メディシノバ・インク 四半期報告書
提出書類 | 四半期報告書 |
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提出日 | |
提出者 | メディシノバ・インク |
カテゴリ | 四半期報告書 |
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四半期報告書
【表紙】
【提出書類】 四半期報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24の4の7条1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2019年9月12日
【四半期会計期間】 自 2019年4月1日 至 2019年6月30日
【会社名】 メディシノバ・インク
(MediciNova, Inc.)
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長兼CEO
岩 城 裕 一
(President and Chief Executive Officer)
【本店の所在の場所】
アメリカ合衆国カリフォルニア州ラ・ホイヤ、スウィート
300、エグゼクティブ・スクエア4275
(4275 Executive Square, Suite 300, La Jolla,
California 92037, USA)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 梅 津 立
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 (03)6775-1220
【事務連絡者氏名】 弁護士 青 柳 良 則/馬 場 健 太/山 下
貴 行
【最寄りの連絡場所】 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 (03)6775-1220
【事務連絡者氏名】 弁護士 青 柳 良 則/馬 場 健 太/山 下
貴 行
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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( 注1) 本書において、別段の記載がある場合を除き、以下の用語は以下に記載する意味を有しております:
「発行会社」、「当社」、「メディシノバ社」又は「メディシノバ・インク」:メディシノバ・インク
( 注2) 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「円」は日本の通貨、「ドル」、「米ドル」はアメリカ合衆国の通貨を
指すものとします。
( 注3) 本書において便宜上記載されている日本円への換算は、別段の記載がある場合を除き1米ドル=106.14円(2019年9月2
日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場の仲値)により計算されております。)
( 注4) 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがあります。
( 注5) 本書には、リスク及び不確実性を伴う将来の見通しに関する記述が含まれております。これらの将来の見通しに関す
る記述は、第2「企業の概況」2「事業の内容」、第3「事業の状況」1「事業等のリスク」、及び、同3「財政状態、
経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の各項に含まれております。これらの記述は、当社の実際の業績
を、将来の見通しに関する記述によって明示又は黙示されている将来の業績とは大幅に異なるものとする可能性のあ
る既知及び未知のリスク、不確実性、及びその他の要因に関するものであります。
将来の見通しに関する記述は、「~うる」、「可能性がある」、「予定である」、「意図する」、「~であろ
う」、「~かもしれない」、「場合がある」、「~と思われる」、「予想する」、「~と考える」、「見積もってい
る」、「予測する」、「潜在的な」、「計画する」などの語句、又はこれらの否定形、及び将来の見通しに関する記
述であることを認識することを意図したこれらに類する表現によって識別できる場合があります。これらの記述は、
将来の事由に関する当社の現在の見解を反映しており、仮定に基づいており、またリスク及び不確実性を伴います。
このような不確実性に鑑み、投資家はこれらの将来の見通しに関する記述を過度に信頼すべきではない場合がありま
す。これらの将来の見通しに関する記述は、本書の提出日現在に限っての当社の見通し及び仮定を示したものであり
ます。当社は、米国証券法により要求されない限り、新情報、将来の事象その他のいずれによるかを問わず、いかな
る将来の見通しに関する記述も更新することを予定しておりません。
投資家の皆様には、当社の実際の将来の業績は、当社の予想とは大幅に異なりうることを理解した上で、本書を熟
読していただきたいと存じます。当社は、その将来の見通しに関する記述のすべてを、上記の注意書きによる条件付
のものとしております。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1) 提出会社の属する国・州等における会社制度
当四半期会計期間において、アメリカ合衆国及び同国デラウェア州における会社制度に重要な変更はありませんでし
た。
(2) 提出会社の定款等に規定する制度
当社は、アメリカ合衆国連邦法及びデラウェア州法により規律されるほか、当社の再表示基本定款(随時の修正を含
みます。)(「基本定款」)及び附属定款により規律されます。下記は、当社の基本定款及び附属定款の規定の概要を
述べたものであります。当社の基本定款及び附属定款に関する完全かつ正確な情報については、本書の添付書類として
提出された、基本定款及び附属定款をご参照いただければと存じます。
株式資本について
取締役会は、発行される各シリーズの株式数、議決権(無制限、制限付き若しくは議決権無し)、並びに当該シリー
ズ株式に係る指定権、優先権、及びこれに関連する参加権、選択権その他の特別の権利、またその資格、制限若しくは
制約を定めることについて、明示的な権限を有しています。
当社の授権株式数は、1株当たりの額面価格0.001米ドルの普通株式100,000,000株及び1株当たりの額面価格0.01米
ドルの優先株式3,000,000株であります。2019年6月30日現在、登録された株主が保有する発行済普通株式数は
43,099,161株であり、発行済優先株式はありません。
普通株式
各発行済普通株式は、適式かつ有効に発行され、全額払込済み及び追徴不能株式であります。
普通株式の株主は以下の権利を有しておりますが、その時点における発行済優先株式に適用される優先権には従うこ
とになります。
①配当
当社の発行済普通株式の株主は、取締役会の随時の決定により、配当金の支払に充てることが法律上可能な資産
から配当金を受け取る権利を有します。但し、当社の発行済優先株式の保有者の優先配当権に劣後します。
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②議決権
普通株式の各株主は、株主による議決権行使の対象である全ての事項(取締役の選任を含みます。)に関し、そ
の保有する普通株式1株につき1個の議決権を有します。当社の基本定款には、取締役の選任に関する累積投票の
規定は設けられておりません。つまり、行使された議決権の過半数を有する株主が当該時点における現行取締役を
全員選任できることになります。
③先買権、転換及び償還
当社の普通株式には先買権は付与されておらず、転換及び償還はできません。
④清算及び解散
清算又は解散する際、普通株式の株主は、負債及び優先株式の優先的分配権に基づく支払を全てなした後の会社
の全ての残余資産の一切を、その保有する株式の数に比例して受領する権利を有しております。
オプション
2019 年6月30日現在、改訂再表示2004年ストック・インセンティブ・プラン(「2004年プラン」)及び2013年エクイ
ティ・インセンティブ・プラン(その後の変更を含みます。)(「2013年プラン」)に基づき合計6,826,193株の普通株
式を購入するオプションが未行使のままです。これらのオプションは、各オプションが付与されたストック・インセン
ティブ・プランのロックアップに関する条項に従います。
2013 年6月14日開催の定時株主総会において、2013年プランが株主により承認され、2017年6月8日、2018年6月7日及び
2019年6月10日開催の定時株主総会において、2013年プランにおいて発行可能な株式数を増加させるための2013年プラン
の変更が株主により承認されました。2013年プランの導入後は、2004年プランによるオプションの付与はなされませ
ん。2013年プランにおいて、当社は、(ⅰ)7,200,000株及び(ⅱ)2004年プランのもとで付与された未行使の報酬の対象株
式であって、2013年プランの発効日以降、何らかの理由により行使前若しくは決済前に期間満了となるか若しくは終了
し、当該株式につき権利確定がなされずに執行し、当初発行価格で買い戻され、又はその他当該報酬に関連する源泉徴
収若しくは購入価格に係る義務を履行するために再取得又は留保される株式の合計数を付与することができます。2019
年6月30日時点において、2013年プランのもとで付与することができる株式の合計数は、2,262,592株でした。
2013 年プランは、取締役会の報酬委員会によって運営され、(ⅰ)普通株式を購入するオプション、(ⅱ)普通株式の制
限付株式、(ⅲ)株式評価益権、(ⅳ)株式ユニット、(ⅴ)業績連動型株式報酬、(ⅵ)業績連動型現金報酬、及び(ⅶ)その
他の株式報酬の付与を内容としています。インセンティブ・ストック・オプションは、従業員にのみ付与することがで
きます。非適格ストック・オプション及び他の株式に基づく報酬は、従業員、従業員を兼務していない取締役及びコン
サルタントにのみ付与することができます。株式ユニットには、議決権はありません。2013年プランの下で付与された
株式ユニットには、確定又は失効する前に、報酬委員会の裁量において、配当同価値物を付与することが可能です。株
式ユニットは、株式ユニットの内容を決定する株式ユニット契約の条項にしたがった、当社の資金裏付けも保証もない
当社の債務を表象します。
2013 年プランは、当社の取締役会が早期に終了させない限り、当社の取締役会が最初に採用したときから10年後に失
