残高
(株) (株)
(単位:米ドルおよび円) ( 単位:米ドルおよび円)
582.0 百万
2016 年12月31日 - 581,964,161 - - (636 億円)
米ドル
582.0 百万
2017 年12月31日 - 581,964,161 - - (636 億円)
米ドル
582.0 百万
2018 年11月30日 - 581,964,161 - - (636 億円)
米ドル
8 百万 590.0 百万
2019 年11月30日 7,643,885 589,608,046 (9 億円) (645 億円)
米ドル 米ドル
8 百万 598.0 百万
2020 年12月31日 8,574,007 598,182,053 (9 億円) (654 億円)
米ドル 米ドル
(注)2020年3月24日、1株当たり額面1米ドルの普通株式8,574,007株が、ゴールドマン・サックス・グループUKリミ
テッドに対し44.32米ドルで割り当てられた。受領した対価の合計は、 371,425,993 米ドルの資本剰余金を含めて、
現金で 380,000,000 米ドルであった。
(4)【所有者別状況】
下記(5)「大株主の状況」参照。
(5)【大株主の状況】
(2020年12月31日現在)
発行済株式総数に対す
る所有株式数の割合
株式の種類 氏名又は名称 住所 所有株式数(株)
(各種類株式における
もの)(%)
英国 EC4A 4AU ロンド
ゴールドマン・サックス・
米ドル普通株式 ン シューレーン 25 598,182,053 株 100 %
グループUKリミテッド
プラムツリー・コート
2【配当政策】
2020 年度の配当に関する情報については、本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期
間の財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記24「配当」参照。
当社は、ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インクの間接完全所有子会社であり、英国の健全性監督機
構(「PRA」)により認可され、PRAおよび英国の金融行為監督機構(「FCA」)の規制対象となっている。当社
による当社株主に対する配当金の支払は、当社取締役会の裁量に基づき決定され、また、PRAおよびFCAの監督の
対象となっている。
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3【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① 取締役会
当社におけるリスクの最終的な監督責任は、当社の取締役会が負っている。取締役会は、直接的に、また諸
委員会への権限委譲を通じて、リスクを監督している。当社の事業の重要な側面について特定のリスク管理権
限を有する一連の社内委員会もまた、監督または意思決定を行う責任を負っている。
② 監査人
監査人
当社は、プライスウォーターハウスクーパース エルエルピー(PricewaterhouseCoopers LLP)を、2021年
度に係る当社の監査人として再任する決議を採択した。
GSI の2020年度および2019年11月期アニュアル・レポートは、イングランドおよびウェールズの登録監査人
事務所かつ勅許会計士協会会員事務所であるプライスウォーターハウスクーパース エルエルピーによる監査
を受けている。
③ 監査委員会
GSI 取締役会の監査委員会
以下は、GSI取締役会の監査委員会 (「監査委員会」)の委員である。
ナイジェル・ハーマン(委員長)
テレス・ミラー
キャサリン・クリップス
サム・ジマー
クララ・ゴンザレス・マーティン(カウンセル)
クレア・グッドイヴ(秘書役)
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以下は、監査委員会の職務および職責をまとめたものである。
(a) 財務管理 :GSIの財務書類ならびに財務報告プロセスおよび統制の統合性についてのモニタリングおよ
び監督、ならびにこれらに関するGSI取締役会への報告。
(b) システムおよび統制 :経営陣がシステムおよび統制の適切性および有効性を確保するためのプロセス
の妥当性についての監督および評価。
(c) コンプライアンス :コンプライアンス部門の統合性および独立性の保護、ならびにコンプライアンス
部門の業務遂行の監督。
(d) コンダクトリスク :ゴールドマン・サックス・グループのGSIに関連するコンダクトリスクの枠組の監
督、ならびにEMEAコンダクトリスク委員会の委員長からの報告の受領。
(e) 内部監査 :内部監査部門の統合性および独立性の保護、ならびに内部監査部門の業務遂行の監督。
(f) 外部監査 :GSIの外部監査人の任命、再任もしくは交代に係るプロセスの監督、外部監査人の独立性お
よび客観性の審査および監督、関連規制当局のすべての知見および結論を踏まえた年次財務書類の法
定監査の監督、ならびにGSIの取締役会への法定監査の結果(財務報告の統合性に対する外部監査人の
寄与、および当該プロセスにおける監査委員会の役割を含む)の報告。
(g) 内部告発 :GSIの内部告発方針および手続(懸念を提起した従業員を不利益な扱いから保護するための
手続を含む)の独立性、自主性および有効性の監督。
④ リスク管理
以下は、当社の2020年度アニュアル・レポートの抄訳である。
リスク管理の概要および体制
概要
当社は、当社が成功するためには、効果的なリスク管理が重要であると考えている。そのため当社は、
エンタープライズリスク管理の枠組を設定している。この枠組は、リスク管理に対し包括的かつ統合的な
アプローチを用い、また当社の事業に伴うリスクの特定、評価、モニタリングおよび管理を行うための包
括的なリスク管理プロセスを実現できるように設計されている。
当社のリスク・ガバナンス体制および中核的なリスク管理プロセスの実施は、エンタープライズリスク
部門により監督される。エンタープライズリスク部門は、当社の首席リスク担当役員に報告を行ってお
り、また当社のエンタープライズリスク管理の枠組によって、様々なリスクを当社のリスク選好度と一致
した方法で管理するための一貫性のある統合的アプローチを、当社の取締役会(「取締役会」)、当社の
リスク関連の諸委員会および幹部経営陣に対して確実に提供する責任を負っている。
当社の幹部経営陣から選ばれた者が委員を務める広範囲にわたる部門横断型の委員会の体制が、当社の
取締役会と共に、当社全体にわたるリスク管理の文化の鍵となっている。当社のリスク管理の体制は、GS
グループの体制に沿ったものであり、ガバナンス、プロセスおよび人員の3つの核となる要素を中心に構
築されている。
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ガバナンス
リスク管理ガバナンスは、当社の取締役会を出発点としている。当社の取締役会は、直接的に、また
GSI取締役会のリスク委員会およびGSIリスク委員会を含む諸委員会を通じて、エンタープライズリスク
管理の枠組を通じて実施される当社のリスク管理の方針および実務を監督している。
当社の収益創出部門のほか、トレジャリー、エンジニアリング部門、人材管理部門、オペレーション
部門およびコーポレート・アンド・ワークプレース・ソリューション部門は、第1の防衛線とみなされ
ている。これらは、当社のリスクを伴う活動の結果ならびに当社のリスク選好度の範囲内におけるかか
るリスクの評価および管理について責任を負っている。
当社の独立したリスク監督・管理部門は、第2の防衛線とみなされ、第1の防衛線が取ったリスクに
ついての独立した評価、監督および調査を行うほか、リスク関連の諸委員会を率い、これらに参画して
いる。独立したリスク監督・管理部門には、コンプライアンス部門、利益相反解決部門、コントロー
ラーズ、法務部門、リスク部門および税務部門が含まれている。
内部監査部門は第3の防衛線とみなされ、GSI取締役会の監査委員会に報告を行っており、また、GS
グループの首席経営執行役員に対して管理上の報告を行っている。内部監査部門には、リスク管理に関
する専門性をはじめとする、広範な監査および業界における経験を有する専門家職員が含まれている。
内部監査部門は、リスク管理の枠組内のものを含む主要な統制の有効性を独自に評価および検証し、
GSI取締役会の監査委員会、幹部経営陣および規制当局に対して適時に報告を行う責任を負っている。
3つの防衛線による体制は、第1線のリスク・テイカーの説明責任を強化し、第2線による効果的な
調査のための枠組を提供し、第3線による独立した審査を可能とするものである。
プロセス
当社は、(ⅰ)リスクの特定および評価、(ⅱ)リスク選好度、限度額および基準の設定、(ⅲ)リ
スクの報告およびモニタリング、ならびに(ⅳ)リスクに関する意思決定を含む、当社のリスク管理の
枠組に不可欠な要素である様々なプロセスを維持している。
当社は、包括的なデータ収集プロセスを備えており、これには全社員に対してリスク事由を報告およ
び上申することを義務付ける方針および手続が含まれている。当社によるリスクの特定および評価の手
法は、包括的にあらゆるリスクの種類にわたったものであり、当社の変化し続けるリスク・プロファイ
ルおよび事業環境を反映しつつそれに適合する積極的かつフォワード・ルッキングなものであり、対象
事項に係る専門家を活用しており、かつ、当社にとって最も重要性が高いリスクの優先順位付けを可能
とするものである。当社はまた、気候変動は当社の事業にとって挑戦と機会の双方を与える新興リスク
であると認識している。リスク管理部門は、気候変動から生じる当社の資産および取引先へのリスクを
特定および管理する方法を継続して発展させている。
当社のリスクの効果的な評価およびモニタリングのため、当社は、当社のトレーディング商品の実質
的にすべてについての日々の値洗い作業を持続的に行っている。
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ストレス・テストは、当社のリスク管理プロセスの重要な一部である。ストレス・テストにより、当
社がテールリスクに対する当社のエクスポージャーを定量化し、潜在的な損失の集中に着目し、リス
ク・リターン分析を行い、そして当社のリスク・ポジションを評価し、低減させることが可能となる。
ストレス・テストは、定期的に実施されており、財務および非財務リスク(信用リスク、市場リスク、
流動性リスクおよび資金調達リスク、オペレーションリスクおよびコンプライアンスリスク、戦略的リ
スク、システミックリスクならびに新興リスクを含むが、これらに限定されない)を組み合わせて1つ
の結合シナリオとし、当社の脆弱性および当社特有のリスクの包括的分析を確実に行えるよう設計され
ている。市場での事象または市況を見込んで、臨時のストレス・テストも実施されている。ストレス・
テストは、資本計画およびストレス・テスト・プロセスの一環として自己資本比率を評価するためにも
用いられる。詳細については、本書第一部第2 3「事業の内容-自己資本管理および規制上の自己資
本-自己資本管理(監査済)」参照。
当社のリスクの報告およびモニタリングのプロセスは、既存のリスクと新興リスクの双方に関する情
報を考慮するよう設計されており、これにより当社のリスク関連の諸委員会および幹部経営陣は、リス
ク・エクスポージャーに対する適切な水準の知見をもってその責務を果たすことが可能となっている。
さらには、限度額および基準違反に関する当社のプロセスは、適時に上申を行うための手段を提供して
いる。当社は、事業構成および当社が営業活動を行う法域の変化を含む、当社のリスク・プロファイル
および事業の変化を、全社レベルでリスク要因をモニターすることにより評価している。
人員
当社の専門家職員の経験および各リスクの指標の微妙な差異や限界についての理解は、当社がエクス
ポージャーを評価し、これを健全な水準に維持する上での指針となっている。
体制
当社におけるリスクの最終的な監督責任は、当社の取締役会が負っている。取締役会は、直接的に、ま
た諸委員会への権限委譲を通じて、リスクを監督している。当社の事業の重要な側面について特定のリス
ク管理権限を有する一連の社内委員会もまた、監督または意思決定を行う責任を負っている。当社の活動
を監督する主要な委員会は、以下のとおりである。
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GSI 取締役会の監査委員会
GSI 取締役会の監査委員会は、当社の体制および統制が適切かつ有効であることを確保するためのプ
ロセスの検討を行うにあたり、当社の取締役会を支援している。同委員会はまた、外部監査の取決めを
監督し、内部監査活動の検討を行う責任も有している。同委員会の委員には、当社の非業務執行取締役
が含まれる。GSI取締役会の監査委員会は、当社の取締役会に報告を行っている。
GSI 取締役会のリスク委員会
GSI 取締役会のリスク委員会は、当社の取締役会に対し、当社の現在および将来の全般的なリスク選
好度について助言し、かかるリスク選好度の幹部経営陣による実施を監督する当社の取締役会の支援を
行う責任を負っている。かかる責任には、当社の資本、流動性および資金調達ポジションに関するリス
ク戦略および監督の検討および助言が含まれる。同委員会の委員には、当社の非業務執行取締役が含ま
れる。GSI取締役会のリスク委員会は、当社の取締役会に報告を行っている。
ヨーロッパ経営委員会(「EMC」)
EMC は、この地域における当社の全活動を監督している。同委員会の委員長は、当社の首席経営執行
役員が務めており、委員には、収益創出部門および独立した管理・サポート部門の幹部経営陣が含まれ
る。EMCは、当社の取締役会に報告を行っている。
GSI リスク委員会
GSI リスク委員会は、当社の活動に関係するすべての財務および非財務リスクを継続的にモニター
し、管理する責任を負っている。これには、損益、自己資本(ICAAP(自己資本充実度内部評価プロセ
ス)を含む)、資金調達、流動性、信用リスク、市場リスク、オペレーションリスク、価格検証および
ストレス・テストを含むがこれらに限定されない、主要な財務・リスク指標の検討が含まれる。GSIリ
スク委員会は、市場リスク、信用リスク、流動性および規制上の自己資本に関する限度額を承認する。
同委員会の委員には、収益創出部門および独立したリスク監督・管理部門の幹部経営陣が含まれる。
GSIリスク委員会は、GSI取締役会のリスク委員会および当社の取締役会に報告を行っている。
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GSI 資産・負債委員会
GSI 資産・負債委員会は、自己資本、流動性、資金調達および貸借対照表を含む当社の財源の戦略的
方向性について、審査および承認を行う。同委員会は、金利リスクや為替リスク、ファンド・トランス
ファー・プライシング、資本の配分およびインセンティブ、ならびに信用格付を含む資産・負債管理に
ついて監督責任を負っている。同委員会は、その時点の事象、リスク、エクスポージャーおよび規制上
の要件に照らした資産・負債管理および財源配分の調整のすべてについて提言を行い、関連する方針を
承認する。同委員会の委員には、収益創出部門および独立したリスク監督・管理部門の幹部経営陣が含
まれる。GSI資産・負債委員会は、GSグループのファームワイド資産・負債委員会およびEMCに報告を
行っている。
EMEA コンダクトリスク委員会
EMEA コンダクトリスク委員会は、カルチャーおよびコンダクトリスク、ならびにビジネス・スタン
ダードおよび商慣行を監督する責任を負っている。同委員会の委員には、収益創出部門および独立した
リスク監督・管理部門の幹部経営陣が含まれる。EMEAコンダクトリスク委員会は、EMC、GSグループの
ファームワイド顧客およびビジネス・スタンダード委員会ならびに必要に応じて当社の取締役会または
その諸委員会に報告を行っている。
GS グループのリスク・ガバナンス
GS グループのレベルでの包括的かつ世界規模のリスク・ガバナンスの枠組は、当社のリスク管理プロセ
スの重要な部分となっている。GSグループは、特定のリスク管理権限を有する一連の委員会を設置してい
る。当社に関連する事項の監督を行う委員会においては、当社の幹部経営陣から選ばれた者も委員を務め
ている。GSグループの主要なリスク・監督関連委員会は、以下のとおりである。
経営委員会
経営委員会は、GSグループの世界各国での活動を監督している。同委員会は、GSグループの最上級幹
部で構成されており、委員長はGSグループの首席経営執行役員が務めている。当社の首席経営執行役員
は、同委員会の委員を務めている。
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ファームワイド・エンタープライズリスク委員会
ファームワイド・エンタープライズリスク委員会は、GSグループのあらゆる財務リスクおよび非財務
リスクの監督について責任を負っている。同委員会は、かかる監督の一環として、GSグループのエン
タープライズリスク管理の枠組のほか、GSグループのリスク限度額の枠組の継続的検討、承認およびモ
ニタリングについて責任を負っている。同委員会の委員長は、GSグループの首席経営執行役員により委
員長に任命された、GSグループの首席財務執行役員および首席リスク担当役員が共同で務めており、同
委員会は、GSグループの経営委員会に報告を行っている。同委員会の委員には、当社の幹部経営陣から
選ばれた者が含まれる。
ファームワイド資産・負債委員会
ファームワイド資産・負債委員会は、自己資本、流動性、資金調達および貸借対照表を含むGSグルー
プの財源の戦略的方向性について、審査および承認を行う。同委員会は、金利リスクや為替リスク、
ファンド・トランスファー・プライシング、資本の配分およびインセンティブ、ならびに信用格付を含
む資産・負債管理について監督責任を負っている。同委員会は、その時点の事象、リスク、エクスポー
ジャーおよび規制上の要件に照らした資産・負債管理および財源配分の調整のすべてについて提言を行
い、関連する方針を承認する。同委員会の委員長は、GSグループの首席経営執行役員により委員長に任
命された、GSグループの首席財務執行役員およびグローバル・トレジャラーが共同で務めており、同委
員会は、GSグループの経営委員会に報告を行っている。同委員会の委員には、当社の幹部経営陣から選
ばれた者が含まれる。
ファームワイド顧客およびビジネス・スタンダード委員会
ファームワイド顧客およびビジネス・スタンダード委員会は、顧客との関係、顧客サービスおよび顧
客体験、ならびに関連する業務上の基準のほか、顧客関連の評判に係る事項の監督について責任を負っ
ている。同委員会の委員長は、GSグループの首席経営執行役員により委員長に任命されたGSグループの
社長兼首席業務執行役員が務めており、同委員会は、GSグループの経営委員会に報告を行っている。同
委員会の委員には、当社の幹部経営陣から選ばれた者が含まれる。
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利益相反管理
GS グループの幹部経営陣は、利益相反解決に関する方針を監督しており、また、利益相反解決部門、法
務部門およびコンプライアンス部門、GSグループのファームワイド顧客およびビジネス・スタンダード委
員会、ならびにその他の内部委員会と共に、方針・基準・原則を構築し、また特定の利益相反についての
適切な解決法に関する判断を支援している。GSグループの方針および手続を遵守する責任のほか、潜在的
な利益相反を特定する責任は、GSグループの全社員で共有されている。
一般に、利益相反解決部門は、投資銀行業務における金融およびアドバイザリー業務、ならびにGSグ
ループの一定の投資、貸付およびその他の活動の審査を行う。また、GSグループは、新規の引受、ロー
ン、投資および仕組商品の審査を行う様々な取引監視委員会も有している。これらのグループおよび委員
会は、内部および外部のカウンセルおよびコンプライアンス部門と連携して、実在する、または潜在的な
利益相反の評価および対応にあたっている。利益相反解決部門は、GSグループの社長兼首席業務執行役員
に報告を行っている。GSグループは、最高の倫理水準に従い、また適用あるすべての法律、規則および規
制を遵守してその事業を運営することを目指して、利益相反に対応するための方針および手続を定期的に
評価している。当社の利益相反解決の枠組は、GSグループの枠組に沿ったものであり、かつその一部であ
る。
コンプライアンスリスク管理
GS グループのコンプライアンスリスク管理プログラムは、コンプライアンス部門により管理され、GSグ
ループのコンプライアンス上、規制上および評判上のリスクを評価し、新しいまたは改正された法律、規
則および規制への遵守をモニターし、統制、方針、手続およびトレーニングを設計・実施し、独自のテス
トを実施し、コンプライアンスリスクおよびコンプライアンスの違反を調査・監視・モニターし、規制機
関による検査、監査および照会へのGSグループの対応を主導するものである。GSグループは、商慣行につ
いて、それがGSグループが事業を行っている市場および法域すべてにおける規制上および法律上の最低基
準を満たしているかまたは上回っているかどうかの評価を行うため、それをモニターし検討している。当
社のコンプライアンスリスク管理の枠組は、GSグループの枠組に沿ったものであり、かつその一部であ
る。
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(2)【役員の状況】
(2021年6月23日現在)
役職 氏名および生年月日 所有株式数(注) 任期
リチャード・J・ノッド 自2006年10月23日
首席経営執行役員 0 株
(1960 年3月31日生) 至現在
ジョゼ・マヌエル・バローゾ 自2016年7月8日
会長兼非業務執行取締役 0 株
(1956 年3月23日生) 至現在
マーク・ウィンケルマン 自2016年6月10日
非業務執行取締役 0 株
(1946 年5月21日生) 至現在
ナイジェル・ハーマン 自2016年12月16日
非業務執行取締役 0 株
(1959 年4月4日生) 至現在
ダーモット・W・マクドナー 自2016年12月1日
非業務執行取締役 0 株
(1964 年12月1日生) 至現在
サリー・A・ボイル 自2018年7月20日
業務執行取締役 0 株
(1961 年7月25日生) 至現在
エスタ・E・ステッチャー 自2018年7月31日
非業務執行取締役 0 株
(1957 年4月3日生) 至現在
テレス・L・ミラー大英帝国勲章第4
自2018年7月31日
非業務執行取締役 等勲爵士(OBE) 0 株
至現在
(1951 年11月11日生)
キャサリン・クリップス 自2019年4月1日
非業務執行取締役 0 株
(1965 年12月30日生) 至現在
サム・ジーマー 自2020年11月5日
非業務執行取締役 0 株
(1976 年8月10日生) 至現在
(注)いずれのGSI取締役も、GSI株式に対する直接的、間接的、実質的または経済的な持分を有していない。
男性の取締役および役員の数:6名
女性の取締役および役員の数:4名
(女性の取締役および役員の割合:40パーセント)
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リチャード・J・ノッド
ノッド氏はゴールドマン・サックス・インターナショナルの首席経営執行役員であり、投資銀行部門
(「IBD」)の共同ヘッドである。同氏は2003年から経営委員会の一員である。ノッド氏はまた、ファームワ
イド顧客およびビジネス・スタンダード委員会の委員およびヨーロッパ経営委員会の共同委員長を務めてい
る。同氏は、1999年から2004年まで当社のパートナーシップ委員会の委員を務めた。
ノッド氏は1987年にロンドンのゴールドマン・サックスに入社し、当社のヨーロッパでのM&Aフランチャイ
ズ構築を支援し、最終的に英国における投資銀行業務の取組を率いた。1997年に同氏は日本のIBDの共同ヘッ
ドに任命された。ノッド氏は、1999年に香港に移ってゴールドマン・サックス(アジア)LLCの社長に就任す
る前に、同年ゴールドマン・サックス(シンガポール)Pte.の社長およびアジアにおける投資銀行業務の共同
ヘッドに就任した。同氏は、中国における証券市場へのアクセスの確保を含めた当社のアジア全体での活動範
囲の拡大において指導的な役割を果たした。2005年、ノッド氏は副会長としてロンドンに戻り、2006年にゴー
ルドマン・サックス・インターナショナルの共同首席経営執行役員となった。2011年に同氏はIBDの共同ヘッ
ドに就任した。ノッド氏は1996年にマネージング・ディレクターに任命され、1998年にパートナーに任命され
た。
ノッド氏は、ケープ・タウン大学トラストおよびザ・ファウンデーション・アンド・フレンズ・オブ・
ザ・ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ、キューの理事を務めている。同氏はまた、コーポレート・アドバイ
ザリー・グループ・オブ・ザ・テートの会員である。
ノッド氏は、ケープ・タウン大学で学士号を、ケンブリッジ大学で修士号を取得した。
ジョゼ・マヌエル・バローゾ
バローゾ氏は、欧州委員会の元委員長(2004年から2014年)である。同氏は任期5年の同地位を2期務
め、この間にリスボン条約の採択、気候変動に関する法律制定の提案、金融危機への対処、および欧州連合へ
の新加盟国の迎え入れ(2004年から2014年の間に、欧州連合加盟国は15ヶ国から28ヶ国へと増加した)におい
て重要な役割を果たした。
バローゾ氏は、ポルトガルの元首相(2002年から2004年)である。同氏は1985年に政府機関で政治経歴を
開始し、内務副大臣、外務・協力担当副大臣および外務大臣を務めた。直近では、同氏は2016年にロンドンの
ゴールドマン・サックスに入社し、ゴールドマン・サックス・インターナショナルの会長兼非業務執行取締役
に任命され、また同社のアドバイザーに任命されている。
バローゾ氏は、2012年に欧州連合を代表してノーベル平和賞を受賞し、欧州理事会議長と共同で受賞ス
ピーチを行った。同氏の学術分野における経歴には、ジョージタウン大学客員教授、ならびにプリンストン大
学ウッドロー・ウィルソン・スクールのリヒテンシュタイン研究所における国際経済政策の客員教授および政
策特別研究員が含まれる。同氏は現在、ポルトガル・カトリック大学、ジュネーヴ大学および同市の国際・開
発研究大学院の客員教授である。
バローゾ氏は多数の名誉学位を授与されており、ポルトガルのキリスト騎士団大十字勲章およびエンリケ
航海王子勲章大綬章を含む60を超える勲章、賞および名誉賞を授与されている。
バローゾ氏はリスボン大学法学部を卒業し、ジュネーヴ大学において政治学修士号およびヨーロッパ研究
の学位記を取得した。
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マーク・ウィンケルマン
ウィンケルマン氏はゴールドマン・サックス・インターナショナルの非業務執行取締役である。同氏は、
2014年からザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インクの取締役を務め、監査委員会およびリスク委員会
の委員である。
ウィンケルマン氏は2004年から2015年までアンハイザー・ブッシュ・インベブの取締役であった。同氏は
2006年から2008年までJ・C・フラワーズ・アンド・カンパニーの業務執行パートナーを務めた。
それ以前は、1994年に当社を退職する前に、ウィンケルマン氏は経営委員会委員、債券部門の共同ヘッド
およびJ・アロン部門のヘッドを含むゴールドマン・サックスの様々な主導的な役職に就いた。
1978 年にゴールドマン・サックスへ入社する前、ウィンケルマン氏は1974年から世界銀行で上級投資責任
者を務めた。
ウィンケルマン氏は、ペンシルベニア大学理事会の会員であり、ペン・メディシンの役員会会長を務めて
いる。
ナイジェル・ハーマン
ハーマン氏は、ゴールドマン・サックス・インターナショナル(「GSI」)およびゴールドマン・サック
ス・インターナショナル・バンク(「GSIB」)の非業務執行取締役である。同氏は2016年12月にGSIおよび
GSIBの取締役会に加わった。同氏は以前、KPMGのパートナーを20年以上務め、自身の経歴全体を通じて金融
サービス業に関わってきた。
2003 年まで、ハーマン氏はKPMGによる大手銀行監査の一部ならびに関連する助言および調査業務を主導す
る監査担当パートナーであった。2003年以降、同氏はKPMGの最大の金融サービス顧客の一部への助言業務を主
導するアドバイザリーパートナーを務めた。同氏はまた、金融危機の前および最中における重要な助言業務、
ならびに特に取引における違法行為および規制の遵守についての大規模な調査業務も主導した。
ハーマン氏は、以前、KPMG英国銀行業務の会長であった。同氏はまた、銀行業務担当ヘッド、金融リスク
管理担当ヘッドならびにKPMGの英国金融サービスおよび英国助言慣行担当の中核的経営陣の一員も務めた。
ハーマン氏は、ブリストル大学において経済・会計学理学士号(優等学位)を取得した。同氏は、英国勅
許会計士の会員でもある。
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ダーモット・W・マクドナー
マクドナー氏は、当社のインターナショナル・コントローラー、EMEA担当首席財務役員およびゴールドマ
ン・サックス・インターナショナル・バンクの首席経営執行役員である。同氏はヨーロッパ経営委員会、
ファームワイド・リスク委員会、仕組商品委員会およびヨーロッパ監査委員会の委員である。また、同氏は、
ヨーロッパの連合部門の共同ヘッドにも任命されている。
マクドナー氏は1994年にゴールドマン・サックスに入社し、2003年にマネージング・ディレクターに任命
され、2010年にパートナーに任命された。
マクドナー氏は、アイルランドのリムリック大学において学位を取得した。
サリー・A・ボイル
ボイル氏は、GSIの業務執行取締役である。ボイル氏は、2018年7月にGSI取締役会に加わった。ボイル氏
は、ヨーロッパ、中東およびアフリカにおける人材管理部門担当ヘッドであり、全世界におけるHCM担当マ
ネージャーの経験部門について責任を負っている。ボイル氏は、ヨーロッパ経営委員会、ファームワイド・コ
ンダクトおよびオペレーションリスク委員会、EMEAカルチャーおよびコンダクトリスク委員会ならびにベン
ダー・マネジメント・オペレーティング委員会の一員である。
当社に入社する前は、ボイル氏はミルズ・アンド・リーブ・ソリシターズでパートナーを務めていた。ボ
イル氏は、1999年にゴールドマン・サックスに入社した。
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エスタ・E・ステッチャー
ステッチャー氏は、GSIの非業務執行取締役である。ステッチャー氏は、2018年7月にGSI取締役会に加わ
り、GSI取締役会の報酬委員会の一員である。同氏はまた、ゴールドマン・サックス・インターナショナル・
バンクの取締役会会長、ゴールドマン・サックス・バンクUSAの取締役会会長およびゴールドマン・サックス
AG監査役会の副会長を務めている。同氏は、ファームワイド顧客およびビジネス・スタンダード委員会および
懲罰小委員会ならびにファームワイド評判リスク委員会の一員であり、以前はファームワイド経営委員会の一
員であった。
ステッチャー氏は、1994年にゴールドマン・サックスに入社し、それ以前はサリバン・アンド・クロム
ウェル法律事務所でパートナーを務めていた。
テレス・L・ミラー大英帝国勲章第4等勲爵士(OBE)
ミラー氏は、GSIの非業務執行取締役である。ミラー氏は、2018年7月にGSI取締役会に加わった。同氏は
また、ゴールドマン・サックス・インターナショナル・バンクの非業務執行取締役兼取締役会のリスク委員会
委員長である。
同氏は、2006年から2013年まで、ロンドンオリンピック・パラリンピック組織委員会(「LOCOG」)のゼネ
ラル・カウンセルを務めた。LOCOG参加以前は、同氏はGSIのインターナショナル・ゼネラル・カウンセルを務
めていた。同氏は、ロスシー・ライフ・ピーエルシーおよびロスシー・ホールドコーUKリミテッドの非業務執
行取締役、ガリフォード・トライ・ピーエルシーの上席独立取締役兼報酬委員会委員長、ならびにインビクタ
ス・ゲームズ・ファウンデーションの理事を務めている。
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キャサリン・クリップス
クリップス氏は、ゴールドマン・サックス・インターナショナルおよびゴールドマン・サックス・イン
ターナショナル・バンクの非業務執行取締役である。
クリップス氏はまた、ニュークリア・ライアビリティーズ・ファンド・リミテッドの非業務執行取締役を
務めている。ニュークリア・ライアビリティーズ・ファンド・リミテッドでの役割と並行して、クリップス氏
はザ・ニュークリア・トラストの理事も務めている。
クリップス氏は、2006年から2011年までGAMで投資ディレクターを務めており、同氏はマルチ・マネー
ジャー・チームのリサーチのヘッドおよび分離口座ビジネスのヘッドであった。GAMの前は、クリップス氏
は、アイーダ・キャピタル・リミテッドというヘッジファンド・マネージャーのマルチ戦略ファンドのCEOで
あり、同氏はその2001年の創設直後から参加した。それ以前は、同氏はクレディ・スイスおよびバンカーズ・
トラストを含む様々な投資銀行において、エクイティ・デリバティブ取引、リスク管理および商品管理に関す
る様々な役職に就いていた。
1995 年から1998年の間、クリップス氏は、香港およびシンガポールと、アジアに拠点を置いていた。
クリップス氏は、オックスフォード大学で物理学のMAを取得し、また、公認会計士の資格を有している。
クリップス氏はまた、現在、インペリアル・カレッジ・ロンドンの大学院において量子物理学の研究をしてい
る。
サム・ジーマー
ジーマー氏は、ゴールドマン・サックス・インターナショナルおよびゴールドマン・サックス・インター
ナショナル・バンクの非業務執行取締役である。
ジーマー氏は2010年から2019年まで、イースト・サリーの下院議員を務めた。議員時代は、2018年にビジ
ネス・エネルギー・産業戦略省と教育省の高等教育、イノベーション、テクノロジーおよびリサーチ担当大臣
の兼任等、多数の内閣ポストを歴任した。ジーマー氏はまた、与党内院内幹事およびデービッド・キャメロン
首相の議会担当秘書官として内閣に参加もした。
ジーマー氏は2019年末に政界を去って以来、オックスフォード・ユニバーシティ・イノベーションの独立
取締役や、ESGファンドを利用した年金の強化と運営に注力するオンラインの退職金貯蓄プラットフォームで
あるペンションビーのシニア・アドバイザーを務める等、多数の顧問役を歴任している。
ジーマー氏は、オックスフォード大学で哲学・政治学・経済学のMAを1999年に取得した。
取締役の報酬総額の情報については、本書第一部第6 1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の
財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記29「関連当事者の開示-取締役に対する報酬」参照。
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(3)【監査の状況】
① 監査委員会および内部監査
上記3「コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要-③監査委員会」参
照。
② 会計監査
以下の記載に加え、上記3「コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要
-②監査人」参照。
(ⅰ)外国監査公認会計士等
GSI の財務書類は、プライスウォーターハウスクーパースエルエルピーの監査を受けている。プライス
ウォーターハウスクーパースエルエルピーは、 32 年にわたってゴールドマン・サックス・インターナショナル
の独立監査人を務めている。 2007 年 10 月1日に先立ち、当社は 1985 年英国会社法セクション 386 に基づく選任
決議を採択し、年度毎の監査人の再任手続を行わなくても良いこととした。
(ⅱ)外国監査公認会計士等に対する報酬の内容
2020 年12月31日に 2019 年11月30日に
(単位:百万ドル) 終了した期間 終了した期間
4.6 (503 百万円) 6.0 (656 百万円)
当社の監査に支払う報酬
当社の子会社の監査
0 (0 百万円) 0 (0 百万円)
監査以外の 業務への報酬総額
5.3 (579 百万円) 5.5 (601 百万円)
(ⅲ)その他重要な報酬の内容
上記(ⅱ)「外国監査公認会計士等に対する報酬の内容」参照。
(ⅳ)外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
2020 年12月31日に 2019 年11月30日に
(単位:百万ドル) 終了した期間 終了した期間
1.8 (197 百万円) 4.1 (448 百万円)
監査関連保証業務
その他保証業務
3.3 (361 百万円) 1.1 (120 百万円)
税務コンプライアンス業務
0.2 (22 百万円) 0.2 (22 百万円)
その他監査以外の業務
0 (0 百万円) 0.1 (11 百万円)
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(ⅴ)監査報酬の決定方針
GSI 取締役会の監査委員会については、上記3「コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コーポレー
ト・ガバナンスの概要-③監査委員会」参照。同監査委員会は、とりわけ、GSIの外部監査人の任命、再任も
しくは交代に係るプロセスの監督、外部監査人の独立性および客観性の審査および監督、関連規制当局のすべ
ての知見および結論を踏まえた年次財務書類の法定監査の監督、ならびにGSIの取締役会への法定監査の結果
(財務報告の統合性に対する外部監査人の寄与、および当該プロセスにおける監査委員会の役割を含む)の報
告について責任を負っている。
(4)【役員の報酬等】
上記3 「コーポレート・ガバナンスの状況等-(2) 役員の状況」参照。
(5)【株式の保有状況】
該当なし
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第6【経理の状況】
1 本書記載の当社の財務書類は、国際財務報告基準(IFRS)従って作成されている。当社の採用した会計原則、
会計手続および表示方法と、日本において一般に公正妥当と認められている会計原則、会計手続および表示方法
との間の主な相違点に関しては、4「英国と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違」に説明されてい
る。
当社の財務書類は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下
「財務諸表等規則」という。)第131条第1項の規定の適用を受けている。
2 本書記載の当社の2020年12月31日および2019年11月30日に終了した事業年度の損益計算書、包括利益計算書、
貸借対照表、持分変動計算書、キャッシュ・フロー計算書および関連する注記から成る財務書類は、公認会計士
法第1条の3第7項に規定する外国監査法人等であるプライスウォーターハウスクーパース エルエルピー(英
国における勅許会計士および法定監査人)の監査を受けている。本書に 金融商品取引法第193条の2第1項第1
号に規定される監査証明に相当すると認められるその独立監査人の 監査報告書を添付している。
前期中に、当社は会計上の基準日を11月30日から12月31日に変更した。そのため、本書記載の当社の2020年12
月31日に終了した事業年度の財務書類は2020年12月31日に終了した13ヵ月について作成されており、比較情報は
2019年11月30日に終了した12ヵ月について表示されている。
3 当社の原文の財務書類は、当社の2020年度および2019年度のアニュアル・レポート中のものと同一であり、日
本文は原文(英文)を翻訳したものである。
4 原文の財務書類は米ドルで表示されている。「円」で表示されている金額は、「財務諸表等規則」第134条の
規定に基づき表示され、2021年4月9日現在の株式会社三菱UFJ銀行による対顧客電信直物売買相場の仲値である
1ドル=109.31円の換算率で換算された金額である。金額は百万円単位(四捨五入)で表示されている。日本円
に換算された金額は、四捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。なお、円表示額は単に便宜
上の表示のためであり、米ドル額が上記のレートで円に換算されることを意味するものではない。
5 円換算額および2「主な資産・負債及び収支の内容」から4「英国と日本における会計原則及び会計慣行の主
要な相違」までに記載されている事項は、当社の原文の財務書類には含まれておらず、当該事項における財務書
類への参照事項を除き、上記2の会計監査の対象にもなっていない。
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1【財務書類】
A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類
(1) 損益計算書
以下で終了した期間
2020年 2019年
12月 11月
(単位:百万米ドル) 注記 百万米ドル 百万円 百万米ドル 百万円
損益を通じて公正価値で測定する金融商品
$ 7,729 $ 5,786
に係る損益 844,857 632,468
手数料および報酬 3,191 348,808 2,506 273,931
その他収益 76 8,308 - -
利息外収益 10,996 1,201,973 8,292 906,399
-
損益を通じて公正価値で測定する金融商品
に係る受取利息 2,657 290,437 4,965 542,724
償却原価で測定する金融商品に係る受取利
息 1,539 168,228 2,694 294,481
損益を通じて公正価値で測定する金融商品
に係る支払利息 (3,053) (333,723) (4,310) (471,126)
償却原価で測定する金融商品に係る支払利
息 (2,128) (232,612) (3,782) (413,410)
支払利息純額 (985) (107,670) (433) (47,331)
純収益合計 6 10,011 1,094,302 7,859 859,067
-
営業費用純額 7 (6,487) (709,094) (5,425) (593,007)
税引前利益 3,524 385,208 2,434 266,061
- -
法人税費用 10 (769) (84,059) (426) (46,566)
$ 2,755 $ 2,008
当期純利益 301,149 219,494
当社の純収益および税引前利益は、当期および過去の期間の継続事業から生じたものである。
(2) 包括利益計算書
以下で終了した期間
2020年 2019年
12月 11月
(単位:百万米ドル) 注記 百万米ドル 百万円 百万米ドル 百万円
$ 2,755 $ 2,008
当期純利益 301,149 219,494
その他の包括利益
純損益にその後に振替えられることのない
項目
年金制度に関連する保険数理上の損失 16 (76) (8,308) (159) (17,380)
債務の評価調整 21 (183) (20,004) (201) (21,971)
その他の包括利益の構成要素に帰属する英
国繰延税金 17 62 6,777 90 9,838
その他の包括利益の構成要素に帰属する英
国当期税金 11 1,202 1 109
当期その他の包括損失(税引後) (186) (20,332) (269) (29,404)
$ 2,569 $ 1,739
当期包括利益合計 280,817 190,090
添付の注記は財務書類の一部である。
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(3) 貸借対照表
現在
2020年 2019年 2018年
12月 11月 12月1日
(単位:百万米ドル) 注記 百万米ドル 百万円 百万米ドル 百万円 百万米ドル 百万円
資産
$ 43,833 $ 22,397 $ 24,396
現金および現金同等物 26 4,791,385 2,448,216 2,666,727
担保付契約 11 140,682 15,377,949 156,348 17,090,400 203,334 22,226,440
顧客等受取債権 12 90,380 9,879,438 71,807 7,849,223 62,633 6,846,413
特定取引資産(担保として差入れた27,295百万
米ドル、35,307百万米ドルおよび20,511百万米
ドルを含む) 13 982,919 107,442,876 785,365 85,848,248 592,781 64,796,891
投資資産(担保として差入れた62百万米ドル、
14
28百万米ドルおよび39百万米ドルを含む) 888 97,067 1,492 163,091 1,318 144,071
ローン 567 61,979 1,550 169,431 820 89,634
その他の資産 15 8,589 938,864 2,617 286,064 2,291 250,429
資産合計 $1,267,858 138,589,558 $1,041,576 113,854,673 $887,573 97,020,605
負債
担保付借入金 19 $ 113,127 12,365,912 $ 115,936 12,672,964 $140,110 15,315,424
顧客等未払債務 20 100,519 10,987,732 84,968 9,287,852 76,150 8,323,957
特定取引負債 13 932,414 101,922,174 714,640 78,117,298 545,987 59,681,839
無担保借入金 21 80,351 8,783,168 88,669 9,692,408 88,140 9,634,583
その他の負債 22 4,869 532,230 3,109 339,845 3,269 357,334
負債合計 1,231,280 134,591,217 1,007,322 110,110,368 853,656 93,313,137
株主資本
払込資本金 23 598 65,367 590 64,493 582 63,618
資本剰余金 5,568 608,638 5,196 567,975 4,864 531,684
その他資本性金融商品 25 8,300 907,273 8,300 907,273 8,300 907,273
利益剰余金 22,437 2,452,588 20,336 2,222,928 20,070 2,193,852
その他の包括利益累計額 (325) (35,526) (168) (18,364) 101 11,040
株主資本合計 36,578 3,998,341 34,254 3,744,305 33,917 3,707,467
負債および株主資本合計 $1,267,858 138,589,558 $1,041,576 113,854,673 $887,573 97,020,605
財務書類は2021年3月11日に取締役会で承認され、取締役会を代表して下記の者によって署名された。
D. W. McDonogh
取締役
2021年3月24日
添付の注記は財務書類の一部である。
登記番号02263951
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(4) 持分変動計算書
以下で終了した期間
2020年 2019年
12月 11月
(単位:百万米ドル) 注記 百万米ドル 百万円 百万米ドル 百万円
払込資本金
$ 590 $ 582
期首残高 64,493 63,618
株式の発行 23 8 874 8 874
期末残高 598 65,367 590 64,493
資本剰余金
期首残高 5,196 567,975 4,864 531,684
株式の発行 23 372 40,663 332 36,291
期末残高 5,568 608,638 5,196 567,975
その他資本性金融商品
期首残高 8,300 907,273 8,300 907,273
期末残高 8,300 907,273 8,300 907,273
利益剰余金
期首残高 20,336 2,222,928 20,070 2,193,852
当期純利益 2,755 301,149 2,008 219,494
実現債務評価調整の利益剰余金(税引後)
21
への振替 (29) (3,170) - -
現物出資 22 126 13,773 - -
中間配当 24 - - (1,000) (109,310)
その他Tier1債に係る利息 25 (751) (82,092) (742) (81,108)
株式報酬 459 50,173 452 49,408
株式報酬に関する関係会社からの費用振替 (459) (50,173) (452) (49,408)
期末残高 22,437 2,452,588 20,336 2,222,928
その他の包括利益累計額
期首残高 (168) (18,364) 101 11,040
その他の包括損失 (186) (20,332) (269) (29,404)
実現債務評価調整の利益剰余金(税引後)
21
への振替 29 3,170 - -
期末残高 (325) (35,526) (168) (18,364)
株主資本合計 $36,578 3,998,341 $34,254 3,744,305
添付の注記は財務書類の一部である。
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(5) キャッシュ・フロー計算書
以下で終了した期間
2020年 2019年
12月 11月
(単位:百万米ドル) 注記 百万米ドル 百万円 百万米ドル 百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動から生じたキャッシュ 26 $16,938 1,851,493 $(2,498) (273,056)
税金還付額 7 765 3 328
税金支払額 (492) (53,781) (151) (16,506)
営業活動による/(に使用された)純
キャッシュ 16,453 1,798,477 (2,646) (289,234)
投資活動によるキャッシュ・フロー
無形資産売却収入
7 765 - -
有形固定資産・賃借物件附属設備および装
置ならびに無形資産に係る資本的支出 (272) (29,732) (220) (24,048)
投資の取得 (223) (24,376) (596) (65,149)
投資の売却による収入 910 99,472 395 43,177
投資活動による/(に使用された)純
キャッシュ 422 46,129 (421) (46,020)
財務活動によるキャッシュ・フロー
MREL適格関係会社間借入の増加 26 3,400 371,654 3,367 368,047
追加Tier 1債券に係る支払利息
26 (751) (82,092) (742) (81,108)
劣後ローンおよびMREL適格関係会社間借入
26
に係る支払利息 (1,300) (142,103) (325) (35,526)
株主からの払込みによる収入 23 380 41,538 340 37,165
中間配当 24 - - (1,000) (109,310)
リース負債の支払 15 (57) (6,231) (125) (13,664)
財務活動による純キャッシュ 1,672 182,766 1,515 165,605
現金および現金同等物、当座貸越純額純増
加/(減少)額 18,547 2,027,373 (1,552) (169,649)
現金および現金同等物、当座貸越純額期首
26
残高 22,359 2,444,062 24,243 2,650,002
現金および現金同等物、当座貸越純額に係
る為替差(損)益 2,812 307,380 (332) (36,291)
現金および現金同等物、当座貸越純額期末
26
残高 $43,718 4,778,815 $22,359 2,444,062
非資金活動に関する詳細は注記22および26を参照のこと。
添付の注記は財務書類の一部である。
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(6) 財務書類に対する注記
注記1
一般情報
当社は非上場無限責任会社であり、イングランドおよびウェールズで設立され、本社を置いている。登記した事務
所の所在地は、英国 EC4A 4AU ロンドン市シュー・レーン25、プラムツリー・コートである。
当社の直接の親会社は、イングランドおよびウェールズで設立され、本社を置いている、ゴールドマン・サック
ス・グループ・UK・リミテッド(以下「GSG UK」という。)である。GSG UKおよびその連結子会社を「GSG UKグ
ループ」という。
最終の支配会社および連結財務書類が作成される最小および最大単位のグループの親会社は、アメリカ合衆国で設
立されたザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク(以下「グループ・インク」という。)である。その連
結財務書類および一定の法定提出書類(様式10-Q四半期報告書および10-K年次報告書等)においてザ・ゴールドマ
ン・サックス・グループ・インクおよびその連結子会社(以下「GSグループ」という。)ならびにその事業活動の
追加情報が提供されており、これらはGSグループの主要な事業拠点である、アメリカ合衆国10282ニューヨーク州
ニューヨーク、ウェスト・ストリート200のインベスター・リレーションズ、または
www.goldmansachs.com/investor-relations から入手することができる。
バーゼル3第3の柱の開示
当社は、英国資本フレームワークによって義務付けられているとおり、GSG UKの連結第3の柱の開示に含まれてい
る。GSG UKの2020年12月に終了した期間における第3の柱は、連結財務情報の公表に合わせて
www.goldmansachs.com/disclosures にて開示される予定である。
国別報告書
当社は、2013年自己資本(国別報告書)規制により要求されるとおり、GSG UKの国別連結報告書の開示に含まれて
いる。 GSG UK の 2020 年 12 月に終了した期間における国別開示は、 2021 年 12 月 31 日までに
www.goldmansachs.com/disclosures にて行われる予定である。
注記2
作成基準
遵守声明
本財務書類は、国際会計基準に基づき、2006年会社法およびEUで適用される欧州議会・理事会規則1606/2002に準
じた国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)の要件に沿って作成された。前年度は、当社は英国会計基準に基
づきFRS第101号「簡易化された開示のフレームワーク」(以下「FRS第101号」という。)に従って財務書類を作成
した。そのため、当社は、IFRS第1号「IFRSの初度適用」により要求されるIFRS移行開示を作成した。IFRS採用に
よる当社の財務書類への影響は注記3に記載されている。
本財務書類は、継続企業の前提および取得原価主義(以下の「金融資産および負債」ならびに「年金制度」に示し
た修正後)に基づいて作成されている。
連結
当社は、真実かつ公正な概観を勘案する上で子会社に重要性がないことから、2006年会社法第402項で認められて
いるとおり、連結財務書類を作成しないことを選択している。本財務書類は個別財務書類である。
会計上の基準日
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2020年12月に終了した期間に、米国税務報告の目的で当社が使用している期間に合わせるために、会計上の基準日
を11月30日から12月31日に変更した。そのため、本財務書類は2020年12月31日に終了した13ヵ月について作成され
て おり、比較情報は2019年11月30日に終了した12ヵ月について表示されている。結果として、本アニュアル・レ
ポートに表示されている金額は、直接比較可能ではない。
注記3
IFRSの初度適用
株主資本の調整
IFRSの適用にあたり、当社は貸借対照表のフォーマットを行政委任立法2008年/410号の第1附則に基づくものから
IAS第1号「財務書類の表示」で認められている、流動性の順位に基づくものに変更した。当該2つのフォーマッ
トの比較可能性の一助にするため、2019年11月および2018年12月1日現在の英国会計基準に基づく当社の貸借対照
表を下記に流動性の順に表示しており、1年以内に期日の到来する金額および1年を超えて期日の到来する金額に
関する財務書類の項目はまとめられた。
当社の貸借対照表に関する英国会計基準とIFRSとの間の調整は以下の表のとおりである。各調整の説明は以下の
「調整の注記」を参照のこと。それらの調整が本年次報告書の開示に影響を与える範囲で、比較数値は更新されて
いる。
2019年11月現在
(単位:百万米ドル)
以前の表示 注記 現在の表示
英国会計基準 調整 IFRS
資産 資産
$ 22,397 $ 22,397
現金・預金 $ - 現金および現金同等物
担保付契約 156,348 - 156,348 担保付契約
未収金 A 73,693 (1,886) 71,807 顧客等受取債権
保有金融商品 B 788,407 (3,042) 785,365 特定取引資産
固定資産 A 409 (409) -
年金制度の積立余剰額 A 264 (264) -
B - 1,492 1,492 投資資産
B - 1,550 1,550 ローン
A、C - 2,617 2,617 その他の資産
$ 58
資産合計 $1,041,518 $1,041,576 資産合計
負債 負債
担保付借入金 F $130,087 $(14,151) $115,936 担保付借入金
その他未払金 D、E、F 162,542 (77,574) 84,968 顧客等未払債務
売却済未購入金融商品 714,640 - 714,640 特定取引負債
負債性引当金 E 1 (1) -
D - 88,669 88,669 無担保借入金
C、E - 3,109 3,109 その他の負債
負債合計 1,007,270 52 1,007,322 負債合計
資本金および剰余金 株主資本
払込資本金 590 - 590 株式資本
資本剰余金 5,196 - 5,196 資本剰余金
その他資本性金融商品 8,300 - 8,300 その他資本性金融商品
損益計算書 C 20,330 6 20,336 利益剰余金
その他の包括利益累計額 (168) - (168) その他の包括利益累計額
株主持分合計 34,248 6 34,254 株主資本合計
$ 58
負債および株主持分合計 $1,041,518 $1,041,576 負債および株主資本合計
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2018年12月1日現在
(単位:百万米ドル)
以前の表示 注記 現在の表示
英国会計基準 調整 IFRS
資産 資産
$ 24,396 $ 24,396
現金・預金 $ - 現金および現金同等物
担保付契約 203,334 - 203,334 担保付契約
未収金 A、F 64,793 (2,160) 62,633 顧客等受取債権
特定取引資産
保有金融商品 B、F 594,129 (1,348) 592,781
固定資産 A 315 (315) -
年金制度の積立余剰額 A 406 (406) -
B - 1,318 1,318 投資資産
B - 820 820 ローン
A、C - 2,291 2,291 その他の資産
資産合計 $ 887,373 $ 200 $ 887,573 資産合計
負債 負債
担保付借入金 F $152,145 $(12,035) $ 140,110 担保付借入金
その他未払金 D、E、F 155,246 (79,096) 76,150 顧客等未払債務
売却済未購入金融商品 545,987 - 545,987 特定取引負債
負債性引当金 E 78 (78) -
D、F - 88,140 88,140 無担保借入金
C、E - 3,269 3,269 その他の負債
負債合計 853,456 200 853,656 負債合計
資本金および剰余金 株主資本
払込資本金 582 - 582 株式資本
資本剰余金 4,864 - 4,864 資本剰余金
その他資本性金融商品 8,300 - 8,300 その他資本性金融商品
損益計算書 C 20,070 - 20,070 利益剰余金
その他の包括利益累計額 101 - 101 その他の包括利益累計額
株主持分合計 33,917 - 33,917 株主資本合計
負債および株主持分合計 $ 887,373 $ 200 $ 887,573 負債および株主資本合計
調整の注記
A.その他の資産 当社はGSグループ関連会社(訳注:「関連会社」とは、GS Group Inc.のすべての子会社を意
味する。以下同様。)からの特定の雑債権、繰延税金資産およびその他の資産を未収金からその他の資産に振
り替えた。この変更による影響は以下のとおり。
・ 2019年11月付で、当社は18.9億米ドルの雑債権、繰延税金資産およびその他の資産を未収金からその他の
資産に振り替えた。また、当社は409百万 米 ドルの固定資産と264百万 米 ドルの年金制度の積立余剰額をそ
の他の資産に振り替えた。
・ 2018年12月1日付で、当社は13.7億 米 ドルの雑債権や繰延税金資産などの資産を未収金からその他の資産
に振り替えた。さらに、当社は315百万 米 ドルの固定資産と406百万 米 ドルの年金制度の積立余剰額をその
他の資産に振り替えた。
残りの未収金は、2018年12月1日現在の前払コモディティ残高の再分類の後、顧客等受取債権に名称を変更し
た。
B.投資活動 当社は長期の投資活動に関連して保有する以下の残高を振り替えた。
・ 2019年11月付で、11.0億 米 ドルの企業債務商品、17百万 米 ドルの政府債および政府機関債ならびに1百万
米 ドルのモーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券、および373百万 米 ドルの持分証券が
保有金融商品から投資に振り替えられた。また、当社は企業債務商品に分類される15.5億 米 ドルのコーポ
レート・ローンを保有金融商品からローンに振り替えた。
・ 2018年12月1日付で、932百万 米 ドルの企業債務商品、17百万 米 ドルの政府債および政府機関債ならびに
1百万 米 ドルのモーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券および368百万 米 ドルの持分証
券が保有金融商品から投資に振り替えられた。さらに、当社は企業債務商品に分類される820百万 米 ドル
のコーポレート・ローンを保有金融商品からローンに振り替えた。
それ以外の保有金融商品については勘定科目名を特定取引資産に変更した。
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C.リース 当社は遡及的に2018年12月1日付でIFRS第16号「リース」(IFRS第16号)を適用した。この変更によ
る影響は以下のとおり。
・ 2019年11月現在、その他の資産が58百万 米 ドル増加し、その他の負債が52百万 米 ドル増加した。当社の純
資産が6百万 米 ドル変化した。
・ 2018年12月1日現在、その他の資産およびその他の負債いずれも200百万 米 ドル増加し、純資産は変わっ
ていない。
D.無担保借入金 当社は無担保借入金と無担保借入金に係る未払利息をその他未払金から無担保借入金に振り替
えた。この変更による影響は以下のとおり。
・ 2019年11月付で、当社は874.5億 米 ドルの無担保借入金と無担保借入金に係る12.2億 米 ドルの未払利息を
その他未払金から無担保借入金に振り替えた。
・ 2018年12月1日付で、当社は866.9億 米 ドルの無担保借入金と無担保借入金に係る730百万 米 ドルの未払利
息をその他未払金から無担保借入金に振り替えた。
E.その他の負債 当社はGSグループ関連会社への雑負債、株式報酬、未払法人税、租税公課ならびにその他未払
金および未払費用をその他未払金からその他の負債に振り替えた。また、当社は負債性引当金をその他の負債
に振り替えた。この変更による影響は以下のとおり。
・ 2019年11月付で、当社は30.6億 米 ドルのGSグループ関連会社への雑負債、株式報酬、未払法人税、租税公
課ならびにその他未払金および未払費用をその他未払金からその他の負債に振り替えた。また、当社は1
百万 米 ドルの負債性引当金をその他の負債に振り替えた。
・ 2018年12月1日付で、当社は29.9億 米 ドルのGSグループ関連会社への雑負債、株式報酬、未払法人税、租
税公課ならびにその他未払金および未払費用をその他未払金からその他の負債に振り替えた。さらに、当
社は78百万 米 ドルの負債性引当金をその他の負債に振り替えた。
2018年12月1日付で無担保借入金、無担保借入金に係る未払利息および前払コモディティ残高を振り替えた後
のその他未払金については、勘定科目名を対顧客等未払債務に変更した。
F.その他
・ 当社は、担保付顧客未払債務を2019年11月付で141.5億米ドルおよび2018年12月1日付で120.4億米ドル、
担保付借入金から顧客等未払債務に振り替えた。
・ 2018年12月1日付で、当社は、790百万米ドルの前払コモディティ資産を未収金から特定取引資産に振り
替え、790百万米ドルの前払コモディティ負債をその他未払金から担保付借入金に振り替えた。
包括利益合計の調整
当社の包括利益合計に関する英国会計基準とIFRSとの間の調整は以下の表のとおりである。各調整の説明は以下の
「調整の注記」を参照のこと。それらの調整が本年次報告書の開示に影響を与える範囲で、比較数値は更新されて
いる。また、IFRSの初度適用に関連しない特定の他の調整は、注記6に記載されている。
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2019年11月に終了した期間
(単位:百万米ドル)
以前の表示
注記 現在の表示
英国会計基準 調整 IFRS
$ 8,096 $ (237) $ 7,859
純収益 A、B、C 純収益
一般管理費 C (5,440) 15 (5,425) 営業費用
支払利息等 A (243) 243 -
金融収益純額 B 13 (13) -
税引前利益 2,426 8 2,434 税引前利益
法人税等 C、D (624) 198 (426) 法人税費用
$ 1,802 $ 2,008
当期純利益 $ 206 当期純利益
その他の包括利益 その他の包括利益
その後に損益計算書に振替え その後に損益計算書に振替え
られることのない項目 られることのない項目
年金制度に関連する保険数理 年金制度に関連する保険数理
$ (159) - $ (159)
上の損失 上の損失
債務の評価調整 (201) - (201) 債務の評価調整
その他の包括利益の構成要素 その他の包括利益の構成要素
に帰属する英国繰延税金 に帰属する英国繰延税金
90 - 90
その他の包括利益の構成要素 その他の包括利益の構成要素
に帰属する英国当期税金 に帰属する英国当期税金
1 - 1
当期その他の包括損失(税引 当期その他の包括損失(税引
後) 後)
$ (269) - $ (269)
当期包括利益合計 当期包括利益合計
$ 1,533 $ 1,739
$ 206
調整の注記
A.劣後ローンに係る利息 当社は2019年11月に終了した期間の劣後ローンに係る利息243百万 米 ドルを支払利息
等から純収益に振り替えた。
B.年金制度の積立余剰額に係る利息 当社は2019年11月に終了した期間の年金制度の積立余剰額に係る受取利息
13百万 米 ドルを金融収益純額から純収益に振り替えた。
C.リース 当社は2018年12月1日付でIFRS第16号を適用した結果、2019年11月に終了した期間の純収益と営業費
用純額がそれぞれ7百万 米 ドルと15百万 米 ドル減少(減価償却費および無形資産償却費が133百万 米 ドル増
加、事務所関連費用が148百万 米 ドル減少)し、法人税費用が2百万 米 ドル増加した。
D.配当金に係る税金 当社は配当金の法人税への影響を認識するための要件を明確にしたIAS第12号「法人所得
税」への改正を適用した。この改正では、分配可能利益を生む取引または事象はIFRS第1号に従って遡及的に
認識されることから、2019年11月に終了した期間の当社AT1債に係る利息支払額に対する法人税200百万 米 ドル
が利益剰余金から損益計算書に振り替えられた。
キャッシュ・フローの調整
2019年11月および2018年12月1日現在、IFRSの適用による当社の現金および現金同等物、当座借越純額に変化はな
い。2019年11月に終了した期間の当社のキャッシュ・フロー計算書には、以下の変更が含まれている。
・財務活動 当社は財務活動の定義を変更し、現在はMRELを満たすすべての債務を含めている。こうした債務には
当社のAT1債、劣後ローンおよびMRELを満たす関係会社間ローンが含まれている。以前は、MRELを満たす関係会
社間ローンは営業活動に分類されていた。この変更の影響により、営業活動に使用された純キャッシュが33.3億
米 ドル減少し、財務活動による純キャッシュが同額増加した。
・リース 当社は、IFRS第16号を適用したことでリースによるキャッシュ・フローを営業活動から財務活動に振り
替えた。この変更の影響により、財務活動による純キャッシュが125百万 米 ドル減少し、営業活動に使用された
純キャッシュが同額増加した。
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・投資活動 当社は投資によるキャッシュ・フローを営業活動から投資活動に振り替えた。この変更の影響によ
り、営業活動に使用された純キャッシュが198百万 米 ドル減少し、投資活動に使用された純キャッシュが同額増
加した。
注記4
重要な会計方針の要約
会計方針
収益認識 純収益には、デリバティブ、有価証券およびその他の金融商品の第三者および関連会社の双方との取引
から生じた純利益、ならびに報酬および手数料が含まれる。これには関連する利息や配当も含まれる。
損益を通じて公正価値で測定する金融資産および負債
損益を通じて公正価値で測定する金融資産および負債は公正価値で認識され、実現および未実現の損益は、関連す
る受取利息および受取配当金ならびに支払利息および支払配当金とともに純収益に含まれる。ただし、自己のクレ
ジット・スプレッドに帰属する損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融負債(債務評価調整(以下
「DVA」という。))の公正価値変動額は、損益において会計上のミスマッチが創出されるか拡大する場合を除
き、その他の包括利益で認識される。金融資産はビッド価格で評価され、金融負債はオファー価格で評価される。
公正価値測定において取引費用は算入されない。当社は一部の金融資産および負債を1つのポートフォリオとして
測定する(すなわち、市場リスクおよび(または)信用リスクに対する純エクスポージャーに基づき測定する)。
損益を通じて公正価値で測定する金融資産および負債の公正価値の変動に関連する未実現の損益は、純収益に、ま
たはDVAの場合はその他の包括利益に、約定日から認識される。
損益を通じて公正価値で測定するハイブリッド金融商品の契約上の利息は、損益を通じて公正価値で測定する金融
商品からの利益および損失に含まれ、それ以外のすべての商品の契約上の利息は、受取利息および支払利息に含ま
れる。
顧客との契約から生じる収益
投資銀行業務、投資運用業務ならびに執行および決済等のサービスに関する顧客との契約(以下「顧客との契約」
という。)から得た収益は、原取引に関連する履行義務が完了した時点で認識される。
当社が取引の本人である場合には、履行義務の一部または全部の充足に係る費用の総額として顧客との契約による
収益を認識している。当社が顧客へのサービスを提供する主たる義務を有する場合、当社は取引の本人である。当
社は、自ら履行義務を充足するか、または履行義務の一部または全部をその他のGSグループ関連会社に代わりに充
足させる。こうした収益は純収益に認識され、発生した費用は営業費用純額に認識される。
純収益は以下のとおり認識される。
・投資銀行業務
ファイナンシャル・アドバイザリー業務および引受業務からの報酬は、契約条件に基づいて原取引に関連する
サービスが完了した時点で、損益で認識される。
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・ 投資運用業務
運用報酬は発生主義で認識され、通常はファンドまたは分離勘定の平均純資産価額に対する一定比率として算出
される。すべての運用報酬は関連サービスが提供される期間において認識される。
成功報酬はファンドの運用益に対する一定比率、あるいは特定のベンチマークまたはその他のパフォーマンス目
標を上回る超過運用益に対する一定比率として算出される。
・ 手数料および報酬
株式、オプションおよび先物市場ならびに店頭取引における顧客取引の執行および決済による手数料および報酬
は、売買の執行日に純収益に認識される。
セグメント報告 取締役会は当社の事業活動を単一のセグメントとして管理しており、したがって、セグメント報
告は提供していない。
短期従業員給付 賃金および給与といった短期従業員給付は、割引前の金額で測定され、従業員が当社に役務を提
供した期間において未払費用として計上される。グループの方針および過去の慣習に基づき貸借対照表日に推定的
債務が存在している場合に、現金または株式報奨により支払われる年度末裁量報酬のための引当金が計上される。
株式報酬 グループ・インクは、当社の従業員に対して、役務と引き換えに、制限付株式ユニット(以下「RSU」
という。)およびストックオプションの形式で、株式報奨を発行している。報奨は持分決済型に分類されるため、
従業員との株式取引に係る費用は、報奨の付与日現在の公正価値に基づいて測定される。将来の役務提供を必要と
しない株式報奨(退職適格従業員に付与された報奨を含む確定報奨)は、即時に費用計上される。将来の役務提供
を必要とする株式報奨は、関連する役務提供期間にわたり償却される。予想される失効は従業員株式報酬費用を算
定する際に含められる。
グループ・インクは、通常、株式報奨の交付の際に普通株式の新規発行を行っている。規制により禁止されていな
い限りは、発行済みのRSUについて配当金相当額を支払っている。当社は、グループ・インクとチャージバック契
約も締結しており、当該契約に基づき、当社は (a) 当該報奨の付与日現在の公正価値、および (b) その後付与日
から従業員へ交付時までの当該報奨公正価値の変動額をグループ・インクに支払うことを確約している。このた
め、株式報酬取引およびチャージバック契約により、当該報奨の付与日現在の公正価値(当該報奨の交付までの公
正価値の変動額調整後)に基づく費用合計が損益計算書に計上される。
当期法人税および繰延税金 当期法人税等は、当社が事業を営み課税所得を稼得している国で貸借対照表日現在に
施行または実質的に施行されている税法に基づき計算される。
繰延税金は、将来の税金支払額を増減させることになる取引または事象が貸借対照表日において発生している場合
に、当該日において解消していない、以下を除いたすべての一時差異について認識される。
・繰延税金資産は、将来の一時差異の解消に利用できる十分な課税所得を見込める可能性が高い場合に限り認識さ
れる。
・繰延税金は、貸借対照表日に施行されているまたは実質的に施行されている税率および法律に基づいて、一時差
異が解消される期間において適用が予定されている税率を用いて割引せずに測定される。
当期法人税および繰延税金は、一般的に、関連する損益の認識方法に従い、損益計算書に認識されるか、その他の
包括利益に直接認識される。AT1債に係る利息に対する法人税は損益計算書で認識される。
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配当金 最終株式配当金は会社の株主が配当金の承認を行った期において負債として認識され、資本から控除され
る。中間株式配当金は支払時に認識され、資本から控除される。
現金および現金同等物 預金および通常の事業の過程で保有される流動性が高い翌日物預金がこれに含まれる。
外貨 当社の財務書類は、当社の機能通貨でもある米ドルで表示されている。
外貨建ての取引は、取引が発生した日の実勢為替レートで米ドルに換算される。外貨建ての貨幣性資産および負
債、ならびに公正価値で測定する非貨幣性資産および負債は、貸借対照表日の実勢為替レートで米ドルに換算され
る。外国為替の利益および損失は、税引前利益で認識される。
金融資産および負債
認識および認識の中止
金融資産および負債は、通常の方法の取引による現物商品の売買を除き、当社が当該金融商品の契約条項の当事者
となった時点で認識される。金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、または当社
が金融資産を移転し、かつその移転が認識中止の要件を満たしている時に、当該金融資産の認識の中止が行われ
る。当社が当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転した場合、または当社が当該金融
資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転しておらず保持してもいないが、当該金融資産に対す
