株式会社インフォネット 有価証券報告書 第18期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
提出書類 | 有価証券報告書-第18期(平成31年4月1日-令和2年3月31日) |
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提出者 | 株式会社インフォネット |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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株式会社インフォネット(E34974)
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【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2020年6月30日
【事業年度】 第18期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
【会社名】 株式会社インフォネット
【英訳名】 infoNet inc.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 岸本 誠
【本店の所在の場所】 東京都千代田区大手町一丁目5番1号
【電話番号】 03-5221-7591(代表)
【事務連絡者氏名】 取締役管理部長 日下部 拓也
【最寄りの連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目5番1号
【電話番号】 03-5221-7591(代表)
【事務連絡者氏名】 取締役管理部長 日下部 拓也
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
回次 第14期 第15期 第16期 第17期 第18期
決算年月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月
(千円) 762,853 709,636 752,191 844,611 766,396
売上高
(千円) 92,261 145,633 163,049 171,105 6,633
経常利益
(千円) 62,469 43,146 110,618 109,615 479
当期純利益
持分法を適用した場合の投資
(千円) - - - - -
利益
(千円) 28,000 28,000 53,000 53,000 258,620
資本金
(株) 440 440 465,000 1,627,500 1,927,500
発行済株式総数
(千円) 92,536 142,095 302,714 412,330 824,049
純資産額
(千円) 364,550 551,188 541,220 699,640 1,044,648
総資産額
(円) 60.09 92.27 186.00 253.35 427.52
1株当たり純資産額
1株当たり配当額 - - - - -
(円)
(1株当たり中間配当額) ( - ) ( - ) ( - ) ( - ) ( - )
(円) 40.56 28.02 71.65 67.35 0.26
1株当たり当期純利益
潜在株式調整後1株当たり当
(円) - - - - 0.25
期純利益
(%) 25.4 25.8 55.9 58.9 78.8
自己資本比率
(%) 110.9 35.8 49.7 30.6 0.1
自己資本利益率
(倍) - - - - 2,580.77
株価収益率
(%) - - - - -
配当性向
営業活動によるキャッシュ・
(千円) - 121,119 △ 65,751 151,365 △ 46,762
フロー
投資活動によるキャッシュ・
(千円) - - △ 1,423 △ 13,290 △ 8,055
フロー
財務活動によるキャッシュ・
(千円) - △ 24,918 26,728 △ 9,268 398,926
フロー
現金及び現金同等物の期末残
(千円) - 173,789 133,343 262,149 606,257
高
66 66 70 73 76
従業員数
(名)
〔外、平均臨時雇用者数〕 〔 - 〕 〔 - 〕 〔 1 〕 〔 1 〕 〔 - 〕
(%) - - - - -
株主総利回り
(比較指標:-) (%) ( - ) ( - ) ( - ) ( - ) ( - )
(円) - - - - 3,835
最高株価
(円) - - - - 519
最低株価
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(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記
載しておりません。
2.売上高には、消費税等は含まれておりません。
3.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。
4.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
5.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第14期から第15期までは潜在株式が存在しないため記載
しておりません。第16期及び第17期については潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中
平均株価が把握できないため記載しておりません。
6. 第14期から第17期の株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
7.第14期については、キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フロー計算書に係
る各項目については記載しておりません。
8.従業員数は就業人員であり、平均臨時雇用者数(パートタイマー・アルバイト)は年間平均人員を〔〕内に
て外数で記載しております。
9.第15期以降の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵
省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監
査法人の監査を受けております。
なお、第14期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を
記載しております。また、当該各数値については、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。
10.2015年12月2日開催の臨時株主総会決議により、決算期を12月31日から3月31日に変更しました。従って、
第14期は2015年1月1日から2016年3月31日の15か月間となっております。
11.当社は2017年12月1日付けで普通株式1株につき1,000株の株式分割を、2019年3月9日付で普通株式1株
につき3.5株の株式分割を行っております。そのため、第14期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、
1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算出しておりま
