櫻護謨株式会社 有価証券報告書 第160期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
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櫻護謨株式会社(E01107)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2020年6月29日
【事業年度】 第160期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
【会社名】 櫻護謨株式会社
【英訳名】 SAKURA RUBBER CO., LTD.
【代表者の役職氏名】 取締役社長 中 村 浩 士
【本店の所在の場所】 東京都渋谷区笹塚一丁目21番17号
(上記は登記上の本店所在地であり、本社業務は下記「最寄りの連
絡場所」において行っております。)
【電話番号】 東京(03)3466―2171(代表)
常務取締役総務部長 遠 藤 聡
【事務連絡者氏名】
【最寄りの連絡場所】 東京都渋谷区笹塚一丁目48番3号
【電話番号】 東京(03)3466―2171(代表)
常務取締役総務部長 遠 藤 聡
【事務連絡者氏名】
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
回次 第156期 第157期 第158期 第159期 第160期
決算年月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月
売上高 (千円) 10,448,743 9,811,126 10,392,443 10,449,033 14,347,245
経常利益 (千円) 875,024 910,479 808,080 697,882 1,104,348
親会社株主に帰属する
(千円) 602,463 566,025 567,520 427,973 675,703
当期純利益
包括利益 (千円) 446,553 611,520 561,285 319,046 665,327
純資産額 (千円) 5,357,238 5,918,484 6,374,349 6,612,585 7,219,735
総資産額 (千円) 12,892,443 13,025,807 13,258,159 13,844,120 15,857,576
1株当たり純資産額 (円) 544.24 601.42 6,548.77 6,834.05 7,461.69
1株当たり当期純利益 (円) 61.05 57.51 577.01 441.08 698.34
潜在株式調整後
(円) ― ― ― - -
1株当たり当期純利益
自己資本比率 (%) 41.6 45.4 48.1 47.8 45.5
自己資本利益率 (%) 11.7 10.0 9.2 6.6 9.8
株価収益率 (倍) 5.7 7.3 9.0 12.7 6.2
営業活動による
(千円) 19,849 430,218 552,864 365,607 1,043,809
キャッシュ・フロー
投資活動による
(千円) △ 445,207 △ 127,423 △ 319,596 △ 287,690 △ 607,054
キャッシュ・フロー
財務活動による
(千円) 562,868 △ 393,982 △ 197,432 △ 191,931 △ 47,073
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物
(千円) 2,104,454 2,013,267 2,049,101 1,935,087 2,324,769
の期末残高
従業員数 (名) 331 348 347 342 360
(注) 1 売上高には、消費税等は含まれておりません。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載しておりません。
3 2018年10月1日付で普通株式10株につき1株の割合で株式併合を行っております。第158期の期首に当該株
式併合が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
4 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第159期の期
首から適用しており、第158期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の
指標等となっております。
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(2) 提出会社の経営指標等
回次 第156期 第157期 第158期 第159期 第160期
決算年月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月
売上高 (千円) 9,662,824 8,932,354 9,454,405 9,782,010 13,602,928
経常利益 (千円) 761,758 830,947 738,002 674,232 1,002,860
当期純利益 (千円) 529,590 528,268 534,773 435,074 626,455
資本金 (千円) 506,000 506,000 506,000 506,000 506,000
発行済株式総数 (株) 10,120,000 10,120,000 10,120,000 1,012,000 1,012,000
純資産額 (千円) 5,081,003 5,581,509 6,008,357 6,333,189 6,898,683
総資産額 (千円) 12,030,747 12,138,739 12,380,056 12,981,687 14,757,997
1株当たり純資産額 (円) 516.18 567.17 6,172.77 6,545.30 7,129.88
1株当たり配当額
5 5 5 60 70
(内1株当たり (円)
( ―) ( ―) ( ―) ( -) ( -)
中間配当額)
1株当たり当期純利益 (円) 53.67 53.67 543.72 448.40 647.45
潜在株式調整後
(円) ― ― ― - -
1株当たり当期純利益
自己資本比率 (%) 42.2 46.0 48.5 48.8 46.7
自己資本利益率 (%) 10.9 9.9 9.2 7.1 9.5
株価収益率 (倍) 6.4 7.8 9.6 12.5 6.6
配当性向 (%) 9.3 9.3 9.2 13.4 10.8
従業員数 (名) 297 307 305 299 317
株主総利回り (%) 87.3 106.7 133.3 145.0 113.9
(比較指標: (%) ( 93.4 ) ( 127.9 ) ( 153.8 ) ( 144.5 ) ( 111.4 )
東証第二部株価指数)
5,960
最高株価 (円) 410 427 618 7,800
[580]
5,430
最低株価 (円) 306 313 377 4,280
[486]
(注) 1 売上高には、消費税等は含まれておりません。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載しておりません。
3 最高株価及び最低株価は、東京証券取引所市場第二部におけるものであります。
4 2018年10月1日付で普通株式10株につき普通株式1株の割合で株式併合を行っております。第158期の期首
に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
また、株主総利回りについては、第156期の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、算定しております。
なお、第158期の1株当たり配当額につきましては、当該株式併合前の実際の配当額を記載しております。
5 2018年10月1日付で普通株式10株を1株とする株式併合を行っているため、第159期の株価については株式
併合後の最高株価及び最低株価を記載し、株式併合前の最高株価及び最低株価は [ ] にて記載しておりま
す。
