宇部興産株式会社 有価証券報告書 第113期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
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宇部興産株式会社(E01002)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2019年6月27日
【事業年度】 第113期(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
【会社名】 宇部興産株式会社
【英訳名】 Ube Industries,Ltd.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 泉原 雅人
【本店の所在の場所】 山口県宇部市大字小串1978番地の96
【電話番号】 宇部(0836)31-1117番
【事務連絡者氏名】 経理部 宇部経理グループリーダー 河村 勇作
【最寄りの連絡場所】 東京都港区芝浦一丁目2番1号
【電話番号】 東京(03)5419-6121番
【事務連絡者氏名】 経理部 主計グループリーダー 中野 寿一
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
証券会員制法人福岡証券取引所
(福岡市中央区天神二丁目14番2号)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
回次 第109期 第110期 第111期 第112期 第113期
決算年月 2015年3月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月
(百万円) 641,759 641,750 616,563 695,574 730,157
売上高
(百万円) 23,228 39,620 33,348 50,728 47,853
経常利益
親会社株主に帰属する
(百万円) 14,649 19,111 24,185 31,680 32,499
当期純利益
(百万円) 26,092 5,445 26,377 39,218 32,031
包括利益
(百万円) 289,610 289,622 310,401 336,861 354,552
純資産額
(百万円) 711,546 679,783 709,379 742,445 740,286
総資産額
(円) 2,488.95 2,519.04 2,707.61 3,002.86 3,261.23
1株当たり純資産額
(円) 138.48 180.63 228.50 301.65 312.36
1株当たり当期純利益
潜在株式調整後1株当たり
(円) 138.12 180.10 227.78 300.63 311.36
当期純利益
(%) 37.0 39.2 40.4 42.5 44.5
自己資本比率
(%) 5.8 7.2 8.7 10.5 10.1
自己資本利益率
(倍) 13.57 11.02 10.98 10.29 7.28
株価収益率
営業活動による
(百万円) 62,194 68,628 53,418 73,386 50,462
キャッシュ・フロー
投資活動による
(百万円) △ 42,441 △ 33,726 △ 40,829 △ 33,978 △ 42,663
キャッシュ・フロー
財務活動による
(百万円) △ 13,911 △ 31,000 △ 17,686 △ 28,559 △ 24,034
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の
(百万円) 36,964 41,188 35,806 48,529 32,295
期末残高
(人) 10,702 10,764 10,928 10,799 11,010
従業員数
(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は、2017年10月1日付で普通株式10株につき1株の割合で株式併合を行っております。第109期の期首
に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株
当たり当期純利益を算定しております。
3.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年
度の期首から適用しており、前連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って
適用した後の指標等となっております。
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(2)提出会社の経営指標等
回次 第109期 第110期 第111期 第112期 第113期
決算年月 2015年3月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月
(百万円) 306,507 301,806 277,959 315,241 312,464
売上高
(百万円) 17,555 27,720 16,850 26,043 20,243
経常利益
(百万円) 8,292 11,727 13,968 16,886 15,871
当期純利益
(百万円) 58,434 58,434 58,434 58,434 58,434
資本金
(千株) 1,062,001 1,062,001 1,062,001 106,200 106,200
発行済株式総数
(百万円) 154,932 160,257 169,958 178,756 175,795
純資産額
(百万円) 485,972 471,625 475,329 488,725 466,880
総資産額
(円) 1,456.35 1,506.10 1,597.02 1,692.10 1,729.92
1株当たり純資産額
1株当たり配当額 5 5 6 75 80
(円)
(内1株当たり中間配当額)
( - ) ( - ) ( - ) ( - ) ( - )
(円) 78.23 110.63 131.73 160.46 152.22
1株当たり当期純利益
潜在株式調整後1株当たり
(円) 78.03 110.31 131.32 159.92 151.73
当期純利益
(%) 31.8 33.9 35.6 36.4 37.5
自己資本比率
(%) 5.5 7.5 8.5 9.7 9.0
自己資本利益率
(倍) 24.04 17.99 19.06 19.35 14.95
株価収益率
(%) 63.9 45.2 45.6 46.7 52.6
配当性向
(人) 3,726 3,693 3,612 3,555 3,298
従業員数
(%) 101.6 110.0 140.5 175.8 136.3
株主総利回り
(比較指標:TOPIX) (%) ( 130.7 ) ( 116.5 ) ( 133.7 ) ( 154.9 ) ( 147.1 )
(円) 204 271 293 3,530 3,500
最高株価
(339)
(円) 150 180 161 2,977 2,047
最低株価
(237)
(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は、2017年10月1日付で普通株式10株につき1株の割合で株式併合を行っております。第109期の期首
に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株
当たり当期純利益を算定しております。
3.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当事業年度の
期首から適用しており、前事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した
後の指標等となっております。
4.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所市場第1部におけるものです。なお、第112期の株価については
株式併合後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式併合前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載し
