日信工業株式会社 意見表明報告書

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提出日
提出者 日信工業株式会社
カテゴリ 意見表明報告書

                     EDINET提出書類
                    日信工業株式会社(E02235)
                      意見表明報告書
  【表紙】
  【提出書類】       意見表明報告書

  【提出先】       関東財務局長
  【提出日】       2020年9月2日
  【報告者の名称】       日信工業株式会社
  【報告者の所在地】       長野県東御市加沢801番地
  【最寄りの連絡場所】       長野県東御市加沢801番地
  【電話番号】       0268(63)1230
  【事務連絡者氏名】       取締役経営管理本部長  山中 愛治
  【縦覧に供する場所】       日信工業株式会社
         (長野県東御市加沢801番地)
         株式会社東京証券取引所
         (東京都中央区日本橋兜町2番1号)
   (注1) 本書中の「当社」とは、日信工業株式会社をいいます。

   (注2) 本書中の「公開買付者」とは、本田技研工業株式会社をいいます。
   (注3) 本書中の記載において、計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総
    和と必ずしも一致しない場合があります。
   (注4) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
   (注5) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又
    は日時を指すものとします。
   (注6) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みま
    す。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
   (注7) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、日本の金融商品取引法で定められ
    た手続及び情報開示基準に従い実施されるものです。
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  1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】
   名称   本田技研工業株式会社
   所在地  東京都港区南青山二丁目1番1号
  2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

   普通株式
  3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

  (1)本公開買付けに関する意見の内容
    当社は、2019年10月30日開催の取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記
   載の根拠及び理由に基づき、2019年10月30日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合に
   は、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨
   することを決議いたしました。
    その後、公開買付者によれば、2020年7月30日時点で本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の競

   争法に基づく手続及び対応が完了する見込みが立ったため、公開買付者は、当社に対して、当該手続及び対応が
   2020年8月14日までに完了することを条件に、2020年8月18日に公開買付けの開始を決定することに向けた準備を
   開始するよう要請したとのことです。もっとも、2020年8月14日時点でタイの競争法に基づく手続及び対応が完了
   していなかったため、公開買付者は、同日付で、当社に対して、本公開買付けの開始を2020年8月18日に決定しな
   い旨を通知したとのことです。その後、2020年8月26日をもって本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国
   内外の競争法に基づく手続及び対応が全て完了したため、公開買付者は、2020年8月27日、その他の下記「(2)本
   公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載する本前提条件が充足されること
   を前提に2020年9月2日を公開買付けの開始日(以下「公開買付開始日」といいます。)として本公開買付けを開
   始したい旨を当社に対して連絡したとのことです。当社は、上記の国内外の競争法に基づく手続及び対応の進捗状
   況を踏まえて、2020年8月4日、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避す
   るための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における特別委員会の設置及び答申
   書の取得」に記載のとおり、当社が設置した特別委員会に対して、2019年10月29日付で当社取締役会に対して提出
   した答申書(以下「2019年10月29日付答申書」といいます。)の内容に変更がないか否かを検討し、当社取締役会
   に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。
    特別委員会は、当社に対して、2019年10月30日以後、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の
   「① 本公開買付けの概要」に記載の本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事
   実関係の確認等を行い、上記諮問事項について検討を行った結果、2019年10月30日以後、2020年8月31日までの事
   情を勘案しても2019年10月29日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2020年8月31日
   に、委員全員一致の決議により、当社取締役会に対して、上記意見に変更がない旨の2020年8月31日付の答申書
   (以下「2020年8月31日付答申書」といいます。)を提出いたしました。このような中、今般、公開買付者は、下
   記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載する本前提条件がいず
   れも充足され本公開買付けを開始する条件が整ったことを確認したため、2020年9月1日、本公開買付けを開始す
   ることを決定したとのことです。これに対して、当社は、特別委員会から提出された2020年8月31日付答申書の内
   容を最大限に尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、当社として
   も、2019年10月30日以後、2020年9月1日までの間に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響その
   他の当社の業況や下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載の
   本取引を取り巻く環境に、本公開買付けに関する諸条件の見直しが必要となるような重大な変更が見られないこ
   と、また、当社の株式価値算定に重要な影響を及ぼす事由が生じていないことを確認し、2020年9月1日現在にお
   いても、2019年10月30日時点における本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと判断し、2020年9月1日
   開催の取締役会において、取締役6名全員で審議を行い、その全員の一致により、改めて、本公開買付けに賛同す
   る意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしまし
   た。
    なお、当社の上記取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及びその後の一連の手続により当社を公開買付者
   の完全子会社とすることを目的としていること、並びに当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)が上場
   廃止となる予定であることを前提として行われたものです。
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    また、当社の上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回
   避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取
   締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
  (2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

   ① 本公開買付けの概要
    公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一
   部に上場している当社株式22,682,205株(所有割合(注1)34.86%)を所有しており、当社を持分法適用関連
   会社としているとのことです。
    当社及び公開買付者は、2019年10月30日付プレスリリース「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会
   社ケーヒン、株式会社ショーワ及び日信工業株式会社の経営統合に関するお知らせ」(以下「本統合プレスリ
   リース」といいます。)にてお知らせしておりますとおり、公開買付者が当社、株式会社ケーヒン(以下「ケー
   ヒン」といいます。)及び株式会社ショーワ(以下「ショーワ」といい、当社及びケーヒンと併せて、以下「本
   対象3社」といいます。)を公開買付者の完全子会社とした上で、株式会社日立製作所(以下「日立製作所」と
   いいます。)の完全子会社である日立オートモティブシステムズ株式会社(以下「日立オートモティブシステム
   ズ」といいます。)を存続会社、本対象3社を消滅会社とする吸収合併(以下「本吸収合併」といいます。)を
   実施することにより、本統合プレスリリースに記載の経営統合(以下「本統合」といいます。)を行うことにつ
   いて、2019年10月30日(以下「本基本契約締結日」といいます。)付で、当社、公開買付者、日立オートモティ
   ブシステムズ、ケーヒン、ショーワ及び日立製作所との間で、本統合に関する基本契約(以下「本基本契約」と
   いいます。)を締結いたしました。本基本契約の詳細は、下記「(7)本公開買付けに関する重要な合意」をご参
   照ください。
    公開買付者は、2019年10月30日開催の公開買付者の取締役会において、本基本契約に基づき、本統合に向けた

   一連の取引の一環として、当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式
   を除きます。以下同じです。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするために、①各国の競争当局の企
   業結合に関する届出許可等、各国の関係当局の許認可等が得られること、②当社が、本基本契約に基づき、本公
   開買付けの賛同及び応募推奨に関する決議を実施し、その公表を行っており、かつ本基本契約締結日から公開買
   付者が本公開買付けの開始を決定する日(以下「本公開買付開始決定日」といいます。)までの間、当該決議を
   変更せず、それと矛盾する内容の取締役会決議を行っていないこと等の一定の前提条件(以下「本前提条件」と
   いいます。)が充足された場合に、当社株式を対象とする本公開買付けを実施することを決定したとのことで
   す。今般、公開買付者は、2020年8月26日にタイの競争法に基づく必要な手続及び対応が完了したことを受け
   て、各国の関係当局の許認可等が得られることを含む本前提条件がいずれも充足され本公開買付けを開始する条
   件が整ったことを確認したため、2020年9月1日、本公開買付けを開始することを決定したとのことです。
    なお、公開買付者によれば、公開買付者が2019年10月30日付で公表した「日立オートモティブシステムズ株式

   会社、株式会社ケーヒン(証券コード7251)、株式会社ショーワ(証券コード7274)及び日信工業株式会社(証
   券コード7230)の経営統合に伴う株式会社ケーヒンの完全子会社化のための公開買付けの開始予定に関するお知
   らせ」、及び、「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン(証券コード7251)、株式会社
   ショーワ(証券コード7274)及び日信工業株式会社(証券コード7230)の経営統合に伴う株式会社ショーワの完
   全子会社化のための公開買付けの開始予定に関するお知らせ」(総称して、以下「その他対象2社プレスリリー
   ス」といいます。)にてお知らせしておりますとおり、公開買付者は、2019年10月30日開催の公開買付者の取締
   役会において、本公開買付けと同様に、本基本契約に基づき、本統合に向けた一連の取引の一環として、ケーヒ
   ン及びショーワの2社を公開買付者の完全子会社とするために、ケーヒン及びショーワそれぞれの普通株式を公
   開買付けにより取得することも決定しているとのことです。ケーヒン及びショーワに対する公開買付け(本公開
   買付けと併せて、以下「本対象3社公開買付け」といいます。)においても、各国の競争当局の企業結合に関す
   る届出許可等、各国の関係当局の許認可等が得られること等の一定の事項が充足されることが開始の前提条件と
   なっていたとのことですが、今般、当該一定の事項が充足され、ケーヒン及びショーワに対する公開買付けにつ
   いても開始する条件が整ったことを確認したため、公開買付者は、2020年9月1日、ケーヒン及びショーワに対
   する公開買付けを開始することも決定したとのことです(詳細は、公開買付者が2020年9月1日付でそれぞれ公
   表した「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン(証券コード7251)、株式会社ショーワ
   (証券コード7274)及び日信工業株式会社(証券コード7230)の経営統合に伴う株式会社ケーヒンの完全子会社
   化のための公開買付けの開始に関するお知らせ」及び「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケー
   ヒン(証券コード7251)、株式会社ショーワ(証券コード7274)及び日信工業株式会社(証券コード7230)の経
   営統合に伴う株式会社ショーワの完全子会社化のための公開買付けの開始に関するお知らせ」をご参照くださ
   い。)。
    公開買付者は、本公開買付けにおいては、買付予定数の下限を20,691,495株(注2)(所有割合31.80%)と
   設定しており、本公開買付けに応募された当社株式(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の
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   下限に満たない場合には、応募株券等の全ての買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、本公開
   買付けにおいて当社を完全子会社化することを目的としておりますので、買付予定数の上限は設けておらず、応
   募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全ての買付け等を行うとのことです。なお、買
   付予定数の下限(20,691,495株)は、当社第1四半期報告書に記載された2020年6月30日現在の発行済株式総数
   (65,452,143株)から、当社第1四半期決算短信に記載された2020年6月30日現在の当社が所有する自己株式数
   (391,642株)を控除した株式数(65,060,501株)に係る議決権の数(650,605個)の3分の2(433,737個)
   (小数点以下切り上げ)に、当社の単元株式数である100株を乗じた数を基礎として、これから公開買付者が本
   書提出日現在所有する当社株式(22,682,205株)を控除した数に設定しているとのことです。
   (注1) 「所有割合」とは、当社が2020年8月6日に提出した「第68期第1四半期報告書」(以下「当社第1
     四半期報告書」といいます。)に記載された2020年6月30日現在の発行済株式総数(65,452,143株)
     から、当社が2020年8月5日に公表した2021年3月期第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(以
     下「当社第1四半期決算短信」といいます。)に記載された2020年6月30日現在の当社が所有する自
     己株式数(391,642株)を控除した株式数(65,060,501株)に対する当社株式の割合(小数点以下第
     三位を四捨五入しております。以下所有割合の計算において同様です。)を記載しております。以下
     同じです。
   (注2) 公開買付者が、2019年10月30日付で公表した「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社
     ケーヒン(証券コード7251)、株式会社ショーワ(証券コード7274)及び日信工業株式会社(証券
     コード7230)の経営統合に伴う日信工業株式会社の完全子会社化のための公開買付けの開始予定に関
     するお知らせ」においては、買付予定数の下限は20,692,195株と記載されておりましたが、2020年6
     月30日までに、当社が所有する自己株式数が390,638株から391,642株に変化していることから、これ
     に伴い買付予定数の下限を20,691,495株に変更しているとのことです。
    公開買付者は、当社を完全子会社化することを目的としているため、本公開買付けが成立し、公開買付者が、

   当社株式の全てを取得できなかった場合には、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本
   完全子会社化取引」といい、本公開買付けと併せて、「本取引」といいます。)を実施する予定とのことです。
   また、公開買付者は、ケーヒン及びショーワについても本完全子会社化取引と同様の方法で公開買付者の完全子
   会社とするための一連の手続(本完全子会社化取引と併せて、以下「本対象3社完全子会社化取引」といいま
   す。)をそれぞれ実施する予定とのことです。公開買付者は、本対象3社完全子会社化取引の完了後、本吸収合
   併を実施する予定とのことであり、本吸収合併の効力発生日は、①本対象3社完全子会社化取引のいずれも、下
   記「(5)いわゆる二段階買収に関する事項」に記載の本株式売渡請求によって行う場合には、2021年1月から2
   月頃に、②本対象3社完全子会社化取引のいずれかが、下記「(5)いわゆる二段階買収に関する事項」に記載の
   本株式併合によって行われる場合には、2021年2月から3月頃になる予定とのことです。詳細については、下記
   「③ 本統合のストラクチャー」及び下記「(5)いわゆる二段階買収に関する事項」をご参照ください。
   ② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後