効します。
2013 年プランに基づき付与されたストック・オプションは、一般に、当該ストック・オプションを付与するストッ
ク・オプション契約の条項に規定された時期及び回数で行使可能となります(このような条項には、適用される保有者
の雇用終了後の行使条項も含まれます。)。2013年プランに基づき付与されたオプションは、当初の付与から10年以上
経過すると行使できなくなります。
取締役会は、その裁量で2013年プランを改訂できますが、当該改訂により、当初のオプションの付与による個人の権
利を大きく損なうことはできません(当該個人の承諾のある場合を除きます。)。
優先株式
当社の取締役会には、デラウェア州一般会社法に基づく制限に従い、1つ又は複数のシリーズの優先株式3,000,000株
を発行し、随時各シリーズに含まれる株式数を設定し、まだ未発行である各シリーズの株式について、その権利、優先
権及び特権、並びに、その制限、限定及び制約を決定する権限が付与されております。また、当社の取締役会は、当社
の株主による追加の議決権行使又は行為なしに、あらゆるシリーズの株式数を増減できます。但し、その数は当該時点
における当該シリーズの発行済株式数を下回ってはならないとされております。
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当社の取締役会は、当社の普通株主の議決権その他の権利に悪影響を及ぼす議決権付又は転換型償還優先株式の発行
を決定できます。優先株式の発行は、今後実施される可能性のある買収、資金調達その他の会社目的に関連して柔軟性
を与えるものの、かかる発行によって支配権の変更を遅延、延期又は阻止する効果があり、また当社普通株式の市場価
格 の下落又は議決権その他普通株主の権利を損なうおそれがあります。
株主総会
①開催場所
株主総会は、附属定款により指定されるか若しくは附属定款が定める方法に従って指定されたデラウェア州内部
若しくは外部の場所、又はかかる指定がなされなかった場合には当社の登録事務所若しくは当社の主な営業所で開
催することができます。
②年次株主総会
年次株主総会は、取締役会又はチーフ・エグゼクティブ・オフィサー(「CEO」)が随時指定し、招集通知に記載
された日時に毎年開催されます。株主は、一般に、当該総会において任期が終了するクラスの取締役と同数の取締
役を選任するほか、株主総会に適式に提出されたその他の検討事項の決議を行います。
③臨時株主総会
臨時株主総会は、目的の如何を問わず、法令又は基本定款に別段の定めがある場合を除き、取締役会長、CEOの請
求又は取締役会の過半数の賛成により適式に承認された決議に基づき、セクレタリーがこれを招集することができ
ます。上記の請求においては、提案された臨時株主総会の目的が表明されなければなりません。臨時株主総会で討
議される事項は、招集通知に記載された目的に関連する事項に限定されます。
④招集通知
法律に別段の定めがある場合を除き、各株主総会(年次又は臨時を問いません。)の書面による通知について、
開催場所(もしあれば)、開催日時、遠隔通信手段(もしあれば。かかる遠隔通信手段により株主及び委任状保有
者本人が当該株主総会に出席して投票したものとみなされます。)、及び(臨時株主総会の場合には)招集される
臨時総会の目的が記載された上で、当該株主総会の10日以上60日前までに当該株主総会において議決権を有する各
株主に送付されます。
株主総会が他の場所、日時に延会となった場合であっても、延期された株主総会の会日が、延会が最初に通知され
た日から30日を超えず、かつ延期された総会の開催場所、日時が、延会の決定された株主総会において通知されて
いる場合は、延期された株主総会について通知を発する必要はありません。
⑤定足数
法律又は当社の基本定款が別に定める場合を除き、発行済議決権付株式の過半数の保有者の本人又は代理人によ
る出席をもって、株主総会における定足数とします。
⑥延会
株主総会は、出席株主の過半数の賛成により(定足数を下回っても構いません。)、また、いずれの株主も本人
又は代理人によって出席していない場合には、当該株主総会の議長又はセクレタリーとして行為する権限を有する
役員により、当該総会における公表以外の通知をすることなく、附属定款に従って株主総会を開催することのでき
る日時及び場所(かかる日時及び場所は当該総会において公表されます。)に、定足数が出席するまで、随時延期
されることができます。定足数が出席した延会においては、当初の株主総会において検討される可能性のあった一
切の事項が討議されます。延会が30日を越える場合、又は延会後に延期された株主総会のために新たな基準日が設
定された場合には、延期された株主総会の通知が、延期された当該株主総会において議決権を有する株主名簿上の
各株主に送付されます。
⑦議決権
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当社の基本定款に別段の定めがある場合を除き、各株主は、各株主総会において当該株主が保有する議決権付株
式1株につき1票の議決権を有します。
株主総会に定足数が出席した場合、議決権を有し、本人又は代理人が出席する過半数の株式の保有者の投票によ
り、当該株主総会に提出された議題を決します。但し、当該議題が、法令又は当社の基本定款若しくは附属定款の
明文の規定により異なる議決数によることが必要となる議題である場合は、当該議題の決議はかかる明文の規定に
従うものとします。当社の年次又は臨時株主総会において採択されることが要求又は許可されているいかなる決議
も、株主総会を経ずに採択することはできず、かつ株主総会を経ずに書面で決議の採択に同意する株主の権限はこ
れを明確に否定します。
⑧株主通知及び議決権の基準日
株主総会若しくはその延会の招集通知を受ける株主、当該株主総会若しくは延会における議決権を有する株主、
配当その他の配分の支払若しくは権利の割当てを受ける株主、又は株式の変更、転換若しくは交換に関して権利行
使できる株主を決定し、又はその他の適法行為を実施するため、取締役会は、事前に基準日を設定することができ
ます。かかる基準日は、当該総会の期日の10日以上60日前の日でなければならず、当該基準日に関連するその他の
行為の60日前でなければなりません。株主総会の招集通知を受ける株主又は当該総会における議決権を有する株主
名簿上の株主の決定については、当該株主総会の延会にも適用されます。
取締役会
①人数、選任、任期及び資格
取締役会全体を構成する取締役の人数は、現在5名です。但し、取締役会全体を構成する取締役の人数は、取締役
会全体の過半数が採択した決議により随時固定されます。取締役会全体を構成する取締役のクラスは、当社の基本
定款に定められます。
取締役は、附属定款において別に定められる場合を除き、年次株主総会において選任されるものとし、選任され
た各取締役は、3年間かつ当該取締役の後任者が選任されその資格を授与されるまで、又はそれ以前に死亡、辞任若
しくは解任されるまで、在職します。
②権限
当社の事業は、取締役会の指示により又は基づき運営され、取締役会は、法令又は当社の基本定款若しくは附属
定款において、株主により行使又は実施することが指示又は要求されている行為及び事項以外の、当社の一切の権
限を行使し、かつ、一切の適法行為及び事項を実施することができます。
③取締役会の開催場所
取締役会は、デラウェア州内部又は外部のいずれかにおいて、定時及び臨時に会議を開催することができます。
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④定時取締役会
定時取締役会は、取締役会が随時決定する時間及び場所で通知をせずに開催することができます。但し、かかる
決定が行われた時に欠席していた取締役に対して、当該決定について速やかに通知を行なわなければなりません。
⑤臨時取締役会
臨時取締役会は、取締役会長、CEO、プレジデント若しくはセクレタリー、2名以上の取締役の書面による要求、
又は在任する取締役が1名の場合には1名の取締役によって、これを招集することができます。臨時取締役会開催
の日時及び場所(もしあれば)についての通知は、各取締役への手渡し若しくは電話、又は送料前払いをもって、
第一種郵便、商業配達サービス、ファクシミリ、電子メールその他の電子的手段により当社の名簿上に記載された
当該取締役の営業所又は住所に送付されることによってなされます。当該通知が郵送される場合、当該通知は、臨
時取締役会開催の少なくとも4日前に米国の郵便に投函されなければなりません。当該通知が手渡し若しくは電
話、又は商業的配達サービス、ファクシミリ、若しくは電子メールその他の電子的手段によりなされる場合、当該
通知は臨時取締役会の開催の少なくとも24時間前になされなければなりません。取締役会の通知又は通知の省略書
には、当該会議の目的を記載する必要はありません。
⑥定足数、取締役会での行為
すべての取締役会は、当該時点で在任している取締役の過半数(但し、いかなる場合も附属定款に従い取締役が
最後に確定した取締役の人数の3分の1未満であってはなりません。)の出席により、議案の決議の定足数が満た
され、法律又は当社の基本定款が別に定める場合を除き、定足数が出席した取締役会に出席した取締役の過半数の
行為が取締役会の行為となります。
⑦会議を経ない行為
当社の基本定款又は附属定款により別に規制される場合を除き、取締役会又はその委員会において実施すること
が要求又は許容されている行為は、取締役会又は委員会(場合に応じて)の構成員全員が、書面又は電子的通信に
より同意し、当該書面又は電子的通信が取締役会又は委員会の手続についての議事録に記録される場合には、会議
を経ずに実施することができます。
⑧電話会議
当社の基本定款又は附属定款により別に規制される場合を除き、取締役会又はその委員会の構成員は、出席者全
員が相互に応答することができるような電話会議又はあらゆる形態の通信機器により、当該取締役会又は委員会
(場合に応じて)の会議に参加することができ、かかる方法による会議への参加は、当該会議への本人による出席
となります。
⑨委員会
取締役会は、取締役会全員の過半数により採択された決議により、1つ以上の委員会(各委員会は当社の取締役
1名以上により構成されます。)を設置することができます。当該委員会は、取締役会の決議において定められる
範囲内で、当社の事業及び業務の運営に際して取締役会が有する一切の権限を有しかつ行使することができ、かつ
当社の社印の押印が必要となる一切の書類に当該社印を押印することを許可することができます。 但し、いかなる