6 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第159期の期
首から適用しており、第158期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の
指標等となっております。
7 2019年3月期の1株当たり配当額は、創立100周年記念配当10円を含んでおります。
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2 【沿革】
1918年5月 櫻護謨株式会社設立、各種ゴム製品製造を目的とする。
戦時中 陸、海軍軍需工場に指定。
1943年8月 事業目的に航空機部品の製造加工及び販売を追加。
1943年12月 名古屋工場新設。
1945年5月 本社工場、東京大空襲で全焼。
1946年5月 本社工場復旧。
1950年12月 「桜ファイヤーホース」の特許登録。
1954年7月 事業目的に消防機器の製造及び販売を追加。
1955年6月 航空機用ホース並びにゴム部品に対する航空事業法による運輸大臣仕様承認書の交付をうけ業
界唯一の指定工場となる。
1962年6月 米国エスターライン・カークヒル・ラバー社と技術提携、「航空機用ダクト類」の生産開始。
1964年3月 東京証券取引所市場第二部に上場。
1964年10月 米国クレイン・レジストフレックス社(現 パーカーハニフィン・ストラトフレックス社)と
技術提携、「航空機用PTFEホース」の生産開始。
1969年9月 中野工場新設。
1970年1月 本社工場に高圧ゴムホースJIS表示の許可。
1972年4月 工場再配置促進法の趣旨により工場の集約を決定し、栃木県大田原市に工場用地を取得。
1973年4月 大田原製作所第一期工事竣工。
1974年10月 本社新社屋竣工。
1974年11月 名古屋工場を大田原製作所へ移転集約。
1975年11月 大田原製作所第二期工事竣工。本社工場を大田原製作所へ移転集約。
1976年6月 桜ホース株式会社設立。(現 連結子会社)
1977年3月 大田原製作所第三期工事竣工。中野工場を大田原製作所へ移転集約。
1978年9月 米国クレイン・レジストフレックス社(現 パーカーハニフィン・ストラトフレックス社)と
技術提携、「ダイナチューブ・フィッティング」の生産開始。
1978年10月 株式会社二十一世紀設立。(現 連結子会社)
1978年11月 本社工場跡地に笹塚ショッピング・モール竣工オープン。
1982年10月 米国エスターライン・カークヒル・ラバー社と技術提携、「インフレイタブルシール」の生産
開始。
1989年5月 米国パーカーハニフィン・ストラトフレックス社と技術提携「航空機用ライトウェートラバー
ホース」の生産開始。
1989年7月 神奈川工場新設。
1989年7月 株式会社サクラフローシステムズ(現 櫻テクノ株式会社)設立。(現 連結子会社)
1990年1月 米国ボーイング社の複合材工程認定合格。
1996年3月 米国エスターライン・カークヒル・ラバー社と技術提携し「民間航空機用シール」の生産開
始。
1999年2月 品質システム国際規格「ISO9001」の認証を取得。
2011年4月 株式会社川尻機械設立。(現 連結子会社)
2016年9月 日本エス・エイ・エス株式会社設立。(現 連結子会社)
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3 【事業の内容】
当社グループは、当社、連結子会社5社の計6社で構成されており、消防・防災事業、航空・宇宙、工業用品事
業、不動産賃貸事業を展開しております。
当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであり
ます。
(消防・防災事業)
主に、当社、桜ホース㈱並びに日本エス・エイ・エス㈱において、消防ホース、消防用吸管、防災救助資機材、労
働安全機器などの製造販売を行っております。
(航空・宇宙、工業用品事業)
主に、当社、櫻テクノ㈱並びに㈱川尻機械において、航空・宇宙関連部品、金属部品、ダクト、複合材、石油関連
ゴム製品、建築土木関連ゴム製品及びゴム製品等製造用金型などの製造販売と防水工事、その他土木・建設工事の施
工を行っております。
(不動産賃貸事業)
当社及び㈱二十一世紀において、主に笹塚ショッピング・モールの賃貸、運営を行っております。
事業の系統図は次のとおりであります。
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4 【関係会社の状況】
議決権の
資本金又は
所有(被所有)割合
主要な事業
名称 住所 出資金 関係内容
の内容
被所有
所有割合
(千円)
(%)
割合(%)
(連結子会社)
東京都 役員の兼任 3名
消防・防災
桜ホース㈱ (注)2、3 30,000 100 ―
事業
渋谷区 消防防災機器の販売
東京都 不動産 役員の兼任 2名
㈱二十一世紀 15,000 100 ―
渋谷区 賃貸事業 賃貸不動産の管理運営
役員の兼任 2名
航空・宇宙
神奈川県
工業用高圧ホースの組
櫻テクノ㈱ (注)2 70,000 、工業用品 100 ―
綾瀬市 立販売及び土木資材の
事業
販売・工事
航空・宇宙
東京都
㈱川尻機械 10,000 、工業用品 100 ― 金型の設計製造販売
江戸川区
事業
東京都
消防・防災 労働安全機器の輸入・
日本エス・エイ・エス㈱ 10,000 100 ―
事業 販売、並びに保守点検
渋谷区
(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2 特定子会社であります。
3 桜ホース㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超
えております。
主要な損益情報等 ① 売上高 5,436,458千円
② 経常利益 56,302 〃
③ 当期純利益 33,373 〃
④ 純資産額 345,775 〃
⑤ 総資産額 2,007,136 〃
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5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2020年3月31日 現在
セグメントの名称 従業員数(名)
消防・防災事業
334
航空・宇宙、工業用品事業
不動産賃貸事業 13
全社(共通) 13
合計 360
(注) 1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出
向者を含む就業人員数であります。
2 従業員数には嘱託社員を含めております。
3 当社グループは、同一の従業員が消防・防災事業及び航空・宇宙、工業用品事業の両事業に従事している場
合が多いため、従業員数について区分記載しておりません。
(2) 提出会社の状況
2020年3月31日 現在
従業員数(名) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(千円)
317 41.8 16.9 5,874
セグメントの名称 従業員数(名)
消防・防災事業
304
航空・宇宙、工業用品事業
不動産賃貸事業 ―
全社(共通) 13
合計 317
(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
2 従業員数には嘱託社員を含めております。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4 当社は、同一の従業員が消防・防災事業及び航空・宇宙、工業用品事業の両事業に従事している場合が多い
ため、従業員数について区分記載しておりません。
(3) 労働組合の状況
当社の労働組合は、何れの上部団体にも属さず中正穏健であって、会社と極めて円満な労使関係を持続しており
ます。尚、連結子会社に、労働組合はありません。
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第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1)経営方針及び目標とする経営指標
当社グループは、顧客第一の精神に徹し「顧客に満足される製品(もの)作り」、「正確な仕事で品質保証」を