   の経営方針
    公開買付者グループは、2020年3月31日現在、公開買付者、連結子会社357社及び本対象3社を含む持分法適
   用関連会社73社(公開買付者と併せて、以下「公開買付者グループ」といいます。)で構成されており、事業別
   には、二輪事業、四輪事業、金融サービス事業、ライフクリエーション事業(注1)及びその他の事業から構成
   されているとのことです。公開買付者は、1946年10月に本田宗一郎氏が静岡県浜松市に本田技術研究所を開設し
   たことに始まり、1948年9月に本田技術研究所を継承して本田技研工業株式会社として設立され、1957年12月に
   東京証券取引所に上場し、本書提出日現在においては、東京証券取引所市場第一部に上場しているとのことで
   す。
   (注1) 発電機、芝刈機、汎用エンジン等のパワープロダクツ商品の提供及びエネルギービジネスを営む事業
    公開買付者グループは、「人間尊重」と「三つの喜び」(買う喜び・売る喜び・創る喜び)を基本理念として

   いるとのことです。これらの基本理念に基づき、「わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のた
   めに、質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす。」という社是を定め、これらを「Honda
   フィロソフィー」として公開買付者グループで働く従業員一人ひとりの価値観として共有しているだけでなく、
   行動や判断の基準として日々の企業活動を実践し、株主の皆様をはじめとする全ての人々と喜びを分かち合い、
   企業価値の向上に努めているとのことです。
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    また、2017年6月に制定した「2030年ビジョン」においては、「すべての人に“生活の可能性が拡がる喜び”
   を提供する」、そのために「移動と暮らしの進化をリードする」というビジョンステートメントを定め、このス
   テートメントを実現するために、「『移動』と『暮らし』の価値創造」、「多様な社会・個人への対応」及び
   「クリーンで安全・安心な社会へ」という3つの視点で取り組みの方向性を定めたとのことです。
    一方、当社は、二輪車用・四輪車用ブレーキ部品の製造を目的として1953年10月に設立されました。その後、

   当社は、1997年10月に東京証券取引所市場第二部に、また2002年3月には東京証券取引所市場第一部に株式を上
   場しております。本書提出日現在、当社のグループは、当社、当社の子会社18社及び関連会社3社(当社と併せ
   て、以下「当社グループ」といいます。)で構成され、二輪車用・四輪車用ブレーキシステム及び部品の製造・
   販売を主な事業として行っております。
    当社は、「常に、世界の変化に先がけて、お客様と社会のニーズに応え、優れた商品と技術とアイディアを供
   給する」を社是として掲げ、これに基づき、「環境」「安全」のニーズに焦点を当てた製品を高品質、廉価で提
   供することを基本方針としております。
    この基本方針の下、二輪車用・四輪車用ブレーキシステム及びアルミ製品を軸として、低炭素社会実現に応え
   るべく、軽量化や燃費向上技術及び安全・快適性向上に貢献する商品、材料、製造工程等の開発をグローバルな
   視野に立って推進しております。二輪車においては、先進ブレーキの装着義務化が世界的な広がりを見せる中、
   廉価で軽量な前後輪連動ブレーキ(CBS)(注2)と最適なアンチロックブレーキシステム(ABS)(注
   3)制御により完成車の扱い易さを向上させ、搭載機種が拡大してきております。四輪車においては、軽量で引
   き摺りトルクの低いブレーキキャリパー(注4)や銅規制対応パッドの適用拡大など環境負荷低減に貢献し、ま
   た四輪車の電動化に伴い、エレクトロニックパーキングブレーキ(EPB)(注5)の適用機種が拡大してきて
   おります。また、創業以来培ってきた、軽量化を実現する高度な「アルミ鋳造・加工技術」を活用した四輪車の
   軽量化におきましては、材質を鉄からアルミに置換したアルミキャリパー(注6)やアルミナックル(注7)等
   の製品化とその拡大を進め、お客様から評価されております。
   (注2) 前輪ブレーキ又は後輪ブレーキのいずれか一方のブレーキをかけた際、もう一方のブレーキにも制動
     力を発生させて、バランスよく前輪・後輪にブレーキがかかるようにするブレーキの補助装置。CB
     SはCombined Brake Systemの略称
   (注3) Anti-lock Brake Systemの略称であり、急ブレーキ時に、タイヤがロック
     (回転が停止)されることを防ぐための装置。タイヤのロックを防ぐことにより、車両の進行方向の
     安定性を維持し、ハンドル操作により障害物を回避できる可能性を高めることが可能となる
   (注4) 通常、摩擦材(ブレーキパッド)は車両の走行中も常に車軸に固定された円盤(ブレーキディスク)
     とわずかに接触するため、当該接触が抵抗(引き摺り抵抗)となり燃費が悪化するところ、低引き摺
     りキャリパーは、ブレーキパッドをブレーキディスクから離間させることにより引き摺り抵抗を低下
     させることが可能となる
   (注5) 電気モーターにより、パーキングブレーキが作動する装置。パーキングブレーキの操作性が向上する
     とともに、発進時の自動ブレーキ解除や坂道での停止時に後退しないようなヒルスタート機能など、
     運転支援機能を実現することで利便性を向上させ、自動車の安全性をさらに高めることに貢献する。
     EPBはElectric Parking Brakeの略称
   (注6) ブレーキの構成部品の1つであり、摩擦材(ブレーキパッド)を車軸に固定された円盤(ブレーキ
     ディスク)に押さえ付ける役割を果たす装置。アルミ製とすることで軽量化を図り、燃費向上に貢献
     する
   (注7) タイヤや、ブレーキの構成部品等を車体に結合させるための部品。アルミ製とすることで軽量化を図
     り、燃費向上に貢献する
    当社及び公開買付者の関係については1963年に四輪車用ブレーキ部品で取引を開始し、1971年6月には、公開

   買付者が第三者割当の方法により当社株式40,000株(当該時点における持株比率(自己株式を含む発行済株式総
   数に対する割合。小数点以下第三位を四捨五入しております。以下本項において同じです。)10.00%)を取
   得、その後、株主割当の方法により、1971年8月に10,000株、1973年6月に10,000株、1974年6月に10,000株、
   1975年11月に10,000株、1976年6月に10,000株をそれぞれ取得し、公開買付者が所有する当社株式は90,000株
   (当該時点における持株比率10.00%)となりました。1978年12月には第三者割当の方法により145,000株、1980
   年7月に既存株主より5,000株、1981年12月に株主割当の方法により80,000株、1989年4月に既存株主より
   54,050株、1989年12月に既存株主より40,150株、1989年12月に当社が株式会社日信室賀製作所及び直江津軽金属
   工業株式会社を吸収合併したことにより、当社が所有することになった自己株式184,298株、1991年2月に第三
   者割当の方法により200,000株、1991年9月に既存株主より240,000株をそれぞれ取得し、公開買付者が所有する
   当社株式は1,038,498株(当該時点における持株比率47.42%)となりました。その後、1994年1月に行われた株
   式分割により4,153,992株を取得し、公開買付者が所有する当社株式は5,192,490株(当該時点における持株比率
   47.42%)となりました。1994年3月及び1997年3月に65,000株、87,000株をそれぞれ第三者に譲渡し、公開買
   付者が所有する当社株式は5,040,490株(当該時点における持株比率43.27%)となりました。その後、2002年5
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   月、2006年4月に行われた株式分割により2,520,245株、15,121,470株をそれぞれ取得し、2007年以降は
   22,682,205株を所有し、現在の所有割合(34.86%)に至っており、当社は公開買付者の持分法適用関連会社と
   なっ ております。事業面においては、当社が手がけるブレーキは、公開買付者の主力製品である二輪車及び四輪
   車における主要部品ということもあり、当社と公開買付者は、お互いに重要なビジネスパートナーとして、従来
   から密接な関係を構築してまいりました。なお、従業員及び役員の出向は行われておりません。
     2
    近年、CO   (二酸化炭素)排出規制をはじめとした各種環境規制の世界的な厳格化、安全性能向上、並びに
   車載センサーやカメラ等で認識した周囲の状況に応じた車体制御及び道路インフラや周囲の走行車両との通信と
   いった自動車から収集されるデータを活用する情報化への取り組みの活発化、市場ニーズの多様化等が複雑に絡
   み合い、自動車を中心とする世界のモビリティ(注8)業界そのものが大きな変革期を迎えております。このよ
   うな外部環境の変化に対応するため、国内外の完成車部品メーカーにおいては、業務提携、資本提携や事業買収
   等による合従連衡が進められており、モビリティ業界における企業間の競争環境は今後一層激化していくことが
   見込まれております。
   (注8) 自動二輪車、自動車を含む移動機能の総称
    上記のような環境規制の厳格化、安全性能向上及び情報化への取り組みの活発化、市場ニーズの多様化を受

   け、公開買付者は、モビリティメーカーの責務として環境・安全・情報化への対応に注力しており、カーボンフ
   リー社会と事故ゼロ社会の実現を目指し、「電動化技術の導入」と「先進安全技術の導入」を最重要項目として
   積極的に取り組んでいるとのことです。しかし、ハイブリッド車や電気自動車等の電動車両を実現するための電
   動化技術や、安全運転支援システム・自動走行システム(注9)等を実現するための先進安全技術といった、完
   成車の開発に求められる次世代技術は、高度化・複雑化・多様化が進んでおり、従来完成車メーカーが単独で対
   応してきた技術開発・商品開発のスピードと経営資源を大きく超える取り組みが必要となっていると考えている
   とのことです。また、これらの次世代技術領域においては、情報・システム技術をはじめとする、従来の二輪
   車、四輪車に対しては十分に活用されていなかった新しい技術が要求されることから、様々な異業種企業が進出
   するなど、競合他社の取り組みが加速しているとのことです。このような状況の中で、公開買付者グループとし
   て他社に先んじて優位なポジションを確立するためには、当該領域に機動的・集中的・効率的に経営資源を投下
   する必要があると考えているとのことです。
   (注9) 安全運転支援システム・自動走行システムの定義(出所:2016年12月7日「自動運転レベルの定義を
     巡る動きと今後の対応(案)」内閣官房IT総合戦略室)
     分類        概要     左記を実現するシステム
  情報提供型       ドライバーへの注意喚起等

                 「安全運転支援システム」
     レベル1:    加速・操舵・制動のいずれかの操作をシステムが
     単独型    行う状態
     レベル2:    加速・操舵・制動のうち複数の操作を一度にシス
     システムの複合化    テムが行う状態
  自動制御活用型
     レベル3:    加速・操舵・制動を全てシステムが行い、システ
                 「自動走行システム」
     システムの高度化    ムが要請したときのみドライバーが対応する状態
     レベル4:    加速・操舵・制動を全てシステムが行い、ドライ
     完全自動走行    バーが全く関与しない状態
    また、完成車メーカーにおいては、グローバルな競争に勝ち残るべく、低コストでの製品提供を実現すること

   も重要となってきており、完成車部品メーカーと協同し、開発体制のモジュール化(注10)、複数の車種間での
   車台や部品の共通化等への取り組みを強化することが急務となっているとのことです。そうした中、完成車メー
   カーにおけるコスト削減ニーズの高まり、海外現地生産へのシフト等に対応するため、完成車部品メーカーにお
   いては、生産量の増大に伴う規模の効果によるコスト低減やグローバルな拠点でのタイムリーな供給体制の構築
   が求められており、近年ではメガサプライヤー(注11)がその販売量を拡大させているとのことです。公開買付
   者グループにおいては、完成車を開発するに際し、市場のニーズに合致した最適な製品供給体制を目指し、個々
   の部品領域毎に公開買付者と本対象3社を含む完成車部品メーカーとの間で綿密に連携してきたとのことです
   が、上記のような状況の中、今後は公開買付者と公開買付者グループ内の完成車部品メーカーとの共同開発体制
   をさらに発展させ、モジュール化、部品の共通化に対応すべく、機械部品等のコンベンショナルな技術(注12)
   から電動化・情報技術まで幅広い領域での技術を持ったサプライヤーとの包括的な開発体制を構築するととも
   に、公開買付者グループ全体として最適なサプライチェーンの確立が必要と考えているとのことです。また、公
   開買付者グループとして、部品生産量の増大に伴う調達・生産コストの低減を実現するためには、本対象3社に
   おいて、公開買付者以外の完成車メーカーへの販売をさらに強化することが課題であると考えているとのことで
   す。
   (注10) 新車開発時に他の車種にも応用可能な標準化された部品構成とすること
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   (注11) 大手自動車メーカーにグローバルに部品を供給する、売上規模が大きい企業の通称
   (注12) 既存部品に用いられている技術
    さらに、モビリティ産業における今後の成長市場であるアジアを中心とする新興国においては、引き続き底堅

