中国農業銀行股イ分有限公司 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | 中国農業銀行股イ分有限公司 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2020年6月26日
【事業年度】 自 2019年1月1日 至 2019年12月31日
【会社名】 中国農業銀行股 份 有限公司
(Agricultural Bank of China Limited)
【代表者の役職氏名】 李 志成
最高リスク責任者
(LI Zhicheng, Chief Risk Officer)
【本店の所在の場所】 中華人民共和国 100005 北京市東城区建国門内大街69号
(No. 69, Jianguomen Nei Avenue
Dongcheng District, Beijing 100005, PRC)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 柴 田 弘 典
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一 丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 (03)6775-1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 山 橋 信 也
弁護士 崔 加 奈
弁護士 古波藏 惇
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目 1 番 1 号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 (03)6775-1619
【縦覧に供する場所】 該当なし
( 注) 1. 本書において記載されている「香港ドル」は、中華人民共和国の香港特別行政区の法定通貨であ
る香港ドルを意味する。 本 書において別途記載のない限り、本書において記載されている香港ド
ルから日本円への換算は、1香港ドル=13.87円の換算率(2020年5月29日の株式会社三菱UFJ銀行
により発表された対顧客電信売買相場の仲値)により行われている。
2. 本書において記載されている 「人民元」 は、中華人民共和国の法定通貨である 人民元 を意味す
る。 本 書において別途記載のない限り、本書において記載されている人民元から日本円への換算
は、100円=6.6225人民元(1人民元=約15.10円に相当(国家外貨管理局が公表した2020年5月29日
の中心値))の換算率により行われている。
3. 当行の事業年度は暦年である。
4. 表中における値とそれぞれの合計は、端数処理の結果として一致しない場合がある。
5. 本書中の将来の見通しに関する記述は、本書の日付現在における評価に基づいている。
6. 本書において、別段の記載がある場合を除き、下記の用語は以下の意味を有する。
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1. 「A株式」 国内で上場され、人民元で引受および取引される普通株式を意味する。
2. 「ABC」、「中国農業銀 中国農業銀行股 份 有限公司および中国農業銀行股 份 有限公司の子会社を
行」、「銀行」、「当行グ 意味する。
ループ」および「当行」
3. 「定款」 2018 年9月25日に 中国銀行保険監督管理委員会が発行した 中国農業銀行
股 份 有限公司 の登録資本の変更に係る承認(銀保監復[2018]199号)に
従って改訂された 中国農業銀行股 份 有限公司 の定款を意味する。
4. 「CAS」、「中国GAAP」 2006 年2月15日に中華人民共和国財政部より公布された企業会計基準な
らびにその後公表されたその他の関連規則および規定を意味する。
5. 「CBIRC」 中国銀行保険監督管理委員会(China Banking and Insurance
Regulatory Commission)または文脈によりその前身である旧中国銀行
業監督管理委員会(China Banking Regulatory Commission)および/
もしくは中国保険業監督管理委員会(China Insurance Regulatory
Commission)を意味する。
6. 「県域」 中華人民共和国の行政区分制度において県または県水準の都市(県級
市)に指定された地域を意味し、市区を除く。
7. 「県域銀行業務」 当行は、中華人民共和国の県および県級市に所在する本支店機構を通じ
て県域の顧客に対して様々な金融サービスを提供している。「県域銀行
業務」または「三農銀行業務」は、いずれもかかる銀行業務を指すもの
とする。
8. 「県域銀行部門」 株式会社への再編の要求に従って設立された、三農および県域に提供さ
れる特別な金融サービスのための管理メカニズムを有する銀行内部の一
部門を意味する。当該部門は県域銀行業務のインセンティブおよび規制
メカニズムのほか、独立したガバナンスメカニズム、業務上の意思決
定、財務監査運用に焦点を当てている。
9. 「CSRC」 中国証券監督管理委員会(China Securities Regulatory Commission)
を意味する。
10. 「グローバルなシステム上 金融安定理事会が発表する、金融市場において重要と認められる国際的
重要な銀行」 な銀行を意味する。
11. 「H株式」 香港証券取引所に 上場され、香港ドルで引受および取引され、その額面
金額が人民元建てである株式を意味する。
12. 「香港上場規則」 香港証券取引所の上場規則を意味する。
13. 「香港証券取引所」 香港証券取引所を意味する。
14. 「匯金公司」 中央匯金投資有限責任公司( Central Huijin Investment Ltd. )を意味
する。
15. 「MOF」 中華人民共和国財政部(Ministry of Finance)を意味する。
16. 「PBOC」 中国人民銀行(People's Bank of China)を意味する。
17. 「三農」 農業、農村地区および農民を意味する。
18. 「SSF」 中華人民共和国の全国社会保障基金理事会(National Council for
Social Security Fund)を意味する。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
中国法
中国の会社法
当行は、中国において株式有限会社として設立され、香港証券取引所において上場しているため、主に以下の ▶
つの中国の法令の適用を受ける。
・ 1993年12月29日の全国人民代表大会の常任委員会により制定され、1994年7月1日に施行され、1999年12月25
日、2004年8月28日、2005年10月27日、2013年12月28日および2018年10月26日に改正された中華人民共和国
の会社法(以下「中国会社法」または「会社法」という。)
・ 1994年8月4日に国務院が制定した株式有限会社による株式の国外募集および上場に関する特別規定(以下
「特別規定」という。)
・ 2019年10月17日に国務院が制定した国外上場した会社の株主総会開催の通知期限等の事項に係る規定の調整
適用に関する回答(国函〔2019〕97号)(以下「97号文」という。)
・ 1994年8月27日に元国務院証券委員会および元国家経済体制改革委員会によって合同で制定され、国外上場
を予定する株式有限会社として当行がその定款に組み込まなければならない国外上場を行う会社の定款に含
まれるべき必須条款(以下「必須条款」という。)
概要
「株式有限会社」は、中国会社法に基づき設立された法人であり、その登録資本は、額面金額の等しい株式に分
割される。その株主の会社に対する責任は当該株主が引き受ける株式の範囲内に限られ、会社はそのすべての財産
をもって自己の債務に対して責任を負う。
会社の登録資本は、SAICにおいて登録されている会社の払込資本金の額に等しい。
会社の同一の種類の株式は、すべて同等の権利を有する。会社は、株主総会において会社の株主の承認を得て新
株式を発行することにより、会社の株式資本を増加することができる。同一の種類の株式の発行における条件およ
び払込金額は、同一でなければならない。会社は、株式を額面金額で発行するかまたはそれを上回る金額で発行す
ることができるが、額面金額を下回る金額でこれを発行することはできない。
中国法に従い、額面金額が人民元建てであり、かつ人民元で引き受けられる会社のA株式は、中国法人、自然
人、QFIIおよび海外の戦略的投資家によってのみ引き受けられるかまたは取引される。人民元建てであり、かつ人
民元以外の通貨で引き受けられる会社のH株式は、中国のQDIIならびに香港、マカオおよび台湾または中国以外の
国および地域の投資家(以下「外国投資家」という。)によってのみ引き受けられ、かつ取引される。
会社が外国投資家に対して発行する株式および国外で上場される株式は、記名式で額面金額が人民元建てであ
り、かつ外貨で引き受けられなければならない。香港、マカオおよび台湾を含む海外の投資家が購入し香港に上場
される株式は、「国外上場外国株」と称される。
会社は、記名式で発行された株式全部について株主名簿を作成しなければならない。株主の詳細、各株主が保有
する株式の数および株主が当該株式の保有者となった日等の情報は、株主名簿に記載されなければならない。
また、会社は、株主総会における株主の承認を得て、一定の手続に従い、登録資本を減少することができる。
会社の株式は、関連法令に従って譲渡することができるが、中国会社法、中華人民共和国証券法(以下「中国証
券法」または「証券法」という。)および特別規定の要求に合致している必要がある。
中国会社法は、個人株主の持株比率を制限していない。
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設立
株式有限 会社は、発起設立または募集設立の方法により設立される。発起設立とは、発起人が、会社の発行する
すべての株式を引き受けて会社を設立する方式をいう。募集設立とは、発起人が会社の発行する株式の一部を引き
受け、その他の部分を募集または特定の引受人に対する募集を行って会社を設立する方式をいう(中国会社法第77
条)。
株式有限 会社は、2名以上200名以下の発起人により設立されなければならず、発起人の半数以上は、中国国内に
住所を有する者でなければならない(中国会社法第78条)。
株式
会社は、記名式株券または無記名式株券を発行することができる。ただし、発起人および法人に対して発行され
る株式は、記名式株券でなくてはならず、異なる名義または代表者の名義で記載されてはならない。株式の発行
は、公平および公正の原則によらなくてはならず、同一種類の株式はいずれも同等の権利を有する。同時に発行す
る同一種類の株券の1株当たりの発行条件および金額は均一でなければならず、いかなる団体または個人が引き受
ける株式も、1株当たりの払込価額は均一でなければならない。中国証券法に従って、証券取引所を通じた証券取
引により、投資者が上場会社の発行 済みの 議決権付 株式の5%を自らまたは合意その他の取決めにより他人と共同
して保有する場合、当該事由の発生後3日以内に、国務院証券監督管理機構および証券取引所に対し、書面で報告
を行い、また、当該上場会社に通知し、かつ公告を行わなければならない。この期間中、当該上場会社の株式を売
買することはできない 。ただし、国務院証券監督管理機構が定める場合を除く (中国証券法第 63 条)。
増資
中国会社法および中国証券法に基づき、会社が新株の公開発行により増資をする場合、株主総会において承認を
受け、かつ以下の条件を充たさなければならない(中国証券法第 12 条)。
(ⅰ) 健全で、かつ良好に機能する組織機構を備えていること。
(ⅱ) 持続的 経営能力を有していること 。
(ⅲ) 直近3年間の財務会計 報告書について 無限定適正意見の監査報告書が発行されていること 。
(ⅳ) 発行者およびその支配株主、実質的支配者に直近3年間において横領、賄賂、財産侵奪、財産流用
または社会主義市場経済秩序の破壊に係る刑事犯罪がないこと。
( ⅴ) 国務院の認可を経て国務院証券監督管理機構が定めたその他の条件。
減資
会社は、最低登録資本要件を充たす範囲で、中国会社法が規定した以下の手続に従い、その登録資本を減少す
る。
(ⅰ) 会社は、貸借対照表および財産目録を作成しなければならない(中国会社法第177条)。
(ⅱ) 登録資本の減少は、株主総会において承認されなければならない。
(ⅲ) 会社は、減資の決議が行われた日から、10日以内に債権者に対して減資の事実を通知し、30日以内
に減資の新聞公告を行わなければならない。
(ⅳ) 会社の債権者は、法定期間内に、会社に対し、債務の弁済または当該債務について相当の担保の提
供を要求することができる。
(ⅴ) 会社は、関連工商行政管理機関に対して、登録資本の減少について、変更登記手続を申請しなけれ
ばならない。
自己株式の取得
会社は、次の場合を除いて、自己株式を取得することができない。
(ⅰ) 減資を行う場合
(ⅱ) 会社の株式を保有する他の会社と合併する場合
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(ⅲ) 株式を従業員持株制度または株式奨励に用いる場合
(ⅳ) 株主が、株主総会で行った会社の合併または分割の決議に異議があり、会社に対してその株式の買
取りを要求した場合
(ⅴ) 株式を上場会社が発行する株券に転換可能な社債への転換に用いる場合
(ⅵ) 上場会社による会社の価値および株主の権益の保護に必要な場合
会社は、(ⅰ)、(ⅱ)の理由で自己株式を取得する場合、株主総会の決議を経なければならない。会社は、(ⅲ)、
(ⅴ)、(ⅵ)の理由で自己株式を取得する場合、会社の定款の規定または株主総会の授権に基づき、3分の2以上の取
締役が出席した取締役会会議の決議を行うことができる。
会社は、関連する規定に従い自己株式を取得した後、(ⅰ)の事由に該当する場合、取得の日から10日以内に消却
しなければならず、(ⅱ)、(ⅳ)の事由に該当する場合、6ヶ月以内に譲渡または消却しなければならず、(ⅲ)、
(ⅴ)、(ⅵ)の事由に該当する場合、会社が合計して保有する自己株式数が自社の発行済株式総額の10%を上回って
はならず、かつ3年以内に譲渡または消却しなければならない(中国会社法第142条)。
株式の譲渡
株主が保有する株式は、法律に基づき譲渡することができる(中国会社法第137条)。株主は、法律に基づき設
立された証券取引所において、または国務院が規定したその他の方法によって、株式の譲渡を行わなければならな
い(中国会社法第138条)。記名式株券は、裏書または法令に定められるその他の方式により譲渡することができ
る (中国会社法第139条) 。 発起人株式は、会社の設立日から1年以内に譲渡することができず、また、会社の株式
公開発行の前に発行された株式は、証券取引所における上場取引の日から1年以内に譲渡することができない(中
国会社法第141条第1項)。
株主
会社の株主は、会社の定款に記載された権利および義務を有する。会社の定款は、各株主を拘束する。
中国会社法および関連する法令に基づき、株主は、以下の権利を有する。
(ⅰ) 自らまたは代理人に委任して株主総会に出席し、その保有する株式数に応じて議決権を行使するこ
と。
(ⅱ) 中国会社法および会社の定款に従って、法律により設立された証券取引所において株式の譲渡を行
うこと。
(ⅲ) 会社の定款、株主総会議事録および財務会計報告書を閲覧し、会社の業務について提案および質問
を行うこと。
(ⅳ) 株主総会または取締役会において可決された決議案が、何らかの法律もしくは行政法規に違反する
か、または株主の合法的権益を侵害する場合、裁判所に申請を提出し、違法な権利侵害行為の停止
を求めること。
(ⅴ) 保有する株式数に応じて配当を受けること。
(ⅵ) 会社の終了または清算にあたり、その保有する株式数に応じて残余財産を受領すること。
(ⅶ) 法令および会社の定款が定めるその他の株主権。
株主総会
株主総会は、会社の機関であり、中国会社法に従って、その権限を行使する(中国会社法第98条、同法第37条第
1項)。
株主総会は、以下の権限を行使する。
(ⅰ) 会社の経営方針および投資計画を決定すること。
(ⅱ) 従業員の代表以外の取締役を選任および解任し、また、当該取締役の報酬に関する事項を決定する
こと。
(ⅲ) 従業員の代表以外の監査役を選任および解任し、また、当該監査役の報酬に関する事項を決定する
こと。
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(ⅳ) 取締役会の報告書を審議し承認すること。
(ⅴ) 監査役会の報告書を審議し承認すること。
(ⅵ) 会社の年度財務予算案および決算案を審議し承認すること。
(ⅶ) 会社の利益処分案および損失補填案を審議し承認すること。
(ⅷ) 会社の登録資本の増加および減少について承認すること。
(ⅸ) 会社の社債発行について承認すること。
(ⅹ) 会社の合併、分割、解散および清算ならびに会社形態の変更等の事項について承認すること。
( ⅺ ) 会社の定款を変更すること。
( ⅻ ) 会社の定款が定めるその他の権限。
定時株主総会は、毎年1回開催される。以下のいずれかの事由が発生した場合、2ヶ月以内に臨時株主総会を開催
しなければならない (中国会社法第100条) 。
(ⅰ) 取締役の数が中国会社法の定める数を下回るか、または会社の定款に定められた数の3分の2を下
回った場合
(ⅱ) 補填されていない会社の損失額が、会社の払込済株式資本総額の3分の1に達した場合
(ⅲ) 単独または合計で会社の株式の10%以上を保有する株主の請求があった場合
(ⅳ) 取締役会が必要と判断した場合
(ⅴ) 監査役会がその開催を提案した場合
(ⅵ) 会社の定款が定めるその他の場合
株主総会は、取締役会により招集され、また、取締役会会長が議事進行を行う。取締役会会長が職務を履行する
ことができない、または履行しない場合、副会長が議事進行を行う。副会長が職務を履行することができない、ま
たは履行しない場合、半数以上の取締役により共同で1名の取締役を選任し、議事進行を行わせる (中国会社法第
101条) 。
株主総会の開催通知は、中国会社法に基づき、株主総会の20日前までに 総会の日時、場所および決議事項を すべ
ての株主に対し通知しなければならず、臨時株主総会の場合は、株主総会の15日前までにすべての株主に対し通知
しなければならない。単独でまたは共同で会社の3%以上の株式を有する株主は 、株主総会の 10 日前までに臨時の
提案を提出し、かつ書面により取締役会に提出することができる。取締役会は、提案を受領してから 2 日以内にそ
の他の株主に通知をし、当該臨時の提案を株主総会に提出して審議しなければならず (中国会社法第102条)、ま
た、特別規定に従う場合は45日前までになされなければならず、総会 の決議事項、 日時 および 場所をすべての株主
に対し通知する。株主総会に出席予定の株主は、株主総会開催の20日前までに、会社に対して株主総会出席の書面
回答を送付しなければならない (特別規定第20条) 。 特別規定に基づき、会社の議決権の5%以上を有する株主
は、会社の定時株主総会において、会社に対し、新しい提案を書面で提出する権利を有し、当該提案が株主総会の
職責の範囲に属するときは、当該株主総会の議案に組み入れなければならない (特別規定第21条) 。 会社は、株主
総会の20日以上前に受領した書面による回答に基づき、当該総会への出席を予定する株主が有する議決権付株式の
数を計算するものとする。会社は、当該総会への出席を予定する株主が保有する議決権付株式の数が、会社の議決
権付株式総数の半数以上に達した場合に、これを開催することができる。かかる条件が充たされない場合、会社
は、当該総会の議案、日時および場所の公告という形で、5日以内に再度株主への通知を行う。会社は、かかる公
告がなされた後に、当該株主総会を開催することができる(特別規定第22条)。
97 号文によれば、中国国内にて 登録 し、かつ国外にて上場している株式有限会社が株主総会を開催する際におけ
る通知期限、株主提案権および開催手続に係る要求には中国会社法の関連規定を統一的に適用し、特別規定第20条
から第22条までは適用しない。
株主総会に出席した株主は、その保有する株式1株につき1議決権を有する。中小規模の投資家の利益に影響を及
ぼす重大な問題が株主総会で検討される場合、中小規模投資家による投票を単独で数えられ、単独集計の結果は、
適時に公表されるものとする。
株主総会の決議は、株主総会の出席株主(代理人が代理する株主を含む。)の議決権の過半数により可決され
る。ただし、会社の定款の変更、増資または減資に関する決議および会社の合併、分割、解散または会社形態の変
更に関する決議については、株主総会の出席株主(代理人が代理する株主を含む。)の有する議決権の3分の2以上
の賛成を要する。
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必須条款に従って、株式資本の増加もしくは減少、いずれかの種類株式、コール・オプション、ワラントもしく
はその他類似の証券または社債の発行、会社の分割、合併、解散および清算、会社の定款の変更ならびに株主 総会
の普通決議に基づいて 、会社に対して重大な影響を与え、 特別決議により承認されるべきと判断されたその他の事
項は、株主総会の出席株主の有する議決権の3分の2以上による可決を必要とする特別決議により承認されなければ
ならない。株主は、議決権の行使範囲を明記した書面による委任状により代理人に授権委任し、株主総会に出席さ
せることができる。
中国会社法には、株主総会の定足数に関する規定は存在しない。
取締役および取締役会
会社は、取締役会を設置しなければならず、その構成員は、5名から19名でなければならない。中国会社法によ
り、取締役の任期は、3年を超えてはならない。取締役は、再選により再任されることができる。民事行為能力を
有しないか、または民事行為能力が制限されている者は、会社の取締役を務めることはできない。取締役会は、1
名の取締役会会長を任命し、取締役会会長は、すべての取締役の過半数により選任される。
取締役会は、少なくとも毎年2回開催しなければならない。取締役会の開催通知は、当該取締役会の10日前まで
に、すべての取締役および監査役に対して送付されなければならない。臨時取締役会を開催する場合、取締役会
は、別途、通知方法および通知期間を定めることができる。
中国会社法に基づき、取締役会は、以下の権限を行使する(中国会社法第108条第4項、同法第46条)。
(ⅰ) 株主総会を招集し、株主総会に対して業務報告を行うこと。
(ⅱ) 株主総会の決議を実行すること。
(ⅲ) 会社の経営計画および投資計画を決定すること。
(ⅳ) 会社の年度財務予算案および決算案を作成すること。
(ⅴ) 会社の利益処分案および損失補填案を策定すること。
(ⅵ) 会社の登録資本の増加案および減少案ならびに社債発行案を策定すること。
(ⅶ) 会社の合併、分割、解散または会社形態の変更案を策定すること。
(ⅷ) 会社の内部管理システムの設置を決定すること。
(ⅸ) 会社の総経理の選任または解任、総経理の指名に基づく会社の副総経理および財務責任者の選任ま
たは解任およびこれらの報酬に関する事項を決定すること。
(ⅹ) 会社の基本運営管理制度を制定すること。
( ⅺ ) 会社の定款が定めるその他の権限。
取締役会の決議が法律、行政法規、会社の定款または株主総会決議に違反し、会社に著しい損害を与えた場合、
決議に参加した取締役は、会社に対して損害賠償責任を負う。ただし、決議の際に異議を表明し、かつこれを議事
録に記載したことが証明された場合、当該取締役は、責任の免除を受けることができる(中国会社法第112条第3
項)。
監査役および監査役会
会社は、監査役会を設置しなければならず、その構成員は3名を下回ってはならない。監査役の任期は3年で、再
選により再任されることができる。監査役会は、株主代表および適切な割合の従業員代表からなり、そのうち、従
業員代表の比率は全体の3分の1を下回ってはならない。取締役および高級管理職は、監査役を兼任することができ
ない。
監査役会は、以下の権限を行使する(中国会社法第118条第1項、同法第53条)。
(ⅰ) 会社の財務を監査すること。
(ⅱ) 取締役および高級管理職の職務の執行を監督し、法律、行政法規、会社の定款または株主総会の決
議に違反した取締役および高級管理職につき、解任を提案すること。
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(ⅲ) 取締役または高級管理職の行為が会社の利益を害する場合に、取締役または高級管理職に対して、
そのような行為の是正を要求すること。
(ⅳ) 臨時株主総会の開催を提案し、また、取締役会が、中国会社法の定めによる株主総会の招集および
主宰の職責を果たさない場合に、株主総会を招集し、これを主宰すること。
(ⅴ) 株主総会に対して議案を提出すること。
(ⅵ) 中国会社法第151条の規定(株主代表訴訟の項を参照のこと。)に基づき、取締役および高級管理
職に対し、訴訟を提起すること。
(ⅶ) 会社の定款が定めるその他の権限。
監査役は、取締役会に出席することができる。
総経理および幹部役員
会社の総経理は、取締役会により選任または解任され、取締役会に対して責任を負わなければならない。総経理
は、以下の権限を行使することができる(中国会社法第113条、同法第49条)。
(ⅰ) 会社の生産業務、経営業務および管理業務を監督し、取締役会決議の実施を手配すること。
(ⅱ) 会社の経営計画および投資計画の実施を手配すること。
(ⅲ) 会社の内部統制システムの構築計画を策定すること。
(ⅳ) 会社の基本運営管理制度を制定すること。
(ⅴ) 会社の具体的な規則を制定すること。
(ⅵ) 副総経理および財務責任者の選任および解任を提議し、その他の管理担当役員(取締役会により任
命または解任する旨定められている者を除く。)の任命または解任を決定すること。
(ⅶ) 取締役会に出席すること。
(ⅷ) 取締役会により付与されたその他の権限。
取締役、監査役、総経理および幹部役員の職責
取締役、監査役、総経理または幹部役員が職責を履行するにあたり法律、行政法規または会社の定款に違反し、
その結果、会社に損害が生じた場合、会社に対して賠償責任を負う。
株主による直接の訴訟提起
取締役または高級管理職が法律、行政法規または会社の定款の規定に違反し、株主の利益に損害を与えた場合、
株主は、裁判所に訴訟を提起することができる(中国会社法第152条)。
株主代表訴訟
取締役または高級管理職が、会社の職務を執行するにあたり、法令または定款に違反し、会社に損害を与えた場
合、損害賠償責任を負わなければならず、有限責任会社の株主および連続して180日以上単独でまたは共同で会社
の100分の1以上の株式を有する株式有限会社の株主は、監査役会または監査役会を設置していない有限責任会社の
監査役に対して、裁判所に訴訟を提起することを書面により請求することができる。監査役が、会社の職務を執行
するにあたり、法律、行政法規または定款に違反し、会社に損害を与えた場合、損害賠償責任を負わなければなら
ず、上記の株主は、取締役会または取締役会を設置していない有限責任会社の執行取締役に対して、裁判所に訴訟
を提起することを書面により請求することができる。
監査役会もしくは監査役会を設置していない有限責任会社の監査役または取締役会もしくは執行取締役が、株主
による上記の書面請求の後において、訴訟の提起を拒絶した場合、請求を受領した日から30日以内に訴訟を提起し
なかった場合、または、緊急事態であり、直ちに訴訟を提起しなければ、これにより会社の利益に対し回復し難い
損害を与えるおそれがある場合は、上記の株主は、会社の利益のため自己の名義で、直接的に、裁判所に訴訟を提
起することができる。
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第三者が会社の合法的権益を侵害し、会社に対して損害を与えた場合、上記の株主は、上記に従って裁判所に訴
訟を提起することができる(中国会社法第151条)。 投資家保護機構は、会社の株式を保有する場合、会社の利益
のために自己の名義で裁判所に訴訟を提起することができ、持株比率および持株期間は上記の制限を受けない(中
国証券報第94条)。
財務会計
会社は、法律、行政法規および 国務院財政主管部門 の規定に従って財務会計システムを構築しなければならな
い。また、各会計年度末において財務会計報告書を作成し、法令に従い会計事務所の監査を受けることを要する
(中国会社法第163条、同法第164条) 。
会社の財務報告書は、定時株主総会開催の20日前までに会社に備え置き、株主の閲覧に供されなければならな
い。株式を公開している会社は、その財務会計報告書を公告しなくてはならない (中国会社法第165条) 。
各年の税引後利益の配当を行うにあたり、会社は、利益の10%を積み立て、法定準備金に組み入れなければなら
ない(ただし、当該準備金の累積額が会社の登録資本の50%以上に達している場合を除く。) (中国会社法第166
条第1項) 。
会社の法定準備金が以前の年度の会社の損失を補填するに足りない場合、当年度の利益は、法定準備金への組入
れをする前に、損失を補填するために使用しなければならない (中国会社法第166条第2項) 。
会社の税引後利益の中から法定準備金を積み立てた後、株主総会の決議を経て、税引後利益の中から任意準備金
を積み立てることができる(中国会社法第166条第3項)。
会社による損失の補填および法定準備金の積立て後の余剰利益は、株主の持株比率に応じて分配することができ
る (中国会社法第166条第4項) 。
会社の資本準備金には、会社の発行株式の額面超過金および国務院財政主管部門が資本準備金とみなすべきこと
を定めているその他の金額が含まれる (中国会社法第167条) 。
会社の準備金は、会社の損失を補填するため、会社の事業運営を拡大するため、または資本への組入れのために
用いることができる。ただし、資本準備金は、損失の填補のために用いることができない。法定準備金を資本に組
み入れる場合、残存する当該準備金は、組入れによる増加前における登録資本の25%を下回ってはならない(中国
会社法第168条)。
会計事務所の選任および退任
特別規定により、会社は、国の関連規定に合致し、独立している会計事務所を任用し、会社の年度報告の監査な
らびにその他の財務書類の 再確認 を求めなければならない。
会計事務所の任用期間は、会社の定時株主総会の終了時から次回の定時株主総会の終了時までの期間である。
会社が会計事務所を解任し、または不再任とする場合、会社は、特別規定に基づき、会計事務所に対して事前に
通知しなければならず、また、会計事務所は、株主総会において、株主に対し意見を述べることができる。会社に
よる会計事務所の選任、解任または不再任は、株主総会が決定し、CSRCに届け出るものとする。
利益配当
特別規定は、H株式の保有者に対して支払われる配当金およびその他の金員は、人民元により計算して宣言し、
かつ外貨により支払う旨を定める。必須条款に基づき、株主に対する 配当金およびその他の 支払うべき 金員 の支払
いは、受取代理人を介して行われる。
解散および清算
中国会社法に基づき、以下のいずれかの事由が発生した場合、会社は解散しなければならない(中国会社法第
180条)。
(ⅰ) 会社の定款に定められた経営期間が満了し、または会社の定款において定められた解散事由が発生
した場合
(ⅱ) 株主総会が解散を決議した場合
(ⅲ) 合併または分割により解散する必要がある場合
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(ⅳ) 法により営業許可証を剥奪され、閉鎖を命じられ、または取り消された場合
(ⅴ) 裁判所が中国会社法第182条の規定(少数株主による解散請求の規定)に基づき解散させた場合
会社の経営管理に重大な困難が生じ、会社の存続が株主の利益に重大な損害を与える場合であって、他の方法に
よりこれを解決することができないときは、会社の全株主の議決権の10%以上を有する株主は、裁判所に対し、会
社の解散を請求することができる(中国会社法第182条)。
株式の権利内容
A株式およびH株式は、会社の株式資本における普通株式である。A株式は中国(香港、マカオおよび台湾を除
く。)の法人もしくは自然人またはCSRCに認可されたQFIIの間でのみ引き受けられ、取引され、かつ、人民元にて
引き受けられ、取引される。H株式に関するすべての配当は人民元建てで宣言され、香港ドル建てで会社が支払
う。一方、A株式に関するすべての配当は人民元建てで会社が支払う。
上記に述べたとおり、株主への通知および財務報告書の送付、紛争解決、株主名簿の別分冊への株式の登録、株
式の譲渡方法ならびに配当受取の代理に関する委任等の面を除き、A株式とH株式はすべての点において同等の権
益を享受し、特に公表され、配当され、または支払われるすべての配当または割当てに関して同等の権益を有す
る。ただし、A株式の譲渡については、中国で随時発効する規定に従う。
株券の遺失
株主名簿に登録されているすべての株主、または株主名簿にその氏名もしくは名称を登録することを要求する者
は、株券を遺失した場合、会社に対し、当該株式(すなわち、原株券に係る株式)につき新たな株券を発行するよ
う申請することができる。
A株式の株主が株券を紛失し、新たな株券の発行を申請する場合は、中国会社法第143条の規定に従って処理さ
れる。
国外上場外国株の株主が株券を紛失し、新たな株券の発行を申請する場合は、国外上場外国株の株主名簿の正本
が存在する場所の法律、証券取引所規則またはその他の関連規定によって処理される。
中国証券法
中国証券法は1999年7月1日に施行され、2004年8月28日、2005年10月27日、2013年6月29日 、 2014年8月31日 およ
び2019年12月28日 に改正された。中国証券法は中国の証券市場を包括的に規制するものであり、とりわけ証券の発
行および取引、上場企業による買収ならびに証券取引所、証券会社および国務院の証券監督管理機関の義務および
責任に関する条文を有している。中国証券法は、海外で直接または間接的に株式を発行または上場するためには、
国務院の 関連 規定に 合致し なければならないと規定している。
CSRC は中国における証券の監督および規制機関であり、証券取引の監督および規制のみならず、証券に関する政
策の制定、証券に関する法および規則の起草、証券市場、市場仲介者および市場参加者の監督ならびに中国企業に
よる国内および海外における証券の公募の監督および規制に関して責任を負う。
現在、海外で発行される株式(H株式を含む。)の発行および上場は、主に国務院およびCSRCが公布した一連の
法律および規則により規制されている。会社の株式の海外における上場については、特別規則を遵守しなければな
らない。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
以下は、当行の定款の一部の規定を要約したものである。以下に含まれる情報は、要約の形を取っているため、
潜在的投資家にとって重要なすべての情報を含んでいない可能性がある。
当行は、中国において株式有限会社として設立された。定款は、当行の基幹文書の一部を構成する。
当行の定款は、2010年4月21日に改正され、2010年4月26日にCBRCにより認可されており、当行の上場時にその効
力が生じた。上場後、当行の定款は、2010年9月2日に改正され、2010年10月13日にCBRCにより認可された。当行の
定款は、2012年10月29日に再度改正され、2012年12月31日にCBRCにより認可された。当行の定款は、2014年6月23
日に再度改正され、2014年8月14日にCBRCにより認可された。当行の定款は、2017年6月28日に再度改正され、2017
年11月8日にCBRCにより認可された。当行の定款は、中国銀行保険監督管理委員会が発行した「中国農業銀行股 份
有限公司の登録資本の変更の認可」(銀保監覆[2018]199号)に従い2018年9月25日に変更された。
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(a) 種類株式
種類株主とは、異なる種類の株式を保有する株主である。
種類株主は、法律、行政法規および定款によって定められた権利を有し、義務を負う。
その他の種類株主のほか、国内上場株式および国外上場株式を保有する株主は、それぞれ異なる種類株主とみな
される。
(b) 取締役
取締役会
当行は、定款に従い、7名以上17名以下の取締役(執行取締役、非執行取締役を含み、非執行取締役には独立取
締役が含まれる。)により構成される取締役会を設置している。取締役会の構成員の正確な人数は、株主総会によ
り決定される。定款に従い、独立取締役は3名以上でなければならず、その資格要件は、監督当局の要求に沿った
ものでなければならない。執行取締役の数は、取締役会の構成員の総数の3分の1以下とする。取締役会会長および
副会長は、取締役の中から選任され、すべての取締役の過半数により選任 または解任 されるものとする。
取締役会は、株主総会に対して責任を負う機関であり、以下の機能を果たし、権限を行使する。
・ 株主総会の招集および株主総会への業務報告
・ 株主総会決議の実行
・ 発展戦略(三農業務発展戦略およびグリーン・クレジット戦略等を含む。)の決定
・ 経営計画および投資計画の決定
・ 年度財務予算案および決算案の作成
・ 利益処分案および損失補填案の制定
・ 登録資本の増加案または減少案および財務再編の制定
・ 社債またはその他の有価証券の発行および上場計画等の資本補充計画の制定
・ 当行の合併、分割、解散または会社形態の変更に関する計画の制定
・ 自己普通株式取得案の制定
・ 基本管理制度および政策の制定、基本管理制度および政策の執行の監督
・ 当行の健全なリスク管理および内部統制基本管理制度の確立、当行の全面的なリスク管理報告およびリスク
資本分配案の審議承認、ならびにリスク管理の有効性の評価およびその改善
・ 定款、株主総会議事規則および取締役会議事規則の改正案ならびに会社管理制度の制定
・ 総裁によって提案された、総裁業務規則の審議および承認
・ 株主総会の授権に基づく、重要な法人機構の設立、重要な買収および合併、重要な対外投資、重要な資産の
購入、重要な資産の処分、重要な資産の減価償却ならびに重要な対外担保等の事項の審議承認
・ 総裁および取締役会秘書役の任命および解任
・ 総裁の指名に基づく副総裁およびその他の高級管理職(取締役会秘書役を除く。)の任命および解任
・ 単独または共同で当行の議決権の10%以上の株式を保有する株主、取締役会会長、取締役の3分の1以上また
は独立取締役の半数以上(最低2名)の提案に基づく指名および報酬委員会の主席および委員の選任ならび
に指名および報酬委員会の指名に基づく取締役会のその他の専門委員会の主席(戦略企画委員会の主席は除
く。)および委員の選任
・ 取締役の報酬事項の制定ならびに承認を得るための株主総会への提出
・ 高級管理職の報酬事項、成績審査事項および賞罰事項の決定
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・ 内部の職能部門の設置、当行の第一級の国内支店および国外支店、直属支店ならびにその他の直轄機構、国
外機構の設置の決定または総裁に対するかかる決定の授権
・ コーポレート・ガバナンスの評価およびその改善
・ 株式インセンティブ・プランの策定
・ 情報開示事務の管理
・ 会計事務所の任用、解任および不再任に関する株主総会への提案
・ 関連取引の審議および承認または取締役会関連取引監視委員会に対するその承認の授権ならびに株主総会に
対する関連取引の状況および関連取引管理制度の実行状況に関する特定項目の報告
・ 取締役会の各専門委員会が提出した議題の審議および承認
・ すべての取締役がその任務遂行のために関連する十分な情報を適時に得ることを確保するための高級管理層
の業務報告の聴取、高級管理層の業務のチェック、高級管理層の管理職責の効果的な履行の監督かつ確保
・ 株主総会が授権する範囲内において、当行の発行済み優先株に関連する事項を決定する。関連する事項には
取得、転換、配当等の是非の決定を含むがこれらに限られない。
・ 法律、行政法規、部門規則および定款により定められ、または株主総会により授権されたその他の職務およ
び権限
取締役会会長
取締役会会長は、以下の職務を行い、権限を行使するものとする。
・ 株主総会の主宰および取締役会を代表しての株主総会への報告
・ 取締役会の招集および取締役会の主宰
・ 取締役会決議の実行の監督および調査
・ 当行の株券、社債券およびその他の有価証券への署名
・ 当行の法律上の代表者が署名すべきその他の書類への署名
・ 甚大な自然災害等の不可抗力事由が発生した緊急の状況下における、当行の業務に対して法律および当行の
利益に合致した特別な処理を行う権限、ならびに取締役会および株主総会に対するすみやかな事後報告
・ 法律、行政法規、部門規則および定款により与えられ、または取締役会により授権されたその他の職務およ
び権限
取締役会会長がその職務を行うことができないか、または行わない場合、副会長が会長を代理するものとし、副
会長がその職務を行うことができないか、または行わない場合、すべての取締役の半数以上によって選任された取
締役が副会長を代理するものとする。
( ⅰ) 株式の割当ておよび発行の権限
定款には、取締役、監査役および高級管理職に対して株式の割当ておよび発行の権限を与える規定は存在しな
い。
当行の登録資本の増加に係るすべての提案は、株主総会の特別決議による承認を受けるために提出されなければ
ならない。かかる増加はすべて、関連主管機構の認可を前提とする。
( ⅱ) 当行またはその子会社の資産処分権限
固定資産の処分にあたり、取締役会が処分を予定する固定資産の見積額と、かかる処分の提案の前4ヶ月間に処
分された固定資産の総額との合計額が、株主総会で審議された直近の貸借対照表に記載された固定資産の額の33%
を超えるときは、取締役会は、当該処分につき株主総会の承認を得るまでは、当該固定資産の処分または処分の承
認を行ってはならない。
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固定資産の処分には、資産に対する一部の権利および持分の移転を含むが、固定資産を担保に提供することを含
まない。
当行が固定資産の処分のために行った取引の有効性は、上記の規定の影響を受けない。
( ⅲ) 職務の喪失に関する補償または給付
当行は、株主総会の事前の承認を前提として、取締役および監査役との間で、報酬事項に関する書面による契約
に署名するものとする。報酬事項には、以下が含まれる。
・ 当行の取締役、監査役または高級管理職としての地位に対する報酬
・ 当行の銀行子会社の取締役、監査役または高級管理職としての地位に対する報酬
・ 当行およびその子会社の経営を支えるその他の職務に対する報酬
・ 取締役または監査役の地位の喪失または退職にあたっての報酬
取締役および監査役は、上記の契約に基づく場合を除き、当行に対していかなる訴訟も提起してはならず、上記
の事項に関して自らが受領すべき利益を主張してはならない。
( ⅳ) 取締役、監査役および高級管理職に対する貸出
当行は、直接的または間接的に、当行およびその親会社の取締役、監査役および高級管理職に対して貸出または
貸出の担保を提供してはならず、かかる者の関係者に対してもこれらを提供してはならない。
以下の場合、上記の禁止は適用されない。
・ 当行が、その子会社に対して貸出または貸出の担保を提供する場合
・ 当行が、株主総会で承認された雇用契約に従い、当行の取締役、監査役および高級管理職に対して、かかる
者による当行のための支払いまたはかかる者の職務の遂行により生じた費用の支払いを可能にするために、
貸出、貸出の担保またはその他の資金を提供する場合
・ 通常の取引条件により取締役、監査役および高級管理職ならびにかかる関係者に対する貸出または貸出の担
保を提供する場合
( ⅴ) 株式の購入に対する財務的援助
当行またはその子会社は、当行の株式の購入者または潜在的購入者に対して、その時期および方法を問わず、当
行の株式の購入または潜在的購入行為についていかなる財務的援助も提供してはならない。上記の当行の株式の購
入者には、当行の株式の購入により直接的または間接的に債務を負う者が含まれる。
当行またはその子会社は、上記の債務者が当行の株式の購入または購入の意図により負担する債務を軽減または
免除することを目的として、その時期および方法を問わず、いかなる財務的援助も提供してはならない。
以下の行為は、禁止されていない。
・ 当行が自らの利益のために誠実に行い、かつその主たる目的が当行の株式の購入でない場合、またはそれが
当行の全体的な計画の付随的な一部である場合の財務的援助
・ 配当の形による当行の財産の合法的な分配
・ 株式の形による配当の分配
・ 定款に従った登録資本の減少、株式の取得および株式構造の構成等
・ 経営範囲内であり、かつ通常の業務の過程における、当行による貸出の提供(ただし、これにより当行の純
資産が減少しないこと、またはこれにより純資産が減少する場合には、当行の配当可能利益から財務的援助
が拠出されることを要する。)
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・ 従業員持株制度に対する当行からの資金の提供(ただし、これにより当行の純資産が減少しないこと、また
はこれにより純資産が減少する場合には、当行の配当可能利益から財務的援助が拠出されることを要す
る。)
上述の財務的援助は、以下の方法を含むが、これらに限定されない。
・ 贈与
・ 担保(債務者の債務の履行を担保するための、保証人による債務の負担または財産の提供を含む。)、補償
(当行の過失に起因する補償を除く。)および免責または権利の放棄
・ 貸出の提供または当行がその他の当事者に先立って債務を履行することとなる契約の締結、当該貸出および
契約の当事者の変更ならびに当該貸出および契約に係る権利の譲渡
・ 当行が履行不能であるか、もしくは純資産を有しない状況におけるその他一切の形態の当行による財務的援
助、または純資産を著しく減少させるような財務的援助
上記の義務は、契約への署名もしくは合意の締結に起因する義務者の義務、またはその他すべての方法でその財
務状況に変更を生じさせる義務者の義務(上記の契約もしくは合意が実行可能であるか否か、または当該義務を義
務者が単独で負うか他者と共同で負うかを問わない。)を含むものとする。
( ⅵ) 当行またはその子会社との契約上の利害関係の開示
当行の取締役、監査役および高級管理職が、直接的または間接的に、当行が署名し、または計画している契約、
取引または合意(当行と、その取締役、監査役および高級管理職との間の雇用契約を除く。)に関係する場合、そ
れらの者は、当該事項が一般に取締役会の承認を要するか否かを問わず、当該関係の内容および程度を取締役会に
報告しなければならない。
当該事項が、利害関係を有する取締役、監査役および高級管理職により取締役会に開示され、かつ、それらの者
を定足数に含めず、決議に参加させない取締役会において承認されない限り、当行は、相手方が当該取締役、監査
役および高級管理職の義務違反につき善意であった場合を除き、当該契約、取引または合意を取り消す権利を有す
る。
当行の取締役、監査役および高級管理職は、その関係者が特定の契約、取引または合意につき利害関係を有する
場合にも、利害関係人として扱われる。
( ⅶ) 報酬
取締役の報酬は、株主総会の事前の承認を受けることを要する。
( ⅷ) 辞任、任命および解任
取締役の指名および選任
当行の取締役には、執行取締役、非執行取締役を含み、非執行取締役には独立取締役が含まれる。
取締役の候補者は、取締役会または単独もしくは共同で当行の議決権付株式総数の3%以上を保有する株主によ
り指名され、株主総会により選任される。
取締役会、監査役会および単独または共同で当行の議決権付株式総数の1%以上を保有する株主は、独立取締役
の候補者を指名することができ、かかる独立取締役は、株主総会により選任される。独立取締役の任期は、当行の
他の取締役の任期と同一とし、かつ、任期は累計で6年を超えてはならない。独立取締役は、2行を超える商業銀行
に同時に勤務してはならない。独立取締役就任のための資格要件は、国務院銀行業監督管理機構に提出され、その
審査を受けなければならない。
監査役の指名および選任
当行の監査役には、株主代表監査役、社外監査役および従業員代表監査役が含まれる。当行の従業員代表監査
役、社外監査役の比率は、いずれも3分の1を下回ってはならない。
株主代表監査役の候補者は、監査役会または単独もしくは共同で当行の議決権付株式の3%以上を保有する株主
により指名され、当行の株主総会により選任される。
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従業員代表監査役は、監査役会および労働組合により指名され、従業員により従業員代表大会等の民主的な手続
により選任、交代および解任される。
当行の独立監査役は、監査役会または単独もしくは共同で当行の総議決権の1%以上の株式を保有する株主によ
り指名され、株主総会により選任される。
取締役の解任および辞任
株主総会は、任期満了前においては、正当な理由なくしていかなる取締役も解任してはならない。ただし、関連
する法律および行政法規に違反しない場合においては、株主総会は、普通決議によって取締役をその任期中に解任
することができる(ただし、取締役による契約に基づく賠償の請求を妨げない。)。
取締役は、その任期満了前に辞任することができる。取締役が辞任しようとする場合、当該取締役は、取締役会
に書面による辞任届を提出する。取締役会は、その旨を2日以内に開示しなければならない。
取締役の任期満了時において新任の取締役を適時に選任することができないか、または取締役の辞任によって取
締役の数が定款が定める最低人数を下回ることとなる場合、当該取締役は、新たな取締役が補充選出または改選に
より選任され、就任するまでは、法律、行政法規および定款に従い、引続き自らの職務を行わなければならない。
取締役の辞任届は、補充選出された新しい取締役が、その辞任によって生じた欠員を補充してから発効できるもの
としなければならない。
上記の場合を除き、取締役の辞任は、その旨が取締役会に通知された時にその効力を生じる。独立取締役の辞任
は、定款に従う。
定款には、定年による取締役の退任の有無に関する規定は存在しない。
監査役の解任および辞任
いかなる監査役も、その任期満了前においては正当な理由なく解任されない。
監査役は、その任期満了前に辞任を申し出ることができる。辞任しようとする監査役は、監査役会に書面による
辞任届を提出する。取締役の辞任に関する規定は、監査役に対しても参照して適用される。
( ⅸ) 借入権限
定款は、以下の規定を除き、借入権限の行使方法について明確に定めておらず、かかる借入権限の変更方法につ
いても明確に定めていない。
・ 取締役会に対して、当行による社債またはその他の有価証券の発行案を策定する権限を与える規定
・ 社債およびその他の有価証券の発行には、株主総会の特別決議による承認を要する旨を定める規定
( ⅹ) 取締役会の議事手続
取締役会の決議は、すべての取締役の投票数の過半数の賛成により承認および可決される。ただし、以下の事項
は、すべての取締役の投票数の3分の2以上の賛成により可決され、またこの場合、書面による決議を行ってはなら
ない。
・ 年度財務予算案および決算案
・ リスク資本分配案、利益処分案および損失補填案
・ 登録資本の増加案または減少案、財務再建案
・ 社債券またはその他の有価証券の発行および上場案等の資本補充案
・ 合併、分割、解散、清算および会社形態の変更案
・ 自己普通株式取得案
・ 定款の変更案
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・ 株主総会の授権の範囲内における、重要な法人機構の設立、重要な買収および合併、重要な対外投資、重要
な資産の購入、重要な資産の処分、重要な資産の減価償却ならびに重要な対外担保等に関する事項の審議承
認
・ 総裁、副総裁、取締役会秘書およびその他の高級管理職の選任または解任、高級管理職の報酬事項、人事考
課事項および賞罰事項の決定
・ 取締役会の各専門委員会の主席(戦略計画委員会の主席を除く。)および委員の選任
・ 会計事務所の任用、解任または不再任に関する株主総会への提案
・ 株主総会が授権する範囲内における、当行の発行済み優先株に関連する事項の決定。関連する事項には取
得、転換、配当等の是非の決定を含むがこれらに限られない。
・ 法律、行政法規、部門規則および定款の規定により、または全取締役の過半数が当行に対して重大な影響を
与えると認めた、3分の2以上の取締役の賛成による可決を必要とするその他の事項
(c) 基幹文書の変更
当行は、法律、行政法規および定款の規定に従い、その定款を変更することができる。当行は、以下のいずれか
の事由が発生した場合、定款を変更する。
・ 定款のいずれかの規定が、その時々における改正後の中国会社法ならびにその他の関連する法律および行政
法規に 抵触 することとなった場合
・ 当行の状況の変化により、定款に定める条項と合致しなくなった場合
・ 定款変更の決議が株主総会で可決された場合
関連主管機構の承認を要する定款変更はすべて、承認のために関連主管機構に申請するものとする。登記を要す
る定款変更については、当行は、関連する法律に従いかかる変更を登記する。
(d) 既存の株式または種類株式の権利の変更
当行による特定の種類株主の権利の変更または廃止は、当該変更または廃止が株主総会の特別決議および影響を
受ける当該種類株主が定款に従って招集した種類株主総会の決議によって承認された後にのみ、これを行うことが
できる。
以下の場合、種類株主の権利の変更または廃止とみなされる。
・ 当該種類株式の数が増加もしくは減少した場合、または当該種類株式と同等かもしくはそれより多くの議決
権、配当受領権もしくはその他の特別な権利を有する種類株式の数が増加もしくは減少した場合
・ 当該種類株式の全部もしくは一部が他の種類株式に変更された場合、他の種類株式の全部もしくは一部が当
該種類株式に転換された場合、またはかかる変更の権利が与えられた場合
・ 当該種類株式に付された、未払配当金または累積配当金に対する権利が廃止または縮小された場合
・ 当該種類株式に付された、当行の清算の過程における配当優先権または財産分配優先権が縮小または廃止さ
れた場合
・ 当該種類株式に付された、株式転換権、オプション、議決権、譲渡権、株式発行における先買権または当行
の有価証券の取得権が追加、廃止または縮小された場合
・ 当該種類株式に付された、特定の通貨で当行からの支払いを受領する権利が廃止または縮小された場合
・ 当該種類株式と同等かまたはそれより多くの議決権、配当受領権またはその他の特別な権利を有する新たな
種類株式が創設された場合
・ 当該種類株式の譲渡または所有を制限し、または制限の強化がなされた場合
・ 当該種類株式または他の種類株式の引受権、またはそれらへの転換権が発行された場合
・ 他の種類株式の権利および特別な権利が拡大された場合
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・ その過程において、異なる種類株主に異なる程度の責任を負わせることとなる当行の再編が行われた場合
・ 当行の定款で規定された規定が変更または廃止された場合
利害関係を有する株主は、種類株主総会において議決権を行使することができない。利害関係を有する株主と
は、以下の意味を有する。
・ 当行が、定款に従い、すべての株主に対して等しく持株数に応じた取得の申込みを行った場合、または証券
取引所の公開取引により取得を行った場合、「利害関係を有する株主」とは、定款に定義する支配株主をい
う。
・ 当行が、定款に従い、証券取引所外の相対取引により取得を行った場合、「利害関係を有する株主」とは、
当該取引に関係する株主をいう。
・ 当行の再編計画においては、「利害関係を有する株主」とは、同一の種類株式のその他の株主よりも軽い責
任を負う株主、または同一の種類株式のその他の株主とは異なる利害関係を有する株主をいう。
種類株主総会の決議は、当該種類株主総会の出席株主が保有する議決権付株式の3分の2以上の賛成によってのみ
可決される。
以下の場合、種類株主の議決権に関する特別手続は適用されない。
・ 当行が、株主総会の特別決議による承認後、12ヶ月ごとに個別または同時に国内上場株式および国外上場株
式を発行する場合であって、発行される国内上場株式および国外上場株式が、発行済みの同種の株式の20%
を超えない場合
・ 当行の設立過程における国内上場株式および国外上場株式の発行計画が、国務院証券監督管理機構の認可日
から15ヶ月以内に完了する場合
・ 当行の発起人の保有株式が、国務院、国務院証券監督管理機構または国務院の授権された証券審査認可機構
の認可を得て、国外上場株式に転換される場合
(e) 資本の額の変更
登録資本の増加
当行は、事業および事業の発展のために必要がある場合、関連する法律および行政法規の規定に従い、株主総会
の決議および関連主管機構の認可を条件として、以下の方法でその登録資本を増加させることができる。
・ 不特定の投資家に対する新株式の募集
・ 特定の投資家に対する新株式の募集
・ 既存の株主(優先株主は含まない。)に対する新株式の割当て
・ 資本準備金の組入れによる株式資本の増加
・ 関連主管機構または法律および行政法規により認められるその他の方法
新株式の発行による当行の増資は、定款に従って承認された後、関連する法律および行政法規の定める手続に
従って行う。
登録資本の減少
当行は、定款の規定に従い、その登録資本を減少させることができる。
当行は、登録資本を減少させる場合、貸借対照表および財産目録を作成しなければならない。
当行は、登録資本の減少に係る決議の可決後10日以内に、債権者に対してその旨を通知し、30日以内に、当該決
議の公告を新聞に3回以上掲載するものとする。債権者は、書面による通知の受領から30日以内に、または書面に
よる通知を受領しなかった場合は最初の公告が行われた日から90日以内に、当行に対して、その債務の全額の支払
いを求めるか、または返済のための相当の担保の提供を求めることができる。
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当行の減資後の登録資本の額は、法定の最低限度額を下回ってはならない。
(f) 過半数の賛成を要する特別決議
株主総会の決議は、(ⅰ)普通決議および(ⅱ)特別決議の2種類に分類される。
株主総会の普通決議は、当該総会の 議決権を有する 出席株主(その代理人を含む。)が有する議決権付株式の過
半数の賛成により可決される。
株主総会の特別決議は、当該総会の 議決権を有する 出席株主(その代理人を含む。)が有する議決権付株式の3
分の2以上の賛成により可決される。
以下の事項は、株主総会の特別決議によって可決されるものとする。
・ 当行の登録資本の増加または減少
・ 社債またはその他の有価証券の発行および上場
・ 当行の合併、分割、解散、清算および会社形態の変更等
・ 自己普通株式の取得
・ 定款の変更
・ 株式インセンティブ・プランの承認
・ 当行の1年以内における重要な資産の購入または売却あるいは金額が当行の資産総額の30%を超える担保提
供に関する事項の審議および承認
・ 重要な法人機構の設立、重要な買収および合併、重要な投資、重要な資産の減価償却および前項の規定を除
く重要な資産の購入、重要な資産の処分ならびに重要な対外担保等に関する事項の審議および承認、または
取締役会に対するそれらの承認の授権
・ 利益配当政策の変更
・ 株主総会の普通決議において、当行にとって重大な影響を及ぼし、特別決議による 可決 を要すると判断され
たその他の事項
・ 当行の発行済みの優先株に関連する事項を決定すること、または決定に関する権限を取締役会へ授権するこ
と。関連する事項には取得、転換、配当等の是非に関する決定も含まれるが、これらに限られない。
・ 法律、行政法規、部門規則または定款により、特別決議による可決を要すると定められたその他の事項
上記の特別決議による承認を要する事項を除き、株主総会による可決が必要なその他の事項は普通決議によって
承認される。
(g) 議決権
株主(その代理人を含む。)は、株主総会での投票にあたり、1普通株式につき1票の議決権を有し、優先株式は
本定款の第76条の規定に基づき行使される。自らが保有する議決権付株式の数に応じてその議決権を行使する。
当行が保有する株式については、議決権はなく、当該株式は、株主総会の出席株主が代表する議決権付株式に含
まれない。
関連する株主総会の手続および行政事項の議案につき、議長が挙手方式により決議を行うことができる場合を除
き、 株主 総会は記名方式の投票により決議を行う。
書面投票の場合、2票以上の議決権を有する株主(その代理人を含む。)は、そのすべてを賛成票もしくは反対
票または棄権として統一して行使することを要しない。
(h) 定時株主総会
株主総会には、定時株主総会および臨時株主総会の2種類がある。株主総会は、通常、取締役会によって招集さ
れる。
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定時株主総会は、年に1回、各会計年度終了後6ヶ月以内に開催しなければならない。特別な理由により株主総会
を延期しなければならない場合、適時にかつ理由を示して、国務院銀行業監督管理機構にその旨を報告する。
臨時株主総会は、以下のいずれかの事由が発生した日から2ヶ月以内に招集される。
・ 取締役の数が、法定の定数、定款が定める最低人数、または株主総会が決定した取締役会の人数の3分の2を
下回った場合
・ 当行の未填補の損失が、当行の払込済株式資本総額の3分の1に達した場合
・ 単独または共同で当行の議決権付株式の10%以上を保有する株主が、株主総会の招集を書面により要求した
場合。この場合、前述の持株数は、株主が書面により要求を提出した日の持株数を基準とする。
・ 取締役会が必要と判断した場合
・ 監査役会がその開催を提案した場合
・ 法律、行政法規、部門規則および定款に定めるその他の場合
(i) 会計および監査
当行は、法律、行政法規および国務院財務主管部門が策定した中国の会計基準の規定に従って、その財務会計シ
ステムを構築する。
取締役会は、各定時株主総会において、関連する法律、行政法規および部門規則の定めに従い当行が作成した財
務書類を、株主に提出する。
当行は、中国の会計基準および関連する法律や規則だけでなく、国際会計基準または国外上場地の会計基準に
従ってその財務書類を作成するものとする。2種類の会計基準に従って作成された財務書類に重要な相違がある場
合、かかる相違を財務書類の注記に明記する。当行は、関連する会計年度の税引後利益の配分にあたり、上記の2
種類の財務書類のうち少ない方の税引後利益を採用する。
当行は、その財務報告書を各会計年度に2回、すなわち、会計年度の最初の6ヶ月間の終了後60日以内に中間財務
報告書を、会計年度の終了後120日以内に年度財務報告書を、それぞれ公表する。当行の株式上場地の証券監督管
理機構のその他の規則は、これに優先する。
(j) 株主総会招集通知およびそれに関する手続
当行が株主総会を招集する場合、取締役会は、総会の45日前までに書面で通知しなければならない。株主総会へ
の出席を予定する株主は、当該総会の招集日から20日以上前に、当行に対して書面による出席の回答を送付しなけ
ればならない。
当行は、株主総会の20日以上前に受領した書面による回答に基づいて、議決権付株式の数を計算するものとす
る。 当行 は、当該総会への出席を予定する株主の保有する議決権付株式の数が、 当行の議決権付株式総数の半数以
上に達しない 場合、当該総会の議案、場所および日時の公告という形で、5日以内に再度株主への通知を行うもの
とする。当行は、かかる公告がなされた後に、当該株主総会を招集することができる。株主総会招集通知は、以下
の条件を充たさなければならない。
・ 書面によること。
・ 総会の場所、時間および総会の期限を明記していること。
・ 総会で審議される議題および議案の説明が記載されていること。
・ 出席する権利および議決権を有する 株主が、株主総会に出席する権利、必要に応じて1名以上の代理人(当
行の株主であることを要しない。)に総会への出席および議決を委任する権利を有している旨を、明確に記
載していること。
・ 株主が議案について合理的な判断をするのに必要な資料および説明を提供していること。かかる資料および
説明には、主として、提案された取引に関する具体的な条件および契約(もしあれば)ならびに当行が合
併、株式の取得、株式構造の再編またはその他の形による組織再編を提案するときは、その理由および状況
に関する詳細な説明を含むが、これらに限定されない。
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・ 取締役、監査役およびその他の高級管理職が議案について重大な利害関係を有する場合は、当該利害の性質
および範囲を明らかにしていること。さらに、株主である取締役、監査役およびその他の高級管理職に対し
て議案が及ぼす影響が、同一の種類株式のその他の株主に対して及ぼす影響と異なる場合は、当該相違につ
いて説明していること。
・ 総会での可決が提案されているすべての特別決議案の全文を記載していること。
・ 総会のための委任状の到達期限および送付先を定めていること。
・ 株主総会への出席を認められる株主の基準日を定めていること。
・ 総会に関する常設の連絡担当者の氏名および電話番号を記載していること。
・ 株主総会が、インターネットまたはその他の方法による場合は、インターネットまたはその他の方法による
投票の時間および手続を明確に記載していること。
(k) 株式譲渡
法律、行政法規、部門規則および当行の株式上場地の証券監督管理機構の規則に別段の定めがない限り、当行の
株式は、いかなる留置権も付されずに法律に従いこれを譲渡することができる。当行の株式を譲渡する場合、譲渡
人は、当行が委託した株式登記機構に登記手続を委託しなければならない。
香港証券取引所に上場された全額払込済みの国外上場株式は、定款に従って自由にこれを譲渡することができ
る。ただし、取締役会は、定款に定める条件が充たされている場合を除き、理由を示すことなく譲渡文書の承認を
拒否することができる。
香港 証券取引所 に上場された国外上場株式を譲渡するすべての場合において、一般的な様式もしくは通常の様式
または取締役会が容認する様式の書面による譲渡文書を用いるものとする。書面による譲渡文書には、署名または
有効な社印を押印することができる(譲渡人または譲受人が会社である場合)。株主が、SFOが定義する公認の決
済機関またはその代理人である場合、書面による譲渡文書には、機械の印刷による記名を付すことができる。
当 行は、自己株式を、質権の目的物として受け入れてはならない。
(l) 当行の自己株式取得権限
当行は、以下の場合、法律、行政法規、部門規則および定款の規定に従い、その発行済みの普通株式を取得する
ことができる。
・ 当行の登録資本を減少させるために株式を消却する場合
・ 当行の株式を保有する他社と合併する場合
・ 当行の従業員に対して、ストック・オプションを付与する場合
・ 株主総会で可決された当行の合併および分割に関する決議に反対する株主から、当行の株式の買取りを求め
られた場合
・ 法律、行政法規および部門規則ならびに当行の株式上場地の証券の監督管理機構により認められるその他の
場合
1 番目から3番目の事情で株式を取得する場合、当行は、株主総会の承認を得なければならない。1番目の事情で
株式を取得する場合、当行は、取得の日から10日以内に当該株式を消却しなければならない。2番目および4番目の
事情で株式を取得する場合、当行は、6ヶ月以内に当該株式を譲渡または消却しなければならない。
当行が3番目の事情で取得する株式は、当行の発行済株式総数の5%を超えないものとする。取得の資金は、当行
の税引後利益の中から支払うものとする。取得された株式は、1年以内に従業員に譲渡されるものとする。
当行は、関連主管機構の認可を得た後、以下のいずれかの方法によってその株式を取得することができる。
・ 証券取引所での公開取引による取得
・ すべての当該種類株主に対する同様の比率による取得の申込み
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・ 証券取引所外の相対取引による取得
・ 法律、行政法規、部門規則または関連主管機構により認められるその他の方法
(m) 当行子会社の株式保有権限
定款には、当行の子会社による当行株式の保有を制限する規定は存在しない。
(n) 配当および配分のその他の方法
当行の事業年度における税引後利益は、以下の優先順位に従って配分される。
( ⅰ) 前年度の損失の補填
( ⅱ) そのうち10%の法定準備金への積立て
( ⅲ) 一般準備金の積立て
( ⅳ) 優先株式の配当金の支払い
( ⅴ) 任意準備金の積立て
( ⅵ) 普通株式の配当金の支払い
当行の法定準備金の累積額がその登録資本の50%に達したか、または50%を超えた場合、それ以上の積立ては要
求されない。株主総会は、法定準備金の積立て、一般準備金の積立てを行い、優先株式の配当金を支払った後に、
任意準備金を積み立てるか否かを決定する。当行は、損失の補填および法定準備金の積立ておよび一般準備金の積
立ての前においては、あらゆる株主に対していかなる利益の配分も行ってはならない。
当行は、現金、株券または現金と株券を互いに合わせる方式により配当を行うことができる。
当行は、国外上場株式の株主に代わって支払いを受領する代理人を任命する。代理人は、関係株主に代わって、
国外上場株式に対する配当および当行によるその他の支払いを受領する。
当行が任命する代理人は、法律または上場地の証券取引所の関連規定の条件を充たす者でなければならない。
当行が香港 証券取引所 の国外上場株式の株主のために任命する代理人は、香港の受託者条例に基づいて登録され
た信託会社とする。
特殊な状況を除き、当年度において利益を上げかつ累計未分配利益の値がプラスである場合、当行は、現金方式
により配当金を配当する。
当行が毎年現金方式により普通株主へ分配する利益は、当該会計年度のグループ親会社の普通株主に帰属する純
利益の10%を下回らない。戦争、自然災害などの不可抗力が生じた場合、または会社外部の経営環境が変化し、か
つ会社の生産経営に重大な影響を及ぼした場合、または会社自身の経営状況に比較的大きな変化が生じた場合は、
会社は利益処分政策を調整することができる。利益処分政策を調整する場合、取締役会は本議題につき説明し、調
整理由を詳細に説明し、かつ独立取締役の審議を経てから株主総会に提出し、承認を得なければならない。
特殊な状況とは、国家の法律法規により規定されている利益配当が禁止される状況を指し、一般準備金、資本充
足レベルが監督管理要求に達していない状態を含むが、これに限られない。
取締役会が、当行の株価と資本金規模が不釣合いであると認める場合、または取締役会が必要であると認める場
合、取締役会は、上述の現金による配当金分配の基礎を満たした上で、株券による配当金分配案を提出し株主総会
にて審議承認してから実施することができる。
当行は、前会計年度において利益を上げたが当行の取締役会が前会計年度終了後も現金利益配当案を提出してい
ないという場合は、定期報告において未配当の原因、当行に留保されている配当に用いていない資金の用途を詳細
に説明しなければならず、独立取締役はこれに対し、独立した意見を述べなければならない。
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(o) 代理人
株主総会への出席および株主総会での議決権の行使を認められるすべての株主は、自らを代理して出席し、議決
権を行使する1名以上の者(株主であることを要しない。)を、その代理人として任命する権利を有する。
株主は、書面により代理人への委任をなすものとし、委任状には、株主または株主が書面により授権した代理人
が署名するものとする。株主が法人である場合、委任状には、当該法人の印鑑を押印するか、またはその法律上の
代表者もしくは取締役もしくは書面により授権された代理人が署名する。
株主が株主総会への出席を代理人に委任するために発行する委任状は、以下の内容を含む。
・ 代理人の氏名
・ 代理人により代理される株式数および株式の種類
・ 議決権の有無
・ 株主総会の各議案についての指示(各決議についての株主の賛成、反対または投票の棄権の意思を示すも
の)
・ 委任状の発行日およびその有効期間
・ 株主または書面により授権した代理人の署名または押印。なお、株主が法人である場合、委任状には、当該
法人の印鑑を押印するか、またはその法律上の代表者もしくは取締役もしくは書面により授権された代理人
が署名する。
・ 委任状には、株主の指示がない場合、その代理人が自らの意思により議決権を行使できるか否かを明記しな
ければならない。委任状に明記されておらず、株主が具体的な指示をしていない事項については、その代理
人が自らの意思により議決権を行使できるとみなされ、株主はその議決権の行使に対して相応の責任を負
う。
株主が投票前に死亡するか、行為能力を失うか、もしくは委任状もしくは署名済みの授権書類を取り消すか、ま
たは関連する株式が投票前に譲渡された場合、委任状の条項に従ってなされた投票は、当行が当該総会の開始前に
かかる旨の書面による通知を受領しない限り、有効とする。
(p) 株式に関する請求および株式の失権
当行は、何人からの請求もなされなかった配当については、中国の関連する法律、行政法規および部門規則の遵
守を条件として、支払いを拒絶する権利を行使することができるが、かかる権利の行使は、適用される期間の満了
後に限られる。
配当通知書が2回連続して換金されなかった場合、または1回目に当該配当通知書が配達できず返送されてきた場
合、当行は、国外上場株式の保有者への配当通知書の郵送を終了させる権利を有する。
当行は、以下の条件が充たされた場合、所在が確認できない国外上場株式の株主が保有する株式を取締役会が適
当と判断した方法によって売却する権利を有する。
・ 当行が、当該株式に対して12年以内に3回以上配当を行い、かつ、当該期間中に何人からも当該配当の請求
がなされないこと。
・ 当行が、12年の期間終了後に、当行の株式上場地の1紙以上の新聞に、株式売却の意図を記載した公告を掲
載し、かつ、当行の株式上場地の証券監督管理機構への通知を行うこと。
(q) 株主名簿の閲覧
当行の株主は、株主名簿の全部を無料で閲覧し、合理的な費用でそれを複写する権利を有する。
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(r) 株主総会および種類株主総会の定足数
当行は、株主総会の20日以上前に受領した書面による回答に基づいて、当該総会への出席を予定する株主が有す
る議決権付株式の数を計算するものとする。総会は、当該総会への出席を予定する株主が保有する議決権付株式の
数が、当行の議決権付株式総数の半数以上に達した場合に、これを開催することができる。かかる条件が充たされ
ない場合、当行は、当該総会の議案、場所および日時の公告という形で、5日以内に再度株主への通知を行う。当
行は、かかる公告がなされた後に、当該株主総会を開催することができる。
当行は、総会への出席を予定する株主が代表する議決権付株式の数が、当該総会における同種の議決権付株式総
数の2分の1以上に達した場合に、種類株主総会を開催することができる。かかる条件が充たされない場合、当行
は、5日以内に、当該総会の議案、日時および場所を公告によって再度株主に通知し、その後に種類株主総会を開
催することができる。
(s) 不正行為または抑圧に関する少数株主の権利
当行の支配株主は、当行およびその他の株主に対して忠実義務を負う。支配株主は、投資家としての自らの権利
の行使にあたり、法律、行政法規、部門規則および定款を厳守しなければならず、また、不正な利益を得るために
自らの地位を濫用してはならず、当行またはその他の株主の法律上の権利および利益を損なってはならない。
支配株主は、それが法律、行政法規、または当行の株式上場地の証券監督管理機構の関連する規則に基づく義務
である場合を除き、株主としての権利の行使にあたり、以下の事由に関して、議決権の行使により株主の全部また
は一部の利益を損なうような決定をしてはならない。
・ 当行の最大の利益のために誠実に行為する取締役および監査役の責任を免除すること。
・ 取締役および監査役が、自己または第三者の利益のために、あらゆる形で当行の財産(当行にとって有利な
機会を含むが、これに限定されない。)を剥奪するのを承認すること。
・ 取締役および監査役が、自己または第三者の利益のために、他の株主の個々の権利および利益(配当受領権
および議決権を含むがこれらに限定されない。)を剥奪するのを承認すること(ただし、定款に従って承認
のために株主総会に提出された当行の組織再編を除く。)。
当行の支配株主は、当行の意思決定ならびに法律に従って行われる経営活動および営業活動を直接的または間接
的に妨げてはならず、当行およびその他の株主の権利および利益を損なってはならない。
「支配株主」とは、以下の条件のいずれかを充たす者をいう。
・ 単独または共同で、取締役の2分の1以上を選任する権利を有していること。
・ 単独または共同で、当行の議決権の30%以上を行使するか、または行使を支配する権利を有していること。
・ 単独または共同で、当行の発行済みの議決権付き株式の30%以上を保有していること。
・ 単独または共同で、その他の方法により当行を事実上支配していること。
(t) 清算手続
当行は、以下の場合に、法律に従って解散する。
・ 株主総会においてその旨の決議があった場合
・ 当行の合併または分割の結果として必要な場合
・ 当行の営業許可証が停止されるか、または終了もしくは無効を命じられた場合
・ 当行の業務および経営に重大な困難があり、当行の存続が株主利益を著しく損なうおそれがあり、かつ他
の方法による問題の解決が不可能である場合
当行の解散は、認可のために国務院銀行業監督管理機構に報告する。
取締役会は、当行の清算(当行の破産宣告の結果としての清算を除く。)を決定する場合、当行の状況を包括的
に調査した結果、当行が清算開始後12ヶ月以内にすべての債務を弁済することができると判断した旨を、かかる目
的のために招集される株主総会の招集通知に記載する。
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当行の取締役会の権限および機能は、株主総会おける清算の決議と同時に終了する。
清算委員会は、株主総会の指示に従い、同委員会の収支、当行の事業および清算の進捗状況を年に1回以上株主
総会に報告し、清算終了時に株主総会に対して最終報告を行う。
清算委員会は、その成立後10日以内に、債権者に対して成立を通知し、60日以内に、成立の公告を新聞に3回以
上掲載する。
債権者は、通知を受領した日から30日以内に、または通知を受領しなかった場合は最初の公告が行われた日から
45日以内に、清算委員会に対して自らの債権を届け出る。
債権者は、自らの債権の届出にあたり、当該債権に関連する事項を説明し、かつ、その証拠資料を提出しなけれ
ばならない。清算委員会は、債権を記録する。
清算委員会は、債権届出期間中においては、債権者に対していかなる債務の弁済もしてはならない。
(u) 当行の株主にとって重要なその他の規定
株主総会の機能および権限
株主総会は、以下の機能を果たし、権限を行使することを認められた機関である。
・ 経営計画および投資計画の決定
・ 取締役の選任、交替および解任ならびに取締役の報酬の決定
・ 独立監査役および株主代表監査役の選任、交替および解任ならびに監査役の報酬の決定
・ 取締役会の報告の審議および承認
・ 監査役会の報告の審議および承認
・ 年度財務予算案および決算案の審議および承認
・ 利益処分案および損失補填案の審議および承認
・ 登録資本の増加または減少に関する決議
・ 社債券およびその他の有価証券の発行ならびに上場に関する決議
・ 当行の合併、分割、解散、清算または会社形態の変更に関する決議
・ 当行の普通株式の取得に関する決議
・ 定款ならびに株主総会議事規則、取締役会議事規則および監査役会議事規則の変更の承認
・ 会計事務所の任用、解任または不再任の決定
・ 当行の1年以内における重要な資産の購入または売却あるいは金額が当行の資産総額の30%を超える担保提
供に関する事項の審議および承認
・ 重要な法人機構の設立、重要な買収および合併、重要な対外投資、重要な資産の減価償却および前項の規定
を除く重要な資産の購入ならびに重要な対外担保の提供等の事項の審議および承認、または取締役会に対す
るそれらの授権
・ 募集資金の使途の変更の審議および承認
・ 株式インセンティブ・プランの審議および承認
・ 単独または共同で議決権の3%以上を保有する株主の提案の審議および承認
・ 法律、行政法規、部門規則、当行の株券上場地の証券監督管理機構および定款において、株主総会での審議
および承認が必要と定められた関連取引の審議および承認
・ 当行の発行済みの優先株に関連する事項を決定すること、またはこれらの決定に関し取締役会へ授権するこ
と。関連する事項には取得、転換、配当等の是非に関する決定も含まれるが、これらに限られない。
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・ 法律、行政法規、部門規則、当行の株券上場地の証券監督管理機構および定款において、株主総会での審議
および承認が必要と定められたその他の事項の審議および承認
株主に対する貸出
株主に与えた当行の与信の条件は、その他の顧客に対する同種類の与信の条件より有利であってはならない。
同一の議決権を有する株主の当行での借入残高は、当行の純資産額の10%を超えてはならない。
当行の株主、特に主要株主は、信用供与の期限が過ぎている間は、議決権を行使できず、その保有する株式数
は、株主総会に出席している議決権付き株式総数に算入されない。かかる株主が指名した取締役は、取締役会会議
において議決権を行使してはならない。当行は、当該株主が受け取るべき配当を当行からの借入の返済に優先的に
充当する権利があり、当行の清算時には、当該株主に分配する財産を、当行からの借入の返済に優先的に充当しな
ければならない。
取締役の株式資格
取締役は、自然人であるものとし、また、当行の株式を保有することを要しない。
取締役会委員会
取締役会の下には、戦略計画委員会、三農金融/普恵金融発展委員会、監査およびコンプライアンス委員会、指
名および報酬委員会、リスク管理委員会(同委員会の下に、関連取引監視委員会が設置される。)、米国地域機関
リスク管理委員会が設置される。取締役会は、必要に応じて随時、その他の委員会を設置し、既存の委員会を調整
することができる。取締役会各委員会は、取締役会に対して説明責任を負い、取締役会の授権に基づき、取締役会
に専門的意見を提供し、専門的意見を要する事項に関して決定を下す。
各委員会は、年度活動計画を立て、定期的に会合を行う。各委員会は、3名以上の取締役により構成される。非
執行独立取締役は、監査およびコンプライアンス委員会、指名および報酬委員会ならびに関連取引監視委員会の過
半数を占め、かつ当該委員会の主席を務める。
戦略計画委員会
戦略計画委員会は、以下の職務を行う。
・ 戦略発展のための全体的計画および個別計画の制定ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 国内および国外の金融情勢および市場の変化に照らした、当行の戦略発展計画の展開および実行に影響を及
ぼす要因の評価ならびに取締役会に対する戦略発展計画の 調整および 提案
・ 経営計画、投資計画および財務計画の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案。当行の経営計画およ
び投資計画の実行状況の監督、調査
・ 高級管理層が提示する年度財務予算案および決算案の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 法人の設立ならびに合併および買収に関する計画の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 重要な対外投資、重要な資産の購入、重要な資産の処分、重要な資産の減価償却および重要な対外担保等に
関する事項の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 戦略的資本運用ならびに資産および負債管理の目標の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 本店内部の職能部門、第一級の国内支店および国外支店、本店の直属支店およびその他の機構ならびに国外
における機構の設立および調整の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案
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・ 財務報告、リスク管理および内部統制等が当行のコーポレート・ガバナンスの基準に合致するよう保証する
ため、当行のコーポレート・ガバナンスが健全に行われているかどうかの審査および評価
・ 法律、行政法規および部門規則および当行の株券上場地の証券監督管理機構により要求される機能ならびに
取締役会により授権された機能
三農金融 / 普恵金融発展委員会
三農金融/普恵金融発展委員会は、以下の職務を行う。
・ 当行の全体的な戦略発展計画に沿った、三農業務の戦略発展計画の審議およびそれに関する取締役会への提
案
・ 三農に関する国の方針ならびに三農の経済および金融市場の動向に沿った、当行の三農業務の開発に影響を
及ぼす重要な要因の評価ならびに取締役会に対する三農業務の戦略発展計画の修正の速やかな提案
・ 三農業務に関する当行の方針および基本管理制度の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 当行のリスク管理戦略計画に沿った、当行の三農業務のリスク戦略計画の審議、三農業務に関するリスク管
理および内部統制状況の評価ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 当行の三農業務の戦略計画、方針および基本管理制度の実行の監視、三農に関するサービスの効果の評価な
らびにそれらに関する取締役会への提案
・ 当行の経営計画に沿った、三農業務計画の審議およびそれに関する取締役会への提案
・ 普恵金融事業の発展計画の策定、当行の普恵金融政策、基本的管理制度、年間事業計画ならびにリスク戦略
計画の審議
・ 当行の普恵金融に関する各戦略、政策、制度の確実な実施の監督、評価を行った後の取締役会への意見の提
出
・ 三農業務および普恵 金融 の関連事項ならびに取締役会が授権したその他の事項の審議
監査およびコンプライアンス委員会
監査およびコンプライアンス委員会は、以下の職務を行う。
・ 当行の内部統制管理制度の審議、当行の内部統制の効果的な実施および内部統制の自己評価の監督ならびに
当行の中核的事業活動および主要な事業ならびにそれらの法令遵守状況の検討および評価
・ 当行の重要な財務 会計 方針およびその実行の審査ならびに当行の財務運営の監督
・ 当行の監査基本管理制度、規則、中長期的監査企画および年度業務計画の審査ならびにそれらに関する取締