す。
12.第14期から第18期の株主総利回り及び比較指標は、2019年6月25日に東京証券取引所マザーズに上場したた
め、記載しておりません。
13.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所マザーズにおけるものであります。
ただし、当社株式は、2019年6月25日から東京証券取引所マザーズに上場されており、それ以前の株価につ
いては該当事項がありません。
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2【沿革】
当社は、2000年5月に福井県福井市においてWEBサイト及びシステムの受託開発を行う個人事業を興したことに
始まり、その後2002年10月に、現在の株式会社インフォネットの前身である「有限会社インフォネット」を設立いた
しました。
その後、2004年の増資に伴い現在の「株式会社インフォネット」に商号を変更いたしました。
当社はWEBサイト構築を、企画デザインからシステム開発、サーバの構築整備保守まで、ワンストップで
ソリューションを提供できることを事業上の特徴としています。
HTML等の特別な技術をもたないWEB担当者であっても、見たままの画面でWEBサイトを更新管理運用可能
なシステム「infoCMS」を開発し、直接・間接を問わず幅広く展開しております。
当社の沿革は、以下のとおりであります。
年月 概要
2002年10月 WEBサイト及びシステムの受託開発を目的とする会社として、福井県坂井市に、現在の株式会社
インフォネットの前身である「有限会社インフォネット」を設立
2004年6月 増資に伴い「株式会社インフォネット」に組織変更
2006年4月 東京都品川区に営業拠点として東京オフィスを開設
2006年12月 本社社屋を建設し、ソフトパークふくい(福井県坂井市)へ本社移転
2007年5月 東京都中央区へ東京オフィスを移転
2007年8月 ISO9001・ISO27001の認定を本社及び東京の2拠点で取得
2007年12月 WEBサイトコンテンツ管理システム「infoDNN」を開発
2008年1月 マイクロソフトITベンチャー支援プログラム準認定企業に採択
2011年1月 infoDNNをメジャーバージョンアップし「infoCMS」として販売開始
2011年10月 本社登記を東京オフィス(東京都中央区)へ変更
2013年1月 社員数増加により本社を移転(東京都中央区)
2016年2月 社員数増加により本社を移転(東京都千代田区)
2016年5月 infoCMSをメジャーバージョンアップし「infoCMS9」として販売開始
2017年6月 株主の変更に伴い、株式会社インフォネット・ホールディングスが設立され100%子会社となる
2017年10月 株主の変更に伴い、株式会社フォーカスの子会社となる
2018年2月 人工知能(AI)を活用した進化するAIチャットボット「Q&Ai」を開発
2018年5月 佐賀県佐賀市と事業所設置及び事業実施に係る進出協定を締結
2018年7月 佐賀支社開設
2019年6月 東京証券取引所マザーズに株式を上場
公募増資による新株式発行により、株式会社フォーカスが「その他関係会社」となる。
2019年12月 音声入力AIレポーティングシステム「Repotti」を開発
2020年4月 スプレッドシステムズ株式会社の株式を取得し完全子会社化
2020年6月 経済産業省「IT導入補助金2020」における「IT導入支援事業者採択」
2020年6月 大阪支社を開設
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3【事業の内容】
当社は福井県にて創業し、『すぐれたWEB・IT技術やプロダクトをお客様の成果に寄り添い提供することで、
人々の生活を豊かにする』ことを企業理念とし、主に企業のWEBサイト(ホームページやその他商業目的として利
用されるウェブページ等の総称)構築及びWEBサイトの運用保守の代行業務を請け負っております。また、高い安
全性と高い機能性を備えながらも、直感的な操作によって自社サイトを管理できるシステムを開発しようという考え
から、自社製品としてのコンテンツ・マネジメント・システム(WEBサイトを構成する文書や画像等の素材を統合
し体系的な管理を可能とするプログラム(以下、CMS))である「infoCMS」を開発し、今日に至っており
ます。
この間、WEBサイト構築及びWEBサイトにかかるサーバ環境の構築整備・システム運用保守にとどまらず、W
EBサイト運用を補助する目的としても利用できる周辺商品である、顧客管理システム「infoCRM」や人工知
能搭載型チャットボットシステム(文章や音声で自動的に返答や会話を行うプログラム)「Q&Ai」、人工知能搭
載型データ解析システム(音声や文章で入力されたデータを自動的に分類・変換・登録を行うプログラム)「Rep
otti」等を開発し、WEBサイトに紐づく様々な課題解決の幅を広げております。
また事業体制としましては、東京本社・大阪支社を営業拠点、福井支社・佐賀支社を開発拠点とし展開する体制を
整備しております。
当社の運営する主たるサービスの内容は、以下のとおりであります。
商用CMSとしてあらゆる企業・団体様において理想的
なWEBサイトの構築が可能。
WEB担当者の業務負担軽減と効果的なWEBマーケ
ティングを実現する高機能・オールインワンパッケージ
のCMSです。
カスタマイズ可能な顧客管理システムで業務の最適化と
顧客満足度の向上を実現。
利用用途にあわせた機能を選択し導入することで、顧客
管理から請求管理まで幅広いシーンで導入可能です。
AI(人工知能)によるテキスト意味理解により、ユー
ザーが求める回答を自動返答するチャットボットアプリ
ケーション。多言語対応も可能で、カスタマーサービス
等のFAQコンテンツや商品紹介、またイントラサイト
の社内ルールFAQコンテンツなど幅広くご利用いただ
けます。
ユーザーが音声や文章で入力したデータをAIが解析
し、「分類・変換・登録」を行うプロセスオートメー
ションソリューションです。AIが適切に意味理解を行
うため、入力された文章を項目ごとに分類し、決められ
た形にアウトプットすることができます。
その他、CMSの周辺製品として、出版社向けWEB・誌面データの一元管理編集システムである「infoPU
BLISHING」やメールに添付できない大容量ファイルを当社のサーバを通してやり取り可能な「infoファ
イル便」、ASPサービス(アプリケーションサービスプロバイダーサービス/インターネットなどを通じて遠隔か
らソフトウエアを利用できるサービス)により提供する、インターネット宿泊予約受付管理システムである
「宿ソリューション」といったサービスも展開しております。
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当社はWEB受託開発・ASPサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませ
ん。セグメントを構成する主要サービスは、(1)infoCMS、(2)infoCRM、(3) Q&Ai、 (4) Rep
otti の4つとなるため、以下に主要サービス別の記載を致します。
(1)infoCMS
CMSは、2005年頃より広く普及してきております。WEBサイトの更新をCMSのない環境において行う場
合、FTP(File Transfer Protocol)でのサーバアクセスを行った上で、専門的な知識