る支配を保持していない場合、移転された金融資産は認識中止の要件を満たしている。金融負債は消滅した時(す
なわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効となった時)にのみ認識が中止される。
通常の方法の取引による現物商品の売買は、決済日に認識および認識の中止が行われる。
分類および測定:金融資産
当社は金融資産の管理に係る当社の事業モデルおよび当該金融資産の契約上のキャッシュ・フロー特性の双方に基
づき、その後に償却原価で測定するもの、または損益を通じて公正価値で測定するものに分類している。事業モデ
ルは、将来のキャッシュ・フローを生み出すために、当社が特定の資産グループをどのように管理しているかを反
映している。当社の事業モデルが契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有するものである場合、
当社はその後、金融資産のキャッシュ・フローが元本および利息の支払のみを表しているかどうかを評価する。組
込デリバティブを含む金融資産(ハイブリッド商品)も同じ評価の対象となる。
・償却原価で測定する金融資産 契約上のキャッシュ・フローの回収のために保有され、元本および利息の支払の
みを表すキャッシュ・フローを有する金融資産は、償却原価で測定される。当社はキャッシュ・フローが基本的
な貸付契約であるかどうかを検討し、契約条件により、基本的な貸付契約と整合しないリスクやボラティリティ
にさらされる場合には、当該金融資産を、損益を通じて公正価値で測定するよう義務付けている(以下を参照の
こと)。償却原価で測定する金融資産は取引費用を含む公正価値で当初測定され、その後は実効金利法を用いた
償却原価にて測定される。実効金利法は、金融商品の償却原価を計算し、受取利息を該当期間に配分する方法で
ある。実効金利は、金融資産の予想存続期間、または場合によってはそれより短い期間を通じて見積った将来の
現金の受取を、金融資産の正味帳簿価額に一致させるように割り引く率である。当社は実効金利を計算する際
に、当該金融資産のすべての契約条件を考慮しキャッシュ・フローの見積りを行うが、将来の信用損失は考慮し
ない。金融収益は純収益に計上される。償却原価で測定する金融資産には以下が含まれる。
・現金および現金同等物
・特定の売戻条件付契約およびほぼすべての借入有価証券担保金から成る特定の担保付契約
・顧客等受取債権
・特定の関係会社間ローンおよびほぼすべての雑債権その他から成る特定のその他の資産
・損益を通じて公正価値で測定することが義務付けられている金融資産 契約上のキャッシュ・フローの回収のた
めに保有されておらず、および(または)元本および利息の支払のみを表すキャッシュ・フローを有していない
金融資産は、損益を通じて公正価値で測定することが義務付けられている。損益を通じて公正価値で測定するこ
とが義務付けられている金融資産は、公正価値で当初測定され、取引費用は損益計算書において費用計上され
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る。当該金融資産は、その後は公正価値で測定され、それにより生じた損益は純収益に認識される。公正価値で
の測定が義務付けられている金融資産には、以下が含まれる。
・ほぼすべての売戻条件付契約および特定の借入有価証券担保金から成る特定の担保付契約
・特定取引現物商品およびデリバティブ商品から成る特定取引資産
・投資資産
・ローン
・特定の関係会社間ローンから成る特定のその他の資産
分類および測定:金融負債
当社は金融負債を、当該金融負債が購入された、または組成された目的によって以下の区分に分類している。
・トレーディング目的で保有する金融負債 トレーディング目的で保有する金融負債は、公正価値で当初測定さ
れ、その後は損益を通じて公正価値で測定され、それにより生じた損益は純収益に認識される。トレーディング
目的で保有する金融負債には以下の金融商品から成る特定取引負債が含まれる。
・特定取引現物商品
・デリバティブ商品
・損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融負債 当社は、一部の金融負債を、損益を通じて公正価
値で評価するものに指定している。損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融負債は、公正価値で
当初測定され、その後は損益を通じて公正価値で測定されるが、DVAの場合は、会計上のミスマッチが創出され
るか拡大する場合を除き、その他の包括利益で認識され、公正価値のそれ以外の変動は純収益に認識される。自
己のクレジット・スプレッドに帰属するその他の包括利益で認識された金額は、金融負債の認識が中止された場
合でも、その後損益計算書に振り替えられることはない。当該金融負債を公正価値で評価するものに指定する主
な理由は、以下のとおりである。
・指定しない場合に資産または負債の測定あるいはそれらに係る損益の認識を異なる基礎で行うことから生じる
であろう測定または認識の不整合を除去または大幅に低減するため
・金融負債グループ、または金融資産および負債が公正価値ベースで管理され、業績評価されているため
損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融負債には、以下が含まれる。
・ほぼすべての買戻条件付契約
・FICCに含まれる貸付有価証券担保金
・ハイブリッド金融商品および売却ではなく借入として会計処理される資産の譲渡から成る担保付発行社債、関
係会社間ローンおよびその他借入金
・特定の発行社債、特定のその他借入金、特定の関係会社間ローンおよび前払コモディティ契約から成る特定の
無担保借入金
ハイブリッド金融商品は、分離可能な組込デリバティブを含む商品である。当社が関連する負債から組込デリバ
ティブを分離する場合、デリバティブは公正価値で計上され、原契約は償却原価で計上され、公正価値ヘッジの
有効部分について調整される。分離しない場合、ハイブリッド金融商品全体が損益を通じて公正価値で評価する
ものに指定される。
・償却原価で測定する金融負債 償却原価で測定する金融負債は取引費用を含む公正価値で当初測定され、その後
は実効金利法を用いた償却原価にて測定される。実効金利法に関する詳細は、上記の「償却原価で測定する金融
資産」を参照のこと。発行時に認められた割引を含む金融費用は受取利息および支払利息純額に計上される。償
却原価で測定する金融負債には、以下が含まれる。
・特定の買戻条件付契約およびほぼすべての貸付有価証券担保金
・顧客等未払債務
・損益を通じて公正価値で評価するものに指定されていない特定の無担保借入金
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・主に報酬および給付ならびに未払費用等から成るその他の負債
減損
当社はIFRS第9号「金融商品」(IFRS第9号)の規定に従い、償却原価で測定する金融資産に伴う予想信用損失
を、フォワード・ルッキングな視点で評価している。予想信用損失の測定は、起こり得る事象の結果、貨幣の時間
的価値、ならびに不当なコストや労力をかけることなく報告日において入手可能な過去の事象、現在の状況および
将来の経済状況の予測に関する合理的かつ裏付可能な情報を評価することによって決定される、偏りのない確率加
重された金額を反映している。予想信用損失は、純収益に計上される。
当社の減損モデルは、償却原価で測定する金融資産の当初認識以降の信用の質の変化に基づいており、以下の3つ
のステージを組み込んでいる。
・ステージ1 償却原価で測定する金融資産のうち、当初認識時に信用減損が生じておらず、当初認識以降に信用
リスクの著しい増大が認められないもの。ECLは、今後12ヵ月以内に起こり得るデフォルト事象から生じる予想
信用損失に等しい金額で測定される。
・ステージ2 償却原価で測定する金融資産のうち、当初認識以降に信用リスクが著しく増大しているものの、信
用に減損が生じているとはみなされないもの。ECLは残存期間ベースで予想信用損失に基づいて測定される。
・ステージ3 償却原価で測定する金融資産のうち、デフォルト状態にあるか、信用に減損が生じていると定義さ
れるもの。ECLは残存期間ベースで予想信用損失に基づいて測定される。
各金融資産の該当するステージ分類の決定は、「信用リスクの著しい増大」(ステージ1からステージ2)の定義
と「信用に減損が生じている」(ステージ3の定義に依存する。当社では、特定の定量的または定性的条件が満た
された場合に、金融資産の信用リスクが著しく増大したとみなしている。定量的な基準値には、投資適格金融資産
のデフォルト基準値の絶対的確率と、投資不適格金融資産のデフォルト基準値の相対的確率が含まれる。また、30
日超の期日経過をバックストップとみなすことを含め、当社の信用リスク管理プロセスの一環として定性的レ
ビューも実施している。当社は、信用リスクのデフォルトの定義を満たす場合、金融資産に信用の減損が生じてい
るとみなしている。デフォルトは、当社による有価証券の実現(保有されている場合)等の行為への遡求なしに債
務者が当社への債務を全額返済する見込みがないと当社が判断した場合、または債務者が支払を履行できなかっ
た、および(または)支払が90日超の期日経過となっている場合のいずれかとして定義されている。
ECLは、個々のエクスポージャーごとにデフォルト確率、デフォルト時損失率およびデフォルト時エクスポー
ジャーを予測することによって決定される。予想信用損失を計算するには、これら3つの要素を掛け合わせ、報告
日まで割り引く。ECLの計算に使用される割引率は、当初の実効金利である。デフォルト確率は、借手が金融債務
を履行できない可能性を表す。デフォルト時損失率は、デフォルト・エクスポージャーの損失額に対する当社の予
想であり、とりわけ金融資産の担保を考慮している。デフォルト時エクスポージャーは、金融債務が不履行となっ
た場合に当社が負うと予想される金額である。当社は、取引相手先ごとのデフォルト率の評価を反映した内部の信
用リスク格付を利用している。ECLの計算では複数のマクロ経済シナリオを使用しており、そのウェイトは継続的
に内部レビューと承認の対象となっている。
ECLモデルは将来の経済状況に関する様々な予測の加重平均を考慮している。予測には3年間における経済の標準
シナリオ、強気シナリオおよび弱気シナリオが含まれる。予想存続期間が3年を上回るステージ2またはステージ
3の金融資産を当社が保有する場合、ECLモデルは再度過去の損失情報に非線形モデルによる手法を適用する。当
社は、個々のシナリオのウェイトを、自社の経済見通し、市場コンセンサス、直近のマクロ経済状況および業界動
向などの様々な要因に基づき四半期ごとに判断する。
信用リスクおよび予想信用損失に影響を及ぼす主要な経済変数などのフォワード・ルッキングな情報は、ステージ
分類の評価とECLの計算の両方に組み込まれている。
当社は、回収可能性が合理的に予想できないと判断した場合には、金融資産の全部または一部を償却している。金
融資産が回収不能とみなされた場合には、これを回収可能性が合理的に予想できないことを示す指標であると判断
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している。当社は、全額が回収されるとの合理的な予想ができないために全額または一部を償却しているが、法的
な権利がある金額については、全額回収することを引き続き目指している。
金融負債および資本の分類
金融負債と持分商品は、契約内容に従って分類される。金融負債は、他の事業体に現金またはその他の金融資産を
引き渡す、あるいはその事業体に潜在的に好まれない条件で金融資産と金融負債を交換する契約債務のある負債で
ある。持分商品とは、事業体のすべての負債を控除した後の資産に対する残余持分を証明する契約である。金融商
品は、負債要素と資本要素の両方を持つか否かを判断するために評価される。ハイブリッド金融商品の当初帳簿価
額は、公正価値で測定する負債要素にまず配分され、残りの金額が資本要素に配分される。
金融資産と負債の相殺
金融資産と負債は、以下の場合において相殺され、純額が貸借対照表に表示される。
・現在、認識額を相殺する法的に強制力のある権利を有する場合。
・純額決済する、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意思がある場合。
条件が満たされない場合には、金融資産および負債は総額で貸借対照表に表示される。
公正価値測定
当社の金融資産および負債の公正価値による測定の詳細は、注記31を参照のこと。
公正価値ヘッジ
当社は、一部の固定金利が付された無担保長期借入金および無担保短期借入金の金利エクスポージャーを管理する
ために用いられる一部の金利スワップについて、IAS第39号「金融商品:認識および測定」(IAS第39号)に基づく
ヘッジ会計を適用している。ヘッジ会計の要件を満たすために、デリバティブ・ヘッジは、ヘッジ対象のエクス
ポージャーから生じるリスクを非常に効果的に軽減しなければならない。また当社は、契約開始時にヘッジ関係に
関して正式に文書化し、デリバティブ・ヘッジがヘッジ関係の期間にわたり継続的に非常に有効であることを確認
するために、ヘッジ関係のテストを行わなければならない。
当社は、ヘッジ手段の公正価値およびヘッジ対象リスク(金利リスクなど)の変動を相殺する公正価値ヘッジ関係
の有効性を評価するにあたり、回帰分析を用いる統計的手法を適用している。回帰分析の結果、決定係数が80%以
上、傾きが80%から125%の範囲の場合、金利スワップはヘッジ対象リスクの変動に起因する公正価値の変動の相殺
に非常に有効とみなされる。これらのヘッジの非有効部分の要因としては、以下が考えられる。
・ヘッジ対象およびヘッジ手段のキャッシュ・フロー時期の差異
・ヘッジ対象およびヘッジ手段の割引の差異。現金担保デリバティブは、翌日物インデックス・スワップの割引
カーブを用いて割り引かれるが、翌日物インデックス・スワップの割引カーブはヘッジ対象には一貫して適用さ
れないため。
・取引相手先の信用リスクは、無担保金利スワップの公正価値の変動に影響を与えるが、該当のヘッジ対象には影
響を及ぼさない。
適格公正価値ヘッジについては、デリバティブに係る損益およびヘッジ対象リスクに起因するヘッジ対象の公正価
値の変動は純収益に含まれる。デリバティブがヘッジに指定されなくなった場合、ヘッジ対象の帳簿価額と額面価
額との差額は、実効金利法でヘッジ対象の残存期間にわたり償却される。
担保付契約および担保付借入金 担保付契約には、売戻条件付契約および借入有価証券担保金が含まれる。担保付
借入金には、買戻条件付契約、貸付有価証券担保金、担保付発行社債、関係会社間ローンおよびその他借入金が含
まれる。当該商品の分類および測定に関する詳細は、上記の「分類および測定:金融資産」ならびに「分類および
測定:金融負債」を参照のこと。受取担保または差入担保は、現金または有価証券のいずれかの形式をとる。現金
担保は受領/支払時に認識/認識中止される。当社が有価証券の形式で差入れた担保については当社の貸借対照表
における認識は中止されず、また有価証券の形式で受領した担保については貸借対照表に認識されない。受領した
担保を後に売却した場合には、担保返却義務および受領した現金が貸借対照表に認識される。
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年金制度 当社は一部の従業員のために確定拠出型年金制度および複合年金制度に資金を拠出している。複合年金
制度は確定給付部分(以下「当制度」という。)および確定拠出部分の双方を有しており、以下のとおり会計処理
される。
・確定拠出型年金制度および複合年金制度の確定拠出部分について当期に拠出すべき額は、営業費用純額に計上さ
れる。当期に拠出すべき額と実際の拠出額との差額は、未払金または前払金として 貸借対照表 に表示される。
・当制度について営業費用純額に計上される金額は、過去勤務費用、管理費用ならびに制度の決済および縮小に伴
う損益である。当該金額は報酬および給付に含まれる。利息純額は、受取/(支払)利息純額に含まれる。保険
数理上の損益は即時にその他の包括利益に認識される。当制度資産は公正価値で測定される。当制度負債は保険
数理を基礎として予測単位積増方式を用いて測定され、通貨および期間が当制度負債に対応している高格付社債
の現在の収益率に等しい率で割り引かれる。完全な保険数理評価は少なくとも3年に一度実施され、各貸借対照
表日に更新される。当制度資産の当制度負債に対する余剰額または不足額は、貸借対照表上に資産(余剰額)ま
たは負債(不足額)として認識される。
有形固定資産・賃借物件附属設備および装置
有形固定資産・賃借物件附属設備および装置は、取得価額から減価償却累計額および減損引当金を控除した金額で
計上されている。工具器具備品は、3年から7年の見積耐用年数にわたり、定額法に基づいて計算されている。賃
借物件附属設備は、資産の経済的耐用年数または資産が使用されてからの残余リース期間のいずれか短い期間にわ
たって減価償却されている。減価償却費は営業費用純額に含められている。減価償却方針は毎年見直される。
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無形資産
無形資産は、取得価額から償却累計額および減損引当金を控除した金額で計上されている。IAS第38号「無形資
産」の認識基準を満たす場合、当期に発生した新しい業務アプリケーション・ソフトウェアの開発または改良に直
接帰属する費用は、ソフトウェア仮勘定として資産計上される。ソフトウェア仮勘定は、完成し意図する目的での
使用が可能となった時点でコンピューター・ソフトウェアに振り替えられる。
コンピューター・ソフトウェアは、3年の見積耐用年数にわたり、定額法で償却される。ソフトウェア仮勘定につ
いては、無形資産償却費は計上されない。無形資産償却費は営業費用純額に含められ、償却方針は毎年見直され
る。
無形資産については、資産または資産グループの帳簿価額を全額回収できないことを示す事象または状況の変化が
ある場合に減損テストが実施される。
リース リースはリース開始日に使用権資産および対応する負債として認識される。
リースに内在する金利は容易に決定できないため、リース負債は、リース開始日またはIFRS第16号採用日のいずれ
か遅い方における借手の追加借入利子率(IBR)を用いて割り引かれ、支払リース料残額の現在価値として測定さ
れた。IFRS第16号の採用日にリース負債に適用された加重平均割引率は3.5%であった。
リースから生じた資産および負債は、当初現在価値で測定される。リース負債には、固定および変動リース料(行
使することが合理的に確実である延長オプションに基づくリース料を含む)の現在価値からリース・インセンティ
ブ債権の現在価値を控除し、リースの解約に対するペナルティの支払額の現在価値を加えた金額が含まれる。リー
ス料は借手のIBRを用いて割り引く。金融費用は、リース期間にわたり、各期間の負債残高に対する期間利子率が
一定となるよう損益計算書に計上されている。
使用権資産は、リース負債の当初測定額、開始日以前に支払ったリース料から受け取ったリース・インセンティブ
を控除した金額、および当初直接費用から成る取得原価で測定する。使用権資産はリース期間にわたり定額法で減
価償却している。当社は使用権資産を再評価しないことを選択している。
当社が契約する事務所施設のリース契約には延長オプションおよび解約オプションが含まれている。これらのオプ
ションは、当社の事業で使用する資産の管理において運用上の柔軟性を最大化するために利用される。保有してい
る延長オプションおよび解約オプションは、当社によってのみ行使可能であり、それぞれの貸手は行使できない。
使用権資産は、事象または状況の変化が資産または資産グループの帳簿価額を全額回収できない可能性があること
を示唆した場合いつでも、減損テストが実施される。見積り回収可能額(公正価値)と資産または資産グループの
帳簿価額の差額として算出される減損損失は、その割引前の予想キャッシュ・フロー合計額が対応する帳簿価額を
下回った場合、認識される。
引当金、偶発債務および偶発資産 引当金は、過去の事象の結果として生じた現在の(法的または推定的)債務を
決済するのに経済的便益の流出が必要となる可能性が高く、債務金額を信頼性をもって見積ることが可能な場合に
認識される。新しい法案の結果として生じる可能性がある法的債務は、草案どおりに法律が施行されることがほぼ
確実な場合にのみ債務として認識される。
偶発債務とは、過去の事象により発生する可能性のある債務で、当社の支配が完全には及ばない1つまたは複数の
不確実な将来の事象が発生することによって、もしくは発生しないことによってのみ、その存在が確認されるもの
である。もしくは、過去の事象により発生した現在の債務であるが、経済的便益が流出する可能性が高くないか、
もしくは債務金額を信頼性をもって測定することが不可能なために、認識されないものである。
偶発資産とは、過去の事象により発生する可能性のある資産で、当社の支配が完全には及ばない1つまたは複数の
不確実な将来の事象が発生することによって、もしくは発生しないことによってのみ、その存在が確認されるもの
である。
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偶発債務および偶発資産は財務書類には認識されない。しかし、決済の可能性がほとんどないような場合を除いて
開示は行われる。
新会計基準、会計基準の改訂および解釈指針(当期未適用)
IFRS 第 9 号、 IAS 第 39 号、 IFRS 第 4 号「保険契約」および IFRS 第 16 号に関する改訂 2020年8月27日、IASBは「金
利指標改革―フェーズ2」を発表した。このフェーズ2では、金利指標改革の結果金融商品の契約上のキャッ
シュ・フローまたはヘッジ関係に変化が生じる場合、財務報告に影響を及ぼす問題への選択的な救済措置が規定さ
れている。当社は、2021年1月1日以降に始まる期間に有効となる救済措置の早期適用を選択していない。当社は
現在、当該改訂を適用した場合の財務書類への影響を評価している。
注記5
重要な会計上の見積りおよび判断
財務書類の作成において、経営陣は本財務書類での認識額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定を行うことが要
求される。見積りの性質上、実際の結果が当該見積りと異なる可能性がある。以下の見積りが、財務書類での認識
額に最も重要な影響を及ぼした。
公正価値測定
当社の一部の金融資産および負債には、重要な観察不能なインプット(すなわち、レベル3)が含まれる。帳簿価
額、評価方法および重要なインプットについては、注記31を参照のこと。
確定給付年金
当制度の費用および当制度の負債の価値は、数理的評価を使用して決定される。これには、割引率、将来の昇給、
死亡率および将来の年金増加についての仮定が含まれる。当該評価の複雑性のために、かかる見積りは著しい不確
実性にさらされる。当社の制度の詳細については、注記16を参照のこと。
注記6
純収益
純収益には、支払利息純額と利息外収益が含まれる。支払利息純額には、公正価値で測定する金融資産および負債
ならびに償却原価で測定する金融商品に係る利息および配当金が含まれている。利息外収益には以下が含まれる。
・損益を通じて公正価値で測定することが義務付けられている金融商品に係る損益(主に、特定取引資産、投資資
産、ローン、特定取引負債および一部の担保付契約に係る利息外損益に関連する)
・損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融商品に係る損益(主に、特定の無担保借入金および担保
付借入金に係る利息外損益に関連する)
・手数料および報酬(主に、特定のファイナンシャル・アドバイザリー業務および引受業務、顧客取引の執行およ
び決済、ならびに特定の投資運用サービスからの純収益に関連する)
・その他の収益(GSグループのブレグジット計画の一環である、当社の一部の活動および従業員の移転に関しGSBE
から受領した対価に関連する)
純収益は以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
2020年 2019年
(単位:百万米ドル) 12月 11月
利息外収益
$ 6,200 $ 7,372
損益を通じて公正価値で測定することが義務付けられている金融商品
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損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融商品 1,529 (1,586)
手数料および報酬 3,191 2,506
その他の収益 76 -
利息外収益 10,996 8,292
受取利息
損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの受取利息 2,657 4,965
償却原価で測定する金融商品からの受取利息 1,539 2,694
受取利息合計 4,196 7,659
支払利息
損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの支払利息
(3,053) (4,310)
償却原価で測定する金融商品からの支払利息 (2,128) (3,782)
支払利息合計 (5,181) (8,092)
支払利息純額 (985) (433)
$ 7,859
純収益 $10,011
上記の表において、
・損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融商品については、損益を通じて公正価値で測定すること
が義務付けられている金融商品との経済的ヘッジが行われることが多い。したがって、損益を通じて公正価値で
評価するものに指定される金融商品に計上されている損益は、損益を通じて公正価値で測定することが義務付け
られている金融商品に計上されている損益と一部相殺することができる。
・当社は、2019年11月に終了した期間に関する主に引受業務からの純収益766百万 米 ドルを、当期の表示に合わせ
て、損益を通じて公正価値で測定する金融商品から手数料および報酬に振り替えた。
2019年11月に終了した期間の償却原価で測定する金融商品の受取利息および支払利息は、当期の表示に合わせて
137百万 米 ドル増加した。これは、特定の商品について、マイナスの受取利息を支払利息に、またマイナスの支払
利息を受取利息に再分類するためのものである。
地域別情報
国際金融市場は密接に関連しているため、当社では業務を全社的な収益性に基づいて管理している。収益性を地域
別に配分する方法は、見積りおよび経営陣の判断に左右される。
地域別の業績は通常、以下のように配分される。
・投資銀行業務:顧客、投資銀行チームおよび潜在リスクの所在地
・FICCおよび株式:マーケット・メイキング・デスクまたは対象証券の発行市場の所在地
・投資運用業務:投資運用チームの所在地
上記の方法に基づき地域別に配分された純収益は、以下の表のとおりである。
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以下で終了した期間
2020年 2019年
(単位:百万米ドル) 12月 11月
$ 6,676
ヨーロッパ、中東およびアフリカ(以下「EMEA」という。) $5,608
南北アメリカ 1,564 1,406
アジア 1,771 845
合計 $10,011 $7,859
顧客との契約から生じる収益
利息外収益の手数料および報酬に含まれる、IFRS第15号の対象となる顧客との契約から生じる収益は、以下の表の
とおりである。
以下で終了した期間
2020年 2019年
(単位:百万米ドル) 12月 11月
ファイナンシャル・アドバイザリー業務および引受業務 $2,198 $1,516
執行および顧客との決済取引 599 652
投資運用サービス 394 338
合計 $3,191 $2,506
注記7
営業費用純額
営業費用純額は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
2020年 2019年
(単位:百万米ドル) 12月 11月
報酬および給付 $2,825 $2,394
取引関連費用 1,680 1,177
市場開拓費 43 94
通信およびテクノロジー費用 145 122
減価償却費および償却費 194 249
専門家報酬等 181 186
事務所関連費用 4 78
GSグループ関連会社から受けたサービスに対するマネジメント
費用の支払い 921 919
その他費用 838 576
営業費用 6,831 5,795
GSグループ関連会社に対して提供したサービスに対するマネジ
メント費用の請求 (344) (370)
営業費用純額 $6,487 $5,425
上記の表において、
・仲介、決済、取引所費および販売手数料を取引関連費用に変更し、加えて、顧客からの収益に直接関連する取引
の完了に伴い発生した費用およびIFRS第15号の要求事項に基づき当社が本人である取引において履行義務を充足
するために発生した一部の費用を当該費用に含めた。当該費用はこれまでその他費用に計上されており、2020年
12月に終了した期間の当該費用は467百万 米 ドルであった。当社は、2019年11月に終了した期間の当該費用270百
万 米 ドルを、当期の表示に合わせて振り替えた。
・マネジメント費用には、当社がGSグループ関連会社から受けた、もしくは当社がGSグループ関連会社に提供した
業務運営上および管理上のサポートならびにマネジメント・サービスに関連する費用が含まれる。
・その他費用には主に、IFRS第15号の要求事項に基づき当社が本人である取引において履行義務を充足するために
発生した費用、租税公課、負債引当金および寄付金が含まれている。
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専門家報酬等に含まれている当社の監査人に対する支払報酬は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
2020年 2019年
(単位:百万米ドル) 12月 11月
$ 6.0
監査報酬 $4.6
監査関連アシュアランス・サービス 1.8 4.1
その他のアシュアランス・サービス 3.3 1.1
税務コンプライアンス・サービス 0.2 0.2
その他の非監査サービス - 0.1
非監査サービス報酬合計 5.3 5.5
報酬合計 $9.9 $11.5
上記の表において、
・ 主に当社がその会計基準日を変更したことから、2020年12月に終了した期間の当社の監査報酬は、2019年
11月に終了した期間から1.4百万 米 ドル減少し、2020年12月に終了した期間の監査関連アシュアランス・
サービス報酬は、2019年11月に終了した期間から2.3百万 米 ドル減少した。
・ 2019年11月に終了した期間の監査関連アシュアランス・サービスには、前期間の当社とGSグループの会計
基準日の違いのため、当社の財務情報に対する監査およびGSグループ監査のためにGSグループの監査人に
行う監査報告に係る報酬が含まれている。
・ その他のアシュアランス・サービスには、当社の監査人のネットワーク・ファームが複数のGSグループ関
連会社に提供した特定のサービスに係る報酬の当社負担分が含まれている。これらの報酬は、各事業体の
資産規模に応じて、当社を含む複数のGSグループ関連会社に配分された。2020年12月に終了した期間のそ
の他のアシュアランス・サービスには、規制当局によるテーマ別検査に関連する報酬も含まれている。
注記8
報酬および給付
業務執行役員を含む当社の月間平均従業員数は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間の平均
2020年 2019年
(単位:人) 12月 11月
投資銀行業務 828 819
FICC 833 813
株式 908 836
投資運用業務 819 786
サポート部門 872 924
平均従業員数合計 4,260 4,178
従業員数合計は、2020年12月現在において4,115名および2019年11月現在において4,230名である。
取締役に関するものも含め、当社が負担する報酬および給付は以下の表のとおりである。
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以下で終了した期間
2020年 2019年
(単位:百万米ドル) 12月 11月
賃金および給与 $2,418 $2,075
社会保障費 355 268
年金費用:
確定拠出型制度および複合年金制度の確定拠出部分
49 51
複合年金制度の確定給付部分 3 -
合計 $2,825 $2,394
上記の表の報酬および給付の合計には、当該期間における株式報酬の公正価値変動額に相当するグループ・インク
による再請求である、2020年12月に終了した期間に計上された259百万米ドル、および2019年11月に終了した期間
に計上された175百万米ドルが含まれている。
注記 9
株式報酬
株式報奨制度
グループ・インクは、RSU、制限付株式、配当金相当権利および報奨型ストックオプションなどを提供する株式報
奨制度である2018年度ザ・ゴールドマン・サックス改訂・修正株式報奨制度(以下「2018年度SIP」という。)に
資金を拠出している。2018年5月2日に、グループ・インクの株主は2018年度SIPを承認した。2018年度SIPは、こ
れまで有効であった2015年度ザ・ゴールドマン・サックス改訂・修正株式報奨制度を置き換えるものであり、承認
日以降に付与された報奨に適用される。
当社は付与された株式報奨の償却に関連して、失効分控除後の株式報酬を2020年12月に終了した期間において459
百万米ドル、2019年11月に終了した期間において452百万米ドル計上した。これらの株式報酬から生じた資本への
振替は、グループ・インクとのチャージバック契約に基づいて生じた額について負債を認識した結果、資本で相殺
されている。グループ・インクとのチャージバック契約では、当社は、グループ・インクへの報奨の付与日現在の
公正価値およびその後の公正価値の変動額を、従業員への交付時にグループ・インクに支払うことを確約してい
る。
制限付株式ユニット
グループ・インクは、2018年度SIPに基づき、当社の従業員に対してRSUを付与する。これは通常、権利確定および
交付後に適用される譲渡制限に関する流動性割引を考慮した、対象となる株式の付与日の終値で評価される。RSU
は通常、該当する報奨契約に記載されている方法で権利が確定し、対象となる普通株式が交付される(必要な源泉
税控除後)。従業員報奨契約では通常、退職、死亡、障害および利害が対立している従業員などの特定の状況にお
いて権利確定期間が短縮されることが規定されている。対象となる普通株式の交付は、受給者が報奨契約に記載さ
れている一定の権利確定要件およびその他の要件を満たすことが条件となる。業績に依存しないRSUは通常3年間
にわたり交付される。業績に依存するRSUは通常3年間の業績期間終了後に交付される。この報奨は、業績に基づ
き、最終的に当初の付与数の0から150%まで調整される。業績期間中の配当金は、RSUが確定し、交付された時点
で支払われる。
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RSUの状況は、以下の表のとおりである。
発行済制限付株式ユニットの付与日現在 発行済 制限付株式ユニットの付与日現在
*
公正価値の加重平均 公正価値の加重平均
将来勤務 将来勤務 将来勤務 将来勤務
必要 不要 必要 不要
2020年12月に終了した期間
期首残高
1,743,850 2,893,507 $193.70 $193.54
付与済み 830,270 1,159,883 $215.44 $223.68
権利失効 (80,808) (25,459) $204.95 $198.27
$ -
交付済み - (1,878,224) $196.88
権利確定済み (1,502,818) 1,502,818 $197.82 $197.82
移管 (68,365) (58,149) $199.27 $202.60
期末残高 922,129 3,594,376 $205.09 $203.12
2019年11月に終了した期間
期首残高 1,623,466 2,493,081 $200.55 $198.25
付与済み 1,142,547 1,619,850 $174.64 $179.14
権利失効 (111,861) (50,221) $189.94 $191.53
$ -
交付済み - (2,087,925) $183.30
権利確定済み (916,482) 916,482 $182.76 $182.76
移管 6,180 2,240 $188.07 $206.17
期末残高 1,743,850 2,893,507 $193.70 $193.54
*訳者注: 原文通り。本来は「発行済制限付き株式ユニット数」。
上記の表において、
・付与されたRSUの付与日現在公正価値の加重平均は、2020年12月に終了した期間が220.24 米 ドルで、2019年11月
に終了した期間が177.28 米 ドルであった。付与されたRSUの公正価値には、権利確定および交付後に適用される
通常最大4年間の譲渡制限を反映し、2020年12月に終了した期間については8.19%、また2019年11月に終了した
期間については8.46%の流動性割引が考慮されている。
・権利が確定された報奨の公正価値総額は、2020年12月に終了した期間が576百万 米 ドルで、2019年11月に終了し
た期間が435百万 米 ドルであった。
・2020年12月に終了した期末残高には、業績に依存するが将来の役務提供を必要としないRSUも37,767 RSU含まれ
ており、また、獲得された可能性のある当該RSUの最大数量は56,651 RSUであった。2019年11月に終了した期間
にこうしたRSUは付与されていない。
ス トックオプション
ストックオプションは通常、該当するストックオプション契約に記載されている方法で権利が確定する。通常、オ
プションは付与日から10年目に期間が終了するが、該当するストックオプション契約および付与時に効力を有する
ザ・ゴールドマン・サックス改訂・修正株式報奨制度の条項に従い、特定の状況においては早期終了や取消しとな
る可能性もある。
2018年12月1日現在の未行使オプションは、以下の表のとおりである。2020年12月および2019年11月現在、未行使
オプションはなかった。
未行使オプション 加重平均行使価格 加重平均残存年数(年)
行使価格
2018年12月1日現在
75.00~89.99米ドル 249,813 $78.78 0.08
未行使オプション合計 249,813 $78.78 0.08
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2020年12月に終了した期間に行使されたオプションはなかった。2019年11月に終了した期間にオプション249,813
個が行使され、行使時の加重平均株価は171.32 米 ドルであった。
注記10
法人税費用
当社の法人税費用の分析は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
2020年 2019年
(単位:百万米ドル) 12月 11月
当期法人税
英国の税額 $583 $160
過去の期間に係る調整額 29 5
外国税額 215 246
当期法人税合計 827 411
繰延税金
一時差異の発生および解消 (39) 15
英国法人税率引上げの影響 (19) -
繰延税金合計 (58) 15
法人税費用合計 $769 $426
法人税費用と、2020年12月に終了した期間において適用される加重平均英国法人税率27.0%(2019年11月に終了し
た期間:27.0%)を当社の税引前利益に掛けて算出した金額との調整は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
2020年 2019年
(単位:百万米ドル) 12月 11月
税引前利益 $3,524 $2,434
27.0%(2019年11月に終了した期間:27.0%)の英国法人税率を
掛けた利益 951 657
繰延税金資産の認識および測定の変動 11 15
損金算入可能なAT1債の利息 (203) (200)
永久差異 10 (10)
対価なしでGSグループ関連会社から譲り受けた税務上の損失 (3) (40)
外国所得に対するより高い税率の影響 1 3
換算差額およびその他 (8) (4)
過去の期間に係る調整額 29 5
英国法人税率据え置きによる影響 (19) -
法人税費用合計 $ 769 $ 426
2020年財政法は、2020年7月22日に女王の裁可を経て成立し、2020年4月1日以降19.0%から17.0%に引き下げられ
る予定だった英国法人税通常税率を19.0%に維持した。その結果、当社に適用される2020年12月に終了した期間の
英国法人税率は、2019年11月に終了した期間と同じ27.0%であった。税率が維持されたことで、当社は繰延税金資
産の再測定により19百万 米 ドルの利益を認識した。
英国政府は2021年3月3日に、その予算で英国法人税通常税率を2023年4月1日以降19.0%から25.0%に引き上げる
ことを発表した。なお、当社に適用されている8.0%の銀行付加税については、検討中である。この引上げの実質的
な成立により、当社は繰延税金資産を再測定する。
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注記11
担保付契約
担保付契約は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
$ 75,140 $ 72,770
売戻条件付契約 $127,474
借入有価証券担保金 65,542 83,578 75,860
合計 $140,682 $156,348 $203,334
注記12
顧客等受取債権
顧客等受取債権は以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
$ 9,620
ブローカー/ディーラーおよび決済機関からの受取債権 $11,350 $10,520
顧客および取引先からの受取債権 79,030 61,287 53,013
合計 $90,380 $71,807 $62,633
上記の表で、
・顧客等受取債権合計は、主に特定のデリバティブ取引、顧客信用貸、上場デリバティブ業務に関連した残高に関
連して差し入れられた担保から生じる受取債権から成る。
・顧客および取引先からの受取債権には、顧客との契約および契約資産からの受取債権が含まれている。顧客との
契約からの受取債権は、2020年12月現在で327百万米ドル、2019年11月現在で203百万米ドル、2018年12月1日現
在で236百万米ドルであった。契約資産は、顧客との契約に関連して提供された役務の対価を受領する当社の権
利をいい、当該権利は単に時間の経過に従って回収されるのではなく、条件に従って回収される。2020年12月、
2019年11月および2018年12月1日現在、契約資産は0米ドルであった。
注記13
特定取引資産および負債
特定取引資産および負債には、マーケット・メイキングまたはリスク管理活動に関連して保有されている現物商品
およびデリバティブ商品が含まれる。特定取引資産には、担保として差入れられた資産が含まれる。詳細は、注記
30を参照のこと。
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有価証券報告書
特定取引資産は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
特定取引現物商品
マネー・マーケット商品 $ 338 $ 672 $428
政府債および政府機関債 24,759 39,544 33,499
モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券 586 233 484
企業債務商品
21,790 18,738 16,552
持分証券 47,135 44,728 29,167
コモディティ 9 25 88
特定取引現物商品合計 94,617 103,940 80,218
デリバティブ商品
金利 671,483 491,471 294,986
信用 24,778 33,564 28,463
為替 110,493 89,323 111,791
コモディティ 10,824 8,054 12,644
株式 70,724 59,013 64,679
デリバティブ商品合計 888,302 681,425 512,563
特定取引資産合計 $982,919 $785,365 $592,781
特定取引負債は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
特定取引現物商品
$ 16,772 $ 16,955 $ 21,700
政府債および政府機関債
企業債務商品
3,700 3,883 3,545
持分証券 31,473 23,292 22,353
コモディティ 40 20 2
特定取引現物商品合計 51,985 44,150 47,600
デリバティブ商品
金利 660,262 481,797 287,789
信用 22,141 31,371 26,080
為替 114,495 91,522 111,863
コモディティ 10,663 7,853 12,758
株式 72,868 57,947 59,897
デリバティブ商品合計 880,429 670,490 498,387
特定取引負債合計 $932,414 $714,640 $545,987
上記の表で、
・企業債務商品には、コーポレート・ローン、社債および転換社債が含まれている。
・持分証券には、上場株式および上場ファンドが含まれている。
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注記14
投資資産
投資資産には、公正価値で計上され、一般に、当社が長期の投資活動に関連して保有する債務商品および持分証券
が含まれている。投資資産には、担保として差し入れられている資産が含まれる。詳細については、注記30を参照
のこと。
投資資産の情報は、以下のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
$ 17 $ 17
政府債および政府機関債 $ -
モーゲージおよびその他の資産担保ローン・証券 - 1 1
社債商品 639 1,101 932
持分証券 249 373 368
合計 $888 $1,492 $1,318
上記の表において、
・社債商品には、主にメザニン、シニア、ディストレスト債券が含まれる。
・持分証券は、法人事業体に対する上場株式およびプライベート・エクイティの投資資産で構成されている。
注記15
その他の資産
その他の資産の内訳は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
関係会社間ローン $6,744 $ 600 $ 258
雑債権その他 564 859 830
金融資産合計 7,308 1,459 1,088
有形固定資産・賃借物件附属設備および器具 2 13 20
無形資産 490 392 294
使用権資産 15 56 182
年金制度の積立余剰額(注記16参照) 202 264 406
繰延税金資産(注記17参照) 444 331 256
前払金および未収収益 28 22 27
税関連資産 94 76 17
雑債権その他 6 4 1
非金融資産合計 1,281 1,158 1,203
合計 $8,589 $2,617 $2,291
上記の表において、
・雑債権その他には、主にGSグループの関連会社によるGSグループの事業活動への参加に対する、当該関連会社間
における純収益の受取債権の配分が含まれている。
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・雑債権その他には、顧客との契約からの受取債権、2020年12月および2019年11月現在の0 米 ドルならびに2018年
12月1日現在の102百万 米 ドルも含まれている。
有形固定資産・賃借物件附属設備および装置
当期および前期における有形固定資産・賃借物件附属設備および装置の変動は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 賃借物件附属設備 工具器具備品 合計
取得価額
$ 51 $ 61
2018年12月1日現在 $10
取得 9 - 9
処分 (31) (1) (32)
2019年11月現在 29 9 38
取得 - 1 1
処分 (20) (5) (25)
2020年12月現在 9 5 14
減価償却累計額
2018年12月1日現在 35 6 41
当期計上額 7 - 7
処分 (22) (1) (23)
2019年11月現在 20 5 25
当期計上額 2 1 3
処分 (13) (3) (16)
2020年12月現在 9 3 12
正味帳簿価額
$ 2
2020年12月現在 $ - $ 2
$ 4 $ 13
2019年11月現在 $ 9
$ 16 $ 4 $ 20
2018年12月1日現在
無形資産
当期および前期における無形資産の変動は、以下の表のとおりである。
コンピューター・ ソフトウェア
(単位:百万米ドル) ソフトウェア 仮勘定 合計
取得価額
2018年12月1日現在 $191 $183 $374
取得/振替 200 11 211
処分 (10) - (10)
2019年11月現在 381 194 575
取得/振替 236 36 272
処分 (5) - (5)
2020年12月現在 612 230 842
無形資産償却費累計額
2018年12月1日現在 80 - 80
当期計上額 109 - 109
処分 (6) - (6)
2019年11月現在 183 - 183
当期計上額 172 - 172
処分 (3) - (3)
2020年12月現在 352 - 352
正味帳簿価額
2020年12月現在 $260 $230 $490
2019年11月現在 $198 $194 $392
2018年12月1日現在 $111 $183 $294
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使用権資産およびリース負債
当社は、解約不能リース契約によりいくつかの建物を賃借している。リースは、契約で定める一定期間後に再交渉
の対象となるもので、当社は契約に基づいて、これらの不動産に対するすべての保険料、維持および修理に関する
費用の支払いを行っている。
使用権資産およびリース負債は以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
$ 15 $ 56 $ 182
使用権資産
リース負債 $(17) $(97) $(210)
2020年12月に終了した期間および2019年11月に終了した期間に、当社の使用権資産に重要な追加はなかった。2019
年11月に終了した期間における当社の使用権資産の減少は、主として、当社がロンドンにおける業務をプラムツ
リー・コートにある当社の新ヨーロッパ本社に統合したことによるものである。
当社のリース負債の契約上の満期日別の割引前キャッシュ・フローは、以下の表のとおりである。下表の金額は、
注記32の金融負債の満期に係る開示の中の、その他の負債に含まれている。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
$ - $ 20
1ヶ月未満 $24
1ヶ月 - 3ヶ月
- 1 1
3ヶ月 - 1年
4 33 64
1年 - 5年
13 38 130
5年超 1 2 6
合計 $18 $98 $221
当社のリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、2020年12月期が57百万米ドル、2019年11月期が125百
万米ドルであった。
損益計算書で認識されたリースに係る金額は以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
2020年 2019年
(単位:百万米ドル) 12月 11月
使用権資産に係る減価償却費 $19 $133
支払利息 2 7
合計 $21 $140
解約不能サブリースに基づき、当社が受け取ると予想される将来の最低支払リース料総額は、2020年12月現在にお
いて0百万米ドル、2019年11月現在において9百万米ドル、2018年12月1日現在において21百万米ドルであった。
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注記16
年金制度
当社は、確定給付部分(以下「当制度」という。)と確定拠出部分の両方を有する複合的な構造を持った年金制度
に資金を拠出している。当制度は、加入者の最終給与に基づき退職給付を提供しており、通常の退職年齢は65歳で
ある場合がほとんどである。当制度は積み立てが行われており、当制度の資産は当社の資産とは分離されており、
受託者が分離管理するファンドにおいて保有されている。
当制度は2008年4月1日以降新規加入者の受付けをしておらず、確定拠出型制度に置き換わった。当制度は2016年
3月31日をもって、既存の加入者に対する将来の給付金の積み立てを終了した。
当制度は信託法に基づき運営しており、信託証書の条項および関連法に従い加入者および受益者の代理としてゴー
ルドマン・サックスUKリタイアメント・プラン・トラスティー・リミテッド(以下「トラスティー」という。)に
より管理運用されている。トラスティーは加入者および受益者のために行為するものであり、投資戦略を策定し、
評価手続きを通して当社と資金調達要件について合意する責任を負う。
資格を有する独立した保険数理士による当制度に関する完全な保険数理評価は、2020年7月31日時点の加入者情報
に基づいて、予測単位積増方式を用いて2020年12月31日現在で実施されている。2020年12月現在における当制度の
負債は、将来の受益者96%および現在の受益者4%から構成されている。
当社は「IFRIC第14号-IAS第19号-確定給付資産の上限、最低積立要件及びそれらの相互関係」が定めるシナリオ
で積立余剰額を活用することができるため、財務書類で認識される積立余剰額に課される資産上限額はない。
当制度のリスク
当制度の主なリスクは以下のとおりである。
・積立不足 給付金の支払いに対して投資利回りが不足する場合、追加拠出金が要求される。資本利益率の水準が
全体的な投資利回りの主要な決定因子となる。投資ポートフォリオは、特に債券の金利リスクやインフレ・リス
クなど、保有する資産クラスの特徴を示すようなその他の様々なリスクにも影響を受ける。
・資産のボラティリティ 当制度の投資戦略では、株式およびその他の高利回り商品への投資の比率が大きいた
め、当制度の資産と負債の差が変動しやすい。
・当制度の負債の感応度 当制度の負債は、将来のインフレおよび平均余命に関する仮定に対する感応度が高い。
また、割引率(英ポンド建てAA格社債の市場イールドに依拠する)に対する感応度も高い。
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財務上および死亡率の仮定
確定給付債務の現在価値の決定に使用する重要な財務上および死亡率の仮定は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
年率(単位:%)、死亡率の仮定を除く
2020年 2019年 2018年
12月 11月 12月1日
財務上の仮定
割引率 1.52 1.99 3.14
物価インフレ率-RPI 2.99 3.02 3.50
物価インフレ率-CPI 2.49 2.27 2.50
支払年金増加率
(1996年11月30日より後の期間における増加) 2.79 2.82 3.30
繰延年金増加率
(1996年11月30日より後の期間における増加) 2.49 2.27 2.50
繰延年金増加率
(2009年4月5日より後の期間における増加) 2.49 2.27 2.50
死亡率の仮定
現在65歳の加入者の65歳時点の平均余命
男性 24.2年 24.1年 23.5年
女性 25.4年 25.3年 24.7年
現在45歳の加入者の65歳時点の平均余命
男性 25.5年 25.3年 24.8年
女性 26.8年 26.6年 26.2年
上記の表では、2020年12月に終了した期間の死亡率の仮定には「SAPS S3ベリー・ライト(オールペンショナー
ズ)シリーズ」の基礎表を適用し、2013年以降の将来の改善についてはCMI 2019の基本予測に従って長期の改善率
を年率1.25%、初期追加の死亡率改善パラメータを年率0.50%とする補整を計上している。
年金制度の積立余剰額の調整
当制度の資産、当制度の負債および年金制度の積立余剰額純額の調整は、以下の表のとおりである。
年金制度の積立
(単位:百万米ドル) 当制度の資産 当制度の負債 余剰額純額
2020年12月に終了した期間
$ 264
2019年12月1日現在 $2,682 $(2,418)
管理費 - (3) (3)
受取利息/(支払利息) 57 (51) 6
割引率を上回る当制度資産の運用収益 356 - 356
保険数理上の利益-負債の実績 - 45 45
保険数理上の損失-財務上の仮定 - (470) (470)
保険数理上の損失-人口統計上の仮定 - (7) (7)
給付額 (49) 49 -
為替差益/(損) 170 (159) 11
$ 202
2020年12月31日現在 $3,216 $(3,014)
2019年11月に終了した期間
2018年12月1日現在 $2,222 $(1,816) $406
管理費 - - -
受取利息/(支払利息) 69 (56) 13
割引率を上回る当制度の資産の運用収益 393 - 393
保険数理上の利益-負債の実績 - 21 21
保険数理上の損失-財務上の仮定 - (560) (560)
保険数理上の損失-人口統計上の仮定 - (13) (13)
給付額 (44) 44 -
為替差益/(損) 42 (38) 4
$ 264
2019年11月30日現在 $2,682 $(2,418)
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当制度資産の公正価値
当制度のトラスティーは、長期資産配分戦略として資産の53%を高利回り商品(株式ファンド/指数、代替投資、
確定利付証券など)、47%を負債マッチング資産(英国債など)に投資している。当制度では、金利およびインフ
レへのエクスポージャーを削減するため、スワップおよびその他のデリバティブに投資するヘッジ・プログラムを
有している。
当制度の資産の公正価値は、以下の表のとおりである。
市場価格が 市場価格が
(単位:百万米ドル) 合計
引用される商品 引用されない商品
2020年12月現在
株式ファンド/指数 $ 828 $ - $ 828
英国債 684 - 684
スワップ - 986 986
現金および現金同等物 34 - 34
その他 543 141 684
合計 $2,089 $1,127 $3,216
2019年11月現在
株式ファンド/指数 $1,400 $ - $1,400
英国債 351 - 351
スワップ - 665 665
現金および現金同等物 177 - 177
その他 - 89 89
合計 $1,928 $ 754 $2,682
2018年12月1日現在
株式ファンド/指数 $1,126 $ - $1,126
英国債 497 - 497
スワップ - 395 395
現金および現金同等物 108 - 108
その他 - 96 96
合計 $1,731 $ 491 $2,222
上記の表では、その他は、主に代替投資および確定利付証券への投資から成る。2020年12月に終了した期間中、当
制度はエクスポージャーをさらに分散し、株式ファンド/指数への投資の一部を代替投資および確定利付証券に移
管した。
確定給付費用
損益計算書およびその他の包括利益に認識されている当制度の確定給付損失は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
2020年 2019年
(単位:百万米ドル) 12月 11月
損益計算書
$ 3 $ -
管理費
受取利息 (6) (13)
損益計算書への貸方計上額合計 (3) (13)
その他の包括利益
割引率を上回る当制度資産の運用収益 (356) (393)
保険数理上の利益-負債の実績 (45) (21)
保険数理上の損失-財務上の仮定 470 560
保険数理上の損失-人口統計上の仮定 7 13
その他の包括利益に認識された損失合計 76 159
$ 146
確定給付損失合計 $ 73
感応度分析
重要な各保険数理上の仮定に対する当制度の負債の感応度分析は、以下の表のとおりである。
当制度の負債の影響
仮定の増加 仮定の減少
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(単位:百万米ドル) % (単位:百万米ドル) %
2020年12月現在
割引率の0.25%の変動
$ 255
$(235) (7.8) 8.5
物価インフレの0.25%の変動
190 6.3 (217) (7.2)
平均余命の1年の変動
118 3.9 (119) (3.9)
2019年11月現在
割引率の0.25%の変動
$ 206
$(189) (7.8) 8.5
物価インフレの0.25%の変動
184 7.6 (173) (7.2)
平均余命の1年の変動
89 3.7 (89) (3.7)
2018年12月1日現在
割引率の0.25%の変動
$ 151
$(138) (7.6) 8.3
物価インフレの0.25%の変動
109 6.0 (127) (7.0)
平均余命の1年の変動
75 4.1 (75) (4.1)
上記の表において、感応度は、その他すべての仮定を一定とした場合の各仮定の変動に基づく。
この感応度分析には、特異な変動が起こる可能性が低いなど、固有の限界がある。感応度の計算に使用する手法
は、上記の表に示す2期間において同一である。
将来キャッシュ・フローの性質
当制度は2016年3月31日より将来の積立を終了したため、当社は当制度に対する通常の拠出は実施していないが、
引き続きトラスティーとともに当制度の積立要件を定期的に評価する。
3年に一度、トラスティーによる当制度の積立要否の評価のため、当制度の正式な積立評価が実施される。この評
価は異なる仮定を用いるため、会計上求められる保険数理上の評価とは異なる。
資格を有する独立した保険数理士による当制度の直近の積立評価は2018年12月31日現在で実施され、これにより当
制度は316百万米ドルの積立超過であると判明した。このため、当社は現状、当制度への追加拠出は見込んでいな
い。
当社は2020年12月以降の12ヵ月間において、当制度から加入者への給付45百万米ドルを行う予定である。
2020年12月現在における当制度の負債の加重平均デュレーションは、33年であった。
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注記17
繰延税金資産
当社の繰延税金資産の構成要素は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
$ 551
繰延報酬 $453 $431
退職後給付 (54) (63) (95)
有形固定資産・賃借物件附属設備および装置ならびに
無形資産 (129) (93) (68)
債務の評価調整 78 38 (12)
その他の一時差異 (2) (4) -
$ 444
合計 $331 $256
当社の繰延税金資産の各構成要素の変動は、以下の表のとおりである。
以下の日に終了した期間
12月 11月
(単位:百万米ドル) 2020 2019
繰延報酬
$ 453
期首残高 $431
損益計算書への振替額 105 22
繰延税金資産の処分 (7) -
$ 551
期末残高 $453
退職後給付
$ (63)
期首残高 $(95)
損益計算書への振替額 (13) (8)
その他の包括利益への振替額 22 40
$ (54)
期末残高 $(63)
有形固定資産・賃借物件附属設備および装置ならびに無形資産
$ (93)
期首残高 $(68)
損益計算書への振替額 (36) (25)
期末残高 $(129) $(93)
債務の評価調整
期首残高 $ 38 $(12)
その他の包括利益への振替額 40 50
$ 38
期末残高 $ 78
その他の一時差異
期首残高 $ (4) $ -
損益計算書への振替額 2 (4)
$ (4)
期末残高 $ (2)
合計
$ 331
期首残高 $256
損益計算書への振替額(注記10参照) 58 (15)
その他の包括利益への振替額 62 90
繰延税金資産の処分 (7) -
$ 444
期末残高 $331
上記の表において、繰延報酬は主に株式報酬に関するものである。
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注記18
その他の事業体に対する持分
2020年12月現在において当社が支配を有する子会社は以下の表のとおりである。
持分比率および
会社名 設立国 議決権割合 保有株式の種類 保有株式数 事業の内容
ゴールドマン・サックス(ケイマン)リミテッド ケイマン諸島 100% 普通株式 250 金融サービス
ゴールドマン・サックス(ケイマン)リミテッドの登記事務所の所在地は、メイプルズ・コーポレート・サービシ
ズ・リミテッドの事務所(ケイマン諸島KY1-1104グランドケイマンPO Box 309 ウグランドハウス)である。
当社は複数の特別目的事業体および元本保証ファンドに対する持分を有しており、これらは法的には子会社の定義
を満たさないが、実質的に法的な子会社である場合と変わらないリスクおよび便益を生じさせている。これらの特
別目的事業体および元本保証ファンドの活動は、リパッケージ・プログラムに基づく借入証券の発行から成る。こ
れらの特別目的事業体および元本保証ファンドはグループ・インクの連結財務書類に含まれている。
非連結ストラクチャード・エンティティ
当社は、支配権を有していないストラクチャード・エンティティ(以下「非連結ストラクチャード・エンティ
ティ」という。)に対する持分を有しており、これには主に、シニア債および劣後債、デリバティブならびに保証
が含まれる。ストラクチャード・エンティティは通常、ストラクチャード・エンティティが保有する資産を担保と
する、または当該資産に連動する債券の発行により、資産の購入資金を調達する。ストラクチャード・エンティ
ティが発行する債券には、様々な劣後レベルのトランシェが含まれることがある。当社のストラクチャード・エン
ティティへの関与には、主にマーケット・メイキング活動およびデリバティブ(当社がストラクチャード・エン
ティティと契約したトータル・リターン・スワップなど)に関連してモーゲージ担保ストラクチャード・エンティ
ティによって発行された受益権の購入および販売が含まれる。特定の状況において、当社は非連結ストラクチャー
ド・エンティティまたは非連結ストラクチャード・エンティティの持分保有者にデリバティブ保証を含む保証を提
供する。
当社が持分を有する非連結ストラクチャード・エンティティの要約は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
ストラクチャード・エンティティの資産 $8,745 $5,563 $6,467
持分の帳簿価額-資産 $ 439 $ 308 $ 419
$ (6)
持分の帳簿価額-負債 $ (39) $ (27)
最大損失リスク $2,761 $3,787 $3,816
上記の表において、
・当社の持分の帳簿価額は、貸借対照表の特定取引資産または特定取引負債に含まれている。
・当社の最大損失リスクはデリバティブ、コミットメントおよび保証であり、その最大損失リスクは、想定元本額
であり、予測損失を表すものではなく、また既に計上されている未実現損失によっても減額されない。その結
果、最大損失リスクはデリバティブ、コミットメントおよび保証について計上された負債を超過する。
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注記19
担保付借入金
担保付借入金は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
$ 77,726 $ 85,230
買戻条件付契約 $53,134
貸付有価証券担保金 21,034 52,222 44,314
関係会社間ローン 1,432 722 -
発行社債 6,664 3,467 2,933
その他借入金 6,271 6,391 7,633
合計 $113,127 $115,936 $140,110
上記の表において、関係会社間ローン、発行社債およびその他借入金は、担保として差入れられた有価証券により
担保されている。この差入れられた担保は、特定取引資産または担保付契約のいずれかで認識されている。
注記20
顧客等未払債務
顧客等未払債務は以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
$ 2,923 $ 2,178
ブローカー/ディーラーおよび決済機関に対する債務 $ 2,648
顧客および取引相手先に対する債務
97,871 82,045 73,972
合計 $100,519 $84,968 $76,150
上記の表において、顧客等未払債務合計は、主に特定のデリバティブ取引、当社のプライム・ブローカレッジ業務
に関連する顧客貸方残高、上場デリバティブ業務に関連する残高に関連して受け取った担保から成る。
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注記21
無担保借入金
無担保借入金は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
$ 6 $ 170
銀行ローン $ 86
当座借越 115 38 153
関係会社間ローン - 非MREL適格
21,032 43,714 54,159
関係会社間ローン - MREL適格
16,723 13,805 -
発行社債 32,385 22,422 24,370
劣後ローン 5,394 5,554 5,600
その他借入金 4,696 3,050 3,688
合計 $80,351 $88,669 $88,140
上記の表において、
・発行社債およびその他借入金に関する支払いは、通常、主に金利、株式および為替に関連する原金融資産を参照
して行われる。
・2020年12月現在53.9億米ドル、2019年11月現在55.5億米ドル、2018年12月1日現在56.0億米ドルであった劣後
ローンは、その親会社およびGSグループ関連会社からの長期ローン53.8億米ドルから成る。当該債務に対する担
保設定はなされておらず、米国連邦準備制度理事会のフェデラル・ファンド・レートに一定のマージンを加えた
利率の利息、および関連未払利息が生じる。マージンは、GSグループの加重平均債務コストの変動を反映して定
期的に再設定される。これらのローンは、健全性監督機構(以下「PRA」という。)より承認された自己資本規
制上の自己資本を構成しており、PRAの承認を条件として返済可能である。これらのローンは、2029年12月26日
から2030年9月9日までの期間において返済可能である。
債務の評価調整
当社は、損益を通じて公正価値で評価するものとして指定された発行社債の公正価値を、GSグループのクレジッ
ト・スプレッドを考慮した率で将来キャッシュ・フローを割り引くことにより算定している。その他の包括利益累
計額に含まれる、かかる金融負債に関する累積DVA利益/(損失)(税引前)純額に関する情報は、以下の表のと
おりである。
以下の日に終了した期間
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
期首残高 $(147) $ 54 $(411)
当期における債務の評価調整 (183) (201) 465
利益剰余金への振替 40 - -
期末残高 $(290) $(147) $ 54
上記の表において、特定の当該金融負債の満期前償還により、2020年12月に終了した期間に実現した40百万米ドル
の純損失(税引後で29百万米ドル)は、その他の包括利益累計額から利益剰余金に振り替えられた。当該損失は、
過去の期間において重要ではなかった。
ヘッジ会計
当社は、一部の金利スワップを、一部の固定金利が付された無担保長期債務および無担保短期債務の金利エクス
ポージャーの管理に使用する公正価値ヘッジに指定している。これらの金利スワップは、関連するベンチマーク金
利(例えば、LIBOR)に起因する公正価値の変動をヘッジし、実質的に固定利付債務を変動利付債務に転換してい
る。
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貸借対照表の特定取引資産および特定取引負債内でデリバティブに分類されたヘッジ手段の情報は、以下のとおり
である。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
資産の帳簿価額 $17 $18 $26
$ - $ -
負債の帳簿価額 $32
ヘッジ手段の契約上の満期日別の想定元本は、以下のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
1ヶ月 - 3ヶ月
$ - $ 2 $ -
3ヶ月 - 1年
- 6 93
1年 - 5年
1,760 125 14
5年超 1,469 2,804 2,728
合計
$3,229 $2,937 $2,835
当社のヘッジ手段の平均固定金利は2020年12月に終了した期間において1.16%、2019年11月に終了した期間におい
て1.25%であった。
ヘッジ関係に指定されているヘッジ対象の帳簿価額、ならびに当該帳簿価額に含まれる当期および過去のヘッジ関
係から生じる累積ヘッジ調整(増加/(減少))は、以下のとおりである。
(単位:百万米ドル) 帳簿価額 ヘッジ調整累計額
2020年12月現在
無担保短期借入金 $ - $ -
無担保長期借入金
$3,042 $177
2019年11月現在
無担保短期借入金 $ 8 $ -
無担保長期借入金
$2,841 $133
2018年12月1日現在
$ 85
無担保短期借入金 $ -
無担保長期借入金 $ 28
$2,582
上記の表において、ヘッジ関係に指定されなくなった項目のヘッジの調整累計額は、2020年12月現在で34百万米ド
ル、2019年11月および2018年12月1日現在で0 米 ドルであった。
純収益に認識された、ヘッジとして会計処理された金利デリバティブから生じた当社の利益/(損失)、関連する
ヘッジ対象の借入金およびこれらのデリバティブのヘッジの非有効部分は、以下の表のとおりである。
以下の日に終了した期間
2020年 2019年
(単位:百万米ドル) 12月 11月
$ 50 $ 108
金利ヘッジ
ヘッジ対象の借入金 (53) (108)
$ (3) $ -
ヘッジの非有効部分
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注記22
その他の負債
その他の負債の内訳は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 12月 11月 12月1日
報酬および給付 $2,762 $2,046 $1,652
法人税関連負債 330 128 1
リース負債(注記15参照) 17 97 210
未払費用等 1,370 490 863
金融負債合計 4,479 2,761 2,726
法人税関連負債 11 42 127
租税公課 378 305 338
引当金 1 1 78
非金融負債合計 390 348 543
合計 $4,869 $3,109 $3,269
上記の表において、未払費用等には、当社が顧客との契約に関連して役務提供前に受領した対価である契約負債が
含まれている。 2020年12月現在、2019年11月現在および2018年12月1日現在において、契約負債に重要性はなかっ
た。
引当金
当社が関与する法律上および規制上の手続きに関する引当金は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル)
$ 78
2018年12月1日現在
当期の繰入 3
引当金の減少 (24)
当期の取崩 (56)
2019年11月現在 $ 1
当期の繰入 127
現物出資 (126)
当期の取崩 (1)
2020年12月現在 $ 1
上記の表において、
・2020年12月に終了した期間に繰入された引当金には、1MDBに関連する政府および規制当局の調査に係るGSグルー
プの和解に関連して、FCAおよびPRAから科された126百万米ドルの罰金が含まれる。当該罰金は、1MDB関連損失
に係るグループ・インクおよび当社間の免責契約に従って、グループ・インクにより支払われた。当該罰金は、
当社の損益計算書において費用として、利益剰余金においては非現金性資本拠出として認識されており、2020年
12月現在、当社の株主資本合計額に正味の影響を与えていない。
・2019年11月に終了した期間に取り崩された引当金には、取引報告に関連して2019年3月にFCAが科した罰金に係
る45百万米ドルが含まれている。当該罰金は2019年4月に支払われた。
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注記23
払込資本金
払込資本金は、以下の表のとおりである。
割当済、請求済および払込済株式 額面1米ドル普通株式(単位:株) (単位:百万米ドル)
2018年12月1日現在 581,964,161 $582
当期の割当 7,643,885 8
2019年11月現在 589,608,046 $590
当期の割当 8,574,007 8
2020年12月現在 598,182,053 $598
2020年3月24日に、額面1米ドルの普通株式8,574,007株がGSG UKに44.32米ドルで割り当てられた。受取対価合計
