プルデンシャル・ファイナンシャル・インク 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | プルデンシャル・ファイナンシャル・インク |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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プルデンシャル・ファイナンシャル・インク(E05916)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2019年6月27日
【事業年度】 自 2018年1月1日 至 2018年12月31日
【会社名】 プルデンシャル・ファイナンシャル・インク
(Prudential Financial, Inc.)
【代表者の役職氏名】 取締役会会長兼最高経営責任者兼社長
チャールズ・F・ロウリー
(Charles F. Lowrey, Chairman, Chief Executive
Officer and President)
【本店の所在の場所】 アメリカ合衆国07102ニュージャージー州ニューアーク
ブロード・ストリート751
(751 Broad Street, Newark, New Jersey 07102,
U.S.A.)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 赤 上 博 人
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビ
ルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 (03)6775-1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 笠 間 周 子
弁護士 小 島 啓
弁護士 小 野 領 斗
弁護士 鳥 居 奈 那
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビ
ルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 (03)6775-1000
【縦覧に供する場所】 該当なし
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第一部【企業情報】
注記: 1. 文書中、文脈から別意に解すべき場合を除いて、「プルデンシャル・ファイナンシャル」又は「当社」とは
ニュージャージー州法に準拠して設立された「プルデンシャル・ファイナンシャル・インク」を意味するものと
する。
2. 別段の記載がある場合を除いて、文書中「ドル」又は「$」はそれぞれ米ドルを指すものとする。
文書中一部の財務データについては、便宜を図るためドルから日本円(「円」又は「¥」)への換算がなされて
いる。この場合の換算は、特に別のレートの記載がない限り、2019年5月16日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧
客電信直物相場-仲値である$1.00=¥109.51により計算されている。
3. 文書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計欄に記載されている数値は計数の総和と必ずしも一致しない
場合がある。
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将来の見通しに関する記述
本書中の記述の一部は、1995年米国民事証券訴訟改革法(U.S. Private Securities Litigation Reform Act of
1995)に定義されるところの「将来の見通しに関する記述(forward-looking statements)」に該当する。「予測
する」、「考える」、「予想する」、「含む」、「予定する」、「推定する」、「見積もる」、「見込む」、「意
図する」等の用語やこれらの変形は、一般に将来の見通しに関する記述を構成するものである。将来の見通しに関
する記述は、将来の動向並びにそれがプルデンシャル・ファイナンシャル・インク及びその子会社に及ぼす可能性
のある影響に関する経営陣の現時点における予測及び所見に基づきなされている。プルデンシャル・ファイナン
シャル及びその子会社に影響を与える将来の動向が、経営陣の予想どおりとなるという保証はなしえない。これら
の将来の見通しに関する記述は将来の業績の保証ではなく、リスクや不確定要素を伴うものであり、当該将来の見
通しに関する記述に表されている予測や見積もりとは実際には時として重大に異なる結果をもたらしうる重要な要
素が存在する。かかる要素には、以下に掲げるものが含まれるが、これらに限定されない。(1)信用度若しくは価
値の低下若しくはカウンターパーティの債務不履行による投資若しくは金融契約の損失、(2)当社商品の価格設
定を行った当時の当社の予測と大幅に異なる死亡経験率、罹患経験率若しくは契約者の行動経験による保険商品に