が必要となるマークアップ言語等(HTML(HyperText Markup Language)やCSS
(Cascading Style Sheets))を駆使しての更新作業が必要となるため、専門知識を有す
るエンジニア、あるいは外部専門業者への依頼が一般的でした。そのため従来のWEBサイトの更新には人的なコ
スト、金銭的なコスト、時間的なコストが多く発生し、更新頻度も限られてしまう事が一般的でした。CMSで
は、上記のFTP、HTML、CSSといった専門知識が必要となる処理については全てシステム側で行われるよ
うプログラムが組み込まれており、更新目的となる文章、画像等の情報のみを準備すれば専門知識がなくともワー
ドやエクセル等の一般的なPCの操作経験を有していれば、誰もが容易に更新作業を行うことが可能となります。
当社が提供するinfoCMSにおいては、表示される画面そのままに編集を行うことが可能となるよう、編集
画面の操作性についても更なる工夫がなされた設計となっております。
「編集画面イメージ」
またその他の特徴としては、TDnet(Timely Disclosure Network/適時開示情
報伝達システム)やEDINET(Electronic Disclosure for Investor
s NETwork/金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)連携など
90種類以上の標準機能がオールインワンパッケージとなっており、あわせてPC・スマートデバイスへの対応も一
元管理が可能なため、企業が保有する多種多様なWEBサイトに導入可能です。
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今日におけるCMSには無償で公開されているオープンソース(注)と、有償で提供されるクローズドソース
(注)のCMSが流通しており、当社製品は後者に該当致します。オープンソースのCMSにおいては安価であり
誰でもソースコードを改定できることから拡張機能における自由度は高い反面、ホームページの改ざん、任意のス
クリプト(簡易的なプログラミング言語)が勝手に実行される、偽の画面が表示される、拡張機能自体について安
全面での脆弱性がある等の負の側面がありますが、安価のため、ブログ等の個人利用に適しているものとされてお
ります。一方で当社が提供しているクローズドソースのCMSについては、企業が独自開発しそれ自体を製品化し
ている事が一般的であり、拡張機能等の実装については開発企業が作業することが前提となることから、機能面に
おける自由度はある意味で限られる面はあるものの、安全面での充実度に優れ、当社が市場とみなす企業における
オウンドメディア(自社で有するインターネットを通じたメディア、例:ホームページ、ブログ、フェイスブック
アカウント等)のための商用システムとしては適しているものと考えられております。
(注) オープンソースとは、ソフトウエアのプログラミング言語としての文字列(ソースコード)を無償で公開
しており、誰でも自由に改良・再配布を可能としてあるソフトウエアを指します。
クローズドソースとは、ソフトウエアのプログラミング言語としての文字列(ソースコード)が公開され
ておらず、開発者でなければ修正等を行えないソフトウエアを指します。
また当社の属するWEBインテグレーション(WEBサイトやモバイルサイトの戦略立案、設計・制作から運
用・更新と上流から下流まで全てのソリューション提供を行う業務)市場においては、各々の業務に専門的知見を
要することから、WEB・ITコンサルティング会社、WEBマーケティング・企画会社、WEBデザイン制作会
社、システム開発会社、サーバ保守等サービス提供会社、CMSの開発会社等の各分野のサービス提供会社による
分業制が標準化しております。そのため企業の側において、CMSを導入してWEBサイトを構築・運用するとい
う一連の業務において、複数企業との調整が必要となり、時間・人・金銭を問わず負担コストは多く発生してしま
うことが一般的です。
このような中にあって当社は、WEBサイト構築及びその後の運用保守において必要とされる全ての業務を、当
社のみで完結できるよう、営業人員・プログラマー人員・デザイナー人員・デバッガー人員・WEBディレクター
人員・サポート人員等のあらゆる業種の人員が所属しております。そのため、WEBサイトに必要となる全ての
サービスを、当社のみで一気通貫して提供することが可能となっており、業界における当社の特徴的な優位性であ
るものと認識しております。また自社営業部門による直接契約により顧客及び市場の課題・需要を常に捉え、当社
の開発技術により、解決方法となり得る拡張機能等を開発・提案し、顧客のWEBサイトひいては顧客のオウンド
メディアの拡張・展開・成長につなげております。
CMS事業においては新規導入に際して、WEBサイトの構築代金を受領し、当社CMS上に顧客の要望に沿っ
たWEBサイトを設計・デザイン・構築いたします。WEBサイトの納品後におきましてはCMSの利用期間中、
CMSプログラム及びサーバネットワークの運用保守・維持管理にかかる月額利用料を受領し、CMSの運用
サポート、不具合対応及び顧客依頼に基づく軽微な修正等を行っております。
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このように当社は、高機能な自社開発CMS、顧客需要にあわせた周辺製品の開発をも併せた課題解決力を強み
に、これまで制作したWEBサイトは1,500サイトを超えております。
「業務関係図」
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(2)infoCRM
CRM(Customer Relationship Management)システムは顧客管理システム
の略であり、一般的に顧客との関係を構築・管理するための管理システムの一つとされています。当社が提供する
infoCRMも企業が保有する顧客情報を統合的に管理するシステムではございますが、単に顧客管理に留まら
ず、顧客情報と社員情報を結び付け、SFA(営業支援)機能、サポート業務の支援機能、広報・マーケティング
業務の支援機能等、戦略的な顧客管理の実践に必要とされるあらゆるモジュールがラインナップされた統合型CR
Mシステムとなっております。
WEBサイトからの問い合わせ、資料請求や、受発注(EC)データを顧客情報とともに直接CRM(顧客管理
システム)にデータ連携することにより、情報を一元管理することができます。WEBサイト管理部門のみならず
これらの情報を必要とする営業部門、商品開発部門、広報部門等の各部門は、インターネット上でinfoCRM
にアクセスすることで必要な情報を入手しその後の対応も履歴付きで記録することができます。これらにより相互
の情報共有も行う事が可能となり、WEBサイトをはじめとしたオウンドメディアのより戦略的な運営が可能とな
ります。
「infoCRM活用イメージ」
このようにinfoCRMは顧客情報そのものによって、営業課題の解決につながるシステムとなるのみなら
ず、infoCMSを通じたWEBサイトの運用と連動させることで、企業のオウンドメディアの有効な運用につ
なげることをも可能とするシステムとなっております。
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(3) Q&Ai