役会への提案。当行の監査基本管理制度、規則、企画および計画ならびにその実施の監督
・ 当行の内部監査制度設置計画の審議およびそれに関する取締役会への提案
・ 内部監査の独立性を確保するための、内部監査部門の年度予算の審議、または取締役会の授権に基づくその
審査
・ 内部監査業務の監督および評価、当行の内部監査制度およびその実施の監督
・ 会計事務所の任用または解任の提案および承認のための取締役会への報告、会計事務所が考案した年度監査
計画、監査範囲および重要な監査規則の監督および評価、監査を経た当行の財務会計報告書に関する情報の
真実性、完全性および正確性につき判断する報告の作成および承認のための取締役会へのそれらの提出
・ 当行の内部監査部門と会計事務所との間の意思疎通の促進
・ 当行の事件予防業務の全体方針の審議、高級管理層の関連責務および権能を明確化
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・ 当行の事件予防業務の審査・監督、関連作業報告書の審議、事件予防の実行の効果の査定・評価、事件予防
管理体制の構築の促進
・ 法律、行政法規、部門規則および当行の株券上場地の証券監督管理機構により要求される機能ならびに取締
役会により授権された機能
指名および報酬委員会
指名および報酬委員会は、以下の職務を行う。
・ 取締役、取締役会の各専門委員会の主席および委員ならびに高級管理職の選任の基準および手続の制定なら
びに承認のための、取締役会への手続案および基準案の提出
・ 取締役、総裁、取締役会秘書役、総裁が指名した副総裁およびその他の高級管理職候補者の就任資格および
条件の暫定的な審査および取締役会への提案
・ 取締役の候補者、総裁、取締役会秘書役の人選に関する取締役会への提案
・ 他の委員会の主席および委員(戦略計画委員会の主席を除く。)の候補者の指名
・ 高級管理職および主要な 予備 人材の開発計画の制定
・ 取締役および高級管理層の報酬計画の立案、 承認のための取締役会への提出、 取締役および高級管理職の業
績審査に基づく、報酬の支払計画に関する提案の提出ならびに承認のための取締役会へのそれらの提出
・ 高級管理層が提示した、人事および報酬に関する方針および基本 管理 制度の審議ならびに 決定 のための取締
役会への 提出 およびそれらの実行の 監督
・ 法律、行政法規、部門規則および当行の株券上場地の証券監督管理機構により要求される機能ならびに取締
役会により授権された機能
リスク管理委員会
リスク管理委員会は、以下の職務を行う。
・ 当行の総体発展戦略企画に基づく、当行のリスク管理戦略企画、リスク選好および主要リスク管理政策の審
議、その実施状況および効果に対する監督および評価ならびに取締役会への提案
・ 全面的なリスク管理報告およびリスク資本分配案の審議および取締役会への決定の提案
・ 信用、市場および業務に関する高級管理職のリスク管理の監督ならびに当行のリスク管理に関する完璧な意
見の提出
・ 当行のリスク管理システムの継続的な監督、 当行の リスク管理部門の設置、作業手順およびその効果の評価
ならびに改善提案の提出
・ 当行の総体発展戦略計画に従った、当行の消費者権利保護の戦略、政策および目標の審議、取締役会への提
案、当行の消費者権利保護業務の監督および評価、定期的な当行の消費者権利保護業務の実施に関する報告
の聴取
・ 法律、行政法規、部門規則および当行の株券上場地の証券監督管理機構により要求される機能ならびに取締
役会により授権された機能
関連取引監視委員会
関連取引監視委員会は、以下の職務を行う。
・ 関連取引基本制度の審議およびその実施の監督ならびに取締役会に対する提案の提出
・ 当行の関連者の特定、取締役会および監査役会への報告ならびに関係者への通知
・ 取締役会または株主総会の承認を得るべき関連取引の暫定的な審議および承認のための取締役会または取締
役会を通じた株主総会への提案
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・ 取締役会の授権に基づく、関連取引および関連取引に関連するその他の事項の審査および承認、関連取引に
関する届出の管理および取締役会への関連取引の管理状況の説明
・ 法律、行政法規、部門規則および当行の株券上場地の証券監督管理機構により要求される機能、または取締
役会により授権された機能
米国地域機関リスク管理委員会
・ 米国における事業のリスク管理政策を審議し、実施の監督を行うこと。米国における機関の内部検査および
外部検査に発見した問題及び整頓・改革の状況に関する報告書を審議すること。取締役会が授権したその
他の責務を履行すること。リスク管理委員会は、米国地域機関リスク管理委員会の職務を兼ねる。
監査役会
当行は、監査機関であり、株主総会に対して責任を負う監査役会を設置した。監査役会は、以下の機能および権
限を有する。
・ 取締役会および高級管理層の業績の監督、取締役および高級管理層の義務履行の監督およびこれに関する調
査ならびに取締役および高級管理層に対する当行の利益を損なう行為の是正の要求
・ 法律、行政法規および定款または株主総会決議に違反した取締役および高級管理層に対する解任および訴訟
の提起の提案
・ 必要に応じた取締役および高級管理層の離任監査の実行
・ 監査役の報酬および手当の分配計画の策定、審議のための株主総会への提出
・ 財務活動、経営決定、リスク管理および内部統制の監督ならびに内部監査 部門の 業務に関する助言
・ 取締役会が株主総会に提出 予定の 財務会計報告書、業務報告書および利益処分案の審議ならびに問題が発見
された場合の当該報告書を審議する会計士および会計監査人の当行の名による任命
・ 三農業務の発展戦略計画、方針および基本管理制度の実行の監督
・ 株主総会への提案の提出
・ 株主代表監査役、社外監査役および独立監査役の指名
・ 監査役会議事規則の修正案の制定
・ 外部監査業務の独立性および効率性のみならず、外部監査法人の任命、解任および再任についてのコンプラ
イアンスならびに雇用および報酬の条件の公平性の監督
・ 法律、行政法規、部門規則および定款により要求されるその他の機能、または株主総会により授権されたそ
の他の機能
優先株主に関する特別規定
当行が以下に掲げる状況にある場合、優先株主は議決権を有する。
・ 定款における優先株式に関連する内容の修正を行う場合
・ 一回または累計で当行の登録資本の10%を超える減額を行う場合
・ 当行の合併、分割、解散または会社形態の変更を行う場合
・ 優先株式の発行を行う場合
・ 法律、行政法規および定款において規定するその他の場合
以上に掲げる状況の1つが起きた場合、優先株主は株主総会に出席する権利を有し、当行はインターネットによ
る投票を提供しなければならない。当行による株主総会の開催は優先株主に通知しなければならず、かつ定款で定
められた普通株主に対する通知に関する手続に従わなければならない。
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当行が優先株式に係る配当を累計3会計年度または連続する2会計年度にわたって支払わない場合、優先株主は、
当該年度の利益分配計画に従って優先株式に配当を行わないことを決議した株主総会の翌日以降、株主総会に出席
し、普通株主と同様に議決権を行使する権利を有するものとし、議決権は、当該年度の優先株式に係る配当が当行
によりすべて支払われる日までの間、復活するものとする。
2【外国為替管理制度】
中国の法定通貨である人民元は、現在、外貨管理の対象となっており、外貨に自由に交換することができない。
中国人民銀行の管轄下にあるSAFEは、中国人民銀行により外貨に関連する一切の事項の管理を授権されている。
人民元は、需給に基づき、かつ通貨バスケットを参照して為替レートを決定する管理変動相場制をとっている。
中国人民銀行は、各営業日の市場の営業終了後に銀行間外国為替市場における米ドル等の外貨に対する人民元の終
値を発表し、翌営業日の当該外貨についての人民元の為替中心レートを決定する。その後、取引はかかる当該外貨
についての人民元の為替中心レート価格前後の一定限度内の範囲内で行うことができる。
2008 年に改正された中華人民共和国外貨管理規則に従い、中国国内機関の経常項目の外貨収入は、国の関連規定
に基づき留保するか、または外貨決済、外貨販売業務を提供する金融機関に売却することができる。中国外貨管理
規則に基づき、すべての国際的支払いおよび移転は経常勘定項目および資本勘定項目に分類される。
経常性を有する国際的支払いおよび移転は、国による規制を受けない。経常勘定項目に関する取引で外貨が必要
な中国企業は、有効な証憑および当該取引の証明により、その外貨口座または指定外貨銀行から支払いを行うこと
ができる。
直接投資および資本拠出等の資本勘定項目に関する外貨の交換は、依然として規制対象であり、当該取引におけ
る外貨の購入について、SAFEおよび/または関連する下部機構への事前の報告または事前の承認を得なければなら
ない。
当行のH株式保有者に対する配当は、人民元建てで決定されるが、香港ドルで支払われなければならない。
当該規則に従い、外貨により株主に配当を支払わなければならない中国企業(当行を含む。)は、利益配当に関
する株主総会の決議および取締役会の決議に基づき、その外貨からの支払い、または指定外貨銀行における交換お
よび配当の支払いを行うことができる。
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3【課税上の取扱い】
(1)中国における課税
配当金に関する課税
中国個人所得税法およびその改正に従い、中国企業が支払う配当金について、個人に対しては一般的に一律20%
の個人所得税が課される。非居住者である個人について、国務院税務当局による特別免除または関連する租税条約
に基づく減税がなされない場合は、その中国企業から支払われた配当金には一般的に20%の個人所得税が課され
る。「国家税務総局の国税発[1993]045号文書廃止後の関連する個人所得税の徴収管理の問題に関する通知」
(国税函[2011]348号)の規定に基づき、国内の非外商投資企業が香港で株式を発行する場合、その企業の国外
居住者である個人株主は、住民身分証に記載されている所属国が中国との間で締結している租税条約および中国本
土と香港(マカオ)間の租税手続に関する協定に基づき、関連する優遇税制を享受することができる。香港で株式
を発行する中国国内の非外商投資企業が配当を行う場合、関連する税法および税収協定に特別の規定がある場合を
除き、一般的に10%の税率に基づき個人所得税を源泉徴収する。
中国法人所得税法、同実施規定および2008年11月6日に国家税務総局により公布された「非居住者である外国企
業のH株式の株主に対し中国居住者である企業から支払われる配当に係る法人所得税の源泉徴収の問題に関する通
知」(国税函[2008]897号)の規定により、H株式を含む海外株式を有する非居住者である外国企業株主が取得
した、中国居住者である企業が2008年度以降に支払った配当金に対して、中国居住者である企業は非居住者である
企業の所得税を源泉徴収する義務を負い、非居住者である企業へのH株式の配当金について、その支払い額または
期日到来後に支払うべき金額から、10%の税率に基づき法人所得税を源泉徴収しなければならない。
中国との間に二重課税の防止に関する租税条約または協定を締結している国に居住している投資家は、かかる租
税条約または協定の条項に基づき、源泉徴収税を軽減される権利を有する。上記通達に基づき、非居住者である企
業株主は、配当を受領した際、中国税務当局に税収協定(手続)上の待遇を享受したい旨の申請を提出し、自身が税
収協定(手続)により規定する受益者に実際に該当することを証明する資料を提出する。税務当局による真実性の
審査の後、源泉徴収された税額と当該条約に基づき支払うべき金額との差額を返金する。
キャピタル・ゲインに対する課税
中国個人所得税法および同実施規定は、個人が株式の売却により実現した利益を、税率20%の所得税の対象と定
めており、かつMOFにかかる税金の徴収の仕組みに関する詳細な課税規則を作成し、実施する権限を付与してお
り、国務院により承認されている。しかしながら、中国の財政部門はこれまでにこれらについての具体的な実施措
置を公布しておらず、株式の売却により得られた利益に対して所得税を徴収していない。もっとも、具体的な徴収
規則が施行された場合、中国個人所得税法およびその改正に従い、国外の個人投資者のキャピタルゲイン相当額に
対して税率20%の所得税を徴収する。但し、関連する租税条約の規定に基づき減免される場合を除く。関連税務当
局は、これまで個人株主が譲渡したH株の上場会社の株式に対して所得税を徴収していない。
2018 年12月29日より施行されている中国法人所得税法および 2019年4月23日 より施行されている同実施規定によ
れば、非居住者である企業が中国国内において機関や事務所を設置していない場合、または機関や事務所を設置し
ていても、その取得した所得がかかる機関や事務所と実際上の関連性を持たない場合には、中国国内において発生
した利益については、 適用ある租税条約により減税されない限り 、税率10%の法人所得税の対象となる。
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配当およびキャピタル・ゲインに対する中国による課税に租税条約が及ぼす影響
所得に関する二重課税の回避および脱税の防止のための中国と日本国との間の条約(以下「日中租税条約」とい
う。)は1984年6月26日に効力を生じている。日中租税条約第10条に基づき、中国政府は、中国の会社が日本の適
格なH株式保有者に対して支払う配当金につき、当該配当の総額に対して10%を上限とする税率により所得税を課
すことができる。この規定は配当に充当される利得に係る当該会社に対する課税に影響を及ぼすものではない。日
中租税条約に従い、「日本の適格なH株式保有者」とは、(1)日中租税条約の適用上、日本国の居住者に該当する
者で、(2)中国国内に、H株式が帰属し、またはそこを通じて実質所有者が事業を行っている、もしくは行ってき
た恒久的施設または固定的施設を有しておらず、(3)H株式に関連して得られる所得または利益につき日中租税条
約の恩典を享受する上でその他の点につき不適格ではない、日本の保有者をいう。
中国税制に関するその他の事項
中国印紙税
1988 年10月1日に施行され2011年1月8日に改正された「中国印紙税暫定規定」 および 1988 年10月1日に施行された
「同施行細則」 に基づき、中国の公開企業の株式譲渡に課される中国の印紙税は、中国人以外の投資家が中国国外
でH株式または米国預託株式を取得および譲渡する場合には適用されない。本条例 および 同施行細則は、当該証憑
が作成された場所が中国国内または国外にかかわらず、中国の印紙税が 、中国国内で法的効力を有し、中国法の保
護を受ける証憑にのみ課される旨を定めている。
遺産税
中国法の下では、中国国籍を有しないH株式保有者に対して、いかなる遺産税の納税義務も生じない。
(2)香港における課税
配当金に関する課税
現在の香港税務局の扱いによれば、当行が支払う配当は、当該配当が香港における貿易、専門的サービスまたは
ビジネスにより生じたものである場合を除き、香港において源泉徴収またはその他の方法により課税されない。
所得税
香港において、H株式の譲渡によるキャピタル・ゲインに対しては課税されない。しかし、香港において貿易も
しくは専門的サービスまたはビジネスに従事する者が、H株式を譲渡したことによって得た売却利益を有し、かか
る利益が香港において従事した貿易もしくは専門的サービスまたはビジネスから得られた課税所得である場合に
は、香港の所得税が課される。法人に対して課される所得税の税率は16.5%、個人に対して課される標準税率は
15.0%であるが、2018年4月1日以降に開始する課税年度においては、2百万香港ドルまでの課税対象所得には、半
分の税率であるそれぞれ8.25%および7.5%が適用される。香港証券取引所におけるH株式の売却による譲渡所得
は、香港税務局により、香港において生じたか、または香港から得られたものとみなされる。香港で証券取引業務
に従事する者が行ったH株式の売却により得た譲渡益については、所得税を納付しなければならない。
印紙税
香港で登録されているH株式の売買における買主および売主は、取引ごとに香港で印紙税を納付しなければなら
ない。印紙税は、買主および売主双方の各自が、譲渡したH株式の対価あるいは市場価額(いずれか高い方を基準
とする)の0.1%の従価税率をもって徴収される。すなわち、H株式の譲渡については合計0.2%の税率による印紙
税が課される。さらに、H株式の譲渡証書については、すべて5香港ドルの固定税率による印紙税を支払う必要が
ある。
売買の一方当事者が香港の非居住者であって、必要な印紙税を支払わない場合、支払われない印紙税は譲渡証書
(もしあれば)に基づいて評価され、譲受人が当該印紙税の支払義務を負う。
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遺産税
香港においては、遺産税は存在しない。
(3)日本における課税
適用ある租税条約、所得税法、法人税法、相続税法およびその他の日本の現行の関連法令に従い、またこれら法
令上の制限を受けるものの、日本の個人または日本法人の所得(および個人に関しては相続財産)が上記の中国ま
たは香港の税制に関する記載における中国または香港の租税の対象となる場合、かかる中国または香港の租税は、
当該個人または法人が日本において支払うこととなる租税の計算上税額控除の対象となる場合がある。なお、「第
8-2-(5)本邦における配当等に関する課税上の取扱い」も参照のこと。
4【法律意見】
(1)中国法に関する法律意見書
当行の中国における法律顧問である金杜律師事務所より、大要以下の趣旨の法律意見書が関東財務局長宛てに提
出されている。
(ⅰ) 当行は、中国法に基づく株式有限会社として有効に存続している。
(ⅱ) 有価証券報告書に含まれる中国の法令に関するすべての記述は、すべての重要な点において真実かつ正確
である。
(2)香港法に関する法律意見書
当行の香港における法律顧問である方達律師事務所より、大要以下の趣旨の法律意見書が関東財務局長宛てに提
出されている。
(ⅰ) 有価証券報告書に含まれる香港の法令に関するすべての記述は、すべての重要な点において真実かつ正確
である。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(別段の記載がない限り、本書に記載されている財務資料および財務指標は、IFRSに従い、また人民元建てで作
成されている。)
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主要な財務データ
(単位:別段の記載がない限り、百万人民元)
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
12月31日現在 12月31日現在 12月31日現在 12月31日現在 12月31日現在
当該報告期間末日現在
資産合計 17,791,393 19,570,061 21,053,382 22,609,471 24,878,288
(百万円) (268,650,034) (295,507,921) (317,906,068) (341,403,012) (375,662,149)
顧客への貸出金合計 8,909,918 9,719,639 10,720,611 11,940,685 13,360,188
(百万円) (134,539,762) (146,766,549) (161,881,226) (180,304,344) (201,738,839)
法人向け貸出金 5,378,404 5,368,250 6,147,584 6,514,383 7,095,770
(百万円) (81,213,900) (81,060,575) (92,828,518) (98,367,183) (107,146,127)
割引手形 356,992 569,948 187,502 343,961 421,390
(百万円) (5,390,579) (8,606,215) (2,831,280) (5,193,811) (6,362,989)
個人向け貸出金 2,727,890 3,340,879 4,000,273 4,665,871 5,392,473
(百万円) (41,191,139) (50,447,273) (60,404,122) (70,454,652) (81,426,342)
海外およびその他 446,632 440,562 385,252 389,410 419,913
(百万円) (6,744,143) (6,652,486) (5,817,305) (5,880,091) (6,340,686)
貸出金に係る減損損失引当金 403,243 400,275 404,300 479,143 540,578
(百万円) (6,088,969) (6,044,153) (6,104,930) (7,235,059) (8,162,728)
顧客への貸出金(純額) 8,506,675 9,319,364 10,316,311 11,461,542 12,819,610
(百万円) (128,450,793) (140,722,396) (155,776,296) (173,069,284) (193,576,111)
金融投資 4,512,047 5,333,535 6,152,743 6,885,075 7,422,930
(百万円) (68,131,910) (80,536,379) (92,906,419) (103,964,633) (112,086,243)
現金および中央銀行預け金 2,587,057 2,811,653 2,896,619 2,805,107 2,699,895
(百万円) (39,064,561) (42,455,960) (43,738,947) (42,357,116) (40,768,415)
銀行およびその他の金融機関への
預け金および貸出金 1,202,175 1,203,614 635,514 661,741 758,925
(百万円) (18,152,843) (18,174,571) (9,596,261) (9,992,289) (11,459,768)
売戻し条件付契約に基づき保有す
る金融資産 471,809 323,051 540,386 371,001 708,551
(百万円) (7,124,316) (4,878,070) (8,159,829) (5,602,115) (10,699,120)
負債合計 16,579,508 18,248,470 19,623,985 20,934,684 22,918,526
(百万円) (250,350,571) (275,551,897) (296,322,174) (316,113,728) (346,069,743)
顧客預金 13,538,360 15,038,001 16,194,279 17,346,290 18,542,861
(百万円) (204,429,236) (227,073,815) (244,533,613) (261,928,979) (279,997,201)
法人預金 4,821,751 5,599,743 6,379,447 6,559,082 6,879,767
(百万円) (72,808,440) (84,556,119) (96,329,650) (99,042,138) (103,884,482)
個人預金 8,065,556 8,815,148 9,246,510 9,791,974 10,611,922
(百万円) (121,789,896) (133,108,735) (139,622,301) (147,858,807) (160,240,022)
海外およびその他 651,053 623,110 568,322 794,590 823,525
(百万円) (9,830,900) (9,408,961) (8,581,662) (11,998,309) (12,435,228)
銀行およびその他の金融機関から
の預り金および預入金 1,537,660 1,458,065 1,254,791 1,449,863 1,829,272
(百万円) (23,218,666) (22,016,782) (18,947,344) (21,892,931) (27,622,007)
買戻し条件付契約に基づいて売却
した金融資産 88,804 205,832 319,789 157,101 53,197
(百万円) (1,340,940) (3,108,063) (4,828,814) (2,372,225) (803,275)
発行済債券 382,742 388,215 475,017 780,673 1,108,212
(百万円) (5,779,404) (5,862,047) (7,172,757) (11,788,162) (16,734,001)
当行の持分所有者に帰属する持分 1,210,091 1,318,193 1,426,415 1,670,294 1,948,355
(百万円) (18,272,374) (19,904,714) (21,538,867) (25,221,439) (29,420,161)
(1)
正味自己資本
1,471,620 1,546,500 1,731,946 2,073,343 2,498,311
(百万円) (22,221,462) (23,352,150) (26,152,385) (31,307,479) (37,724,496)
普通株式Tier1(CET1)資本
(1)
(純額)
1,124,690 1,231,030 1,339,953 1,583,927 1,740,584
(百万円) (16,982,819) (18,588,553) (20,233,290) (23,917,298) (26,282,818)
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(1)
その他Tier1資本(純額)
79,902 79,904 79,906 79,906 199,894
(百万円) (1,206,520) (1,206,550) (1,206,581) (1,206,581) (3,018,399)
(1)
Tier2資本(純額)
267,028 235,566 312,087 409,510 557,833
(百万円) (4,032,123) (3,557,047) (4,712,514) (6,183,601) (8,423,278)
(1)
リスク加重資産
10,986,302 11,856,530 12,605,577 13,712,894 15,485,352
(百万円) (165,893,160) (179,033,603) (190,344,213) (207,064,699) (233,828,815)
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
各事業年度における経営成績
営業利益 540,862 510,128 542,898 602,557 629,350
(百万円) (8,167,016) (7,702,933) (8,197,760) (9,098,611) (9,503,185)
受取利息純額 436,140 398,104 441,930 477,760 486,871
(百万円) (6,585,714) (6,011,370) (6,673,143) (7,214,176) (7,351,752)
受取報酬および手数料純額 82,549 90,935 72,903 78,141 86,926
(百万円) (1,246,490) (1,373,119) (1,100,835) (1,179,929) (1,312,583)
営業費用 225,818 197,049 205,268 213,963 224,096
(百万円) (3,409,852) (2,975,440) (3,099,547) (3,230,841) (3,383,850)
信用減損損失 N/A N/A N/A 136,647 138,605
(百万円) (N/A) (N/A) (N/A) (2,063,370) (2,092,936)
資産に係る減損損失 84,172 86,446 98,166 N/A N/A
(百万円) (1,270,997) (1,305,335) (1,482,307) (N/A) (N/A)
税引前当期純利益合計 230,857 226,624 239,478 251,674 266,576
(百万円) (3,485,941) (3,422,022) (3,616,118) (3,800,277) (4,025,298)
純利益 180,774 184,060 193,133 202,631 212,924
(百万円) (2,729,687) (2,779,306) (2,916,308) (3,059,728) (3,215,152)
当行の持分所有者に帰属する純利益 180,582 183,941 192,962 202,783 212,098
(百万円) (2,726,788) (2,777,509) (2,913,726) (3,062,023) (3,202,680)
営業活動による正味キャッシュ・
フロー 820,348 715,973 633,417 105,927 352,571
(百万円) (12,387,255) (10,811,192) (9,564,597) (1,599,498) (5,323,822)
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財務指標
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
収益性 (%)
(2)
平均総資産利益率
1.07 0.99 0.95 0.93 0.90
(3)
加重平均純資産利益率
16.79 15.14 14.57 13.66 12.43
(4)
正味利息収益率
2.66 2.25 2.28 2.33 2.17
(5)
正味利息スプレッド
2.49 2.10 2.15 2.20 2.03
(1) 、(6)
リスク加重資産利益率
1.65 1.55 1.53 1.48 1.38
営業収益に対する受取報酬および
手数料純額率 15.26 17.83 13.43 12.97 13.81
(7)
経費率
33.28 34.59 32.96 31.27 30.49
1 株当たりデータ (人民元)
(3)
基本的1株当たり利益
0.55 0.55 0.58 0.59 0.59
(円) (8.31) (8.31) (8.76) (8.91) (8.91)
(3)
希薄化後1株当たり利益
0.55 0.55 0.58 0.59 0.59
(円) (8.31) (8.31) (8.76) (8.91) (8.91)
営業活動による1株当たり正味キャッ
シュ・フロー 2.53 2.20 1.95 0.30 1.01
(円) (38.20) (33.22) (29.45) (4.53) (15.25)
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
12 月31日 12 月31日 12 月31日 12 月31日 12 月31日
現在 現在 現在 現在 現在
資産の質 (%)
(8)
不良債権比率
2.39 2.37 1.81 1.59 1.40
(9)
不良債権に対する引当率
189.43 173.40 208.37 252.18 288.75
(10)
貸出金に対する引当率
4.53 4.12 3.77 4.02 4.06
自己資本 (%)
(1)
普通株式Tier1(CET1)自己資本比率
10.24 10.38 10.63 11.55 11.24
(1)
Tier1 自己資本比率
10.96 11.06 11.26 12.13 12.53
(1)
自己資本比率
13.40 13.04 13.74 15.12 16.13
資産合計に対するリスク加重
(1)
資産の比率
61.75 60.59 59.87 60.65 62.24
資産合計に対する資本合計の比率 6.81 6.75 6.79 7.41 7.88
1 株当たりデータ (人民元)
(11)
普通株式1株当たり純資産
3.48 3.81 4.15 4.54 5.00
(円) (52.55) (57.53) (62.67) (68.55) (75.50)
(1) 数値は「商業銀行資本管理弁法(試行)」およびその他の関連規制に従って計算される。
(2) 純利益を当該事業年度の期首および期末における平均資産合計残高で除して算出される。
(3) CSRCが発行した「証券を公開発行する企業の情報開示の編集および提出に関する規則 第9号-純資産利益率および1株当
たり利益の計算ならびに開示」(2010年改正)および国際会計基準第33号「1株当たり利益」に従って計算される。
(4) 受取利息純額を利付資産の平均残高で除して計算される。
(5) 利付資産の平均収益率と有利子負債の平均費用率との差として計算される。
(6) 純利益を当該事業年度の期末におけるリスク加重資産で除して算出される。リスク加重資産はCBIRCが定めた関連規制に
従って計算される。
(7) CASに従い営業管理費用を営業収益で除して計算され、CASに従い作成された当行の財務報告書に記載の対応する数値と一
致している。
(8) 不良債権残高( 未払利息を除く。 )を顧客への貸出金合計の残高( 未払利息を除く。 )で除して計算される。
(9) 貸出金に係る減損損失引当金残高( 未払利息を除く。 )を不良債権残高( 未払利息を除く。 )で除して計算される。 この
うち、貸出金に係る減損損失引当金残高( 未払利息を除く。 )は、その他の包括利益に計上された 手形およびフォーフェ
イティング に係る減損損失引当金を含まない。
(10) 貸出金に係る減損損失引当金残高( 未払利息を除く。 )を顧客への貸出金合計の残高( 未払利息を除く。 )で除して計算
される。 このうち、貸出金に係る減損損失引当金残高( 未払利息を除く。 )は、その他の包括利益に計上された 手形およ
びフォーフェイティング に係る減損損失引当金を含まない。
(11) 報告期間末日現在の当行の普通株主に帰属する持分(その他資本性金融商品を除く。)を報告期間末日現在の普通株式総
数で除して計算される。
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その他の財務指標
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
規制上の 12 月31日 12 月31日 12 月31日 12 月31日 12 月31日
基準 現在 現在 現在 現在 現在
(1)
流動性比率 (%)
人民元 25 以上 44.50 46.74 50.95 55.17 57.74
外貨 25 以上 115.15 82.24 106.74 101.77 112.07
最大単一顧客に対する
(2)
貸出金比率 (%)
10 以下 7.15 6.98 7.26 5.53 4.68
上位10位の顧客に対す
(3)
る貸出金比率 (%)
16.82 16.58 18.27 15.25 13.83
(4)
貸出異動率 (%)
正常先 4.96 3.00 2.13 1.72 1.54
要注意先 18.28 24.86 18.70 16.93 15.90
破綻懸念先 86.94 89.23 71.48 61.48 47.10
実質破綻先 10.35 9.55 6.94 8.91 8.82
(1) CBIRCが定めた関連規制に従って流動資産を流動負債で除して計算される。
(2) 最大単一顧客に対する貸出金合計(未払利息を除く。)を正味自己資本で除して計算される。
(3) 上位10位の顧客に対する貸出金合計(未払利息を除く。)を正味自己資本で除して計算される。
(4) CBIRCが定めた関連規制に従って国内のデータのみを反映して計算される。
四半期ごとのデータ
(単位:別段の記載がない限り、百万人民元)
2019 年 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
営業利益 173,606 150,861 151,936 152,947
(百万円) (2,621,451) (2,278,001) (2,294,234) (2,309,500)
当行の持分所有者に帰属す
る純利益 61,251 60,194 59,226 31,427
(百万円) (924,890) (908,929) (894,313) (474,548)
営業活動による/(に使用
された)正味キャッシュ・
フロー 263,874 (274,386) 112,649 250,434
(百万円) (3,984,497) ((4,143,229)) (1,701,000) (3,781,553)
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2【沿革】
当行の前身は1951年に設立された農業協同銀行であった。1979年2月の再設立以降、当行は国有の特殊銀行から
完全国有の商業銀行へ、続いて国の管理下にある商業銀行へと発展を遂げた。2009年1月、当行は株式有限会社へ
と再編された。2010年7月、当行は上海証券取引所および 香港証券取引所 の両方に上場した。
当行は、中国における主要な総合金融サービスプロバイダーの1つとして、特色ある経営、効率的かつ便利な
サービス、多様な働きおよび確かな価値創造能力を携えた一流の国際的商業銀行グループを構築できるよう努めて
いる。当行は、総合的な事業ポートフォリオ、広範囲の販売ネットワークおよび先進的なIT基盤を活用して幅広い
顧客層に対する多様なポートフォリオの法人向け銀行商品および銀行サービスならびに個人向け銀行商品および銀
行サービスを提供し、資産管理および資産運用業務を行っている。当行の事業範囲はまた、投資銀行業、ファン
ド・マネジメント、ファイナンス・リース業および生命保険業を含む。2019年度末現在において、当行は
24,878,288百万人民元の総資産、13,360,188百万人民元の顧客への貸出金および18,542,861百万人民元の顧客預金
を有している。当行の自己資本比率は16.13%であった。当行は、2019年度に212,924百万人民元の純利益を達成し
た。
2019 年度末現在において、当行は本店、事業部門、本店が管理する3つの特別機関、4つの研修所、第一級支店37
店舗、第二級支店390店舗、第一級準支店3,445店舗、 基層業務を行う 本支店機構19,216店舗およびその他の拠点52
店舗を含め、合計23,149ヶ所の国内本支店機構を有している。当行の国外本支店機構は、13ヶ所の海外支店および
4ヶ所の駐在員事務所である。当行は、11の国内子会社および5つの国外子会社を含む16の主要子会社を有してい
る。
金融安定理事会は、当行を2014年から6年連続でグローバルなシステム上重要な銀行の一覧に記載した。当行は
2019年度において、グローバル・フォーチュン500社において第36位にランクされ、「ザ・バンカー」誌の「世界
の銀行上位1,000行」においてTier1資本ベースで第3位にランクされた。アニュアル・レポートの公表日現在、当
行の長期/短期信用格付はスタンダード・アンド・プアーズにより「A/A-1(アウトルック:安定的)」を、当行
の長期/短期銀行預金格付はムーディーズにより「A1/P-1(アウトルック:安定的)」を、当行の長期/短期デ
フォルト格付はフィッチ・レーティングスにより「A/F1+(アウトルック:安定的)」をそれぞれ付与されてい
た。
3【事業の内容】
当行およびその子会社(以下「当行グループ」と総称する。)の主要な事業には、人民元および外貨建預金、貸
出、精算および決済サービス、資産保管サービス、資金運用、ファイナンス・リースサービス、保険サービスおよ
び関連当局により認可されたその他のサービスならびに各地域の規制当局により認可された国外の事業所による関
連サービスが含まれる。
「 第3 - 3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析 」および「 第6 - 1 財務書類 -
連結財務書類に対する注記-Ⅳ -39」を参照のこと。
4【関係会社の状況】
(1)親会社
2019 年12月31日現在、匯金公司およびMOFはそれぞれ、当行の株式資本の40.03%および35.29%を保有してい
る。「第5-1-(5)大株主の状況」を参照のこと。
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(2)子会社および関連会社
子会社に対する投資
以下の表は、2019年12月31日現在の当行グループの主要な子会社を示すものである。
授権資本 /
名称 設立地 払込済資本 持分比率 主たる事業活動
香港、
CA ファイナンス・カンパニー・リミテッド 中華人民共和国 588,790,000 香港ドル 100.00 % 投資事業
ABC インターナショナル・ 香港、
ホールディングス・リミテッド 中華人民共和国 4,113,392,449 香港ドル 100.00 % 投資事業
上海、
農銀金融租賃有限公司 中華人民共和国 9,500,000,000 人民元 100.00 % 金融リース業
中国農業銀行(UK)リミテッド ロンドン、英国 100,000,000 米ドル 100.00 % 銀行業
上海、
農銀匯理基金管理有限公司 中華人民共和国 1,750,000,001 人民元 51.67 % 資産管理業
内モンゴル
自治区、中華人
克什克騰農銀村鎮銀行有限責任公司 民共和国 19,600,000 人民元 51.02 % 銀行業
湖北省、
(1)
湖北漢川農銀村鎮銀行有限責任公司
中華人民共和国 31,000,000 人民元 50.00 % 銀行業
安徽省、
績渓農銀村鎮銀行有限責任公司 中華人民共和国 29,400,000 人民元 51.02 % 銀行業
陝西省、
安塞農銀村鎮銀行有限責任公司 中華人民共和国 40,000,000 人民元 51.00 % 銀行業
浙江省、
浙江永康農銀村鎮銀行有限責任公司 中華人民共和国 210,000,000 人民元 51.00 % 銀行業
福建省、
厦門同安農銀村鎮銀行有限責任公司 中華人民共和国 100,000,000 人民元 51.00 % 銀行業
北京市、
(2)
農銀人寿保険股 份 有限公司
中華人民共和国 2,949,916,475 人民元 51.00 % 生命保険業
ルクセンブル
中国農業銀行(ルクセンブルグ)
グ、ルクセンブ
リミテッド ルグ 20,000,000 ユーロ 100.00 % 銀行業
モスクワ、
(3)
中国農業銀行(モスクワ)リミテッド ロシア 7,556,038,271 ルーブル 100.00 % 銀行業
負債資本比率ス
ワップおよびそれ
に関連する
北京市、
農銀金融資産投資有限公司 中華人民共和国 10,000,000,000 人民元 100.00 % サービス
北京市、
(4)
中国農業銀行資産管理有限責任公司 中華人民共和国 12,000,000,000 人民元 100.00 % 資産管理業
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(1) 湖北漢川農銀村鎮銀行有限責任公司の取締役3人のうち2人は当行により任命された。当行は、湖北漢川農銀村鎮銀行有限
責任公司に対する実質的な支配権を有するものとし、連結の範囲に含まれている。
(2) 2012年12月31日、当行は嘉禾人寿保険股 份 有限公司 の発行済株式の51%を 取得して農銀人寿保険股 份 有限公司(以下「農
銀人寿保険」という。)と改名した。当行グループは、この取得の結果、1,381百万人民元ののれんを認識した。 2016 年
12月31日に終了した事業年度中、当行グループおよびその他の投資家は、 農銀人寿保険に 917 百万人民元の登録資本およ
び2,844百万人民元の資本準備金を含む 合計3,761百万人民元の増加資本を出資した。資本注入の後、当行グループが農銀
人寿保険に対して有する持分および議決権の割合は51%を維持した。
当行は、毎年のれんの減損評価を行う。当行は、減損評価にあたり、資産の帳簿価額(償却費控除後ののれんならびに合
併および買収価格を含む。)と回収可能価額とを比較する。帳簿価額の回収可能価額に対する超過額が、当期の利益また
は損失として認識される。
資産の回収可能価額は、 農銀人寿保険の経営陣が承認した 調整後純資産、有効な業務の価値、1年以内の新業務の価値、
新業務の乗数および その他のデータに基づいている。数理計算上の評価方法が採用されており、予測キャッシュ・フロー
に適用されるリスク割引率、投資収益率、評価割引率およびその他の前提は、各々それらに伴う具体的なリスクを反映し
ている。
2018 年12月31日 および 2019 年12月31日現在、のれんの減損を生じさせるような客観的根拠は認められず、減損損失は認識
されなかった。
(3) 2019年12月31日に終了した事業年度中、当行グループは、中国農業銀行(モスクワ)リミテッドに合計617百万人民元の
増加資本を出資し、これにより中国農業銀行(モスクワ)リミテッドの登録資本は617百万人民元増加した。資本注入の
後、当行グループが中国農業銀行(モスクワ)リミテッドに対して有する持分および議決権の割合は100%を維持した。
(4) 2019年12月31日に終了した事業年度中、当行は、完全子会社として中国農業銀行資産管理有限責任公司を設立した。
2018 年12月31日および2019年12月31日に終了した事業年度中、当行グループがその子会社に対して有する持分ま
たは議決権の割合に変更はなかった。
当行グループは、「第6-1 財務書類 -連結財務書類に対する注記-Ⅳ -41」で開示されている通り、組成さ
れた企業を連結している。
「第6-1 財務書類 -連結財務書類に対する注記-Ⅳ -19」を参照のこと。
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関連会社に対する投資
授権資本 /
名称 設立地 払込済資本 持分比率 主たる事業活動
サイノ・コンゴリーズ・バンク・アフリカ ブラザビル、 53,342,800,000 コンゴ共
(1)
コンゴ共和国 和国フラン 50.00 % 銀行業
非証券投資事業お
よびそれに関連す
北京国発航空発動機産業投資基金中心
北京、 るアドバイザリー
(2)
(有限合夥)
中華人民共和国 4,075,200,000 人民元 24.29 % サービス
非証券投資事業お
よびそれに関連す
吉林省紅旗智網新能源汽車基金投資管理中
吉林省、 るアドバイザリー
(2)
心(有限合夥)
中華人民共和国 100,000,000 人民元 29.50 % サービス
(1) 2015年5月28日、中部アフリカCFAフラン建て(以下「XAF」という。)の授権資本で当行および他の投資家によって設立
されたサイノ・コンゴリーズ・バンク・アフリカ(La Banque Sino-Congolaise pour l'Afrique。以下「BSCA.銀行」と
いう。)が、必要な銀行免許を現地の規制当局より付与された。当行はBSCA.銀行に対し、50%の株式持分および議決権
を保有しており、BSCA.銀行の財務方針および営業方針の決定に参加する権利を有しているが、かかる方針決定を支配ま
たは共同支配する権利は有していない。
(2) 当行の完全子会社である農銀金融資産投資有限公司およびその他の投資家は、上記の企業に出資した。当行グループは、
上記の企業の財務方針および営業方針の決定に参加する権利を有しているが、かかる方針決定を支配または共同支配する
権限は有していない。
「第6-1 財務書類 -連結財務書類に対する注記-Ⅳ - 20」を参照のこと。
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5【従業員の状況】
2019年度末現在、当行の従業員数は、前年度末と比較して9,680人減少し、合計464,011人(これに加えて、派遣
社員数は7,240人)であった。このうち、735人は当行の海外支店、子会社および駐在員事務所の従業員であり、
8,459人は統合的に営業している子会社および地方銀行の従業員である。
従業員の地域別分布
2019 年12月31日現在
従業員数 割合(%)
本店 10,678 2.3
長江デルタ 63,647 13.7
珠江デルタ 50,858 11.0
環渤海 66,738 14.4
中国中部 95,807 20.6
中国東北部 46,065 9.9
中国西部 121,024 26.1
海外支店、子会社および駐在員事務所 735 0.2
統合的に営業している子会社および地方銀行 8,459 1.8
合計 464,011 100.0
従業員の学歴別内訳
2019 年12月31日現在
従業員数 割合(%)
博士号 528 0.1
修士号 28,408 6.1
学士号 234,804 50.6
準学士号および専門学校 161,158 34.7
高卒 39,113 8.4
合計 464,011 100.0
従業員の部門別分布
2019 年12月31日現在
従業員数 割合(%)
管理部門 120,419 25.9
リスク管理部門 17,184 3.7
財務部門 20,904 4.5
運営部門 17,099 3.7
販売部門/マーケティング部門 120,899 26.1
トレーディング部門 375 0.1
情報技術部門 7,351 1.6
窓口部門/カウンター係 104,409 22.5
技術部門 29,415 6.3
その他 25,956 5.6
合計 464,011 100.0
従業員の年齢別分布
2019 年12月31日現在
従業員数 割合(%)
30 歳以下 89,697 19.3
31 歳以上40歳以下 88,018 19.0
41 歳以上50歳以下 159,282 34.3
51 歳以上 127,014 27.4
合計 464,011 100.0
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従業員の性別内訳
2019 年12月31日現在
従業員数 割合(%)
男性 252,296 54.4
女性 211,715 45.6
合計 464,011 100.0
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第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1)経営方針および経営戦略等
デジタル変革
2019年度初旬、当行は「デジタルABC創造のためのデジタル変革の促進」という戦略的概念を構築し、「イン
ターネットを基盤とし、データに基づき、インテリジェントかつオープン」という理念を推進した。当行は、フィ
ンテックおよび事業の革新により、顧客中心の原則を遵守しながら、「三農」および包括的金融分野において顧客
に最高の経験を提供するスマートバンクおよび一流のデジタルエコ銀行になることを目的として、包括的なデジタ
ル変革ならびに商品、マーケティング、チャネル、運営、リスク統制および意思決定に関するオンラインサービス
とオフラインサービスの緊密な統合を促進した。
当行は、昨年度、「商品の向上」、「シーンベース・サービスの改善」、「データの活用」、「リスク統制の追
及」、「チャネルの開発」および「プラットフォームの拡大」に注力しながら、デジタル変革戦略の実施を継続的
に促進した。
第一に、当行は、オンライン商品の変革およびマーケディング促進の努力を進め、「ABC個人Eローン」、「ABC
小規模および零細Eローン」、「ABC恵農Eローン」および「ABC産業Eローン」の4つの主要なサブブランドにより構
成される「ABC Eローン」の総合ブランドの下でオンライン与信ブランドおよび商品システムを開発した。2019年
度末現在、「ABC Eローン」の残高は、前年度末と比較して372.1十億人民元増加した589.4十億人民元であった。
とりわけ「ABC恵農Eローン」の残高は前年度末と比較して倍増し、198.6十億人民元に達したが、これは当行がイ
ンターネット金融サービスを通じて「三農」に大きく貢献していることを示すものである。
第二に、当行は、シーンベース金融サービス能力を改善するための努力を払った。当行は、政府関連業務および
国民生活、消費および小売ならびに産業網という3つの主要分野に焦点を当てながら、「ABCウィズダム+」という
シーンベース金融ブランドを開発し、かかるブランドの下で2,540のシーンベース・プロジェクトが増加した。
2019年度末現在、当行の「貧困削減モール」は、国家的な貧困削減が行われる832の主要な県の93%超を対象とし
ており、貧困削減を行う中央および地方の106の企業を誘致した。当行は、オープンバンキング・プラットフォー
ムの創設に成功し、これは利用者認証、口座サービス、支払および決済、クレジットカード、資金およびウェル
ス・マネジメントならびに関連金融サービスの安全な展開等の6つの主要な商品分野のための相互カプセル化に成
功した。
第三に、当行はビッグデータ戦略を策定し、産業および商業、保険および通信に関する外部データの導入を加速
し、内部データの統合および共有を強力に推進した。当行は、支店毎のデータマートを設立し、すべての国内の第
一級支店でその利用を推進した。その結果、ビッグデータの利用により大規模な躍進が達成され、これにより支店
による的を絞ったマーケティングならびにリスク予防および統制が可能となった。
第四に、当行はデジタルリスク統制システムの改善を継続した。当行は、インターネット与信事業の統制政策を
策定し、オンライン個人向け貸出金ならびに小規模および零細企業への貸出金の評価モデルを構築した。当行は、
知的リスク統制プラットフォームおよびシステムの開発を加速し、問題の予防、早期警告および監視のプラット
フォームを稼働させた。知的不正防止プラットフォームおよび知的マネー・ロンダリング防止プラットフォームの
構築は、段階的な達成を実現した。
第五に、当行は、オンライン営業能力を向上させるため、個人向け銀行業務および本支店機構の変革を加速させ
た。2019年度末現在、当行のモバイルバンキングの月間有効顧客は72百万を超えたが、これは前年度と比較して
36.2%の増加であった。AIを用いた知的顧客サービスの継続的な向上により、当行の遠隔連携サービス能力も着実
に強化された。
第六に、当行は、データおよび技術の基盤をさらに強化した。当行は、初期段階で新世代のデジタルクラウドプ
ラットフォームを導入し、ビッグデータおよびAIプラットフォームを強化した。当行は、個人向けマーケティン
グ、法人向けマーケティング、与信、営業、データおよびオープンバンキングのための6つの主要なミドルエン
ド・プラットフォームの開発を着実に促進し、これにより当行のプラットフォームの共有および統合的利用が段階
的に改善した。
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当行は、2020年度において、ビッグデータ戦略の実施を加速させ、技術支援サービス能力を継続的に改善し、
データおよび技術基盤を着実に強化する意向である。当行は、三農および実体経済にさらに貢献するため、オンラ
イン与信商品の革新および促進を継続的に強化し、リスク予防および統制能力を包括的に向上させ、「ABC Eロー
ン」ブランドをより大きく優れたものにする。当行は、モバイルバンキング機能およびオンライン営業能力を向上
させ、オープンバンキングの開発およびシーンベース金融の拡大を促進し、多元的かつ多面的な金融経済的価値連
鎖を加速させる。当行は、根本的、構造的および「ボトルネック」な制約を解決するため、顧客の経験および事業
過程における弱点の強化に焦点を当てながら、先進的、革新的および模範的な多くの手続最適化計画を開始する予
定である。
下記「3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」も併せて参照のこと。
(2)事業環境および対処すべき課題
環境および見通し
2019年において、保護貿易主義の拡大、投資および消費の促進に向けた課題ならびに地政学的リスクの高まり等
のマイナス要因の影響を受け、世界経済は引き続き減速した。米国経済の下方圧力は増加した。連邦準備銀行は予
定より早くバランスシート正常化プログラムを終了し、金利を3度引き下げた。2019年度第4四半期には新たな段階
としてバランスシート拡大プログラムが実施された。ユーロ圏の経済成長の勢いは依然として弱く、インフレ率も
低下した。欧州中央銀行は金利を引き下げ、量的緩和政策を再開した。日本の工業生産および工業品輸出はいずれ
も低迷し、インフレ率は依然として低く、日本銀行は金融緩和政策を継続した。新興市場諸国経済は、異なるパ
フォーマンスを経験した。インドおよびメキシコの経済成長は、様々な程度で低下した。ブラジル、ロシア、南ア
フリカおよびアルゼンチンの経済成長は回復したが、依然として低かった。2019年、ダウ・ジョーンズの工業株価
平均指数、ユーロ・ストックス50指数および日経225指数は、それぞれ22.3%、23.3%および18.2%上昇した。米
ドル指数は2019年にわずかに0.39%上昇した。商品価格は変動しつつ下落し、CRBスポット指数は2019年に1.85%
下落した。
2019年、中国の経済は概して安定していたが、構造的、制度的および循環的な問題の影響を受けた。経済成長の
鈍化、構造調整および過去の景気刺激策によるマイナス効果の縮小の影響をより強く受け、2019年の中国経済は高
まる下方圧力に直面した。2019年のGDPは6.1%増加し、前年度と比較して0.5パーセント・ポイントの減少となっ
た。固定資産における投資額合計、社会的な消費財の小売総額および輸出額はそれぞれ、5.4%、8%および5%増
加し、それぞれ前年度と比較して0.5パーセント・ポイント、1パーセント・ポイントおよび2.1パーセント・ポイ
ント減少した。経済発展の質は向上し、コモディティ消費中心から多様なサービス消費へと徐々に変化する継続的
な消費のアップグレードおよび量的拡大から質的改善へと変化する継続的に蓄積された産業の成長の勢いに反映さ
れた。2019年、消費者物価指数(CPI)は、前年度と比較して2.9%上昇した。産業部門におけるデフレ圧力が見ら
れ、前年度と比較して生産者物価指数は0.3%下落した。2019年、ブロードマネー(M2)の成長率は8.7%増加し、
実体経済への融資総額(フロー)は25.58兆人民元となり、前年度と比較して3.08兆人民元の増加を示した。
2019年、中華人民共和国政府は、パフォーマンスの安定性を維持する努力をしつつ、進歩を目指す一般的な原則
を忠実に守り、引き続き積極的な財政政策および慎重な金融政策を採用した。金融政策による反循環的調整を強化
するため、中華人民共和国政府は、市場の流動性を与えるために様々な金融政策手段を包括的に活用し、3度にわ
たり預金準備率を引下げ、「3つのレベルおよび2つの特恵税率」の準備金管理の枠組を引き続き最適化した。金融
業界の改革および刷新は徹底的に実行された。中央銀行手形スワップ商品が創設された。ローンプライムレートの
構成メカニズムが刷新および改善され、銀行は資本を補充するために永久債を発行するよう奨励された。金融部門
の一層の拡大に向け、拡大に関連する30超の措置が発表され、証券、ファンド、先物および生命保険の外国持分に
関する制限の撤廃時期が明確に2020年に前倒しされた。
現在、世界経済はCOVID-19の大流行および恒常的な蔓延により大きな影響を受けている。今年3月の経済協力開
発機構の予測によると、流行が長期化すれば、世界の経済成長率はすでに見積もられた2.9%から1.5%に低下する
とされている。伝染病の蔓延により、世界の金融市場は乱高下した。3月には、米国は指標金利を迅速に150ベーシ
ス・ポイント引き下げ、景気刺激策を打ち出した。しかし、2020年において、金融緩和範囲の縮小および財政政策
の緩和は、明らかに米国の経済成長にとって弱体化した推進力および景気後退のリスクの増加の原因となる。影響
を緩和するため、欧州では量的緩和を拡大する等の一連の政策を展開したが、伝染病の防疫および統制の厳しい状
況を考慮すれば、依然として景気低迷の大きな圧力に直面する。日本経済は、伝染病とは別に輸出および消費の影
響を受け続け、成長が減速し続けると予想される。
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2020年、COVID-19は中国経済に多少の影響を与えたが、かかる影響は主に短期的なものであると予想され、良好
な長期的見通しを持つ質の高い経済発展という中国の基礎は変わらない。伝統的なインフラおよび新しいインフラ
への投資は、経済成長の安定化において重要な役割を果たし、5Gネットワーク、データセンターおよびその他の新
しいインフラの建設が大幅に加速する。消費は全体的に安定しているが、オンライン消費はより速いペースで成長
する。世界的な需要の減少は中国の輸出に影響し、COVID-19の大流行による貿易障害もまた中国の産業チェーンに
影響を与える可能性が高い。継続的な経済構造の最適化に伴い、国内需要は引き続き経済成長をさらに促し、新た
な小売、オンライン教育、オンライン・オフィスおよびその他の形態のデジタル経済に新たな発展の機会がもたら
される。COVID-19および豚肉の価格の影響を総合的に考慮すると、消費者物価指数(CPI)は、年初は相対的に高
く、年度の経過とともに低下すると予想される。
2020年において、COVID-19の影響を制限するため、中国のマクロ管理政策は年間を通じて着実な成長を維持しつ
つ、反循環的調整の強度を高め、上質な経済発展の促進に焦点を当てることが期待される。積極的な財政政策はよ
り効果的になり構造調整により多くの注意を払い、医療および国民の生活に関連する部門の歳出を確保するために
一般歳出を削減する。財政政策の重要な手段として、地方政府の特別債は引き続き増加する。慎重な金融政策は実
体経済への貢献に重点を置き、より柔軟および適度なものとなる。PBOCは、預金準備率の引き下げおよび公開市場
操作等の様々な金融政策手段を通じて、合理的かつ十分な市場の流動性を維持し続ける。金利自由化の改革は深化
され、ローンプライムレートの波及経路を改善し、公開市場操作によって金利を引き下げることにより、ローンプ
ライムレートは引き下げられる。金融政策の波及経路の効率化ならびに小規模企業および零細企業への融資におけ
る困難および高いリスクを軽減するため、金融部門の供給側の構造改革はさらに推し進められた。2020年の米中の
経済および貿易関係は徐々に安定すると予想され、中国の経済成長は力強さを維持し、人民元の為替レートはわず
かに上昇することが見込まれている。
2020年は、あらゆる面で適度に豊かな社会を築くことを目指す中国の目標に密接に従いつつ、安定した雇用、安
定した金融、安定した外国貿易、安定した外国資本、安定した投資および安定した市場予測を維持する「6つの安
定」という目標の実現に注力し、当行は、当行の統治および発展に向けた「6次元戦略」の実施を深化させる。当
行は引き続き脆弱な分野の強化、基盤の強化ならびに改革、変化および革新的な開発を促進させる。第一に、当行
は実体経済への貢献においてより大きな成果を得るため、「6つの安定」の展開に集中する。当行は、脆弱な分野
の強化のため、主要地域の開発戦略およびインフラ整備事業を積極的に展開し、新たなインフラ整備事業も積極的
に展開する。当行は、最終的に貧困に打ち勝つために尽力し、民間企業、小規模企業および零細企業のための当行
の金融サービスの提供および改善を継続し、国民の生活および消費者金融サービスに関連する分野において一層の
努力をもって拡大し、先進的製造業、デジタル経済および科学技術の新規事業等の経済成長のための新たな推進力
に関連する分野により多くの資金を配分する。第二に、当行はリスク管理および事故予防における大きな発展を引
き続き確保する。当行は「クリーンアッププラン」の成果を集約し、「シャープアロープラン」を開始する。当行
は、信用リスクの制御を目的とした追加の不良債権の流入削減に注力し、外部からのリスクを厳格に防止する。第
三に、当行はより良い業績達成のため、引き続き強みの強化および弱点の強化を図る。当行は、預金における競争
優位性を取り戻し、県域における新たな競争優位性を獲得する。当行は引き続き「資本連結計画」を推進し、直営
事業部および子会社の収益貢献度を高めるため、「効率化計画」を提案した。第四に、当行は自らを改革する勇気
を示し、主要な分野におけるより大きな発展に向けて努力する。第一級準支店の改革に基づき、当行は組織構造の
包括的な改革を促進させる。当行は、主要都市の支店の活力を刺激するため、階層的に分類された改革を利用す
る。アジャイル開発に重点を置き、当行は科学技術システムの改革における新たな技術革新を促進させる。第五
に、強化支援に基づき、当行は事業変革においてより大きな成果を達成させる。主要な分野に重点を置き、デジタ
ル変革の実施を推し進める。重要な課題に集中し、当行は個人向け銀行業務および本支店機構の変革を促進させ
る。当行は、一連の変革を推し進める上で進展を遂げるため、困難を解決し続ける。
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2【事業等のリスク】
リスク管理および内部統制
リスク管理
(a) 包括的リスク管理システム
包括的リスク管理とは、銀行全体における意思決定、実施および監督において効率的なリスク管理を確保するた
めに、リスク選好、方針および規則、組織、ツール、モデル、データ・システムおよびリスク文化を含む要素の統
合を通じて、包括的カバレッジ、プロセス全体の管理および全面的関与の原則に従い、事業運営に係るあらゆる種
類のリスクを適時に識別、測定、監視、統制および報告することをいう。
2019 年度の複雑かつ困難なリスク状況のもと、効果的なリスク管理を確実にするために、当行は、包括的リスク
管理システムを引き続き改善した。当行は、主要地域における信用リスク管理を強化し、当行の資産の質を統制し
た。「クリーンアップ計画」は、不良債権の残高および比率の両方を着実に減少させ、正常に完了された。当行の
信用構造のさらなる最適化とともに、市場に特化した制限管理がなされた。金融市場事業から発生した当行の市場
リスクが全体的に安定的になるよう、市場リスク管理システムはさらに改善され、市場リスク・エクスポージャー
制限の監視が強化された。オペレーション・リスクおよびコンプライアンスの違反の事例の予防および統制はさら
に強化され、情報テクノロジーに関するリスク管理は強化され、当行の事業継続の管理は引き続き順調に実施され
た。当行はリスク管理情報システムの構築を強化し、規制要件に従って効率的なリスクデータおよびリスク報告の
集約を促進した。
(b) リスク選好
リスク選好とは、当行の戦略目標を達成するために取締役会において決定される当行にとって許容可能かつ寛容
であるリスクの水準およびタイプをいい、当行の主要な利害関係者、外部の事業環境および当行の実際の状況の予
測および制約に依拠する。
当行は、慎重なリスク選好を採用しており、法律および規制に厳密に従って運営を行い、資本、リスクおよび収
益間のバランスの維持ならびに安全性、収益性および流動性の一貫性を有することを強く要求する。同時に、過剰
に革新的でも保守的でもない中立的なリスク負担方針を採用することで、当行は、適切なレベルのリスクをとるこ
とで適度なリターンを達成することを目指し、リスク耐性のために、十分なリスク引当金および自己資本を維持す
る。当行は、包括的リスク管理システムを引き続き改善し、当行の戦略目標および運営計画の実現を確保するため
に規制上の格付けおよび外部格付けにおける良い格付けを維持するために資本管理に関する先進的なアプローチの
実施を積極的に促進する。
(c) リスク管理の組織構造
取締役会は、リスク管理に関して最終的な責任を負う。取締役会直轄のリスク管理/消費者利益保護委員会、監
査およびコンプライアンス委員会ならびに米国地域における機関のリスク管理委員会は、関連のあるリスク管理機
能を果たし、主要なリスク管理関連問題を検討し、当行のリスク管理システムの制定およびリスク状況を監督およ
び評価する。
幹部役員は当行のリスク管理のオーガナイザー兼執行役である。幹部役員の下において、当行は異なる機能を持
つ、様々なリスク管理委員会を有し、それにはリスク管理および内部統制委員会、与信承認委員会、資産・負債管
理委員会および資産処分委員会が含まれる。これらのうち、リスク管理および内部統制委員会は、主に当行全体に
おけるリスク管理およびコンプライアンス管理の整理および調整、重大なリスク管理およびコンプライアンス管理
に関する問題の検討および承認について責任を負う。
監査役会は、リスク管理の監督に責任を負う。監査役会は、取締役会および幹部役員のリスク管理における
デューディリジェンスについて監督および検査し、修正するように促す。これは、監査役会の作業報告書に関連す
る監督および検査の情報を含み、定期的に株主総会に報告している。
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「包括補償」の原則に基づき、当行は、「マトリックス」リスク管理組織的システムならびにリスクを負う部
門、リスク管理部門および内部監査部門で構成されるリスク管理における「防衛の3つのライン」を設定した。
2019年度、当行は、親会社および子会社の統合リスク管理をさらに促進し、信用リスク、市場リスクおよびオペ
レーション・リスクの管理の枠組みの最適化を行い、本店で直接運用される事業部門のためのリスク管理メカニズ
ムについても引き続き改善が施された。
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(d) リスク管理規則体系
2019 年度において、当行は引き続きそのリスク管理規則体系を改善した。包括的リスク管理については、当行
は、リスク管理の基本方針を策定し、包括的リスク管理および特定のタイプのリスクの管理ならびに対応する要
件、手続きおよび手法のための「防衛の3つのライン」についてさらに具体化した。当行は、リスク報告業務をさ
らに統制するため、リスク報告に係る管理手段を修正した。信用リスク管理については、当行は、法人顧客に対す
る無担保貸出に関する管理手段、オンラインでの信用業務に関する管理手段および信用リスク報告に関する管理手
段を策定した。当行は、海外の支店のための信用および融資後の管理規則システムを改善し、子会社のための信用
リスク管理の枠組みを設定した。市場リスク管理については、当行は市場リスクの監視および報告に関する管理手
段ならびに市場リスク限度に関する管理手段を修正した。一方、当行は、日常的なリスク管理の効果的な指針を提
示するため、顧客評価、資産の分類、資本取引ならびに市場リスクおよびITリスク管理に関する年次方針に取り組
んだ。
(e) リスクの分析報告
2019 年度において、国内外の経済および金融環境に照らして、当行は、様々なリスクのプロフィールを包括的に
分析した。当行は、主要な分野、業界、顧客および事業に関するリスク分析報告を強化した。当行は内部格付け、
リスク限度、経済資本およびストレステストを含む 手段 および手法によってリスク分析報告の包括性、正確性およ
び適時性を向上させた。当行は、将来のリスク傾向および提案された手法に関して将来予測的な分析を行った。
(f) 信用リスク
信用リスクとは、相手方による、契約上の債務を履行する義務の不履行から生じる経済的な損失のリスクをい
う。当行の信用リスクは、主に貸出金ポートフォリオ、投資ポートフォリオ、保証およびその他の様々なオンバラ
ンスおよびオフバランスの信用リスク・エクスポージャーから生じる。
信用リスク管理
2019 年度において、当行は、引き続き信用構造の最適化を行った。国家戦略と現実的な経済の提供に焦点を当
て、当行は「成長の安定化および経済再編」および経済成長の「新たな推進力」に関連する分野での信用を高め
た。さらに、当行は、主要な分野におけるリスク予防策およびリスク制御策ならびに産業別の与信エクスポー
ジャーの限度額管理を強化し、それゆえに適時に様々な潜在的リスクを軽減し、不良債権の回収および処分の手段
を多様化させることで、資産の質の安定を維持した。
信用リスク管理体制
当行の信用リスク管理の組織構造は、主に取締役会および取締役会直轄のリスク管理/消費者利益保護委員会、
幹部役員および幹部役員直轄のリスク管理および内部統制委員会、与信承認委員会、資産処分委員会、また、信用
管理部、与信承認部、リスク管理部ならびに様々なフロント・オフィスからなり、集中化および統一化された管理
と多段階承認とを特徴とする信用リスク管理体制を確立している。
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法人向け銀行業務におけるリスク管理
当行は、与信方針システムを改良した。当行は、運転資本、固定資産およびプロジェクト・ファイナンスに関す
るリスク管理手法を見直した。当行は、船舶、航空およびバイオマス発電等の業界に関連する与信方針を策定し、
見直し、法人顧客の与信管理を統制した。さらに、広東・香港・マカオ大湾圏、西安新区、長江経済圏等を含む主
要地域の国家戦略の発展を支援することに焦点を当て、差別化された与信方針を展開した。
当行は、リスクの発生率を低下させるために、与信管理モードの革新を継続した。当行は、与信管理のデジタル
変革の実施計画を立案し、業界のオンライン信用業務の管理手法を率先して策定し、インターネットとビッグデー
タの論理要件を満たす基本的なオンライン与信システムを確立した。フィンテックの発展傾向に対応し、当行はオ
フライン事業のプロセス全体に及ぶ知的な変革を促進した。
当行は、信用資源の割り当てを改善した。当行は「与信構造のさらなる調整および最適化の実施に関する意見
(2019年-2021年)」を策定し、信用資源の割当ての目標および戦略を明確にし、信用の増分を有効に活用し、既
存の貸出を活性化するために複数の措置を講じた。当行は、「2つのモデル」を活用した。第一に、当行はRAROC
(リスク調整後資本収益率)モデルの適用を深め、信用構造の多次元、多レベル、多視点の分析を実施し、信用資
源の供給と割り当てに科学的根拠を提供した。第二に、信用資源の割り当てと経済構造調整をより適切に一致させ
るために、単一の業界調査から業界ポートフォリオ調査に移行し、目標管理を強化する、産業用信用資産割り当て
のための革新的な多次元マルチ指標モデルを構築した。
当行は、融資後の管理を強化し、不良資産の回収および処分を強化した。当行は、主要なリスクを適時に軽減す
るために、主要な顧客の融資後の管理および大きな与信エクスポージャーを有する顧客の監視を強化した。当行
は、「より多くの回収、より多くの償却、より多くの再構築およびバッチにおける的を絞った譲渡」の実施によ
り、引き続き不良債権の回収と処分を強化した。また、「本社と本社」の連携を強化し、「地域横断的な」パッ
ケージ譲渡を実施することで、譲渡損失を削減した。
個人向け銀行業務におけるリスク管理
当行は、住宅ローン登録のための個人保証や作業指示を含む管理手法を改訂することにより、方針システムを改
善した。当行は、信用効率を改善し、運用リスクを予防および制御するため、個人向けローン運用センターの分類
および評価を行った。当行は、潜在的なリスクを効果的に制御するため、主要製品を監視および分析した。当行
は、知的リスク制御システムの適用を促進し、オンライン個人ローンのリスク監視システムをアップグレードし、
オンラインローンのためのBoEingセキュリティー防止および管理プロジェクトを立ち上げ、第2世代の信用報告シ
ステムをアップグレードすることにより、個人向け銀行業務のリスク管理を改善した。さらに、当行は、不正使用
および不正な住宅ローンのリスクに関して特別な調査を行い、一つの目的のための複数のローンに関するデュー・
デリジェンス監督および調査を組織し、コンプライアンス業務およびマネーロンダリング防止を強化し、さらに外
部不正を防止した。内部および外部の調査中に特定された主要な問題については、当行はフォローアップの監督お
よび修正を強化した。当行は電話および訪問による回収によって、当年を通じて顧客から2.11百万の貸出を回収
し、延滞貸出金の管理を強化した。
クレジットカード業務におけるリスク管理
当行は、知的で、差別化され、強化され、当行の事業の安定的かつ持続可能な発展を支援するために本社と支店
が統合されたスマートリスク管理システムを引き続き改善した。当行は、監視と早期警告を強化し、カード発行詐
欺と取引詐欺のリスクを迅速に遮断するための知的な不正防止プラットフォームを稼働させた。当行は、リスク特
定の規則およびモデルを改善させ、ハイリスクの顧客の特定を強化するため、処分後の追跡評価メカニズムを確立
した。当行は、産業別のリスク予防策およびリスク制御策を強化し、特別な審査と承認チームを構築して、リスク
の高い分野に対して差別化された分析と管理を継続的に実施した。当行は、本社および支店における統合された回
収システムを改善させた。当行は、回収効率を向上させるため、「本店集中回収および支店別地域回収」を基本
に、自社回収および委託回収を組み合わせた回収体制を最適化した。特別分割払い事業のプロセス全体のリスク管
理を強化し、「人、資産およびシーンの制御」に焦点を当てた特別分割払い事業のリスク戦略を策定し、ビッグ
データの支援を強化した。
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トレジャリー業務におけるリスク管理
当行は、トレジャリー業務におけるリスク管理の手段およびプロセス全体のリスク管理メカニズムを改善した。
当行の既存顧客およびそれらの取引相手先に関連するリスクを常に監視し、特別な注意が必要な顧客のリストを適
時に更新することで、当行はリスクに応じた戦略を大幅に調整した。当行は、金融市場業務に関連する取引価格を
監視し、市場リスク・エクスポージャーの限度を管理するための一元化された管理プラットフォームを引き続き構
築した。当行は、年度全体を通して、リスク・エクスポージャー限度に達しなかった。当行は、既存の非標準資産
の処分計画および投資前、投資を行っている最中、投資後における当行の信用債の管理を改善した。当行は、体系
的なリスク管理能力を改善し、グローバルな投資取引管理プラットフォームの第一段階がスムーズに稼働に至っ
た。当行は、トレジャリー業務に関する当行グループによる統合的なリスク監視および報告のシステムを改善し、
子会社および海外支店ならびにトレジャリー業務に関する子会社の月次リスク報告メカニズムを確立した。
貸出金のリスク分類
当行は、CBIRCにより公表された 貸出金信用リスク分類に関するガイドライン に従い、貸出金のリスク分類に係
る関連規程を策定し、これを改定した。当行は、返済期日における貸出金の回収可能性を総合的に評価し、融資先
の返済能力、返済記録、貸出金に関する返済の意思、貸出金計画の収益性および二次的返済原資 の信頼性を含む要
因を考慮し、貸出金の分類を行った。
当行は、貸出金に関して2つの区分管理制度(5段階の区分制度および12段階の区分制度)を採用した。法人向け
貸出金については、主に12段階区分制度で管理されていた。顧客のデフォルトリスクおよび債務取引リスクの総合
的評価は、貸出金のリスクレベルを客観的に反映した。当年度の始めに年間区分方針を策定した際に、より詳細な
評価が行われた。リスク識別の予見可能性および感度を向上させるために、主要な法人顧客に対する貸出金の分類
基準および管理に関する特定の要件が定められた。個人向け貸出金は、5段階区分制度で管理されていた。信用管
理システムは、元本または利息の支払いの延滞期間および担保の種類に基づいて、貸出金を自動的に分類し、より
客観的なリスク評価を可能にした。個人事業のための多額の個人向け貸出金は、リスク感度を高めるために、四半
期ごとに手入力で区分された。さらに、分類は貸出金の性質を客観的に反映させるために、信用管理により取得し
たリスク情報に基づき適時に調整された。
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信用リスク分析
貸出金の担保別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
貸出金総額 貸出金総額
に対する に対する
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
抵当権付貸出 5,452,275 45.8 5,898,736 44.3
質権設定貸出 1,884,346 15.8 2,131,098 16.0
保証付貸出 1,366,955 11.5 1,856,415 13.9
無担保貸出 3,210,049 26.9 3,443,297 25.8
小計 11,913,625 100.0 13,329,546 100.0
未収利息 27,060 — 30,642 —
合計 11,940,685 — 13,360,188 —
延滞貸出金の延滞期間別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
貸出金総額 貸出金総額
に対する に対する
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
90 日以下延滞 79,458 0.7 71,118 0.5
91 日以上360日以下延滞 57,026 0.5 49,650 0.4
361 日以上3年以下延滞 50,632 0.4 47,787 0.4
3 年超延滞 15,816 0.1 14,438 0.1
合計 202,932 1.7 182,993 1.4
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貸出金の集中
(単位:百万人民元、%を除く。)
貸出金総額
単一融資先 に対する割合
上位10位 業種 残高 ( %)
顧客A 運輸、物流および郵便業 117,031 0.88
顧客B 運輸、物流および郵便業 38,700 0.29
顧客C 運輸、物流および郵便業 30,864 0.23
顧客D 運輸、物流および郵便業 30,216 0.22
顧客E 運輸、物流および郵便業 24,143 0.18
顧客F 運輸、物流および郵便業 22,348 0.17
顧客G 金融業 22,000 0.16
顧客H 運輸、物流および郵便業 21,122 0.16
顧客I 運輸、物流および郵便業 19,592 0.15
顧客J 電力、熱力、ガスおよび水道の生産供給 19,572 0.15
合計 345,588 2.59
2019 年12月31日現在、当行の最大の単一融資先に対する貸出は、当行の正味自己資本の4.68%を占め、また、当
行の単一融資先上位10位に対する貸出は、当行の正味自己資本の13.83%を占め、当行は規制上の要件を満たし
た。
(g) 多額のリスク・エクスポージャー
当行は、2019年度において、CBIRCが発行した 商業銀行の多額のリスク・エクスポージャーに関する管理手段 の
要件に従って、多額のリスク・エクスポージャーの管理を引き続き促進した。当行は、多額のリスク・エクスポー
ジャーの測定および監視を実行し、規制当局に報告を行い、多額のリスク・エクスポージャーの管理に関して秩序
だった基準でITシステムを最適化し、多額のリスク・エクスポージャーを管理する当行の能力をさらに改善した。
貸出金の5段階区分別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
貸出金総額 貸出金総額
に対する に対する
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
正常先 11,397,204 95.67 12,843,935 96.36
要注意先 326,419 2.74 298,401 2.24
不良債権 190,002 1.59 187,210 1.40
破綻懸念先 45,388 0.38 66,462 0.50
実質破綻先 126,274 1.06 103,763 0.78
破綻先 18,340 0.15 16,985 0.12
小計 11,913,625 100.00 13,329,546 100.00
未収利息 27,060 — 30,642 —
合計 11,940,685 — 13,360,188 —
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2019 年12月31日現在、当行の不良債権残高は前年度末比で2.792十億人民元減少し、187.21十億人民元となっ
た。不良債権比率は、前年度末比で0.19パーセント・ポイント低下し、1.40%となった。要注意先貸出残高は前年
度末比で28.018十億人民元減少し、298.401十億人民元となった。要注意先貸出は、貸出金総額の2.24%を占めた
が、これは前年度末比で0.50パーセント・ポイントの低下であった。
不良債権の商品種類別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
不良債権 不良債権
割合 比率 割合 比率
項目 残高 (%) (%) 残高 (%) (%)
法人向け貸出金 154,548 81.3 2.37 148,695 79.4 2.10
短期法人向け貸出金 98,184 51.7 4.50 81,488 43.5 3.70
中長期法人向け貸出金 56,364 29.6 1.30 67,207 35.9 1.37
割引手形 — — — 21 — —
個人向け貸出金 30,196 15.9 0.65 31,699 16.9 0.59
住宅ローン 11,285 5.9 0.31 12,386 6.6 0.30
クレジットカード残高 6,310 3.3 1.66 7,465 4.0 1.57
個人消費向けローン 1,276 0.7 0.81 1,746 0.9 1.04
個人事業向けローン 5,516 2.9 2.56 4,281 2.3 1.62
農村世帯向け貸出金 5,759 3.1 2.30 5,785 3.1 1.80
その他 50 — 5.18 36 — 4.92
海外およびその他 5,258 2.8 1.35 6,795 3.7 1.62
合計 190,002 100.0 1.59 187,210 100.0 1.40
2019 年12月31日現在、当行の法人向け不良債権残高は前年度末比で5,853百万人民元減少し、148,695百万人民元
となった。不良債権比率は、前年度末比で0.27パーセント・ポイント低下し、2.10%となった。個人向け不良債権
残高は前年度末比で1,503百万人民元増加し、31,699百万人民元となった。不良債権比率は、前年度末比で0.06
パーセント・ポイント低下し、0.59%であった。
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法人向け不良債権の業種別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
不良債権 不良債権
割合 比率 割合 比率
項目 残高 (%) (%) 残高 (%) (%)
製造業 72,033 46.6 6.02 60,529 40.7 5.06
電力、熱力、ガスおよび水道の生産供給 4,561 3.0 0.54 5,725 3.8 0.67
不動産業 8,450 5.5 1.38 10,038 6.8 1.45
運輸、物流および郵便業 7,045 4.6 0.51 12,630 8.5 0.77
卸売および小売 34,687 22.4 10.73 30,541 20.5 9.83
治水、環境マネジメントおよび公共事業管理 1,082 0.7 0.25 659 0.4 0.13