ております。
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5.株主総利回り及び比較指標の最近5年間の推移は以下のとおりです。
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2【沿革】
1897年6月 匿名組合沖ノ山炭鉱設立。
1914年1月 匿名組合宇部新川鉄工所設立。
1923年9月 宇部セメント製造㈱設立。
1933年4月 宇部窒素工業㈱設立。
1942年3月 宇部興産㈱設立(上記4社合併)。
1949年5月 東京証券取引所等上場。
1951年1月 中央研究所(現・基盤技術研究所及び医薬研究所)開設。
1951年9月 宇部化学工業㈱(現・宇部マテリアルズ㈱、連結子会社)の経営権獲得。
1952年7月 ㈱日本石灰工業所(現・宇部マテリアルズ㈱、連結子会社)の経営権獲得。
1955年7月 伊佐セメント工場新設。
1955年12月 宇部カプロラクタム工場新設。
1964年6月 ニューヨーク駐在員事務所(現・ウベ・アメリカ,インコーポレーテッド、連結子会社)、デュッセ
ルドルフ駐在員事務所(現・ウベ・ヨーロッパ,ゲー・エム・ベー・ハー、連結子会社)開設。
1964年10月 千葉石油化学工場新設。
1964年11月 苅田セメント工場新設。
1967年4月 堺工場新設。
1967年10月 宇部鉱業所閉山。
1968年9月 高分子研究所(現・先端技術研究所)開設。
1969年6月 宇部アンモニア工業㈱(現・宇部アンモニア工業㈲、連結子会社)設立。
1980年10月 沖ノ山コールセンター完成。
1982年10月 145千KW石炭専焼自家発電所完成。
1984年7月 宇部アンモニア工業㈲のテキサコ法石炭ガス化プラント完成。
1994年9月 プロドゥクトス・キミコス・デル・メディテラネオ,エスエー(PQM社)(現・ウベ・コーポレー
ション・ヨーロッパ,エスエーユー、連結子会社)の経営権獲得。
1997年4月 宇部化学工業㈱は、㈱カルシードを吸収合併し、宇部マテリアルズ㈱へ商号変更。
1997年5月 タイ・カプロラクタム,パブリック・カンパニー・リミテッド(現・ウベ・ケミカルズ・アジア,パ
ブリック・カンパニー・リミテッド、連結子会社)、ウベ・ナイロン・タイランド,リミテッド
(現・ウベ・ケミカルズ・アジア,パブリック・カンパニー・リミテッド、連結子会社)操業開始。
1997年6月 創業100周年。
1998年7月 宇部三菱セメント㈱(現・持分法適用関連会社)設立。
1999年10月 宇部興産機械㈱(現・連結子会社)設立。
2000年4月 エネルギー・環境事業本部(セグメント)新設。
2003年10月 宇部日東化成㈱(現・宇部エクシモ㈱、連結子会社)を株式交換により完全子会社化。
2004年10月 宇部丸善ポリエチレン㈱(現・持分法適用関連会社)設立。
2010年2月 タイ・カプロラクタム,パブリック・カンパニー・リミテッドとウベ・ナイロン・タイランド,リミ
テッドを合併し、合併新会社ウベ・ケミカルズ・アジア,パブリック・カンパニー・リミテッド
(現・連結子会社)を設立。
2010年4月 医薬事業部(セグメント)新設。
2013年8月 宇部マテリアルズ㈱(現・連結子会社)を株式交換により完全子会社化。
2013年10月 宇部アンモニア工業㈲と工場運営業務受委託契約を締結。
2013年10月 宇部興産機械㈱と同社子会社の宇部テクノエンジ㈱が合併。
2014年12月 アドバンスド・エレクトロライト・テクノロジーズ,エルエルシー(現・連結子会社)を持分の追加
取得により子会社化。
2015年4月 化学カンパニー(セグメント)新設。
2016年3月 ウベ・コーポレーション・ヨーロッパ,エスエーユー (現・連結子会社) はウベ・ケミカル・ヨー
ロッパ,エスエーユーとウベ・エンジニアリング・プラスチックス,エスエーユーを合併。
2016年8月 大阪研究開発センター開設。
2017年1月 三菱重工プラスチックテクノロジー㈱(現・U-MHIプラテック㈱)を株式取得により連結子会社
化。
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3【事業の内容】
当社グループは、当社及び関係会社149社(2019年3月31日現在)から構成され、その主な事業内容と当社及び主
要な関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。
なお、事業区分は「第5 経理の状況1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に
掲げるセグメントの区分と同一です。
化学
当社はナイロン樹脂、カプロラクタム(ナイロン原料)、工業薬品、ポリブタジエン(合成ゴム)、電池材料、
ファインケミカル、ポリイミド、機能品の製造、販売を行っております。
宇部フィルム㈱は当社合成樹脂事業の一環として、ポリエチレン製品の製造、販売を行っております。
タイ・シンセティック・ラバーズ,カンパニー・リミテッドは当社合成ゴム事業の一環として、タイでポリブタジ
エンゴムの製造、販売を行っております。
宇部アンモニア工業㈲は石炭ガス化プロセスによるアンモニアの製造を行っており、当社は同社に原料のペトロ
コークスを供給するとともに工場運営業務を受託する一方、同社から製品の一部を購入しております。
ウベ・コーポレーション・ヨーロッパ,エスエーユーは当社化学事業の一環として、スペインでナイロン樹脂、カ
プロラクタム、硫安、ファインケミカル、その他製品の製造、販売を行っております。
ウベ・ケミカルズ・アジア,パブリック・カンパニー・リミテッドは当社化学事業の一環として、タイでナイロン
樹脂、ナイロンコンパウンド、カプロラクタム、硫安の製造、販売を行っております。
宇部エクシモ㈱は当社機能性材料事業の一環として、電子・情報通信関連製品等の製造、販売を行っております。
明和化成㈱は当社機能性樹脂事業の一環として、フェノール樹脂の製造、販売を行っております。
ユー・イー・エル㈱は当社電子部品事業の一環として、誘電体セラミックスの製造を行っております。
ウベ・ファイン・ケミカルズ・アジア,カンパニー・リミテッドは当社ファインケミカル事業の一環として、
1,6ヘキサンジオール、1,5ペンタンジオール、ポリカーボネートジオールの製造、販売を行っております。
ウベ・アドバンスド・マテリアルズ,インコーポレーテッドは当社電池材料事業の一環として、電解液事業会社の
株式を保有しております。
アドバンスド・エレクトロライト・テクノロジーズ,エルエルシーは当社電池材料事業の一環として、リチウムイ
オン二次電池向け電解液の製造、販売を目的に設立しましたが、現在は同事業を行っておりません。
宇部マクセル㈱は当社電池材料事業の一環として、リチウムイオン電池用セパレータの製造、販売を行っておりま
す。
ウベ・アメリカ,インコーポレーテッドは当社及び当社関係会社の製品を米国市場で販売しております。
宇部興産(上海)有限公司は当社及び当社関係会社の製品を中国市場で販売しております。
ウベ・ヨーロッパ, ゲー・エム・ベー・バーは当社及び当社関係会社の製品を欧州市場で販売しております。
また、これらの連結子会社15社のほか連結子会社12社、非連結子会社9社、関連会社14社が化学事業を営んでおり
ます。
医薬
当社は医薬品(原体・中間体)の製造、販売を行っております。
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建設資材
当社はセメント、石灰石の製造・販売、資源リサイクルとして廃棄物の利用を行っております。
宇部興産海運㈱は当社及び宇部三菱セメント㈱の製品の海上輸送及び荷役作業を行っております。
大協企業㈱、萩森興産㈱は生コンクリートの製造、販売を行っており、宇部三菱セメント㈱は両社に原料のセメン
トを供給しております。
宇部建設資材販売㈱、三信通商㈱は当社及び宇部三菱セメント㈱の製品の販売を行っております。両社は宇部三菱
セメント㈱からセメントの仕入を行い、関係会社に供給しております。
㈱関東宇部ホールディングスは南関東地区におけるグループ生コンクリート事業を統括しております。