実践することにより広く社会に貢献することを経営理念として事業を行っております。
目標とする経営指標は、持続的な成長と企業価値の向上という観点から「連結売上高経常利益率8%以上の維
持」としており、投資効率の向上と安定的な収益の確保を目指しております。
(2)経営環境及び対処すべき課題
今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響に対し、政府の緊急経済対策などによる下支えは期待さ
れるものの、国内外の感染症収束の見通しが立たない限り、厳しい状況で推移することが予想されます。
当社グループといたしましても、感染症の影響による事業活動の制限や、お客様の予算・生産など各種計画が大
幅に変更される可能性もあり、当面の見通しは極めて困難な状況にありますが、提案型営業による需要の創出、ス
ピーディーな新製品の開発、生産リードタイムの短縮と在庫回転の良化によるコストダウン、働く環境の改善によ
る効率化などを推進し、引き続き安心・安全な社会の維持に貢献してまいります。
消防・防災事業では、大型化が進む自然災害に対し、人命の救助、社会インフラの安全確保に特化した救助資機
材や特殊車両のニーズが益々高まっております。商材を充実化し、お客様のニーズを的確にとらえた提案・開発を
行い、新規需要を取り込んでまいります。また、消防ホースについては、新製品開発と新工法確立を同時に推し進
め、収益力の向上を図ってまいります。
航空・宇宙、工業用品事業のうち航空・宇宙部門では、民間航空機や宇宙分野の需要拡大を最大限に取り込むべ
く各種施策を実施してまいりました。今般、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内外の航空会社並び
に航空機産業は厳しい経営環境下に晒されていることから、当社グループにおいてもシール材など民間航空機用製
品に関しては急激な受注の減少が予想されますが、中長期的には民間航空機用製品の需要は回復するものと判断し
ており、当社グループの製品が引き続き採用されるよう資材調達の最適化と生産工程の改善を進めてまいりま
す。
また、宇宙分野の民間利用が国内外で拡大しておりますが、多品種小ロットによる納入が求められるこの分野
で、当社グループに蓄積したノウハウを活かしニーズに応じた新製品の開発と、新製造方法の研究によるコストダ
ウンを進め、受注の拡大に努めてまいります。
工業用品部門では、国内の老朽化が進む社会インフラ設備に対し改修補強工事向けの優れた商材の開発と付帯工
事の一体的な受注を図り、社会的課題の解決の一役を担う事業を進めてまいります。
不動産賃貸事業においても、当面の間、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、同事業の中核である商業
施設の休業要請対応や営業時間短縮などの施策が必要な状況にありますが、テナント様と連携し周辺地域社会に貢
献する営業を続けてまいります。
これらにより、経営全般の効率化を図り、強固な経営基盤の確立と持続的な成長に向けて当社グループの総力を
傾注し、さらなる企業の発展を目指しグループ一丸となって邁進してまいります。
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2 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの経営成績、財
政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のと
おりであります。
(1) 原材料価格の高騰
当社グループは、石油化学製品や金属素材を主な原材料とする製品を製造しております。原油価格や金属素材価
格の変動に対しては、資材調達時のロット購入や適切な在庫管理によるコストダウンを図っておりますが、これら
の価格の急激な高騰は販売価格への転嫁にも限界があり、原価の上昇や支払代金の増加など経営成績及び財政状態
に影響を与える可能性があります。
(2) 製品の欠陥
当社グループは、国内及び海外の品質基準により製品の製造を行い、全ての製品につき欠陥が発生しないように
万全の品質保証体制を整えておりますが、重大な品質不良、品質事故が発生した場合、追加コストの発生や製品評
価の低下による取引高の減少など、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) 大規模自然災害リスク並びに今般の新型コロナウイルス感染症拡大
当社グループは、災害リスク等に対して、リスク管理規定並びに防災計画を整備し、想定外の事象を極力排除し
対策を実施しております。しかしながら、ひとたび大規模災害等が発生した場合、従業員の心身へのダメージや、
事業拠点・生産設備の損壊・閉鎖などによる直接的影響、社会インフラの不安定化に伴う受注量の大幅減、原材料
の調達難、物流機能の低下など間接的影響により、甚大な損害が発生し事業の継続を困難にする可能性がありま
す。
なお、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に対しては、従業員並びに関係者の感染リスク軽減を最優先事項
として、十分に安全を確保した体制のもと事業活動を行っております。現時点で新型コロナウイルス感染症が今後
の経営成績に与える主な影響として、民間航空機用シール材の需要減、賃貸商業施設の休業要請に伴うテナント様
への賃料減免支援による一定程度の売上高減少を想定しております。
(4) 情報セキュリティについて
当社グループは、自社の技術・営業・その他事業に関する機密情報を保有し、また、取引先等の機密情報に接す
ることがあります。最新のセキュリティ環境によるシステムやネットワークの構築と、情報セキュリティポリ
シー、リスク管理等の諸規定に基づく情報利用を徹底し、情報漏洩防止について対策しておりますが、サイバー攻
撃による情報漏洩、昨今の在宅勤務体制の強化に伴う負の影響として情報拡散が発生した場合、取引の中断や停
止、当社グループの有形無形を問わない財産を毀損する可能性があります。
(5) 人材の確保について
当社グループは、事業活動と持続的な成長にあたり、研究開発部門の技術者、製造部門の熟練技能者をはじめ、
品質管理、販売、調達並びに経営管理の各部門の業務遂行とマネジメントなどに有能な人材の確保が不可欠であ
り、定期的な人材の採用と育成に努めております。企業間の人材獲得競争が激しくなるなど人材の確保が困難な状
況となった場合、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。
(6) 知的財産権について
当社グループは、事業活動に関連する有用な知的財産権の取得並びに保護に努めております。その知的財産権に
ついて訴訟やクレーム等の問題が発生した場合、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。
(7) 為替・金利変動リスク
当社グループは、外貨建の輸入取引に係る為替や資金調達に係る金利など、市況変動の影響を受ける取引をして
おります。為替変動に対しては為替予約などの利用、金利変動に対しては金利の固定化や金利スワップなどの利用
により、それぞれ一定の範囲内で変動リスクを低減する取引を行っておりますが、短期及び中長期の予測を超えた
市況変動があった場合、為替決済代金や金利支払額の増加などにより経営成績及び財政状態に影響を与える可能性
があります。
(8) 固定資産の減損
当社グループは、工場や賃貸用不動産など多くの固定資産を事業に活用しております。中長期的な視点による経
営管理のもと固定資産を評価しておりますが、今後、事業環境が大幅に悪化した場合、減損損失が発生し、経営成
績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9) 退職給付制度について
当社グループの退職給付制度は、主として確定給付型企業年金制度を採用しております。退職給付債務及び退職
給付費用は、合理的な見積に基づく基礎率の設定と数理計算を行っておりますが、年金資産の運用状況の急激な悪