委員会も、(ⅰ)デラウェア州一般会社法が株主の承認を受けることを明示に要求した決議若しくは事項の承認、採
択若しくは株主への提案、又は(ⅱ)附属定款の採択、修正若しくは廃止に関連する権限を有しません。
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⑩検査権
取締役は、取締役としての地位に合理的に関連する目的のために、当社の株主名簿、当社の株主の一覧表その他
の帳簿及び記録を検査する権利を有します。
役員
①役員の選任
当社の役員は、取締役会により選任され、CEO(1名)、プレジデント(1名)、セクレタリー(1名)及びチー
フ・フィナンシャル・オフィサー(CFO)又はトレジャラー(1名)から構成されます。また、取締役会は、チー
フ・オペレーティング・オフィサー(1名)、ヴァイス・プレジデント(1名以上)及びアシスタント・セクレタ
リー又はアシスタント・トレジャラー(1名以上)を選任することができます。当社の基本定款又は附属定款に別
段の定めがある場合を除き、同一人が複数の役員の地位を兼任することができます。
②任期
当社の各役員は、当該役員を選任又は任命する議決において異なる任期が指定されない限り、その後継人が選任
されその地位に就任するまで、又は当該役員が任期前に死亡、辞任、解任又は無能力者となるまで、在職します。
取締役会又はCEOが任命した役員は、取締役会又は解任権限を適式に授権された委員会の過半数の賛成により、理由
の有無にかかわらずいつでもこれを解任することができます。但し、CEOが任命した役員については、CEOがこれを
いつでも解任することができます。当社の役員の地位の欠員は、取締役会がその裁量によりこれを補充することが
できるものとします。役員は、当社の主たる営業所宛に、又はCEO若しくはセクレタリーに対して書面による辞任の
通知を交付することにより辞任することができます。かかる辞任は、当該通知の受理時に効力を生じます。但し、
当該辞任の効力発生時が別途定められた場合、又はその他の事由の発生がその効力発生の条件として指定された場
合はこの限りではありません。
③権限の委譲
取締役会は、附属定款の定めにかかわらず、役員の権限又は職務を随時他の役員又は代理人に委譲することがで
きます。
2【外国為替管理制度】
当四半期会計期間において、米国における外国為替管理制度に重要な変更はありませんでした。
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3【課税上の取扱い】
当四半期会計期間において、米国における課税上の取扱いに重要な変更はありませんでした。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
以下の主要な経営指標等の数値は、当社の連結財務書類(四半期については無監査)から抜粋した数値又は当該連結財務書
類に基づいて算出された数値であり、将来の経営成績を表示するものではありません。以下の主要な経営指標等の推移は、
当社の連結財務書類及びその注記並びに第3「事業の状況」2「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの
状況の分析」の項に記載されている情報とともにお読みください。当社は、以下の主要な経営指標等の数値の元となった連
結財務書類が、有価証券報告書に含まれる監査済連結財務書類と実質的に同様の基準によって作成されており、表示される
期間中における財務情報を適正に表示するために必要な調整がなされているとの見解を有しています。いかなる期間におけ
る経営成績も将来において期待しうる経営成績を示すものではありません。以下の数字の単位は、個別に単位を記載したも
のを除き、千米ドルです。
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連結損益及び包括利益計算書のデータ:
前第2四半期 当第 2四半期 前第2四半期
当第 2四半期
連結累計期間 連結期間 連結期間
連結累計期間
2018 年
(自 201 8年 1月 1日 (自 201 9年 ▶月 1日 (自 201 8年 ▶月 1日
(自 201 9年 1月 1日
至 201 8年 6月 30 日 ) 至 201 9年 6月 30 日 ) 至 201 8年 6月 30 日 )
至 201 9年 6月 30 日 )
- - - - -
営業収益
- 百万円 - 百万円 - 百万円 - 百万円 - 百万円
△9,161 △8,067 △4,182 △3,400 △15,587
営業損失
△975百万円 △859百万円 △445百万円 △362百万円 △1,659百万円
△8,579 △7,687 △3,882 △3,144 △14,675
四半期(当期)純損失
△913百万円 △818百万円 △413百万円 △335百万円 △1,562百万円
基本及び希薄化後当社株式1株当
△0.20米ドル △0.19米ドル △0.09米ドル △0.08米ドル △0.36米ドル
たり
△21.29円 △20.23円 △9.58円 △8.52円 △38.33円
四半期(当期)純損失 (1)
(1) 1株当たり四半期(当期)純損失の算出方法及び1株当たりの数値の計算にあたって使用した株式数の説明について
は、「第一部 企業情報」「第5 経理の状況」「1 四半期連結財務書類」注記7「1株当たり純損失」をご参照くだ
さい。
連結貸借対照表のデータ:
2019 年6月30日現在 2018 年6月30日現在 2018 年12月31日現在
77,152 79,077 77,223
資産合計
8,214 百万円 8,419 百万円 8,221 百万円
73,182 75,589 73,108
株主資本合計
7,791 百万円 8,047 百万円 7,783 百万円
連結キャッシュ・フロー計算書のデータ:
前第2四半期
当第 2四半期
連結累計期間
連結累計期間
2018 年
(自 2018年1月1日
(自 2019年1月1日
至 2018年6月30日)
至 2019年6月30日)
△4,682 △5,735 △9,114
営業活動によるキャッシュ・フロー
△498百万円 △611百万円 △970百万円
626
△4 626
投資活動によるキャッシュ・フロー
△0百万円 67 百万円 67 百万円
4,109 41,278 42,809
財務活動によるキャッシュ・フロー
437 百万円 4,395 百万円 4,557 百万円
現金及び現金同等物の四半期末 61,738 64,163 62,313
(期末)残高
6,573 百万円 6,831 百万円 6,634 百万円
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2【事業の内容】
概況
当社は、米国市場に商業的な重点を置き、まだ十分に有効な治療法がない重篤な疾患に対する新規の低分子医薬品の開発に
特化する生物医薬品会社です。当社の現在の戦略は、進行型多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、化学療法誘発
性末梢神経障害、変性性頸椎脊椎症、グリオブラストーマ(神経膠芽腫)及び薬物依存・中毒( メタンフェタミン依存症、オ
ピオイド依存症及びアルコール依存症等)等の 神経疾患治療薬のMN-166(イブジラスト)並びに非アルコール性脂肪性肝炎
(NASH)及び特発性肺線維症(IPF)等の線維症治療薬のMN-001(タイペルカスト)に重点を置いています。当社のパイプライ
ンには、喘息急性発作治療薬のMN-221(ベドラドリン)及び固形癌治療薬のMN-029(デニブリン)も含まれます。
MN-166 (イブジラスト)は、現在、下記のとおり、複数の異なる神経疾患について開発中です。
・ 進行型多発性硬化症: 当社は、再発性多発性硬化症治療薬のMN-166(イブジラスト)の フェーズ2b臨床治験を完了し、安全
性及び神経保護効果について良好な指標を得ました。同治験のデータは、MN-166(イブジラスト)の進行型多発性硬化症の治
療薬としての可能性を示すものでした。
当社は、NeuroNEXTにより実施され、米国国立衛生研究所(NIH)の国立神経疾患脳卒中研究所(NINDS)から資金提供を受け
た、一次進行型及び二次進行型多発性硬化症に関するMN-166 (イブジラスト) のフェーズ2b臨床治験について治験責任医師と
提携しました。2015年に、進行型多発性硬化症(SPRINT-MS)の臨床治験に関して255人の被験者の無作為化が完了しました。
この被験者数は、参加を予定していた目標の250人を上回るものです。2017年10月に、当社は、進行型多発性硬化症を適応とす
るMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験に関して良好なトップラインの結果を得たことを発表しました。同
治験において、全脳萎縮進行抑制及び安全性と認容性に関する2つの主要評価項目をいずれも達成しました。MN-166(イブジラ
スト)は、脳実質分画(BPF)法を用いたMRI検査による評価において、全脳萎縮進行度に関してプラセボと比較し統計的に有
意な48%の抑制がみられ(p=0.04)、またプラセボ群と比べてMN-166(イブジラスト)群の重篤な副作用反応、副作用の発生頻
度に違いはみられませんでした。また2018年2月には、当社は、同治験における重要な二次的評価項目である継続する身体的障
害の進行リスクに関して良好な臨床的有効性がみられたことを発表しました。MN-166(イブジラスト)では、EDSS(総合障害
度評価尺度)による評価において、継続する身体的障害の進行リスクに関してプラセボと比較し26%低下(Hazard
Ratio=0.74)したことが認められました。進行型多発性硬化症を適応とするMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨
床治験の結果は、2018年8月にニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に掲載されました。
当社は、進行型多発性硬化症適応のMN-166(イブジラスト)の開発に対し、米国食品医薬品局(FDA)からファストトラック
指定を受けたことを発表しました。
・ 筋萎縮性側索硬化症(ALS): 当社は、2014年下半期に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を適応とする MN-166 (イブジラスト)
の臨床治験を開始し、2017年下半期に同治験を完了しました。2017年12月に、当社は、同治験に関して良好なトップラインの