宇部マテリアルズ㈱はカルシア・マグネシア、機能性無機材料の製造、販売を行っており、当社は同社に原料の石
灰石を供給しております。
宇部興産建材㈱は当社建設資材事業の一環として、建材関連製品の製造及び販売を行っております。
山石金属㈱は当社建設資材事業の一環として、金属粉末の加工販売及び受託加工を行っております。
※関連会社である宇部三菱セメント㈱は当社セメントの販売を行っております。同社は生コンクリート事業を営む当
社関係会社に原料のセメントを供給しております。
また、これらの連結子会社9社、持分法適用関連会社1社のほか連結子会社21社、非連結子会社18社、関連会社25
社が建設資材事業を営んでおります。
機械
宇部興産機械㈱は機械事業を統括するとともに成形機、産業機械(運搬機、粉砕・破砕機)、橋梁・鉄構の製造、
販売を行っております。
ウベ・マシナリー,インコーポレーテッドは米国で油圧機器の組立、販売を行っており、また宇部興産機械㈱は同
社へ製品及び部品の販売を行っております。
㈱宇部スチールはグループ機械事業の一環として、製鋼品及び鋳造品の製造、販売を行っております。
㈱福島製作所はグループ機械事業の一環として、舶用機械及び産業機械の製造、販売を行っております。
U-MHIプラテック㈱はグループ機械事業の一環として、射出成形機、付帯機器、並びに部品の製造、販売を
行っております。
また、これらの連結子会社5社のほか連結子会社4社、非連結子会社5社が機械事業を営んでおります。
エネルギー・環境
当社は石炭の輸入、販売、コールセンターの運営、電力卸供給事業(IPP)を含む電力供給事業を行っておりま
す。
UBEコールトレーディング㈱は当社石炭事業の一環として、豪州炭等の販売を行っております。
また、この連結子会社1社のほか非連結子会社1社、関連会社1社がエネルギー・環境事業を営んでおります。
その他
当社は不動産の売買、賃貸借および管理等を行っております。
連結子会社4社、非連結子会社2社、関連会社2社がその他事業を営んでおります。
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
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(連結子会社一覧)
化学
タイ・シンセティック・ラバーズ,
宇部フィルム㈱ 宇部アンモニア工業㈲
カンパニー・リミテッド
ウベ・コーポレーション・ヨーロッ ウベ・ケミカルズ・アジア,パブ
宇部MC過酸化水素㈱
パ,エスエーユー リック・カンパニー・リミテッド
ラヨーン・ファーティライザー・ト
ウベ・タイランド,カンパニー・リ
宇部物流サービス㈱ レーディング,カンパニー・リミ
ミテッド
テッド
宇部エクシモ㈱ 宇部日東化成(無錫)有限公司 明和化成㈱
ウベ・ファイン・ケミカルズ・アジ ウベ・アドバンスド・マテリアル
ユー・イー・エル㈱
ア,カンパニー・リミテッド ズ,インコーポレーテッド
エーイーティー・エレクトロライ
アドバンスド・エレクトロライト・
宇部電子(無錫)有限公司 ト・テクノロジーズ(ズァンジアガ
テクノロジーズ,エルエルシー
ン),カンパニー・リミテッド
ウベ・アメリカ,インコーポレー ウベ・ヨーロッパ,ゲー・エム・
宇部マクセル㈱
テッド ベー・ハー
ウベ・コリア,カンパニー・リミ
台湾宇部股份有限公司 宇部興産(上海)有限公司
テッド
ウベ・ホンコン,リミテッド ㈱UBE科学分析センター レポール,エスエル
建設資材
宇部興産海運㈱ 大協企業㈱ 萩森興産㈱
宇部建設資材販売㈱ ㈱関東宇部ホールディングス 宇部マテリアルズ㈱
山石金属㈱ ㈲アール・コマ 一関レミコン㈱
宇部興産建材㈱ 宇部サンド工業㈱ ウベボード㈱
宇部興産セメントサービス㈱ 小澤商事㈱ 関東生コン輸送㈱
関東宇部コンクリート工業㈱ ㈱関西宇部 サンヨー宇部㈱
新興運輸倉庫㈱ 千葉宇部コンクリート工業㈱ 南通宇部コンクリート有限公司
㈱ニシハリマ宇部 萩森物流㈱ ㈱平泉
㈱富士宇部 ㈱北海道宇部 北海道宇部運送㈱
三信通商㈱ 宇部興産コンサルタント㈱ ㈱大分宇部
機械
ウベ・マシナリー,インコーポレー
宇部興産機械㈱ ㈱宇部スチール
テッド
ウベ・マシナリー・タイ,カンパ
㈱福島製作所 宇部興産機械(上海)有限公司
ニー・リミテッド
ユーエムエイチアイ・プラテック・
㈱ティーユーエレクトロニクス U-MHIプラテック㈱
アメリカ,インコーポレーテッド
エネルギー・環境
UBEコールトレーディング㈱
その他
㈱UBEアセット&インシュアラン
㈱宇部興産総合サービス 宇部興産開発㈱
ス
㈲リベルタス興産
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4【関係会社の状況】
(その1)
議決権の
資本金
名称 住所 主要な事業の内容 所有割合 関係内容
(又は出資金)
(%)
(連結子会社)
当社合成樹脂事業の一環として、ポ
リエチレン製品の製造、販売を行っ
山口県 百万円
化学 ております。
宇部フィルム㈱ 100
山陽小野田市 379
役員の兼任等 2名
(うち当社従業員 2名)
当社合成ゴム事業の一環として、タ
タイ・シンセティック・ イでポリブタジエンゴムの製造、販
タイ 百万BAHT 74
ラバーズ,カンパニー・ 化学 売を行っております。
バンコック市
1,106 (0.9)
リミテッド 役員の兼任等 3名
(うち当社従業員 3名)
当社はアンモニア原料用ペトロコー
クスを供給するとともに工場運営業
百万円 務を受託する一方、同社から製品の
宇部アンモニア工業㈲ 山口県宇部市 化学 73.13
一部を購入しております。
4,000
役員の兼任等 3名
(うち当社従業員 2名)
当社化学事業の一環として、スペイ
ンでナイロン樹脂、カプロラクタ
ム、硫安、ファインケミカル、その
ウベ・コーポレーショ
スペイン 千EURO
他製品の製造、販売を行っておりま
ン・ヨーロッパ,エス 化学 100
カステリョン市
6,312
す。
エーユー
役員の兼任等 1名
(うち当社従業員 1名)
当社化学事業の一環として、タイで
ウベ・ケミカルズ・アジ ナイロン樹脂、ナイロンコンパウン
ア,パブリック・カンパ ド、カプロラクタム、硫安の製造、
タイ 百万BAHT 73.81
化学
ニー・リミテッド 販売を行っております。
バンコック市 10,739 (0.04)
役員の兼任等 2名
*1
(うち当社従業員 2名)
当社機能性材料事業の一環として、
電子・情報通信関連製品等の製造、
百万円
宇部エクシモ㈱ 東京都中央区 化学 100 販売を行っております。
2,493
役員の兼任等 1名
(うち当社従業員 1名)
当社機能性樹脂事業の一環として、
フェノール樹脂の製造、販売を行っ
明和化成㈱ 山口県宇部市 99 化学 100 ております。
役員の兼任等 2名
(うち当社従業員 2名)
当社電子部品事業の一環として、誘
電体セラミックスの製造を行ってお
ユー・イー・エル㈱ 山口県美祢市 450 化学 100 ります。
役員の兼任等 3名
(うち当社従業員 3名)
当社ファインケミカル事業の一環と
して、1,6ヘキサンジオール、
1,5ペンタンジオール、ポリカー
ウベ・ファイン・ケミカ
タイ 百万BAHT
ルズ・アジア,カンパ 化学 100
ボネートジオールの製造、販売を
バンコック市 722
ニー・リミテッド
行っております。
役員の兼任等 2名
(うち当社従業員 2名)
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(その2)
議決権の
資本金
名称 住所 主要な事業の内容 所有割合 関係内容
(又は出資金)
(%)
当社電池材料事業の一環として、電
ウベ・アドバンスド・マ
解液事業会社の株式を保有しており
テリアルズ,インコーポ 米国 千US$
化学 100 ます。
レーテッド ミシガン州
67,672
役員の兼任等 2名
*1
(うち当社従業員 2名)
当社電池材料事業の一環として、リ
チウムイオン二次電池向け電解液の
アドバンスド・エレクト
製造、販売を目的に設立しました
米国 100
ロライト・テクノロジー
が、現在は同事業を行っておりませ
95,000 化学
ミシガン州 (100)
ズ,エルエルシー
ん。
*1
役員の兼任等 3名
(うち当社従業員 3名)
当社電池材料事業の一環として、リ
チウムイオン電池用セパレータの製
百万円