   い二輪車需要が見込まれるとともに、エントリー層を中心とした四輪車の普及が進んでおり、市場・貿易の自由
   化、海外完成車メーカーのプレゼンス拡大、現地新興メーカーの台頭等による競争激化は不可避の状況にあると
   のことです。このような成長市場でのグローバルな競争に勝ち残るためには、多様化する市場のニーズにスピー
   ディーに対応し、コスト競争力の高い製品をタイムリーに提供することが求められるとのことです。また、昨今
   の世界経済においては、中国と米国の間での貿易摩擦や、英国のEU離脱等による不確実性が増しており、市場
   動向の予測が困難になってきているとのことです。このように多様化、複雑化する市場環境に柔軟かつ迅速に対
   応するためには、公開買付者グループとして、開発・調達・生産・販売の各領域において地域・サプライヤー間
   の協調と連携を推進し、グローバルサプライチェーンをさらに強化することが必要と考えているとのことです。
    このような事業環境において、公開買付者は、日立製作所の完全子会社であり、小型・軽量化、高出力化を推
   し進めた電動車両用モーターを国内外の自動車メーカーに提供してきた日立オートモティブシステムズとの間
   で、事業上の協力関係を模索してきたとのことです。具体的には、2017年3月24日に日立オートモティブシステ
   ムズとの間で合弁契約を締結し、2017年7月3日に電動車両用モーターの開発、製造及び販売を事業として行う
   合弁会社として日立オートモティブ電動機システムズ株式会社を設立したとのことです。当該合弁会社におい
   て、日立オートモティブシステムズと公開買付者の技術を結集し、電動車両の基幹部品であるモーターの共同研
   究開発を進めることで、グローバルに拡大する完成車メーカー各社の電動車両用モーター需要に対応できる体制
   の構築を目指しているとのことです。その他にも、公開買付者は、電動化技術、先進安全システム等の次世代技
   術領域の研究開発を本対象3社及び日立オートモティブシステムズと共同で行っておりますが、競合他社も当該
   領域において大規模かつスピーディーな研究開発投資を進めており、公開買付者グループとして他社に先んじて
   優位なポジションを確立するためには、このような共同開発をより一層深化させる必要があると考えているとの
   ことです。とりわけ、二輪車においてもハイブリッド車や電気自動車等の電動車両を実現するための電動化技術
   や、安全運転支援システム・自動走行システム等を実現するための先進安全技術といった次世代技術の開発が必
   要となってくることが予想されており、本対象3社が日立オートモティブシステムズの四輪車向け電動化技術、
   先進安全システム等の次世代技術を二輪車領域の開発に活用することで、二輪車の完成車部品メーカーとしても
   他社に先んじて優位なポジションを確立し、優れた競争力の実現を見込めるものと考えているとのことです。
    このような事業環境の大きな変革を背景に、公開買付者は、本対象3社を含む公開買付者グループの持続的な

   成長及び収益力の向上のためには、公開買付者、ブレーキシステムにおいて優れた技術を持つ当社、パワートレ
   インにおいて優れた技術を持つケーヒン、サスペンション及びステアリングにおいて優れた技術を持つショー
   ワ、並びにパワートレインシステム、シャシーシステム及び安全システムにおいて優れた技術を持つ日立オート
   モティブシステムズの技術を結集し、強固な共同研究開発体制を構築することで、電動化や自動運転等の次世代
   技術分野において、本対象3社を含む公開買付者グループ単独では獲得が困難と考えられる競争力のある技術
   (勝ち技)を早期に確立するとともに、コンベンショナルな技術領域における効率的な開発・生産体制を築き、
   高付加価値かつコスト競争力のある製品の供給を実現することが必要不可欠であるとの認識に至ったとのことで
   す。
    一方で、電動化技術、先進安全システム等の次世代技術領域は、モビリティ業界が従来は十分には取り組んで
   こなかった新たな分野であり、大規模かつタイムリーな投資が必要となる一方で、今後の市場の動向や要求され
   る技術に不確定要素が多い等、これまでのモビリティビジネスに比して相対的にリスクが高く、短期的な業績変
   動や株式市場からの評価によっては本対象3社の市場株価が悪影響を受けることも想定されるとのことです。そ
   のため、公開買付者は、当社を含む公開買付者グループの中長期的な競争力強化のために必要と思われる経営施
   策を機動的に実施していくにあたり、本対象3社の一般株主に対して将来の経営施策実現に伴う大幅な株価変動
   のリスクを負担させることなく合理的な株式売却の機会を与えることが、本対象3社の少数株主の利益にも資す
   るものと考えたとのことです。
    以上の検討を踏まえ、公開買付者は、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作

   所から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證
   券」といいます。)を、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所から独立した
   リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所をそれぞれ選任した上で、日立オートモティブシステムズ
   及び日立製作所とともに、本公開買付けを含む本統合に関する初期的な検討・協議を開始したとのことです。そ
   の後、当該検討・協議の結果を踏まえ、公開買付者は、2019年5月下旬、本対象3社の普通株式(以下「本対象
   3社株式」といいます。)の全て(但し、公開買付者が所有する本対象3社株式及び本対象3社が所有する自己
   株式を除きます。以下同じです。)を取得する方法により、当社を含む本対象3社を公開買付者の完全子会社と
   した上で、当社を含む公開買付者グループの中長期的な競争力強化のために必要と思われる経営施策を機動的に
   実施し得る体制の構築を目的として、日立オートモティブシステムズを存続会社とする本吸収合併を行うことが
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   公開買付者グループにとって最善の選択肢であるとの結論に至ったとのことです。そこで、公開買付者、日立
   オートモティブシステムズ及び日立製作所は、2019年5月下旬に当社に対して本統合に関し、本対象3社株式を
   公開買付け等の手続を通じて公開買付者が取得し、本対象3社を公開買付者の完全子会社とした上で、日立オー
   トモティブシステムズと本対象3社が日立オートモティブシステムズを存続会社とする吸収合併等の方法により
   統合し、統合の結果、本吸収合併後の存続会社(以下「本統合会社」といいます。)を議決権の66.6%を保有す
   る日立製作所の連結子会社及び33.4%を保有する公開買付者の持分法適用関連会社とすること等を内容とする初
   期的な提案(以下「本提案」といいます。)を行ったとのことです。
    他方、当社は、2019年5月下旬の公開買付者からの本提案を受け、本公開買付けにおける当社株式1株当たり
   の買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)及びその他の本取引の公正性を担保すべく、公開買
   付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所から独立したファイナンシャル・アドバイ
   ザー及び第三者算定機関としてデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下「デロイ
   ト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー」といいます。)を、公開買付者、本対象3社、日立オートモ
   ティブシステムズ及び日立製作所から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事
   務所をそれぞれ選任するとともに、本提案を検討するための当社取締役会の諮問機関として、2019年7月24日に
   特別委員会を設置いたしました。
    そして、公開買付者は、当社の了解を得て、2019年7月中旬から2019年9月上旬にかけて、当社に関する
   デュー・ディリジェンスを実施するとともに、当社及び公開買付者は、両社の企業価値を一層向上させることを
   目的として、本公開買付けを含む本統合の目的、本統合後の経営体制・方針、本統合における諸条件等について
   の協議を続けてまいりました。さらに、公開買付者は、2019年10月上旬以降、当社との間で、本公開買付価格に
   関して複数回に亘る協議・交渉を重ねてまいりました。その後、公開買付者は、2019年10月下旬に、当社に対し
   て、本公開買付けについて価格を含む諸条件の最終提案を行い、当社との間で協議・交渉いたしました。
    その結果、2019年10月下旬、当社と公開買付者は、当社を含む本対象3社を完全子会社化した上で、日立オー
   トモティブシステムズを存続会社とする本吸収合併を実行し、本統合を実施することが公開買付者グループを取
   り巻く事業環境の変化に対応し、当社を含む公開買付者グループ全体の企業価値向上に資する最善の方策である
   との考えで一致いたしました。そこで、公開買付者は、2019年10月30日付で、本基本契約に基づき、本統合に向
   けた一連の取引の一環として、本前提条件が充足された場合に、当社株式を対象とする本公開買付けを実施する
   ことを決定しておりましたが、今般、これらの手続及び対応が完了したことを受けて、公開買付者は、本前提条
   件が充足されたことを確認し、本公開買付けを2020年9月2日から開始することを決定したとのことです。
    なお、その他対象2社プレスリリースにてお知らせしておりますとおり、公開買付者は、ケーヒン及びショー
   ワとの間でも同様に本統合の実施について複数回に亘る協議・交渉を重ねた結果、2019年10月30日開催の公開買
   付者の取締役会において、本統合に向けた一連の取引の一環として、ケーヒン及びショーワそれぞれの普通株式
   を公開買付けにより取得することも決定しているとのことです。なお、上記「① 本公開買付けの概要」に記載
   のとおり、ケーヒン及びショーワに対する公開買付けにおいても、各国の競争当局の企業結合に関する届出許可
   等、各国の関係当局の許認可等が得られること等の一定の事項が充足されることが開始の前提条件となっている
   とのことです。
    その後、公開買付者によれば、本公開買付けの開始に向けて国内外の競争法に基づく手続及び対応が必要とな

   る国及び地域が多数でありかつ関係当事者が6社になることに加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-
   19)の影響により一部の国での競争当局の審査に時間がかかったことなどから、それらの完了までに相応の時間
   を要したものの、2020年7月30日時点で本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の競争法に基づく
   手続及び対応が完了する見込みが立ったため、公開買付者は、当社に対して、当該手続及び対応が2020年8月14
   日までに完了することを条件に、2020年8月18日に公開買付けの開始を決定することに向けた準備を開始するよ
   う要請したとのことです。もっとも、2020年8月14日時点でタイの競争法に基づく手続及び対応が完了していな
   かったため、公開買付者は、同日付で、当社に対して、本公開買付けの開始を2020年8月18日に決定しない旨を
   通知したとのことです。その後、2020年8月26日をもって本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外
   の競争法に基づく手続及び対応が全て完了したため、公開買付者は、2020年8月27日、その他の本前提条件が充
   足されることを前提に2020年9月2日を公開買付開始日として本公開買付けを開始したい旨を当社に対して連絡
   したとのことです。当社は、上記の国内外の競争法に基づく手続及び対応の進捗状況を踏まえて、2020年8月4
   日、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買
   付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとお
   り、当社が設置した特別委員会に対して、2019年10月29日付答申書の内容に変更がないか否かを検討し、当社取
   締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。
    特別委員会は、当社に対して、2019年10月30日以後、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生してい
   るか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について検討を行った結果、2019年10月30日以後、
   2020年8月31日までの事情を勘案しても2019年10月29日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを
   確認し、2020年8月31日に、委員全員一致の決議により、当社取締役会に対して、上記意見に変更がない旨の
   2020年8月31日付答申書を提出いたしました。このような中、今般、本前提条件がいずれも充足され本公開買付
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   けを開始する条件が整ったことを確認したため、公開買付者は、2020年9月1日、本公開買付けを開始すること
   を決定したとのことです。これに対して、当社は、特別委員会から提出された2020年8月31日付答申書の内容を
   最大限に尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、当社としても、
   2019年10月30日以後、2020年9月1日までの間に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響その他
   の当社の業況や本取引を取り巻く環境に、本公開買付けに関する諸条件の見直しが必要となるような重大な変更
   が見られないこと、また、当社の株式価値算定に重要な影響を及ぼす事由が生じていないことを確認し、2020年
   9月1日現在においても、2019年10月30日時点における本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと判断
   し、2020年9月1日開催の取締役会において、取締役6名全員で審議を行い、その全員の一致により、改めて、
   本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨す
   ることを決議いたしました。
    なお、当社の上記取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及びその後の一連の手続により当社を公開買付
   者の完全子会社とすることを目的としていること、並びに当社株式が上場廃止となる予定であることを前提とし
   て行われたものです。
    なお、本統合による当社を含む公開買付者グループとして想定される具体的なシナジー効果は以下のとおりで

   す。
   (ⅰ)開発・生産体制の効率化と次世代技術の開発強化
     本対象3社と日立オートモティブシステムズの連携により、電動化技術、先進安全技術、車両制御技術と
    いった、今後需要が広く見込まれる次世代技術領域での開発体制の強化が可能となると同時に、従来公開買
    付者グループ単独で開発をせざるを得なかったシステム・ITの分野において日立オートモティブシステム
    ズの技術の提供を受けることで、当社を含む公開買付者グループとして開発投資の選択と集中を図ることが
    可能となり、当社を含む公開買付者グループ全体として最適な経営資源の配分の実現を見込んでおります。
    また、本統合会社での開発・生産分野において、技術領域間、地域拠点間での相互補完を推進することで、
    より高付加価値でコスト競争力のある製品の供給が可能となるほか、公開買付者をはじめとする完成車メー
    カーの需要増減に対して迅速かつ柔軟に対応できる供給体制の構築が可能となります。
   (ⅱ)公開買付者以外の完成車メーカーへの部品販売の増大による調達・生産コストの低減