は現金380,000,000米ドルであり、そのうち資本剰余金に371,425,993米ドルが組み入れられた。
2019年1月21日に、額面1米ドルの普通株式7,643,885株がGSG UKに1株当たり44.48米ドルで割り当てられた。受
領対価合計は現金340,000,000米ドルであり、そのうち資本剰余金に332,356,115米ドルが組み入れられた。
注記24
配当
2020 年 12 月に終了した期間、配当は支払われなかった。
取締役は、 2019 年 11 月 26 日に 1 株当たり 1.70 米ドル、合計 10.0 億 米 ドルの中間配当を宣言し、 GSG UK に支払った。
注記25
その他資本性金融商品
無担保AT1債の情報は、以下のとおりである。
発行月 AT1債の数 (単位:百万米ドル) 金利
2017年6月 5,800 $5,800 年利9.00%
2018年11月 2,500 2,500 年利8.67%
2020年12月現在 8,300 $8,300
当社の1単位当たり1百万米ドルのAT1債が、GSG UKに対して発行されている。これらには償還期限がなく、償還
要求不能である。
当社またはGSG UKグループのCET1自己資本比率が7%を下回った場合、AT1債は取消不能な評価減の対象となる。
当社は、AT1債に関して、2020年12月に終了した期間に751百万米ドル、2019年11月に終了した期間に742百万米ド
ルの利払いを行った。支払利息は、利益剰余金に反映されている。関連の税効果は、法人税費用に含めて計上され
ている。非累積固定金利の支払いは、一定の支払能力および規制に関する要件に従って当社の裁量により決めるこ
とができる。
注記26
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キャッシュ・フローの調整表
キャッシュ・フロー計算書の現金および現金同等物、当座借越純額は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月 2018年12月1日
現金および現金同等物 $43,833 $22,397 $24,396
当座借越(注記21参照) (115) (38) (153)
合計 $43,718 $22,359 $24,243
上記の表において、現金および現金同等物には、当社が利用できない現金が2020年12月現在で18.4億米ドル、2019
年11月現在で42.2億米ドル、2018年12月1日現在において34.4億米ドル含まれている。
営業活動によるキャッシュ・フローの調整
営業活動による/(に使用された)キャッシュ・フローの調整は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月
税引前利益
$ 3,524 $ 2,434
以下の項目に対する調整
減価償却費および無形資産償却費(注記7参照) 194 249
賃借物件附属設備処分損 2 9
無形資産処分益 - (3)
確定給付制度の収益(注記16参照) (3) (13)
為替差損/(益) (2,793) 328
株式報酬費用 830 601
引当金 127 (21)
劣後ローンおよびMREL適格関係会社間ローンに係る利息 658 758
投資資産に係る利益/(損失) (50) 24
リースに係る支払利息 2 7
営業資産負債の増減前に生じたキャッシュ 2,491 4,373
営業資産の増減
担保付契約の減少 15,666 46,986
顧客等受取債権の増加 (18,573) (9,174)
特定取引資産の増加 (197,554) (192,584)
ローンの減少/(増加) 983 (730)
その他資産の増加 (5,889) (425)
営業資産の増減 (205,367) (155,927)
営業負債の増減
担保付借入金の減少 (2,809) (24,174)
顧客等未払債務の増加 15,551 8,818
特定取引負債の増加 217,774 168,653
無担保借入金の減少 (11,323) (3,357)
その他負債の増加/(減少) 621 (884)
営業負債の増減 219,814 149,056
$ 16,938 $ (2,498)
営業活動から生じた/(に使用された)キャッシュ
上記の表において、営業活動から生じたキャッシュには、利息支払額として2020年12月に終了した期間において
50.5億米ドルおよび2019年11月に終了した期間において71.3億米ドル、ならびに利息受取額として2020年12月に終
了した期間において42.2億米ドルおよび2019年11月に終了した期間において77.5億米ドルが含まれている。2019年
11月に終了した期間の支払利息および受取利息は、当期の表示に合わせて137百万米ドル増加した。詳細について
は、注記6を参照のこと。
財務活動(リース負債を除く)によるキャッシュ・フローの調整
当社は、キャッシュ・フロー計算書の目的上、MREL適格借入を財務活動に含めている。MREL適格借入は、AT1債、
劣後ローンおよびMREL適格の関係会社間ローンで構成されている。上記借入の元本および利息は、財務活動に分類
されている。
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2018年12月1日から2019年1月1日にかけて、当社は関係会社間ローンの条件を修正した結果、上記借入はMREL適
格となった。当社のキャッシュ・フロー計算書の目的上、上記の変更は非現金取引として認識されている。
財務活動(リース負債を除く)による/(に使用された)キャッシュ・フローの調整は、以下の表のとおりであ
る。
(単位:百万米ドル) 元本 利息 合計
2018年12月1日現在 $13,677 $ 223 $13,900
非現金の増減 9,923 36 9,959
MREL適格関係会社間ローンの増加 3,367 - 3,367
AT1債の利息
- 742 742
劣後ローンおよびMREL適格関係会社間ローンの利息 - 758 758
AT1債の支払利息 - (742) (742)
劣後ローンおよびMREL適格関係会社間ローンの支払利息 - (325) (325)
2019年11月30日現在 26,967 692 27,659
MREL適格関係会社間ローンの増加 3,400 - 3,400
AT1債の受取利息 - 751 751
劣後ローンおよびMREL適格関係会社間ローンの利息 - 658 658
AT1債の支払利息 - (751) (751)
劣後ローンおよびMREL適格関係会社間ローンの支払利息 - (1,300) (1,300)
$ 50
2020年12月現在 $30,367 $30,417
注記27
財務上のコミットメントおよび偶発債務
コミットメントおよび偶発債務
コミットメントおよび偶発債務は以下の表のとおりである。
以下の日付現在
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月 2018年12月1日
担保付契約 $61,982 $63,292 $60,530
担保付借入金 18,787 28,006 27,155
その他 4,942 2,906 2,400
合計 $85,711 $94,204 $90,085
担保付契約に係るコミットメントにはフォワード・スタート売戻条件付有価証券借入契約が含まれ、担保付借入金
に係るコミットメントには将来の日付(通常は3営業日以内)において決済されるフォワード・スタート買戻条件
付貸付契約が含まれる。また、担保付契約に係るコミットメントには、当社が売戻条件付契約を通じて顧客および
取引相手先に条件付融資契約を締結する取引が含まれる。これらのコミットメントに基づく当社の融資は、売戻条
件付契約のすべての条件を満たすことが前提となっており、実行されないままコミットメントが満期を迎える可能
性もある。
その他のコミットメントは、主に担保付コミットメントおよび投資コミットメントに関するものである。
また、通常の営業活動から生じた当社の資産には担保登録されたものが存在する。
訴訟事件等
当社は、当社の業務を遂行する上で生じた事項について、様々な司法手続、行政手続および仲裁手続(以下に記載
されたものを含む)に関与しているが、これらの当社に対する財務上の影響について信頼性をもって見積ること
は、注記22に開示されたものを除き実務上困難である。
1MDB関連訴訟 2012年から2013年にかけて、当社を含むグループ・インクの子会社は、約65億米ドルの1MDBの債券
のアレンジャーまたは購入者としての役務を担った。2018年11月1日、米国司法省(以下「DOJ」という。)は、
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GSグループの元常務取締役のティム・ライスナーによる犯罪情報および有罪答弁、ならびにGSグループの元常務取
締役のウン・チョンファおよびロー・テック・ジョーに対する起訴について開示した。ライスナーは、共謀してマ
ネー ロンダリングを行い、共謀して米国海外腐敗行為防止法(以下「FCPA」という。)の贈収賄防止規定および会
計・内部統制規定に違反したとして告発する2件の犯罪情報に対して、有罪を認めた。ローおよびウンは、共謀し
てマネーロンダリングを行い、共謀してFCPAの贈収賄防止規定に違反したとして、3件の容疑で起訴された。2018
年8月28日、ライスナーの有罪答弁は、ニューヨーク州東部地区連邦地方裁判所によって受入れられ、ライスナー
は両方の件について有罪判決を受けた。ウンもまた、この起訴において、共謀してFCPAの会計・内部統制規定に違
反したとして告発された。2019年5月6日、ウンはDOJの刑事責任に関する起訴に対し無罪を主張した。
2020年8月18日、GSグループは、GSグループが関与するマレーシアでの刑事・規制上の手続を解決するために、マ
レーシア政府と和解合意に至ったと発表した。当該合意には、マレーシア政府が1MDBに関連して世界中で政府機関
に差し押さえられた資産および当該資産からの代金を最低14億米ドル受け取ることの保証が含まれる。
2020年10月22日、GSグループは、1MDBに関連する政府・規制当局の調査について、DOJ、米国証券取引委員会(以
下「SEC」という。)、FRB、ニューヨーク州金融サービス局(以下「NYDFS」という。)、FCA、PRA、シンガポー
ル司法長官室、シンガポール商務省、シンガポール金融管理局および香港証券先物委員会と和解に至ったと発表し
た。グループ・インクは、3年間の訴追延期合意をDOJと締結した。当該合意は、共謀してFCPAに違反したことを
訴因としてGSグループに対する訴追状が提出されるが、GSグループが当該合意の条件を遵守すれば後に取り下げら
れることを内容としている。また、GSマレーシアは、共謀してFCPAに違反したという訴因につき有罪を認めた。
GSグループは、本件の和解により、GSグループの業務またはGSグループが顧客に提供するサービスに影響が生じる
のを防ぐため、規制当局から必要な適用除外および認可を確保するよう取り組んでいる。2020年10月、GSグループ
は米国労働省(以下「DOL」という。)に対し、適格プロフェッショナル・アセット・マネージャー(QPAM)とし
ての地位を維持するための申請を提出し、DOLは、2021年1月に公式コメントとして提案された適用除外の告知を
発表した。GSグループは、GSマレーシアの判決前に適用除外を取得することを見込んでいる。
GSグループは、2018年11月以降、とりわけ1MDBへのGSグループの関与およびGSグループのコンプライアンス手続に
関連して、会計帳簿に関するデラウェア州一般会社法第220条に基づき、株主を主張する者から複数の請求を受領
している。2019年12月13日、グループ・インクの株主を主張する者が、とりわけ1MDBへのGSグループの関与および
GSグループのコンプライアンス手続に関連する会計帳簿の開示を求める訴訟をデラウェア州衡平法裁判所に提起し
た。両当事者は、会計帳簿に関する請求が解決するまで訴訟を停止することで合意している。
2019年2月19日、グループ・インクならびにGSグループの当時の取締役および元会長兼最高経営責任者を相手取
り、1MDBに関連する株主代表訴訟が、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提起された。2020年11月13日に提出
された第2修正訴状では、一部の現職および元の取締役によるインサイダー取引についての申立を含む信認義務違
反、不当利得、ならびにグループ・インクの普通株式の買い戻しおよび委任状勧誘関連をはじめとする証券取引法
の詐欺防止規定違反に関する申立がなされており、金額を特定しない損害賠償、不当利得の返還および差止命令に
よる救済が求められている。2021年1月15日、被告は当該訴訟の却下を求める申立を行った。
また、2019年3月以降、GSグループは、株主を主張する者から、1MDBおよび関連する内部統制に対する監視と公開
開示に基づいて、グループ・インクの一部の現職および元の取締役ならびに執行役員に対する調査および責任追及
を行うよう求められている。
2018年12月20日、グループ・インクならびにGSグループの一部の元役員を相手取り、1MDBについてのグループ・イ
ンクの開示に関して証券取引法の詐欺防止規定に違反したとして、金額を特定しない損害賠償を求め、集団訴訟を
意図した訴訟がニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に提起された。2019年10月28日、原告は第2修正訴状を提
出し、これに対し被告は2020年1月9日に却下を求める申立を行った。
金利スワップ反トラスト訴訟 当社は、2015年11月にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起され併
合された、金利スワップ取引に関連する反トラスト法の集団訴訟を意図した訴訟の被告に含まれている。また、当
社は、スワップ執行ファシリティの運営会社3社およびその一部の関連会社によって、ニューヨーク州南部地区連
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邦地方裁判所において、2016年4月および2018年6月にそれぞれ開始された金利スワップ取引に関する2件の反ト
ラスト法訴訟の被告となっている。公判前手続きのため、これらの訴訟は併合されている。これらの訴状は概ね、
被 告らが共謀して金利スワップの取引所取引を妨害したとする申立に関連する、連邦反トラスト法および州のコモ
ンローの違反を主張するものである。個別訴訟の訴状では、州反トラスト法に基づく訴えもなされている。訴状で
は、宣言的救済および差止による救済ならびに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。被告らは集団訴
訟および第一の個別訴訟の却下を求める申立を行い、地方裁判所は、第一の個別訴訟において原告らが主張した州
のコモンローに基づく請求を否認し、集団訴訟を意図した訴訟における州コモンローに基づく請求および両訴訟に
おける反トラスト法に基づく請求を2013年から2016年の期間に限定した。2018年11月20日、裁判所は、第二の個別
訴訟の却下を求める被告らの申立を一部認め、一部否認し、不当利得および不法な妨害に対する州コモンローに基
づく請求を却下したが、連邦および州の反トラスト法に基づく請求の却下を否認した。2019年3月13日、裁判所
は、2008年から2012年の行為に関連する申立を追加するよう訴状の修正を求める集団訴訟を意図した訴訟の原告ら
の申立を否認したが、2013年から2016年に関連する限定的な申立の追加は認めた。申立は、原告らにより、2019年
3月22日に提出された第4併合修正訴状に追加された。2019年3月7日、集団訴訟を意図した訴訟の原告らは、集
団認定の申立を行った。
コモディティ関連訴訟 当社は、2014年11月25日以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起さ
れ、直近では2017年5月15日に修正された、プラチナおよびパラジウムの取引に関連する集団訴訟を意図した訴訟
の被告に含まれている。当該修正訴状では概ね、被告が共謀して現物プラチナおよびパラジウムのベンチマーク価
格を操作したとする連邦反トラスト法および商品取引法の違反が主張され、宣言的救済および差止による救済なら
びに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。2020年3月29日、裁判所は、請求の却下および再審議を求
める被告の申立を認め、結果としてすべての請求が却下された。2020年4月27日、原告は第2巡回区連邦控訴裁判
所に控訴した。
当社は、2013年8月1日以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起され併合された、集団および
個別訴訟を意図した多数の訴訟の被告に含まれている。これらの訴状は概ね、アルミニウムの貯蔵およびアルミニ
ウムの取引に関連して連邦反トラスト法および州法の違反を主張するものである。訴状では、宣言的救済、差止に
よる救済および衡平法上の救済、ならびに3倍損害賠償を含む金額を特定しない金銭的損害賠償が求められてい
る。2016年12月、地方裁判所は、請求の却下を求める被告の申立を認めた。2019年8月27日、第2巡回区連邦控訴
裁判所は地方裁判所の却下の判決を退け、さらなる手続のために本件を地方裁判所に差し戻した。2020年7月23
日、地方裁判所は、集団訴訟の原告による集団としての承認を求める申立を却下し、2020年12月16日、第2巡回区
連邦控訴裁判所は当該却下について上訴の許可を求める申立を却下した。2021年2月17日、地方裁判所は、大半の
個別訴訟の原告の請求につき略式判決を求める被告の申立を認めた。
当社は、2020年2月27日にイングランド・ウェールズ高等法院のビジネス財産裁判所に提起された訴訟の被告に含
まれている。請求内容は、アルミニウムの貯蔵および取引に関連して英国およびEUの競争法に違反したとして、金
額を特定しない補償的損害賠償および懲罰的損害賠償を求めるものである。
規制当局の調査および検査ならびに関連訴訟 グループ・インクおよびその関連会社の一部(当社を含む)は、上
記の他にも、GSグループの以下の事業および業務に関連する多くの事項について、様々な政府および規制機関なら
びに自主規制機関による多数のその他の調査および検査の対象となっており、いくつかの案件では召喚状を受領
し、文書および情報の提供要請を受けており、また訴訟対象にもなっている。
・公募のプロセス
・投資運用サービスおよびファイナンシャル・アドバイザリー・サービス
・利益相反
・政府が関連する資金調達およびその他の事項
・社債、国債、為替、コモディティおよびその他の金融商品の募集または売出し、オークション、販売、取引およ
び決済ならびに関連する販売ならびにその他の連絡および活動、ならびに、かかる活動に対するGSグループの監
督と統制(これには、空売りに関して適用される規則の遵守、アルゴリズム、高頻度および定量的取引、先物取
引、オプション取引、発行日取引、取引報告、テクノロジー・システムおよび統制、証券貸付の実務慣行、信用
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デリバティブおよび金利スワップの取引および決済、コモディティ取引および金属の貯蔵、私募の実務慣行、有
価証券の割当および取引、ならびに為替レートなどのベンチマーク金利の設定に関する取引業務および連絡が含
ま れる)
・英国贈収賄防止法およびFCPAの遵守
・雇用および報酬の実務慣行
・リスク管理および統制システム
・インサイダー取引、会社および政府の動向に関する重要な非公開情報の乱用および流布の可能性、ならびにイン
サイダー取引統制および情報障壁の有効性
さらに、当社の関連会社およびかかる関連会社の事業および業務に関する調査、検査および訴訟(上記の様々な事
項を含むが、他の事項も含む)は、当社の事業および業務に影響を及ぼす可能性がある。
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注記28
資産および負債の満期
当社の資産および負債の予想満期は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 非流動 流動 合計
2020年12月現在
資産
$ - $ 43,833 $ 43,833
現金および現金同等物
担保付契約 1,896 138,786 140,682
顧客等受取債権 - 90,380 90,380
特定取引資産
- 982,919 982,919
投資資産 689 199 888
ローン 517 50 567
その他の資産 1,742 6,847 8,589
$ 4,844
資産合計 $1,263,014 $1,267,858
負債
$ 3,851
担保付借入金 $ 109,276 $ 113,127
顧客等未払債務 - 100,519 100,519
特定取引負債 - 932,414 932,414
無担保借入金 55,781 24,570 80,351
その他の負債 1,009 3,860 4,869
負債合計 $60,641 $1,170,639 $1,231,280
2019年11月現在
資産
$ -
現金および現金同等物 $22,397 $22,397
担保付契約 1,721 154,627 156,348
顧客等受取債権 - 71,807 71,807
特定取引資産
- 785,365 785,365
投資資産 1,200 292 1,492
ローン 1,512 38 1,550
その他の資産 1,586 1,031 2,617
$ 6,019
資産合計 $1,035,557 $1,041,576
負債
$ 5,347
担保付借入金 $ 110,589 $115,936
顧客等未払債務 - 84,968 84,968
特定取引負債 - 714,640 714,640
無担保借入金 64,266 24,403 88,669
その他の負債 849 2,260 3,109
負債合計 $70,462 $ 936,860 $1,007,322
2018年12月1日現在
資産
$ -
現金および現金同等物 $ 24,396 $ 24,396
担保付契約 1,158 202,176 203,334
顧客等受取債権 - 62,633 62,633
特定取引資産
- 592,781 592,781
投資資産 1,078 240 1,318
ローン 645 175 820
その他の資産 1,293 998 2,291
$ 4,174
資産合計 $ 883,399 $ 887,573
負債
担保付借入金 $10,305 $ 129,805 $ 140,110
顧客等未払債務 - 76,150 76,150
特定取引負債 - 545,987 545,987
無担保借入金 53,213 34,927 88,140
その他の負債 771 2,498 3,269
負債合計 $64,289 $ 789,367 $ 853,656
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上記の表において、
・流動資産および負債には、当社がその正常営業サイクルの中で実現または決済されると予想される金額が含ま
れ、トレーディング目的で保有する資産および負債ならびに現金および現金同等物も含まれる。
・ 非流動資産は、12ヵ月経過後に回収されると当社が予想する額であり、それには主に特定の担保付契約、特定の
投資資産、特定のローン、無形資産、繰延税金資産、年金積立余剰額、特定の関係会社間ローンが含まれる。
・非流動負債は、12ヵ月を経過後に決済されると当社が予想している金額であり、それには主に契約上の満期が1
年を超える担保付借入金および無担保借入金が含まれる。ただし、当社の支配が及ばないトリガー事象が定めら
れた契約は例外で、流動負債に分類されている。
注記29
関連当事者の開示
ある当事者が他の当事者を支配しているか、または、他の当事者の財務上及び業務上の意思決定に対して重要な影
響力を有している場合には、両当事者は関連していると見なされる。当社の関連当事者には以下の者が含まれる。
・当社の親会社
・その他のGSグループ関連会社
・当社の重要な経営者
・当社の親会社の重要な経営者
・当社の確定給付制度およびGSグループの提携会社を含む、その他の関連当事者
重要な経営者とは、当社の事業活動を企画、指揮、および統制する権限ならびに責任を有する者と定義される。当
社の重要な経営者には、当社の取締役、当社の従業員であるEMCメンバー、ならびにPRAおよびFCAのシニア・マ
ネージャーおよび認証レジームの下でマネージャーに指名された経営幹部が含まれる。
重要な経営者の報酬
当社が、当社およびその親会社の重要な経営者に対して役務の対価として支払ったか、または支払義務を負ってい
る報酬金額は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル) 2020年12月 2019年11月
給与およびその他の短期給付 $211 $162
退職後給付 1 1
株式報酬 255 167
合計 $467 $330
上記の表において、
・給与およびその他の短期給付には、当社の非業務執行取締役に支払われた報酬が含まれている。
・株式報酬額には、当該期間の株式報酬公正価値変動額に相当するグループ・インクによる再請求である、2020年
12月に終了した期間に計上された72百万米ドル、および2019年11月に終了した期間に計上された45百万米ドルが
含まれている。
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取締役に対する報酬
2006年会社法に従って、取締役に対する報酬は、適格業務のみに関する支払済または未払の報酬合計額を表示して
いる。この合計額は現金および現物支給される給付の価額のみを含んでおり、行政委任立法2008年/410号の第5
附則に従った株式報酬の価額は含まれていない。取締役は、この他に非適格業務に関する報酬も受け取るが、別途
開示は要求されていない。
当社の取締役に対する報酬は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月
報酬総額 $9 $7
定額拠出年金制度に対する当社の拠出金 - -
合計 $9 $7
最高報酬額を受け取った取締役は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月
報酬総額 $5 $4
定額拠出年金制度に対する当社の拠出金 - -
期末における未払年間年金費用 - -
3名の取締役が2020年12月に終了した期間および2019年11月に終了した期間において確定拠出型制度に加入してい
た。2020年12月に終了した期間および2019年11月に終了した期間において、最高報酬額を受け取った取締役を含む
3名の取締役が長期報奨制度に関するグループ・インクの株式を受け取ったか、または受け取る予定である。2020
年12月に終了した期間および2019年11月に終了した期間において、ストックオプションを行使した取締役はいな
かった。
2020年12月に終了した期間を通じて、または一定期間のみ取締役会メンバーであった8名の非業務執行取締役
(2019年11月に終了した期間:7名の非業務執行取締役)に対する報酬総額は、約2.1百万米ドルであった(2019年
11月に終了した期間を通じて、または一定期間のみ取締役会メンバーであった非業務執行取締役への報酬:約1.8
百万米ドル)。一部の非業務執行取締役は、2020年12月に終了した期間に提供したアドバイザリー・サービスに関
する追加の継続報酬を受け取ったか、または受け取る予定であり、その総額は約2.5百万米ドル(2019年11月に終
了した期間:約2.3百万米ドル)である。
関連当事者との取引
当社の関連当事者との取引には、主として以下のものが含まれる。
リスク管理およびマーケット・メイキング活動
当社は、リスク管理およびマーケット・メイキングを目的として、日常的に関連当事者とデリバティブ契約を締結
し、有価証券およびローンの売買を行っており、当該取引は特定取引資産および特定取引負債に認識されている。
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他のGSグループ関連会社との間で通常の方法の取引によって売買された有価証券およびローンの総残高は、以下の
表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年
(単位:百万米ドル)
12月 11月
通常の方法の取引によって買付けられた有価証券およびローンの残高 $8,363 $10,018
$ 9,003
通常の方法の取引によって売却された有価証券およびローンの残高 $7,767
当社は、他のGSグループ関連会社の有価証券を保有し、それらの会社にコーポレート・ローンも提供しており、そ
うした取引は特定取引資産に分類されている。当社は、デリバティブ取引に関連して現金担保および有価証券担保
の受渡しも行っている。受入現金担保は、顧客等未払債務で認識される。差入現金担保は、顧客等受取債権で認識
される。当社が他のGSグループ関連会社から受入れた有価証券担保の価額は、2020年12月現在で0米ドルおよび
2019年11月現在で108百万米ドルであり、関連当事者に差入れた有価証券担保の価額は、2020年12月現在で13.0億
米ドルおよび2019年11月現在で19.6億米ドルであった。
また、当社は他のGSグループ関連会社と上場デリバティブを取引し、また、当該グループ関連会社に対して上場デ
リバティブを仲介して証拠金の受渡しを行っており、当該取引は顧客等未払債務および顧客等受取債権で認識され
る。
資金調達活動
当社は日常的に、GSグループ関連会社と担保付契約および担保付借入契約を締結し、有価証券の調達および在庫の
資金調達を有担保ベースで行っている。
また、当社の無担保借入金の大部分はGSグループ関連会社からの借入であり、GSG UKに対して発行された当社の
AT1債が含まれている。詳細は、注記21および25を参照のこと。また、当社は一部のGSグループ関連会社にローン
を提供している。詳細は、注記15を参照のこと。
利付金融商品は通常、期間、通貨、規模、劣後性および担保の有無に基づいて価格が決定される。
キャッシュ・マネジメント・サービス
当社は、他のGSグループ関連会社からキャッシュ・マネジメント・サービスを受け、事業の通常の過程で、現金お
よび現金同等物と認識される現金預金を彼らに預けている。
コミットメントおよび保証
他のGSグループ関連会社のコミットメントおよび偶発債務は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月 2018年12月1日
担保付契約 $43,145 $27,113 $15,012
担保付借入金 7,488 14,619 8,117
合計 $50,633 $41,732 $23,129
2020年12月に終了した期間、当社は、その取引相手先の一部と締結した取引に関連した保証をグループ・インクか
ら受領した。受け取った保証の価値は、不履行時のエクスポージャー80億米ドルを上限とし、2020年12月現在でゼ
ロまで減少する。
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移転価格およびマネジメント費用
当社は、GSグループ関連会社間のGSグループの事業への関与についての純収益配分に参加する。また、当社は、業
務・事務管理支援およびマネジメント・サービスに関してGSグループ関連会社にマネジメント費用を請求する、ま
たはGSグループ関連会社からマネジメント費用を受け取る。
税務
当社は、他のGSグループ関連会社からグループ関連会社免除を受ける。対価なしで他のGSグループ関連会社から受
け取った税効果損失については、注記10を参照のこと。当社はまた、他のGSグループ関連会社から2020年12月に終
了した期間について201百万米ドル、2019年11月に終了した期間について113百万米ドルの税効果損失を受け取っ
た。それらについては、対価を全額支払っている。
株式報酬
当社は、グループ・インクとチャージバック契約を締結しており、当該契約に基づき、(a) 当該報酬の付与日現在
の公正価値と、(b) 付与日と従業員への交付時の間のその後の公正価値の変動額を、グループ・インクに支払うこ
とを確約している。当社の株式報酬支払いの詳細については、注記8および注記9を参照のこと。
重要な経営者との取引
一部の重要な経営者およびその近親者はブローカレッジおよび/または一任勘定取引口座を当社に保有している。
彼らは、商業ベースに基づく通常の業務サービスの提供を受け、いずれの場合も関連法令に則ったものである。
一部の重要な経営者の一部の近親者は当社に雇用されている。近親者に支払われた報酬額は、同様の環境にある従
業員に適用される当社の標準的な報酬実務によって決定された。
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関連当事者資産および負債
関連当事者の資産および負債は、以下の表のとおりである。
他のGSグループ
(単位:百万米ドル) 親会社 関連会社 他の関連当事者 合計
2020年12月現在
資産
$ -
現金および現金同等物 $ 993 $ - $ 993
担保付契約 - 94,067 86 94,153
顧客およびその他の受取債権 3,455 9,596 1,091 14,142
特定取引資産
1,365 634,405 2,123 637,893
投資資産 - 193 - 193
ローン - 215 - 215
その他の資産 6,036 1,151 - 7,187
資産合計 $10,856 $740,620 $3,300 $754,776
負債
$ - $ 75,388 $ 78 $ 75,466
担保付借入金
顧客等未払債務 - 14,104 97 14,201
特定取引負債 4,546 625,421 3,111 633,078
無担保借入金 34,737 12,257 - 46,994
その他の負債 1,898 1,184 - 3,082
負債合計 $41,181 $728,354 $3,286 $772,821
2019年11月現在
資産
$ -
現金および現金同等物 $ 5 $ - $ 5
担保付契約 - 88,428 48 88,476
顧客およびその他の受取債権 3,014 9,894 774 13,682
特定取引資産
1,233 449,670 1,389 452,292
投資資産 - 230 - 230
ローン - 2 - 2
その他の資産 14 1,350 - 1,364
$ 4,261
資産合計 $549,579 $2,211 $556,051
負債
$ - $ 87,079 $ 87,079
担保付借入金 $ -
顧客等未払債務 1 8,614 91 8,706
特定取引負債 3,769 444,972 2,085 450,826
無担保借入金 30,870 34,622 - 65,492
その他の負債 926 436 - 1,362
負債合計 $35,566 $575,723 $2,176 $613,465
2018年12月1日現在
資産
$ -
現金および現金同等物 $ - $ - $ -
担保付契約 - 129,749 - 129,749
顧客およびその他の受取債権 1,240 10,254 498 11,992
特定取引資産
1,488 297,931 502 299,921
投資資産 - 198 - 198
ローン - 17 - 17
その他の資産 6 921 - 927
$ 2,734
資産合計 $439,070 $1,000 $442,804
負債
$ - $ 98,800 $ 98,800
担保付借入金 $ -
顧客等未払債務 9 10,504 31 10,544
特定取引負債 2,171 292,539 942 295,652
無担保借入金 24,877 38,032 - 62,909
その他の負債 498 745 - 1,243
負債合計 $27,555 $440,620 $ 973 $469,148
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関連当事者収入および費用
重要な経営者以外の関連当事者との取引に関係する収入および費用は、以下の表のとおりである。
他のGSグループ
(単位:百万米ドル) 親会社 関連会社 他の関連当事者 合計
2020年12月に終了した期間
純収益
$ 7 $ 648 $ 3 $ 658
受取利息
支払利息 (1,012) (1,376) - (2,388)
移転価格収益 5 964 - 969
その他の収益 - 76 - 76
$ 312 $ 3
純収益合計 $(1,000) $ (685)
営業費用純額
$ - $ 438 $ - $ 438
取引関連費用
GSグループ関連会社に対して提供した
サービスに対するマネジメント費用の
$ 921
請求 - 921 -
GSグループ関連会社から受けたサービス
に対するマネジメント費用の支払い (6) (338) - (344)
その他費用 - 423 - 423
$ 1,444 $ - $ 1,438
営業費用純額合計 $ (6)
2019年11月に終了した期間
純収益
$ 1,665 $ 6 $ 1,697
受取利息 $ 26
支払利息 (1,251) (3,386) - (4,637)
移転価格収益 49 687 - 736
その他の収益 - - - -
$ 6
純収益合計 $(1,176) $(1,034) $(2,204)
営業費用純額
$ - $ 230 $ - $ 230
取引関連費用
GSグループ関連会社に対して提供した
サービスに対するマネジメント費用の
919
請求 - 919 -
GSグループ関連会社から受けたサービス
に対するマネジメント費用の支払い (8) (362) - (370)
その他費用 11 285 - 296
$ 3 $ 1,072 $ - $ 1,075
営業費用純額合計
上記の表において、
・その他の収益は、主にブレグジット計画の一環である当社の一部活動および従業員の移転に関連してGSBEから受
け取った対価に関係するものである。
・ 取引関連費用および その他費用は、主に当社が他のGSグループ関連会社にその履行義務の一部または全部を履行
させる、当社が取引の本人である活動の費用(IFRS第15号が義務付ける純収益および費用のグロスアップが必要
になる)を含む。
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注記30
金融商品
区分別金融資産および負債
金融資産および負債の区分別帳簿価額は、以下の表のとおりである。
金融資産
公正価値で測定
することが義務
(単位:百万米ドル)
付けられている 償却原価 合計
2020年12月現在
$ 43,833 $ 43,833
現金および現金同等物 $ -
担保付契約 92,619 48,063 140,682
顧客およびその他の受取債権 - 90,380 90,380
特定取引資産
982,919 - 982,919
投資資産 888 - 888
ローン 567 - 567
その他の資産 6,013 1,295 7,308
合計 $1,083,006 $183,571 $1,266,577
2019年11月現在
$ 22,397 $ 22,397
現金および現金同等物 $ -
担保付契約 91,586 64,762 156,348
顧客およびその他の受取債権 - 71,807 71,807
特定取引資産
785,365 - 785,365
投資資産 1,492 - 1,492
ローン 1,550 - 1,550
その他の資産 - 1,459 1,459
合計 $ 879,993 $160,425 $1,040,418
2018年12月1日現在
$ 24,396 $ 24,396
現金および現金同等物 $ -
担保付契約 146,767 56,567 203,334
顧客およびその他の受取債権 - 62,633 62,633
特定取引資産
592,781 - 592,781
投資資産 1,318 - 1,318
ローン 820 - 820
その他の資産 - 1,088 1,088
合計 $ 741,686 $144,684 $ 886,370
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金融負債
トレーディング 公正価値で評価
(単位:百万米ドル)
目的で保有 するものに指定 償却原価 合計
2020年12月現在
$ 97,103 $ 16,024
担保付借入金 $ - $ 113,127
顧客等未払債務 - - 100,519 100,519
特定取引負債
932,414 - - 932,414
無担保借入金 - 29,426 50,925 80,351
その他の負債 - - 4,479 4,479
合計 $932,414 $126,529 $171,947 $1,230,890
2019年11月現在
$ 74,580 $ 41,356
担保付借入金 $ - $ 115,936
顧客等未払債務 - - 84,968 84,968
特定取引負債
714,640 - - 714,640
無担保借入金 - 49,239 39,430 88,669
その他の負債 - - 2,761 2,761
合計 $714,640 $123,819 $168,515 $1,006,974
2018年12月1日現在
$ 31,940
担保付借入金 $ - $108,170 $ 140,110
顧客等未払債務 - - 76,150 76,150
特定取引負債
545,987 - - 545,987
無担保借入金 - 50,930 37,210 88,140
その他の負債 - - 2,726 2,726
合計 $545,987 $159,100 $148,026 $ 853,113
上記の表において、公正価値で評価するものとして指定される担保付借入金の一部は、以前は償却原価で測定さ
れ、開示されていた。2019年11月において、777百万米ドルの担保付借入金が、これらの残高をより適切に表示す
るため、償却原価法から公正価値で評価するものに移行した。これらの金融商品は公正価値の階層のレベル2とし
て表示されている。詳細は、注記31を参照のこと。
金融資産および負債の相殺
強制力のあるネッティング契約および相殺の対象になる金融資産および負債は、以下の表のとおりである。当該額
は、当社が現在、認識額を相殺する法的に強制力のある権利を有し、かつネット・ベースで決済する、または資産
の現金化と負債の決済を同時に行う意図がある場合のみ、貸借対照表で相殺される。以下の表において、
・総額は、取引相手先とのネッティングおよび担保いずれの影響も含まないため、当社の経済的エクスポージャー
を示すものではない。
・ 貸借対照表 において相殺されない金額には、取引相手先とのネッティング ( すなわち、強制力のあるネッティン
グ契約に基づく相殺の法的権利が存在する場合に行われる当該取引相手先との金融資産および負債のネッティン
グ ) 、ならびに強制力のある信用補完契約に基づき受け入れた、または差し入れた現金担保および有価証券担保
で、IFRSの相殺要件を満たさないものが含まれる。
・当社が信用補完契約に基づき担保を受け入れた、または差し入れたが、まだその契約に強制力があるか否かを判
断していない場合、関連する担保は、貸借対照表で相殺されない金額に含まれていない。
・当社の総額には、強制力のあるネッティング契約の対象ではない、または強制力の有無を当社がまだ判断してい
ないネッティング契約の対象である、2020年12月現在で46.9億米ドルのデリバティブ資産および54.7億米ドルの
デリバティブ負債、2019年11月現在で46.5億米ドルのデリバティブ資産および49.6億米ドルのデリバティブ負
債、2018年12月1日現在で61.5億米ドルのデリバティブ資産および51.0億米ドルのデリバティブ負債が含まれて
いる。
・2020年12月、2019年11月、2018年12月1日現在、担保付契約における売戻条件付契約および借入有価証券担保金
ならびに担保付借入金における買戻条件付契約および貸付有価証券担保金のほぼすべてが強制力のあるネッティ
ング契約の対象である。
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・デリバティブ資産および無担保借入金に対する取引相手先とのネッティングは、強制力のあるネッティング契約
の存在を反映させるために、2019年11月現在では967百万米ドル、2018年12月1日現在では556百万米ドル増加し
た。
2020年12月現在
貸借対照表で相殺されない金額
貸借対照表 貸借対照表で
取引相手先
で相殺され 表示される純
とのネッ
(単位:百万米ドル) 総額 る金額 額 純額
ティング 現金担保 証券担保
金融資産
$ (81,825) $ (33,757) $ -
担保付契約 $ 222,507 $ 140,682 $(104,988) $ 1,937
顧客およびその他の受取債権 103,442 (24,095) 79,347 (5,502) (49,489) (17,331) 7,025
特定取引現物商品 27,326 (16,195) 11,131 (1,355) (309) (8,903) 564
デリバティブ商品 904,223 (15,921) 888,302 (805,825) (48,846) (13,109) 20,522
特定取引資産 931,549 (32,116) 899,433 (807,180) (49,155) (22,012) 21,086
ローン 266 - 266 (215) - - 51
その他の資産 2,093 (2,093) - - - - -
強制力のあるネッティング契約の対象であ
る金融資産 1,259,857 (140,129) 1,119,728 (846,654) (98,644) (144,331) 30,099
強制力のあるネッティング契約の対象でな
い金融資産 146,849 - 146,849 - - - 146,849
金融資産合計 $1,406,706 $(140,129) $1,266,577 $(846,654) $(98,644) $(144,331) $176,948
金融負債
$ (91,070) $ (33,951) $ (1,322) $ (65,118)
担保付借入金 $ 193,074 $ 102,004 $ 1,613
顧客等未払債務 117,084 (24,491) 92,593 (5,502) (49,155) (13,519) 24,417
特定取引現物商品 1,477 (1,381) 96 - - - 96
デリバティブ商品 895,953 (15,524) 880,429 (806,171) (47,995) (8,269) 17,994
特定取引負債 897,430 (16,905) 880,525 (806,171) (47,995) (8,269) 18,090
無担保借入金 12,209 (7,663) 4,546 (1,030) (172) - 3,344
強制力のあるネッティング契約の対象であ
る金融負債 1,219,797 (140,129) 1,079,668 (846,654) (98,644) (86,906) 47,464
強制力のあるネッティング契約の対象でな
い金融負債 151,222 - 151,222 - - - 151,222
$ (86,906)
金融負債合計 $1,371,019 $(140,129) $1,230,890 $(846,654) $(98,644) $198,686
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2019年11月現在
貸借対照表で相殺されない金額
貸借対照表 貸借対照表で
取引相手先
で相殺され 表示される純
とのネッ
(単位:百万米ドル) 総額 る金額 額 純額
ティング 現金担保 証券担保
金融資産
$ (60,568) $ (65,240) $ - $ (88,735)
担保付契約 $ 216,916 $ 156,348 $ 2,373
顧客およびその他の受取債権 83,400 (23,902) 59,498 (4,199) (39,222) (10,159) 5,918
特定取引現物商品 18,645 (12,834) 5,811 (1,106) - (4,450) 255
デリバティブ商品 692,404 (10,979) 681,425 (611,648) (40,336) (11,283) 18,158
特定取引資産 711,049 (23,813) 687,236 (612,754) (40,336) (15,733) 18,413
ローン 67 - 67 (2) - - 65
その他の資産 - - - - - - -
強制力のあるネッティング契約の対象であ
る金融資産 1,011,432 (108,283) 903,149 (682,195) (79,558) (114,627) 26,769
強制力のあるネッティング契約の対象でな
い金融資産 137,269 - 137,269 - - - 137,269
金融資産合計 $1,148,701 $(108,283) $1,040,418 $(682,195) $(79,558) $(114,627) $164,038
金融負債
$ (67,914) $ (65,410) $ (904) $ (40,768)
担保付借入金 $ 176,490 $ 108,576 $ 1,494
顧客等未払債務 100,565 (23,598) 76,967 (4,199) (40,336) (12,752) 19,680
特定取引現物商品 1,423 (1,218) 205 - - - 205
デリバティブ商品 681,774 (11,284) 670,490 (610,920) (38,186) (8,188) 13,196
特定取引負債 683,197 (12,502) 670,695 (610,920) (38,186) (8,188) 13,401
無担保借入金 7,150 (4,269) 2,881 (1,666) (132) - 1,083
強制力のあるネッティング契約の対象であ
る金融負債 967,402 (108,283) 859,119 (682,195) (79,558) (61,708) 35,658
強制力のあるネッティング契約の対象でな
い金融負債 147,855 - 147,855 - - - 147,855
$ (61,708)
金融負債合計 $1,115,257 $(108,283) $1,006,974 $(682,195) $(79,558) $183,513
2018年12月1日現在
貸借対照表で相殺されない金額
貸借対照表 貸借対照表で
取引相手先
で相殺され 表示される純
とのネッ
(単位:百万米ドル) 総額 る金額 額 純額
ティング 現金担保 証券担保
金融資産
$ (66,881) $ (83,337) $ -
担保付契約 $270,215 $203,334 $(116,825) $ 3,172
顧客およびその他の受取債権 68,493 (15,727) 52,766 (5,450) (32,439) (7,415) 7,462
特定取引現物商品 19,525 (13,407) 6,118 (1,595) (43) (3,448) 1,032
デリバティブ商品 523,283 (10,720) 512,563 (448,820) (34,886) (10,769) 18,088
特定取引資産 542,808 (24,127) 518,681 (450,415) (34,929) (14,217) 19,120
ローン 75 - 75 - - - 75
その他の資産 - - - - - - -
強制力のあるネッティング契約の対象であ
774,856 (539,202) (67,368) (138,457) 29,829
る金融資産 881,591 (106,735)
強制力のあるネッティング契約の対象でな
い金融資産 111,514 - 111,514 - - - 111,514
金融資産合計 $993,105 $(106,735) $886,370 $(539,202) $(67,368) $(138,457) $141,343
金融負債
$ (73,992) $ (83,375) $ (1,609) $ (46,370)
担保付借入金 $207,093 $133,101 $ 1,747
顧客等未払債務 86,429 (15,727) 70,702 (5,450) (34,928) (10,482) 19,842
特定取引現物商品 730 (709) 21 - - - 21
デリバティブ商品 509,108 (10,720) 498,388 (448,348) (30,815) (5,867) 13,358
特定取引負債 509,838 (11,429) 498,409 (448,348) (30,815) (5,867) 13,379
無担保借入金 9,385 (5,587) 3,798 (2,029) (16) - 1,753
強制力のあるネッティング契約の対象であ
る金融負債 812,745 (106,735) 706,010 (539,202) (67,368) (62,719) 36,721
強制力のあるネッティング契約の対象でな
い金融負債 147,103 - 147,103 - - - 147,103
$ (62,719)
金融負債合計 $959,848 $(106,735) $853,113 $(539,202) $(67,368) $183,824
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ゴールドマン・サックス・インターナショナル(E05875)
有価証券報告書
2020年12月に終了した期間、清算機関のルールに基づく選択に応じて、当該清算機関との取引は毎日決済されてい
るとみなされる。この決済されたとみなされる清算機関との取引を反映すると、2019年11月現在のデリバティブ資
産を44.7億米ドル、デリバティブ負債を45.1億米ドル、2018年12月1日現在のデリバティブ資産を32.5億米ドル、
デリバティブ負債を32.0億米ドル、グロス・ベースで減少させ、それに応じた額、取引相手先のネッティングおよ
び現金担保ネッティングを減少させる。したがって、上記の表の純額には影響しない。
担保の受入れおよび差入れ
当社は、主に売戻条件付契約、借入有価証券担保金、デリバティブ取引、顧客信用貸に関連して、現金および有価
証券(政府債および政府機関債、社債、持分証券など)を担保として受け入れている。当社は、個別の取引相手先
に対する信用エクスポージャーを軽減するために、デリバティブ商品および担保付契約について、前払いまたは条
件付で、現金および有価証券を担保として受け入れている。
多くの場合、当社は、主にクライアントの担保付貸付取引に関連して買戻条件付契約および有価証券貸付契約を締
結するにあたって、担保として受け入れた金融商品を引き渡す、または再担保として差し入れることを認められて
いる。当社はまた、その他担保付借入金、担保付デリバティブ契約、当社または顧客の決済ニーズへの対応に関連
して、それらの金融商品を引き渡す、または再担保として差し入れることを認められている。
当社はまた、買戻条件付契約、有価証券貸付契約、その他の担保付借入金に関連して一部の特定取引資産を取引相
手先に差し入れているが、取引相手先は、当該資産を引き渡す、または再担保として差し入れる権利を有する場合
も有さない場合もある。
担保として受け入れた金融商品のうち、引渡しまたは再担保に利用可能なもの、および引渡しまたは再担保として
差し入れたものは、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル)
12月 11月 12月1日
差入れまたは再担保に利用可能な担保
$571,872 $468,465 $484,249
差入れまたは再担保に供された担保 $545,053 $419,742 $429,161
差入資産の情報は、以下のとおりである。
以下の日付現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル)
12月 11月 12月1日
取引相手先に差し入れられたもので差入れまたは再担保に供する権利があったもの
特定取引資産 $27,295 $35,307 $20,511
投資資産 $ 62 $ 28 $ 39
取引相手先に差し入れられたもので差入れまたは再担保に供する権利がなかったもの
特定取引資産 $29,506 $33,221 $29,363
$ 346 $ 851 $ 814
投資資産
当社は、2020年12月現在で749.0億米ドル、2019年11月現在で587.1億米ドル、2018年12月1日現在で541.0億米ド
ルの現金担保を受け取り、2020年12月現在で607.5億米ドル、2019年11月現在で488.3億米ドル、2018年12月1日現
在で449.7億米ドルの現金担保を差し入れていた。受け取った額および差し入れた額は、主に特定取引資産および
特定取引負債に関係するものである。
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ゴールドマン・サックス・インターナショナル(E05875)
有価証券報告書
注記31
公正価値測定
金融商品の公正価値とは、測定日における市場参加者間の通常取引で資産の売却により受け取る、または負債の移
転により支払われるであろう金額である。金融資産はビッド価格(買い呼び値)で評価され、金融負債はオファー
価格(売り呼び値)で評価される。公正価値の測定には、取引費用は含まれない。当社は、特定の金融資産および
負債を単一のポートフォリオとして(すなわち、市場リスクおよび/または信用リスクに対するネット・エクス
ポージャーに基づき)測定する。
IFRSは、公正価値測定の開示について3つのレベルの階層を設定している。同階層では、公正価値の測定に使用さ
れる評価手法へのインプットに関する優先順位を定めており、レベル1のインプットが最も優先順位が高く、レベ
ル3のインプットが最も優先順位が低い。同階層における金融商品のレベルは、公正価値測定にとって重要なイン
プットのうち最も低いレベルに基づいている。
公正価値の階層は、以下のとおりである。
レベル1 インプットは、同一の非制限資産または負債について、測定日において当社が利用できた活発な市場に
おける無調整の市場価格である。
レベル2 評価手法へのインプットは直接または間接的に観察可能である。
レベル3 評価手法へのインプットの1つ以上が重要かつ観察不能である。
経常的に公正価値で評価される当社の金融資産および負債の公正価値はほぼすべて、観察可能な価格およびイン
プットに基づいており、公正価値階層のレベル1およびレベル2に分類されている。レベル2およびレベル3の金
融資産および負債の一部については、取引相手先ならびに当社およびGSグループの信用の質、資金調達リスク、譲
渡制限、流動性、ビッド/オファー・スプレッドなどの要素に基づいて市場参加者が公正価値を算出するのに必要
とする評価調整を行う場合がある。評価調整は通常、市場のデータに基づいている。
評価手法および重要なインプット
特定取引現物商品、投資資産およびローン 公正価値階層の各レベルの評価手法および重要なインプットには、以
下が含まれる。
レベル1
レベル1の商品は、同一の非制限商品の活発な市場における市場価格を用いて評価される。当社は、絶対値および
当該商品の時価総額と比べた日次平均取引量に基づき、資本性金融商品の活発な市場を定義している。当社は、日
次平均取引量と売買取引日数に基づき、債務商品の活発な市場を定義している。
レベル2
レベル2の商品は、市場価格、同一または類似商品の最近の取引、ブローカーもしくはディーラーによる呼び値、
または合理的な水準の価格の透明性がある代替的な価格情報源により検証可能である。呼び値の性質 ( 気配か確定
かなど ) 、および最近の市場活動の代替的な価格情報源が提供した価格との関係が考慮される。
評価調整は通常、(i) 商品の譲渡が制限されている場合、および / または (ii) 市場参加者が公正価値を算出する
ために必要とするその他のプレミアムおよび流動性ディスカウントに関して、レベル2の商品に対して行われる。
評価調整は通常、市場のデータに基づいている。
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レベル3
レベル3の商品には、1つ以上の観察不能な重要な評価インプットが含まれる。反証がない限り、レベル3の商品
は取引価格で当初評価されるが、これは公正価値の当初見積りの最善とみなされる。当社はその後、他の手法を用
いて公正価値を決定するが、手法は商品の種類によって異なる。評価におけるインプットおよび仮定は、金融資産
の売却時の実現価値など、実質的に観察可能な証拠に裏付けられた場合に変更される。
レベル3の商品の評価手法は商品ごとに異なるが、通常は割引キャッシュ・フロー法に基づいている。レベル3の
各タイプの特定取引現物商品、投資資産、ローンについての公正価値を算出するために使用される評価手法および
重要なインプットの性質は、以下のとおりである。
・モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券 重要なインプットは通常、相対価値分析に基づき決
定され、以下が含まれる。
・類似または関連する資産の取引から推定される市場利回り
・裏付担保と、同一または類似する裏付担保が付保されている商品両方の取引価格
・借手またはローン担保の現在の状況およびデフォルト時の回収に関する仮定
・予想将来キャッシュ・フローのタイミング(デュレーション)。これは、その他の観察不能なインプットの影
響(期限前償還率など)を組み込むことがある。
・企業債務商品、政府債および政府機関債、ならびにローン 重要なインプットは通常、相対価値分析に基づき決
定されており、同一または類似する商品または企業を参照するクレジット・デフォルト・スワップの価格との比
較と、同一または類似の発行体が発行する、観察可能な価格またはブローカーの呼び値が入手可能なその他の債
務商品との比較の両方を組み込んでいる。重要なインプットには、以下が含まれる。
・類似または関連する資産の取引から推定される市場利回り
・iTraxxおよびCDX(企業の信用度のパフォーマンスをトラッキングする指数)など、市場指数の現在の水準お
よび変動
・借手またはローン担保の現在の状況、およびデフォルト時の回収に関する仮定
・商品の満期およびクーポン情報
・転換または参加オプションが付された企業債務商品の市場および取引評価倍率
・ 持分証券 持分証券は、プライベート・エクイティ証券から成る。最近の第三者による完了済または進行中の取
引 ( 合併の提案、公開買付、債務の再編など ) が公正価値変動の最善の証拠とみなされる。それらが入手できな
い場合、以下の評価手法が適宜使用される。
・業界評価倍率および上場会社との比較
・類似商品の取引
・割引キャッシュ・フロー法
デリバティブ商品 デリバティブ商品は、取引所で取引される(上場)、または市場外で相対取引される(通常店
頭(OTC)デリバティブと呼ばれる)。当社のOTCデリバティブの一部は中央清算機関を通じて清算・決済される
(OTC清算)が、他は両取引相手間の二者間契約(二者間OTC)である。
当社のレベル2およびレベル3デリバティブは、デリバティブ価格決定モデル(割引キャッシュ・フロー・モデ
ル、相関モデル、および、モンテ・カルロ法などのオプション価格決定法を組み込むモデルなど)を用いて評価さ
れる。デリバティブの価格透明性は通常、以下のとおり、商品タイプ別にその特徴で分類できる。
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・金利 一般的に、金利デリバティブの評価に使用される主なインプットは、ほとんどの長期契約についても透明
性がある。主要先進国の通貨建の金利スワップおよびオプションの特徴は、取引量が多いことおよびビッド・オ
ファー・スプレッドが小さいことである。インフレ指数などの指数またはイールド・カーブの形状(10年物ス
ワップ・レートと2年物スワップ・レートなど)を参照する金利デリバティブはより複雑であるが、主なイン
プットは通常、観察可能である。
・信用 個別銘柄および信用バスケットを含むクレジット・デフォルト・スワップの価格透明性は、市場および参
照企業または参照債務により異なる。一般的に、指数、大企業、主要ソブリンを参照するクレジット・デフォル
ト・スワップは最も価格の透明性が高い。原資産がそれ以外のクレジット・デフォルト・スワップについては、
価格の透明性は信用格付、参照債務の借入コスト、発行体のデフォルト時に引き渡される参照債務の入手可能性
によって異なる。ローン、資産担保証券、新興国債務商品を参照するクレジット・デフォルト・スワップは、社
債を参照するクレジット・デフォルト・スワップよりも価格の透明性が低い傾向がある。また、複数の参照債務
の相関または担保付資金調達スプレッドに影響されるものなど、より複雑な信用デリバティブは一般的に価格の
透明性がより低い。
・為替 一般的に、比較的長期のものを含め、主要先進国の為替レートに基づく為替デリバティブは価格の透明性
が高い。先進国と新興国における為替デリバティブの価格の透明性について、その主な違いは、新興国において
は比較的短期の契約についてのみ観察可能な傾向があることである。
・株式 株式デリバティブの価格の透明性は、市場および原資産によって異なる。指数および、主要株式指数企業
の普通株式に基づくオプションは、最も透明性が高い。長期の契約または現在の市場価格から大きく乖離した参
照価格が付されている契約を除き、株式デリバティブには、通常、観察可能な市場価格がある。複数の個別株式
銘柄間の相関の影響を受けるものなど、より複雑な株式デリバティブは一般的に価格の透明性が比較的低い。
すべての商品タイプについて、観察するためには流動性が必要不可欠である。取引量が減少した場合、以前には透
明性の高かった価格およびその他のインプットが観察不能になることがある。反対に、きわめて複雑な構造の商品
であっても、十分な取引量があれば、価格およびその他のインプットが観察可能となることがある。
レベル1
レベル1のデリバティブには、原証券がレベル1商品の場合、将来証券の受渡しを行う短期契約、また、活発に取
引されており市場価格で評価される場合、上場デリバティブが含まれる。
レベル2
レベル2のデリバティブには、すべての重要な評価インプットが市場のデータによって裏付けられるOTCデリバ
ティブ、ならびに取引が活発でない、かつ/またはOTCデリバティブの市場清算水準に調整するモデルを使用して
評価される上場デリバティブが含まれる。評価インプットの重要性を評価するにあたって、当社はとりわけ当該イ
ンプットに対するポートフォリオの正味リスク・エクスポージャーを考慮する。
デリバティブ商品を評価する特定のモデルの選択は、当該商品の契約条件、内在する特定のリスク、市場における
価格決定情報の入手可能性によって異なる。流動性の高い市場で取引されているデリバティブ商品については、モ
デルから導き出された情報は市場で清算できる水準に調整できるため、経営者の重要な判断を必要としない。
評価モデルには、契約条件、市場価格、イールド・カーブ、割引率(担保付デリバティブの信用補完契約が定める
受取および差入担保に係る金利によるものを含む)、クレジット・カーブ、ボラティリティ指標、ならびにそれら
インプットの相関など、様々なインプットが必要である。レベル2デリバティブ商品への重要なインプットは、市
場取引、ブローカーもしくはディーラーの呼び値、または適度な水準の価格透明性をもつその他の代替的な価格設
定源によって検証することができる。呼び値の性質(気配か確定かなど)、および最近の市場活動の代替的な価格
情報源が提供した価格との関係が考慮される。
レベル3
レベル3のデリバティブは、観察可能なレベル1および/またはレベル2インプット、ならびに観察不能なレベル
3インプットを使用するモデルを使用して評価される。観察不能なインプットには、一部の相関、流動性の低いク
レジットおよび担保付資金調達スプレッド、回収率ならびに一部の株式および金利ボラティリティが含まれる。
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当社はレベル3のデリバティブを当初評価した後に、レベル1およびレベル2のインプットを更新して観察可能な
市場の変動を反映しており、それによる損益はレベル3に分類される。レベル3のインプットは、類似の市場取
引、第三者価格提供サービスおよび/またはブローカーもしくはディーラーによる呼び値、またはその他の過去の
市場データなどの証拠に裏付けられた場合、変更される。当社が市場取引を参照してモデルの評価額を検証できな
い場合、異なる評価モデルが大幅に異なる公正価値を見積る可能性がある。レベル3のデリバティブの評価に使用
された重要かつ観察不能なインプットの詳細については、以下を参照のこと。
当初の取引価格と内部開発のモデルにより算出された公正価値との間に差異がある場合、市場参加者が価格設定に
おいて考慮するであろう要素(時間を含む)の変化から生じたものに限り、損益が認識される。
評価調整
評価調整は、デリバティブ・ポートフォリオの公正価値の決定に必要不可欠なものであり、デリバティブ価格決定
モデルによって算出された中間市場の評価額を出口価格の評価額に調整するために用いられる。それらの調整に
は、ビッド・オファー・スプレッド、流動性コスト、CVA、資金調達の評価調整が組み込まれており、デリバティ
ブ・ポートフォリオの無担保部分に固有の信用リスクおよび資金調達リスクを加味している。当社はまた、契約条
件により当社が受取担保を引き渡す、または再担保として差し入れることができない場合、担保付デリバティブの
資金調達について評価調整も行っている。市場に基づくインプットは通常、評価調整を市場で清算できる水準に調
整する場合に使用される。
また、重要かつ観察不能なインプットを含むデリバティブについては、当社は取引に含まれる評価の不確実性を考
慮してモデルまたは出口価格の調整を行っている。
その他の金融資産および負債 その他の金融資産および負債の評価手法および重要なインプットには、以下が含ま
れる。
・売戻条件付契約および買戻条件付契約ならびに借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金 売戻条件付契約
および買戻条件付契約ならびに借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金の評価において重要なインプット
は、資金調達スプレッド、予想将来キャッシュ・フローの金額およびタイミング、金利である。
・その他の資産 公正価値で測定されるその他の資産は、無担保関係会社間ローンから成る。この公正価値で測定
される無担保関係会社間ローンの評価にとって重要なインプットは、予想将来キャッシュ・フローの金額および
タイミング、金利、GSグループの信用スプレッドである。
・その他担保付借入金 公正価値で測定する担保付の発行社債、その他借入金、関係会社間ローンの評価にとって
重要なインプットは、予想将来キャッシュ・フローの金額およびタイミング、金利、資金調達スプレッド、当社
が差し入れた担保の公正価値(予想将来キャッシュ・フローの金額およびタイミング、市場価格、市場利回り、
回収の仮定を用いて算出される)、追加担保差入要求の頻度である。
・無担保借入金 公正価値で測定する無担保借入金の評価にとって重要なインプットは、予想将来キャッシュ・フ
ローの金額およびタイミング、金利、GSグループの信用スプレッド、ならびに前払コモディティ契約の場合、コ
モディティ価格である。ハイブリッド金融商品に組み込まれたデリバティブの評価に使用されたインプットは、
当社のその他のデリバティブ商品の評価に使用されたインプットと整合性がある。
金融資産および負債のレベル別公正価値
経常的に公正価値で測定される金融資産および負債の階層レベル別公正価値は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) レベル1 レベル2 レベル3 合計
2020年12月現在
金融資産
$ - $ 92,619 $ - $ 92,619
担保付契約
特定取引現物商品 63,079 31,035 503 94,617
デリバティブ商品 291 882,392 5,619 888,302
特定取引資産 63,370 913,427 6,122 982,919
投資資産 18 738 132 888
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ローン - 456 111 567
その他の資産 - 6,013 - 6,013
$ 6,365
合計 $63,388 $1,013,253 $1,083,006
金融負債
$ - $ 96,863 $ 240 $ 97,103
担保付借入金
特定取引現物商品 46,752 5,204 29 51,985
デリバティブ商品 255 876,645 3,529 880,429
特定取引負債
47,007 881,849 3,558 932,414
無担保借入金 - 19,774 9,652 29,426
合計 $47,007 $ 998,486 $13,450 $1,058,943
$ 2,090
デリバティブ純額 $ 36 $ 5,747 $ 7,873
2019年11月現在
金融資産
$ - $ 91,586 $ - $ 91,586
担保付契約
特定取引現物商品 76,927 26,492 521 103,940
デリバティブ商品 13 676,875 4,537 681,425
特定取引資産 76,940 703,367 5,058 785,365
投資資産 19 1,328 145 1,492
ローン - 1,428 122 1,550
その他の資産 - - - -
$ 5,325
合計 $76,959 $ 797,709 $ 879,993
金融負債
$ - $ 73,469 $ 1,111 $ 74,580
担保付借入金
特定取引現物商品 38,594 5,337 219 44,150
デリバティブ商品 15 667,680 2,795 670,490
特定取引負債
38,609 673,017 3,014 714,640
無担保借入金 - 41,058 8,181 49,239
合計 $38,609 $ 787,544 $12,306 $ 838,459
$ 1,742 $ 10,935
デリバティブ純額 $ (2) $ 9,195
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2018年12月1日現在
金融資産
$ - $ -
担保付契約 $ 146,767 $ 146,767
特定取引現物商品 53,173 26,326 719 80,218
デリバティブ商品 17 508,315 4,231 512,563
特定取引資産 53,190 534,641 4,950 592,781
投資資産 32 1,047 239 1,318
ローン - 695 125 820
その他の資産 - - - -
$ 5,314
合計 $53,222 $ 683,150 $ 741,686
金融負債
$ -
担保付借入金 $ 107,234 $936 $ 108,170
特定取引現物商品 42,951 4,637 12 47,600
デリバティブ商品 21 495,993 2,373 498,387
特定取引負債
42,972 500,630 2,385 545,987
無担保借入金 - 41,377 9,553 50,930
合計 $42,972 $ 649,241 $12,874 $ 705,087
$ 12,322 $ 1,858 $ 14,176
デリバティブ純額 $ (4)
上記の表において、2019年11月現在のレベル2の担保付借入金は777百万米ドル増加した。詳細は、注記30を参照
のこと。
レベル3の公正価値の測定に使用される重要かつ観察不能なインプット
特定取引現物商品、投資資産およびローン
レベル3の特定取引現物商品資産、投資資産、ローンならびにレベル3の特定取引現物商品、投資資産、ローンの
評価に使用される重要かつ観察不能なインプットの範囲および加重平均は、以下の表のとおりである。
下記の日付現在のレベル3特定取引現物商品、投資資産、
ローンならびに重要かつ観察不能なインプットの範囲(加重平均)
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月 2018年12月1日
特定取引現物商品
モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券
レベル3資産
$132 $125 $171
0.6%から14.0% (6.1%) 1.2%から18.6% (7.2%) 2.4%から16.5% (6.5%)
利回り
21.6%から69.3% (35.8%) 48.3%から75.0% (61.6%) 19.0%から75.0% (50.0%)
回収率
1.0から11.5 (2.7) 0.5から10.6 (4.3) 0.5から13.4 (5.1)
デュレーション(年)
企業債務商品ならびに政府債および政府機関債
レベル3資産 $349 $378 $536
0.6%から23.6% (5.9%) 1.8%から13.2% (4.8%) 0.7%から10.2% (3.7%)
利回り
0.0%から69.7% (50.4%) 0.0%から69.5% (37.1%) 0.0%から69.9% (53.4%)
回収率
2.0から25.5 (8.3) 2.6から16.5 (8.7) 0.5から13.2 (3.0)
デュレーション(年)
投資資産
企業債務商品
レベル3資産 $96 $102 $206
6.8%から6.8% (6.8%) 7.0%から7.0% (7.0%) 8.9%から28.2% (11.0%)
利回り
65.4%から65.4% (65.4%) 42.5%から78.0% (71.4%)
回収率 N/A
2.9から2.9 (2.9) 5.4から5.4 (5.4) 1.9から3.9 (2.2)
デュレーション(年)
持分証券
レベル3資産 $36 $42 $33