建設業 4,935 3.2 2.06 2,543 1.7 1.13
鉱業 5,994 3.9 3.06 4,697 3.2 2.34
リースおよび商業サービス 7,871 5.1 0.86 15,150 10.2 1.46
金融業 142 0.1 0.09 87 0.1 0.05
情報伝送、ソフトウェアおよびITサービス 111 0.1 0.37 84 0.1 0.30
その他 7,637 4.8 4.09 6,012 4.0 2.92
合計 154,548 100.0 2.37 148,695 100.0 2.10
不良債権の地域別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
不良債権 不良債権
割合 比率 割合 比率
項目 残高 (%) (%) 残高 (%) (%)
本店 7 — — 6 — —
長江デルタ 27,776 14.6 1.04 29,228 15.6 0.98
珠江デルタ 19,249 10.1 1.03 16,805 9.0 0.79
環渤海 53,114 27.9 2.90 46,883 25.1 2.34
中国中部 28,691 15.1 1.64 35,969 19.2 1.81
中国東北部 9,419 5.0 2.05 8,987 4.8 1.79
中国西部 46,488 24.5 1.76 42,537 22.7 1.43
海外およびその他 5,258 2.8 1.35 6,795 3.6 1.62
合計 190,002 100.0 1.59 187,210 100.0 1.40
減損損失引当金の増減
( 単位:百万人民元)
2019 年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
12 ヶ月の
項目 予想信用損失 全期間の予想信用損失
2018 年12月31日現在 269,164 68,464 148,984 486,612
振替:
ステージ1からステージ2 (7,791) 7,791 — —
ステージ2からステージ3 — (24,546) 24,546 —
ステージ2からステージ1 6,921 (6,921) — —
ステージ3からステージ2 — 3,872 (3,872) —
組成または購入された金融資産 123,577 — — 123,577
再測定 37,603 21,276 54,182 113,061
償還および振替出 (65,429) (12,216) (41,092) (118,737)
償却 — — (51,398) (51,398)
2019 年12月31日現在 364,045 57,720 131,350 553,115
(1) 3 つのステージの減損モデルの詳細については、「第 6-1 財務書類 - 連結財務書類に対する注記 - Ⅳ-17 」を参照のこ
と 。
(2) 本表には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される減損損失引当金が含まれる 。
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(h) 市場リスク
市場リスクとは、市場価格の悪化により生じる銀行におけるオンバランス事業およびオフバランス事業の損失リ
スクをいう。市場リスクは、金利リスク、為替リスク、株価リスクおよび商品価格リスクからなるが、これらに限
定されるものではない。当行は、主に金利リスクおよび為替リスク等の市場リスクにさらされている。当行の市場
リスク管理の組織構造は、取締役会および取締役会直轄のリスク管理/消費者利益保護委員会、幹部役員および幹
部役員直轄のリスク管理および内部統制委員会、リスク管理部、資産・負債管理部および市場リスクを負うその他
の事業部門(機関)からなる。
当該報告期間中、当行は、当行の市場リスク管理システムの機能を最適化し、内部モデル・アプローチによる包
括的検証を実施し、顧客のデリバティブ取引契約の履行の保証を強化した。2019年12月31日現在、当行の様々な自
己勘定取引によるエクスポージャーは比較的低い水準に維持され、当行の市場リスクに対するエクスポージャーは
制御されたものとなった。
市場リスク・エクスポージャー・リミット管理
当行の市場リスク・エクスポージャー・リミットは、指令性リミットおよび指導性リミットに分類される。
2019 年度において、当行は市場リスク・エクスポージャー・リミットの管理をさらに改善した。商品およびリス
クの種類等のパラメーターによって異なる市場リスク・エクスポージャー・リミットを設定し、リミットの指標を
引き続き修正した。また、当行は、自動的にリスク・エクスポージャー・リミットを測定、監視および報告するた
めのシステムを活用した。当該報告期間中、当行の市場リスク・エクスポージャー・リミットはすべて所定の範囲
内であった。
取引勘定および銀行勘定の区別
当行は、市場リスク管理の効率性および市場リスクの規制上の自己資本管理の正確性を高めるために、オンバラ
ンスおよびオフバランスの資産および負債を、取引勘定または銀行勘定のいずれかに分類した。取引勘定には、取
引勘定の他の項目のリスクに対して取引またはヘッジのために保有される金融商品および商品ポジションが含まれ
る。その他のポジションは、銀行勘定に分類される。
取引勘定に関する市場リスク管理
当行は、バリュー・アット・リスク(VaR)、エクスポージャー・リミット管理、感応度分析、デュレーション
分析、エクスポージャー分析およびストレステスト等の様々な手法を用いて取引勘定の市場リスクを管理した。
当行は、本社および当行の国内外の支店の取引勘定のVaRを測定するために、1日の保有期間および250日の過去
データに基づき、信頼区間が99%のヒストリカルシミュレーション法を導入した。国内市場および海外市場におけ
る様々な状況に基づき、市場リスクの水準を実際に反映させるため、当行はモデルおよび危険因子に適用されるパ
ラメーターを選択した。当行は、データ分析、並列モデリングおよびバックテスティングにより、リスク測定モデ
ルの正確性および信頼性を実証した。
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取引勘定のVaR分析
( 単位:百万人民元)
2018 年 2019 年
当該報告期間 当該報告期間
項目 末日現在 平均 最高 最低 末日現在 平均 最高 最低
金利リスク 109 76 119 44 75 89 116 57
(1)
為替リスク
123 117 300 12 90 120 287 56
商品リスク 17 14 19 9 9 15 25 5
VaR 全体 120 134 252 57 115 146 291 92
(1) 商業銀行資本管理弁法(試行)に従い、金に関連するVaRは 為替リスクに反映された。
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当該報告期間において、引き続き安定的であった債券ポートフォリオの平均残高および債券ポートフォリオの満
期の減少の結果として、金利リスクのVaRはわずかに減少した。当行の為替リスクのVaRは、国内外の金の価値の上
昇に伴って金の価格が上昇した結果として、前年度と比較してわずかに増加した。銀のポートフォリオの規模は増
加し、その結果、商品リスクのVaRは前年度同期をわずかに上回るものとなった。
(i) 銀行勘定に関する市場リスク管理
当行は、エクスポージャー・リミット管理、ストレステスト、シナリオ分析およびギャップ分析等の技術的な手
法の包括的活用により銀行勘定の市場リスクを管理した。
金利リスク管理
金利リスクとは、金利レベルまたは期間構造の不利な変動の結果として生じる銀行勘定における利益または経済
的価値が損なわれるリスクをいう。当行の銀行勘定の金利リスクは、主に銀行勘定における金利感応度のある資産
および負債の満期日または金利更改期間の不一致、ならびに資産および負債の基準となる指標金利の変動における
一貫性の欠如により生じる。
PBOC のLPR改革以来、当行は規制要件に従って、当行の事業システムをアップグレードし、標準貸出契約を改定
し、内部および外部の金利に関する価格設定メカニズムを改善し、さらにLPRの適用を包括的に促進し、一般的に
貸出金の価格設定およびプロセス全体におけるLPRメソッドを適用することにより、関連する方針を実行した。LPR
改革以降、指標金利はより市場金利と密接なものになり、変動の頻度および範囲はいずれも増加した。当行は、外
部の金利環境の監視および予測を強化し、内部および外部の金利に対する価格設定戦略を適時に調整し、商品ポー
トフォリオならびに資産および負債の期間構造を改善し、金利オプションを活用することによりリスク構造を積極
的に調整し、当行の経済的価値および所得に対する金利の変動による悪影響を低減させた。当該報告期間におい
て、当行の全体的な金利リスクは安定を維持し、すべてのリスク・エクスポージャー・リミットは規制要件および
当行の管理目標の範囲内であった。
為替リスク管理
為替リスクとは、銀行の資産および負債における外国通貨の不一致から生じるリスクをいう。為替リスクは主と
して、ヘッジすることのできるトレーディング為替リスクならびに運用においてリスクを回避することが困難な資
産および負債による為替リスク(以下「非トレーディング為替リスク」という。)からなる。
2019 年度において、当行は、為替リスク・エクスポージャーの監視および感応度の分析を定期的に実行し、引き
続き外国為替リスクの測定および当行の管理情報システムを改善した。外国為替を適切に対応させることで、当行
は、非トレーディング為替リスク・エクスポージャーを安定に維持すると同時に、トレーディング為替リスク・エ
クスポージャーを柔軟に調整した。その結果、当行の為替リスク・エクスポージャーは許容可能な範囲内で管理さ
れた。
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金利リスク分析
2019 年12月31日現在、当行の満期が1年以内の金利に対して感応度のある累積ネガティブ・ギャップは、前年度
末から絶対的には 476,113 百万 人民元減少し、 1,121,355 百万 人民元となった。
金利リスクギャップ
(単位:百万人民元)
1ヶ月超 3ヶ月超 1年以内 1年超
1ヶ月以内 3ヶ月以内 12ヶ月以内 小計 5年以内 5年超 無利子
2018年12月31日 (3,394,064) 385,096 1,411,500 (1,597,468) 1,214,752 1,830,838 34,524
2019年12月31日 (3,911,081) 308,220 2,481,506 (1,121,355) 814,042 1,986,997 79,447
( 注 ) 詳細については、「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-44.3」を参照のこと。
金利感応度分析
(単位:百万人民元)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
その他の その他の
受取利息 受取利息
包括利益 包括利益
純額 の変動 純額 の変動
ベーシスポイントの変動 の変動 の変動
100 ベーシスポイント増加 (24,024) (67,879) (25,607) (42,579)
100 ベーシスポイント減少 24,024 67,879 25,607 42,579
上記の金利感応度分析は、様々な金利条件下における翌12ヶ月間の受取利息純額およびその他の包括利益の変動
を表したものである。かかる分析は、イールド・カーブが平行移動することを前提としており、金利リスクの軽減
のために経営陣が講じるリスク管理措置については考慮されていない。
2019 年12月31日現在の当行の資産および負債の構成に基づくと、金利が急速に100ベーシスポイント増加(また
は減少)した場合には、当行の受取利息純額およびその他の包括利益は、それぞれ25,607百万人民元および42,579
百万人民元減少(または増加)する。
為替リスク分析
当行の為替リスクは、主に米ドルの対人民元の為替レートから生じるエクスポージャー・リスクである。
2019 年度において、人民元の対米ドル中間レートは累積で 1,130 ベーシスポイント( 1.62 %)下落した。2019年
度末現在、当行のオンバランスおよびオフバランスの外国為替エクスポージャーは、前年度末から絶対的には
1,289 百万米ドル増加し、 3,542 百万米ドルのプラスとなった。
外国為替エクスポージャー
(単位:百万人民元(百万米ドル))
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
米ドル 米ドル
人民元 相当額 人民元 相当額
オンバランスの金融資産/負債の外国為替エクス
ポージャー(純額) 13,131 1,913 50,482 7,236
オフバランスの金融資産/負債の外国為替エクス
ポージャー(純額) 2,335 340 (25,767) (3,694)
( 注 ) 詳細については、「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-44.3」を参照のこと。
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中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
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為替感応度分析
(単位:百万人民元)
税引前利益に対する影響
外貨の対人民元
為替レートの
通貨 上昇/下落 2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
米ドル + 5 % (110) 1,346
-5 % 110 (1,346)
香港ドル + 5 % (644) (832)
-5 % 644 832
当行の人民元建て以外の外貨建資産および負債は主に米ドル建てか香港ドル建てであった。当該報告期間末現在
のオンバランスおよびオフバランスの為替エクスポージャーに基づくと、当行の米ドルの対人民元レートが5%上
昇(または下落)する度に、税引前利益は1,346百万人民元増加(または減少)する。
(j) 流動性リスク
流動性リスクとは、期限の到来した額を決済し、その他の支払債務を履行し、通常の業務におけるその他の資金
需要を満たす際に、商業銀行によって十分な資金を適切な費用で適時に取得することができないリスクを意味す
る。流動性リスクに影響を与える主な要因は、市場流動性のマイナスな影響、顧客の預金引出し、顧客の貸出取
消、資産および負債間の構造不均衡、債務者の不履行、資本実現の困難性ならびに資金調達能力の低下等を含む。
流動性リスク管理
流動性リスク管理の統治体制
当行の流動性リスク管理の統治体制は、意思決定システム、実行システムおよび監督システムによって構成され
る。うち意思決定システムは、取締役会、取締役会直轄のリスク管理/消費者利益保護委員会および幹部役員よっ
て構成される。実行システムは、流動性管理部門、資産負債事業管理部門および情報技術部門等によって構成さ
れ、監督システムは、監査役会、監査室、内部統制・コンプライアンス監督部および法務部によって構成される。
流動性リスク管理の戦略および方針
当行は、慎重な流動性管理戦略を支持した。規制要件、外部のマクロ経済的環境および事業開発状況に従い、当
行はその流動性リスク管理方針を策定した。当行は、流動性の安全性が保証されている限り、流動性、安全性およ
び収益性間の均衡を効果的に保った。
流動性リスク管理の目的
当行の流動性リスク管理の目的は、科学的かつ洗練された流動性リスク管理システムを構築することにより、流
動性リスクの識別、測定、監視および報告を効率的に行うこと、通常の業務状態またはストレス下で、資産、負債
およびオフバランス事業の流動性ニーズならびに支払義務を適時に実行すること、ならびに当行グループの流動性
リスク全体を効果的に予防する一方で、当行の流動性の資本効率および安全性の両方のバランスを効果的に保つこ
とであった。
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流動性リスク管理の方法
当行は、外部の経済および金融状況、金融政策および市場流動性に細心の注意を払い、当行全体における流動性
の状況を引き続き監視し、変動および傾向を予測した。当行は、満期の不一致に関連するリスクを軽減するため、
当行の資産および負債の管理を強化した。当行は、資金調達チャネルが市場で円滑に運用されるようにするため、
預金元を確保し、金融商品の利用を促進した。当行は、監視体制、早期警告および全体的な資金の割り当てを強化
することにより、流動性管理メカニズムを改善した。適度な準備資金レベルにより、当行は多様な支払需要を満た
した。さらに当行は、電子管理を向上させるため、流動性管理に係るシステムの機能を改善した。
ストレステストの状況
当行は、流動性に影響を与え得る様々なリスク要因を十分考慮したうえで、市場の状態および運営実態に基づ
き、流動性リスクに係るストレスシナリオを策定した。当行は、四半期ごとにストレステストを実施した。テスト
結果によると、当行は、規定のストレスシナリオ下において、規制機関により要求される最短残存期間テストにす
べて合格した。
流動性リスクに影響を及ぼす主要な要因
2019 年度 において、当行が直面する内部および外部の流動性の状況は、複雑かつ変化の多いものであった。世界
の貿易摩擦により不確実性が高まり、世界経済の成長は鈍化し続け、主要経済国はすべて金利を引き下げた。金融
供給側の構造改革が引き続き進められ、反循環的な調整がなされた。市場資金は、市場金利の変動が大きく、構造
的に厳しかった。当行は、流動性リスク管理において、流動性の変動の増加、満期の不一致の管理による圧力の増
大および資産と負債の構造最適化、ならびに流動性、有価証券および収益性の均衡の困難さの増大等、ますます多
くの困難に直面した。
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流動性リスク分析
当該報告期間中、当行は満期資金により発生したキャッシュ・フローを適切に管理し、当行の全体的な流動性は
十分であり、安全が保障され、制御されていた。2019年度末、当行は規制要件を満たし、人民元および外貨の流動
性比率はそれぞれ57.74%および112.07%であった。2019年度第4四半期における流動性カバレッジ比率の平均は、
前四半期と比較して5.5パーセント・ポイント上昇し、125.6%であった。2019年度末現在、利用可能な安定資金純
額17,318.3十億人民元を分子、必要とされる安定資金の合計13,508.5十億人民元を分母とし、純安定資金比率は
128.2%であった。
流動性ギャップ分析
以下の表は、表示日現在のネット・ポジションを示したものである。
(単位:百万人民元)
1ヶ月超 1年超
3ヶ月超
延滞 要求払 1ヶ月以内 3ヶ月以内 12 ヶ月以内 5年以内 5年超 期日未定 合計
2018 年12月31日 20,466 (10,794,068) 221,913 (979,235) (71,719) 3,467,506 7,108,745 2,509,038 1,482,646
2019 年12月31日 25,889 (11,586,444) 536,345 (724,010) (800) 3,066,681 8,144,318 2,297,152 1,759,131
( 注 ) 詳細については、「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-44.2」を参照のこと。
流動性カバレッジ比率の情報
当行は、CBIRCの関連規則に従って、流動性カバレッジ比率および安定資金純額について、以下の情報を開示し
た。
流動性カバレッジ 比率に係る規制上の要件
CBIRC が発行した 「商業銀行流動性リスク管理弁法」に従い、商業銀行の流動性カ バレッジ比率は、100%以上で
なければならない。さらに、商業銀行流動性カバレッジ比率情報開示弁法に従い、商業銀行は、財務報告書が公表
されるのと同じ頻度で流動性カバレッジ比率情報を開示し、2017年以降、各四半期の日次データに基づいた流動性
カバレッジ比率の単純算術平均およびかかる平均の計算に用いられる日次データの数字を開示することが義務付け
られている。
流動性カバレッジ比率
当行は、「商業銀行流動性リスク管理弁法」および適用ある算定要件に従って流動性カバレッジ比率を計算し
た。当行の日次流動性カバレッジ比率の平均は、 2019 年度第4 四半期において、前四半期比で 5.5 パーセント・ポイ
ント増加して、 125.6 %であり、 92 の流動性カバレッジ比率の数値が、かかる平均を計算するのに用いられた。当
行の高品質の流動資産 は主として現金、ストレス状況下で引き落とし可能な中央銀行の利益準備金ならびに商業銀
行流動性リスク管理法において定義されるレベル1およびレベル2資産に該当する有価証券である。
2019 年度第4四半期において、測定された日次流動性カバレッジ比率の平均および個別項目の平均は、以下のと
おりであった。
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(単位:百万人民元、%を除く。)
項目 非加重価値合計 加重価値合計
高品質の流動資産
1 高品質の流動資産(HQLA)合計 4,795,414
キャッシュ・アウトフロー
2 個人預金および中小企業顧客預金 11,528,794 1,067,628
3 安定預金 1,704,977 85,246
▶ 非安定預金 9,823,817 982,382
5 無担保市場融資 6,890,802 2,687,408
6 業務関連預金(全相手方)および協調銀行における預金 3,153,463 775,132
7 非業務関連預金(全相手方) 3,694,533 1,869,470
8 無担保債務 42,806 42,806
9 担保付市場融資 13,502
10 その他の要件 2,625,637 820,347
デリバティブ商品取引および
11 672,415 672,415
その他の担保要件に関連する流出額
12 担保付債務関連商品への融資に係る損失に関連する流出額 65 65
13 与信枠および流動性枠 1,953,157 147,867
14 その他の契約に基づく融資義務 120,560 120,560
15 その他の偶発的融資義務 1,485,411 67,115
16 キャッシュ・アウトフロー合計 4,776,560
キャッシュ・インフロー
17 担保付貸出(逆レポおよび有価証券借入等) 182,318 179,614
18 完全正常債権からの流入額 931,644 461,185
19 その他のキャッシュ・インフロー 763,419 763,419
20 キャッシュ・インフロー合計 1,877,381 1,404,218
調整価値合計
21 HQLA 合計 4,230,135
22 キャッシュ・アウトフロー純額合計 3,372,342
23 流動性カバレッジ比率(%) 125.6 %
安定調達比率の情報
当 行は、CBIRCの関連規則に従い、 安定調達比率につき以下の情報を開示した。
安定調達比率に関する規制上の要求
CBIRC が発表した 商業銀行の流動性リスク管理に関する規則 に従い、商業銀行の 安定調達 比率は100%以上である
ことを要する。さらに、 商業銀行の安定調達比率情報の開示に関する規則 に従い、商業銀行は、財務報告書または
公式ウェブサイトにおいて少なくとも半期毎に直近2四半期の安定調達比率の情報を開示しなければならない。
安定調達比率
当行は、 商業銀行の流動性リスク管理に関する規則 および適用ある統計上の要請に従い 安定調達 比率を計算し
た。当行の2019年度第3四半期の安定調達比率は、前四半期と比較して0.5パーセント・ポイント低下した129.1%
であり、利用可能な安定調達の加重価値は17,285.8十億人民元、必要な安定調達の加重価値は13,390.2十億人民元
であった。2019年度第4四半期の安定調達比率は、前四半期と比較して0.9パーセント・ポイント低下した128.2%
であり、利用可能な安定調達の加重価値は17,318.3十億人民元、必要な安定調達の加重価値は13,508.5十億人民元
であった。
以下の表は、2019年度第3四半期および2019年度第4四半期の安定調達比率および関連するすべての独立項目を示
すものである 。
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2019 年度第3四半期の安定調達比率
(単位:百万人民元、%を除く。)
残存満期別の非加重価値
番号 加重価値合計
満期なし 6 ヶ月未満 6 -12ヶ月 1 年超
利用可能な安定調達(ASF)項目
1 資本 1,917,569 — — 244,889 2,162,458
2 規制資本 1,917,569 — — 199,889 2,117,458
3 その他の資本性商品 — — — 45,000 45,000
個人預金および中小企業顧
▶
客預金 9,671,477 2,101,936 173 27 10,686,604
5 安定預金 1,806,993 — — — 1,716,644
6 非安定預金 7,864,484 2,101,936 173 27 8,969,960
7 市場融資 6,639,574 1,798,297 481,559 317,876 4,198,107
8 業務関連預金 2,315,519 — — — 1,157,759
9 その他の市場融資 4,324,055 1,798,297 481,559 317,876 3,040,348
10 対応相互資産を伴う負債 — — — — —
11 その他の負債 161 1,593,048 198,690 183,333 238,615
12 NSFRデリバティブ負債 44,063
上記の分類に含まれない
13 すべてのその他の負債お
よび資本 161 1,593,048 198,690 139,270 238,615
14 ASF合計 17,285,784
必要な安定調達(ASF)項目
NSFR高品質流動資産
15
(HQLA)合計 810,389
運用目的によるその他の金
16
融機関への預け金 185 114,322 84,040 — 99,273
17 正常債権および有価証券 2,709 3,289,762 2,151,392 9,084,365 10,176,483
レベル1 HQLAにより担保
18
された金融機関への正常
債権 — — — 112,055 112,055
非レベル1 HQLAにより担
保された金融機関への正
19
常債権および金融機関へ
の無担保正常債権 466 707,160 249,658 52,639 283,714
非金融法人顧客への正常
債権、個人および中小企
20 業顧客への貸出金ならび
に外国政府、中央銀行お
よびPSEへの貸出金 6 2,404,513 1,746,654 4,760,635 6,076,014
うち:信用リスクに関
するバーゼルⅡ標準手
21
法に基づきリスク加重
が35%以下であるもの — 592,684 45,757 208,612 448,535
22 正常住宅ローン 1 90,967 92,126 3,847,468 3,361,874
うち:信用リスクに関
するバーゼルⅡ標準手
23
法に基づきリスク加重
が35%以下であるもの 1 68 131 106 170
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債務不履行が発生してお
らずHQLA適格でない有価
24
証券(取引所で取引され
る株式を含む。) 2,236 87,122 62,954 311,568 342,826
25 対応相互負債を伴う資産 — — — — —
26 その他の資産 107,271 577,658 648,760 922,176 2,126,459
現物取引コモディティ
27
(金を含む。) — —
デリバティブ契約の当初
証拠金として支払われた
28
資産およびCCPの不履行
資金のための拠出金 3,880 3,298
29 NSFRデリバティブ資産 42,466 —
支払われた変動証拠金控
除前のNSFRデリバティブ
30
(1)
11,370 11,370
負債
上記の分類に含まれない
31
すべてのその他の資産 107,271 577,658 648,760 875,830 2,111,791
32 オフバランス項目 3,697,936 177,582
33 RSF合計 13,390,186
34 安定調達比率(%) 129.1 %
(1)網掛でないセルには、デリバティブ負債の金額(すなわち支払われた変動証拠金控除前のNSFRデリバティブ負債の割合)
が記載されている。満期による区別の必要はない。非網掛項目30は、非網掛項目26「その他の資産」の合計に含まれてい
ない。
2019 年度第4四半期の安定調達比率
(単位:百万人民元、%を除く。)
残存満期別の非加重価値
番号 加重価値合計
満期なし 6 ヶ月未満 6 - 12 ヶ月 1 年超
利用可能な安定調達(ASF)項目
1 資本 1,948,665 — — 244,889 2,193,554
2 規制資本 1,948,665 — — 199,889 2,148,554
3 その他の資本性商品 — — — 45,000 45,000
個人預金および中小企業顧
▶
客預金 9,712,785 2,033,536 186 26 10,666,568
5 安定預金 1,893,705 — — — 1,799,020
6 非安定預金 7,819,080 2,033,536 186 26 8,867,548
7 市場融資 6,611,941 1,654,872 600,276 315,201 4,240,135
8 業務関連預金 2,484,823 — — — 1,242,411
9 その他の市場融資 4,127,118 1,654,872 600,276 315,201 2,997,724
10 対応相互資産を伴う負債 — — — — —
11 その他の負債 202 1,717,344 151,551 185,784 218,056
12 NSFR デリバティブ負債 43,503
上記の分類に含まれない
13 すべてのその他の負債お
よび資本 202 1,717,344 151,551 142,281 218,056
14 ASF 合計 17,318,314
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中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
必要な安定調達(ASF)項目
NSFR高品質流動資産
15
(HQLA)合計 896,117
運用目的によるその他の金
16
融機関への預け金 2,654 129,416 88,991 — 110,530
17 正常債権および有価証券 11,875 3,595,218 2,034,468 9,345,383 10,394,197
レベル1 HQLAにより担保
18
された金融機関への正常
債権 — — — 185,449 185,449
非レベル1 HQLAにより担
保された金融機関への正
19
常債権および金融機関へ
の無担保正常債権 9,631 1,067,252 174,756 55,702 304,970
非金融法人顧客への正常
債権、個人および中小企
20 業顧客への貸出金ならび
に外国政府、中央銀行お
よびPSEへの貸出金 7 2,350,345 1,711,223 4,821,147 6,097,491
うち:信用リスクに関
するバーゼルⅡ標準手
21
法に基づきリスク加重
が35%以下であるもの — 611,528 61,197 184,359 449,642
22 正常住宅ローン 1 92,218 93,877 3,971,513 3,468,808
うち:信用リスクに関
するバーゼルⅡ標準手
23
法に基づきリスク加重
が35%以下であるもの 1 86 100 133 181
債務不履行が発生してお
らずHQLA適格でない有価
24
証券(取引所で取引され
る株式を含む。) 2,236 85,403 54,612 311,572 337,479
25 対応相互負債を伴う資産 — — — — —
26 その他の資産 162,978 476,946 599,230 745,839 1,916,376
現物取引コモディティ
27
(金を含む。 ) — —
デリバティブ契約の当初
証拠金として支払われた
28
資産および CCP の不履行
資金のための拠出金 1,020 867
29 NSFR デリバティブ資産 44,172 669
支払われた変動証拠金控
除前の NSFR デリバティブ
30
(1)
負債 10,918 10,918
上記の分類に含まれない
31
すべてのその他の資産 162,978 476,946 599,230 700,647 1,903,922
32 オフバランス項目 3,971,804 191,264
33 RSF 合計 13,508,486
34 安定調達比率(%) 128.2%
(1)網掛でないセルには、デリバティブ負債の金額(すなわち支払われた変動証拠金控除前のNSFRデリバティブ負債の割合)
が記載されている。満期による区別の必要はない。非網掛項目30は、非網掛項目26「その他の資産」の合計に含まれてい
ない。
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有価証券報告書
(k) オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスク管理
オペレーショナル・リスクとは、人的な要因または情報技術システム関連の要因による内部手続の不備もしくは
不履行、または外部的事象(法的リスクを含むが、戦略リスクまたは評価リスクは含まない。)から生じる損失の
リスクを意味する。
当該報告期間中、当行は、オペレーショナル・リスク管理規則の実施を強化した。オペレーショナル・リスク管
理情報システムは自動データ集約技術を改善することにより、最適化された。オペレーショナル・リスク管理手段
が適用され、オペレーショナル・リスクの自己評価および事業アウトソーシングに関する特別な評価が実施され、
これによりリスク予防および統制のイニシアチブおよび予見可能性が向上した。当行はオペレーショナル・リスク
状況を四半期ベースで分析した。当行は、脆弱かつ高リスクの分野における法令遵守違反の防止を引き続き強化
し、主要なオペレーショナル・リスク事由を監視、分析、追跡および監督を開始した。当行は、国内事業および海
外事業部門ならびに子会社における監督、ガイダンス、評価および査定を強化することにより、当グループのオペ
レーショナル・リスク管理を強化した。
法的リスク管理
法的リスクは、法的負債、権利の喪失、評判の悪化を含む悪影響を被る銀行のリスクのことをいい、これは法律
違反、管理上の規則および規制または事業運営の契約の条件および権利の行使または外部の法的要素の正式な規制
および行使における法的不履行に起因する。法的リスクは、他の種類のリスクに関連するリスクと同じく、法的要
素を直接的要因とするリスクを含む。
2019 年度、当行は、法に基づいた管理方法を引き続き促進した。当行のデジタル改革、「三農」、包括的な金
融、金利の自由化および法的支援による知的財産保護を提供することにより、当行の改革と発展のための法的保護
手段を統合した。主要なリスクを防ぎ、軽減させるために、当行は国内における重要な訴訟およびリスク事象の処
理を強化し、海外における訴訟に関連したリスクに慎重に対処し、規制案件を解決するメカニズムを改善し、そし
て知的財産に関する紛争を適切に解決した。海外の機関については、国境を越えたデータの合法性評価を実施し、
法的リスク管理を強化した。子会社については、法的リスク管理に関するガイダンスを充実させ、グループレベル
での統合的な法的リスク管理システムを確立した。当行は、従業員の法律および規則に関する意識を高めるため、
一般化された法的責任のためのチェックリストシステムの構築を検討し、スタッフの法的知識をテストおよび広げ
るためのコンテストを企画し、「全体的な状況に対応するため法を普及する」というスローガンを掲げた一連の活
動を行った。
(l) 評価リスク
評価リスクとは、当行の経営、管理もしくはその他の行為または外部的事象に起因した、利害関係者からのマイ
ナス評価により生じるリスクをいう。
2019 年度、当行は、当行グループの統合的な評価リスク管理を強化するため、評価リスクに関する管理手法を修
正した。当行は評価リスクの調査および早期警告を強化し、改良された評価リスクの管理を改善するため、世論調
査のためのリストをアップデートした。従業員の評価リスクに対する意識およびメディアに対応する力を向上させ
るため、通常の訓練と演習を改善した。良いブランドイメージを確立するために、積極的な宣伝および指導を強化
した。規制要件に従い、当行は評価リスクの資本の測定に関する調査を実施した。
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(m) カントリーリスク
カントリーリスクとは、特定の国または地域の経済、政治および社会において発生した変化ならびに事象に起因
するものであり、該当する国もしくは地域の融資先もしくは債務者の当行に対する債務に関する支払い不能もしく
は支払い拒否、またはその他の理由により該当する国もしくは地域において当行に事業損失をもたらすか、もしく
は当行にその他の損失をもたらすものをいう。
2019 年度、当行は、複雑かつ変動的な国際環境に直面して、カントリーリスクの状況を注意深く追跡および監視
した。当行は、カントリーリスク格付け、エクスポージャー分析、リミット承認およびストレステスト等の方法お
よび手段を通じて、管理システムの改善を継続し、カントリーリスクを効率的に管理した。
(n) 連結リスク
当行は、当行グループのリスク統合管理を引き続き促進し、親会社および子会社のリスク管理の統合を推進し
た。当行は子会社に対し、「一つの企業は一つの方針のもとに」の原則に基づき、基本的なリスク管理システム、
リスク選好度文書およびリスク管理方針を見直し、包括的リスク管理構造を改善し、リスク制限および年間作業優
先度を指定するよう指示した。大企業顧客のリスク情報を共有するためのメカニズムの確立と実施、および当行と
子会社間の戦略的調整を促進した。当行は、子会社に対するリスク監視、リスク管理評価、リスク強化および査定
ならびにリスク管理訓練を引き続き強化した。
(o) 内部統制
内部統制
当行の内部統制の目的は、運営および管理を適法かつ規則に沿ったものとし、財務報告および関連情報が真実か
つ正確であることを合理的に確保し、リスク管理の有効性および資産保護を確実にし、経営の効率および有効性を
高め、当行による事業目的および発展戦略の実現を促進することである。
取締役会は、CBIRCにより公表された「商業銀行のための内部統制ガイドライン」、MOFを含む5つの省が合同で
公表した「企業の内部統制に関する基本規則」およびその附則ならびにその他内部統制に関する規制要件に従い、
堅固な内部統制メカニズムを確立し、それを効果的に実行し、その有効性を評価し、内部統制評価報告書を正確に
開示することに責任を負っている。取締役会下に設置された監査およびコンプライアンス管理委員会、リスク管
理/消費者利益保護委員会、合衆国地域における機関のリスク管理委員会ならびに関連当事者取引管理委員会は、
内部統制管理に関連する同様の義務の履行に責任を負っている。幹部役員は、内部統制の日常的な業務に責任を
負っている。監査役会は、取締役会および幹部役員による内部統制の設置および導入を監査している。
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当該報告期間中、取締役会、監査役会、幹部役員およびそれらに従属する専門委員会は、安全策を講じて経営の
法令遵守を確保するため、内部統制の管理・監督に関する業務を適正に遂行し、内部統制管理への取り組みを継続
し、内部統制の有効性を高めた。
・法令遵守文化の発展。当行は、従業員の行為規範を改定し、従業員に法令遵守の重要性をより認識するように求
めた。当行は、このような法令遵守文化の先導、制限、団結、動機付けの役割を活用した。
・当行の内部統制システムの最適化。当行は、規則の事後評価を行った。当行は継続的に、基本規則、管理方法お
よび業務規則を多角的に改善した。さらに当行は規則の制定、改訂および廃止を計画し、規則の立案を標準化す
るとともに、より厳格な見直しを行い、規則の質の向上に努めた。
・コンプライアンスリスク管理の強化。当行は、コンプライアンスリスク評価やコンプライアンス・テストを実施
するための業務手順を作成し、コンプライアンス管理体制の構造および運用状況を総合的に評価した。当行は、
海外拠点のコンプライアンス管理の長期的な仕組みを構築するための行動計画の策定、グループ間取引制限管理
の調査および子会社の内部承認管理の強化を行うことでグループ全体の管理を強化してきた。
・検査および調整の質・効率性の継続的な改善。当行は、検査資源をより効果的に割り当てることによって監督業
務および査察業務の計画および管理を強化した。さらに、当行は貧困との闘いに関する特別査察での査察結果を
踏まえた是正を行うとともに、各種の内部・外部査察で浮き彫りになった問題点を徹底して是正し、業務を推進
してきた。また、幹部役員の下で説明責任委員会の業務規則を作成し、当行のより厳格な管理およびコンプライ
アンス運営を推進してきた。
・従業員の汚職防止・贈収賄防止の意識向上の重視。当行は、汚職・贈収賄事件に係るリスクを未然に防止するた
め、徹底したリスク検査を実施するとともに、事件の報告や関係者の説明責任の追及の徹底を図った。当行は、
違法行為や潜在的なリスクを早期に発見するために、当行の事業の検査および従業員の管理を適切に行った。
・3年間の「鋭利な矢計画」を策定し、「4本の鋭利な矢」を強化することで違反事例の発生を防止した。
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マネーロンダリング防止
2019 年度、当行はマネーロンダリングおよびテロリストへの資金提供のリスクを効果的に防止するため、最高峰
の国際基準および業界内のベストプラクティスを参考に、当行のコンプライアンス管理体制およびグローバルなマ
ネーロンダリング防止能力の構築を積極的に推し進めた。
・グローバル・マネーロンダリング防止センターの3年開発計画が策定された。当行はグローバルなマネーロンダ
リング防止システムの構築のための行動計画を推進し、国内外にマネーロンダリングを防止するコンプライアン
ス管理のためのポリシーセンター、監視センターおよび情報センターを築くことを目指す。
・当行は、顧客の特定ならびにマネーロンダリングのリスク管理および制御を強化した。年一度の機関マネーロン
ダリングリスク評価ならびに顧客および製品マネーロンダリングリスク評価が実施された。顧客のデューディリ
ジェンスのため、各業務手順の見直しおよび改善が行われた。
・当行のマネーロンダリングリスクを継続的に監視および分析する能力を向上させた。当行は、リスクの手がかり
を収集、分析、調査および管理し、疑わしい取引の監視モデルの最適化をするため、マネーロンダリングリスク
調査および情報協議のメカニズムを構築した。
・当行は、グローバルな制裁コンプライアンス管理方針システムを改善し、制裁リスク選好および管理戦略を明確
化させ、制裁リストの選別ならびに制裁リスクの管理および制御の効果を継続的に向上させた。
・当行はマネーロンダリング防止のための情報管理システムを確立した。多次元データ分析ツールを適用し、顧客
の特定およびリスク評価における情報技術の適用を促進した。
・当行は、マネーロンダリング防止コンプライアンスの訓練を強化し、従業員の業務遂行能力を継続的に向上させ
るため、「マネーロンダリング防止スペシャリスト認定」を取得することを奨励した。
内部統制の自己評価報告
取締役会は、 内部統制の2019年度自己評価報告 を考案し、また承認した。詳細は上海証券取引所のウェブサイト
にて公表されている。
内部統制監査報告書
プライスウォーターハウスクーパース中天リミテッドは、関連規制に従った2019年12月31日現在の財務報告に対
する当行グループの内部統制の有効性に関する監査に基づき、無限定の内部統制報告書を表明した。詳細は上海証
券取引所のウェブサイトにて公表されている。
「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-44」を参照のこと。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績等の概要
下記「3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
(2) 生産、受注および販売の状況
下記「3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析
1.経営陣による考察および分析
(1) 財務書類分析
(a) 損益計算書分析
当行は、コストを削減し効率性を高める能力を発展させるため、精巧にコストをコントロールする一方、業務の
効率性および価値を創出する能力を強化するため、活発に収入源を拡大した。2019年度において、当行の営業収益
は629,350百万人民元を記録し、前年度と比較して4.4%増加した。経費率は30.49%であったが、これは前年度と
比較して0.78パーセント・ポイントの低下であり、3年連続で低下した。当年度の純利益は212,924百万人民元とな
り、前年度と比較して10,293百万人民元(5.08%)増加した。
重要な損益計算書項目の推移
(単位:百万人民元、%を除く。)
増加/
項目 2018 年 2019 年 (減少) 成長率(%)
受取利息純額 477,760 486,871 9,111 1.9
受取報酬および手数料純額 78,141 86,926 8,785 11.2
その他の非金利収入 46,656 55,553 8,897 19.1
営業収益 602,557 629,350 26,793 4.4
控除:営業費用 213,963 224,096 10,133 4.7
信用減損損失 136,647 138,605 1,958 1.4
その他資産に係る減損損失 251 118 (133) -53.0
営業利益 251,696 266,531 14,835 5.9
関連会社および合弁事業の収益 (22) 45 67 -
税引前純利益 251,674 266,576 14,902 5.9
控除:法人所得税費用 49,043 53,652 4,609 9.4
純利益 202,631 212,924 10,293 5.08
当行の持分所有者に帰属する純利益 202,783 212,098 9,315 4.6
非支配持分に帰属する純利益 (152) 826 978 -
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受取利息純額
受取利息純額は、当行の営業収益の最大の構成要素であり、2019年度の合計営業収益の77.4%を占めた。2019年
度において、当行の受取利息純額は486,871百万人民元であり、前年度と比較して9,111百万人民元増加した。その
うち、残高および金利の変動により、受取利息純額はそれぞれ48,877百万人民元の増加および39,766百万人民元の
減少となった。
2019年度において、当行の正味金利差益および正味利息スプレッドはそれぞれ2.17%および2.03%であり、前年
度と比較して16ベーシスポイントおよび17ベーシスポイント下落したが、これは主として預金事業において市場競
争の激化により影響を受け預金の平均費用が増加したことによる。当行は、LPRの価格決定メカニズムの変更およ
び社会的融資コストの削減に関するPBOCの要求を厳密に実行し、実体経済への支援を強化した。その結果、高い平
均収益率を有する信用資産の比率がさらに上昇し、利付資産の平均収益率は安定を保った。
以下の表は、利付資産および有利子負債の平均残高、受取利息/支払利息および平均収益率/平均費用率を示し
たものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2019 年
平均収益率/ 平均収益率/
受取利息/ 平均費用率 受取利息/ 平均費用率
項目 平均残高 支払利息 (%) 平均残高 支払利息 (%)
資産
顧客への貸出金 11,433,884 502,616 4.40 12,859,889 565,465 4.40
(1)
債務証券投資 5,796,234 216,118 3.73 6,373,176 232,571 3.65
非改革関連債務証券 5,421,191 204,593 3.77 5,988,985 220,739 3.69
(2)
改革関連債務証券 375,043 11,525 3.07 384,191 11,832 3.08
中央銀行預け金 2,560,993 40,701 1.59 2,286,277 35,024 1.53
銀行およびその他の金
(3)
融機関に対する債権
750,474 25,289 3.37 941,437 26,081 2.77
利付資産合計 20,541,585 784,724 3.82 22,460,779 859,141 3.83
(4)
減損損失引当金 (453,657) (534,803)
(4)
無利子資産 1,551,629 1,163,630
合計資産 21,639,557 23,089,606
負債
顧客預金 16,398,914 227,819 1.39 17,615,216 279,737 1.59
銀行およびその他の金
(5)
融機関に対する債務
1,441,140 40,228 2.79 1,734,711 44,994 2.59
(6)
その他有利子負債 1,123,025 38,917 3.47 1,386,484 47,539 3.43
有利子負債合計 18,963,079 306,964 1.62 20,736,411 372,270 1.80
(4)
無利子負債 1,025,371 1,096,337
負債合計 19,988,450 21,832,748
受取利息純額 477,760 486,871
正味利息スプレッド 2.20 2.03
正味金利差益 2.33 2.17
(1) 債務証券投資は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される債務証券投資および償却減価で測定する債務証券投資
を含む 。
(2) 改革関連債務証券はMOFに対する債権および特別国債を含む。
(3) 銀行およびその他の金融機関に対する債権は、主に銀行およびその他の金融機関への預け金および銀行およびその他の金
融機関への貸出金ならびに売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産を含む。
(4) 無利子資産、無利子負債および減損損失引当金の平均残高は、当該報告期間の期首および期末におけるそれぞれの平均残
高である。
(5) 銀行およびその他の金融機関に対する債務は、主に銀行およびその他の金融機関からの預り金および銀行およびその他の
金融機関からの預入金ならびに買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産を含む。
(6) その他有利子負債は、主に発行済債務証券および中央銀行からの借入金を含む。
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以下の表は、残高および金利の変動による受取利息純額の変動を示したものである。
(単位:百万人民元)
増加/(減少)要因
純増/(減)
残高 金利
資産
顧客への貸出金 62,703 146 62,849
債務証券投資 21,054 (4,601) 16,453
中央銀行預け金 (4,208) (1,469) (5,677)
銀行およびその他の金融機関に対する債権 5,290 (4,498) 792
受取利息の増減 84,839 (10,422) 74,417
負債
顧客預金 19,315 32,603 51,918
銀行およびその他の金融機関に対する債務 7,614 (2,848) 4,766
その他の有利子負債 9,033 (411) 8,622
支払利息の増減 35,962 29,344 65,306
受取利息純額の増減 48,877 (39,766) 9,111
(注)残高および金利の影響による変動は、残高の変動に配分されている 。
受取利息
2019年度において、当行の受取利息は859,141百万人民元であり、前年度と比較して74,417百万人民元増加し
た。かかる増加は主に、利付資産の平均残高が1,919,194百万人民元増加したことに起因する。
顧客への貸出金からの受取利息
顧客への貸出金からの受取利息は、前年度から62,849百万人民元(12.5%)増加して565,465百万人民元となっ
た。かかる増加は主に、平均残高が1,426,005百万人民元増加したことに起因する。
法人向け貸出金からの受取利息は、前年度と比較して22,993百万人民元(7.9%)増加して313,430百万人民元と
なった。かかる増加は主に、平均残高が492,514百万人民元増加したことおよび平均収益率が1ベーシスポイント増
加したことに起因する。平均収益率の増加は、主に中長期法人向け貸出金の比率が増加したことに起因する。
個人向け貸出金からの受取利息は、前年度と比較して35,074百万人民元(18.3%)増加して226,849百万人民元
となった。かかる増加は主に、平均残高が714,345百万人民元増加したことおよび平均収益率が7ベーシスポイント
増加したことに起因する。平均収益率の増加は、主に比較的高い収益率を有する住宅ローンの比率が増加したこと
に起因する。
割引手形からの受取利息は、前年度と比較して4,018百万人民元(51.6%)増加して11,805百万人民元となっ
た。かかる増加は主に、平均残高が198,925百万人民元増加したことに起因するが、平均収益率が118ベーシスポイ
ント減少したことによって一部相殺された。平均収益率の減少は主に、割引手形売買市場の金利が下落したことに
起因する。
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海外およびその他に対する貸出金からの受取利息は、前年度と比較して764百万人民元(6.1%)増加して13,381
百万人民元となった。かかる増加は主に、平均残高が20,221百万人民元増加したことおよび平均収益率が3ベーシ
スポイント増加したことに起因する。
以下の表は、平均残高、受取利息および顧客への貸出金の平均収益率を事業別に示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2019 年
平均収益率 平均収益率
項目 平均残高 受取利息 (%) 平均残高 受取利息 (%)
法人向け貸出金 6,497,777 290,437 4.47 6,990,291 313,430 4.48
短期法人向け
貸出金 2,323,836 98,664 4.25 2,245,236 96,055 4.28
中長期法人向け
貸出金 4,173,941 191,773 4.59 4,745,055 217,375 4.58
割引手形 182,070 7,787 4.28 380,995 11,805 3.10
個人向け貸出金 4,341,210 191,775 4.42 5,055,555 226,849 4.49
海外およびその他 412,827 12,617 3.06 433,048 13,381 3.09
顧客への貸出金総額 11,433,884 502,616 4.40 12,859,889 565,465 4.40
債務 証券 投資からの受取利息
債務証券投資からの受取利息は、当行の受取利息のうち2番目に大きな構成要素であった。2019年度における当
行の債務証券投資からの受取利息は、前年度と比較して16,453百万人民元増加して232,571百万人民元となった。
かかる増加は主に、平均残高が576,942百万人民元増加したことに起因するが、平均収益率が8ベーシスポイント下
落したことにより一部相殺された。平均収益率の下落は主に、前年度と比較して債務証券市場の金利が低下したこ
とおよび投資ポートフォリオにおける比較的低い収益率の地方政府債務の割合が増加したことに起因する。
中央銀行預け金からの受取利息
中央銀行預け金からの受取利息は、前年度と比較して5,677百万人民元減少して35,024百万人民元となった。か
かる減少は、主に平均残高が274,716百万人民元減少したことおよび平均収益率が6ベーシスポイント下落したこと
による。平均収益率の下落は主に、PBOCにより預金準備率が引き下げられたことに影響され、比較的高い収益率の
法定準備預金の割合が減少したことに起因する。
銀行およびその他の金融機関に対する債権からの受取利息
銀行およびその他の金融機関に対する債権からの受取利息は、前年度と比較して792百万人民元増加して26,081
百万人民元となった。かかる増加は、主に平均残高が190,963百万人民元増加したことに起因するが、平均収益率
が60ベーシスポイント下落したことによって一部相殺された。平均収益率の下落は、前年度と比較して貨幣市場金
利が引き下げられたことに起因する。
支払利息
支払利息は、前年度と比較して65,306百万人民元増加して372,270百万人民元となった。かかる増加は、主に平
均残高が1,773,332百万人民元増加したことおよび平均費用が18ベーシスポイント上昇したことに起因する。
顧客預金に係る支払利息
顧客預金に係る支払利息は、前年度と比較して51,918百万人民元増加して279,737百万人民元となった。かかる
増加は、主に平均費用率が20ベーシスポイント上昇したことおよび平均残高が1,216,302百万人民元増加したこと
に起因する。
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商品別預金に関する平均費用率の分析
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2019 年
平均費用率 平均費用率
項目 平均残高 支払利息 (%) 平均残高 支払利息 (%)
法人預金
定期 2,279,545 58,406 2.56 2,370,806 63,971 2.70
要求払 4,559,749 32,384 0.71 4,724,887 38,121 0.81
小計 6,839,294 90,790 1.33 7,095,693 102,092 1.44
個人預金
定期 4,514,210 111,283 2.47 4,985,641 133,277 2.67
要求払 5,045,410 25,746 0.51 5,533,882 44,368 0.80
小計 9,559,620 137,029 1.43 10,519,523 177,645 1.69
顧客預金合計 16,398,914 227,819 1.39 17,615,216 279,737 1.59
銀行およびその他の金融機関に対する債務に係る支払利息
銀行およびその他の金融機関に対する債務に係る支払利息は、前年度と比較して4,766百万人民元増加して
44,994百万人民元となった。かかる増加は主として、平均残高が293,571百万人民元増加したことに起因するが、
平均費用率が20ベーシスポイント下落したことにより一部相殺された。平均費用率の減少は、主に銀行およびその
他金融機関の協働預金の平均費用率が、市場環境の影響を受け前年度と比較して引き下げられたことに起因する。
その他の有利子負債に係る支払利息
その他の有利子負債に係る支払利息は、前年度と比較して8,622百万人民元増加して47,539百万人民元となっ
た。これは主として、平均残高が263,459百万人民元増加したことに起因するが、平均費用率が4ベーシスポイント
下落したことにより一部相殺された。平均残高の増加は、主に当行による銀行間市場での譲渡性預金の発行および
Tier2自己資本債の発行に起因する。平均費用率の下落は、主に発行された銀行間市場での譲渡性預金の平均費用
率が前年度と比較して下落したことに起因する。
受取報酬および手数料純額
2019年度において、当行の受取報酬および手数料純額は、前年度と比較して8,785百万人民元(11.2%)増加し
て86,926百万人民元となった。具体的には、決済および清算手数料は、主に法人顧客決済からの収益の増加によ
り、前年度と比較して7.1%増加した。コンサルタントおよびアドバイザリー業務からの収益は、主にシンジケー
ト・ローン事業からの収益の増加により前年度と比較して13.9%増加し、銀行カード手数料は主にクレジットカー
ドの割賦払いビジネスの収益増加により前年度と比較して18.0%増加し、電子バンキングサービス手数料は主に電
子商取引バンキングサービスからの収益の増加により前年度と比較して28.4%増加した。
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受取報酬および手数料純額の構成
(単位:百万人民元、%を除く。)
増加/
項目 2018 年 2019 年 (減少) 成長率(%)
決済および清算手数料 10,680 11,443 763 7.1
コンサルタントおよびアドバイ
ザリー報酬 8,876 10,109 1,233 13.9
代理人手数料 20,929 19,801 (1,128) -5.4
銀行カード手数料 25,586 30,181 4,595 18.0
電子バンキングサービス手数料 19,640 25,209 5,569 28.4
信用コミットメント手数料 1,782 1,895 113 6.3
保管およびその他の信託サービ
スの報酬 3,598 3,899 301 8.4
その他 434 474 40 9.2
受取報酬および手数料 91,525 103,011 11,486 12.5
控除:支払報酬および手数料 13,384 16,085 2,701 20.2
受取報酬および手数料純額 78,141 86,926 8,785 11.2
その他の 非金利 収入
2019年度において、その他の非金利収入は55,553百万人民元に達し、前年度と比較して8,897百万人民元増加し
た。具体的には、トレーディング業務利得純額は前年度と比較して2,998百万人民元増加した。これは主に純損益
を通じて公正価値で測定される株式投資による利益の増加による。金融投資利得純額は前年度と比較して2,667百
万人民元減少したが、これは主に純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された元本保証のウェル
ス・マネジメント商品に係る利得純額が減少したことによる。その他営業収益は前年度と比較して8,596百万人民
元増加したが、これは主に当行の子会社の保険料収益の増加による。
その他の非金利収入の主な内訳
(単位:百万人民元)
項目 2018 年 2019 年
トレーディング業務利得純額 16,069 19,067
金融投資に係る利得純額 8,460 5,793
償却減価で測定する金融資産の認識の中止に係る利
得純額 30 ‐
その他の営業収益 22,097 30,693
合計 46,656 55,553
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営業費用
2019 年度において、当行の営業費用は前年度と比較して10,133百万人民元増加し、224,096百万人民元となり、
経費率は前年度と比較して0.78%減少し30.49%になった。具体的には、減価償却費および償却費は前年度と比較
して14.0%増加したが、これは主にIFRS第16号「リース」の導入後に使用権資産の減価償却が増加したことによ
る。保険金および保険金の支払いは前年度と比較して32.3%増加したが、これは主に当行の子会社の生命保険事業
に関連する保険契約負債が増加したことによる。
営業費用の内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
増加/
項目
2018 年 2019 年 (減少) 成長率(%)
人件費 123,614 124,267 653 0.5
一般営業管理費 47,173 48,246 1,073 2.3
保険金および保険金の支払い 17,652 23,349 5,697 32.3
減価償却費および償却費 16,413 18,711 2,298 14.0
税および付加税 5,330 5,688 358 6.7
その他 3,781 3,835 54 1.4
合計 213,963 224,096 10,133 4.7
信用減損損失
2019年度において、当行の信用減損損失は、138,605百万人民元となった。具体的には、貸出金に係る減損損失
は、前年度と比較して1,722百万人民元増加し、131,833百万人民元となった。
所得税費用
2019年度において、当行の所得税費用は前年度と比較して4,609百万人民元(9.4%)増加して、53,652百万人民
元であった。実効税率は法定税率を下回る20.13%であった。これは主として、当行が保有する長期中国国債およ
び地方債に係る受取利息が、関連する税法により法人所得税を免除されたことに起因する。
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セグメント 報告
当行は、セグメント報告に基づき、当行の業績評価および資源分配に関する決定を行った。下記のセグメント情
報は、内部管理および内部報告の基準と同一の方法で公表された。現在、当行は事業ライン、地理的セグメントお
よび県域銀行業務の側面に基づいて事業活動を行っている。
以下の表は、表示された期間中の当行の事業別営業収益を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2019 年
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
法人向け銀行業務 274,658 45.6 271,719 43.2
個人向け銀行業務 233,801 38.8 239,963 38.1
資金運用業務 65,628 10.9 79,114 12.6
その他の業務 28,470 4.7 38,554 6.1
営業収益合計 602,557 100.0 629,350 100.0
以下の表は、表示された期間中の当行の地域別営業収益を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2019 年
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
本店 59,675 9.9 53,411 8.5
長江デルタ 111,918 18.6 117,085 18.6
珠江デルタ 84,055 13.9 90,032 14.3
環渤海 86,126 14.3 86,083 13.7
中国中部 85,363 14.2 90,460 14.4
中国西部 122,886 20.4 129,342 20.6
中国東北部 20,398 3.4 21,320 3.4
海外およびその他 32,136 5.3 41,617 6.5
営業収益合計 602,557 100.0 629,350 100.0
(注) 地域セグメント の定義については、 「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-39」 を参照のこと。
以下の表は、表示された期間中の当行の県域銀行業務および都市部銀行業務による営業収益を示したものであ
る。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2019 年
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
県域銀行業務 228,440 37.9 236,740 37.6
都市部銀行業務 374,117 62.1 392,610 62.4
営業収益合計 602,557 100.0 629,350 100.0
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(b) 貸借対照表分析
資産
2019年12月31日現在、当行の資産合計は、前年度末から2,268,817百万人民元(10.0%)増加して、24,878,288
百万人民元に達した。具体的には、顧客への貸出金(純額)は1,358,068百万人民元(11.8%)増加した。金融投
資は、537,855百万人民元(7.8%)増加した。現金および中央銀行預け金は、105,212百万人民元(3.8%)減少し
た。銀行およびその他の金融機関への預け金および貸出金は、97,184百万人民元(14.7%)増加した。売戻し条件
付契約に基づき保有する金融資産は、337,550百万人民元(91.0%)増加した。これは主として、売戻し条件付契
約に基づき保有する債権の増加に起因する。
主要な資産項目
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
顧客 への 貸出金 総額 11,940,685 - 13,360,188 -
控除:貸出金に対する減損損失引
当金 479,143 - 540,578 -
顧客への貸出金(純額) 11,461,542 50.7 12,819,610 51.5
金融投資 6,885,075 30.5 7,422,930 29.8
現金および中央銀行預け金 2,805,107 12.4 2,699,895 10.9
銀行およびその他の金融機関への預
け金および貸出金 661,741 2.9 758,925 3.1
売戻し条件付契約に基づき保有する
金融資産 371,001 1.6 708,551 2.8
その他 425,005 1.9 468,377 1.9
資産合計 22,609,471 100.0 24,878,288 100.0
顧客への貸出金
2019年12月31日現在、当行の顧客への貸出金総額は13,360,188百万人民元に達し、前年度末から1,419,503百万
人民元(11.9%)増加した。
顧客への貸出金の事業内容別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
国内支店による貸出金 11,524,215 96.7 12,909,633 96.8
法人向け貸出金 6,514,383 54.7 7,095,770 53.2
割引手形 343,961 2.9 421,390 3.2
個人向け貸出金 4,665,871 39.1 5,392,473 40.4
海外およびその他 389,410 3.3 419,913 3.2
小計 11,913,625 100.0 13,329,546 100.0
未収利息 27,060 - 30,642 -
合計 11,940,685 - 13,360,188 -
法人向け貸出金の期間別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
短期法人向け貸出金 2,179,691 33.5 2,203,081 31.0
中長期法人向け貸出 金 4,334,692 66.5 4,892,689 69.0
合計 6,514,383 100.0 7,095,770 100.0
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法人向け貸出金の産業別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
製造業 1,195,669 18.3 1,196,978 16.9
電力、熱力、ガスおよび水道 839,578 12.9 852,697 12.0
(1)
不動産業
611,456 9.4 693,376 9.8
運輸、物流および郵便業 1,380,611 21.2 1,642,017 23.1
卸売および小売 323,345 5.0 310,828 4.4
治水、環境マネジメントおよび公共
事業管理 432,320 6.6 511,348 7.2
建設業 239,574 3.7 225,010 3.2
鉱業 195,954 3.0 201,044 2.8
リース業および商業サービス業 916,926 14.1 1,037,898 14.6
融資業 162,029 2.5 191,141 2.7
情報伝送、ソフトウェアおよびIT
サービス 30,167 0.5 27,612 0.4
(2)
その他
186,754 2.8 205,821 2.9
合計 6,514,383 100.0 7,095,770 100.0
(1) 上記の表中の貸出金の分類は、借入人の従事する産業を基準としている。不動産業に対する貸出金には、不動産業に主に
従事する企業の不動産プロジェクトの開発に対する貸出金、運用資産に対する抵当貸出および不動産業界における企業に
対するその他の非不動産貸出金が含まれる。2019年度末現在、法人顧客に対する不動産業に係る貸出金残高は、346,928
百万人民元であり、前年度末から36,943百万人民元増加した。
(2) その他には主として、農業、林業、畜産、漁業、教育、ホテルおよび外食産業が含まれる。
2019年度において、当行はバイオマス発電産業、港湾業、物流業、ファイナンス・リース業務ならびに出版およ
び印刷業を含む様々な産業の与信方針を策定または改定した。当行は実体経済および国家供給面の構造改革を積極
的に援助し、不動産業に対する規制政策を実行し、鉄鋼産業および石炭産業に対する与信の増加を定期的に監視し
た。また、当行は新経済、新事業構成、新興産業およびグリーン産業の援助に傾注した。
2019年12月31日現在、当行の借入法人の5大主要産業には(1)運輸、物流および郵便業、(2)製造業、(3)リース業
および商業サービス業、(4)電力、熱力、ガスおよび水道の生産供給業ならびに(5)不動産業が含まれていた。かか
る5大主要産業に対する貸出総額は当行の法人向け貸出金総額の76.4%となり、前年度末と比較して0.5パーセン
ト・ポイントの増加となった。運輸、物流および郵便業における借入法人に対する当行の貸出金は、当行の貸出金
ポートフォリオ総額の割合で最も高い増加率を記録した一方、製造業に対する貸出金は、当行の貸出金ポートフォ
リオ総額の割合で最も高い減少率を記録した。
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個人向け貸出金の商品種類別内訳
2019年12月31日現在、個人向け貸出金は前年度末と比較して726,602百万人民元(15.6%)増加した。特に、住
宅ローンは、前年度末と比較して13.7%増加した。これは主に当行が差別化された住宅与信方針を積極的に導入
し、投資目的以外での居住用不動産の購入を支援したことによる。個人消費者ローンは、前年度末と比較して
6.3%増加した。これは主に当行が、オンライン・チャネルを通じた顧客獲得ならびに装飾、乗用車の購入および
教育等の消費に関連するシーンに対し焦点を置いた結果、当行の個人消費者ローンが健全に発展したことによる。
個人事業ローンは、前年度末と比較して22.6%増加した。これは主に当行が、オンライン住宅ローンに対するニー
ズを満たし、個人事業ローンに関連するシーンを多様化させる等、包括的金融の発展に注力したことによる。クレ
ジットカード残高は、前年度末と比較して24.8%増加した。これは主にクレジットカードの発行数および取引額の
双方が増加したことに起因する。農村世帯向け貸出金は、前年度末と比較して28.8%増加した。これは主として、
当行の新規のクレジット商品である「ABC恵農Eローン」が増加したことによる。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
住宅ローン 3,660,574 78.4 4,162,431 77.2
個人消費者ローン 158,009 3.4 168,036 3.1
個人事業ローン 215,616 4.6 264,305 4.9
クレジットカード残高 380,719 8.2 475,001 8.8
農村世帯向け貸出金 249,987 5.4 321,968 6.0
その他 966 - 732 -
合計 4,665,871 100.0 5,392,473 100.0
貸出金の地域別内訳
当該報告期間において、当行は、さらに地理的地域による信用の分配を最適化した。当行は、広東・香港・マカ
オ大湾区、長江デルタ地域、長江経済ベルトおよび北京・天津・河北地域の共同開発といった主要な国家戦略地域
に対する援助ならびに中国の特徴を有する社会主義地域である深 圳 のパイロット・デモンストレーション地域の建
設、雄安新区および自由貿易地帯に対する援助に注力した。当行はまた、当該地域のバランスのとれた発達を促進
するため、中国中西部および中国北東部への産業移転ならびに中国中西部のインフラ建設への投資を支援した。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
本店 303,703 2.5 319,025 2.4
長江デルタ 2,674,175 22.4 2,996,889 22.4
珠江デルタ 1,862,337 15.6 2,136,948 16.0
環渤海 1,833,704 15.4 2,000,981 15.0
中国中部 1,749,376 14.7 1,982,054 14.9
中国東北部 460,207 3.9 503,266 3.8
中国西部 2,640,713 22.2 2,970,470 22.3
海外およびその他 389,410 3.3 419,913 3.2
小計 11,913,625 100.0 13,329,546 100.0
未収利息 27,060 - 30,642 -
合計 11,940,685 - 13,360,188 -
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金融投資
2019年12月31日現在、当行の金融投資は、7,422,930百万人民元に達し、前年度末と比較して537,855百万人民元
(7.8%)増加した。具体的には、非改革関連債務証券は、前年度末と比較して436,938百万人民元増加したが、こ
れは主に地方債への投資が増加したことによる。
投資の金融商品種類別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
非改革関連債務証券 6,160,441 90.8 6,597,379 90.3
改革関連債務証券 384,249 5.7 384,243 5.3
資本性金融商品 37,963 0.5 100,619 1.4
(1)
その他
201,873 3.0 227,369 3.0
小計 6,784,526 100.0 7,309,610 100.0
未収利息 100,549 - 113,320 -
合計 6,885,075 - 7,422,930 -
(1) 主に、当行によるウェルス・マネジメント商品の発行から得られた手取金の投資により生じた財産を含む。
非改革関連債務証券投資の発行者別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
国債 3,039,646 49.3 3,531,300 53.5
政策銀行により発行された債券 1,460,989 23.8 1,388,164 21.0
その他の銀行および金融機関により
発行された債券 982,181 15.9 1,100,892 16.7
公共機関により発行された債券 228,640 3.7 216,576 3.3
社債 448,985 7.3 360,447 5.5
合計 6,160,441 100.0 6,597,379 100.0
非改革関連債務証券投資の残存期間別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
残存期間
残高 割合(%) 残高 割合(%)
延滞 - - - -
3 ヶ月未満 361,988 5.9 434,169 6.6
3 ヶ月以上12ヶ月未満 991,780 16.1 1,066,476 16.2
1 年以上 5 年以内 3,074,102 49.9 3,134,611 47.5
5 年超 1,732,571 28.1 1,962,123 29.7
合計 6,160,441 100.0 6,597,379 100.0
非改革関連債務証券投資の通貨別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
人民元 5,861,326 95.1 6,267,575 95.0
米ドル 239,670 3.9 272,831 4.1
その他の外貨 59,445 1.0 56,973 0.9
合計 6,160,441 100.0 6,597,379 100.0
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金融投資の事業モデルおよび契約上のキャッシュ・フローの特性別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
純損益を通じて公正価値で測定され
る金融資産 643,245 9.5 801,361 10.9
償却原価で測定される負債性投資 4,422,090 65.2 4,851,608 66.4
その他の包括利益を通じて公正価値
で測定されるその他負債およびその
他資本性金融商品投資 1,719,191 25.3 1,656,641 22.7
小計 6,784,526 100.0 7,309,610 100.0
未収利息 100,549 - 113,320 -
合計 6,885,075 - 7,422,930 -
金融債券投資
金融債券とは、政策銀行、商業銀行およびその他の金融機関により発行され、あらかじめ決められた予定に従っ
て元金および利息が償還される債務証券をいう。2019年12月31日現在、当行が保有する金融債券の残高は
2,489,056百万人民元であり、これには、中華人民共和国の政策銀行により発行された1,388,164百万人民元の債券
ならびに商業銀行およびその他の金融機関により発行された1,100,892百万人民元の債券が含まれる。
以下の表は、2019年12月31日現在の当行が保有する額面価格上位10位の金融債券を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
(1)
引当金
社債 公正価値 年間利率 満期日
2 017 年政策銀行債券 30,774 3.85 % 2027 年1月6日 -
2 017 年政策銀行債券 26,222 3.83 % 2024 年1月6日 -
2017 年政策銀行債券 26,092 4.39 % 2027 年9月8日 -
2 019 年政策銀行債券 23,785 3.28 % 2024 年2月11日 -
2017 年政策銀行債券 20,936 4.11 % 2027 年3月20日 -
2017 年政策銀行債券 19,298 4.13 % 2022 年4月21日 -
2017 年政策銀行債券 18,216 4.30 % 2024 年8月21日 -
2017 年政策銀行債券 17,654 3.70 % 2022 年1月6日 -
2015 年政策銀行債券 17,045 3.97 % 2025 年2月27日 -
2019 年政策銀行債券 16,743 3.75 % 2029 年1月25日 -
(1) 上記の表中の引当金とは、ステージⅡおよびステージⅢの減損損失引当金を指すものであり、ステージⅠの減損損失引当
金は含まれない。
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負債
2019年12月31日現在、当行の負債総額は、前年度末から1,983,842百万人民元(9.5%)増加して、22,918,526百
万人民元となった。具体的には、顧客預金は1,196,571百万人民元(6.9%)増加した。銀行およびその他の金融機
関からの預り金および借入金は379,409百万人民元(26.2%)増加したが、これは主に銀行およびその他の金融機
関による決済預金が増加したことによる。買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産は103,904百万人民元
(66.1%)減少したが、これは主に当行の負債の構造に対する調整および買戻し条件付契約に基づいて売却した債
務証券の需要が減少したことによる。発行済債務証券は、327,539百万人民元(42.0%)増加したが、これは主に
銀行間市場で発行した譲渡性預金の増加による。
主要な負債項目
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
顧客預金 17,346,290 82.9 18,542,861 80.9
銀行およびその他の金融機関からの
預り金および預入金 1,449,863 6.9 1,829,272 8.0
買戻し条件付契約に基づいて売却し
た金融資産 157,101 0.8 53,197 0.2
発行済債務証券 780,673 3.7 1,108,212 4.9
純損益を通じて公正価値で測定され
る金融資産 286,303 1.4 330,627 1.4
その他の負債 914,454 4.3 1,054,357 4.6
負債合計 20,934,684 100.0 22,918,526 100.0
顧客預金
2019年12月31日現在、当行の顧客預金残高は前年度末と比較して1,196,571百万人民元(6.9%)増加して、
18,542,861百万人民元となった。顧客別では、個人預金の割合は前年度末と比較して0.8パーセント・ポイント増
加した。期間別の預金においては、要求払預金の割合が前年度末と比較して0.7パーセント・ポイント減少して
57.6%となった。
顧客預金の事業ライン別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
国内預金 17,072,198 99.6 18,219,470 99.5
法人預金 6,559,082 38.3 6,879,767 37.6
定期 1,889,911 11.0 1,986,306 10.9
要求払 4,669,171 27.3 4,893,461 26.7
個人預金 9,791,974 57.1 10,611,922 57.9
定期 4,473,942 26.1 4,953,306 27.0
要求払 5,318,032 31.0 5,658,616 30.9
(1)
その他の預金
721,142 4.2 727,781 4.0
海外およびその他 73,448 0.4 95,744 0.5
小計 17,145,646 100.0 18,315,214 100.0
未収利息 200,644 - 227,647 -
合計 17,346,290 - 18,542,861 -
(1) 預り証拠金、支払送金および仕向送金を含む。
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顧客預金の地域別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
本店 73,421 0.4 63,721 0.4
長江デルタ 3,898,571 22.7 4,237,786 23.1
珠江デルタ 2,366,330 13.8 2,590,965 14.2