結果を発表しました。同治験において、安全性と認容性に関する主要評価項目を達成しました。さらに、MN-166(イブジラス
ト)群において、プラセボ群と比較したところ、ALSFRS-R総合スコアへの治療反応者の比率が増加しました。改訂筋萎縮性側
索硬化症機能評価尺度(ALSFRS-R)総合スコアは、ALS患者の機能的活動を評価するものです。2018年7月、当社は、球麻痺発
症型又は上肢発症型のALS患者を対象とするアドホックのサブグループ解析データを発表しました。2018年9月には、ALSを適応
とするMN-166(イブジラスト)のフェーズ3臨床開発計画についてFDAからフィードバックを受けました。2019年1月には、ALS
及びその他の神経変性疾患の治療薬としてのMN-166(イブジラスト)とリルゾールの併用に関する出願中の特許申請に関し、
米国特許商標庁から承認の通知を受領しました。
当社は、バイオマーカーによってモニタリングされるALS患者における脳のミクログリア活性の軽減についてのMN-166(イブ
ジラスト)の効果を研究する臨床治験をマサチューセッツ総合病院(MGH)と提携して行っています。現在進行中の同臨床治験
(ALS/バイオマーカー研究といいます。)も複数の臨床結果を評価するものです。2018年7月には、当社はALS/バイオマー
カー研究の患者登録が完了したことを発表しました。
当社は、ALSを適応とする MN-166 (イブジラスト)に対して、FDAからファストトラック指定及びオーファンドラッグの指定
を受けました。当該指定によって、MN-166(イブジラスト)がALSについて承認された場合、7年間の独占販売権が付与される
ことになります。また、欧州委員会からも、 ALS を適応とする MN-166 (イブジラスト)に対してオーファン医薬品の指定を受け
ました。
・ 薬物依存・中毒: 依存の分野では、国立薬物乱用研究所(NIDA)は、メタンフェタミン中毒を適応としたMN-166 (イブジラ
スト) の使用に関するフェーズ2臨床治験に対し資金援助を行いました。カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)との提
携により、当該臨床治験は2013年に開始され、2017年9月に患者の登録が完了しました。2018年3月、当社は、当該臨床治験
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が、治療期間の最後の2週間における尿中薬物スクリーニングによる検証でメタンフェタミン離脱に関する主要評価項目を満た
さなかったことを発表しました。2017年11月には、当社は、オレゴン保健科学大学と共同でメタンフェタミン使用障害に対す
る MN-166(イブジラスト)の効果を評価するためのバイオマーカー研究を開始することを発表し、当該臨床治験は現在進行中
です。
コロンビア大学及びニューヨーク州精神医学研究所(NYSPI)の治験責任医師は、オピオイド離脱を適応とするMN-166 (イブ
ジラスト) のフェーズ1b/2a臨床治験を完了しました。当該臨床治験は、NIDAから資金援助を受けていました。次いでコロンビ
ア大学及びNYSPIの治験責任医師は、オピオイド又はヘロイン依存症患者の治療のためのMN-166 (イブジラスト) の効果を評価
するため、NIDAから資金援助を受けたフェーズ2a臨床治験を実施しました。2016年3月、オピオイド依存症に関する完了した同
治験の良好な結果が、Behavior, Biology and Chemistry: Translational Research in Addicitionの総会において公表された
ことを発表しました。
UCLA の研究者は、アルコール依存症を適応としたMN-166 (イブジラスト) を評価するための臨床治験に対して、米国アルコー
ル濫用/アルコール依存研究所(NIAAA)から臨床治験の承認及び資金援助を獲得しました。当該臨床治験は完了済みで、2015
年12月には、研究結果が第54回米国神経精神薬理学会年次総会において公表されました。また、当社は、2018年5月、新たに
NIDAから資金援助を受けて、アルコール摂取障害及び脱離症を適応としたMN-166(イブジラスト)に関するUCLAの研究者との
共同臨床治験を行うことを発表し、当該臨床治験は現在進行中です。2018年8月には、当社は新たにNIAAAから資金援助を受け
て、アルコール依存症患者における大量飲酒日を評価するMN-166(イブジラスト)のフェーズ2b臨床治験をUCLAの研究者と共
同で行うことを発表し、当該臨床治験は現在進行中です。
・ 化学療法誘発性末梢神経障害: 2018 年3月、当社は、化学療法誘発性末梢神経障害を適応としたMN-166(イブジラスト)を評
価するための臨床治験をオーストラリアのシドニー大学コンコルド癌センターから資金援助を受けて開始する計画を発表し、
当該臨床治験は現在進行中です。
・ 変性性頸椎脊椎症: 2018 年8月、当社は、変性性頸椎脊椎症(DCM)を適応としたMN-166(イブジラスト)に関する臨床治験
をケンブリッジ大学と共同で開始する計画を発表しました。当該治験はイギリス国立疾病研究センター(NIHR)の助成による
ものであり、2019年半ばに患者登録が開始される見込みです。
・ グリオブラストーマ: 当社は、グリオブラストーマを適応としたMN-166(イブジラスト)を評価するための臨床治験を開始
しました。2017年6月、当社は、グリオブラストーマを適応としたMN-166(イブジラスト)の臨床的有効性の可能性を評価した
動物モデル研究から得た良好な結果を発表しました。この結果は2017年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において発表され
ました。2018年5月、当社は、グリオブラストーマを適応としたMN-166(イブジラスト)に関する新薬臨床治験開始申請
(IND)がFDAにより承認されたことを発表しました。2018年10月には、当社は、FDAにより、グリオブラストーマを適応とした
MN-166(イブジラスト)がテモゾロミドとの併用療法でオーファンドラッグに指定されたことを発表しました。2019年1月に
は、当社は、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所において、再発性グリオブラストーマを適応としたMN-166(イブジラス
ト)のテモゾロミド(TMZ、Temodar-®)との併用に関する臨床治験の患者登録を開始することを発表しました。2019年4月、
MN-166(イブジラスト)のグリオブラストーマを適応とした出願中の特許申請に関し、米国特許商標庁から承認の通知を受領
したことをお知らせしました。
MN-001(タイペルカスト)は、現在、以下のとおり、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)及び特発性肺線維症(IPF)等の
線維症疾患について開発段階にあります。
・ 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)及び非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD): 当社は、2014年、2つの異なるNASHマウスモ
デルにおけるMN-001(タイぺルカスト)の良好な結果を公表し、2015年にNASHを適応とするMN-001(タイペルカスト)につい
てFDAにIND(新薬臨床治験開始申請)を申請し承認されました。その後、線維化を伴ったNASH患者の治療薬としてのMN-001
(タイペルカスト)に対して、FDAからファストトラックの指定承認を受けました。当社はさらに、NASH患者及びNAFLD患者に
おける高中性脂肪血症の治療薬としてのMN-001(タイペルカスト)を評価するための臨床治験を開始しました。2018年4月、当
社は、本臨床治験の中間解析において、MN-001(タイペルカスト)について主要評価項目である中性脂肪値を有意に減少させ
る効果が確認されましたので、本治験を早期終了することを発表しました。かかるデータは、2018年4月にフランスのパリで開
催された2018年国際肝臓会議/第53回欧州連合肝臓研究会(EASL)年次総会において発表されました。
・ 特発性肺線維症(IPF): 当社は、2014年に、 肺線維症のマウスモデルにおけるMN-001(タイペルカスト)の良好な結果を公
表しました。その後、当社は、IPFを適応とするMN-001(タイペルカスト)についてFDAからオーファンドラッグの指定を受け
ました。当該指定によって、MN-001(タイペルカスト)がIPFについて承認された場合、7年間の独占販売権が付与されること
になります。当社は、2015年9月に、IPF患者の治療薬としてのMN-001(タイペルカスト)に対して、FDAからファストトラック
の指定承認を受けました。その後、当社は、IPFを適応とするMN-001(タイペルカスト)のフェーズ2臨床治験を開始し、現在
当該臨床治験の患者登録を行っています。
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当社は、救急施設における喘息急性発作を適応としたMN-221(ベドラドリン)のフェーズ2臨床治験を完了し、2012年10月
に、FDAとのエンド・オブ・フェーズ2ミーティングを実施しました。当該ミーティングにおいて、FDAは、MN-221(ベドラドリ
ン)のリスク/ベネフィットのプロファイルを今後の開発の焦点とし、入院率の減少等の臨床結果を主治験の主要評価項目と
すべきことを当社に助言しました。当社は、MN-221(ベドラドリン)の適切な臨床開発には、主治験の開始に先立ち、用法及
び喘息急性発作の治験デザイン最適化治験が必要であると考えています。当社は、さらなる臨床開発を開始する前に、資金援
助のための提携先を特定することに取り組んでいます。
当社は、これらの製品候補の開発のために、MN-166(イブジラスト)、MN-001(タイペルカスト)、MN-221(ベドラドリ
ン)及びMN-029(デニブリン)につき、ライセンスを取得いたしました。当社は、進行型多発性硬化症、ALS、化学療法誘発性
末梢神経障害、変性性頸椎脊椎症、グリオブラストーマ、様々な依存症、NASH及びNAFLD、IPF、喘息急性発作並びに固形癌な
どの様々な適応症について、これらの製品候補の開発を進めてきました。
当社の戦略
当社は、まだ十分に有効な治療法がない重篤な疾患に対する高付加価値な治療分野における差別化された製品の開発の成功