     本統合会社においては、機械部品等のコンベンショナルな技術から電動化・情報技術まで幅広い領域にお
    ける業界最先端の技術を基に、完成車メーカーとの包括的な開発体制を構築することが可能となり、世界的
    メガサプライヤーの一角として、公開買付者以外の完成車メーカーに対する販売の拡大が可能となります。
    これによる部品生産量の増大に伴い、規模の効果による調達・生産コストの低減が可能となり、国際的な競
    争優位に基づく優れた収益力と競争力の実現を見込んでおります。
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   ③ 本統合のストラクチャー
    2020年9月1日に公開買付者が公表した「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン(証券
   コード7251)、株式会社ショーワ(証券コード7274)及び日信工業株式会社(証券コード7230)の経営統合に伴
   う日信工業株式会社の完全子会社化のための公開買付けの開始に関するお知らせ」(以下「公開買付者プレスリ
   リース」といいます。)によれば、本統合のストラクチャーは、以下のとおりとのことです。
   (ⅰ)公開買付者による本対象3社公開買付けの実施

     公開買付者プレスリリースによれば、各国の競争当局の企業結合に関する届出許可等、各国の関係当局の
    許認可等が得られること等の一定の事項(詳細は、下記「(7)本公開買付けに関する重要な合意」、及び、
    その他対象2社プレスリリースをご参照ください。)が充足されることを開始の前提条件として、公開買付
    者が本対象3社公開買付けをそれぞれ実施する予定とのことでしたが、今般、当該一定の事項が充足された
    ために2020年9月2日より本対象3社公開買付けをそれぞれ実施するとのことです。
    (注) 公開買付者プレスリリースによれば、図中の%は総株主の議決権に対する当該株主の保有議決権の




     割合を示しているとのことです。本項において以下同じです。
   (ⅱ)公開買付者による本対象3社完全子会社化取引の実施

     公開買付者プレスリリースによれば、本対象3社公開買付けのそれぞれが成立し、かつ公開買付者が本対
    象3社公開買付けが成立した本対象3社の普通株式の全てを取得することができなかった場合には、当該本
    対象3社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続を実施する予定とのことです。当社に対する本完
    全子会社化取引の詳細については、下記「(5)いわゆる二段階買収に関する事項」をご参照ください。ケー
    ヒン及びショーワについても本完全子会社化取引と同様の方法で公開買付者の完全子会社とするための一連
    の手続である本対象3社完全子会社化取引をそれぞれ実施する予定とのことです。
   (ⅲ)本吸収合併の実施



     公開買付者プレスリリースによれば、上記(ⅰ)の本対象3社公開買付け、(ⅱ)の本対象3社完全子会社化
    取引の完了後、日立製作所の完全子会社である日立オートモティブシステムズを存続会社、本対象3社を消
    滅会社とする本吸収合併を行うとのことです。公開買付者及び日立製作所は、下記「(7)本公開買付けに関
    する重要な合意」に記載のとおり、本基本契約において、本吸収合併に際して、公開買付者が保有する本統
    合会社の議決権の数が本統合会社の総株主の議決権の数の33.4%となるような合併比率で、本統合会社の普
    通株式を合併対価として公開買付者に割り当てる旨を合意しているとのことです。日立製作所及び公開買付
    者は、本対象3社に対する公開買付けのうちの一部が成立しなかった場合その他本対象3社のうちの1社又
    は2社の完全子会社化が他の会社の完全子会社化よりも相当期間遅れることが見込まれる場合には、本対象
    3社のうち完全子会社化が完了した会社と日立オートモティブシステムズとの間で各本吸収合併を実施する
    予定とのことです。なお、本吸収合併の効力発生時点での本対象3社の株式価値の合計と日立オートモティ
    ブシステムズの株式価値の比率が必ずしも上記の合併比率と一致しない可能性があることに鑑み、本対象3
    社完全子会社化取引の完了後、本吸収合併の効力発生までの間に、本対象3社の株式価値の合計と日立オー
    トモティブシステムズの株式価値の比率を上記の合併比率と一致させることを目的として、本対象3社によ
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    る自己株式の取得により本対象3社の株式価値の調整を行う予定とのことです。本吸収合併の効力発生日
    は、①本対象3社完全子会社化取引のいずれも、下記「(5)いわゆる二段階買収に関する事項」に記載の本
    株式売渡請求によって行う場合には、2021年1月から2月頃に、②本対象3社完全子会社化取引のいずれか
    が、下記「(5)いわゆる二段階買収に関する事項」に記載の本株式併合によって行われる場合には、2021年
    2月から3月頃になる予定とのことです。
   (ⅳ)本統合完了後




     公開買付者プレスリリースによれば、本統合の完了後、公開買付者の本統合会社に対する議決権の保有割
    合は33.4%となり、本統合会社は公開買付者の持分法適用関連会社となる予定とのことです。公開買付者
    は、本統合の完了後においても本統合会社について引き続き公開買付者の重要なサプライヤーであると考え
    ており、事業上の取引関係を継続することを予定しているとのことです。
   ④ 本統合に伴う事業再編



    公開買付者プレスリリースによれば、本統合会社と業容が異なるケーヒンが営む空調事業に関しては、本吸収
   合併の効力発生時点までに第三者に対して譲渡を実施する予定となっておりますが、2020年9月1日付でケーヒ
   ンが公表しております「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン、株式会社ショーワ(証券
   コード7274)及び日信工業株式会社(証券コード7230)の経営統合に向けた当社関係会社である本田技研工業株
   式会社による当社株式に対する公開買付けの開始に関する意見表明のお知らせ」によれば、ケーヒンが2020年3
   月24日に「(開示事項の経過)空調事業に関する覚書締結のお知らせ」として公表したとおり、ケーヒンの日本
   及び東南アジア、北米の空調事業(以下「本譲渡対象事業」といいます。)に関して基本合意書を締結し、また
   ケーヒンが2020年6月4日に「当社連結子会社(孫会社)の持分譲渡に関するお知らせ」として公表したとお
   り、ケーヒンの完全子会社である株式会社ケーヒン・サーマル・テクノロジー(以下「KTT」といいます。)
   が保有する中国にある連結子会社(孫会社)である京濱大洋冷暖工業(大連)有限公司の全ての持分約55%を第
   三者に譲渡する旨を合意しているとのことです。このうち本譲渡対象事業については、①公開買付者が本譲渡対
   象事業の譲渡完了後、本譲渡対象事業を顧客としてサポートする一定の合意をすること、②本譲渡対象事業の再
   編等をケーヒンの費用負担で行うこと、③ケーヒンが事業運営のため約62億円(提案時点での算定)をKTTに
   増資すること並びに④本譲渡対象事業に関連する各種リスクをケーヒンが負担することなどを主要な条件とし
   て、本譲渡対象事業の事業価値を備忘価額と評価する旨の法的拘束力のない提案を2020年8月4日付で受けてい
   るとのことです。ケーヒンとしては当該提案を受け、公開買付者とともに、最終契約締結に向けて協議を続けて
   いく所存であるとのことです。
    また、公開買付者プレスリリースによれば、ショーワがその完全子会社である株式会社ホンダカーズ埼玉北
   (以下「ホンダカーズ埼玉北」といいます。)を通して営むカーディーラー事業に関しては、本統合会社と業容
   が異なることから、本吸収合併の効力発生時点までに、第三者に対してホンダカーズ埼玉北の株式譲渡を実施す
   る予定となっておりましたが、2020年3月25日付でショーワがテイ・エス テック株式会社との間で当該株式譲
   渡に関して株式譲渡契約を締結し、同年5月15日付で株式譲渡を完了したとのことです。詳細については2020年
   3月25日付でショーワが公表しております「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」及び同年9月1
   日付でショーワが公表しております「本田技研工業株式会社(証券コード:7267)による当社株式に対する公開
   買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」をご参照ください。
    さらに、下記「⑥ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社
   及び公開買付者は、ヴィオニア日信ブレーキシステムジャパン株式会社(2020年2月3日に「日信ブレーキシス
   テムズ株式会社」へ商号を変更。以下「NBSJ」といいます。)及びVEONEER               NISSIN  BRAK
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   E SYSTEMS(ZHONGSHAN)CO.,LTD.(2020年2月3日に「NISSIN               BRAKE  SY
   STEMS  ZHONGSHAN    CO.,LTD.(中山日信制動器系統有限公司)」へ商号を変更。以下「NB
   SZ」といいます。)について、当社の合弁パートナーであったVeoneer,Inc.(以下「Veonee
   r」といいます。)の完全子会社であるVeoneer          ABが所有するNBSJ及びNBSZの全株式を当社
   と公開買付者が共同で取得することについて、Veoneer           ABとの間で2019年10月30日付で株式譲渡契約
   を締結しておりましたが、2020年2月3日にVeoneer          ABが所有するNBSJ及びNBSZの全株式を
   当社と公開買付者が共同で取得いたしました。近年の排気ガス及び燃費に対する厳しい環境規制や、長距離航続
   可能な電気自動車、ハイブリッド車に対する需要の高まりを受け、NBSJ及びNBSZが主力製品とする回生
   ブレーキの市場規模は今後も拡大していくことが見込まれており、当社及び公開買付者において、当社を含む公
   開買付者グループ全体としての企業価値向上の観点から慎重に検討を重ねた結果、NBSJ及びNBSZの全株
   式を、当社及び公開買付者にて共同で取得することが適当と判断いたしました。詳細については、2019年10月30
   日付プレスリリース「合弁会社(持分法適用関連会社)の合弁解消と株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
   及び2020年1月31日付プレスリリース「合弁会社の株式譲渡実行日に関するお知らせ」をご参照ください。な
   お、当社は、本公開買付価格の検討にあたって、Veoneer           ABよりNBSJ株式及びNBSZ株式を取
   得する取引(2019年10月29日付の為替レートに基づく金額として、当社における取得価額合計9,403百万円)に
   伴う影響を考慮しております。
   ⑤ 本公開買付け後の経営方針

    公開買付者によれば、上記「③ 本統合のストラクチャー」に記載のとおり、本完全子会社化取引により当社
   が公開買付者の完全子会社となった後、日立オートモティブシステムズを存続会社として本対象3社を消滅会社
   とする本吸収合併を行うとのことです。上記の一連の取引を含む本統合の完了後、本対象3社の企業文化を尊重
   しつつ、日立オートモティブシステムズとの一体化を進め、公開買付者グループ全体としての持続的な成長、企
   業価値の最大化を実現していくとのことです。
    具体的な本統合後の本統合会社の経営方針等については、本統合を通じて公開買付者グループとしてのシナ
   ジー効果を最大限実現できる体制作りを目指し、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び
   日立製作所(以下「全当事者」といいます。)との間で協議してきたとのことです。全当事者は、統合準備委員
   会その他の本統合に関する検討・協議を通じて、本統合会社の企業価値の最大化の観点から、本統合会社の運営
   に関する具体的な事項に関し、本書提出日までの間に、本統合会社の社是、役員体制及び組織形態等に関する検
   討を行っているとのことです。
   ⑥ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

    当社は、2019年5月下旬、公開買付者からの本提案を受け、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するた
   めの措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の各措置
   を講じた上で、第三者算定機関としてのファイナンシャル・アドバイザーであるデロイト トーマツ ファイナ
   ンシャルアドバイザリーから取得した株式価値算定報告書(以下「本株式価値算定報告書」といいます。)の内
   容、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言を踏まえつつ、本
   取引に関する提案を検討するために当社の諮問機関として2019年7月24日に設置された特別委員会(委員の構成
   その他の具体的な委嘱事項等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相
   反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における特別委員会の
   設置及び答申書の取得」をご参照ください。)から提出された2019年10月29日付答申書の内容を最大限に尊重し
   ながら、本取引に関する諸条件について企業価値向上の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
    その結果、当社としては、以下のとおり、本取引を含む本統合は当社の企業価値向上に資するものであるとの
   結論に至りました。
    当社を取り巻く経営環境は、四輪車業界及び二輪車業界の動向に大きく影響を受けることになります。近年、