Q&Ai は、AI(人工知能)を利用した文章解析とディープラーニングを活用したAIチャットボットです。
従来、WEBサイト訪問者が求める情報を得るには、検索やFAQを参照する必要がありました。期待する情報
を一度で得られない場合はそれがストレスとなる上、再度有人窓口に電話で問合せするなど手間も生じます。そ
のため、顧客獲得のチャンスを逃してしまったり、顧客満足度の低下にもつながったりすることが課題でした。
Q&Ai はWEBサイト訪問者が求める情報を的確かつ柔軟に提供する、進化型のAIチャットボットです。サ
イト訪問者が情報を「探す」というプロセスから、サイト訪問者が求める情報を「提供する」ことへと変化さ
せ、お客様サービスの向上、お客様窓口の担当者の負荷軽減を実現します。
また、 Q&Ai がユーザーの生の声を収集することで、質問のログデータを把握・分析することが可能とな
り、WEBマーケティング分野で活用することができます。
多言語対応も可能で、カスタマーサービス等のFAQコンテンツや商品紹介、またイントラサイトの社内ルー
ルFAQコンテンツなど幅広くご利用いただけます。
「システム構成図」
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(4) Repotti
Repotti は、ユーザーが音声発信したデータの文章解析や意味理解を行い、あらゆる管理システムへの
インプットが可能となるシステムです。
労働人口減少や働き方改革が進んでいる中、企業や団体での業務効率化は最大のテーマとなっています。「 R
epotti 」はユーザーが音声やテキストデータで入力されたコンテンツやデータをAIが解析し、よりタイ
ムリーに、より正確に、より簡単に、お客様の業務管理システム等のデータベースにインプットするプロセス
オートメーションソリューションであり、お客様の業務効率化や生産性向上の貢献に繋がります。
「論理構成図」
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以上に述べた事項の事業系統図は次の通りです。
4【関係会社の状況】
2020年3月31日現在
資本金または 議決権の被所有
名称 住所 主要な事業の内容 関係内容
出資金(千円) 割合(%)
(その他の関係会社)
プライベート・エ
クイティ投資
不動産投資・不動
100,000 45.2
株式会社フォーカス 東京都港区 産仲介 役員の兼任あり
エネルギー事業
再生支援コンサル
ティング
(注) 有価証券届出書または有価証券報告書を提出している会社はありません。
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5【従業員の状況】
(1)提出会社の状況
2020年3月31日現在
従業員数(人) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(千円)
76 37.1 4.9 4,541
従業員数(人)
事業部門の名称
18
営業部
14
プロジェクトマネジメント本部
31
制作開発本部
5
クラウドソリューション部
8
管理部
76
合計
(注)1.従業員数は就業人員であります。
2.平均臨時雇用者数については、従業員数の100分の10未満のため、記載を省略しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.当社は、単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。
(2)労働組合の状況
当社の労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営理念
当社は「すぐれたWEB・IT技術やプロダクトをお客様の成果に寄り添い提供することで人々の生活を豊かに
することを使命とします」という経営理念を掲げております。
CMSを用いたWEB開発のみならずWEB・IT技術を用いて顧客の課題解決に積極的に取り組んでいくこと
で、WEB・IT技術を用いた社会課題の解決につながるものと考えております。
(2)経営戦略等
当社は創業以来、 主に企業のWEBサイト構築及びWEBサイトの運用保守の代行業務を請け負うことで顧客の
オウンドメディアマーケティングの支援を行い顧客の抱える事業課題の解決を行ってまいりました。
今後も自社開発のコンテンツ・マネジメント・システムである「infoCMS」を用いたWEBサイト構築及
びWEBサイトの運用保守の代行業務を主軸としつつ、「Q&Ai」や「Repotti」をはじめとした「in
foCMS」の周辺製品の開発を引続き積極的に進めることで顧客のWEBマーケティングにかかる課題解決の幅
を広げ、積極的に事業領域の拡大を図ってまいります。また同様に、当社製品の周辺領域にかかるソフトウェア・
ツールを有する企業とのアライアンスを強化することで、顧客のWEBマーケティング分野における課題解決の幅
を広げながら、積極的に顧客基盤の強化を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、より高い成長性および収益性を確保する観点から、売上高成長率、営業利益率及びストック収益成長率
を重要な経営指標と捉えております。
(4)経営環境
当社事業の属するWEBインテグレーション市場において2020年度の市場規模は2,200億円(2016年以降平均成
長率14.5%)となっており(出典:株式会社ミック経済研究所「Webインテグレーション&ネット広告プラット
フォーム市場の現状と展望2017年度版」)、当社の経営環境は引き続き良好であります。ただし、2019年度末に発
生した新型コロナウイルスの世界的な蔓延による経済の停滞により、企業の広報活動が抑制され、市場成長性が鈍
化するおそれがあります。
(5)事業上および財務上の対処すべき課題
当社の経営環境は今後成長拡大が予想されており堅調と考えておりますが、以下の5点が今後の事業展開におけ
る対処すべき重要な課題と認識し、解決に向けて取り組んでおります。
① 営業体制の強化
当社のビジネスフローは、受託開発業務及び、ほぼ100%が契約を移行するその後のシステム運用保守業務で
成り立っており、経営基盤の安定強化には顧客基盤の拡大が効果的です。そのためには新規案件の獲得が不可欠
です。営業専属の従業員を持ち合わせる当社において、更なる教育訓練を行うだけでなく、展示会出展やプレス
リリースなど積極的な広報活動を行うとともに、関西圏など営業販路の拡大により新規案件の獲得に努めてまい
ります。
② 開発体制の強化
安定的かつ着実な事業拡大を図る上では、既存顧客の契約を継続することのみならず、案件数等が増加または
案件規模が大型化した場合においても、収益率を高水準に維持し、かつ顧客サービスのパフォーマンスを維持・
向上することが重要です。そのためには、優秀な人材の確保及び開発プロセスの改善、社内におけるノウハウの
共有や教育訓練等が不可欠です。優秀な人材を積極的に採用するとともに、開発プロセスの見直し、社内ノウハ
ウの共有や教育訓練等を通じて、より強固な開発体制の構築に努めてまいります。
③ 自社プロダクトの開発投資
当社は、自社開発のCMSプロダクト「infoCMS」を核にしたWEBサイト構築・保守のワンストップ
サービスを強みに事業展開を行っております。市場ニーズとともに日々技術革新が行われるCMS市場におい