宇部マクセル㈱ 京都府乙訓郡 化学 66.01 造、販売を行っております。
2,725
役員の兼任等 3名
(うち当社従業員 2名)
当社及び当社関係会社の製品を米国
ウベ・アメリカ,イン 米国 千US$ 市場で販売しております。
化学 100
コーポレーテッド ミシガン州 役員の兼任等 1名
5,520
(うち当社従業員 1名)
当社及び当社関係会社の製品を中国
千人民元 市場で販売しております。
宇部興産(上海)有限公 中国 100
化学
司 上海市 4,017 (100) 役員の兼任等 3名
(うち当社従業員 3名)
ドイツ
ウベ・ヨーロッパ,
千EURO 100 当社及び当社関係会社の製品を欧州
デュッセルドルフ 化学
市場で販売しております。
ゲー・エム・ベー・バー 913 (100)
市
当社及び宇部三菱セメント㈱の製品
の海上輸送及び荷役作業を行ってお
百万円
山口県宇部市 建設資材 ります。
宇部興産海運㈱ 100
665
役員の兼任等 3名
(うち当社従業員 3名)
宇部三菱セメント㈱から原料のセメ
岩手県西磐井郡 ントを供給しております。
建設資材
大協企業㈱ 34 82.60
役員の兼任等 3名
平泉町
(うち当社従業員 3名)
宇部三菱セメント㈱から原料のセメ
ントを供給しております。
萩森興産㈱ 山口県宇部市 282 建設資材 100
役員の兼任等 2名
(うち当社従業員 2名)
当社及び宇部三菱セメント㈱の製品
の販売を行っております。
100
宇部建設資材販売㈱ 東京都港区 99 建設資材
役員の兼任等 3名
(0.56)
(うち当社従業員 3名)
当社及び宇部三菱セメント㈱の製品
の販売を行っております。
三信通商㈱ 東京都港区 99 建設資材 100
役員の兼任等 4名
(うち当社従業員 4名)
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(その3)
議決権の
資本金
名称 住所 主要な事業の内容 関係内容
所有割合
(又は出資金)
(%)
南関東地区におけるグループ生コン
㈱関東宇部ホールディン 百万円 100 クリート事業を統括しております。
東京都品川区 建設資材
グス 100
(11.32)
役員の兼任等 4名
(うち当社従業員 4名)
当社から原料の石灰石を供給してお
ります。
宇部マテリアルズ㈱ 山口県宇部市 建設資材 100
役員の兼任等 3名
4,047
(うち当社従業員 2名)
当社建設資材事業の一環として、建
材関連製品の製造及び販売を行って
おります。
宇部興産建材㈱ 東京都港区 300 建設資材 100
役員の兼任等 3名
(うち当社従業員 3名)
当社建設資材事業の一環として、 金
属粉末の加工販売及び受託加工を
山石金属㈱ 千葉県野田市 50 建設資材 100 行っております。
役員の兼任等 2名
(うち当社従業員 2名)
成形機、産業機械(運搬機、粉砕・
破砕機)、橋梁・鉄構の製造、販売
宇部興産機械㈱ 及び当社グループの機械事業を統括
山口県宇部市 6,700 機械 100
しております。
*1
役員の兼任等 4名
(うち当社従業員 3名)
米国で油圧機器の組立、販売を行っ
ウベ・マシナリー,イン 米国 千US$ 100 ており、また宇部興産機械㈱は同社
機械
コーポレーテッド 17,000 (100) へ製品及び部品の販売を行っており
ミシガン州
ます。
グループ機械事業の一環として、製
百万円 100
㈱宇部スチール 山口県宇部市 機械 鋼品及び鋳造品の製造、販売を行っ
1,000
(100)
ております。
グループ機械事業の一環として、舶
100
㈱福島製作所 福島県福島市 490 機械 用機械及び産業機械の製造、販売を
(100)
行っております。
グループ機械事業の一環として、射
出成形機、付帯機器、並びに部品の
愛知県名古屋市 85
機械 製造、販売を行っております。
U-MHIプラテック㈱ 450
中村区
(85)
役員の兼任等 2名
(うち当社従業員 2名)
UBEコールトレーディ 当社石炭事業の一環として、豪州炭
山口県宇部市 490 エネルギー・環境 100
ング㈱ 等の販売を行っております。
その他41社
- - - - -
(持分法適用関連会社)
当社セメントの販売を行っており、
当社関係会社に原料のセメントを供
百万円
宇部三菱セメント㈱
東京都千代田区 建設資材 給しております。
50
8,000
役員の兼任等 5名
(うち当社従業員 5名)
その他14社
- - - - -
(注)1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.議決権の所有割合欄の括弧内数字は間接所有割合(内数)です。
3.*1 特定子会社に該当しております。
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5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2019年3月31日現在
セグメントの名称 従業員数(人)
4,957
化学
116
医薬
3,055
建設資材
1,855
機械
195
エネルギー・環境
457
その他
全社(共通) 375
11,010
合計
(注)1.従業員数は就業人員数です。
2.全社(共通)として、記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属してい
るものです。
(2)提出会社の状況
2019年3月31日現在
従業員数(人) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
3,298 41.5 15.8 6,892,744
従業員数(人)
セグメントの名称
1,914
化学
116
医薬
701
建設資材
192
エネルギー・環境
全社(共通) 375
3,298
合計
(注)1.従業員数は就業人員数です。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として、記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属してい
るものです。
(3)労働組合の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)従業員の大多数が加入する宇部興産労働組合は、会社と円満な労使関係
を維持しております。上部団体としては化学総連に加盟しております。
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
120年を超える歴史を刻む当社グループは、「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という2つを創業の
精神として受け継ぎ、時代と産業構造の変化に対応しながら、新たな技術への挑戦と自己変革を重ねて業容を拡大し
てきました。
また、今後ますます多様化・複雑化するニーズに応え、社会に新たな価値を提供し続ける企業としての使命と進む
べき方向をより明確にするため、2019年4月に経営理念及びこれを実現するための経営方針を制定しました。
経営理念
「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します」
経営方針
「倫理」 高い倫理観を保ち、法令および社会規範を遵守します
「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います
「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします
「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります
当社グループは、企業経営の根幹となる理念と方針に基づき、未来につながる、新たな価値を創出するための事業
活動をグローバルに展開するとともに、ESG(環境・社会・コーポレートガバナンス)の一層の充実に努め、企業
価値の向上を目指します。
また、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のあらゆるステークホルダー、さらには地球環境との共生を
実践し、これらに貢献する価値創出企業であり続けます。