おける損失、(3)(a)当社商品の利益率、それら商品に対応する分離勘定の価値及び当社が管理する資産の価値
に悪影響を及ぼす、(b)リスクをヘッジし若しくは 証拠金規則の要件を引き上げるために当社が利用するデリバ
ティブの損失をもたらす、若しくは(c)適切な収益率で投資を行う機会を制限する可能性がある、 利率、株式価格
及び外国為替レートの変動、(4)市場の動きに左右されやすく、当社利益を減少させ若しくは当社の営業成績若
しくは財務状態の変動性を高める可能性がある、特定の当社商品における保証、(5)(a)デリバティブ担保市場
のリスクヘッジ、(b)資産と負債の不均衡、(c)金融市場において使用可能な資金の不足、若しくは(d)深刻な惨事
による死亡率上昇若しくは契約失効に起因する予想外の現金需要による流動性ニーズ、(6)(a)当社のシステム
及びデータの崩壊、(b)情報セキュリティ違反、(c)極秘データの秘密保護の不履行若しくは(d)第三者への依拠な
どを含む、不十分な若しくは故障したプロセス若しくはシステム、外部事象及びヒューマンエラー若しくは違法行
為によりもたらされた財務損失若しくは顧客損失、若しくは規制措置若しくは法的措置、(7)(a) 金融セクター
規制改革、(b)税制の変更、(c)受託者責任規則及びその他の注意義務基準、(d) 州保険法及びグループ全体の監
督、資本及び準備金に関する進展、(e)米国外の保険業者の自己資本比率規制及び(f)プライバシー及びサイバーセ
キュリティに関する規制に関する状況を含む規制の状況の変化、(8)当社の投資ポートフォリオに含まれる企業
に悪影響を及ぼす若しくは保険経験の当社仮定からの逸脱をもたらす可能性のある技術変革、(9)格付けの引き
下げ、(10)当社商品の売上若しくは継続率に悪影響を及ぼす可能性のある市況、(11)競争、及び(12)信用上
の損害等が挙げられる。プルデンシャル・ファイナンシャル・インクは、本書中の特定の将来の見通しに関する記
述を最新のものに更新することを保証しない。当社の事業及び当社の発行する証券への投資に関するリスクに関し
ては本書の「第3 事業の状況」「4 事業等のリスク」の項を参照のこと。
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第1 【本国における法制等の概要】
1 【会社制度等の概要】
(1) 【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当社を規制する法体系は米国連邦法及びニュージャージー州法である。米国連邦法は、会社の事業活動の多
くの分野に影響を及ぼしており、その範囲は独占禁止、破産、労使関係、有価証券及び税務を始めとする広い
範囲に及んでいる。米国の連邦証券関係諸法の施行は米国証券取引委員会(「SEC」)がこれを司っている
が、同法は一般的に詐欺的手段による有価証券の売買を禁ずるとともに、当社のように株式を公開している会
社の大部分に対しては、定期的に財務その他の報告をSEC及び株主に行うことを要求している。
米国においては、会社は一般に州法に基づいて設立されている。当社はニュージャージー州の法律に基づい
て設立されているが、ニュージャージー州にはニュージャージー州事業会社法を始めとして会社に適用される
数多くの法律がある(総称して「ニュージャージー会社法」という)。以下は、ニュージャージー会社法の骨
子である。
(a) 基本定款及び付属定款
ニュージャージー州の会社はニュージャージー州務長官に基本定款を届け出ることによって設立される。
基本定款は、最低限、名称、所在地、事業目的、授権資本株式数及び株式の種類(もしあれば)並びに最初
の取締役会を構成する取締役の員数等の会社の基本的事項を定めなければならない。基本定款の他に、会社
は、事業の実施並びに株主、取締役及び役員の権利、権限、義務及び機能に関する、基本定款の規定並びに
適用される州法及び連邦法と矛盾しない種々の規定を内容とする付属定款を採用する。
(b) 株式の種類
ニュージャージー会社法によれば、会社は、その基本定款に定めるところに従って、一種又は数種の株式
を発行することができるほか、株式を発行する場合には額面株式としても無額面株式としてもこれを発行す
ることができ、また議決権株式としても無議決権株式としてもこれを発行することができ、基本定款に定め
る名称、相対的議決権、配当、残余財産分配権、その他の権利、優先権及び制限付きの形で発行することが
できると定められている。基本定款に別段の定めがない限り、株主はその所有株式1株につき1議決権を有
する。会社は、会社の取締役会の決議によって、基本定款に定められた授権枠内において株式を発行するこ
とができる。基本定款に含まれる制限に従い、株式引受の対価は取締役会の決するところによる。
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(c) 株主総会
定時株主総会は取締役の選任を目的として会社の付属定款に定めるところに従って開催される。臨時株主
総会は社長又は取締役会がこれを招集することができるほか、付属定款に定めるところに従ってこれを招集