   四輪車業界においては、先進国における販売台数が横ばいとなる中で、電動化技術や、安全運転支援システム・
   自動走行システム等を実現するための先進安全技術といった、完成車の開発に求められる次世代技術への対応を
   背景に、自動車部品に求められる機能は高度化・複雑化・多様化しており、従来の技術開発・商品開発のスピー
   ドと経営資源を大きく超える取り組みが必要となっていると考えております。また、これらの次世代技術領域に
   おいては、情報・システム技術をはじめとする、従来の二輪車、四輪車に対しては十分に活用されていなかった
   新しい技術が要求されることから、様々な異業種企業が進出するなど、競合他社の取り組みが加速しておりま
   す。また、二輪車業界においては、アジアを中心とする新興国における需要が市場の成長を牽引していく中で、
   先進ブレーキの装着義務化が世界的な広がりを見せており、競争が激化する成長市場でのグローバルな競争に勝
   ち残るためには、多様化する市場のニーズにスピーディーに対応し、コスト競争力の高い製品をタイムリーに提
   供することが求められます。当社でもこのような新たな顧客ニーズや技術革新に対応するため、様々な研究開発
   を行っておりますが、当社単独の人的・物的資源では、対応が限定的とならざるを得ない状況であると認識して
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   おります。また、サプライヤー間でのグローバルな競争に勝ち残るためには、そうした当社単独では獲得が困難
   と考えられる競争力のある技術を早期に確立するとともに、機械部品等のコンベンショナルな技術領域における
   効率的な開発・生産体制を築き、高付加価値かつコスト競争力のある製品の供給を実現することが必要不可欠で
   あると認識しております。
    かかる状況下、当社が今後も持続的に成長を実現していくために、公開買付者の完全子会社となること及び本
   統合を実現することにより、当社単独では対応が困難な上記の課題に対しても、柔軟かつ迅速な意思決定に基づ
   く対応が可能となり、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定
   の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」に記載されている以下の(ⅰ)及び(ⅱ)のシナジー効果の発現をより
   実効的に実現できると考えております。そして、その結果、当社を含む公開買付者グループとして、事業の競争
   力及び収益基盤のさらなる強化が見込まれ、企業価値向上が可能になるものと考えております。
   (ⅰ)開発・生産体制の効率化と次世代技術の開発強化
     本対象3社と日立オートモティブシステムズの連携により、電動化技術、先進安全技術、車両制御技術と
    いった、今後需要が広く見込まれる次世代技術領域での開発体制の強化が可能となると同時に、従来公開買
    付者グループ単独で開発をせざるを得なかったシステム・ITの分野において日立オートモティブシステム
    ズの技術の提供を受けることで、当社を含む公開買付者グループとして開発投資の選択と集中を図ることが
    可能となり、当社を含む公開買付者グループ全体として最適な経営資源の配分の実現を見込んでおります。
    また、本統合会社での開発・生産分野において、技術領域間、地域拠点間での相互補完を推進することで、
    より高付加価値でコスト競争力のある製品の供給が可能となるほか、公開買付者をはじめとする完成車メー
    カーの需要増減に対して迅速かつ柔軟に対応できる供給体制の構築が可能となります。
   (ⅱ)公開買付者以外の完成車メーカーへの部品販売の増大による調達・生産コストの低減

     本統合会社においては、機械部品等のコンベンショナルな技術から電動化・情報技術まで幅広い領域にお
    ける業界最先端の技術を基に、完成車メーカーとの包括的な開発体制を構築することが可能となり、世界的
    メガサプライヤーの一角として、公開買付者以外の完成車メーカーに対する販売の拡大が可能となります。
    これによる部品生産量の増大に伴い、規模の効果による調達・生産コストの低減が可能となり、国際的な競
    争優位に基づく優れた収益力と競争力の実現を見込んでおります。
    なお、当社は、2016年4月より、Veoneerを合弁パートナーとして、四輪車用のブレーキ・コントロー

   ル(メカトロ)システム(注1)及びブレーキ・アプライ(バネ上)システム(注2)並びにそれらに関する部
   品の開発、設計、製造及び販売に関する合弁事業(以下「NBS事業」といいます。)を営んでまいりました。
   そのような中、当社及びVeoneerは、2019年6月に、NBS事業における北米ビジネスのさらなる成長に
   ついて協議を重ねた結果、NBS事業における北米ビジネスに関する両社の事業戦略の最適化のため、NBS事
   業のアメリカ合弁会社であるVEONEER        NISSIN  BRAKE  SYSTEMS   AMERICA   LL
   C(以下「VNBA」といいます。)については、当社が所有するVNBAの全株式(発行済株式総数の
   49.0%)を、NBS事業における北米ビジネスを主導するVeoneerの完全子会社であるVeoneer
   Roadscape    Automotive,Inc.に譲渡しております。
    他方、NBS事業の日本合弁会社であるNBSJ及び中国合弁会社であるNBSZは、四輪車用の回生ブレー
   キを主力製品としております。回生ブレーキは、制動を行う際に発電機を回して、運動エネルギーを電気エネル
   ギーへ変換し、バッテリーへ蓄電を行うものであり、電気自動車やハイブリッド車に採用され、車両の燃費向上
   とともに温室効果ガスを規定値以下に抑えるという役割を果たします。近年、排気ガス及び燃費に対する厳しい
   環境規制や、長距離航続可能な電気自動車、ハイブリッド車に対する需要の高まりを受け、回生ブレーキの市場
   規模は今後も拡大していくことが見込まれております。
    かかる状況下、公開買付者は、NBSJ及びNBSZから回生ブレーキの供給を受けていることもあり、当社
   及び公開買付者にて、当社を含む公開買付者グループ全体としての企業価値向上の観点から慎重に検討を重ねた
   結果、NBS事業における当社とVeoneerとの合弁を解消し、Veoneerの完全子会社であるVeo
   neer  ABが所有するNBSJ及びNBSZの全株式を、当社及び公開買付者にて共同で取得することが適
   当と判断いたしました。そして、Veoneer         ABが所有するNBSJの全株式(発行済株式総数の
   51.0%)及びNBSZの全株式(発行済株式総数の51.0%)につき、当社がNBSJ及びNBSZの発行済株式
   総数のそれぞれ25.0%を、公開買付者がNBSJ及びNBSZの発行済株式総数のそれぞれ26.0%を譲受けるこ
   とについて、当社、公開買付者及びVeoneer         AB間にて2019年10月30日付で株式譲渡契約を締結してお
   りましたが、2020年2月3日にVeoneer        ABが所有するNBSJ及びNBSZの全株式を当社と公開買
   付者が共同で取得いたしました。詳細については、2019年10月30日付プレスリリース「合弁会社(持分法適用関
   連会社)の合弁解消と株式取得(子会社化)に関するお知らせ」及び2020年1月31日付プレスリリース「合弁会
   社の株式譲渡実行日に関するお知らせ」をご参照ください。
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   (注1) 電気を用いたブレーキ制御システム(メカトロとはメカニクス(機械工学)とエレクトロニクス(電
     子工学)の合成語)。ブレーキを摩擦材(ブレーキパッド)で制御する機械的な制御のみではなく、
     電子的にも制御することによってエネルギーの回生を実現し、燃費向上に貢献する
   (注2) ブレーキを構成する部品であり、四輪車のバネ(サスペンション)の上に設置される部品であるた
     め、バネ上と呼ばれる。機械的制御と電子的制御の比率等をコントロールすることで、ブレーキ・コ
     ントロール(メカトロ)システムとともに燃費向上に貢献する
    また、当社は、公開買付者との間で、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格について複

   数回に亘る協議・交渉を行ってまいりました。上記協議・交渉の中で、当社は2019年10月4日に、公開買付者か
   ら本公開買付価格につき1株当たり1,790円という提案を受領いたしました。当社は、この提案につき、当社の
   過去の株価推移や過去の非公開化を目的とした公開買付けにおけるプレミアム水準、デロイト トーマツ ファ
   イナンシャルアドバイザリーからの助言に基づく当社株式の株式価値に係る試算結果の内容等を参考にした結
   果、本公開買付価格をより引き上げることが望ましいと判断し、本公開買付価格の再検討を公開買付者に要請い
   たしました。その後も当社は、2019年10月9日、2019年10月22日、2019年10月23日、2019年10月24日及び2019年
   10月28日に公開買付者との間で協議・交渉を行った結果、本公開買付価格を1株当たり2,250円とすることで合
   意に至りました。上記協議・交渉の中で、当社はデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーからの
   助言を踏まえ、特別委員会とも協議を行った上で、慎重に検討し判断した結果、本公開買付価格は当社の株主の
   皆様に対して合理的なプレミアムを付していると判断するに至りました。具体的には、(ⅰ)本公開買付価格が、
   下記「(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載のとおり、デロイト トーマツ ファイナンシャル
   アドバイザリーによる算定結果のうち、市場株価法による算定結果の範囲を上回っており、また、類似会社比較
   法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)の算定結果の範囲内にあ
   ること、(ⅱ)本公開買付価格が、東京証券取引所市場第一部における、本公開買付けの開始予定の公表日の前営
   業日である2019年10月29日の当社株式の終値1,793円に対して25.49%(小数点以下第三位を四捨五入しておりま
   す。プレミアムの数値(%)の計算について以下同じです。)、同日までの過去1ヶ月間(2019年9月30日から
   2019年10月29日まで)の終値単純平均値1,572円(小数点以下を四捨五入しております。終値単純平均値の計算
   について以下同じです。)に対して43.13%、同日までの過去3ヶ月間(2019年7月30日から2019年10月29日ま
   で)の終値単純平均値1,466円に対して53.48%、同日までの過去6ヶ月間(2019年5月7日から2019年10月29日
   まで)の終値単純平均値1,458円に対して54.32%のプレミアムが加算されており、完全子会社化を目的とした他
   の公開買付けの事例におけるプレミアム水準との比較においても相応のプレミアムが付されていると考えられる
   こと、(ⅲ)本公開買付価格の決定に際しては、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利
   益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格の公正
   性を担保するための措置が採られており、少数株主への配慮がなされていると認められること、(ⅳ)本公開買付
   価格が、上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社と公開買付者の間で独立当事者間の取引にお
   ける協議・交渉と同等の協議・交渉が行われた結果として提案された価格であること等を踏まえ、当社取締役会
   は、本公開買付けは当社の株主の皆様に対して、相当なプレミアムを付した価格での合理的な株式の売却の機会
   を提供するものであると判断いたしました。
    以上により、当社は、2019年10月30日開催の取締役会において、取締役8名全員で審議を行い、その全員の一
   致により、2019年10月30日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付け
   に賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議
   いたしました。上記取締役会には当社の監査役4名全員が出席し、当社取締役会が、上記決議を行うことにつき
   異議がない旨の意見を述べております。
    また、公開買付者によれば、本公開買付けは、本前提条件が充足された場合、速やかに開始することを予定し
   ていたとのことですが、各国の競争当局の企業結合に関する届出許可等、各国の関係当局の許認可等が得られる
   ために必要な期間を正確に予想することは困難とのことであるため、上記取締役会において、本公開買付けが開
   始される際に、当社が設置した特別委員会に対して、特別委員会が2019年10月29日付答申書の内容に変更がない
   か否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べる
   よう諮問すること、及びかかる意見を踏まえて、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関す
   る意見表明を行うことを併せて決議いたしました。
    その後、公開買付者によれば、2020年7月30日時点で本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の
   競争法に基づく手続及び対応が完了する見込みが立ったため、公開買付者は、当社に対して、当該手続及び対応
   が2020年8月14日までに完了することを条件に、2020年8月18日に公開買付けの開始を決定することに向けた準
   備を開始するよう要請したとのことです。もっとも、2020年8月14日時点でタイの競争法に基づく手続及び対応
   が完了していなかったため、公開買付者は、同日付で、当社に対して、本公開買付けの開始を2020年8月18日に
   決定しない旨を通知したとのことです。その後、2020年8月26日をもって本公開買付けの開始に向けて取得が必
   要となる国内外の競争法に基づく手続及び対応が全て完了したため、公開買付者は、2020年8月27日、その他の
   本前提条件が充足されることを前提に2020年9月2日を公開買付開始日として本公開買付けを開始したい旨を当
   社に対して連絡したとのことです。当社は、上記の国内外の競争法に基づく手続及び対応の進捗状況を踏まえ
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   て、2020年8月4日、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための
   措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における特別委員会の設置及び答申書の取
   得」 に記載のとおり、当社が設置した特別委員会に対して、2019年10月29日付答申書の内容に変更がないか否か
   を検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮
   問いたしました。
    特別委員会は、当社に対して、2019年10月30日以後、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生してい
   るか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について検討を行った結果、2019年10月30日以後、
   2020年8月31日までの事情を勘案しても2019年10月29日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを
   確認し、2020年8月31日に、委員全員一致の決議により、当社取締役会に対して、上記意見に変更がない旨の
   2020年8月31日付答申書を提出いたしました。このような中、今般、本前提条件がいずれも充足され本公開買付
   けを開始する条件が整ったことを確認したため、公開買付者は、2020年9月1日、本公開買付けを開始すること
   を決定したとのことです。これに対して、当社は、特別委員会から提出された2020年8月31日付答申書の内容を
   最大限に尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、当社としても、
   2019年10月30日以後、2020年9月1日までの間に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響その他
   の当社の業況や本取引を取り巻く環境に、本公開買付けに関する諸条件の見直しが必要となるような重大な変更
   が見られないこと、また、当社の株式価値算定に重要な影響を及ぼす事由が生じていないことを確認し、2020年
   9月1日現在においても、2019年10月30日時点における本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと判断
   いたしました。
    以上により、当社は、2020年9月1日開催の取締役会において、取締役6名全員で審議を行い、その全員の一
   致により、改めて、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付
   けへの応募を推奨することを決議いたしました。上記取締役会には当社の監査役4名全員が出席し、当社取締役
   会が、上記決議を行うことにつき異議がない旨の意見を述べております。
    なお、当社の取締役のうち、川口泰氏は2018年3月まで、佐藤一也氏は2013年3月まで、山中愛治氏は2018年
   3月まで公開買付者の従業員でしたが、3名はいずれもその時点で当社に転籍しており、公開買付者の役職員を
   兼務している状況ではなく、また当社の経営者として公開買付者から指示等を受けるような立場にもないことか
   ら、2019年10月30日時点及び本書提出日時点において、当社と利益が相反し、又は利益が相反するおそれがある
   事情はございません。
    また、当社の上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を