(2)経営戦略等
当社グループは、「2025年のありたい姿」とその方向性を「Vision UBE 2025」として描き、その達成に向けたマ
イルストーンと なる、2021年度までの3ヶ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」を策定しまし
た。当計画の基本方針 は次のとおりです。
◆ 基本方針
ⅰ) 事業の成長基盤強化
①化学セグメントを中心とした次なる 成長 の実現
②海外拠点の拡充と国内外グループ会社の連携進化およびグローバルな事業環境変化へのスピーディな対応
③安定的・持続的なキャッシュフロー創出と、成長投資の実施
④人材確保と 競争力 向上のため、人材と働き方の多様化を推進
⑤価値創出と業務効率化へのICT技術活用と関連する人材の育成
ⅱ) 経営基盤(ガバナンス)の強化
①経営の監督機能強化と意思決定の迅速化
②品質問題に対する再発防止策の確実な遂行と継続的な改善および品質保証体制の強化
③内部統制システムの強化による適切な企業活動の実践
ⅲ) 資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献
①2021年度目標(GHG排出量を2021年度までに2005年度比15%削減、2021年度までに環境貢献型事業の売上
高比率30%以上を目指す)の確実な達成と2030年を意識した新たな長期目標の設定
②サプライチェーン全体での環境負荷低減
③環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大
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(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2021年度までの3ヶ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」において、次の数
値目標を掲げています。
<主要項目>
2021年度目標
営業利益 550億円
経常利益 580億円
<経営指標>
2021年度目標
売上高営業利益率(ROS)
7%
自己資本利益率(ROE)
10%
(4)経営環境
当連結会計年度における世界経済は、米国での景気回復が継続した一方、ユーロ圏経済は成長率が低下し、また中
国経済は米中貿易摩擦等の影響を受けて減速しました。国内経済は、企業収益の回復および設備投資の増加、さらに
は雇用・所得環境の改善と消費の持ち直しなどにより緩やかな回復基調が続きました。
今後の見通しについては、世界経済は引き続き緩やかな回復が続くものと見込まれますが、米中貿易摩擦の激化に
伴う中国経済の急減速などが懸念されます。国内経済については、企業収益が設備投資や賃金にさらに向かっていく
ことが期待されますが、世界経済の不確実性や、金融資本市場の変動の影響を受ける可能性があります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
(品質保証に関する課題)
2017年度に当社グループにおいて判明した品質検査上の不適切行為につきましては、これを真摯に反省するととも
に、具体的な再発防止策を策定し、経営陣ならびに従業員の意識および組織風土の改革、組織再編、制度の見直しな
どの運用基盤の強化、改善を進めました。今後も、品質保証システムの確実な運用と改善・適正化を継続して実施
し、グループにおけるガバナンスの向上と品質管理体制の一層の強化を図ってまいります。
また、一部設備のトラブルにより当社が製造・販売している重炭酸アンモニウムに金属異物が混入した可能性があ
ることを本年3月19日に公表するとともにお客様に当該製品の使用停止と返品のお願いをいたしました。設備の修繕
および検査機器を増強するなどの管理体制の強化は実施済みで、今後は再発防止に万全を期するとともに、さらなる
品質の維持向上に努めてまいります。
(持続的成長に向けた課題)
今後予想される経営環境の変化を「対処すべき課題」であるとともに「新たな成長の機会」と捉え、化学セグメン
トを中心とした次なる成長の実現に注力します。このため、事業単位を従来の3カンパニー2事業部から3カンパ
ニーに集約し自立した事業運営の促進と迅速な意思決定を図るとともに、海外市場の発展を取り込むため新たな製
造・販売拠点を展開してまいります。
また、地球環境問題への対応と貢献のため、温室効果ガス(GHG)排出の低減、環境負荷低減に貢献する技術・
製品の創出を推進するとともに、関連する情報の開示を一層充実させてまいります。
(中期経営計画について)
当計画では、前述の基本方針のもと、環境負荷低減を強く意識しながら、化学セグメントでの高付加価値化とグ
ローバル展開を加速することでグループ全体の成長を牽引するとともに、建設資材セグメントおよび機械セグメント
における収益基盤を一層強化し、持続的な成長を目指してまいります。また、監査等委員会設置会社への移行により
経営の監督機能の強化と意思決定の迅速化を進め、企業価値の向上に努めてまいります。
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2【事業等のリスク】
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられ
る主な事項を下記のとおり記載いたします。
これらの事項は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性がありますが、当社グループは、これ
らのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避・分散及び発生した場合の対応、リスクの移転、危機管理対策
等に最大限努力する方針です。
下記事項には、将来に関するものが含まれますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであ
り、また、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1)原燃料の市況動向
化学事業における国際市況や原油・ナフサ価格の動向等の影響による主原料価格の上昇や、セメント製造用及び
自家発電用として海外から購入している石炭の調達価格の高止まりの影響を製品価格にタイムリーに転嫁できない
可能性があります。
(2)化学事業の収益
経済の変調等により需要が大幅に減少した場合、また他社の生産能力増強により供給が大幅に増加した場合に
は、製品の需給環境が悪化し、市況の低迷やスプレッド(製品と原料の値差)の大幅な縮小等が生じる可能性があ
ります。
また、情報技術やデジタル家電関連分野等の世代交代の早い市場向けに供給している製品は、顧客の要求にタイ
ムリーに応ずることができず販売が減少し、また情報技術関連製品特有の激しい市場変動の中で需要が減少する可
能性があります。
(3)医薬事業の収益
医薬事業は、原薬や中間体を製薬会社から受託し製造する受託事業と自社単独または製薬会社との共同により新
規医薬品の研究開発を行う創薬事業を内容としていますが、医薬品特有の、新薬の承認不可、承認の取り消し、特
許切れによる後発品の上市などの影響を受ける可能性があります。
(4)セメントの国内需要
建設資材事業の主要製品であるセメントの国内需要は、当面の間、東京オリンピック・パラリンピック等の需要
増があるものの、公共投資や民間設備投資等が急激なスピードで減少した場合、セメント販売量が減少し、収益の
下押し要因となります。このため、当社グループでは輸出による操業度維持、セメント製造工程での資源リサイク
ル廃棄物(有償での受入)処理拡大、諸費用削減等の対応策を実施していますが、一定期間需要が減少を続けた場
合は、影響を受ける可能性があります。
(5)機械事業の収益
機械事業では、成長の続く新興国を中心としたグローバル市場での収益拡大に取り組んでおりますが、競争激化
による販売価格の低下や、また原材料・工事価格が高騰する可能性があります。
(6)金融市場の動向
為替や金利の変動については、為替予約や金利スワップ等のヘッジ取引により、一定限度までにリスクを低減し
ていますが、予測を超えた金融市場の変動の影響を受ける可能性があります。