することができる。付属定款の定めるところにより、又はかかる定めがない場合には、取締役会の決定する
ところにより、総会の前10日以上60日以下の日を、株主総会において議決権を行使できる株主を確定するた
めの基準日とすることができる。その基準日に名簿に登録されている株主は議決権を行使できる。通常、株
主総会の法律上の定足数は、基本定款又はニュージャージー会社法に別段の規定がない限り、議決権のある
株式の過半数を有する株主が自ら又は代理人によって出席すれば、満たされる。ニュージャージー会社法
は、会社の基本定款において定めることのできる最低限の定足数を規定していない。当社株式のいずれかの
クラス又はシリーズが1クラスとして議決権を行使する場合には、追加の要件が適用される。
(d) 取締役会
ニュージャージー会社法に基づいて設立された会社の場合には、ニュージャージー会社法又は基本定款に
別段の定めある場合を除き、その事業の管理運営は取締役会がこれを司る。一般に取締役会には、ニュー
ジャージー会社法及び基本定款によって課されている制限の範囲内において、会社の事業の管理運営に関す
る広範囲な権限が認められている。取締役は、各定時株主総会において選任される。取締役の死亡、辞任又
は定員の増加によって欠員が生じたときは、株主が定時総会において、又は在任中の取締役らが自ら、空席
を補充する取締役を選任することができる。基本定款で認められている場合には、取締役会はこれを2以上
のグループに分割することができ、2つ以上のグループがあるときには、グループごとに任期をずらすこと
ができる。取締役は、正当な理由をもって、又は基本定款に別段の定めある場合は、理由がなくとも、株主
の過半数の議決によってのみ解任されうる。但し、取締役会がグループに分けられているときには、基本定
款に別段の定めのない限り、株主は取締役を理由のあるときのみ解任できる。
取締役会は基本定款及び付属定款に定めるところに従ってこれを招集する。基本定款又は付属定款で特に
制限されていない限り、全取締役の書面による同意がある場合には、取締役会の議決は実際に取締役会を開
催しなくてもこれを書面決議として有効に採決することができる。
(e) 委員会
基本定款又は付属定款に規定のあるときには、取締役会は、取締役会の過半数による議決により、1人以
上の取締役が構成する委員会に、一定の権限を委譲することができる。
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(f) 役員
付属定款に別段の定めのある場合を除き、会社の日常の業務執行を担当する役員は、通常、取締役会の決
議によって選任される。役員は、社長1名、秘書役1名、財務役1名、取締役会会長(望ましい場合)、1
名以上の副社長及び付属定款に定められるその他の役員により構成される。各役員の権限は、付属定款に定
められ又は取締役会が認めた付属定款に反しないものとされる。
(2) 【提出会社の定款等に規定する制度】
当社の会社制度は、米国連邦法及び当社設立の準拠法であるニュージャージー州法によって決せられるほ
か、当社の修正・再記述基本定款(「基本定款」)及び修正・再記述付属定款(「付属定款」)によって規
定されている。その内容は下記に定めるとおりである。
(a) 株式
概要
当社普通株式は、ニューヨーク証券取引所(「NYSE」)において「PRU」の略称で取引されている。 2019
年1月31日において、当社普通株式の登録原簿上の株主は1,257,264名であり、409百万株が発行済みであっ
た。
発行体によるエクイティ証券の購入
下表は2018年12月31日に終了した3ヶ月間に当社が購入した普通株式に関する情報をまとめたものであ
る。
当該プログラ
公表されたプ
ムに基づき購
1株当たり ログラムに基
購入済み株式
入される可能
期間 平均価格(ド づき購入され
総数 (注1)
性のある株式
ル) た株式総数(注
の概算ドル価
2)
値(注2)
2018年10月1日~2018年10月31日 1,279,296 98.33 1,271,136
2018年11月1日~2018年11月30日 1,332,660 93.98 1,329,967
2018年12月1日~2018年12月31日 1,489,122 84.10 1,486,327
合計 4,101,078 91.75 4,087,430 0
(注1) 当該期間中に権利が確定した制限付き株式ユニットの株式で、所得税の源泉徴収目的で参加者から源泉徴収し
た株式数を含む。当該制限付き株式ユニットは、当初、プルデンシャル・ファイナンシャル・インクのオムニ
バス・インセンティブ・プランに基づき参加者に発行された。
(注2) 2017年12月に、当社の取締役会は、2018年1月1日から2018年12月31日までの期間中、経営陣の裁量で15億ド
ルを上限として、発行済普通株式を買い戻すことを承認した。
2018年12月に、プルデンシャル・ファイナンシャルの取締役会は、2019年1月1日から2019年12月31日ま
での期間中、当社経営陣の裁量にて、20億ドルを上限として発行済普通株式を買い戻すことを承認した。