環渤海 3,016,435 17.6 3,193,377 17.4
中国中部 2,945,676 17.2 3,122,628 17.0
中国東北部 837,735 4.9 893,920 4.9
中国西部 3,934,030 23.0 4,117,073 22.5
海外およびその他 73,448 0.4 95,744 0.5
小計 17,145,646 100.0 18,315,214 100.0
未収利息 200,644 - 227,647 -
合計 17,346,290 - 18,542,861 -
顧客預金の残存期間別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
要求払 10,561,889 61.6 11,147,306 60.8
3ヶ月未満 1,744,274 10.2 1,830,041 10.0
3 ヶ月以上12ヶ月未満 2,629,576 15.3 2,520,189 13.8
1 年以上 5 年以内 2,209,312 12.9 2,805,074 15.3
5 年超 595 - 12,604 0.1
小計 17,145,646 100.0 18,315,214 100.0
未収利息 200,644 - 227,647 -
合計 17,346,290 - 18,542,861 -
株主資本
2019年12月31日現在、当行の株主資本は、1,959,762百万人民元となった。これは、349,983百万人民元の普通株
式、199,886百万人民元のその他の資本性金融商品、173,556百万人民元の資本準備金、29,684百万人民元の投資再
評価準備金、174,910百万人民元の利益準備金、277,016百万人民元の一般準備金および741,101百万人民元の利益
剰余金から構成される。株式1株当たりの純資産は前年度末と比較して0.46人民元増加して、5.00人民元となっ
た。
以下の表は、表示日現在の株主資本の内訳を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
普通株式 349,983 20.9 349,983 17.9
その他の資本性金融商品 79,899 4.8 199,886 10.2
資本準備金 173,556 10.4 173,556 8.9
投資再評価準備金 18,992 1.0 29,684 1.5
利益準備金 154,257 9.2 174,910 8.9
一般準備金 239,190 14.3 277,016 14.1
利益剰余金 652,944 39.0 741,101 37.8
為替換算準備金 1,473 0.1 2,219 0.1
非支配持分 4,493 0.3 11,407 0.6
合計 1,674,787 100.0 1,959,762 100.0
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オフバランス項目
オフバランス項目は、主に金融デリバティブ商品、偶発債務およびコミットメントを含む。当行は、取引、資産
および負債管理ならびに顧客を代理した事業のために、為替、金利および貴金属に関連したデリバティブ取引を始
めた。かかる偶発債務およびコミットメントには信用コミットメント、設備投資コミットメント、オペレーティン
グ・リース債務およびファイナンス・リース債務、債券の引受けおよび償還義務、住宅および担保資産、訴訟手続
ならびにその他の偶発事象が含まれる。信用コミットメントは、オフバランス項目の主要な構成要素であり、貸出
コミットメント、銀行引受手形、保証および保証状、信用状ならびにクレジットカード・コミットメントからな
る。
信用コミットメントの内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
貸出コミットメント 906,782 45.1 1,056,796 43.8
銀行 引受手形 242,489 12.1 339,829 14.1
保証および保証状 191,250 9.5 216,229 9.0
信用状 131,414 6.5 151,040 6.3
クレジットカード・コミットメント 538,870 26.8 646,134 26.8
合計 2,010,805 100.0 2,410,028 100.0
(c) その他の財務情報
会計方針の変更
当行は、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)が公表したIFRS第16号「リース」を、2019年1月1日を移
行日として導入した。新しいリース基準の導入により、当行へ重要な影響は与えられない。
IFRS に従って作成された連結財務書類およびCASに従って作成された連結財務書類の相違
純利益または株主資本に関して、IFRSに従って作成された連結財務書類および当行が作成したCASに従って作成
された対応する数値に相違はなかった。
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(2) 事業の概況
(a) 法人向け銀行業務
報告期間中、当行は、国家戦略および実体経済の重要分野を支援するサービスを積極的に提供し、デジタル変革
を促進し、当行の法人向け銀行業務の高品質な発展を推進するために当行の包括的な金融サービス能力を継続的に
改善した。2019年12月末現在、国内法人預金残高は6,879,767百万人民元であったが、これは前年度末と比較して
320,685百万人民元の増加であった。国内における法人向け貸出金および割引手形の残高は7,517,160百万人民元で
あったが、これは前年度末と比較して658,816百万人民元の増加であった。当行の主なマーケティング・プロジェ
クトのプールには13,846件のプロジェクトが含まれていたが、これは前年度末と比較して2,620件の増加となり、
融資額は569,002百万人民元であった。2019年度末現在、当行の法人向け銀行業務の顧客数は5.9978百万人となっ
たが、これは前年度末と比較して758.8千人の増加であった。このうち213千人の顧客が貸出残高を有し、これは前
年度末と比較して130.5千人の増加であった。
・ 当行は、主要な国家戦略を支援するサービスを提供した。当行は、「一帯一路イニシアチブ」を支援し、北
京・天津・河北地域等の主要地域の共同開発、長江経済ベルトおよび長江デルタ地域の開発、広東・香港・
マカオ湾地域の建設、黄河流域の環境保護および高度な開発といった戦略に従事し、当期の貸出金は
662,905百万人民元増加した。当行は、変革の新たな展望ならびに雄安新区、深 圳 における中国の特色ある
社会主義先行自由貿易試験区の整備を支援するため、継続的に金融サービスを提供した。国家企業の混合所
有制改革を支援するため、当行は、混合所有制改革下であった757社の主要な国有企業顧客との提携を確立
し、国有企業改革の309社の「ダブル・ハンドレッズ企業」(中央政府所有企業の子会社数百社および地方
政府所有の主要企業数百社)と金融面において提携した。
・ 当行は、実体経済の重要分野を支援するサービスを提供した。当行はまた、産業変革およびアップグレード
を支援した。貸出残高を有する顧客数および製造業における貸出残高(貸出の利用に基づく。)は、前年度
末と比較してそれぞれ45千および71十億人民元増加した。当行は、ニュー・エコノミーおよび新たな成長の
牽引役に対してサービスを提供し、消費および人々の生活に関連する金融サービスをさらに拡大した。2019
年度末現在、幸福産業への貸出金残高は、前年度末と比較して35,553百万人民元増加し、176,140百万人民
元となった。
・ 当行は、関連方針やシステムの改善、信用の増大ならびに商品およびサービスモードの革新により民間企業
に対して地道にサービスを提供した。2019年度末現在、貸出残高のある民間企業は195.1千となり、前年度
末と比較して127.4千の増加であった。また、民間企業の貸出残高は1,626,552百万人民元となり、前年度末
と比較して217,988百万人民元の増加であった。
・ 当行は、法人向け銀行業務のデジタル変革を促進するため注力した。当行は、法人向け銀行業務のミドルエ
ンド・マーケティング・プラットフォームの構築を推し進め、6つの機能的センターを開局した。開局した
当該センターには、カスタマー・センター、ポートレート・センター、マーケティング・センターおよびそ
の他のセンターが含まれる。当行は、法人顧客に係る統一的見解である「一顧客一ポートレート」を実現さ
せた。当行は、オンラインで連鎖化され状況に応じた法人事業商品を継続的に推進し、連鎖化されたマーケ
ティングおよび状況に応じたマーケティングを積極的に遂行した。2019年度において、法人向けインター
ネットバンキングおよび法人向けモバイルバンキングに関する当行の有効顧客は、それぞれ964.2千および
628千増加した。当行は新たに312の主要なサプライ・チェーンに参入し、サプライ・チェーンの上流および
下流において3,526の金融顧客と提携した。産業チェーン、消費および小売ならびに政府サービスおよび
人々の生活という3種類の場面に応じた2,540の場面別プロジェクトを遂行し、98.3千の場面別企業顧客が増
加した。
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取引銀行業務
2019年度、当行は、取引銀行業務システムを改善したが、このシステムは当行の口座および支払決済に基づくも
のであり、主として現金管理事業およびサプライ・チェーン融資を向上させた。当行は、シーンベースの法人向け
金融の開発を加速し、商品と事業の統合を強化し、中核顧客ならびに産業網の上流および下流の顧客向けの「取引
+金融」を特徴とする包括的サービス解決策を提供したが、これにより当行の取引銀行業務の質の高い発展が促進
された。
・ 当行は、顧客の経験を向上させるため、顧客獲得のためのチャネルを拡大し、事業手続を最適化した。2019
(1)
年度末現在、当行の法人向け人民元建決済口座は7.6617百万に達した 。
・ 当行は、顧客の需要に効果的に応えるため、「インターネット+取引+金融」の戦略の開発を開始し、オン
ライン金融商品を刷新し、「シーン+金融」の統合の深化を促進した。2019年度末現在、当行の有効な取引
銀行顧客数は3.1851百万であったが、これは前年度末と比較して25.3%の増加であった。
(1)当行は、報告期間中において通常のステータスであった法人向け人民元建決済口座および5年以内の休眠口座を含む法
人向け人民元建決済口座の基準を変更した。
機関向け銀行業務
2019年度において、当行は、機関向け銀行業務の安定的な発展を促進するため、機関向け銀行業務のマーケディ
ングシステム、事業モデルおよび営業構造における3つの主要な変革を引き続き深化させ、顧客および口座のマー
ケティングを向上させ、「スマート顧客」の構築を加速させた。2019年度末現在、当行の機関顧客数は446.7千、
口座数は615.8千であったが、これは前年度末と比較してそれぞれ10.0%および15.5%の増加であった。
・ 政府への金融サービスに関し、当行は、「スマート政府業務」のブランドを創設した。サービス基盤と国家
的事業との接続を行うのは当行が初であり、当行は「政府業務に組み込まれたシーンベース金融」という新
たなサービスモデルを創造した。
・ 人々の生活に関する金融サービスに関し、当行は「バンキング・ホスピタル」および「バンキング・キャン
パス」のブランドを創設した。当行は、当行の特性を備えたスマート銀行およびスマート大学商品を導入し
た。北京大学および他の有名大学との協力により大規模な躍進がなされ、これにより人々の生活に関する金
融サービスの分野における当行の影響力が効果的に高まった。
・ 金融機関へのサービスに関し、当行の銀行およびその他の金融機関からの預り金は急速な成長を達成し、第
三者預託サービスの顧客数は引き続き増加した。2019年度末現在、第三者預託サービスの契約顧客は
43.4691百万であったが、これは前年度末と比較して2.7978百万の増加であった。
投資銀行業務
当行は、実体経済に貢献するため投資銀行業務の発展を継続させた。当行は、商品革新を加速し、事業手続を効
率化し、公社債金融、共同融資、M&Aおよび組織再編ならびに資産証券化等の顧客のための多様な資金調達チャネ
ルを拡大し、「融資+人材」というサービス解決策を継続的に改善した。当行は、2019年度に、投資銀行業務から
8.583十億人民元の収益を達成したが、これは前年度と比較して24.3%の増加であった。
・ 当行は、国家の重要な決定および施策を支援した。広東・香港・マカオ大湾区等の主要地域に貢献するた
め、地域相乗センターが設立された。主要計画および国有法人の混合所有制改革およびレバレッジ削減等の
主要変革分野を支援するために多様な資金調達方法が採用された。当行は、社債金融支援商品および負債金
融計画を通じて民間法人の発展を支援しており、その累積手取金はほぼ100十億人民元である。
・ 当行は、市場における競争力を継続的に高めた。シンジケート・ローンの残高は1兆人民元を超え、当行は
市場において主導的な地位を維持した。M&Aローン残高は100十億人民元超を維持し、業界を牽引した。資産
証券化事業の規模および負債性金融商品の引受額は急速に増加した。
・ 当行は、商品の革新および促進に多大な努力を払った。当行は、スタンドバイM&Aローン、初のグリーン+
貧困削減負債性金融商品および初の劣後条項付永久債券等の革新的商品を導入した。当行は、クロスボー
ダーM&A、国際シンジケートおよびパンダ債等、影響力の大きい多数のクロスボーダープロジェクトを開始
した。
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(b) 個人向け銀行業務
2019年度、当行は、顧客にとって望ましいスマート個人向け銀行になることを目指し、顧客志向の手法を維持し
ながら、商品およびマーケティングに関する個人向け銀行業務のデジタル変革を全面的に促進したが、これはフィ
ンテックおよび事業の革新により牽引された。2019年度末現在、当行の個人顧客は合計837百万人であった。
・ 個人向けマーケティングのためのスマートプラットフォームが開発された。当行は、顧客に向けた知的およ
びデジタルマーケティングおよびサービスを実現するため、「個人顧客のスマートブレイン」およびデジタ
ル顧客関係管理システム等の顧客マーケティングのためのスマートツールを導入したが、これにより当行は
顧客の需要に迅速に対応できるようになり、個別の商品、サービスおよび促進により顧客に的確に応えるこ
とが可能となった。
・ オープンバンキングの商品システムが、様々な場面における金融サービスの高度な統合を実現するために構
築された。当行は、Tier2およびTier3電子口座の開設、支払およびクレジットカードサービスならびに国家
的事業のプラットフォームおよび様々な日常的場面への貸出機能を含む金融サービスを顧客に提供してい
る。オープンバンキングのための商品革新は、銀利多、たばこ業者向けeローン、事業者向け高速eローンお
よび楽分易を含む競争力のある各種のデジタル商品の導入により積極的に推進された。
・ 法人向け事業と個人向け事業の相乗効果が高まった。当行は、社会保障保険、公共財政、積立基金、公共料
金支払等の基礎事業の開発を強化した。給与サービス、電子社会保障カードおよびETCカード事業は急速に
成長した。
・ 当行の顧客に対する包括的金融サービス能力が向上した。当行は、資産配分に関する顧客の理解を向上させ
ることによりウェルス・マネジメント事業の発展を加速し、顧客の金融ニーズに完全に応えるために自国通
貨と外貨の統合的な運用を強化した。
個人向け貸出金
・ 当行は、規制上の要件を厳密に実行し、非投資目的住宅の居住者の合理的な需要を支えるために、個人向け
住宅ローン政策の差別化を導入した。個人向け住宅ローンの顧客構造は引き続き改善され、事業は着実な発
展を遂げた。2019年度末現在、個人向け住宅ローンの残高は4,162,431百万人民元であり、前年度末と比較
して501,857百万人民元(13.7%)の増加であった。
・ 当行は、デジタル変革を推し進め、オンラインでの顧客獲得ならびに装飾、自動車購入、教育およびその他
の場面に関連する状況に重点を置いた。当行は、引き続き基盤を固め、個人向け消費ローン事業の急速かつ
健全な成長を達成した。2019年度の個人消費向けローンは、10,027百万人民元の増加であった。
・ 当行は、包括的融資を展開し、個人ならびに民間企業、小規模および零細企業に対する融資コストを削減し
た。2019年度において、事業向け個人ローンは48,689百万人民元の増加であった。当行は、オンライン住宅
ローンに対する需要に合わせて「住宅抵当によるeローン」という革新的な商品を開発した。当行は、個人
事業向けローンに関連する状況を拡大した。「事業向けの迅速なeローン」と名付けられたオンライン信用
ローンの残高は、前年度末と比較して5.894十億人民元の増加であった。
個人預金
・ 2019年度において、当行は、個人顧客の多様な金融ニーズに応えるべく、預金商品を充実させ、デジタル
ツールによる個人預金のターゲット・マーケティングを強化し、顧客サービス体験を向上させた。当行の個
人預金は、堅調に増加を続けた。
・ 2019年度末現在、国内個人預金の残高は、前年度末と比較して819,948百万人民元増加して10,611,922百万
人民元に達し、同業者の中で主導的な地位を維持した。
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銀行カード事業
・ 当行は、金穂デビットカードの取引積極性およびブランドの影響力を向上させた。個人信用、消費、支払お
よび決済等のより良質かつ便利な金融サービスならびに独占的優先権を提供するために、農業者、大規模専
門事業者および農業協同組合の組合長を含む、県域における農業経済主体向けに「農業活性化をテーマにし
たカード」が発行され、小規模および零細企業の経営者向けには「マーケット・カード」が発行された。当
行は、銀聯と共同で、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、オンラインショッピング、ケータリン
グ、旅行等を網羅した、個人口座向けの様々な消費促進策を展開した。2019年度末において、当行が発行し
たデビットカードの累計数は1,059百万枚であり、前年度末と比較して71百万枚の増加であった。当年度の
取引金額は24.51兆人民元であり、前年度と比較して7.1%の増加であった。
・ 当行は、クレジットカード事業のデジタル革新を加速した。当行は、モバイルペイメントにおける革新およ
び支払場面の創出を強化した。当行は、B(企業)エンドからC(消費者)エンドまでの連続性を実現するた
め、アグリゲート・ペイメントおよびオンライン会計等の特色ある商品を展開した。当行は、楽分易を新た
に展開し、「汽車節」ブランドを創設し、年間割賦取引額は30%超の増加であった。2019年度末において、
発行されたクレジットカードの累計数は120百万枚に達し、前年度末と比較して16.5%の増加であった。
2019年度におけるクレジットカードの取引高は2.01兆人民元となり、前年度と比較して14.6%の増加であっ
た。
・ 当行は、国内交通のインテリジェントな発展を支えた。ETCのオンライン発行を実現するために、当行は交
通運輸部のプラットフォームと接続した。2019年度において、新規のETCユーザーは20百万人を超え、中国
で新規に発行されたETCの約20%を占めた。
プライベート・バンキング事業
2019年度末現在、当行のプライベート・バンキング事業の顧客数は123千人であり、管理資産残高は1,404.0十億
人民元に達し、前年度末と比較してそれぞれ17千人および280.6十億人民元の増加であった。
・ 顧客サービスシステムが改善された。当行は、より的を絞った効果的なサービスにするために、分類され、
かつ階層的なウェルス・マネジメント・センターの設立を促進した。当行は、技能を競い、専門的な研修を
通じてプライベート・バンキング事業に関する専門技能を養う、プライベート・バンキング事業のための
「優秀な人材」計画を実施した。
・ 当行は、異なる条件および多様な戦略を備えたプライベート・バンキング事業に関する専用の商品システム
を構築した。商品の既存規模は320.53十億人民元であったが、これは前年度末と比較して80.72十億人民元
の増加であった。当行は、家族信託サービスを推進し、受取保険料信託事業を精力的に拡大し、慈善信託
サービスに革新を起こした。当行は、グループの相乗効果を強化し、プライベート・バンキングの商品およ
びサービスを継続的に拡充しつつ、プライベート・バンキング事業の顧客向けに「富裕層向けローン」サー
ビスを開始し、広東省、香港およびマカオ等の主要な地域におけるクロスボーダー照会事業において突破口
を開いた。
・ 当行は、企業統治、財産の相続および特徴的な文化に照準を当て、当行のブランドイメージを大幅に向上さ
せた「プライベート・バンキングの財産および英知」がテーマの包括的なマーケティング・イベントを綿密
に計画した。
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(c) 資金運用業務
当行の資金運用業務には、短期金融市場活動および投資ポートフォリオ管理が含まれている。銀行全体での流動
性の確保に基づき、当行は、実体経済および経済の変容への貢献を堅持し、複雑かつ常に変化する市場に応えて投
資戦略を柔軟に調整した。当行の資産に対する投資収益は、同業者の中で比較的高水準を維持した。
短資市場活動
・ 公開市場におけるプライマリー・ディーラーとして、当行は小規模ないし中規模の金融機関により高い流動
性を提供し、銀行間の事業の着実な発展を維持した。
・ 当行は、金融政策の調査および市場の流動性の予測を強化し、流動性管理を推進し、資金利用の効率を高め
るため、様々な種類の金融商品を用いて当行の金融チャネルを積極的に拡大した。
・ 2019年度において、当行の人民元建資金調達取引金額は37,927,469百万人民元であったが、その内訳は貸出
が34,968,899百万人民元、借入が2,958,570百万人民元であった。
投資ポートフォリオ管理
2019年12月31日現在、当行の金融投資は7,422,930百万人民元となり、前年度末と比較して537,855百万人民元
(7.8%)の増加となった。
取引勘定業務
・ 当行は、銀行間市場における債券値付業務および債券取引業務の双方において同業者の中で主導的地位を維
持した。
・ 2019年度において、国内債券市場の利回りは、広範囲にわたって変動した。当行は、市場利回りの変動に対
応しつつ、投資戦略を迅速に調整し、ポジションを柔軟に調整し、リスクをヘッジするべく合理的にデリバ
ティブを用いて、より高い投資収益を達成した。
銀行勘定業務
・ 2019年度において、当行は、金融政策の調査および利率の動向の予測を強化した。債券供給のプロファイル
およびポートフォリオの満期を考慮し、当行は、投資の機会を捉え、リスクを減らし利回りを高めるため
に、ポートフォリオの構成をダイナミックに調整した。
・ 実体経済に貢献するため、満期利回りおよび税引後利益等の様々な要因を考慮し、当行は、より高い投資価
値を有する債券に積極的に投資し、地方債等の国債への投資を続け、国家戦略に沿って信用債券に投資し
た。
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(d) 資産管理
ウェルス・マネジメント
・ 資産管理に係る一連の新しい規制上の政策を完全に実施し、ウェルス・マネジメント事業の変革を加速する
ために、ウェルス・マネジメント子会社が2019年に設立された。
(1)
・ 2019年12月31日現在、当行のウェルス・マネジメント商品 (仕組預金を除く。以下同じ。)の残高は
2,029.39十億人民元であったが、これは前年度末と比較して369.265十億人民元(22.2%)の増加であり、
そのうち自己資本ウェルス・マネジメント商品は781.938十億人民元であったが、これは前年度末と比較し
て253.105十億人民元(47.9%)の増加であった。
(1) 2019年9月に、当行は、農銀理財有限責任公司との間で、ウェルス・マネジメント事業に関する委託管理契約を締結し、
当行が管理者として保有するウェルス・マネジメント商品および関連するウェルス・マネジメント事業の管理を農銀理財
有限責任公司に委託した。
2019 年度末におけるウェルス・マネジメント商品の構成(種類別)
(単位:億人民元、%を除く。)
項目 商品残高 前年度末からの増加(%) 割合(%)
予想収入のある元本保証商品 3,028.36 20.1 14.9
予想収入のある非元本保証商品 9,446.16 7.4 46.6
自己資本商品 7,819.38 47.9 38.5
合計 20,293.90 22.2 100.0
2019 年度末におけるウェルス・マネジメント商品の構成(対象別)
(単位:億人民元、%を除く。)
項目 商品残高 前年度末からの増加(%) 割合(%)
個人向けウェルス・マネジメント 16,346.64 18.9 80.5
企業向けウェルス・マネジメント 3,947.26 38.6 19.5
合計 20,293.90 22.2 100.0
保管サービス
・ 2019年度において、当行は、規制上の傾向に厳密に従い、市場における好機を掴み、相乗的な方法を導入
し、デジタル革新を加速した。その結果、当行の保管サービスは良質な発展を遂げ、収益の増加、成長率お
よび市場シェアの増加について、四大商業銀行中第1位となった。
・ 2019年度末現在、当行の保管資産は9,883,859百万人民元で、これは前年度末と比較して7.2%の増加であっ
た。保管サービスおよびその他の信託サービスからの当行の手数料収入は3,899百万人民元であったが、こ
れは前年度と比較して8.4%の増加であった。
年金
・ 職業年金事業において、目覚ましい成果を上げた。当行は、受託銀行として23の職業年金プロジェクト、カ
ストディアンとして29の職業年金プロジェクトの入札に勝利した。
・ 2019年度末現在、当行の委託管理企業年金基金は50,794百万人民元、保管年金基金は645,031百万人民元で
あったが、これは前年度末と比較して31.1%の増加であった。
貴金属
・ 当行は、個人口座ベースの金商品についてデジタル技術を用いたターゲット・マーケティングを行い、取引
量において同業者の中で主導的地位を維持した。2019年度に、当行は、自己勘定および顧客の代理として
4,580.18トンの金および82,065.93トンの銀を取引した。
・ 当行は、貴金属の産業チェーンにおける顧客サポートを増強し、当行の企業向け貴金属リース事業の市場
シェアにおける着実な成長を達成した。
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顧客を代理したトレジャリー取引
・ 当行は、積極的に顧客構造を最適化し、顧客を代理した外国為替取引事業の着実かつ均衡の取れた発展を促
進した。2019年度において、顧客を代理して行った外国為替販売および決済ならびに外国為替取引の取引額
は382.7十億米ドルに達した。
・ 市場の傾向に応じ、当行は、顧客を代理して債券事業の発展を堅調に推し進めるために、マーケティングに
おける取組みを強化した。「債券通」を通じたスポット取引の取引額は340十億人民元を超えたが、これは
300%超の増加であり、市場において第一線に位置づけられた。カウンター・ボンド事業の1つである債市宝
に関しては、当行は発行市場において70十億人民元超を販売し、流通市場において120十億人民元超を取引
し、市場において首位を維持した。
代理保険事業
・ 2019年度において、当行は、代理保険事業の変革を推し進め、技術力の強化を加速し、代理保険事業のオン
ライン運営の改善を続けた。
・ 当行の代理保険事業は、業界内で主導的地位を維持した。保証および長期保険代理商品の割合は堅調に増加
した。定期保険料保険の代理店収益は、前年度と比較して27.2%増加した。
ファンド商品の代理販売
・ 当行は、優秀なファンド会社との包括的な協力関係を強化した。当行が保管するファンドの代理販売数およ
び株式傾斜型ファンドの販売量は、いずれも近年最大に達した。「セレクティブ・ファンド」は、卓越した
投資収益を達成し、当該ブランドの影響力は引き続き拡大した。2019年度において、当行が販売したファン
ドの数は1,804となり、非貨幣性ファンドの販売量は、前年度と比較して44.8%増加した。
・ 当行は、ウェルス・マネジメント事業の商品を継続的に拡充した。ファンド会社が管理する分離口座の代理
販売および証券会社が運用する集団投資スキームは、急速に拡大した。
・ 当行は、「ABCスマート投資」の戦略様式を最適化した。ターゲット・マーケティングを実施し、顧客経験
を継続的に向上させるために「スマートモバイルバンキングの新たなファンドチャネル」が始動した。
中華人民共和国国債の代理販売
・ 2019年度において、当行は、22期の貯蓄用中華人民共和国国債を販売し、その実際の販売額は54.726十億人
民元であったが、これには14期の電子式貯蓄用中華人民共和国国債(31.417十億人民元)および8期の証明
書式貯蓄用中華人民共和国国債(23.309十億人民元)が含まれる。
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(e) インターネット金融
報告期間中、サービスの組織的な支援および革新志向の発展に照準を当て、当行は、デジタル革新を加速し、プ
ラットフォーム構築、商品革新、シーン開拓ならびにマーケティングおよびプロモーションを含む4つの主要な任
務を推進することで、当行のオンラインにおける経営能力を引き続き強化した。
スマートモバイルバンキング
モバイルバンキングの顧客の積極性を高めることを目指し、顧客経験およびスマートサービスに重点を置き、当
行はオンライン経営の主要なチャネルを強固にするため、スマートモバイルバンキングの構築を急いだ。
・ 商品が革新され、最適化された。一般投資家向けのサービスとして、当行は「銀利多」という商品を立ち上
げ、投資および取引、ウェルス・マネジメントならびにプライベート・バンキングに関する中~高価格帯の
金融サービス領域を設定した。プロの投資家向けに、当行は外国為替、貴金属およびコモディティの取引に
関するサービスを提供した。当行は、顧客が各自の資産および負債の状況についてワンクリックでの問い合
わせを可能にするT+0 資産・負債プロファイルを開始した。
・ スマートサービスが提供された。当行の顧客が簡便かつ安全に口座を開設できるよう、光学文字認識、顔認
識およびその他の技術が応用された。当行は、金融商品ならびに広告およびホームページアプリケーション
のスマートレコメンデーションを実現した。当行は、様々な省に合わせた専用インターフェイスに基づき、
地域に合わせたサービスを提供した。
・ 顧客経験が最適化された。当行は、預金証券発行のオンライン申請、「銀利多」の購入予約および「銀利
多」のポジションに関する問合せ等の様々な機能を立ち上げた。当行は、送金サービスを最適化し、携帯電
話番号による銀行間送金を開始した。当行は、二十四節気がテーマのダイナミックローディングでホーム
ページのモジュールを更新した。
・ 2019年度末現在、個人のモバイルバンキング顧客数は310百万人に達し、前年度末と比較して20.6%の増加
であった。2019年度における取引数は17,412百万件であり、前年度と比較して28.6%の増加であった。2019
年度における取引額は61.83兆人民元であり、前年度と比較して26.2%の増加であった。
法人向けサービスプラットフォーム
「ワンストップ」かつ「財産管理型」のサービスを提供することを目的として、当行は、法人向け金融サービス
の発展基盤を継続的に強化するために、プラットフォームの枠組みの統合を推進し、関連するサービスを拡充し、
商品の機能を向上させた。
・ プラットフォームの枠組の統合が推進された。利用者の識別、ログインの入口、情報の保存および顧客登録
の統一を達成するための法人システム間の相互連結が実現した。
・ プラットフォームのサービスが刷新された。「eプロファイル」、「eサイニング」、「eセットアップ」等
の「eシリーズ」をテーマとした機能が稼働を開始し、サービス提供に際したプラットフォームの基盤を包
括的に強化した。
・ プラットフォームに関する商品の機能が向上した。法人向けインターネットバンキングおよびモバイルバン
キングを通じて、コーポレートペイメントサービスを包括的に推進するために、ペイメントセンターと連結
した。法人口座の開設手続を最適化するために、ビデオインタビューが開始された。顔認証による法人向け
モバイルバンキング送金、法人貧困緩和モールおよび法人特別金等の新たな機能が導入された。マルチレベ
ルの口座通帳、ウェルス・マネジメント、紙幣、債券、保険、電子レシートおよび口座に関する問合せを含
む機能が、継続的に改善およびアップグレードされた。
・ 2019年度末現在、法人向けバンキングサービスプラットフォームの顧客数は7.23百万に達し、前年度末と比
較して16.6%の増加であり、2019年度における取引額は180.8兆人民元であった。法人向けモバイルバンキ
ングの顧客総数は1.84百万に達し、前年度末と比較して97.8%の増加であった。2019年度における取引量は
1.24兆人民元で、これは前年度の9.3倍であった。
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オンライン信用
当行は、全体的かつ協調的な計画の中で「個人、小規模および零細企業、三農」の3つの事業ラインを網羅する
オンライン信用の商品システムおよびサプライ・チェーン融資分野を構築した。
・ オンライン信用向けのブランド体系が確立された。オンライン信用向けの一般的なブランドである「ABC e
ローン」の下に、当行は「ABC個人向けeローン」、「ABC小規模および零細企業向けeローン」、「ABC恵農e
ローン」および「ABC産業eローン」を含む、4つの主要なサブブランド商品体系を拡充および改良した。
・ 信用商品およびサービスが刷新された。当行は、完全なオンライン処理に基づく商品である「小規模および
零細企業向け納税eローン」を立ち上げ、個人顧客を対象とする「インターネット・クイック・ローン」の
特長を改善し、ブロックチェーン技術に基づくサプライ・チェーン顧客向けの「e口座コネクト」を立ち上
げた。
・ 2019年度末現在、当行のオンライン信用残高は589.4十億人民元に達し、これは前年度末と比較して372.1十
億人民元の増加であった。
オープンバンキングおよび状況に基づく金融
当行は、オープンバンキング・プラットフォームの構築および応用を加速し、顧客獲得能力および顧客の積極性
向上を強化すべく、状況に基づく金融を精力的に展開した。
・ 当行は、オープンバンキング・プラットフォームを構築した。当行は、全プロセスかつワンストップのオン
ライン金融サービスを提供できる外部サービス、内部管理およびゲートウェイアクセスを統合した基盤の構
築を完了した。当行は、API、SDK、H5およびその他の技術を包括的に適用し、既存の接続を統合することに
より、ユーザー認証、アカウントサービス、支払および決済、クレジットカード、ファンドおよびウェル
ス・マネジメントならびに情報サービスを含む6つの分野において300を超えるサービスを公表することがで
きた。
・ 当行は、状況に基づく金融を包括的に構築および推進した。当行は、状況に基づく金融サービスのブランド
である「農銀智慧+」を構築し、政府の業務および人々の生活、消費および小売ならびに産業チェーンを含
む、3種類の状況に基づく金融サービスの推進を加速した。当行は、初めに幾つかの金融サービスおよび中
央政府のサービスプラットフォームへの適用を開始し、省および市レベルの政府部門と積極的に協働し、政
府の業務および人々の生活の状況を構築した。当行は、単科大学および総合大学ならびにK12(中学校、小
学校および幼稚園)の顧客に対する様々な種類の金融サービスならびに非金融サービスを提供するためのス
マートスクールプラットフォームを立ち上げた。当行は、公共事業支払サービスを精力的に拡大し、当年度
の支払センターの取引額は100十億人民元を超えた。当行は、共有財産、交通機関、商業地区、文化および
観光ならびに建設および不動産等の主要な分野における状況構築を強化しつつ、消費および小売の状況構築
を深化させた。当行は、産業チェーンの状況に関して努力し、「農銀e管家」に立脚した加盟店向けの一元
化された入口を統合し、加盟店に対する当行のサービス提供能力を向上させるためにオンラインシーンを多
様化した。
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(f) 包括的金融
2019年度において、当行は、包括的金融のデジタル変革を積極的に進め、小規模および零細企業向け金融のデジ
タル変革のために「四個一」プロジェクト(一組の商品ブランド、一つの運営管理システム、一つの顧客サービス
プラットフォームおよび一つの知的リスク管理システムの構築)を実施した。当行の包括的金融事業の総額および
範囲は、融資コストの削減にともなって増加した。2019年度末現在、小規模および零細企業向けの当行の包括的貸
(1)
出金残高は592.3十億人民元 に達し、これは前年度末と比較して217.9十億人民元(58.2%)の増加であり、当
行の貸出金増加率を46.3パーセント・ポイント上回った。貸付残高を有する顧客の数は1.1092百万人であり、これ
は前年度末と比較して386千人の増加であった。2019年度の累計貸出の平均利回りは4.66%であった一方、当行の
顧客が負担した総合的な融資コストは、前年度と比較して1.20パーセント・ポイント減少した。小規模および零細
企業に対する包括的貸出金のうち不良債権残高は8.134十億人民元、不良債権比率は1.37%で、いずれも減少を記
録した。預金準備金比率を低下させるためのPBOCによる要求に従った包括的貸出金の増加は、当行の人民元建ての
新たな貸出金の22.05%を占め、PBOCが要求する預金準備金比率の縮小の第2級要件に合致した。
(1) 2019年度における小規模および零細企業に対する金融サービスの質および効率のさらなる向上に関するCBIRC総局の通達
によると、小規模および零細企業主向け包括的貸出金とは、単一の顧客に付与された、総信用が10百万人民元以下の小規
模および零細企業向け貸出金(小規模および零細企業向け貸出金、産業および商業に従事する個別世帯向け貸出金ならび
に小規模および零細事業主向け貸出金を含む。)を意味する。
・ 当行は、独自の機能を備えた「三農+小規模および零細企業」に支えられる包括的金融サービスシステムを
深化させた。当行は、階層的かつ分類された管理を推進し、専門機関および実証支店の構築を強化した。
799の専門機関を包括的金融の実証および屋台骨として築き上げ、市場におけるブランドを形成するべく100
の「小規模および零細企業向け金融サービスの実証支店」を開設した。当行は、支店窓口の金融サービス能
力を強化した。
・ 当行は、包括的金融のデジタル商品システムを改善した。農家、小規模および零細企業、産業および商業に
従事する個別世帯ならびに小規模および零細企業の事業主それぞれに対して簡便かつ迅速なオンライン信用
を提供する、「農銀恵農eローン」、「農銀小規模および零細企業向けeローン」、「農銀個人向けeロー
ン」および「農銀産業eローン」の4つの商品シリーズからなる「農銀eローン」というデジタル商品システ
ムを開始した。
・ 当行は、包括的金融のデジタル・マーケティングおよび管理システムを確立した。小規模および零細企業の
顧客向けのオープンサービスプラットフォームが構築された。当行は、包括的金融のオープンかつ共有型の
収益構造を確立するために、中央政府および地方政府の業務サービスプラットフォームならびに中小企業向
け融資の全国的な総合信用サービスプラットフォームと協力した。統合されたサービス、マーケティングな
らびに事業の運営および管理を強力に支えるために、小規模および零細企業の顧客向けの運営管理プラット
フォームが構築された。
・ 当行は、包括的金融のデジタルリスク管理システムを構築した。内部および外部のデータマイニングを強化
するために、フィンテックが導入された。当行は、貸出前の管理、貸出中の処理および支払後の管理を担当
する小規模および零細企業向けの信用事業の全過程のリスク抑制を達成するためにインテリジェントリスク
抑制策を導入し、イニシアチブ、当行のリスク管理の正確性および効率を向上させ、当行の包括的金融の安
定した資産の質を保証した。
・ 当行は、デジタル包括的金融の政策システムを改善した。デジタル変革にあたって「インターネットを基盤
とし、データに基づき、インテリジェントかつオープン」との考えに則り、当行はオンライン事業に関する
政策を最適化し、オフライン事業の手続を効率化し、オンライン事業とオフライン事業間の協調システムを
確立し、資産査定に関する免除規定を明確化することで、小規模および零細企業向けのオンライン信用事業
に関する当行の「新規則」を徐々に確立する。
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(g) グリーン・ファイナンス
グリーン・クレジット
報告期間中、当行は、「美しい中国」の構築および環境汚染の防止および抑止に関する国家戦略の実行に寄与
し、グリーン・クレジット事業の発展を推進するための政策およびプロセス管理を改善した。2019年度末現在、当
行のグリーン・クレジット事業における貸出金残高は、1,191.0十億人民元に達したが、これは前年度末と比較し
て13.4%の増加であり、当行の貸出金の成長率を1.5パーセント・ポイント上回った。
・ 当行は、政策方針を強化した。当行は、省エネルギーおよび環境保護、無公害生産、クリーンエネルギー等
のグリーン計画および産業に信用基金を誘導するために、年次与信方針を策定した。当行は、新エネルギー
開発に関する国家政策を実施し、バイオマス発電産業向けの与信方針を策定した。当行は、顧客アクセスに
関する環境指標およびリスク指標を見直し、効率性、有効性、環境保護、資源消費および産業与信方針に対
する社会的管理を含む5つのグリーン・クレジット指標を組み込んだ。
・ 当行は、環境および社会的リスク管理を強化した。環境リスクおよび社会的リスクに関連する状況に従っ
て、差別化された顧客管理を実行した。当行は、顧客格付、分類、デューディリジェンス、審査、承認、与
信管理および融資後の管理を通じて、与信事業の各手続に環境リスクおよび社会的リスクに関する要件を適
用した。当行は、環境リスクおよび社会的リスクに関して「一票否決制度」を厳密に実施した。加えて、契
約の約定による環境リスクおよび社会的リスクを予防するため、比較的高い環境リスクおよび社会的リスク
を抱える顧客は、責任能力についてのコミットメントレターに署名した。
・ 一帯一路イニシアチブに対するグリーン投資指針 に先陣を切って調印した中国国内の金融機関の一員とし
て、当行は、グリーン計画の資金を集め、グリーン・サプライ・チェーンの管理を推進するために、グリー
ン金融商品を最大限に活用した。
・ 当行は、管理基盤を強化した。銀行をまたいだグリーン信用に関する特別研修が催され、当行は、グリーン
信用統計の管理を強化し、かかるデータの質を引き続き向上させた。
グリーン投資銀行業務
当行は、投資銀行業務のあらゆる種類の商品およびサービスに「グリーン」という概念を根付かせ、優れたサー
ビスモデル、商品システムおよび市場シェアを有する「グリーン投資銀行業務の大手銀行」への発展に傾注した。
・ 2019年度、当行は、クリーンエネルギー、グリーン資産証券化、グリーン債券、グリーン・シンジケート・
ローン、グリーンM&Aおよびその他の手段を通じて90十億人民元超を企業が調達する手助けをし、クリーン
エネルギー、グリーン輸送、公害防止および下水処理等の分野に投資した。
・ 当行は、グリーン投資銀行業務の商品革新を積極的に実施した。グリーン・リース資産証券化商品が発売さ
れ、初のグリーン+貧困緩和およびグリーン空港負債性金融商品が発行された。
グリーン金融債権による手取金の使途
2015年10月13日、当行は、ロンドン証券取引所において1十億米ドルに相当するグリーン金融債権を発行した。
2019年12月31日現在、米ドル建ての5年債のほか、米ドル建ての3年債および人民元建ての2年債が満期を迎えた。
・ グリーン金融債券による手取金純額は、クリーン輸送と再生可能エネルギーを含むグリーン産業計画の2つ
の分野に全額投資された。具体的には、1番目の分野については地下鉄の建設計画に手取金が投資され、2番
目の分野については風力、太陽光、バイオマスの発電計画に手取金が投資された。
・ 再生可能エネルギー計画におけるかかる手取金純額による投資からの推定環境上の利益は、代替化石エネル
(1)
ギーは年間1.2865百万トンであり、二酸化炭素排出量の削減は年間3.0876百万トンであった。
(1) 中国農業銀行のグリーン債券による手取金の使途および中国農業銀行の取締役に対する独立限定保証声明書による。
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(h) クロスボーダー金融サービス
国家戦略である「開放政策」に積極的に応え、当行は「一帯一路イニシアチブ」、人民元の国際化および自由貿
易区の設置を支援した。当行は、外国貿易および外国投資の変革および向上を強力に支援し、当行の総合クロス
ボーダー金融サービスシステムの改善を続けた。当行のクロスボーダー事業は着実な成長を遂げた。2019年度末現
在、当行の海外支店および子会社の合計資産は140.78十億米ドルに達し、これは前年度末と比較して5.9%の増加
であった。2019年度における当行の海外支店および子会社の純利益は0.63十億米ドルであった。
・ 国際決済および貿易金融事業は堅調な発展を維持した。当行は、資金調達、信用、貿易、決済およびその他
のあらゆる事業プロセスにおける顧客のニーズに応えるべく、「容易な建設金融」商品シリーズを改良し
た。2019年度において、国内支店が実行した国際決済の額は970.7十億米ドルに達した。国際貿易金融(国
内信用状金融を含む。)の総額は111.2十億米ドルに達した。
・ 当行は、「一帯一路イニシアチブおよび企業の「走出去」を強力に支援した。当行は、中国出口信用保険公
司、政策銀行および一帯一路地域の銀行との協力関係を強化し、「走出去」の顧客および主要な計画のため
のマーケティングおよびサービスを積極的に推進した。2019年度において、関連事業の総額は39.2十億米ド
ルとなり、95の国と地域にわたるものであった。
・ クロスボーダー人民元事業において総額1,378.1十億人民元、前年度と比較して24.5%の増加という急速な
発展を達成した。当行は、クロスボーダー人民元事業において19千人の顧客を擁し、これは前年度末と比較
して14%の増加であった。人民元決済銀行としての役割を積極的に果たし、ドバイ支店は、アラブ首長国連
邦の銀行業界との協力体制を強化し、オフショア人民元市場の開拓を後押しした。2019年度において、ドバ
イ支店の人民元決済業務の総額は53.02十億人民元であり、これは前年度と比較して8.1%の増加であった。
(i) 統合的事業
当行は、ファンド運用、有価証券および投資銀行業務、ファイナンス・リース業務、生命保険、デット・エクイ
ティ・スワップ事業およびウェルス・マネジメント事業を網羅する統合的な営業プラットフォームを設立し、統合
的な営業戦略の継続的な実行を推進した。
2019年度において、統合的に営業している当行の6つの子会社(すなわち、農銀匯理基金管理有限公司、ABCイン
ターナショナル・ホールディングス・リミテッド、農銀金融祖賃有限公司、農銀人寿保険股 份 有限公司、農銀金融
資産投資有限公司および農銀理財有限責任)は、主たる事業に注力し、各々の専門分野を深く研究し、当行グルー
プの全体的な発展戦略に留意して慎重な営業を行った。かかる子会社の市場における競争力は着実に向上し、当行
グループの統合的な営業の相乗効果が徐々に達成された。
・ 農銀匯理基金管理有限公司は、リスク管理およびコンプライアンス管理を強化し、研究能力および投資能力
を向上させるよう努力し、商品シリーズを拡充し、マーケティングを拡大した結果、市場における競争力を
着実に高めた。公募ファンドの規模は非貨幣性ファンドの137十億人民元を含めて231.5十億人民元に達し、
市場において17番目となった。同社は、58の公募ファンドおよび89の特別口座商品を擁していた。同社はエ
クイティ・ファンドについて、平均利回り46.1%の突出した成果を挙げた。
・ ABCインターナショナル・ホールディングス・リミテッドは、核となる投資銀行業務の指標に関して、同業
者の中で主導的地位を維持した。2019年度に同社は、申万宏源集団股 份 有限公司、保利物業管理有限公司、
宝龍商業管理控股有限公司、貴州銀行股 份 有限公司および四川藍光嘉宝服務集団股 份 有限公司等を含む、38
のIPOを完了した。同社は、資金を提供したプロジェクトの数において、中国国内および国外のすべての投
資銀行中第4位、四大商業銀行が所有する投資銀行中第1位を占め、香港市場での引受総額において、5年連
続で上位10位以内を維持した。当行およびその子会社との相乗効果の優位性を活用して、同社は56の債券引
受プロジェクトを完了し、引受プロジェクトの合計数は前年度と比較して64%の増加であった。
・ 農銀金融祖賃有限公司は、4つの主要な分野(すなわち、「三農」、航空、新エネルギーおよびインフラ構
築)の発展戦略を実行した。その結果、同社の主要な事業指標は全体として好ましい傾向を維持し、資産の
質および資産構造は引き続き改善し、同社の事業変革において目覚ましい成果を挙げた。2019年度末現在、
同社のリース資産残高は、総額50.741十億人民元であった。「グリーンリーシング」の事業コンセプトに忠
実に、同社はグリーントラベル、クリーンエネルギーならびにエネルギー保全および排出量削減におけるさ
らなる事業モデルを創出した。同社は、グリーンリースの発展を支えるために、3十億人民元のグリーンボ
ンドを初めて発行した。2019年度において、同社のグリーンリーシングへの投資は、リース投資合計額の
50%を超えた。
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・ 農銀人寿保険股 份 有限公司は、堅調に発展し、事業をさらに拡大した。2019年度において、同社の合計保険
料収入は23,941百万人民元であり、これは前年度と比較して31.8%の増加であった。同社は、引き続き商品
シリーズを改善し、事業変革を推進し、事業構造ををさらに最適化した。2019年度において、定期保険料は
7,863百万人民元となり、前年度と比較して8.6%の増加であった。同社は、定期保険料合計額、定期保険料
の割合および個人保険の基本保険料について、すべての銀行系生命保険会社の中で第1位であった。社会的
責任を果たすことに専心し、農銀人寿保険股 份 有限公司は、2019年度に総額0.69十億人民元の計0.217百万
件の保険金の支払を行ったが、これは前年度と比較して22%の増加であった。
・ 供給側の構造改革および実体経済の良質な発展に寄与するべく、農銀金融資産投資有限公司は、効率的に資
産負債比率およびデット・エクイティ・スワップ企業の財政的な負担を効率的に引き下げ、コーポレート・
ガバナンスおよび経営の質を向上させるべく、市場指向のデット・エクイティ・スワップ事業を積極的に実
行した。2019年度末において、農銀金融資産投資有限公司は、計169件の総額234.4十億人民元のデット・エ
クイティ・スワップ計画を完遂したが、これは前年度と比較してそれぞれ121件および167.2十億人民元の増
加であった。農銀金融資産投資有限公司は、同業者の中で、デット・エクイティ・スワップ計画の累計額お
(1)
よび総額 の両方について、主導的な位置を占めた。
・ 堅実な発展哲学に忠実かつ顧客志向でありつつ、農銀理財有限責任公司は、自社を最良の顧客経験を提供す
る一流の資産管理機関に育てるべく努力している。
(1) 当行は、国家発展改革委員会が公布した関連規制に従って、統計方法を調整した。
第一に、商品の革新を推進し、商品シリーズを拡充した。「現金管理+固定収益+混合+株式」の4つの通常商
品シリーズを含む「4+2」商品シリーズが設定され、2つの特別商品シリーズである「恵農+ESG」および自己資産
商品ラインが引き続き拡充された。
第二に、顧客の階層別管理を達成するために、顧客の分類を改善した。透徹した識別の原則に従い、顧客を不特
定の一般投資家および適格投資家の2種に区別し、個別のリスク特定およびリスク負担能力に応じたウェルス・マ
ネジメント商品を販売した。
第三に、調査能力および投資能力を向上させ、調査結果の応用を推進した。クロスマーケットかつマルチ戦略の
調査を行うために、マクロ政策、マクロ経済および資産配分を網羅する研究システムが事前に構築された。投資お
よび調査の統合的な運営メカニズムを改善し、調査結果の投資判断への応用を推進した。
第四に、顧客の多様化した需要に応えるべく、堅実な投資を行った。債券投資を強化し、株式投資を最適化し、
特別口座への投資を精緻化した。ウェルス・マネジメント・ファンドは主として債券資産に投資され、実体経済お
よび国家戦略に寄与し、当行グループの主要な事業および顧客の多様化した投資および資金調達需要に応えた。
第五に、投資運用を効果的に支援するべく、中央集中型の取引システムを構築した。投資リスクの分離を実現
し、投資の運用および種々のウェルス・マネジメント商品の取引を効果的に支援するために、ファンド、銀行間取
引、利率、信用、ファンドおよびその他の種類の商品を網羅する中央集中型の取引システムが事前に構築された。
第六に、リスク管理レベルを上げ、包括的なリスク管理を改善した。ウェルス・マネジメント事業の健全かつ持
続可能な発展を確保するために、信用リスク、市場リスク、運用リスクおよび法令順守リスクの管理が包括的に改
善された。
第七に、ITシステムの構築を強化し、運用管理システムを確立した。統合的な投資および調査、インテリジェン
ト・マーケティング、インテリジェントな投資助言、インテリジェントな顧客サービスおよびリスク管理に対する
科学技術の支援を強化した。ウェルス・マネジメント事業の滞りない運営を保証するために、ウェルス・マネジメ
ント商品の発行、投資および満期を網羅する全行程の運用管理システムが確立された。
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(j) 販売チャネル
報告期間中、当行は本支店機構の戦略的革新を加速し、オンラインチャネルを積極的に開発し、顧客サービスセ
ンターの遠隔チャネル機能を向上させた。当行は、顧客の共有、即時情報共有ならびにオフライン、オンラインお
よび遠隔の3つのチャネル間におけるサービスのスムーズな接続の達成を追究した。
オフラインチャネル
当該報告期間中、当行は、本支店機構をより少ない労働力でより知的な機構に変革するべく促進し、オンライン
事業およびオフライン事業の統合開発を継続した。マーケティング、リスク管理および統制、価値創造の能力なら
びに本支店機構の市場競争力は総合的に向上した。
・ 当行は、「4つの削減、2つの改善および1つの修正」(すなわち、本支店機構、設備、窓口従業員および経
費の分野における削減、マーケティングならびにリスク管理および統制能力の改善、ならびに営業システム
および手続の修正)を焦点とする本支店機構の変革の促進を継続した。2019年度末現在、22千の本支店機構
のすべてが知的変革を完了し、キャッシュサービスを行う17.6千の窓口が廃止され、24.1千の窓口従業員が
マーケティングサービスの職種に転換された。
・ 当行は、「スマート取引、スマート認証、スマート承認およびスマートリスク統制」を特徴とする5Gスマー
トバンキング本支店機構を確立した。5Gスマートバンキング本支店機構は、スマート都市およびスマート政
府事業へのサービスを改善させるため、雄安新区、深 圳 およびその他の地域において設立された。
・ 当行は、本支店機構の運営手法、サービス手法および運営手法を刷新した。当行は、スーパー窓口を中核と
し他の設備を補完的なものとする新たな「1+N」オフライン営業の新手法を創造した。スマートシェルフに
基づく「スマートシェルフ+事業サークル+シーン」による本支店機構の新たなマーケティングおよびサー
ビス手法ならびに5G技術に基づく「スーパー窓口+モバイル機器+オンライン+シーン」によるスマート本
支店機構の新たなデジタル運営手法が確立された。
オンラインチャネル
モバイルバンキング
2019年度末現在、モバイルバンキング個人顧客の総数は310百万人に達したが、これは前年度末と比較して
20.6%の増加であり、2019年度の取引高は61.83兆人民元であったが、これは前年度と比較して26.2%の増加で
あった。モバイルバンキング法人顧客の総数は1.84百万に達したが、これは前年度末と比較して97.8%の増加であ
り、2019年度の取引高は1.24兆人民元であったが、これは前年度の9.3倍であった。
インターネットバンキング
2019年度末現在、個人向けインターネットバンキングの登録顧客数は312百万人であったが、これは前年度末と
比較して17.7%の増加であり、2019年度の取引高は33.55兆人民元に達した。企業向け金融サービスプラット
フォームの顧客数は7.23百万に達したが、これは前年度末と比較して16.6%の増加であった。また、2019年度の取
引高は180.8兆人民元に達した。
セルフサービスバンキング
当行は、本支店機構の統合的、知的および包括的サービスならびに設備管理をさらに促進するために、本支店機
構のための設備管理システムおよび知的サービスシステムを促進し、知的拠点適用店舗を構築した。2019年度末現
在、当行の現金関連セルフサービス設備は83.8千台であり、セルフサービス基地は35.5千台であり、2019年度の1
日の平均取引件数は17.74百万件であった。
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遠隔チャネル
当行は、遠隔銀行事業のためのクラウドサービスセンターの構築を加速し、顧客センターのコールサービス基盤
の統合を完了させ、統合的営業および顧客サービスの能力を包括的に改善した。
・ 当行は、顧客サービスおよび連携能力を大幅に高めた。2019年度において、当行のテレホンバンキングは顧
客からの電話を0.34十億件受けたが、そのうち0.24十億件の電話が音声自動応答により対応され、0.1十億
件の電話が顧客サービスセンターに転送され、92百万件の電話が顧客サービススタッフにより対応された。
顧客満足度は99.59%に達した。
・ 当行は、デジタル変革を加速し、スマートロボットサービスを向上させた。当行は、オンラインバンキン
グ、モバイルバンキングおよびWeChatバンキング等のオンラインサービスのシナリオにスマートロボットを
組み込んだ。2019年度において、当行のスマートロボットは、インターネットバンキングチャネルを通じた
0.69百万の顧客、モバイルバンキングチャネルを通じた12.59百万の顧客およびWeChatバンキングチャネル
を通じた8.33百万の顧客を含む21.61百万の顧客に対応した。
・ 当行は、遠隔映像顧客サービスの構築を加速させ、遠隔映像認証を通じた法人顧客向けの口座開設事業を開
始および促進し、9,255口座が遠隔映像を通じて開設された。
(k) フィンテック
報告期間中、当行は、フィンテックに関連する最先端技術の追跡、研究および導入を強化した。当行は、当行の
デジタル変革戦略を効果的に強化することを目指して、「三農」および実体経済への貢献ならびに金融リスクの予
防および緩和に注力しながら、商品、サービスおよび事業モデルにおける変革を促進するために、フィンテック変
革および利用を継続的に増加させた。2019年度において、ITへの投資の総額は12.79十億人民元であった。
フィンテック革新
・ モバイルインターネット技術の利用に関し、当行は、モバイルバンキングの「春分版(バージョン
4.0)」、「芒種版(バージョン4.1)」および新旧の枠組の統合版(バージョン4.2)の版を逐次完了さ
せ、特定の顧客群および特定の地域に対し、プライベートバンキングの特別サービス枠およびチベットを拠
点とするサービスならびにその他の特定の顧客集団や地域への特別金融サービスを提供した。当行は、知的
サービスおよびシーンベース金融との相乗効果を実現しながら、商品の機能を継続的に改善し、サービスの
場面を拡大した。
・ AI技術の利用に関し、当行はウェルス・マネジメント商品のマーケティングにおいて反応率の4倍超の増加
および顧客損失の早期警告に関する試験的準支店において顧客損失率の30%超の減少を記録した。事後監視
において、NLP(自然言語処理)による知的リスク統制に基づく高リスククレジットカードの特定に関する
精度は95%超であり、OCR(光学式文字認識)による証票の分類に関する精度は99.99%であった。
・ ブロックチェーン技術の利用に関し、当行は、中国初の年金連合ブロックチェーンを導入し、太平養老保険
股 份 有限公司と共同で年金ブロックチェーンの利用システムを展開したが、これにより処理時間が12日から
3日に短縮された。当行は、オンライン供給網金融商品である「E口座」を導入したが、これは供給網の中核
企業および供給者にオンライン金融サービスの全手続を提供するものであり、署名、分割、移転、ファクタ
リング融資ならびに債権の満期における回収および支払を含む。
・ ビッグデータ技術の利用に関し、当行は、ビッグデータプラットフォームを改善および拡大したが、このう
ち主要データベースノードの数は112に拡大し、関連実績は177%改善した。さらに、当行はデータ分析、マ
イニングプラットフォームおよび支店を基準としたデータマートを促進し、可視的主要指標により経営意思
決定を行うすべての水準の管理者を支援する経営コックピットシステムを導入した。
・ クラウドコンピューティングの利用に関し、当行は、ITインフラの統合的管理、柔軟な予定管理、迅速な配
信、弾性スケーリングおよび集中的な利用を促進した。新世代インフラクラウド基盤におけるクラウドの開
発および試験の基礎的環境が構築および配信された。北京および上海において応用クラウドプラットフォー
ムの利用が開始され、41の応用システムが導入された。
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・ サイバーセキュリティー技術の利用に関し、ネットワーク安全保護能力を継続的に強化するため、ウェブア
プリケーションのファイアウォール、サーバー侵入防止および脅威知的分析プラットフォーム等のセキュリ
ティー機器が導入された。状況認識のための基礎プラットフォーム計画が実施され、関連分析のための71組
の規則が策定されたが、これにより当行のサイバーセキュリティー攻撃の検出能力が包括的に改善した。当
行は、当行の事業拠点における次世代の端末セキュリティー保護計画の利用を促進した。
当行の営業および管理における技術水準の向上
・ 当行は、全手続を電磁的操作で行うことを実現し、単一の貸付の処理時間を20分未満に短縮しながら、ス
マート与信2.0計画を促進し、電子貸付契約のための専用印システムを導入したが、これにより当行の与信
事業の効率が明確に改善された。
・ モバイル与信システム(モバイルC3)は、モバイル承認、情報調査および現場業務の3つの主要な機能を備
えている。C3は、東京、ソウルおよびマカオを含む3つの支店において追加的に利用されており、これによ
り当行の世界的与信リスク管理能力がさらに改善した。
・ 当行は、監視、早期警告および問題予防のための銀行全体の基盤を構築し、当行の問題および大規模なリス
ク事由の是正および事後分析を達成した。問題の潜在的リスク早期警告および適時の反応を実現するため、
問題予防のための一連の監視モデルが構築された。
情報システムの安定稼動の確保
・ 当行は、「両地三中心」の建設を促進し、すべての重要な情報システムを対象とする災害復旧システムを構
築した。当行は、中核システムの災害復旧訓練を実施したが、これにより当行の顧客に感知されずに切替を
行うことが可能となる。
・ 当行は、ネットワークトラフィックの知的スケジューリング、各種の事業データの維持および伝達を実現す
るため、IPv4/IPv6を共有することにより、基幹ネットワークに競合会社より高速のセグメントルーティン
グおよびソフトウェア定義WANを含む技術を使用しながら、すべての本支店機構を対象とするチャネルドメ
インのネットワーク構築を促進したが、これにより回線容量の利用可能率が25%改善した。
・ 当行は、「1つのポータル(統合ポータル)、1つのセンター(機器構成センター)および4つのプラット
フォーム(監視、管理、稼働ならびに稼働およびメンテナンスデータ分析のプラットフォーム)」の理念に
基づく統合的営業およびメンテナンス基盤の構築を開始した。
・ 当該報告期間中、当行の業務からの取引件数は急速に増加した。当行の中核システムが処理する1日あたり
の平均取引件数は699百万件に達し、1日あたりの最高取引件数は880百万件であった。当行の中核システム
の主要営業時間中の使用率は100%に達し、安定的かつ持続可能なサービスの運営能力を維持している。
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(l) 人材管理および組織管理
人材管理
人材革新
当該報告期間において、当行は、人材効率を継続的に改善するため、市場志向型のアプローチを維持しながら、
デジタル変革の要請を実施し、人材革新の強化を続けた。
・ 当行は、デジタル変革の要請に合致した組織構造を確立した。当行は、デジタル変革専門の調整部門である
デジタル変革事務所を当行の事業部門の中に、データ分析チームを第一級支店の中に、西安および武漢の研
究開発部門(第二級部門)を研究開発センターの下に設置した。
・ 当行は、新規事業の発展を促進するため、ABCのウェルス・マネジメント子会社および年金金融センターを
設立した。
・ 当行は、金融リスクの予防および軽減のための組織的支援を提供するため、内部統制部門およびコンプライ
アンス監視部門を再編成し、独立した法務部門を設立した。
・ 当行は、ミドルオフィスおよびバックオフィスならびにそれらの従業員の割合を低下させることにより、支
店および準支店の内部部門を縮小した。当行は、当行の事業および営業の最前線で働く従業員を増加させる
ため、人材管理の統制方針および本支店機構の余剰人員の配置転換方針を改善した。
人材開発および育成
報告期間中、当行は、有能かつ専門的な従業員の人材プールを確立することを目指し、多才な金融人材の育成お
よび開発に注力しながら、人材力によって当行を強化する戦略を積極的に実施した。
・ 当行は、人事異動により技術および事業系人材を育成した。当行は本社の事業部門と技術部門の副管理者を
交替させ、すべての水準の支店においてさらなる技術専門家を副支店長に任命した。当行は、商品管理者、
顧客管理者、データ分析者および技術計画管理者を含む4種類の人材の開発を加速させながら、デジタル変
革のための人材チーム開発計画を策定した。
・ 当行は、すべての水準の支店において指導チームを組成するために、合理的な年齢分布および専門分野の多
様性を有する傑出した若手指導者を育成および選抜した。当行は、基礎レベルの本支店機構における経験に
さらなる注意を払い、部門レベルおよび下位レベルでの従業員の昇進経路を最適化した。当行は、都市部お
よび農村部における基礎レベル本支店機構の若手人材チームの育成を促進するため、若手人材開発計画V3.0
を開始した。
・ 当行は、統制的な方法で専門的な従業員の育成を促進した。当行は、「心を掴んで従業員を維持する」計画
を促進した。当行は、1,300人超の専門家を上級専門者レベルおよびそれより上のレベルの職位につけるこ
とにより、管理者および専門職の「二重チャネル」昇進メカニズムを改善した。
・ 当行は、基礎レベルの本支店機構において人材配置をさらに最適化するため、基礎レベル組織の従業員の変
革および向上を着実に促進し、合理的に職位を減少させた。
・ 当行は、デジタル変革、基礎レベル本支店機構の従業員の変革および窓口管理者の異動に注力しながら、引
き続き従業員の研修を増加させた。2019年度において、当行は、合計13.7千会期もの研修計画を開催し、こ
れに0.79百万人の受講者が参加した。当行は、農銀大学オンライン大学の向上および遠隔APPの構築を促進
し、内部指導者分類システムを改善し、職位資格審査を受ける当行の0.146百万人の従業員のための試験を
組織化することにより学習を促進した。
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報酬管理
報告期間中、当行は、関連法令、規制上の要件および当行のコーポレート・ガバナンスの要件を厳密に遵守しな
がら報酬方針を策定および調整した。当行の全般的な報酬水準は、関連する国家規制に従い、当行の効率等の要因
に応じて決定され、年間報酬総額は取締役会において検討および承認された。当行は、規制上の要件およびコーポ
レート・ガバナンスの要件を厳密に遵守しながら年間報酬計画を策定し、これに従い当行の下にあるすべてのレベ
ルの機関の報酬総額および従業員の報酬を管理および分配した。
・ 当行の下にあるすべてのレベルの機関に割り当てられる報酬の総額は当該機関の営業効率、業績評価および
主要なタスクの完成状態において決定された結果に基づいて割り当てられた。業績評価指標には、効率性指
標、リスク指標ならびに長期的業績およびリスク特性を包括的に反映するその他の持続可能な発展指標が含
まれる。
・ 当行は、従業員の現在および長期的な責任と当行の発展およびリスク低減への貢献を関連させながら、現在
の業績と長期的リスクへの責任の双方を反映する報酬分配メカニズムを確立および改善した。当行の従業員
報酬方針は、すべての契約社員に適用される。従業員の報酬は、主として基本給、職能給および業績給によ
り構成されるが、これらは職位の高低および従業員業績評価の結果等に関連している。当行は、リスク特性
に重大な変更のあった従業員の業績給の後払、撤回および減額システムを構築した。当行は、法律および規
律に違反するか、または大規模なリスク損失の責任を負う者については、重大度に応じて対応する期間中に
業績給および後払報酬の支払を減額、撤回および中止する。
・ 当行は、資源分配を最適化し、内部分配構造を改善するため、報酬分配メカニズムの変革を引き続き深化さ
せた。当行は、報酬分配において効率性および公平性の双方を考慮し、主要分野における主要戦略および変
革へのインセンティブを強化し、利益を上げる組織へのインセンティブを増加させ、基礎レベル本支店機構
の最前線従業員の優先度および雇用確保を向上させた。当行は、主要な職位および人材への的を絞ったイン
センティブを実行するため、長期的インセンティブ、制約および福祉を改善し、コンプライアンス管理を向
上させた。
(3) 県域銀行業務
当行は、県域の顧客に対して、中国の県および県レベルの市(すなわち県域)における当行のすべての本支店機
構を通じて包括的な金融サービスを提供している。当行は、かかる業務を県域銀行業務または三農銀行業務と称し
ている。当該報告期間において、県域における事業の促進を目的とする「三農」に関する当行の戦略的位置付けに
従い、当行は、貧困撲滅および農村の活性化戦略を成し遂げるための国家の決定および取決めの完全な実施、中央
政府の貧困撲滅に関する特別監査において発見された問題の是正、着実な「三農」のサービスおよび金融的な貧困
削減の促進、「三農」および県域銀行業務のデジタル変革の徹底的な実施、「三農」の商品の革新の実務上の強化
およびチャネルの発展ならびに県域銀行業務部門におけるサポート対応力のさらなる強化を行った。県域銀行業務
の発展は好ましい傾向を伴い引き続き安定的であり、当行のサービス対応力および市場競争力は効果的に向上し
た。
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(a) 管理組織および管理構造
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当行は、引き続き県域銀行業務部門の改革を深め、県域銀行業務の特徴に沿った部門管理モデルを構築した。こ
れらには、当行の管理分野における「県域プラス農業関連」、当行の組織構造における「部門プラスセンター」、
(1) (2)
当行のガバナンス構造における「二重の委員会プラス二重の評価」 、当行の「6つの個別」管理メカニズム お
(3)
よび発展の勢いを高める「外部政策プラス内部方針」 が含まれる。
・ 当行は、差別化された方針を改善した。当行は、部門の個別の評価計画を最適化し、また「三農」向けのイ
ンターネット金融サービスの評価を改善した。当行は、与信規模、経済資本、固定資産等の観点から部門に
対して引き続き優先的な方針を定め、農村活性化に関連する主要な地域の金融サービスに対して特別な戦略
的費用を提供した。
・ 当行は、県域における人材のポテンシャルへの刺激を図った。当行は、県域における準支店のリーダーシッ
プを強化し、若手人材開発プログラムV3.0を開始した。これは、当行が都市と農村の統合、発展状況ならび
に県域における若手の逸材の発見、育成、選抜および任命といった特徴を有する新たなパターンの構築を通
じて行われた。
・ 当行は与信方針システムを最適化した。中央政府の農村の活性化戦略の実施に焦点を当て、当行は、「三
農」の与信方針に関する年次ガイドラインの策定、種子産業、林業、養豚業、天然ゴム産業およびその他の
産業に対する与信方針ならびに農村の合作経済組織向けの特別支援方針を導入した。当行は、地域経済の発
展を支援するために現地の状況に応じて地域ごとに差別化した与信方針を実施した。当行は、審査および承
認の効率を改善するために、県域銀行業務向けの個別の承認チャネルを合理化した。
・ 当行はリスク管理を強化した。当行は、県域における貸出に関する年次リスク管理方針の策定、貧困削減の
ための貸出に関するリスク管理の遵守の強化ならびにリスクの高い産業および信用貸付消費が多額に上る顧
客への与信の厳格な管理を行った。当行は、県域における当行の信用リスク管理および統制能力の強化のた
めにフィンテックを採用した。当行は、県域における高リスクな準支店の特別な統制を着実に促進した。
2019年度末現在、県域において不良債権比率が5%を超える準支店の数は、前年度末比で59店減少した。
(b) 県域の法人向け銀行業務
当該報告期間中、当行は、県域の実体経済の発展を効果的に支援するため、農村活性化に向けた「7つの活動」
(4) (5)
および「8つのマーケティングキャンペーン」 の実施継続、与信の増加、商品革新の加速ならびに事業変革の
促進を行った。2019年度末現在、県域における法人顧客の預金残高は、前年度末比で42,299百万人民元増加して
2,140,452百万人民元となった。県域における法人顧客に対する貸出(割引手形を除く。)は、前年度末比で
207,821百万人民元増加して2,486,427百万人民元となった。
・ 当行は、農村活性化に関連する主要な地域に対する貸出を増加させた。県域における都市化に関する貸出、
水質保全に関する貸出および観光に関する貸出は、2019年度においてそれぞれ70.3十億人民元、19.1十億人
民元および13.7十億人民元増加した。先導的な農産業企業に対する貸出残高は、143.3十億人民元となり、
省の水準もしくはそれを上回る水準の先導的な農産業企業に対する当行の金融サービスのカバー比率は、
61%に達した。
・ 当行は、県域の法人向け商品の革新を強化した。農村の観光において重要な村に対する貸出および農村活性
化のための用地への貸出し等の当行全体の商品が導入された。当行は、積極的に「三農」商品の革新プラッ
トフォームの中心となる第一級支店を設立し、また「湖南省の陶磁器会社向けの貸出」および「金秀向け貸
出」といった数多くの地域の特色のある商品を開発した。
・ 当行は、県域の法人向け銀行業務のデジタル変革を促進した。当行は、農産業チェーン、産業用地、専門家
向け市場、県域観光、特色のある産業ならびに政務および人々の生活に関連する6つの特徴的な場面に基づ
く計画を積極的に促進し、マーケティングを行った。当行は、「恵衣e通」、「スマート・ツーリズム」お
よび「貧困削減モール」等の金融サービスプラットフォームの活発な促進および展開を行った。当行は、新
希望および蒙牛といった重要な顧客に対してデータに基づくインターネット貸出等のサプライチェーンに対
する金融サービスを提供した。
(1) 「二重の委員会」とは取締役会レベルに設置された県域銀行業務/包括的金融発展委員会および幹部役員層レベルに設置
された県域銀行業務部門および包括的金融部門管理委員会を指す。「二重の評価」とは、8つのセンターが、当行全域に
わたる事業分野および県域銀行業務への支援の管理の両方の観点における部門の業績について評価されることを指す。
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(2) 「6つの個別の管理メカニズム」とは、個別の信用管理メカニズム、個別の資本管理メカニズム、個別の会計メカニズ
ム、個別のリスクに係る引当金および償却メカニズム、個別の資源配分メカニズム、個別の調査ならびにインセンティブ
および制約メカニズムを指す。
(3) 「内部方針」とは、当行により実施される県域銀行業務部門の優先的な支援方針を指し、かかる方針は県域の個別の信用
計画、三農の固定資産に関する投資予算の個別の取扱い、県域銀行業務部門の総賃金の個別の承認を含む。「外部政策」
とは、中国政府により実施される当行のための特別な支援政策を指し、かかる政策には、増値税の優遇、差別化された預
金準備率が含まれる。
(4) 農村活性化戦略の実施に係る「7つの活動」とは、農村地域の産業の統合的な発展、農村の財産権制度の改革、国家的な
食糧安全保障の確保、貧困撲滅、魅力的かつ居住しやすい農村地域の建設、県の生活を豊かにする支援を行う産業の発展
ならびに「三農」および県域のグリーン開発に関連する分野において当行が提供するサービスを指す。
(5) 「8つのマーケティングキャンペーン」とは、先導的な農産業企業を支援する「百億百家」キャンペーン、農村の人々の
特別協同組合を支援する「萬社促進計画」キャンペーン、県域における新型の都市化を支援する「百城千鎮」キャンペー
ン、県域における商品市場の商人を支援する「百強市場」キャンペーン、県域における観光産業の発展を支援する「旅遊
百縣」キャンペーン、主要な水質保全のインフラ建設を支援する「重大水利営銷」キャンペーン、特色のある農業を支援
する「百優特色農業産区」キャンペーンおよび県域における新型の産業化を支援する「縣域新型工業化産業示範基地」
キャンペーンを指す。
(c) 県域の個人向け銀行業務
当該報告期間中、農村活性化に関連する主要な地域の個人顧客の金融ニーズに応えるため、当行は農村世帯に対
する金融サービスの強化、恵農通計画の質および効率の向上ならびに当行の県域の個人向け銀行業務のサービス対
応能力の継続的な向上を行った。2019年度末現在、県域における個人顧客の預金残高は前年度末比で538,070百万
人民元増加して5,587,815百万人民元となった。県域における個人顧客への貸出は、前年度末比で286,506百万人民
元増加して1,926,798百万人民元となった。
・ 当行は、新型の農業事業体への支援を増加させ、農村世帯向けに住宅を購入および建築するための信用商品
を最適化し、また「2つの権利」により担保される貸出を着実に促進した。大規模専業事業者および農家に
対して広げられた貸出額の残高は、前年度末比で37.8十億人民元増加し、119.8十億人民元となった。農村
世帯向けの安家貸貸出の残高は、前年度末比で80.2十億人民元増加し、564十億人民元となった。
・ 当行は「ABC恵農通eローン」の拡大を促進した。当行は、内部および外部のデータソースを拡大し、農村世
帯の情報登録を加速させた。「ABC恵農通eローン」のブランドの影響力は大きく改善した。2019年度末現
在、「ABC恵農通eローン」の残高は、前年度末比で111.4十億人民元増加し、198.6十億人民元となった。信
用枠を有する世帯数は、前年度末比で1.00百万世帯増加し、1.74百万世帯となった。
・ 当行は、金穂恵農通プロジェクトの質と効率を改善するための措置を実施した。0.6百万の恵農通サービス
拠点のインターネットベースでのアップグレードが完了し、恵農通のサービス拠点中の恵農e通プラット
フォームを完全に網羅することを達成した。デジタル変革および恵農通プロジェクトのアップグレードは、
利用場面の拡大、サービス機能の充実ならびに科学的および技術的支援の強化により促進された。2019年度
末現在、農村世帯に向けたインターネットベースでの利用場面を有する加盟店の数は、42.2千件であった。
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(d) 金融的な貧困削減
2019 年度の年間計画
・ 2019年度において、当行は国家的な貧困削減が行われる832の主要な県に対して100十億人民元以上の新規の
貸出を行うことおよび40十億人民元以上の目標とする貧困削減のための新規の貸出を行うことという目標の
達成に努めた。
・ 当行は、目標とする金融的な貧困削減に注力する。当行は、労働能力、収入および借入需要を有する貧しい
人々に対してさらなる貸出および金融サービスを提供した。貧困削減のための能力を有する質の良い顧客お
よび重要なプロジェクトに対して優先条件付きの貸出を提供し、これにより貧困世帯および貧困産業の事業
体の利益が結び付いた。「3つの区および3つの州」が極貧地域における金融的な貧困削減において最も重要
な地域として指定された。貧困削減の対象に指定された県に大きく注力する。貧困から脱した秀山および饒
陽に関しても方針に変更はなく、当行による貧困削減のための注力度合いが減じられることはなかった。
・ 金融的な貧困削減の革新が促進された。貧困地域における金融的需要の多様化の観点から、特色のある貧困
削減のための商品および方針の革新が促進された。貧困削減のための少額貸出、政府による貧困削減のため
の信用補完および貧困削減のための特色ある産業等の典型的な金融的な貧困削減モデルが貧困削減のための
貸出の増加のために促進された。
・ 基本的な金融サービスを提供する能力は強化された。本支店機構、恵農通のサービス拠点およびインター
ネットバンキング等の様々なチャネルを通じて、当行は貧しい地域の行政村におけるチャネルのカバー範囲
をさらに拡大した。当行のサービスネットワークを引き続き拡大するため、金穂恵農通プロジェクトおよび
三農に対してインターネット金融サービスを提供する「ナンバーワンプロジェクト」が力強く促進された。
手法および成果
・ 貧しい地区に対する貸出は増加した。2019年末現在、国家的な貧困削減が行われる832の主要な県における
貸出の残高は、前年度末比で167.55十億人民元(18.1%)増加し、1,091.44十億人民元となった。目標とす
(1)
る貧困削減のための貸出残高 は、前年度末比で64.16十億人民元(19.4%)増加し、394.19十億人民元と
(2)
なった。極貧地区 における貸出残高は、前年度末比で68.82十億人民元(20.6%)増加し、402.63十億人
民元となった。その中でも、「3つの区および3つの州」の極貧地区における貸出残高は、前年度末比で
17.54十億人民元(18.4%)増加し、112.77十億人民元となった。
・ 優先的方針を強化し、また優先的資源が配分された。当行は、貧困撲滅に関する特別監査において発見され
た問題の是正を、金融的な貧困削減のための93の関連する方針および措置の導入ならびに、極貧地区におけ
る貧困撲滅を支援するための20の優先的方針を策定することにより推進した。当行は、極貧地区における金
融費用を確保し、貧しい地区の目標とする貧困削減のための貸出に対して優先的な金利を導入する、貧しい
地区における与信計画を承認のための「緑色通道」を開設した。当行は、金融的な貧困削減についての評価
システムを構築および改良し、また金融的な貧困削減指標の加重を増加させた。当行は、貧困削減の主要な
県および極貧地区における人材の採用に関する学歴要件を適度に緩和した。2019年度において、国家的な貧
困削減が行われる主要な県における当行の準支店において1,993名の従業員が採用され、また極貧県の準支
店において928名の従業員が採用された。
・ 金融的な貧困削減のための商品革新は強化された。「3つの区および3つの州」における極貧地区、貧困削減
のために指定された地区ならびに主要な県の支援に向けた目標とする貧困削減のための信用商品の革新を目
的として、当行は第一級支店が個別に承認を行うことを許可した。2019年度において、当行は貧困削減のた
めに合計17の金融商品の革新的な立上げを行った。貧しい地区において、三農商品の革新拠点数は14ヶ所か
ら34ヶ所に増加した。
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・ 貧しい地区におけるサービスネットワークが改善された。当行は、本支店機構、セルフサービス店舗、「恵
農通」のサービス拠点、オンラインチャネルおよび移動式サービスを含む、総合的なサービスネットワーク
を構築した。当行は、農村および貧しい地区の村において新たに57ヶ所の本支店機構および46ヶ所のセルフ
サービス店舗を設置した。当行は、貧しい地区におけるモバイル・バンキング、インターネットバンキング
および「恵農e通」プラットフォームを推進に向けた努力をさらに強化した。国家的な貧困削減が行われる
主要な県の行政村および「3つの区および3つの州」における極貧地区における電子機器のカバー率は、前年
度末比でそれぞれ16.7パーセント・ポイントおよび35.3パーセント・ポイント増加して86.6%および87.9%
に達した。「3つの区および3つの州」における極貧県において、当行は、移動式の金融サービス車両を用い
て、190の村および町の金融サービスの欠如を補填した。
・ 東部地域の支店と西部地域の支店との間で貧困削減に向けた連携が促進された。西部地域の12ヶ所の支店と
「3つの区および3つの州」の12の貧しい地区が連携し、39件の投資計画および7社の企業が導入された。東
部地域の100ヶ所の支店は、貧しい地域の県の100ヶ所の準支店との相互支援関係を構築した。準支店は、貧
困削減のための連携した金融サービスを提供するために東部地域と西部地域の間で人材を交換している。
・ 当行は、消費および教育を通じて貧困削減を促進した。当行の労働組合およびバック・オフィスは、貧しい
地区から70.17百万人民元の特色のある商品を購入した。当行は、「恵農e通」プラットフォーム上に「貧困
削減モール」を設置し、貧しい地区の特色ある商品の展示会の開催をし、そして貧しい地区の顧客、企業お
よび農家の関係、つまり供給者側と購入者側の関係の構築の調整を行った。当行の援助に基づく貧しい地区
の商品の累計販売額は0.73十億人民元であった。当行は「金穗圓夢」を実施し、当行および当行の従業員
は、「3つの区および3つの州」、貧困削減の対象に指定された県ならびに主要な県における極貧県の貧しい
家庭出身と承認および登録された3,832名の新入生に対する援助のために寄付を行った。
・ 目標とする貧困削減のためのガイダンスおよび援助が強化された。2019年末現在、貧困削減の対象に指定さ
れた4つの県における貸出残高は、前年度末比で1.53十億人民元(17.4%)増加し、10.37十億人民元となっ