また、当社グループ海外会社は現地通貨で財務諸表を作成しているため、換算時の為替レートにより円換算額が
影響を受けます。
(7)海外での事業活動
海外では、予期しない法律や規制の変更、経済的なリスク、社会的又は政治的リスクにより、事業活動に支障が
生じる可能性があります。
(8)知的財産・製造物責任(PL)
知的財産権を侵害された場合や営業秘密が外部に流出した場合、あるいは、第三者の知的財産権を侵害したとし
て係争が生じた場合、また、当社グループの製品の欠陥に起因して製品回収や損害賠償が生じた場合には、事業活
動に支障が生じる可能性があります。
(9)産業事故および災害等
危険物や高圧ガスを取り扱う工場において、大きな産業事故あるいは災害による生産設備の大きな損壊等が発生
した場合には、産業事故災害への対策費用、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償、更に社会的信
用が失墜する等の可能性があります。
また、当社グループが供給を受けている主要な原材料等のサプライヤーにおける事故・災害等により、当社グ
ループの事業活動に支障が生じる可能性があります。
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(10)公的規制
各国、地域の法令・規則等の変更、強化や新たな規制の適用が生じた場合には、当社グループの業務活動の制
限、規則遵守のためのコスト増大、規制に従う会計・税務上の対応などが必要になる可能性があります。
(11)石綿
当社グループでは、過去に石綿含有製品の製造・販売を行っており、また工場施設に石綿含有建材等を使用して
います。工場施設の石綿を除去するために全面的又は部分的交換に順次着手しており、交換が完了するまでの期間
に亘って一定額の支出が予想されます。また、従業員(退職者を含む)や工場周辺住民の健康被害に関連して、労
災認定者の大幅な増加、訴の提起、法規制の更なる強化等の可能性があります。
(12)訴訟
当社グループでは法令遵守に努めていますが、広範な事業活動のなかで訴を提起される可能性もあります。な
お、現在係争中の主な訴訟事件は次のとおりです。これらの訴訟の最終的な結果やその時期については、現時点で
予測することができません。
2008年5月以降、建設作業等従事者及びその遺族らが国及びウベボード㈱(当社連結子会社)を含む建材メー
カー40社余に対して、建設現場で使用されていた石綿含有建材の石綿粉じんを吸引して石綿関連疾患に罹患した
として、連帯して損害を賠償するように求めて訴えを提起しております。これまでの判決において、ウベボード
㈱に対する請求はいずれも棄却されました。現在、最高裁判所の他、全国の裁判所に9件の訴訟が係属中で、そ
の請求額は最大で173億円です。
(注)上記の請求額は、ウベボード㈱を被告として訴えている者の請求額を合計したもので、国及び他の建材
メーカーと連帯して請求を受けているものです。
(13)たな卸資産の収益性の低下による簿価切下げ
原燃料購入価格の上昇、製造固定費の増加、生産量の減少、製品販売価格の下落などが生じた場合には、たな卸
資産の簿価を切り下げる可能性があります。
(14)固定資産の減損
保有する固定資産について、事業環境の著しい悪化による収益性の低下や不動産価格の下落が生じた場合には、
減損損失が発生する可能性があります。
(15)有価証券
保有する有価証券の多くは上場株式であるため、株式相場の下落により、減損が発生する可能性があります。
(16)退職給付債務
退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される割引率の低下、年金資産の運用利回り悪化等によ
り増加することがあります。
(17)繰延税金資産
繰延税金資産は、将来の課税所得等に関する予測に基づき回収可能性を検討し計上していますが、実際の課税所
得が予測と異なる場合には、取崩が必要となる可能性があります。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、2016年度からの3ヶ年の中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、「持続的成長
を可能にする経営基盤の強化」「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を基本方針とし、各セグメン
トの収益力向上を推進するとともに、各事業課題の解決に向けて取り組んでまいりました。
中期経営計画の最終年度となる当連結会計年度においては、化学品を中心に原燃料価格上昇に応じた販売価格の
是正および堅調な国内需要を背景とした建設資材セグメントの出荷増等により過去最高の売上高となりました。一
方で、石炭市況の高止まりやアンモニア工場の定期修理、合成ゴム市況の軟化等の影響を受け、営業利益および経
常利益は減益となったものの、特別損益の改善などの効果もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益
となりました。
この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度比345億8千3百万円増の7,301億5千7百万円、営
業利益は56億9千9百万円減の445億5千1百万円、経常利益は28億7千5百万円減の478億5千3百万
円、親会社株主に帰属する当期純利益は8億1千9百万円増の324億9千9百万円となりました。
親会社株主に帰属
項 目 売 上 高
営業利益 経常利益
する当期純利益
当連結会計年度 730,157百万円 44,551百万円 47,853百万円 32,499百万円
前連結会計年度 695,574百万円 50,250百万円 50,728百万円 31,680百万円
5.0% △11.3% △5.7% 2.6%
増 減 率
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
化学
ナイロン樹脂は、食品包装フィルム用途を中心に需要が堅調に推移する中、スペインでの生産能力増強の効果もあ
り、出荷が増加しました。ナイロン原料のカプロラクタムは、堅調なナイロン樹脂需要に加え、中国における環境規
制等の影響も相まって、需給環境が前連結会計年度に続き堅調に推移した結果、販売価格の是正も進みました。工業
薬品はアンモニア工場の定期修理およびその後の生産トラブルの影響により生産・出荷が減少しました。ポリブタジ
エン(合成ゴム)は、タイヤ用途向けを中心に需要は堅調に推移したものの、原料のブタジエン価格が上昇する一方
で製品市況は弱含みで推移しました。
リチウムイオン電池材料であるセパレータは、車載向けを中心に需要拡大が進むとともに、堺工場で実施した生産
能力増強も寄与し、出荷量が大幅に増加しました。ファインケミカル製品は、原料価格の上昇に応じた販売価格の是
正が進み、ポリイミド製品は回路基板向けフィルムおよび有機ELパネル向けワニス需要の伸長とともに出荷が増加
しました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比95億5千2百万円増の3,149億8千4百万円、営業利
益は52億2千3百万円減の237億5千1百万円となりました。
項 目 売 上 高
営業利益
当連結会計年度 314,984百万円 23,751百万円
前連結会計年度 305,432百万円 28,974百万円
3.1% △18.0%
増 減 率
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医薬
受託医薬品の販売量は増加し、自社医薬品の出荷も前連結会計年度並みに推移しましたが、自社医薬品の特許期間
満了に伴いロイヤリティ収入が減少しました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比8千4百万円減の101億2千9百万円、営業利益は12億
5千2百万円減の8億5千5百万円となりました。
項 目 売 上 高
営業利益
当連結会計年度 10,129百万円 855百万円
前連結会計年度 10,213百万円 2,107百万円
△0.8% △59.4%
増 減 率
建設資材
堅調な国内需要を背景にセメント・生コンの出荷は好調を維持し、マグネシア製品は需給の逼迫を背景として販売