   回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しな
   い取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
  (3)算定に関する事項

   ① 算定機関の名称並びに公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所との関係
    当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格に関する当社における意思決定過程の恣意性を排除し、本
   公開買付価格の公正性を担保するために、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製
   作所から独立した第三者算定機関としてのファイナンシャル・アドバイザーであるデロイト トーマツ ファイ
   ナンシャルアドバイザリーに対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2019年10月29日付で本株式価値算定報
   告書を取得いたしました。デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、公開買付者、本対象3
   社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本統合に関
   して、重要な利害関係を有しておりません。
    デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社からの依頼に基づき、当社の事業の現状、将
   来の事業計画等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受け、それらの情報を踏まえて当社株式の株式
   価値を算定しております。なお、当社は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから、本公開
   買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
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   ② 算定の概要
    デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、複数の株式価値算定手法の中から、当社株式の株
   式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値につ
   いて多面的に評価することが適切であるとの判断に基づき、当社株式が東京証券取引所市場第一部に上場してお
   り市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較的類似する事業を手がける上場会社が複数存在し、類
   似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映
   するためDCF法を算定手法として用いて、当社株式の株式価値を算定いたしました。当該各手法を用いて算定
   された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、以下のとおりです。
    市場株価法  :1,458円~1,793円

    類似会社比較法:1,959円~2,457円
    DCF法   :1,987円~2,492円
    市場株価法では、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日である2019年10月29日を算定基準日として、東

   京証券取引所市場第一部における当社の株式の基準日終値1,793円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,572円、直
   近3ヶ月間の終値単純平均値1,466円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,458円を基に、当社株式の1株当たり
   の株式価値の範囲を1,458円~1,793円と分析しております。
    類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を手がける上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標と
   の比較を通じて、当社の事業価値を分析し、その事業価値にVeoneer             ABよりNBSJ株式及びNBS
   Z株式を取得する取引(2019年10月29日付の為替レートに基づく金額として、当社における取得価額合計9,403
   百万円)に伴う影響を考慮した上で、当社株式の株式価値を分析しております。その結果、当社株式の1株当た
   りの株式価値の範囲を1,959円~2,457円と分析しております。
    DCF法では、当社が作成した2020年3月期から2023年3月期までの事業計画を前提として、当社が2020年3
   月期第3四半期以降生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いた
   ものに、Veoneer    ABよりNBSJ株式及びNBSZ株式を取得する取引(2019年10月29日付の為替
   レートに基づく金額として、当社における取得価額合計9,403百万円)に伴う影響を考慮した上で、当社の企業
   価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,987円~2,492円と分析しております。な
   お、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーがDCF法による分析に用いた当社作成の事業計画
   においては、大幅な増減益は見込んでおりません。また、本公開買付けを含む本統合の実行により実現すること
   が期待されるシナジー効果については、当該算定時点において見積もることが困難であるため、当該事業計画に
   は加味しておりません。
  (4)上場廃止となる見込み及びその事由

    当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所市場第一部に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付け
   において買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は、東京証券取引所の
   上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの完了時点で当該
   基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、下記「(5)いわゆる二段階買収に関する事
   項」に記載のとおり、適用法令に従い、当社株式の全ての取得を目的とした取引を実施することを予定しておりま
   すので、その場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。な
   お、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所市場第一部において取引することはできません。
  (5)いわゆる二段階買収に関する事項

    公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載の
   とおり、当社を公開買付者の完全子会社とする方針であり、本公開買付けが成立し、公開買付者が、当社株式の全
   てを取得できなかった場合には、以下の方法により、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続を実施
   する予定とのことです。
    具体的には、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、その所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議
   決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じで
   す。)第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第
   2編第2章第4節の2の規定に基づき、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(当社及び公開買付者を除きま
   す。)全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全てを売り渡すことを請求(以下
   「本株式売渡請求」といいます。)することを予定しているとのことです。
    本株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対し
   て交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対し本株式
   売渡請求の承認を求めるとのことです。当社がその取締役会の決議により本株式売渡請求を承認した場合には、関
   係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、本株式売渡請求において定
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   めた取得日をもって、売渡株主が所有する当社株式の全てを取得するとのことです。そして、公開買付者は、売渡
   株主が所有していた当社株式1株当たりの対価として、売渡株主に対し、当社株式1株当たり本公開買付価格と同
   額の金銭を交付する予定とのことです。なお、当社は、公開買付者より本株式売渡請求をしようとする旨の会社法
   第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会は、公開買付者による本株式売渡請
   求を承認する予定です。
    本株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他
   の関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる
   旨が定められております。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断す
   ることになります。
    他方で、本公開買付けの成立後に、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の
   90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき当社株式の併合(以下「本株式併合」といいま
   す。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行う
   ことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの
   決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において当該各議
   案に賛成する予定とのことです。本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認いただいた場合、本株
   式併合がその効力を生じる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割
   合に応じた数の当社株式を所有することになります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数
   が生じるときは、当社の株主(公開買付者を除きます。)の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定
   める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられ
   ます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付
   されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買
   付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の皆様に交付される金銭の額が、本公開
   買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して
   任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。本株式併合の割合は、本書提出日現在にお
   いて未定ですが、公開買付者のみが当社株式の全てを所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった
   当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の皆様の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるよう
   に決定する予定とのことです。
    また、本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合がなされた場
   合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及
   び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対
   し、自己の所有する普通株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求する
   ことができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められております。上
   記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きま
   す。)の皆様が所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株
   主(公開買付者及び当社を除きます。)は、価格決定の申立てを行うことができることになる予定とのことです。
   なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
    上記本株式売渡請求及び本株式併合の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況
   等によっては、実施に時間を要し、又はそれと概ね同等の効果を有するその他の方法に変更する可能性があるとの
   ことです。但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の各株主(公開買付者及び当社を除きま
   す。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金
   銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定
   する予定とのことです。以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の
   上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
    なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものではありません。加え
   て、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任
   において税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
  (6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を

   担保するための措置
    本書提出日現在において、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには
   該当いたしません。もっとも、本書提出日現在、公開買付者は当社の主要株主である筆頭株主及びその他の関係会
   社であり、当社株式22,682,205株(所有割合34.86%)を所有しております。また、公開買付者は、当社を完全子
   会社とすることを目的としていること等を踏まえ、当社及び公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保しつ
   つ、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反を回避する観点か
   ら、それぞれ以下のような措置を実施いたしました。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置
   については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
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    なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majorit
   y of Minority)」の応募を本公開買付け成立の条件とはしておりませんが、下記①から⑥までの措置
   を通じて、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
   ① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定報告書の取得

    当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格に関する当社における意思決定過程の恣意性を排除し、本
   公開買付価格の公正性を担保するために、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製
   作所から独立した第三者算定機関としてのファイナンシャル・アドバイザーであるデロイト トーマツ ファイ
   ナンシャルアドバイザリーに対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2019年10月29日付で本株式価値算定報
   告書を取得いたしました。本株式価値算定報告書の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 算
   定の概要」をご参照ください。
   ② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

    公開買付者プレスリリースによれば、公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価
   格を決定するにあたり、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所から独立した
   第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対し、当社株式の株式価値の算定を
   依頼したとのことです。なお、野村證券は、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立
   製作所の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本統合に関して重要な利害関係を有していないとのこと
   です。
    野村證券は、複数の株式価値算定手法の中から、当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討
   の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの判
   断に基づき、当社株式が東京証券取引所市場第一部に上場していることから市場株価平均法を、当社と比較可能
   な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法
   を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、当社株式の株式価値の算
   定を行ったとのことです。公開買付者は、野村證券から、2019年10月29日付で株式価値算定書(以下「本公開買
   付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。なお、公開買付者は、本公開買付価格の公正性
   に関する評価(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
    野村證券による当社株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりとのことです。
    市場株価平均法  1,458円~1,793円

    類似会社比較法  732円~1,159円
    DCF法     1,945円~2,568円
    市場株価平均法では、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日である2019年10月29日を基準日として、東

   京証券取引所市場第一部における当社株式の基準日終値1,793円、直近5営業日の終値単純平均値1,715円、直近
   1ヶ月間の終値単純平均値1,572円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,466円、及び直近6ヶ月間の終値単純平均
   値1,458円を基に、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,458円から1,793円までと算定しているとのことで
   す。
    類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比
   較を通じて、当社株式の株式価値を算定し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を732円から1,159円までと算
   定しているとのことです。
    DCF法では、当社の2020年3月期から2023年3月期までの4期分の事業計画における収益や投資計画、一般
   に公開された情報等の諸要素を前提として、2020年3月期以降に当社が将来創出すると見込まれるフリー・
   キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の
   1株当たり株式価値の範囲を1,945円から2,568円までと算定しているとのことです。なお、DCF法において前
   提とした事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいないとのことです。また、本公開買付けを含む本統合
   の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、2019年10月29日時点において収益に与える影
   響を具体的に見積もることが困難であるため、反映していないとのことです。
    公開買付者は、野村證券から取得した本公開買付者株式価値算定書の算定結果に加え、公開買付者において実
   施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、過去に行われた本公開買付けと同種の発行者以外の者によ
   る株券等の公開買付けの事例(完全子会社化を前提とした公開買付けの事例)において買付け等の価格決定の際
   に付与されたプレミアムの実例、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、当社株式の市場株価の動向
   及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に
   2019年10月30日開催の公開買付者の取締役会の決議によって、本公開買付価格を1株当たり2,250円と決定した
   とのことです。また、本公開買付けの開始予定の公表日である2019年10月30日以降、2020年9月1日までの間の
   新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響その他の当社の業況や本公開買付けを取り巻く環境等を勘
   案したとのことですが、本公開買付価格を変更すべき事情は見当たらないと考えているとのことです。
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    なお、本公開買付価格である1株当たり2,250円は、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日である2019
   年10月29日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値1,793円に対して25.49%、2019年10月29日まで
   の直近1ヶ月間の終値単純平均値1,572円に対して43.13%、2019年10月29日までの直近3ヶ月間の終値単純平均
   値1,466円に対して53.48%、2019年10月29日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値1,458円に対して54.32%のプ
   レミアムをそれぞれ加えた価格であるとのことです。
    また、本公開買付価格である1株当たり2,250円は、本公開買付けの開始についての公表日の前営業日である
   2020年8月31日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値2,231円に対して0.85%、2020年8月31日
   までの直近1ヶ月間の終値単純平均値2,219円に対して1.40%、2020年8月31日までの直近3ヶ月間の終値単純
   平均値2,206円に対して1.99%、2020年8月31日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値2,203円に対して2.13%の
   プレミアムをそれぞれ加えた価格であるとのことです。
   (注) 野村證券は、当社株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正
     確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行ってい
     ないとのことです。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他
     の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又
     は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。当社の財務
     予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、当社の経営陣により2019年10月29日時点で得
     られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのこ
     とです。野村證券の算定は、2019年10月29日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したも
     のとのことです。なお、野村證券の算定は、公開買付者の取締役会が当社株式の株式価値を検討するた
     めの参考に資することを唯一の目的としているとのことです。
   ③ 当社における特別委員会の設置及び答申書の取得