4.2倍から11.0倍 (4.6倍) 4.1倍から11.0倍 (5.4倍)
評価倍率 4.1倍から11.0倍(5.4倍)
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ローン
企業
レベル3資産 $111 $122 $125
3.3%から6.6% (5.6%) 1.9%から6.7% (5.5%) 6.6%から6.6% (6.6%)
利回り
15.0%から15.0% (15.0%) 15.0%から15.0% (15.0%) 5.1%から15.0% (12.5%)
回収率
上記の表において、
・特定取引現物商品のレベル3持分証券は2020年12月現在で22百万米ドル、2019年11月現在で18百万米ドル、2018
年12月1日現在で12百万米ドル、投資資産のレベル3モーゲージおよびその他の資産担保ローン・証券は2019年
11月現在で1百万米ドルと、重大ではないため、上記の表には含まれていない。
・範囲は、各タイプの現物商品を評価するのに使用された重要かつ観察不能なインプットである。
・加重平均は、各インプットを商品の相対的公正価値で加重することにより算出される。
・これらインプットの範囲および加重平均は、特定の特定取引商品の公正価値を算出するために使用される適切な
インプットを示すものではない。例えば、モーゲージならびにその他の資産担保ローン・証券の利回り最大値
は、特定のモーゲージの評価に適切であるが、他のモーゲージの評価には適切でないことがある。したがって、
インプットの範囲は、レベル3の特定取引商品の公正価値測定における不確実性または公正価値測定のあり得る
範囲を示すものではない。
・2020年12月、2019年11月、2018年12月1日現在、レベル3特定取引商品の評価に使用される利回りまたはデュ
レーションが上昇していたとしたら、公正価値が減少し、回収率または評価倍率が上昇していたとしたら、公正
価値が増加していた。レベル3商品の性質はそれぞれ大きく異なるため、インプット間の関係は各商品タイプ内
で必ずしも同じではない。
・モーゲージおよびその他の資産担保ローン・証券、企業債務商品、政府債・政府機関債、ローンは割引キャッ
シュ・フローを用いて評価され、持分証券は類似市場取引および割引キャッシュ・フローを用いて評価される。
・特定の金融商品の公正価値は、複数の評価手法を用いて算出されることがある。例えば、類似市場取引と割引
キャッシュ・フロー手法が、公正価値を算出するために同時に使用されることがある。したがって、レベル3の
残高には、これらの両手法が含まれている。
・回収率は、2020年12月現在で投資資産として認識されていたレベル3企業債務商品の評価にとって重要ではな
かった。
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デリバティブ商品
レベル3デリバティブ商品(純額)および範囲、レベル3デリバティブ商品を評価するために用いられた重要かつ
観察不能なインプットの平均および中央値は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在のレベル3デリバティブ商品および
重要かつ観察不能なインプット(平均/中央値)の範囲
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月 2018年12月1日
金利(純額) $414 $202 $76
(8)%から24% (13%/20%) (42)%から16% ((5)/2%) 71%から72% (72%/72%)
コリレーション
40から63 (53/52) 50から70 (62/62) 64から143 (84/78)
ボラティリティ(bps)
信用(純額) $2,305 $2,344 $2,003
2から699 (100/63) 2から1,321 (122/83) 2から589 (141/104)
クレジット・スプレッド(bps)
19%から28% (23%/23%) 76%から82% (80%/81%) 1%から46% (22%/22%)
アップフロント・クレジット・ポイント
25から90 (47/40) 10から41 (27/25) 25から45 (37/40)
回収率
為替(純額) $37 $50 $(115)
20%から23% (21%/21%) 20%から23% (22%/22%) 5%から32% (18%/15%)
コリレーション
株式(純額) $(670) $(862) $(108)
(35)%から96% (46%/48%) (70)%から97% (43%/45%) (63)%から98% (47%/53%)
コリレーション
3から102 (16/16) 2から70 (12/6) 4から81 (17/13)
ボラティリティ
上記の表において、
・レベル3のコモディティ・デリバティブ商品は2020年12月現在で4百万米ドル、2019年11月現在で8百万米ド
ル、2018年12月1日現在で2百万米ドルで、重大ではないため、上記の表には含まれていない。
・デリバティブ資産(純額)はプラス額で、デリバティブ負債(純額)はマイナス額で表示されている。
・範囲は、各タイプのデリバティブを評価するのに使用された重要かつ観察不能なインプットの範囲を示してい
る。
・平均値はインプットの算術平均であり、各金融商品の相対的公正価値または想定元本によって加重されていな
い。中央値を上回る平均値は、インプットの大部分が平均値を下回っていることを示している。
・これらインプットの範囲、平均値、中央値は、特定のデリバティブの公正価値を算出するために使用する適切な
インプットを示すものではない。例えば、金利デリバティブのコリレーション最大値は、特定の金利デリバティ
ブを評価するために適切であるが、他の金利デリバティブを評価するには適切でないことがある。したがって、
インプットの範囲は、レベル3のデリバティブの公正価値測定における不確実性または公正価値測定のあり得る
範囲を示すものではない。
・金利、為替、株式デリバティブは、オプション価格決定モデルを用いて評価され、信用デリバティブは、オプ
ション価格決定モデル、相関モデル、割引キャッシュ・フロー・モデルを用いて評価される。
・特定の金融商品の公正価値は、複数の評価手法を用いて算出されることがある。例えば、オプション価格決定モ
デルと割引キャッシュ・フロー・モデルは通常、公正価値を算出するために同時に使用される。したがって、レ
ベル3の残高には、これらの両手法が含まれている。
・為替および株式デリバティブ内のコリレーションは、商品間のコリレーションを含んでいる。
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重要かつ観察不能なインプットの範囲
レベル3デリバティブ商品の評価に使用される重要かつ観察不能なインプットの範囲に関する情報は、以下のとお
りである。
・コリレーション コリレーションの範囲は、商品タイプ内(株価指数や個別株式銘柄など)と商品タイプ間(金
利と為替のコリレーションなど)、地域間など、様々な原資産をカバーしている。
・ボラティリティ ボラティリティの範囲は、様々な市場の多数の原資産、満期、権利行使価格をカバーしてい
る。例えば、株価指数のボラティリティは通常個別株式のボラティリティを下回る。
・クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率 クレジット・スプレッド、
アップフロント・クレジット・ポイント、回収率の範囲は、様々な原資産(指数および個別銘柄)、地域、セク
ター、満期、信用の質(高利回りおよび投資適格)をカバーし、また担保付資金調達スプレッドを含んでいる。
このように母集団は幅広いため、重要かつ観察不能なインプットの範囲は広くなる。
重要かつ観察不能なインプットの変動に対する公正価値測定の感応度
各期末現在における、重要かつ観察不能なインプットの個別の変動に対する当社のレベル3公正価値測定の方向感
応度の詳細は、以下のとおりである。
・コリレーション 一般的に、保有者が原資産または指数価格(金利、クレジット・スプレッド、為替レート、イ
ンフレ率、株価など)の収束から利益を得る契約については、コリレーションが高まると公正価値が増加する。
・ボラティリティ 一般的に、購入オプションについては、ボラティリティが高まると公正価値が増加する。
・クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率 一般的に、クレジット・スプ
レッドまたはアップフロント・クレジット・ポイントの拡大または回収率の低下により、購入クレジット・プロ
テクションの公正価値は増加し、担保付資金調達スプレッドの拡大により、担保付資金調達能力の公正価値が増
加する。クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイント、回収率は、参照債務の典型的なリ
スク要因と強い関連性がある。それらのリスク要因には、レバレッジやボラティリティ、業界など参照企業特有
の要因、参照債務の借入コストや流動性など市場要因、マクロ経済の状況が含まれる。
当社のレベル3デリバティブにはそれぞれ明確な特徴があるため、各商品タイプ内でのインプットの相互関係は必
ずしも同じではない。
その他の金融資産および負債 その他の金融資産および負債の重要かつ観察不能なインプットには、以下が含まれ
る。
・ 売戻条件付契約および買戻条件付契約ならびに借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金 2020年12月、
2019年11月、2018年12月1日現在、レベル3の売戻条件付契約、借入有価証券担保金、貸付有価証券担保金はな
い。2020年12月、2019年11月、2018年12月1日現在、レベル3の買戻条件付契約は重大ではなかった。
・その他担保付借入金 2020年12月、2019年11月、2018年12月1日現在、レベル3のその他担保付借入金を評価す
るために使用される重要かつ観察不能なインプットは、観察不能なインプットに関するデリバティブおよび特定
取引現物商品、投資資産、ローンの開示に含まれている。上記の「特定取引現物商品、投資資産およびローン」
および「デリバティブ商品」を参照のこと。
・無担保借入金 2020年12月、2019年11月、2018年12月1日現在、レベル3の無担保借入金を評価するために使用
される重要かつ観察不能なインプットは、観察不能なインプットに関するデリバティブおよび特定取引現物商
品、投資資産、ローンの開示に含まれている。上記の「特定取引現物商品、投資資産およびローン」および「デ
リバティブ商品」を参照のこと。
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公正価値の階層におけるレベル1とレベル2間の振替
2020年12月および2019年11月に終了した各期間、経常的に公正価値で測定する金融資産および負債について、レベ
ル1とレベル2の間で重要な振替はなかった。
観察不能なインプットを用いた評価手法を用いて評価される金融資産および負債の公正価値
金融資産および負債の公正価値は、同じ金融商品の現在の観察可能な市場取引による価格の裏付けがない仮定、ま
たは利用可能かつ観察可能な市場データに基づく評価手法を使用して、全部または一部算出されており、それらの
仮定を変更した場合、それを用いて算出される公正価値の見積りも変動する。重要かつ観察不能なインプットな
ど、評価について合理的に代替可能な仮定を使用することによる潜在的影響は、有利な変更については、2020年12
月現在で約412百万米ドル、2019年11月現在で約346百万米ドル、2018年12月1日現在で約356百万米ドル、不利な
変更については、2020年12月現在で約186百万米ドル、2019年11月現在で約237百万米ドル、2018年12月1日現在で
約240百万米ドルであった。合理的に代替可能な不利な仮定を決定するにあたっては、潜在的な不確実性が存在す
る事例を特定し定量化するため、事業およびポジション・レベルの詳細なレビューが実施されている。その場合、
入手可能な市場情報の範囲と比較したポジションの公正価値が考慮される。2020年12月、2019年11月、2018年12月
1日現在、有利な変更の影響は、主に担保付資金調達スプレッド、株式・債券デリバティブの評価調整に関する仮
定の変更によるものであり、不利な変更の影響は、主に担保付資金調達スプレッド、ボラティリティ、相関のイン
プットに関する仮定の変更によるものである。
評価手法を使用して算出された金融資産および負債の当初認識時公正価値と取引価格の差額(取引日の損益)に関
して損益計算書で認識されていない金額は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月
$ 153 $ 146
期首残高
新規取引
181 90
当期の損益計算書に認識された金額 (125) (83)
$ 209 $ 153
期末残高
レベル3の推移
経常的に公正価値で測定するすべてのレベル3金融資産および負債の公正価値変動は、以下の表で要約されてい
る。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月
金融資産合計
期首残高 $ 5,325 $ 5,314
利益/(損失) 2,099 942
購入 635 659
売却 (170) (249)
決済 (1,428) (1,039)
レベル3への振替 351 445
レベル3からの振替 (447) (747)
期末残高 $ 6,365 $ 5,325
金融負債合計
期首残高 $(12,306) $(12,874)
利益/(損失) (1,757) (1,745)
購入 17 7
売却 (340) (418)
発行 (12,362) (6,352)
決済 12,677 8,710
レベル3への振替 (913) (852)
レベル3からの振替 1,534 1,218
期末残高 $(13,450) $(12,306)
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上記の表において、
・金融資産または金融負債が報告年度中にレベル3へ振替えられた場合、当該年度のその損益は全額レベル3に分
類される。レベル3の金融資産について、増加はプラス額で、減少はマイナス額で表示されている。レベル3の
金融負債について、増加はマイナス額で、減少はプラス額で表示されている。
・公正価値階層のレベル間の振替は、振替が生じた報告期間の期首に認識される。したがって、期末より前にレベ
ル3から振り替えられたレベル3の金融資産および負債に係る損益は、上記の表には含まれていない。
・レベル3の金融資産および負債はしばしば、レベル1およびレベル2の金融資産および負債によって経済的に
ヘッジされる。したがって、金融資産または金融負債の特定のクラスについて報告されているレベル3の損益
は、同じクラスの金融資産もしくは金融負債のレベル1もしくはレベル2に帰属する損益、または異なるクラス
の金融資産もしくは金融負債のレベル1、レベル2もしくはレベル3に帰属する損益で一部相殺することができ
る。したがって、レベル3の推移に含まれる損益は、必ずしも当社の業績、流動性または資金への全体的な影響
を示すものではない。
・利益 /( 損失 ) は、主にレベル3の金融資産および金融負債に関連する未実現損益の変動額に起因する。
・2020年12月および2019年11月に終了した各期間のレベル3金融資産に係る純利益は、損益計算書の「純収益」に
計上されている。
・2020年12月に終了した期間におけるレベル3金融負債に係る純損失17.6億米ドルについて、16.8億米ドルの損失
が損益計算書の「純収益」に、81百万米ドルの損失が包括利益計算書の「債務評価調整」に計上されている。
2019年11月に終了した期間におけるレベル3金融負債に係る純損失17.5億米ドルについて、16.3億米ドルの損失
が損益計算書の「純収益」に、120百万米ドルの損失が包括利益計算書の「債務評価調整」に計上されている。
以下の表は、上記の要約表に含まれる金融資産に関する情報を、貸借対照表の勘定科目別に示したものである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月
特定取引資産
$ 5,058 $ 4,950
期首残高
利益/(損失) 2,096 942
購入 632 631
売却 (170) (243)
決済 (1,407) (1,002)
レベル3への振替 266 414
レベル3からの振替 (353) (634)
$ 6,122 $ 5,058
期末残高
投資資産
$ 145 $ 239
期首残高
利益/(損失) 2 6
購入 - 7
売却 - (6)
決済 (6) (33)
レベル3への振替 85 31
レベル3からの振替 (94) (99)
$ 132 $ 145
期末残高
ローン
$ 122 $ 125
期首残高
利益/(損失) 1 (6)
購入 3 21
決済 (15) (4)
レベル3からの振替 - (14)
$ 111 $ 122
期末残高
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以下の表は、上記の要約表に含まれる金融負債に関する情報を、貸借対照表の勘定科目別に示したものである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月
特定取引負債
$ (3,014) $ (2,385)
期首残高
利益/(損失) (1,340) (918)
購入 17 7
売却 (340) (418)
決済 1,033 645
レベル3への振替 (368) (294)
レベル3からの振替 454 349
$ (3,558) $ (3,014)
期末残高
担保付借入金
$ (1,111) $ (936)
期首残高
利益/(損失) 42 68
発行 - (263)
決済 829 1
レベル3からの振替 - 19
$ (240) $ (1,111)
期末残高
無担保借入金
$ (8,181) $ (9,553)
期首残高
利益/(損失) (459) (895)
発行 (12,362) (6,089)
決済 10,815 8,064
レベル3への振替 (545) (558)
レベル3からの振替 1,080 850
$ (9,652) $ (8,181)
期末残高
公正価値の階層におけるレベル2とレベル3間の振替
レベル2とレベル3の間での振替は通常、レベル3のインプットの透明性の変動により生じる。市場データの不足
により透明性が低下し、市場データの入手が容易になることにより透明性が向上する。
金融資産
2020年12月に終了した期間
特定取引資産 特定取引資産のレベル3への振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションのインプッ
トの透明性が低下したために一部の株式デリバティブをレベル2から振り替えたこと、および主に一部の利回り商
品の透明性が低下したために一部の現物商品をレベル2から振り替えたことを主に反映している。
特定取引資産のレベル3からの振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションのインプットの透明性が
高まったために一部の株式デリバティブをレベル2へ振り替えたこと、主に一部のクレジット・スプレッドのイン
プットの透明性が高まったために一部の信用デリバティブをレベル2へ振替えたこと、および主に一部の利回りの
商品の透明性が高まったために一部の現物商品をレベル2へ振り替えたことを主に反映している。
投資資産 レベル3の投資資産への振替は、主に一部の利回り商品の透明性が低下したために一部の現物商品をレ
ベル2から振り替えたことを主に反映している。
レベル3の投資資産からの振替は、主に一部の利回り商品の透明性が高まったために一部の現物商品をレベル2に
振り替えたことを主に反映している。
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ローン レベル3への振替およびレベル3からの振替は重大なものではなかった。
2019年11月に終了した期間
特定取引資産 レベル3の特定取引資産への振替は、主に一部クレジット・スプレッドのインプットに関する透明
性が低下したために一部の信用デリバティブをレベル2から振り替えたこと、および主に一部のボラティリティお
よびコリレーションに関するインプットの透明性が低下したために一部の株式デリバティブをレベル2から振り替
えたことを主に反映している。
レベル3の特定取引資産からの振替は、主に一部のクレジット・スプレッドに関するインプットの透明性が高まっ
たために一部の信用デリバティブをレベル2に振り替えたこと、主に一部のボラティリティおよびコリレーション
に関するインプットの透明性が高まったために一部の株式デリバティブをレベル2へ振り替えたこと、主に一部の
利回り商品に関するインプットの透明性が高まったために一部の現物商品をレベル2へ振り替えたことを主に反映
している。
投資資産 レベル3の投資資産への振替は、主に一部の利回り商品の透明性が低下したために一部の現物商品をレ
ベル2から振り替えたことを主に反映している。
レベル3の投資資産からの振替は、主に一部の利回り商品の透明性が高まったために、一部の現物商品をレベル2
に振り替えたことを主に反映している。
ローン レベル3への振替およびレベル3からの振替は重大なものではなかった。
金融負債
2020年12月に終了した期間
特定取引負債のレベル3への振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションに関するインプットの透明
性が低下したために一部の株式デリバティブをレベル2から振り替えたことを主に反映している。無担保借入金の
レベル3への振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションに関するインプットの透明性が低下したた
めに一部のハイブリッド金融商品をレベル2から振り替えたことを主に反映している。
特定取引負債のレベル3からの振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションに関するインプットの透
明性が高まったために一部の信用デリバティブをレベル2に振り替えたことを主に反映している。無担保借入金の
レベル3からの振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションに関するインプットの透明性が高まった
ために一部のハイブリッド金融商品をレベル2に振り替えたことを主に反映している。
2019年11月に終了した期間
特定取引負債のレベル3への振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションに関するインプットの透明
性が低下したために一部の株式デリバティブをレベル2から振り替えたことを主に反映している。無担保借入金の
レベル3への振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションに関するインプットの透明性が低下したた
めに一部のハイブリッド金融商品をレベル2から振り替えたことを主に反映している。
特定取引負債のレベル3からの振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションに関するインプットの透
明性が高まったために一部の株式デリバティブをレベル2に振り替えたことを主に反映している。無担保借入金の
レベル3からの振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションに関するインプットの透明性が高まった
ために一部のハイブリッド金融商品をレベル2に振り替えたことを主に反映している。
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公正価値で測定されない金融資産および負債の公正価値
当社は、公正価値で測定されない金融資産を、2020年12月現在で1,835.7億米ドル、2019年11月現在で1,604.3億米
ドル、2018年12月1日現在で1,446.8億米ドル保有していた。それら残高のほぼすべてがその性質上短期であるた
め、貸借対照表の帳簿価額は公正価値の合理的な近似値である。
当社の予想満期別、公正価値で測定されない金融負債は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月 2018年12月1日
流動 $128,900 $139,760 $132,043
非流動
43,047 28,755 15,983
合計 $171,947 $168,515 $148,026
上記の表において、
・流動金融負債はその性質上短期であるため、貸借対照表上の帳簿価額は公正価値の合理的な近似値である。
・非流動金融負債は、主に長期関係会社間ローンに関係するものである。それらローンの金利は性質上変動であ
り、類似の条件および特徴の商品の実勢市場金利に近似している。したがって、貸借対照表上の帳簿価額は公正
価値の合理的な近似値である。
2019年11月現在の流動金融負債は、777百万米ドル減少した。詳細は、注記30を参照のこと。
注記32
金融リスク管理および資本管理
金融リスク管理および資本管理に関する特定の開示は、本アニュアル・レポート、パートⅠのその他のリスク管理
および規制に関する情報と共に表示されており、該当する場合、監査済みと特定されている。
金融負債の満期
特定取引負債(当社のマーケット・メーカーとしての役割のためにトレーディング目的/要求払に分類される)を
除く、金融負債の契約満期別キャッシュ・フローの分析は、以下の表のとおりである。
以下の表において、
・契約満期別キャッシュ・フローには、金融負債に関して発生する利息が含まれる。
・金融負債は、トレーディング目的で保有するものまたは損益を通じて公正価値で評価するものとして指定される
ものを除き、割引前キャッシュ・フローで開示されている。トレーディング目的で保有する金融負債および損益
を通じて公正価値で評価するものとして指定される金融負債の公正価値が開示されているが、これは、それら商
品の流動性リスク管理で使用される価値と一致するためである。
・デリバティブの流動性リスクは、マスター・ネッティング契約および現金担保付契約により軽減されている。
・無担保借入金には、契約満期よりも前に償還される可能性がある、当社の支配が及ばないトリガー事象が盛り込
まれた一部の発行社債が含まれている。
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トレーディン
3ヶ月 -
1ヶ月 -
グ目的/要求
1年 - 5年
(単位:百万米ドル) 払 1ヶ月未満 1年 5年超 合計
3ヶ月
2020年12月現在
$ 20,588 $ 60,064 $ 7,779 $ 1,976 $ 1,875
担保付借入金 $20,857 $ 113,139
顧客等未払債務 100,519 - - - - - 100,519
特定取引負債 932,414 - - - - - 932,414
無担保借入金 3,205 2,139 6,645 8,803 46,846 15,429 83,067
その他の負債 2,006 1,437 14 13 996 14 4,480
オンバランスシート額合計 $1,058,732 63,640 14,438 29,673 49,818 17,318 1,233,619
担保付契約コミットメント 451 58,612 82 2,837 - - 61,982
その他 3,007 - 614 627 690 4 4,942
オフバランスシート額合計 3,458 58,612 696 3,464 690 4 66,924
合計 $1,062,190 $122,252 $15,134 $33,137 $50,508 $17,322 $1,300,543
2019年11月現在
$ 32,197 $ 36,404 $ 3,608 $ 1,739
担保付借入金 $25,351 $16,652 $ 115,951
顧客等未払債務 84,968 - - - - - 84,968
特定取引負債 714,640 - - - - - 714,640
無担保借入金 3,644 938 2,180 14,896 54,160 16,088 91,906
その他の負債 484 482 872 74 831 19 2,762
オンバランスシート額合計 835,933 37,824 28,403 31,622 58,599 17,846 1,010,227
担保付契約コミットメント - 58,253 2,285 2,258 496 - 63,292
その他 2,750 - 121 35 - - 2,906
オフバランスシート額合計 2,750 58,253 2,406 2,293 496 - 66,198
$ 96,077
合計 $ 838,683 $30,809 $33,915 $59,095 $17,846 $1,076,425
2018年12月1日現在
$ 33,044 $ 50,017 $ 8,026 $ 2,281
担保付借入金 $23,778 $22,974 $ 140,120
顧客等未払債務 76,150 - - - - - 76,150
特定取引負債 545,987 - - - - - 545,987
無担保借入金 4,322 985 2,399 24,247 41,525 18,186 91,664
その他の負債 577 755 563 72 755 15 2,737
オンバランスシート額合計 660,080 51,757 26,740 47,293 50,306 20,482 856,658
担保付契約コミットメント - 60,332 198 - - - 60,530
その他 2,299 - - - 101 - 2,400
オフバランスシート額合計 2,299 60,332 198 - 101 - 62,930
合計 $ 662,379 $112,089 $26,938 $47,293 $50,407 $20,482 $ 919,588
注記33
譲渡された資産
引き続き全額認識されている資産 2020年12月に終了した期間、当社は一部の金融資産を譲渡したが、この譲渡は
IFRS第9号が定める認識中止の要件を満たさなかったため、当社はそれらの資産を引き続き貸借対照表で全額認識
している。
当社は、買戻条件付契約およびその他の有価証券貸付取引を担保するため、通常の営業活動において保有資産を取
引相手先に譲渡している。それら取引においては、当社は、契約満期日に金融商品を買い戻す必要があり、引き続
きそれら商品の価格、信用および金利リスクにさらされているため、譲渡された資産は会計上引き続き認識する。
当社が資産の譲渡からの代金を現金で受け取った場合、受取対価に関して金融負債が認識され、「担保付借入金」
に計上される。当社が現金以外(証券)で担保を受け取った場合、負債は当初認識されない。受取担保がその後売
却された場合、担保の返還義務が特定取引負債に負債として認識される。
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当社は、買戻条件付契約および有価証券貸付取引に加えて、認識中止の要件を満たさないその他の契約を通して資
金を調達している。例えば、トータル・リターン・スワップなどの関連デリバティブを伴う有価証券の売却の場
合、当社は当該取引を通じて譲渡された資産に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを保持している。その場
合、受け取った代金に関して金融負債が認識される。
譲渡されたものの会計上引き続き貸借対照表で認識されているその他の金融資産は、主にデリバティブ取引のため
に差し入れた有価証券の担保に関するものである。そのようなデリバティブに基づく債務は、特定取引負債に計上
される。
譲渡されたものの会計上引き続き貸借対照表に計上されている金融資産は、以下の表のとおりである。
以下の日付現在
(単位:百万米ドル)
2020年12月 2019年11月 2018年12月1日
$ - $ 2 $ -
マネー・マーケット商品
政府債および政府機関債 16,340 27,609 22,938
モーゲージおよびその他の
資産担保ローン・証券 347 147 -
企業債務商品 7,660 8,328 6,549
持分証券 32,454 32,443 20,387
特定取引現物商品 56,801 68,529 49,874
政府債および政府機関債 - 17 13
企業債務商品 399 852 767
持分証券 9 10 73
投資資産 408 879 853
合計 $57,209 $69,408 $50,727
上記の表では、関連する金融負債の帳簿価額は通常、譲渡された資産の帳簿価額に近似している。
認識を中止したが継続的なエクスポージャーがある資産 当社は、デリバティブ取引および保証の形で、当社が金
融資産を譲渡した一部の非連結ストラクチャード・エンティティに継続的に関与している。それらのデリバティブ
は譲渡された資産にクレジット・リンクされていることがあり、したがって、当社は譲渡された資産の特定のリス
クを保持する、または特定の偶発事象が発生した場合、資産の損失を補てんするためにストラクチャード・エン
ティティに支払いを行うことを求められることがある。
また、当社は金融資産を証券化ビークルに譲渡する。当社は通常、譲渡された資産と引き換えに現金を受け取る
が、主に債務商品の形式の証券化金融資産における受益持分を所有するなど、譲渡された資産に継続的に関与する
こともある。当社はまた、流通市場におけるマーケット・メイキング取引に関連して、証券化ビークルが発行した
優先証券または劣後証券を購入することもある。
当社が譲渡された資産にデリバティブまたは保証を通じて継続的に関与する場合、損失の最大エクスポージャーは
デリバティブまたは保証の想定元本である。証券化資産の保持している、または購入した持分について、当社の損
失リスクはそれら持分の公正価値に限られる。いずれの場合も、保持する持分は公正価値で計上されている。
当社は譲渡前の資産を公正価値で会計処理しているため、通常、資産の譲渡時に重大な損益を認識しない。当社
は、当社に認識が中止された金融資産を買い戻すことを義務付ける可能性がある継続的な関与を行っていない。
継続的に関与することによるエクスポージャーおよびそれら取引に係る損益は、以下のとおりである。
損失に対する最大
(単位:百万米ドル) 帳簿価額 エクスポージャー
2020年12月現在
資産
特定取引現物商品 $ - $ -
デリバティブ商品 76 619
特定取引資産 76 619
$ 76
合計 $619
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負債
デリバティブ商品 $(13) $299
特定取引負債 (13) 299
合計 $(13) $299
2019年11月現在
資産
$ 46
特定取引現物商品 $ 1
デリバティブ商品 85 693
特定取引資産 86 739
$ 86
合計 $739
負債
デリバティブ商品 $(20) $245
特定取引負債 (20) 245
合計 $(20) $245
2018年12月1日現在
資産
特定取引現物商品 $ - $ -
デリバティブ商品 63 802
特定取引資産 63 802
$ 63
合計 $802
負債
$ (1)
デリバティブ商品 $111
特定取引負債 (1) 111
$ (1)
合計 $111
期間の収入/ 累積収入/
(単位:百万米ドル) (費用) (費用)
2020年12月現在
資産
$ -
特定取引現物商品 $133
デリバティブ商品 22 211
特定取引資産 22 344
合計 $22 $344
負債
$ (4)
デリバティブ商品 $(3)
特定取引負債 (3) (4)
顧客等未払債務 - (1)
$ (5)
合計 $(3)
2019年11月現在
資産
$ 1
特定取引現物商品 $133
デリバティブ商品 68 189
特定取引資産 69 322
合計 $69 $322
負債
$ (1)
デリバティブ商品 $34
特定取引負債 34 (1)
顧客等未払債務 - (1)
$ (2)
合計 $34
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取締役報告書
取締役は、2020年12月期の取締役報告書および監査済財務書類を提示している。
はじめに
2006年英国会社法セクション414Aに従い、取締役は戦略報告書を作成した。この戦略報告書はアニュアル・レ
ポートのパートⅠに含まれており、当社の事業の総括、ならびに当社が直面する主要なリスクおよび不確実性の
記述を含んでいる。取締役は、2006年英国会社法セクション414C(11)に従って、市場リスク、信用リスクおよび
流動性リスクに対するエクスポージャーを含む当社のリスク管理の目的および方針、ならびに当社の将来の見通
しを戦略報告書に開示することを選択した。
コーポレート・ガバナンス
当社には、事業運営へのアプローチに組み込まれた、堅固なコーポレート・ガバナンスの枠組がある。この枠組
は、法律および規制上の要件、ならびに当社に関連し、また当社の事業及び株主構成にとって適切な、様々な組
織が公表するガイダンスに合致している。当社はまた、GSグループ内の全額出資子会社として、そのコーポレー
ト・ガバナンスをGSグループのものと合致させている。当社のガバナンスの取り決めは概ね英国財務報告評議会
(FRC)の「非公開大会社のためのウェイツ・コーポレート・ガバナンス原則」に沿っているが、2020年12月に終
了した期間において、いかなるコーポレート・ガバナンス・コードを適用したわけではない。
取締役会の役割 取締役会は当社の経営に対するすべての責任を負う。この役割の一環として、取締役会は 当社
の 戦略的目標、リスク戦略および内部ガバナンスの承認および実行の監視を行う。取締役会は、財務および業務
運営の統制ならびに法令遵守を含む、 当社の 会計および財務報告システムの完全性をモニターし、経営陣を監視
する。
目的、価値および文化 これらの責任範囲の一部は取締役会が設置する委員会に委任されるが、取締役会は当社
の戦略的方向性および文化に全体的な責任を負う。
GSグループ全体としての目的は、世界における持続可能な経済成長および経済的機会を増進することである。GS
グループ内の子会社として、当社はこの目的を共有する。
当社は、社員のプロ意識、卓越性、多様性、連携および高水準の商業倫理を育む労働環境を維持すべく努力して
いる。当社は、顧客に対して素晴らしい成果をもたらすためには、最も能力が高い人員が必要であると認識して
いる。性別、民族性、性的指向、バックグラウンド、文化および教育の観点から多様な労働力を有することによ
り、より良いアイデア、商品およびサービスの開発が確保される。
取締役会は、当社の文化を維持し発展させることの重要性を認識しており、「経営陣からの基本方針」を設定し
てそれを実行し、当社の経営陣がいかに文化と価値を発展させているかを監視している。取締役会は、文化、行
動ならびにダイバーシティー及びインクルージョンに関して、経営陣から定期的に最新情報の説明を受けてい
る。
GSグループは、14の経営方針で補足されたビジネス上の行動および倫理規範ならびに内部方針の要約を整備し、
従業員に通知し仕事の中で指導している。
戦略 GSグループは、顧客に応じて変化する戦略により、顧客のために持続可能で長期的なリターンを生むこと
に重点を置いている。その戦略は3つの中核的な目標で構成される。
・ 既存ビジネスの拡大および強化。既存顧客との関係を深め、新たな顧客に対するサービス提供能力を拡充す
る。
・ ビジネス・ミックスの分散化。新たなプロダクトおよびサービスの開始によるものを含む、フィービジネスま
たは経常収益の増加。
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・ 営業効率の向上を実現。当社の長年にわたる統制およびリスク管理機能の強みを損なうことなく、経費、調達
コストおよび資本を含むGSグループの全領域において効率を追求。
当社の戦略は、GSグループと歩調を合わせ、取締役会による監視の下、経営陣によって実行される。当社の最高
経営責任者は、取締役会において当社の戦略的目標に対する最新の実績を報告する。
取締役会の構成 取締役は、当社のビジネスの効果的な監視にふさわしい、広範囲のスキル、経歴、経験および
知識を集合的に保有している。取締役会議長および最高経営責任者の職務は異なる個人が務めている。
取締役会は、その規模と構成が、当社が行う事業活動を監視するために適切であると考えている。2020年12月現
在、取締役会は11名の取締役で構成されており、そのうち6名は独立取締役である。当社には、監査、リスク、
指名および報酬取締役会委員会がある。
取締役会指名委員会は、取締役会メンバーに適任な候補者の特定および推薦、ならびに、取締役会の多様化を含
む、新たな取締役を選任するためのプロセスおよび基準を設定する後継者育成フレームワークの活用に責任を持
つ。スキルのマトリックスを利用することにより、取締役会の経験および専門知識を個々および全体として評価
することが可能になる。新しい取締役は、包括的かつ個々に即した就任プログラムを提供される。取締役会の議
長は、取締役のために行われている、知識および取組を強化するための研修および能力開発プログラムを監視す
る。
取締役会指名委員会は、取締役会、その委員会ならびにその委員長およびメンバーの有効性を監視し、毎年評価
する。同委員会はまた、独立取締役と非独立取締役のバランスを含む、取締役会の規模、構造および構成を検討
する。
取締役の利益相反および予想される必要な拘束時間へのアプローチが新たに就任する各取締役と話し合われ、適
合性および適切性の評価プロセスの一環として毎年見直される。すべての取締役は、彼らが就くことを許された
取締役職の数に関する規制上の要件を満たしている。
責任および説明責任 当社のカバナンス・モデルは、上級管理者制度および認定制度を完全に組み込んでいる。
取締役会は様々な取締役会委員会によってサポートされており、それぞれの委員会には、与えられた職務および
責任を明記した定款がある。これらの委員会は非業務執行役員のみで構成されているため、経営陣を監視し、彼
らに異議を申し立てることができる。取締役会委員会の委員長は、委員会の討議内容および提言に関して取締役
会に報告する。一定の事項については取締役会のみによる判断に委ねられる。
GSI 取締役会リスク委員会および GSI 取締役会監査委員会の詳細については、戦略報告書の「 Overview and
Structure of Risk Management - Structure 」セクションに記載されている。
機会およびリスク 当社は、当社が成功するためには、効果的なリスク管理が重要であると考えている。そのた
め当社は、リスク管理に対し包括的かつ統合的なアプローチを用いるエンタープライズリスク管理の枠組を設定
し、業務遂行に伴うリスクの特定、評価、モニタリングおよび管理を行う。当社のリスク管理の体制は、ガバナ
ンス、プロセスおよび人員の3つの核となる要素を中心に構築されている。
リスク管理ガバナンスは、当社の取締役会を出発点としている。当社の取締役会は、直接的に、またGSI取締役会
リスク委員会およびGSIリスク委員会を含む諸委員会を通じて、エンタープライズリスク管理の枠組を通じて実施
される当社のリスク管理の方針および実務を監督している。取締役会は、当社のリスク選好度ステートメントの
毎年の見直しおよび承認について責任を負っている。ステートメントには、当社が規制上の要件を遵守しなが
ら、その戦略的事業計画に含まれる目標を達成するために受け入れる用意があるリスクの水準および種類が記載
されている。上記の当社の戦略はGSグループの戦略と連携しており、取締役会は最終的に、当社の戦略的事業計
画およびリスク選好度に関する方向性の提示および監視に責任を負っている。
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最高リスク責任者は、GSI取締役会リスク委員会に報告する。当社全体のリスク・ポートフォリオ見直しの一環と
して、最高リスク責任者は、定期的にGSI取締役会リスク委員会に対し、当社のリスク選好度ステートメントが定
めたリスク限度および基準値を含む、関連するリスク指標および重要なエクスポージャーを報告する。
GSI 取締役会リスク委員会の詳細については、戦略報告書の「 Overview and Structure of Risk Management -
Structure 」セクションに記載されている。
報酬の枠組 人材を惹き付け確保することは、GSグループの企業としての長期的な成功にとって必須である。報
酬は、その体系が適切であれば、人材を惹き付け、確保し、かつ動機付けし、さらにGSグループの文化を強化す
る重要な手段である。GSグループの報酬指針は、ゴールドマン・サックスの公開ウェブサイトに掲載されてい
る、ゴールドマン・サックス報酬指針に反映されている。具体的には、効果的な報酬慣行は、(i)個人の短期的な
利益を企業の長期的な利益に結びつけることで、真の意味でのチームワークとコミュニケーションを促し、(ii)
複数年ベースで業績を評価し、(iii)過度または集中的なリスク・テーキングを牽制し、(iv)企業が実績のある人
材を惹き付けて確保することを可能にし、かつ(v) GSグループの報酬の合計を、その期間の業績に連動させなけ
ればならない。
当社は、適用される規制ルールに従うと同時に、ゴールドマン・サックス報酬指針に可能な限り沿っていること
を確認して、報酬指針および慣行を策定している。従業員は業績連動型インセンティブ制度に参加している。
GSI取締役会報酬委員会は、これらの報酬指針および慣行の策定および実施を監視している。
利害関係者との関係 当社の利害関係者には、株主、従業員、供給業者、顧客、規制当局、ならびに当社が事業
を行っている地域および環境が含まれる。
株主との関係
当社はグループ・インクの全額出資子会社である。そのため、その目的、文化、価値および戦略を最終株主と共
有している。取締役会は、GSグループの戦略に関する最新情報を定期的に受け取っている。取締役会委員会の委
員長は、グループ・インクの取締役会のカウンターパートと定期的に会談している。当社の最高経営責任者は、
GSグループの経営委員会のメンバーであり、グループ・インクの取締役会の非業務執行役員の1人である。
従業員との関係
当社は従業員をその最も大切な財産と考えており、取締役会は会社と彼らとの関係を監視することに責任を負っ
ている。それは、ダイバーシティーおよびインクルージョンに関するものを含む、様々な指標に関する最新情報
が含まれている。
幹部経営陣は、事前に質問を募集し後にフィードバックを集める当社全体または地域の「タウンホール」ミー
ティング、外部および内部の講演者によるトークス・アットGS(Talks at GS)、定期的な従業員フィードバッ
ク、電子メールおよびボイスメールによるコミュニケーション、ならびに部門レベルでの管理者との交流など、
当該期間中様々な方法で従業員と交流した。従業員は、当社の業績に影響を与える財政および経済的要因を知る
ために、四半期ごとの決算発表の場に招待され、簡単な内部説明を受ける。高度な全社的イントラネットによっ
て、従業員の関与がさらに可能になる。
当社は、GSグループのダイバーシティーおよびインクルージョンの取組を支援しており、人々が本当の自分とし
て仕事をすることに安心感を覚え、最大の可能性を発揮するための力を与えられる労働環境を維持することに全
力を注いでいる。GSグループは、すべてのレベルでの多様な代表者を増やし、インクルージョンを促進するため
の様々な取組を行っている。当社は英国において従業員のための様々なアフィニティ・グループを支援してお
り、「U.K. Women in Finance Charter」および「U.K. Race at Work Charter」に署名している。
当社は、COVID-19パンデミックへの対応として、その従業員の健康と、重要な機能および顧客のサポート運営の
継続を確保するため、事業継続計画(BCP)戦略を始動した。当社は、リモートワークを行う従業員や、COVID-19
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に対し安全を確保した当社のオフィスで引き続き勤務する従業員を支援するための投資を行った。幹部経営陣
は、従業員に対し、COVID-19に関する政府および公共衛生機関からの最新の勧告に関する告知を定期的に行い、
利 用可能な支援の種類に関する当社の決定を周知するため、当社のパンデミックの管理に対する従業員の意見を
引き続きモニターしている。
他の利害関係者との関係
顧客 - 当社の最高経営責任者は定期的に顧客と面談し、顧客のイベントを主催し、イベントに参加している。 取
締役会全体として、経営陣から顧客との交流に関する最新情報の報告を定期的に受けている。
供給業者 - GSグループには、外部供給業者(ベンダー)の取引開始、利用および支払のための世界共通の基準お
よび手続きがある。供給業者は、その目的を達成するためにGSグループと協力する際に、業務、コンプライアン
スおよび財務の安定性要件を満たし、その供給業者が責任ある事業を行うことに対するGSグループの期待を記載
したGSグループのベンダー行動規範を遵守することが求められる。 環境、社会およびガバナンス(ESG)または現
代奴隷および人身取引に関連するリスクが高いと見られる業界の供給業者には、より厳格なデュー・デリジェン
スと監視が求められる。当社はこれに関し、取締役会が検討し承認した、現代奴隷法に関する年次ステートメン
トの中で報告している。GSグループには、そのベンダー多様化プログラムの一環として、小規模で多様化した企
業と協力してきた長い歴史があり、多様化した供給業者に対する支出を2025年までに(2020年を基準にして)50%
増やすことを公式に約束することで、その供給業者の基盤においてさらなる多様化を推進するための戦略を実行
してきた。
規制当局 - 当社は規制当局と活発に意見交換をしている。幹部経営陣および取締役は規制当局と頻繁に会談して
いる。FCAおよびPRAは定期的に取締役会に出席している。
環境 - GSグループは、その持続可能な金融のためのプラットフォームを通じて、持続可能性に世界規模で取り組
んでいる。 GSグループの持続可能な金融に対する取組は、2つの長期的な課題に重点を置いている。1つは顧客
および利害関係者の低炭素経済への移行を支援することによってグローバルな気候移行を加速することであり、
もう1つは、その事業能力を活用して十分なサービスを受けていない人々の金融商品・サービス、教育・医療、
住宅・インフラ開発へのアクセスと購買力を改善することによってインクルーシブな経済成長を牽引することで
ある。GSグループは、持続可能な資金調達、投資およびアドバイザリー活動に、2030年までに7,500億米ドルを投
じることを確約しており、当社もその一翼を担う予定である。
そのESGの枠組の一環として、GSグループのCorporate and Workplace Solutions部門は、最高水準の環境的に持
続可能な基準を守る施設、カーボンフットプリントおよびエネルギー利用削減の取組、持続可能な方法で生産さ
れる商品の利用および省資源を確保しながら、オペレーションの回復力を通じて、GSグループのグローバル業務
およびサプライチェーンの環境への影響を削減することを目指している。このアプローチは、当社を含むGSグ
ループのすべての事業体に一貫して適用される。GSグループは2015年以降、その業務およびビジネス・トラベル
すべてについてカーボン・ニュートラル化しており、電力を再生可能な出所から100%調達するその2020年目標を
達成した。
コミュニティ - 当社は、Office of Corporate Engagementが取りまとめている世界的な取組により、多くの方法
でそのコミュニティを支援している。これらには、小規模企業のオーナーが、教育、資本および事業サポート・
サービスへのアクセスを提供することで、雇用および経済的機会を創出することを支援する1万人小規模企業起
業家プログラムと、女性の起業家にビジネスおよび経営に関する教育、メンタリングおよびネットワーキングな
らびに資本へのアクセスを提供することにより経済成長を促進する、1万人の女性プログラムが含まれる。慈善
活動には、革新的なアイデア、経済および社会課題の解決、ならびに十分なサービスを受けていないコミュニ
ティにおける発展を可能にするための支援を行うゴールドマン・サックス・ギブズと、非営利団体と連携した作
業を通じて、当社の従業員がそのアイデア、時間および専門知識を提供することにより、コミュニティの目に見
える発展の促進を可能にする、コミュニティ・チームワークのボランティア活動が含まれる。
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財務報告に係る内部統制 当社の経営陣は、財務報告に係る適切な内部統制の構築および維持に責任を負う。当
社の財務報告に係る内部統制は、財務報告の信頼性、およびIFRSに準拠した外部報告目的の財務書類の作成に関
し、合理的な保証を提供することを目的として整備されている。
当社の財務報告に係る内部統制には、取引および資産の処分を合理的に詳細、正確かつ公正に反映する記録の維
持、IFRSに準拠した財務書類の作成に必要な取引が記録されていることについての、また収入および支出が当社
の経営陣および取締役の承認に基づいてのみ発生していることに対する合理的な保証の提供、ならびに財務書類
に重要な影響を及ぼす可能性のある当社の資産の未承認の取得、利用または処分の防止または適時の発見に関す
る合理的な保証の提供などについての方針および手続きが含まれている。
セクション172(1)ステートメント
2006年英国会社法セクション172の下で、当社の取締役は、その利害関係者全体の利益のために、当社の成功を最
も促進する可能性が高いと彼らが誠実に考える方法で行動することが求められている。セクション172では、取締
役は、すべての決定が長期的に引き起こしうる結果、当社の従業員の利益、当社が顧客、供給業者およびその他
との関係を促進する必要性、当社のオペレーションがコミュニティおよび環境に与える影響、ビジネス上の行動
が高水準であるとの評判を維持するための当社の望ましい状況、ならびに当社の利害関係者に対し公平に行動す
る必要性について、特に考慮するよう求められている。
取締役は、セクション172の下でその義務を果たす際には、上記の要素を慎重に検討した上で、取締役会として取
締役の意思決定を通知している。当社は、ゴールドマン・サックスの公開ウェブサイトに記載されているGSグ
ループのビジネス上の行動および倫理規範を支持し、最高水準の倫理基準に従い、かつすべての関連する法令、
ルールおよび規制を遵守してビジネスを行うことを目指している。
取締役は当社のすべての利害関係者と効果的に関与することを徹底している。彼らは、これらの利害関係者と強
固な関係を築くことが、当社が長期的な価値に沿って戦略を実行し、ビジネスを持続可能な方法で行う助けとな
ると認識している。取締役会は、各グループの関連する利益および優先事項を理解してバランスを取り、彼らの
討議および意思決定プロセスにおいて、必要に応じてこれらを考慮するよう努めている。その一環として、取締
役会は、当社の最高経営責任者から、彼の顧客との関係や、それらがどのように当社の戦略を形づくるかについ
て定期的に最新情報を受け取る。また、当社の株主からフィードバックを受け取る。取締役会の厳格な課題設定
手続きのため、利害関係者に関連する課題は頻繁かつ適時に取締役会に提出される。
また、取締役会は、当社の利害関係者に影響を与える主要な課題への理解をさらに深めるため、研修を受け、他
の情報を入手する可能性がある。取締役会は、利害関係者との関係に関して整備されたシステムおよび統制をよ
り詳細に検討する、GSI取締役会監査委員会、GSI取締役会リスク委員会およびGSI取締役会報酬委員会からさらに
支援を受ける。
当社の利害関係者との関係の詳細については、上記「コーポレート・ガバナンス - 利害関係者との関係」に記載
されている。
炭素、エネルギーおよびビジネス・トラベル消費および報告
当社の主な温室効果ガス(GHG)排出源は、オフィス設備の運用、専用のデータ・センターおよびビジネス・トラ
ベルである。GSグループは、2015年以降世界の業務およびビジネス・トラベル全体でカーボン・ニュートラル化
を実現してきた。英国で当社が利用する事務所およびデータ・センターは、電力の100%を再生可能な電力で調達
している。
GSグループは以下の2025年グローバル目標の達成を確約している。
・ 運用を管理しているオフィスのエネルギー使用量を、2017年を基準として20%削減する。
・ カーボン・ニュートラル化のコミットメントのうち、ビジネス・トラベルに関するスコープ3を拡大してホテ
ルの宿泊を含むこととする。
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・ 再生可能エネルギー調達のうち80%を、電力購入契約または施設内での発電のような、長期の影響力の強い契
約によるものとする。
・ ビジネス・トラベルによる環境への影響を最小限にするため、ゴールドマン・サックスの従業員のためにグ
リーン・トラベラー・プログラムを創設する。
GSグループは、そのエネルギー消費の削減と効率的なオフィスの運用が、低炭素経済への移行の重要な構成要素
の1つであることを認識している。GSグループは、より効率的な不動産にオペレーションを統合し、既存のス
ペースをより高水準なものに改良することにより業務の影響を削減することに重点を置いて、この移行における
その役割を果たすことに全力を尽くしている。持続可能な金融戦略、エネルギー消費および炭素排出量を含む、
GSグループの持続可能性への取組に関する詳細は、ゴールドマン・サックス持続可能性年次レポートに記載され
ており、以下にて閲覧できる。www.goldmansachs.com/s/sustainability-report
エネルギー消費量および炭素排出量報告(SECR)規制
下記の表は、当社の英国でのエネルギー消費量および関連するGHG排出量に加え、SECRのための正常化指標を示し
ている。複数のGSグループの子会社が同じオフィス・スペースを利用しているため、GSグループ全体の英国のエ
ネルギー消費量ならびに関連するスコープ1および2GHG排出量は、当社の英国における社員数(他のGSグループ
の企業に出向している社員を除く)のGSグループの英国総社員数に対する割合に基づいて配分されている。
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下記の表は、当社のエネルギー消費量を示す。
12 月31日に終了した
12 ヵ月間
メガワット/時
2020 2019
エネルギー消費量合計 50,305 84,199
下記の表は、当社のGHG排出量を示す。
12 月31日に終了した
12 ヵ月間
二酸化炭素換算トン
2020 2019
スコープ1
直接排出量 1,840 2,670
スコープ2
所在地 - 間接排出量 9,626 18,182
市場 - 間接排出量 – –
スコープ3 ビジネス・トラベル
民間航空路 2,958 16,849
地上の移動 21 34
合計
スコープ1、2(所在地) 11,466 20,852
スコープ1、2(所在地)および3 ビジネス・トラベル 14,445 37,735
スコープ1、2(市場)および3 ビジネス・トラベル 4,819 19,553
下記の表は当社の正常化指標を示す。
12 月31日に終了した
12 ヵ月間
二酸化炭素換算トン/英国従業員
2020 2019
スコープ1、2(所在地) 3.1 5.7
GSグループの排出量は、温室効果ガス議定書事業者排出量算定および報告基準(改訂版)に従って算出してい
る。GHGインベントリの境界は、業務統制アプローチを使用して定義されており、スコープ1、2および重大なス
コープ3のビジネス・トラベルに関してGSグループが原因となっている排出量を対象としている。この排出量は
英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省が公表している当該年の排出量係数を使用して算出している。
GSグループは、その業務から継続的にデータを収集しており、主な指標は事業所長から得て、GSグループのGHG排
出量報告運用手続によって集中管理されている。GSグループは、厳格な内部在庫管理計画を維持し、継続的にそ
の炭素算出方法を向上させ、かつスコープ1、2およびスコープ3ビジネス・トラベルの排出量に関し第三者の
検証を得ることにより、その環境指標およびデータ収集プロセスの正確性を確保している。
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当社のエネルギー消費量およびGHG排出量は、主に2019年に当社のロンドンでの業務を新しい本社に集約したこと
により、2019年12月に終了した12ヵ月間と比較して、2020年12月に終了した12ヵ月間には減少した。また、
COVID-19の流行のため、当社のオフィス業務およびビジネス・トラベルが制限され、エネルギー消費量およびGHG
排出がさらに減少した。
エネルギー効率を最大化する
GSグループのエネルギー効率を改善するための戦略は、よりエネルギー効率の良い不動産への移転、スペースの
集約、そして技術の改善である。これはロンドンで起きてきたことで、BRE環境評価法(BREEAM)で「優秀」と認
定された当社の新しいオフィスでは、電気・ガス・水道消費量を以前のオフィスに比べて50%削減した。
GSグループはグローバル・ワークスペース・スタンダードを採用し、座席当たりの床面積を25%以上削減し、その
結果エネルギー消費量と資材の使用を削減した。2019年に、従業員の30%が柔軟性のあるワークスペースを選択す
ることにより、労働環境の選択肢を増加させながら、1人当たりの床面積を削減し、よりエネルギー効率の良い
オフィスを実現した。
GSグループはまた、机上での電力管理、国際間移動の必要性を減らすためのビデオ会議サービスの改善、および
在宅ワークのための一連の協同ツールなど、新しい技術によるソリューションを採用している。
GSグループはさらに、施設の集約、電力供給および冷却システムの効率向上、ならびにより効率的な技術機器の
活用により、データ・センターの建物インフラおよび技術システムの運用効率を最大化することに取り組んでい
る。
障がい者の雇用
障がい者による採用への応募については、各応募者の適性および能力面に関して十分かつ公平な検討が行われ
る。雇用中に障がい者となった従業員については、GSグループ内でキャリアを継続できるように努めている。障
がい者の研修、キャリア開発および昇進は、障がいのない他の従業員とできる限り同一としている。
寄付金
当社は、2020年12月期は57百万米ドル、2019年11月期は28百万米ドルの寄付を行った。これには、イングランド
およびウェールズにおける一般慈善目的の登録慈善団体であるゴールドマン・サックス・ギブズ(英国)に対す
る2020年12月期において52百万米ドルおよび2019年11月期において26百万米ドルの寄付が含まれる。
配当金
取締役は、2019年11月26日に、10.0億米ドルの中間配当金を決議し、支払った。
為替レート
2020年12月現在の英ポンド/米ドル為替レートは、1ポンド/1.3653米ドル、2019年11月現在は1ポンド/
1.2932米ドル、2018年12月1日現在は1ポンド/1.2743米ドルである。当該期間の平均レートは、2020年12月期
は1ポンド/1.2950米ドル、2019年11月期は1ポンド/1.2748米ドルであった。
監査人への情報開示
取締役報告書の承認日において在任している各取締役については、以下のとおりである。
・ 各取締役が認識している限りにおいて、当社の監査人が認識していない関連する監査情報はない。
・ 各取締役は、取締役として取るべきあらゆる措置を講じて、関連する監査情報を自身で認識し、当社の監査人
が当該情報を認識していると考えている。
独立監査人
当社は、2021年12月31日に終了する会計期間の当社の監査人としてプライスウォーターハウスクーパース・エル
エルピーを再任することを決議した。
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財務書類に関する取締役の責任に関する報告
取締役は、適用される法令に従って、戦略報告書、取締役報告書および財務書類を作成する責任を負う。英国会
社法は、取締役に各会計期間の決算書類を作成することを義務付けている。同法に基づき、取締役は、2006年会
社法および欧州議会・理事会規則1606/2002に基づいて採択された欧州連合で適用される国際財務報告基準
(IFRS)の要件を満たす国際会計基準に従って財務書類を作成した。
会社法では、取締役は、財務書類が当社の業務および当該期間の当社の損益に関する真実かつ公正な概観を示し
ていると納得しない限り、当該財務書類を承認してはならない。
当該決算書類の作成にあたり、取締役は以下を要求されている。
・ 適切な会計方針を選択し、一貫して適用する。
・ 合理的かつ慎重な判断および見積りを行う。
・ 2006年会社法および欧州議会・理事会規則1606/2002に基づき採択された欧州連合で適用される国際財務報告
基準(IFRS)の要件を満たす国際会計基準が遵守されており、重要性な逸脱が財務書類において開示および説
明されているか否かを記述する。
・ 当社が存続すると仮定することが適切でない場合を除き、継続企業の前提に基づいて決算書類を作成する。
取締役は、当社の取引を表示し説明するのに十分で、当社の財政状態をいつでも合理的な正確性をもって開示
し、決算書類が2006年英国会社法に適合することを確実にするために適切な会計記録を保持する責任を負う。ま
た、当社の資産を保全する責任も負っており、このため不正やその他の不法行為の予防や発見に向けた合理的な
措置を講じる責任を負う。
取締役は、ゴールドマン・サックスのウェブサイトに掲載される当社の財務書類の維持と完全性に責任を負う。
財務書類の作成と配布に関する英国の法律は、他の法域の法律とは異なる場合がある。
取締役の確認
取締役は、自らの知識を最大限に活用して以下を確認する。
・ 2006年会社法および欧州議会・理事会規則1606/2002に基づいて採択された欧州連合で適用される国際財務報
告基準(IFRS)の要件を満たす国際会計基準に従って作成された財務書類は、当社の資産、負債、財政状態お
よび損益について真実かつ公正な概観を与えている。
・ 戦略報告書には、当社が直面する主要なリスクおよび不確実性に関する記述とともに、当社の経営成績および
財政状態に関する公正な総括が含まれている。
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取締役
別途記載のない限り、当会計期間を通じて、また本報告書作成日まで在任していた当社の取締役は、以下のとお
りである。
氏名
J.M.D. バローゾ、議長
S.A. ボイル
C. クリップス
R.J. グノーデ、最高経営責任者
グラビナー卿 QC
S.P. ジーマー(2020年11月5日就任)
N. ハーマン
D.W. マクドナー
T.L. ミラー OBE
E.E. ステッチャー
M.O. ウィンケルマン
期末時点で、本稿に注記を要する利害関係を有する取締役はいなかった。
発行承認日
この財務書類は、2021年3月11日に取締役会によって発行が承認された。
取締役会の命により
D.W. マクドナー
取締役
2021年3月24日
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B.2019年11月30日に終了した期間の財務書類
(1) 損益計算書
以下で終了した期間
2019 年11月 2018 年 11 月
注記
百万米ドル 百万円 百万米ドル 百万円
4, 5 $ 8,096 \ 884,974 $ 7,866 \ 854,326
純収益
一般管理費 6 (5,440) (594,646) (4,6 07 ) (503,591)
営業利益 2,656 290,327 3,25 9 356,241
支払利息等 9 (243) (26,562) (237) (25,906)
金融収益純額 10 13 1,421 8 874
税引前利益 2,426 265,186 3,0 30 331,209
法人税等
12 (624) (68,209) ( 832 ) (90,946)
$ 1,802 \ 196,977 $ 2,198 \ 240,263
当期純利益
当社の純収益および営業利益は、当期および過去の期間の継続事業から生じたものである。
(2) 包括利益計算書
以下で終了した期間
2019 年11月 2018 年 11 月
注記
百万米ドル 百万円 百万米ドル 百万円
$ 1,802 \ 196,977 $ 2,198 \ 240,263
当期純利益
その他の包括利益
純損益にその後に振替えられることのな
い項目
年金制度に関連する保険数理上の利益/
10 (159) (17,380) 61 6,668
(損失)
債務評価調整 (201) (21,971) 465 50,829
その他の包括利益の構成要素に帰属する
17 90 9,838 (137) (14,975)
英国繰延税金
その他の包括利益の構成要素に帰属する
1 109 1 109
英国当期税金
当期その他の包括利益 / ( 損失 )
(269) (29,404) 390 42,631
( 税引後 )
$ 1,533 \ 167,572 $ 2,588 \ 282,894
当期包括利益合計
添付の注記は財務書類の一部である。
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(3) 貸借対照表
2019 年 11 月現在 2018 年 11 月 現在
注記
百万米ドル 百万円 百万米ドル 百万円
\ 44,708
固定資産 13 $ 409 $ 315 \ 34,433
流動資産
保有金融商品(2019年11月および2018年11
月現在、担保として差入れた保有金融商
14 788,407 86,180,769 594,129 64,944,241
品それぞれ 35,335百万米ドル および
20,550百万米ドルを含む)
担保付契約 15 156,348 17,090,400 203,334 22,226,440
未収金 16 73,693 8,055,382 64, 793 7,082,523
現金・預金 24 22,397 2,448,216 24,396 2,666,727
1,040,845 113,774,767 886, 652 96,919,930
短期債務:1年以内に期日の到来する金
額
売却済未購入金融商品 14 (714,640) (78,117,298) (545,987) (59,681,839)
担保付借入金 18 (124,740) (13,635,329) (141,840) (15,504,530)
その他未払金 19 (93,476) (10,217,862) (97,151) (10,619,576)
(932,856) (101,970,489) (784,978) (85,805,945)
純流動資産 107,989 11,804,278 101, 674 11,113,985
流動負債控除後資産合計 108,398 11,848,985 101,989 11,148,418
長期債務:1年を超えて期日の到来する
金額
担保付借入金 18 (5,347) (584,481) (10,305) (1,126,440)
その他未払金 19 (69,066) (7,549,604) (58,095) (6,350,364)
(74,413) (8,134,085) (68,400) (7,476,804)
負債性引当金 20 (1) (109) ( 78 ) (8,526)
年金制度の積立余剰額を除く純資産 33,984 3,714,791 33,5 11 3,663,087
年金制度の積立余剰額 10 264 28,858 406 44,380
$ 34,248 \ 3,743,619 $ 33,9 17 \ 3,707,467
年金制度の積立余剰額を含む純資産
資本金および剰余金
払込資本金 21 $ 590 \ 64,493 $ 582 \ 63,618
資本剰余金 5,196 567,975 4,864 531,684
利益剰余金 20,330 2,222,272 20, 070 2,193,852
その他の包括利益累計額 (168) (18,273) 101 11,040
その他資本性金融商品 22 8,300 907,273 8,300 907,273
$ 34,248 \ 3,743,619 $ 33,9 17 \ 3,707,467
株主持分合計
財務書類は2020年3月11日に取締役会で承認された。
D.W. マクドナー
取締役
2020 年3月23日
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添付の注記は財務書類の一部である。
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(4) 持分変動計算書
以下で終了した期間
2019 年11月 2018 年 11 月
注記
百万米ドル 百万円 百万米ドル 百万円
払込資本金
\ 63,618 \ 63,618
期首残高 $ 582 $ 582
株式の発行 21 8 874 17 1,858
株式の消却 21 – – (17) (1,858)
期末残高 590 64,493 582 63,618
資本剰余金
期首残高 4,864 531,684 4,864 531,684
株式の発行 21 332 36,291 – –
期末残高 5,196 567,975 4,864 531,684
資本準備金 ( 配当不能 )
期首残高 – – 17 1,858
株式の引受け 21 – – (17) (1,858)
期末残高 – – – –
利益剰余金
期首残高 20, 070 2,193,852 20,727 2,265,668
IFRS 第 15 号の適用による利益剰余金への
– – (5) (547)
累積影響額 ( 税引後 )
当期純利益 1,802 196,977 2, 198 240,263
株式の消却 21 – – 17 1,858
中間配当 23 (1,000) (109,310) (2,500) (273,275)
その他 Tier 1債に係る利息 ( 税引後 ) 22 (542) (59,246) (367) (40,117)
株式報酬 452 49,408 405 44,271
株式報酬に関する関係会社からの費用振
(452) (49,408) (405) (44,271)
替え
期末残高 20,330 2,222,272 20, 070 2,193,852
その他の包括利益累計額
期首残高 101 11,040 (289) (31,591)
その他の包括利益/(損失) (269) (29,404) 390 42,631
期末残高 (168) (18,364) 101 11,040
その他資本性金融商品
期首残高 8,300 907,273 5,800 633,998
その他Tier1債の発行 22 – – 2,500 273,275
期末残高 8,300 907,273 8,300 907,273
$ 34,248 $ 33, 917
株主持分合計 \3,743,649 \3,707,467
添付の注記は財務書類の一部である。
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(5) キャッシュ・フロー計算書
以下で終了した期間
2019 年11月 2018 年 11 月
注記 百万米ドル 百万円 百万米ドル 百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー
\ 55,748 \ 653,674
営業活動から生じたキャッシュ 25 $ 510 $ 5,980
税金還付額 3 328 1 109
税金支払額 (151) (16,506) (252) (27,546)
営業活動による純キャッシュ 362 39,570 5,729 626,237
投資活動によるキャッシュ・フロー
固定資産に係る資本的支出 (223) (24,376) (172) (18,801)
投資活動に使用された純キャッシュ (223) (24,376) (172) (18,801)
財務活動によるキャッシュ・フロー
その他 Tier 1債の発行による収入 22 – – 2,500 272,275
普通株主からの払込みによる収入 21 340 37,165 – –
中間配当 23 (1,000) (109,310) (2,500) (273,275)
その他 Tier 1債に係る利息支払額 22 (742) (81,108) (503) (54,983)
長期劣後ローンの利息支払額 19 (289) (31,591) (54) (5,903)
財務活動に使用された純キャッシュ (1,691) (184,843) (557) (60,886)
- -
現金および現金同等物純増加/(減少)額 (1,552) (169,649) 5,000 546,550
現金および現金同等物期首残高 24,243 2,650,002 20,654 2,257,689
現金および現金同等物に係る為替差損 (332) (36,291) (1,411) (154,236)
$ 22,359 $ 24,243
現金および現金同等物期末残高 24 \2,444,062 \2,650,002
非資金活動に関する詳細は注記21を参照のこと。
添付の注記は財務書類の一部である。
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(6) 財務書類に対する注記
注記1
一般情報
当社は非上場無限責任会社であり、イングランドおよびウェールズで設立され、本社を置いている。登記した事務
所の所在地は、英国 EC4A 4AU ロンドン市シュー・レーン25、プラムツリー・コートである。
当社の直接の親会社は、イングランドおよびウェールズで設立され、本社を置いている、ゴールドマン・サック