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化や従業員の就業環境等に変化があった場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月29日)現在において、当社グループが
判断したものであります。
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3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、国内の消費税増税や自然災害の影響、海外の貿易摩擦激化の影響に加
え、第4四半期以降、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、ヒトとモノの移動は制限され、景気減速
感は急速に強まるとともに、先行きにつきましても予断を許さない状況となっております。
このような状況のもと当社グループといたしましては、お客様に満足される製品・サービスの提供により、安
心・安全な社会の維持に貢献するべく、消防・防災事業、航空・宇宙、工業用品事業、不動産賃貸事業の各事業活
動を行ってまいりました。
当連結会計年度におきましては、消防・防災事業の増収が大きく寄与し、過去最高の連結売上高を達成すること
ができました。利益面につきましては、当期に実施した本社事務所移転に伴う一時費用並びに賃借料の増加、ま
た、人員増加に伴う人件費の増加などがあったものの増収効果は大きく、増益となりました。
なお、第4四半期以降の新型コロナウイルス感染症拡大に関しては、従業員並びに関係者の感染リスク軽減を最
優先事項として、十分に安全を確保した体制のもと事業活動を行ってまいりました。感染症拡大が当社グループの
経営成績に対して与える影響は、当連結会計年度において特段ありません。
その結果として、 売上高は14,347百万円 (前期比 37.3%増 )、 営業利益1,138百万円 (前期比 56.9%増 )、 経常利
益1,104百万円 (前期比 58.2%増 )、 親会社株主に帰属する当期純利益675百万円 (前期比 57.9%増 )となりまし
た。
当連結会計年度における報告セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(消防・防災事業)
大型化が進む自然災害に対応する救助資機材や特殊車両と、一年延期とはなりましたが東京オリンピック・パラ
リンピックの円滑な開催に向けた安全対策資機材の販売が増加した結果、 売上高9,519百万円 (前期比 88.9%増 )、
セグメント利益(営業利益)は1,132百万円 (前期比 460.7%増 )となりました。
(航空・宇宙、工業用品事業)
航空・宇宙部門では、納期の端境期を迎えた結果、エンジン用部品など金属加工製品の販売が大きく減少しまし
た。工業用品部門では、タンクシールなど工業用ゴム製品は微減となったものの、子会社における金属加工品の販
売は増加しました。
その結果、航空・宇宙、工業用品事業の 売上高は4,333百万円 (前期比 12.0%減 )、 セグメント利益(営業利益)
は422百万円 (前期比 47.9%減 )となりました。
(不動産賃貸事業)
従来、福利厚生施設として使用していた物件について、当期中に賃貸不動産として事業に組み入れた結果、売上
高は増加しました。一方、同物件の賃貸不動産化にあたり改装費用を計上し、既存物件の定期修繕も含め修繕費が
大幅に増加しました。
その結果、 売上高は494百万円 (前期比 1.5%増 )、 セグメント利益(営業利益)は34百万円 (前期比 66.7%減 )
となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産残高は 11,089百万円 となり、前連結会計年度末に比べ 1,610百万円の増加 となりま
した。主として、電子記録債権が554百万円減少した一方、現金及び預金が389百万円、受取手形及び売掛金が
1,400百万円、棚卸資産が389百万円それぞれ増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産残高は 4,768百万円 となり、前連結会計年度末に比べ 402百万円の増加 となりまし
た。主として、有形固定資産が326百万円、投資その他の資産が77百万円それぞれ増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債残高は 5,896百万円 となり、前連結会計年度末に比べ 1,045百万円の増加 となりまし
た。主として、支払手形及び買掛金が1,068百万円増加したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債残高は 2,741百万円 となり、前連結会計年度末に比べ 360百万円の増加 となりまし
た。主として、長期借入金が309百万円、社債が60百万円、それぞれ増加したことによるものです。
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(純資産)
当連結会計年度末の純資産残高は 7,219百万円 となり、前連結会計年度末に比べ 607百万円の増加 となりました。
主として、利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益による675百万円の増加と剰余金処分による58百万円の
減少、その他の包括利益累計額においては、主として、その他有価証券評価差額金が8百万円減少したことによる
ものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より 389百万円
増 の 2,324百万円 となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、 1,043百万円の資金の増加 (前期は 365百万円の資金の増加 )となりまし
た。これは、主として税金等調整前当期純利益1,083百万円に対し、減価償却費271百万円、仕入債務の増加額
1,068百万円などの資金増加要因と、売上債権の増加額845百万円、たな卸資産の増加額389百万円、法人税等の支
払額263百万円などの資金減少要因によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、 607百万円の資金の減少 (前期は 287百万円の資金の減少 )となりまし
た。これは、主として有形固定資産の取得による支出582百万円などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、 47百万円の資金の減少 (前期は 191百万円の資金の減少 )となりまし
た。これは、主として社債及び借入金による収支30百万円の増加、配当金の支払額57百万円などによるものです。
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④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 生産高(千円) 前期比(%)
消防・防災事業 1,673,210 +13.9
航空・宇宙、工業用品事業 3,985,892 △11.0
合計 5,659,102 △4.9
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 受注高(千円) 前期比(%) 受注残高(千円) 前期比(%)
消防・防災事業 9,339,959 +80.8 57,410 △75.8
航空・宇宙、工業用品事業 3,849,302 △14.0 2,917,732 △14.2
合計 13,189,261 +36.8 2,975,143 △18.2
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 販売高(千円) 前期比(%)
消防・防災事業 9,519,534 +88.9
航空・宇宙、工業用品事業 4,333,212 △12.0
不動産賃貸事業 494,498 +1.5
合計 14,347,245 +37.3
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