て、新たな機能拡充のための開発を行うだけでなく、WEBマーケティングの観点からAIを活用した新たなプ
ロダクトを開発することで、より市場ニーズに深く食い込む商品力を獲得すべく、努力してまいります。
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④ システムの安定性の確保
当社は、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、システムの安定稼働の確保は必要不可欠となっ
ております。そのため、安定性の高いサービスを提供する上では、顧客のトラフィック等を考慮したサーバー増
設等の設備管理を行っていくことが重要であり、今後も引き続きシステムの安定性確保に取り組んでまいりま
す。
⑤ 内部管理体制の強化
当社は成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のためのコーポレート・ガバナンスの強化が重要な課
題であると考えております。このため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公平性・透明性を確保する
ため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。
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2【事業等のリスク】
当社の事業展開上のリスク要因となる可能性のある主な事項については、以下のようなものがあります。必ずしも
重要なリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要と判断した事項については、投資家に対する
情報開示の観点から積極的に開示しております。当社はこれらのリスクの可能性を考慮した上で、リスクの発生の回
避や分散、または問題が発生した場合の対応について最大限努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、特段の記載のない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、
将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業内容について
① 景気動向及び業界動向の変動による影響
当社の事業はわが国経済の景気動向や企業・団体等のインターネットを通じた広報活動の動向により影響を受
けます。
わが国経済は緩やかな回復を続けておりましたが、2019年度末に発生した新型コロナウイルスの世界的な蔓延
による経済の停滞により、企業の広報活動が抑制され市場成長性が鈍化するおそれがあります。
当社においても受注強化や営業提案力の強化等に取り組んでおりますが、新規需要の減少に伴い、当社の経営
成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 技術革新について
当社の事業領域においては、日々新たな技術や機能が開発されております。当社では常に顧客ニーズに対応
し、CMS市場におけるデファクトスタンダードを目指すべく、積極的な技術開発を行っております。しかしな
がら、当社のこれまでの経験が生かせないような急激な技術革新があり、適時に対応ができない場合、当社の経
営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 業績の季節変動性について
当社はWEBサイト受託開発について、売上計上基準として検収基準を採用しており、顧客である企業あるい
は官公庁等の会計年度の関係により、3月に納品が集中する傾向にあるため、通期の業績に占める第4四半期会
計期間の比重が高くなっております。また、売上高の小さい四半期においては、総製造費用に占める固定費及び
販売費及び一般管理費は、固定費として毎四半期比較的均等に発生するため、営業赤字となることがあります。
そのため、特定の四半期業績のみをもって通期業績見通しを判断することは困難です。
また、大型案件の納品が集中する3月において検収不合格や大幅な追加改修が生じる等、不測の事態が生じた
場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、決算期の異なる顧客の積極的開拓等、季節変動性の緩和を図っていく方針ですが、今後につきまして
も、第4四半期会計期間の偏重傾向は続くことが考えられます。
なお、前事業年度及び当事業年度における四半期別の売上高及び営業利益の構成は、次のとおりであります。
前事業年度
(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
会計期間 会計期間 会計期間 会計期間
通期
(4-6月) (7-9月) (10-12月) (1-3月)
売上高(千円) 168,417 146,608 167,193 362,392 844,611
営業利益(千円) 354 △577 18,298 146,824 164,898
当事業年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
会計期間 会計期間 会計期間 会計期間
通期
(4-6月) (7-9月) (10-12月) (1-3月)
売上高(千円) 122,084 165,308 156,304 322,699 766,396
営業利益(千円) △42,828 △25,548 △24,974 104,381 11,030
(注)売上高には、消費税等は含まれておりません。
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④ 特定の製品への高い依存について
当社の事業は主力製品である「infoCMS」に依存しております。今後も販売の拡大に努めると同時に主
力製品への依存度を下げるため、新規の製品開発を図ってまいりますが、競合会社の新規参入や既存の会社との
競争激化等の何らかの理由により当社の「infoCMS」の優位性が失われた場合には、当社の経営成績及び
財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ プロジェクトの採算性について
当社の受託開発プロジェクトは想定される工数をもとに見積りを作成し管理をしておりますが、見積りの誤り
や作業の遅れ等により超過コストが発生し、プロジェクトの採算悪化が発生した場合、当社の経営成績及び財政
状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 新規製品の開発について
当社は、魅力的な新製品・新サービスの開発による売上高の増加が、今後の企業成長にとっての重要な要素で
あると考えております。そのため、AI関連技術など近年開発された革新的な技術について早期に積極的に取り
組むことを経営戦略の重要な要素と位置づけております。
しかしながら、当該新技術の革新スピードは速く、その技術革新を予測することは極めて難しいため、当社が
常に市場動向を正確に把握し技術革新に適合した魅力的な新製品を適時に開発できるとは限りません。そのた
め、技術革新や市場動向の把握に遅れをとった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり
ます。
(2)事業体制について
① 内部管理体制について