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(b) 株主総会
招集場所:
付属定款(2条1項「株主総会開催場所」)により、株主総会開催場所は、取締役会が指定し、株主総会通知
に記載する場所で開催されることとなっている。従来、株主総会はニュージャージー州で開催されている。
年次株主総会:
付属定款(2条2項「年次株主総会」)により、年次株主総会は取締役の選出及び同総会の前に適正に提出さ
れた議題の処理のため、取締役会によって定められる日時に開催される。
臨時株主総会:
付属定款(2条3項「臨時株主総会」)により、臨時株主総会は、目的の如何を問わず、法律により別段の定
めのある場合を除き、株主総会において議決権を行使できる株式総数の10%以上を保有する株主により、又は
会長、最高経営責任者、社長若しくは取締役会により招集され、取締役会が決定する日時及び場所にて開催さ
れる。
株主総会招集通知:
付属定款(2条2項及び3項)により、株主総会の招集通知は、総会開催日時前の10日以上60日以内に、同総
会において議決権を有する名簿上の各株主宛てに、開催場所、開催日時及び同総会の開催目的を記載した書面
により行うこととされている。
定足数:
付属定款(2条4項「定足数」)により、定足数を満たす株式の割合は、基本定款による定められることとさ
れている。基本定款により、当初、株主総会において議決権を有する票数の過半数の保有者により定足数が満
たされると定められている。
議決権:
当社の基本定款には、当社普通株式の各株の議決権を制限する規定はない。当社の株主は、基本定款、又は1
つ以上のシリーズによる優先株式の発行を授権するために提出される修正定款の記載及び法の定めるところに
従い議決権を有するとされている。
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(c) 取締役会
権限、員数、任期及び選任:
付属定款(3条1項)により、当社の取締役の員数は、10名以上24名以下でなければならないものと定めら
れ、取締役の員数は定足数の出席のある取締役選出ための総会における過半数の賛成票により選出される。
開催、招集権者:
付属定款(3条7項)により、定例取締役会は、取締役会が定める日時及び場所にて開催されるものとされて
いる。
付属定款(3条7項)により、臨時取締役会は、取締役会会長、最高経営責任者、副会長、又はその時点で在
職中の過半数の取締役によって招集できるとされている。
定足数、票決:
付属定款(3条8項)により、取締役会の定足数は、取締役11名又は全取締役の過半数のうちいずれか少ない
方の人数により満たされる。法律、基本定款又は付属定款に特に別段の定めがある場合を除き、定足数が満た
されている会議に出席している取締役の過半数の賛成票を得ることにより、取締役会の行為として成立する。
(d) 委員会
任命、欠員等:
付属定款(3条11項)により、取締役会は、その構成員から1名以上を任命し、1ないし複数のその他の委員
会を設立することができるが、取締役会は特に、当社又は関係会社の役員又は従業員ではない取締役から構成
される監査委員会、報酬委員会、コーポレート・ガバナンス委員会を指定することとなっている。取締役会
は、1名以上の取締役を補充委員に任命し、委員会の会議において欠席した委員や、資格を失った委員の補充
とすることができる。
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(e) 役員
主要役員:
付属定款(4条)により、当社の役員は、最高経営責任者1名、社長1名、1名以上の副社長、秘書役1名、
財務役1名及び監査役1名と定められている。
資格:
付属定款(4条)により、上席副社長レベル又はそれ以上の当社の役員は、取締役会が望ましいとみなすとき
に、取締役会により随時選任されると定められている。シニア・バイス・プレジデント以上の役員の間で発生
した欠員は、取締役会によって補充することができる。取締役会によって任命された役員は、取締役会の過半
数の賛成票によって、理由の如何を問わず、いずれの時点においても解任することができる。シニア・バイ
ス・プレジデント以下の役員は当社の適切な役員によって任命される。
その他の役員:
各役員は、当社の付属定款に定められる権限を有し、任務を遂行する。
(f) 株主に対する配当金及びその他の配当
当社の基本定款(4条(b)(2)項)により、当社普通株式の保有者は、基本定款に定める一定の制限に従い、
取締役会により宣言された場合に、宣言されたとおり、宣言された時点で配当を受ける権利を有するとされて
いる。上記「1 会社制度等の概要 -(2) 提出会社の定款等に規定する制度-(a) 株式」の項を参照のこと。
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2 【外国為替管理制度】
現時点では、米国には、一般的には非居住者による当社株式の取得並びにその配当金及び売却代金の送金又は
会社清算に際しての資産の分配に対する外国為替管理上の規制は存在していない。