によって、持続可能な生物薬剤事業を構築することを目標としております。こうした目標に向けて、主に以下の課題に取り組
むことを当社の戦略としております。
・ 非希薄化の資金調達を手段とする、複数の潜在的適応疾患に関するMN-166(イブジラスト)の開発の推進
当社は、 治験責任医師が出資する臨床治験、政府の助成金又はその他の助成金を通じて資金援助を受けた治験及び当社
が資金を提供する治験により、多様なMN-166(イブジラスト)プログラムを前進させるつもりです。当社は、医薬品の供
給及び規制上の支援の提供に加えて、共同事業体から資金援助を受けた治験の一部に対し資金の一部を提供しています。
例えば、当社は、NIHから主に資金供与を受けた、 進行型多発性硬化症治療薬のMN-166 (イブジラスト) の多発性硬化症に
ついての 二次進行型及び一次進行型イブジラストNeuroNEXT治験(SPRINT-MS)の フェーズ2b臨床治験に対し資金拠出を行
いました。当社はまた、ALS治療薬としてのMN-166 (イブジラスト) の臨床治験及び実施中のALS/バイオマーカー研究に
対し資金拠出を行いました。当社は、MN-166 (イブジラスト) の臨床開発をさらに支援するため、さらなる戦略的提携関
係を推進する予定です。
・ 線維症及びその他の疾患に関するMN-001(タイペルカスト)の開発の推進
当社は、治験責任医師主導の治験(助成金の有無を問いません。)及び当社から資金提供による治験等のさまざまな開
発形態を組み合わせ、MN-001(タイペルカスト)の開発を進める予定です。
・ 後期段階の製品開発の完了及び当社の製品の商品化の成功に向けた大手製薬会社との戦略的提携の検討
当社は、大手製薬会社と関係を築き、それを維持してきました。当社は、人での安全性と有効性を検証するフェーズ2
臨床治験の完了後、MN-166(イブジラスト)、MN-001(タイペルカスト)、MN-221(ベドラドリン)及びMN-029等の後期
段階の製品候補を求めている大手製薬会社との間で、さらなる臨床開発及び製品の商品化の支えとなりうる戦略的提携関
係を協議する予定でおります。
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当社の製品候補及びプログラム
当社の製品開発プログラムは、まだ十分に有効な治療法が確立されておらず、大きなビジネス・チャンスを秘めていると当
社がみなす疾患に対処するものです。当社は、当社の製品候補が、現在の治療法に比べて大きな優越性をもたらし得る新規治
療法を提供できると考えております。
当社の製品取得は、主に、ライセンサーが米国外において集積した前臨床試験及び初期臨床治験データを豊富に有する製品
候補を中心としております。当社は、米国又はその他の国における開発プログラムの推進のための、新薬臨床治験開始
(「IND」)申請又はその他の国における同等の申請の準備の際、また追加の前臨床試験又は臨床治験を計画、実施する際に、
かかる既存データを利用します。
以下は、当社の製品開発プログラムの詳細です。
MN-166 (イブジラスト)
MN-166 (イブジラスト)は、新規でファースト・イン・クラスの経口抗神経炎症性及び神経保護性薬剤です。MN-166(イブ
ジラスト)は、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)及び特定のホスホジエステラーゼ(PDE)の阻害薬です。MN-166(イブジ
ラスト)はまた、ある種の神経症状において主要な働きをするグリア細胞の活性化を減衰させます。イブジラストは、日本と
韓国において、喘息及び脳梗塞発作後の症状の治療薬として20年以上使用されていますが、当社は、 一次進行型及び二次進行
型多発性硬化症、ALS、 化学療法誘発性末梢神経障害、変性性頸椎脊椎症、 グリオブラストーマ及び薬物依存の治療薬として
MN-166 (イブジラスト) の開発を行っています。当社は、2004年に、MN-166 (イブジラスト) をキョーリン製薬(「キョーリ
ン」)からライセンス導入しました。
当社は、進行型多発性硬化症、ALS及びメタンフェタミン依存症という3つの別個の症状を適応とするMN-166 (イブジラス
ト)に対して、FDAからファストトラック指定承認を受けました。ファストトラック指定とは、深刻な疾患を適応とし満たされ
ていない医療ニーズを満たす可能性がある医薬品の開発を促進し、承認審査を早めるための制度です。FDAのファストトラッ
ク・プログラムの重要な要素は、製品開発の効率性を高めるため、開発及び承認審査の全過程においてFDAと製薬企業との間で
迅速かつ頻繁なやり取りが行われることです。従って、ファストトラックの指定を受けると、最終的な医薬品の承認のために
要する時間を短縮できる可能性があります。
当社は 、ALSを適応とするMN-166 (イブジラスト)に対して、FDAからオーファンドラッグの指定を受けました。当該指定に
よって、 MN-166 (イブジラスト)が米国でALSについて承認された場合、7年間の独占販売権が付与されることになります。当
社はまた、ALSを適応とする MN-166 (イブジラスト)に対して、欧州委員会からオーファン医薬品の指定を受けました。当該指
定によって、MN-166 (イブジラスト)が欧州でALSについて承認された場合、10年間の独占販売権が付与される等の潜在的な恩
恵を受けることができます。MN-166(イブジラスト)は、グリオブラストーマを適応としたテモゾロミドとの併用療法に関し
ても、FDAからオーファンドラッグの指定を受けています。
当社は、神経系疾患治療のための MN-166 (イブジラスト) の複合的利用についての特許の申請を行いました。一部の特許財
産は、米国及び諸外国において承認を取得しております。例えば、当社は、 進行型多発性硬化症、ALS、薬物中毒・依存及び神
経因性疼痛の治療のためのMN-166(イブジラスト)の使用に関する別個の米国特許を取得しています。
一次進行型及び二次進行型多発性硬化症 :多発性硬化症は、原因がほぼ不明の複雑な疾病であり、米国多発性硬化症協会
(NMSS)によると、全世界に約2.3百万人の多発性硬化症患者がいます。また、NMSSによると、多発性硬化症患者の約85%は、
再発寛解型多発性硬化症(RRMS)と最初に診断され、RRMSと最初に診断された患者の大部分が最終的に二次進行型多発性硬化
症(SPMS)へ進行します。多発性硬化症患者の約15%が一次進行型多発性硬化症(PPMS)と診断されます。PPMSに対する承認
済の治療薬は、静注投与される1種類のみです。再発を伴わないSPMSに対する、一般に安全で有効であると考えられている承認
済の治療薬はありません。PPMS及びSPMSの患者に対する安全で効果的、かつ手軽に投与可能な治療法に対する大きな医学的需
要があります。MN-166(イブジラスト)には、このような需要を満たすことができる可能性があります。
2008 年に完了した再発性多発性硬化症に関するフェーズ2治験における有望な結果に基づき、米国国立衛生研究所から資金援
助を受けるフェーズ2臨床治験ネットワークである NeuroNEXT 共同プロジェクトの治験責任医師は、米国のPPMS及びSPMSの患者
に対する MN-166 (イブジラスト) の評価を実施しました。SPRINT-MSは、PPMS及びSPMSの患者における MN-166 (イブジラスト)
(最大で1日100mg)の安全性及び認容性を評価する プラセボ対照無作為二重盲検 フェーズ2b治験の名称です。米国の28カ所の
医療施設における患者の募集及び登録が2013年後半に開始され、2015年6月に255人の被験者の無作為化が完了しました。2017
年10月に、当社は、進行型多発性硬化症を適応とするMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験に関して良好な
トップラインの結果を得たことを発表しました。同治験において、全脳萎縮進行抑制及び安全性と認容性に関する2つの主要評
価項目をいずれも達成しました。MN-166(イブジラスト)は、脳実質分画(BPF)法を用いたMRI検査による評価において、全
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脳萎縮進行度に関してプラセボと比較して統計的に有意な48%の抑制がみられ(p=0.04)、またプラセボ群と比べてMN-166(イ
ブジラスト)群の重篤な副作用反応、副作用の発生頻度の違いはみられませんでした。また、2018年2月には、当社は、同治験
に おける重要な二次的評価項目である継続する身体的障害の進行リスクに関して良好な臨床的有効性がみられたことを発表し
ました。MN-166(イブジラスト)では、EDSS(総合障害度評価尺度)による評価において、継続する身体的障害の進行リスク
に関してプラセボと比較し26%低下(Hazard Ratio=0.74)したことが認められました。進行型多発性硬化症を適応とするMN-
166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験の結果は、2018年8月にニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メ
ディシン誌に掲載されました。当社は、進行型多発性硬化症適応のMN-166(イブジラスト)に対し、2016年にFDAからファスト
トラックの指定を受けました。
筋萎縮性側索硬化症(ALS) :ルー・ゲーリック病としても知られるALSは、脳及び脊椎の神経細胞に影響を及ぼす進行性の
神経変性疾患です。神経が特定の筋肉への指令を伝達することができなくなり、筋肉が弱まっていきます。その結果、随意運
動が不自由となり、病状末期には全身の運動麻痺に至ります。ALS患者の平均生存期間は診断後3年です。米国ALS協会による
と、米国には約20,000人のALS患者がおり、毎年約5,000人がALSと診断されています。
当社はカロライナ・ヘルスケアシステムの神経科学研究所のカロライナ神経筋ALS-MDAセンターと連携し、同センターにより
ALS適応のMN-166(イブジラスト)の臨床治験が実施されました。同治験は、6ヶ月間の治療期間に続き6ヶ月間の非盲検期間を
有するプラセボ対照無作為二重盲検の治験でした。同治験は、ALS患者を対象に、リルゾールと併用した際の、プラセボに対す
るMN-166(イブジラスト)(1日当たり60mg)の安全性及び認容性の監視に加えて、複数の有効性評価項目を評価しました。被
験者の登録は2014年10月に開始されました。