前連結会計年度 当連結会計年度
相手先
販売高(千円) 割合(%) 販売高(千円) 割合(%)
官公庁 1,503,273 14.4 3,495,055 24.4
川重商事㈱ 1,147,831 11.0 - -
(注) 当連結会計年度の川重商事については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
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(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、前期比で増収増益となりました。増収効果により利益率も改善
し、営業利益率 7.9% (前期 6.9% )、経常利益率 7.7% (前期 6.7% )となりましたが、当社グループの目標とする
経営指標「連結売上高経常利益率8%の維持」は未達成となりました。
目標未達成の要因として、前期比 37.3%増 となった売上高に比べ、売上原価が前期比 43.8%増 と、上昇したこと
が挙げられます。これは、当社グループの各セグメントの事業構造の違いによるものであります。当期に売上高を
大きく伸ばした消防・防災事業における販売品目は、消防ホースなどの自社製品のほか、外部メーカーの資機材や
外部協力工場を利用して製造する特殊車両を取り扱い、他のセグメントに比べ原価率は高くなる傾向にあります。
そのほかの要因として、本社事務所移転に伴う賃借料や人員増強に伴う人件費など固定費増加要因も多く、コス
ト管理について今後も十分に注視していく必要性を認識しております。
営業外損益並びに特別損益に、経営成績に対し著しい影響を与えるものはありませんでした。
税金費用については、税効果会計適用後の法人税等の負担率が37.7%となり、法定実効税率に対し7.7%乖離し
ておりますが、これは増益により留保金課税部分が増加したことが主な要因であります。
収益・費用ともに増加要因はあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益は、売上高に対する純利益率
4.7%(前期4.1%)、自己資本利益率(ROE)9.8%(前期6.6%)と各利益率は前期に比べ良化し、当期の経営
成績は十分に成果が得られたものと認識しております。
報告セグメントごとの営業利益までの経営成績については次のとおりであります。
(消防・防災事業)
当期は、東京オリンピック・パラリンピック開催に必要とされる安全対策資機材の販売増加が大きく寄与しまし
た。オリンピック等の開催は延期となったものの、関係各方面の準備段階で当社グループの受注と販売は概ね終了
しており、オリンピックの関連売上高は当期の一過性要因であります。これまで営業活動に注力してきました自然
災害対応の救助資機材や特殊車両の販売増加とあわせて当期の増収効果は大きく、セグメント営業利益率は 11.9%
(前期 4.0% )となりました。当期における当社グループ全体の経営成績が向上する主因となっております。
(航空・宇宙、工業用品事業)
航空・宇宙部門では、エンドユーザーの調達計画において調達機体数が減少しており、官需向け大型機のエンジ
ン部品及び配管類の売上高が大きく減少しております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、今後、民
間航空機の需要減とともに当社グループの航空機向けシール材などの急激な受注減が予想されますが、当期の経営
成績への影響は特段ありません。
工業用品部門では、既存製品の販売に大きな変動はありませんが、お客様ニーズに応えるべく、子会社において
金型製造に加え製造設備用金属加工部品の取扱いを拡大しており、経営成績に寄与しております。
セグメント営業利益率 は 9.8% (前期 16.4% )と前期から悪化しております。
当期は、前期から継続して外注費を抑制し内製化による付加価値の向上と、利益率の低下した製品の取扱いを終
了するなどコスト改善を実施しましたが、売上高の減少に伴う固定費吸収力の低下、設備更新に伴う減価償却費の
増加、また、取扱い終了製品に対する棚卸評価減などの影響により営業利益率は低下しております。
(不動産賃貸事業)
当事業の主たる収益は、当社の本店所在地に隣接する商業施設の固定賃料並びに歩合賃料収入であり、商業施設
全体の販売促進活動をテナント様と一体となり実施しております。(1)経営成績等の概要①経営成績の状況に記
載のとおり、当期に福利厚生施設を改装し賃貸住宅として事業に組み入れ収益力を向上させましたが、改装に伴う
修繕費や減価償却費も増加しております。また、オープンから40年以上経過した商業施設の修繕費も当期において
は多額となりました。その結果、セグメント営業利益率は 7.0% (前期 21.4% )と悪化しておりますが、修繕費
は、年度ごとの多寡により同事業の経営成績に与える影響は大きいものの、周辺地域社会に貢献するため、単年度
損益を過度に追及せず中長期的な視点に基づき実施することが必要と判断しております。
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② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(流動資産)
主要な科目残高の前期比は、現金及び預金118.5%、売上債権117.5%、棚卸資産115.8%となり、それぞれ安定
した水準で推移しております。
売上債権は、例年、消防・防災事業の販売が顧客予算との関連性から年度後半に集中するため、期末の残高が増
加する傾向にあります。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う債権回収の遅延や貸倒リスクの上昇は現時
点で特段ありません。
棚卸資産は、在庫回転の良化に向けて対処しておりますが、材料価格や人件費の上昇に伴い在庫単価も上昇して
おり、棚卸資産残高が増加する結果となっております。
(固定資産)
有形固定資産の当期投資額は614百万円(建設仮勘定を除く)となりました。当期の減価償却費271百万円に対
し、投資額が大きく超過しております。これは、設備更新投資に加え、本店隣接地の土地取得や不動産賃貸事業組
み入れのため建物の改装を実施した結果であり、中長期的な投資として適切であると判断しております。
(流動負債、固定負債)
支払手形及び買掛金残高は前期比159.2%となりました。売上債権と同様に、消防・防災事業の販売取引が年度
後半に集中することと相関して購買取引も増加するため、結果として支払手形及び買掛金残高が増加しておりま
す。
資金調達関連として、社債及び借入金の合計残高は前期比101.0%となりました。当期は土地取得など固定資産
投資に関する支出が増加しましたが、現金及び預金残高は一定水準に保持しており、有利子負債残高についても前
期比同水準に維持しております。
(純資産)
当期の経営成績、内部留保とのバランスを考慮した配当の実施により、株主資本残高は前期比109.0%となりま
した。また、その他の包括利益累計額については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により株式市況の悪化も
ありましたが、著しい変動はありません。
自己資本比率は 45.5% (前期 47.8% )と前期に比べ若干の悪化となっておりますが、経営基盤の安定性は引き続
き確保しているものと判断しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動による資金収入の範囲内で設備投資支出や配当支払いなど財務支
出を実施しております。その結果、現金及び現金同等物の残高は前期比120.1%となり、当社グループの月商2か
月分程度の資金残高を保持し、資金の流動性は十分に確保しているものと判断しております。
資金調達については、金融機関からの借入を基本としております。調達した資金は自己資金とあわせ、原材料や
商品購入資金、人件費や経費支払いなどの運転資金と、研究開発費や設備投資資金に充当しております。長期借入
を行う場合、借入期間は原則5年以内としておりますが、不動産取得など投資資金については、投資回収期間を考