ス・グループ・UK・リミテッド(以下「GSG UK」という。)である。GSG UKおよびその連結子会社を「GSG UKグルー
プ」という。
最終の支配会社および連結財務書類が作成される最小および最大単位のグループの親会社は、アメリカ合衆国で設
立されたザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク(以下「グループ・インク」という。)である。その連結
財務書類および一定の法定提出書類(様式10-Q四半期報告書および10-K年次報告書等)においてザ・ゴールドマン・
サックス・グループ・インクおよびその連結子会社(以下「GSグループ」という。)ならびにその事業活動の追加情
報が提供されており、これらはGSグループの主要な事業拠点である、アメリカ合衆国10282ニューヨーク州 ニュー
ヨーク、ウェスト・ストリート200のインベスター・リレーションズ、またはwww.goldmansachs.com/investor-
relationsから入手することができる。
バーゼル3第3の柱の開示
当社は、EU自己資本規制(以下「CRR」という。)により要求されるとおり、GSG UKの連結第3の柱の開示に含まれ
ている。GSG UKの2019年11月に終了した期間における第3の柱は、連結財務情報の公表に合わせて
www.goldmansachs.com/disclosuresにて開示される予定である。
国別報告書
当社は、2013年自己資本(国別報告書)規制により要求されるとおり、GSG UKの国別連結報告書の開示に含まれてい
る。GSG UKの2019年11月に終了した期間における国別開示は、2020年12月31日までに
www.goldmansachs.com/disclosuresにて行われる予定である。
注記2
重要な会計方針の要約
作成基準
当社は英国会計基準に従って財務書類を作成している。本財務書類は、FRS第101号「簡易化された開示のフレーム
ワーク」(以下「FRS第101号」という。)に従って作成された。
本財務書類は、継続企業の前提および取得原価主義(以下の「年金制度」ならびに「金融資産および負債」に示し
た修正後)に基づいて、2006年会社法に従って作成されている。
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2018 年に、当社は会計上の基準日を12月31日から11月30日に変更した。そのため、本財務書類は2019年11月30日に
終了した12ヵ月について作成されており、比較情報は2018年11月30日に終了した11ヵ月について表示されている。
結果として、本財務書類に表示されている金額は、直接比較可能ではない。
本財務書類の作成に際して、EUが採択した国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)の開示要件について、FRS第
101号に従い以下の例外が適用されている。
・IFRS第2号「株式報酬」第45項(b)および第46項から第52項。これらは、グループ・インクの連結財務書類に開
示されている。
・IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下「IFRS第15号」という。)の第110項第2文、第113項(a)、第
114項、第115項、第118項、第119項(a)から(c)、第120項から第127項および129項
・IAS第1号「財務書類の表示」第38項における、以下についての比較情報の表示
・IAS第1号「財務書類の表示」第79項(a)(ⅳ)
・IAS第16号「有形固定資産」第73項(e)
・IAS第1号「財務書類の表示」第10項(f)、第16項および第40項AからD
・IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更および誤謬」第30項および第31項
・IAS第24号「関連当事者についての開示」第17項
・IAS第24号「関連当事者についての開示」における、GSグループ内で同様に100%所有されている会社との取引の
開示要件
連結
当社は、真実かつ公正な概観を勘案する上で子会社に重要性がないことから、2006年会社法第402項で認められて
いるとおり、連結財務書類を作成しないことを選択している。
本財務書類は個別財務書類である。
新会計基準、会計基準の改訂および解釈指針
IFRS 第16号「リース」 2016 年1月、国際会計基準審議会は、IFRS第16号「リース」(以下「IFRS第16号」とい
う。)を公表した。当該基準はIAS第17号「リース」、IFRIC第4号「契約にリースが含まれているか否かの判断」
およびSIC第15号「オペレーティング・リース-インセンティブ」に置き換わるもので、2019年1月1日以降に開
始する事業年度に適用され、早期適用が認められる。2017年11月、EUはIFRS第16号を承認した。
IFRS 第16号は、短期および少額資産以外のリースについて、原資産をリース期間にわたって使用する権利を表す使
用権資産と支払リース料に対する債務を表すリース債務を借手が貸借対照表に認識することを要求している。借手
はまた、リース債務に係る利息と使用権資産に係る減価償却費を損益計算書に認識することが要求されている。さ
らに、当該基準は、リース契約の性質および条件に関する詳細を含め、リースが借手の財政状態、経営成績および
キャッシュ・フローに及ぼす影響まで開示を拡大することを要求している。
当社は当該基準を2019年12月1日から適用した。当該基準の適用が当社の貸借対照表、包括利益またはキャッ
シュ・フローに及ぼす影響に重要性はなかった。
会計方針
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収益認識 純収益には、デリバティブ、有価証券およびその他の金融商品の第三者および関連会社の双方との取引
から生じた純利益、ならびに報酬および手数料が含まれる。これには関連する利息や配当も含まれる。当社の活動
の性質と業績をより有意義に開示に反映させるために、売上高ではなく純収益が開示されている。
損益を通じて公正価値で測定する金融資産および負債
損益を通じて公正価値で測定する金融資産および負債は公正価値で認識され、実現および未実現の損益は、関連す
る受取利息および受取配当金ならびに支払利息および支払配当金とともに純収益に含まれる。ただし、債務評価調
整(以下「DVA」という。)の場合は、損益において会計上のミスマッチが創出されるか拡大する場合を除き、その
他の包括利益で認識される。金融資産はビッド価格で評価され、金融負債はオファー価格で評価される。公正価値
測定において取引費用は算入されない。当社は一部の金融資産および負債を1つのポートフォリオとして測定する
(すなわち、市場リスクおよび(または)信用リスクに対する純エクスポージャーに基づき測定する)。
損益を通じて公正価値で測定する金融資産および負債の公正価値の変動に関連する未実現の損益は、純収益に、ま
たはDVAの場合はその他の包括利益に、約定日から認識される。
IFRS 第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」という。)のDVA関連の規定の適用にあたり、当社は、金融商品の公
正価値の変動の損益計算書における認識に関連するSI 2008/410のスケジュール1第40項の要求事項から逸脱して
いる。取締役会は、本財務書類を真実かつ公正な概観を示すものとするために、この逸脱は必要であると判断して
いる。当社のDVAの累積的影響の詳細については、注記19を参照のこと。
顧客との契約から生じる収益
投資銀行業務、投資運用業務ならびに執行および決済等のサービスに関する顧客との契約(以下「顧客との契約」
という。)から得た収益は、原取引に関連する履行義務が完了した時点で認識される。
当社が取引の本人である場合には、履行義務の一部または全部の充足に係る費用の総額として顧客との契約による
収益を認識している。当社が顧客へのサービスを提供する主たる義務を有する場合、当社は取引の本人である。当
社は、自ら履行義務を充足するか、または履行義務の一部または全部をその他のGSグループ事業体に代わりに充足
させる。こうした収益は純収益に認識され、発生した費用は一般管理費に認識される。
純収益は以下のとおり認識される。
・投資銀行業務
ファイナンシャル・アドバイザリー業務および引受業務からの報酬は、契約条件に基づいて原取引に関連する
サービスが完了した時点で、損益で認識される。
・投資運用業務
運用報酬は発生主義で認識され、通常はファンドまたは分離勘定の平均純資産価額に対する一定比率として算出
される。すべての運用報酬は関連サービスが提供される期間において認識される。
成功報酬はファンドの運用益に対する一定比率、あるいは特定のベンチマークまたはその他のパフォーマンス目
標を上回る超過運用益に対する一定比率として算出される。
・手数料および報酬
株式、オプションおよび先物市場ならびに店頭取引における顧客取引の執行および決済による手数料および報酬
は、売買の執行日に純収益に認識される。当社は、ソフトダラー取引に関連して、顧客に第三者によるリサー
チ・サービスも提供している。
オペレーティング・リース 当社は借手としてオペレーティング・リース契約を締結している。リース資産は貸借
対照表には認識されない。オペレーティング・リースに関する費用(貸手により付与されるインセンティブを調整
後)は、リース期間にわたって定額法で費用計上され、一般管理費に含まれる。
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短期従業員給付 賃金および給与といった短期従業員給付は、割引前の金額で測定され、従業員が当社に役務を提
供した期間において未払費用として計上される。グループの方針および過去の慣習に基づき貸借対照表日に推定的
債 務が存在している場合に、現金または株式報奨により支払われる年度末裁量報酬のための引当金が計上される。
株式報酬 グループ・インクは、当社の従業員に対して、役務と引き換えに、制限付株式ユニット(以下「RSU」と
いう。)およびストックオプションの形式で、株式報奨を発行している。報奨は持分決済型に分類されるため、従
業員との株式取引に係る費用は、報奨の付与日現在の公正価値に基づいて測定される。将来の役務提供を必要とし
ない株式報奨(退職適格従業員に付与された報奨を含む確定報奨)は、即時に費用計上される。将来の役務提供を必
要とする株式報奨は、関連する役務提供期間にわたり償却される。予想される失効は従業員株式報酬費用を算定す
る際に含められる。
グループ・インクは、通常、株式報奨の交付の際に普通株式の新規発行を行っている。規制により禁止されていな
い限りは、発行済みのRSUについて配当金相当額を支払っている。当社は、グループ・インクとチャージバック契
約も締結しており、当該契約に基づき、当社は当該報奨の付与日現在の公正価値とその後の公正価値の変動額を、
従業員への交付時にグループ・インクに支払うことになっている。このため、株式報酬取引およびチャージバック
契約により、当該報奨の付与日現在の公正価値(当該報奨の交付までの公正価値の変動額調整後)に基づく費用合計
が損益計算書に計上される。
配当金 最終株式配当金は会社の株主が配当金の承認を行った期において負債として認識され、資本から控除され
る。中間株式配当金は支払時に認識され、資本から控除される。
年金制度 当社は一部の従業員のために確定拠出型年金制度および複合年金制度に資金を拠出している。複合年金
制度は確定給付部分(以下「当制度」という。)および確定拠出部分の双方を有しており、以下のとおり会計処理さ
れる。
・確定拠出型年金制度および複合年金制度の確定拠出部分について当期に拠出すべき額は、営業利益に計上され
る。当期に拠出すべき額と実際の拠出額との差額は、未払金または前払金として貸借対照表に表示される。
・当制度について営業利益に計上される金額は、過去勤務費用、管理費用ならびに制度の決済および縮小に伴う損
益である。当該金額は直接的従業員費用に含められる。利息純額は、金融収益純額に含まれる。保険数理上の損
益は即時にその他の包括利益に認識される。当制度資産は公正価値で測定される。当制度負債は保険数理を基礎
として予測単位積増方式を用いて測定され、通貨および期間が当制度負債に対応している高格付社債の現在の収
益率に等しい率で割引かれる。完全な保険数理評価は少なくとも3年に一度実施され、各貸借対照表日に更新さ
れる。当制度資産の当制度負債に対する余剰額または不足額は、貸借対照表上に資産(余剰額)または負債(不足
額)として認識される。
固定資産
有形固定資産
有形固定資産は、取得価額から減価償却累計額および減損引当金を控除した金額で計上されている。工具器具備品
は、3年から7年の見積耐用年数にわたり、定額法に基づいて計算されている。減価償却費は一般管理費に含めら
れている。
賃借物件附属設備は、資産の経済的耐用年数または資産が使用されてからの残余リース期間のいずれか短い期間に
わたって減価償却されている。減価償却方針は毎年見直される。
無形固定資産
無形固定資産は、取得価額から償却累計額および減損引当金を控除した金額で計上されている。IAS第38号「無形
資産」の認識基準を満たす場合、当期に発生した新しい業務アプリケーション・ソフトウェアの開発または改良に
直接帰属する費用は、ソフトウェア仮勘定として資産計上される。ソフトウェア仮勘定は、完成し意図する目的で
の使用が可能となった時点でコンピューター・ソフトウェアに振り替えられる。
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コンピューター・ソフトウェアは、3年の見積耐用年数にわたり、定額法で償却される。ソフトウェア仮勘定につ
いては無形資産償却費は計上されない。無形資産償却費は一般管理費に含められ、償却方針は毎年見直される。
無形固定資産については、資産または資産グループの帳簿価額を全額回収できないことを示す事象または状況の変
化がある場合に減損テストが実施される。
固定資産投資
固定資産投資は、取得価額または償却原価から減損引当金を控除した金額で計上されている。償却費は一般管理費
に含められている。
現金・預金 現金・預金および通常の事業の過程で保有される流動性が高い翌日物預金がこれに含まれる。
外貨 当社の財務書類は、当社の機能通貨でもある米ドルで表示されている。
外国通貨建ての取引は、取引日の為替レートによって米ドルに換算される。外国通貨建ての貨幣性資産および負債
ならびに公正価値で測定される非貨幣性資産および負債は、貸借対照表日現在の為替レートによって米ドルに換算
される。為替差損益は、営業利益に含まれる。
金融資産および負債
認識および認識の中止
金融資産および負債は、通常の方法の取引による現物商品の売買を除き、当社が当該金融商品の契約条項の当事者
となった時点で認識される。金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、または当社
が金融資産を移転し、かつその移転が認識中止の要件を満たしている時に、当該金融資産の認識の中止が行われ
る。当社が当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転した場合、または当社が当該金融
資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転しておらず保持してもいないが、当該金融資産に対す
る支配を保持していない場合、移転された金融資産は認識中止の要件を満たしている。金融負債は消滅した時(す
なわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効となった時)にのみ認識が中止される。
通常の方法の取引による現物商品の売買は、決済日に認識および認識の中止が行われる。
分類および測定:金融資産
当社は金融資産の管理に係る当社の事業モデルおよび当該金融資産の契約上のキャッシュ・フロー特性の双方に基
づき、その後に償却原価で測定するもの、または損益を通じて公正価値で測定するものに分類している。事業モデ
ルは、将来のキャッシュ・フローを生み出すために、当社が特定の資産グループをどのように管理しているかを反
映している。当社の事業モデルが契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有するものである場合、
当社はその後、金融資産のキャッシュ・フローが元本および利息の支払のみを表しているかどうかを評価する。原
契約から区分処理されていない組込デリバティブを伴う金融資産(ハイブリッド金融商品)も、同じ評価の対象とな
る。
・償却原価で測定する金融資産 契約上のキャッシュ・フローの回収のために保有され、元本および利息の支払の
みを表すキャッシュ・フローを有する金融資産は、償却原価で測定される。当社はキャッシュ・フローが基本的
な貸付契約であるかどうかを検討し、契約条件により、基本的な貸付契約と整合しないリスクやボラティリティ
にさらされる場合には、当該金融資産を損益を通じて公正価値で測定するよう義務付けている(以下を参照のこ
と)。
償却原価で測定する金融資産は取引費用を含む公正価値で当初測定され、その後は実効金利法を用いた償却原価
にて測定される。実効金利法は、金融商品の償却原価を計算し、受取利息を該当期間に配分する方法である。実
効金利は、金融資産の予想存続期間、または場合によってはそれより短い期間を通じて見積った将来の現金の受
取を、金融資産の正味帳簿価額に一致させるように割り引く率である。当社は実効金利を計算する際に、当該金
融資産のすべての契約条件を考慮しキャッシュ・フローの見積もりを行うが、将来の信用損失は考慮しない。金
融収益は純収益に計上される。償却原価で測定する金融資産には以下が含まれる。
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・特定の売戻条件付契約およびほぼすべての借入有価証券担保金から成る特定の担保付契約
・ほぼすべての未収金
・現金・預金
・損益を通じて公正価値で測定することが義務付けられている金融資産 契約上のキャッシュ・フローの回収のた
めに保有されておらず、および(または)元本および利息の支払のみを表すキャッシュ・フローを有していない金
融資産は、損益を通じて公正価値で測定することが義務付けられている。損益を通じて公正価値で測定すること
が義務付けられている金融資産は、公正価値で当初測定され、取引費用は損益計算書において費用計上される。
当該金融資産はその後は公正価値で測定され、それにより生じた損益は純収益に認識される。公正価値での測定
が義務付けられている金融資産には、以下が含まれる。
・現物商品およびデリバティブから成る保有金融商品
・ほぼすべての売戻条件付契約および特定の借入有価証券担保金から成る特定の担保付契約
・購入ではなく担保付ローンとして会計処理される資産の譲渡および前払コモディティ契約から成る一部の未収
金
分類および測定:金融負債
当社は金融負債を、当該金融負債が購入された、または組成された目的によって以下の区分に分類している。
・トレーディング目的で保有する金融負債 トレーディング目的で保有する金融負債は、公正価値で当初測定さ
れ、その後は損益を通じて公正価値で測定され、それにより生じた損益は純収益に認識される。トレーディング
目的で保有する金融負債には、以下から成る売却済未購入金融商品が含まれる。
・現物商品
・デリバティブ商品
・損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融負債 当社は、一部の金融負債を、損益を通じて公正価
値で評価するものに指定している。損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融負債は、公正価値で
当初測定され、その後は損益を通じて公正価値で測定されるが、DVAの場合は、会計上のミスマッチが創出され
るか拡大する場合を除き、その他の包括利益で認識され、公正価値のそれ以外の変動は純収益に認識される。自
己のクレジット・スプレッドに帰属するその他の包括利益で認識された金額は、金融負債の認識が中止された場
合でも、その後損益に振り替えられることはない。当該金融負債を公正価値で評価するものに指定する主な理由
は、以下のとおりである。
・指定しない場合に資産または負債の測定あるいはそれらに係る損益の認識を異なる基礎で行うことから生じる
であろう測定または認識の不整合を除去または大幅に低減するため
・金融負債グループ、または金融資産および負債が公正価値ベースで管理され、業績評価されている
損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融負債には、以下が含まれる。
・ほぼすべての買戻条件付契約
・顧客取引執行のためのFICCに含まれる貸付有価証券担保金
・ハイブリッド金融商品および売却ではなく借入として会計処理される資産の譲渡から成る担保付発行社債、関
係会社間ローンおよびその他借入金
・ハイブリッド金融商品から成る一部の無担保発行社債およびその他借入金
・特定の関係会社間ローンおよび前払コモディティ契約から成る一部のその他未払金
ハイブリッド金融商品とは、区分処理可能な組込デリバティブを含む金融商品である。当社が組込デリバティブ
を関連する債務から区分処理することを選択した場合、当該デリバティブは公正価値で会計処理され、原契約は
公正価値ヘッジの有効部分について調整した償却原価で会計処理される。当社が区分処理を選択しない場合、ハ
イブリッド金融商品全体が損益を通じて公正価値で評価するものに指定される。
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・償却原価で測定する金融負債 償却原価で測定する金融負債は取引費用を含む公正価値で当初測定され、その後
は実効金利法を用いた償却原価にて測定される。実効金利法に関する詳細は、上記の「償却原価で測定する金融
資 産」を参照のこと。発行時に認められた割引を含む金融費用は純収益に計上される。ただし、長期劣後ローン
の金利は支払利息等に計上される。償却原価で測定する金融負債には、以下が含まれる。
・特定の買戻条件付契約およびほぼすべての貸付有価証券担保金
・損益を通じて公正価値で評価するものに指定されていない特定のその他未払金
減損
当社はIFRS第9号の規定に従い、償却原価で測定する金融資産に伴う予想信用損失を、フォワード・ルッキングな
視点で評価している。予想信用損失の測定は、起こり得る事象の結果、貨幣の時間的価値、ならびに不当なコスト
や労力をかけることなく報告日において入手可能な過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の予測に関する
合理的かつ裏付可能な情報を評価することによって決定される、偏りのない確率加重された金額を反映している。
予想信用損失は、純収益に計上される。
当社の減損モデルは、償却原価で測定する金融資産の当初認識以降の信用の質の変化に基づいており、以下の3つ
のステージを組み込んでいる。
・ステージ1 償却原価で測定する金融資産のうち、当初認識時に信用減損が生じておらず、当初認識以降に信用
リスクの著しい増大が認められないもの。ECLは、今後12ヵ月以内に起こり得るデフォルト事象から生じる予想
信用損失に等しい金額で測定される。
・ステージ2 償却原価で測定する金融資産のうち、当初認識以降に信用リスクが著しく増大しているものの、信
用に減損が生じているとはみなされないもの。ECLは残存期間ベースで予想信用損失に基づいて測定される。
・ステージ3 償却原価で測定する金融資産のうち、デフォルト状態にあるか、信用に減損が生じていると定義さ
れるもの。ECLは残存期間ベースで予想信用損失に基づいて測定される。
各金融資産の該当するステージ分類の決定は、「信用リスクの著しい増大」(ステージ1からステージ2)の定義と
「信用に減損が生じている」(ステージ3)の定義に依存する。当社では、特定の定量的または定性的条件が満たさ
れた場合に、金融資産の信用リスクが著しく増大したとみなしている。定量的な基準値には、投資適格金融資産の
デフォルト基準値の絶対的確率と、投資不適格金融資産のデフォルト基準値の相対的確率が含まれる。また、30日
超の期日経過をバックストップとみなすことを含め、当社の信用リスク管理プロセスの一環として定性的レビュー
も実施している。当社は、信用リスクのデフォルトの定義を満たす場合、金融資産に信用の減損が生じているとみ
なしている。デフォルトは、当社による有価証券の実現(保有されている場合)等の行為への遡求なしに債務者がGS
グループへの債務を全額返済する見込みがないと当社が判断した場合、または債務者が支払を履行できなかった、
および(または)支払が90日超の期日経過となっている場合のいずれかとして定義されている。
ECL は、個々のエクスポージャーごとにデフォルト確率、デフォルト時損失率およびデフォルト時エクスポー
ジャーを予測することによって決定される。予想信用損失を計算するには、これら3つの要素を掛け合わせ、報告
日まで割り引く。ECLの計算に使用される割引率は、当初の実効金利である。デフォルト確率は、借手が金融債務
を履行できない可能性を表す。デフォルト時損失率は、デフォルト・エクスポージャーの損失額に対する当社の予
想であり、とりわけ金融資産の担保を考慮している。デフォルト時エクスポージャーは、金融債務が不履行となっ
た場合に当社が負うと予想される金額である。当社は、取引相手先ごとのデフォルト率の評価を反映した内部の信
用リスク格付を利用している。ECLの計算では複数のマクロ経済シナリオを使用しており、そのウェイトは継続的
に内部レビューと承認の対象となっている。
信用リスクおよび予想信用損失に影響を及ぼす主要な経済変数などのフォワード・ルッキングな情報は、ステージ
分類の評価とECLの計算の両方に組み込まれている。経済変数は、内部で生成した予測を用いて予測されており、
今後9四半期の経済に関する予想を提供している。9四半期の経過後には平均回帰アプローチが用いられている
が、これは、経済変数が長期平均レートまたは長期成長率のいずれかになる傾向があることを意味する。
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当社は、回収可能性が合理的に予想できないと判断した場合には、金融資産の全部または一部を償却している。金
融資産が回収不能とみなされた場合には、これを回収可能性が合理的に予想できないことを示す指標であると判断
している。当社は、全額が回収されるとの合理的な予想ができないために全額または一部を償却しているが、法的
な 権利がある金額については、全額回収することを引き続き目指している。
金融負債および資本の分類
金融負債と持分商品は、契約内容に従って分類される。金融負債は、他の事業体に現金またはその他の金融資産を
引き渡す、あるいはその事業体に潜在的に好まれない条件で金融資産と金融負債を交換する契約債務のある負債で
ある。資本投資とは、事業体のすべての負債を控除した後の資産に対する残余持分を証明する契約である。金融商
品は、負債要素と資本要素の両方を持つか否かを判断するために評価される。ハイブリッド金融商品の当初帳簿価
額は、公正価値で測定する負債要素にまず配分され、残りの金額が資本要素に配分される。
金融資産と負債の相殺
金融資産と負債は、以下の場合において相殺され、純額が貸借対照表に表示される。
・法的に強制力のある相殺権を有する場合。
・純額決済する、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意思がある場合。
条件が満たされない場合には、金融資産および負債は総額で貸借対照表に表示される。
公正価値測定
当社の金融資産および負債の公正価値による測定の詳細は、注記28を参照のこと。
公正価値ヘッジ
当社は、一部の固定金利が付された無担保長期借入金および無担保短期借入金の金利エクスポージャーを管理する
ために用いられる一部の金利スワップについて、IAS第39号「金融商品:認識および測定」に基づくヘッジ会計を
適用している。ヘッジ会計の要件を満たすために、デリバティブ・ヘッジは、ヘッジ対象のエクスポージャーから
生じるリスクを非常に効果的に軽減しなければならない。また当社は、契約開始時にヘッジ関係に関して正式に文
書化し、デリバティブ・ヘッジがヘッジ関係の期間にわたり継続的に非常に有効であることを確認するために、
ヘッジ関係のテストを行わなければならない。
流動資産投資
保有金融商品は、流動資産投資として分類することも、そのような証券を上場か非上場かで分析することも適切で
はないというのが取締役の考えである。
担保付契約および担保付借入金 担保付契約には、売戻条件付契約および借入有価証券担保金が含まれる。担保付
借入金には、買戻条件付契約、貸付有価証券担保金、担保付発行社債、関係会社間ローンおよびその他借入金が含
まれる。当該商品の分類および測定に関する詳細は、上記の「分類および測定:金融資産」ならびに「分類および
測定:金融負債」を参照のこと。受取担保または差入担保は、現金または有価証券のいずれかの形式をとる。現金
担保は受領/支払時に認識/認識中止される。当社が有価証券の形式で差入れた担保については当社の貸借対照表に
おける認識は中止されず、また有価証券の形式で受領した担保については貸借対照表に認識されない。受領した担
保を後に売却した場合には、担保返却義務および受領した現金が貸借対照表に認識される。
当期法人税および繰延税金 当期法人税等は、当期法人税および繰延税金から成る。税金は、その他の包括利益に
て認識される項目に関するものを除き、損益計算書にて認識される。
当期法人税等は、当社が事業を営み課税所得を稼得している国で貸借対照表日現在に施行または実質的に施行され
ている税法に基づき計算される。繰延税金は、将来の税金支払額を増減させることになる取引または事象が貸借対
照表日において発生している場合に、当該日において解消していない、以下を除いたすべての一時差異について認
識される。
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・繰延税金資産は、将来の一時差異の解消に利用できる十分な課税所得を見込める可能性が高いと取締役が考える
範囲内で認識される。
・繰延税金は、貸借対照表日に施行されているまたは実質的に施行されている税率および法律に基づいて、一時差
異が解消される期間において適用が予定されている税率を用いて割引せずに測定される。
繰延税金は、繰延税金が帰属している関連する損益の認識方法に従い、損益計算書に認識されるか、その他の包括
利益に直接認識される。
引当金、偶発債務および偶発資産 引当金は、過去の事象の結果として生じた現在の(法的または推定的)債務を決
済するのに経済的便益の流出が必要となる可能性が高く、債務金額を信頼性をもって見積もることが可能な場合に
認識される。新しい法案の結果として生じる可能性がある法的債務は、草案どおりに法律が施行されることがほぼ
確実な場合にのみ債務として認識される。
偶発債務とは、過去の事象により発生する可能性のある債務で、当社の支配が完全には及ばない1つまたは複数の
不確実な将来の事象が発生することによって、もしくは発生しないことによってのみ、その存在が確認されるもの
である。もしくは、過去の事象により発生した現在の債務であるが、経済的便益が流出する可能性が高くないか、
もしくは債務金額を信頼性をもって測定することが不可能なために、認識されないものである。
偶発資産とは、過去の事象により発生する可能性のある資産で、当社の支配が完全には及ばない1つまたは複数の
不確実な将来の事象が発生することによって、もしくは発生しないことによってのみ、その存在が確認されるもの
である。
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偶発債務および偶発資産は財務書類には認識されない。しかし、決済の可能性がほとんどないような場合を除いて
開示は行われる。
注記3
重要な会計上の見積りおよび判断
財務書類の作成において、経営者は本財務書類での認識額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定を行うことが要
求される。見積りの性質上、実際の結果が当該見積りと異なる可能性がある。以下の判断は本財務書類での認識額
に最も重要な影響を与えたものである。
公正価値測定
当社の一部の金融資産および負債には、重要な観察不能なインプット(すなわち、レベル3)が含まれる。帳簿価
額、評価方法および重要なインプットについては、注記28を参照のこと。
訴訟および規制上の手続き
当社は、訴訟および規制上の手続きで発生する可能性のある潜在的損失について、かかる損失が生じる可能性が高
く、合理的に見積もることができる範囲において、見積りを行い、引当金を計上している。これらの見積りを行う
場合には重要な判断が要求され、最終的に当社の確定負債額が大きく異なる可能性がある。当社の負債性引当金の
詳細は注記20、当社が関与している訴訟事件等の詳細については注記26を参照のこと。
確定給付年金
当制度の費用および当制度の負債の価値は、数理的評価を使用して決定される。これには、割引率、将来の昇給、
死亡率および将来の年金増加についての仮定が含まれる。当該評価の複雑性のために、かかる見積りは著しい不確
実性にさらされる。当社の制度の詳細については、注記10を参照のこと。
注記4
純収益
純収益には、支払利息純額と利息外収益が含まれる。支払利息純額には、公正価値で測定する金融資産および負債
ならびに償却原価で測定する金融資産および負債に係る利息および配当金が含まれている。利息外収益には以下が
含まれる。
・損益を通じて公正価値で測定することが義務付けられている金融資産および負債(トレーディング目的で保有す
る金融負債を含む)に係る損益は主に、保有金融商品、売却済未購入金融商品および一部の担保付契約に係る利
息外損益に関連している。
・損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融負債に係る損益は主に、特定のその他未払金および担保
付借入金に係る利息外損益に関連している。
・手数料および報酬は主に、特定のファイナンシャル・アドバイザリー業務および引受業務、顧客取引の執行およ
び決済、ならびに特定の投資運用サービスからの純収益に関連している。
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当社の純収益は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2019 年11月 2018 年11月
受取利息
$ 5,914 $ 5,014
外部取引相手先からの受取利息
親会社およびグループ会社からの受取利息 1,595 1,566
受取利息合計 7,509 6,580
支払利息
外部取引相手先への支払利息 (3,314) (3,212)
親会社およびグループ会社への支払利息 (4,391) (3,563)
支払利息合計 (7,705) (6,775)
支払利息純額 (196) (195)
損益を通じて公正価値で測定することが義務付けられている金融資産および負債 8,138 4,416
損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融資産および負債 (1,586) 1,875
手数料および報酬 1,740 1,770
利息外収益 8,292 8,061
$ 8,096 $ 7,866
純収益
上記の表において、
・受取利息には、償却原価で測定する金融資産および負債からの収益が、2019年11月に終了した期間において25.5
億米ドルおよび2018年11月に終了した期間において24.1億米ドル含まれている。
・支払利息には、償却原価で測定する金融資産および負債から生じた費用が、2019年11月に終了した期間において
34.0億米ドルおよび2018年11月に終了した期間において33.7億米ドル含まれている。
・損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融負債については、損益を通じて公正価値で測定すること
が義務付けられている金融資産および負債との経済的ヘッジが行われることが多い。したがって、損益を通じて
公正価値で評価するものに指定される金融資産および負債に計上されている損益は、損益を通じて公正価値で測
定することが義務付けられている金融資産および負債に計上されている損益と一部相殺することができる。
注記5
セグメント報告
当社は、投資銀行業務、機関投資家向けクライアント・サービス、投資および貸付業務、ならびに投資運用業務の
4つの事業セグメントで事業活動の報告を行っている。当社のセグメントの詳細については、本アニュアル・レ
ポートのパートⅠ「業績-セグメント報告」(訳者注:原文の該当箇所をいう。)を参照のこと。
作成基準
セグメント報告において、当社の事業ラインのうち、類似した経済的特徴を持ち、(ⅰ) 提供するサービスの性
質、(ⅱ) 分配方法、(ⅲ) 顧客タイプ、および(ⅳ) 事業における規制環境の各分野において類似しているものに
ついては、まとめて表示されている。
当社の全体としての費用発生要因(報酬、従業員数および事業活動の水準)は当社の各事業セグメントのものとほぼ
同様である。当社のセグメント内の直接的従業員費用は、特に当社全体の業績および各事業の業績を反映してい
る。そのため、当社の事業の1セグメントにおける営業利益の利幅は、当社の他の事業セグメントの業績によって
重要な影響を受ける可能性がある。
当社は、資産(GCLAおよび現金、顧客向け担保付ローンならびにその他資産を含む)、収益および費用を4つのセグ
メントに配分している。事業セグメントの統合的な性質上、一部の資産、収益および費用を配分する際に見積りや
判断が行われる。
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配分のプロセスは、セグメントの業績に対する経営陣の現在の見解に基づいている。セグメント間の取引は特定の
条件または第三者と同等の相場に基づいている。一般管理費合計には、各事業セグメントに配分されていない株式
報 酬の時価評価が含まれる。
第三者と行う取引に加え、当社は通常の営業活動の過程において、マーケット・メイキング活動および通常の業務
の一環として関連会社との取引を行っている。かかる取引について、当該関連会社に収益が割り当てられ、また、
当該関連会社から収益が受け取られる。
以下の情報は、純収益、営業利益および資産合計に対する各セグメントの割合を合理的に示していると経営陣が判
断したものである。営業利益は、当社の重要なセグメントである投資銀行業務および機関投資家向けクライアン
ト・サービスについてのみ表示されている。
以下の「セグメント別純収益」および「セグメント別営業利益」に関するセグメント情報は、以下の手法に従って
作成されている。
・各セグメントに直接関連する収益および費用は営業利益の算定に含まれる。
・当社のセグメントの純収益には、特定の有価証券およびその様な原資産から生じた現金または資金需要に関連す
るその他のポジションに係る受取利息および支払利息の配分が含まれる。ただし、長期劣後ローンに係る利息
は、支払利息等に表示される(注記9を参照のこと)。受取利息純額は、経営陣がセグメント業績を評価する方法
と整合するように、セグメント別純収益に含まれる。
・特定のセグメントに直接配分できない間接費は、セグメントの直接費に基づき比例配分される。
セグメント別純収益
当社のセグメント別の純収益は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル) 2019 年11月 2018 年11月
投資銀行業務
ファイナンシャル・アドバイザリー業務 $ 742 $ 693
引受業務 775 871
投資銀行業務合計 $1,517 $1,564
機関投資家向けクライアント・サービス
顧客取引執行のためのFICC $2,768 $2,353
株式 2,739 2,640
機関投資家向けクライアント・サービス合計 $5,507 $4,993
投資および貸付業務 $ 501 $ 532
投資運用業務 $ 571 $ 777
純収益合計 $8,096 $7,866
当社は純収益に計上される資金調達費用のセグメントへの分配手法を更新した。その結果、上記の表の比較数値は
当期の表示に合わせて修正されているが、純収益合計への影響はない。
純収益で認識するほぼすべての受取利息および支払利息は、機関投資家向けクライアント・サービスに帰属する。
セグメント別営業利益
当社の重要なセグメントの営業利益は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル) 2019 年11月 2018 年11月
投資銀行業務
$ 1,517 $ 1,564
純収益
一般管理費 (1,046) (1,076)
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$ 471 $ 488
営業利益
機関投資家向けクライアント・サービス
$ 5,507 $ 4,993
純収益
一般管理費 (3,330) (2,910)
$ 2,177 $ 2,083
営業利益
$ 8,096 $ 7,866
純収益合計
一般管理費合計 (5,440) (4,607)
$ 2,656 $ 3,259
営業利益合計
上記の表において、
・純収益合計には、投資および貸付業務ならびに投資運用業務のセグメントに関連する純収益が、2019年11月に終
了した期間において10.7億米ドルおよび2018年11月に終了した期間において13.1億米ドル含まれている。
・一般管理費合計には、投資および貸付業務ならびに投資運用業務のセグメントに関連する一般管理費が、2019年
11月に終了した期間において889百万米ドルおよび2018年11月に終了した期間において805百万米ドル含まれてい
る。
・当社のセグメントに配分されていない株式報酬の時価評価に関連して、2019年11月に終了した期間において一般
管理費合計に175百万米ドルが計上されており、2018年11月に終了した期間においては一般管理費合計から184百
万米ドルが控除されている。
セグメント資産
当社の資産のほとんどすべては、機関投資家向けクライアント・サービスに帰属する。
地域別情報
国際金融市場は密接に関連しているため、当社では業務を全社的な収益性に基づいて管理している。収益性を地域
別に配分する方法は、見積りおよび経営陣の判断に左右される。
地域別の業績は通常、以下のように配分される。
・投資銀行業務:顧客、投資銀行チームおよび潜在リスクの所在地
・機関投資家向けクライアント・サービス:マーケット・メイキング・デスクまたは対象証券の発行市場の所在地
・投資および貸付業務:投資および貸付業務チームの所在地
・投資運用業務:投資運用チームの所在地
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上記の方法に基づき地域別に配分された当社の純収益合計は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル) 2019 年11月 2018 年11月
ヨーロッパ、中東およびアフリカ(以下「EMEA」という。) $5,768 $5,674
南北アメリカ 1,460 1,352
アジア 868 840
純収益合計 $8,096 $7,866
注記6
一般管理費
当社の一般管理費は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル) 2019 年11月 2018 年11月
直接的従業員費用 $2,394 $1,945
仲介、決済、取引所費および販売手数料 907 767
市場開拓費 94 81
通信およびテクノロジー費用 122 112
減価償却費および無形資産償却費 116 58
事務所関連費用 226 157
専門家報酬等 186 203
グループ会社から受けたサービスに対するマネジメント費用の
919 802
支払い
グループ会社に対して提供したサービスに対するマネジメント
(370) (387)
費用の請求
その他費用 846 869
一般管理費合計 $5,440 $4,607
上記の表において、
・事務所関連費用には、土地および建物の純オペレーティング・リース料が2019年11月に終了した期間において76
百万米ドルおよび2018年11月に終了した期間において69百万米ドル含まれている。
・その他費用には主に、IFRS第15号の要求事項に基づき当社が本人である取引において履行義務を充足するために
発生した費用、租税公課、負債引当金および寄付金が含まれている。
・マネジメント費用には、当社がグループ会社から受けた、もしくは当社がグループ会社に提供した業務運営上お
よび管理上のサポートならびにマネジメント・サービスに関連するサービス料が含まれる。
専門家報酬等に含まれている当社の監査人に対する支払報酬は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル) 2019 年11月 2018 年11月
$ 6.0 $ 6.1
当社の監査に係る報酬
監査関連アシュアランス・サービス 4.1 4.2
その他のアシュアランス・サービス 1.1 1.5
税務コンプライアンス・サービス 0.2 0.1
その他の非監査サービス 0.1 0.1
非監査サービス報酬合計 5.5 5.9
合計 $11.5 $12.0
上記の表において、
・監査関連アシュアランス・サービスには、当社の財務情報に対する監査およびGSグループ監査のためにGSグルー
プの監査人に行う監査報告に係る報酬が含まれている。
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・その他のアシュアランス・サービスには、当社の監査人のネットワーク・ファームが複数のGSグループ事業体に
提供した特定のサービスに係る報酬の当社負担分が含まれている。これらの報酬は、各事業体の資産規模に応じ
て、当社を含む複数のGSグループ事業体に配分された。
注記7
人件費
取締役を含む当社の月間平均従業員数は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間の平均
(単位:人) 2019 年11月 2018 年11月
投資銀行業務 819 782
機関投資家向けクライアント・サービス 1,649 1,571
投資および貸付業務 205 198
投資運用業務 581 555
サポート部門 924 961
平均従業員数合計 4,178 4,067
従業員数合計は、2019年11月現在において4,230名および2018年11月現在において4,210名である。
取締役に関するものも含め、当社が負担する従業員費用は以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル) 2019 年11月 2018 年11月
賃金および給与 $2,075 $1,659
社会保障費 268 237
年金費用:
確定拠出型制度および複合年金制度の確定拠出部分 51 45
複合年金制度の確定給付部分
– 4
直接的従業員費用合計 $2,394 $1,945
上記の表において、株式報酬の時価評価に関連して、2019年11月に終了した期間において直接的従業員費用合計に
175百万米ドルが計上されており、2018年11月に終了した期間においては直接的従業員費用合計から184百万米ドル
が控除されている。
注記8
取締役に対する報酬
当社の取締役に対する報酬は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2019 年11月 2018 年11月
報酬総額 $7 $5
定額拠出年金制度に対する当社の拠出金 – –
取締役に対する報酬合計 $7 $5
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最高報酬額を受取った取締役は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル) 2019 年11月 2018 年11月
報酬総額 $4 $3
定額拠出年金制度に対する当社の拠出金
– –
期末における未払年間年金費用 – –
2006 年会社法に従って、上記の取締役に対する報酬は、適格業務のみに関する支払済または未払の報酬合計額を表
示している。この合計額は現物支給される現金および給付の価額のみを含んでおり、SI 2008年/410号の第5附則
に従った株式報酬の価額は含まれていない。取締役は、この他に非適格業務に関する報酬も受取るが、別途開示は
要求されていない。
3名の取締役が確定拠出型制度に加入していた。当期において、最高報酬額を受取った取締役を含む3名の取締役
が長期報奨制度に関するグループ・インクの株式を受け取ったか、または受け取る予定である。当期において、ス
トックオプションを行使した取締役はいなかった。
2019 年11月に終了した期間を通じて、または一定期間のみ取締役会メンバーであった7名の非業務執行取締役に対
する報酬総額は、約1.8百万米ドルであった。一部の非業務執行取締役は、2019年11月に終了した期間に提供した
アドバイザリー・サービスに関する追加の継続報酬を受け取ったか、または受け取る予定であり、その総額は約
2.3百万米ドルである。
注記9
支払利息等
支払利息等は親会社およびグループ会社からの長期劣後ローンに係る利息から成り、2019年11月に終了した期間に
おいて243百万米ドルおよび2018年11月に終了した期間において237百万米ドルである。詳細は、注記19を参照のこ
と。
注記10
年金制度
当社は、確定給付部分(以下「当制度」という。)と確定拠出部分の両方を有する複合的な構造を持った年金制度に
資金を拠出している。当制度は、加入者の最終給与に基づき退職給付を提供しており、通常の退職年齢は65歳であ
る場合がほとんどである。当制度は積み立てが行われており、当制度の資産は当社の資産とは分離されており、受
託者が分離管理するファンドにおいて保有されている。
当制度は2008年4月1日以降新規加入者の受付けをしておらず、確定拠出型制度に置き換わった。当制度は2016年
3月31日をもって、既存の加入者に対する将来の給付金の積み立てを終了した。
当制度は信託法に基づき運営しており、信託証書の条項および関連法に従い加入者の代理としてゴールドマン・
サックスUKリタイアメント・プラン・トラスティー・リミテッド(以下「トラスティー」という。)により管理運用
されている。当制度の資産はトラストが保有している。
資格を有する独立した保険数理士による当制度に関する完全な保険数理評価は、予測単位積増方式を用いて2019年
7月31日現在で実施され、2019年11月30日現在に更新されている。2019年11月現在における当制度の負債は、将来
の受益者96%および現在の受益者4%から構成されている。
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当制度のリスク
当制度の主なリスクは以下のとおりである。
・積立不足 給付金の支払いに対して投資利回りが不足する場合、追加拠出金が要求される。資本利益率の水準が
全体的な投資利回りの主要な決定因子となる。投資ポートフォリオは、特に社債の金利リスクやインフレ・リス
クなど、保有する資産クラスの特徴を示すようなその他の様々なリスクにも影響を受ける。
・資産のボラティリティ 当制度の投資戦略では、株式およびその他の高利回り商品への投資の比率が大きいた
め、当制度の資産と負債の差が変動しやすい。
・当制度の負債の感応度 当制度の負債は、将来のインフレおよび平均余命に関する仮定に対する感応度が高い。
また、割引率(英ポンド建てAA格社債の市場イールドに依拠する)に対する感応度も高い。
財務上の仮定
確定給付債務の現在価値の決定に使用する重要な財務上の仮定は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
年率(単位:%) 2019 年11月 2018 年11月
割引率 1.99 3.14
物価インフレ率-RPI 3.02 3.50
物価インフレ率-CPI 2.27 2.50
支払年金増加率
(1996 年11月30日より後の期間における増加) 2.82 3.30
繰延年金増加率
(1996 年11月30日より後の期間における増加) 2.27 2.50
繰延年金増加率
(2009 年4月5日より後の期間における増加) 2.27 2.50
死亡率の仮定
確定給付債務の現在価値の決定に使用する死亡率の仮定は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:年) 2019 年11月 2018 年11月
現在65歳の加入者の65歳時点の平均余命
男性 24.1 23.5
女性 25.3 24.7
現在45歳の加入者の65歳時点の平均余命
男性 25.3 24.8
女性 26.6 26.2
上記の表では、2019年11月に終了した期間の死亡率の仮定には「SAPS S3ベリー・ライト(オールペンショナーズ)
シリーズ」の基礎表を適用し、2013年以降の将来の改善についてはCMI 2018の基本予測に従って長期の改善率を年
率1.25%、初期追加の死亡率改善パラメータを年率0.50%とする補整を計上している。
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確定給付費用
当社の損益計算書およびその他の包括利益に認識されている当制度に関する確定給付利益は、以下の表のとおりで
ある。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル) 2019 年11月 2018 年11月
損益計算書
$ – $ 4
過去勤務費用
金融収益純額 (13) (8)
損益計算書への計上額合計 (13) (4)
その他の包括利益
割引率を下回る/(上回る)当制度の資産の運用収益 (393) 368
保険数理上の利益-負債の実績 (21) (7)
保険数理上の損失/(利益)-財務上の仮定 560 (408)
保険数理上の損失/(利益)-人口統計上の仮定 13 (14)
その他の包括利益に認識された損失/(利益)合計 159 (61)
$ 146 $ (65)
確定給付損失/(利益)合計
年金制度の積立余剰額の調整
当制度の資産、当制度の負債および年金制度の積立余剰額純額の調整は、以下の表のとおりである。
年金制度の
積立余剰額
(単位:百万米ドル) 当制度の資産 当制度の負債
純額
2019年11月に終了した期間
$ 406
12月1日現在 $2,222 $(1,816)
過去勤務費用 – – –
金融収益純額 69 (56) 13
割引率を上回る/(下回る)当制度の資産の運用収益 393 – 393
保険数理上の利益/(損失)-負債の実績 – 21 21
保険数理上の利益/(損失)-財務上の仮定 – (560) (560)
保険数理上の利益/(損失)-人口統計上の仮定 – (13) (13)
雇用主の拠出額 – – –
給付額 (44) 44 –
為替差益/(損) 42 (38) 4
$ 264
11 月30日現在 $2,682 $(2,418)
2018 年11月に終了した期間
$ 321
1月1日現在 $2,663 $(2,342)
過去勤務費用 – (4) (4)
金融収益純額 58 (50) 8
割引率を上回る/(下回る)当制度の資産の運用収益 (368) – (368)
保険数理上の利益/(損失)-負債の実績 – 7 7
保険数理上の利益/(損失)-財務上の仮定 – 408 408
保険数理上の利益/(損失)-人口統計上の仮定 – 14 14
雇用主の拠出額 47 – 47
給付額 (34) 34 –
為替差益/(損) (144) 117 (27)
$ 406
11 月30日現在 $2,222 $(1,816)
当制度の資産の公正価値
当制度のトラスティーは、長期資産配分戦略として資産の50%を高利回り商品(株式など)および50%を負債適合資産
(国債など)に投資している。当制度では、金利およびインフレへのエクスポージャーを削減するため、スワップお
よびその他のデリバティブに投資するヘッジ・プログラムを有している。
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当制度の資産の公正価値は、以下の表のとおりである。
市場価格が引用さ 市場価格が引用さ
(単位:百万米ドル) れる商品 れない商品 合計
2019年11月現在
株式 $1,400 $ – $1,400
国債 351 – 351
スワップ – 665 665
現金および現金同等物 177 – 177
その他 – 89 89
合計 $1,928 $ 754 $2,682
2018 年11月現在
株式 $1,126 $ – $1,126
国債 497 – 497
スワップ – 395 395
現金および現金同等物 108 – 108
その他 – 96 96
合計 $1,731 $ 491 $2,222
感応度分析
重要な各保険数理上の仮定に対する当制度の負債の感応度分析は、以下の表のとおりである。
本制度の負債の影響
仮定の増加 仮定の減少
百万米ドル % 百万米ドル %
2019年11月現在
$ 206
割引率の0.25%の変動 $(189) (7.8) 8.5
物価インフレの0.25%の変動 184 7.6 (173) (7.2)
平均余命の1年の変動 89 3.7 (89) (3.7)
2018 年11月現在
$ 151
割引率の0.25%の変動 $(138) (7.6) 8.3
物価インフレの0.25%の変動 109 6.0 (127) (7.0)
平均余命の1年の変動 75 4.1 (75) (4.1)
上記の表において、感応度は、その他すべての仮定を一定とした場合の各仮定の変動に基づく。
この感応度分析には、特異な変動が起こる可能性が低いなど、固有の限界がある。感応度の計算に使用する手法
は、上記の表に示す2期間において同一である。
将来キャッシュ・フローの性質
当制度は2016年3月31日より将来の積立を終了したため、当社は当制度に対する通常の拠出は実施していないが、
引き続きトラスティーとともに当制度の積立要件を定期的に評価する。
3年に一度、トラスティーによる当制度の積立要否の評価のため、当制度の正式な積立評価が実施される。この評
価は異なる仮定を用いるため、会計上求められる保険数理上の評価とは異なる。
資格を有する独立した保険数理士による当制度の直近の積立評価は2018年12月31日現在で実施され、これにより当
制度は287百万米ドルの積立超過であると判明した。このため、当社は現状、当制度への追加拠出は見込んでいな
い。
当社は2019年11月以降の12ヵ月間において、当制度から加入者への給付20百万米ドルを行う予定である。
2019 年11月現在における当制度の負債の加重平均デュレーションは、33年であった。
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注記11
株式報酬
株式報奨制度
グループ・インクは、RSU、制限付株式、配当金相当権利および報奨型ストックオプションなどを提供する株式報
奨制度である2018年度ザ・ゴールドマン・サックス改訂・修正株式報奨制度(以下「2018年度SIP」という。)に資
金を拠出している。2018年5月2日に、グループ・インクの株主は2018年度SIPを承認した。2018年度SIPは、これ
まで有効であった2015年度ザ・ゴールドマン・サックス改訂・修正株式報奨制度を置き換えるものであり、承認日
以降に付与された報奨に適用される。
当社は付与された株式報奨の償却に関連して、失効分控除後の株式報酬を2019年11月に終了した期間において452
百万米ドル、2018年11月に終了した期間において405百万米ドル計上した。グループ・インクとのチャージバック
契約に従って、対応する資本計上額が負債に振り替えられ、当該契約に基づき、当社は当該報奨の付与日現在の公
正価値とその後の公正価値の変動額を、従業員への交付時にグループ・インクに支払うことになっている。
制限付株式ユニット
グループ・インクは、2018年度SIPに基づき、当社の従業員に対してRSUを付与した。これは通常、権利確定および
交付後に適用される譲渡制限に関する流動性割引を考慮した、対象となる株式の付与日の終値で評価される。RSU
は通常、該当する報奨契約に記載されている方法で権利が確定し、対象となる普通株式が交付される(必要な源泉
税控除後)。従業員報奨契約では通常、退職、死亡、障害および利害が対立している従業員などの特定の状況にお
いて権利確定期間が短縮されることが規定されている。対象となる普通株式の交付は、受給者が報奨契約に記載さ
れている一定の権利確定要件およびその他の要件を満たすことが条件となる。
ストックオプション
ストックオプションは通常、該当するストックオプション契約に記載されている方法で権利が確定する。通常、オ
プションは付与日から10年目に期間が終了するが、該当するストックオプション契約および付与時に効力を有する
ザ・ゴールドマン・サックス改訂・修正株式報奨制度の条項に従い、特定の状況においては早期終了や取消しとな
る可能性もある。
未行使オプションは以下の表のとおりである。2019年11月現在、未行使オプションはなかった。2018年11月現在の
すべての未行使オプションは、2008年度に付与されたものである。
行使価格 未行使オプション 加重平均行使価格 加重平均残存年数 (年)
2018 年11月現在
$ 75.00-$ 89.99
249,813 $78.78 0.08
残高合計 249,813 $78.78 0.08
当期に行使されたオプションに係る、行使日現在の加重平均株価は、2019年11月に終了した期間において171.32米
ドルおよび2018年11月に終了した期間において253.52米ドルであった。
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注記12
法人税等
当社の法人税等の分析は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル) 2019 年11月 2018 年11月
当期法人税
英国の税額 $360 $430
過去の期間に係る調整額 5 37
外国税額 246 182
当期法人税合計 611 649
繰延税金
一時差異の発生および解消 13 180
過去の期間に係る調整額 – 3
繰延税金合計 13 183
法人税等合計 $624 $832
法人税等と、2019年11月に終了した期間において適用される加重平均英国法人税率27.0%(2018年11月に終了した期
間:27.0%)を当社の税引前利益に掛けて算出した金額との調整は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル) 2019 年11月 2018 年11月
税引前利益 $2,426 $3,030
27.0%(2018 年11月に終了した期間:27.0%)の英国法人税率を掛けた利益 655 818
繰延税金資産の認識および測定の変動 15 6
永久差異 (10) (32)
対価なしでグループ会社から譲り受けた税務上の損失 (40) –
外国所得に対する税額増加の影響 3 4
換算差額およびその他 (4) (4)
過去の期間に係る調整額 5 40
法人税等合計 $ 624 $ 832
英国政府は、2020年3月11日の予算において、2020年4月1日より19.0%から17.0%に引き下げられる予定だった英
国の通常法人税率が19.0%から変更されないことを発表した。これにより、当社に適用される英国法人税率は、
2020年4月1日からも27.0%に留まることになる。この税率が2019年11月の時点で実質的に施行されていたと仮定
した場合、当社の繰延税金資産は22百万米ドル増加し、そのうち19百万米ドルは損益計算書に、3百万米ドルはそ
の他の包括利益に認識されていたことになる。
注記13
固定資産
固定資産は以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
$ 13 $ 20
有形固定資産
無形固定資産 392 294
固定資産投資 4 1
固定資産合計 $409 $315
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有形固定資産
当期中の有形固定資産の増減は以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 賃借物件附属設備 工具器具備品 合計
取得価額
$ 51 $ 61
12 月1日現在 $10
取得 9 – 9
処分 (31) (1) (32)
11 月30日現在 29 9 38
減価償却累計額
12 月1日現在 35 6 41
当期計上額(注記6参照) 7 – 7
処分 (22) (1) (23)
11 月30日現在 20 5 25
正味帳簿価額
$ 4 $ 13
2019 年11月現在 $ 9
$ 16 $ 4 $ 20
2018 年11月現在
無形固定資産
当期中の無形固定資産の増減は以下の表のとおりである。
コンピューター・ ソフトウェア
(単位:百万米ドル) ソフトウェア 仮勘定 合計
取得価額
12 月1日現在 $191 $183 $374
取得/振替 200 11 211
処分 (10) – (10)
11 月30日現在 381 194 575
減価償却累計額
12 月1日現在 80 – 80
当期計上額(注記6参照) 109 – 109
処分 (6) – (6)
11 月30日現在 183 – 183
正味帳簿価額
2019 年11月現在 $198 $194 $392
2018 年11月現在 $111 $183 $294
固定資産投資
固定資産投資に含まれる貸付以外の投資は2019年11月現在において4百万米ドル、2018年11月現在において1百万
米ドルであり、子会社株式は2019年11月および2018年11月現在においていずれもなかった。
2019 年11月現在において当社が支配を有する子会社は以下の表のとおりである。
持分比率および
会社名 設立国 議決権割合 保有株式の種類 保有株式数 事業の内容
ゴールドマン・サックス(ケイマン)リミテッド ケイマン諸島 100% 普通株式 250 金融サービス
ゴールドマン・サックス(ケイマン)リミテッドの登記事務所の所在地は、メイプルズ・コーポレート・サービシ
ズ・リミテッドの事務所(ケイマン諸島 KY1-1104 グランドケイマン PO Box 309 ウグランドハウス)である。
当社は複数の特別目的事業体および元本保証ファンドに対する持分を有しており、これらは法的には子会社の定義
を満たさないが、実質的に法的な子会社である場合と変わらないリスクおよび便益を生じさせている。これらの特
別目的事業体および元本保証ファンドの活動は、リパッケージ・プログラムに基づく借入証券の発行から成る。こ
れらの特別目的事業体および元本保証ファンドはグループ・インクの連結財務書類に含まれている。
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注記14
保有金融商品および売却済未購入金融商品
保有金融商品および売却済未購入金融商品は、当社の営業活動における金融商品および投資から成る。保有金融商
品には、担保として差入れた保有金融商品が含まれる。詳細は、注記28を参照のこと。
保有金融商品は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
現物商品
マネー・マーケット商品 $ 672 $ 428
政府債および政府機関債 39,561 33,516
モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券 234 485
企業債務商品
21,389 17,514
持分証券 45,101 29,535
コモディティ 25 88
現物商品合計 106,982 81,566
デリバティブ商品
金利 491,471 294,986
信用 33,564 28,463
為替 89,323 111,791
コモディティ 8,054 12,644
株式 59,013 64,679
デリバティブ商品合計 681,425 512,563
保有金融商品合計 $788,407 $594,129
当社の売却済未購入金融商品は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
現物商品
$ 16,955 $ 21,700
政府債および政府機関債
企業債務商品 3,883 3,545
持分証券 23,292 22,353
コモディティ 20 2
現物商品合計 44,150 47,600
デリバティブ商品
金利 481,797 287,789
信用 31,371 26,080
為替 91,522 111,863
コモディティ 7,853 12,758
株式 57,947 59,897
デリバティブ商品合計 670,490 498,387
売却済未購入金融商品合計 $714,640 $545,987
上記の表において、
・企業債務商品には、コーポレート・ローン、社債、転換社債およびその他の債券が含まれている。
・持分証券には、上場株式、プライベート・エクイティおよび上場ファンドが含まれている。
・これまで持分証券に含まれていた転換社債は、企業債務商品に振り替えられた。比較数値は、当期の表示に合わ
せて修正されている。
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注記15
担保付契約
担保付契約は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
$ 72,770
売戻条件付契約 $127,474
借入有価証券担保金 83,578 75,860
担保付契約合計 $156,348 $203,334
上記の表において、
・担保付契約合計には、グループ会社に対する債権が、2019年11月現在において884.3億米ドルおよび2018年11月
現在において1,297.5億米ドル含まれている。
・担保付契約合計には、1年を超えて期日の到来するものが、2019年11月現在において17.2億米ドルおよび2018年
11月現在において11.6億米ドル含まれている。
注記16
未収金
未収金残高は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
ブローカー/ディーラーおよび顧客に対する債権 $59,102 $52,084
親会社およびグループ会社に対する債権 14,142 12,391
繰延税金(注記17参照) 333 256
その他未収金 88 29
前払金および未収収益 28 33
未収金合計 $73,693 $64,793
上記の表において、
・親会社およびグループ会社に対する債権には、関係会社間ローンに係る1年を超えて期日の到来するものの残高
が、2019年11月現在において527百万米ドルおよび2018年11月現在において134百万米ドル含まれている。その他
未収金はすべて、貸借対照表日から1年以内に期日が到来する。
・ブローカー/ディーラーおよび顧客に対する債権ならびに親会社およびグループ会社に対する債権には、顧客と
の契約による債権が2019年11月現在において203百万米ドルおよび2018年11月現在において338百万米ドル含まれ
ている。
・未収金合計には、金融資産が2019年11月現在において732.6億米ドルおよび2018年11月現在において644.9億米ド
ル、ならびに非金融資産が2019年11月現在において437百万米ドルおよび2018年11月現在において306百万米ドル
含まれている。
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注記17
繰延税金
当社の繰延税金資産の構成要素は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
繰延報酬 $453 $431
退職後給付 (63) (95)
固定資産に関連する一時差異 (93) (68)
債務評価調整 38 (12)
その他の一時差異 (2) –
繰延税金合計 $333 $256
当社の繰延税金資産の各構成要素の変動は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
繰延報酬
$ 431 $ 577
期首残高
損益計算書への振替額 22 (146)
$ 453 $ 431
期末残高
退職後給付
$ (95) $ (72)
期首残高
損益計算書への振替額 (8) (9)
その他の包括利益への振替額 40 (14)
$ (63) $ (95)
期末残高
固定資産に関連する一時差異
$ (68) $ (41)
期首残高
損益計算書への振替額 (25) (27)
$ (93) $ (68)
期末残高
債務評価調整
$ (12) $ 111
期首残高
その他の包括利益への振替額 50 (123)
$ (12)
期末残高 $ 38
その他の一時差異
$ – $ –
期首残高
IFRS 第15号移行調整 – 1
損益計算書への振替額 (2) (1)
$ –
期末残高 $ (2)
合計
$ 256 $ 575
期首残高
IFRS 第15号移行調整 – 1
損益計算書への振替額
(注記12参照) (13) (183)
その他の包括利益への振替額 90 (137)
$ 333 $ 256
期末残高
上記の表において、繰延報酬は主に株式報酬に関するものである。
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注記18
担保付借入金
担保付借入金は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
1年以内に期日の到来する金額
$ 50,988 $ 79,521
買戻条件付契約
貸付有価証券担保金 66,373 56,122
関係会社間ローン 722 –
発行社債 3,420 2,672
その他借入金 3,237 3,525
合計 $124,740 $141,840
1年を超えて期日の到来する金額
買戻条件付契約 $ 2,146 $ 5,709
貸付有価証券担保金 – 227
発行社債 47 261
その他借入金 3,154 4,108
$ 10,305
合計 $ 5,347
担保付借入金合計 $130,087 $152,145
上記の表において、
・1年を超えて期日の到来する買戻条件付契約には、5年を超えて期日の到来するものが2019年11月現在において
77百万米ドルおよび2018年11月現在において74百万米ドル含まれており、期日は2030年である。
・1年を超えて期日の到来する発行社債およびその他借入金には、5年を超えて期日の到来するものが2019年11月
現在において16.6億米ドルおよび2018年11月現在において22.1億米ドル含まれている。2019年11月現在、当該商
品の期日は2025年から2050年の間である。当該商品に関する支払いは、通常、主に信用、金利および株式関連の
原金融資産を参照して行われる。
・担保付借入金合計には、グループ会社に対する債務が2019年11月現在において870.8億米ドルおよび2018年11月
現在において988.0億米ドル含まれており、そのうち1年以内に期日の到来する金額は、2019年11月現在におい
て859.9億米ドルおよび2018年11月現在において959.0億米ドルである。
・関係会社間ローン、発行社債およびその他借入金は、担保として差入れられた有価証券により担保されている。
差入れを受けた担保は「保有金融商品」または担保付契約によるもののいずれかとして認識されている。
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注記19
その他未払金
その他未払金は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
1年以内に期日の到来する金額
$ 19,193 $ 29,229
無担保借入金
ブローカー/ディーラーおよび顧客に対する債務 62,254 53,647
親会社およびグループ会社に対する債務:
その他の無担保債務 10,274 12,465
株式報酬 404 418
未払法人税 42 127
租税公課 305 338
その他未払金および未払費用 1,004 927
$ 93,476 $ 97,151
合計
1年を超えて期日の到来する金額
$ 68,257 $ 57,461
無担保借入金
親会社およびグループ会社に対する債務:
株式報酬 719 575
その他未払金および未払費用 90 59
$ 69,066 $ 58,095
合計
その他未払金合計 $162,542 $155,246
上記の表において、
・1年以内に期日の到来する金額には、金融負債が2019年11月現在において931.3億米ドルおよび2018年11月現在
において966.9億米ドル、ならびに非金融負債が2019年11月現在において347百万米ドルおよび2018年11月現在に
おいて465百万米ドル含まれている。
・2019年11月および2018年11月現在の双方において、1年を超えて期日の到来する金額はすべて金融負債である。
無担保借入金
無担保借入金は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
関係会社間
ローン $10,493 $21,232
その他借入金 1,054 892
1年以内に期日の到来する金額 11,547 22,124
ローン 46,021 32,453
劣後ローン 5,377 5,377
その他借入金 1,366 1,539
1年を超えて期日の到来する金額 52,764 39,369
関係会社間無担保借入金合計 $64,311 $61,493
外部
$ 164
銀行ローン $ 66
当座借越 38 153
発行社債 7,127 6,483
その他借入金 415 305
1年以内に期日の到来する金額 7,646 7,105
銀行ローン 20 6
発行社債 15,258 17,854
その他借入金 215 232
1年を超えて期日の到来する金額 15,493 18,092
外部無担保借入金合計 $23,139 $25,197