た。2019年度の直接支援融資額は、2018年度の6.2倍である111.25百万人民元であった。当行は、貧困削減
の対象に指定された県に対して23.58百万人民元の無償の資金援助を行い、また投資実額が370百万人民元の
7つの投資プロジェクトの実施を取りまとめた。
(1) 「2019年度金融機構のための金融統計システムの問題に関する中国人民銀行の通達」(銀発[2018]346号)に従い、当行
は、目標とする貧困削減のための貸出に関する統計手法を調整した。
(2) 2019年度において、当行は極貧地区の関連機関に関する統計の範囲を調整した。
2020 年度の計画
・ 当行は貧困撲滅に関する国家の決定および取決めの徹底的な実施を引き続き行う予定である。「四個不摘」
の要請に従い、当行は貧困削減政策の安定性の維持、金融的貧困削減の商品、サービス、管理およびシステ
ムならびメカニズムの革新ならびに金融的貧困削減の質および効率の改善に向けた努力を効果的に行う予定
である。
・ 2020年において、当行は国家的な貧困削減が行われる832の主要な県において100十億人民元を超える新規の
貸出を提供するという目標を達成し、貧困の削減対象および極貧地域における貸出に関する規制要件を満た
すことに尽力する。当行は、貧しい地域のサービスネットワークをさらに拡大し、また金融的な貧困削減の
ための商品のシステムをさらに充実させる予定である。
・ 当行は、貧困撲滅および農村活性化のシナジーを高め、また効果的に当行の企業の社会的責任を果たす。
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(e) 財政状態
資産および負債
2019年12月31日現在、県域銀行業務の資産合計は前年度末から7.8%増加して8,699,905百万人民元となった。顧
客への貸出金総額は前年度末から13.7%増加して4,553,104百万人民元となった。顧客預金の残高は前年度末から
7.9%増加して7,960,558百万人民元となった。
以下の表は、表示日現在の当行の県域銀行業務の資産および負債の主な項目の内訳を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
顧客への貸出金総額 4,005,882 - 4,553,104 -
減損損失引当金 (210,395) - (226,412) -
顧客への貸出金純額 3,795,487 47.0 4,326,692 49.7
(1)
銀行内取引残高
3,603,324 44.7 3,622,774 41.6
その他の資産 668,563 8.3 750,439 8.7
資産合計 8,067,374 100.0 8,699,905 100.0
顧客預金 7,380,598 97.7 7,960,558 98.5
その他の負債 173,006 2.3 125,058 1.5
負債合計 7,553,604 100.0 8,085,616 100.0
(1) 銀行内取引残高とは、行内の資金移動を通じて当行の 県域 銀行業務から当行の他の事業セグメントに提供された資金を表
す。
利益
2019年度において、当行の県域銀行業務による税引前利益は、主として当行の県域銀行業務の信用減損損失が前
年度と比較して減少したことにより、前年度と比較して41.5%増加して97,772百万人民元となった。
以下の表は、表示年度における当行の県域銀行業務の主要な収益項目を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2019 年 増減 成長率(%)
外部受取利息 175,438 199,258 23,820 13.6
控除:外部支払利息 93,223 116,959 23,736 25.5
(1)
銀行内取引残高からの受取利息
111,567 115,125 3,558 3.2
受取利息純額 193,782 197,424 3,642 1.9
受取報酬および手数料純額 30,405 34,592 4,187 13.8
その他の非金利収入 4,253 4,724 471 11.1
営業収益 228,440 236,740 8,300 3.6
控除:営業費用 86,542 90,654 4,112 4.8
信用減損損失 72,661 48,228 (24,433) -33.6
その他の資産に係る減損損失 137 86 (51) -37.2
税引前当期純利益合計 69,100 97,772 28,672 41.5
(1) 銀行内取引残高からの受取利息とは、市場金利に基づいて定められる行内の資金移動の価格において当行の県域銀行業務
部門が当行の他の事業セグメントに提供した資金によって得られる受取利息を表す。
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主要業績指標
2019年度において、県域銀行業務の預金および貸出金の利息スプレッドは、当行の預金および貸出金の利息スプ
レッドより27ベーシスポイント高い、3.08%であった。2019年12月31日現在、県域銀行業務の不良債権比率は
1.58%であり、前年度末から0.5パーセント・ポイント減少した。不良債権に対する引当率は315.18%、貸出金比
率に対する引当率は4.99%となった。
以下の表は、表示年度または表示日における当行の県域銀行業務の主要業績指標を示したものである。
(単位:%)
項目 2018 年 2019 年
貸出の平均収益率 4.60 4.59
貯蓄の平均費用率 1.30 1.51
営業収益に対する受取報酬および手数料純額率 13.31 14.61
経費率 37.25 37.37
2018 年 12月31日 2019 年 12月31日
項目 現在 現在
預貸率 54.28 57.20
不良債権比率 2.08 1.58
不良債権に対する引当率 252.94 315.18
貸出金比率に対する引当率 5.25 4.99
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(4) 資本管理
当該報告期間において、当行は、 商業銀行資本管理弁法(試行) の規制上の要件に従い、2019年度から2021年度
までの当行の資本計画を策定および実施し、資本規制および事業指針に注力し、資本管理の長期的構造を改良し、
十分な自己資本比率を維持した。
当行は、 当行の自己資本比率向上のための3ヶ年行動計画 (以下「資本強化計画」という。)を策定したが、か
かる計画には2017年度から2019年度までの自己資本比率の目標が掲げられている。当行は、資本補充および資本保
全の双方に注力しながら、自己資本比率の向上に向けた作業計画を策定し、資本管理システム改善のための具体的
な方法を示した。当該報告期間において、当行は、「資本強化計画」を着実に実行し、当行の自己資本比率は安定
的に増加した。
グローバルなシステム上重要な銀行の1つとして、当行は、金融安定理事会(以下「FSB」という。)の要件ならび
にその他の国外および国内の該当する規制上の要件に従い、 中国農業銀行股 份 有限公司の再生計画 および 中国農業
銀行股 份 有限公司の処分計画 の年次改定を完了した。当該計画は、国内外の規制当局からなるクロスボーダー危機
管理検討会に提出され、承認された。当該報告期間において、当行は、内部自己資本評価プロセス(以下
「ICAAP」という。)の確立を引き続き促進し、2019年度につき内部自己資本評価を完了した。また、2019年度にお
けるICAAPにつき、資本管理の基礎を継続的に強化するため、特別監査を実施した。
当行は、CBIRCの要請に従い、並行実施期間において、資本管理の先進的手法を実施し、先進的な測定手法およ
びその他の手法を用いて自己資本比率を測定した。
資金調達管理
当該報告期間において、当行は、資本補充システムを改良した。当行は、外部資金源の積極的な拡大および留保
利益により資本を補充した。
2019年3月および4月、当行は、中国の銀行間債券市場において、それぞれ60十億人民元、合計で120十億人民元
の、2つのTier2自己資本債の発行を完了した。手取金は、発行関連費用を控除した後、その全額がTier2資本の補
充に充てられた。2019年8月および9月、当行は、中国の銀行間債券市場において、それぞれ85十億人民元および35
十億人民元の元本削減永久資本債を発行した。手取金は、発行関連費用を控除した後、その全額がその他Tier1資
本の補充に充てられた。
2019年5月、当行は、2009年5月に発行された25十億人民元の15年の劣後債を全額償還した。2019年8月、当行
は、2014年8月に発行された30十億人民元の10年のTier2自己資本債を全額償還した。
かかる発行および償還の詳細については、上海証券取引所(www.sse.com.cn)および香港証券取引所
(www.hkexnews.hk)のウェブサイトに公表された関連する発表を参照のこと。
経済資本管理
当該報告期間において、当行は、集中的な資本開発を達成するため、資本総額を制限し、資産構造を最適化し、
リスク加重資産の増加を抑制した。当行は、資本管理の最適化および経済資本の利用を改善するため、戦略的目標
の誘導および価値の返還という発想を重視しながら、経済資本の分配の仕組みを引き続き改善し、 経済資本の評価
および査定システムを引き続き改善し、経済資本管理システムの利用を最適化した。
自己資本比率
当行の自己資本比率およびリスク軽減後の信用リスク・エクスポージャーの詳細については、上海証券取引所お
よび香港証券取引所のウェブサイトに当行が公表している 2019年度自己資本比率に関する報告 を参照のこと。
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(5) レバレッジ比率の情報
2019 年12月31日現在、CBIRCによる「商業銀行のレバレッジ比率の管理に関する規則(改訂後)」に従い計算さ
れた当行のレバレッジ比率は、規制上の要件を上回る7.09%であった。
(単位:百万人民元、%を除く。)
項目 2019 年3月31日 2019 年6月30日 2019 年9月30日 2019 年12月31日
Tier1 資本(純額) 1,725,849 1,724,878 1,910,079 1,940,478
調整後のオンバランス
およびオフバランス資産 25,565,737 26,148,038 27,202,211 27,369,508
レバレッジ比率 6.75 % 6.60 % 7.02 % 7.09 %
(単位:百万人民元)
番号 項目 残高
1 連結資産合計 24,878,288
2 連結調整 (73,445)
3 顧客資産の調整 -
▶ デリバティブの調整 26,109
5 証券金融取引の調整 5,074
6 オフバランス項目の調整 2,541,365
7 その他の調整 (7,883)
8 調整後のオンバランスおよびオフバランス資産 27,369,508
(単位:百万人民元、%を除く。)
番号 項目 残高
オンバランス資産(デリバティブおよび証券金融取引を除
1
く) 24,073,214
2 控除:Tier1資本からの控除額 (7,883)
調整後のオンバランス資産(デリバティブおよび証券金融取
3
引を除く) 24,065,331
▶ 全デリバティブの再構築コスト(適正マージン控除後) 24,511
5 全デリバティブの潜在的エクスポージャー 26,825
6 貸借対照表から除外された担保のグロスアップ -
7 控除:適正マージンを提供した結果生じた受取資産 (327)
控除:顧客に対するクリアランス・サービス提供時にセント
8 ラル・カウンターパーティーとの取引の結果生じたデ
リバティブ資産 -
9 償却された信用デリバティブの想定元本 45
10 控除:償却された信用デリバティブ資産の控除額 -
11 デリバティブ資産 51,054
12 会計目的上の証券金融取引資産 706,684
13 控除:証券金融取引資産の控除額 -
14 証券金融取引に係る相手方信用リスク・エクスポージャー 5,074
15 代理人取引の結果生じる証券金融取引資産 -
16 証券金融取引資産 711,758
17 オフバランス項目 4,743,864
18 控除:クレジット相当額の換算調整 (2,202,499)
19 調整後のオフバランス項目 2,541,365
20 Tier1 資本(純額) 1,940,478
21 調整後のオンバランスおよびオフバランス資産 27,369,508
22 レバレッジ比率 7.09 %
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(6) 商業銀行のグローバルなシステム上の重要性を評価するための指標
以下の情報は、CBIRCにより公表された商業銀行のグローバルなシステム上の重要性を評価するための指標の開
示に関するガイドラインにおける関連要件に従って開示されている。
商業銀行のグローバルなシステム上の重要性の評価指標
(単位:百万人民元)
2019 年度における
分類 項目 残高/金額
規模 1. オンバランスおよびオフバランスの調整済総
資産 27,369,508
2. 金 融システム内の資産
相互連関性 1,783,370
3. 金 融システム内の負債
1,950,322
4. 発行済証券
2,576,967
5. 支払実績(期首から当該報告期間末まで)
代替可能性 314,230,204
6. 預り資産
9,883,859
7. 引受取引(期首から当該報告期間末まで)
749,706
8. OTC デリバティブ想定元本
複雑性 3,106,650
9. トレーディング目的保有証券および売却可能
証券 253,919
10. レベル3資産 87,562
グローバル(法域を越える活動) 11. 法域を越える債権 450,622
12. 法域を越える債務 523,181
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2.重要事項
重要な関連取引
当該報告期間において、当行はいかなる重要な関連取引も締結していない。
支配株主およびその他の関連当事者による資金の不正流用
支配株主またはその他の関連当事者のいずれも当行の資金を不正流用していない。プライスウォーターハウス
クーパース中天リミテッドは、 2019年度における支配株主および中国農業銀行のその他の関連当事者による資金の
不正流用特別報告書 を発行した。
当行ならびに当行の取締役、監査役、各幹部役員および当行の支配株主の処罰状況
当該報告期間において前任の取締役、監査役および幹部役員に対して証券規制当局より処罰が課されたことはな
かったほか、直近の3年間において、在職中の取締役、監査役および幹部役員に対して、証券規制当局より処罰を
課されたことはなかった。
当該報告期間において、当行または当行の取締役、監査役、幹部役員および支配株主に関して、当局または懲戒
当局による強制的手段の対象となる所轄官庁による捜査、訴追による司法当局への送致または刑事責任の追及、市
場による捜査、懲罰、禁止、もしくは環境保護、安全な生産管理、税またはその他の行政機関で課せられる重大な
行政処分の対象となるCSRCによる資格剥奪、もしくは証券取引所による公的な非難はなかった。
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コミットメント
コミットメントの コミットメントの コミットメントの 現在までの遂行の
コミットメント コミットメントの詳細
対象 日付 満期日 状況
匯金公司 競業禁止 (1) 匯金公司が当行の株式を保有し続け、中 2010 年7月15日 長期間にわたり コミットメント
有効 継続中
コミットメント 国または株式が上場される国における法律お
よび上場規則に従って当行の支配株主または
事実上の支配者である限り、中国または海外
において競合する商業銀行業務には参加しな
正当に履行
い。匯金公司が競合する商業銀行業務または
中国または海外の競合する商業銀行業務へと
発展させる活動に参加すれば、匯金公司はす
ぐに競合する商業銀行業務への参加、管理を
すぐにやめる。
(2) 匯金公司が商業銀行業務の活動を直接行
うことに関して政府から承認、許可、権利を
得るた場合または商業銀行業務の活動をする
機会を得た場合であっても、匯金公司はこれ
らの承認、許可、権利を放棄し、商業銀行業
務の活動をしない。
(3) 上記の(1)(2)に関わらず、匯金公司は金
融および銀行産業に投資するために中華人民
共和国政府により設立された国有の投資機関
であり、その他の企業に投資することによっ
てあらゆる形態で(完全所有会社、共同事
業、契約上の共同事業またはかかる会社の株
式または利益を直接的または間接的に所有す
ることによる場合を含むが、これに限られな
い。)中国または海外において競合する商業
銀行業務活動を実施しまたはかかる活動に参
加し得る。
(4) 匯金公司は、金融および銀行産業に投資
するために中華人民共和国政府により設立さ
れた国有の投資機関として、商業銀行に対す
る投資を同等に行い、また、商業銀行業務活
動または匯金公司が獲得するまたは獲得する
であろう事業活動の機会を実行するための政
府からの承認、許可、権利を得ることはせ
ず、また、当行の株主であるという地位やそ
の地位により取得できた情報を当行の利益に
反するか、または他の商業銀行の利益に資す
るように利用することはせず、そのような事
態が生じることを避けるものとする。匯金公
司は、当行が商業銀行の中で唯一の投資先で
あるかのように、当行の最大の利益に資する
ようその株主の権利を行使し、当行の利益を
最大化するために株主としての商業的判断を
下すが、かかる判断はその他の商業銀行に対
する匯金公司による投資の影響を受けないも
のとする。
社会保障基金充実のための国有資本の一部の移転に係る実施計画の印刷および配布に関する国務院の通知(国発
〔2017〕49号)に従い、SSFは、株式の口座入金日から3年以上のロックアップ期間につき監視の義務を負う。2019
年12月31日現在、SSFは上記のコミットメントを厳密に遵守しており、コミットメント違反は存在しなかった。
「2 事業等のリスク」も併せて参照のこと。
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4【経営上の重要な契約等】
重要な資産取得、処分および合併
当該報告期間において、当行は、重要な資産取得、処分または合併を行っていない。
重要な契約の詳細および実績
重要な保管業務、契約およびリース
当該報告期間において、当行は、その他の法人の資産に関して、開示対象となる重要な保管業務、契約または
リースの締結を行っておらず、その他の法人もまた、当行の資産に関して、開示対象となる重要な保管業務、契約
またはリースの締結を行っていない。
重要な担保
担保提供は、当行の通常的な業務の過程であるオフバランス取引の1つである。当該報告期間において、当行は
PBOCおよびCBIRCの承認を得た事業範囲内の金融担保業務を除き、開示が要求される重要な担保事項は存在しな
かった。
重要な集中調達
当行の経費および費用に重大な影響を及ぼすような集中調達は存在しなかった。
5【研究開発活動】
上記「3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
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第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
下記「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-21」を参照のこと。
2【主要な設備の状況】
上記「1 設備投資等の概要」を参照のこと。
3【設備の新設、除却等の計画】
上記「第3-3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
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第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2019年12月31日現在)
発 行 済 株 式 総 数(株) 未 発 行 株 式 数(株)
授 権 株 数(株) 種 類
- 普通株式 349,983,033,873 -
- 優先 株式 800,000,000 -
(注)中華人民共和国の会社法においては「授権株式」と同様の仕組みはない。
②【発行済株式】
(2019年12月31日現在)
記名・無記名の別及び
上場金融商品取引所名又は登録
発 行 数(株)
種 類 内 容
認可金融商品取引業協会名
額面・無額面の別
記名式額面株式 普通株式
319,244,210,777 上海証券取引所 注
(券面額 1.00 人民元) A 株式
記名式額面株式 普通株式
30,738,823,096 香港証券取引所 注
(券面額 1.00 人民元) H 株式
計 - 349,983,033,873 - -
(注)A株式およびH株式は共に普通株式であり、その株主は、配当を受ける権利、株主総会に出席する権利および定款に
記載されるその他の権利を有している。これら2種類の株式の主な違いは、A株式が上海証券取引所に上場されてお
り、H株式が香港証券取引所に上場されていることである。
(2019年12月31日現在)
記名・無記名の別及び
上場金融商品取引所名又は登録
発 行 数(株)
種 類 内 容
認可金融商品取引業協会名
額面・無額面の別
記名式額面株式
優先 株式 800,000,000 - 注
(券面額 100 人民元)
計 - 800,000,000 - -
(注)その他Tier1資本商品の適格基準に関するCBIRCの規則に準拠して中華人民共和国で発行される優先株式である。各優
先株式の額面金額は100人民元であり、額面金額で発行された。優先株式の配当率は、5年ごとに調整される。優先株
式の配当は、各配当期間に合意された固定配当率で毎年支払われる。当初配当期間の配当率は、ブックビルディング
方式により、年率5.50%または6.00%に決定された。第2配当期間の配当率は、年率4.84%または5.32%に決定され
た。優先株式が残存する限り、当行が優先株式に係る配当を累計3事業年度または連続する2事業年度にわたって支払
わない場合、優先株式の保有者は、当該年度の利益分配計画において合意したところに従い、優先株式に係る配当を
行わない旨を決議した株主総会の翌日以降、株主総会に出席し、普通株主と同様に議決権を行使する権利を有するも
のとする。優先株式により復活する議決権の数は、以下の算式により算出される(整数未満切り捨て)。
Q=V/P
「V」とは、議決権が復活する優先株式の額面総額を意味する。「P」とは、発行計画に関する取締役会決議日に先立
つ20取引日間における当行のA株式(普通株式)の平均取引価格(すなわち、1株当たり2.43人民元)を意味する。議
決権は、当該年度の優先株式に係る配当がすべて支払われる日までの間、復活するものとする。下記「優先株式の詳
細」を参照のこと。
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(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
普通株式
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘 要
増減数 残高 数 増減額 残 高
株式有限会社
2009 年1月15日 260,000,000,000 260,000,000,000 260,000,000,000 260,000,000,000
として設立
2010 年4月21日 10,000,000,000 270,000,000,000 10,000,000,000 270,000,000,000 新株式の発行
2010 年7月15日 22,235,294,000 292,235,294,000 22,235,294,000 292,235,294,000 新株式の発行
2010 年7月16日 25,411,765,000 317,647,059,000 25,411,765,000 317,647,059,000 新株式の発行
2010 年8月5日 3,811,764,000 321,458,823,000 3,811,764,000 321,458,823,000 新株式の発行
2010 年8月13日 3,335,294,000 324,794,117,000 3,335,294,000 324,794,117,000 新株式の発行
2018 年7月2日 25,188,916,873 349,983,033,873 25,188,916,873 349,983,033,873 新株式の発行
2019 年12月31日 - 349,983,033,873 - 349,983,033,873 -
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優先株式
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘 要
増減数 残高 数 増減額 残 高
2014 年10月31日から
400,000,000 400,000,000 40,000,000,000 40,000,000,000 新株式の発行
2014 年11月13日まで
2015 年3月6日から
400,000,000 800,000,000 40,000,000,000 80,000,000,000 新株式の発行
2015 年3月18日まで
2019 年12月31日 - 800,000,000 - 80,000,000,000 -
(注)優先株式の発行による手取金は、適用ある法令および規制当局の承認に従い、当行のその他Tier1資本を補充するため
に使用された。
(4)【所有者別状況】
当行の株主は、H株式の保有者22,819名およびA株式の保有者366,871名の合計389,690名であった。2020年2月
29日(当行のA株式年次報告書が公表される月の前月末日)現在、当行の株主総数は、H株式の保有者22,760名お
よびA株式の保有者389,847名の合計412,607名であった。当行は株主の種類による株式のさらなる分類は行ってい
ない。
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(5)【大株主の状況】
(2019年12月31日現在)
所有株式数 発行済株式総数に対する
氏名又は名称 住 所
(株) 所有株式数の割合
中華人民共和国北京市東
匯金公司 城区朝陽門北大街1新保利 140,087,446,351 40.03 %
大厦
中華人民共和国北京市西
MOF 123,515,185,240 35.29 %
城区三里河南三巷 3 号
香港中央結算代理人有限公司 ‐ 30,561,081,146 8.73 %
中華人民共和国北京市西
城区豊匯園11号 豊匯時代
SSF 23,520,968,297 6.72 %
大廈南翼2
中国人寿保険股 份 有限公司 –
-
伝統‐普通保険産品‐005L- 2,554,275,099 0.73 %
CT001 Hu
中国人寿保険股 份 有限公司 -
-
配当分配 - 個人配当 - 005L
2,539,312,027 0.73 %
- FH002 Hu
中 国 煙草総公司 ‐ 2,518,891,687 0.72 %
中華人民共和国北京市西
中国證券金融股 份 有限公司 城区 丰 盛胡同28号太平洋 1,842,751,186 0.53 %
保険 大 厦
香港中央結算有限公司 - 1,395,843,555 0.40 %
上海海煙投資管理有限公 司 ‐ 1,259,445,843 0.36 %
(注)1.上記の表中における「住所」については、主要な株主の住所が分かる限り記載している。
2.香港中央結算代理人有限公司保有の株式の数は、2019年12月31日現在機関投資家および個人投資家に代わり名義人
として保有しているH株式の合計をいう。
3. 香港中央結算有限公司保有の株式の数は、香港および海外の投資家に代わり名義人として同社が保有するA株式
(香港・上海ストックコネクトのノースバウンド株式)の数をいう。
4.MOF、人力資源・社会保障省、国務院国資委員会、国家税務総局およびCSRCにより共同で公布された「社会保障基金
の財源補充のための国有資本の一部移転の完全実施に関する通知」(Cai Zi[2019]第49号)に従い、MOFはSSFの国
有資本移転勘定に13,723,909,471株を一括して移転した。「社会保障基金の財源補充のための国有資本の一部移転
実施計画の発行および分配に関する国務院通知」(Guo Fa[2017]第49号)に従い、SSFは、株式が口座に移転された
日から3年以上のロックアップ期間を遵守する義務を負うものとする。SSFによって当行に提供された「自己資本の
増減に関する簡易報告」によると、SSFは当行のH株式805,709,096株も保有していた。
5.上記の株主のうち、中国人寿保険股 份 有限公司 伝統‐普通保険産品‐005L-CT001 Huおよび中国人寿保険股 份 有限
公司 - 配当分配 - 個人配当 - 005L - FH002 Huはともに中国人寿保険股 份 有限公司 の管理下にある。中国煙草総
公司は、 上海海煙投資管理有限公 司の事実上の支配者である。上記を除き当行は、上記株主間の関係、またそれら
が共同保有者であるか否かについて認識していない。中国人寿保険股 份 有限公司 伝統‐普通保険産品‐005L-
CT001 Huおよび中国人寿保険股 份 有限公司 - 配当分配 - 個人配当 - 005L - FH002 Huが保有する株式の数は、合
計で5,093,587,126であり、当行の株式資本の合計の1.46%を占めた。中 国 煙草総公司および 上海海煙投資管理有限
公 司が保有する株式の数は合計で3,778,337,530株であり、当行の株式資本の合計の1.08%を占めた。
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普通 株式の株式資本の変更
株式資本の変更についての詳細
(単位:株)
2018 年12月31日現在 当該報告期間における増加/減少(+/-) 2019 年12月31日現在
(4) (4)
割合 割合
株式数 (%) 新株式発行数 その他 小計 株式数 (%)
Ⅰ.保有されている譲渡
25,188,916,873 7.20 - - - 25,188,916,873 7.20
(2)
制限株式
(3)
1. 国有
19,959,672,543 5.70 - - - 19,959,672,543 5.70
(3)
2. 国有 法人
5,037,783,373 1.44 - - - 5,037,783,373 1.44
3. その他の国内株式
191,460,957 0.05 - - - 191,460,957 0.05
(3)
Ⅱ.保有されている非譲
渡制限株式 324,794,117,000 92.80 - - - 324,794,117,000 92.80
1. 人民元建て普通
株式 294,055,293,904 84.02 - - - 294,055,293,904 84.02
2. 海外で上場された
(3)
外国投資株式
30,738,823,096 8.78 - - - 30,738,823,096 8.78
Ⅲ.株式総数 349,983,033,873 100.00 - - - 349,983,033,873 100.00
(1) 上記のデータは、中国証券登記結算有限責任公司が発行している株式構成表に基づいている。
(2) 「保有されている譲渡制限株式」とは、法律、規制、規則またはコミットメントに従って、譲渡に関する規制を受ける株
主が保有する株式をいう。
(3) 上記の表中の「国有」とは、MOFおよび匯金公司が保有する株式をいう。「国有法人」とは、中国煙草総公司、上海海煙
投資管理有限公司、中維資本控股股 份 有限公司および中国煙草総公司江蘇省公司が保有する株式をいう。「その他の国内
株式」とは、新華人寿保険股 份 有限公司が保有する株式をいう。「海外で上場された外国投資株式」とは、CSRCの「会社
の公募による情報開示の内容および形式に関する基準第5号-株式保有の変動に関する報告書の内容および形式」(2007年
改正)に定義されたH株式をいう。
(4) 上記の表の「割合」の欄に記載される数値は、小数点第3位で四捨五入されているため、丸め誤差が生じる可能性があ
る。
保有されている譲渡制限株式の取引日
(単位:株)
譲渡制限終了による 保有されている 保有されている
日付 新規取引株式数 譲渡制限株式 非譲渡制限株式 詳細
(株) 残高(株) 残高(株)
中国煙草総公司、上海海煙投資
管理有限公司、中維資本控股股
2021 年7月2日 5,229,244,330 19,959,672,543 330,023,361,330 份 有限公司 、中国煙草総公司江
蘇省公司および新華人寿保険股
份 有限公司
202 3 年 7 月 2 日 19,959,672,543 - 349,983,033,873 匯金公司、MOF
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譲渡に関する規制を受ける株主の株式保有および譲渡制限の条件
(単位:株)
保有されている
譲渡に関する 新規取引株式数
No. 譲渡制限株式数 取引日 譲渡制限
規制を受ける株主 (株)
(株)
1 匯金公司 10,082,342,569 2023 年7月2日 - 株式取得日から5年間
2 MOF 9,877,329,974 2023 年7月2日 - 株式取得日から5年間
3 中国煙草総公司 2,518,891,687 2021 年7月2日 - 私募終了日から36ヶ月間
▶ 上海海煙投資管理有限公司 1,259,445,843 2021 年7月2日 - 私募終了日から36ヶ月間
5 中維資本控股股 份 有限公司 755,667,506 2021 年7月2日 - 私募終了日から36ヶ月間
6 中国煙草総公司江蘇省公司 503,778,337 2021 年7月2日 - 私募終了日から36ヶ月間
7 新華人寿保険股 份 有限公司 191,460,957 2021 年7月2日 - 私募終了日から36ヶ月間
証券の発行および上場に関する詳細
証券の発行
当該報告期間中の当行のその他の証券の発行の詳細に関しては、「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する
注記-Ⅳ-30」を参照のこと。
従業員による株式の保有
当行において、従業員による株式の保有は行われていない。
普通株式の株主に関する詳細
株主数および株式保有に関する詳細
当該報告期間末現在、当行の株主総数は、H株式の保有者22,819名およびA株式の保有者366,871名からなる合
計389,690名であった。当行のA株式年次報告書が公表される月の前月末日である2020年2月29日現在、当行の株主
総数は、H株式の保有者22,760名およびA株式の保有者389,847名からなる合計412,607名であった。
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株主上位10社の株式保有の詳細 (H株式の保有者の株式保有については、H株主名簿に記載のある当行の株主名簿
に記載されている株式数に基づいている。)
株主の総数 389,690名(2019年12月31日現在におけるA株式およびH株式の名簿上の株主数に基づいてい
る。)
株主上位10社の株式保有の詳細 (下記のデータは2019年12月31日現在の名簿上の株主に基づいている。)
(単位:株)
担保対象株
式
当該報告期間
または
譲渡制限の
持株比率
株式の における増加
株主の名称 株主の形態 保有株式総数 対象となる
ロックアッ
種類 /減少数
(%)
保有株式数
プ
(+/-)
対象株式の
数
匯金公司 国有 A株式 - 40.03 140,087,446,351 10,082,342,569 なし
MOF 国有 A株式 -13,723,909,471 35.29 123,515,185,240 9,877,329,974 なし
香港中央結算代理人
外国法人 H株式 -9,018,145 8.73 30,561,081,146 - 不明
有限公司
SSF 国有 A株式 +13,723,909,471 6.72 23,520,968,297 - なし
中国人寿保険股 份 有
限公司 –伝統‐普通
その他 A株式 +2,001,050,149 0.73 2,554,275,099 - なし
保険産品‐005L-
CT001 Hu
中国人寿保険股 份 有
限公司 - 配当分配
その他 A株式 +796,565,637 0.73 2,539,312,027 - なし
- 個人配当 - 005L
- FH002 Hu
中国煙草総公司 国有法人 A株式 - 0.72 2,518,891,687 2,518,891,687 なし
中国 證券金融 股 份 有
国有法人 A株式 - 0.53 1,842,751,186 - なし
限公司
香港中央結算有限公
外国法人 A株式 +516,626,524 0.40 1,395,843,555 - なし
司
上海海煙投資管理有
国有法人 A株式 - 0.36 1,259,445,843 1,259,445,843 なし
限公司
(1)香港中央結算代理人有限公司保有の株式の総数は、2019年12月31日現在機関投資家および個人投資家に代わり名義人とし
て保有しているH株式の合計のことをいう。
(2)香港中央結算有限公司保有の株式の数は、香港および海外の投資家に代わり名義人として同社が保有するA株式(香港・
上海ストックコネクトのノースバウンド株式)の数をいう。
(3)MOF、人力資源・社会保障省、国務院国資委員会、国家税務総局およびCSRCにより共同で公布された「社会保障基金の財
源補充のための国有資本の一部移転の完全実施に関する通知」(Cai Zi[2019]第49号)に従い、MOFはSSFの国有資本移転
勘定に13,723,909,471株を一括して移転した。「社会保障基金の財源補充のための国有資本の一部移転実施計画の発行お
よび分配に関する国務院通知」(Guo Fa[2017]第49号)に従い、SSFは、株式が口座に入金された日から3年以上のロック
アップ期間を遵守する義務を負うものとする。SSFによって当行に提供された「自己資本の増減に関する簡易報告」によ
ると、SSFは当行のH株式805,709,096株も保有していた。
(4)上記の株主のうち、中国人寿保険股 份 有限公司 伝統‐普通保険産品‐005L-CT001 Huおよび中国人寿保険股 份 有限公司
- 配当分配 - 個人配当 - 005L - FH002 Huはともに中国人寿保険股 份 有限公司 の管理下にある。中国煙草総公司は、上
海海煙投資管理有限公司の事実上の支配者である。上記を除き当行は、上記株主間の関係、またそれらが共同保有者であ
るか否かについて認識していない。中国人寿保険股 份 有限公司 伝統‐普通保険産品‐005L-CT001 Huおよび中国人寿保
険股 份 有限公司 - 配当分配 - 個人配当 - 005L - FH002 Huが保有する株式の数は、合計で5,093,587,126であり、当行
の株式資本の合計の1.46%を占めた。中国煙草総公司および上海海煙投資管理有限公司が保有する株式の数は合計で
3,778,337,530株であり、当行の株式資本の合計の1.08%を占めた。
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有価証券報告書
譲渡制限 の規制を受けない株主上位10社の株式保有の詳細 (下記のデータは2019年12月31日現在登録済みの株主
に基づいている。)
(単位:株)
譲渡制限の規制を受けない
株主の名称 株式の種類
保有株式数(株)
匯金公司 130,005,103,782 A株式
MOF 113,637,855,266 A株式
香港中央結算代理人有限公司 30,561,081,146 H株式
SSF 23,520,968,297 A株式
中国人寿保険股 份 有限公司 –伝統‐普通保険産品
2,554,275,099 A株式
‐ 005L-CT001 Hu
中国人寿保険股 份 有限公司 - 配当分配 - 個人配
2,539,312,027 A株式
当 - 005L - FH002 Hu
中国證券金融股 份 有限公司 1,842,751,186 A株式
香港中央結算有限公司 1,395,843,555 A株式
中央匯金資産管理有限責任公司 1,255,434,700 A株式
梧桐樹投資平台有限責任公司 980,723,700 A株式
(1)香港中央結算代理人有限公司保有の株式の総数は、2019年12月31日現在機関投資家および個人投資家に代わり名義人とし
て保有しているH株式の合計のことをいう。
(2)香港中央結算有限公司保有の株式の数は、香港および海外の投資家に代わり名義人として同社が保有するA株式(香港・
上海ストックコネクトのノースバウンド株式)の数をいう。
(3)中央匯金資産管理有限責任公司は、匯金公司の完全子会社である。中国人寿保険股 份 有限公司 伝統‐普通保険産品‐
005L-CT001 Huおよび中国人寿保険股 份 有限公司 - 配当分配 - 個人配当 - 005L - FH002 Huはともに中国人寿保険股 份
有限公司 の管理下にある。上記を除き、当行は、上記株主間ならびに上記株主および株主上位10社間の関係、またそれら
が共同保有者であるか否かについて認識していない。
大株主の詳細
当該報告期間において、当行の大株主および支配株主に変更はなく、事実上の支配者は存在しなかった。
MOF
1949年10月に設立されたMOFは、国務院の下位に属する部の1つで、マクロ経済統制ならびに国家の財政政策およ
び税金政策の規制を担う権限を有する。
2019年12月31日現在、MOFは当行株式123,515,185,240株を保有しており、これは当行の総株式資本の35.29%で
あった。
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匯金公司
匯金公司は、中華人民共和国の会社法に従い中国政府により出資された登録資本金828,209百万人民元の完全国
有会社として2003年12月16日に設立された。匯金公司の登録住所は、北京市東城区朝陽門北大街1号新保利大廈で
ある。匯金公司の統一社会信用コードは911000007109329615であり、法定代表者は彭純氏である。匯金公司は、国
務院の認可を受けて、国有金融資産の価値を維持しかつ高める目的で、主要な国有金融機関に対して株式投資を行
う。匯金公司は、その資本拠出の範囲内で、中国政府に代わり、主要な国有金融機関に対して出資者としての権利
を行使しかつ義務を履行することができる。匯金公司は、その他の商業活動に従事しておらず、また匯金公司が統
制する主要な国有金融企業の通常業務に干渉することもない。
匯金公司は、被投資会社の財務書類の監査完了までに2019年度の監査済みの財務報告書を提出できなかったた
め、以下の財務情報は、2018年度の監査済みのものである。2018年12月31日現在、匯金公司の資産合計は、
4,753,591,974.3千人民元、負債合計は491,246,057.6千人民元、自己資本額は4,262,345,916.7千人民元であっ
た。2018年度の純利益は、469,472,211.3千人民元であった。2018年度の営業活動、投資活動および財務活動によ
るキャッシュ・フロー純額は、16,032,756.3千人民元であった。
2019年12月31日現在、匯金公司の被投資会社の直接株式保有は、以下のとおりである。
匯金公司による
機関の種類 No. 機関の名称 株式保有
1 国家開発銀行股 份 有限公司 34.68 %
★☆
2 中国工商銀行股 份 有限公司 34.71 %
★☆
3 中国農業銀行股 份 有限公司 40.03 %
★☆
▶ 中国銀行股 份 有限公司 64.02 %
銀行
★☆
5 中国建設銀行股 份 有限公司 57.11 %
★☆
6 中国光大銀行股 份 有限公司 19.53 %
7 恒豐銀行股 份 有限公司 53.95 %
8 中国光大集團股 份 公司 55.67 %
9 中国建銀投資有限責任公司 100.00 %
総合機関
10 中国銀河金融控股有限責任公司 69.07 %
★☆
11 20.05 %
申萬宏源集団股 份 有限公司
12 中国出口信用保険公司 73.63 %
☆
13 中国再保険(集団)股 份 有限公司 71.56 %
保険
★☆
14 新華人寿保険股 份 有限公司 31.34 %
☆
15 中国国際金融股 份 有限公司 44.32 %
証券
★☆
16 31.21 %
中信建投 証券 股 份 有限公司
17 建投中信資 產 管理有限責任公司 70.00 %
その他
18 国泰君安投資管理股 份 有限公司 14.54 %
(1) ★は A株式を上場している会社、 ☆は H株式を上場している会社をいう 。
(2) 上記の被投資会社の他に中央匯金資産管理有限責任公司は匯金公司の完全子会社である。中央匯金資産管理有限責任公司
は、2015年11月に北京で設立および法人化された、登録資本金5十億人民元の会社である。かかる会社は資産管理業務を
行っている。
2019年12月31日現在、匯金公司は当行株式140,087,446,351株を保有しており、これは当行の総株式資本の
40.03%であった。当該報告期間中、匯金公司は呉江濤氏を当行の非執行取締役に任命した。
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SSF
SSFは、MOFの管理下にある公的機関であり、2000年8月に設立された。その登録住所は、北京市西城區豐匯園11
號樓豐匯時代大廈南座であり、法定代表者は劉偉氏である。国務院の承認を得て、MOFおよび人力資源・社会保障
省の要件に従い、国家社会保障基金、個人口座への中央補助基金、企業従業員のための養老保険基本基金の一部、
基本養老保険基金および移転された国有資産の一部の運用を委託されている。
当該報告期間中、MOF、人力資源・社会保障省、国務院国資委員会、国家税務総局およびCSRCにより共同で公布
された「社会保障基金の財源補充のための国有資本の一部移転の完全実施に関する通知」(Cai Zi[2019]第49号)
に従い、MOFはSSFの国有資本移転勘定に13,723,909,471株を一括して移転した。
2019年12月31日現在、MOF、匯金公司およびSSFを除いて当行の5%以上の株式持分を保有する実質株主は存在し
ない。
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大株主およびその他の者が保有する持分およびショート・ポジション
2019年12月31日現在、当行は、当行の株式または潜在株式の持分またはショート・ポジションを保有しているこ
とに関する報告書を以下の者から受領している。この持分またはショート・ポジションの詳細は以下の通りであ
り、香港証券先物条例第336条に基づき記録が義務付けられている株主名簿に記載されている。
発行済
発行済
持分および
ショート・ 株式 総数
種類株式
名称 立場 所有形態
ポジション
に対する割合
に対する割合
(株)
(%)
(%)
140,087,446,351 ロング・
実質株主 43.88 40.03
(A株式) ポジション
匯金公司
1,255,434,700 ロング・
支配事業体持分 0.39 0.36
(A株式) ポジション
133,312,244,066
ロング・
(1)
実質株主/名義人
MOF 41.76 38.09
(2)
(A株式)
ポジション
ロング・
23,520,968,297
SSF 実質株主 7.37 6.72
(A株式)
ポジション
2,528,604,097 ロング・
8.23 0.72
ザ・バンク・オブ・
(H株式) ポジション
ニューヨーク・メロ 支配事業体持分
2,475,577,852
ン・コーポレーション
貸出目的株式 8.05 0.71
(H株式)
2,448,859,255
ロング・
カタール投資庁 支配事業体持分 7.97 0.70
(3)
ポジション
(H株式)
2,408,696,255
ロング・
カタール・ホールディ
実質株主 7.84 0.69
(3)
ング・エルエルシー
ポジション
(H株式)
2,151,249,908
ロング・
6.99 0.61
(4)
ポジション
(H株式)
ブラックロック・イン
支配事業体持分
ク
7,326,000 ショート・
0.02 0.00
(H株式) ポジション
1,851,234
ロング・
担保付株式所有者 0.01 0.00
(5)
ポジション
(H株式)
91,693,261
ロング・
0.30 0.03
(5)
ポジション
(H株式)
シティグループ・イン
支配事業体持分
ク
ショート・
41,306,379
0.13 0.01
(H株式)
ポジション
1,462,864,843
公認貸付代理人 貸出目的株式 4.75 0.42
(5)
(H株式)
(1) このうち、A株式9,797,058,826株はSSFが保有しているが、かかる株式の議決権は、2010年4月21日付株式引受契約およ
び2010年5月5日にMOFにより公布された中国農業銀行の国有株式譲渡案の認可に従い、MOFに譲渡された。
(2) 2019 年12月31日現在の当行の株主名簿によると、MOFは、当行のA株式123,515,185,240株を所有し、当行の発行済みA株
式に占める割合は38.69%、発行済み株式総数に占める割合は35.29%である。
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(3) カタール投資庁は、カタール投資庁の完全子会社であるカタール・ホールディング・エルエルシーおよびQSMA1・エルエ
ルシーが保有するH株式合計2,448,859,255株に対して持分を有するものとみなされている。
(4) ブラックロック・インクは、ブラックロック・インクの完全子会社であるブラックロック・インベストメント・マネジメ
ント・エルエルシーおよびブラックロック・フィナンシャル・マネジメント・インクが直接的および間接的に保有するH
株式合計2,151,249,908株に対して持分を有するものとみなされている。
(5) シティグループ・インクは、シティグループ・インクの完全子会社であるシティコープ・エルエルシーおよびシティバン
ク・エヌ・エーが直接的および間接的に保有するH株式合計1,556,409,338株に対して持分を有するものとみなされてい
る。
優先株式の詳細
優先株式の発行および上市
承認済
調達された
優先株式 発行済 みで上
優先株式 譲渡 手取金
(1)
の証券 発行日 発行価格 優先 上市日 市され 手取金の使途
利率
の名称 期限日 (単位:
コード 株式数 た優先
人民元)
株式数
1 株当た
2014 年 400 2014 年 400 該当 その他Tier1資本
360001 農行優1 り100 5.32 % 40 十億
10 月31日 百万株 11 月28日 百万株 なし の補充
人民元
1 株当た
2015 年 400 2015 年 400 該当 その他Tier1資本
360009 農行優2 り100 4.84 % 40 十億
3 月6日 百万株 3 月27日 百万株 なし の補充
人民元
(1) 2019年11月5日より始まる第2配当期間は「農行優1」の利率は、5.32%となる。
2020 年3月11日より始まる第2配当期間は「農行優2」の利率は、4.84%となる。
上記優先株式の発行の条件および詳細については、上海証券取引所、香港証券取引所および当行のウェブサイト
に当行によって発表された公表文を参照のこと。
優先株式の保有者数および保有の詳細
(1)
当該報告期間末現在、当行の優先株式「農行優1」(証券コード:360001)の株主は合計25名 であった。2020年2
月29日(当行のA株式年次報告書が公表される月の前月末日)現在、当行の優先株式「農行優1」(証券コード:
360001)の株主は合計25名であった。
(1) 優先株式の株主数は、優先株式を保有する適格投資家の数に基づいて算出された。適格投資家の数を算出するにあたり、
管理する複数の商品を通じて優先株式を購入する資産管理機関については、1社として計算される。
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優先株式「農行優1」(証券コード:360001)の株主上位10名の株式保有の詳細
(単位:株)
担保対象優先
当該報告期間
株式または
(▶)
における増 持株比率
株主の形態 株式の
(1)
株主の名称
保有優先株式数 ロックアップ
(2)
(3)
加/減少数
種類
(%)
対象優先株式
(+/-)
の数
国内優先
交銀施羅徳資産管理
その他 - 60,000,000 15.00 % なし
有限公司
株式
国内優先
招商基金管理有限公
その他 - 49,000,000 12.25 % なし
司
株式
国内優先
北京天地方中資産管
その他 - 35,000,000 8.75 % なし
理有限公司
株式
国内優先
中国人民人寿保険股
その他 - 30,000,000 7.50 % なし
份 有限公司 株式
国内優先
中國平安人寿保険股
その他 - 30,000,000 7.50 % なし
份 有限公司
株式
和諧健康保険股 份 有 国内優先
その他 - 30,000,000 7.50 % なし
限公司 株式
国内優先
北京国際信託有限公
その他 - 30,000,000 7.50 % なし
司
株式
国内優先
中海信託股 份 有限公
その他 - 20,000,000 5.00 % なし
司
株式
国内優先
寧波銀行股 份 有限公
その他 - 15,000,000 3.75 % なし
司
株式
国内優先
北銀豊業資産管理有
その他 - 12,000,000 3.00 % なし
限公司
株式
(1) 当行は、 上記優先株式 の株主間における関係の有無および上記優先株式の株主と普通株式の株主上位10社間における関係
の有無について何ら認識しておらず、これらの者が協調行動をとっている者であるか否かも認識していない。
(2) 「会社の公募による情報開示の内容および形式に関する基準第2号-年次報告書の内容および形式」(2017年改正) によ
れば、「優先株式の株主の詳細には、国および海外保有者を代理して株式を保有する事業体を示さなければならない」。
国および海外保有者を代理して株式を保有する事業体を除いて、その他の優先株式の株主の形態は「その他」としてい
る。
(3) 「当該報告期間における増加/減少数(+/-)」とは、流通市場における取引による株式保有の変動を指す。
(4) 「持株比率」は、優先株式の株主が保有する「農行優1」が「農行優1」の総数(400百万株)に占める割合を指す。
当該報告期間末現在、当行の優先株式「農行優2」(証券コード:360009)の株主は合計32名であった。2020年2月
29日(当行のA株式年次報告書が公表される月の前月末日)現在、当行の優先株式「農行優2」(証券コード:
360009)の株主は合計32名であった。
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優先株式「農行優2」(証券コード:360009)の株主上位10名の株式保有の詳細
(単位:株)
担保対象優先
当該報告期間
株式または
(▶)
における増 持株比率
株主の形態 株式の
(1)
株主の名称
保有優先株式数 ロックアップ
(2)
(3)
加/減少数
種類
(%)
対象優先株式
(+/-)
の数
国内優先
中国人寿保険股 份 有
その他 - 50,000,000 12.50 % なし
限公司
株式
国内優先
中国煙草総公司 その他 - 50,000,000 12.50 % なし
株式
国内優先
北京千石創富資本管
その他 - 25,000,000 6.25 % なし
理有限公司
株式
国内優先
永贏基金管理有限公
その他 - 25,000,000 6.25 % なし
司 株式
国内優先
中国移動通信集団公
その他 - 20,000,000 5.00 % なし
司
株式
国内優先
交銀施羅徳資産管理
その他 - 20,000,000 5.00 % なし
有限公司
株式
国内優先
中国銀行股 份 有限公
その他 - 20,000,000 5.00 % なし
司 上海市分行
株式
国内優先
中国煙草総公司江蘇
その他 - 20,000,000 5.00 % なし
省公司
株式
国内優先
中国煙草総公司雲南
その他 - 20,000,000 5.00 % なし
省公司
株式
国内優先
上海煙草集団有限責
その他 - 15,700,000 3.93 % なし
任公司
株式
(1) 中国煙草総公司江蘇省公司、中国煙草総公司雲南省公司および上海煙草集団有限責任公司は、中国煙草総公司の完全子会
社である。中国煙草総公司は、上海海煙投資管理有限公司の事実上の支配者である。中国人寿保険股 份 有限公司 伝統‐
普通保険産品‐005L-CT001 Huおよび中国人寿保険股 份 有限公司 -配当-個人配当-005L-FH002 Huは、中国人寿保険股 份 有
限公司 が運営している。上記を除き、当行は、上記優先株式の株主間における関係の有無および上記優先株式の株主と普
通株式の株主上位10社間における関係の有無について何ら認識しておらず、これらの者が協調行動をとっているか否かも
認識していない。
(2) 公募についての会社の情報開示の内容および形式-年次報告書の内容および形式(2017年改正)に関する基準第2号 によ
れば、「優先株式の株主の詳細には、国および海外保有者を代理して株式を保有する事業体を示さなければならない」。
国および海外保有者を代理して株式を保有する事業体を除いて、その他の優先株式の株主の形態は「その他」としてい
る。
(3) 「当該報告期間における増加/減少数(+/-)」とは、流通市場における取引による株式保有の変動を指す。
(4) 「持株比率」は、優先株式の株主が保有する「農行優2」が「農行優2」の総数(400百万株)に占める割合を指す。
当行の優先株式「農行優1」および「農行優2」は、非譲渡制限株式であり、非譲渡制限株式である優先株式「農
行優1」および「農行優2」の上位10名の株主は、優先株式の上位10名の株主と同じである。
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優先株式の利益分配
当行の優先株式の配当は、現金で年1回支払われる。当行が優先株式の株主への配当の一部またはすべてを取り
消す旨決議した場合、当期中の支払われなかったかかる配当は、次の配当期間に累積されないものとする。当行の
優先株式の株主は、合意された配当率で配当を受領後、普通株式の株主に帰属する残余利益の分配に参加しないも
のとする。
当該報告期間中の2019年3月11日、当行は、2019年3月8日の営業終了時に株主名簿に氏名が記載されていた「農
行優2」(証券コード:360009)のすべての保有者に対し、1優先株当たり5.50人民元(税引前)、総額2.2十億人
民元(税引前)(5.50%の利率で計算されている。)の現金配当を行った。2019年11月5日、当行は、2019年11月4
日の営業終了時に株主名簿に氏名が記載されていた「農行優1」(証券コード:360001)のすべての保有者に対
し、1優先株当たり6.00人民元(税引前)、総額2.4十億人民元(税引前)(6.00%の利率で計算されている。)の
現金配当を行った。
2020年3月11日、当行は、2020年3月10日の営業終了時に株主名簿に氏名が記載されていた「農行優2」(証券
コード:360009)のすべての保有者に対し、1優先株当たり5.50人民元(税引前)、総額2.2十億人民元(税引前)
(5.50%の利率で計算されている。)の現金配当を行った。
上記配当の詳細については、上海証券取引所のウェブサイトおよび当行のウェブサイトに発表された当行の公表
文を参照のこと。
優先株式の取得および転換
当該報告期間中、当行により発行された優先株式の取得または転換は行われなかった。
優先株式の議決権の復活
当該報告期間中、当行により発行された優先株式の議決権の復活はなかった。
会計方針
MOFが発行した 企業会計基準第22号「金融商品の認識および測定」、企業会計基準第37号「金融商品の表示なら
びに金融負債および資本性商品の差異に関する引当金ならびに関連する会計処理」 と併せて、国際会計基準審議会
が公布した IFRS第9号「金融商品」およびIAS第32号「金融商品:表示」 に従い、当行は、優先株式「農行優1」
(証券コード:360001)および「農行優2」(証券コード:360009)が、資本性金融商品の定義を満たしていると
考えている。
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2【配当政策】
利益および配当の分配
2019年12月31日に終了した事業年度における当行の利益は、「第3-3 経営者による財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析」に記載されている。
2018年度年次総会による承認を得て、当行は、2019年6月18日の営業終了時の当行の株主名簿上のA株式および
H株式の株主に対して、10株当たり1.739人民元(税引前)、合計60,862百万人民元(税引前)の現金配当を分配
した。
取締役会は、2019年度につき普通株式349,983,033,873株の10株当たり1.819人民元(税引前)、合計約63,662百
万人民元(税引前)の現金配当の分配を提案した。分配案は、2019年度年次総会における株主の承認のために提出
される。承認を得た後、かかる配当は、2020年7月9日において当行の株主名簿に氏名が記載されているA株式およ
びH株式の保有者に支払われる。H株式の譲渡届出は、2020年7月4日から2020年7月9日(両日を含む。)まで締め
切られる。提案された現金配当の分配の資格を得るために、H株式の株主は、譲渡文書および当該株券を、当行の
H株式の株式登録機関である、香港灣仔皇后大道東183号合和中心17樓1712 1716室に所在する香港中央證券登記有
限公司に、2020年7月3日16時30分(同時刻を含む。)までに預託しなければならない。A株式の配当は、2020年7
月10日に支払われる予定であり、H株式の配当は、2020年7月31日までに支払われる予定である。かかる日程に変
更があった場合、別途開示が行われる。
以下の表は、過去3年間における当行の現金配当支払額を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2016 年 2017 年 2018 年
現金配当(税引前) 55,215 57,911 60,862
(1)
現金配当支払率 (%)
30.0 30.0 30.0
(1) 現金配当(税引前)を当行の株主に帰属する当該報告期間の純利益で除したものを表す。
国税 発 [1993]第045号の廃止後の個人所得税の徴収および管理問題に関する国家税務総局の通達(国税函
[2011]第348号) に基づき、香港における国内の非外国投資企業の発行済み株式を保有する株主である中華人民
共和国国外に居住している個人は、中国本土および居住者が居住している国との租税条約ならびに中国本土および
香港(マカオ)の課税方式に基づいた優遇税率を享受する。香港で株式を発行している国内の非外国投資企業が株
主に配当を分配する際は、個人の株主は、関連する税法および租税条約で義務付けられる場合を除き、原則として
10%の源泉徴収税率を課される。
国家税務総局の定める 非居住者である外国企業のH株式の保有者に対し中国居住者である企業から支払われる配
当に係る法人所得税の源泉徴収の問題に関する通達(国税函[2008]第897号) に基づき、当行は、H株式の株主
のうち非居住者である企業に対する配当の支払いについては、H株式において支払われるべき配当から10%の税率
による法人所得税の源泉徴収を行わなければならない。
当行が支払う配当に関し、香港において税金は、香港税務局の慣行により、課税されない。
株主は、当行のH株式の保有および処分により生じる中華人民共和国、香港における税金に関する関連事項およ
びその他の税金に関する関連事項に関し、アドバイザーに相談することが望まれる。
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3【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
コーポレート・ガバナンスの組織構造
株主総会の責任
当行の力を支配するものとして、当行の株主総会はすべての株主で形成される。当行の株主総会は、とりわけ、
以下に責任を負う。
・ 当行の事業方針および投資計画の決定
・ 取締役の選任、交替および解任ならびに当該取締役の報酬に関する事項の決定
・ 外部監査役および株主を代表する監査役の選任、交替および解任ならびに当該監査役の報酬に関する事項の
決定
・ 取締役会の事業報告書および監査役会の業務報告書の審議および承認
・ 当行の年次財務予算案および決算案ならびに利益処分および損失補填案の審議および承認
・ 当行の登録資本の増減、社債およびその他流通有価証券の発行および上場、合併、分割、解散、清算、会社
形態の変更ならびに普通株式の自己株式取得に関する決議の採択
・ 定款の修正ならびに株主総会議事規則、取締役会議事規則および監査役会議事規則等の検討および採択
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取締役会の責任
当行の政策決定機関として、取締役会は株主総会に対して説明責任があり、その業務を報告するものとする。取
締役会は、とりわけ、以下に責任を負う。
・ 株主総会の開催および株主総会ヘの報告
・ 株主総会決議の履行
・ 当行の発展戦略、事業計画および投資提案の決定
・ 当行の年次財務予算案および決算案、利益処分案および損失補填案、登録資本の増減および財務再建に関す
る提案、資本補充計画(とりわけ、社債およびその他流通有価証券の発行計画および上場計画を含む。)の
策定
・ 合併、分割、解散または会社形態の変更に関する提案の策定
・ 普通株式の自己株式取得案の策定
・ 当行の基本管理システムおよび方針の実施の確立および監督
・ リスク管理および内部統制のための基本管理システムの確立および改善
・ 全体的なリスク管理の報告書およびリスクに基づいた資本配分の計画の考察および承認ならびに当行のリス
ク管理の実効性の評価
・ 当行の定款、株主総会議事規則および取締役会議事規則の修正案の策定ならびにそれに関連するコーポレー
ト・ガバナンスのシステムの確立
・ 総裁および取締役会秘書役の任命または解任
・ 総裁により指名された副総裁およびその他の各幹部役員(取締役会の秘書役を除く。)の任命または解任
・ 当行のコーポレート・ガバナンスの評価および改善
・ 当行の情報開示に関連する事項の管理
監査役会 の責任
当行の監査機関として、監査役会は株主総会に対して説明責任があり、報告するものとする。監査役会は、とり
わけ、以下に責任を負う。
・ 取締役会および幹部役員の業績の監督、取締役および各幹部役員の職務履行の監督およびそれに応じた調査
ならびに取締役および各幹部役員に対する当行の利益を損なう行為の是正要求
・ 退任する取締役および各幹部役員に対する監査の必要に応じた実施
・ 監査役の報酬および手当ての分配計画の策定ならびに承認のためのかかる計画の株主総会への提出
・ 財務活動、経営決定、リスク管理および内部統制の監督ならびに内部監査業務に関しての助言
・ 取締役会により株主総会に対して提出された財務会計報告書、事業報告書および利益処分案の検討
・ 県域銀行業務の発展に向けた戦略計画、方針および全般的な管理の実施の監督
・ 株主総会に対する提案の提出
・ 株主代表監査役、外部監査役および独立取締役の指名
・ 監査役会議事規則の修正案の策定
・ 外部監査機関の任命、免職および再任命のコンプライアンス、契約の期間および報酬の公正さならびに外部
監査の独立性および有効性の監督
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幹部役員の責任
当行の執行機関として、幹部役員は取締役会に対し説明責任を負うものとし、監査役会の監督下に置かれるもの
とする。幹部役員は、とりわけ、以下に責任を負う。
・ 当行の運営および管理の責任を負い、取締役会決議の実施を手配すること
・ 当行の基本的管理システムおよび方針の策定ならびに当行の特別規則および規制(内部監査規則および規制
を除く。)の確立
・ 当行の事業計画および投資計画の策定ならびに取締役会の承認後に当該計画を実施するための手配をするこ
と
・ 当行の年次財務予算および決算案、リスク資本分配計画、利益処分計画、損失補填計画、登録資本の増減計
画、社債またはその他の有価証券の発行計画および上場計画ならびに自己株式取得計画の策定および取締役
会への提案
株主総会、取締役会、監査役会および幹部役員の詳細な責任については、定款を参照のこと。
コーポレート・ ガバナンス の展開
国際的な一流の商業銀行グループに築き上げることを目標にして、当行は、コーポレート・ガバナンスの構造、
メカニズムおよび方針システムを最適化することで、当行のコーポレート・ガバナンスの近代化を継続した。これ
は、リスク管理、当行のリターンの改善および持続可能な発展について、当行のコーポレート・ガバナンスの基盤
を継続的に連結するためである。法令や規制を遵守して、当行は各ガバナンス機関が独立して活動し、効果的に均
衡を保ち、効率的に協力および調整するという指針に厳密に従った。当行は取締役会が合理的に決定を下し、監査
役会が厳密に監査を行い、幹部役員が効果的に実行する現代的なコーポレート・ガバナンス・メカニズムを、継続
的に最適化した。
コーポレート・ガバナンスの組織構造
当該報告期間において、当行は、コーポレート・ガバナンスの組織的な構造を改善し続け、機能を最適化し、職
務を果たす能力を強化し、カウンター・バランスのガバナンス・メカニズムを引き続き改善した。当行は、特定の
取締役および監査役を任命および再任命し、取締役会、監査役会およびそれらの各特別委員会の構成を調整した。
さらに、当行は、幹部役員の構成を調整し、幹部役員の特別委員会の責任を改善した。
コーポレート・ガバナンスのメカニズム
当行は、科学的な決定をする上で取締役会の役割を十分に活用し、率先して戦略を立てている。当行の取締役会
は、当行の価値創成を促進することおよびコーポレート・ガバナンスの効率性を高めることを目標とし、コーポ
レート・ガバナンスにおける自身の重要な役割を十分に活用した。当該報告期間において、向上を求める原則に従
う一方で、業績を安定させるよう活動し、発展のための新しい展望を遵守し、実体経済へサービスを提供すること
で、当行の取締役会は、引き続き価値創成を促進し、持続可能な開発能力を強化した。取締役会は、供給側の構造
的改革のための金融サービスに努力を捧げ、金銭上の貧困緩和および「三農」への金融サービスの提供を強化し
た。取締役会は、主要な分野における改革および革新を推し進め、最初の事業戦略としてデジタル改革を行うこと
で当行の改革および発展を率いた。取締役会は、包括的リスク管理を強化して、リスクを効果的に防止および軽減
し、リスク制限に対する厳しいアプローチに忠実に従った。当行の取締役会はまた、標準化した方法で取締役会の
構築を進め、取締役が自身の職務をこなすための能力を強化し続けた。
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当行の監査役会は、その監査役の職務を十分に果たしている。当該報告期間において、実体経済に報い、金融リ
スクを防ぎ、事業変革を進め、継続的に改革を推し進めるといった行為に集中して、監査役会は、国家的な重要成
長戦略への支援、「三農」へのサービスの提供、金銭上の貧困緩和、包括的な金融発展の促進ならびに個人企業へ
の支援といった分野において、当行のサービスの質および効率に関する監査を強化し、それに従って関連する監査
役による助言を行った。監査役会は、引き続き、取締役会、幹部役員およびそれらの構成員の適正評価監督を強化
した。監査役会はまた、事業変革を促進するために金融上の監督を強化した。監査役会は、その内部統制の有効性
を引き続き改善するため、リスクおよび内部統制についての監督を強化した。
当行は、幹部役員による執行の有効性を高めるように努めている。当該報告期間において、取締役会からの承認
に厳密に従って、幹部役員は取締役会によるすべての決定を、監査役会の包括的監督のもとに効果的に実行した。
幹部役員は、実体経済へサービスを提供するため、当行の管理および発展のための国家的戦略展開および「6次元
戦略」を実施した。幹部役員は、「三農」にサービスを提供するという社会的責任を十分に果たし、貧困対策およ
び地方活性化のための金融サービスを提供した。「クリーンアップ計画」、「資産連結計画」および「効率的強化
計画」という3つの主要な計画において確実な進展が見られ、当行の目的は連続して達成された。幹部役員は、テ
クノロジーを強化し、デジタル化を促進した。当行の安定した事業およびコンプライアンス事業の発展を確実にす
るためにマネジメントの基礎を継続して強化した。当行の持続的な発展のための基礎を強化するため、業務上弱い
分野を強化する努力がなされた。
コーポレート・ガバナンスのシステムの改善
当行はさらに、コーポレート・ガバナンスのためのシステムを改善した。当該報告期間において、法律、規制お
よび直近の規制要件に従い、当行は包括的にコーポレート・ガバナンスシステムを評価し、コーポレート・ガバナ
ンスに関連する書類の修正を開始した。
コーポレート・ガバナンス準則
当行は、当該報告期間において、香港上場規則別紙14に規定されたコーポレート・ガバナンス準則のすべての原
則および準則規定に完全に準拠していた。
取締役会は、積極的にそのコーポレート・ガバナンス職務を果たし、コーポレート・ガバナンスの関連あるシス
テムを引き続き改善し、当行のコーポレート・ガバナンスを評価し改善し続けた。取締役会の管轄下にある委員会
は、コーポレート・ガバナンスの適用ある要件に従って厳密にその職務を果たした。
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コーポレート・ガバナンスにおける自己評価
コーポレート・ガバナンスに対するCBIRCの監査手法および評価手法に従い、当行は、2019年の当行のコーポ
レート・ガバナンス業務における自己評価を行った。かかる評価は株主のガバナンス、取締役会のガバナンス、監
査役会のガバナンス、関連取引のガバナンスおよびにその他出資者のガバナンスといった8つの側面に関するもの
である。自己評価の結果は、効果的に機能しているコーポレート・ガバナンス・メカニズムのもと、当行のコーポ
レート・ガバナンスの本体がそれぞれの業務を遂行し、効果的なカウンター・バランスとともに責任を果たしてい
ることを示した。
取締役会および特別委員会
取締役会の構成
当該報告期間末現在、当行の取締役会は、2名の執行取締役(周慕冰氏および張克秋氏)、6名の非執行取締役
(徐建東氏、陣剣波氏、廖路明氏、李奇雲氏、李蔚氏および呉江濤氏)ならびに5名の独立非執行取締役(肖星
氏、王欣新氏、 黄 振中氏、梁高美懿氏および劉守英氏)からなる13名の取締役により構成されている。在任中の取
締役の詳細は、「(2)①当行の取締役、監査役および幹部役員」の項目を参照のこと。
当行は、取締役会の構成の多様性を維持する当行の意見を規定する、取締役会の構成に関する多様性に関する方
針およびかかる多様性を達成するために当行が採用する方法を策定した。当行は、取締役会の構成の多様性の有益
性を認め、理解しており、取締役会の構成の多様性が、当行の戦略的目標を達成し、当行の競争力を維持し、持続
可能な発展を達成するための重要な要素であると考えた。当行は、取締役会の構成を決定するに際し、才能、技
能、業界経験、文化的背景、学歴、性別、年齢、人種およびその他の要素を含む様々な側面から取締役会の構成の
多様性を検討する。取締役のすべての任命は、取締役会の総合的な運営に要する才能、技能および経験を考慮した
後に決定される。
(注) 梁高美懿氏は、経済学および会計に関する職歴がある。
取締役会は、会計、法律および経済学等の多様な分野の専門家で構成され、性別、年齢、勤続期間等の点で多様
化した。かかる多様性は、意思決定および戦略マネジメントにおける取締役会の能力を効果的に向上させた。
取締役会
取締役会は、取締役会の会議において議事の検討を行う。当該報告期間において、取締役会は合計11回の取締役
会を開催し、2018年度最終決算案、2018年度の年次報告書および取締役の指名を含む、75の提案が審議された。
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独立非執行取締役の独立および職務 履行
定款には独立非執行取締役の独立および当行の独立取締役の業務システムについての明確な規定があり、かかる
規定は、有力株主もしくは当行の事実上の管理者または当行に実質的に興味をもつ事業体もしくは個人による影響
を受けることなく、独立非執行取締役が自らの業務を独立して行い、独立かつ客観的な判断を下すことを要求して
いる。
当該報告期間末日現在、独立非執行取締役の資格、人数および構成は適用ある規制上の要件すべてを遵守してい
た。指名および報酬委員会、 監査およびコンプライアンス委員会ならびに関連取引管理委員会の大半は独立非執行取締役で
あった。 独立非執行取締役は、当行または当行の子会社の事業または経済的利害に関与しておらず、また当行のい
かなる管理的な地位にも就いていなかった。当行は、すべての独立非執行取締役より年次の独立性確認書を受領し
ており、これらの独立非執行取締役の独立性を確認している。
当該報告期間において、独立非執行取締役は、取締役会および特別委員会に出席し、その専門的な能力および業
務経験を活かし、リスク管理および年次監査プロジェクトといった、主要な決定事項に関して独立した客観的な助
言を行った。当行の独立非執行取締役は、幹部役員、事業部門および外部監査人とのコミュニケーションを積極的
に強化し、また、重要な業務に係る会議への出席、重要な事業の特別報告の聴取および外部監査人とのセミナーへ
の出席を通して、当行の運営および管理を徹底的に研究した。独立非執行取締役は、誠実かつ熱心に職務を真摯に
執行し、独立非執行取締役のための業務指標に従い、取締役会が合理的な決定を行うことに対し強い後ろ盾を提供
し、当行の利益および当行の株主の保護を着実なものとした。当行は、独立非執行取締役の意見および助言を高く
評価し、かかる意見および助言を積極的に実行した。
当該報告期間において、独立非業務執行取締役より取締役会または特別委員会の決議に異議は付されなかった。
詳細は、上海証券取引所のウェブサイトで発表された 当年度における独立非執行取締役の業務報告書 にて開示され
ている。
取締役会の特別委員会
取締役会は、戦略計画委員会、県域銀行業務/包括的財政発展委員会、指名および報酬委員会、監査およびコン
プライアンス委員会、(直下の関連取引監視委員会と共に)リスク管理/消費者利益保護委員会ならびに米国地域
における機関のリスク管理委員会(その責任は、すべてリスク管理/消費者利益保護委員会に引き継がれる。)を
(1)
設置した。当該報告期間において、取締役会の特別委員会の構成に関する調整 は、次の通りである。
2019年1月、胡孝輝氏は戦略計画委員会、県域銀行業務/包括的財政発展委員会ならびに監査およびコンプライ
アンス委員会の一員を退任した。
2019年8月、当行の取締役会は、蔡東氏、張克秋氏、肖星氏、王欣新氏、黄振中氏、梁高美懿氏、劉守英氏、徐
建東氏、廖路明氏、李蔚氏および呉江濤氏の職位を調整するための取締役会の特別委員会の委員長および委員の調
整についての提案を確認し承認した。温鐵軍氏および袁天凡氏は、任期満了により当行の取締役会の特別委員会に
関連する職位を降りた。詳細については、2019年8月30日付の香港証券取引所のウェブサイト上および2019年8月31
日付の上海証券取引所のウェブサイト上で当行により公表されたアナウンスを参照のこと。
2019年10月、蔡東氏は、戦略計画委員会、リスク管理/消費者利益保護委員会および米国地域における機関のリ
スク管理委員会を退任した。
2019年11月、蔡東氏は、戦略計画委員会および県域銀行業務/包括的財政発展委員会の一員を退任した。
(1) 2020 年1月から、 張 青松 氏は、 戦略計画委員会のメンバー、 県域銀行業務/包括的財政発展委員会の委員長およびメン
バーならびに指名および報酬委員会 のメンバーに就任した。
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戦略計画委員会
当該報告期間末現在、取締役会の戦略計画委員会の構成員は、周慕冰氏(取締役会委員長)、張克秋氏(執行取
締役)、徐建東氏、陳剣波氏、廖路明氏および李奇雲氏(いずれも非執行取締役)、ならびに肖星氏(独立非業務
執行取締役)の7名の取締役である。取締役会の会長である周慕冰氏が、取締役会の戦略計画委員会の委員長であ
る。戦略計画委員会の主な職務は、全体的な戦略発展計画および具体的な戦略的開発計画、法人設立のための主要
な投資計画および財務計画、当行の発展に不可欠なその他の重要事項を審査することならびに取締役会への提案を
行うことである。
当該報告期間において、取締役会の戦略計画委員会は6回開催され、2019年度の運営計画、2019年度の固定資産
投資予算および日付の記載のない出資社債の発行を含む17の提案が審議された。戦略計画委員会は、出資社債の発
行および不良債権の会計処理を含む側面についての関連する助言および提言を行った。
県域銀行業務/包括的財政発展委員会
当該間末現在、取締役会の県域銀行業務/包括的財政発展委員会の構成員は、陳剣波氏、廖路明氏、李蔚氏およ
び呉江濤氏(いずれも非執行取締役)、ならびに肖星氏および劉守英氏(いずれも独立非執行取締役)の6名の取
締役である。県域銀行業務/包括的財政発展委員会の主な職務は、県域銀行業務/包括的財政の発展に関する、戦
略発展計画、方針および基本的管理規則、リスク管理戦略計画ならびにその他の主要事項を審査することだけでな
く、県域銀行業務/包括的財政の戦略発展計画、方針および基本的管理規則の実施も監視し、取締役会への提言を
行うことである。
当該報告期間において、取締役会の県域銀行業務/包括的財政発展委員会は2回開催され、包括的財政事業部門
の管理憲章および2019年包括的財政事業の特別評価計画を含む3つの提案を審査し、2019年 度 の県域銀行業務部門
の財政目標の予測に関する報告を傾聴した。県域銀行業務/包括的財政発展委員会は、県域銀行事業の当行の利益
への寄与およびその営業利益に対する営業経費の比率について議論および検討を行い、また、関連する助言および
提言を行った。
指名および報酬委員会
当該報告期間末現在、取締役会の指名および報酬委員会の構成員は、徐建東氏および李蔚氏(共に非執行取締
役)、肖星氏、王欣新氏、 黄 振中氏および劉守英氏(いずれも独立非執行取締役)の6名の取締役である。温鐵軍
氏が、取締役会の指名および報酬委員会の委員長を務めている。指名および報酬委員会の主な職務は、取締役、特
別委員会の委員長およびその構成員ならびに幹部役員の選任の基準および手続の策定、取締役および幹部役員の候
補者の人選および取締役会の承認を得るためのその資格要件についての勧告、ならびに取締役および幹部役員の報
酬方針の策定およびその検討のための取締役会への提出を行うことである。
定款は、取締役を指名する手続および方法を規定し、独立非執行取締役を任命する上で特定の要件を設定してい
る。詳細については、とりわけ、定款の第138条および第148条を参照のこと。定款は、上海証券取引所、香港証券
取引所および当行のウェブサイトで公表されている。当該報告期間中、当行は、定款を厳重に遵守して当行の取締
役を選出した。
取締役の候補者を指名する際、取締役会の指名および報酬委員会は主に、資格要件、法律・行政法規および定款
の遵守記録、職務執行の能力、当行の業務および管理に対する理解ならびに監査役会による業務監査および取締役
会の構成の多様性の要件を受け入れる意欲を重要視している。取締役会の構成の多様性についての当行の方針の詳
細については、「 取締役会および特別委員会 - 取締役会の構成 」を参照のこと。
指名および報酬委員会の開催時の出席者の定足数は、2/3以上であり、かかる委員会における決議はすべて委員
全員の過半数の賛成票で可決される。
当該報告期間において、取締役会の指名および報酬委員会は7回開催され、取締役の指名および取締役会の特別
委員会の構成員の任命についての承認を含む17の提案が審議され、2018年 度 の取締役会、幹部役会および幹部役員
の業績評価の結果についての監視委員会の報告を受けた。
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監査およびコンプライアンス委員会
当該報告期間末現在、取締役会の監査およびコンプライアンス委員会は、李蔚氏および呉江濤氏(共に非執行取
締役)、肖星氏、梁高美懿氏および劉守英氏(いずれも独立非執行取締役)を含む5名の取締役から構成される。
肖星氏が取締役会の監査およびコンプライアンス委員会の委員長を務めている。監査およびコンプライアンス委員
会の主な職務は、当行の内部監査、内部統制および管理方針、重要な税務および会計方針、監査一般管理システム
および規制、中長期監査計画および年次業務計画の審査ならびに取締役会への提言を行うことである。さらに、違
反事件の防止についての当行の一般方針を審査および承認ならびに違反事件の当行の防止を効果的に審査および監
視することである。
監査およびコンプライアンス委員会の業務の詳細は、上海証券取引所のウェブサイトで発表された 監査 およびコ
ンプライアンス 委員会の年次業務報告書 にて開示されている。
リスク管理/消費者利益保護委員会
当該報告期間末現在、取締役会のリスク管理/消費者利益保護委員会の構成員は、張克秋氏(執行取締役)、陳
剣波氏、廖路明氏、李奇雲氏および呉江濤氏(いずれも非執行取締役)ならびに王欣新氏 、黄 振中氏および梁高美
懿氏(いずれも独立非執行取締役)の8名の取締役である。 黄 振中氏は、取締役会のリスク管理/消費者利益保護
委員会の委員長を務めている。リスク管理/消費者利益保護委員会の主な職務は、当行のリスク管理の戦略計画、
リスク選好、重要なリスク管理方針、リスク管理報告書およびリスク加重資産の配分計画の審査、当行の消費者保
護の戦略、方針および目的の審査、リスク管理システムの継続的監視、リスク管理および消費者の利益保護の監督
および評価ならびに取締役会への提案を行うことである。
当該報告期間において、取締役会のリスク管理/消費者利益保護委員会は6回開催され、包括的なリスク管理報
告書、風評リスク管理管理手法およびカントリーリスク管理手法を含む8の提案を審査し、2018年度における流動
性リスクの管理、IRBシステムの運営および資本管理における進展したアプローチの検証ならびに2019年度上半期
における顧客の利益保護のための試みを含む8つの報告の聴取が行われた。リスク管理/消費者利益保護委員会
は、当行の全体的なリスク状況について定期的に審査を行い、信用リスク、市場リスクおよび事業リスク等を含む
リスク統制について、関連する助言および提言を行った。
関連取引監視委員会
当該報告期間末現在、取締役会の関連取引監視委員会の構成員は、李奇雲氏(非執行取締役)ならびに王欣新
氏 、黄 振中氏および梁高美懿氏(いずれも独立非執行取締役)の4名の取締役である。黄振中氏は、関連取引監視委
員会の委員長である。関連取引監視委員会の主な職務は、当行の関連当事者の特定、関連取引のための当行の全体
的な管理システムの審査、関連取引の審査および申請ならびに取締役会への提案を行うことである。