    当社は、本取引に係る当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定の過程の公正性、透明性及び客観性を確保
   することを目的として、2019年7月24日に、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立
   製作所から独立した外部の有識者である高橋明人氏(弁護士、高橋・片山法律事務所)及び寺田芳彦氏(公認会
   計士、トラスティーズ・コンサルティングLLP)並びに当社の社外取締役・独立役員である福井政隆氏及び田
   口公明氏の4名から構成される特別委員会を設置することを決議しております。なお、特別委員会の委員は設置
   当初から変更しておりません。
    当社は、特別委員会に対し、(ⅰ)本取引は、当社の企業価値向上に資するものであって、その目的は合理的な
   ものと考えられるか、(ⅱ)本取引において、公正な手続を通じて、当社の少数株主の利益への十分な配慮がなさ
   れていると考えられるか、(ⅲ)本取引の条件は妥当であると考えられるか、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)を考慮すれ
   ば、本取引は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか、(ⅴ)本取引が本公開買付けにより
   実施される場合、上記(ⅰ)乃至(ⅳ)を踏まえれば、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株
   主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当と考えられるか(総称して、以下「本諮問事項」といい
   ます。)を諮問し、これらの点について答申書を当社取締役会に提出することを嘱託いたしました。
    特別委員会は、2019年7月29日から2019年10月24日までの間に合計8回開催され、本諮問事項についての協議
   及び検討が慎重に行われました。具体的には、特別委員会は、かかる検討にあたり、当社から、本取引の提案を
   受けた経緯、本取引の目的、当社の事業の状況及び今後の見通し、本取引が当社の事業計画に影響を与え得る諸
   要因の具体的な内容、公開買付者によるこれまでの当社に対する経営関与の状況、本取引の条件等に関する交渉
   の状況及び事業計画等についての説明を受け、質疑応答を行いました。次に、公開買付者から、本取引を提案す
   るに至った経緯、本取引の目的、背景及び必要性、事業の概要、当社への経営関与の状況及び本取引後に予定し
   ている事業の展開について説明を受け、質疑応答を行いました。特別委員会は、当社から、当社と公開買付者と
   の間における本取引にかかる協議・交渉の状況につき報告を受けており、さらに、特別委員会はデロイト トー
   マツ ファイナンシャルアドバイザリーより、当社株式の株式価値算定に関する説明を受け、これに関する質疑
   応答を行いました。その際、Veoneer        ABよりNBSJ株式及びNBSZ株式を取得する取引(当社に
   おける取引価額9,403百万円)を考慮した上で、当社株式の株式価値を算定しているとの説明をデロイト トー
   マツ ファイナンシャルアドバイザリーより受けております。加えて、特別委員会は、アンダーソン・毛利・友
   常法律事務所より、本取引の手続面における公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の
   内容について説明を受け、これに関する質疑応答を行いました。
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    特別委員会は、かかる手続を経て、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2019年10月29日、
   委員全員一致の決議により、当社取締役会に対し、以下の内容の2019年10月29日付答申書を提出いたしました。
   (ⅰ)本取引は、当社の企業価値向上に資するものであって、その目的は合理的なものと考えられるか

     当社から説明を受けた「(a)本取引の目的及び必要性・背景事情」、並びに「(b)本公開買付けを経て行
    われる本取引のメリット」について、当社の現在の事業内容及び経営状況を前提とした具体的なものであ
    り、当社の属する業界及び市場の環境として一般に説明されている内容とも整合すること、さらに当社にお
    ける将来の競争力強化に向けて現実的なものであると考えられること、当社と公開買付者との間で、当社の
    属する市場環境や将来における動向予想等も踏まえて本取引の必要性及びメリットの検討を行っているこ
    と、当社から説明を受けた当社の今後の事業見通し及び成長見通し並びに本取引後に実施を検討している施
    策等について、当社の事業内容及び経営状況を前提とした上で、公開買付者の経営方針をも踏まえたものと
    いえ、いずれも不合理なものとは認められない。そして、上記「(a)本取引の目的及び必要性・背景事
    情」、並びに上記「(b)本公開買付けを経て行われる本取引のメリット」について、特に上記「(2)本公開
    買付けに関する意見の根拠及び理由」の「⑥ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び
    理由」に記載のとおりであり、当社を取り巻く経営環境、当社が直面する課題、公開買付者の完全子会社と
    なること及び本統合を実現することにより、当社単独では対応が困難な課題に対しても、柔軟かつ迅速な意
    思決定に基づく対応が可能となり、シナジー効果の発現をより実効的に実現できることも踏まえて、本取引
    は、当社の企業価値向上に資するものであって、その目的は合理的なものと考えられる。
   (ⅱ)本取引において、公正な手続を通じて、当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられ

    るか
     当社は、本取引への対応を検討するにあたり、本公開買付けの条件とりわけ本公開買付価格の公正性を確
    保すべく、当社株式に係る株式価値の算定を、当社及び公開買付者のいずれからも独立した第三者算定機関
    であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーへ依頼した上で、本株式価値算定報告書を取
    得していること、本取引に関する法的助言を得るべく、当社及び公開買付者のいずれからも独立したリーガ
    ル・アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任していること、今般の本完全子会社
    化取引を含む本取引は、当社を持分法適用関連会社としている公開買付者との間で実施されるものであると
    ころ、状況次第では相対的な利益相反性が生じる可能性もあるところ、当社においては、上記の体制の下、
    本取引についてより慎重に条件の妥当性・公正性を担保する必要がある旨を認識して、当社から公開買付者
    に対して協議過程の早い段階から少数株主の利益に十分配慮した取引条件を要請してきたといえること、そ
    の上で、条件の妥当性及び公正性並びに現実性といった事情について、当社において全般的な検証を重ねた
    上で、公開買付者との協議を経て本公開買付けにおける公開買付価格に関して、今般取締役会決議が予定さ
    れている価格についての最終的な調整が進められたこと、その後、最終的に当社及び公開買付者間で本公開
    買付価格を含む本取引の条件について合意するに至り、当社において、当該合意された価格をもって、取締
    役会で決議を予定している本公開買付価格となったこと、さらに、いわゆる二段階買収等に関しても、早期
    かつ詳細な開示及び説明により、当社株主の適切な判断機会の確保に努めているといえること、利害関係を
    有する当社取締役の有無の検討、より具体的には当社取締役が本取引の検討に加わることの当否、また今後
    開催される本取引に関する取締役会の審議及び決議へ参加することの当否等についても検討するなど、意思
    決定過程における恣意性の排除に努めているといえること、本公開買付けにおいては、上記「(2)本公開買
    付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおりの内容の買付予定数の下
    限が設定される予定であるが、当該下限の設定により、本公開買付けへの応募が少ない場合には、本公開買
    付けを通じた当社株式の買付け等が行われないことになり、当社の一般株主・少数株主の意向を可能な限り
    尊重するものといえること、本完全子会社化取引の条件の公正性の担保に向けた客観的状況の確保等の諸点
    について、具体的な対応が行われているものと考えられ、公正な手続を通じた当社株主の利益への十分な配
    慮がなされていると考えられることから、本取引において、公正な手続を通じて、当社の少数株主の利益へ
    の十分な配慮がなされていると考えられる。
   (ⅲ)本取引の条件は妥当であると考えられるか

     当社において、本取引の条件、とりわけ本公開買付けにおける当社株式に係る公開買付価格の公正性・妥
    当性を確保するために、その検討及び判断に際して、当社株式の株式価値の算定のための独立の第三者算定
    機関を選任し、当該第三者算定機関から本株式価値算定報告書を取得した上で、本株式価値算定報告書を参
    考としていること、本株式価値算定報告書の結論に至る計算過程について、その算定手法は現在の実務に照
    らして一般的、合理的な手法であると考えられること、上記算定の内容についても現在の実務に照らして妥
    当なものであると考えられること、これらを踏まえ、本株式価値算定報告書について、特段不合理な点ある
    いは著しい問題などは認められないと考えられること、本株式価値算定報告書を基礎として当社においても
    本取引の必要性及びメリット、当社の今後の事業への影響といった事情等を全般的に考慮した上で、本公開
    買付価格の検討を行ってきたといえること、経験豊富なファイナンシャル・アドバイザー(第三者算定機
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    関)を起用し、本公開買付価格を含む本取引全般の条件交渉を実施したといえること、当社取締役会におい
    て最終的に決議を予定している本公開買付価格について、相応のプレミアムが付された価格であるといえる
    こと、これらの当社における対応は、本公開買付けを含む本取引の条件とりわけ本公開買付価格の公正性・
    妥当性を確保し、またこれらに関する当社の判断及び意思決定について、その過程から恣意性を排除するた
    めの方法として合理性・相当性を有するものと考えられること、さらに、当社からの説明によれば、本完全
    子会社化取引の条件に関しても、今後特段の事情が無い限り、本公開買付価格と同一の価格を基準として算
    定、決定する予定であること、本完全子会社化取引は、本公開買付けの後、本公開買付けに続く手続として
    行われることが予定されているもの(いわゆる二段階買収としての手続)であり、時間的に近接した両手続
    における取引条件が同一のものとなるようにすることは合理的と考えられることから、本公開買付けにおけ
    る買付け等の価格を含む本取引の条件は妥当であると考えられる。
   (ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)を考慮すれば、本取引は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか

     上記(ⅰ)乃至(ⅲ)までにおいて検討した諸事項以外の点に関して、特別委員会において、本公開買付けを
    含む本取引が当社の少数株主にとって不利益なものであると考える事情は現時点において特段見当たらず、
    従って本取引は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
   (ⅴ)本取引が本公開買付けにより実施される場合、上記(ⅰ)乃至(ⅳ)を踏まえれば、当社取締役会が本公開買

    付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当と考えられるか
     上記のとおり、(ⅰ)本取引は、当社の企業価値向上に資するものであって、その目的は合理的なものと考
    えられること、(ⅱ)本取引において、公正な手続を通じて、当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされ
    ていると考えられること、(ⅲ)本取引の条件は妥当であると考えられること、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)を考慮
    すれば、本取引は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられることからすると、当社取締役
    会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当と
    考えられ、これに反する事情は現時点において特段見当たらない。
    その後、公開買付者によれば、2020年7月30日時点で本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の

   競争法に基づく手続及び対応が完了する見込みが立ったため、公開買付者は、当社に対して、当該手続及び対応
   が2020年8月14日までに完了することを条件に、2020年8月18日に公開買付けの開始を決定することに向けた準
   備を開始するよう要請したとのことです。もっとも、2020年8月14日時点でタイの競争法に基づく手続及び対応
   が完了していなかったため、公開買付者は、同日付で、当社に対して、本公開買付けの開始を2020年8月18日に
   決定しない旨を通知したとのことです。その後、2020年8月26日をもって本公開買付けの開始に向けて取得が必
   要となる国内外の競争法に基づく手続及び対応が全て完了したため、公開買付者は、2020年8月27日、その他の
   本前提条件が充足されることを前提に2020年9月2日を公開買付開始日として本公開買付けを開始したい旨を当
   社に対して連絡したとのことです。当社は、上記の国内外の競争法に基づく手続及び対応の進捗状況を踏まえ
   て、2020年8月4日、当社が設置した特別委員会に対して、2019年10月29日付答申書の内容に変更がないか否か
   を検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮
   問いたしました。
    特別委員会は、当社に対して、2019年10月30日以後、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生してい
   るか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について検討を行った結果、2019年10月30日以後、
   2020年8月31日までの事情を勘案しても2019年10月29日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを
   確認し、2020年8月31日に、委員全員一致の決議により、当社取締役会に対して、上記意見に変更がない旨の
   2020年8月31日付答申書を提出いたしました。
   ④ 当社における独立した法律事務所からの助言