慮し借入期間を別途設定する場合があります。なお、当社は運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行5行と当
座貸越契約を締結しており、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響も含め、突発的な資金需要が発生した場
合の手許流動性を確保する手段を準備しております。当期末日現在の当座貸越契約の未実行残高は1,600百万円で
あります。
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④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されて
おります。連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値及び報告期間における収益、費用
の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。見積りを行った時点で合理的と考えられる仮定に基づき
判断を行いますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる可能性があります。
当期の連結財務諸表に対して、重要な会計上の見積りとして認識している項目は以下のとおりであります。
(貸倒引当金)
主に営業債権に対して過去の貸倒実績に基づき将来の貸倒損失の見積りを行い、貸倒引当金を計上しておりま
す。また、債務の支払遅延や信用リスクが上昇している可能性のある特定の顧客については、業績や財政状態など
を検討のうえ詳細に回収可能性を判断し、個別債権ごとに貸倒引当金を計上しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響ですが、当社グループの各事業の顧客や事業の性質から判断
して、貸倒リスクの急激な上昇は現時点では発生していないと判断しております。
(棚卸資産の評価)
棚卸資産について適正な価値で貸借対照表に計上するため、評価を行っております。過剰、滞留、陳腐化した棚
卸資産ついては、合理的な見積り在庫回転期間に基づき評価損を計上しております。また、収益性の低下した棚卸
資産については、将来の需要や販売価格等の見積りに基づき、正味実現可能価額まで評価損を計上しております。
(有形固定資産及び無形固定資産の減損)
有形固定資産及び無形固定資産について、その帳簿価額が回収できないという兆候を示す事象や経営状況の変化
が発生した場合、減損の判定を行っております。将来キャッシュ・フローの見積りに基づき減損の判定を行い、減
損の認識が必要と判断した場合、帳簿価額が回収可能価額を上回る部分について減損損失を計上しております。
(退職給付)
当社グループは、従業員を対象とする各種退職給付制度を有しており、その多くは確定給付型の制度でありま
す。確定給付型の退職給付制度では、退職給付債務及び退職給付費用について、合理的であると判断した仮定に基
づき数理計算を行います。仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、昇給率など各種基礎率が
含まれます。割引率は国債利回りに基づき設定し、その他の基礎率は過去の実績を基礎として設定しております。
数理計算は従業員の退職時までの長期的な期間に対する計算であることから、各種基礎率の小さな変動も退職給付
債務及び退職給付費用について影響を与えるため、各種基礎率に関する仮定について毎期見直しを行っておりま
す。
(繰延税金資産)
繰延税金資産について、将来の課税所得の見積りやタックス・プランニングに基づき、一定期間における回収可
能性が高いと判断した部分に限り計上しております。回収可能性が見込めないと判断した部分については評価性引
当金を計上しております。将来の課税所得の見積りやタックス・プランニングは、事業計画を基礎として過去の業
績等も考慮し策定しておりますが、経済情勢の変動、経営成績の悪化、事業計画の変更などにより、適宜、見直し
が行われます。繰延税金資産の回収可能性についても定期的に検討を行い、繰延税金資産の計上額及び税金費用に
適切に反映しております。
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4 【経営上の重要な契約等】
当社は米国カークヒル社及びパーカーハニフィン・ストラトフレックス社との間に技術援助契約を締結しておりま
すが、その概要は次のとおりであります。
(a)―1 カークヒル社
(1) 技術の種類 ジェットスターターダクト、航空機用ダクト、航空機用シリコンプロダクト
の製造技術
(2) 技術援助の内容
日本における製造、販売並びに東南アジアにおける販売のライセンスの受入
(3) 契約の期限 2022年7月1日
(4) 特許使用料 製造販売高の5%
(a)―2 カークヒル社
(1) 技術の種類 航空機用インフレイタブルシールの製造技術
(2) 技術援助の内容 日本における製造、販売並びに東南アジアにおける販売のライセンスの受入
(3) 契約の期限 2024年12月31日
(4) 特許使用料 製造販売高の5%
(b)―1 パーカーハニフィン・ストラトフレックス社
(1) 技術の種類 航空機用PTFEホース、継手金具(ダイナチューブ、ナットロック)の製
造技術
(2) 技術援助の内容 日本における製造、販売の独占的ライセンス並びに東南アジアにおける販売
ライセンスの受入
(3) 契約の期限 2029年11月12日
(4) 特許使用料
製品の工場渡し正味販売価格の1.5%~9.5%
(b)―2 パーカーハニフィン・ストラトフレックス社
(1) 技術の種類 航空機用ライトウェートラバーホース並びにその継手金具の製造技術
(2) 技術援助の内容 日本における製造、販売の独占的ライセンスの受入
(3) 契約の期限 2029年11月12日
(4) 特許使用料 製品の工場渡し正味販売価格の5%
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5 【研究開発活動】
当企業集団における研究開発活動は、連結財務諸表を作成する当社のみが行っており、お客様や市場のニーズをと
らえた開発と、当社の技術的なシーズを製品化するための研究に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発活動については、以下のとおりであります。
(1) 消防・防災事業
生産能力の向上を図る製造方法の研究と新ホースの開発、ホース用大口径金具の開発などを実施しております。
(2) 航空・宇宙、工業用品事業
次期基幹ロケット向け金属部品及び金属配管の量産化をターゲットとした製造方法の研究開発、高分子素材の性能
改良、防水性塗料の多用途展開並びに製造工程の改良などを実施しております。
これらの結果、当連結会計年度における研究開発費は、 247 百万円であります。消防・防災事業及び航空・宇宙、
工業用品事業の両事業の研究開発活動を同一部署が包括的に行っているため、セグメントごとの研究開発費は集計し
ておりません。
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第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度における当社グループの設備投資は、総額 614 百万円(有形固定資産のほか無形固定資産への投資
を含む)を投下しました。
主な設備投資として、消防・防災事業及び航空・宇宙、工業用品事業において大田原製作所の合理化・更新設備や
研究設備などに194百万円、不動産賃貸事業において賃貸用不動産の改装工事、土地の取得などに398百万円、付帯設
備などに22百万円を投下致しました。
なお、重要な設備の除却、売却等はありません。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
2020年3月31日 現在
帳簿価額(千円)
従業
事業所名 セグメント 設備の
員数
建物 機械装置
(所在地) の名称 内容
土地 リース
(名)
及び 及び その他 合計
(面積㎡) 資産
構築物 運搬具
消防・防災
事業、航 本社
本社他