3 【課税上の取扱い】
(1) 日本と米国との所得に関する2003年租税条約
2003年11月6日、米国及び日本は2003年条約を締結した。2003年条約は2004年3月30日に有効になり、本書
提出日現在においても有効である。
2013年1月25日(日本時間)に2003年条約を改正する議定書が批准されたが、国会及び米国の上院の承認を
経ておらず、本書提出日現在において2003年条約改正の効力は生じていない。
(2) 米国における課税上の取扱い
(a) 当社株式につき配当決定がなされた場合の所得税に係る源泉徴収税
日本の居住者たる個人(米国民でも米国の居住者でもない者に限る)又は日本法人が実質株主となって所
有する当社株式に対して支払われる配当からは、原則として2003年条約に基づき10%の税率で米国連邦所得
税が源泉徴収される。ディーラーとして、当社の株式を所持する、又は当社の株式の5%を超えて所有する
米国市民、米国の住民、会社は、米国の税務顧問に相談すべきである。
(b) 当社株式の譲渡益所得に対する課税
2003年条約の下では、日本の当社株式の実質株主(米国非居住者)は、当社が米国の居住者であり、米国
にある不動産により直接的又は間接的にその価値の50%以上を構成している場合には、当該当社株式の譲渡
によって実現した譲渡収益について米国連邦所得税を課せられる。しかし、日本の実質株主(及びその関係
者)が保有しているのが、承認されている証券取引所において取引されている株式の総クラスの5%未満で
ある場合には、当該株式の譲渡によって実現した譲渡収益について米国連邦所得税を課せられることはな
い。
さらに、非米国居住者の実質株主が個人の場合、当該個人が株式譲渡を行った課税年度を通じて米国にい
る場合、又は当該個人が米国内に一定期間以上固定施設を有するときには、当該個人所有者は当該譲渡益に
つき米国連邦所得税を課せられることとなる。いずれの場合においても、かかる個人は米国の租税顧問に相
談すべきである。
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(c) 当社株式についての配当及び譲渡所得に対する州及び地方の所得税
上記 (a) 及び (b) に対する米国連邦所得税の外に、当社株式についての日本の実質的株主が米国内に恒
久的施設又は住所を有しているときには、一定の状況下で関係租税条約上課税が認められている場合には、
その州税及び地方税が課せられることがあるため、米国の税務顧問に相談すべきである。取扱いは州及び地
方によって異なる。
(d) 相続税
日本の居住者が所有する当社株式は、原則的にはその株主が死亡したときの時価で米国相続税の課税財産
となる。しかしながら、特別控除を定めている相続税及び贈与税に関する条約により、大部分の日本の株主
は米国相続税の対象とはならない。個人は米国の税務顧問に相談すべきである。
(e) 贈与税
当社株式の日本の実質的株主である個人が当該所有株式を贈与した場合、当該贈与者は原則として米国贈
与税の対象とはならない。
(3) 日本における課税上の取扱い
日本国の所得税法、法人税法、相続税法及びその他の関連法令の遵守を条件として、かつその限度で、日本
人及び日本法人は、上記(2)「米国における課税上の取扱い」(a)、(b)、(c)及び(d)に記述した個人又は法
人の所得(個人の場合には相続財産を含む。)を課税対象とする日本で支払うべき米国の租税については、日
本国あるいは米国で外国税額控除の適用を受けることができる。個人は日本の税務顧問に相談すべきである。
4 【法律意見】
当社の秘書役補佐を務めるアンドリュー・ヒューズから、以下の趣旨の法律意見書が提出されている。
(a) 当社はニュージャージー州法に基づき適法に設立され、かつ同法のもと有効に存続していること。
(b)「1 会社制度等の概要」における米国及びニュージャージー州の現行法に関する記述が、あらゆる重要
な点で真実かつ正確であること。
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第2 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
2018年、2017年及び2016年の各12月31日に終了した事業年度の主要な連結損益計算書データ、並びに2018年及
び2017年の各12月31日時点での主要な連結貸借対照表データは、本書に含まれる当社の連結財務書類を基にして
いる。2015年及び2014年の各12月31日に終了した事業年度の主要な連結損益計算書データ、並びに2016年、2015
年及び2014年の各12月31日時点での主要な連結貸借対照表データは、本書には含まれていない連結財務書類を基
にしている。
2018年1月1日以前、当社のジブラルタ生命保険株式会社(「ジブラルタ生命」)連結事業は、当社の連結財
務書類に記載する際、11月30日を決算期としていた。報告日が異なるため、ジブラルタ生命には1ヶ月間の報告
時期のずれが生じていた。そのため、従前の12月31日現在の当社の連結貸借対照表には、各年の11月30日現在の