価格の是正と拡販が大きく進展しましたが、全体としては石炭価格高止まりの影響を大きく受けることとなりまし
た。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比113億9千6百万円増の2,502億5千万円、営業利益
は4億4千7百万円減の118億9千3百万円となりました。
項 目 売 上 高
営業利益
当連結会計年度 250,250百万円 11,893百万円
前連結会計年度 238,854百万円 12,340百万円
4.8% △3.6%
増 減 率
機械
自動車産業向けを中心とする成形機、運搬機等の産業機械の出荷は堅調で、各製品のサービス事業も好調に推移し
ました。製鋼事業は、販売価格是正を進めましたが、原材料価格上昇の影響を受けました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比71億2千4百万円増の972億6千4百万円、営業利益は
1億1百万円減の54億1千万円となりました。
項 目 売 上 高
営業利益
当連結会計年度 97,264百万円 5,410百万円
前連結会計年度 90,140百万円 5,511百万円
7.9% △1.8%
増 減 率
エネルギー・環境
石炭事業では、市況価格の上昇を背景に販売価格の是正を進めましたが、販売数量は減少しました。IPP発電所
の定期修理がなかった当連結会計年度の電力事業は、電力供給量が前連結会計年度に対して増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比44億9千2百万円増の758億5千3百万円、営業利益は
2億1千5百万円増の25億6千5百万円となりました。
項 目 売 上 高
営業利益
当連結会計年度 75,853百万円 2,565百万円
前連結会計年度 71,361百万円 2,350百万円
増 減 率 6.3% 9.1%
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その他
その他の売上高は前連結会計年度比1億3千8百万円増の49億3千5百万円、営業利益は6千8百万円減の8億
4百万円となりました。
項 目 売 上 高
営業利益
当連結会計年度 4,935百万円 804百万円
前連結会計年度 4,797百万円 872百万円
2.9% △7.8%
増 減 率
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益446億7千8百万円、非資金項目である減価償却
費364億2千万円、運転資金の増減(売上債権、たな卸資産、仕入債務の増減合計額)による支出166億8千6
百万円、法人税等の支払額127億8千3百万円などにより、504億6千2百万円のキャッシュ・インとなりまし
た。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは有形及び無形固定資産の取得による支出427億6千3百万円などにより、
426億6千3百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは有利子負債の増減による支出91億2千8百万円、配当金の支払額85億4
千3百万円、自己株式の取得による支出100億9百万円などにより、240億3千4百万円のキャッシュ・アウト
となりました。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ162億3千4百万円減少し3
22億9千5百万円となりました。
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③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 金額(百万円) 前年同期比(%)
化学 293,322 △3.0
医薬 5,824 29.3
建設資材 114,210 10.0
機械 91,987 11.8
エネルギー・環境 13,613 8.7
合計 518,956 2.6
(注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。
なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っておりません。
セグメントの名称 受注高(百万円) 前年同期比(%) 受注残高(百万円) 前年同期比(%)
機械 82,583 △6.8 79,382 5.6
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 金額(百万円) 前年同期比(%)
化学 314,984 3.1
医薬 10,129 △0.8
建設資材 250,250 4.8
機械 97,264 7.9
エネルギー・環境 75,853 6.3
その他 4,935 2.9
消去 △23,258 -
合計 730,157 5.0
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
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(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成さ
れております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債
の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であ
り、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。実際の結果は、見積り特
有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高
売上高は前連結会計年度に比べ、345億8千3百万円(5.0%)増加し、7,301億5千7百万円と
なりました。 この要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
売上原価
売上原価は前連結会計年度に比べ、402億1百万円(7.2%)増加し、6,003億1百万円となりま
した。これは、主に化学セグメントにおけるナイロンの販売数量増、建設資材セグメントにおける石炭価格上
昇による影響によるものです。
販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、8千1百万円(0.1%)増加し、853億5百万円とな
りました。これは、主に研究開発費が減少したものの、販売運賃諸掛が増加したことなどによるものです。
営業利益
営業利益は前連結会計年度に比べ、56億9千9百万円(△11.3%)減少し、445億5千1百万円と
なりました。これは、化学セグメントにおいて合成ゴムの原料価格上昇の中で製品価格が下落したこと、国内
アンモニア工場の定期修理を実施したことなどによるものです。
売上高営業利益率は、前連結会計年度に比べ、1.1ポイント下回り、6.1%となりました。
営業外損益
営業外損益は前連結会計年度に比べ、28億2千4百万円増加し、33億2百万円の利益となりました。こ
れは、前連結会計年度に比べ、持分法による投資利益が13億2百万円、為替差益が8億5千5百万円、受取
配当金が7億3千万円増加したことなどによるものです。
経常利益
経常利益は前連結会計年度に比べ、28億7千5百万円(△5.7%)減少し、478億5千3百万円とな
りました。
特別損益
特別損益は前連結会計年度に比べ、25億5千3百万円改善し、31億7千5百万円の損失となりました。
これは、前連結会計年度に比べ、減損損失が27億8千5百万円減少したことなどによるものです。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ、3億2千2百万円(△0.7%)減少し
446億7千8百万円となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利
益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ8億1千9百万円(2.6%)増
加し、324億9千9百万円となりました。