当社は、2016年4月に、第68回米国神経学会年次総会において、ALSを適応とする MN-166 (イブジラスト)の臨床治験の中間
解析結果による 中間有効データが公表されたことを発表しました。
2017 年12月に、当社は、カロライナ神経筋ALS-MDAセンターにおけるALS治験 に関して良好なトップラインの結果を発表しま
した。同治験において、安全性と認容性に関する主要評価項目を達成しました。さらに、MN-166(イブジラスト)群ではプラ
セボ群と比較し、ALSFRS-R総合スコアへの治療反応者の比率は増加しました。改訂筋萎縮性側索硬化症機能評価尺度(ALSFRS-
R)総合スコアは、ALS患者の機能的活動を評価するものです。また、MN-166(イブジラスト)群ではプラセボ群と比較し、
ALSAQ-5スコアへの治療反応者の比率も増加しました。筋萎縮性側索硬化症評価質問表(ALSAQ-5)スコアは、ALS患者の身体的
可動性、日常生活の自立的活動性、飲食、コミュニケーションや情緒反応などを評価するものです。2018年7月、当社は、 カロ
ライナ神経筋ALS-MDAセンターにおいて 、球麻痺発症型又は上肢発症型のALS患者を対象とするアドホックのサブグループ解析
データを発表しました。2018年9月には、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)のフェーズ3臨床開発計画についてFDAから
フィードバックを受けました。
当社は、2015年12月に、FDAから、ALS患者の治療についてMN-166(イブジラスト)に対しファストトラックの指定承認を受
けたことを発表しました。 2016 年3月には、 ALS を適応とする MN-166 (イブジラスト)に関する新たな特許に対し、米国特許商
標庁(PTO)から承認の通知を受領したことを発表しました。 2016 年10月に、ALSを適応とする MN-166 (イブジラスト)に対し
て、FDAからオーファンドラッグの指定を受けたことを発表しました。当該指定によって、MN-166(イブジラスト)がALSにつ
いて承認された場合、7年間の独占販売権が付与されることになります。2016年12月に、 ALS を適応とする MN-166 (イブジラス
ト)に対して、欧州委員会からオーファン医薬品の指定を受けたことを発表しました。さらに、2017年4月、米国神経学会にお
いて、MN-166のALS適応の臨床治験の中間解析結果が再び発表されました。2019年1月には、ALS及びその他の神経変性疾患の治
療薬としてのMN-166(イブジラスト)とリルゾールの併用に関する出願中の特許申請に関し、米国特許商標庁から承認の通知
を受領しました。
当社は、2016年2月に、PETバイオマーカーによってモニタリングされるALS患者における脳のミクログリア活性の軽減につい
てのMN-166(イブジラスト)の効果を研究するため、マサチューセッツ総合病院(MGH)と提携の取り決めを締結しました。現
在進行中の同臨床治験(ALS/バイオマーカー研究といいます。)は、安全性及び認容性並びにALS機能評価スケール(ALSFRS-
R)、肺活量(SVC)及び手動の動力測定法(HHD)によって測定される筋力等のさまざまな臨床結果の評価も実施する予定で
す。2018年7月には、当社はALS/バイオマーカー研究の患者登録が完了したことを発表しました。
メタンフェタミン依存症 :メタンフェタミンは、アンフェタミンと同様の構造を有する、中枢神経系刺激薬です。メタン
フェタミンは、中毒性が高く、治療効果が低い、スケジュールⅡの薬剤です。米国薬物乱用・精神衛生管理庁の薬物使用に関
する2017年の全国調査によると、米国のメタンフェタミン使用障害患者(依存症又は乱用患者を含みます。)は約964,000人
(12歳以上)に上っています。ランド・コーポレーションによると、データを入手可能な最近の米国におけるメタンフェタミ
ン使用による経済的負担は約234億米ドルと推定されています。現在のところ、メタンフェタミン依存症の承認済治療薬はあり
ません。メタンフェタミン依存の再発に関する動物モデルにおけるMN-166(イブジラスト)の効果についての非臨床結果に基
づき、UCLAの治験責任医師は、MN-166(イブジラスト)の安全性及び予備的効果を調査するため、入院患者治験における非治
療目的のメタンフェタミン依存症患者を対象とした、NIDAから資金援助を受けたフェーズ1b臨床治験を実施しました。同治験
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メディシノバ・インク(E05958)
四半期報告書
は2012年に完了しました。その後、UCLAの治験責任医師は、メタンフェタミン依存症の外来患者を対象とした、MN-166(イブ
ジラスト)評価のための2013年に開始されたフェーズ2臨床治験について、NIDAから資金援助を獲得しました。 2018 年3月、当
社 は、当該臨床治験が、治療期間の最後の2週間における尿中薬物スクリーニングによる検証でメタンフェタミン離脱に関する
主要評価項目を満たさなかったことを発表しました。2017年11月には、当社はオレゴン保健科学大学と共同でメタンフェタミ
ン使用障害に対するMN-166(イブジラスト)の効果を評価するためのバイオマーカー研究を開始することを発表し、当該研究
は現在進行中です。当社は、2013年に、メタンフェタミン依存症を適応としたMN-166(イブジラスト) について、FDAからファ
ストトラック指定承認を受けました。
オピオイド離脱及び依存 :米国薬物乱用・精神衛生管理庁の薬物使用及び健康に関する2017年の全国調査によると、米国の
鎮痛剤使用障害患者(依存症又は乱用患者を含みます。)は約1.7百万人(12歳以上)おり、そのうちヘロイン使用障害患者
(依存症又は乱用患者を含みます。)は約652,000人(12歳以上)に上っています。オピオイド処方薬に対するアクセスは、オ
ピオイドの処方に関する政策がより厳しくなったことを受けて、近年より困難になりました。かかる政策により、ヘロイン使
用の増加という意図せぬ結果がもたらされました。ヘロインは、より安価で入手しやすいためオピオイド処方薬より魅力的で
す。ヘロインは、HIV及びC型肝炎感染、過剰摂取並びに死亡のリスクといった深刻な健康問題をもたらします(クノップ、
2012年)。オピオイド処方薬及びヘロイン依存症治療のための安全で効果的で非中毒性、かつ非オピオイドの治療薬に対する
緊急の医学的需要は未だ満たされていません。 コロンビア大学及びNYSPIの治験責任医師は、以前、 ヒトにおける オピオイド離
脱症状の緩和に関するMN-166(イブジラスト)の効果を評価するための NIDA から資金援助を受けたプラセボ対照無作為二重盲
検の フェーズ1b/2a臨床治験を完了しました。 その後、 コロンビア大学及びNYSPIの治験責任医師は、オピオイド又はヘロイン
依存を適応とした、NIDAから資金援助を受けたMN-166(イブジラスト) の フェーズ2臨床治験を実施しました。2016年3月、オ
ピオイド依存症に関する完了した同治験の良好な結果が、Behavior, Biology and Chemistry: Translational Research in
Addicitionの総会において公表されたことを発表しました。
アルコール中毒 :米国薬物乱用・精神衛生管理庁の薬物使用及び健康に関する2017年の全国調査によると、米国のアルコール
使用障害患者(依存症又は乱用患者を含みます。)は約14.5百万人(12歳以上)に上っています。米国疾病対策予防センター
の報告によると、2010年(完全なデータが入手可能な最新年度)の米国における過剰なアルコール使用による経済負担は、年
間2,490億米ドルとされています。FDAの承認を得たアルコール依存症治療薬には、Antabuse®、Vivitrol®、Campral®及び
Revia®等が含まれます。しかしながら、これらのFDAの承認を得た化合物の成果は限定的であり、安全で有効な治療薬の探求は
依然として不確定です(Witkiewitz他、2012年)。非臨床治験において(ベル他、2013年)、ラット及びマウスにおける MN-
166 (イブジラスト) の効果が調査され、アルコール選択性のPラット及び多量のアルコール摂取のラットにおけるアルコール
摂取が50%減少し、アルコール依存のマウスについては、非依存のマウスでは効果がなかった用量においてアルコール摂取が
減少することが発見されました。UCLAの 治験責任医師は、MN-166(イブジラスト)の安全性、認容性及び当初のヒトに対する
有効性を判断するため、治療下にないアルコール乱用又は依存症患者24人を対象として、 プラセボ対照無作為二重盲検被験者
内クロスオーバーデザインの研究を実施するために、 NIAAA から資金援助を受けました。同治験は2014年初めに開始され、2015
年6月に24人の被験者の登録が完了しました。アルコール依存症の研究結果は、2015年12月に第54回米国神経精神薬理学会年次
総会において発表されました。研究期間を通して、MN-166 (イブジラスト)は日々のアルコール渇望度を有意に減少させまし
た(p<0.05)が、プラセボはかかる結果を示しませんでした。 MN-166 (イブジラスト)は、刺激誘因性又はストレス誘因性の
アルコール渇望度に対しては変化を認めませんでしたが、刺激への反応及びストレス負荷に対して心理状態をポジティブに促
進しました。 MN-166 (イブジラスト)の安全性及び認容性は良好でした。2018年5月、当社は、アルコール中毒及び離脱を適応
としたMN-166(イブジラスト) に関し、NIHから資金援助を受けた臨床治験をUCLAの研究者と共同で開始する計画を発表しまし
た。現在進行中の当該臨床治験では、MN-166(イブジラスト)が禁酒中における否定的感情の基礎レベルを減少させるか、及
びその過程において、アルコール誘発性の否定的感情の鈍化を阻害するかについて評価が行われています。2018年8月には、当
社は新たにNIAAAからの資金援助により、アルコール中毒を適応としたMN-166(イブジラスト)のフェーズ2b臨床治験をUCLAの
研究者と共同で行うことを発表しました。現在進行中の当該治験では、12週間の臨床治験の期間にわたり、MN-166(イブジラ
スト)がプラセボと比較して大量飲酒日(男性は5杯、女性は4杯を超える飲酒と定義されます。)の割合を減少させるかにつ
いての評価が行われています。
化学療法誘発性末梢神経障害 :末梢神経障害とは、脳及び脊髄から起始し、末梢へ延びる神経である末梢神経への損傷に