ジブラルタ生命の資産及び負債が含まれていた。また、当社の従前の12月31日に終了した年度の連結損益計算書
データには、各年の11月30日に終了した12ヶ月間のジブラルタ生命の営業成績が含まれていた。
2018年1月1日より、当社はジブラルタ生命の事業に係る決算期を12月31日に変更した。これにより、1ヶ月
間の報告時期のずれが解消され、ジブラルタ生命の金融収支及び営業成績の報告時期並びに期間は当社と同じと
なる。ジブラルタ生命の新たな決算期の設定は、会計原則のより望ましい方式への変更とみなされ、遡及的適用
が義務づけられる。当社は、この会計原則の変更がプルデンシャル・ファイナンシャル及びその子会社の報告時
期と整合しており、かつジブラルタ生命の財務状態及び営業成績のより適時のかつ一貫した報告を可能にするた
め、望ましい変更であると考えている。この報告時期のずれの解消を達成するため、当社は従前の決算期の資本
を変更し、それにより2015年、2016年及び2017年の各12月31日時点の「利益剰余金」が約167百万ドル増加し
た。この報告時期のずれの解消による損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、包括利益計算書及びその他の貸
借対照表の見出しに対する影響は、いずれの期間においても軽微であった。
この要約連結財務情報は、当社のMD&A及び連結財務書類と併せて読まれるべきものである。
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12月31日に終了した年度
2018年 2017年 2016年 2015年 2014年
(単位:百万ドル、但し1株当たりの数値及び比率を除く)
損益計算書データ:
収益の部:
保険料 35,779 32,091 30,964 28,521 29,293
契約賦課金及び報酬収益 6,002 5,303 5,906 5,972 6,179
純投資収益 16,176 16,435 15,520 14,829 15,256
資産運用・サービス手数料 4,100 4,127 3,752 3,772 3,719
その他収益(損失) (1,042) 1,301 443 0 (1,978)
1,977 432 2,194 4,025 1,636
実現投資利益(損失)、純額
収益合計 62,992 59,689 58,779 57,119 54,105
保険金・給付金及び費用の部:
契約者保険金・給付金 39,404 33,794 33,632 30,627 31,587
契約者預り金勘定への付与利息 3,196 3,822 3,761 3,479 4,263
保険契約者配当金 1,336 2,091 2,025 2,212 2,716
2,273 1,580 1,877 2,120 1,973
繰延保険契約取得費用の償却
一般管理費 11,949 11,915 11,779 10,912 11,807
保険金・給付金及び費用合計 58,158 53,202 53,074 49,350 52,346
法人所得税及び運営合弁事業損益に対する持
4,834 6,487 5,705 7,769 1,759
分反映前継続事業利益(損失)
822 (1,438) 1,335 2,072 349
法人所得税費用(利益)合計
運営合弁事業損益に対する持分反映前継続事
4,012 7,925 4,370 5,697 1,410
業利益(損失)
76 49 49 15 16
運営合弁事業損益に対する持分、税引後
継続事業利益(損失)
4,088 7,974 4,419 5,712 1,426
0 0 0 0 12
非継続事業利益(損失)、税引後
当期純利益(損失)
4,088 7,974 4,419 5,712 1,438
14 111 51 70 57
減算:非支配持分に帰属する収益(損失)
4,074 7,863 4,368 5,642 1,381
当社に帰属する当期純利益(損失)
1株当たり利益 (注1)
基本 1株当たり利益- 普通株式:
当社に帰属する継続事業利益(損失) 9.64 18.19 9.85 12.37 3.23
0.00 0.00 0.00 0.00 0.02
非継続事業利益(損失)、税引後
当社に帰属する当期純利益(損失) 9.64 18.19 9.85 12.37 3.25
希薄化後 1株当たり利益- 普通株式:
当社に帰属する継続事業利益(損失) 9.50 17.86 9.71 12.17 3.20
0.00 0.00 0.00 0.00 0.03
非継続事業利益(損失)、税引後
当社に帰属する当期純利益(損失) 9.50 17.86 9.71 12.17 3.23
普通株式1株当たり配当宣言額 3.60 3.00 2.80 2.44 2.17
(注1) 2018年、2017年、2016年及び2015年については、普通株式の1株当たりの連結1株当たり利益を表す。2014年につ
いては、旧金融サービス事業の1株当たり利益を表す 。
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12月31日現在