空・宇宙、 機能、 284,005
(注)2 99,266 ― 10,839 4,022 398,135 53
工業用品事 販売業 (961)
(東京都渋谷区)
業及び不動 務施設
産賃貸事業
消防・防災
名古屋営業所他
事業及び航
(注)3
販売業
空・宇宙、 544 ― ― ― 119 664 28
(名古屋市西区他) 務施設
工業用品事
業
消防・防災
事業及び航
大田原製作所
生産 238,724
空・宇宙、 347,881 389,208 1,046 15,424 992,285 236
設備 (50,948)
(栃木県大田原市)
工業用品事
業
航空・宇
神奈川工場
生産 81,400
宙、工業用 0 ― ― ― 81,400 ―
設備 (1,043)
(神奈川県綾瀬市)
品事業
賃貸
笹塚ショッピング 商業
不動産
1,072,147
モール他 施設、
1,365,420 ― 16,232 7,571 2,461,371 ―
(8,566)
賃貸事業
(東京都渋谷区他) 賃貸
住居
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」の内容は、工具、器具及び備品であり、建設仮勘定は除いております。
なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。
2.連結会社以外から建物の一部を賃借しております。年間賃借料は52,355千円であります。
3.連結会社以外から建物を賃借しております。なお、年間賃借料は省略しております。
(2) 国内子会社
主要な設備はありません。
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3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
主に更新設備が中心であり、重要な設備の新設等はありません。
(2) 重要な設備の除却等
更新設備以外の重要な設備除却等はありません。
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第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 1,800,000
計 1,800,000
② 【発行済株式】
事業年度末現在 提出日現在
上場金融商品取引所
種類 発行数(株) 発行数(株) 名又は登録認可金融 内容
商品取引業協会名
( 2020年3月31日 ) (2020年6月29日)
東京証券取引所
普通株式 1,012,000 1,012,000 単元株式数 100株
(市場第二部)
計 1,012,000 1,012,000 ― ―
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式 発行済株式 資本準備金 資本準備金
資本金増減額 資本金残高
年月日 総数増減数 総数残高 増減額 残高
(千円) (千円)
(株) (株) (千円) (千円)
2018年10月1日 △9,108,000 1,012,000 ― 506,000 ― 285,430
(注)株式併合(10:1)によるものであります。
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(5) 【所有者別状況】
2020年3月31日 現在
株式の状況(1単元の株式数 100 株)
単元未満
区分 外国法人等 株式の状況
政府及び
金融商品 その他の 個人
(株)
地方公共 金融機関 計
取引業者 法人 その他
団体
個人以外 個人
株主数
- 8 10 86 7 - 342 453 ―
(人)
所有株式数
- 1,113 28 2,443 647 - 5,857 10,088 3,200
(単元)
所有株式数
- 11.03 0.28 24.22 6.41 - 58.06 100 ―
の割合(%)
(注) 自己株式44,426株は「個人その他」に444単元、「単元未満株式の状況」に26株含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2020年3月31日 現在
発行済株式
(自己株式を
所有株式数 除く。)の
氏名又は名称 住所
(千株) 総数に対する
所有株式数の
割合(%)
中 村 浩 士 東京都世田谷区 120 12.48
岩 﨑 哲 也 東京都豊島区 112 11.57
梶 原 祐理子 東京都八王子市 83 8.68
中 村 惠美子 東京都世田谷区 60 6.26
光通信㈱ 東京都豊島区西池袋1丁目4-10 56 5.80
中 村 一 雄 東京都世田谷区 54 5.59
㈱金陽社 東京都品川区大崎1丁目2-2 49 5.14
BBH FOR FIDELITY PURITAN TR
245 SUMMER STREET BOSTON,
: FIDELITY SR INTRINSIC
MA 02210 U.S.A. 41 4.24
OPPORTUNITIES FUND
(東京都千代田区丸の内2丁目7-1)
(常任代理人 ㈱三菱UFJ銀行)
徳力精工㈱ 東京都府中市緑町3丁目10-1 38 3.97
㈱りそな銀行 大阪市中央区備後町2丁目2-1 33 3.41
計 ― 650 67.19
(注) 発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は自己株式44,426株を控除し、小数点第3
位以下を切り捨てて算定しております。
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(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2020年3月31日 現在
区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
無議決権株式 ― ― ―
議決権制限株式(自己株式等) ― ― ―
議決権制限株式(その他) ― ― ―
(自己保有株式)
完全議決権株式(自己株式等) ― ―
普通株式 44,400
普通株式
完全議決権株式(その他) 9,644 ―
964,400
単元未満株式 普通株式 3,200 ― ―
発行済株式総数 1,012,000 ― ―
総株主の議決権 ― 9,644 ―
(注) 「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式26株が含まれております。
② 【自己株式等】
2020年3月31日 現在
発行済株式
自己名義 他人名義 所有株式数
所有者の氏名 総数に対する
所有者の住所 所有株式数 所有株式数 の合計
又は名称 所有株式数
(株) (株) (株)
の割合(%)
東京都渋谷区笹塚
(自己保有株式)
44,400 ― 44,400 4.39
櫻護謨株式会社
一丁目21番17号
計 ― 44,400 ― 44,400 4.39
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2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】 会社法第155条第7号による普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分 株式数(株) 価額の総額(千円)
当事業年度における取得自己株式 20 121
当期間における取得自己株式 ― ―
(注) 当期間における取得自己株式には、2020年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りに
よる株式数は含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
当事業年度 当期間
区分
処分価額の総額 処分価額の総額
株式数(株) 株式数(株)
(千円) (千円)
引き受ける者の募集を行った
― ― ― ―
取得自己株式
消却の処分を行った取得自己株式 ― ― ― ―
合併、株式交換、会社分割に係る
― ― ― ―
移転を行った取得自己株式
その他 ― ― ― ―
保有自己株式数 44,426 ― 44,426 ―