よって引き起こされる一連の症状です。癌治療に使用される化学療法及び他の薬物のいくつかは、脳に感覚を伝達し手足の運
動を制御する末梢神経に損傷を与えることがあります。この損傷は、癌治療の障害を引き起こす副作用となりうる化学療法誘
発性末梢神経障害(CIPN)を生じさせます。CIPNでよく見られる症状には、疼痛、灼熱痛、刺痛、感覚喪失、協調運動及び平
衡感覚の問題、嚥下障害、排尿障害、便秘並びに血圧変化が含まれます。重度のCIPNでは、化学療法における投薬の減量や中
止が必要となる可能性があります。4,000人を超える患者を含むメタ分析によれば、CIPN有病率は、化学療法後の最初の1ヶ月
で68%、3ヶ月で60%、6ヶ月以上で30%(「発生率、罹患率、化学療法誘発性末梢ニューロパチー:系統的レビュー及びメタ
分析」、Seretny M 他、2014年)とされます。2018年3月、当社は、化学療法誘発性末梢神経障害を適応としたMN-166(イブジ
ラスト)を評価するための臨床治験をオーストラリアのシドニー大学コンコルド癌センターから資金援助を受けて開始する計
画を発表しました。当該臨床治験は、オキサリプラチンを投与される転移性消化器癌(大腸・直腸・結腸癌や上部消化器癌)
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患者を対象に、MN-166(イブジラスト)を急性神経毒性、化学療法誘発性末梢神経障害及び薬物相互作用について評価する、
現在進行中の非盲検、逐次クロスオーバーのパイロットスタディです。
変性性頸椎脊椎症 :変性性頸椎脊椎症(DCM)(頸椎症性脊髄症とも呼ばれます。)は、頸部の圧迫による脊髄機能障害を伴
います。変性性頸椎脊椎症は、成人にもっとも多く見られる脊髄損傷の形態であり、障害およびクオリティ・オブ・ライフの
低下を生じさせます。患者が訴える神経症状には、四肢の痛み及び麻痺、協調運動不全、平衡失調、膀胱の問題などがありま
す。米国脳神経外科学会によると、脊髄や神経根の圧迫を緩和するための頸部手術は毎年200,000件を超えます。DCMの治療薬
として承認された医薬品はありません。2018年8月、当社は、DCMを適応としたMN-166(イブジラスト)に関する臨床治験をケ
ンブリッジ大学と共同で開始する計画を発表しました。イギリス国立疾病研究センター(NIHR)から資金の助成を受けて行う
当該臨床治験は、脊髄手術後におけるDCMの補助療法としてのMN-166(イブジラスト)について、脊髄手術後の結果を向上させ
る上でMN-166(イブジラスト)がプラセボと比べてより効果的であるかを判断する評価を行うものです。主要評価項目は、手
術の6ヶ月後における上下肢の運動機能障害、感覚喪失及び膀胱括約筋機能障害について評価する改訂版日本整形外科学会
(mJOA)スコアとされています。
グリオブラストーマ :米国脳神経外科協会によると、グリオブラストーマは、膠細胞(星状膠細胞及び乏突起膠細胞)で発
生する悪性の脳腫瘍であり、急速に成長し、周囲の脳組織に転移することも多くあります。米国脳腫瘍協会の報告によると、
グリオブラストーマは、全原発性脳腫瘍の約15%及び全グリオーマ(神経膠腫)の約56%を占めます。グリオブラストーマ
は、全悪性腫瘍の中で最も症例数が多く、2018年の新規症例数は推定12,760件とされています。テモゾロミド及び放射線療法
による治療を受けた悪性度の高いグリオブラストーマ成人患者の平均生存期間は、約14.6ヶ月です。2017年6月に、当社は、
MN-166(イブジラスト)のグリオブラストーマに対する臨床的有効性の可能性を評価した動物モデル研究から得た良好な結果
を発表しました。この結果は、2017年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において発表されました。グリオブラストーマのマ
ウスモデル研究により、MN-166(イブジラスト)とテモゾロミド(TMZ)の組合せの治療群の平均生存期間がテモゾロミドのみ
の治療群の平均生存期間と比べて長いという結果が示されました。2018年5月、当社は、グリオブラストーマを適応としたMN-
166(イブジラスト)に関する新薬臨床治験開始申請(IND)がFDAにより承認されたことを発表しました。当社はまた、FDAか
ら、グリオブラストーマを適用としたMN-166(イブジラスト)のテモゾロミドとの併用療法に関する臨床研究を進めてよいと
の通知を受けました。2018年10月には、当社は、FDAにより、グリオブラストーマを適応としたMN-166(イブジラスト)がテモ
ゾロミドとの併用療法でオーファンドラッグに指定されたことを発表しました。2019年1月には、当社は、ボストンのダナ・
ファーバー癌研究所において、再発性グリオブラストーマを適応としたMN-166(イブジラスト)のテモゾロミド(TMZ、
Temodar-®)との併用に関する臨床治験の患者登録を開始することを発表しました。2019年4月、MN-166(イブジラスト)のグ
リオブラストーマを適応とした出願中の特許申請に関し、米国特許商標庁から承認の通知を受領したことをお知らせしまし
た。
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MN-221 (ベドラドリン)
MN-221 (ベドラドリン)は、喘息急性発作治療薬として開発された、新規の高度選択的なβ2アドレナリン作動性受容体作動
薬です。当社は、2004年2月に、キッセイ薬品株式会社(「キッセイ」)からMN-221(ベドラドリン)に関するライセンスを取
得いたしました。現在の喘息急性発作治療薬の吸入β作動薬は、炎症及び気道の狭窄による気道収縮又は不十分なエアフロー
により、薬剤が肺へ十分に届かないために、効果が限られています。加えて、心臓血管を刺激する副作用(心拍の増加等)の
恐れがあるため、患者が耐えうる吸入薬の量は限られています。
MN-221 (ベドラドリン)は、静注による投与方法をとっていますが、これは発作によって狭められた気道を経由しないた
め、薬剤を肺に届けることができます。前臨床試験では、MN-221(ベドラドリン)は、肺のβ2アドレナリン・レセプターによ
り親和性があり、心臓組織のβ1アドレナリン・レセプターとは、はるかに親和性が低いことが確認されました。MN-221(ベド
ラドリン)の肺への薬剤供給の改善及び心臓に対する副作用の軽減は、喘息急性発作患者の呼吸を容易にし、患者が高額な入
院を免れる手助けをすることによって、満たされていない需要を満たす可能性を有しています。
喘息急性発作:米国国立健康統計センターの最新のデータによると、米国の2015年における喘息による救急診療科への外来
者数は1.74百万人、2010年(データが入手可能な直近の年)における喘息による入院患者数は439,000人、2016年における喘息
による死者数は3,518人でした。米国国立心肺血液研究所によると、2010年(データが入手可能な直近の年)には、米国で喘息
による入院治療のために費やされた直接医療費は55億米ドルと推測されています。
当社は、救急施設における喘息急性発作患者を対象に、MN-221(ベドラドリン)を評価することを目的とした無作為プラセ
ボ対照二重盲検フェーズ2b臨床治験(N=175)を完了いたしました。MN-221(ベドラドリン)は、主要評価項目であるプラセボ
に対するFEV1(1秒間努力呼気肺活量)の改善において、統計的有意性を達成できませんでした。しかしながら、MN-221(ベド
ラドリン)治療は、呼吸困難指標に関する評価項目に関して統計上有意な改善を示しました。MN-221(ベドラドリン)治療で
は、0~3時間後における呼吸困難指標のベースラインからの変化がプラセボと比べて著しく増加(改善)し(AUC[0-3hr]に
基づく。p=0.0405)、2時間後における呼吸困難指標のベースラインからの変化がプラセボと比べて著しく増加し(平均スコ
アに基づく。p=0.0042)、また2時間後において呼吸困難指標の1ポイントを超える改善が見られた患者の割合がプラセボと比
べて著しく増加しました(p=0.0323)。治療不成功率(研究過程の進行中に入院し又は救急施設へ戻った患者の数)を評価す
るための事後解析も実施されました。試験薬投与の3時間以上前にコルチコステロイドの投与を受けた患者においては、プラセ
ボ群の治療不成功率(74%)は、MN-221(ベドラドリン)群の治療不成功率(43%)を著しく上回りました(p=0.0489)。臨
床的に重大な安全性/認容性の問題は認められませんでした。
当社は、2012年10月に、当該製品候補の将来の開発を検討するためFDAとエンド・オブ・フェーズ2ミーティングを行いまし
た。FDAは、MN-221(ベドラドリン)のリスク/ベネフィットのプロファイルを今後の開発の焦点とし、入院率の減少等の臨床
結果を主治験の主要評価項目とすべきことを当社に助言しました。当社は、FDAから受けたフィードバックに基づきMN-221(ベ
ドラドリン)の今後の開発を設計すること、及び喘息に関するMN-221(ベドラドリン)の今後の臨床治験開発を、資金調達の
観点から提携先と協働して行うことを決定しました。
MN-001 (タイペルカスト)
MN-001 (タイペルカスト)は、新規の経口投与可能な低分子化合物であり、いくつかのメカニズムによって前臨床モデルに
おいて線維化を抑える効果や炎症を抑える効果を発揮しています。その中には、ロイコトリエン(LT)受容体拮抗作用、PDE
(主に3及び4)の阻害及び5-リポキシゲナーゼ(5-LO)の阻害が含まれます。5-LO/LT経路は、線維化の病原因子であるとされ
ており、5-LO及び5-LO/LT経路に対するMN-001(タイペルカスト)の阻害作用は線維化治療の新たな手法であると考えられてい
ます。MN-001(タイペルカスト)は、LOXL2、Collagen Type 1及びTIMP-1等の線維化を促進する遺伝子の発現を下方制御する
ことが知られています。MN-001(タイペルカスト)はまた、CCR2及びMCP-1等の炎症を促進する遺伝子の発現を下方制御するこ
とが知られています。さらに、病理組織検査において、MN-001(タイペルカスト)が複数の動物モデルにおいて線維化を軽減
することが示されています。 当社は、2002年に、MN-001 (タイペルカスト) をキョーリンからライセンス導入しました。当社
は、線維化を伴うNASHを適応としたMN-001 (タイペルカスト)に対するファストトラック指定承認をFDAから受けたことに加え
て、特発性肺線維症(IPF)を適応とした MN-001 (タイペルカスト)に対してもFDAからオーファンドラッグの指定及びファス