2018年 2017年 2016年 2015年 2014年
(単位:百万ドル)
貸借対照表データ:
保険約款貸付を除く投資計 467,229 457,980 432,485 405,535 408,274
分離勘定資産 279,136 306,617 287,636 285,570 296,435
資産合計 815,078 832,136 784,177 757,470 766,526
責任準備金及び保険契約者預り金勘定 424,184 405,506 386,113 361,168 353,916
分離勘定負債 279,136 306,617 287,636 285,570 296,435
短期借入債務 2,451 1,380 1,133 1,216 3,839
長期借入債務 17,378 17,172 18,041 19,594 19,702
負債合計 766,047 777,625 737,922 715,380 724,177
プルデンシャル・ファイナンシャル・インク
48,617 54,236 46,030 42,057 41,770
資本
非支配持分 414 275 225 33 579
資本合計 49,031 54,511 46,255 42,090 42,349
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各年12月31日現在又は12月31日に終了した事業年度
2018年 2017年 2016年 2015年 2014年
発行済総普通株式数 410,712,452 422,552,221 429,574,173 447,101,369 454,833,477
1株当たりの総株主持分
(1) (1) (1) (1) (1)
$118.37 $128.35 $107.15 $94.07 $90.10
当社普通株式
自己資本比率
(総株主持分/総資産) 6.0% 6.5% 5.9% 5.6% 5.4%
連結ベース
自己資本利益率
(純損益/総株主持分) 8.4% 14.5% 9.5% 13.4% 3.3%
連結ベース
株価収益率
(12月31日時点の株価/希薄化
(2) (2) (2) (2) (2)
8.58 6.44 10.72 6.69 28.01
後の1株当たりの純損益)
金融サービス事業
配当性向
(3) (3) (3) (3)
(3)
(1株当たりの配当/希薄化後
37.9% 16.8% 28.8% 20.0%
67.2%
の1株当たりの純利益)
(注1) 発行済みであった当社普通株式の実数に基づき計算されている。2018年、2017年、2016年及び2015年については、
普通株式1株当たりの総株主持分、2014年については、当社の以前の金融サービス事業の普通株式1株当たりの総
株主持分を示している。
(注2) クラスB株式には公開取引市場が存在しないため、株価収益率は、当社普通株式の株価(2018年12月31日現在、$
81.55;2017年12月31日現在、$114.98;2016年12月31日現在、$104.06;2015年12月31日現在、$81.41;2014年
12月31日現在、$90.46)、2018年、2017年、2016年及び2015年の普通株式1株当たりの当期連結純利益、並びに
2014年の金融サービス事業の1株当たりの当期純利益(2018年度:基本:$9.64、希薄化後:$9.50、2017年度:
基本:$18.19、希薄化後:$17.86、2016年度:基本:$9.85、希薄化後:$9.71、2015年度:基本:$12.37、
希薄化後:$12.17、2014年度:基本:$3.25、希薄化後:$3.23)に基づいている。
(注3) 2018年度第4四半期に当社普通株式に対して1株当たり$0.90の配当が宣言された。2018年度の四半期配当の合計
は$3.60であった。2017年度第4四半期に当社普通株式に対して1株当たり$0.75の配当が宣言された。2017年度
の四半期配当の合計は$3.00であった。2016年度第4四半期に当社普通株式に対して1株当たり$0.70の配当が宣
言された。2016年度の四半期配当の合計は$2.80であった。2015年度第4四半期に当社普通株式に対して1株当た
り$0.70の配当が宣言された。2015年度の四半期配当の合計は$2.44であった。2014年度第4四半期に当社普通株
式に対して1株当たり$0.58の配当が宣言された。2014年度の四半期配当の合計は$2.17であった。
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2 【沿革】
(1) 当社の沿革
ザ・プルデンシャル・インシュアランス・カンパニー・オブ・アメリカの沿革
ザ・プルデンシャル・インシュアランス・カンパニー・オブ・アメリカ(「プルデンシャル・インシュアラ
ンス」又は「当社」)は、1873年にニュージャージー州の株式保険会社として設立され、1875年に事業を開始
した。当社は1890年に支店を開設し始め、1909年にはトロントにおいて当社初のカナダの支店を開設した。
1892年までには、100万に及ぶ生命保険契約を発行しており、1911年には、保有保険契約は1,000万件に達し