当社は、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施
策を実施しております。また、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有
効に機能するような体制を構築、整備、運用しております。
しかしながら事業規模に応じた内部管理体制の構築に遅れが生じた場合には、当社の財務報告の信頼性に影響
を及ぼす可能性があります。
② 有能な人材の確保・育成について
当社は、自社開発したCMSプロダクトを核にWEBサイト構築・運用保守をワンストップで行う事業を展開
しているため、WEBインテグレーション事業者であると同時にCMSプロダクトのメーカーであると考えてお
ります。優れたCMSプロダクト及びAI等の新規プロダクトを作り運用販売していくためには、継続的に幅広
く優秀な開発及び営業の人材を採用し続けることが重要であると考えております。優れたプロダクトを開発販売
していくためには、柔軟な思考力、論理的分析力、仮説構築力、実行力が必要であり、これら能力を既にある程
度備えた人材の採用、あるいは備えていくであろう成長可能性のある人材の採用及び育成が重要であると考えて
おります。この採用及び育成が十分でない場合に、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありま
す。
③ 小規模組織であることについて
当社は従業員76名(2020年3月31日)と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものとなっており
ます。当社は、今後の急速な事業拡大に応じて従業員の育成や採用を行うとともに業務執行体制の充実を図って
いく方針でありますが、これら施策が適時適切に進行しなかった場合、あるいは役職員が予期せず退社した場
合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 情報セキュリティについて
当社は、第三者による当社のサーバー等への侵入について、ISMS認証取得によるマネジメントプロセスを
導入するほか、ファイヤーウォールや対策機器等のシステム的な対策を施し、かつ専門のエンジニアを配置する
ことにより情報セキュリティ対策強化を推進しております。しかしながら、悪意を持った第三者の攻撃等によ
り、顧客情報及び顧客の有する重要な情報を不正に入手されるといった機密性が脅かされる可能性や、顧客が利
用するサービスの改ざん等のデータの完全性が脅かされる可能性及びサービス自体が提供できなくなる等のシス
テムの可用性が脅かされる可能性は否定できません。このような事態が生じた場合には、当社に対する法的責任
の追及、企業イメージの悪化等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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⑤ システムトラブルについて
当社の事業においては、安定したサービスを提供する必要がありますが、当社のサービスは、プログラム、シ
ステム及びサーバー・通信ネットワークに依存しております。
ユーザーにより良いサービスを提供するため、データベース・サーバー稼働率を高水準で維持し、サービスの
システム監視体制やバックアップ等の対応策をとっておりますが、災害や事故等の発生により通信ネットワーク
が切断された場合、急激なアクセスの増大によりサービスの稼働するサーバーが一時的に動作不能となった場合
及びサーバーハードウェアに不具合が発生した場合には、安定したサービスが提供できなくなる可能性がありま
す。また、社内利用の開発システムにも同様のことがいえます。この場合、一定期間の収益の低下、ユーザーか
らの信用低下及びブランドイメージの毀損及び開発業務の停滞等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を
及ぼす可能性があります。
(3)法的規制について
① 電気通信事業法、個人情報保護法について
当社ではメールアドレス等の多数の個人情報を保有しているため、電気通信事業者として総務省へ届出を行っ
ており、通信の秘密等の保護の義務を課せられております。2007年8月にはISO・ISMSの認証を取得し、
全社的な情報管理・業務フローの適正化の監視監督を担うISO委員会の活動を通じて個人情報保護に関するフ
ローの見直し、従業員教育、システムのセキュリティ強化、個人情報取扱状況の内部監査等を実施し、個人情報
管理の強化に努めております。しかしながら、万が一個人情報保護法の改正に対する完全な対応が遅れた場合や
情報が流出した場合には、当社への損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社の経営成績及び財政状態に重
大な影響を及ぼす可能性があります。
② 当社による権利侵害について
当社は管理部にて、自社の事業活動が他社の知的財産権等を侵害していないかの確認を実施しております。当
社が事業活動を行うプロセスにおいて使用しているシステムは第三者の知的財産権等を侵害するものではないと
認識しております。しかしながら不測の事態、例えば外部に委託した調査の不備により第三者の知的財産権等の
侵害が生じた場合、その紛争の解決のための費用または損失が発生する可能性は否定できないものと認識してお
ります。この場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)風評に関するリスク
① ブランド毀損リスク
当社は、顧客に対するWEBサイトの構築を主たる事業としております。納品前においては、当社内における
品質管理部門のデバッグを実施した後、顧客に納品し、顧客の検収を得ております。仮に顧客のWEBサイトを
めぐって最終利用者と顧客との間にトラブルが生じた場合、当社のブランドイメージが悪化することがありま
す。この場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② レピュテーションリスク
当社を対象として様々な情報が流れることがあります。このような情報については必ずしも事実に基づいてい
ないものもありますが、真偽はともかく、ステークホルダーを含む第三者の行動に結びつく可能性があります。
この場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害等に関するリスク
地震、台風、津波等の自然災害、火災、各種感染症の拡大等が発生した場合、当社の事業運営に深刻な影響を及
ぼす可能性があります。特に大規模な自然災害が発生した場合には正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、
当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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(6 )配当政策について
当社は株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、現時点では、当社は成長過
程にあると考えており、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実を図り、収益基盤の多様化や収