トトラック指定承認を受けました。
当社は、以前には、喘息に対する臨床的有効性についてMN-001(タイペルカスト)の評価を行い、喘息に関するフェーズ2治
験を完了し、良好な結果を得ていました。MN-001(タイペルカスト)は、600人以上の被験者に投与され、おおむね安全で良好
な認容性を示していると考えられています。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)及び非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD) :非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、肝臓
に脂肪が貯まり、肝細胞の炎症及び損傷が起きている状態をいいます。NASHは、アルコール性肝障害に類似した一般的な肝疾
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患ですが、アルコールをほとんど又は全く飲まない人にも発症します。国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所によると、米国の
成人におけるNASHの有病率は3~12%であり、これに加えて米国の成人の30~40%が非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を有
し ます。NASHの根本原因は不明ですが、肥満の中年に有病率が高くなっています。NASH患者の多くは、血清脂質濃度が高く、
糖尿病又は糖尿病予備軍です。NASHは肝硬変に進行する可能性があります。肝不全を伴う進行性肝硬変の治療法は肝臓移植の
みであり、現在のところNASHの承認済治療薬はありません。
当社は、NASH治療薬としての臨床的有効性を評価するためMN-001(タイペルカスト)の前臨床試験を完了しました。NASHの
TM
STAM (NASH-HCC)のマウスモデルにMN-001(タイペルカスト)を1日1回経口投与し(3週間にわたり10、30、100mg/kg)、肝
臓生化学及び肝臓病理組織、NAFLDの活動スコア(NAS)ならびに線維化の割合及び遺伝子発現によって、その効果を評価しま
した。MN-001(タイペルカスト)は、肝臓のヒドロキシプロリン量の減少に見られるとおり、プラセボと比較して用量依存的
に線維化領域を大幅に減少させました(p<0.01)。これは、MN-001(タイペルカスト)の線維化の予防の可能性を支持するも
のです。MN-001(タイペルカスト)は、NASを大幅に改善させました(p<0.01)。MN-001(タイペルカスト)は、当該動物モ
デルにおいて、肝細胞障害(p<0.01)及びballooning(肝実質細胞の死)(p<0.01)を阻害し、NASHの病状を改善させまし
た。MN-001(タイペルカスト)は、同時に、肝臓における一定の遺伝子発現を減少させることが確認され、MN-001(タイペル
カスト)がNASHモデルにおいて線維化の形成を減少させることが示されました。当社は、進行型NASH治療薬としての臨床的有
効性を評価するためMN-001(タイペルカスト)の2番目の前臨床試験を完了しました。同試験は、NASHのマウスモデルを対象と
したMN-001(タイペルカスト)の最初の前臨床試験に対し、NASHのより進行期のマウスを用いています。MN-001(タイペルカ
スト)は、進行型NASHのマウスモデルにおいて、NASHを抑える効果や線維化を抑える効果を示しました。MN-001(タイペルカ
スト)の治療群におけるNAFLD活動スコア(NAS)は、非治療群に対し大幅に減少しました(p<0.001)。肝細胞の風船様腫大
スコア(p<0.001)、肝葉炎症巣スコア(p<0.01)及び脂肪化スコア(p<0.05)等のすべてのNAS構成要素において、一貫し
て減少が認められました。また、MN-001(タイペルカスト)の治療群において、肝臓の線維化が減少しました(p<0.01)。さ
らに、MN-001(タイペルカスト)の治療群において、α-SMAの染色部分が大幅に減少しました(p<0.001)。総じて、これら
の結果により、ヒトのNASHの治療にはMN-001(タイペルカスト)のさらなる治験・評価が必要であるという有力な証拠が提示
されました。当社は、FDAに対しINDを提出し、FDAから、米国におけるNASHを適応としたMN-001(タイペルカスト)に関する2
つの異なるフェーズ2臨床治験のプロトコルについて承認を取得しました。2018年4月、当社は、NASH患者及びNAFLD患者におけ
る高中性脂肪血症の治療薬としてのMN-001(タイペルカスト)のフェーズ2臨床治験の中間解析において有意なポジティブな結
果が得られたことから、本治験を早期終了することを発表しました。かかるデータは、2018年4月にフランスのパリで開催され
た国際肝臓会議/第53回欧州連合肝臓研究会(EASL)年次総会において発表されました。MN-001(タイペルカスト)は、平均血
清トリグリセリドを135.7mg/dLと有意に減少させ、結果として41.3%の減少が認められました(p=0.02)。これには、8週間
の治療を完了した15名の被験者のデータが含まれます。治療開始前のトリグリセリド値が1,288mg/dLと非常に高かった1件の
外れ値を除けば、MN-001(タイペルカスト)は、平均血清トリグリセリドを74.9mg/dLと有意に減少させ、結果として28.8%
の減少が認められました(p=0.00006)。当社は、FDAから、線維化を伴ったNASH患者の治療薬としてのMN-001(タイペルカス
ト)に対しファストトラックの指定承認を受けました。2019年4月には、中国におけるMN-001の高中性脂肪血症、高コレステ
ロール血症及び高リポタンパク血症を適応とする特許承認を受けたことをお知らせしました。
特発性肺線維症(IPF) :肺線維症は、肺の瘢痕化によって内膜が厚くなり、不可逆な拘束性換気障害をきたす進行性肺疾患
です。肺線維症の原因は様々ですが、抗がん剤治療や化学物質への暴露等で起こります。特発性肺線維症は、原因不明の肺線
維症の一種です。肺線維症基金によると、米国におけるIPFの患者は132,000人から200,000人であり、推定で50,000人が毎年新
たにIPFと診断されています。IPFは予後不良であり、平均生存期間は診断後わずか2年から3年であって、患者の3分の2以上が5
年以内に亡くなります。
当社は、肺線維症治療薬としての臨床的有効性を評価するためMN-001(タイペルカスト)の前臨床試験を完了しました。ブ
レオマイシンによって誘発された肺線維症のマウスモデルにMN-001(タイペルカスト)を1日1回経口投与し(2週間にわたり
30、100、300mg/kg)、CTスキャンによる肺密度の評価、病理組織学的染色に基づくアシュクロフトスコアによる肺線維症の程
度及び線維化又は細胞におけるコラーゲン蓄積の指標となるハイドロオキシプロリンの量によって、その効果を評価しまし
た。MN-001(タイペルカスト)の治療群におけるアシュクロフトスコアは、2週間の治療後に、非治療群に対し大幅に減少し
(p<0.05)、肺密度は非治療群に対し減少しました。さらに、MN-001(タイペルカスト)の治療群におけるハイドロオキシプ
ロリンの量は、非治療群に対し大幅に減少しました(p<0.01)。これらの結果により、MN-001(タイペルカスト)による治療
がブレオマイシンによって誘発された肺線維症のマウスに対し線維化を抑える効果があることが提示されました。当社は、FDA
に対しINDを提出し、FDAから、米国におけるIPFを適応としたMN-001(タイペルカスト)に関するフェーズ2臨床治験のプロト
コルについて承認を取得しました。当社は、IPFを適応としたMN-001(タイペルカスト)に関する同フェーズ2臨床治験をペン
シルバニア州立大学において現在実施中です。FDAは、IPF治療に関してMN-001(タイペルカスト)をオーファンドラッグに指
定しました。オーファンドラッグの指定によって、MN-001(タイペルカスト)がIPFについて承認された場合、7年間の独占販
売権が付与されることになります。当社はまた、IPF患者の治療薬としてのMN-001(タイペルカスト)に対し、FDAからファス
トトラックの指定承認を受けました。
MN-029 (デニブリン)
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MN-029 (デニブリン)は、固形癌治療のために開発中の新規のチューブリン結合物質です。MN-029は、チューブリン重合の
阻害を逆転することによって細胞骨格の分裂を引き起こし、その結果、癌細胞を変形させ、最終的に固形癌の広範な中心壊死
を生じさせます。当社は、2002年に、アンジオジーン・ファーマシューティカルズ社(「アンジオジーン」)からMN-029のラ
イ センスを取得しました。
複数の前臨床薬理において、乳腺癌、大腸癌、肺癌及びKHT肉腫のネズミの実験モデルの生体内におけるMN-029の作用機序及
び抗癌作用が評価されました。これらの試験において、MN-029は、腫瘍細胞への直接的作用に加えて、十分に形成されていな
い腫瘍血管の血管壁を損傷することによって漏出や凝固を起こし、結果的に腫瘍内の血流を阻害しました。これらの試験は、
MN-029の作用が速やかであり、短時間で体内から排出されることを示唆しており、これによって、化学療法に共通してみられ
る副作用が軽減される可能性があります。腫瘍内の血流の遮断は、ダイナミック造影MRIの使用によって確認されました。2件
のフェーズ1臨床治験では、腫瘍の血流を阻害するレベルの用量においても、MN-029(デニブリン)の認容性は良好でした。
最初のフェーズ1治験は、難治性癌患者34人を対象に3週間おきにMN-029を単回投与し、MN-029(デニブリン)の安全性、認
2
容性及び最大耐量を調査しました。最大耐量は180mg/m とされ、25サイクルの間の3週間おきの単回静注投与は安全であるよう
に見受けられました。日常的な実験的評価、バイタルサイン又はECG監視において臨床的に重大な変化は見られませんでした。
最も多く報告された有害事象は、他の化学療法と同様、嘔吐、吐き気、下痢及び疲労感でした。合計で9件の重篤な有害事象が
報告され、有害事象を理由に当該患者の治験は中止されました。抗癌作用の予備的評価では、完全寛解又は部分寛解に達した
2
患者はいませんでした。しかしながら、12人の患者の症状は安定していました。MN-029(デニブリン)は、