無担保借入金合計 $87,450 $86,690
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上記の表において、
・1年を超えて期日の到来する発行社債およびその他借入金には、5年を超えて期日の到来するものが2019年11月
現在において96.3億米ドルおよび2018年11月現在において109.7億米ドル含まれている。2019年11月現在、当該
商品の期日は2024年から2057年の間である。当該商品に関する支払いは、通常、主に金利、株式および為替に関
連する原金融資産を参照して行われる。
・1年を超えて期日の到来する関係会社間ローンには、5年を超えて期日の到来するローンが含まれている。2019
年11月現在、当社には2024年12月1日から2028年4月7日の間に期日が到来する833百万米ドルの変動利付借入
金があった。2018年11月現在、当社には2024年4月8日から2028年4月7日の間に期日が到来する10.3億米ドル
の変動利付借入金があった。
・2019年11月および2018年11月現在のいずれにおいても53.8億米ドルの劣後ローンは、親会社およびグループ会社
からの長期ローンから成る。当該債務に対する担保設定はなされておらず、米国連邦準備制度理事会のフェデラ
ル・ファンド・レートに一定のマージンを加えた利率で利息が生じる。マージンは、GSグループの加重平均債務
コストの変動を反映して定期的に再設定される。これらのローンは、健全性監督機構(以下「PRA」という。)よ
り承認された自己資本規制上の自己資本(規制による自己資本からの控除項目があればそれに従う)を構成してお
り、PRAの承認を条件として返済可能である。これらのローンは、2024年12月26日から2025年9月9日までの期
間において返済可能である。
債務評価調整
当社は、損益を通じて公正価値で評価するものとして指定された発行社債の公正価値を、GSグループのクレジッ
ト・スプレッドを考慮した率で将来キャッシュ・フローを割引くことにより算定している。
その他の包括利益累計額に含まれる累積DVA利益/(損失)純額に関する情報は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
DVA (税引前)
$(147) $54
財務活動によるキャッシュ・フロー
「キャッシュ・フロー計算書」において、財務活動によるキャッシュ・フローには当社の長期劣後ローンおよび関
連する未払利息に関連するキャッシュ・フローが含まれている。2019年11月に終了した期間において、その他未払
金に含まれる当社の長期劣後ローンに係る未払利息は、289百万米ドルの利息支払額が243百万米ドルの利息発生額
に相殺され、46百万米ドル減少した。2018年11月に終了した期間において、その他未払金に含まれる当社の長期劣
後ローンに係る未払利息は、237百万米ドルの利息発生額が54百万米ドルの利息支払額に相殺され、183百万米ドル
増加した。
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注記20
負債性引当金
当社が関与する法律上および規制上の手続きに関する負債性引当金は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル)
2018 年12月1日現在 $78
当期の繰入 3
引当金の減少 (24)
当期の取崩 (56)
$ 1
2019 年11月30日現在
上記の表において、当期に取り崩された負債性引当金には、取引報告に関連して2019年3月に金融行為規制機構
(以下「FCA」という。)が科した罰金に係る45百万米ドルが含まれている。当該罰金は2019年4月に支払われた。
注記21
払込資本金
払込資本金は、以下の表のとおりである。
割当済、請求済および払込済株式 額面1米ドル普通株式(単位:株) (単位:百万米ドル)
2018 年12月1日現在 581,964,161 $582
当期の割当 7,643,885 8
2019 年11月30日現在 589,608,046 $590
2019 年1月21日に、額面1米ドルの普通株式7,643,885株がGSG UKに1株当たり44.48米ドルで割り当てられた。受
領した対価の合計は現金340,000,000米ドルであり、これには資本剰余金332,356,115米ドルが含まれる。
2018 年5月10日、当社の資本構成を簡素化するため、当社はGSG UKに額面1米ドルの普通株式17.3百万株を無償で
割り当てた。その後、当社は無償で普通株式17.3百万株を消却した。この結果、当社の配当不能資本準備金が17.3
百万米ドル減少し、株主持分の利益剰余金が17.3百万米ドル増加した。
注記22
その他資本性金融商品
当社の無担保のAT1債の情報は、以下のとおりである。
発行月 AT 1債の単位数 (単位:百万米ドル) 金利
2017 年6月 5,800 $5,800 年利9.00%
2018 年11月 2,500 2,500 年利8.67%
2019 年11月30日現在 8,300 $8,300
当社の1単位当たり1百万米ドルのAT1債が、GSG UKに対して発行されている。これらには償還期限がなく、償還
要求不能である。
当社またはGSG UKグループのCET1自己資本比率が7%を下回った場合、AT1債は取消不能な元本削減が行われる。
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AT 1債に係る利息支払額の情報は、以下のとおりである。利息支払額(税引後)は株主持分に認識されている。非累
積固定金利の支払いは、一定の支払能力および規制に関する要件に従って当社の裁量により決めることができる。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2019 年11月 2018 年11月
利息支払額(税引前) $742 $503
利息支払額(税引後) $542 $367
注記23
配当金
取締役は、GSG UKに対し2019年11月26日に1株当たり1.70米ドルで合計10.0億米ドルの中間配当を宣言し支払っ
た。
取締役は、GSG UKに対し2018年11月30日に1株当たり4.30米ドルで合計25.0億米ドルの中間配当を宣言し支払っ
た。
注記24
現金および現金同等物
キャッシュ・フロー計算書上の現金および現金同等物は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
現金・預金 $22,397 $24,396
当座借越(注記19参照) (38) (153)
現金および現金同等物合計 $22,359 $24,243
上記の表において、現金・預金には、当社が利用できない現金が2019年11月現在において42.2億米ドルおよび2018
年11月現在において34.4億米ドル含まれている。
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注記25
営業活動によるキャッシュ・フローの調整
営業活動によるキャッシュ・フローの調整は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2019 年11月 2018 年11月
税引前利益
$ 2,426 $ 3,030
以下の項目に対する調整
減価償却費および無形資産償却費(注記6および13参照) 116 58
固定資産処分損 6 9
確定給付制度の収益(注記10参照) (13) (4)
為替差損 328 1,432
株式報酬費用 601 249
IFRS 第15号移行調整 – (7)
負債性引当金 (21) 68
支払利息等(注記9参照) 243 237
営業資産負債の増減前に生じたキャッシュ 3,686 5,072
営業資産の増減
保有金融商品の減少/(増加) (194,278) 46,135
担保付契約の減少 46,986 1,486
未収金の減少/(増加) (8,816) 8,944
営業資産の増減 (156,108) 56,565
営業負債の増減
売却済未購入金融商品の増加/(減少) 168,653 (43,935)
担保付借入金の減少 (22,058) (23,302)
その他未払金の増加 6,393 11,627
負債性引当金の減少 (56) –
営業負債の増減 152,932 (55,610)
確定給付制度への拠出金支払額
(注記10参照) – (47)
営業活動から生じたキャッシュ $ 510 $ 5,980
上記の表において、営業活動から生じたキャッシュには、利息支払額が2019年11月に終了した期間において70.2億
米ドルおよび2018年11月に終了した期間において67.6億米ドル、ならびに利息受取額が2019年11月に終了した期間
において76.0億米ドルおよび2018年11月に終了した期間において63.6億米ドル含まれている。
注記26
財務上のコミットメントおよび偶発債務
コミットメントおよび偶発債務
コミットメントおよび偶発債務は以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
担保付契約 $63,292 $60,530
担保付借入金 28,006 27,155
その他 2,906 2,400
合計 $94,204 $90,085
コミットメントおよび偶発債務には、グループ会社に対する残高が、2019年11月現在において417.3億米ドルおよ
び 2018 年11月 現在において231.3億米ドル含まれている。
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担保付契約に係るコミットメントにはフォワード・スタート売戻条件付有価証券借入契約が含まれ、担保付借入金
に係るコミットメントには将来の日付(通常は3営業日以内)において決済されるフォワード・スタート買戻条件付
貸付契約が含まれる。また、担保付契約に係るコミットメントには、当社が売戻条件付契約を通じて顧客および取
引相手先に条件付融資契約を締結する取引が含まれる。これらのコミットメントに基づく当社の融資は、売戻条件
付契約のすべての条件を満たすことが前提となっており、実行されないままコミットメントが満期を迎える可能性
もある。
その他のコミットメントは、主に担保付コミットメントに関するものである。
また、通常の営業活動から生じた当社の資産には担保登録されたものが存在する。
リース
当社は、解約不能リース契約によりいくつかの建物を賃借している。リースは、契約で定める一定期間後に再交渉
の対象となるもので、当社は契約に基づいて、これらの不動産に対するすべての保険料、維持および修理に関する
費用の支払いを行っている。
以下の表は、各期間における解約不能オペレーティング・リースに基づく将来の最低支払リース料総額を示してい
る。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
$ 82
1年未満 $18
1年から5年 24 113
5年超 4 6
合計 $46 $201
解約不能サブリースに基づき、受け取ることが予想される将来の最低支払リース料総額は、2019年11月現在におい
て9百万米ドルおよび2018年11月現在において21百万米ドルであった。
訴訟事件等
当社は、当社の業務を遂行する上で生じた事項について、様々な司法手続、行政手続および仲裁手続(以下に記載
されたものを含む)に関与しているが、これらの当社に対する財務上の影響について信頼性をもって見積ること
は、注記20に開示されたものを除き実務上困難である。
1マレーシア・ディベロップメント・バーハッド(以下「1MDB」という。)関連事項 GSグループは、マレーシア
の政府系投資ファンドである1MDBが関与する資金調達取引およびその他の事項に関連した調査および検査の一環
として、様々な政府および規制機関ならびに自主規制機関より召喚状を受領し、文書および情報の提供要請を受け
ている。当社を含むグループ・インクの子会社は、約65億米ドルの1MDBの債券のアレンジャーまたは購入者とし
ての役務を担った。
2018 年11月1日、米国司法省(以下「DOJ」という。)は、GSグループの元常務取締役のティム・ライスナーによる
犯罪情報および有罪答弁、ならびにGSグループの元常務取締役のウン・チョンファおよびロー・テック・ジョーに
対する起訴について開示した。ライスナーは、共謀してマネーロンダリングを行い、共謀して米国海外腐敗行為防
止法(以下「FCPA」という。)の贈収賄防止規定および会計・内部統制規定に違反したとして告発する2件の犯罪
情報に対して、有罪を認めた。ローおよびウンは、共謀してマネーロンダリングを行い、共謀してFCPAの贈収賄防
止規定に違反したとして、3件の容疑で起訴された。2018年8月28日、ライスナーの有罪答弁は、ニューヨーク州
東部地区連邦地方裁判所によって受入れられ、ライスナーは両方の件について有罪判決を受けた。ウンもまた、こ
の起訴において、共謀してFCPAの会計・内部統制規定に違反したとして告発された。起訴状では特に、ライスナー
とウンが共謀して、1MDBの募集または売出しによる収入を自身のために不正流用し、GSグループのために1MDBの
ビジネスを獲得、維持することを目的として様々な政府官僚に賄賂を支払ったことが述べられている。答弁書およ
び起訴状は、ライスナーとウンがGSグループの内部会計統制システムを意識的かつ故意に回避したことを示してお
り、こうした回避は、一部では、これらの募集または売出しのレビューを行った担当者および内部の委員会を繰り
返し欺くことによって行われていた。ウンおよびローの起訴状では、GSグループの内部会計統制システムが容易に
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回避可能なものであること、またGSグループのビジネス・カルチャーは、特に東南アジアにおいて、時にはコンプ
ライアンス機能の適切な運用よりも取引の成果を優先したとの主張がなされている。2019年5月6日、ウンはDOJ
の 刑事責任に関する起訴に対し無罪を主張した。
2020 年2月4日、DOJにより起訴されていない共謀者とされたGSグループの元常務取締役のアンドレア・ベラが、
彼が銀行業に従事することを禁じる同意命令に、FRBの申立を是認または否認することなく同意したことをFRBが公
表した。同意命令によりその他の罰則は科されなかった。
2018 年12月17日、マレーシア司法長官は、元本総額約65億米ドルの1MDB債券の3件の募集または売出しのアレン
ジャーとしての当社およびグループ・インクのその他の子会社2社に対し、とりわけ債券収入の用途に関連して、
募集または売出しに関する勧誘書類における開示に欠陥があったとして、マレーシアにおいて刑事訴訟を提起し
た。また、ライスナー、ロー、ウンおよびジャスミン・ルー・アイ・スワンに対しても刑事訴訟が提起されてい
る。関連する報道発表において、マレーシア司法長官は、マレーシアの検察は被告に対して27億米ドルに債券の募
集または売出しに関連して受領した600百万米ドルの手数料を加算した金額を上回る刑事上の罰金を科すことを求
めることを示した。2019年8月9日、マレーシア司法長官は、当社の最高経営責任者を含む当社の5名の現職およ
び元の取締役、ならびにその他の子会社2社の現職および元の取締役12名に対しても刑事訴訟が提起されているこ
とを公表した。
マレーシア証券委員会は、2018年12月および2019年3月、グループ・インクの子会社に対して、(ⅰ) マレーシア
証券法の違反の可能性を主張し、(ⅱ) マレーシア証券委員会が、当該子会社がマレーシアでコーポレート・ファ
イナンスおよびファンド管理活動を行うためのライセンスの取消しを検討していることを示す、理由提示通知を発
行した。
GS グループは、2018年11月以降、とりわけ1MDBへのGSグループの関与およびGSグループのコンプライアンス手続
に関連して、会計帳簿に関するデラウェア州一般会社法第220条に基づき、株主を主張する者から複数の請求を受
領している。2019年12月13日、グループ・インクの株主を主張する者が、とりわけ1MDBへのGSグループの関与お
よびGSグループのコンプライアンス手続に関連する会計帳簿の開示を求める訴訟をデラウェア州衡平法裁判所に提
起した。
2019 年2月19日、グループ・インクならびにGSグループの当時の取締役および元会長兼最高経営責任者を相手取
り、1MDBに関連する株主代表訴訟を意図した訴訟がニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提起された。2019年
7月12日に提出された修正訴状は、金額を特定しない損害賠償、不当利得の返還および宣言的救済を求めており、
一部の現職および元の取締役がインサイダー取引を行ったとする申立に関連したものを含む信任義務違反、不当利
得、ならびにグループ・インクの普通株式の買い戻しおよび委任状勧誘に関連するものを含む証券取引法の詐欺防
止規定の違反が行われたとの訴えがなされている。2019年9月12日、被告は当該訴訟の却下を求める申立を行っ
た。
また、2019年3月以降、GSグループは、株主を主張する者から、1MDBおよび関連する内部統制に対する監視と公
開開示に基づいて、グループ・インクの一部の現職および元の取締役および執行役員に対する調査および責任追及
を行うよう求められている。
2018 年11月21日、1MDBおよびその子会社であるアーバー・インベストメンツPJSが発行した特定の債券を保証して
いるインターナショナル・ペトロリアム・インベストメント・カンパニーによって、召喚状がニューヨーク郡の
ニューヨーク州上位裁判所に提出された。召喚状では、1MDBに関連して金額を特定しない請求がなされており、
グループ・インクおよび当社を含むグループ・インクの多数の子会社、ライスナー、ウンおよびベラ、ならびに原
告らと以前に関係があった個人(GSグループの現従業員または元従業員ではない)に対して、金額を特定しない補償
的および懲罰的損害賠償ならびにその他の救済を求めている。
2018 年12月20日、グループ・インクならびにGSグループの一部の元役員を相手取り、1MDBについてのグループ・
インクの開示に関して証券取引法の詐欺防止規定に違反したとして、金額を特定しない損害賠償を求め、集団訴訟
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を意図した訴訟がニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に提起された。2019年10月28日、原告は第2修正訴状を
提出し、これに対し被告は2020年1月9日に却下を求める申立を行った。
GS グループは、DOJならびにその他の政府および規制当局による1MDBに関連する調査に協力している。GSグループ
はまた、特定の政府および規制当局による調査および手続の解決の可能性について話し合いを行っている。話し合
いによりこれらの事項が解決されるという保証はない。このような解決やDOJまたはその他の政府もしくは規制当
局による手続によっては、GSグループの業務に対する制限を含め、GSグループに対して重大な罰金、罰則およびそ
の他の制裁が科される可能性がある。最終の親会社であるグループ・インクが引当金を計上した損失は、グルー
プ・インクが負担するものとされる。1MDBに関連する当社に対するその他の法律上および規制上の手続きが当社
に及ぼす財務上の影響について信頼性をもって見積ることは、実務上困難である。
金利スワップ反トラスト訴訟 当社は、2015年11月にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起され併
合された、金利スワップ取引に関連する反トラスト法の集団訴訟を意図した訴訟の被告に含まれている。当社はま
た、スワップ執行ファシリティの3名の運営者およびその一部の関連会社によって、ニューヨーク州南部地区連邦
地方裁判所においてそれぞれ2016年4月および2018年6月に開始された金利スワップ取引に関する2件の反トラス
ト訴訟の被告となっている。公判前手続きのため、これらの訴訟は併合されている。これらの訴状は概ね、被告ら
が共謀して金利スワップの取引所取引を妨害したとする申立てに関連する、連邦反トラスト法および州のコモン
ローの違反を主張するものである。個別訴訟の訴状では、州反トラスト法に基づく訴えもなされている。訴状で
は、宣言的救済および差止による救済ならびに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。被告らは集団訴
訟および第一の個別訴訟の却下を求める申立を行い、地方裁判所は、第一の個別訴訟において原告らが主張した州
のコモンローに基づく請求を否認し、集団訴訟を意図した訴訟における州コモンローに基づく請求および両訴訟に
おける反トラスト法に基づく請求を2013年から2016年の期間に限定した。2018年11月20日、裁判所は、第二の個別
訴訟の却下を求める被告らの申立を一部認め、一部否認し、不当利得および不法な妨害に対する州コモンローに基
づく請求を却下したが、連邦および州の反トラスト法に基づく請求の却下を否認した。2019年3月13日、裁判所
は、2008年から2012年の行為に関連する申立を追加するよう訴状の修正を求める集団訴訟を意図した訴訟の原告ら
の申立を否認したが、2013年から2016年に関連する限定的な申立の追加は認めた。申立は、原告らにより、2019年
3月22日に提出された第4併合修正訴状に追加された。2019年3月7日、集団訴訟を意図した訴訟の原告らは、集
団認定の申立を行った。
コモディティ関連訴訟 当社は、2014年11月25日以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起さ
れ、直近では2017年5月15日に修正された、プラチナおよびパラジウムの取引に関連する集団訴訟を意図した訴訟
の被告に含まれている。当該修正訴状では概ね、被告が共謀して現物プラチナおよびパラジウムのベンチマーク価
格を操作したとする連邦反トラスト法および商品取引法の違反が主張され、宣言的救済および差止による救済なら
びに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。2017年7月21日、被告は第3併合修正訴状の却下を求める
申立を行った。
当社は、2013年8月1日以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起され併合された、集団および
個別訴訟を意図した多数の訴訟の被告に含まれている。これらの訴状は概ね、アルミニウムの貯蔵およびアルミニ
ウムの取引に関連して連邦反トラスト法および州法の違反を主張するものである。訴状では、宣言的救済、差止に
よる救済および衡平法上の救済、ならびに3倍損害賠償を含む金額を特定しない金銭的損害賠償が求められてい
る。2016年12月、地方裁判所は、残りすべての請求の却下を求める被告の申立を認めた。2016年12月、一部の原告
はこれに対して控訴した。2019年8月27日、第2巡回区連邦控訴裁判所は地方裁判所の却下の判決を退け、さらな
る手続のために本件を地方裁判所に差し戻した。
規制当局の調査および検査ならびに関連訴訟 グループ・インクおよびその関連会社の一部(当社を含む)は、以下
のGSグループの事業および業務に関する様々な事項について、様々な政府および規制機関ならびに自主規制機関に
よる多数のその他の調査および検査の対象となっており、いくつかの案件では、召喚状を受領し、文書および情報
の提供要請を受けており、また訴訟対象にもなっている。
・公募のプロセス
・投資運用サービスおよびファイナンシャル・アドバイザリー・サービス
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・利益相反
・政府が関連する資金調達およびその他の事項
・社債、国債、為替、コモディティおよびその他の金融商品の募集または売出し、オークション、販売、取引およ
び決済ならびに関連する販売ならびにその他の連絡および活動、ならびに、かかる活動に対するGSグループの監
督と統制(これには、空売りに関して適用される規則の遵守、アルゴリズム、高頻度および定量的取引、先物取
引、オプション取引、発行日取引、取引報告、テクノロジー・システムおよび統制、証券貸付の実務慣行、信用
デリバティブおよび金利スワップの取引および決済、コモディティ取引および金属の貯蔵、私募の実務慣行、有
価証券の割当および取引、ならびに為替レートなどのベンチマーク金利の設定に関する取引業務および連絡が含
まれる)
・英国贈収賄防止法およびFCPAの遵守
・雇用および報酬の実務慣行
・リスク管理統制システム
・インサイダー取引、会社および政府の動向に関する重要な非公開情報の乱用および流布の可能性、ならびにイン
サイダー取引統制および情報障壁の有効性
さらに、当社の関連会社およびかかる関連会社の事業および業務に関する調査、検査および訴訟(上記の様々な事
項を含むが、他の事項も含む)は、当社の事業および業務に影響を及ぼす可能性がある。
注記27
金融リスク管理および資本管理
当社の金融リスク管理および資本管理に関する特定の開示は、本アニュアル・レポートのパートⅠ(訳者注:原文
の該当箇所をいう。)におけるその他のリスク管理および規制上の情報と共に表示されており、監査済みである場
合には、そのように特定されている。
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注記28
金融資産および負債
区分別金融資産および負債
当社の金融資産および負債の区分別の帳簿価額は、以下の表のとおりである。
金融資産
公正価値での測定が
(単位:百万米ドル)
義務付けられている 償却原価 合計
2019 年11月現在
$ 788,407
保有金融商品 $ – $ 788,407
担保付契約 91,586 64,762 156,348
未収金 – 73,256 73,256
現金・預金 – 22,397 22,397
$ 879,993
金融資産合計 $160,415 $1,040,408
2018 年11月現在
保有金融商品 $594,129 $ – $ 594,129
担保付契約 146,767 56,567 203,334
未収金 790 63,697 64,487
現金・預金 – 24,396 24,396
$ 741,686
金融資産合計 $144,660 $ 886,346
金融負債
トレーディング 公正価値で評価す
目的で保有 るものとして指定
(単位:百万米ドル)
償却原価 合計
2019 年11月現在
1年以内に期日の到来する金額
売却済未購入金融商品 $714,640 $ – $ – $ 714,640
担保付借入金 – 68,456 56,284 124,740
その他未払金 – 8,888 84,241 93,129
合計 714,640 77,344 140,525 932,509
1年を超えて期日の到来する金額
担保付借入金 – 5,347 – 5,347
その他未払金 – 40,351 28,715 69,066
合計 – 45,698 28,715 74,413
金融負債合計 $714,640 $123,042 $169,240 $1,006,922
2018 年11月現在
1年以内に期日の到来する金額
$ 545,987
売却済未購入金融商品 $545,987 $ – $ –
担保付借入金 – 97,865 43,975 141,840
その他未払金 – 8,694 87,992 96,686
合計 545,987 106,559 131,967 784,513
1年を超えて期日の到来する金額
担保付借入金 – 10,305 – 10,305
その他未払金 – 42,236 15,859 58,095
合計 – 52,541 15,859 68,400
$ 852,913
金融負債合計 $545,987 $159,100 $147,826
上記の表において、保有金融商品には、ヘッジに指定されているデリバティブ商品が、2019年11月現在において18
百万米ドルおよび2018年11月現在において26百万米ドル含まれている。
公正価値の階層
金融商品の公正価値とは、測定日における市場参加者間の通常取引で、資産の売却により受取る、または負債の移
転により支払われると考えられる金額である。金融資産はビッド価格で評価され、金融負債はオファー価格で評価
される。公正価値測定において取引費用は算入されない。当社は一部の金融資産および負債を1つのポートフォリ
オとして測定する(すなわち、市場リスクおよび(または)信用リスクに対する純エクスポージャーに基づき測定す
る)。
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英国会計基準は、公正価値測定の開示について3つのレベルの階層を設定している。この階層は、公正価値の測定
に使用される評価手法へのインプットの優先順位を定めており、レベル1のインプットを最も優先順位が高く、レ
ベル3のインプットを最も優先順位が低いとしている。階層における金融商品のレベルは、公正価値測定に重要な
インプットのうち最も低いレベルに基づいている。
公正価値の階層は以下のとおりである。
レベル1 インプットは、同一の非制限資産または負債について、測定日において当社がアクセスできた活発な市
場における無調整の市場価格である。
レベル2 評価手法へのインプットは直接または間接的に観察可能である。
レベル3 評価手法へのインプットの1つ以上が重要かつ観察不能である。
経常的に公正価値で評価される当社の金融資産および負債のほぼすべての公正価値は、観察可能な価格およびイン
プットに基づいており、公正価値の階層のレベル1およびレベル2に分類されている。レベル2およびレベル3の
金融資産および負債の一部については、取引相手先ならびに当社およびGSグループの信用度、資金調達リスク、譲
渡制限、流動性ならびにビッド/オファーのスプレッドなどの要素に関して、市場参加者が公正価値を算定するの
に必要と考えられる適切な評価調整を行う場合がある。評価調整は通常、市場のデータに基づいている。
評価手法および重要なインプット
現物商品 現物商品には、政府債および政府機関債、企業債務商品、持分証券、ならびにデリバティブ以外のその
他の保有金融商品および売却済未購入金融商品が含まれる。公正価値の階層の各レベルの評価手法および重要なイ
ンプットには、以下が含まれる。
レベル1の現物商品
レベル1の現物商品は、活発な市場における同一の非制限商品の市場価格を用いて評価される。当社は、絶対的な
観点と、当該商品の時価総額との相対的な観点の両方による日次平均トレーディング量に基づき、資本性金融商品
の活発な市場を定義している。当社は、日次平均トレーディング量と売買取引日数の両方に基づき、債務商品の活
発な市場を定義している。
レベル2の現物商品
レベル2の現物商品は、市場価格、同一または類似商品についての最近の売買取引、ブローカーまたはディーラー
による呼び値、あるいは価格の透明性が合理的な水準にある代替的な価格情報源により検証可能である。呼び値の
性質(指標的なものか、確定的なものかなど)、および最近の市場活動と代替的な価格情報源が提供した価格との関
係が考慮される。
一般的に(ⅰ) 現物商品の譲渡が制限されている場合、および(または)(ⅱ) 市場参加者が公正価値を算定するのに
必要と考えられるその他のプレミアムおよび流動性割引に関して、レベル2の現物商品に対して評価調整が行われ
る。評価調整は通常、市場のデータに基づいている。
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レベル3の現物商品
レベル3の現物商品には、評価における重要なインプットに観察不能なものが1つ以上含まれる。反証がない限
り、レベル3の現物商品は取引価格で当初評価されるが、これは公正価値の当初見積りの最善のものと考えられる
からである。その後、当社は公正価値の算定に他の方法を用いるが、これは商品の種類によって異なる。評価にお
けるインプットおよび仮定は、金融資産の売却時実現価値を含めた実体のある観察可能な証拠に裏付けられる場合
に変更される。
レベル3の現物商品の評価手法は商品ごとに異なるが、通常は割引キャッシュ・フロー法に基づいている。レベル
3の現物商品の各タイプの公正価値の算定に使用される評価手法および重要なインプットの性質は以下のとおりで
ある。
・モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券 重要なインプットは通常、相対価値分析に基づき決
定されており、以下が含まれる。
・類似または関連する資産の取引から推定される市場利回り
・裏付担保と、同一または類似する裏付担保が付されている商品の両方の取引価格
・借手やローン担保の現在の状況およびデフォルト時の回収に関する仮定
・予想将来キャッシュ・フローの時期(デュレーション)。これは、その他の観察不能なインプットの影響を組み
込むことがある(期限前償還率など)。
・企業債務商品ならびに政府債および政府機関債 重要なインプットは通常、相対価値分析に基づき決定されてお
り、同一または類似する対象商品または企業を参照するクレジット・デフォルト・スワップの価格との比較と、
同一または類似する発行体が発行する、観察可能な価格またはブローカーの呼び値が入手可能なその他の債務商
品との比較の両方を組み込んでいる。重要なインプットには以下が含まれる。
・類似または関連する資産の取引から推定される市場利回り
・iTraxxおよびCDX(企業の信用度のパフォーマンスをトラッキングする指数)などの市場指数の現在のレベルお
よび変動
・借手やローン担保の現在の状況およびデフォルト時の回収に関する仮定
・商品の満期およびクーポンの情報
・転換または資本参加オプションが付された企業債務商品の市場および取引の評価倍率
・持分証券 持分証券は、プライベート・エクイティから成る。最近の第三者による完了済または進行中の取引
(合併の提案、公開買付、債務の再編など)が公正価値の変動の最良の証拠とみなされる。これらが入手できない
場合には、以下の評価手法が適宜使用される。
・業界の評価倍率および上場会社との比較
・類似商品の取引
・割引キャッシュ・フロー法
デリバティブ商品 デリバティブは、取引所で取引される(上場)場合もあれば、店頭デリバティブとして相対取引
により契約が締結される場合もある。当社の店頭デリバティブの一部は、中央清算機関を通じて清算および決済さ
れる(清算対象の店頭取引)が、一部は両取引相手間の双務契約(二者間の店頭取引)となっている。
当社のレベル2およびレベル3のデリバティブは、デリバティブ価格決定モデル(割引キャッシュ・フロー・モデ
ル、相関モデル、およびモンテ・カルロ法等のオプション価格決定法を組み込むモデルなど)を用いて評価され
る。デリバティブの価格の透明性は通常、商品タイプ別に以下のとおり特徴が分類できる。
・金利 一般的に金利デリバティブの評価に使用される主要なインプットは、長期契約であってもほとんどの場合
透明性がある。主要先進国の通貨建の金利スワップおよびオプションの特徴は、取引量が多いことおよびビッ
ド/オファーのスプレッドが小さいことである。インフレ指数などの指数またはイールド・カーブの形(10年物ス
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ワップのレートと2年物スワップのレートの比較など)を参照する金利デリバティブはより複雑であるが、主要
なインプットは一般的に観察可能である。
・信用 個別銘柄とバスケット型の両方を含め、クレジット・デフォルト・スワップの価格の透明性は、市場およ
び対象となる参照企業または参照債務により様々に異なる。指数、大企業および主要ソブリンを参照するクレ
ジット・デフォルト・スワップは、一般的に最も価格の透明性が高い。それ以外の原資産を有するクレジット・
デフォルト・スワップについては、価格の透明性は信用格付、対象となる参照債務の借入コスト、および発行体
のデフォルト時に引渡される対象となる参照債務の入手可能性に基づき様々に異なる。ローン、資産担保証券お
よび新興市場の債務商品を参照するクレジット・デフォルト・スワップは、社債を参照するクレジット・デフォ
ルト・スワップより価格の透明性が低い傾向にある。また、複数の対象となる参照債務のコリレーションまたは
担保付資金調達スプレッドに感応するものなど、より複雑な信用デリバティブは一般的に価格の透明性が比較的
低い。
・為替 比較的長期間のものを含め、主要先進国の為替レートに基づく為替デリバティブは一般的に価格の透明性
が高い。先進国市場と新興市場における為替デリバティブの価格の透明性の主な相違点は、新興市場においては
比較的短期間の契約についてのみ観察可能な傾向にあるということである。
・株式 株式デリバティブの価格の透明性は、市場および原資産により様々に異なる。指数および主要な株式指数
に含まれる企業の普通株式に係るオプションは、最も高い透明性を示している。長期間の契約または現在の市場
価格から大幅に異なる参照価格が付されている契約を除き、株式デリバティブには通常、観察可能な市場価格が
ある。複数の個別株式銘柄のコリレーションに感応するものなど、より複雑な株式デリバティブは一般的に価格
の透明性が比較的低い。
あらゆる商品タイプの観察可能性に対して、流動性は必要不可欠である。取引量が減少した場合、以前には透明性
の高かった価格およびその他のインプットが観察不能になる可能性がある。反対に、きわめて複雑な構造の商品で
も、十分な取引量があれば、価格およびその他のインプットが観察可能となる可能性がある。
レベル1のデリバティブ
レベル1のデリバティブには、将来において有価証券の受渡しを行う短期契約で、対象となる有価証券がレベル1
の金融商品であるもの、および活発な取引があり、市場価格で評価される上場デリバティブが含まれる。
レベル2のデリバティブ
レベル2のデリバティブには、評価における重要なインプットのすべてが市場のデータによって裏付けられる店頭
デリバティブ、ならびに活発な取引のない上場デリバティブおよび(または)店頭デリバティブの市場清算レベルへ
の較正を行うモデルで評価される上場デリバティブが含まれる。評価におけるインプットの重要性を判断するに際
し、当社はとりわけ当該インプットに対するポートフォリオの正味リスク・エクスポージャーを考慮している。
デリバティブを評価する特定のモデルの選択は、商品の契約条件、内在する特定のリスクおよび市場における価格
決定情報の入手可能性によって異なる。流動性の高い市場で取引されているデリバティブについては、モデルから
導き出された情報が市場清算レベルと較正できるため、モデルの選択に重要な経営者の判断を伴わない。
評価モデルには、契約条件、市場価格、イールド・カーブ、割引率(担保付デリバティブに係る信用補完契約の規
定による受取および差入担保に係る利息によるものを含む)、クレジット・カーブ、ボラティリティ指標およびそ
れぞれのインプットのコリレーションなど、様々なインプットが必要である。レベル2のデリバティブを評価する
ための重要なインプットは、市場取引、ブローカーまたはディーラーによる呼び値、あるいは価格の透明性が合理
的な水準にあるその他の代替的な価格情報源により検証可能である。呼び値の性質(指標的なものか、確定的なも
のかなど)、および最近の市場活動と代替的な価格情報源が提供した価格との関係が考慮される。
レベル3のデリバティブ
レベル3のデリバティブは、観察可能なレベル1および(または)レベル2のインプットとともに、観察不能なレベ
ル3のインプットを使用するモデルで評価される。観察不能なインプットには、一部のコリレーション、流動性の
乏しいクレジットおよび担保付資金調達スプレッド、回収率ならびに一部の株式および金利ボラティリティが含ま
れる。
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当社はレベル3のデリバティブを当初評価した後に、レベル1およびレベル2のインプットを更新して観察可能な
市場の変動を反映しており、それによる損益はレベル3に分類される。レベル3のインプットは、類似する市場取
引、第三者の価格提供サービスおよび(または)ブローカーやディーラーによる呼び値、あるいはその他の過去の市
場データなどの証拠に裏付けられる場合に変更される。当社が市場取引を参照してモデルの評価額を検証できない
場合には、別の評価モデルによって大幅に異なる公正価値の見積りが算出される可能性がある。レベル3のデリバ
ティブの評価に使用された重要かつ観察不能なインプットの詳細は、以下を参照のこと。
当初の取引価格と内部開発のモデルにより算出された公正価値との間に差異がある場合、市場参加者が価格設定に
おいて考慮するであろう要素(時間の要素を含む)の変化から生じたものに限り、損益が認識される。
評価調整
評価調整は、デリバティブ・ポートフォリオの公正価値の算定に必要不可欠なものであり、デリバティブ価格決定
モデルによって算出された中間市場の評価額を出口価格の評価額に調整するために用いられる。これらの調整に
は、ビッド/オファーのスプレッド、流動性コスト、CVAおよび資金調達の評価調整が組み込まれており、デリバ
ティブ・ポートフォリオの担保が付されない部分に固有の信用リスクおよび資金調達リスクを加味している。当社
はまた、契約条件により当社が受取担保を引渡すまたは再担保に供することができない場合の担保付デリバティブ
の資金調達の評価調整も行っている。市場に基づくインプットは通常、評価調整を市場清算レベルまで測定する場
合に使用される。
さらに、重要かつ観察不能なインプットを含むデリバティブについては、当社は取引に含まれる評価の不確実性を
考慮に入れるためにモデルまたは出口価格の調整を行っている。
その他の金融資産および負債 その他の金融資産および負債の評価手法および重要なインプットには以下が含まれ
る。
・売戻条件付契約および買戻条件付契約ならびに借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金 売戻条件付契約
および買戻条件付契約ならびに借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金の評価において重要なインプット
は、資金調達スプレッド、予想将来キャッシュ・フローの金額および時期、ならびに金利である。
・未収金 公正価値で測定する未収金は主に担保付貸付契約および前払コモディティ契約から成る。そのような債
権の評価にとって重要なインプットは、コモディティの価格、金利、予想将来キャッシュ・フローの金額および
時期、ならびに資金調達スプレッドである。
・その他担保付借入金 公正価値で測定する担保付の発行社債、関係会社間ローンおよびその他借入金の評価に
とって重要なインプットは、予想将来キャッシュ・フローの金額および時期、金利、資金調達スプレッド、当社
が差入れた担保の公正価値(予想将来キャッシュ・フローの金額および時期、市場価格、市場利回りならびに回
収の仮定を用いて算定される)ならびに追加担保の差入要求の頻度である。
・その他未払金 公正価値で測定する無担保のその他未払金の評価にとって重要なインプットは、予想将来キャッ
シュ・フローの金額および時期、金利、GSグループのクレジット・スプレッド、ならびに前払コモディティ契約
の場合はコモディティの価格である。ハイブリッド金融商品に組込まれたデリバティブの評価に使用されたイン
プットは、当社のその他のデリバティブ商品の評価に使用されたインプットと整合性がある。
金融資産および負債の公正価値のレベル別内訳
経常的に公正価値で測定される金融資産および負債の公正価値の階層のレベル別内訳は、以下の表のとおりであ
る。
(単位:百万米ドル) レベル1 レベル2 レベル3 合計
2019 年11月現在
金融資産
$ 29,248 $ 788
現物商品 $76,946 $106,982
デリバティブ商品
13 676,875 4,537 681,425
保有金融商品 76,959 706,123 5,325 788,407
担保付契約 – 91,586 – 91,586
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未収金 – – – –
$ 5,325
金融資産合計 $76,959 $797,709 $879,993
金融負債
1年以内に期日の到来する金額
$ 219 $ 44,150
現物商品 $38,594 $ 5,337
デリバティブ商品
15 667,680 2,795 670,490
売却済未購入金融商品 38,609 673,017 3,014 714,640
担保付借入金 – 67,345 1,111 68,456
その他未払金 – 6,120 2,768 8,888
合計 38,609 746,482 6,893 791,984
1年を超えて期日の到来する金額
担保付借入金 – 5,347 – 5,347
その他未払金 – 34,938 5,413 40,351
合計 – 40,285 5,413 45,698
金融負債合計 $38,609 $786,767 $12,306 $837,682
$ 1,742 $ 10,935
デリバティブ商品純額 $ (2) $ 9,195
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2018 年11月現在
金融資産
$ 27,278 $ 1,083 $ 81,566
現物商品 $53,205
デリバティブ商品
17 508,315 4,231 512,563
保有金融商品 53,222 535,593 5,314 594,129
担保付契約 – 146,767 – 146,767
未収金 – 790 – 790
$ 5,314
金融資産合計 $53,222 $683,150 $741,686
金融負債
1年以内に期日の到来する金額
$ 47,600
現物商品 $42,951 $ 4,637 $ 12
デリバティブ商品
21 495,993 2,373 498,387
売却済未購入金融商品 42,972 500,630 2,385 545,987
担保付借入金 – 96,948 917 97,865
その他未払金 – 6,272 2,422 8,694
合計 42,972 603,850 5,724 652,546
1年を超えて期日の到来する金額
担保付借入金 – 10,286 19 10,305
その他未払金 – 35,105 7,131 42,236
合計 – 45,391 7,150 52,541
金融負債合計 $42,972 $649,241 $12,874 $705,087
$ 12,322 $ 1,858 $ 14,176
デリバティブ商品純額 $ (4)
レベル3の公正価値の測定に使用される重要かつ観察不能なインプット
現物商品 当社は、レベル3の現物商品資産を、2019年11月現在において788百万米ドルおよび2018年11月現在に
おいて10.8億米ドル保有していた。レベル3の現物商品負債は重要ではなかった。
レベル3の現物商品資産の金額、ならびにレベル3の現物商品資産の評価に使用される重要かつ観察不能なイン
プットの範囲および加重平均は以下の表のとおりである。
レベル3の現物商品資産および重要かつ
観察不能なインプットの範囲(加重平均)
(単位:百万米ドル)
2019 年11月現在 2018 年11月現在
モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券
レベル3資産
$126 $171
利回り 1.2% から18.6%(7.2%) 2.4% から16.5%(6.5%)
回収率 48.3% から75.0%(61.6%) 19.0% から75.0%(50.0%)
デュレーション(年) 0.5 から10.6(4.3) 0.5 から13.4(5.1)
企業債務商品ならびに政府債および政府機関債
レベル3資産 $602 $867
利回り 1.8% から13.2%(5.4%) 0.7% から28.2%(5.9%)
回収率 0.0% から69.5%(42.1%) 0.0% から78.0%(51.7%)
デュレーション(年) 2.6 から16.5(7.5) 0.5 から13.2(2.6)
持分証券
レベル3資産 $60 $45
評価倍率 4.1 倍から11.0倍(5.4倍) 4.1 倍から11.0倍(5.4倍)
上記の表において、
・これまで持分証券に含まれていた転換社債は、企業債務商品ならびに政府債および政府機関債に振り替えられて
いる。比較数値は、当期の表示に合わせて修正されている。
・範囲は、現物商品の各タイプの評価に使用された重要かつ観察不能なインプットの範囲を表している。
・加重平均は、各インプットを現物商品の相対的公正価値で加重することにより算定される。
・これらのインプットの範囲および加重平均は、ある現物商品の公正価値を算定する際に使用される適切なイン
プットの代表的なものということではない。例えば、モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券
の利回りの最大値は、特定のモーゲージの評価に適切であるが、他のモーゲージの評価には適切でない可能性が
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ある。したがって、インプットの範囲は、レベル3の現物商品の公正価値測定における不確実性または公正価値
測定の可能な範囲を表すものではない。
・2019年11月および2018年11月現在の双方において、レベル3の現物商品の評価に使用される利回りまたはデュ
レーションが上昇すると、公正価値測定の結果が低下し、回収率または評価倍率が上昇すると、公正価値測定の
結果が上昇した。レベル3の現物商品はそれぞれ特徴ある性質のため、インプットの相互関係は各商品タイプ内
で必ずしも同じではない。
・モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券、また企業債務商品ならびに政府債および政府機関債
は割引キャッシュ・フローを用いて評価され、持分証券は類似市場取引および割引キャッシュ・フローを用いて
評価される。
・ある金融商品の公正価値は、複数の評価手法を用いて算定されることがある。例えば、類似市場取引と割引
キャッシュ・フローが同時に公正価値の算定に使用されることがある。そのため、レベル3の残高には、これら
の両手法が含まれている。
デリバティブ商品 当社は、レベル3のデリバティブ商品純額を、2019年11月現在において17.4億米ドルおよび
2018年11月現在において18.6億米ドル保有している。
当社は、コモディティ・デリバティブに関するレベル3の金融商品純額を、2019年11月現在において8百万米ドル
および2018年11月現在において2百万米ドル保有しているが、金額に重要性がないため、重要かつ観察不能なイン
プットの範囲は開示されていない。
レベル3のデリバティブ商品純額、ならびに金利、信用、為替および株式デリバティブ商品の評価に使用される重
要かつ観察不能なインプットの範囲、平均値および中央値は以下の表のとおりである。
レベル3のデリバティブ商品純額および重要かつ
観察不能なインプットの範囲(平均値/中央値)
(単位:百万米ドル)
2019 年11月現在 2018 年11月現在
金利 $202 $76
コリレーション (42)% から16%((5)%/2%) 71% から72%(72%/72%)
ボラティリティ(bps) 50 から70(62/62) 64 から143(84/78)
信用 $2,344 $2,003
クレジット・スプレッド(bps) 2から1,321(122/83) 2から589(141/104)
アップフロント・クレジット・ポイント 76 から82(80/81) 1から46(22/22)
回収率 10% から41%(27%/25%) 25% から45%(37%/40%)
為替 $50 $(115)
コリレーション 20% から23%(22%/22%) 5%から32%(18%/15%)
株式 $(862) $(108)
コリレーション (70)% から97%(43%/45%) (63)% から98%(47%/53%)
ボラティリティ 2%から70%(12%/6%) 4%から81%(17%/13%)
上記の表において、
・デリバティブ資産純額はプラスの額で、デリバティブ負債純額はマイナスの額で表示されている。
・範囲は、デリバティブの各タイプの評価に使用された重要かつ観察不能なインプットの範囲を表している。
・平均値はインプットの算術平均を表しており、各金融商品の相対的公正価値または想定元本により加重されてい
ない。中央値を上回る平均値は、インプットの大部分が平均値を下回っていることを示している。
・これらのインプットの範囲、平均値および中央値は、あるデリバティブの公正価値の算定に使用する適切なイン
プットの代表的なものということではない。例えば、金利デリバティブのコリレーションの最大値は、特定の金
利デリバティブの評価に適切であるが、他の金利デリバティブの評価には適切でない可能性がある。したがっ
て、インプットの範囲は、レベル3のデリバティブの公正価値測定における不確実性または公正価値測定の可能
な範囲を表すものではない。
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・金利、為替および株式デリバティブは、オプション価格決定モデルを用いて評価され、信用デリバティブは、オ
プション価格決定モデル、相関モデルおよび割引キャッシュ・フロー・モデルを用いて評価される。
・ある金融商品の公正価値は、複数の評価手法を用いて算定されることがある。例えば、オプション価格決定モデ
ルと割引キャッシュ・フロー・モデルは通常、同時に公正価値の算定に使用される。そのため、レベル3の残高
には、これらの両手法が含まれている。
・為替および株式デリバティブのコリレーションは、クロスプロダクト・コリレーションを含んでいる。
重要かつ観察不能なインプットの範囲
レベル3のデリバティブ商品の評価に使用される重要かつ観察不能なインプットの範囲に関する情報は、以下のと
おりである。
・コリレーション コリレーションの範囲は、同一商品タイプ(株価指数や個別株式銘柄など)、商品タイプ間(金
利と為替のコリレーションなど)、地域間などにおける様々な原資産をカバーしている。
・ボラティリティ ボラティリティの範囲は、様々な市場にわたる多数の原資産、満期および権利行使価格をカ
バーしている。例えば、株価指数のボラティリティは一般的に個別株式のボラティリティを下回る。
・クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率 クレジット・スプレッド、
アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率の範囲は、様々な原資産(指数および個別銘柄)、地域、部
門、満期および信用度(高利回りおよび投資適格)をカバーし、また担保付資金調達スプレッドを含んでいる。こ
の幅広い母集団により、重要かつ観察不能なインプットの範囲に幅が生じる。
重要かつ観察不能なインプットの変動に対する公正価値測定の感応度
各期間末現在における、重要かつ観察不能なインプットの個別の変動に対する当社のレベル3の公正価値測定の方
向感応度の詳細は、以下のとおりである。
・コリレーション 一般的に保有者が対象となる原資産または指数の価格(金利、クレジット・スプレッド、為替
レート、インフレ率および株価など)の一貫した方向のパフォーマンスから利益を得る契約については、コリ
レーションが増大すると公正価値測定の結果が上昇する。
・ボラティリティ 一般的に買建オプションについては、ボラティリティが増大すると公正価値測定の結果が上昇
する。
・クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率 一般的にクレジット・スプ
レッドまたはアップフロント・クレジット・ポイントの増加または回収率の低下により、買建信用プロテクショ
ンの公正価値が増加し、担保付資金調達スプレッドの拡大により、担保付資金調達力の公正価値が増加する。ク
レジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率は、対象となる参照債務の特徴的
なリスク要因と強い関連性がある。これらのリスク要因には、レバレッジ、ボラティリティおよび業界などの参
照企業特有の要因、対象となる参照債務の借入コストまたは流動性などの市場ベースの要因、ならびにマクロ経
済の状況が含まれる。
当社のレベル3のデリバティブはそれぞれ特徴があるため、各商品タイプ内でのインプットの相互関係は必ずしも
同じではない。
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その他の金融資産および負債 その他の金融資産および負債の重要かつ観察不能なインプットには以下が含まれ
る。
・売戻条件付契約および買戻条件付契約ならびに借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金 2019 年11月およ
び2018年11月現在の双方において、レベル3の売戻条件付契約、借入有価証券担保金または貸付有価証券担保金
はなかった。2019年11月および2018年11月現在の双方において、レベル3の買戻条件付契約に重要性はなかっ
た。
・未収金 2019 年11月および2018年11月現在の双方において、当社はレベル3の未収金を有していなかった。
・その他担保付借入金 2019 年11月および2018年11月現在の双方において、レベル3のその他担保付借入金を評価
する際に使用される重要かつ観察不能なインプットは、観察不能なインプットに関するデリバティブ商品および
現物商品の開示に含まれている。上記「現物商品」および「デリバティブ商品」を参照のこと。
・その他未払金 2019 年11月および2018年11月現在の双方において、レベル3のその他未払金を評価する際に使用
される重要かつ観察不能なインプットは、観察不能なインプットに関するデリバティブ商品および現物商品の開
示に含まれている。上記「現物商品」および「デリバティブ商品」を参照のこと。
公正価値の階層のレベル1とレベル2の間での振替
2019 年11月に終了した期間および2018年11月に終了した期間において、経常的に公正価値で測定する金融資産およ
び負債につき、レベル1とレベル2の間での重要な振替はなかった。
観察不能なインプットを用いた評価手法を用いて評価される金融資産および負債の公正価値
金融資産および負債の公正価値は、同一の金融商品の観察可能な現在の市場取引による価格の裏付けがない仮定、
または利用可能かつ観察可能な市場データに基づいて、評価手法を全面的にまたは部分的に使用して算定してお
り、これらの仮定を変更すると、それを用いて算定される公正価値の見積りも変動する。重要かつ観察不能なイン
プットを用いた評価において、合理的に代替可能な仮定を使用したことによる潜在的影響は、有利な変動が2019年
11月現在において約295百万米ドルおよび2018年11月現在において356百万米ドル、不利な変動が2019年11月現在に
おいて237百万米ドルおよび2018年11月現在において240百万米ドルであった。合理的に可能性のある不利な代替的
仮定の決定においては、潜在的な不確実性が存在する事例を識別し定量化するため、詳細な事業およびポジショ
ン・レベルのレビューが実施されている。ここでは、利用可能な市場情報の範囲に照らしたポジションの公正価値
が考慮されている。2019年11月および2018年11月現在において、有利な変動に係る影響は、主に担保付資金調達ス
プレッドならびに株式および債券デリバティブの評価調整の仮定の変更によるものであり、不利な変動に係る影響
は、主に担保付資金調達スプレッド、ボラティリティおよびコリレーションのインプットの仮定の変更によるもの
である。
損益を通じて公正価値で評価する金融資産および負債の当初認識時の公正価値(取引価額)と評価手法を用いて算定
された価額の差額(取引初日の損益)に関連して損益計算書に認識されていない金額は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2019 年11月 2018 年 11 月
期首残高 $146 $161
新規取引
90 92
当期の損益計算書に認識された金額 (83) (107)
期末残高 $153 $146
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レベル3の推移
経常的に公正価値で測定するすべてのレベル3の金融資産および負債の公正価値の変動の要約は、以下の表のとお
りである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2019 年11月 2018 年 11 月
金融資産合計
$ 5,314 $ 4,044
期首残高
利益/(損失) 942 688
購入 659 647
売却 (249) (223)
決済 (1,039) (620)
レベル3への振替 445 974
レベル3からの振替 (747) (196)
$ 5,325 $ 5,314
期末残高
金融負債合計
$ (12,874)
期首残高 $(10,807)
利益/(損失) (1,745) 468
購入 7 16
売却 (418) (424)
発行 (6,352) (7,735)
決済 8,710 5,838
レベル3への振替 (852) (641)
レベル3からの振替 1,218 411
$ (12,306) $ (12,874)
期末残高
上記の表において、
・金融資産は、保有金融商品に関連する。
・金融資産または金融負債が報告年度中にレベル3へ振替えられた場合、当該年度における損益は全額レベル3に
分類される。レベル3の金融資産の増加はプラスの額で、減少はマイナスの額で表示されている。レベル3の金
融負債の増加はマイナスの額で、減少はプラスの額で表示されている。
・公正価値の階層のレベル間の振替は、振替が生じた報告期間の期首に認識される。従って、レベル3の金融資産
および負債のうち、当期末までの期間にレベル3から振替えられたものの損益は、この表には含まれていない。
・レベル3の金融資産および負債は、レベル1およびレベル2の金融資産および負債で経済的にヘッジされること
が多い。このため、金融資産または金融負債の特定の種類について報告されているレベル3の損益は、同じ種類
の金融資産もしくは金融負債のレベル1もしくはレベル2に帰属する損益、または異なる種類の金融資産もしく
は金融負債のレベル1、レベル2もしくはレベル3に帰属する損益で一部相殺することができる。その結果、レ
ベル3の推移に含まれる損益は、必ずしも当社の経営成績、流動性または資金に対する全体的な影響を表すもの
ではない。
・2019年11月に終了した期間および2018年11月に終了した期間におけるレベル3の金融資産に係る純利益は損益計
算書の「純収益」に計上されている。
・2019年11月に終了した期間におけるレベル3の金融負債に係る純損失17.5億米ドルは、損益計算書の「純収益」
に損失として16.3億米ドルが、また、包括利益計算書の「債務評価調整」に損失として120百万米ドルが計上さ
れている。2018年11月に終了した期間におけるレベル3の金融負債に係る純利益468百万米ドルは、損益計算書
の「純収益」に利益として339百万米ドルが、また、包括利益計算書の「債務評価調整」に利益として129百万米
ドルが計上されている。
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以下の表は、上記の要約表に含まれる金融負債に関する情報を、貸借対照表の勘定科目別に示したものである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2019 年11月 2018 年 11 月
売却済未購入金融商品
$ (2,385) $ (2,281)
期首残高
利益/(損失) (918) (275)
購入 7 16
売却 (418) (424)
決済 645 665
レベル3への振替 (294) (244)
レベル3からの振替 349 158
$ (3,014) $ (2,385)
期末残高
担保付借入金
$ (936) $ (642)
期首残高
利益/(損失) 68 82
発行 (263) (393)
決済 1 17
レベル3からの振替 19 –
$ (1,111) $ (936)
期末残高
その他未払金
$ (9,553) $ (7,884)
期首残高
利益/(損失) (895) 661
発行 (6,089) (7,342)
決済 8,064 5,156
レベル3への振替 (558) (397)
レベル3からの振替 850 253
$ (8,181) $ (9,553)
期末残高
公正価値の階層のレベル2とレベル3の間での振替
レベル2とレベル3の間での振替は通常、レベル3のインプットの透明性の変動により生じる。市場データの不足
により透明性が低下し、市場データの入手が容易になることにより透明性が向上する。
金融資産
2019 年11月に終了した期間
保有金融商品のレベル3への振替は、主に一部のクレジット・スプレッドのインプットの透明性が低下したことに
伴い、一部の信用デリバティブをレベル2から振替えたこと、また主に一部のボラティリティおよびコリレーショ
ンのインプットの透明性が低下したことに伴い、一部の株式デリバティブをレベル2から振替えたことを主に反映
している。
保有金融商品のレベル3からの振替は、主に一部のクレジット・スプレッドのインプットの透明性が増したことに
伴い、一部の信用デリバティブをレベル2へ振替えたこと、主に一部のボラティリティおよびコリレーションのイ
ンプットの透明性が増したことに伴い、一部の株式デリバティブをレベル2へ振替えたこと、また主に一部の利回
りのインプットの透明性が増したことに伴い、一部の現物商品をレベル2へ振替えたことを主に反映している。
2018 年11月に終了した期間
保有金融商品のレベル3への振替は、主に一部のクレジット・スプレッドのインプットの透明性が低下したことに
伴い、一部の信用デリバティブをレベル2から振替えたこと、主に一部の利回りのインプットの透明性が低下した
ことに伴い、一部の現物商品をレベル2から振替えたこと、また主に一部のモデリングにおける仮定の透明性が低
下したことに伴い、一部の為替デリバティブをレベル2から振替えたことを主に反映している。
保有金融商品のレベル3からの振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションのインプットの透明性が
増したことに伴い、一部の株式デリバティブをレベル2へ振替えたこと、また主に一部の利回りのインプットの透
明性が増したことに伴い、一部の現物商品をレベル2へ振替えたことを主に反映している。
金融負債
2019 年11月に終了した期間
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売却済未購入金融商品のレベル3への振替は、主に一部のクレジット・スプレッドのインプットの透明性が低下し
たことに伴い、一部の信用デリバティブをレベル2から振替えたこと、また主に一部のボラティリティおよびコリ
レー ションのインプットの透明性が低下したことに伴い、一部の株式デリバティブをレベル2から振替えたことを
主に反映している。その他未払金のレベル3への振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションのイン
プットの透明性が低下したことに伴い、一部のハイブリッド金融商品をレベル2から振替えたことを主に反映して
いる。
売却済未購入金融商品のレベル3からの振替は、主に一部のクレジット・スプレッドのインプットの透明性が増し
たことに伴い、一部の信用デリバティブをレベル2へ振替えたこと、また主に一部のボラティリティおよびコリ
レーションのインプットの透明性が増したことに伴い、一部の株式デリバティブをレベル2へ振替えたことを主に
反映している。その他未払金のレベル3からの振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションのイン
プットの透明性が増したことに伴い、一部のハイブリッド金融商品をレベル2へ振替えたことを主に反映してい
る。
2018 年11月に終了した期間
売却済未購入金融商品のレベル3への振替は、主に一部のモデリングにおける仮定の透明性が低下したことに伴
い、一部の為替デリバティブをレベル2から振替えたことを主に反映している。その他未払金のレベル3への振替
は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションのインプットの透明性が低下したことに伴い、一部のハイブ
リッド金融商品をレベル2から振替えたことを主に反映している。
売却済未購入金融商品のレベル3からの振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションのインプットの
透明性が増したことに伴い、一部の株式デリバティブをレベル2へ振替えたことを主に反映している。その他未払
金のレベル3からの振替は、主に一部のボラティリティおよびコリレーションのインプットの透明性が増したこと
に伴い、一部のハイブリッド金融商品をレベル2へ振替えたことを主に反映している。
公正価値で測定されない金融資産および負債の公正価値
当社は、公正価値で測定されない流動金融資産を、2019年11月現在において1,604.2億米ドルおよび2018年11月現
在において1,446.6億米ドル保有していた。これらの残高のほぼすべてがその性質上短期であるため、貸借対照表
の帳簿価額は公正価値の合理的な近似値である。
当社は、公正価値で測定されない流動金融負債を、2019年11月現在において1,405.3億米ドルおよび2018年11月現
在において1,319.7億米ドル保有していた。これらの商品はその性質上短期であるため、貸借対照表上の帳簿価額
は公正価値の合理的な近似値である。当社は、1年を超えて期日の到来する、公正価値で測定されない金融負債を
2019年11月現在において287.2億米ドルおよび2018年11月現在において158.6億米ドル保有しており、これは主に関
係会社間の長期ローンに関するものである。当該ローンの金利は変動的な性格のものであり、類似する条件および
特徴の商品の実勢市場金利に近似している。そのため、貸借対照表の帳簿価額は公正価値の合理的な近似値であ
る。
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金融負債の満期
当社の金融負債(トレーディング目的/要求払に分類されている売却済未購入金融商品を除く)の契約上の満期別の
キャッシュ・フローの要約は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
$ 838,683
トレーディング目的/要求払 $662,378
1ヵ月間未満 96,100 112,088
1ヵ月間超3ヵ月間未満 30,811 26,951
3ヵ月間超1年未満 33,897 47,289
1年超5年未満 59,080 50,389
5年超 17,848 20,483
合計 $1,076,419 $919,578
当社の金融負債(トレーディング目的/要求払に分類されている売却済未購入金融商品を除く)の契約上の満期別の
キャッシュ・フローの分析は、以下の表のとおりである。
売却済未購入 その他
(単位:百万米ドル) 金融商品 担保付借入金 未払金 合計
2019 年11月現在
1年以内に期日の到来する金額
$ 46,348 $ 74,945
トレーディング目的/要求払 $714,640 $ 835,933
1ヵ月間未満 – 36,404 1,351 37,755
1ヵ月間超3ヵ月間未満 – 25,350 2,872 28,222
3ヵ月間超1年未満 – 16,652 14,039 30,691
1年超5年未満 – – – –
5年超 – – – –
$ 93,207
合計 $714,640 $124,754 $ 932,601
1年を超えて期日の到来する金額
トレーディング目的/要求払 $ – $ – $ – $ –
1ヵ月間未満 – – 90 90
1ヵ月間超3ヵ月間未満 – 1 179 180
3ヵ月間超1年未満 – – 900 900
1年超5年未満 – 3,608 54,952 58,560
5年超 – 1,739 16,105 17,844
$ 72,226 $ 77,574
合計 $ – $ 5,348
合計-貸借対照表計上額 $714,640 $130,102 $165,433 $1,010,175
条件付および
オペレーティ
フォワード・ス
(単位:百万米ドル) ング・リース その他 合計
タート担保付契約
2019 年11月現在
トレーディング目的/要求払 $ – $ – $ 2,750 $ 2,750
1ヵ月間未満 58,253 2 – 58,255
1ヵ月間超3ヵ月間未満 2,285 3 121 2,409
3ヵ月間超1年未満 2,258 13 35 2,306
1年超5年未満 496 24 – 520
5年超 – 4 – 4
$ 63,292 $ 46 $ 66,244
合計-オフ・バランスシート額 $ 2,906
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売却済未購入 その他
(単位:百万米ドル) 金融商品 担保付借入金 未払金 合計
2018 年11月現在
1年以内に期日の到来する金額
$ 45,078 $ 69,014
トレーディング目的/要求払 $545,987 $660,079
1ヵ月間未満 – 50,016 1,652 51,668
1ヵ月間超3ヵ月間未満 – 23,778 2,799 26,577
3ヵ月間超1年未満 – 22,974 23,394 46,368
1年超5年未満 – – – –
5年超 – – – –
$ 96,859
合計 $545,987 $141,846 $784,692
1年を超えて期日の到来する金額
トレーディング目的/要求払 $ – $ – $ – $ –
1ヵ月間未満 – 1 80 81
1ヵ月間超3ヵ月間未満 – – 162 162
3ヵ月間超1年未満 – – 860 860
1年超5年未満 – 8,026 42,149 50,175
5年超 – 2,281 18,196 20,477
$ 10,308 $ 61,447 $ 71,755
合計 $ –
合計-貸借対照表計上額 $545,987 $152,154 $158,306 $856,447
条件付および
オペレーティン
フォワード・ス
(単位:百万米ドル)
グ・リース その他 合計
タート担保付契約
2018 年11月現在
トレーディング目的/要求払 $ – $ – $ 2,299 $ 2,299
1ヵ月間未満 60,332 7 – 60,339
1ヵ月間超3ヵ月間未満 198 14 – 212
3ヵ月間超1年未満 – 61 – 61
1年超5年未満 – 113 101 214
5年超 – 6 – 6
$ 60,530 $ 63,131
合計-オフ・バランスシート額 $ 201 $ 2,400
上記の表において、
・契約満期別のキャッシュ・フローには、金融負債に対する利息が含まれる。
・金融負債は、トレーディング目的で保有するものまたは損益を通じて公正価値で評価するものとして指定する場
合を除き、割引前キャッシュ・フローで開示されている。トレーディング目的で保有する金融負債および損益を
通じて公正価値で評価するものとして指定する金融負債は公正価値で開示されているが、これは当該商品の流動
性リスク管理に使用する価値と一致しているためである。
・デリバティブの流動性リスクは、マスター・ネッティング契約および現金担保付契約により軽減されている。
担保の受入れおよび差入れ
当社は、主に売戻条件付契約、借入有価証券担保金、デリバティブ取引および顧客信用貸に関連して、現金および
有価証券(政府債および政府機関債、社債、持分証券など)を担保として受入れている。当社は、個別の取引相手先
に対する信用エクスポージャーを軽減するために、デリバティブおよび担保付契約について、前払いで、または条
件付で、現金および有価証券を担保として受入れている。
多くの場合、当社は、主にクライアントの担保付貸付取引に関連して買戻条件付契約および有価証券貸付契約を締
結する際に、担保として受入れた金融商品を引渡しまたは再担保に供することを認められている。当社はまた、そ
の他担保付借入金、デリバティブ契約の担保差入れ、および当社または顧客の決済需要への対応に関連して、これ
らの金融商品を引渡しまたは再担保に供することを認められている。
当社が担保として受入れた金融商品のうち、引渡しまたは再担保に利用可能なもの、および引渡しまたは再担保に
供したものは、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
引渡しまたは再担保に利用可能な担保 $468,465 $484,249
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引渡しまたは再担保に供された担保 $419,742 $429,161
当社はまた、買戻条件付契約、有価証券貸付契約およびその他担保付借入金に関連して一部の保有金融商品を取引
相手先に差入れているが、当該資産を引渡しまたは再担保に供する権利を取引相手先が有する場合も有さない場合
もある。
差入資産の情報は、以下のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11 月現在
取引相手先に対し差入れた保有金融商品:
引渡しまたは再担保に供する権利があるもの $35,335 $20,550
引渡しまたは再担保に供する権利がないもの $34,072 $30,177
当社は、現金担保を2019年11月現在において587.1億米ドルおよび2018年11月現在において541.0億米ドル受取り、
現金担保を2019年11月現在において488.3億米ドルおよび2018年11月現在において449.7億米ドル差入れていた。受
入額および差入額は、主に保有金融商品および売却済未購入金融商品に関するものである。
買戻条件付契約および有価証券貸付取引の他に、当社はその他担保付借入金の利用により一部の資産の資金を調達
し、当該取引において金融商品を担保として差入れている。これらのその他担保付借入金は特別目的事業体に関す