(注) 当期間における保有自己株式数には、2020年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り
による株式数は含めておりません。
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3 【配当政策】
配当政策につきましては、株主の皆様への利益還元を充実させていくことを経営の最重要政策と考えており、業績
に応じた配当を行うことを基本方針としております。
一方、設備投資や研究開発投資を通じた強固な企業基盤の確立と将来の事業展開に備えるため、内部留保の充実な
どを考慮した利益配分に努めてまいります。
剰余金の配当は、中間配当を行うことができる旨を当社定款に定めており、中間配当及び期末配当の年2回を基本
的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、業績の内容を勘案し、株主の皆様のご支援にお応えするた
め、期末配当1株につき 70円 (年間配当金 70円 )としました。
(注) 基準日が当事業年度(2020年3月期)に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
配当金の総額 1株当たり配当額
決議年月日
(千円) (円)
2020年6月26日
67,730 70
定時株主総会決議
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4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、顧客第一の精神に徹し、「顧客に満足される製品(もの)作り」、「正確な仕事で品質保証」を実践す
ることにより広く社会に貢献することを経営理念として掲げ、事業を行っております。
この経営理念を実践することで会社の持続的な成長と企業価値を向上させるとともに、株主の皆様、お客様、仕
入先、地域社会、従業員など当社を取り巻く全てのステークホルダーの方々の権利や利益を尊重し、コーポレー
ト・ガバナンスの強化を図ってまいります。
また、コンプライアンスの一層の徹底を図り、適時・適切な情報開示についての体制を充実させてまいりま
す。
(コーポレート・ガバナンスに関する基本方針)
(1)株主の権利・平等性の確保に努力します。
(2)株主以外のステークホルダーとの適切な協働に努力します。
(3)適切な情報開示と透明性の確保に努力します。
(4)取締役会において透明・公正かつ果断な意思決定ができるよう努力します。
(5)株主との対話を通して企業価値を高めていけるよう努力します。
なお、コーポレート・ガバナンスの状況については、当事業年度末日現在の状況を記載しておりますが、有価
証券報告書提出日までの変動事項については補足して記載しております。
② 企業統治の体制及び当該体制を採用する理由
当社は、監査役会設置会社であります。当社の最高意思決定機関である株主総会は、取締役、監査役並びに会
計監査人を選任いたします。それぞれ独立した立場から取締役、監査役並びに会計監査人が職務を行うことによ
り、業務の意思決定及び執行と監督及び監査の権限が明確に分離独立され、株主より付託された企業経営のため
の統治体制の透明性と有効性が保証されるものと考え、当該体制を採用しております。
経営の意思決定機関として、取締役会を取締役12名(うち社外取締役3名)及び監査役3名(うち社外監査役2
名)、常務会を取締役4名で構成し、毎月交互に定期的に開催するとともに、必要に応じて臨時の取締役会、常務
会を開催し、重要事項を付議し、迅速かつ的確な経営判断を行っております。各取締役は役割と課題を十分理解
して監督と執行を行い、必要に応じて取締役会に協議報告をもって事に対処しております。なお、取締役会及び
常務会の構成人数は当事業年度末日現在における人数であります。
取締役の職務執行に対する監査として、監査役は各取締役からの業務報告の聴取などを通じて、その業務の適
法性、妥当性の監査を行い、監査体制の強化に努めており、取締役の職務執行を十分に監視しております。ま
た、当社の会計事項に関する監査として、会計監査人による会計監査の検証を行い、会計報告に関する適正性を
監視しております。なお、監査役会は監査役3名(うち社外監査役2名)で構成し、監査に関する重要事項の報
告、協議、決定を行っております。
会計監査人は独立した会計監査機関として、当社及び連結子会社の財産及び損益状況その他会計に関する報告
について、法令及び企業会計基準等のもとに適切に作成されているか、一般に公正妥当と認められる監査の基準
に準拠して監査しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
a.当社及び子会社の内部統制システム及びリスク管理体制の整備状況
当社は、企業行動憲章及びコンプライアンス規定を定め、経営理念の実現を目指し、公正、透明で自由な競争
並びに適正な取引を行うとともに、環境保全の取組や情報セキュリティ等の多様化する社会的ニーズに応え、企
業市民としてあるべき体制の整備に努めております。
当社子会社は、当社の子会社管理規定の下、当社企業行動憲章を遵守し、適法性、企業倫理性、財務報告の信
頼性を確保するため、各子会社の規模並びに事業内容に応じて当社に準じた体制の整備に努め、当社グループ全
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体としての内部統制システムを構築しております。
取締役会の決定に基づく業務の執行については、職務規定、分課分掌規定において、それぞれの責任者及びそ
の 責任、執行手続の詳細について定めております。業務執行部門は個々のミーティング、営業会議、製作所会議
等を通じ、業務執行の計画、行動、報告、評価、課題の解決を周知徹底して実行しております。取締役の職務執
行に係る情報については、文書管理規定等に基づき保存・管理しております。
法務面では、法律事務所と顧問契約を締結し、必要に応じてアドバイスを戴きながら経営上の法律問題等に対
処しております。重大な法令違反その他コンプライアンスに関する重要な事実の発生は直ちに会社生命に危機を
もたらすという認識のもと、取締役が重要な事実を発見した場合には遅滞なく監査役及び取締役会へ報告する体
制を整備しております。また、内部通報制度運用規定を定め、法令遵守義務のある行為等について、社内及び社
外に法令違反事実の通報窓口を設置し、会社は通報内容の守秘及び通報者への不利益となる扱いを行わない体制
を整備しております。
財務報告に係る内部統制システムについては、各業務フローの内部監査を進めるとともに、昨今の経営環境変
化のスピードに対応しつつ、財務報告の信頼性並びに業務の有効性及び効率性を高めるため、随時、IT環境の
整備を含めた内部統制システムの改善を行い当社の経営理念に帰結するよう対応しております。
リスク管理体制については、社内規定の整備やリスク管理規定を定め、不測の事態が発生した場合には、社長
を本部長とする対策本部を設置し、損害の拡大を防止しこれを最小限に止める管理体制を整備しております。ま
た、反社会勢力の排除のため、反社会勢力との関係を一切遮断し、反社会勢力の排除を目的とする外部専門機関
との緊密な連携関係の構築、情報の収集及び適切な対応のための啓発を実施しております。
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b.責任限定契約の内容の概要
当社は、適切な人材の招聘を容易にし、期待される役割を十分に発揮できるようにするため、取締役(業務執
行取締役等である者を除く。)及び監査役との間に、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1
項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が規定
する額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、取締役(業務執行取締役等である者を除く。)
及び監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がないときに限られます。