    当社は、本取引に係る意思決定過程の公正性及び適正性を確保するため、公開買付者、本対象3社、日立オー
   トモティブシステムズ及び日立製作所から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法
   律事務所を選任し、同法律事務所から、本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他の本取引に関する意
   思決定にあたっての留意点について、必要な法的助言を受けております。
    なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及
   び日立製作所の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本統合に関して、重要な利害関係を有しておりま
   せん。
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   ⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見
    当社取締役会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから取得した本株式価値算定報告書
   及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの法的助言を踏まえて、特別委員会から取得した2019年10月29日
   付答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引の一連の手続及び本公開買付けの諸条件を慎重に協議及び検討
   いたしました。
    その上で、当社取締役会が、当社を取り巻く厳しい事業環境の中で、当社がさらなる企業価値向上を実現する
   ためには、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「⑥ 当社が本公開買付けに賛同するに
   至った意思決定の過程及び理由」に記載の施策を実施することにより、公開買付者グループとの強固な連携を実
   現し、当社の経営にとって必要な諸施策を実現に移すことを容易にするだけでなく、上場会社としての独立性及
   び自主性を維持するという観点から実現することが難しい、公開買付者グループとの間の経営資源及びノウハウ
   等の相互活用を可能とすることが必要であるとの結論に至ったことから、本取引を含む本統合は当社の企業価値
   の向上に資するものであると判断いたしました。
    また、(ⅰ)本公開買付価格が、上記「(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載のとおり、デロイ
   ト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによる算定結果のうち、市場株価法による算定結果の範囲を上
   回っており、また、類似会社比較法及びDCF法の算定結果の範囲内にあること、(ⅱ)本公開買付価格が、東京
   証券取引所市場第一部における、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2019年10月29日の当社
   株式の終値1,793円に対して25.49%、同日までの過去1ヶ月間(2019年9月30日から2019年10月29日まで)の終
   値単純平均値1,572円に対して43.13%、同日までの過去3ヶ月間(2019年7月30日から2019年10月29日まで)の
   終値単純平均値1,466円に対して53.48%、同日までの過去6ヶ月間(2019年5月7日から2019年10月29日まで)
   の終値単純平均値1,458円に対して54.32%のプレミアムが加算されており、完全子会社化を目的とした他の公開
   買付けの事例におけるプレミアム水準との比較においても相応のプレミアムが付されていると考えられること、
   (ⅲ)本公開買付価格の決定に際しては、上記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反
   を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格の公正性を担
   保するための措置が採られており、少数株主への配慮がなされていると認められること、(ⅳ)本公開買付価格
   が、上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社と公開買付者の間で独立当事者間の取引における
   協議・交渉と同等の協議・交渉が行われた結果として提案された価格であること等を踏まえ、当社取締役会は、
   本公開買付けは当社の株主の皆様に対して、相当なプレミアムを付した価格での合理的な株式の売却の機会を提
   供するものであると判断いたしました。
    以上により、当社は、2019年10月30日開催の取締役会において、取締役8名全員で審議を行い、その全員の一
   致により、2019年10月30日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付け
   に賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議
   いたしました。上記取締役会には当社の監査役4名全員が出席し、当社取締役会が、上記決議を行うことにつき
   異議がない旨の意見を述べております。
    その後、公開買付者によれば、2020年7月30日時点で本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の
   競争法に基づく手続及び対応が完了する見込みが立ったため、公開買付者は、当社に対して、当該手続及び対応
   が2020年8月14日までに完了することを条件に、2020年8月18日に公開買付けの開始を決定することに向けた準
   備を開始するよう要請したとのことです。もっとも、2020年8月14日時点でタイの競争法に基づく手続及び対応
   が完了していなかったため、公開買付者は、同日付で、当社に対して、本公開買付けの開始を2020年8月18日に
   決定しない旨を通知したとのことです。その後、2020年8月26日をもって本公開買付けの開始に向けて取得が必
   要となる国内外の競争法に基づく手続及び対応が全て完了したため、公開買付者は、2020年8月27日、その他の
   本前提条件が充足されることを前提に2020年9月2日を公開買付開始日として本公開買付けを開始したい旨を当
   社に対して連絡したとのことです。当社は、2020年9月1日、特別委員会から提出された2020年8月31日付答申
   書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、当社
   としても、2019年10月30日以後、2020年9月1日までの間に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の
   影響その他の当社の業況や本取引を取り巻く環境に、本公開買付けに関する諸条件の見直しが必要となるような
   重大な変更が見られないこと、また、当社の株式価値算定に重要な影響を及ぼす事由が生じていないことを確認
   し、2020年9月1日現在においても、2019年10月30日時点における本公開買付けに関する判断を変更する要因は
   ないと判断し、2020年9月1日開催の取締役会において、取締役6名全員で審議を行い、その全員の一致によ
   り、改めて、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの
   応募を推奨することを決議いたしました。上記取締役会には当社の監査役4名全員が出席し、当社取締役会が、
   上記決議を行うことにつき異議がない旨の意見を述べております。
    なお、当社の取締役のうち、川口泰氏は2018年3月まで、佐藤一也氏は2013年3月まで、山中愛治氏は2018年
   3月まで公開買付者の従業員でしたが、3名はいずれもその時点で当社に転籍しており、公開買付者の役職員を
   兼務している状況ではなく、また当社の経営者として公開買付者から指示等を受けるような立場にもないことか
   ら、2019年10月30日時点及び本書提出日時点において、当社と利益が相反し、又は利益が相反するおそれがある
   事情はございません。
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   ⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
    公開買付者は、本公開買付け開始予定の公表から開始までに相応の期間が経過していることから、公開買付者
   以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されているものと考えているとのことです。
    また、公開買付者は、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとと
   もに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格
   の適正性を担保することを意図して、本公開買付けの買付け等の期間を法令に定められた最短期間である20営業
   日より長期の30営業日に設定しているとのことです。
    さらに、当社は、公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条
   項を含む合意等、当該対抗的買収提案者と接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。
  (7)本公開買付けに関する重要な合意

    公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所は、本基本契約締結日付で本基本契約
   を締結しております。本基本契約の詳細は以下のとおりです(なお、本基本契約は、2020年6月1日付経営統合に
   関する基本契約の変更合意書及び2020年8月13日付経営統合に関する基本契約の変更合意書(2)により変更されて
   おります。なお、これらの変更合意書は、本対象3社及び日立オートモティブシステムズの事業に関する事前承諾
   事項及びケーヒンの空調事業の再編の内容を一部変更するものですが、以下の①乃至④の事項は変更されておりま
   せん。)。
   ① 公開買付者による本公開買付けの実施
    公開買付者は、以下の各号記載の条件の全てが充足されていることを前提条件として、本公開買付けを実施す
   る。
   イ)当社が、本公開買付けの賛同及び応募推奨に関する決議を実施し、その公表を行っており、かつ、本基本契
    約締結日から本公開買付開始決定日までの間、当該決議を変更せず、それと矛盾する内容の取締役会決議を
    行っていないこと
   ロ)当社が、自らの株式を対象とする公開買付けが当社の少数株主にとって不利益でない旨の第三者意見(注)
    を取得しており、かつ、当該意見が維持されていること
    (注) 当社において設置された特別委員会の意見を意味します。以下同じです。
   ハ)本基本契約における当社の表明及び保証が重要な点において真実かつ正確であること
   ニ)本基本契約に基づき、日立製作所、日立オートモティブシステムズ及び当社が履行し又は遵守すべき義務
    が、重要な点において全て履行され、又は遵守されていること
   ホ)公開買付者及び当社によるVeoneer        ABが保有するNBSJ及びNBSZの株式の全ての取得が完
    了していること
   ヘ)公正取引委員会が、本取引について、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54
    号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。)第50条第1項に基づく通知をしない旨の
    通知をしていること
   ト)全当事者が合意した日本以外の法域における競争法に基づき本取引について必要となる、外国競争法当局へ
    の届出又は待機期間の満了若しくは早期終了、外国競争法当局による承認その他の手続が完了していること
   チ)本取引を制限又は禁止する旨のいかなる法令等又は関係当局等の判断等も存在していないこと
   リ)当社又は日立オートモティブシステムズの連結ベースでの事業、資産、負債、財政状態、経営成績、キャッ
    シュフロー若しくは将来の収益計画に重大な悪影響を与える事由又は事象が生じていないこと、その他本公
    開買付けの実行の判断に重要な影響を与える事象が当社グループ各社又は日立オートモティブシステムズ、
    子会社及び関連会社(日立オートモティブシステムズと併せて、以下「日立オートモティブシステムズグ
    ループ」といいます。)各社において生じていないこと
   ヌ)天災地変その他公開買付者の責に帰さない事由により、本公開買付けの開始が社会通念上不可能と認められ
    る影響が生じていないこと
   ル)当社及びその子会社に関する重要事実で、未公表のものが存在しないこと
   ヲ)当社から公開買付者に対して重要事実差入書(本公開買付開始決定日において、当社又はその子会社に関す
    る重要事実で未公表のものが存在しない旨を表明し保証する差入書)が提出されていること
   ワ)公開買付者によるケーヒン及びショーワに対する公開買付けの開始の前提条件の充足又は放棄が合理的に見
    込まれていること
   カ)日立製作所と公開買付者との間で締結された2019年10月30日付「子会社経営統合に関する基本合意書」が有
    効に存続していること
   ヨ)日立製作所が、公開買付者に対して、本公開買付けを開始しないように求める通知を行っていないこと、又
    は、日立製作所が公開買付者に対して行ったかかる通知に記載された条件が、充足若しくは放棄されたこと
   ② 当社による賛同

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    当社は、以下の各号記載の条件の全てが充足されていることを前提条件として、本公開買付けへの賛同及び応
   募推奨に関する決議を行う。但し、これらの決議を行うことが当社の取締役としての善管注意義務に違反すると
   合理的に判断される場合はこの限りではない。
   イ)当社が、本公開買付けが当社の少数株主にとって不利益でない旨の第三者意見を取得しており、かつ、当該
    意見が維持されていること
   ロ)本公開買付けの要綱が本基本契約で合意した内容及び条件に従っていること
   ハ)公開買付者によるケーヒン及びショーワに対する公開買付けが開始されることが合理的に見込まれているこ
    と
   ニ)本基本契約における日立製作所の表明及び保証、日立オートモティブシステムズの表明及び保証並びに公開
    買付者の表明及び保証が重要な点において真実かつ正確であること
   ホ)本基本契約に基づき、日立製作所、日立オートモティブシステムズ及び公開買付者が履行し又は遵守すべき
    義務が、重要な点において全て履行され、又は遵守されていること
   ヘ)公正取引委員会が、本取引について、独占禁止法第50条第1項に基づく通知をしない旨の通知をしているこ
    と
   ト)本公開買付開始決定日までに、全当事者が合意した日本以外の法域における競争法に基づき本取引について
    必要となる、外国競争法当局への届出又は待機期間の満了若しくは早期終了、外国競争法当局による承認そ
    の他の手続が完了していること
   チ)本公開買付けを制限又は禁止する旨のいかなる法令等又は関係当局等の判断等も存在していないこと
   リ)日立オートモティブシステムズの連結ベースでの事業、資産、負債、財政状態、経営成績、キャッシュフ
    ロー若しくは将来の収益計画に重大な悪影響を与える事由又は事象が生じていないこと、その他当社による
    本公開買付けへの賛同及び応募推奨に関する決議の実行の判断に重要な影響を与える事象が日立オートモ
    ティブシステムズグループ各社において生じていないこと
   ③ 完全子会社化の実施

    公開買付者は、本公開買付けが完了し、公開買付者が本公開買付けによって当社株式の全てを取得できなかっ
   た場合には、株式売渡請求又は株式併合の方法により、当社を公開買付者の完全子会社とするために必要な措置
   を行う。
   ④ 吸収合併

    日立製作所は日立オートモティブシステムズをして、公開買付者は当社、ケーヒン及びショーワをして、公開
   買付者による当社、ケーヒン及びショーワの完全子会社化後速やかに、日立オートモティブシステムズを最終的
   な吸収合併存続会社とし、当社、ケーヒン及びショーワをそれぞれ最終的な吸収合併消滅会社とする一連の吸収
   合併を実施させるものとする。
    日立製作所及び公開買付者は、当社、ケーヒン及びショーワに対する公開買付けのうちの一部が成立しなかっ
   た場合その他当社、ケーヒン及びショーワのうちの1社又は2社の完全子会社化が他の会社の完全子会社化より
   も相当期間遅れることが見込まれる場合には、当社、ケーヒン及びショーワのうち完全子会社化が完了した会社
   と日立オートモティブシステムズとの間で各本吸収合併を実施するものとし、当該完全子会社化が完了した会社
   と日立オートモティブシステムズとの間の吸収合併の条件については、日立製作所及び公開買付者の間で合意さ
   れた日立オートモティブシステムズ、当社、ケーヒン及びショーワの企業価値に基づき誠実に協議の上、決定す
   るものとする。
  (8)公開買付者と当社の株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

    該当事項はありません。
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  4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
               所有株式数(株)    議決権数(個)
   氏名    役名     職名
           ―     5,528    55
  川口 泰   代表取締役社長
                 34,643    346
  武井 純哉   代表取締役専務    アルミ事業本部長
                 11,304    113
  佐藤 一也   常務取締役    品質保証統括、生産購買本部長
                 2,666    26
  山中 愛治   取締役    経営管理本部長
           ―      ―    ―
  福井 政隆   取締役
           ―      ―    ―
  田口 公明   取締役
           ―     15,309    153
  坂下 潔   常勤監査役
           ―     7,042    70
  渡辺 隆伸   常勤監査役
           ―      ―    ―
  根岸 裕幸   監査役
           ―      ―    ―
  斎藤 平二   監査役
       ―     ―     76,492    763
   計
   (注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権数は本書提出日現在のものです。
   (注2) 取締役福井政隆氏及び田口公明氏は、社外取締役であります。
   (注3) 監査役根岸裕幸氏及び斎藤平二氏は、社外監査役であります。
   (注4) 所有株式数及び議決権数は、それぞれ当社役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれら
    に係る議決権の数を含めた数を記載しております。
  5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

   該当事項はありません。
  6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

   該当事項はありません。
  7【公開買付者に対する質問】

   該当事項はありません。
  8【公開買付期間の延長請求】

   該当事項はありません。
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2024年4月16日

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2020年12月21日

新規上場の通知機能を追加しました。Myページにて通知の設定が行えます。

2020年9月22日

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2019年3月22日

2019年4月より、5年より前の報告書については登録会員さまのみへのご提供と変更させていただきます。

2017年10月31日

キーワードに関する報告書の検出処理を改善いたしました。これまで表示されていなかった一部の報告書にも「増加」「減少」が表示されるようになっりました。

2017年2月12日

キーワードに関する報告書のRSS配信を開始いたしました。

2017年1月23日

キーワードに関する報告書が一覧で閲覧できるようになりました。