る負債、売却ではなく借入として会計処理される金融資産の譲渡およびその他のストラクチャード・ファイナンス
契約から成る。その他担保付借入金には、ノン・リコースの契約が含まれる。
ヘッジ会計
当社は、一部の金利スワップを、一部の固定金利が付された無担保長期債務および無担保短期債務の金利エクス
ポージャーの管理に使用する公正価値ヘッジに指定している。これらの金利スワップは、関連するベンチマーク金
利(例えば、LIBOR)に起因する公正価値の変動をヘッジし、固定利付債務を変動利付債務に効果的に転換してい
る。
当社は、ヘッジ手段の公正価値およびヘッジ対象リスク(金利リスクなど)の変動を相殺する公正価値ヘッジ関係の
有効性を評価するにあたり、回帰分析を用いる統計的手法を適用している。回帰分析の結果、決定係数が80%以
上、傾きが80%から125%の範囲の場合、金利スワップはヘッジ対象リスクの変動に起因する公正価値の変動の相殺
に非常に有効とみなされる。これらのヘッジの非有効部分の要因としては、以下が考えられる。
・ヘッジ対象およびヘッジ手段のキャッシュ・フロー時期の差異
・ヘッジ対象およびヘッジ手段の割引の差異。現金担保デリバティブは、翌日物インデックス・スワップの割引
カーブを用いて割引かれるが、翌日物インデックス・スワップの割引カーブはヘッジ対象には一貫して適用され
ないため。
・取引相手先の信用リスクは、無担保金利スワップの公正価値の変動に影響を与えるが、該当のヘッジ対象には影
響を及ぼさない。
適格公正価値ヘッジについては、デリバティブに係る損益およびヘッジ対象リスクに起因するヘッジ対象の公正価
値の変動は純収益に含まれる。デリバティブがヘッジに指定されなくなった場合、ヘッジ対象の帳簿価額と額面価
額との差額は、実効金利法でヘッジ対象の残存期間にわたり償却される。
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ヘッジ手段の契約上の満期日別の想定元本は、以下のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
1ヵ月間未満 $ – $ –
1ヵ月間超3ヵ月間未満 2 –
3ヵ月間超1年未満 6 93
1年超5年未満 125 14
5年超 2,804 2,728
合計 $2,937 $2,835
当社のヘッジ手段の平均固定金利は2019年11月に終了した期間において1.25%、2018年11月に終了した期間におい
て1.19%であった。
デリバティブ商品に分類されたヘッジ手段の情報は、以下のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
$ 18 $ 26
資産の帳簿価額
負債の帳簿価額 $ – $ –
ヘッジ関係に現在指定されているヘッジ対象の帳簿価額、ならびに当該帳簿価額に含まれる当期および過去のヘッ
ジ関係から生じる累積ヘッジ調整(増加/(減少))は、以下のとおりである。
(単位:百万米ドル) 帳簿価額 累積ヘッジ調整
2019 年11月現在
$ –
無担保短期借入金 $ 8
無担保長期借入金 $ 133
$2,841
2018 年11月現在
$ 85 $ –
無担保短期借入金
無担保長期借入金
$2,582 $ 28
純収益に認識された、ヘッジとして会計処理された金利デリバティブから生じた利益/(損失)、関連するヘッジ対
象の借入金およびこれらのデリバティブのヘッジの非有効部分は、以下の表のとおりである。
以下で終了した期間
(単位:百万米ドル)
2019 年11月 2018 年11月
$ 108
金利ヘッジ $ 16
ヘッジ対象の借入金 (108) (22)
$ –
ヘッジの非有効部分 $ (6)
非連結ストラクチャード・エンティティ
当社は、支配権を有していないストラクチャード・エンティティ(以下「非連結ストラクチャード・エンティ
ティ」という。)に対する持分を有しており、これには主に、シニア債および劣後債、デリバティブならびに保証
が含まれる。
ストラクチャード・エンティティは通常、ストラクチャード・エンティティが保有する資産を担保とする、または
当該資産に連動する債券の発行により、資産の購入資金を調達する。ストラクチャード・エンティティが発行する
債券には、様々な劣後レベルのトランシェが含まれることがある。当社のストラクチャード・エンティティへの関
与には、主に金融資産の証券化が含まれる。
特定の状況において、当社は非連結ストラクチャード・エンティティまたは非連結ストラクチャード・エンティ
ティの持分保有者にデリバティブ保証を含む保証を提供する。
当社が持分を有する非連結ストラクチャード・エンティティの要約は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
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ストラクチャード・エンティティの資産 $5,563 $6,467
持分の帳簿価額-資産 $ 308 $ 419
$ (6)
持分の帳簿価額-負債 $ (27)
最大損失リスク $3,787 $3,816
上記の表において、
・当社の持分の帳簿価額は、貸借対照表の「保有金融商品」または「売却済未購入金融商品」に含まれている。
・当社の最大損失リスクはデリバティブ、コミットメントおよび保証であり、その最大損失リスクは、想定元本額
であり、予測損失を表すものではなく、また既に計上されている未実現損失によっても減額されない。その結
果、最大損失リスクはデリバティブ、コミットメントおよび保証について計上された負債を超過する。
譲渡された資産
引き続き全額認識されている資産 当期において、当社は一部の金融資産を譲渡したが、この譲渡はIFRS第9号に
定められる認識の中止の要件を満たさなかったため、当社は貸借対照表において引き続き当該資産を全額認識して
いる。
当社は、買戻条件付契約およびその他の有価証券貸付取引を担保するため、通常の営業活動において保有資産を取
引相手先に譲渡している。当該取引においては、当社は契約満期日に金融商品を買戻す必要があり、引き続き当該
商品の価格、信用および金利変動リスクにさらされているため、譲渡された資産は会計上引き続き認識する。当社
が資産の譲渡による現金を受け取った際は、受取対価に対する金融負債が認識され、「担保付借入金」に計上され
る。当社が非現金担保を(証券の形式で)受け取った場合は、負債は当初認識されない。受取担保がその後売却され
た場合は、担保の返還義務が負債として「売却済未購入金融商品」に認識される。
買戻条件付契約および有価証券貸付取引に加えて、当社は、認識の中止の要件を満たさないその他の契約により資
金を調達している。例えば、トータル・リターン・スワップなどの関連デリバティブを伴う有価証券の売却があ
り、当社は当該取引を通じて譲渡された資産に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを保持している。このよう
な場合、受け取った手取金に対して金融負債が認識される。
譲渡されたものの会計上引き続き貸借対照表に認識されているその他の金融資産は、主にデリバティブ取引につい
て差入れた有価証券の担保に関するものである。このようなデリバティブによる債務は、「売却済未購入金融商
品」に計上されている。
譲渡されたものの会計上引き続き貸借対照表に計上されている金融資産は、以下の表のとおりである。
(単位:百万米ドル) 2019 年11月現在 2018 年11月現在
$ 2 $ –
マネー・マーケット商品
政府債および政府機関債 27,626 22,951
モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券 147 –
企業債務商品 9,180 7,316
持分証券 32,453 20,460
合計 $69,408 $50,727
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上記の表において、
・関連する金融負債の帳簿価額は、通常は譲渡された資産の帳簿価額に近似している。
・これまで持分証券に含まれていた転換社債は、企業債務商品に振り替えられた。比較数値は、当期の表示に合わ
せて修正されている。
認識の中止をしたが継続的なエクスポージャーのある資産 当社は、当社が金融資産を譲渡した一部の非連結スト
ラクチャード・エンティティに、デリバティブ取引および保証の形で継続的に関与している。これらのデリバティ
ブは、譲渡された資産にクレジット・リンクされていることがあり、これにより当社は譲渡された資産における特
定のリスクを保持するか、あるいは何らかの偶発事象が発生した場合には資産の損失を補てんするため、ストラク
チャード・エンティティに支払いを行う必要がある。
さらに、当社は金融資産を証券化ビークルに譲渡する。当社は通常、譲渡された資産と引き換えに現金を受取る
が、主に債務商品の形式で証券化された金融資産における受益持分を所有するなど、譲渡された資産に継続的に関
与する場合もある。当社はまた、流通市場におけるマーケット・メイキング取引に関連して、証券化ビークルが発
行した優先証券または劣後証券を購入する可能性がある。
当社が譲渡された資産にデリバティブまたは保証を通じて継続的に関与する場合、最大損失リスクはデリバティブ
または保証の想定元本である。証券化資産の留保持分または購入持分について、当社の損失リスクはこれら持分の
公正価値までに限定されている。いずれの場合も、留保持分は公正価値で計上されている。
当社は譲渡前の資産を公正価値で会計処理しているため、一般的に資産の譲渡時に重要な損益を認識しない。なお
当社は、認識が中止された金融資産を買戻す必要があるような継続的関与は行っていない。
当社が継続的に関与することによる当社のエクスポージャーの詳細およびこれらの取引による損益は、以下のとお
りである。
(単位:百万米ドル) 帳簿価額 最大損失リスク
2019 年11月現在
資産
$ 1
現物商品 $ 46
デリバティブ商品 85 693
保有金融商品 86 739
$ 739
合計 $ 86
負債
$ (20) $ 245
デリバティブ商品
売却済未購入金融商品 (20) 245
$ (20) $ 245
合計
2018 年11月現在
資産
$ – $ –
現物商品
デリバティブ商品 63 802
保有金融商品 63 802
$ 802
合計 $ 63
負債
$ 111
デリバティブ商品 $ (1)
売却済未購入金融商品 (1) 111
$ 111
合計 $ (1)
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(単位:百万米ドル) 期間利益/(費用) 累積利益/(費用)
2019 年11月現在
資産
$ 1 $ 133
現物商品
デリバティブ商品 68 189
保有金融商品 69 322
$ 322
合計 $ 69
負債
デリバティブ商品 $ 34 $ (1)
売却済未購入金融商品 34 (1)
その他未払金 – (1)
合計 $ 34 $ (2)
2018 年11月現在
資産
$ – $ 132
現物商品
デリバティブ商品 (3) 121
保有金融商品 (3) 253
$ 253
合計 $ (3)
負債
$ – $ (35)
デリバティブ商品
売却済未購入金融商品 – (35)
その他未払金 – (1)
$ – $ (36)
合計
注記29
金融資産および負債の相殺
強制力のあるネッティング契約および相殺の対象になる当社の金融資産および負債は、以下の表のとおりである。
当社が現在、認識額を相殺する法的に強制力のある権利を有する場合で、かつ純額決済する、または資産の実現と
負債の決済を同時に行う意図がある場合のみ、貸借対照表において相殺される。以下の表において、
・総額は取引相手先とのネッティングおよび担保の双方の影響を含んでいないため、当社の経済的エクスポー
ジャーを表すものではない。
・貸借対照表において相殺されない金額には、取引相手先とのネッティング(すなわち、強制力のあるネッティン
グ契約に基づく相殺の法的権利が存在する場合に行われる当該取引相手先との金融資産および負債のネッティン
グ)、ならびに強制力のある信用補完契約に基づき受入れまたは差入れた現金担保および有価証券担保で、英国
会計基準の相殺要件を満たさないものが含まれる。
・当社が信用補完契約に基づき担保を受入れまたは差入れたが、まだその契約に強制力があるかどうかを判断して
いない場合、関連する担保は、以下の表の貸借対照表において相殺されない金額に含まれていない。
・総額には、2019年11月現在において、強制力のあるネッティング契約の対象ではないか、または強制力の有無を
当社がまだ判断していないネッティング契約の対象であるデリバティブ資産が46.5億米ドルおよび同デリバティ
ブ負債が49.6億米ドル、また2018年11月現在において同デリバティブ資産が61.5億米ドルおよび同デリバティブ
負債が51.0億米ドル含まれる。
・2019年11月および2018年11月現在、担保付契約における売戻条件付契約および借入有価証券担保金ならびに担保
付借入金における買戻条件付契約および貸付有価証券担保金のほぼすべてが強制力のあるネッティング契約の対
象である。
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貸借対照表で相殺されない金額
貸借対照表 貸借対照表
において において 取引
有価証券
相殺される 表示される 相手先
(単位:百万米ドル) 総額 金額 純額 との相殺 現金担保 担保 純額
金融資産
$ 18,712 $ (12,834)
現物商品 $ 5,878 $ (1,108) $ – $ (4,450) $ 320
デリバティブ商品 692,404 (10,979) 681,425 (610,681) (40,336) (11,283) 19,125
保有金融商品 711,116 (23,813) 687,303 (611,789) (40,336) (15,733) 19,445
担保付契約 216,916 (60,568) 156,348 (65,240) – (88,735) 2,373
未収金 83,400 (23,902) 59,498 (4,199) (39,222) (10,159) 5,918
強制力のあるネッティング契約の対象である金
1,011,432 (108,283) 903,149 (681,228) (79,558) (114,627) 27,736
融資産
強制力のあるネッティング契約の対象でない金
137,259 – 137,259 – – – 137,259
融資産
金融資産合計 $1,148,691 $(108,283) $1,040,408 $(681,228) $(79,558) $(114,627) $164,995
金融負債
1年以内に期日の到来する金額
$ – $ –
現物商品 $ 1,423 $ (1,218) $ 205 $ – $ 205
デリバティブ商品 681,774 (11,284) 670,490 (610,920) (38,186) (8,188) 13,196
売却済未購入金融商品 683,197 (12,502) 670,695 (610,920) (38,186) (8,188) 13,401
担保付借入金 203,558 (85,466) 118,092 (65,278) (404) (51,068) 1,342
その他未払金 67,918 (2,545) 65,373 (4,839) (40,392) – 20,142
合計 954,673 (100,513) 854,160 (681,037) (78,982) (59,256) 34,885
1年を超えて期日の到来する金額
担保付借入金 9,639 (6,046) 3,593 (132) (500) (2,452) 509
その他未払金 3,090 (1,724) 1,366 (59) (76) – 1,231
合計 12,729 (7,770) 4,959 (191) (576) (2,452) 1,740
強制力のあるネッティング契約の対象である金
967,402 (108,283) 859,119 (681,228) (79,558) (61,708) 36,625
融負債
強制力のあるネッティング契約の対象でない金
147,803 – 147,803 – – – 147,803
融負債
$ (61,708)
金融負債合計 $1,115,205 $(108,283) $1,006,922 $(681,228) $(79,558) $184,428
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2018 年11月現在
貸借対照表 貸借対照表
貸借対照表で相殺されない金額
において において
有価証券
相殺される 表示される 取引相手先
(単位:百万米ドル) 総額 金額 純額 との相殺 現金担保 担保 純額
金融資産
$ 18,880 $ (13,407) $ 5,473
現物商品 $ (1,595) $ (43) $ (3,448) $ 387
デリバティブ商品 523,283 (10,720) 512,563 (448,264) (34,886) (10,769) 18,644
保有金融商品 542,163 (24,127) 518,036 (449,859) (34,929) (14,217) 19,031
担保付契約 270,215 (66,881) 203,334 (83,337) – (116,825) 3,172
未収金 69,213 (15,727) 53,486 (5,450) (32,439) (7,415) 8,182
強制力のあるネッティング契約の対象である金
881,591 (106,735) 774,856 (538,646) (67,368) (138,457) 30,385
融資産
強制力のあるネッティング契約の対象でない金
111,490 – 111,490 – – – 111,490
融資産
$ 993,081 $ 886,346
金融資産合計 $(106,735) $(538,646) $(67,368) $(138,457) $141,875
金融負債
1年以内に期日の到来する金額
$ – $ – $ 21
現物商品 $ 730 $ (709) $ 21 $ –
デリバティブ商品 509,108 (10,720) 498,388 (448,348) (30,815) (5,867) 13,358
売却済未購入金融商品 509,838 (11,429) 498,409 (448,348) (30,815) (5,867) 13,379
担保付借入金 219,104 (82,614) 136,490 (83,130) (1,181) (50,782) 1,397
その他未払金 66,083 (3,862) 62,221 (6,552) (34,944) – 20,725
合計 795,025 (97,905) 697,120 (538,030) (66,940) (56,649) 35,501
1年を超えて期日の到来する金額
担保付借入金 14,456 (7,105) 7,351 (245) (428) (6,070) 608
その他未払金 3,264 (1,725) 1,539 (371) – – 1,168
合計 17,720 (8,830) 8,890 (616) (428) (6,070) 1,776
強制力のあるネッティング契約の対象である金
812,745 (106,735) 706,010 (538,646) (67,368) (62,719) 37,277
融負債
強制力のあるネッティング契約の対象でない金
146,903 – 146,903 – – – 146,903
融負債
$ 959,648 $ 852,913 $ (62,719)
金融負債合計 $(106,735) $(538,646) $(67,368) $184,180
注記30
開示後発事象
貸借対照表日以降、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が世界各地で発生し、英国を含む各国の金融市場や通常
の事業活動に対して広範囲にわたる混乱を引き起こしている。状況が日々変化していることを考慮すると、現状、
COVID-19による当社への財務上の影響を見積もることはできない。詳細は、戦略報告書の「将来の見通し」および
「主要なリスクおよび不確実性-予測不能な事象または災害事象」を参照のこと。
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2【主な資産・負債及び収支の内容】
以下は、当社の2020年度アニュアル・レポートの抄訳であり、貸借対照表上の主要な数値を示している。
貸借対照表
貸借対照表は、上記1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類」に記載されている。
2020年12月現在の資産合計は1.27兆ドルであり、2019年11月現在と比較して2,262.8億ドル増加した。これ
は、主として、特定取引資産が1,975.5億ドル(主として、金利デリバティブの増加を主因としてデリバティ
ブが増加したことによる)、顧客等受取債権が185.7億ドル(主として、差入現金担保および顧客取引が増加
したことによる)、ならびに現金および現金同等物が214.4億ドル(主として、グローバル・コア流動資産
(「GCLA」)として保有される現金預金の増加による)増加したことを反映しているが、担保付契約が156.7
億ドル減少したこと(主として、当社の取引および顧客取引が減少したことによる)により部分的に相殺され
た。
2020年12月現在の負債合計は1.23兆ドルであり、2019年11月現在と比較して2,239.6億ドル増加した。これ
は、特定取引負債が2,177.7億ドル(主として、金利デリバティブの増加を主因としてデリバティブが増加し
たことによる)および顧客等未払債務が155.5億ドル(主として、受取現金担保が増加したことによる)増加
したことを反映しているが、無担保借入金が83.2億ドル減少したこと(主として、関係会社間ローンが減少し
たことによるが、発行社債の増加により部分的に相殺された)により部分的に相殺された。
2020年12月現在、株主資本合計は365.8億ドルであり、2019年11月と比較して23.2億ドル増加した。これ
は、主として、当社の2020年12月に終了した期間の純利益27.6億ドルおよび株式の発行380百万ドルを反映し
ているが、その他Tier1債(「AT1債」)に係る利息751百万ドルにより部分的に相殺された。
2020年12月現在および2019年11月現在のレベル3の金融資産は、それぞれ合計で63.7億ドルおよび53.3億ド
ルであった。レベル3の金融資産の推移およびこれに関連する公正価値の測定を含む、レベル3の金融資産に
関する詳細については、上記1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類-(6)財務書類に
対する注記」注記31参照。
米国会計基準(米国において一般に公正妥当と認められている会計原則)に基づくと、2020年12月現在で、
資産合計は4,302.8億ドル、負債合計は4,019.6億ドルであった。米国会計基準に基づく資産合計および負債合
計は、IFRS(国際財務報告基準)に基づき報告されたものとは異なっている。これは、主として、当社がデリ
バティブの残高について、それらが通常の業務の過程において差金決済されなかった場合に、当該残高につい
て法的に強制力のある相殺権を有している場合であっても、IFRSに基づき総額で表示しているからである。
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2020 年12月31日現在の資産および負債の詳細については、以下の、当社の2020年度財務書類からの抜粋参照。
現在
2020年 2019年 2018年
(単位:百万米ドル) 注記
12月 11月 12月1日
資産
$ 43,833 $ 22,397 $ 24,396
現金および現金同等物 26
担保付契約 11 140,682 156,348 203,334
顧客等受取債権 12 90,380 71,807 62,633
特定取引資産(担保として差入れた27,295百万
米ドル、35,307百万米ドルおよび20,511百万米
ドルを含む) 13 982,919 785,365 592,781
投資資産(担保として差入れた62百万米ドル、
14
28百万米ドルおよび39百万米ドルを含む) 888 1,492 1,318
ローン 567 1,550 820
その他の資産 15 8,589 2,617 2,291
資産合計 $1,267,858 $1,041,576 $887,573
負債
担保付借入金 19 $ 113,127 $ 115,936 $140,110
顧客等未払債務 20 100,519 84,968 76,150
特定取引負債 13 932,414 714,640 545,987
無担保借入金 21 80,351 88,669 88,140
その他の負債 22 4,869 3,109 3,269
負債合計 1,231,280 1,007,322 853,656
未決算勘定残高および清算 勘定 残高はない。
以下は、当社の2020年度アニュアル・レポートの抄訳であり、損益計算書上の主要な数値を示している。
損益計算書
損益計算書は、上記1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類」に記載されている。
2020年12月に終了した期間における当社の純利益は27.6億ドルで、2019年11月に終了した期間と比較して37
パーセント増加した。
2020年12月に終了した期間の純収益は100.1億ドルであり、2019年11月に終了した期間と比較して27パーセ
ント増加した。これは、FICC(債券・為替・コモディティ)業務および投資銀行業務における純収益の大幅な
増加ならびに株式関連業務および投資運用業務における純収益の増加を反映している。
2020年12月に終了した期間の営業費用純額は64.9億ドルであり、2019年11月に終了した期間と比較して20
パーセント増加した。これは、主として、取引関連費用の大幅な増加、人件費の増加およびその他費用の大幅
な増加によるものであったが、事務所関連費用、減価償却費および無形資産償却費ならびに市場開拓費の大幅
な減少により部分的に相殺された。
純収益および営業費用純額に関する詳細については、本書第一部第3 3(3)「財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析-業績」参照。
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3【その他】
(1) 決算日後の状況
該当なし。
(2) 訴訟
(a ) 2020年度の概況
当社は、当社の業務を遂行する上で生じた事項について、様々な司法手続、行政手続および仲裁手続に関与
している。これらの手続に関する情報については、上記1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の
財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記26 「財務上のコミットメントおよび偶発債務-訴訟事件等」 参
照。
(b ) 以下は、2021年3月31日に終了した四半期に係る当社の未監査四半期財務報告書9~10ページの抄訳で
あり、上記1「財務書類-A.2020年12月31日に終了した期間の財務書類-(6)財務書類に対する注記」注
記26「財務上のコミットメントおよび偶発債務-訴訟事件等」に記載の事項を補完し、修正するものであ
る。
当社は、当社の業務を遂行する上で生じた事項について、様々な司法手続、行政手続および仲裁手続(以下
に記載されたものを含む)に関与しているが、これらの当社に対する財務上の影響について信頼性をもって見
積ることは、下記1段落目に記載されたものを除き実務上困難である。
バンコ・エスピリト・サント・エス・エーおよびオーク・ファイナンス 2015 年2月より、当社はノボ・バ
ンコ・エス・エー(以下「ノボ・バンコ」という。)に対する訴訟をイングランド商事裁判所で、また、バ
ンク・オブ・ポルトガル(以下「BoP」という。)に対する訴訟をポルトガル行政裁判所で開始した。これ
は、2014年12月に、BoPが835百万ドルのファシリティ契約(以下「本ファシリティ」という。)をノボ・バ
ンコに対して譲渡しない決定を行ったことを受けたものであり、本ファシリティは、当社が組成したもので
あり、本ファシリティに関連して設立された特別目的事業体であるオーク・ファイナンス・ルクセンブル
ク・エス・エー(以下「オーク・ファイナンス」という。)と、破綻前のバンコ・エスピリト・サント・エ
ス・エー(以下「BES」という。)との間で締結されたものである。2018年7月、イングランド最高裁判所
は、イングランドの裁判所が当社の訴訟に対する裁判管轄権を有していないと判断した。2018年7月、BES
の清算委員会は、当社が本ファシリティの供与に際し不誠実な行為を行った(BESに差し迫った破綻の危険
があるということを当社が認識していたとするものを含む)と主張して、本ファシリティに関連して当社に
支払われた54百万ドルと、オーク・ファイナンスに支払われた50百万ドルの回収を求める決定を行った。当
社もまた、清算委員会が求める104百万ドルの偶発的債権を含め、BESの破綻に関連した損失の補償を求める
請求をポルトガル国家に対して行っている。
金利スワップ反トラスト訴訟 当社は、2015年11月にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起
され併合された、金利スワップ取引に関連する反トラスト法の集団訴訟を意図した訴訟の被告に含まれてい
る。また、当社は、スワップ執行ファシリティの運営会社3社およびその一部の関連会社によって、ニュー
ヨーク州南部地区連邦地方裁判所において、2016年4月および2018年6月にそれぞれ開始された金利スワッ
プ取引に関する2件の反トラスト法訴訟の被告となっている。公判前手続きのため、これらの訴訟は併合さ
れている。これらの訴状は概ね、被告らが共謀して金利スワップの取引所取引を妨害したとする申立に関連
する、連邦反トラスト法および州のコモンローの違反を主張するものである。個別訴訟の訴状では、州反ト
ラスト法に基づく訴えもなされている。訴状では、宣言的救済および差止による救済ならびに金額を特定し
ない3倍損害賠償が求められている。被告らは集団訴訟および第一の個別訴訟の却下を求める申立を行い、
地方裁判所は、第一の個別訴訟において原告らが主張した州のコモンローに基づく請求を否認し、集団訴訟
を意図した訴訟における州コモンローに基づく請求および両訴訟における反トラスト法に基づく請求を2013
年から2016年の期間に限定した。2018年11月20日、裁判所は、第二の個別訴訟の却下を求める被告らの申立
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を一部認め、一部否認し、不当利得および不法な妨害に対する州コモンローに基づく請求を却下したが、連
邦および州の反トラスト法に基づく請求の却下を否認した。2019年3月13日、裁判所は、2008年から2012年
の 行為に関連する申立を追加するよう訴状の修正を求める集団訴訟を意図した訴訟の原告らの申立を否認し
たが、2013年から2016年に関連する限定的な申立の追加は認めた。申立は、原告らにより、2019年3月22日
に提出された第4併合修正訴状に追加された。2019年3月7日、集団訴訟を意図した訴訟の原告らは、集団
認定の申立を行った。
コモディティ関連訴訟 当社は、2014年11月25日以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提
起され、直近では2017年5月15日に修正された、プラチナおよびパラジウムの取引に関連する集団訴訟を意
図した訴訟の被告に含まれている。当該修正訴状では概ね、被告が共謀して現物プラチナおよびパラジウム
のベンチマーク価格を操作したとする連邦反トラスト法および商品取引法の違反が主張され、宣言的救済お
よび差止による救済ならびに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。2020年3月29日、裁判所
は、請求の却下および再審議を求める被告の申立を認め、結果としてすべての請求が却下された。2020年4
月27日、原告は第2巡回区連邦控訴裁判所に控訴した。
当社は、2013年8月1日以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起され併合された、集団
および個別訴訟を意図した多数の訴訟の被告に含まれている。これらの訴状は概ね、アルミニウムの貯蔵お
よびアルミニウムの取引に関連して連邦反トラスト法および州法の違反を主張するものである。訴状では、
宣言的救済、差止による救済および衡平法上の救済、ならびに3倍損害賠償を含む金額を特定しない金銭的
損害賠償が求められている。2016年12月、地方裁判所は、請求の却下を求める被告の申立を認めた。2019年
8月27日、第2巡回区連邦控訴裁判所は地方裁判所の却下の判決を退け、さらなる手続のために本件を地方
裁判所に差し戻した。2020年7月23日、地方裁判所は、集団訴訟の原告による集団としての承認を求める申
立を却下し、2020年12月16日、第2巡回区連邦控訴裁判所は当該却下について上訴の許可を求める申立を却
下した。2021年2月17日、地方裁判所は、大半の個別訴訟の原告の請求につき略式判決を求める被告の申立
を認めた。
当社は、2020年2月27日にイングランド・ウェールズ高等法院のビジネス財産裁判所に提起された訴訟の被
告に含まれている。請求内容は、アルミニウムの貯蔵および取引に関連して英国およびEUの競争法に違反し
たとして、金額を特定しない補償的損害賠償および懲罰的損害賠償を求めるものである。
規制当局の調査および検査ならびに関連訴訟 グループ・インクおよびその関連会社の一部(当社を含む)
は、上記の他にも、GSグループの以下の事業および業務に関連する多くの事項について、様々な政府および
規制機関ならびに自主規制機関による多数のその他の調査および検査の対象となっており、いくつかの案件
では召喚状を受領し、文書および情報の提供要請を受けており、また訴訟対象にもなっている。
・有価証券の公募プロセスおよび引受の実務慣行
・投資運用サービスおよびファイナンシャル・アドバイザリー・サービス
・利益相反
・政府が関連する資金調達およびその他の事項
・社債、国債、為替、コモディティおよびその他の金融商品の募集または売出し、オークション、販売、取
引および決済ならびに関連する販売ならびにその他の連絡および活動、ならびに、かかる活動に対するGS
グループの監督と統制(これには、空売りに関して適用される規則の遵守、アルゴリズム、高頻度および
定量的取引、先物取引、オプション取引、発行日取引、取引報告、テクノロジー・システムおよび統制、
証券貸付の実務慣行、プライム・ブローカレッジ業務、信用デリバティブおよび金利スワップの取引およ
び決済、コモディティ取引および金属の貯蔵、私募の実務慣行、有価証券の割当および取引、ならびに為
替レートなどのベンチマーク金利の設定に関する取引業務および連絡が含まれる)
・英国贈収賄防止法およびFCPAの遵守
・雇用および報酬の実務慣行
・リスク管理および統制システム
・インサイダー取引、会社および政府の動向に関する重要な非公開情報の乱用および流布の可能性、ならび
にインサイダー取引統制および情報障壁の有効性
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さらに、当社の関連会社およびかかる関連会社の事業および業務に関する調査、検査および訴訟(上記の
様々な事項を含むが、他の事項も含む)は、当社の事業および業務に影響を及ぼす可能性がある。
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4【英国と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違】
本書記載の財務書類は国際財務報告基準(IFRS)に準拠して作成されている。従って、日本において一般に公
正妥当と認められている会計原則(日本会計基準)と相違する場合がある。 2020 年12月31日時点における、 主た
る相違点は次のとおりである。
(a) デリバティブを除く金融商品の分類及び測定
IFRS においては、負債性金融商品については金融資産の管理に関する事業モデルと契約上のキャッシュ・フ
ローの特徴に基づいて、原則として償却原価、その他包括利益を通じて公正価値で測定する区分、純損益を通じ
て公正価値を測定する区分の3つに分類される。資本性金融商品については、被投資会社に重要な影響力を持つ
場合を除き、原則として純損益を通じて公正価値で測定するが、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
指定を行うことも認められる。
日本会計基準においては、有価証券について、売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連
会社株式、その他有価証券、という保有目的による分類が求められる。
(b) 金融商品の公正価値
IFRS においてその他包括利益を通じて、または純損益を通じて公正価値で測定される資産および負債、および
日本会計基準における売買目的の資産および負債並びにその他有価証券は公正価値に基づき計上される。
IFRS においては、金融商品の公正価値とは、市場参加者が通常の取引において測定日時点で資産を売却するこ
とにより受領する金額、あるいは負債の移転により支払われた金額(即ち、出口価格)である。
日本会計基準においては、時価は、市場において形成されている取引価格、気配もしくは指標その他の相場
(以下「市場価格」という。)に基づく公正な評価額と定義されている。市場価格がない場合には合理的に算定
された価額を公正な評価額とする。
IFRS においては、当初取引価格と内部モデルにより算定された公正価値との差額を表す取引初日の損益は、市
場の変数もしくは類似の商品価格に基づいて公正価値が観察可能になった時か、当該金融商品の認識が中止され
た時のいずれか早い時点で利益もしくは損失に認識される。
日本会計基準においては、取引初日の損益について特段の定めはない。
(c) 公正価値オプション
IFRS においては、上記の原則的分類の例外として、償却原価またはその他の包括利益を通じて公正価値を測定
する区分に分類される負債性金融商品や金融負債を、純損益を通じて公正価値で測定する区分に指定でき、自己
のクレジット・スプレッドに起因する金融負債の公正価値の変動を除き、公正価値の変動を純損益を通じて認識
する。自己のクレジット・スプレッドに起因する金融負債の公正価値の変動は、その他の包括利益として別に表
示される。なお、純損益を通じて公正価値で測定する区分に指定することができるのは、会計上のミスマッチを
除去又は大幅に削減できる場合に限られる。
日本会計基準において公正価値オプションという概念はない。
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(d) 金融資産の減損
IFRS においては、償却原価で測定される金融資産、その他包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融
商品、並びにローン・コミットメント等は、予測信用損失モデルにより減損損失を認識する。当該金融商品に対
する予想信用損失の測定には、将来の経済状況及び与信行動に関する重要な見積もりが必要となる。
日本会計基準においては、貸付金等の債権の評価は、債務者区分により貸倒見積高を算定し、有価証券につい
ては時価または実質価額が著しく下落した場合に、減損損失が認識される。
(e) 金融資産および金融負債の相殺
IFRS においては、貸借対照表に認識されている金額を相殺できる法的強制力のある権利を現在有しており、か
つ資産と負債を純額決済するかまたは資産の実現および負債の決済を同時に行う意図を有している場合には、金
融資産および金融負債は相殺して貸借対照表において純額表示されなければならない。
日本会計基準において、公正価値で取引された同じカウンターパーティー間でのデリバティブ取引から生じた
金融資産および金融負債は、法的に有効な相殺契約がある場合に相殺が許容される。
(f) 繰延税金資産
IFRS においては、繰延税金資産は将来において一時差異の解消を控除することができる課税所得が生じる可能
性が生じない可能性より高い場合のみに認識される。
日本会計基準においては、繰延税金資産は将来回収可能な場合のみに認識される。
(g) 年金費用
IFRS の確定給付年金において収益および費用に計上される額は、当期の勤務費用、過去勤務費用、および、縮
小および清算に伴う利得および損失、ならびに、期首の年金資産および退職給付債務の純額に割引率を乗じて計
算される純額利息費用である。保険数理上の差異は、繰延税金を控除した上で包括利益計算書に認識される。年
金資産は時価により評価され、退職給付債務は数理計算による予測退職給付を、当該予測退職給付と同通貨およ
び同期間である高格付け社債の利率に等しい割引率で割り引いて評価される。退職給付債務を超過もしくは不足
する年金資産および負債は、貸借対照表において資産(超過)もしくは負債(不足)として計上される。
確定拠出年金において、利益または費用に計上される額は、当年度の支払うべき掛け金である。年度の支払う
べき掛け金と実際に支払った額との差額は未払費用もしくは前払金として貸借対照表に計上される。
日本会計基準においては、企業は確定給付債務と年金資産の公正価値の差額を退職給付に係る負債として認識
し、未認識の数理計算上の差異および未認識過去勤務費用は税効果を調整の上、退職給付に係る調整累計額とし
て純資産に認識する。未認識数理計算上差異と未認識過去勤務費用は年金に加入している者の平均残存勤務期間
以内の期間にわたり償却される。
また、確定拠出型年金制度については、当期に支払われた掛け金は費用として認識される。
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(h) リース会計
IFRS においては、重要性に乏しい少額リース取引や短期リース取引を除き、すべてのリース取引について、貸
借対照表上、リース期間に渡り資産を使用する権利を表す使用権資産及び支払い義務を表すリース負債を認識す
る。使用権資産はまず、リース負債の当初測定金額に基づき算定され、当初直接費用、リースインセンティブ、
リース開始時もしくは開始前に支払ったリース料を調整して算定される。当該金額はリース期間に渡り償却され
る。リース負債は、将来支払われるリース料を適切な割引率で割り引いた現在価値で測定される。
日本会計基準においては、オペレーティング・リース取引はオフバランス処理が行われ、リース料は、リース
期間に渡り定額法で認識される。少額リース資産については、簡便法が適用され、オペレーティング・リース取
引に準じて会計処理することができる。
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第7【外国為替相場の推移】
最近5年間の事業年度および最近6ヶ月間の日本円と米ドルの為替相場は日本国内において時事に関する事項
を掲載する2紙以上の日刊新聞に掲載されているため本項の記載は省略する。
第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
該当なし。
第9【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社が発行している有価証券は日本の金融商品取引所に上場されていないため、該当なし。
2【その他の参考情報】
当事業年度開始日から本有価証券報告書提出日までの間に、下記の書類が関東財務局長に提出された。
(1) 有価証券報告書およびその添付書類(2020年6月23日提出)
(2) 臨時報告書およびその添付書類(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号に基づくも
の)(2020年9月14日提出)
(3) 半期報告書およびその添付書類(2020年9月14日提出)
(4) 臨時報告書およびその添付書類(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号に基づくも
の)(2020年10月27日提出)
(5) 臨時報告書およびその添付書類(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の4に基づ
くもの)(2021年1月13日提出)
(6) 発行登録書およびその添付書類(2021年1月13日提出)
(7) 2021年1月13日提出の発行登録書に対する訂正発行登録書およびその添付書類(2021年2月3日提
出)
(8) 2021年1月13日提出の発行登録書に対する発行登録追補書類およびその添付書類(2021年2月19日提
出)
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第1【保証会社情報】
該当なし。
第2【保証会社以外の会社の情報】
該当なし。
第3【指数等の情報】
1【当該指数等の情報の開示を必要とする理由】
(1)【理由】
下記に記載の各社債は、利息計算期間中の適用利率、満期償還金額および自動期限前償還事由の有無が日経平
均株価およびS&P500指数の水準により決定されるため、日経平均株価およびS&P500指数についての開示を必要と
する。
上場金融商品取引所名
有価証券の名称 発行年月日 売出価額の総額 又は登録認可
金融商品取引業協会名
ゴールドマン・サックス・イン
ターナショナル 2021年10月29日満
期 期限前償還条項(トリガース
テップダウン)ノックイン条項
1) 2018年10月29日 3,858,000,000円 該当なし
ボーナスクーポン条項付 2指数
(日経平均株価・S&P500指数)
連動 円建社債
ゴールドマン・サックス・イン
ターナショナル 2022年4月25日満
期 期限前償還条項(トリガース
テップダウン)ノックイン条項
2) 2019年4月23日 3,200,000,000円 該当なし
ボーナスクーポン条項付 2指数
(日経平均株価・S&P500指数)
連動 円建社債
ゴールドマン・サックス・イン
ターナショナル 2022年7月29日満
期 期限前償還条項(トリガース
テップダウン)ノックイン条項
3) 2019年7月29日 2,900,000,000円 該当なし
ボーナスクーポン条項付 2指数
(日経平均株価・S&P500指数)
連動 円建社債
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ゴールドマン・サックス・イン
ターナショナル 2023年2月28日満
期 期限前償還条項(トリガース
テップダウン)ノックイン条項
4) 2020年2月27日 12,775,000,000円 該当なし
ボーナスクーポン条項付 2指数
(日経平均株価・S&P500指数)
連動 円建社債
ゴールドマン・サックス・イン
ターナショナル 2023年4月28日満
期 期限前償還条項(トリガース
テップダウン)ノックイン条項
5) 2020年4月27日 4,100,000,000円 該当なし
ボーナスクーポン条項付 2指数
(日経平均株価・S&P500指数)
連動 円建社債
ゴールドマン・サックス・イン
ターナショナル 2023年11月24日満
期 期限前償還条項(トリガース
テップダウン)ノックイン条項
6) 2020年11月24日 4,600,000,000円 該当なし
ボーナスクーポン条項付 2指数
(日経平均株価・S&P500指数)連
動 円建社債
ゴールドマン・サックス・イン
ターナショナル 2024年3月4日満
期 期限前償還条項(トリガース
テップダウン)ノックイン条項
7) 2021年3月3日 10,000,000,000円 該当なし
ボーナスクーポン条項付 2指数
(日経平均株価・S&P500指数)連
動 円建社債
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(2)【内容】
① 日経平均株価
日経225平均株価、すなわち株式会社日本経済新聞社が計算している東京証券取引所第一部に上場されてい
る225銘柄の株価指数をいう。
② S&P500指数
スタンダード&プアーズ・ダウ・ジョーンズ・インデックス・エル・エル・シーが計算し、S&P500指数とし
て公表している値をいう。
2【当該指数等の推移】
日経平均株価の過去の推移(日経平均株価終値ベース)
(単位:円)
年度 2016年 2017年 2018年(注1) 2019年(注2) 2020年(注3)
最近5年間の
最高 19494.53 22939.18 24270.62 23520.01 26644.71
年別最高・最低値
最低 14952.02 18335.63 20617.86 19561.96 16552.83
年度 2020年7月 2020年8月 2020年9月 2020年10月 2020年11月 2020年12月
最近6ヶ月の
最高 22945.5 23296.77 23559.3 23671.13 26644.71 27568.15
月別最高・最低値
最低 21710 22195.38 23032.54 22977.13 23295.48 26436.39
出典:ブルームバーグ
日経平均株価の過去の推移は日経平均株価の将来の動向を示唆するものではなく、上記に記載の各社債の
時価の動向を示すものでもない。過去の上記の期間において日経平均株価が上記のように変動したことに
よって、日経平均株価および当該社債の時価が当該社債の償還まで同様に推移することも示唆するものでは
ない。
(注1)同年度中に、当社は会計上の基準日を12月31日から11月30日に変更した。そのため、2018年度の最
高・最低値は、2018年1月から同年11月までの11ヶ月の情報に基づいている。
(注2)当社は上記のとおり会計上の基準日を12月31日から11月30日に変更したため、2019年度の最高・最
低値は、2018年12月から2019年11月までの12ヶ月の情報に基づいている。
(注3)同年度中に、当社は会計上の基準日を11月30日から12月31日に変更した。そのため、2020年度の最
高・最低値は、2019年11月から2020年12月までの13ヶ月の情報に基づいている。
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S&P500 指数の過去の推移(S&P500指数終値ベース)
(単位:ポイント)
年度 2016年 2017年 2018年(注1) 2019年(注2) 2020年(注3)
最近5年間の
最高 2271.719971 2690.159912 2930.75 3153.629883 3638.350098
年別最高・最低値
最低 1829.079956 2257.830078 2581 2447.889893 2237.399902
年度 2020年7月 2020年8月 2020年9月 2020年10月 2020年11月 2020年12月
最近6ヶ月の
最高 3276.02002 3508.01001 3580.840088 3534.219971 3638.350098 3756.070068
月別最高・最低値
最低 3115.860107 3294.610107 3236.919922 3269.959961 3310.23999 3647
出典:ブルームバーグ
S&P500 指数の過去の推移はS&P500指数の将来の動向を示唆するものではなく、上記に記載の各社債の時価
の動向を示すものでもない。過去の上記の期間においてS&P500指数が上記のように変動したことによって、
S&P500指数および当該社債の時価が当該社債の償還まで同様に推移することも示唆するものではない。
(注1)同年度中に、当社は会計上の基準日を12月31日から11月30日に変更した。そのため、2018年度の最
高・最低値は、2018年1月から同年11月までの11ヶ月の情報に基づいている。
(注2)当社は上記のとおり会計上の基準日を12月31日から11月30日に変更したため、2019年度の最高・最
低値は、2018年12月から2019年11月までの12ヶ月の情報に基づいている。
(注3)同年度中に、当社は会計上の基準日を11月30日から12月31日に変更した。そのため、2020年度の最
高・最低値は、2019年11月から2020年12月までの13ヶ月の情報に基づいている。
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( 訳文)
独立監査人の監査報告書
ゴールドマン・サックス・インターナショナル ( 無限責任会社 ) 株主 御中
財務書類の監査に係る報告
意見
以下に定義されているゴールドマン・サックス・インターナショナル(以下「会社」という。)の財務書類に係る
私どもの意見は以下のとおりである。
・2019年11月30日現在の会社の財政状況ならびに同日に終了した事業年度における利益およびキャッシュ・フ
ローについて真実かつ公正な概観を与え、
・英国において一般に公正妥当と認められている会計実務(FRS第101号「簡易化された開示のフレームワーク」
により構成される英国会計基準および適用される法令)に準拠して適正に作成され、
・2006年会社法の要件に準拠して作成されている。
私どもは、アニュアル・レポートに含まれる財務書類を監査しており、当該財務書類は、2019年11月30日現在の
貸借対照表、同日に終了した事業年度における損益計算書、包括利益計算書、キャッシュ・フロー計算書、持分変
動計算書、および財務書類に対する注記(重要な会計方針に関する記載およびその他の説明情報を含む。)により構
成されている。
必要とされる一部の開示については、財務書類に対する注記ではなく、アニュアル・レポートの戦略報告書で行
われている。戦略報告書において監査済として特定されている開示は、財務書類の一部である。
私どもの意見は会社の取締役会の監査委員会に対する私どもの報告と一致している。
意見の基礎
私どもは、国際監査基準(英国)(以下「ISA(英国)」という。)および適用される法令に準拠して監査を行った。
ISA(英国)のもとでの私どもの責任は、本報告書の「財務書類の監査に対する監査人の責任」区分に詳述されてい
る。私どもは、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
独立性
私どもは、英国における財務書類の私どもの監査に関連する倫理要件(上場している社会的影響度の高い事業体
に適用される英国財務報告評議会(以下「FRC」という。)による倫理基準を含む。)に準拠して会社からの独立性を
維持しており、当該要件に準拠してその他の倫理的責任を全うしている。
私どもは、私どもが把握し信じる限り、FRCの倫理基準で禁止されている非監査業務が会社に提供された事実は
ないと言明する。
私どもは、財務書類に対する注記6「一般管理費」に開示されているものを除き、2018年12月1日から2019年11
月30日までの事業年度において会社に非監査業務を提供していない。
本監査のアプローチ
背景
当該財務書類において開示されている比較期間は、2018年11月30日に終了した11ヵ月間である。
概要
・全体的な重要性の基準値:アニュアル・レポートの10ページ(訳者注:原文のページ)に記載のTier1自己資本
資源合計の0.75%(2018年度:規制上の総自己資本資源の0.5%)に基づき、240百万米ドル(2018年度:183百万米
ドル)
・ 監査範囲 : 単一の構成単位としての会社の財務書類全体に対しフルスコープの監査を実施 した。 監査手続の性
質、実施時期および範囲は、私どものリスク評価、財務書類項目の財務上の重要性ならびに定性的要因 ( 不正
または誤謬による過去の虚偽表示を含む。 ) により決定された。
・ 監査上の主要な事項 : 監査において最も重要な重点項目とした主要領域は、公正価値の階層のレベル3に含ま
れているもの を含む 金融 資産および負債 の評価であった。 また、新型コロナウイルス(以下「COVID-19」とい
う。)の発生による会社への影響についても検討した。
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・ 私どもは 、 201 9 年7月および 201 9 年 11 月に会社の取締役会の監査委員会と 、 監査上の主要な事項 の特定を含
め、 私どもの監査計画について議論した。
監査の範囲
本監査計画の一環として、私どもは重要性の基準値を決定し、財務書類における重要な虚偽表示リスクを評価し
た。私どもは特に、仮定の決定や本質的に不確実な将来事象の検討を伴う重要な会計上の見積りに関するものな
ど、取締役が主観的判断を行った分野に注目した。
不正を含む不法行為 の 検出 に対する 監査の 機能
私どもは、会社および業界に関する私どもの理解に基づき、英国金融行為規制機構(以下「FCA」という。)およ
び英国健全性監督機構(以下「PRA」という。)の規則に関連する法規制への違反行為による主要なリスクを識別
し、その違反行為が財務書類に重要な影響を及ぼし得る範囲について検討した。また、2006年会社法ならびに2008
年会社計算書類およびグループ計算書類規則など、財務書類の作成に直接影響を及ぼす法規制についても検討し
た。
私どもは、経営者の財務書類に対する不正操作のインセンティブおよび機会(統制の無効化のリスクを含む。)を
評価し、主要なリスクは、金融資産および負債の公正価値の操作による不適切な仕訳入力や経営者のバイアスに関
連していると判断した。
監査チームは、このリスク評価を監査を支援するPwCネットワークファームと共有し、これらのリスクに対応す
るための監査手続を計画した。監査チームおよび(または)他の監査人により実施された監査手続には以下が含まれ
る。
・既知の、または、疑義のある法規制への違反行為および不正について、経営者およびガバナンス担当者と討議
する。
・不法行為の防止および発見のために設計された経営者による全社レベル統制(特に行動規範や内部通報手続な
ど)の運用状況の有効性を評価し、検証する。
・会社の内部通報窓口に通報された事項および経営者による当該事項の調査結果を評価する。
・法令遵守および規制上の手続に関する規制当局(FCAおよびPRA)との主なやり取りをレビューする。
・特に上級管理職が入力した仕訳など、仕訳を識別し、検証する。
・金融 資産および負債 の公正価値測定に関連して経営者が行った仮定および判断を批判的に検討する。私どもの
手続には、金融 資産および負債 の公正価値に対する経営者による統制の有効性を検証すること、ならびに期末
時点でかかる項目のサンプルについて独立した評価を実施することが含まれていた。
・また、私どもの実施するテストの性質、時期および(または)範囲において予測不能性を組み込んだ。
上記の監査手続には固有の限界があり、法令違反行為が財務書類に反映された事象および取引から切り離されて
いるほど、当該違反行為を発見する可能性は低くなる。また、不正は(偽造、意図的な虚偽の陳述、共謀などによ
り)意図的に隠蔽されている可能性があることから、不正による重要な虚偽表示を発見できないリスクは、誤謬に
よる重要な虚偽表示を発見できないリスクよりも高い。
監査上の主要な事項
監査上の主要な事項とは、監査人の職業的専門家としての判断において、当期の財務書類監査で最も重要な事項
である。また、監査上の主要な事項は、監査人が識別した重要な虚偽表示リスク(不正によるかどうかを問わな
い。)のうち最も重要であると評価されたものを含んでおり、これには、全体的な監査戦略、監査資源の配分およ
び監査チームへの指示に最も大きな影響を与えるものが含まれている。これらの項目、および私どもがこれらの項
目について実施した手続の結果に関する私どものコメントは、財務書類全体に対する監査の観点から、私どもの意
見を形成するにあたり対応されたものである。私どもは、これらの項目に対しては個別の意見を表明しない。これ
は、私どもの監査で識別されたすべてのリスクを完全に網羅したものではない。
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監査上の主要な事項 監査上の主要な事項に対する監査上の対応手続
私どもは、金融資産および負債の評価に係る主要な統
公正価値で保有する金融 資産および負債 の評価
制の整備状況を理解および評価し、その運用状況の有効
財務書類に対する注記 28 「金融資産および負債」参照
性を評価した。当該統制には以下が含まれる。
財務書類に対する注記2「重要な会計方針の要約」に
・リスク管理担当の専門家チームによる新規および既存
記載の会計方針に従い、金融資産および負債の大部分は
のモデルの検証、ならびに使用するモデルに関するア
公正価値で貸借対照表に計上されており、公正価値の変
クセスおよび変更に係る管理統制。
動は純収益に計上される。2019年11月30日現在、公正価
・第三者から提供される価格および評価モデルへのイン
値で測定する金融資産および負債の合計はそれぞれ
プットを用いてコントローラーが実施する月次の価格
8,799.9億米ドルおよび8,376.8億米ドルであった。金融
検証プロセス。
資産および負債の評価の監査には多大な監査資源が必要
・主要な評価調整の算定および承認。
であり、最も重要な虚偽表示リスクも含んでいたため、
私どもは、当該統制の整備状況または運用状況の有効
これは監査上の主要な事項に該当する。
性について重大な例外事項を検出しておらず、私どもの
注記28「金融資産および負債」に詳述されている、公
監査の目的において当該統制に依拠できると判断した。
正価値で測定する会社のほぼすべての金融資産および負
また、私どもは下記の実証手続を実施した。
債の公正価値は、観察可能な価格およびインプットに基
私どもは、現物商品のサンプルの評価を第三者から提
づいており、公正価値ヒエラルキーのレベル1および2
供された情報に照らしてテストした。私どもは内部の評
に分類されている。デリバティブ金融商品の評価は、さ
価専門家を利用して、デリバティブ金融商品および現物
まざまなインプットを用いる金融モデルにより算定され
商品(レベル3の金融商品を含む。)の再評価を、独立し
る。会社のデリバティブの大部分は活発な市場で取引さ
たモデルを用いてサンプルベースで実施した。
れ、経営者の評価を裏付ける外部の観察可能なインプッ
レベル3の信用デリバティブのポートフォリオに関し
トが入手可能である。
ては、経営者による担保付資金調達スプレッドの算定手
会社はまた、限られた活発な市場しか存在しない、ま
法を評価し、関連する評価時のインプットを外部の情報
たは活発な市場が全く存在しない、複雑かつより流動性
源に照らして検証し、また、当該評価をサンプルベース
の低い現物商品およびデリバティブ金融商品の取引を行
で再実施した。私どもはさらに、レベル3の株式デリバ
う。この場合、評価を裏付ける観察可能な証拠がより少
ティブの評価をサンプルベースで実施しており、その評
なくなり、見積りの不確実性は増大する。評価における
価は可能な範囲で入手した独立したインプット(コリ
インプットに観察不能かつ重要なものが1つ以上含まれ
レーションを含む。)を用いて行われた。関連するコリ
る場合、金融商品は公正価値の階層のレベル3に分類さ
レーションについて独立したインプットが入手できない
れる。2019年11月30日現在、公正価値で測定するレベル
場合には、当該コリレーションの独立した見積りを行っ
3の金融資産および負債はそれぞれ53.3億米ドルおよび
た。
123.1億米ドルであった。
私どもは評価調整の算定に使用された手法および仮定
私どもは、私どもの業界経験や会社の事業に関する知
を評価した。私どもは期末日現在の評価調整をサンプル
識を用いて、会社が保有する金融商品のリスク評価を実
ベースで検証した。
施した。私どもは、より多くの判断を要する領域および
私どもは、実施した作業に基づき、経営者による金融
私どもの監査重点項目を特定するためにこの分析を利用
資産および負債の公正価値の見積りを裏付ける証拠が得
した。
られたと判断した。
私どもは、レベル3に分類された特定の信用デリバ
私どもは、経営者が既存の方針に従いデリバティブ金
ティブ金融商品および株式デリバティブ金融商品の評価
融商品を公正価値の階層における適切なレベルに分類し
に関連する重要な虚偽表示リスクは高いと結論付けた。
ており、また、分類に関する当該方針が適切であったこ
信用デリバティブに関する重点項目には、担保付資金調
とを確認するための検証を実施した。
達スプレッドに感応する金融商品ポートフォリオの評価
私どもは、注記28「金融資産および負債」に記載され
や主要な判断を伴う手法が含まれ、株式デリバティブに
る重要な観察不能なインプットおよび公正価値の階層に
関する重点項目には、観察不能なコリレーションに感応
関する開示を通読および評価し、それらが適切であると
する金融商品ポートフォリオが含まれていた。
判断した。
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私どもは、当該事項は開示後発事象として扱うべきで
COVID-19 の発生による財務書類への影響
あり、現段階では財務上の影響を信頼性をもって見積る
財務書類に対する注記30「開示後発事象」参照
ことができないとした取締役の結論を批判的に検討し
貸借対照表日以降、COVID-19の発生により、世界規模
た。私どもが検討した点は以下のとおりである。
でパンデミックが起きている。財務書類の作成の最終段
・世界中および英国において感染が拡大する時期。
階において、COVID-19による潜在的影響が大きくなり、
・この混乱が会社の財務書類および業務に及ぼし得る影
英国を含む各国の金融市場や通常の事業活動に対して広
響。
範囲にわたる混乱が引き起こされている。
私どもは、実施した作業に基づき、当該事項が適切に
取締役は財務書類への影響を検討した結果、当該事項
評価され、財務書類に反映されていると考えている。
は開示後発事象であり、現段階では財務上の影響を信頼
継続企業の前提に関する結論を出すにあたり、私ども
性をもって見積ることができず、継続企業の前提で作成
は、経営者による継続企業の評価にCOVID-19から生じる
することが適切であるとの結論に至った。
影響が考慮されているかどうかを評価した。継続企業の
前提に関して私どもが実施した手続きには、以下が含ま
れる。
・私どもは、経営者が行った継続企業の評価をレビュー
した。私どもは、COVID-19が会社の業績、業務、規制
上の自己資本比率および流動性比率に及ぼす潜在的な
影響を理解するために、経営者に質問を行った。
・私どもは、会社が実施した直近のストレステストの結
果が盛り込まれている「自己資本比率内部評価プロセ
ス」および「流動性比率内部評価プロセス」をレ
ビューした。
継続企業に関する私どもの報告事項は、以下に記載し
ている。
監査範囲の構成方法
私どもは、財務書類全体に対する意見を提供するための十分な手続が実施されるように、会社の構造、会計処理
プロセスおよび統制、ならびに会社が事業を行っている業界を考慮して監査範囲を決定した。
会社は、世界中の顧客を対象として様々な金融サービスを提供している。会社はまた、ヨーロッパ、中東および
アフリカ地域の顧客に金融サービスを提供するために、これら地域全体にわたり数多くの支店および駐在事務所を
有している。私どもは、監査上、会社およびその支店を単一の構成単位を表すものとみなしている。
グループの海外拠点のトレーダーは、会社の代理として取引を実施している。このような状況において、財務報
告に関連する一定の内部統制が当該拠点において運用されている。また、最終的な親会社のザ・ゴールドマン・
サックス・グループ・インクにより米国において、もしくは会社の監査に関連するその他の拠点のグループ・シェ
アード・サービス・センターにおいて、集約されている機能も数多くある。私どもは、これら各拠点において必要
な監査業務の範囲を決定し、PwCネットワークファームに指示書を発行した。私どもは、監査業務の責任を有する
ファームと監査の過程を通じて定期的に意見交換を行った。これには、主要な調書のレビュー、ならびに高リスク
監査領域における作業結果についての討議および検証が含まれる。私どもは、私どもに代わって実施された手続
は、私どもが監査意見を表明する上で十分であったと考えている。
重要性
私どもの監査範囲は適用される重要性により影響される。私どもは、重要性に関して特定の定量的な基準値を定
めた。これらは定性的な検討と合わせて、私どもの監査の対象範囲や個々の財務書類項目および開示内容に対する
監査手続の性質、実施時期および範囲を決定する際、ならびに虚偽表示が個別にまたは集計して財務書類全体に及
ぼす影響を評価する際に用いられた。
職業的専門家としての判断に基づき、私どもは財務書類全体に関する重要性の基準値を以下のとおり決定した。
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全体的な重要性の基準値 240 百万米ドル (201 8 年度: 183 百万米ドル )
決定方法 アニュアル・レポートの 1 0 ページ ( 訳者注:原文のページ ) に記載の Tier 1自己資本資
源 合計 の 0.75%(2018 年度:規制上の総自己資本資源の 0.5%)
適用されたベンチマークの 直接および最終的な親会社、経営者、一部の債権者(社債保有者等)ならびに会社の規
根拠 制当局が、財務書類の主な利用者である。これら利用者が重要視する領域は Tier 1 自
己資本資源の水準である。
私どもは、監査中に識別した12百万米ドル(2018年度:9百万米ドル)を超える虚偽表示のほか、私どもとして定
性的な理由から報告が必要と考えたこれより少額の虚偽表示についても、会社の取締役会の監査委員会に報告する
ことを同委員会と合意した。
継続企業の前提に関連する結論
私どもはISA(英国)により、以下のいずれかに該当する場合に報告を義務付けられている。
・継続企業を前提として取締役が財務書類を作成することが適切でない場合。
・会社が財務書類の発行承認日から少なくとも12ヵ月間にわたって継続企業の前提による会計処理の適用を継続
できることについて重要な疑義を生じさせるような重要な不確実性が識別されている場合で、取締役が財務書
類においてそれを開示していない場合。
上記の事項に関して報告すべきことはない。
しかしながら、将来のすべての事象または状況を予測することはできないため、この記述は、継続企業としての
会社の存続能力に関して保証するものではない。
その他の情報に係る報告
その他の情報は、アニュアル・レポートに含まれる、財務書類およびそれに対する私どもの監査報告書以外のす
べての情報から成る。その他の情報についての責任は取締役が有している。財務書類に対する私どもの意見はその
他の情報を対象としておらず、私どもはその他の情報に対し、監査意見、または本報告書に明示的に記載されてい
る場合を除いていかなる形式の保証も表明しない。
財務書類監査に関連する私どもの責任は、その他の情報を通読すること、およびその際に、その他の情報に財務
書類または監査中に入手した知識との重要な不整合があるか、もしくは重要な虚偽表示があるかを検討することで
ある。明らかな重要な不整合または重要な虚偽表示を識別した場合、私どもは、財務書類の重要な虚偽表示または
その他の情報の重要な虚偽表示があるかどうかを結論付けるための手続を実施する必要がある。私どもが実施した
作業に基づき、その他の情報に重要な虚偽表示があると結論付けた場合、私どもはその事実を報告しなければなら
ない。これらの責任に基づき報告すべきことはない。
戦略報告書および取締役報告書に関して、私どもは英国の2006年会社法により義務付けられている開示内容が含
まれているかどうかも検討した。
ISA( 英国)は、上記の責任および私どもが監査において実施した作業に基づき、特定の意見および下記の事項に
ついても報告するよう要求している。
戦略報告書および取締役報告書
監査の過程で実施した手続に基づく私どもの意見では、2019年11月30日に終了した事業年度における戦略報告書
および取締役報告書に記載されている情報は、財務書類と一貫しており、適用される法的要求事項に準拠して作成
されている。
私どもは、会社およびそれを取り巻く環境について監査の過程で入手した知識および理解に照らし、戦略報告書
および取締役報告書において重要な虚偽表示は識別していない。
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財務書類および監査に関する責任
財務書類に対する取締役の責任
43 ページ(訳者注:原文のページ)に記載の取締役の責任に関する報告書に詳述のとおり、取締役は、適用される
フレームワークに従って当該財務書類を作成する責任、またその財務書類が真実かつ公正な概観を与えるものであ
ることを確認する責任を有している。取締役は、不正または誤謬による重要な虚偽表示のない財務書類を作成する
ために取締役が必要と判断する内部統制についても責任を有している。
財務書類の作成において、取締役は、継続企業としての会社の存続能力の評価、継続企業の前提に関連する事項
の開示(該当する場合)、ならびに継続企業の前提による会計処理の使用に責任を有している。ただし、取締役が会
社を清算または業務を停止する意図を有する場合、あるいはそうするより他に現実的な代替案がない場合はこの限
りではない。
財務書類の監査に対する監査人の責任
私どもの目的は、不正または誤謬によるかを問わず、全体として財務書類に重要な虚偽表示がないかどうかに関
する合理的な保証を得ること、ならびに私どもの意見を含む監査報告書を発行することにある。合理的な保証は、
高い水準の保証ではあるが、ISA(英国)に従って実施された監査が、重要な虚偽表示が存在している場合にそれを
すべて発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正または誤謬から発生する可能性があり、個別にま
たは集計すると、当該財務書類の利用者の経済的意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性が
あると判断される。
財務書類の監査に対する私どもの責任に関する詳しい説明は、FRCのウェブサイト
(www.frc.org.uk/auditorsresponsibilities)に記載されている。この説明は、この監査報告書の一部を構成して
いる。
本報告書の使用
本報告書(意見を含む。)は、2006年会社法第16部第3章に準拠した機関である会社の株主のためにのみ作成され
るものであり、その他の目的のためではない。私どもは意見を表明するにあたり、事前に書面で明確に同意してい
る場合を除き、その他の目的に対して責任を負わず、本報告書を読むその他の者または報告書を入手する可能性の
あるその他の者に対して責任を負うものではない。
要求されているその他の報告
2006 年会社法に基づく除外事項の報告
2006 年会社法に基づいて、以下の場合、私どもの監査意見において報告が求められている。
・私どもの監査に必要なすべての情報および説明が提供されていない場合、
・会社が適正に会計記録を行っていない場合、あるいは私どもが訪問しなかった支店から私どもの監査に対する
適切な返答が得られなかった場合、
・法律で定められた取締役報酬に関する特定の開示がなされていない場合、
・財務書類が会計記録や返答と一致していない場合。
私どもには、この責任から生じた報告すべき例外事項はない。
任命
私どもは、1988年9月22日に取締役により、1989年11月24日に終了した事業年度およびその後の会計期間に係る
財務書類の監査人に任命された。中断なく監査人を務めている合計期間は、1989年11月24日に終了した事業年度か
ら2019年11月30日に終了した事業年度までの31年間である。
ジョナサン・ホロウェイ ( 上級法定監査人 )
プライスウォーターハウスクーパース エルエルピー
勅許会計士、法定監査人
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ロンドン
20 20 年3月 23 日
(※)上記は、英文で作成された監査報告書原本の訳文として記載されたものです。訳文においては、原本の内容を
正確に表すよう細心の注意が払われていますが、いかなる内容の解釈、見解または意見においても、原語で記
載された監査報告書原本が本訳文に優先します。
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Independent auditors’ report to the members of Goldman Sachs International (unlimited
company)
Report on the audit of the financial statements
Opinion
In our opinion, Goldman Sachs International’s (“the company”) financial statements:
・ give a true and fair view of the state of the company’s affairs as of November 30, 2019 and of its profit and cash flows for
the year then ended;
・ have been properly prepared in accordance with United Kingdom Generally Accepted Accounting Practice (United
Kingdom Accounting Standards, comprising FRS 101 “Reduced Disclosure Framework”, and applicable law); and
・ have been prepared in accordance with the requirements of the Companies Act 2006.