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総資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、21億5千9百万円(△0.3%)減少し、
7,402億8千6百万円となりました。
流動資産は、受取手形及び売掛金、商品及び製品などのたな卸資産が増加したものの、現金及び預金が減少
したことなどにより11億7千7百万円(△0.4%)減少し、3,156億9千9百万円となりました。
固定資産は、有形固定資産が減少したことなどにより9億8千9百万円(△0.2%)減少し、
4,244億2千4百万円となりました。
繰延資産は、社債発行費が増加したことにより7百万円増加し、1億6千3百万円となりました。
負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ、198億5千万円(△4.9%)減少し、
3,857億3千4百万円となりました。
流動負債は、短期借入金、未払金が減少したことなどにより、270億3千5百万円(△10.7%)減少
し、2,260億6千3百万円となりました。
固定負債は、長期借入金の増加などにより71億8千5百万円(4.7%)増加し、1,596億7千1百
万円となりました。
純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、176億9千1百万円(5.3%)増加し、
3,545億5千2百万円となりました。
株主資本は、自己株式の増加により98億4千万円減少、剰余金の配当により78億9千3百万円減少しま
したが、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が324億9千9百万円増加したことなどにより
168億3千万円(5.5%)増加し、3,216億6千3百万円となりました。
その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金が減少したことなどにより26億6千2百万円
(△25.3%)減少し、78億5千7百万円となりました。
非支配株主持分は、35億6千9百万円(17.1%)増加し、244億6百万円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度に比べ、2ポイント増加し44.5%となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結
会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行って
おります。
資本の財源及び資金の流動性
(財務政策)
当社グループは、財務構造の健全化及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っておりま
す。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債等の発行等
により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保
等を目的として、一部の取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。
(キャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、229億2千4百万円減の504億6千2百万
円となりました。これは前連結会計年度に比べ、運転資金増減額(売上債権、たな卸資産及び仕入債務の増
減合計額)による支出や法人税等の支払額が増加したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、86億8千5百万円増の426億6千3百万円
となりました。これは前連結会計年度に比べ、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなど
によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、45億2千5百万円減の240億3千4百万円
となりました。これは、自己株式の取得による支出が増加したものの、有利子負債の増減による支出が減少
し、非支配株主からの払込みによる収入が増加したことなどによるものです。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含
め、前連結会計年度末に比べ、162億3千4百万円(△33.5%)減の322億9千5百万円となりま
した。
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経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、最終年度となる2018年度数値目標は、営業利益500億
円、経常利益490億円、売上高営業利益率(ROS)6.5%以上、自己資本利益率(ROE)9.0%以上としていまし
た。
業績推移
この3ヶ年の業績推移および計画に対する達成率は以下のとおりです。
<主要項目・経営指標>
2018年度
2016年度 2017年度 2018年度 2018年度
目標に対す
実績 実績 実績 目標
る達成率
89%
営業利益 349億円 502億円 445億円 500億円
98%
経常利益 333億円 507億円 478億円 490億円
5.7% 7.2% 6.1% 94%
売上高営業利益率(ROS) 6.5%以上
8.7% 10.5% 10.1% 112%
自己資本利益率(ROE) 9.0%以上
営業利益については、2018年度は、宇部地区でのアンモニア工場の定期修理、合成ゴムの市況軟化、石炭価
格上昇の影響等もあり中期経営計画の目標に対し未達となりましたが、3ヶ年の累計では所期の目標を達成し
たものと考えています。
また、前中期経営計画より「化学セグメントの復活」を重点テーマとして取り組んできましたが、化学セグ
メントの2018年度営業利益は、好調な外部環境に下支えされた面もあり、計画200億円に対して実績237億円と
なりましたので、一定程度の成果をあげることができたと評価しています。
主な取り組み成果と課題
化学セグメントでは、ナイロン及びセパレータの生産能力増強、フェノール法アノン設備等によるコスト削
減、ポリイミドの事業構造変革など概ね計画通りに実行することができました。建設資材セグメントでは、排
熱発電設備及び廃プラ類処理設備等によるコスト削減を進めました。機械セグメントでは、三菱重工業㈱の射
出成形機事業を統合し、統一ブランド機の販売やグローバル最適生産体制の構築を推進しました。
今後の課題は、これまでに実行した施策を早期に利益に結びつけること、また化学を中心とした次なる成長
を実現させることであると考えています。
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4【経営上の重要な契約等】
(1)技術援助契約
契約会社名 相手先 契約締結年月日 契約内容 有効期間
松下電工株式会社 2004年4月21日 2層フレキシブル銅張積層板 終期の定めなし
(現パナソニック株 製造技術のライセンス契約
式会社)
エスユーマテリアル 2011年9月23日 次世代ディスプレイ基板材料 終期の定めなし
ス,カンパニー・リ 用のポリイミドに関するライ
ミテッド センス契約
アドバンスド・エレ 2011年12月7日 リチウムイオン電池用電解液 契約締結から10年間ま
クトロライト・テク に関するライセンス契約 たは特許及びノウハウ
ノロジーズ,エルエ の有効期間満了のいず
ルシー れか遅い日まで
常熟宇菱電池材料有 2018年1月1日 リチウムイオン2次電池用電 終期の定めなし
限公司 解液に関するライセンス契約
宇部マクセル株式会社 2019年1月1日 リチウムイオン電池用セパ 終期の定めなし
レータに関するライセンス契
約
ハイケム株式会社 2012年6月22日 DMO(ジメチルオキサレー 実施料支払期間満了ま
ト)及びMEG(モノエチレ で
ングリコール)の触媒製造技
術に関するライセンス契約
黔希煤化工投資有限 2010年11月10日
公司
錫林郭勒蘇尼特