当該報告期間において、取締役会の関連取引監視委員会は1回開催され、関連当事者のリストに関する1の提案に
ついての審査ならびに2018年度の当行の関連取引管理に関する報告の聴取が行われた。関連取引監視委員会は、当
行の関連当事者の情報の審査およびその承認を行い、当行の関連当事者および取引の管理の強化について関連する
助言および提言を行った。
米国地域における機関のリスク管理委員会
当該報告期間末現在、取締役会の米国地域における機関のリスク管理委員会は、張克秋氏(執行取締役)、陳剣
波氏、廖路明氏、李奇雲氏および呉江濤氏(いずれも非執行取締役)ならびに王欣新氏 、黄 振中氏および梁高美懿
氏(いずれも独立非執行取締役)を含む8名の取締役で構成される。黄振中氏は、米国地域における機関のリスク
管理委員会の委員長である。米国地域における機関のリスク管理委員会の主な職務は、米国地域における事業に関
するリスク管理方針を審査および承認ならびにその実施を監督することであり、また、米国地域における機関の内
部および外部査察において認識される問題および関連する改正についての報告ならびに取締役会により許可された
その他の問題を審査することである。米国地域における機関のリスク管理委員会の責任は、すべてリスク管理/消
費者利益保護委員会に引き継がれる。
当該報告期間において、取締役会の米国地域における機関のリスク管理委員会は、4回開催され、ニューヨーク
支店の基本的リスク管理方針およびマネー・ロンダリング防止コンプライアンス方針を含む4の提案を審査し、
ニューヨーク支店の改正およびリスクならびにコンプライアンス業務を含む6つの報告を聴取した。米国地域にお
ける機関のリスク管理委員会は、米国地域における事業に関連するリスクおよびその改正進捗を定期的に審査し、
関連する助言および提言を行った。
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当行の保証事業に関する独立非執行取締役による個別の声明および独自の見解
CSRCにより発行された 上場企業および関連会社間の資金移動ならびに上場企業の保証事業の規制における問題に
関する通知(証監発[2003]第56号) に規定される要件および上海証券取引所の関連する要件に基づき、中国農業
銀行の独立非執行取締役として、当行は正当、公正かつ客観性の原則に基づき、当行の保証事業を検討し、以下の
通りここに個別の声明および見解を公表した。
当行の見解では、当行の保証事業は、主に中国人民銀行およびCBIRCの承認を受けた保証状の発行であり、これ
は当行の日常業務の範囲内の通常の事業の1つである。2019年12月31日、当行の保証事業の残高は、(当行グルー
プによる保証状の発行および保証を含めて)216,229百万人民元に達した。
当行は、保証事業のリスク管理を重視しており、被保証人の信用基準ならびに保証事業の業務手順および承認手
続に関し厳格な規制を策定している。当行は、保証事業のリスクを効果的に統制していると認識している。
中国農業銀行股 份 有限公司、独立非執行取締役
肖星氏、王欣新氏 、黄 振中氏、梁高美懿氏および劉守英氏
連結財務 書類 に関する取締役の責任
取締役は、当行グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに関する正確かつ公正な見通しを示す
各会計期間の連結財務書類を用意する責任を認めた。
当該報告期間において、当行は関連する法律および規制ならびに当行の株式の上場先の上場規則の要件に従って
おり、2018年度の年次報告書ならびに2019年度の第1四半期報告書、半期報告書および第3四半期報告書を開示し
た。
リスク管理および内部統制
取締役会は、健全かつ効果的なリスク管理および内部統制の手法を確立し、内部統制の実施、リスク管理システ
ムおよびリスク水準を監督および評価し、かかるシステムの有効性を審査する責任を負う。かかるシステムは、重
大な虚偽記載または損失に対して完全ではないが合理的な保証を提供し、事業目標を達成するために失敗のリスク
を除外するのではなく対処するために、構築されている。当該報告期間において、取締役会は、それらの手法に基
づき設立された監査およびコンプライアンス委員会、リスク管理/消費者利益保護委員会、米国地域における機関
のリスク管理委員会ならびに関連取引監視委員会を通じて、当行のリスク管理および内部統制の手法の妥当性およ
び有効性を審査した。取締役会の関連する特別委員会からの報告の検討および審査に基づき、取締役会は、当行の
リスク管理および内部統制が適切かつ効果的であるかを検討した。
当行のリスク管理および内部統制の詳細については、上記「第3-2 事業等のリスク-リスク管理および内部
統制」を参照のこと。
取締役 および取締役会 秘書役の研修
2019年度において、すべての取締役は、規制委員会および当行により企画された特別研修に香港上場規則および
国内の規制上の要件に従って積極的に参加した。取締役はまた、専門書籍および論文の編纂および公表、講演やセ
ミナーへの参加、公開講演の実施、国内外の銀行および当行の支店への実地調査の実施を含む様々な方法を通して
各専門知識を磨いている。当該報告期間において、当行は取締役および監視委員合同の研修を実施し、取締役は
コーポレート・ガバナンスおよびマネーロンダリングのコンプライアンスに関する特別研修、マクロ経済および市
場観点の関係についての共同セミナー、デジタル改革の現地指導、ならびに三農へ提供するサービスについての特
別調査に参加した。当該報告期間において、当時の取締役会秘書役および会社秘書役である周万阜氏は、15時間超
の関連する専門研修に出席し、この時間は、関連ある規制要件に遵守していた。
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監査役会の報告
監査役会の構成
当該報告期間末現在、当行の監査役会は監査役8名により構成されており、そのうち2名は株主代表監査役である
王敬東氏および王醒春氏であり、3名は従業員代表監査役である夏太立氏、邵利洪氏および武剛氏、また、残りは3
名の外部監査役である李旺氏、張傑氏および劉紅霞氏である。在職の監査役の詳細は、「(2)①当行の取締役、
監査役および幹部役員」の項目を参照のこと。
監査役会の業務
監査役会は、監査役会の会議で議案を検討する。監査役会の会議は、定例会議および臨時会議からなる。監査役
会の定例会議は、毎年4回以上開催されるものとする。
監査役会事務局は、監査役会の通常業務を執り行う。監査役会事務局は、監査役会およびその特別委員会の会議
の設定ならびにかかる会議の文書および議事録の作成のほか、監査役会の要件に従った日常的な監督の実施を担当
する。
当行は、監査役会の管理下に職務執行監督委員会ならびに財政および内部統制監督委員会を設置した。
職務執行監督委員会
当該報告期間末現在、職務執行監督委員会は、王敬東氏、王醒春氏、夏太立氏、武剛氏、李旺氏および張傑氏の
監査役6名により構成される。職務執行監督委員会は、王敬東氏が委員長を務めている。
職務執行監督委員会は、監査役会により承認された任務を行い、監査役会の監督下に置かれるものとする。
職務執行監督委員会は、主として以下の責任を負う。
・ 取締役会、幹部役員およびそれらの構成員の職務執行能力に課せられた義務を監督するための実施計画を策
定し、かかる計画を監査役会に提出して承認を得た上で実行すること。
・ 取締役会、幹部役員およびそれらの構成員の職務執行能力に課せられた義務に関する審査報告書を監査役会
に提出し、監査役会にそれらについての助言をすること。
・ 取締役および各幹部役員の辞任に関する監査報告書を策定し、必要であれば、監査役会に提案をすること。
・ 株主代表監査役、外部監査役、独立取締役および各特別委員会の委員の候補者を監査役会に提案すること。
・ 評価方針を策定し監査役の能力を評価し、それらについて監査役会に提言すること。
・ 監査役の報酬および手当て全体の計画について提案し、承認のために計画を監査役会へ提出すること。
・ 取締役会、幹部役員またはそれらの構成員のいずれかにより報告または提示された関連事項もしくは文書ま
たは情報を検討し、対処すること。
・ 法律、行政法規、部門規則により必要とされ、監査役会が承認するその他の任務を行うこと。
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財政および内部統制監督委員会
当該報告期間末現在、財政および内部統制監督委員会は、王敬東氏、王醒春氏、夏太立氏、邵利洪氏、張傑氏お
よび劉紅霞氏の監査役6名により構成される。財政および内部統制監督委員会は、劉紅霞氏が委員長を務めてい
る。
財政および内部統制監督委員会は、監査役会により承認された任務を行い、監査役会の監督下に置かれるものと
する。
財政および内部統制監督委員会は、主として以下の責任を負う。
・ 監査役会の財政および内部統制監督委員会の業務および実施計画を、監査役会による承認を得て、策定し実
施すること。
・ 当行の県域銀行業務の戦略的発展計画、方針および基本管理システムの実施を監督し、それらに関し有効性
を評価し、監査役会に提言すること。
・ 当行の財務報告書、業務報告書および取締役会が策定した利益処分案を監督かつ検討し、それらに関し監査
役会に提言すること。
・ 当行の財務活動、経営決定、リスク管理および内部統制の監視のための監査役会の計画を、監査役会による
承認を得て、策定および実行し、必要に応じて当行の監査を行う外部監査会社の雇用を監査役会に提言する
こと。
・ 当行の内部監査部門の業務を監督すること。
・ 取締役会、幹部役員およびその構成員のいずれかにより報告または提示された関連事項もしくは文書または
情報を検討し、対処すること。
・ 外部監査会社の任命、解任および再任命のコンプライアンス、契約の期間および報酬の公正さならびに外部
監査の独立性および有効性を監督し、監査役会に提案をすること。
・ 法律、行政法規、部門規則により必要とされ、監査役会が承認するその他の任務を行うこと。
監査役会およびその特別委員会
当該報告期間において、監査役会は5回開催され、2018年度年次報告書およびその要約を含む22の提案の審議お
よび承認が行われ、さらに18の業務報告書の聴取が行われた。
職務執行監督委員会は、3回の会議を開催し、2018年度の取締役会、監査役会、幹部役員およびその構成員の職
務執行に対する評価報告書を含む6の提案の審議および承認を行い、2つの業務報告書の聴取を行った。
財政および内部統制監督委員会は、4回の会議を開催し、2018年度の最終財務報告を含む7の提案の審議および承
認を行い、13の業務報告書の聴取を行った。
監査役会の業務
監査役会の会議内容
かかる会議では、職務執行の監督、財務監督、内部統制監督およびリスク監督を取り上げている。第一に、当行
は、取締役会、幹部役員およびその構成員の職務執行に対する監督および評価を行い、監査役会およびその構成員
の職務執行に対する年1回の自己評価を行った。第二に、当行は、財務報告ならびに事業計画および実行報告の内
容について定期的に報告を受け、定期報告書、最終財務報告案および利益処分計画について検討し、独立した意見
を述べた。第三に、当行は、内部統制および内部統制システムの改善について、取締役会および幹部役員の職務執
行に対する監督を強化した。当行は、内部および外部調査における主要な結果ならびに関連した訂正に関する監査
報告の内容について定期的に報告を受け、引き続きマネーロンダリング防止、外国為替政策のコンプライアンス管
理およびニューヨーク支店の訂正に関する調査を行った。第四に、当行は、グループレベルでの包括的リスク管理
に対する監督を引き続き強化し、包括的リスク管理および流動性リスク管理に関する特別報告の内容について報告
を受け、包括的リスク管理システムの確立および向上を促進させた。当行は、主要な分野での資産の質およびリス
ク・エクスポージャーの変動を調査し、信用リスク管理に対する監督を強化した。
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優先事項に関する監督調査
監査役会は、中国の経済および金融の状況ならびに市況の変動を追跡するとともに、中国共産党中央委員会およ
び国務院の決定および計画を徹底的に実行した。監査役会は、実体経済へのサービスの提供を重視し、金融リスク
を防ぎ統制し、業務転換を進め、継続的な改革を進めることで、「三農」への貢献、貧困との闘い、州都の支店改
革、内部統制および違反事例の防止、主要な分野におけるリスク管理、従業員の利益に関する規則および規制の策
定および実施、子会社の統合管理メカニズムの構築および運用に対して監督調査を行い、さらに関連する業務の有
効性、問題および困難を検討し、改善策を提示した。幹部役員は、調査結果を査定し、提起された問題の調査およ
び評価を行い、特定の措置を提案し、関連した政策を最適化および調整した。
監督の効率性の高さに対する徹底的な追求
第一に、監査役会は、標準監督を促進してその効率性を改善するため、実務に基づく 監査役会の業務規則(仮)
を策定した。これは、監督に関する意見が監査役会の提言というかたちで取締役会および幹部役員に提出されるこ
とを明確に示している。第二に、監査役会は、職務執行に関するインタビューを行う。監査役は、当行の改革およ
び展開ならびに取締役会、監査役会および幹部役員の職務に関して異なるレベルからの意見および提案を受けるた
めに、取締役、一部の第一級支店および本社の関連する部門に対してインタビューを行った。これを通じて、監査
役会は、職務執行の評価の適切性および効率性を高め、さらに職務執行の監督および評価システムを向上させた。
第三に、監査役会は、監査役が国策を学び、コーポレート・ガバナンスおよびマネー・ロンダリング防止のコンプ
ライアンス政策に関する最近の規制要件を把握するための研修を開催した。これを通じて、監査役はより国策につ
いて認識し、コンプライアンスの認識および職務を遂行するための専門的能力を高めた。第四に、従業員代表監査
役は、業務の必要性に基づき再選された。外部監査役および従業員代表監査役の比率は、どちらも規制要件を満た
していた。
外部監査役の業務
当該報告期間において、外部監査役は、定款に厳重に従ってその監督職務を執行した。外部監査役らは、関連す
る提案を検討および業務報告書について聴取し、また監督調査を行った。外部監査役らは、監査役会およびその特
別委員会のすべての会議に出席し、専門的かつ厳正で独立した助言および意見を提供した。外部監査役は、コーポ
レート・ガバナンスの向上および当行の経営管理の改善において積極的な役割を果たした。
監査役会の独立した意見
業務コンプライアンス
当該報告期間において、当行は、適用ある法律および規則に従って業務コンプライアンスを厳格に遵守し、引き
続き当行の内部統制システムを最適化した。取締役および幹部役員は、任務を真摯に遂行した。監査役会は、取締
役および幹部役員の任務の遂行において法律、規則および定款に違反する可能性または当行の利益の毀損を招く可
能性のある行為を発見していない。
年次報告書
年次報告書の作成および審査の手順は、法律、行政法規および規制上の要件を遵守していた。かかる報告書は、
当グループの連結の財務状態および経営成績について真正かつ正確で完全な見解を示している。
県域銀行業務
当該報告期間において、県域銀行業務の当行の指標は、規制上の基準を満たしていた。
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資産の取得および処分
当該報告期間において、監査役会は、インサイダー取引または株主の利益の毀損もしくは当行による資産の取得
もしくは処分の過程における当行の資産の損失を招く可能性のある行為を発見していない。
関連当事者取引
当該報告期間において、監査役会は、関係当事者取引において、当行の利益の毀損を招く可能性のある行為を発
見していない。
内部統制
監査役会は、中国農業銀行2019年度内部統制評価報告書の結果について異議を付さなかった。
取締役および幹部役員の職務執行評価
2019年度末、当行の在職の取締役および幹部役員は19名であり、うち1名の幹部役員は短期の任期であったため
職務執行評価を受けていない。17名の取締役および幹部役員は職務執行評価において、「満足」との評価を受け、
1名の取締役は職務執行評価において「基本的に満足」との評価を受けた。
上記を除き、監査役会は、当該報告期間において、その監督下にある事項について異議を付さなかった。
監査役会の命令により
王敬東
監査役会会長
2020年3月30日
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株主総会
当該報告期間において、当行は、1回の年次総会および2回の臨時総会を開催し、その中で19の提案が審議および
承認され、3つの報告が聴取された。詳細な情報は以下のとおりである。
2019年3月1日、当行は北京において2019年度第1回臨時総会を開催し、その中で、2019年度固定資産投資予算お
よび取締役の選任を含む、5の提案が審議および承認された。
2019年5月30日、当行は北京において2018年度年次総会を開催し、その中で、2018年度最終財務報告および2018
年度利益処分案を含む10の提案が審議および承認され、独立非執行取締役の2018年度業務報告書および関連取引の
管理に関する報告を含む3つの報告が聴取された。
2019年12月13日、当行は北京において2019年度第2回臨時総会を開催し、その中で、2018年度取締役および監査
役の報酬計画ならびに取締役の選任を含む4の提案が審議および承認された。
前述の株主総会は、香港および中華人民共和国の法律および規制ならびに上場規則に厳格に従って招集および開
催された。取締役、監査役および幹部役員の構成員は年次総会に出席し、株主と、株主が懸念している事項につい
て議論を行った。当行は、規制上の要件に従って、前述の総会の投票結果および法律上の助言を適時に公表した。
総会の投票結果は、それぞれ2019年3月1日、2019年5月30日および2019年12月13日に香港証券取引所のウェブサイ
トにて公表され、それぞれ2019年3月2日、2019年5月31日および2019年12月14日に上海証券取引所のウェブサイト
および当行が指定した新聞にて情報開示のために公表された。
当行の取締役会会長および総裁
香港上場規則別紙14の コーポレート・ガバナンス規範 条項第A.2.1条および定款に従って、取締役会会長および
総裁は独立している。取締役会会長は、当行の主要株主の法定代表者または責任者によって兼任されないものとす
る。
周慕冰氏は、取締役会会長および当行の法定代表者を務め、発展戦略ならびに事業戦略および当行の全体的な発
展等のその他の重要事項の検討について取締役会を先導する責任を負う。
張青松氏は、当行の総裁を務め、当行の業務の管理を担当する。総裁は、取締役会によって任命され、取締役会
に対して責任を負い、定款および取締役会の承認に従って職務を遂行する。
会長および総裁の職責は明確に区別されており、相互に関連せず独立している。
取締役および監査役による証券取引
当行は、香港上場規則別紙10の「 上場会社の取締役による証券取引の規範準則」 の規定に従った取締役および監
査役による証券取引の行為規範を導入した。当行の取締役および監査役は、2019年12月31日に終了した事業年度に
おいて、かかる行為規範を確実に遵守した。
取締役の任期
当行は、取締役の選任および任期について香港上場規則および定款の規定を厳守している。各取締役は株主総会
により選任され、その任期はCBIRCから承認を受けた日から3年間とする。取締役は、前任期満了時において再選に
より連続して再任されることができ、再任期間は株主総会による承認を受けた日付から起算する。独立非執行取締
役の任期は累計で6年間を超えないものとする。
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株主の権利
臨時総会の開催
当行は、規制要件および基本的なコーポレート・ガバナンスの規則に厳重に従い、株主の権利を保護している。
単独または共同で、当行の全議決権付株式の10%超の議決権付株式を保有する株主(以下「請求権を有する株主」
という。)は、書面にて取締役会に臨時総会開催を請求および書面にて取締役会に提案することができる。取締役
会が臨時総会開催を拒否した場合または提議を受領後10日以内の回答を怠った場合、請求権を有する株主は、書面
にて監査役会に臨時総会開催を請求および書面にて監査役会に提案することができる。監査役会が規定の期間内に
かかる臨時総会の通知を怠った場合、当行の全議決権付株式の10%以上を単独または共同で継続して90日以上保有
する株主は、臨時総会を開催しその議長となる権利を有する。
照会
株主は、定款に従い、取締役会へ照会し、該当する情報を取得する権利を有する。株主は、当行の営業時間内に
おいて、株主総会議事録の複製を無料で閲覧できる。関連ある情報の閲覧または取得を請求する株主は、その保有
する株式のクラスおよび株式数を証する書面を当行に提出するものとし、当行はその株主の身元を確認次第、かか
る情報を提供するものとする。取締役会事務局は、その日常業務に関し取締役会を補助する責任を負う。株主によ
る問い合わせは、取締役会事務局で受け付けている。
株主総会への提案
単独または共同で、当行の全議決権付株式の3%超を保有する株主(以下「提案する権利を有する株主」とい
う。)は、株主総会へ提案を提出することができる。かかる提案する権利を有する株主は、株主総会開催日の10日
前までに書面にて提案を取締役会に提出することができる。取締役会事務局は、株主総会を設定し、かかる会議の
文書を準備しかつ議事録を作成する責任を負っている。
少数株主の利益の保護
当行は、すべての株主の正当な利益を守り、1株1議決権の原則の下、少数株主に対して平等な待遇を保証するよ
う努めている。少数株主は、知る権利、投票権、提案権、配当請求権ならびに株主総会招集請求権およびかかる総
会への参加権を平等に享受する。少数株主の利益に影響を与える重要な事項が株主総会で検討される場合は、投票
は個別に集計され、適時開示される。当行の独立非執行取締役は、検討された特定の事項が少数株主の利益を損な
うと考えた場合、取締役会または株主総会に対して客観的で公平かつ独立した勧告を行う。
優先株式の保有者に関する特別な規制
優先株式の保有者は、(1)優先株式に関する定款上の規定に変更があった場合、(2)総額で当行の登録資本の10%
超となる減資もしくは一連の減資、(3)当行の合併、分割、解散もしくは会社形態の変更、(4)当行による優先株式
の発行または(5)法律、行政法規および当行の定款によって定められたその他の状況のいずれかの事由が発生した
ときに議決権を行使する権利を有する。
上記のいずれかの状況が発生した後、優先株式の保有者は株主総会に出席する権利を有する。かかる総会の通知
は、優先株式の保有者に送付され、定款に記載される普通株主を対象とした通知手続に基づくものとする。
当行が優先株式に係る配当の支払いを合計で3会計年度または連続で2会計年度にわたって怠った場合には、優先
株式の保有者は、当該会計年度の利益処分案で合意された優先株式に係る配当の分配を行わないと株主総会で決議
された日の翌日から株主総会に出席し、普通株式の保有者と共に投票する権利が与えられる。議決権は、当該会計
年度の当該優先株式に係るすべての配当が分配されるまで復権される。
当該報告期間における定款の大幅な変更
当該報告期間において、定款の大幅な変更はなかった。
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情報開示および投資家との関係
情報開示
当該報告期間において、当行は、法律や規制に従い、定期報告書および中間発表を開示し、環境ガバナンス、社
会ガバナンスおよびコーポレート・ガバナンスの情報開示を向上させ、引き続き情報開示の透明性を改善した。当
行は、規制要件に厳密に従い、情報開示の運用規則の最適化を適時に行い、継続して情報開示をより制度的、合理
的かつ標準的なものにした。2019年度において、当行は、合計で317超の文書を上海証券取引所および香港証券取
引所において開示し、上海証券取引所による当行の情報開示に関する評価は、5年連続「A」である。
当行は、継続して内部情報の管理を強化し、またインサイダーのコンプライアンスに対する意識を強化した。さ
らに、当行は、内部取引に関する年次自主審査会を開催し、インサイダーについて登録および申請を行った。
当該報告期間において、当行には重大な会計上の誤謬の訂正はなく、重大な情報の脱漏もなく、また公表された
業績予想に必要な訂正もない。
投資家との関係
当行は、引き続き投資家との関係の管理を改善し、効果的で円滑な資本市場とのコミュニケーション・チャネル
を確立した。当行は、業績発表のための記者会見、ロードショー、リバース・ロードショー、資本市場に関する会
議への参加、投資家の訪問、投資家集団の受入日、投資家ホットライン、上海証券取引所の電子的プラットフォー
ム上および投資家に開かれた当行の電子メールアドレスを通じて、当行の発展戦略、業績および資本市場で注目の
話題を投資家に適時に提示した。これは、資本市場における当行の資本市場とのコミュニケーションを効果的に向
上させた。2019年6月、当行は、包括的金融および三農のためにインターネット金融サービスを提供するための
「No.1プロジェクト」をテーマとしたリバース・ロードショーを開催したが、これは、当行の事業上の利点および
特長を十分に明示し、市場の良好な反応を獲得し、当行の市場におけるイメージおよび投資家の認識を改善させ
た。
投資家による問い合わせまたは株主による前述についての助言、質問もしくは提案は、下記の連絡先で受け付け
ている。
中国農業銀行股 份 有限公司の取締役会事務局
住所:中華人民共和国 北京市東城区建国門内大街69号
電話番号:86-10-85109619
ファックス番号:86-10-85126571
電子メール:ir@abchina.com
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内部監査
当行は、取締役会や監査およびコンプライアンス委員会に対して説明責任を有し、それらに対して報告する監査
部門を開設した。当該監査部門は、監査役会および幹部役員の管轄下に置かれており、監査結果をこれらに対して
報告するものとする。監査部門は、リスク重視の基準に従い、当行全体の運営および経営、事業活動ならびに業績
に関する監査および評価を行っている。監査部門は、本店の監査室および10の地方支部により構成される。監査室
は、当行全体の内部監査業務の組成、管理および報告について責任を負う。監査室の下部組織である地方支部は、
それぞれの支店の内部監査を行い、監査室に対して説明責任を有し、その監督下に置かれる。さらに、監査部門
は、かかる10の地方支部にあるものを除いて第一級支店に設置された一方で、海外の運営機関には独立内部監査機
能が設置された。
下図は、内部監査の当行の組織構造を示したものである。
当該報告期間において、取締役会の戦略的決定および外部の規制要件に従い、リスク志向の原則に基づいて、当
行は、与信事業、融資および会計、仲介業ならびに内部統制に焦点を当てたリスク管理監査を行った。当行は、対
象を絞った貧困緩和、グループ・レベルでの連結管理、マネー・ロンダリング防止に関するコンプライアンスおよ
び制裁に関するコンプライアンス、顧客利益の保護、業績評価および報酬管理、関連当事者間取引、IT全般統制を
含む様々な側面で、特別監査を行った。当行は、国外機関に対する監査を確実に促し、幹部役員の責任に対する監
査を標準化し、内部監査中に確認された問題の訂正に関して監督を行った。当行は、引き続きビッグデータの監査
プラットフォームの展開および適用を促進し、監査のデジタル変革を推し進め、監査職員への技能訓練を強化し
た。その結果、当行は、戦略的判断の実行、当行の管理の基礎の改善および当行全体の事業における安定した成長
を効果的に促進させた。
選任および免職、定足数ならびに取締役の資格の必要条件に関しては、「第1-1-(1)提出会社の属する
国・州等における会社制度」を参照のこと。
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(2)【役員の状況】
① 当行の取締役、監査役および幹部役員
男性取締役・役員:21名、女性取締役・役員:4名(役員のうち女性の比率:16%)
(a) 当行取締役
(本書日付現在)
役名 氏 名 所有
および職名 (年齢) 略 歴 株式 数
取締役会会長、 周慕冰(Zhou 周慕冰氏は、中国人民大学の経済学の博士号を取得して 0
執行取締役 おり、シニア・エコノミスト の資格も取得している。同
Mubing)(62歳)
氏は、2016年7月から当行の取締役会会長および執行取締
役を務めている。同氏は、四川省栄昌県の生産チーム、
四川省栄昌県第四中学および四川財経学院の教師ならび
に国家経済システム改革委員会を含む複数の職種を歴任
した。同氏は、海南省支店の支店長代理兼洋浦支店の支
店長、本店の政策研究室の主任および福建省支店の支店
長を含む中国工商銀行における複数の役職を歴任した。
同氏は、重慶市渝北区の副区長、代理区長および区長、
重慶市政府の総務室主任ならびに重慶市政府の秘書長を
歴任した。同氏は、2004年3月に重慶市の副市長、2010年
12月に中国銀行業監督管理委員会の副主席に任命され
た。
取締役会副会 張青松(Zhang 張青松氏は、中国人民銀行大学院にて経済学を専攻し、 0
長、執行取締 修士号を取得しており、研究員補である。同氏は、2019
Qingsong)(54歳)
役、総裁 年11月に当行の総裁に任命され、2020年1月から取締役会
副会長、執行取締役および総裁を務めている。同氏は中
国銀行において、資産負債管理部の副部長、財務部の副
部長、グローバル市場部の主任、グローバル市場課の主
任、グローバル市場課の課長、香港トレーディング・セ
ンター(香港支店)の所長、シンガポール支店の部長お
よび本店清算部の部長を含む複数の役職を歴任した。同
氏は、2016年11月に中国銀行の執行副総裁、2018年8月に
は中国銀行の執行取締役兼副総裁に任命された。同氏は
2018年12月、中国輸出入銀行の副会長および総裁に任命
された。
執行取締役、 執 張克秋(Zhang 張克秋氏は、 南開大学で経済学の修士号を取得してい 0
行副総裁 る。張氏は上級会計士であり、国務院により政府特別手
Keqiu)(56歳)
当を受けている専門家である。同氏は、2015年6月には当
行の取締役会秘書役に、2017年7月には当行の執行副総裁
および取締役会秘書役に、2018年4月には当行の執行副総
裁に任命された。張氏はまた、2019年4月から当行の 執行
取締役 および 執行副総裁を務めている。張氏は当行にお
いて、これまでに資産負債管理部の部長、財務会計部の
部長および最高財務責任者を含む様々な役職を歴任し
た。張氏は、中国金融会計学会の執行委員会の副事務局
長および中国国債協会第5回理事会の副会長を兼任してい
る。
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非執行取締役 陳剣波(Chen 陳剣波氏は、中国人民大学で経営学の博士号を取得して 0
いる。同氏は現在、中央匯金投資有限責任公司に勤務し
Jianbo)(56歳)
ている。陳氏は、2015年1月から当行の非執行取締役を
務めている。同氏はこれまでに、国務院中央書記処の農
村政策研究室および国務院農村発展研究センターの研究
開発部の企業研究室の研究助手および副主任、国務院発
展研究センター農村部の部長および研究員ならびに中央
経済指導グループ室および中央農村指導グループ室の農
村1グループの顧問を務めた。
非執行取締役 廖路明(Liao 廖路明氏は、MOFの公共財政科学研究所で財政学の博士 0
号を取得している。同氏は現在、中央匯金投資有限責任
Luming)(56歳)
公司に勤務している。廖氏は、2017年8月から当行の非
執行取締役を務めている。同氏は、1985年8月からMOFで
の勤務を開始し、その後MOFの総務室において研究課の
主任、情報課の副主任および主任、および広報課の主任
を歴任した。同氏は、2003年1月にMOFの総務室の副主任
に、2012年1月にはMOFの党委員会の局長級幹部に任命さ
れ、また2012年2月にはMOFの党委員会の常務副書記(局
長級)に任命された。
非執行取締役 李奇雲(Li Qiyun) 李奇雲氏は、中国人民大学情報学部で数量経済学の修士 0
号を取得しており、上級エンジニアである。同氏は現
(56歳)
在、中央匯金投資有限責任公司に勤務している。李氏
は、2018年6月から当行の非執行取締役を務めている。
同氏はこれまでに、MOFの計算センターにおいてエンジ
ニア補佐およびエンジニアを、またMOFの情報ネット
ワーク・センターにおいて副主任、上級エンジニア、副
チーフ・エンジニア(主任レベル)および 副部長(副局
長級)を務めた。
非執行取締役 李蔚(Li Wei) 李蔚氏は、浙江済経大学の卒業で、財政学士号を取得し 0
ており、上級会計士である。同氏は現在、中央 匯 金投資
(53歳)
有限責任公司に勤務しており、また2019年5月から当行
の非執行取締役を務めている。李氏は、 これまでに寧波
市財税局予算課の副主任科員、主任科員および副課長、
ならびに財政部寧波支局の業務1課の副主任、主任、副
局長および副監査役を務めた。
非執行取締役 呉 江濤(Wu 呉 江濤氏は、MOFの財政科学研究所で博士号を取得して 0
おり、上級会計士である。同氏は現在、中央匯金投資有
Jiangtao)(48歳)
限責任公司に勤務している。呉氏は、2019年7月から当
行の非執行取締役を務めている。同氏はこれまでに重慶
天健会計士事務所股 份 有限公司 においてプロジェクト担
当責任者、部門の副部長、部門の部長、およびパート
ナー、ならびに華夏銀行股 份 有限公司 において本店監査
部門の副部長および北京支店の副総裁を務めた。2016年
9月より、同氏は華夏銀行股 份 有限公司 の本店の監査部
門の部長を務めている。
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独立非執行取締 肖星(Xiao Xing) 肖星氏は、会計学の 博士号を取得 している。同氏は現 0
役 在、清華大学の経済管理学院の会計学部主任および教授
(49歳)
であり、清華大学のグローバル・プライベート・エクイ
ティ研究院の副院長である。同氏は、2015年3月から当行
の独立非執行取締役を務めている。同氏は、研究のため
に、上席客員研究員としてハーバード大学、マサチュー
セッツ工科大学およびウィスコンシン大学を訪問した。
同氏は、2011年にフルブライト奨学生に選ばれた。肖星
氏はこれまでに、国家開発銀行の専門委員会の委員、世
界銀行の独立諮問専門家、北京華宇軟件股 份 有限公司 の
独立取締役および歌 尔 声学股 份 有限公司の独立取締役 等
を務めた。同氏は、全国会計専業修士教育指導委員会の
委員、教育部の会計専業修士教育指導委員会の委員、な
らびに芒果エクセレント・メディア股 份 有限公司 、華熙
バイオテック股 份 有限公司 および愛心生命保険股 份 有限
公司 の独立取締役を兼務している。
独立非執行取締 王欣新(Wang 王欣新氏は、法学の学士号を取得しており、現在中国人 0
役 民大学において法科大学院経済法学科の 教育・研究室の
Xinxin)(67歳)
教員ならびに教授および博士候補生の指導教員を務めて
いる。同氏は、2016年5月から当行の独立非執行取締役を
務めている。同氏はかつて、全国人民代表大会財政経済
委員会において企業破産法の起草委員会の委員を務め
た。同氏はまた、中国人民大学破産法研究所の主任、北
京破産法学会の会長、山東省法学会企業破産および再編
研究会の名誉会長、広東省法学会破産法研究会の名誉会
長、山西省法学会破産および再編研究会の名誉会長、湖
南省法学会企業破産および再編研究会の名誉会長、上海
市法学会破産法研究会の顧問、河南省法学会破産法研究
会の顧問、中国法学会経済法研究会の常務理事ならびに
北京市法学会の常務理事を兼任している。王欣新氏は、
最高人民法院破産法司法解釈の起草委員会の顧問および
最高人民法院司法案例研究院の主席研究員の一員であ
る。同氏は、2015年より連合国国際貿易法委員会第五分
科会(破産法) の中国代表団の専門顧問を務めている。
同氏はまた、紫光股 份 有限公司 、海南京粮控股股 份 有限
公司 および天奈科技股 份 有限公司 の独立取締役をそれぞ
れ務めている。
独立非執行取締 黃 振中(Huang 黃 振中氏は、法学の博士号を取得している。同氏は現 0
役 在、北京師範大学法学院の教授および博士候補生の指導
Zhenzhong)(55歳)
教員、ならびに中国企業家犯罪予防研究センターの副主
任である。同氏は、2017年9月から当行の独立非執行取締
役を務めている。同氏はかつて、中国石化集団の資産経
営管理部において企業改革課の次長兼シニア・エコノミ
スト、北京師範大学法学院の副院長および法律顧問室の
主任、西藏自治区検察院の副検察長および検察委員会の
委員、ならびに慈文伝媒股 份 有限公司 の独立取締役を務
めた。同氏は現在、中国・ASEAN法律協力センターの副理
事長、中国法学会のエネルギー法研究委員会の常務理
事、中国国際経済貿易仲裁委員会の仲裁員、中国国際商
工会議所の調停センターの調停員、天津仲裁委員会の仲
裁員、海南仲裁委員会の仲裁員、北京市京師律師事務所
の終身名誉主任、英国仲裁人協会の会員、ならびに中石
化石油機械股 份 有限公司 、中節能太陽能股 份 有限公司 お
よび雲南景谷林業股 份 有限公司 の独立取締役を兼務して
いる。
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独立非執行取締 梁高美懿・マーガレッ 梁高美懿・マーガレット氏は、香港大学の経済学、会計 0
役 ト(Leung Ko May 学および経営学の学士号を取得している。梁氏は、香港
特別行政区により銀紫荊星章および太平紳士を授与され
Yee, Margaret)(67
た。 同氏は、2019年7月から当行の独立非執行取締役を務
歳)
めている。同 氏はこれまでに、創興銀行有限公司の副会
長および最高経営責任者、恒生銀行有限公司の取締役会
副会長兼最高経営責任者、HSBCグループの本部長兼工商
事業部のグローバル共同責任者、HSBCの取締役、および
ウェルズ・ファーゴHSBCトレード・バンクの取締役、な
らびに中国建設銀行、香港証券取引決済所およびQBEイン
シュアランス・グループ・リミテッド(オーストラリア
証券取引所上場)の独立非執行取締役等を務めた。同氏
は現在、第一太平有限公司、利豊有限公司、および新鴻
基地産発展 有限公司 の独立非執行取締役、ならびに中国
人民政治協商会議全国委員会の委員を務めている。
独立非執行取締 劉守英 (Liu 劉守英氏は、中国人民大学経済学大学院の二級教授およ 0
役 び博士候補生の指導教員、中国農業技術経済学会の副会
Shouying)(55歳)
長、中国土地学会の常務理事、および中国都市農村開発
国際交流協会の副会長を 務めている。 同氏は、2019年7月
から当行の独立非執行取締役を務めている。同 氏はこれ
までに、国務院の開発研究センターの学術委員会の副事
務局長、農村経済研究部の副部長、国務院の開発研究セ
ンターの都市農村コーディネーション 基礎領域主任、中
国経済時報の社長および編集長を 務めた。
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(b) 当行監査役
(本書日付現在)
役名 氏 名 所有
および職名 (年齢) 略 歴 株式 数
監査役会会長、 王敬東(Wang 王敬東氏は、華中農業大学の農学学士を取得しており、 0
株主代表監査役 上級エンジニアである。同氏は、2018年11月から当行の
Jingdong)(57歳)
監査役会会長および株主代表監査役を務めている。同氏
は、 農牧漁業部に勤務し、続いて、国家経済委員会およ
び国家農業投資公司で勤務した。同氏は、国家開発銀行
において、黒竜江省支店の副支店長、本店人事部の副部
長、本店事業評価三局の局長、北京支店の支店長および
本店人事部の部長等を歴任した。同氏は、2013年12月よ
り中国工商銀行股 份 有限公司 の執行副総裁、2016年12月
より中国工商銀行股 份 有限公司の執行取締役兼執行副総
裁を務めている。
株主代表監査役 王醒春(Wang 王醒春氏は、 PBOC 大学院で経済学の修士号を取得してお 0
り、シニア・エコノミストである。同氏は、2014年6月か
Xingchun)(56歳)
ら当行の株主代表監査役を務めている。同氏は、これま
で当行において、リサーチ室の政策研究課の副課長、開
発計画部の政策研究課の課長、開発計画部および市場開
発部の部長代理、市場開発部の副部長ならびにトレーニ
ング部の副部長を含む複数の役職を歴任した。同氏は、
2002年2月に当行の天津研修所の副所長に、2003年11月に
当行の法務部の部長に、2006年6月に当行の法務およびコ
ンプライアンス部の部長に、2008年7月に当行の法務部の
部長に、2009年4月に従業員代表監査役および法務部の部
長に、2011年3月に従業員代表監査役および当行の監査室
の関連局の局長に、2011年7月に当行の監査室の関連局の
局長に、また2014年3月に監査役会の監査役に任命され
た。
従業員代表監査 夏太立(Xia Taili) 夏太立氏は学位を取得しており、2018年8月から当行の従 0
役 業員代表監査役を務めている。同氏はこれまでに、中央
(57歳)
紀律検査委員会の第二紀律検査課の第二局および総務局
の局長、中央紀律検査委員会の第二紀律検査課の副局級
紀律検査委員および監察員、ならびに中央紀律検査委員
会の第七紀律検査課の副局級紀律検査委員および監察員
を務めた。夏氏はこれまでに様々な役職を歴任し、2013
年2月には当行の調査業務指導グループ局の主任、2014年
4月には当行の紀律委員会の副書記および監査部部長、
2014年12月には当行の従業員代表監査役、紀律委員会の
副書記および監査部部長、2015年3月には当行の従業員代
表監査役、紀律委員会の副書記および監査部部長、2015
年9月には当行の従業員代表監査役、紀律委員会の副書
記、監査部部長および調査業務指導グループ局の主任、
2018年1月には当行の紀律委員会の副書記、監査部部長お
よび調査業務指導グループ局の主任、ならびに2019年4月
には当行の従業員代表監査役ならびに中央紀律検査委員
会および国家監察委員会の当行における紀律検査・監査
チームの副責任者に任命された。
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従業員代表監査 邵利洪(Shao 邵利洪氏は、 経済学の修士号を取得しており、 シニア・ 0
役 エコノミストである。同氏は 2018 年8月から 当行の従業員
Lihong)(47歳)
代表監査役を務めている。 邵氏はこれまでに、当行にお
いて、事務局の副局長級秘書官、不動産与信部の不動産
開発課、不動産開発2課および総合業務課の副課長、不動
産与信部の個人住宅事業課の課長、個人業務部の住宅与
信課の課長、住宅金融および個人与信部の住宅与信課の
課長、住宅金融および個人与信部の副部長、 個人向け銀
行業務部の副部長を含む様々な役職を歴任した。同氏
は、 2018 年4月に労働組合業務部/総務部の部長を務め
た。
従業員代表監査 武剛(Wu Gang)(54 武剛氏は、天津大学にて経営工学を専攻し、修士号を取 0
役 得しており、シニア・エコノミストである。同氏は2019
歳)
年10月から当行の従業員代表監査役を務めている。同氏
はこれまでに、当行の法人向け銀行業務部の部長補佐お
よび副部長、大口顧客部/營業部の部長兼北京支店の党
委員会委員および副支店長を務め、2014年6月には河南支
店の党委員会書記および支店長に任命された。 同氏は
2018 年5月から本店の監査室の室長 を務めている。
外部監査役 李旺(Li Wang) 李旺 氏は、法学の博士号を取得している。同氏は、2015 0
年6月から当行の外部監査役を務めている。同氏は、1997
(56歳)
年11月から清華大学法学部において勤務しており、現在
は大学の教授および博士候補生の指導教員である。同氏
はかつて、京都大学法学部の授業助手ならびに日本の阪
本法律事務所、日本の弁護士法人大江橋法律事務所およ
び北京の京融法律事務所の弁護士を務めた。同氏は、北
京の天馳君泰法律事務所の弁護士および首創置業股 份 有
限公司 の独立取締役を兼任している。
外部監査役 張傑(Zhang Jie) 張傑氏は、経済学の博士号を取得している。同氏は、 0
2018年11月から当行の外部監査役を務めている。同氏
(55歳)
は、教育部の「長江奨学生プログラム」の特別教授、国
家「万人英才プログラム」の優秀教員であり、国務院に
より政府特別手当を受けている専門家である。同氏はこ
れまでに、陝西財経学院の金融財政学院院長、西安交通
大学の経済・金融学院副院長および中国人民大学の財政
金融学院副院長等の役職を務めた。同氏は現在、中国人
民大学の財政金融学院の第二級の教授、博士候補生の指
導教員および国際貨幣研究所(IMI)所長、中国金融学
会、中国国際金融学会、中国都市金融学会および中国農
村金融学会の常務理事等を務めている。
外部監査役 劉紅霞(Liu 劉紅霞氏は、管理学の博士号を取得している。同氏は、 0
2018年11月から当行の外部監査役を務めている。1999年
Hongxia)(56歳)
から現在まで、中央財経大学会計学院の教授、博士候補
生の指導教員および博士課程修了者の協力指導官を務め
てきた。同氏は以前に、北京財貿学院の助教、山東財政
学院の講師、北京中州会計士事務所の監査人、中央財政
管理幹部学院の副教授を務めた。同氏はこれまでに、招
商銀行、方大錦化化工科技股 份 有限公司 、北京金自天正
智能控制股 份 有限公司 、上海新黄浦置業股 份 有限公司 お
よび 南国置業股 份 有限公 司の独立取締役等を務めた。同
氏は現在、信達地産 股 份 有限公司 、 中国長江航運集団南
京油運股 份 有限公司 、九陽股 份 有限公司 、山東恒邦精錬
股 份 有限公司 、河北興台農村商業銀行股 份 有限公司 等の
独立取締役を務めている。
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(c) 幹部役員
(本書日付現在)
役名 氏 名 所有
および職名 (年齢) 略 歴 株式 数
取締役会副会 張青松(Zhang 張青松 氏の詳細な経歴については、上記「(a) 当行取締 0
長、執行取締
Qingsong)(54歳) 役」を参照のこと。
役、総裁
執行副総裁 張旭光(Zhang 張旭光氏は、北京大学で法学の修士号を取得し、また米 0
国のミネソタ州立大学で法学の修士号を取得しており、
Xuguang)(55歳)
シニア・エコノミストである。同氏は、2019年12月から
当行の執行副総裁を務めている。同氏は以前、中国航空
技術輸出入総公司に勤務した。また、張旭光氏はこれま
でに、中国国家開発銀行において、天津市支店の副支店
長、業務執行室の副室長、および広西チワン族自治区支
店の支店長を務めた。張旭光氏はまた、国開金融有限責
任公司の総裁および中国国家開発銀行の投資総責任者を
務めた。同氏は、2013年12月に中国国家開発銀行の執行
副総裁に任命された。
執行取締役、 執 張克秋(Zhang 張克秋氏 の詳細な経歴については、上記「(a) 当行取締 0
行副総裁
Keqiu)(56歳) 役」を参照のこと。
執行副総裁 湛東升(Zhan 湛東升氏は、西南農業大学で農学の学士号を取得してお 0
り、上級農業経済学者である。同氏は、2019年4月から
Dongsheng)(54歳)
当行の執行副総裁を務めている。同氏はこれまでに、農
業部に勤務し、中央財経指導グループ局の農村グループ
の検査官補、次いで同検査官を務めた。また、湛氏は当
行において、三農政策計画部の副部長、同部長、事務局
長を、四川省支店の支店長を歴任した。同氏は現在、当
行の上海管理部の主任を兼任している。
執行副総裁 崔勇(Cui Yong)(50 崔勇氏は、西安公路学院で工学の学士号を取得してお 0
り、シニア・エコノミストである。同氏は、2019年5月
歳)
から当行の執行副総裁を務めている。崔氏はこれまでに
交通部および国家発展改革委員会に勤務した。また同氏
は、中国工商銀行において、業務1部の副部長、青島支
店の副支店長、厦門支店の支店長、北京支店の副支店長
および本店の法人向け銀行業務部の部長を含む様々な役
職を務めた。同氏はこれまでに、中国銀行協会シンジ
ケート委員会の事務総長および中国銀行間市場公益商協
会の専門家を兼任した。同氏は現在、中国決済清算協会
の副会長を兼任する。
最高リスク責任 李志成(Li 李志成氏は、陝西財経学院の経済学の修士号を取得して 0
者 いる。同氏は、2017年2月から当行の 最高リスク責任者
Zhicheng)(57歳)
を務めている。同氏は、かつて当行の武漢管理幹部学院
の院長補佐、本店のリサーチ室の副主任および河北省支
店の副支店長を含む当行の複数の役職を務めていた。同
氏は、2005年6月から当行のリサーチ室の主任、吉林省
支店の支店長および江蘇省支店の支店長を歴任した。同
氏は、2014年7月から当行の最高投資責任者を務め、香
港支店の総経理の役職を兼任した。
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② 当行の取締役、監査役および幹部役員への報酬
年次報酬
関連する政府の規制により、2015年1月1日以降、当行の取締役会会長、総裁、監査役会会長および執行副総裁の
報酬は、 国有金融機関の役員に対する報酬に関する暫定行政措置 に沿って支払われなければならず、当行は、これ
に従い報酬を支払った。2019年度における取締役、監査役および幹部役員の最終的な報酬は今後確定する予定であ
り、当行が今後行う発表により開示される。
2019年度中の当行の取締役、監査役および幹部役員に支払われた報酬は、以下の表に記載されている。
2019 年度の支払報酬(税引前)(単位:1万人民元)
株主または
合計
当行による社会保 その他の関連
(4)=(1)+
支払報酬 険、企業年金およ 取締役給与/監 当事者による
氏名 役名および職名 任期 (1) び住宅手当(2) 査役給与(3) (2)+(3) 報酬の有無
周慕冰 取締役会会長、執 2016 年7月~
行取締役 2022年7月 57.90 16.18 - 74.08 無
張青松 取締役会副会長、 2020 年1月~
執行取締役、総裁 2023年1月 14.48 4.03 - 18.51 無
張克秋 執行取締役、執行 2019 年4月~
副総裁 2022年4月 52.11 15.81 - 67.92 無
徐建東 非執行取締役 2015 年2月~
2020年6月 - - - - 有
陳剣波 非執行取締役 2015 年1月~
2020年12月 - - - - 有
廖路明 非執行取締役 2017 年8月~
2020年8月 - - - - 有
李奇雲 非執行取締役 2018 年6月~
2021年6月 - - - - 有
李蔚 非執行取締役 2019 年5月~
2022年5月 - - - - 有
呉 江濤 非執行取締役 2019 年7月~
2022年7月 - - - - 有
肖星 独立非執行取締役 2015 年3月~
2021年5月 - - 38.00 38.00 有
王欣新 独立非執行取締役 2016 年5月~
2022年5月 - - 36.67 36.67 有
黃 振中 独立非執行取締役 2017 年9月~
2020年9月 - - 36.67 36.67 有
梁高美懿 独立非執行取締役 2019 年7月~
2022年7月 - - 14.50 14.50 有
劉守英 独立非執行取締役 2019 年7月~
2022年7月 - - 14.57 14.57 無
王敬東 監査役会会長、株 2018 年11月~
主代表監査役 2021年11月 57.90 16.18 - 74.08 無
王醒春 株主代表監査役 2014 年6月~
2020年6月 - - - - 無
夏太立 従業員代表監査役 2018 年8月~
2021年8月 - - 5.00 5.00 無
邵利洪 従業員代表監査役 2018 年8月~
2021年8月 - - 5.00 5.00 無
武剛 従業員代表監査役 2019 年10月~
2022年10月 - - 1.25 1.25 無
李旺 外部監査役 2015 年6月~
2021年11月 - - 28.00 28.00 有
張傑 外部監査役 2018 年11月~
2021年11月 - - 31.00 31.00 無
劉紅霞 外部監査役 2018 年11月~
2021年11月 - - 30.00 30.00 有
張旭光 執行副総裁 2019 年12月~
4.34 1.32 - 5.66 無
湛東升 執行副総裁 2019 年4月~
47.77 14.46 - 62.23 無
崔勇 執行副総裁 2019 年5月~
39.09 12.29 - 51.38 無
李志成 最高リスク責任者 2017 年2月~ 97.39 22.26 - 119.65 無
注:(1) 当行の 取締役、監査役および 幹部役員である従業員は、当行から報酬を受ける権利がある。包括報酬には、当行から
支払われる給与、賞与ならびに各種社会保障および住宅手当が含まれる。当行の独立非執行取締役は、取締役給与を
受ける権利がある。当行の外部監査役は、監査役給与を受ける権利がある。当行の取締役会会長、執行取締役および
幹部役員は、当行の子会社からいかなる報酬も受領していない。当行の従業員代表監査役について、上記の表に記載
されている金額は、監査役としての業務の給与のみを含む。
(2) 当行の非 執行取締役である徐建東氏、陳剣波氏、廖路明氏、李奇雲氏、李蔚氏および呉江濤氏は、当行からの 報酬 を
受けなかった。
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(3) 当行の 元執行取締役および執行副総裁である王緯氏は、2019年度にお ける当行での在任期間中に、622.7千人民元の
報酬を受領した。
(4) 当行の 元執行取締役および執行副総裁である蔡東氏は、 2019 年 度における当行での在任期間中に、395.4千人民元の
報酬を受領した。
(5) 元非執行取締役である 胡孝輝 氏は、 当行からの取締役給与を受けなかった 。
(6) 元独立非執行取締役である 温鐵軍 氏は、 2019 年度において、当行から271.8 千人民元 の取締役給与を受領した 。
(7) 元独立非執行取締役である フランシス・袁天凡 氏は、 2019 年度において、当行から251.9 千人民元 の取締役給与を受
領した 。
(8) 2019年度において、王醒春氏は、当行の株主代表監査役として、当行からの報酬を受けなかった。
(9) 元従業員代表監査役である劉成旭氏は、2019年度において、当行から41.8 千人民元 の監査役給与を受領した。
(10) 元 党紀 律 委員会 書記である 龔 超 氏は、 2019年 度 における当行での在任期間中に、56.9千人民元の報酬を受領した。
(11) 元 取締役会秘書役である周万阜 氏は、 2019年 度 における当行での在任期間中に、1,191.8千人民元の報酬を受領し
た。
(12) 2019 年 度 において、当行の取締役、監査役および幹部役員(元取締役、元監査役および元幹部役員を含む。)に対し
支払われた報酬(税引前)の合計は、9,974.0千人民元であった。
当該報告期間の終了日現在、この時点での当行の取締役会秘書役であった 周万阜 氏は、当行のA株式を10,000株
保有していた。 周 氏を除き、その他当行の取締役、監査役または幹部役員はいずれも当行のいかなる株式も保有せ
ずまたはその購入も行っていない。 当該報告期間中、当行の取締役、監査役および幹部役員はいずれも当行の株式
オプションを保有せず、また当行の制限付株式の付与もされていない。
株式インセンティブ・プランの実施
当該報告期間中、当行は、役員向けストック・アプリシエーション・ライト・プランおよび従業員持株制度を含
む株式インセンティブ・プランを実施しなかった。
下記「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-7」を参照のこと。
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(3)【監査の状況】
(a) 監査役会、内部監査および監査人
① 監査役会および内部監査
上記「第5-3 役員の状況(1)コーポレート・ガバナンスの概要」の「監査およびコンプライアンス委員
会」、「監査役会の報告」および「内部監査」の項を参照のこと。
② 監査人
当行の2018年度の年次株主総会の可決によって、当行は、プライスウォーターハウスクーパース中天リミテッド
およびプライスウォーターハウスクーパースと2019年度の当行への国内および国外監査サービスの提供に関する契
約を締結した。かかる監査人は、2013年度から2019年度の7年間連続で当行に監査サービスを提供している。
CASおよびIFRSに従って作成された当行グループの2019年度中の連結財務書類は、プライスウォーターハウス
(1) (2)
クーパース中天リミテッド およびプライスウォーターハウスクーパース がそれぞれ中国監査基準および国
際監査基準に準拠して監査を行い、共に無限定の監査意見である。
(1)プライスウォーターハウスクーパース中天リミテッドは、香港財務情報局条例に基づく認定公益法人監査人である。
(2)プライスウォーターハウスクーパースは、香港財務情報局条例に基づく登録公益法人監査人である。
(b) 監査報酬の内容
① 監査報酬
2019年度において、プライスウォーターハウスクーパース中天リミテッドおよびプライスウォーターハウスクー
パースに対して当行より支払われた当行グループの財務書類に係る監査報酬の総額は122.30百万人民元であり、こ
れには、内部監査サービスの報酬9.78百万人民元が含まれる。2019年度において、プライスウォーターハウスクー
パースおよびそのネットワークメンバーファームに対して当行より支払われた当行の子会社および海外支店の財務
書類に係る監査サービスの報酬の総額は、13.56百万人民元であった。2019年度において、プライスウォーターハ
ウスクーパースおよびそのネットワークメンバーファームに対して当行より支払われた、法令遵守アドバイザリー
サービスを含む非監査プロフェッショナルサービスの報酬の総額は、21.53百万人民元であった。
② その他の重要な報酬
該当なし
③ 非監査業務の内容
該当なし
④ 監査報酬の方針
該当なし
(4) 【役員の報酬等】
該当なし
(5) 【株式の保有状況】
該当なし
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第6【経理の状況】
a. 本書記載の当行および子会社の邦文の財務書類(以下「邦文の財務書類」という。)は、当行の2019年12月31
日に終了した事業年度に係る原文(英文)の年次報告書に含まれる、香港上場規則が財務報告書の作成のための
会計基準として認める香港財務報告基準または国際財務報告基準のうち、国際財務報告基準に準拠して作成され
た本書記載の原文(英文)の監査済財務書類(以下「原文の監査済財務書類」という。)の翻訳に、下記の円換
算額を併記したものである。原文の監査済財務書類を含む上記年次報告書は、香港において開示されている。当
行の財務書類の日本における開示については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38
年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)第131条第1項の規定が適用されている。
邦文の財務書類には、財務諸表等規則に基づき、原文の監査済財務書類中の人民元表示の金額のうち主要なも
のについて円換算額が併記されている。日本円への換算には、1人民元=15.10円(中国外貨取引センターが公表
した2020年5月29日の仲値である100円=6.6225人民元に相当)の為替レートが使用されている。金額は百万円単
位で四捨五入して表示されており、合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。
なお、財務諸表等規則に基づき、国際財務報告基準と日本における会計処理の原則および手続ならびに表示方
法の主要な相違については、第6の「4 国際財務報告基準と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相
違」に記載されている。
円換算額および第6の「2 主な資産・負債及び収支の内容」から「4 国際財務報告基準と日本における会計
原則及び会計慣行の主要な相違」までの事項は原文の監査済財務書類には記載されておらず、当該事項における
原文の監査済財務書類への参照事項を除き、下記bの監査証明に相当すると認められる証明の対象になっていな
い。
b. 原文の監査済財務書類は、外国監査法人等(「公認会計士法」(昭和23年法律第103号)第1条の3第7項に規定
されている外国監査法人等をいう。)であるプライスウォーターハウスクーパース 香港(香港における公認会
計士事務所)から、「金融商品取引法」(昭和23年法律第25号)第193条の2第1項第1号に規定されている監査証
明に相当すると認められる証明を受けている。その監査報告書の原文および訳文は、本書に掲載されている。
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有価証券報告書
1【財務書類】
連結損益計算書
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日終了事業年度
2019 年 2018 年
注記Ⅳ
1 859,141 784,724
受取利息
(372,270) (306,964)
1
支払利息
486,871 477,760
1
受取利息純額
2 103,011 91,525
受取報酬及び手数料
(16,085) (13,384)
2
支払報酬及び手数料
86,926 78,141
2
受取報酬及び手数料純額
3 19,067 16,069
トレーディング業務利益純額
4 5,793 8,460
金融投資利益純額
30
償却原価で測定される金融投資認識中止による利益純額 -
30,693 22,097
5
その他の営業収益
629,350 602,557
営業収益
6 (224,096) (213,963)
営業費用
8 (138,605) (136,647)
信用減損損失
(118) (251)
その他の資産に係る減損損失
266,531 251,696
営業利益
45 (22)
20
関連会社及び共同支配企業への持分に係る損益
266,576 251,674
税引前当期純利益
(53,652) (49,043)
9
法人所得税費用
212,924 202,631
当期純利益
以下に帰属 :
212,098 202,783
当行の持分所有者
826 (152)
非支配持分
212,924 202,631
当行の普通株主に帰属する 1 株当たり利益
(1 株当たり単位:人民元 )
0.59 0. 59
11
- 基本的及び希薄化後
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有価証券報告書
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日終了事業年度
2019 年 2018 年
212,924 202,631
当期純利益
その他の包括利益:
その後に損益に振り替えられる可能性のある項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る公正
9,239 35,360
価値の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る信用
5,637 3,243
損失引当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る公正
(4,206) (9, 290 )
価値の変動及び信用損失引当金の所得税への影響
746 1,505
為替換算差額
11,416 30,818
小計
その後に損益に振り替えられない項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定された
383 196
その他の持分投資の公正価値の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定された
(98) (47)
その他の持分投資の公正価値の変動の法人所得税への影響
285 149
小計
11,701 30,967
その他の包括利益、税効果調整後
224,625 233,598
当期包括利益合計
以下に帰属する当期包括利益合計 :
223,536 233,079
当行の持分所有者
1,089 519
非支配持分
224,625 233,598
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
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連結損益計算書
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万円 )
12 月 31 日終了事業年度
2019 年 2018 年
注記Ⅳ
1 12,973,029 11,849,332
受取利息
(5,621,277) (4,635,156)
1
支払利息
7,351,752 7,214,176
1
受取利息純額
2 1,555,466 1,382,027
受取報酬及び手数料
(242,883) (202,098)
2
支払報酬及び手数料
1,312,583 1,179,929
2
受取報酬及び手数料純額
3 287,912 242,642
トレーディング業務利益純額
4 87,474 127,746
金融投資利益純額
453
償却原価で測定される金融投資認識中止による利益純額 -
463,464 333,665
5
その他の営業収益
9,503,185 9,098,611
営業収益
6 (3,383,850) (3,230,841)
営業費用
8 (2,092,935) (2,063,370)
信用減損損失
(1,782) (3,790)
その他の資産に係る減損損失
4,024,618 3,800,610
営業利益
680 (333)
20
関連会社及び共同支配企業への持分に係る損益
4,025,298 3,800,277
税引前当期純利益
(810,146) (740,549)
9
法人所得税費用
3,215,152 3,059,728
当期純利益
以下に帰属 :
3,202,679 3,062,023
当行の持分所有者
12,473 (2,295)
非支配持分
3,215,152 3,059,728
当行の普通株主に帰属する 1 株当たり利益
(1 株当たり単位: 円 )
9 9
11
- 基本的及び希薄化後
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有価証券報告書
(単位:百万円 )
12 月 31 日終了事業年度
2019 年 2018 年
3,215,152 3,059,728
当期純利益
その他の包括利益:
その後に損益に振り替えられる可能性のある項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る公正
139,509 533,936
価値の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る信用
85,119 48,969
損失引当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る公正
(63,511) (140,279)
価値の変動及び信用損失引当金の所得税への影響
11,265 22,726
為替換算差額
172,382 465,352
小計
その後に損益に振り替えられない項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定された
5,784 2,960
その他の持分投資の公正価値の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定された
(1,480) (710)
その他の持分投資の公正価値の変動の法人所得税への影響
4,304 2,250
小計
176,686 467,602
その他の包括利益、税効果調整後
3,391,838 3,527,330
当期包括利益合計
以下に帰属する当期包括利益合計 :
3,375,394 3,519,493
当行の持分所有者
16,444 7,837
非支配持分
3,391,838 3,527,330
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
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有価証券報告書
連結財政状態計算書
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日現在
2019 年 2018 年
注記Ⅳ
資産
12 2,699,895 2,805,107
現金及び中央銀行預け金
13 235,742 109,728
銀行及びその他の金融機関への預け金
30,063 21,268
貴金属
14 523,183 552,013
銀行及びその他の金融機関への貸出金
15 24,944 36,944
デリバティブ金融資産
16 708,551 371,001
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
17 12,819,610 11,461,542
顧客への貸出金及び立替金
18
金融投資
801,361 643,245
損益を通じて公正価値で測定される金融資産
4,946,741 4,503,698
償却原価で測定される負債性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融
1,674,828 1,738,132
商品及びその他資本性金融商品
20 6,672 4,005
関連会社及び共同支配企業に対する投資
21 152,484 152,452
有形固定資産
1,381 1,381
のれん
22 120,952 113,293
繰延税金資産
131,881 95,662
23
その他の資産
24,878,288 22,609,471
資産合計
負債
24 608,536 561,195
中央銀行からの借入金
25 1,503,909 1,124,322
銀行及びその他の金融機関からの預り金
26 325,363 325,541
銀行及びその他の金融機関からの借入金
27 330,627 286,303
損益を通じて公正価値で測定される金融負債
15 29,548 34,554
デリバティブ金融負債
28 53,197 157,101
買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産
29 18,542,861 17,346,290
顧客からの預り金
30 1,108,212 780,673
発行債務証券
22 520 139
繰延税金負債
415,753 318,566
31
その他の負債
22,918,526 20,934,684
負債合計
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有価証券報告書
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日現在
2019 年 2018 年
注記Ⅳ
資本
32 349,983 349,983
普通株式
33 199,886 79,899
その他資本性金融商品
79,899 79,899
優先株式
119,987
永久債 -
34 173,556 173,556
資本準備金
35 29,684 18,992
投資再評価準備金
36 174,910 154,257
利益準備金
37 277,016 239,190
一般準備金
741,101 652,944
利益剰余金
2,219 1,473
為替換算準備金
1,948,355 1,670,294
当行の持分所有者に帰属する持分
11,407 4,493
非支配持分
1,959,762 1,674,787
資本合計
24,878,288 22,609,471
資本及び負債合計
168/492
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有価証券報告書
連結財政状態計算書
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万円 )
12 月 31 日現在
2019 年 2018 年
注記Ⅳ
資産
12 40,768,415 42,357,116
現金及び中央銀行預け金
13 3,559,704 1,656,893
銀行及びその他の金融機関への預け金
453,951 321,147
貴金属
14 7,900,063 8,335,396
銀行及びその他の金融機関への貸出金
15 376,654 557,854
デリバティブ金融資産
16 10,699,120 5,602,115
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
17 193,576,111 173,069,284
顧客への貸出金及び立替金
18
金融投資
12,100,551 9,713,000
損益を通じて公正価値で測定される金融資産
74,695,789 68,005,840
償却原価で測定される負債性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融
25,289,903 26,245,793
商品及びその他資本性金融商品
20 100,747 60,476
関連会社及び共同支配企業に対する投資
21 2,302,508 2,302,025
有形固定資産
20,853 20,853
のれん
22 1,826,376 1,710,724
繰延税金資産
1,991,404 1,444,496
23
その他の資産
375,662,149 341,403,012
資産合計
負債
24 9,188,894 8,474,045
中央銀行からの借入金
25 22,709,026 16,977,262
銀行及びその他の金融機関からの預り金
26 4,912,981 4,915,669
銀行及びその他の金融機関からの借入金
27 4,992,468 4,323,175
損益を通じて公正価値で測定される金融負債
15 446,175 521,765
デリバティブ金融負債
28 803,275 2,372,225
買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産
29 279,997,201 261,928,979
顧客からの預り金
30 16,734,001 11,788,162
発行債務証券
22 7,852 2,099
繰延税金負債
6,277,870 4,810,347
31
その他の負債
346,069,743 316,113,728
負債合計
169/492
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中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(単位:百万円 )
12 月 31 日現在
2019 年 2018 年
注記Ⅳ
資本
32 5,284,743 5,284,743
普通株式
33 3,018,279 1,206,475
その他資本性金融商品
1,206,475 1,206,475
優先株式
1,811,804
永久債 -
34 2,620,696 2,620,696
資本準備金
35 448,228 286,779
投資再評価準備金
36 2,641,141 2,329,281
利益準備金
37 4,182,942 3,611,769
一般準備金
11,190,625 9,859,454
利益剰余金
33,507 22,242
為替換算準備金
29,420,161 25,221,439
当行の持分所有者に帰属する持分
172,245 67,845
非支配持分
29,592,406 25,289,284
資本合計
375,662,149 341,403,012
資本及び負債合計
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
2020 年 3 月 30 日に取締役会の承認を得て公表が認められた。
周慕氷 張克秋
会長 執行取締役
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有価証券報告書
連結持分変動計算書
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
当行の持分所有者に帰属する持分合計
その他
資本性金融商 投資再評価 為替換算
注記 Ⅳ
普通株式 品 資本準備金 準備金 利益準備金 一般準備金 利益剰余金 準備金 小計 非支配持分 合計
349,983 79,899 173,556 18,992 154,257 239,190 652,944 1,473 1,670,294 4,493 1,674,787
2018 年 12 月 31 日現在
212,098 212,098 826 212,924
当期純利益 -
- - - - - -
10,692 746 11,438 263 11,701
その他の包括利益
- - - - - -
10,692 212,098 746 223,536 1,089 224,625
当期包括利益合計
- - - - -
33 119,987 119,987 5,825 125,812
所有者による増資 -
- - - - - -
36 20,653 (20,653)
利益準備金繰入額 -
- - - - - - - -
37 37,826 (37,826)
一般準備金繰入額 -
- - - - - - - -
10 (60,862) (60,862) (60,862)
普通株主に対する配当金支払額 -
- - - - - - -
10 (4,600) (4,600) (4,600)
優先株主に対する配当金支払額 -
- - - - - - -
349,983 199,886 173,556 29,684 174,910 277,016 741,101 2,219 1,948,355 11,407 1,959,762
2019 年 12 月 31 日現在
2017 年 12 月 31 日現在 324,794 79,899 98,773 (19,690) 134,348 230,750 577,573 (32) 1,426,415 2,982 1,429,397
9,891 (95) (36,457) (26,661) 244 (26,417)
会計方針の変更による影響 -
- - - -
324,794 79,899 98,773 (9,799) 134,348 230,655 541,116 (32) 1,399,754 3,226 1,402,980
2018 年 1月 1日現在
202,783 202,783 (152) 202,631
当期純利益 - -
- - - - -
28,791 1,505 30,296 671 30,967
その他の包括利益 - - - - - -
28,791 202,783 1,505 233,079 519 233,598
当期包括利益合計 - - - - -
32 25,189 74,783 99,972 749 100,721
所有者による増資 - -
- - - -
36 19,909 (19,909)
利益準備金繰入額 - -
- - - - - - -
37 8,535 (8,535)
一般準備金繰入額 - -
- - - - - - -
10 (57,911) (57,911) (57,911)
普通株主に対する配当金支払額 - -
- - - - - -
10 (4,600) (4,600) (4,600)
優先株主に対する配当金支払額 - -
- - - - - -
(1) (1)
非支配株主に対する配当金支払額 - -
- - - - - - -
349,983 79,899 173,556 18,992 154,257 239,190 652,944 1,473 1,670,294 4,493 1,674,787
20 18年 12 月 31 日現在
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
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連結持分変動計算書
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万円 )
当行の持分所有者に帰属する持分合計
その他
資本性金融商 投資再評価 為替換算
注記 Ⅳ
普通株式 品 資本準備金 準備金 利益準備金 一般準備金 利益剰余金 準備金 小計 非支配持分 合計
5,284,743 1,206,475 2,620,696 286,779 2,329,281 3,611,769 9,859,454 22,242 25,221,439 67,845 25,289,284
2018 年 12 月 31 日現在
3,202,680 3,202,680 12,472 3,215,152
当期純利益 -
- - - - - -
161,449 11,265 172,714 3,971 176,685
その他の包括利益 - - - - - -
161,449 3,202,680 11,265 3,375,394 16,443 3,391,837
当期包括利益合計 - - - - -
33 1,811,804 1,811,804 87,957 1,899,761
所有者による増資 -
- - - - - -
36 311,860 (311,860)
利益準備金繰入額 -
- - - - - - - -
37 571,173 (571,173)
一般準備金繰入額 -
- - - - - - - -
10 (919,016) (919,016) (919,016)
普通株主に対する配当金支払額 -
- - - - - - -
10 (69,460) (69,460) (69,460)
優先株主に対する配当金支払額 -
- - - - - - -
5,284,743 3,018,279 2,620,696 448,228 2,641,141 4,182,942 11,190,625 33,507 29,420,161 172,245 29,592,406
2019 年 12 月 31 日現在
4,904,389 1,206,475 1,491,473 (297,319) 2,028,655 3,484,325 8,721,352 (484) 21,538,866 45,029 21,583,895
2017 年 12 月 31 日現在
149,354 (1,434) (550,501) (402,581) 3,684 (398,897)
会計方針の変更による影響
- - - - -
4,904,389 1,206,475 1,491,473 (147,965) 2,028,655 3,482,891 8,170,851 (484) 21,136,285 48,713 21,184,998
2018 年 1月 1日現在
3,062,023 3,062,023 (2,295) 3,059,728
当期純利益 -
- - - - - -
434,744 22,726 457,470 10,132 467,602
その他の包括利益 - - - - - -
434,744 3,062,023 22,726 3,519,493 7,837 3,527,330
当期包括利益合計 - - - - -
32 380,354 1,129,223 1,509,577 11,310 1,520,887
所有者による増資 - -
- - - -
36 300,626 (300,626)
利益準備金繰入額 - - -
- - - - - -
37 128,878 (128,878)
一般準備金繰入額 - -
- - - - - - -
10 (874,456) (874,456) (874,456)
普通株主に対する配当金支払額 - - -
- - - - -
10 (69,460) (69,460) (69,460)
優先株主に対する配当金支払額 - - -
- - - - -
(15) (15)
非支配株主に対する配当金支払額 - -
- - - - - - -
5,284,743 1,206,475 2,620,696 286,779 2,329,281 3,611,769 9,859,454 22,242 25,221,439 67,845 25,289,284
20 18年 12 月 31 日現在
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
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連結キャッシュ・フロー計算書
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日終了事業年度
2019 年 2018 年
営業活動によるキャッシュ・フロー
266,576 251,674
税引前当期純利益
調整 :
1,934 2,309
無形固定資産及びその他の資産の償却費
16,777 14,104
有形固定資産及び使用権資産の減価償却費
138,605 136,647
信用減損損失
118 251
その他の資産に係る減損損失
(232,571) (216,118)
投資有価証券に係る受取利息
31,375 23,094
発行債務証券に係る支払利息
(9,641) (5,120)
公正価値の変動に係る損益
(494) (351)
投資有価証券に係る利得純額
(45) 22
関連会社及び共同支配企業の持分に 係る 損益
(1,217) (1,068)
有形固定資産及びその他の資産の売却に係る利得純額
(8,135) (6,733)
為替収益純額
203,282 198,711
営業資産及び営業負債の増減純額 :
中央銀行預け金並びに銀行及びその他の金融機関への預け金の
173,726 266,843
減少純額
(42,279) (75,015)
銀行及びその他の金融機関への貸出金の増加純額
15,474 23,004
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産の減少純額
(1,442,873) (1,238,775)
顧客への貸出金の増加純額
49,587 86,098
中央銀行からの借入金の増加純額
銀行及びその他の金融機関からの借入金の (減少 )/ 増加純額 (98) 43,764
1,551,818 1,093,590
顧客からの預り金と銀行及びその他金融機関からの預り金の増加純額
その他の営業資産の (増加 )/ 減少 (148,837) 3,365
46,446 (247,938)
その他の営業負債の増加 /( 減少 )
406,246 153,647
営業活動によるキャッシュ