益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながることと考えております。このこと
から、今後においても当面は内部留保の充実を図る方針であります。内部留保資金については、財務体質の強化と
人員の拡充・育成をはじめとした収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に活用する方針であります。
将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を
勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針でありますが、現時点においては配当
実施の可能性及びその実施時期については未定であります。
(7)大株主との関係について
当社は株式会社フォーカス(以下、「同社」という)から出資を受けており、本書提出日現在において同社は当
社発行済株式の45.2%(議決権比率ベース)を保有する大株主であります。
現在においては当社と同社との間に重要な取引関係はありません。
当社は非常勤取締役として事業運営に知見を有する江村真人を同社から招聘しておりますが、出向者の受入れ等
その他の人的関係はありません。
当社は同社の承認を必要とする取引や業務は存在せず、事業における制約もなく、当社の経営方針及び事業戦略
等の重要事項の意思決定において、当社は同社からの独立性・自立性は保たれているものと考えております。しか
しながら将来において、同社における当社株式の保有比率に大きな変動があった場合、あるいは同社の事業戦略が
変更された場合等には、当社の事業展開に影響し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありま
す。
(8)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社では、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士
気を一層高めることを目的として、当社の役職員に対して新株予約権を付与しております。
本書提出日の前月末における新株予約権による潜在株式は167,475株であり、発行済株式1,940,450株の8.6%に
相当します。
これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、当社の株価に影響を及ぼ
す可能性があります。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状
況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、海外経済の堅調な回復を背景として、輸出・生産における増加基調が続
き、堅調に改善を維持する企業収益、それに伴う雇用情勢及び所得環境の着実な改善と個人消費の持ち直し
等、内外需要を背景に景気は緩やかな回復基調を維持したものの、年度末に発生した新型コロナウイルスの世
界的な蔓延により国内外における経済活動の停滞が懸念され、先行きについては不透明な状況が続いておりま
す。
当社の属する国内CMS市場においてはマーケティング・ツールとしてのWEBサイトの重要性が増してき
ていることや、WEBサイトの多言語対応やモバイル・スマートフォン対応を進める企業が増加していること
を背景として国内CMS市場は堅調に推移しました。
このような事業環境の中、当社は自社開発のWEBサイトコンテンツ管理システム「infoCMS」を活
用したWEBサイト構築および構築後のサーバー・システム運用保守などのアフターサポートまでを一貫した
WEB受託開発・ASPサービスを主事業として、その他クラウドホスティングサービス、WEB広告サービ
ス、WEBシステム開発サービス、カタログ・パンフレットデザインサービスなど、企業の広報マーケティン
グ支援を目的とした事業展開を行っており、引き続き積極的な営業活動を推し進め市場シェアの獲得に注力し
てまいりました。さらに前第1四半期会計期間より構築WEBサイトのサービス領域の拡大と当社の事業領域
の拡大を視野に周辺パッケージ商品として人工知能搭載型チャットボットシステム「Q&Ai」の販売を開始
し、WEBサイトに紐づく様々な課題解決の幅を広げております。
これらの結果、当事業年度の売上高は766,396千円(前年同期比9.3%減)、営業利益11,030千円(同93.3%
減)、経常利益6,633千円(同96.1%減)、当期純利益479千円(同99.6%減)となりました。
当事業年度末における総資産は1,044,648千円となり、前事業年度末と比較して345,007千円の増加となりま
した。流動資産は915,434千円となり、前事業年度末と比較して348,265千円の増加となりました。これは現金
及び預金が344,108千円増加したこと等によるものであります。固定資産は129,213千円となり、前事業年度末
と比較して3,258千円の減少となりました。これは繰延税金資産が4,972千円減少したこと等によるものであり
ます。流動負債は130,504千円となり、前事業年度末と比較して103,287千円の減少となりました。これは短期
借入金が36,200千円減少したこと等によるものであります。固定負債は90,093千円となり、前事業年度末と比
較して36,575千円の増加となりました。これは長期借入金が30,668千円増加したこと等によるものでありま
す。純資産は824,049千円となり、前事業年度末と比較して411,719千円の増加となりました。これは有償一般
募集増資に伴い資本金及び資本剰余金がそれぞれ205,620千円増加したこと等によるものであります。
なお、当社はWEB受託開発・ASPサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は
しておりません。
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② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益が6,633千円とな
り、前事業年度と比べ減少したものの(前年同期比96.1 % 減)、株式の発行による収入が409,796千円発生し
たこと等により、前事業年度末に比べ344,108千円増加し、当事業年度末には606,257千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により支出した資金は前事業年度末と比較して198,127千円増加し、46,762千円となりました。こ
れは主に、税引前当期純利益が6,633千円が計上されたことに加え、前払費用の増加額11,036千円、法人税等
の支払額76,568千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は前事業年度末と比較して5,235千円減少し、8,055千円(同39.4%減)となり
ました。これは有形固定資産の取得による支出8,055千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は前事業年度末と比較して408,195千円増加し、398,926千円となりました。こ
れは主に、株式の発行による収入409,796千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社の提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b 受注実績