We have audited the financial statements, included within the Annual Report, which comprise: the Balance Sheet as of
November 30, 2019; the Profit and Loss Account, the Statements of Comprehensive Income, the Statements of Cash Flows, the
Statements of Changes in Equity for the year then ended; and the Notes to the Financial Statements, which include a
description of the significant accounting policies and other explanatory information.
Certain required disclosures have been presented in the Strategic Report in the Annual Report rather than in the Notes to the
Financial Statements. The disclosures identified as audited within the Strategic Report form an integral part of the financial
statements.
Our opinion is consistent with our reporting to the GSI Board Audit Committee.
Basis for opinion
We conducted our audit in accordance with International Standards on Auditing (UK) (“ISAs (UK)”) and applicable law. Our
responsibilities under ISAs (UK) are further described in the Auditors’ responsibilities for the audit of the financial statements
section of our report. We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide a basis for
our opinion.
Independence
We remained independent of the company in accordance with the ethical requirements that are relevant to our audit of the
financial statements in the U.K., which includes the Financial Reporting Council’s (“FRC”) Ethical Standard as applicable to
listed public interest entities, and we have fulfilled our other ethical responsibilities in accordance with these requirements.
To the best of our knowledge and belief, we declare that non-audit services prohibited by the FRC’s Ethical Standard were not
provided to the company.
Other than those disclosed in Note 6 ‘Administrative Expenses’ to the financial statements, we have provided no other non-
audit services to the company in the year from December 1, 2018 to November 30, 2019.
Our audit approach
Context
The comparative period disclosed in these financial statements is the eleven month period ended November 30, 2018.
Overview
・ Overall materiality: $240 million (2018: $183 million) based on 0.75% of total Tier 1 capital resources (2018: 0.5% of total
regulatory capital resources) as set out on page 10 of the Annual Report.
・ Audit scope: We perform a full scope audit of the financial statements of the company as a whole as a single component.
The scope of the audit and the nature, timing and extent of audit procedures were determined by our risk assessment, the
financial significance of financial statement line items and qualitative factors (including history of misstatement through
fraud or error).
・ Key audit matters: The key area of focus which was of the most significance in the audit was the valuation of financial
assets and liabilities, including those which are included within level 3 of the fair value hierarchy. We also considered the
impact of the outbreak of a novel strain of coronavirus (COVID-19) on the company.
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・ We discussed our plan including, the identification of key audit matters, with the GSI Board Audit Committee in July 2019
and November 2019.
The scope of our audit
As part of designing our audit, we determined materiality and assessed the risks of material misstatement in the financial
statements. In particular, we looked at where the directors made subjective judgements, for example in respect of significant
accounting estimates that involved making assumptions and considering future events that are inherently uncertain.
Capability of the audit in detecting irregularities, including fraud
Based on our understanding of the company and industry, we identified that the principal risks of non-compliance with laws
and regulations related to rules of the Financial Conduct Authority (“FCA”) and the Prudential Regulation Authority (“PRA”),
and we considered the extent to which non-compliance might have a material effect on the financial statements. We also
considered those laws and regulations that have a direct impact on the preparation of the financial statements such as the
Companies Act 2006 and the Companies and Group Accounts Regulations 2008.
We evaluated management’s incentives and opportunities for fraudulent manipulation of the financial statements (including
the risk of override of controls) and determined that the principal risks were related to the posting of inappropriate journal
entries and management bias through the manipulation of the fair value of financial assets and liabilities.
The engagement team shared this risk assessment with PwC network firms supporting the audit and designed audit procedures
to address these risks. Audit procedures performed by the engagement team and/or other auditors included:
・ Discussions with management and those charged with governance in relation to known or suspected instances of non-
compliance with laws and regulation and fraud;
・ Evaluating and testing of the operating effectiveness of management’s entity level controls designed to prevent and detect
irregularities, in particular their Code of Conduct and Whistleblowing procedures;
・ Assessing matters reported on the company’s whistleblowing helpline and the results of management’s investigation of
such matters;
・ Reviewing key correspondence with regulatory authorities (the FCA and the PRA) in relation to compliance and any
regulatory proceedings;
・ Identifying and testing journal entries, in particular any journal entries posted by senior management;
・ Challenging assumptions and judgements made by management in relation to the fair value measurement of financial assets
and liabilities. Our procedures included testing the effectiveness of management’s controls over the fair value of financial
assets and liabilities and performing an independent valuation of a sample of such items at the year-end; and
・ Incorporated unpredictability into the nature, timing and/or extent of our testing.
There are inherent limitations in the audit procedures described above and the further removed non-compliance with laws and
regulations is from the events and transactions reflected in the financial statements, the less likely we would become aware of
it. Also, the risk of not detecting a material misstatement due to fraud is higher than the risk of not detecting one resulting from
error, as fraud may involve deliberate concealment by, for example, forgery or intentional misrepresentations, or through
collusion.
Key audit matters
Key audit matters are those matters that, in the auditors’ professional judgement, were of most significance in the audit of the
financial statements of the current period and include the most significant assessed risks of material misstatement (whether or
not due to fraud) identified by the auditors, including those which had the greatest effect on: the overall audit strategy; the
allocation of resources in the audit; and directing the efforts of the engagement team. These matters, and any comments we
make on the results of our procedures thereon, were addressed in the context of our audit of the financial statements as a whole,
and in forming our opinion thereon, and we do not provide a separate opinion on these matters. This is not a complete list of all
risks identified by our audit.
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Key audit matter How our audit addressed the key audit matter
We understood and evaluated the design and tested the
Valuation of financial assets and liabilities held at fair
operational effectiveness of key controls over the valuation of
value
financial assets and liabilities. These controls included:
Refer to Note 28 ‘Financial Assets and Liabilities’ in the
financial statements.
・ Validation of new and existing models by a specialist team
within the risk function, as well as access and change
In accordance with the accounting policies set out in Note 2 ‘
management controls in respect of models in use;
Summary of Significant Accounting Policies’ to the financial
statements, the majority of the financial assets and liabilities are
・ The monthly price verification process performed by the
recorded in the balance sheet at fair value and changes in fair
Controller’s function using prices and model valuation inputs
value are recorded in net revenues. Total financial assets and
sourced from third parties; and
liabilities at fair value were $879.99 billion and $837.68 billion,
・ Calculation and approval of key valuation adjustments.
respectively, as of November 30, 2019. The audit of the
valuation of financial assets and liabilities required significant
We noted no significant exceptions in the design or operating
audit resources and involved the most significant assessed risks
effectiveness of these controls and we determined we could rely
of material misstatement and therefore represents a key audit
on these controls for the purposes of our audit. In addition, we
matter.
performed the substantive testing described below.
The fair values for substantially all of the company’s financial
We tested the valuation of a sample of cash instruments to third
assets and liabilities measured at fair value detailed in Note 28 ‘
party sources. We utilised internal valuation experts to revalue a
Financial Assets and Liabilities’ are based on observable prices
sample of derivative and cash financial instruments, including
and inputs and are classified in levels 1 and 2 of the fair value
level 3 instruments, using independent models.
hierarchy. The valuations of derivative financial instruments are
calculated by financial models using a variety of inputs. Most of
In relation to a portfolio of credit derivatives in level 3, we
the company’s derivatives are traded in active markets and
evaluated management’s methodology for determining secured
external observable inputs are available to support management’
funding spreads, tested the associated valuation inputs to
s valuations.
external sources and reperformed the valuation of a sample.
Additionally, we valued a sample of level 3 equity derivatives
The company also enters into complex and less liquid cash and
and, to the extent available, independently sourced inputs, such
derivative financial instruments where a limited or no active
as correlation. Where independent inputs are not available for
market exists. In these instances, there is less observable
the relevant correlations, we independently estimated the
evidence to support the valuations and hence there is greater
correlation.
estimation uncertainty. When one or more valuation inputs are
unobservable and significant, the financial instrument is
We evaluated the methodology and underlying assumptions
classified as level 3 in the valuation hierarchy. Level 3 financial
used to determine valuation adjustments. We tested a sample of
assets and liabilities measured at fair value were $5.33 billion
valuation adjustments as at the year-end.
and $12.31 billion, respectively, as of November 30, 2019.
Based on the work performed, we found management’s
We performed a risk assessment of the financial instruments
estimates of the fair value of financial assets and liabilities to be
held by the company using our industry experience and
supported by the evidence obtained.
knowledge of the company’s business. We used this analysis to
identify areas of greater judgement and focus our testing.
We performed testing to validate that management had allocated
derivative financial instruments to the appropriate level within
We concluded that the higher assessed risks of material
the fair value hierarchy in line with the established policy, and
misstatement relate to the valuation of certain credit and equity
that the policy classifications were appropriate.
derivative financial instruments classified as level 3. Within
credit derivatives, this included the valuation of a portfolio of
We read and assessed the disclosures in Note 28 ‘Financial
financial instruments sensitive to secured funding spreads, the
Assets and Liabilities’ regarding significant unobservable inputs
methodology for which involves a key judgement, and within
and the fair value hierarchy and found them to be appropriate.
equity derivatives, a portfolio of financial instruments sensitive
to correlations which are unobservable.
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Key audit matter How our audit addressed the key audit matter
Impact of the outbreak of COVID-19 on the financial We critically assessed directors’ conclusion that the matter be
statements
treated as a non-adjusting post balance sheet event and that the
financial impact cannot be reliably estimated at this stage. We
Refer to Note 30 ‘Non-Adjusting Post Balance Sheet
considered:
Events’ in the financial statements.
Since the balance sheet date there has been a global pandemic
・ The timing of the development of the outbreak across the
from the outbreak of COVID-19. During the latter stages of
world and in the U.K.; and
finalising the financial statements, the potential impact of
・ How the financial statements and business operations of the
COVID-19 became significant and is causing widespread
company might be impacted by the disruption.
disruption to financial markets and normal patterns of business
activity across the world, including the U.K.
Based on the work performed, we are satisfied that the matter
has been appropriately evaluated and reflected in the financial
The directors have considered the impact on the financial
statements.
statements and have concluded that the matter is a non-adjusting
post balance sheet event, the financial impact of which cannot be In forming our conclusions over going concern, we evaluated
reliably estimated at this stage, and that the going concern basis
whether management’s going concern assessment considered
of preparation is appropriate. impacts arising from COVID-19. Our procedures in respect of
going concern included:
・ We reviewed management’s going concern assessment. We
made enquiries of management to understand the potential
impact of the COVID-19 on the company’s financial
performance, business operations and regulatory capital and
liquidity ratios.
・ We reviewed the company’s most recent Internal Capital
Adequacy Assessment Process and Internal Liquidity
Adequacy Assessment Process which contain the results of
the company’s latest stress tests.
Our reporting on going concern is set out below.
How we tailored the audit scope
We tailored the scope of our audit to ensure that we performed enough work to be able to give an opinion on the financial
statements as a whole, considering the structure of the company, the accounting processes and controls, and the industry in
which it operates.
The company provides a variety of financial services to clients located worldwide. The company also operates a number of
branches and representative offices across Europe, the Middle East and Africa to provide financial services to clients in those
regions. We consider the company and its branches to represent a single audit component.
Traders based in overseas group locations enter into transactions on behalf of the company. In these circumstances, certain
internal controls relevant to financial reporting operate in those locations. In addition, there are a number of centralised
functions operated by the ultimate parent company, The Goldman Sachs Group, Inc., in the U.S. or in group shared service
centres in other locations that are relevant to the audit of the company. We determined the scope of the work required in each
of these locations and issued instructions to PwC network firms. We interacted regularly with the firms responsible for the
work throughout the course of the audit. This included reviewing key working papers and discussing and challenging the
results of work in higher risk areas of the audit. We concluded that the procedures performed on our behalf were sufficient for
the purposes of issuing our opinion.
Materiality
The scope of our audit was influenced by our application of materiality. We set certain quantitative thresholds for materiality.
These, together with qualitative considerations, helped us to determine the scope of our audit and the nature, timing and extent
of our audit procedures on the individual financial statement line items and disclosures and in evaluating the effect of
misstatements, both individually and in aggregate on the financial statements as a whole.
Based on our professional judgement, we determined materiality for the financial statements as a whole as follows:
Overall materiality $240 million (2018: $183 million).
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How we determined it 0.75% of total Tier 1 capital resources (2018: 0.5% of total regulatory capital resources) as set
out on page 10 of the Annual Report.
Rationale for benchmark The immediate and ultimate parent companies, management, certain creditors (e.g. note holders)
applied
and the company’s regulators are the primary users of the financial statements. The level of Tier
1 capital resources is a key area of focus for these users.
We agreed with the GSI Board Audit Committee that we would report to them misstatements identified during our audit above
$12 million (2018: $9 million) as well as misstatements below that amount that, in our view, warranted reporting for
qualitative reasons.
Conclusions relating to going concern
ISAs (UK) require us to report to you when:
・ the directors’ use of the going concern basis of accounting in the preparation of the financial statements is not appropriate;
or
・ the directors have not disclosed in the financial statements any identified material uncertainties that may cast significant
doubt about the company’s ability to continue to adopt the going concern basis of accounting for a period of at least twelve
months from the date when the financial statements are authorised for issue.
We have nothing to report in respect to the above matters.
However, because not all future events or conditions can be predicted, this statement is not a guarantee as to the company’s
ability to continue as a going concern.
Reporting on other information
The other information comprises all of the information in the Annual Report other than the financial statements and our
auditors’ report thereon. The directors are responsible for the other information. Our opinion on the financial statements does
not cover the other information and, accordingly, we do not express an audit opinion or, except to the extent otherwise
explicitly stated in this report, any form of assurance thereon.
In connection with our audit of the financial statements, our responsibility is to read the other information and, in doing so,
consider whether the other information is materially inconsistent with the financial statements or our knowledge obtained in the
audit, or otherwise appears to be materially misstated. If we identify an apparent material inconsistency or material
misstatement, we are required to perform procedures to conclude whether there is a material misstatement of the financial
statements or a material misstatement of the other information. If, based on the work we have performed, we conclude that
there is a material misstatement of this other information, we are required to report that fact. We have nothing to report based
on these responsibilities.
With respect to the Strategic Report and Directors’ Report, we also considered whether the disclosures required by the U.K.
Companies Act 2006 have been included.
Based on the responsibilities described above and our work undertaken in the course of the audit and ISAs (UK) require us also
to report certain opinions and matters as described below.
Strategic Report and Directors’ Report
In our opinion, based on the work undertaken in the course of the audit, the information given in the Strategic Report and
Directors’ Report for the year ended November 30, 2019 is consistent with the financial statements and has been prepared in
accordance with applicable legal requirements.
In light of the knowledge and understanding of the company and its environment obtained in the course of the audit, we did not
identify any material misstatements in the Strategic Report and Directors’ Report.
Responsibilities for the financial statements and the audit
Responsibilities of the directors for the financial statements
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As explained more fully in the Statement of Directors’ Responsibilities set out on page 43, the directors are responsible for the
preparation of the financial statements in accordance with the applicable framework and for being satisfied that they give a true
and fair view. The directors are also responsible for such internal control as they determine is necessary to enable the
preparation of financial statements that are free from material misstatement, whether due to fraud or error.
In preparing the financial statements, the directors are responsible for assessing the company’s ability to continue as a going
concern, disclosing as applicable, matters related to going concern and using the going concern basis of accounting unless the
directors either intend to liquidate the company or to cease operations, or have no realistic alternative but to do so.
Auditors’ responsibilities for the audit of the financial statements
Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the financial statements as a whole are free from material
misstatement, whether due to fraud or error, and to issue an auditors’ report that includes our opinion. Reasonable assurance is
a high level of assurance, but is not a guarantee that an audit conducted in accordance with ISAs (UK) will always detect a
material misstatement when it exists. Misstatements can arise from fraud or error and are considered material if, individually or
in the aggregate, they could reasonably be expected to influence the economic decisions of users taken on the basis of these
financial statements.
A further description of our responsibilities for the audit of the financial statements is located on the FRC’s website at:
www.frc.org.uk/auditorsresponsibilities. This description forms part of our auditors’ report.
Use of this report
This report, including the opinions, has been prepared for and only for the company’s members as a body in accordance with
Chapter 3 of Part 16 of the Companies Act 2006 and for no other purpose. We do not, in giving these opinions, accept or
assume responsibility for any other purpose or to any other person to whom this report is shown or into whose hands it may
come save where expressly agreed by our prior consent in writing.
Other required reporting
Companies Act 2006 exception reporting
Under the Companies Act 2006 we are required to report to you if, in our opinion:
・ we have not received all the information and explanations we require for our audit; or
・ adequate accounting records have not been kept by the company, or returns adequate for our audit have not been received
from branches not visited by us; or
・ certain disclosures of directors’ remuneration specified by law are not made; or
・ the financial statements are not in agreement with the accounting records and returns.
We have no exceptions to report arising from this responsibility.
Appointment
We were appointed by the directors on September 22, 1988 to audit the financial statements for the year ended November 24,
1989 and subsequent financial periods. The period of total uninterrupted engagement is 31 years, covering the years ended
November 24, 1989 to November 30, 2019.
Jonathan Holloway (Senior Statutory Auditor)
for and on behalf of PricewaterhouseCoopers LLP
Chartered Accountants and Statutory Auditors
London
March 23, 2020
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は有価証券
報告書提出会社が別途保管しております。
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独立監査人の監査報告書
ゴールドマン・サックス・インターナショナル ( 無限責任会社 ) 株主 御中
財務書類の監査に係る報告
意見
以下に定義されているゴールドマン・サックス・インターナショナル(以下「会社」という。)の財務書類にに
ついて当監査法人は、
2020 年12月31日現在の会社の財政状態ならびに同日に終了した13ヵ月間における経営成績およびキャッシュ・フ
ローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認める。
・2006年会社法の要件に適合する国際会計基準に準拠して適正に作成されているものと認める。
・2006年会社法の要件に準拠して作成されているものと認める。
当監査法人はアニュアル・レポートに含まれる財務書類を監査しており、当該財務書類は、2020年12月31日現在
の貸借対照表、同日に終了した該当期間における損益計算書、包括利益計算書、キャッシュ・フロー計算書、持分
変動計算書、および財務書類に対する注記(重要な会計方針に関する記載を含む。)により構成されている。
当監査法人の意見は取締役会の監査委員会に対する当監査法人の報告と一致している。
欧州連合で適用される欧州議会・理事会規則1606/2002に準じた国際財務報告基準に関連する個別の意見
財務書類に対する注記2「作成の基準」で説明されているとおり、会社は、2006年会社法の要件に適合する国際
会計基準の適用に加えて、欧州連合で適用される欧州議会・理事会規則1606/2002に準じた国際財務報告基準も適
用した。
当監査法人の意見では、本財務書類は、欧州連合で適用される欧州議会・理事会規則1606/2002に準じた国際財
務報告基準に準拠して適正に作成されている。
意見の基礎
当監査法人は、国際監査基準(英国)(以下「ISA(英国)」という。)および適用される法令に準拠して監査
を行った。ISA(英国)のもとでの当監査法人の責任は、本報告書の「財務書類の監査に対する監査人の責任」区
分に詳述されている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
独立性
当監査法人は、英国における財務書類の当監査法人の監査に関する倫理要件(上場している社会的影響度の高い
事業体に適用される英国財務報告評議会(「FRC」)による倫理基準を含む。)に準拠して会社からの独立性を維
持しており、当該要件に準拠してその他の倫理的責任を全うしている。
当監査法人は、当監査法人が把握し信じる限り、FRCの倫理基準で禁止されている非監査業務が提供された事実
はないと言明する。
当監査法人は、財務書類に対する注記7「営業費用」に開示されているものを除き、監査対象期間において当社
に非監査業務を提供していない。
本監査のアプローチ
概要
・ 監査範囲: 当監査法人は、単一の構成単位としての会社の財務書類全体に対しフルスコープの監査を実施し
た。監査の範囲ならびに監査手続の性質、実施時期および程度は、当監査法人のリスク評価、財務書類項目の
財務上の重要性ならびに定性的要因(不正または誤謬による過去の虚偽表示を含む。)により決定された。
当監査法人は特に、仮定の決定や本質的に不確実な将来事象の検討を伴う重要な会計上の見積りに関するもの
など、取締役が主観的判断を行った分野に注目した。
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監査上の主要な検討事項:
・公正価値で保有する金融資産および負債の評価。財務書類に対する注記31「公正価値測定」参照
・COVID-19による財務書類への影響
重要性
・全体的な重要性の基準値:Tier1自己資本資源合計の0.75%に基づき、258百万米ドル(2019年:240百万米ド
ル)。
・パフォーマンスの重要性:194百万米ドル(2019年:180百万米ドル)
監査の範囲
本監査計画の一環として、当監査法人は重要性の基準値を決定し、財務書類における重要な虚偽表示リスクを評
価した。
不正を含む不法行為の検出に対する監査の機能
不正を含む不法行為とは、法規制への違反行為などである。当監査法人は、「財務書類の監査に対する監査人の
責任」区分に記載されている当監査法人の責任に従い、不正を含む不法行為に係る重要な虚偽表示を検出するため
の手続を策定する。当監査法人の手続が、不正を含む不法行為をどの程度検出できるかは、以下に詳述されてい
る。
当監査法人は、会社および業界に関する当監査法人の理解に基づき、英国金融行為規制機構(「FCA」)および
英国健全性監督機構(「PRA」)の規則に関連する法規制への違反行為による主要なリスクを識別し、その違反行
為が財務書類に重要な影響を及ぼし得る範囲について検討した。また、2006年会社法など、財務書類の作成に直接
影響を及ぼす法規制についても検討した。当監査法人は、経営者の財務書類に対する不正操作のインセンティブお
よび機会(統制の無効化のリスクを含む。)を評価し、主要なリスクは、公正価値で保有する金融商品の評価の操
作による不適切な仕訳入力や経営者のバイアスに関連していると判断した。
当監査法人により実施された監査手続には以下が含まれる。
・既知の、または、疑義のある法規制への違反行為および不正について、経営者およびガバナンス担当者と討議
する。
・財務報告における不正行為を防止し発見するために設計された経営者による統制の運用状況に関する有効性を
評価し検証する。
・会社の内部通報窓口に通報された事項および経営者による当該事項の調査結果を評価する。
・規制当局(FCAおよびPRA)との主なやり取りをレビューする。
・特に上級管理職が入力した仕訳など、仕訳を識別し、検証する。
・会計上の重要な見積り、特に公正価値で保有する金融資産および負債の評価に関して経営陣によってなされた
仮定および判断について検証する。
・当監査法人の実施するテストの性質、時期および(または)範囲において予測不能性を組み込む。
上記の監査手続には固有の限界がある。財務書類に反映された事象および取引に密接に関わっていない法令違反
行為については、当監査法人が発見する可能性は低くなる。また、不正は(偽造、意図的な虚偽の陳述、共謀など
により)意図的に隠蔽されている可能性があることから、不正による重要な虚偽表示リスクは、誤謬による重要な
虚偽表示リスクよりも高い。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、監査人の職業的専門家としての判断において、当期の財務書類監査で最も重要な
事項である。また、監査上の主要な検討事項は、監査人が識別した重要な虚偽表示リスク(不正によるかどうかを
問わない。)のうち最も重要であると評価されたものを含んでおり、これには、全体的な監査戦略、監査資源の配
分および監査チームへの指示に最も大きな影響を与えるものが含まれている。これらの項目、および当監査法人が
これらの項目について実施した手続の結果に関する当監査法人のコメントは、財務書類全体に対する監査の観点か
ら、当監査法人の意見を形成するにあたり対応されたものである。当監査法人は、これらの項目に対しては個別の
意見を表明しない。これは、当監査法人の監査で識別されたすべてのリスクを完全に網羅したものではない。以下
の監査上の主要な検討事項は前会計期間と一致している。
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監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項に対する監査上の対応手続
公正価値で保有する金融資産および負債の評価 当監査法人は、金融資産および負債の評価に係る主要
財務書類に対する注記31「公正価値測定」参照。 な統制の整備状況を理解および評価し、その運用状況の
財務書類に対する注記4「重要な会計方針の要約」に 有効性を評価した。当該統制には以下が含まれる。
記載の会計方針に従い、金融資産および負債の大部分は ・ リスク管理担当の専門家チームによる新規および既存
公正価値で貸借対照表に計上されており、公正価値の変 のモデルの検証、ならびに使用するモデルに関するア
動は純収益に計上される。2020年12月31日現在、公正価 クセスおよび変更に係る管理統制。
値で測定する金融資産および負債の合計はそれぞれ1兆 ・ 第三者から提供される価格およびモデルへのインプッ
830億米ドルおよび1兆590億米ドルであった。金融資産 トを用いてコントローラーが実施する価格検証プロセ
および負債の評価の監査には多大な監査資源が必要であ ス。
り、見積りの不確実性が増大している分野であるため、 ・ 主要な評価調整の算定および承認。
これは監査上の主要な検討事項に該当する。 当監査法人は、当該統制の整備状況または運用状況の
有効性について重大な例外事項を検出しておらず、当監
注記31「公正価値測定」に詳述されている、公正価値 査法人の監査の目的において当該統制に依拠できると判
で評価される会社の金融資産および負債のほぼすべての 断した。また、当監査法人は下記の実証手続を実施し
公正価値は、観察可能な価格およびインプットに基づい た。
ており、公正価値の階層のレベル1およびレベル2に分
類されている。デリバティブ金融商品の評価は、様々な 当監査法人は、現物商品のサンプルの評価を第三者か
インプットを用いる金融モデルにより算定される。会社 ら提供された情報に照らしてテストした。当監査法人は
のデリバティブの大部分は活発な市場で取引され、経営 内部の評価専門家を利用して、デリバティブ金融商品お
者の評価を裏付ける外部の観察可能なインプットが入手 よび現物商品(レベル3の金融商品を含む。)の再評価
可能である。 を、独立したモデルを用いてサンプルベースで実施し
た。
会社はまた、限られた活発な市場しか存在しない、ま
たは活発な市場が全く存在しない、複雑かつより流動性 レベル3の信用デリバティブのポートフォリオに関し
の低い現物商品およびデリバティブ金融商品の取引を行 ては、内部の評価専門家を利用して、経営陣による担保
う。この場合、評価を裏付ける観察可能な証拠がより少 付資金調達スプレッドの算定手法を評価し、関連する評
なくなり、見積りの不確実性は増大する。評価における 価時のインプットを外部の情報源に照らして検証し、ま
インプットに観察不能かつ重要なものが1つ以上含まれ た、ポジションの評価をサンプルベースで再実施した。
る場合、金融商品は公正価値の階層のレベル3に分類さ 当監査法人はさらに、レベル3の株式デリバティブの評
れる。2020年12月31日現在、公正価値で測定するレベル 価をサンプルベースで実施しており、その評価は可能な
3の金融資産および負債はそれぞれ63億70百万米ドルお 範囲で入手した独立したインプット(コリレーションを
よび134億50百万米ドルであった。 含む。)を用いて行われた。サンプルについて、経営陣
のインプットを利用して商品の再評価を行う場合には、
当監査法人は、当監査法人の業界経験や会社の事業に 利用するインプットの合理性を評価する。
関する知識を用いて、会社が保有する金融商品のリスク
評価を実施した。当監査法人は、経営者による重要な判 当監査法人は評価調整の算定に使用された手法および
断を要する領域および当監査法人の監査重点項目を特定 仮定を評価した。当監査法人は期末日現在の評価調整を
するためにこの分析を利用した。当監査法人は、レベル サンプルベースで検証した。
3に分類された特定の信用デリバティブ金融商品および
株式デリバティブ金融商品の評価に関連する重要な虚偽 当監査法人は、実施した作業に基づき、経営陣による
表示リスクは高いと結論付けた。信用デリバティブに関 金融資産および負債の公正価値の見積りを裏付ける証拠
する重点項目には、担保付資金調達スプレッドに感応す が得られたと判断した。
る金融商品ポートフォリオの評価や、見積りを行う際の
多くの仮定を伴う手法が含まれ、株式デリバティブに関 当監査法人は、経営陣が既存の方針に従いデリバティ
する重点項目には、観察不能なコリレーションに感応す ブ金融商品を公正価値の階層における適切なレベルに分
る金融商品ポートフォリオが含まれていた。 類しており、また、分類に関する当該方針が適切であっ
たことを確認するための検証を実施した。
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COVID-19 の財務書類への影響 当監査法人は、注記31「公正価値測定」に記載される
世界的規模のパンデミックによって、世界の金融市場 重要な観察不能なインプットおよび公正価値の階層に関
において大幅なボラティリティが生まれ、世界中で通常 する開示を通読および評価し、それらが適切であると判
の事業活動に対する混乱が起きた。マクロ経済事象およ 断した。
び金融市場に対するパンデミックの広い影響、ならびに
会社の業務および当監査法人の監査に与える混乱の可能 当監査法人は、COVID-19が当監査法人の監査の計画お
性を考えると、これは監査上の主要な検討事項に該当す よび実行に及ぼした影響について批判的に検討した。特
る。 に、
・ 当監査法人はCOVID-19による混乱が重要な虚偽表示リ
戦略報告書に記載されたとおり、取締役は、会社のシ スクに及ぼす影響を評価した。これには、取引量増加
ステムおよびインフラはパンデミックの間も堅固であ の影響および会社が活動する市場に関する検討が含ま
り、営業の維持において重要な混乱はなかったと評価し れていた。当監査法人は、オペレーショナル・リスク
た。 報告書、内部監査報告書を見直し、全3つの管理部門
の幹部経営陣とパンデミックの影響について協議し
取締役は、パンデミックが会社の継続企業として存続 た。当監査法人は、当社のリスク評価について重要な
する能力に与える影響について検討した。取締役は、最 変更を行う必要はないと考えている。
近のおよび予想される財務実績ならびに資本資源および ・ 当監査法人は、主要プロセスのウォークスルーを実施
流動性の利用可能性に基づき、重要な不確実性はなく、 して監査に関連する統制を評価し、当社が依拠するこ
会社は少なくとも本報告書の日付以降の12ヵ月間継続企 とを計画した関連する統制の運用状況の有効性を検証
業として存続すると結論した。 した。当監査法人は、リモートワークが、調整など、
統制の有効性に及ぼす影響について検討した。
・ 当監査法人は、特に金融商品の評価に関連し、財務書
類に含まれる見積りへの影響について検討した。2020
年12月31日現在、当監査法人は、見積りへの重大な影
響は識別していない(上記の監査上の主要な検討事項
も参照)。
・ 当監査法人は、当監査法人の作業慣行をリモートワー
クに適応させ、適切な監査証拠を確実に収拾した。
当監査法人は、経営陣による継続企業としての評価を
見直した。また、PRAに提出する社内資本適切性評価手
続きおよび社内流動性適切性評価手続きも見直し、
COVID-19が当社の財務業績、事業運営、規制上の自己資
本比率および流動性比率に及ぼす影響を評価した。当監
査法人は、2020年12月31日現在の総資本資源について検
証した。
それらの手続きの結果、当監査法人は、継続企業の仮
定に関するCOVID-19の影響は、財務書類の作成のために
適切に評価されたと結論した。
当監査法人は、実施した作業に基づき、COVID-19に起
因する混乱の影響に対して監査は対応していたと確認し
た。また、当監査法人は、COVID-19による影響は適切に
評価され、これら財務書類の作成に反映されていると考
えている。
監査範囲の構成方法
当監査法人は、財務書類全体に対する意見を提供するための十分な手続が実施されるように、会社の構造、会計
処理プロセスおよび統制、ならびに会社が事業を行っている業界を考慮して監査範囲を決定した。
会社は、世界中の顧客に様々な金融サービスを提供している。会社はまた、ヨーロッパ、中東およびアフリカ地
域の顧客に金融サービスを提供するために、これら地域全体にわたり数多くの支店および駐在員事務所を有してい
る。当監査法人は、監査上、会社およびその支店を単一の構成単位を表すものとみなしている。
グループの海外拠点のトレーダーは、会社の代理として取引を実施している。このような状況において、財務報
告に関連する一定の内部統制が当該拠点において運用されている。また、最終的な親会社のザ・ゴールドマン・
サックス・グループ・インクにより米国において、または会社の監査に関連するその他の拠点のグループ・シェ
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アード・サービス・センターにおいて、集約されている機能も数多くある。当監査法人は、これら各拠点において
必要な監査業務の範囲を決定し、PwCネットワーク・ファームに指示書を発行した。当監査法人は、監査業務の責
任 を有するファームと監査の過程を通じて定期的に意見交換を行った。これには、主要な調書のレビュー、ならび
に高リスク監査領域における作業結果についての討議および検証が含まれる。当監査法人は、当監査法人に代わっ
て実施された手続は、当監査法人が監査意見を表明する上で十分であったと考えている。
重要性
当監査法人の監査範囲は適用される重要性により影響される。当監査法人は、重要性に関して特定の定量的な基
準値を定めた。これらは定性的な検討と合わせて、当監査法人の監査の対象範囲や個々の財務書類項目および開示
内容に対する監査手続の性質、実施時期および範囲を決定する際、ならびに虚偽表示が個別にまたは集計して財務
書類全体に及ぼす影響を評価する際に用いられた。
職業的専門家としての判断に基づき、当監査法人は財務書類全体に関する重要性の基準値を以下のとおり決定し
た。
全体的な重要性の基準値 258 百万米ドル(2019年度:240百万米ドル)
決定方法 Tier1 自己資本資源合計の0.75%(2019年度:Tier1自己資本資源合計の0.75%)
適用されたベンチマークの 直接および最終的な親会社、経営陣、一部の債権者(社債保有者等)、ならびに会社
根拠 の規制当局が、財務書類の主な利用者である。これら利用者が重要視する領域は、
Tier1自己資本資源の水準である。
当監査法人は、未修正の虚偽表示と未発見の虚偽表示の合計が重要性の基準値を上回る可能性を合理的な低い水
準に抑えるために、手続実施上の重要性を使用する。具体的には、監査範囲の決定、ならびに、例えばサンプル規
模を決定する際の、勘定残高、取引種類および開示の検討の性質と範囲の決定において、手続実施上の重要性を使
用する。当社の手続実施上の重要性は、重要性全体の75%、会社の財務書類の194百万米ドルである。
対象会社の手続実施上の重要性を決定する際、当監査法人は複数の要素(過去の虚偽表示、リスク評価およびリ
スク合計、ならびに統制の有効性)を検討し、正常範囲の上限の金額は適切であると考えている。
当監査法人は、監査中に識別した12.9百万米ドル(2019年度:12百万米ドル)を超える虚偽表示のほか、当監査
法人として定性的な理由から報告が必要と考えたこれより少額の虚偽表示についても、取締役会の監査委員会に報
告することを同委員会と合意した。
継続企業の前提に関連する結論
当監査法人は、ISA(英国)によって会社に報告することを義務付けられている以下の事項に関して報告すべき
ことはない。
・継続企業を前提として取締役が財務書類を作成することが適切でない場合。
・会社が財務書類の発行承認日から少なくとも12ヵ月間にわたって継続企業の前提による会計処理の適用を継続
できることについて重要な疑義を生じさせるような重要な不確実性が識別されている場合で、取締役が財務書
類においてそれを開示していない場合。
しかしながら、将来のすべての事象または状況を予測することはできないため、この記述は、継続企業としての
会社の存続能力に関して保証するものではない。
その他の情報に係る報告
その他の情報は、アニュアル・レポートに含まれる、財務書類およびそれに対する当監査法人の監査報告書以外
のすべての情報から成る。その他の情報についての責任は取締役が有している。財務書類に対する当監査法人の意
見はその他の情報を対象としておらず、当監査法人はその他の情報に対し、監査意見、または本報告書に明示的に
記載されている場合を除いていかなる形式の保証も表明しない。
財務書類監査に関連する当監査法人の責任は、その他の情報を通読すること、およびその際に、その他の情報に
財務書類もしくは監査中に入手した知識との重要な不整合があるか、または重要な虚偽表示があるかを検討するこ
とである。明らかに重要な不整合または重要な虚偽表示を識別した場合、当監査法人は、財務書類の重要な虚偽表
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示またはその他の情報の重要な虚偽表示があるかどうかを結論付けるための手続を実施する必要がある。当監査法
人が実施した作業に基づき、その他の情報に重要な虚偽表示があると結論付けた場合、当監査法人はその事実を報
告 しなければならない。これらの責任に基づき報告すべきことはない。
戦略報告書および取締役報告書に関して、当監査法人は2006年会社法により義務付けられている開示内容が含ま
れているかどうかも検討した。
2006 年会社法は、当監査法人が監査において実施した作業に基づき、特定の意見および下記の事項についても報
告するよう要求している。
戦略報告書および取締役報告書
監査の過程で実施した手続に基づく当監査法人の意見では、2020年12月31日に終了した事業年度における戦略報
告書および取締役報告書に記載されている情報は、財務書類と整合しており、適用される法的要求事項に準拠して
作成されている。
当監査法人は、会社およびそれを取り巻く環境について監査の過程で入手した知識および理解に照らし、戦略報
告書および取締役報告書において重要な虚偽表示は識別していない。
財務書類および監査に関する責任
財務書類に対する取締役の責任
財務書類に関する取締役の責任に関する報告書に詳述のとおり、取締役は、適用されるフレームワークに従って
当該財務書類を作成する責任、またその財務書類が真実かつ公正な概観を与えるものであることを確認する責任を
有している。取締役は、不正または誤謬による重要な虚偽表示のない財務書類を作成するために取締役が必要と判
断する内部統制についても責任を有している。
財務書類の作成において、取締役は、継続企業としての会社の存続能力の評価、継続企業の前提に関連する事項
の開示(該当する場合)、ならびに継続企業の前提による会計処理の使用に責任を有している。ただし、取締役が
会社を清算または業務を停止する意図を有する場合、あるいはそうするより他に現実的な代替案がない場合はこの
限りではない。
財務書類の監査に対する監査人の責任
当監査法人の目的は、不正または誤謬によるかを問わず、全体として財務書類に重要な虚偽表示がないかどうか
に関する合理的な保証を得ること、ならびに当監査法人の意見を含む監査報告書を発行することにある。合理的な
保証は、高い水準の保証ではあるが、ISA(英国)に従って実施された監査が、重要な虚偽表示が存在している場
合にそれをすべて発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正または誤謬から発生する可能性があ
り、個別にまたは集計すると、当該財務書類の利用者の経済的意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合
に、重要性があると判断される。
対象会社の監査テストには、可能な場合にはデータ監査技法を使用した、特定の取引および残高の母集団全体の
テストが含まれる場合がある。しかし、一般的には母集団全体をテストするのではなく、テストの対象に限られた
数の項目を抽出することになる。多くの場合、当監査法人は項目の規模またはリスクの特徴に基づき、特定の項目
を対象にテストを行うことになる。その他の場合では、当監査法人は、サンプルを抽出する母集団に関する結論を
導き出せるよう、監査サンプルを使用することになる。
財務書類の監査に対する当監査法人の責任に関する詳しい説明は、FRCのウェブサイト
(www.frc.org.uk/auditorsresponsibilities)に記載されている。この説明は、この監査報告書の一部を構成し
ている。
本報告書の使用
本報告書(意見を含む。)は、2006年会社法第16部第3章に準拠した機関である会社の株主のためにのみ作成さ
れるものであり、その他の目的のためではない。当監査法人は意見を表明するにあたり、事前に書面で明確に同意
している場合を除き、その他の目的に対して責任を負わず、本報告書を読むその他の者または報告書を入手する可
能性のあるその他の者に対して責任を負うものではない。
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要求されているその他の報告
2006 年会社法に基づく除外事項の報告
2006 年会社法に基づいて、以下の場合、当監査法人の監査意見において報告が求められている。
・当監査法人の監査に必要なすべての情報および説明を取得していない場合、
・会社が適正に会計記録を行っていない場合、あるいは当監査法人が訪問しなかった支店から当監査法人の監査
に対する適切な返答が得られなかった場合、
・法律で定められた取締役報酬に関する特定の開示がなされていない場合、
・財務書類が会計記録や返答と一致していない場合。
当監査法人にはこの責任から生じた報告すべき例外事項はない。
任命
当監査法人は、1988年9月22日に取締役により、1989年11月24日に終了した期間およびその後の会計期間に係る
財務書類の監査人に任命された。中断なく監査人を務めている合計期間は、1989年11月24日に終了した会計期間か
ら2020年12月31日に終了した会計期間までの32年間である。
ジョナサン・ホロウェイ(上級法定監査人)
プライスウォーターハウスクーパース エルエルピー
勅許会計士、法定監査人
ロンドン
2021 年3月 24 日
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Independent auditors’ report to the members of Goldman Sachs International (unlimited
company)
Report on the audit of the financial statements
Opinion
In our opinion, Goldman Sachs International’s financial statements:
・ give a true and fair view of the state of the company’s affairs as at December 31, 2020 and of its profit and cash flows for
the thirteen month period then ended;
・ have been properly prepared in accordance with international accounting standards in conformity with the requirements of
the Companies Act 2006; and
・ have been prepared in accordance with the requirements of the Companies Act 2006.
We have audited the financial statements, included within the Annual Report, which comprise: the balance sheet as at
December 31, 2020; the income statement and statement of comprehensive income, the statement of cash flows and the
statement of changes in equity for the period then ended; and the notes to the financial statements, which include a description
of the significant accounting policies.
Our opinion is consistent with our reporting to the Board Audit Committee.
Separate opinion in relation to international financial reporting standards adopted pursuant to Regulation (EC) No
1606/2002 as it applies in the European Union
As explained in Note 2 ‘Basis of Preparation’ to the financial statements, the company, in addition to applying international
accounting standards in conformity with the requirements of the Companies Act 2006, has also applied international financial
reporting standards adopted pursuant to Regulation (EC) No 1606/2002 as it applies in the European Union.
In our opinion, the financial statements have been properly prepared in accordance with international financial reporting
standards adopted pursuant to Regulation (EC) No 1606/2002 as it applies in the European Union.
Basis for opinion
We conducted our audit in accordance with International Standards on Auditing (UK) (“ISAs (UK)”) and applicable law. Our
responsibilities under ISAs (UK) are further described in the Auditors’ responsibilities for the audit of the financial statements
section of our report. We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide a basis for
our opinion.
Independence
We remained independent of the company in accordance with the ethical requirements that are relevant to our audit of the
financial statements in the UK, which includes the Financial Reporting Council (“FRC”)’s Ethical Standard, as applicable to
listed public interest entities, and we have fulfilled our other ethical responsibilities in accordance with these requirements.
To the best of our knowledge and belief, we declare that non-audit services prohibited by the FRC’s Ethical Standard have not
been provided.
Other than those disclosed in Note 7 ‘Net Operating Expenses’ to the financial statements, we have provided no non-audit
services to the company in the period under audit.
Our audit approach
Overview
Audit scope. We perform a full scope audit of the financial statements of the company as a whole as a single component. The
scope of the audit and the nature, timing and extent of audit procedures were determined by our risk assessment, the financial
significance of financial statement line items and qualitative factors (including history of misstatement through fraud or error).
In particular, we looked at where the directors made subjective judgements, for example in respect of significant accounting
estimates that involved making assumptions and considering future events that are inherently uncertain.
Key audit matters.
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・ Valuation of financial assets and liabilities held at fair value. Refer to Note 31 ‘Fair Value Measurement’ in the financial
statements.
・ Impact of COVID-19 on the financial statements.
Materiality.
・ Overall materiality: $258 million (2019: $240 million) based on 0.75% of total Tier 1 capital resources.
・ Performance materiality: $194 million (2019: $180 million)
The scope of our audit
As part of designing our audit, we determined materiality and assessed the risks of material misstatement in the financial
statements.
Capability of the audit in detecting irregularities, including fraud
Irregularities, including fraud, are instances of non-compliance with laws and regulations. We design procedures in line with
our responsibilities, outlined in the Auditors’ responsibilities for the audit of the financial statements section, to detect material
misstatements in respect of irregularities, including fraud. The extent to which our procedures are capable of detecting
irregularities, including fraud, is detailed below.
Based on our understanding of the company and industry, we identified that the principal risks of non-compliance with laws
and regulations related to the rules of the Financial Conduct Authority (“FCA”) and the Prudential Regulatory Authority
(“PRA”), and we considered the extent to which non-compliance might have a material effect on the financial statements. We
also considered those laws and regulations that have a direct impact on the preparation of the financial statements such as the
Companies Act 2006. We evaluated management’s incentives and opportunities for fraudulent manipulation of the financial
statements (including the risk of override of controls), and determined that the principal risks were related to the posting of
inappropriate journal entries and management bias through the manipulation of the valuation of financial instruments held at
fair value.
Audit procedures performed by the engagement team included:
・ Discussions with management and those charged with governance in relation to known or suspected instances of non-
compliance with laws and regulations and fraud;
・ Evaluating and testing of the operating effectiveness of management’s controls designed to prevent and detect fraud in
financial reporting;
・ Assessing matters reported on the company’s whistleblowing helpline and the results of management’s investigation of
such matters;
・ Reviewing key correspondence with regulatory authorities (the FCA and the PRA);
・ Identifying and testing journal entries, in particular any journal entries posted by senior management;
・ Challenging assumptions and judgments made by management in their significant accounting estimates, in particular in
relation to the valuation of financial assets and liabilities held at fair value; and
・ Incorporating unpredictability into the nature, timing and/or extent of our testing.
There are inherent limitations in the audit procedures described above. We are less likely to become aware of instances of non-
compliance with laws and regulations that are not closely related to events and transactions reflected in the financial
statements. Also, the risk of not detecting a material misstatement due to fraud is higher than the risk of not detecting one
resulting from error, as fraud may involve deliberate concealment by, for example, forgery or intentional misrepresentations,
or through collusion.
Key audit matters
Key audit matters are those matters that, in the auditors’ professional judgement, were of most significance in the audit of the
financial statements of the current period and include the most significant assessed risks of material misstatement (whether or
not due to fraud) identified by the auditors, including those which had the greatest effect on: the overall audit strategy; the
allocation of resources in the audit; and directing the efforts of the engagement team. These matters, and any comments we
make on the results of our procedures thereon, were addressed in the context of our audit of the financial statements as a whole,
and in forming our opinion thereon, and we do not provide a separate opinion on these matters. This is not a complete list of all
risks identified by our audit.
The key audit matters below are consistent with the prior period.
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Key audit matter How our audit addressed the key audit matter
We understood and evaluated the design and tested the
Valuation of financial assets and liabilities held at fair
operational effectiveness of key controls over the valuation of
value
financial assets and liabilities. These controls included:
Refer to Note 31 ‘Fair Value Measurement’ in the financial
statements.
・ Validation of new and existing models by a specialist team
within the risk function, as well as access and change
In accordance with the accounting policies set out in Note 4 ‘
management controls in respect of models in use;
Summary of Significant Accounting Policies’ to the financial
statements, the majority of financial assets and liabilities are
・ The price verification process performed by the Controller’s
recorded in the balance sheet at fair value and changes in fair
function using prices and model inputs sourced from third
value are recorded in net revenues. Total financial assets and
parties; and
liabilities at fair value were $1,083 billion and $1,059 billion,
・ Calculation and approval of key valuation adjustments.
respectively, as of December 31, 2020. The audit of the
valuation of financial assets and liabilities required significant
We noted no significant exceptions in the design or operating
audit resources and is an area of increased estimation
effectiveness of these controls, and we determined we could rely
uncertainty and therefore represents a key audit matter.
on these controls for the purposes of our audit. In addition, we
performed the substantive testing described below.
The fair values for substantially all of the company’s financial
assets and liabilities measured at fair value detailed in Note 31 ‘
We tested the valuation of a sample of cash instruments to third
Fair Value Measurement’ are based on observable prices and
party sources. We utilised internal valuation experts to revalue a
inputs and are classified in levels 1 and 2 of the fair value
sample of derivative and cash financial instruments, including
hierarchy. The valuations of derivative financial instruments are
level 3 instruments, using independent models.
calculated by financial models using a variety of inputs. Most of
the company's derivatives are traded in active markets and
In relation to a portfolio of credit derivatives in level 3, we
external observable inputs are available to support
utilised our internal valuation experts to evaluate management’s
management's valuations.
methodology for determining secured funding spreads, test the
associated valuation inputs to external sources and reperform the
The company also enters into complex and less liquid cash and
valuation of a sample of positions. Additionally, we valued a
derivative financial instruments where a limited or no active
sample of level 3 equity derivatives and, to the extent available,
market exists. In these instances, there is less observable
independently sourced inputs, such as correlation. For samples
evidence to support the valuations and hence there is greater
where we utilised management’s inputs to revalue the
estimation uncertainty. When one or more valuation inputs are
instruments, we assessed the reasonableness of the inputs used.
unobservable and significant, the financial instrument is
classified as level 3 in the valuation hierarchy. Level 3 financial
We evaluated the methodology and underlying assumptions
assets and liabilities measured at fair value were $6.37 billion
used to determine valuation adjustments. We tested a sample of
and $13.45 billion, respectively, as of December 31, 2020.
valuation adjustments as at the period-end.
We performed a risk assessment of the financial instruments
Based on the work performed, we found management’s
held by the company using our industry experience and
estimates of the fair value of financial assets and liabilities to be
knowledge of the company's business. We used this analysis to
supported by the evidence obtained.
identify areas of greater judgement and focus our testing. We
concluded that the higher assessed risks of material
We performed testing to validate that management had allocated
misstatement relate to the valuation of certain credit and equity
derivative financial instruments to the appropriate level within
derivative financial instruments classified as level 3. Within
the fair value hierarchy in line with the established policy, and
credit derivatives, this included the valuation of a portfolio of
that the policy classifications were appropriate.
financial instruments sensitive to secured funding spreads, the
methodology for which involves a number of assumptions in
We read and assessed the disclosures in Note 31 ‘Fair Value
developing the estimate, and within equity derivatives, a
Measurement’ regarding significant unobservable inputs and the
portfolio of financial instruments sensitive to correlations which
fair value hierarchy and found them to be appropriate.
are unobservable.
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Key audit matter How our audit addressed the key audit matter
Impact of COVID-19 on the financial statements We critically assessed the impact of COVID-19 on the planning
and execution of our audit. In particular:
The global pandemic generated significant volatility in global
financial markets and caused disruption to normal patterns of
・ We assessed the impact of the disruption caused by
business activity around the world. Given the pervasive effect of
COVID-19 on the risks of material misstatement. This
the pandemic on macroeconomic events and financial markets,
included a consideration of the impact of higher trade
as well as the possible disruption to the company’s operations
volumes and the markets in which the company operates.
and the conduct of our audit, this represents a key audit matter.
We reviewed operational risk reports, internal audit reports
and discussed the impact of the pandemic with senior
As described in the Strategic report, the Directors have assessed
management in all three lines of defence We concluded that
that the company’s systems and infrastructure have been robust
no significant changes to our risk assessment were required;
throughout the pandemic, and that there has been no significant
・ We evaluated the controls relevant to our audit by
disruption in maintaining operations.
undertaking walkthroughs of key processes and tested the
operating effectiveness of relevant controls that we planned
The Directors have considered the impact of the pandemic on
to rely on. We considered the impact of remote working on
the company’s ability to continue as a going concern. Based on
the effectiveness of controls such as reconciliations;
recent and forecast financial performance and the availability of
capital resources and liquidity, the Directors have concluded
・ We considered the impact on estimates included in the
that there is no material uncertainty and the company will
financial statements, in particular in relation to the valuation
continue as a going concern for at least twelve months from the
of financial instruments. We did not identify any material
date of this report.
impacts on the estimates as at December 31, 2020 (see also
above key audit matter); and
・ We adapted our own working practices to remote working
and ensured we gathered appropriate audit evidence.
We reviewed management’s going concern assessment. We also
reviewed the Internal Capital Adequacy Assessment Process and
Internal Liquidity Adequacy Assessment Process submissions to
the PRA and evaluated the impact of COVID-19 on the
company’s financial performance, business operations and
regulatory capital and liquidity ratios. We tested the total capital
resources as at December 31, 2020.
As a result of these procedures, we concluded that the impact of
COVID-19 as it relates to the going concern assumption has
been appropriately evaluated for the purposes of the preparation
of the financial statements.
Based on the work performed, we are satisfied that our audit
addressed the impact of the disruption caused by COVID-19.
We have also concluded that the impact of COVID-19 has been
appropriately evaluated and reflected in the preparation of these
financial statements.
How we tailored the audit scope
We tailored the scope of our audit to ensure that we performed enough work to be able to give an opinion on the financial
statements as a whole, taking into account the structure of the company, the accounting processes and controls, and the
industry in which it operates.
The company provides a variety of financial services to clients worldwide. The company also operates a number of branches
and representative offices across Europe, the Middle East and Africa to provide financial services to clients in those regions.
We consider the company and its branches to represent a single audit component.
Traders based in overseas group locations enter into transactions on behalf of the company. In these circumstances, certain
internal controls relevant to financial reporting operate in those locations. In addition, there are a number of centralised
functions operated by the ultimate parent company, The Goldman Sachs Group, Inc., in the U.S. or in group shared service
centres in other locations that are relevant to the audit of the company. We determined the scope of the work required in each
of these locations and issued instructions to PwC network firms. We interacted regularly with the firms responsible for the
work throughout the course of the audit. This included reviewing key working papers and discussing and challenging the
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results of work in higher risk areas of the audit. We concluded that the procedures performed on our behalf were sufficient for
the purposes of issuing our opinion.
Materiality
The scope of our audit was influenced by our application of materiality. We set certain quantitative thresholds for materiality.
These, together with qualitative considerations, helped us to determine the scope of our audit and the nature, timing and extent
of our audit procedures on the individual financial statement line items and disclosures and in evaluating the effect of
misstatements, both individually and in aggregate on the financial statements as a whole.
Based on our professional judgement, we determined materiality for the financial statements as a whole as follows:
Overall materiality $258 million (2019: $240 million).
How we determined it 0.75% of total Tier 1 capital resources (2019: 0.75% of Tier 1 capital resources)
Rationale for benchmark The immediate and ultimate parent companies, management, certain creditors (e.g. note holders)
applied
and the company's regulators are the primary users of the financial statements. The level of Tier
1 capital resources is a key area of focus for these users.
We use performance materiality to reduce to an appropriately low level the probability that the aggregate of uncorrected and
undetected misstatements exceeds overall materiality. Specifically, we use performance materiality in determining the scope of
our audit and the nature and extent of our testing of account balances, classes of transactions and disclosures, for example in
determining sample sizes. Our performance materiality was 75% of overall materiality, amounting to $194 million for the
company financial statements.
In determining the performance materiality, we considered a number of factors - the history of misstatements, risk assessment
and aggregation risk and the effectiveness of controls - and concluded that an amount at the upper end of our normal range was
appropriate
We agreed with the Board Audit Committee that we would report to them misstatements identified during our audit above
$12.9 million (2019: $12 million) as well as misstatements below that amount that, in our view, warranted reporting for
qualitative reasons.
Conclusions relating to going concern
We have nothing to report in respect of the following matters in relation to which ISAs (UK) require us to report to you where:
・ the directors’ use of the going concern basis of accounting in the preparation of the financial statements is not appropriate;
or
・ the directors have not disclosed in the financial statements any identified material uncertainties that may cast significant
doubt about the company’s ability to continue to adopt the going concern basis of accounting for a period of at least twelve
months from the date when the financial statements are authorised for issue.
However, because not all future events or conditions can be predicted, this statement is not a guarantee as to the company’s
ability to continue as a going concern.
Reporting on other information
The other information comprises all of the information in the Annual Report other than the financial statements and our
auditors’ report thereon. The directors are responsible for the other information. Our opinion on the financial statements does
not cover the other information and, accordingly, we do not express an audit opinion or, except to the extent otherwise
explicitly stated in this report, any form of assurance thereon.
In connection with our audit of the financial statements, our responsibility is to read the other information and, in doing so,
consider whether the other information is materially inconsistent with the financial statements or our knowledge obtained in the
audit, or otherwise appears to be materially misstated. If we identify an apparent material inconsistency or material
misstatement, we are required to perform procedures to conclude whether there is a material misstatement of the financial
statements or a material misstatement of the other information. If, based on the work we have performed, we conclude that
there is a material misstatement of this other information, we are required to report that fact. We have nothing to report based
on these responsibilities.
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With respect to the Strategic Report and Directors’ Report, we also considered whether the disclosures required by the
Companies Act 2006 have been included.
Based on our work undertaken in the course of the audit, the Companies Act 2006 requires us also to report certain opinions
and matters as described below.
Strategic Report and Directors’ Report
In our opinion, based on the work undertaken in the course of the audit, the information given in the Strategic Report and
Directors’ Report for the period ended December 31, 2020 is consistent with the financial statements and has been prepared in
accordance with applicable legal requirements.
In light of the knowledge and understanding of the company and its environment obtained in the course of the audit, we did not
identify any material misstatements in the Strategic Report and Directors’ Report.
Responsibilities for the financial statements and the audit
Responsibilities of the directors for the financial statement s
As explained more fully in the Statement of Directors’ Responsibilities in respect of the financial statements, the directors are
responsible for the preparation of the financial statements in accordance with the applicable framework and for being satisfied
that they give a true and fair view. The directors are also responsible for such internal control as they determine is necessary to
enable the preparation of financial statements that are free from material misstatement, whether due to fraud or error.
In preparing the financial statements, the directors are responsible for assessing the company’s ability to continue as a going
concern, disclosing, as applicable, matters related to going concern and using the going concern basis of accounting unless the
directors either intend to liquidate the company or to cease operations, or have no realistic alternative but to do so.
Auditors’ responsibilities for the audit of the financial statements
Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the financial statements as a whole are free from material
misstatement, whether due to fraud or error, and to issue an auditors’ report that includes our opinion. Reasonable assurance is
a high level of assurance, but is not a guarantee that an audit conducted in accordance with ISAs (UK) will always detect a
material misstatement when it exists. Misstatements can arise from fraud or error and are considered material if, individually or
in the aggregate, they could reasonably be expected to influence the economic decisions of users taken on the basis of these
financial statements.
Our audit testing might include testing complete populations of certain transactions and balances, possibly using data auditing
techniques. However, it typically involves selecting a limited number of items for testing, rather than testing complete
populations. We will often seek to target particular items for testing based on their size or risk characteristics. In other cases,
we will use audit sampling to enable us to draw a conclusion about the population from which the sample is selected.
A further description of our responsibilities for the audit of the financial statements is located on the FRC’s website at:
www.frc.org.uk/auditorsresponsibilities. This description forms part of our auditors’ report.
Use of this report
This report, including the opinions, has been prepared for and only for the company’s members as a body in accordance with
Chapter 3 of Part 16 of the Companies Act 2006 and for no other purpose. We do not, in giving these opinions, accept or
assume responsibility for any other purpose or to any other person to whom this report is shown or into whose hands it may
come save where expressly agreed by our prior consent in writing.
Other required reporting
Companies Act 2006 exception reporting
Under the Companies Act 2006 we are required to report to you if, in our opinion:
・ we have not obtained all the information and explanations werequire for our audit; or
・ adequate accounting records have not been kept by thecompany, or returns adequate for our audit have not beenreceived
from branches not visited by us; or
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・ certain disclosures of directors’ remuneration specified by laware not made; or
・ the financial statements are not in agreement with theaccounting records and returns.
We have no exceptions to report arising from this responsibility.
Appointment
We were appointed by the directors on September 22, 1988 to audit the financial statements for the year ended November 24,
1989 and subsequent financial periods. The period of total uninterrupted engagement is 32 years, covering the years ended
November 24, 1989 to December 31, 2020.
Jonathan Holloway (Senior Statutory Auditor)
for and on behalf of PricewaterhouseCoopers LLP
Chartered Accountants and Statutory Auditors
London
March 24, 2021
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は有価証券
報告書提出会社が別途保管しております。
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