(53,675) (47,720)
法人所得税支払額
352,571 105,927
営業活動による正味キャッシュ
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12 月 31 日終了事業年度
2019 年 2018 年
投資活動によるキャッシュ・フロー
1,868,019
投資有価証券の売却 /償還による収入 1,731,574
223,034 199,604
投資有価証券に係る利息受取額
1,178 5,605
有形固定資産及びその他の資産の処分による収入
(2,169,824) (2,491,466)
投資有価証券の購入による支出
(2,657) (3,801)
関連会社及び共同支配企業への投資による支出
(14,110) (17,048)
有形固定資産及びその他の資産の購入による支出
(230,805) (439,087)
投資活動に使用された正味キャッシュ
財務活動によるキャッシュ・フロー
100,007
株式の発行による収入 -
(36)
株式の発行による取引費用
-
120,000
その他資本性金融商品の発行による収入 -
(13)
その他資本性金融商品の発行による支払額 -
1,465,652 1,310,162
債務証券の発行による収入
(1,141,046) (1,021,557)
発行債務証券の償還
(28,441) (21,844)
発行債務証券に係る利息支払額
(63) (96)
債務証券の発行費用の支払額
(4,687)
リース負債の元本及び利息の償還 適用なし
5,825 749
非支配持分による資本拠出
(60,862) (57,911)
普通株主に対する配当支払額
(4,600) (4,600)
優先株主に対する配当支払額
(1)
非支配株主に対する配当支払額 -
351,765 304,873
財務活動による正味キャッシュ
(28,287)
現金及び現金同等物の増加 /(減少)純額 473,531
1,001,246
現金及び現金同等物の 1 月 1 日現在残高 978,441
2,609 5,482
現金及び現金同等物に係る為替レートの変動の影響
1,454,581 978,441
現金及び現金同等物の 12 月 31 日現在残高 38
営業活動による正味キャッシュ・フローには以下が含まれている:
582,522 515,982
利息受取額
(318,125) (286,484)
利息支払額
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
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連結キャッシュ・フロー計算書
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(特に明記しない限り、単位は 百万円 )
12 月 31 日終了事業年度
2019 年 2018 年
営業活動によるキャッシュ・フロー
4,025,298 3,800,277
税引前当期純利益
調整 :
29,203 34,866
無形固定資産及びその他の資産の償却費
253,333 212,970
有形固定資産及び使用権資産の減価償却費
2,092,936 2,063,371
信用減損損失
1,782 3,790
その他の資産に係る減損損失
(3,511,823) (3,263,382)
投資有価証券に係る受取利息
473,763 348,719
発行債務証券に係る支払利息
(145,579) (77,312)
公正価値の変動に係る損益
(7,459) (5,300)
投資有価証券に係る利得純額
(680) 332
関連会社及び共同支配企業の持分に 係る 損益
(18,377) (16,127)
有形固定資産及びその他の資産の売却に係る利得純額
(122,839) (101,668)
為替収益純額
3,069,558 3,000,536
営業資産及び営業負債の増減純額 :
中央銀行預け金並びに銀行及びその他の金融機関への預け金の
2,623,263 4,029,330
減少純額
(638,413) (1,132,727)
銀行及びその他の金融機関への貸出金の増加純額
233,657 347,360
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産の減少純額
(21,787,382) (18,705,503)
顧客への貸出金の増加純額
748,764 1,300,080
中央銀行からの借入金の増加純額
銀行及びその他の金融機関からの借入金の (減少 )/ 増加純額 (1,480) 660,836
23,432,452 16,513,210
顧客からの預り金と銀行及びその他金融機関からの預り金の増加純額
その他の営業資産の (増加 )/ 減少 (2,247,439) 50,812
701,335 (3,743,864)
その他の営業負債の増加 /( 減少 )
6,134,315 2,320,070
営業活動によるキャッシュ
(810,493) (720,572)
法人所得税支払額
5,323,822 1,599,498
営業活動による正味キャッシュ
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12 月 31 日終了事業年度
2019 年 2018 年
投資活動によるキャッシュ・フロー
26,146,767 28,207,087
投資有価証券の売却 /償還による収入
3,367,813 3,014,020
投資有価証券に係る利息受取額
17,788 84,636
有形固定資産及びその他の資産の処分による収入
(32,764,342) (37,621,137)
投資有価証券の購入による支出
(40,121) (57,395)
関連会社及び共同支配企業への投資による支出
(213,061) (257,425)
有形固定資産及びその他の資産の購入による支出
(3,485,156) (6,630,214)
投資活動に使用された正味キャッシュ
財務活動によるキャッシュ・フロー
1,510,106
株式の発行による収入 -
(544)
株式の発行による取引費用
-
1,812,000
その他資本性金融商品の発行による収入 -
(196)
その他資本性金融商品の発行による支払額 -
22,131,345 19,783,446
債務証券の発行による収入
(17,229,795) (15,425,511)
発行債務証券の償還
(429,459) (329,844)
発行債務証券に係る利息支払額
(951) (1,450)
債務証券の発行費用の支払額
(70,774)
リース負債の元本及び利息の償還 適用なし
87,958 11,310
非支配持分による資本拠出
(919,016) (874,456)
普通株主に対する配当支払額
(69,460) (69,460)
優先株主に対する配当支払額
(15)
非支配株主に対する配当支払額 -
5,311,652 4,603,582
財務活動による正味キャッシュ
7,150,318 (427,134)
現金及び現金同等物の増加 /(減少)純額
14,774,459 15,118,815
現金及び現金同等物の 1 月 1 日現在残高
39,396 82,778
現金及び現金同等物に係る為替レートの変動の影響
21,964,173 14,774,459
現金及び現金同等物の 12 月 31 日現在残高 38
営業活動による正味キャッシュ・フローには以下が含まれている:
8,796,082 7,791,328
利息受取額
(4,803,688) (4,325,908)
利息支払額
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
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連結財務諸表に対する注記
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(金額は、別途記載がある場合を除き、百万人民元を表す。 )
Ⅰ . 一般情報
中国農業銀行股份有限公司 (以下「当行」という。 )は、中国人民銀行 (以下「 PBOC 」という。 )により設置を承認され、 1979 年
2 月 23 日に中華人民共和国 (以下「中国」という。 )において設立された完全国営商業銀行である、旧中国農業銀行 (以下「 旧
銀行」という。 )の後継銀行である。 2009 年 1 月 15 日、当行は、旧銀行の財政再建終了後に創設された。当行の創設は、
PBOC により承認された。当行は、 2010 年 7 月 15 日及び 2010 年 7 月 16 日にそれぞれ上海証券取引所及び香港証券取引所に
上場した。
当行は、中国銀行保険監督管理委員会 (China Banking and Insurance Regulatory Commission 、元「中国銀行業監督管理
委員会」 (China Banking Regulatory Commission) と「中国保険監督管理委員会」( China Insurance Regulatory Commission )、
以下「 CBIRC 」という。 )発行の金融業の認可第 B0002H111000001 号、及び北京工商行政管理局発行の営業許可証第
911100001000054748 号に基づき営業活動を行っている。当行の登録住所は、中華人民共和国北京市東城区建国門内大
街 69 号である。
当行及びその子会社 (以下、総称して「当行グループ」という。 )の主たる業務は、人民元預金及び外貨預金、貸出、清算・
決済業務、資産保管業務、資金運用、ファイナンス・リース業務、保険業務及び関連規制当局が承認したその他の業務、並
びに各地域の規制当局が承認した国外の事業所による関連業務が含まれる。
中国本土で営業活動を行っている当行の本店及び国内支店並びに当行の子会社は、「国内業務」と称されている。中国
本土外で登録され、営業活動を行っている支店及び子会社は、「国外業務」と称されている。
Ⅱ . 重要な会計方針の概要
1 .作成の基礎
準拠している旨の記述
連結財務諸表は、国際会計基準審議会 (以下「 IASB 」という。 )が公表した国際財務報告基準 (以下「 IFRSs 」という。 )に準
拠して作成されている。また、当事業年度及び比較対象期間の連結財務諸表には、香港証券取引所の有価証券上場規則
及び香港会社条例 (第 622 章 )が要求する開示が含まれている。
作成の基礎
連結財務諸表は、以下の会計方針において説明されている通り、公正価値で測定される一部の金融商品を除き、取得原
価基準で作成されている。取得原価は、通常、資産を交換する際の対価 (又は、支払うことが予想される金額 ) の公正価値に
基づいている。
IFRSs に準拠した財務諸表の作成には、一定の重要な会計上の見積りの使用が必要となる。また、当行グループの会計
方針を適用する過程では経営者の判断も求められる。より高度な判断もしくは複雑性を伴う領域、又は仮定及び見積りが連
結財務諸表上重要となる領域については、注記Ⅲに開示されている。
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1.1. 当行グループに関連するかつ 2019 年度に当行グループが適用した公表済の会計基準及び基準のその他の改訂
2019 年度において、当行グループは以下の会計基準及び基準の改訂を初めて適用している。
(1)
IFRS 第 16 号
「リース」
(2)
IFRIC 第 23 号
「法人所得税務処理に関する不確実性」
(3)
IFRS 第 9 号 の改訂
「負の補償を伴う期限前償還要素及び金融負債の条件変更」
(4)
IFRS 第 3 号 ,IFRS 第 11 号 ,IAS 第 12 号及 「 IFRS の年次改善 (2015 年- 2017 年サイクル )」
び IAS 第 23 号 の改訂
(5)
IAS 第 19 号 の改訂 従業員給付の制度改訂、縮小又は清算
(6)
IAS 第 28 号 の改訂 関連会社及び共同支配企業に対する長期持分
(1) IFRS 第 16 号「リース」
当行グループは国際会計基準審議会より公表された「IFRS第16号-リース」(以下「新リース基準」と略称する)を適用
しており、本基準の初度適用日は2019年1月1日である。新リース基準の移行条項に従い、当行グループは、2018年
報告年度の比較数値を再表示していない。新リース基準を採用したために行われた再分類と調整は、2019年1月1日
(以下、「初度適用日」と略称する)の期首貸借対照表で認識された。
新リース基準の影響を受けた具体的な会計方針は次の通りである。
新リース基準の実施により、当行グループに対しては、主に当行グループが借手としてのオペレーティング・リース
業務に影響を及ぼすことになる。
新リース基準の要求事項に従い、当行グループは、リース期間の開始日に使用権資産を認識し、未払リース料の
現在価値でリース負債を認識する。当行グループの使用権資産は主に借入住宅及び建物を含む。使用権資産は、
原価に基づいて当初測定を行い、当該原価は、リース負債の当初測定額、リース期間の開始日またはその前に支
払ったリース料、初期直接費用、原状回復費用等を含んでおり、すでに受け取ったリースインセンティブを差し引いた
後のものである。当行グループは、リース期間満了時にリース資産の所有権を取得することを合理的に判断できる場
合、リース資産の残存耐用年数内に減価償却を行う。リース期間満了時にリース資産の所有権を取得できるかどうか
合理的に判断できない場合、リース期間とリース資産の残存耐用年数のいずれか短いほうの期間内に減価償却を行
う。回収可能額が使用権資産の帳簿価額を下回る場合、当行グループは帳簿価額を回収可能額に減額する。
リース期間が12か月以内である短期リースおよび単一のリース資産が新品でありかつ少額である少額資産リースの
場合、当行グループは、使用権資産とリース負債を認識しないことを選択し、関連するレンタル費用を、リース期間内
の各期間にわたり、定額法に基づいて当期損益または関連資産原価に計上する。
当行グループの新リース基準の実施による影響は以下の通りである。
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当行グループは、2018年12月31日に、原リース基準「オペレーティング・リース」の範囲内のリースに対してリース負
債を認識した。当該リース負債は、リース料の残高をもって初度適用日の借手の追加借入利率で割り引いた現在価値
で測定したものであり、実務上の簡便処理、再評価によりリース契約として認識された契約、延長・解約オプションの取
扱いの相違による調整を計算過程において考慮したことから、2019年1月1日に認識したリース債務残高と2018年12月
31日にオペレーティング・リースの未払金の残高との差額は178百万人民元である。当行グループにおける各借手は
各自の類似債券発行に関連する満期収益率に基づいて、リース残存期間、リース規模、担保状況を総合的に考慮
し、リース債務に適用する追加借入利率を決定する。使用権資産については、当行グループは、リース負債の金額に
基づいて測定し、初度適用日に貸借対照表に計上された当該リースに関連する前払または源泉徴収リース料の金額
に基づいて調整を行う。また、新リース基準の初度適用において、当行グループは、基準で認められた実務上の簡便
処理法を採用した。これには、主に、初度適用日時点でリース残存期間が12ヶ月未満のオペレーティング・リースを短
期リースとして処理し、短期リースおよび少額資産リースに対しては使用権資産およびリース負債を認識しないことが
含まれている。
2019 年1月1日時点において、当行グループが認識した使用権資産の総額は11,095百万人民元であり、リース負
債の総額は10,428百万人民元である。新リース基準の実施は、当行グループの2019年1月1日時点の純資産に影響
を与えていない。
(2) IFRIC 第 23 号「法人所得税務処理に関する不確実性」
IASB は 2017 年 6 月に IFRIC 第 23 号「法人所得税務処理に関する不確実性」を公表し、法人所得税務の処理に関す
る不確実性が存在する場合に IAS 第 12 号で要求される認識及び測定の適用方法を明確化している。 当行グループ
は、この解釈指針の適用による当行グループの連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでいる。
(3) IFRS 第 9 号の改訂「負の補償を伴う期限前償還要素及び金融負債の条件変更」
IASB は 2017 年 10 月 12 日に IFRS 第 9 号の改訂「負の補償を伴う期限前償還要素及び金融負債の条件変更」を公表
した。当該改訂により、特定の期限前償還が可能な金融資産について、償却原価で測定を行う余地が改訂前の IFRS
第 9 号と比較して広がった。また当該改訂により、償却原価で測定される金融負債の消滅の要件を満たさない条件変
更又は交換の会計処理が明確化された。 当行グループは、この改訂の適用による当行グループの連結財務諸表へ
の重要な影響はないと見込んでいる。
(4) IFRS 第 3 号 ,IFRS 第 11 号 ,IAS 第 12 号 及び IAS 第 23 号 の改訂「 IFRS 年次改善 (2015 年- 2017 年サイクル )」
IFRS 年次改善 (2015 年- 2017 年サイクル )には、 IFRS 第 3 号「企業結合」、 IFRS 第 11 号「共同支配の取決め」、 IAS 第
12 号「法人所得税」 及び IAS 第 23 号「借入コスト」を含む各種基準に対する多数の改定が含まれる。当行グループは、
これらの改訂の適用による当行グループの連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでいる。
(5) IAS 第 19 号 の改訂「従業員給付の制度改訂、縮小又は清算」
2018 年 2 月 8 日に、 IASB は IAS 第 19 号の改訂「従業員給付の制度改訂、縮小又は精算」を公表した。本改訂により、
企業は、現在の仮定と制度資産の改訂時の公正価値を基に制度改訂後の確定給付負債の純額を再測定し、すべて
の過去勤務費用又は清算損益を算定することが求められる。当行グループは、本改訂の採用が当行グループの連結
財務諸表に重大な影響を及ぼすことはないと見込んでいる。
(6) IAS 第 28 号 の改訂「関連会社及び共同支配企業に対する長期持分」
2017 年 10 月 12 日に、 IASB は IAS 第 28 号の改訂「関連会社及び共同支配企業に対する長期持分」を公表した。本改
訂は、これら長期持分に対し、持分法が適用されない場合には、企業が IFRS 第 9 号を適用すべきであることを明確に
している。当行グループは、本改訂の採用が当行グループの連結財務諸表に重大な影響を及ぼすことはないと見込
んでいる。
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1.2. 2019 年度において未発効、かつ当行グループが発効日前に適用していない基準及び修正
当行グループは、公表済みであるが未発効の、以下の新規及び改訂後の基準を適用していない。
以下の日以降に
開始する事業年度から適用
(1)
IAS 第 1 号及び IAS 「重要性がある」の定義 2020 年 1 月 1 日
第 8 号の改訂
(2)
IFRS 第 3 号の改訂 「 事業 」 の定義 2020 年 1 月 1 日
(3)
IFRS 第 9 号、 IAS 第 金利指標改革 2020 年 1 月 1 日
39 号及び IFRS 第 7
号 の改訂
(4)
IFRS 第 17 号 保険契約 2021 年 1 月 1 日 (2023 年 1 月 1 日 に
延期される可能性がある )
(5)
IAS 第 1 号の改訂 負債の流動又は非流動への分類 2022 年 1 月 1 日
(6)
IFRS 第 10 号及び 投資者とその関連会社または共同支配企業との間の資産 当該改訂は当初 2016 年 1 月 1 日 以
の売却または拠出
IAS 第 28 号 の改訂 降に開始する年度から発効するこ
とが意図されていた。発効日を無
期限に延期している。
(1) IAS 第 1 号 及び IAS 第 8 号 の改訂:「重要性がある」の定義
IASB は IAS 第 1 号と IAS 第 8 号を公表し、そのうちの「重要性」の定義に対して改訂を行った。改定後の定義は、「情
報は、それを省略、誤表示又は覆い隠したときに、特定の報告企業の財務情報を提供する一般目的財務諸表の主要
な利用者が当該財務諸表に基づいて行う意思決定に影響を与えると合理的に予想し得る場合には重要性がある」と
されている。
本改訂により、「情報の覆い隠し」による影響は情報の省略又は誤表示による影響と類似し、かつ報告企業は財務
諸表全体に関して重要性があるかどうかを評価すべきであると明確にされた。
さらに、本改訂により、「一般目的財務諸表の主要な利用者」とは、必要とする情報を一般目的財務諸表に依拠しな
ければならないという財務諸表のサービス対象を指しており、それには「必要とする情報を一般目的財務諸表に依拠
しなければならない現在及び潜在的な投資者、融資者及び他の債権者」が含まれることが明らかにされた。当行グ
ループは、本改訂の適用が当行グループの連結財務諸表に重大な影響を及ぼすことはないと見込んでいる。
(2) IFRS 第 3 号 の改訂:「事業」の定義
IASB は IFRS 第 3 号を公表し、その「事業」の定義に対して改訂を行った。本改訂により、事業を構成するためには、
事業の購入には「インプット」及び「実質的なプロセス」が含まれる必要があり、いずれもアウトプットの創出に著しく寄与
する能力をともに有することを明らかにされた。当該改訂は、アウトプットの定義を狭めており、顧客への商品又はサー
ビスの提供、投資収益若しくはその他日常経営活動による収入に焦点を当て、コストダウンという形式でのリターン及
びその他の経済的利益が含まれないことを明確にした。当行グループは、本改訂の適用が当行グループの連結財務
諸表に重大な影響を及ぼすことはないと見込んでいる。
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(3) IFRS 第 9 号 、 IAS 第 39 号 及び IFRS 第 7 号 の改訂:金利指標改革
IASB は 、 IFRS 第 9 号、 IAS39 号および IFRS 第 7 号の改訂を公表し、金利指標改革に関連した救済措置を提供し
た。当該改訂は銀行間取引金利改革の影響を直接的に受ける全てのヘッジ関係に適用される。救済措置はヘッジ会
計に関するものであり、一般的に銀行間取引金利改革がヘッジ会計の終了の効果をもたらすべきではないというもの
である。ただし、ヘッジの非有効部分はすべて、損益計算書に継続的に記録されるべきである。当行グループは、本
改訂の採用が当行グループの連結財務諸表に重大な影響を及ぼすことはないと見込んでいる。
(4) IFRS 第 17 号 :保険契約
IFRS 第 17 号は、 IFRS 第 4 号「保険契約」に置き換わるものとして 2017 年 5 月 に公表された。同基準は各報告期間に
見積りが再測定される現在測定モデルの利用を求めている。契約の測定には、確率加重された割引キャッシュ・フ
ロー、明示的なリスク調整に加え、カバー期間にわたって収益として認識される、契約に係る未稼得利益である契約上
のサービス・マージン (以下、「 CSM 」という。 )という構成要素が用いられる。
本基準は、割引率の変動による影響の認識に関して、損益計算書による認識又はその他の包括利益による直接認
識の選択適用を認めている。この選択は、保険会社が IFRS 第 9 号のもとで金融資産をどのように会計処理したかを反
映してなされる。
損害保険会社に典型的な短期の契約に関しては、残存カバーに係る負債に対し簡便法(保険料配分アプローチ)
の任意適用が認められている。
IFRS 第 17 号には、変動手数料アプローチと呼ばれる一般モデルを修正したモデルがある。この方法は、生命保険
会社が発行しかつ保険契約者が基礎となる項目からのリターンを共有する一部の契約に適用している。変動手数料
アプローチを採用した場合には、基礎となる項目の公正価値変動のうち、事業体の持分は契約上のサービス・マージ
ンに含められる。したがって、このモデルを使用した場合、一般モデルを使用した場合よりも保険会社の業績のボラ
ティリティは低くなる可能性が高い。
この新たな基準は、保険契約又は裁量権のある有配当性を有する投資契約を発行するすべての事業体の財務書
類と重要業績指標に影響を及ぼすと考えられる。
当行グループは、 IFRS 第 17 号の適用が当行グループの経営成績及び財政状態に及ぼす影響の評価をまだ終え
ていない。
現時点では、 IFRS 第 17 号は、 2021 年 1 月 1 日以降に開始する年度おいて強制的に発効するとされるが、 2020 年 3 月
17 日に IASB は IFRS 第 17 号の発効を 2023 年 1 月 1 日以降に開始する年度報告期間に延期することを決定し、 2020 年 第
2 四半期に IFRS 第 17 号の改訂を公表する予定である。
(5) IAS 第 1 号 の改訂:負債の流動または非流動への分類
IASB は 、企業が報告期末に存在する権利に応じて負債を流動負債または非流動負債に分類すべきことを明らか
にするために、 IAS 第 1 号に対する狭い範囲の改訂を公表した。 本改訂の要求事項:
・ 企業が期末に負債の決済を少なくとも 12 ヶ月延期する実質的な権利を有する場合、負債は非流動負債として
分類されるべきである。貸出金が無条件であることはほとんどないため(例えば、貸出金に返済契約が付けられ
ることがある)、本改訂では「無条件の権利」を言及しない。
・ 評価を実施する際に、企業は、上述の権利を行使するか否かということではなく、上記権利が存在するか否か
を判断すべきである。従って、経営者の予想は負債の分類に影響を与えない。
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・ 企業が報告日にすべての関連条件を満たしている場合にのみ、企業は負債の決済を延期する権利を有するこ
とになる。企業が報告日以前にある条件に違反し、かつ報告日後にはじめて債務免除を取得した場合、負債
は流動負債として分類されるべきである。企業が報告日後に返済契約に違反した場合、負債は非流動負債と
して分類されるべきである。
・ 「決済」とは、現金又はその他の経済的資源、または企業自身の資本性金融商品を用いて負債を消滅させるこ
とを指す。ただし、資本に転換可能な転換可能金融商品には一つの例外があり、その例外は、転換オプション
が資本性金融商品として分類されかつ複合金融商品の個別組成部分とされる商品にのみ適用される。
本改訂により、負債の流動または非流動への分類に関するガイダンスが修正された。本改訂は、負債の分類、特
に、負債の分類を決定した際に経営者の意図を考慮した企業や、資本に転換可能な一部の負債に影響を与える可
能性がある。企業は今回の改訂を参考に、債務の現行分類を見直し、変更の要否を判断しなければならない。当行グ
ループは、本改訂の採用が当行グループの連結財務諸表に重大な影響を及ぼすことはないと見込んでいる。
(6) IFRS 第 10 号 の改訂及び IAS 第 28 号 の改訂:投資者とその関連会社または共同支配企業との間の資産の売却また
は拠出
これらの改訂は、投資者とその関連会社又は共同支配企業との間での資産の売却及び拠出について、 IFRS 第 10 号
「連結財務諸表」及び IAS 第 28 号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」の不整合の問題に対処している。
取引が事業を構成する場合、利得又は損失の全額が認識される。取引が事業を構成しない資産を含む場合、当該
資産が子会社の資産であっても、利得又は損失の一部が認識される。
当行グループは、これらの改訂の適用による当行グループの連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでい
る。
2 .連結
連結の基礎
連結財務諸表には、当行並びに当行グループが支配する子会社及び 組成された事業体 の財務諸表が含まれてい
る。当行グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当
該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当行グループは当該企業を支配し
ている。
当期に取得した子会社の収益及び費用は取得日から、当期に処分した子会社の収益及び費用は支配を喪失した
日まで、それぞれ連結損益計算書に含まれている。
当行グループの会計方針が一貫して反映されるよう、必要に応じて子会社の財務諸表に修正が行われている。
グループにおける全ての内部取引、取引残高及び取引による未実現利得は相殺される。また、取引が譲渡資産の
減損の兆候を示さない限り、未実現損失も除去される。
連結子会社に対する非支配持分は、支配当事者の持分とは区別して表示されている。
非支配持分の帳簿価額は、当初認識時の非支配持分の金額に、その後の資本の変動に対する非支配持分の金
額を加えた額である。さらに、子会社の包括利益の合計額は、非支配持分が負の残高となる場合であっても、それぞ
れの保有割合に基づいて当行の持分所有者及び非支配持分に帰属させている。
当行の財政状態計算書において、子会社に対する投資は、減損損失 (該当がある場合 )控除後の取得原価で計上
されている。
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企業結合
事業の取得は、取得法により会計処理される。企業結合で移転された対価は公正価値で測定され、当該公正価値
は、当行グループが移転した資産、当行グループに発生した又は引き受けた負債及び当行グループが発行したすべ
ての資本持分の取得日公正価値の合計額として計算される。取得関連費は、発生時に連結損益計算書に認識され
る。
取得日において、取得した識別可能な資産、引き受けた負債及び偶発負債は、非支配持分であるかに関わらず公
正価値で認識される。ただし、例外として繰延税金資産又は負債及び従業員給付契約に係る資産又は負債は、それ
ぞれ IAS 第 12 号「法人所得税」 及び IAS 第 19 号「従業員給付」に従って認識及び測定される。
のれんは、 (ⅰ )移転された対価、被取得企業のすべての非支配持分の公正価値、及び当行グループが以前に保
有していた被取得企業の資本持分の公正価値 (該当がある場合 )と、 (ⅱ )取得した識別可能な資産並びに発生した又
は引き受けた負債及び偶発負債の正味の公正価値を超過する差額として測定される。
非支配持分のうち、被取得企業に対する所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有
者に与えているものは、公正価値、又は被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する非支配持分の比例的な
取り分のいずれかで会計処理される。測定基準の選択は、取引ごとに行われる。
のれん
のれんは、取得の原価が、取得した子会社及び関連会社の識別可能純資産に対する当行グループの取り分の取
得日現在の公正価値を超過する額である。子会社の取得に係るのれんは、連結財政状態計算書上区分表示される。
関連会社の取得に係るのれんは、関連会社に対する投資に含まれる。
減損テストの目的上、のれんは、当行グループの資金生成単位 (以下「 CGU 」という。 )又は CGU グループのうち企業
結合のシナジーから便益を得ることが期待されるものに配分される。
CGU とは、他の資産又は資産グループからのキャッシュ・インフローとはおおむね独立したキャッシュ・インフローを
生成する最小の識別可能な資産グループである。
のれんが配分されている CGU については、毎年又は当該単位が減損している可能性を示す兆候がある場合はより
頻繁に、減損テストが行われる。 CGU の回収可能価額 (売却コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金
額 )が帳簿価額を下回る場合、当該差額は減損損失であり、最初に、当該 CGU に配分されたのれんの帳簿価額を減
額するように配分され、次に、当該 CGU 内の各資産の帳簿価額に基づいた比例按分によって、当該 CGU 内のその他
の資産に対して配分される。のれんの減損損失は、すべて連結損益計算書に直接認識される。のれんについて認識
された減損損失は、以後の期間において戻し入れない。
関連会社及び共同支配企業に対する投資
関連会社とは、当行グループが重要な影響力を有している企業をいい、子会社でも共同支配企業の持分でもな
い。 共同支配企業は当行グループが単独主体から達成され、その他の企業とともに共同支配でき、且つ法律
形式、契約項目及びその他の事実及び状況に基づいてその純資産に対して権利をもつ合弁アレンジメントで
ある。 重要な影響力とは、被投資会社の財務及び経営方針の決定に参画するためのパワーであるが、それらの方針
に対する支配又は共同支配ではない。共同支配とは、関連合意事項に従ってある取り決めに対して支配権を共有す
ることを指し、当該取り決めに関連する活動については、当行グループおよび支配権を共有する他の関与者が合意し
てはじめて決定することができる。
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関連会社 及び共同支配企業 の取得後の損益は持分法により連結財務諸表に含められている。持分法では、関連
会社及び共同支配企業に対する投資は、当初取得原価で認識され、その後の当該関連会社における損益及びその
他の包括利益に対する当行グループの持分を認識し調整がなされる。関連会社及び共同支配企業の損失に対する
当グループの持分が当該関連会社に対する当行グループの持分 (実質的に当該関連会社に対する当行グループの
正味投資の一部を構成する長期の持分を含む )を超過した場合、当行グループは、それ以上の損失についての当行
グループの持分を認識しない。追加的な損失は、当行グループに生じた法的もしくは推定的債務が生じている範囲、
又は当行グループが関連会社及び共同支配企業の代理で支払う金額の範囲でのみ認識される。
各期末において、当行グループは当行グループの関連会社及び共同支配企業への投資の減損の可能性を示す
状況の有無について検討する。投資 (のれんを含む。 )の帳簿価額全体について、回収可能価額 (使用価値と売却コス
ト控除後の公正価値のいずれか高い金額 )を帳簿価額と比較することにより、単一の資産として IAS 第 36 号「資産の減
損」に従って減損テストを行う。認識された減損損失はすべて投資の帳簿価額の一部として認識される。当該減損損
失の戻入れは、投資の回収可能価額がその後に増加した範囲で認識される。
当行グループの企業が当行グループの関連会社及び共同支配企業と取引する場合、関連会社との当該取引から
生じた利得及び損失は、関連会社及び共同支配企業に対する持分が当行グループに関連しない範囲でのみ当行グ
ループの連結財務諸表に認識される。取引が譲渡資産の減損の兆候を示さない限り、未実現損失も除去される。
3 .受取利息及び支払利息
金融商品 に係る受取利息及び支払利息は、実効金利法を用いて、 当期損益に計上する 。
当行グループは、実効金利法を用いて償却原価で測定される金融資産と金融負債の受取利息と支払利息を計算
し、それぞれを「受取利息」と「支払利息」という科目で表示する。関連する会計方針については、注記Ⅱ 8.4 金融商品
の事後測定を参照のこと。
4 .受取報酬及び手数料
手数料及び受取報酬に対し、当行グループが契約の履行義務を果たした際に、すなわち、顧客がサービスに関す
る支配権を取得した時点又は期間内に、収入として認識する。
ある時点において果たした契約の履行義務については、当行グループは顧客にサービスに関する支配権を移行し
た時点に収入を認識し、これらの収入には主に保険代行、業者集金手数料、精算決済代行、債券の引受収入等が含
まれる。ある期間において果たした契約の履行義務場合については、当行グループは契約履行の進捗度合いに応じ
て収入を認識し、これらの収入には主に顧問料とコンサルティング・フィー、委託手数料等が含まれる。
5 .外貨建取引
国内業務の機能通貨は、人民元である。当行グループ及び当行の表示通貨は、人民元である。
当行グループの個々の企業の財務諸表の作成において、企業の機能通貨以外の通貨 (外貨 )建ての取引は、それ
ぞれの機能通貨 (すなわち、企業が営業活動を行っている主たる経済環境の通貨 )により取引日の実勢為替レートで
計上される。報告期間の末日に、外貨建ての貨幣性項目は、同日の実勢レートで換算替えされる。公正価値で計上さ
れる非貨幣性項目で外貨建てのものは、公正価値が算定された日の実勢レートで換算替えされる。外貨建ての取得
原価で測定される非貨幣性項目は、換算替えされない。
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貨幣性項目の決済及び貨幣性項目の換算替えにより生じた為替差額は、発生した期に連結損益計算書に認識さ
れる。ただし、以下の場合を除く。
(i) 国外業務に対する当行の純投資の一部を構成する貨幣性項目から生じる為替差額。
(ii) 売却可能として分類された外貨建貨幣性資産の公正価値の変動は、当該貨幣性資産の償却原価の変動から生じ
る為替差額と、その他の帳簿価額の変動に区別される。償却原価の変動に関連する為替差額は連結損益計算書
に認識され、その他の帳簿価額の変動はその他の包括利益に認識される。
公正価値で計上される非貨幣性項目の換算替えにより生じた為替差額は、当該期間の連結損益計算書に計上さ
れる。ただし、その利得又は損失がその他の包括利益に直接認識される非貨幣性項目の換算替えにより生じた為替
差額は、直接その他の包括利益に認識される。
連結財務諸表の表示上、当行グループの国外業務の資産及び負債は、報告期間の末日現在の実勢為替レートで
当行グループの表示通貨に換算され、収益及び費用は、取引日の為替レート又は取引日の為替レートに近似する
レートで換算される。為替差額が生じた場合は、その他の包括利益に認識され、適宜為替換算準備金及び非支配持
分の科目で資本に累積される。国外業務に関連する為替換算準備金累計額は、国外業務の全部又は一部が処分さ
れた時点で、資本から連結損益計算書に振り替えられる。
6 .税金
税金費用は、当期に納付すべき税金と繰延税金の合計額である。
当期税金
当期に納付すべき税金の額は、当期の課税所得に基づいている。課税所得は、連結損益計算書に報告された純
利益とは異なる。これは、課税所得には他の年度に加算又は減算される収益又は費用の項目及び永久に加算又は
減算されない項目が含まれないためである。当行グループの当期税金に対する負債は、報告期間の末日までに施行
されているか又は実質的に施行されている税率を用いて計算される。
繰延税金
繰延税金は、連結財務諸表上の資産及び負債の帳簿価額と課税所得の計算に使用される対応する税務基準額と
の間の一時差異について認識される。繰延税金負債は、通常、すべての将来加算一時差異について認識される。繰
延税金資産は、通常、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で、すべての将来減算
一時差異について認識される。のれんに関連する一時差異又は課税所得にも会計上の純利益にも影響を与えない
取引におけるその他の資産及び負債の当初認識 (企業結合におけるものを除く。 )に関連する一時差異については、
繰延税金資産及び繰延税金負債は認識されない。
繰延税金負債は、子会社及び関連会社に対する投資に関連する将来加算一時差異について認識される。ただし、
当行グループが当該一時差異の解消をコントロールすることが可能であり、かつ予測可能な将来に一時差異が解消し
ない可能性が高い場合を除く。当該投資及び持分に関連する将来減算一時差異から生じた繰延税金資産は、当該
一時差異の便益を活用できる課税所得が十分に稼得される可能性が高く、かつ当該一時差異が予測しうる将来に解
消することが見込まれる範囲でのみ認識される。
繰延税金資産の帳簿価額は、各報告期間の末日現在で再検討され、当該一時差異が予測しうる将来に解消する
ことが見込まれない、もしくは当該資産の全部又は一部が使用できる課税所得が十分に稼得される可能性が高くなく
なった範囲内で減額される。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、報告期間の末日までに施行されているか実質的に施行された税率 (及び税
法 )に基づいて、負債が決済されるか又は資産が実現する期間に適用されることが見込まれる税率で測定される。
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繰延税金負債及び繰延税金資産の測定には、報告期間の末日現在で、当行グループが当該資産及び負債の帳
簿価額の回収又は決済を行おうとしている方法から生じる税務上の影響が反映されている。当期税金及び繰延税金
は、連結損益計算書に認識される。ただし、その他の包括利益又は資本に直接認識される項目に関連している場合、
当期税金及び繰延税金もその他の包括利益又は資本に直接認識される。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産を当期税金負債と相殺する法的強制力のある権利を有し、か
つ当該資産及び負債が同一の税務当局によって課される法人所得税に関連していて、当行グループが当期税金資
産及び負債を純額で決済する意思がある場合に相殺される。
増値税(以下、「 VAT 」 という。)
当行グループの受取利息、受取報酬及び手数料、金融商品に係るトレーディング業務利得並びに保険料収入は、
連結財務諸表において、関連する増値税を控除した後の純額にて表示されている。
「金融、不動産開発、教育補助サービス等の増値税政策の明確化に関する通達」(財税[ 2016 ] 140 号)、「資産管理
商品に係る増値税政策に関する問題についての補足通達」(財税[ 2017 ] 2 号)及び「資産管理商品に対する増値税の
徴収に関する通達」 (財税[ 2017 ] 56 号 )に従い、当行グループは 2018 年 1月1日以降に引き受けた課税対象の資産運
用業務に関し、 3 %の税率で VAT を納付する。
7 .従業員給付
従業員給付とは、従業員が提供した勤務と交換に、又は雇用契約の終了と交換に企業が与えるあらゆる形態の対
価及び当行グループが負担したその他の関連費用をいう。当該給付には、短期従業員給付、退職後給付及び早期
退職給付が含まれる。
短期従業員給付
当行グループは、従業員が役務を提供した報告期間に、当該役務に対して支払うべき短期従業員給付の額を負債
として認識し、対応する費用の増加を連結損益計算書に認識している。短期従業員給付としては、 給与、賞与、手当
及び補助金、従業員福利厚生、医療保険、雇用傷害保険、出産保険、住宅補助並びに労働組合費及び従業員研修
費がある。
退職後給付
当行グループの退職後給付は、主に、政府が強制加入を求める社会保障制度に関する基礎年金及び失業保険、
並びに当行が設立した年金基金に係る支払である。これらの退職後給付はすべて確定拠出制度である。これらの制
度に基づき、当行グループは、別個の基金に一定の掛金を支払っており、基金が当期及び過去の期間の従業員の勤
務に関連するすべての従業員給付を支払うための十分な資産を保有していないとしても、追加拠出を行う法的債務も
推定的債務も負わない。
基礎年金及び失業保険の掛 金は、関連する支払義務が生じた期の連結損益計算書に認識される。
当行の本店及び国内の支店 (以下「 国内機関」という。 )の従業員は、当行が設立した年金基金 (以下「 当年金基金」
という。 )に加入している。当行は、従業員の給与を基準とした年金掛金を支払い、当該掛金は発生時に 連結損益計
算書 に費用計上される。当年金基金に同基金から支払われる従業員に対する退職金を支払う十分な資産がないとし
ても、当行は追加的な債務を負わない。
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早期退職給付
早期退職給付は経営者に承認され、通常の退職日より前に任意による退職を受け入れた従業員に支払われてい
る。関連する給付金の支払いは早期退職日から通常の退職日まで行われる。
早期退職給付につき、 IAS 第 19 号の退職給付に照らして会計処理を行う。関連認識基準を満たす際に、従業員の
役務提供の停止日から正常な定年退職日まで支払う予定の早期退職給付を負債として認識し、当期損益に計上す
る。前提条件の変更及び負債の時価評価の調整に起因する差異は、発生時に当期損益に計上する。
8 .金融商品
8.1 金融商品の当初認識、分類と測定
関連金融資産や金融負債は当行グループが金融商品の契約上の当事者になった時点に認識される。
通常の方法により取引される金融資産については、取引日に認識する。取引日とは、当行グループが金融資産の
購入又は売却を確約した日付のことをいう。
当初認識時には、当行グループは金融資産又は金融負債を公正価値で測定し、損益を通じて公正価値で測定さ
れるものではない金融資産又は金融負債に対しては、その金融資産又は金融負債の取得又は発行に直接付随して
発生する取引費用を追加又は控除して調整すべきである。損益を通じて公正価値で測定される金融資産又は金融負
債の場合には、その取引費用を費用として損益に計上する。
(1) 金融資産
金融資産を管理するビジネスモデルと金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性を基に、金融資産を以下の 3
つに分類している。
(i) 償却原価で測定される金融資産
(ii) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
(iii) 損益を通じて公正価値で測定される金融資産
ビジネスモデルは、当行グループが金融資産を管理してキャッシュ・フローを生成する方法を反映している。すなわ
ち、当行グループは、資産の契約上のキャッシュ・フローの取得のみを目標にしているか、それとも契約上のキャッ
シュ・フローの取得のみならず金融資産の売却も目標にしているか。上述の二種類のいずれにも該当しない場合(たと
えばトレーディング目的で保有する金融資産)、当該金融資産のビジネスモデルは「その他」となり、損益を通じて公正
価値で測定される金融資産に分類される。当行グループが金融資産のビジネスモデルを確認する際に、次の要素が
考慮される:これまで当該資産のキャッシュ・フローをどのように取得したか、当該資産の業績をどのように評価しどのよ
うに経営幹部へ報告するか、リスクをどのように評価し管理するか、及び営業管理者の報酬をどのように取得するか。
ビジネスモデルが契約上のキャッシュ・フローの取得のためである場合、又は契約上のキャッシュ・フローの取得と金
融資産の売却という二重目的を含む場合、当行グループは金融商品のキャッシュ・フローが元本と利息の支払いのみ
であるかどうかを評価する。この評価を行う際、当行グループは、契約上のキャッシュ・フローが基本的貸付要件と一致
するかどうか、すなわち金利に貨幣の時間価値、信用リスク、その他の基本的貸付リスク及び基本的貸借相応の利益
率の対価を含むかどうかを考慮する。契約条項が基本的貸付要件と一致しないリスク又は変動エクスポージャーを引
き起こす場合、関連金融資産は損益を通じて公正価値で測定される。
組込デリバティブを含む金融資産に対して、契約上のキャッシュ・フローが元本と利息の支払いのみであるかどうか
を確認する際には、それを一つの全体として分析する。
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当行グループは、負債性金融商品と資本性金融商品の分類に関して次のように要求している。
負債性金融商品
負債性金融商品とは、貸付金、政府債券、社債等発行者の立場から分析して金融負債の定義に合致する商品のこ
とをいう。負債性金融商品の分類と測定は、当該資産を管理する当行グループのビジネスモデルと資産のキャッシュ・
フローの特性に依拠する。
これらの要因により、当行グループは、その負債性金融商品を次の 3 つの測定カテゴリーに分類している。
(i) 償却原価で測定されるもの:当該金融資産の管理が契約上のキャッシュ・フローを取得することを目標とし、かつ当
該金融資産の契約上のキャッシュ・フローが元本と利息に対する支払いのみであり、同時に当該資産が損益を通
じて公正価値で測定されるものとして指定されていない場合、当該資産は償却原価で測定されることになる。
(ii) その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるもの:当該金融資産を管理するビジネスモデルは契約上の
キャッシュ・フローの取得もその金融資産の売却も目標とし、かつ当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローは
元本と利息に対する支払いのみであり、同時に当該金融資産は損益を通じて公正価値で測定されるものとして指
定されていない場合、当該資産は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定されることになる。
(iii) 損益を通じて公正価値で測定されるもの:償却原価で測定される資産又はその他の包括利益を通じて公正価値
で測定される資産の要件を満たせない資産は、損益を通じて公正価値で測定されることになる。
当初認識時に、会計上のミスマッチを解消又は著しく減らすことができる場合、金融資産を損益を通じて公正価値
で測定される金融資産として指定することができる。当該指定がいったん行われたら、取り消すことができない。
資本性金融商品
資本性金融商品とは、発行者の立場から資本の定義に合致する商品、すなわち、普通株式のような、支払いの契
約義務を含まないかつ発行者の純資産と余剰利益を享受する商品をいう。
当行グループの資本性金融商品投資は、損益を通じて公正価値で測定される。ただし、経営陣がその他の包括利
益を通じて公正価値で測定される対象として取消不能な選択を行った場合を除く。
(2) 金融負債
金融負債は、当初認識時に償却原価で測定される金融負債と損益を通じて公正価値で測定される金融負債に分
類される。損益を通じて公正価値で測定される金融負債は、デリバティブ商品、 トレーディング目的で保有する金融負
債 及び当初認識時に損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定した金融負債に適用される。
当初認識時に、より正確な会計情報を提供するために、当行グループは、金融負債を、損益を通じて公正価値で
測定されるものとして指定することができる。ただし、当該指定は以下のいずれかの条件を満たす必要がある。
(i) 当該指定により、会計上のミスマッチを解消するか、著しく削減することができること。
(ii) リスクマネジメント又は投資戦略の正式な書面において、当該金融負債グループ又は金融資産と金融負債のグ
ループに対して公正価値をベースに管理、評価し、かつ経営幹部に報告することが明記されたこと。
(iii) キャッシュ・フローに顕著な変更を与える 一種又は複数の組込デリバティブ金融商品を含む金融負債であるこ
と。
金融資産の移転が認識中止の要件を満たさないことによって形成された金融負債につき、当該移転が認識中止の
条件を満たさなくなった時点で、当行グループは、その移転にかかる対価に基づいて金融負債を認識し、かつ後続期
間における当該負債に起因する全ての費用を認識する。
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8.2 金融資産の再分類
当行グループは、金融資産を管理するビジネスモデルを変更する際、その影響を受けるすべての金融資産に対し
て再分類を行い、再分類日から将来に向かって再分類を適用しなければならない。過去に認識された利益・損失(減
損損失や利益を含む)や利息の修正再表示を行ってはならない。再分類日とは、金融資産の再分類を引き起こしたビ
ジネスモデル変更後の最初の報告期間の初日を指す。
8.3 公正価値の確定方法
公正価値は、現行の市場条件の下で、市場参加者が主要な市場(又は最も有利な市場)に発生した秩序ある取引
において、測定日現在、資産の売却時に受け取るであろう、又は負債の移転時に支払うであろう価格である。当該価
格は、直接観測可能なものであるかその他の評価手法によって取得されたものであるかによって変わるものではない。
活発な市場で取引される金融商品、金融資産及び金融負債の公正価値は、市場相場をベースに確定される。これ
には、主要な取引所に相場のある上場株式証券及び負債性金融商品が含まれる。
金融商品に活発な市場がある場合には、当行グループは活発な市場の価格を用いてその公正価値を確定する。
活発な市場の価格とは、定期的に取引所、業界団体、価格査定サービスプロバイダーから入手しやすい価格を指し、
かつ秩序ある取引に実際に発生した市場取引価格を代表するものである。上述した条件を満たせない場合には、市
場が活発ではないとみなされる。市場が活発ではない場合には、主に顕著な売買の価格差の存在、売買の価格差の
顕著な拡大又は直近の取引が存在しないことが含まれる。
金融商品に活発な市場がない場合には、当行グループは 価格評価手法を利用してその公正価値を確定する。価
格評価手法には、直近に使用された取引価格を参考にする方法、割引キャッシュ・フロー分析法、オプションプライシ
ングモデル及びその他の市場参加者によく利用される評価手法が含まれる。また、これらの価格評価手法には観測可
能なインプット及び/又は観測不能なインプットが含まれる。
8.4 金融商品の事後測定
金融商品の事後測定はその分類に基づき実施される。
(1) 償却原価で測定される金融資産と金融負債
償却原価で測定される金融資産及び金融負債につき、その金融資産又は金融負債の償却原価は、当該金融資産
又は金融負債の当初認識金額をもとに次の調整を経て算定される。( i)返済された元本を控除する ;( ii )実効金利法を
用いてその当初認識時に算定された金額と期間満了日の金額との差額を償却する累積償却額を加算又は減算する ;
( iii )減損損失引当金の累計額を控除する(金融資産のみに適用)。
当行グループは、実効金利法で当該資産の受取利息と支払利息を計算し、それぞれ「受取利息」と「支払利息」とし
て計上している。
実効金利とは、金融資産や金融負債の予想残存期間を通じての見積将来キャッシュ・フローを、当該金融資産の
帳簿残高(すなわち、減損損失引当金を控除する前の償却原価)又はその金融負債の償却原価まで割り引くために
用いられる金利をいう。算定する際には、予想信用損失を考慮しないが、取引費用、プレミアムやディスカウント、又は
授受される実効金利の一部を構成する費用を含む。購入又は組成した信用減損金融資産につき、当行グループは、
当該金融資産の(帳簿残高ではなく)償却原価に基づいて信用調整を経た実効金利を算定し、かつ将来キャッシュ・
フローを見積もる際に、予想信用損失の影響を考慮に入れる。
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当行グループは、以下の場合を除き、金融資産の帳簿残高に実効金利を乗じて利息収入を算定し、「利息収入」と
計上する。
(i) 購入又は組成した信用減損金融資産については、当初認識時から、その金融資産の償却原価と信用調整を経た
実効金利をもってその利息収入を算定する。
(ii) 購入又は組成された時に信用減損が発生していなかったが、残存期間に信用減損が発生した金融資産について
は、当該金融資産の償却原価(すなわち、帳簿残高から予想信用損失の引当金を控除した後の正味額)と実効金
利をもってその利息収入を算定する。当該金融商品が残存期間に信用リスクの改善により信用減損が消滅し、か
つ、この改善が客観的に上述の規定を適用した後に発生するある事象に関連すると判断できる場合、当該金融資
産の帳簿残高に実効金利を乗じてその利息収入を算定することになる。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
負債性金融商品
当該金融資産の償却原価に関する減損損失又は利益、実効金利法で算定された利息と為替差損益は当期損益
に計上する。それに、帳簿価額の変動はすべてその他の包括利益に計上する。当該金融資産の認識中止時に、これ
までその他の包括利益に計上された累計利益や損失は、その他の包括利益から当期損益に振り替えされる。当行グ
ループは、実効金利法で当該資産の利息収入を計算し、「利息収入」と計上している 。
資本性金融商品
当行グループは非トレーディング資本性金融商品の投資を公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益に計
上するものとして指定する。指定された後に、公正価値の変動はその他の包括利益で認識され、その後に損益(処分
時を含む)に組み替えてはならない。配当収入は、当行グループの受け取る権利が確定された時点に認識され、損益
に計上される 。
(3) 損益を通じて公正価値で測定される金融資産
負債性金融商品
事後に損益を通じて公正価値で測定され、かつヘッジ手段として指定されていない債務投資による利益又は損失
について、これら資産の期間の損失又は利益を損益に計上し、損益計算書に「トレーディング業務利益純額」として表
示する。ただし、当該収益又は損失は公正価値で測定される対象と指定された非トレーディング負債性金融商品によ
り生じたものである場合、「損益を通じて公正価値で測定されると指定された金融商品の利益純額」として個別に表示
される 。
資本性金融商品
損益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品の投資による利益と損失は、要約期中連結損益計算書にお
ける「トレーディング業務利益純額」に計上する。
(4) 損益を通じて公正価値で測定される金融負債
当該金融負債は公正価値で測定され、それによって発生した利益又は損失が損益に計上される。損益を通じて公
正価値で測定される対象として指定された金融負債の場合、その金融負債による利益又は損失は、以下の規定に
従って処理される。
(i) 当行グループ自身の信用リスク変動により発生した当該金融負債の公正価値の変動金額は、その他の包括利益
に計上されるものとする。
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(ii) 当該金融負債に係るその他の公正価値の変動は、損益に計上されるものとする。上述( i)のように、当該金融負債
の自己信用リスクの変動の影響を処理することにより、損益における会計上のミスマッチを引き起こし得る場合又
は拡大し得る場合、当行グループはその金融負債の全ての利益又は損失(自己信用リスクの変動の影響額を含
む。)を損益に計上する。
損益を通じて公正価値で測定される対象として指定された金融負債の認識中止時に、それまでその他の包括利益
に計上された累計利益又は損失は、その他の包括利益から振替えられ、利益剰余金に計上される。
8.5 金融商品の減損
償却原価及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産、並びに一部のローン・コミットメ
ント及び金融保証契約につき、当行グループは、フォワードルッキングな情報に基づき、予想信用損失に対して評価
を行う。
予想信用損失とは、債務不履行の発生リスクを加重した金融商品の信用損失の加重平均値を指す。信用損失と
は、当行グループが本来の実効金利で割引いた、契約に基づいて取得すべき全ての契約上のキャッシュ・フローと取
得可能と予想される全てのキャッシュ・フローとの差額を指すものであり、すなわち、全てのキャッシュ不足の現在価値
(そのうち、当行グループが購入又は組成した信用減損金融資産については、信用調整後の実効金利で現在価値に
割り引かれる。)である。
当行グループでは、信用損失の測定には次のような要素が反映されている。
(i) 一連の可能性ある結果を評価した偏りのない発生確率で加重平均した金額
(ii) 貨幣の時間価値
(iii) 貸借対照表日に過度なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な、過去の事項、現在の状況及
び将来の経済状況の予測
予想信用損失の評価に取り込まれた金融商品について、当行グループは関連金融商品の信用リスクが当初認識
時以降著しく増加しているか否かを評価し、「 3 つのステージ」減損モデルを用いて、それぞれ損失引当の評価、予想
信用損失の認識を行う。
- ステージ 1 :当初認識時以降に信用リスクが著しく増加していない金融商品につき、その損失のステージをス
テージ 1 に分類する。
- ステージ 2 :当初認識時以降に信用リスクが著しく増加しているが、信用減損が発生した金融商品とは見なされ
ない場合、その損失のステージをステージ 2 に分類する。 信用リスクが著しく増加しているという判断基準については、
注記Ⅳ、 44.1 に開示されている。
- ステージ 3 :信用減損が発生した金融商品につき、その損失のステージをステージ 3 に分類する。 信用減損が発
生した資産の定義については、注記Ⅳ、 44.1 に開示されている。
ステージ 1 の金融商品については、当該金融商品の将来 12 ヶ月以内に生じる可能性のある信用減損の金額に応じ
て減損損失引当金を測定し、ステージ 2 とステージ 3 の金融商品については、当該金融商品の残存期間全期間の信用
減損に相当する金額をもってその減損損失引当金を測定することになる。予想信用損失の測定に使用されるパラメー
ター、仮定、見積りについては、注記Ⅳ、 44.1 に開示されている。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品の投資について、当行グループは、その他の
包括利益にその減損損失引当金を認識し、減損の損失又は利益を損益に計上し、かつ当該金融資産が貸借対照表
に表示された帳簿価額を減額しない。
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前年度の会計期間において、既に金融商品の残存期間全期間の予想信用損失に相当する金額で減損損失引当
金を測定したが、当期の貸借対照表日に、当該金融商品が当初認識以降に信用リスクが著しく増加しているものに該
当しなくなった場合には、当行グループは、当期貸借対照表日の将来 12 ヶ月以内に生じ得る予想信用損失に相当す
る金額をもって当該金融商品の減損損失引当金を測定し、これによる減損損失引当金の戻入れ額を減損利益として
損益に計上する。ただし、購入又は組成された既に信用減損が発生した金融資産を除く。購入又は組成された既に
信用減損が発生した金融資産については、当行グループは、当期の貸借対照表日に当初認識時以降の残存期間全
期間の予想信用損失の累計変動額を減損損失引当金として認識する。
8.6 貸付契約の条件変更
当行グループが顧客との貸付契約を見直しや変更することにより、契約上のキャッシュ・フローは変化することがあ
る。このような状況が発生した場合、当行グループは、修正された契約条項に対し実質的な変化の有無を評価する。
修正後の契約条項に実質的な変化があった場合、当行グループは、原金融資産の認識を中止し、新しい金融資
産を公正価値で認識し、新しい資産に対して新たな実効金利を再測定する。この場合、修正後の金融資産に対して
減損の要求事項を適用した場合、信用リスクが著しく増加したかどうかを認識する場合を含め、当行グループは、上記
契約の条件変更日を当初認識時点とする。上述した新たに認識された金融資産に対しても、特に債務者が当初合意
した支払い義務を履行できない場合に、当行グループは、当初認識時に信用減損が発生したかどうかを評価する。帳
簿価額の変更は認識中止による利益や損失として損益に計上される。
条件変更後の契約条件に実質的な変化が発生していない場合、契約の修正は金融資産の認識中止を引き起こす
ことがない。当行グループは、条件変更後の契約上のキャッシュ・フローをもとに金融資産の帳簿残高を再計算し、条
件変更による利益や損失を損益に計上する。新しい額面残高を算出する際に、当初実効金利(又は購入又は組成さ
れた既に信用減損が発生した金融資産の信用調整後の実効金利)を用いて、条件変更後のキャッシュ・フローを現在
価値に割り引く。
8.7 認識の中止
当行グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産が譲渡
され、当該資産の所有に伴うリスク及び経済価値のほとんどすべてを他の企業に移転した場合にのみ、金融資産の認
識を中止する。当行グループが、所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転したわけでも、ほとんどすべて
を保持しているわけでもなく、譲渡資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与の範囲において資産の認
識を継続し、関連する負債を認識する。当行グループが譲渡した金融資産の所有に伴うリスク及び経済価値の実質
的にすべてを保持する場合、当行グループは当該金融資産の認識を継続し、さらに受領した金額については担保付
の借入として認識する。
金融資産の全体について認識を中止する際、資産の帳簿価額と、受領した対価とその他の包括利益に認識され資
本に累積されていた利得又は損失の累積額との合計額(該当がある場合)の差額は、当期損益に認識される。
金融負債は、関連する債務が免責、取消、又は失効となった時に認識が中止される。認識が中止された金融負債
の帳簿価額と支払ったか又は支払予定の対価との差額は、連結損益計算書に認識される。
8.8 資本性金融商品
資本性金融商品とは、当行グループが資産からすべての負債を差し引いた後残存資本を有すると証明できる契約
である。
以下の条件を満たした場合に、かつその場合にのみ、発行された金融商品は資本性金融商品として分類される。
( 1 )当該金融商品には、他の当事者への現金またはその他の金融資産の引渡し、または潜在的に不利な状況下
で他の当事者との金融資産や金融負債の交換に関する契約上の義務が含まれていない。
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( 2 )将来自社の資本性金融商品で当該金融商品を決済する必要があるまたは決済することができる場合、当該金
融商品がデリバティブではない場合に、自社の変動可能な資本性金融商品を交付して決済する契約上の義務
は含まれていない;当該金融商品がデリバティブである場合には、一定数量の自社の資本性金融商品は、一
定額の現金またはその他の金融資産との交換を通じてのみ決済が可能である。
当行グループが発行する資本性金融商品は、実際に受け取った対価から資本性取引に直接帰すべき取引費用を
差し引いた後の残高により認識される。
8.9 デリバティブ金融商品
デリバティブ金融商品に対しては契約の締結日に公正価値で当初測定を行い、かつ公正価値で事後測定を行う。
デリバティブ金融商品の公正価値は当期損益に計上される。
一部のデリバティブ商品、例えば転換社債型新株予約権付社債は、混合契約に組み込まれることがある。主契約
が金融資産である混合契約の場合には、当行グループはその全体に対して分類と測定を行う。主契約が非金融資産
である混合契約の場合には、以下の条件を充足する際に、組込デリバティブを独立したデリバティブ商品として分離し
たうえで処理を行う。
(i) 組込デリバティブは主契約の経済的特徴とリスクとは密接に関連していないこと。
(ii) 組込デリバティブと同一条件の独立したデリバティブがデリバティブ商品の定義を満たすこと。かつ、
(iii) 当該複合金融商品は損益を通じて公正価値で測定されていないこと。
当行グループは、分離した組込デリバティブに対して損益を通じて公正価値で測定されること、又は複合金融商品
を損益を通じて公正価値で測定されることのいずれかを選択することができる。
8.10 金融資産と金融負債の相殺
金融資産及び金融負債は、以下の条件を共に満たす場合に相殺され、連結財政状態計算書において純額表示さ
れる。 (ⅰ )当行グループが、認識している金額を相殺する法的権利を有し、かつ現時点で当該法的権利に強制力が
ある、 (ⅱ )当行グループは、純額で決済するか又は金融資産の実現と金融負債の決済を同時に行う意図を有してい
る。この法的に強制可能な権利は、将来の事象を条件としてはならず、当行グループ又は相手先の通常の事業の過
程及び債務不履行、倒産又は破産の発生時において、強制可能である必要がある。
8.11 買戻し条件付契約及び売戻し条件付契約
買戻し条件付契約 (買戻日及び買戻価格が固定 )に関連して、担保として譲渡した金融資産は、認識の中止が行わ
れない。当該資産は引き続き満期保有目的投資、売却可能金融資産、又は債権として分類される負債性金融商品と
して適宜計上される。対応する負債は、買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産に計上される。認識の中止
が行われていない項目は、注記Ⅳ 42 「偶発負債及びコミットメント-担保」に開示されている。
売戻し条件付契約に基づいて保有する金融資産の支払対価は、売戻し条件付契約に基づいて保有する金融資産
として計上されるが、これらに関連する受入担保は連結財務諸表に認識されない(注記Ⅳ、 42 「偶発負債及びコミットメ
ント-担保」)。
購入価格と売却価格との差額は、実効金利法を使用して、契約期間にわたり支払利息又は受取利息として連結損
益計算書に認識される。
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9 .保険契約
保険契約の分類
保険契約とは、保険事故又は保険事象に関連した重要な保険リスクを当行グループが引き受ける契約である。当行
グループは、主に、死亡事故を長期に補償する生命保険契約を発行している。当行グループは、生命保険以外の保
険契約も発行しているが、これは短期の損害保険及び健康保険に係るリスクを対象としている。当行グループは、必
要に応じて再保険契約を締結し、再保険者に保険リスクを移転している。重要な保険リスクに関するテストは、保険契
約の開始時に行われている。
保険契約には、保険要素と預り金要素の両方が含まれているものがある。当行グループは、保険要素と預り金要素
を分離して測定できる場合には、これらの要素をアンバンドルしている。アンバンドルした保険要素については保険契
約として会計処理し、アンバンドルした預り金要素については投資契約負債 (金融負債 )として会計処理している。
保険収益の認識
当行グループは、保険契約が発行されかつ当行グループが関連する保険責任を負い、保険契約に関連する経済
利益が十分な程度の確実性を有しかつ信頼性をもって測定できる場合に限り、当該項目を収益として認識する。
保険契約準備金
保険契約準備金は、当行グループが保険契約に基づく義務の履行に際して要求されるであろう支払額に関する合
理的な見積額 (保険契約に基づく予想将来キャッシュ・アウトフローとインフローとの差額 )に基づき測定されている。予
想将来キャッシュ・フロー (純額 )の合理的な見積額は、報告期間の末日現在入手可能な情報に基づき算定されてい
る。当行グループは、長期生命保険契約に係る準備金の計算に時間価値の影響を考慮している。
当行グループは、報告日現在入手可能な情報を基に負債の十分性テストを行っている。不足がある場合には、保
険契約準備金を追加計上している。
10 .貴金属
貴金属の内訳は、金、銀及びその他の貴金属である。
当行グループのトレーディング業務に関連しない貴金属は、取得原価で当初測定され、その後取得原価と正味実
現可能価額とのいずれか低い金額で測定される。当行グループのトレーディング業務に関連する貴金属は、公正価
値で当初認識され、再測定から生じた公正価値の変動は発生した期の連結損益計算書に直接認識される。
11 .有形固定資産
事業の用に供する目的又は管理目的で保有する建物を含む有形固定資産 (建設仮勘定を除く )は 、取得原価から
取得後の減価償却累計額及び (ある場合は )減損損失累計額を控除した金額で連結財政状態計算書に計上される。
土地使用権に帰属する取得原価が、当初から信頼性をもって測定できず、建物の取得原価と区分できない場合に
は、建物の取得原価に含めて、有形固定資産に計上される。
有形固定資産 (建設仮勘定を除く )に関する取得後支出は、経済的利益の恩恵を当グループが受ける可能性が高
く、当該取得度支出が測定可能であり、取り替えられた部分の帳簿価額の認識が中止される場合に有形固定資産 (建
設仮勘定を除く )の取得原価に含める。その他の取得後支出は発生した期の連結損益計算書に認識する。
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減価償却費は、有形固定資産項目 (建設仮勘定を除く )の経済的価値の費消を認識するために、見積 残存価額 を
控除した上で、 見積耐用年数 にわたり定額法を用いて、連結損益計算書の営業費用の一項目として認識される。 見
積耐用年数 、残存価額及び減価償却率は、各報告期間の末日において見直され、見積りの変更による影響は、将来
に向かって会計処理される。
有形固定資産の種類ごとの耐用年数、見積残存価額率及び年間減価償却率は、以下の通りである。
種類 見積残存耐用年数 見積残存価額率 年間減価償却率
5-50 年 3% 1.94%-19.40%
建物
3-11 年 3% 8.82%-32.33%
電子機器、器具及び備品
5-8 年 3% 12.13%-19.40%
車両運搬具
事業の用に供する 目的又は管理目的で建設中の資産は、建設仮勘定として減損損失控除後の取得原価で計上され
る。建設仮勘定は、建物が完成し、その意図した使用が可能となった時に、適切な有形固定資産の区分に振り替えら
れる。これらの資産の減価償却は、他の有形固定資産と同じ基準に基づき、当該資産の意図した使用が可能となった
時に開始される。
有形固定資産項目は、処分時、又は将来の経済的便益が継続的使用から生じると何ら見込まれなくなった時に、認
識が中止される。有形固定資産項目の処分又は除却により生じる利得又は損失は、売却による収入額と当該資産の
帳簿価額との差額として計算され、連結損益計算書のその他の営業収益又は営業費用に認識される。有形固定資産
の減損に関する会計方針は、注記Ⅱ、 19 「有形固定資産及びのれん以外の無形固定資産の減損」に記載されてい
る。
12 .土地使用権
土地使用権は、その他の資産に分類され、認可された使用可能期間にわたり 定額法で償 却される。
13 .担保権実行資産
担保権実行資産は、公正価値で当初認識され、その後各報告期間の末日現在の帳簿価額と売却コスト控除後の
公正価値とのいずれか低い方 の金額で 測定される。売却コスト控除後の公正価値が担保権実行資産の帳簿価額を
下回る場合、減損損失が連結損益計算書に認識される。
担保権実行資産の処分により生じる利得又は損失は、当該項目が処分された期の連結損益計算書に含まれる。
当グループは様々な手段により担保権実行資産を処分する。原則として、担保権実行資産は当行グループの使用
には供さない。ただし、当行グループの事業に必要となる場合、又は経営管理上必要となる場合には、正味帳簿価額
で振り替えられ、新規取得した有形固定資産として管理される。
14 .投資不動産
投資不動産とは、 賃貸収益もしくは資本増価又はその両方を目的として保有する不動産をいう。
投資不動産は、当初は取得原価で測定される。投資不動産に関してその後発生した支出は、当該資産に帰属する
経済的便益が当行グループにもたらされる可能性が高く、かつその後の支出が信頼性をもって測定できる場合に、当
該投資不動産の取得原価に含められる。その他のその後の支出は、発生した期の 連結損益計算書 に認識される。
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投資不動産は、原価モデルを使用して測定されている。減価償却費及び償却費は、有形固定資産及び土地使用
権と同じ方法で認識されている。
投資不動産の減損に関する会計方針は、注記Ⅱ、 19 「有 形固定資産及びのれん以外の無形固定資産の減損」に
記載されている。
その後減損損失が戻し入れられる場合、当該投資不動産の帳簿価額は、その回収可能価額の修正後の見積額ま
で増額されるが、その金額は、増額された帳簿価額が 減損が認識されていなかったとした場合の帳簿価額を超過しな
い範囲である。 減損損失の戻入れは連結損益計算書に認識される。
投資不動産が売却、譲渡、使用停止されるか、又は損傷した時点で、当行グループは、処分による収入から帳簿価
額及び関連費用を控除した額を連結損益計算書に認識している。
15 .リース -2019 年 1 月 1 日以降に適用される会計基準
リースとは、貸手が対価を得るために一定期間において資産の使用権を借手に譲渡する契約を指す。
当行グループが借手として
当行グループは、リース期間の開始日に使用権資産を認識し、未払リース料の現在価値にてリース負債を認識す
る。リースの支払額には、固定の支払額と、コールオプションの行使やリースオプションの終了が合理的に判断された
場合に支払う必要のある金額が含まれる。売上高の一定の割合に応じて確定される変動可能なリース料は、リースの
支払額には含まれず、実際発生時に当期損益に計上される。
当行グループの使用権資産は主に建物のレンタルである。使用権資産は、原価に基づいて初期測定を行い、当該
原価は、リース負債の初期測定額、リース期間の開始日またはその前に支払ったリースの支払額、初期直接費用等を
含んでおり、すでに受け取ったリースインセンティブを差し引いた後のものである。当行グループは、リース期間満了時
にリース資産の所有権を取得できると合理的に判断できる場合、リース資産の残存耐用年数内に減価償却を行う。
リース期間満了時にリース資産の所有権を取得できるかどうかが合理的に判断できない場合、リース期間とリース資産
の残存耐用年数の短いほうの期間内に減価償却を行う。回収可能額が使用権資産の帳簿価額を下回る場合、当行
グループは帳簿価額を回収可能額に減額する。
リース期間が 12 か月以内である短期リースおよび単一のリース資産が新品時の価格が低い少額資産リースの場合、
当行グループは、使用権資産とリース負債を認識しないことを選択し、関連するレンタル費用を、リース期間内の各期
間にわたり、定額法に基づいて当期損益に計上する。
当行グループが貸手として
当行グループは、ファイナンス・リースの貸手である場合、リース期間の開始日に、ファイナンス・リースに対してファ
イナンス・リースの未収金を確認し、かつファイナンス・リースの資産の確認を終了する。当行グループは、ファイナン
ス・リースの未収金を貸出金及び立替金として貸借対照表に表示する。
当行グループは、オペレーティング・リースの貸手である場合、オペレーティング・リース料を、リース期間の各期間
において定額法にて当期損益として認識する。オペレーティング・リースに関連する初期直接費用は、発生時に資産
計上し、リース期間全体にわたりリース収益と同じ認識基準に基づき分割して当期損益に計上する。
16. リース— 2019 年 1 月 1 日より前に適用された会計方針
リースは、リースの条件により所有に伴うリスク及び経済価値が実質的にすべて借手に移転する場合にはいつで
も、ファイナンス・リースとして分類される。その他のリースは、すべてオペレーティング・リースとして分類される。
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借手としての当行グループ
当行グループがファイナンス・リースの借手である場合、リース資産は、当該資産の公正価値、又は最低リース料総
額の現在価値 (公正価値よりも低い場合 )で当初、有形固定資産計上される。対応する貸手に対する負債は、その他
の負債に計上される。金融費用は、実効金利法によりリース期間にわたって費用計上され、連結損益計算書に認識さ
れる。償却可能リース資産の減価償却方法は、保有する償却性資産の減価償却方法と一致している。
当行グループがオペレーティング・リースの借手である場合、オペレーティング・リース料は費用として認識され、リー
ス期間にわたり定額法で連結損益計算書の営業費用に認識される。オペレーティング・リースに関連して生じる変動
リース料は、発生した期の費用として認識される。オペレーティング・リース契約締結時にリース・インセンティブを受領
した場合、当該インセンティブはリース期間にわたり認識すべき金額を算定する際に考慮される。
貸手としての当行グループ
当行グループがファイナンス・リースの貸手である場合、未収最低リース料及び未収無保証残存価値 (初期直接コス
ト控除後 )の合計を計算利子率で割り引いた額 (以下「 正味リース投資未回収額」という。 )を、顧客への貸出金及び立
替金として連結財政状態計算書に計上している。正味リース投資未回収額と当該割引前の金額との差額は、未稼得
金融収益として計上され、実効金利法によりリース期間にわたって償却され、連結損益計算書に認識される。
当行グループがオペレーティング・リースの貸手である場合、オペレーティング・リースに係る資産は当行グループ
の有形固定資産として認識が継続される。オペレーティング・リースによる賃貸収益は、関連するリース期間にわたり定
額法で、連結損益計算書のその他の営業収益に認識される。
17 .現金及び現金同等物
現金及び 現金 同等物とは、短期の流動性の高い資産のうち、容易に一定の金額に換金可能であり、かつ、価値の
変動について僅少なリスクしか負わないものをいう。現金及び 現金 同等物には、現金、及び当初の満期が 3 ヶ月以内
の中央銀行預け金、銀行及びその他の金融機関への預け金、銀行及びその他の金融機関への貸出金、並びに売戻
し条件付契約に基づき保有する金融資産が含まれている。
18 .無形固定資産
個別に取得した無形固定資産で耐用年数を確定できるものは、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を
控除した金額で計上される。耐用年数を確定できる無形固定資産は、通常 5 年 から 20 年の見積耐用年数にわたり定額
法で償却される。
個別に取得した無形固定資産で耐用年数を確定できるものは、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を
控除した金額で計上される。耐用年数を確定できる無形固定資産は、通常 5 年 から 20 年の見積耐用年数にわたり定額
法で償却される。
無形固定資産の認識の中止から生じる利得又は損失は、正味処分収入と当該資産の帳簿価額との差額として測
定され、連結損益計算書に認識される。
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19 .有形固定資産 及びのれん以外の無形固定資産の減損
各報告期間の末日現在において、当行グループは、有形固定資産及び無形固定資産に減損損失が生じている兆
候の有無を判断するために、これらの資産の帳簿価額を見直している。このような兆候が存在する場合、減損損失の
程度を決定するために当該資産の回収可能価額が見積られる。回収可能価額は、 売却コスト控除後の公正価値と使
用価値のいずれか高い金額である。
資産の回収可能価額が帳簿価額を下回ると見積られる場合、当該資産の帳簿価額はその回収可能価額まで減
額される。減損損失は連結損益計算書に認識される。
その後減損損失が戻入れられる場合、当該資産の帳簿価額は、その回収可能価額の修正後の見積額まで増額さ
れるが、帳簿価額の増額は、減損が認識されていなかったとした場合の帳簿価額を超過しない範囲である。減損損失
の戻入れは連結損益計算書に認識される。
2 0 .分配配当金
当行の普通株主に対する分配配当金は、当該配当金が当行の年次株主総会において承認された期に、当行グ
ループ及び当行の財務諸表に負債として認識される。
年次株主総会での承認により、取締役会は、優先株式に係る配当宣言及び配当を単独で行う裁量権を有してい
る。優先株式に係る配当金は、当該配当金が当行の取締役会において承認された期に、当行グループ及び当行の
財務諸表に負債として認識される。
2 1 .引当金
引当金は、当行グループが過去の事象の結果として現在の債務を有しており、当行グループが当該債務の決済を
求められる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識される。
引当金は、各報告期間の末日における現在の債務を決済するのに必要な対価の最善の見積りで測定され、その際
に当該債務を取り巻くリスク及び不確実性が考慮される。現在の債務を決済するためのキャッシュ・フローの見積りを
用いて引当金が測定される場合、その帳簿価額は当該キャッシュ・フローの現在価値となる。
22 .信託業務
当行グループは、証券投資ファンド、社会保障基金、保険会社、信託会社、適格外国機関投資家、年金基金及び
その他の機関並びに個人との間の保管契約に従って顧客資産を保護するために、保管 銀行 又は受託 銀行 として、そ
の他の受託者の資格で業務を遂行している。当行グループは、当該保管契約の下で提供する役務と引き換えに報酬
を受け取るが、保管資産に関連する経済的リスク及び経済価値に対していかなる利害も有していない。このため、保
管資産は、当行グループの連結財政状態計算書には認識されていない。
当行グループは、顧客に対して受託貸付契約を行っている。当行グループは、受託貸付契約の条件に基づき、受
託貸付金を提供する貸手である顧客の指示に従って、仲介者として借手に対して貸付を行う。当行グループは、受託
貸付金の取決め及び回収に責任を負い、提供する役務に対して手数料を受け取っている。当行グループは、受託貸
付金に係る経済的リスク及び経済価値並びに対応する受託資金の調達を引き受けていないため、これらは当行グ
ループの資産及び負債として認識されていない。
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23 .金融保証契約とローン・コミットメント
金融保証契約は、発行者に、契約保持者に対する返済保証の提供を求めており、すなわち、満期時に被保証人に
契約条項の支払義務の不履行があった場合、発行者がその代わりに契約保持者の損失を補償する。
金融保証契約は、保証提供日に公正価値で当初認識が行われる。当初認識時以降、負債の金額は、当初認識金
額から収益認識基準に基づき認識された保証料の償却原価を控除した金額と当行グループの保証責任の履行に要
される引当金見積のいずれか高いほうの金額をもって、帳簿に表示される。これらの見積りは、類似する取引経験、過
去の損失履歴、及び経営陣の判断に基づいて行われるものである。当該契約に関連した負債の増加は、当年度の連
結損益計算書に計上される。
当行グループが提供したローン・コミットメントは、予想信用損失をもとに減損損失を評価する。当行グループは、い
かなる市場金利よりも低い価格で融資を行うことを承諾していない。また、現金又はその他の金融商品の発行をもって
ローン・コミットメントの決済を行うこともしない。
当行グループはローン・コミットメントと金融保証契約の減損損失引当金を、負債の見積額に算入する。しかし、ある
商品が同時に貸付金と未使用の承諾を含めており、かつ当行グループが貸付金部分と未使用の承諾部分に係る予
想信用損失を区分できない場合、両方の減損損失引当金は併せて貸付金の減損損失引当金に計上される。ただし、