当事業年度における受注実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
サービスの名称
受注高(千円) 前年同期比(%) 受注残高(千円) 前年同期比(%)
501,372 105.9 187,808 190.5
受託開発サービス
501,372 105.9 187,808 190.5
合計
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.月額利用料サービスとして収受するサービスについては、受注実績の記載になじまないため、上記の金額に
は含めておりません。
3.当社は単一セグメントであるためサービス別に記載しております。
c 販売実績
当事業年度における販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
サービスの名称
販売高(千円) 前年同期比(%)
398,497 77.1
受託開発サービス
367,899 112.3
月額利用料サービス
766,396 90.7
合計
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合
が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
3.当社は単一セグメントであるためサービス別に記載しております。
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(2 )経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、
文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績は、売上高は766,396千円、営業利益11,030千円、経常利益6,633千円、当期純利
益479千円となりました。
上記の他、当事業年度における経営成績の前事業年度との比較分析については、「(1)経営成績等の状況の概
要①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当事業年度における現金及び現金同等物は、税引前当期純利益が6,633千円となり、前事業年度と比べ減少
したものの(前年同期比96.1 % 減)、株式の発行による収入が409,796千円発生したこと等により、前事業年
度末に比べ344,108千円増加し、当事業年度末には606,257千円となりました。
上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、 「(1)経営成績等の状況の概要
②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資金需要の主なものは、運転資金、法人税等の支払、借入金の返済等であり、その資金の源泉といた
しましては、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、株式の発行等により、必要とする資
金を調達しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積
りによって作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・
負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りにつ
いては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性がある
ため、これらの見積りと異なる可能性があります。財務諸表の作成にあたっては、特に以下の事項は、経営者の
会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、提出日現在において新型コロナウイルス感染症の終息時期などを想定することは困難であるものの、当
社の事業計画の進捗状況等の情報に基づき検討し、同感染症による当社収益における通期への影響は一定期間に
わたり継続すると仮定して当事業年度の会計上の見積りを行っております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対
して評価性引当金を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタック
ス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計
上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した
場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性がありま
す。
(受注損失引当金)
業務委託契約に基づくWEBサイト受託開発のうち、将来の損失が見込まれ、かつ当該損失額を合理的に見積
ることが可能なものは、発生が見込まれる損失額を計上しております。ただし、契約時には予見不能な事象の発
生やプロジェクト案件の進捗状況及び採算性等によって損失額が大きく変動する可能性があります。
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4【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
5【研究開発活動】
当社は、使いやすい・高機能・高セキュアを特徴としたCMSプロダクトである「infoCMS」を核に様々な
パッケージシステムを保有し、バージョンアップのための研究開発に取り組んでおります。社内体制は、CMSプロ
ダクト開発チームとAIプロダクト開発チームの2ライン制をとっており、データベーススペシャリスト、情報セ
キュリティスペシャリストといった専門性の高い国家資格有資格者をはじめとした経験豊富なメンバーを中心に研究
開発を行っております。
当事業年度における当社が支出した研究開発費の総額は 11,425 千円であります。
研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1)CMSプロダクト
現行のinfoCMS9からinfoCMS10へのメジャーバージョンアップに向けた研究開発を実施し、
2019年5月にリリースいたしました。WEBアクセシビリティに幅広く対応するための各種管理機能、顧客のWE
Bガバナンスにより柔軟に対応するためのシステム操作証跡管理機能など、管理機能拡充に重点を置きながら、よ
り使いやすいシステムになるようユーザーインターフェースの見直しを行っております。
(2)AIプロダクト
① Q&Ai
当社は2018年2月に、AI(人工知能)を活用した進化するチャットボット「Q&Ai」をリリースいたしま
した。当事業年度においては、当初の新規プロダクト開発計画に則り、チャットによる問い合わせをオンライン
上で人間が対応するためのヒューマンインターフェース機能及び音声返答機能、Q&Ai設置サイト内のデータ
を自動で集積するサイトクローリング機能を開発いたしました。
② Repotti
当社は、2019年12月に、音声・テキスト解析 AI プラットフォームRepotti(レホ