両方の減損損失引当金合計が貸付金の帳簿残高を上回った場合、その減損損失引当金を負債の見積額に算入す
る。
24 .偶発負債
偶発負債とは、過去の事象から発生し得る債務のうち、企業が完全には統制できない将来の 1 つ又は複数の不確
実な事象の発生又は不発生によってのみ、その存在が確認される債務である。また、過去の事象から発生した現在の
債務であるが、債務決済のために経済的資源の流出が必要となる可能性が高くない、又は債務の金額が信頼性を
もって測定できないことを理由に、認識されていないものもこれに該当する。
偶発負債は、経済的便益を有する資源の流出可能性が高い場合を除き認識されないが、開示は行われる。当行グ
ループの偶発負債は、注記Ⅳ、 42 「偶発負債及びコミットメント」に開示されている。
引当金は、注記Ⅱ、 21 「引当金」に記載の基準を満たした場合に認識される。
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Ⅲ . 会計方針適用時の重要な会計上の見積り及び判断
経営者は、注記Ⅱに記載されている当行グループの会計方針の適用の際に、資産及び負債の帳簿価額に影響を
及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求される。見積り及び関連する仮定は、過去の実績及び関連する他の要
素 (将来の事象に関する合理的予想を含む。 )に基づいている。
見積り及び基礎となる仮定は継続的に見直される。会計上の見積りの修正は、当該修正が行われた期間及び将来
の期間に適切に認識される。
以下の項目は、経営者が当行グループの会計方針を適用する過程で行った重要な判断及び主要な見積りを有す
るものであり、翌 12 ヶ月以内に資産及び負債の帳簿価額に対する重大な修正の原因となる重要なリスクを伴うものであ
る。
1 .予想信用損失の測定
償却原価とその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品投資と、一部のローン・コミットメント
と金融保証契約に対して、その予想信用損失の測定に複雑なモデルと大量の仮説を使用した。これらのモデルと仮
定は、将来のマクロ経済状況と顧客の信用行為(例えば、顧客によるデフォルトの可能性とそれ相応の損失)に関わ
る。注記Ⅳ、 44.1 信用リスクにおいて、予想信用損失の測定に用いられたパラメーター、仮定と見積りを具体的に説明
した。
2 .金融資産の分類
当行グループが金融資産の分類を確定する際に行う重要な判断には、ビジネスモデル及び契約のキャッシュ・フ
ロー特性の分析等が含まれる。
当行グループは、金融資産のポートフォリオレベルで金融資産を管理するビジネスモデルを確定する。その際に考
慮する要素として、金融資産の業績評価の方法及び管理層への報告方法、金融資産の業績を影響するリスク及びそ
の管理方法、並びに関連業務管理者の報酬稼得方法等が含まれる。
当行グループは、金融資産の契約のキャッシュ・フローが基本的貸付契約のものと一致するかどうかを評価する際
に、以下の重要な判断を行う。元本は繰上返済等の原因により金融資産の存続期間内に時間の分布又は金額の変
動が生じる可能性があるか、利息には、貨幣の時間価値、信用リスク及びその他基本的貸付リスク、コストと利益の対
価のみが含まれるか、例えば、繰上返済の金額には、未返済の元本及び未返済元本の金額をベースとした利息、並
びに契約の早期中止のために支払われる合理的な補償のみが反映されているか等である。
3 .金融商品の公正価値
当行グループは、活発な市場の取引相場がない金融商品の公正価値の見積りに、評価技法を使用している。これ
らの評価技法には、同一又は類似の金融商品の直近の取引価格、割引キャッシュ・フロー分析及び一般的に認めら
れている価格決定モデルを利用することが含まれる。評価技法による公正価値の見積りには、利用可能な限り、金利
のイールドカーブ、為替レート及びインプライド・オプション・ボラティリティ等の実際に市場で観察可能なインプット及
びデータが使用される。市場で観察可能なインプットが入手できない場合、公正価値は、市場で観察可能なデータと
可能な限り近似するように修正した仮定を使用して見積られる。しかしながら、信用リスク (当行グループ及び取引相手
先 )、流動性、ボラティリティ及び相関等の分野においては、経営者は見積りを行うことが要求されている。これらの要
素に関する仮定の変更は、金融商品の見積公正価値に影響を及ぼすこともありうる。
中国政府の債務 (大規模政策による資金調達取引に関連 )の公正価値は、関連商品の所定の条件を用いて、中国
政府が関与又は指示した類似の取引において中国政府が決定した条件を参照の上、算定される。これについては、
比較可能な規模及び内容の独立第三者間の取引を反映した相当するその他市場価格やイールドは存在しない。
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4 .税金
通常の当行グループの事業のなかで、最終的な税金への影響が不確実な取引や活動が生じる場合がある。当行
グループは、現行の税法や税務当局の過去の実務を考慮の上、税法の適用における不確実な項目に対する見積り
や判断を行っている。これらの項目に係る最終的な税額が経営者の当初の見積額と異なる場合、その差額は、最終
的な税額の決定がおこなわれた期の法人所得税及び繰延税金に影響が生じることになる。
5. 組成された事業体の合併
当グループは 組成された事業体 における資産管理者又は投資者としての役割を果たす場合、当該 組成された事
業体 を支配しているかどうか、及び連結対象とするかどうかにつき重大な判断を行う必要がある。当行グループは取引
スキームにおける契約の権利と義務及び 組成された事業体 に対する権限を評価し、 組成された事業体 の変動リターン
を分析・測定した。評価分析の対象には、資産管理者として稼得した手数料及び資産管理費、剰余利益、並びに 組
成された事業体 に対して流動性支援又はその他の支援の提供有無を含むがこれらに限らない。それに、当行グルー
プは、 組成された事業体 の意思決定権の範囲、資産管理サービスの提供により稼得した報酬の水準、 組成された事
業体 のその他の権益を所有することにより負担した変動リターンに対するリスク及びその他の関与者の所有している実
質的権利に対する評価と分析を含み、当行グループが 組成された事業体 の取引において主要な責任者と代理人の
どちらの役割を果たしたかを判断した。
6 . 金融 資産 の譲渡による認識中止
当行グループは、通常の事業の中で、通常の取引条件による取引と譲渡、資産証券化、買戻契約、証券貸付などさ
まざまな手段で金融資産を譲渡している。譲渡により該当する金融資産の全部又は一部の認識を中止できるか否か
を判断するにあたって、重要な判断を行っている。
当行グループが、金融資産を組成された事業体に譲渡する仕組取引を締結した場合、当行グループとこれらの組
成された事業体との間の関係の実態が、これらの組成された事業体を支配していることを示唆しているかどうかを評価
し、かかる組成された事業体を連結する必要があるかどうかを判定する。連結要否の判断によって、認識中止の判断
を連結レベルで行うべきか、若しくは金融資産の譲渡側である単体レベルで行うべきかを決定する。
当行グループは、かかる譲渡に関する契約上の権利及び義務を分析し、以下の判定基準に基づいて、認識中止の
要件を満たすか否かを評価する。
・ 金融資産からのキャッシュ・フローを受け取る権利を譲渡したか否か、又は当該譲渡が外部の独立している第三
者にこれらのキャッシュ・フローを「パススルー」するものとなっているか否かを評価する。
・ 当行 グループ は 、金融資産の所有に係るリスクと経済価値がどの程度の範囲まで譲渡されたかを評価する。譲渡
前と譲渡後のキャッシュ・フロー、リスク及び経済価値の譲渡の範囲に関する当行グループの評価に影響を与え
る他の要因を評価するにあたって、重要な会計上の見積り及び判断を行っている。
・ 当行グループは、金融資産の所有に係る実質的にすべてのリスク及び経済価値を譲渡も保持もしていない場
合、かかる金融資産に対する支配を放棄しているか否か、譲渡された金融資産に対する継続的関与を有してい
るか否かを評価する。金融資産に対する支配を放棄しているか否かを評価するにあたって、当行グループは、譲
受人が資産の処分を行う実務上の能力を有しているか否か、即ち、追加的な制約を課すことなく、譲受人が自ら
当該資産全体を無関係の第三者に譲渡する能力を有しているか否かを評価する。金融資産に対する支配を放
棄している場合には、金融資産の認識を中止し、金融資産の譲渡によって生じている又は保持している契約上
の権利・義務に対して、資産及び負債を認識する。金融資産に対する支配を保持している場合には、継続的関
与の程度に応じて関連する金融資産の認識を継続する。
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Ⅳ . 連結財務諸表に対する注記
1 . 受取利息純額
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
受取利息
565,465 502,616
顧客への貸出金及び立替金
326,409 303,054
内:法人向け貸出金及び立替金
227,251 191,775
個人向け貸出金及び立替金
11,805 7,787
割引手形
金融投資
172,710 157,909
償却原価で測定される負債性金融商品投資
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
59,861 58,209
その他負債性金融商品
35,024 40,701
中央銀行預け金
13,585 14,442
銀行及びその他の金融機関への預け金
8,947 9,025
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
3,549 1,822
銀行及びその他の金融機関への貸出金
859,141 784,724
小計
支払利息
(279,737) (227,819)
顧客からの預り金
(33,728) (28,303)
銀行及びその他の金融機関からの預り金
(31,375) (23,094)
発行債務証券
(16,164) (15,823)
中央銀行からの借入金
(9,441) (8,888)
銀行及びその他の金融機関からの借入金
(1,825) (3,037)
買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産額
(372,270) (306,964)
小計
486,871 477,760
受取利息純額
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2 . 受取報酬及び手数料純額
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
受取報酬及び手数料
30,181 25,586
銀行カード
25,209 19,640
電子バンキング・サービス
19,801 20,929
代理サービス
11,443 10,680
決済及び清算サービス
10,109 8,876
コンサルタント及びアドバイザリーサービス
3,899 3,598
保管及びその他の信託
1,895 1,782
信用コミットメント
474 434
その他業務
103,011 91,525
小計
支払報酬及び手数料
(9,543) (7,323)
銀行カード
(3,992) (3,193)
電子バンキング・サービス
(1,770) (2,004)
決済及び清算サービス
(780) (864)
その他
(16,085) (13,384)
小計
86,926 78,141
受取報酬及び手数料純額
3 . トレーディング業務利益純額
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
11,095 14,253
トレーディング目的保有の債務証券に係る利得 純額
(1) 4,304 2,666
貴金属に係る 利得純額
1,487
外国為替デリバティブに係る (損失 )/ 利得 純額 (571)
516
金利デリバティブに係る (損失 )/ 利得 純額 (1,421)
5,660 (2,853)
その他
19,067 16,069
合計
(1) 貴金属に係る利得純額は、貴金属及び貴金属関連のデリバティブ商品に係る利得純額から構成されている。
4 . 金融投資利益純額
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
5,274 2,179
損益を通じて公正価値で測定される その他の負債性金融商品による利得純額
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他の負債性金融商品による
471 304
利得純額
損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された元本保証の資産運用商
36 5,984
品による利得純額
12 (7)
その他
5,793 8,460
合計
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5 . その他の営業収益
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
22,938 17,365
受取保険料
(726)
為替差 (損 )/ 益 2,804
1,017 1,104
有形固定資産の処分に係る利得
863 785
賃貸収益
824 1,018
政府補助金
2,247 2,551
その他
30,693 22,097
合計
6 . 営業費用
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
(1) 124,267 123,614
人件費
(2) 48,246 47,173
一般営業管理費
23,349 17,652
保険給付金及び保険金支払額
18,711 16,413
減価償却費及び償却費
(3) 5,688 5,330
税金及び付加税
3,835 3,781
その他
224,096 213,963
合計
( 1 ) 人件費
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
短期従業員給付
79,835 75,976
給与、賞与、手当及び補助金
8,524 8,328
住宅補助
5,450 5,371
社会保険料
4,902 4,829
内訳:医療保険
407 381
出産保険
141 161
雇用傷害保険
3,534 3,365
労働組合費及び教育研修費
9,464 12,469
その他
106,807 105,509
小計
17,399 17,848
確定拠出給付
61 257
早期退職給付
124,267 123,614
合計
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( 2 ) 2019 年度の一般営業管理費には、 157 百万人民元の監査人に対する報酬が含まれている。そのうち、財務諸表の
監査報酬は 136 百万人民元、非監査業務報酬は 21 百万人民元 (2018 年 度: 197 百万人民元 、そのうち、財務諸表
の監査報酬は 130 百万人民元、非監査業務報酬は 67 百万人民元 )。
( 3 ) 2016 年 5 月 1 日より、当行グループの貸付サービスや、直接費用徴収金融サービス、保険サービス、金融商品譲渡
サービスによる収入は増殖税の課税範囲に組み入れるようになっている。税率は 6 %である。
「財政部、国家税務総局による金融業における営業税から増殖税への徴収変更試行の更なる推進に関する政策
の通達」 (財税 [2016]46 号 )に従い、当行の「三農金融事業部」パイロットプログラムの対象である各省、自治区、直
轄市、計画単列市の支店の下での県域レベルの支店、並びに新疆生産建設兵団の支店の下で県域レベルの支
店に対し、簡易手法を採用し、農家に対する貸出金や農村企業及びその他の農村機関への貸付金の利子所得
の 3% で増殖税を課税する。
都市建設維持税は、当行グループの国内業務に係る増値税の 1% 、 5% 若しくは 7% として算定されている。
当行グループの国内機構の教育付加税は 3% であり、地方教育付加税は 2% として適用されている。
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7 . 取締役、監査役の報酬及び持分
( 1 ) 取締役、監査役及び幹部役員の報酬の内訳は以下の通りである。
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:千人民元 )
その他
退職給付
現物給付
基本給与、 制度への
( xviii )
項目 報酬 及び手当 掛金 合計
執行取締役
579 86 76 741
周慕氷 -
(i) 521 82 76 679
張克秋 -
独立非執行取締役
380 380
肖星 - - -
367 367
王欣新 - - -
367 367
黄振中 - - -
(ii) 145 145
梁高美懿 - - -
(iii) 146 146
劉守英 - - -
非執行取締役
徐建東 - - - - -
陳剣波 - - - - -
廖路明 - - - - -
李奇雲 - - - - -
(iv)
李蔚 - - - - -
(v)
吳 江濤 - - - - -
監査役
579 86 76 741
王敬東 -
王醒春 - - - - -
50 50
夏太立 - - -
50 50
邵利洪 - - -
(vi) 13 13
武剛 - - -
280 280
李旺 - - -
310 310
張傑 - - -
300 300
劉紅霞 - - -
幹部役員
(vii) 145 21 19 185
張青松 -
(viii) 43 7 7 57
張旭光 -
(ix) 478 75 69 622
湛東升 -
(x) 391 65 58 514
崔勇 -
974 147 76 1,197
李志成 -
(xi) 974 142 76 1,192
周萬阜 -
退任執行取締役
(xii) 478 76 69 623
王緯 -
(xiii) 304 47 44 395
蔡東 -
退任非執行取締役
(xiv)
胡孝輝 - - - - -
(xv) 272 272
溫鐵軍 - - -
(xv) 252 252
袁天凡 - - -
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退任 監事
(xvi) 40 40
劉成旭 - - -
退任幹部役員
43 8 5 56
(xvii)
龔超 -
2,972 5,509 842 651 9,974
合計
(ⅰ)張克秋は、 2019 年 4月 1日付で当行の 執行取締役に選任された 。
(ⅱ)梁高美懿 は、 2019 年 7月 30 日付で 当行の 独立 非執行取締役に選任された。
(ⅲ )劉守英 は、 2019 年 7月 29 日付で当行の 独立非執行取締役に選任された。
(ⅳ)李蔚 は、 2019 年 5月 21 日付で 当行の非執行取締役に選任された。
(ⅴ )吳 江濤は、 2019 年 7月 29 日付で当行の 非執行取締役に選任された。
(ⅵ)武剛 は、 2019 年 10 月 9日付で 当行の従業員代表の監査役に選任された。
(ⅶ )張青松 は、 2019 年 11 月 11 日付で 当行の銀行長に選任され、 2020 年 1月 14 日から当行グループの副董事長、執行取締役に選任された。
(ⅷ)張旭光 は、 2019 年 12 月 23 日付で 当行の副銀行長に選任された。
(ⅸ)湛東升 は、 2019 年 4月 29 日付で 当行の副銀行長に選任された。
(ⅹ)崔勇 は、 2019 年 5月 10 日付で 当行の副銀行に選任された。
(xi )周萬阜 は、 2020 年 3月 24 日付で 当行の 取締役会秘書、会社秘書に退任した。
(xⅱ)王緯 は、 2019 年 11 月 28 日付で 当行の執行取締役、副銀行長に退任した。
(xⅲ)蔡東 は、 2019 年 5月 10 日付で 当行の 副銀行に選任され、 2019 年 6月 28 日付で 当行の執行取締役に選任され、 2019 年 10 月 14 日付で当行の 執行取締
役、副銀行長に退任した。
(xⅳ)胡孝輝 は、 2019 年 1月 9日付で当行の非執行取締役に退任した。
(xⅴ)溫鐵軍 と 袁天凡は、 2019 年 8月 30 日付で当行の 非執行取締役に退任した。
(xⅵ)劉成旭 は、 2019 年 10 月 9日付で 当行の従業員代表の監査役に退任した。
(xⅷ)龔超 は、 2019 年 1月 2日付で当行の 紀委書記に退任した。
(xⅷ)その他の福利厚生には、当行が政府の関連規定に従って給与及び手当の一定の比率をもってかつ定められた上限を超えない範囲内で計上しかつ労
働局や社会保障関連機構に納付した医療保険、住宅積立金及びその他社会保険料等が含まれている。
連結財務諸表の公表日現在、 2019 年 12 月 31 日終了事業年度における上記の取締役、監査役及び幹部役員への
報酬パッケージの総額は中国の関連機関の規制により未だ確定していない。最終的な報酬額は、確定時に別の報告
書にて開示される予定である。
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2018 年 12 月 31 日終了事業年度 (修正)
(単位:千人民元 )
その他
退職給付
現物給付
基本給与、 制度への
( xvi )
項目 報酬 及び手当 掛金 合計
執行取締役
761 95 72 928
周慕氷 -
(i) 685 96 73 854
王緯 -
独立非執行取締役
410 410
温鉄軍 - - -
380 380
袁天凡 - - -
380 380
肖星 - - -
360 360
王欣新 - - -
360 360
黄振中 - - -
非執行取締役
(ii)
胡孝輝 - - - - -
徐建東 - - - - -
陳剣波 - - - - -
廖路明 - - - - -
(iii)
李奇雲 - - - - -
監査役
(iv) 254 36 28 318
王敬東 -
-
王醒春 - - - -
50 50
劉成旭 - - -
(v) 21 21
夏太立 - - -
(v) 21 21
邵利洪 - - -
(vi) 280 280
李旺 - - -
(vi) 43 43
張傑 - - -
(vi) 41 41
劉紅霞 - - -
幹部役員
(vii) 685 95 74 854
龔超 -
685 129 73 887
張克秋 -
1,946 146 73 2,165
李志成 -
(viii) 1,297 94 50 1,441
周萬阜 -
退任執行取締役
(ix) 571 69 56 696
趙歓 -
(x) 571 74 62 707
郭寧寧 -
退任独立非執行取締役
(xi)
趙超 - - - - -
(xii)
張定龍 - - - - -
退任 監事
(xiii) 33 33
夏宗禹 - - -
(xiv) 241 241
呂淑琴 - - -
退任幹部役員
55 7 9 71
(xv)
康義 -
2,620 7,510 841 570 11,541
合計
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(ⅰ) 王緯は、 2018 年 2月 13 日付で当行の執行取締役に選任された。
(ⅱ)胡孝輝は、 2019 年 1月 9日付で当行の 非執行取締役を退任した。
(ⅲ )李奇雲は、 2018 年 6月 1日付で当行の 非執行取締役に選任された。
(ⅳ)王敬東は、 2018 年 11 月 12 日付で当行の 株主代表監査役に選任され、 2018 年 11 月 13 日付で当行の 監査役会長に選任された。
(ⅴ )夏太立と邵利洪は、 2018 年 8月 21 日付で当行の 職員代表監査役に選任された。
(ⅵ)李旺、張傑と劉紅霞は、 2018 年 11 月 12 日付で当行の 社外監査役に選任された。
(ⅶ )龔超は、 2019 年 1月 2日付で当行の 紀律委員会書記を退任した。
(ⅷ)周萬阜は、 2018 年 3月 12 日付で当行の 取締役会秘書に就任した。
(ⅸ)趙歓は、 2018 年 9月 29 日付で当行の 取締役副会長、執行取締役、行長等の職務を退任した。
(ⅹ) 郭寧寧は、 2018 年 2月 13 日付で当行の執行取締役に選任された。 同氏は 2018 年 10 月 22 日 付で当行の執行取締役を退任した 。
(xi )趙超は、 2018 年 2月 28 日付で 独立非執行取締役を退任した。
(xⅱ)張定龍は、 2018 年 5月 11 日付で 非執行取締役を退任した。
(xⅲ)夏宗禹は、 2018 年 8月 22 日付で当行の 職員代表監査役を退任した。
(xⅳ)呂淑琴は、 2018 年 6月 29 日付で 任期満了に伴い当行の監査役を退任したが、当行の監査役が監査役会人数の三分の一を下回らない要求を満たすた
めに、引き続き監査役としての職務を履行した。呂淑琴は、 2018 年 11 月 12 日付で当行の 外部監査役を退任した。
(xⅴ)康義は、 2018 年 1月 22 日付で当行の 副行長を退任した。
(xⅵ)その他の福利厚生には、当行が政府の関連規定に従って給与及び手当の一定の比率をもってかつ定められた上限を超えない範囲内で計上しかつ労
働局や社会保障関連機構に納付した医療保険、住宅積立金及びその他社会保険料等が含まれている。
2018 年 度の連結財務諸表における報告の通り、 2018 年 12 月 31 日終了事業年度における上記の取締役、監査役及
び幹部役員への報酬パッケージの総額は未だ確定しておらず、 2018 年 12 月 31 日終了事業年度の取締役、監査役及
び幹部役員への報酬は 8.56 百万人民元と認識されていた。 2018 年 8 月 30 日に最終報酬額が 11.54 百万人民元であっ
たと追加的な開示がなされた。これに伴い、当該 2018 年 12 月 31 日終了事業年度の比較数値は修正再表示されてい
る。
( 2 ) 当行グループの高額報酬者上位 5 名
(ⅰ) 高額報酬者上位 5 名はいずれも、上記で報酬が開示されている取締役又は監査役或は高層管理者ではない。
2019 年 及び 2018 年 12 月 31 日終了事業年度における当行グループの高額報酬者上位 5 名の報酬総額は、以下
の通りである。
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
13 14
基本給与及び手当
14 10
変動賞与
1 1
退職給付制度への掛金及びその他
28 25
合計
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(ⅱ) 高額報酬者上位 5 名の報酬額別人数の内訳は、以下の通りである。
12 月 31 日終了事業年度
2019 年 2018 年
人民幣 4,000,001 元至 4,500,000 元 1
-
2
人民幣 4,500,001 元至 5,000,000 元 2
人民幣 5,000,001 元至 5,500,000 元 1 1
人民幣 5,500,001 元至 6,000,000 元 1
-
人民幣 6,000,001 元至 6,500,000 元 1
-
人民幣 6,500,001 元至 7,000,000 元 - -
人民幣 7,000,001 元至 7,500,000 元 - -
1
人民幣 7,500,001 元至 8,000,000 元
-
当行グループは、 2019 年 12 月 31 日及び 2018 年 12 月 31 日終了事業年度において、高額報酬者上位 5 名に当行グ
ループへの就任奨励金又は離任補償金としての報酬を支払っていない。 2019 年 12 月 31 日及び 2018 年 12 月 31 日終了
事業年度において、報酬を放棄した高額報酬者上位 5 名はいなかった。
( 3 ) 新香港会社条例 (第 622 章 )に準拠した取締役及び監査役のその他の報酬及び持分
当行グループは、 2019 年 12 月 31 日及び 2018 年 12 月 31 日終了事業年度において、取締役及び監査役に当行グ
ループへの就任奨励金又は離任補償金としての報酬を支払っていない。当行が設立した年金基金及び基礎年金(注
記Ⅱ、 7 「従業員給付」)を除いて、取締役もしくは監査役へのその他の退職給付の支払、又は取締役もしくは監査役
が勤務可能となるための第三者への報酬の支払はない。また、 2019 年 12 月 31 日及び 2018 年 12 月 31 日終了事業年度
において、報酬を放棄した取締役又は監査役はおらず、当行グループの事業に関連する重要な取引、取決め又は契
約において、直接又は間接に重要な持分を有する取締役又は監査役はいなかった。
当行グループは、通常の事業の一環で、取締役、監査役又は取締役もしくは監査役が支配する会社及び関係があ
る事業体と独立当事者間の取引として与信取引を行っている。 2019 年 12 月 31 日及び 2018 年 12 月 31 日終了事業年
度、 2019 年 12 月 31 日及び 2018 年 12 月 31 日現在それぞれにおいて、取締役、監査役又は取締役もしくは監査役が支
配する会社及び関係がある事業体に対する貸出金及び立替金残高は重要ではない。当行グループは取締役、監査
役又は取締役もしくは監査役が支配する会社及び関係がある事業体の借入金、準借入又は与信取引にいかなる保
証又は担保も提供していない。
8 . 信用減損損失
(単位:百万人民元 ) 12 月 31 日終了事業年度
2019 年 2018 年
131,833 130,111
顧客への貸出金及び立替金
金融投資
301 1,384
償却原価で測定される負債性金融商品投資
985 2,575
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融商品
3,990 1,533
担保とコミットメントにかかる引当金
30 (41)
銀行及びその他の金融機関への貸出金
409 (393)
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
1,057 1,478
その他
138,605 136,647
合計
210/492
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9 . 法人所得税費用
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
当期法人所得税
62,674 63,111
-中国の法人所得税
824 804
-香港の収益税
215 211
-その他の管轄地域
63,713 64,126
小計
(10,061) (15,083)
繰延税金 (注記Ⅳ 22 を参照 )
53,652 49,043
合計
中国の法人所得税は、両事業年度ともに課税所得の見積額の 25% で計算されており、これには関連する中国の法
人所得税法規に従い算定した国外業務に対する中国の附帯税が含まれている。法人所得税の税引前控除項目は、
中国の税務規則により規定されている。その他の管轄地域 (香港を含む。 )で発生する税金は、関連する管轄地域の
現行の税率で計算されている。
2019 年 及び 2018 年 12 月 31 日終了事業年度における 税金費用と連結損益計算書の利益との調整は、以下の通りで
ある。
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
266,576 251,674
税引前当期純利益
62,919
適用される中国の法定税率 (25%) で計算された税金 66,644
(1) (31,575) (26,202)
税務上益金不算入となる収益に係る税効果
18,684 12,345
税務上損金不算入となる原価、費用 、損失等 に係る税効果
(101) (19)
その他の管轄地域における異なる税率の影響
53,652 49,043
法人所得税費用
(1)税務上益金不算入となる収益には、主に中国の国債及び地方自治体債の受取利息が含まれている。
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10 . 配当金
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
普通株式に係る配当金 (宣言かつ支払済 )
2018 年度現金配当 (1) 60,862
-
57,911
2017 年度現金配当 (2)
-
60,862 57,911
4,600 4,600
(3)
優先株式に係る配当(宣言かつ支払済)
(1)2018 年 度の最終配当の分配
2019 年 5月 30 日 に開催された年次株主総会において、中国企業に適用される会計規則及び金融規制 (以下「中国 GAAP 」と言う )に従い算定された
2018 年 度の純利益 (法定利益準備金及び一般準備金の繰入所要額控除後 )につき、 2018 年 度では 1普通株当たり 0.1739 人民元、総額 60,862 百万人
民元の現金配当が承認された。
上記配当の分配は、 2019 年 12 月 31 日 終了事業年度に実施ずみであり、当年度の連結財務諸表に反映している。
(2)2017 年 度の最終配当の分配
2018 年 5月 11 日 に開催された年次株主総会において、中国企業に適用される会計規則及び金融規制 (以下「中国 GAAP 」と言う )に従い算定された
2017 年 度の純利益 (法定利益準備金及び一般準備金の繰入所要額控除後 )につき、 2017 年 度では 1普通株当たり 0.1783 人民元、総額 57,911 百万人
民元の現金配当が承認された。
上記配当の分配は、 2018 年 12 月 31 日 終了事業年度に実施ずみであり、当年度の連結財務諸表に反映している。
(3)2019 年 度の優先株式の配当の分配
2019 年 1月 11 日 の取締役会において、優先株式第ニトランシェ(農行優 2)に係る年間配当率 5.5% 、総額 2,200 百万人民元の現金配当が承認され、配
当金は 2019 年 3月 11 日 に支払われた。
2019 年 8月 30 日 の取締役会において、優先株式第一トランシェ(農行優 1)に係る年間配当率 6% 、総額 2,400 百万人民元の現金配当が承認され、配当
金は 2019 年 11 月 5日 に支払われた。
2018 年 度の優先株式の配当の分配
2018 年 1月 11 日 の取締役会において、優先株式第ニトランシェ(農行優 2)に係る年間配当率 5.5% 、総額 2,200 百万人民元の現金配当が承認され、配
当金は 2018 年 3月 12 日 に支払われた。
2018 年 8月 28 日 の取締役会において、優先株式第一トランシェ(農行優 1)に係る年間配当率 6% 、総額 2,400 百万人民元の現金配当が承認され、配当
金は 2018 年 11 月 5日 に支払われた。
(4))2019 年 12 月 31 日 終了事業年度に関して、 1普通株当たり 0.1819 人民元、総額 63,662 百万人民元の最終配当が取締役により提案され、年次株主総会に
おける普通株主の承認事項となっている。
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11. 1株当たり利益
基本的及び希薄化後 1 株当たり利益の計算は、以下の通りである。
12 月 31 日終了事業年度
2019 年 2018 年
利益:
202,783
当行の持分所有者に帰属する当期純利益 (単位:百万人民元 ) 212,098
(4,600)
(4,600)
控除:当行の優先株主に帰属する当期純利益 (単位:百万人民元 )
207,498 198,183
当行の普通株主に帰属する当期純利益 (単位:百万人民元 )
株式数:
加重平均発行済普通株式数 (単位:百万株 ) 349,983 337,423
0.59 0.59
基本的及び希薄化後 1 株当たり利益 (単位:人民元 )
2014 年 度と 2015 年 度において、当行はそれぞれ 2 回の非累積型優先株式を発行した。具体的項目は「注記 IV.33 そ
の他の資本性金融商品」に開示されている。
2019 年 度において、当行はそれぞれ 2 回の非累計型の無固定期限の資本性証券を発行した。具体的項目は「 注記
IV.33 その他の資本性金融商品」に開示されている。2019年12月31日までに、当行は利息の配当を宣言して
いない。
2019 年 度の基本的 1 株当たり利益の算定上、非累積的優先株式に係る 2019 年 度に宣言した 4,600 百万人民元 の現
金配当額は、当行の普通株主に帰属する損益から控除されている( 2018 年 度: 4,600 百万人民元 )。
転換可能優先株式は、条件付発行可能普通株式に該当するものとみなされる。転換のトリガー事象は、 2019 年 及び
2018 年 12 月 31 日終了事業年度において発生しておらず、それゆえ転換可能優先株式が 1 株当たり利益に影響を与え
る希薄化効果はない。
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12 .現金及び中央銀行預け金
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
92,928 98,089
現金
(1) 2,018,692 2,312,116
中央銀行への法定準備預金
(2) 393,607 223,555
中央銀行への超過準備預金
(3) 193,631 170,187
中央銀行へのその他の預け金
2,698,858 2,803,947
小計
1,037 1,160
未収利息
2,699,895 2,805,107
合計
(1)当行グループは、 PBOC 及び国外の規制当局に法定準備預金を預け入れている。これには、人民元準備預金及び外貨準備預金が含まれている。法定準備預金
を当行グループの日々の営業活動のために使用することはできない。「中国人民銀行が金融機関の預金準備金率を引き下げる通達」(銀発 [2019]4 号)の要求に
従い、中国人民銀行が金融機関の人民元預金準備金率を 1% 引き下げることを決めており、そのうち、 2019 年 1月 15 日に 0.5 %を下げ、 2019 年 1月 25 日に 0.5 %を下
げた。中国人民銀行営業管理部の「金融機関の定向預金準備金率を下げることに関する動態考察結果に対する通達」により、 2019 年 1月 25 日人民元預金準備金
率を 1%を下げた。「中国人民銀行が金融機関の預金準備金率を引き下げる通達」(銀発 [2019]223 号)の要求に従い、 2019 年 9月 16 日人民元預金準備金率を
0.5 %を下げた。
2019 年 3月 25 日に発行した『中国人民銀行弁公庁による 2019 年 中国農業銀行県レベル三農(農業、農村、農民)金融事業部の考察結果に対する通達』銀弁
発 [2019]60 号の規定を満たす当行の国内業務では、 PBOC への人民元建法定準備預金は、 2019 年 12 月 31 日現在では適格人民元建預け金の 9.5%(2018 年 12
月 31 日現在: 12.0%) に基づき、残りの当行の国内業務の人民元建法定準備預金は、適格人民元建預け金の 11.5%(2018 年 12 月 31 日現在: 14.0%) に基づいて
いる。国外人民元業務参加銀行の適格人民元預金法定準備率は 11.5 %( 2018 年 12 月 31 日現在: 14 %)に基づいている。法定外貨準備預金は、顧客からの適
格外貨預金の 5%(2018 年 12 月 31 日現在: 5%) に基づいている。当行の国外業務の法定準備預金は、それぞれ現地の規制要件に基づいて算定されている。
PBOC に預けている外貨準備預金には利息は生じない。
(2)超過準備預金は、法定準備預金に加え、主として決済のために PBOC で保管されている預金である。
(3)中央銀行へのその他の預け金は、主に当行グループの日常業務には使用できない PBOC への財政預金及び為替リスクに対応するための外貨準備預金であり、こ
の行政事業体からの財政預金には利息は生じず、また、外貨準備預金の利率は現在 0% である。外貨準備預金は、 2015 年 8月 31 日に PBOC により発行された「中
国人民銀行が外国為替取引業務のマクロ・プルデンシャル・マネジメントを強めることに関する通達」(銀発 [2015]273 号)に規定された比率に従って PBOC に預け
ている預金である。 2018 年 8月 3日に公表された「中国人民銀行による外国為替リスク準備金の政策の調整に関する通達」(銀発 [2018]190 号)に基づき、 2018 年 8
月 6日おり発生した関連業務につき、先月の長期外貨売却契約額の 20% を月単位で外貨リスク準備金に計上し、凍結期間は 1年 としている。
13 .銀行及びその他の金融機関への預け金
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
預入先:
185,905 54,075
国内の銀行
14,292 12,296
その他の国内の金融機関
34,493 43,711
国外の銀行
234,690 110,082
帳簿価額
2,118 196
未収利息
(1,066) (550)
減損損失引当金
235,742 109,728
銀行及びその他の金融機関への預け金 (純額 )
2019 年 12 月 31 日現在、担保として差し入れている銀行及びその他の金融機関への預け金の帳簿価額相当額は、 14,670
百万人民元( 2018 年 12 月 31 日: 13,080 百万人民元)であった。これらの預け金は、主に取引所に保証金として差し入れたもの
である。
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14 .銀行及びその他の金融機関への貸付
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
貸出先:
162,772 193,744
国内の銀行
252,498 256,887
その他の国内の金融機関
106,047 99,172
国外の銀行及びその他の金融機関
521,317 549,803
帳簿価額
3,289 3,594
未収利息
(1,423) (1,384)
減損損失引当金
523,183 552,013
銀行及びその他の金融機関への貸付 (純額 )
15 .デリバティブ金融資産・負債
当行グループは、トレーディング、資産・負債管理及び顧客主導型取引に関連して、主に外国為替レート、金利及び貴金
属デリバティブ契約を締結している。
当行グループが締結しているデリバティブの契約 /想定元本の額及び公正価値は、以下の表に記載されている。デリバティ
ブの契約 /想定元本の額は、連結財政状態計算書に計上された商品の公正価値と比較する際の基礎を提供するが、関連す
る将来キャッシュ・フローの額又は商品の現在の公正価値を必ずしも示すものではなく、したがって信用リスク又は市場リスク
に対する当行グループのエクスポージャーを示すものでもない。デリバティブ金融商品の公正価値は、その条件に関連する
市場金利、為替レート、又は貴金属の価格の変動により、有利(資産)又は不利(負債)となる。デリバティブ金融資産・負債
の公正価値の合計は、大幅に変動する場合がある。
当行グループの一部の金融資産及び金融負債は、強制可能なマスターネッティング契約又は類似の契約の対象となって
いる。当行グループと取引相手先との契約では、双方が純額ベースでの決済を選択している場合には、通常、関連する金融
資産と金融負債の純額決済が可能である。そのような選択をしていない場合には、金融資産と金融負債は総額ベースで決
済されることになる。ただし、当該マスターネッティング契約又は類似の契約の各当事者が当該金額のすべてを純額ベース
で決済することが可能となるのは、一方の当事者が債務不履行を起こした場合である。 2019 年 12 月 31 日及び 2018 年 12 月 31
日現在、強制可能なマスターネッティング契約又は類似の契約の対象となっている金融資産及び金融負債の金額は、当行
グループにとって重要性はない。当行グループは、これらの金融資産及び金融負債について相殺することを選択していな
い。当行グループは、デリバティブを除き、マスターネッティング契約又は類似の契約の対象となっているその他の金融商品
を保有していない。
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2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
契約 / 公正価値
想定元本 資産 負債
為替デリバティブ
2,751,623 23,588 (19,835)
為替予約及び通貨スワップ、クロスカレンシー・スワップ
108,691 540 (547)
通貨オプション
24,128 (20,382)
小計
金利関連のデリバティブ
225,976 340 (1,676)
金利スワップ
95,328 476 (7,490)
貴金属関連契約及びその他
24,944 (29,548)
デリバティブ金融資産・負債合計
2018 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
契約 / 公正価値
想定元本 資産 負債
為替デリバティブ
2,850,770 34,202 (30,657)
為替予約及び通貨スワップ、クロスカレンシー・スワップ
75,226 886 (738)
通貨オプション
35,088 (31,395)
小計
金利関連のデリバティブ
418,445 1,654 (839)
金利スワップ
76,631 202 (2,320)
貴金属関連契約及びその他
36,944 (34,554)
デリバティブ金融資産・負債合計
デリバティブ取引の相手方に係る信用リスクを加重した金額は、デリバティブ取引に関連した相手先の信用リス
クを表しており、CBRC発行の「商業銀行資本管理規則(試行)」(2013年1月1日発効)及び「デリバティブ取引の相手
方に係る信用リスク資産測定規則」(2019年1月1日発効)に従って計算され、とりわけ、顧客の信用度及び契約の
種類ごとの満期特性によって変動する。
2019 年12月31日現在及び2018年12月31日現在のデリバティブ取引の相手先に係る信用リスクを加重した金額は、
内部格付手法に基づき測定している。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
90,486 17,336
取引相手先の信用リスク加重額
16 .売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
担保の種類別内訳:
681,891 343,571
債務証券
27,958 27,475
手形
709,849 371,046
合計
308 1,152
未収利息
(1,606) (1,197)
減損損失引当金
708,551 371,001
売戻し条件付金融資産純額
売戻し条件付契約に基づく金融資産に関連して受領した担保については、注記Ⅳ、 42 「偶発負債及びコミットメント―担
保」に開示している。
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17 .顧客への貸出金 及び立替金
17.1 測定方法に基づく分析
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
(1) 12,279,223 11,027,381
償却原価で測定される貸出金及び立替金
(2) 540,387 433,912
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される貸出金及び立替金
249
(3)
-
損益を通じて公正価値で測定される貸出金及び立替金
12,819,610 11,461,542
合計
(1)
償却原価で測定される 貸出金及び立替金
法人向け貸出金及び立替金
7,381,532 6,802,200
貸出金及び立替金
5,407,627 4,677,264
個人向け貸出金及び立替金
12,789,159 11,479,464
合計
30,642 27,060
未収利息
(540,578) (479,143)
減損損失引当金
12,279,223 11,027,381
償却原価で測定される顧客への貸出金及び立替金帳簿価格
(2)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される 貸出金及び立替金
法人向け貸出金及び立替金
118,997 89,951
貸出金及び立替金
421,390 343,961
割引手形
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される顧客への貸出金及び立替
540,387 433,912
金帳簿価格
(3)
損益を通じて公正価値で測定される貸出金及び立替金
法人向け貸出金及び立替金
249
-
貸出金及び立替金
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17.2 損失引当金の評価方法に基づく分析
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3(i)
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
償却原価で測定される顧客への貸出金及び
立替金残高 (顧客への貸付にかかる未収
利息を除く ) 12,281,653 320,316 187,190 12,789,159
(351,550) (57,693) (131,335) (540,578)
損失引当金
償却原価で測定される顧客への貸出金及び
11,930,103 262,623 55,855 12,248,581
立替金帳簿価額
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
540,068 299 20 540,387
される顧客への貸出金及び立替金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
される顧客への貸出金及び立替金損失
(12,495) (27) (15) (12,537)
引当金
2018 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3(i)
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
償却原価で測定される顧客への貸出金及び
立替金残高 (顧客への貸付にかかる未収
利息を除く ) 10,929,528 359,934 190,002 11,479,464
(261,704) (68,455) (148,984) (479,143)
損失引当金
償却原価で測定される顧客への貸出金及び
10,667,824 291,479 41,018 11,000,321
立替金帳簿価額
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
433,488 424 433,912
-
される顧客への貸出金及び立替金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
される顧客への貸出金及び立替金損失
(7,460) (9) (7,469)
-
引当金
予想信用損失のステージ 1とステージ 2の企業向け貸出金及び立替金並びに個人向け貸出金及び立替金についてはリスクパラメーターモデル法で予想信用損失
を計上し、ステージ 3の企業向け貸出金及び立替金については割引キャッシュ・フロー・モデル法で予想信用損失を計上する。詳細は注記Ⅳ、 44.1 信用リスクの開示
を参照する。
(i)2019 年 12 月 31 日に、当行グループは、信用減損が発生した貸出金及び立替金(ステージ 3)の抵当物でカバーされたエクスポージャーは 30,745 百万人民元( 2018
年 12 月 31 日に識別された信用減損が発生した貸出金及び立替金の抵当物でカバーされたエクスポージャーは 30,599 百万人民元)である。
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17.3 損失引当金の変動状況に基づく分析
今年度に確認された損失引当金は、主に以下の多種な要素の影響を受けている。
▪ 金融資産の信用リスクの顕著な増加(又は減少)若しくは信用減損の発生に起因する金融資産のステージ 1 、ステージ 2
とステージ 3 の間の振替、及びそれに応じて発生した損失引当金の測定ベースの 12 ヶ月と全期間の予想信用損失の振替
▪ 今期に新たに増加した金融資産のために計上された損失引当金
▪ 再測定、それには今期内のモデル・仮定の変動、モデルやパラメーターの更新、デフォルト率とデフォルト損失率の変動
等予想信用損失の測定に対する影響、金融資産の各ステージの振替後の予想信用損失の測定の変動、及び予想信用
損失の測定が現価で行われるためその割引効果が時間とともに予想信用損失に引き起こす変動、外貨資産が改めて外
貨換算されることにより予想信用損失に与える影響、並びにその他の変動が含まれる。
▪ 今期に返済、譲渡、償却された金融資産に応じた損失引当金の振替
次の表は、上述した要素の変動により損失引当金の変動に与えた影響を示している。
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
企業向け貸出金及び立替金 合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 (i) 予想信用損失( ii )
191,146 63,973 128,611 383,730
2018 年 12 月 31 日現在
振替:
ステージ 1 からステージ 2 へ (6,261) 6,261 -
-
19,356
ステージ 2 からステージ 3 へ (19,356) -
-
ステージ 2 からステージ 1 へ 5,948 (5,948) -
-
(3,390)
ステージ 3 からステージ 2 へ 3,390 -
-
72,673 72,673
組成又は購入金融資産増加額 - -
25,292 16,147 40,776 82,215
再測定
(39,198) (11,076) (35,664) (85,938)
返済及び振替
(39,209) (39,209)
償却 - -
249,600 53,391 110,480 413,471
2019 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
個人向け貸出金及び立替金 合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 (iii) 予想信用損失( iv )
78,018 4,491 20,373 102,882
2018 年 12 月 31 日現在
振替:
ステージ 1 からステージ 2 へ (1,530) 1,530 - -
ステージ 2 からステージ 3 へ (5,190) 5,190
- -
ステージ 2 からステージ 1 へ 973 (973) - -
ステージ 3 からステージ 2 へ 482 (482)
- -
50,904 50,904
組成又は購入金融資産増加額 - -
12,311 5,129 13,406 30,846
再測定
(26,231) (1,140) (5,428) (32,799)
返済及び振替
(12,189) (12,189)
償却 - -
114,445 4,329 20,870 139,644
2019 年 12 月 31 日現在
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2018 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
企業向け貸出金及び立替金 合計
12 ヶ月間の 全期間の
予想信用損失( vi )
予想信用損失(ⅴ)
2018 年 1 月 1 日現在 (i) 160,902 53,285 126,922 341,109
振替:
ステージ 1 からステージ 2 へ (9, 105) 9,105 -
-
22,224
ステージ 2 からステージ 3 へ (22,224) -
-
ステージ 2 からステージ 1 へ 3,948 (3,948) -
-
(2,217)
ステージ 3 からステージ 2 へ 2,217 -
-
48,217 48,217
組成又は購入金融資産増加額 - -
21,108 29,648 62,188 112,944
再測定
(33,924) (4,110) (26,946) (64,980)
返済及び振替
(53,560) (53,560)
償却 - -
191,146 63,973 128,611 383,730
2018 年 12 月 31 日現在
2018 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
個人向け貸出金及び立替金 合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 (vii) 予想信用損失( viii )
2018 年 1 月 1 日現在 (i) 60,853 3,924 25,389 90,166
振替:
ステージ 1 からステージ 2 へ (1, 124) 1,124 - -
ステージ 2 からステージ 3 へ (1,248) 1,248
- -
ステージ 2 からステージ 1 へ 1,139 (1,139) - -
ステージ 3 からステージ 2 へ 411 (411)
- -
35,789 35,789
組成又は購入金融資産増加額 - -
(2,634) 3,750 10,441 11,557
再測定
(16,005) (2,331) (3,291) (21,627)
返済及び振替
(13,003) (13,003)
償却 - -
78,018 4,491 20,373 102,882
2018 年 12 月 31 日現在
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(i) 2019 年 度に、当行グループのステージ 1の企業向け貸出金及び立替金の損失引当金の変動は、主に当期中のステージ 1の企業向け貸出金及び立替金の帳簿
残高の前年度末に比べて約 11 %の純増加と計上比率の増加によるものである。
(ii) 2019 年 度に、当行グループのステージ 2の企業向け貸出金及び立替金の計上比率は安定しており、損失引当金の変動は、主に 2019 年 12 月 31 日時点において、
ステージ 2の企業向け貸出金及び立替金の元本が 2018 年 12 月 31 日時点に比べて約 13 %減少したことによるものである。
2019 年度に、当行グループのステージ 3の企業向け貸出金及び立替金の損失引当金の変動した要因は、主に関連貸出金及び立替金の元本がステー
ジ 2からステージ 3に移行したことにより計上比率が増加したことであり、損失引当金への影響は 2019 年度の関連する貸出金及び立替金の元本の返
済、振替及び償却によって相殺され、 2019 年 12 月 31 日時点においてステージ 3の企業向け貸出金及び立替金の帳簿残高は 2018 年 12 月 31 日時点に比
べて大きな変化はなかった。
(iii) 2019 年 度に、当行グループのステージ 1の個人向け貸出金及び立替金の損失引当金の変動は、主に当期中のステージ 1の個人向け貸出金及び立替金の帳
簿残高の前年度末に比べて約 16 %の純増加と計上比率の増加によるものである。
(iv) 2019 年 度に、当行グループのステージ 2の個人向け貸出金及び立替金の計上比率は安定しており、 2019 年 12 月 31 日時点においてその帳簿残高は 2018 年 12
月 31 日時点に比べて大きな変化はなかった。各ステージの間の振替により、当行グループのステージ 2個人向け貸出金及び立替金が増加することとなり、主な
要因は、関連する貸出金及び立替金の元本がステージ 1から振替られたためである。ステージ 1からステージ 2へ振替られてきた元本の純額はステージ 1の元本
の約 1%であり、その損失引当金への影響は、 2019 年 度における一部のステージ 2の貸出金及び立替金がステージ 3に振替えられたこと及びステージ 2の個人
向け貸出金及び立替金の元本の返済により相殺されたことである。そのうち、 2019 年 度にステージ 2の貸出金及び立替金からステージ 3への振替額は、期首残
高の約 70 %を占めており、ステージ 2の個人向け貸出金及び立替金の元本の返済額は、期首残高の約 20 %を占めている。
2019 年 度に、当行グループのステージ 3の個人向け貸出金及び立替金の損失引当金の変動は、主に関連貸出金及び立替金の元本がステージ 2からステージ
3に移行したことにより計上比率が増加したためであり、その損失引当金への影響は 2019 年 度関連貸出金及び立替金の元本の返済、振替及び償却によって
相殺され、 2019 年 12 月 31 日時点におけるステージ 3の個人向け貸出金及び立替金の帳簿残高は 2018 年 12 月 31 日時点と比較して重要な変動がない。
(v) 2018 年 度に、当行グループはステージ 1の企業向け貸出金及び立替金に対する計上比率は安定しており、損失引当金の変動は主に今期第ステージ 1の企業向
け貸出金及び立替金の帳簿残高が新たに 12 %増加したことによるものである。
(vi) 2018 年 度に、各ステージの間の振替により当行グループのステージ 2の企業向け貸出金及び立替金の元本が増加したことは主に関連貸出金及び立替金の元
本がステージ 1から振り替えられたためである。ステージ 1からステージ 2へ振り替えられた元本はステージ 1の期首元本の約 3%を占めており、それにより損失引
当金への影響は 2018 年 度ステージ 2の企業向け貸出金及び立替金の元本返済によって相殺された。 2018 年 度ステージ 2の企業向け貸出金及び立替金の元
本返済額は期首残高の約 3割を占めている。 2018 年 12 月 31 日にステージ 2の企業向け貸出金及び立替金の帳簿残高は 2018 年 1月 1日と比較して重要な変動
がなく、損失引当金の変動は主に計上比率の変動によるものである。
当行グループの 2018 年 1月 1日と 2018 年 12 月 31 日におけるステージ 3の企業向け貸出金及び立替金の計上比率は安定しており、損失引当金の変動は主に関
連貸出金及び立替金がステージ 2からステージ 3へ振り替えられたために計上比率が増加したことに起因しており、それにより損失引当金への影響は 2018 年 度
の関連貸出金及び立替金の元本返済、振替及び償却によって相殺され、 2018 年 12 月 31 日におけるステージ 1の企業向け貸出金及び立替金の帳簿残高は
2018 年 1月 1日と比較して重要な変動がない。
(vii) 2018 年度に、当行グループのステージ 1の個人向け貸出金及び立替金の計上比率は安定しており、損失引当金の変動は主に今期のステージ 1の個人向け貸出
金及び立替金の帳簿残高が新たに約 17 %増加したことによるものである。
(viii) 2018 年 度に、各ステージ間の振替により当行グループのステージ 2の個人向け貸出金及び立替金が増加し、それは主に関連貸出金及び立替金がステージ 1か
ら振り替えられたためであり、ステージ 1からステージ 2へ振り替えられた元本がステージ 1の期首元本の約 1%を占めており、それにより損失引当金への影響は
2018 年 度のステージ 2の個人向け貸出金及び立替金の元本返済によって相殺され、 2018 年 度ステージ 2の個人向け貸出金及び立替金の元本返済額は期首
残高の約 5割を占めている。 2018 年 12 月 31 日におけるステージ 2の個人向け貸出金及び立替金の帳簿残高は 2018 年 1月 1日と比較して重要な変動がなく、損
失引当金の変動は主に計上比率の変動によるものである。
当行グループの 2018 年 1月 1日と 2018 年 12 月 31 日におけるステージ 3の個人向け貸出金及び立替金の計上比率は安定しており、 損失引当金の変動は主に関
連貸出金及び立替金がステージ 2からステージ 3へ振り替えられたために計上比率が増加したことに起因しており、それにより損失引当金への影響は 2018 年 度
の関連貸出金及び立替金の元本返済、振替及び償却によって相殺され、 2018 年 度に当行グループのステージ 3の個人向け貸出金及び立替金の帳簿残高は
約 12 %減少した。
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18 . 金融投資
12 月 31 日現在
2019 年 2018 年
(単位:百万人民元 )
18.1 801,361 643,245
損益を通じて公正価値で測定される金融資産
18.2 4,946,741 4,503,698
償却原価で測定される負債性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融商品投資
1,674,828 1,738,132
18.3
及びその他資本性金融商品投資
7,422,930 6,885,075
合計
18.1 損益を通じて公正価値で測定される金融資産
12 月 31 日現在
2019 年 2018 年
(単位:百万人民元 )
基準の要求に従って以下の通り分類しなければならない
(1) 240,281 246,788
トレーディング目的保有金融資産
(2) 216,052 129,725
損益を通じて公正価値で測定されるその他の金融資産
345,028 266,732
(3)
損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された金融資産
801,361 643,245
合計
内訳:
3,695 4,101
香港で上場
(i) 481,884 519,076
香港以外で上場
315,782 120,068
非上場
801,361 643,245
合計
(i) 中国国内の銀行間債券市場で売買される債務証券は、「香港以外で上場」に含まれている。
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日現在
(1)
トレーディング目的保有金融資産
2019 年 2018 年
債券—発行体による分類
10,371 11,302
政府債
45,231 87,444
公共機関及び準政府債
102,650 62,506
金融機関債
43,207 52,756
社債
201,459 214,008
債券小計
29,132 28,139
貴金属関連契約
2,354 1,986
持分
7,336 2,655
ファンド
240,281 246,788
合計
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(単位:百万人民元 )
12 月 31 日現在
(2) 損益を通じて公正価値で測定されるその他の金融資産 (ii)
2019 年 2018 年
債券—発行体による分類
19,434 20,554
公共機関及び準政府債
72,334 51,947
金融機関債
5,724 4,385
社債
97,492 76,886
債券小計
95,183 33,778
持分
23,377 19,061
ファンド
216,052 129,725
合計
(ii) 損益を通じて公正価値で測定されるその他の金融資産 とは、償却原価で測定される又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定されるものとして分類さ
れる要件を満たしておらず、また、そのビジネスモデルもトレーディング目的ではないために、損益を通じて公正価値で測定される対象として分類された金融資
産を指す。それには、当行グループと当行が保持する債券、持分、ファンド及び信託プラン、資産管理商品等が含まれている。
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日現在
(3) 損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された金融資産 (iii)
2019 年 2018 年
債券—発行体による分類
17,137 21,257
政府債
19,790 33,399
公共機関及び準政府債
147,389 49,711
金融機関債
27,334 38,537
社債
211,650 142,904
債券小計
28,207 9,174
他銀行への預け金
104,184 110,431
他銀行への貸付
987 4,223
その他
345,028 266,732
合計
(iii) 損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された金融資産は、主に当行が発行した元本保証の資産運用商品により投資された金融資産を含む。
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18.2 償却原価で測定される負債性金融商品
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
債券
2,755,256 2,299,357
政府債
1,278,027 1,255,738
公共機関及び準政府債
302,220 300,010
金融機関債
124,558 169,480
社債
4,460,061 4,024,585
小計
(i) 290,891 290,891
財政部に対する債権
(ii) 93,352 93,358
特別国債
16,791 22,443
(iii)
その他
4,861,095 4,431,277
合計
95,134 81,608
未収利息
(9,488) (9,187)
損失引当金
4,946,741 4,503,698
償却原価で測定される負債性金融商品投資帳簿価格
内訳:
17,851 12,698
香港で上場
(iv) 4,567,976 4,116,972
香港以外で上場
360,914 374,028
非上場
4,946,741 4,503,698
合計
(1) 当行グループは 2020 年 1 月に中国財政部(以下は MOF という。)から通知を受け取り、 2020 年 1 月 1 日以降、未払金の利息計算は前年度
の 5 年国債収入の水準に照らし、毎年算定を行うことが明確にされた。
(2) 特別国債とは、自己資本比率を改善するため、 1998 年 に MOF が旧銀行に対して元本総額 93,300 百万人民元で発行した譲渡不能債券
である。当該国債は 2028 年 に満期となる予定であり、 2008 年 12 月 1 日から固定年利 2.25% の利息が生じている。
(3) 債権として分類されるその他の償却原価で測定される負債性金融商品投資は、基本的には、当行グループが保有する非連結の組成さ
れた事業体に関連している。 (注記Ⅳ 41(2) を参照 )。
(4) 中国国内の銀行間債券市場で売買される債務証券は、「香港以外で上場」に含まれている。
(1) 予想信用損失の評価方法に基づく分析
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
4,953,832 1,196 1,201 4,956,229
償却原価で測定される債券投資残高
(8,409) (32) (1,047) (9,488)
損失引当金
4,945,423 1,164 154 4,946,741
償却原価で測定される債券投資帳簿価額
2018 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
4,509,520 1,043 2,322 4,512,885
償却原価で測定される債券投資残高
(6,691) (236) (2,260) (9,187)
損失引当金
4,502,829 807 62 4,503,698
償却原価で測定される債券投資帳簿価額
予想信用損失のステージ 2とステージ 3における償却原価で測定される債券投資は主に当行グループが投資した社債及びその他の債券投資を含む。
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(2) 損失引当金の変動状況に基づく分析 (i)
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
6,691 236 2,260 9,187
2018 年 12 月 31 日現在
振替 :
ステージ 1 からステージ 2 へ (29) 29 - -
ステージ 1 からステージ 3 へ (382) 382
- -
1,832 1,832
組成又は購入金融資産増加額 - -
1,534 3 4 1,541
再測定
(1,237) (236) (1,599) (3,072)
返済又は振出
8,409 32 1,047 9,488
2019 年 12 月 31 日現在
2018 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
2018 年 1 月 1 日現在 5,883 20 2,261 8,164
振替 :
ステージ 1 からステージ 2 へ (9) 9 - -
2,242 2,242
組成又は購入金融資産増加額 - -
(369) 227 233 91
再測定
(1,056) (20) (234) (1,310)
返済又は振出
6,691 236 2,260 9,187
2018 年 12 月 31 日現在
(i) 2019 年 12 月 31 日に、当行グループの償却原価で測定される債券投資の損失引当金の増加は、主に今年度の債券投資の増加及び既存債券投資の再測定によ
るものである。
18.3 その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他の負債性金融商品及びその他資本性金融商品
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
負債性金融商品の
その他の包括利益に計
償却原価 /資本性金
上された公正価値の変 計上された減損
融商品の原価 公正価値 動額の累計 額の累計
1,650,974 1,671,746 20,772 (6,897)
負債性金融商品(1)
2,050 3,082 1,032
適用なし
資本性金融商品(2)
1,727,559 1,738,132 10,573 (6,897)
合計
2018 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
負債性金融商品の
その他の包括利益に計
償却原価 /資本性金
上された公正価値の変 計上された減損
融商品の原価 公正価値 動額の累計 額の累計
1,725,961 1,735,892 9,931 (6,327)
負債性金融商品(1)
1,598 2,240 642
適用なし
資本性金融商品(2)
1,727,559 1,738,132 10,573 (6,327)
合計
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(1) 負債性金融商品
(a) 測定方法に基づく分析
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
債券—発行体による分類
744,035 707,987
政府債
247,527 263,005
公共機関及び準政府債
478,172 544,934
金融機関債
165,270 186,738
社債
1,635,004 1,702,664
小計
(i) 18,556 14,287
その他
1,653,560 1,716,951
負債性金融商品小計
18,186 18,941
未収利息
1,671,746 1,735,892
合計
内訳:
107,477 98,119
香港で上場
1,499,316 1,593,843
香港以外で上場
64,953 43,930
非上場
1,671,746 1,735,892
合計
(i) その他には主に当行グループの投資した信託プラン及び債券投資プラン並びに当行グループが保有する非連結の組成された事業体に属するものであるが含ま
れている。(注記 41 (2))
(b) 予想信用損失の評価方法に基づく分析
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定されるその他の負債性金融商品の帳
1,671,525 221 1,671,746
-
簿価額
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定されるその他の負債性金融商品の損
(6,874) (23) (6,897)
-
失引当金
2018 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定されるその他の負債性金融商品の帳
1,730,932 4,783 177 1,735,892
簿価額
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定されるその他の負債性金融商品の損
(5,720) (552) (55) (6,327)
失引当金
予想信用損失のステージ 2とステージ 3におけるその他の包括利益を通じて公正価値で測定される債券投資は主に社債である。
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(c) 予想信用損失の評価方法に基づく分析 (ii)
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
5,720 552 55 6,327
2018 年 12 月 31 日現在 (i)
振替:
ステージ 2 からステージ 1 へ 26 (26) - -
2,129 2,129
組成又は購入金融資産増加額 - -
186 23 209
再測定 -
(1,187) (526) (55) (1,768)
返済及び振出
6,874 23 6,897
201 9 年 12 月 31 日現在
-
2018 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
2018 年 1 月 1 日現在 (i) 5,290 125 186 5,601
振替:
ステージ 1 からステージ 2 へ (35) 35 - -
ステージ 2 からステージ 1 へ 51 (51) - -
1,958 1,958
組成又は購入金融資産増加額 - -
(143) 452 39 348
再測定
(1,401) (9) (170) (1,580)
返済及び振出
5,720 552 55 6,327
2018 年 12 月 31 日現在
(ii) 2019 年 12 月 31 日に、当行グループと当行のその他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他の債券投資に係る損失引当金の増加は、主に今年度の債
券投資の増加及び既存債券投資の返済と振出によるものである。
(2) 資本性金融商品
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2019 年 2018 年
2,878 2,036
非銀行金融機構
204 204
事業体
3,082 2,240
合計
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19 .子会社に対する投資及び組成された事業体
(1 )子会社に対する投資
2019 年 12 月 31 日現在、当行グループの主要子会社は以下の通りである。
授権資本
持分比率 議決権比率
/払込済資本 (%) (%)
会社名 設立日 設立地 主たる事業活動
588,790,000 100.00 100.00
農銀財務有限公司 1988 年 11 月 1日 香港、中国 投資持株会社
香港ドル
4,113,392,449 100.00 100.00
ABC インターナショナル・ホール 2009 年 11 月 11 日 香港、中国 投資持株会社
香港ドル
ディングス・リミテッド
9,500,000,000 100.00 100.00
農銀金融租賃有限公司 2010 年 9月 29 日 上海、中国 ファイナンス・リース
人民元 業
100,000,000 100.00 100.00
中国農業銀行 (UK) リミテッド 2011 年 11 月 29 日 ロンドン、英国 銀行業
米ドル
1,750,000,001 51.67 51.67
農銀匯理ファンド管理有限公司 2008 年 3月 18 日 上海、中国 ファンド運用業
人民元
19,600,000 51.02 51.02
克什克騰農銀村鎮銀行有限責任 2008 年 8月 12 日 内モンゴル自治 銀行業
公司 区、中国 人民元
(i) 31,000,000 50.00 66.67
湖北漢川農銀村鎮銀行有限責任 2008 年 8月 12 日 湖北省、中国 銀行業
公司 人民元
29,400,000 51.02 51.02
績溪農銀村鎮銀行有限責任公司 2010 年 5月 25 日 安徽省、中国 銀行業
人民元
40,000,000 51.00 51.00
安塞農銀村鎮銀行有限責任公司 2010 年 3月 30 日 陝西省、中国 銀行業
人民元
210,000,000 51.00 51.00
浙江永康農銀村鎮銀行有限責任 2012 年 4月 20 日 浙江省、中国 銀行業
公司 人民元
100,000,000 51.00 51.00
厦門同安 農銀村鎮銀行有限責任 2012 年 5月 24 日 福建省、中国 銀行業
公司 人民元
(ii) 2,949,916,475 51.00 51.00
農銀人寿保険股份有限公司 2005 年 12 月 19 日 北京、中国 生命保険業
人民元
20,000,000 100.00 100.00
中国農業銀行 (ルクセンブルグ )リ 2014 年 11 月 26 日 ルクセンブルグ、 銀行業
ルクセンブルグ ユーロ
ミテッド
(iii) 7,556,038,271 100.00 100.00
中国農業銀行 (モスクワ )リミテッド 2014 年 12 月 23 日 モスクワ、ロシア 銀行業
ロシア・ルーブル
10,000,000,000 100.00 100.00
農銀金融資産投資リミテッド 2017 年 8月 1日 北京、中国 債券 /株式スワップ
人民元
及び関連の支援業
務
(iv) 12,000,000,000 100.00 100.00
農銀理財有限責任公司 2019 年 7月 25 日 北京、中国 理財
人民元
228/492
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中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2019 年 、 2018 年 に、 当行グループの子会社に対する持分比率及び議決権比率に変更はなかった。
(i) 湖北漢川農銀村鎮銀行有限責任公司の取締役 3名のうち 2名は、当行が任命した。当行は、当該企業に対して実質的な支配を有していると判断し、当該企業を当
行の連結の範囲に含めている。
(ii) 当行は 2012 年 12 月 31 日に嘉禾人寿保険股份有限公司の 51 %の持分を買収してその支配株主となり、その社名を農銀人寿保険股份有限公司(以下、「農銀人
寿」と称する)に変更した。当該取引により、当行グループの 2012 年 12 月 31 日におけるのれんは 1,381 百万人民元となった。 2016 年 度に、当行グループ及びその
他の株主は農銀人寿に 3,761 百万人民元の増資を行い、農銀人寿の払込資本金は 917 百万人民元の増加となり、資本積立は 2,844 百万人民元の増加となった。
増資の後に、当行の当該子会社に対する持分比率及び表決権の比率は相変わらず 51 %である。
当行は毎年のれんに対して減損テストを行う。のれんの減損テストを行う際に、当行は関連資産(のれん及び償却後の買収業務価値)の帳簿価額とその回収可能
金額に対して比較を行い、回収可能金額が帳簿価額より低くなった場合には、その差額を当期損益に計上する。
関連資産の回収可能金額は農銀人寿の管理層に許可された調整純資産、有効な業務価値、年間新業務価値、新業務乗数当のデータに基づき、精算価値評価
法を用いて評価されるものであり、用いられたリスク割引率、投資収益率、価値評価の割引率とその他のキャッシュフローを予測するのに用いられた仮定は全てそ
れに関連する特定リスクを反映したものである。
2019 年 12 月 31 日と 2018 年 12 月 31 日において、当行が確認したのれんに明らかな減損事象がなかったため、減損を計上していない。
(iii) 2019 年 度において、当行は中国農業銀行(モスクワ)有限公司に 617 百万人民元の増資を行い、中国農業銀行(モスクワ)有限公司の払込資本金は 617 百万人民
元の増加となった。増資の後に、当行の当該子会社に対する持分比率及び表決権の比率は相変わらず 100.00 %である。
(iv) 2019 年 度において、当行は農銀理財有限責任公司を新規設立した。
(2 )組成された事業体
連結している組成された事業体は注記Ⅳ、 41 「組成された事業体」において開示されている。
20 .関連会社及び共同支配企業に対する投資
(1 )関連会社に対する投資
授権資本
持分比率 議決権比率
/払込済資本 (%) (%)
会社名 設立日 設立地 主たる事業活動
(i) 53,342,800,000 50.00 50.00
中国・コンゴアフリカ銀行 2015 年 コンゴ共和国 銀行
ブラザヴィル セーファーフラン
(ii) 24.29 20.00
北京国発航空発動機産業投資基 2018 年 中国・北京 4,075,200,000 人民 非証券業務の投資
金中心(有限パートナーシップ) 管理、コンサルティ
元
ング
(ii) 29.50 20.00
吉林省紅旗智網新能源自動車基 2019 年 中国・吉林 100,000,000 人民元 非証券業類株式投
金投資管理中心(有限パート 資活動及び関連コ
ナーシップ) ンサルティング
サービス
(ⅰ) 2015 年 5月 28 日に、当行がその他の投資者とともに出資して設立した中国・コンゴアフリカ銀行は現地の監督管理機構の許可を得て銀行営業ライセンスを取得
した。当行は、中国・コンゴアフリカ銀行の 50 %の株主持分及び表決権を有する。当行は、アフリカのための中国・コンゴ銀行の財務と経営政策の意思決定に参
加する権限を持っているが、その政策決定について管理又は関与することができない。
(ⅱ) 当行の完全子会社の農銀金融投資有限公司とその他の投資者により出資して設立した企業であり、当行グループは上記の企業の財務と経営政策の意思決定
に参加する権限をもっているが、その政策決定について管理または関与することができない。
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中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
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(2 )共同支配企業に対する投資
授権資本
持分比率 議決権比率
/払込済資本 (%) (%)
会社名 設立日 設立地 主たる事業活動
69.00 28.57
江蘇ジェ泉農銀国企混改転型 2018 年 中国