た。
1913年に、プルデンシャル・インシュアランスは、相互保険会社となるべく手続を開始した。当社の主要株
主は1915年に株式を売り戻した。当社は、1943年までに残りの株式を買い戻し、そうすることによって相互保
険会社となった。
当社の事業は、20世紀初期も成長し続け、1948年の時点でカリフォルニア州ロサンゼルス、イリノイ州シカ
ゴ、ミネソタ州ミネアポリス、ペンシルベニア州フィラデルフィア、フロリダ州ジャクソンビル、テキサス州
ヒューストン、マサチューセッツ州ボストン、ニュージャージー州北部及びカナダのトロントにおいてかかる
地域の本社を開設していた。
1951年の時点で、プルデンシャル・インシュアランスの団体保険プログラムは530万人の従業員を対象とし
ていた。同年に、プルデンシャル・インシュアランスは個人傷害健康保険の分野における事業を開始した。当
社は、1956年に家族保険を導入し、1963年には歯科保険の販売を開始した。プルデンシャル・インシュアラン
スは、1970年に個人への変額年金保険を販売する初の主要保険会社となった。同時に当社は自動車保険及び住
宅所有者保険事業に参入し、1971年には、かかる種類の保険の引受及び販売を行うため、ザ・プルデンシャ
ル・プロパティ・アンド・カジュアルティ・インシュアランス・カンパニーを設立した。
当社は1973年に健康維持組織事業に参入し、同年にヒューストンのプルケアは保険会社によって所有される
最初の連邦政府認可HMO(会員制民間健康維持組織)となった。同年に、当社はプルデンシャル・リインシュ
アランス・カンパニーという子会社を設立することにより、再保険事業を拡大した。当社はまた、グアム及び
香港において新たな支店を開設することを発表した。
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ソニーとプルデンシャル・インシュアランスの合弁事業の産物として、ソニー・プルデンシャル生命保険が
1979年に日本で事業を開始した。保険業界外への事業多角化の最初の大規模な試みとして、プルデンシャル・
インシュアランスは、1981年にバック・ハルシー・スチュアート・シールズ・インクの証券会社を買収した。
同社は、プルデンシャル・バック・セキュリティーズ・インクと名称変更された。
1980年代には、当社が営む事業において大きな拡大が見られた。プルデンシャル・インシュアランスは、
1984年に変額識別生命保険を導入し、1985年には当商品は当社の最も人気の高い保険となった。当社は、年金
基金の株式及び債券運用会社であるジェニソン・アソシエイツ・キャピタル・コーポレーションを買収した。
プルデンシャル・インシュアランスはまた、ザ・プルデンシャル・ホーム・モーゲージ・カンパニーを通して
住宅モーゲージ市場に再び参入した。同じく1985年に当社の資産は1,000億ドルを超えた。2年後に当社は、
当社初の住宅不動産仲介事業への進出としてプルデンシャル・リアル・エステート・アフィリエイツを設立
し、当社の成長中のミューチュアル・ファンドを管理するためにプルデンシャル・ミューチュアル・ファン
ド・マネジメントを設立した。1997年までに、プルデンシャル・インシュアランスの運用資産は3,000億ドル
を超過していた。
1980年の後半はまた、国際的な事業拡大が始まったときでもある。その頃までにプルデンシャル・インシュ
アランスは日本におけるソニーとの合弁事業を解消しており、プルデンシャル生命保険株式会社として日本の
保険市場に参入していた。1988年に当社は日本において新な代理店を10店開設した。2年後に、当社はスペイ
ン、イタリア及び台湾で保険商品の販売を始め、日本の顧客のために国際的に証券を運用する事務所を東京に
設立した。1991年には、プルデンシャル・インシュアランスは韓国において保険商品の販売を開始した。当社
は1997年に、ブラジル最大の銀行の子会社であるブラデスコ・セグロスとの合弁事業を始めることにより、ラ
テン・アメリカにおける事業を開始した。1999年には、プルデンシャル・インシュアランスはブエノスアイレ
スにおけるその生命保険関連会社としてプルデンシャル・セグロスS.A.の設立を発表した。当社はまた、ポー
ランドに生命保険関連会社を設立し、フィリピンにおいても生命保険商品の販売を開始した。最後に、2001年
4月にプルデンシャル・インシュアランスは日本において協栄生命保険株式会社を買収した。同社は、現在で
はジブラルタ生命として知られている。
かかる期間中に、プルデンシャル・インシュアランスは特定の事業の整理も始めた。1995年にプルデンシャ
ルはその住宅モーゲージ事業及び再保険子会社を売却する計画を発表し、1998年にはエトナに健康保険部門を
売却する契約が締結されたことを発表した。
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プルデンシャル・インシュアランスが株式会社化への準備を正式に開始したのは1998年であった。同年に、
ニュージャージー州知事が株式会社化に関するニュージャージー州法に署名し、翌年には当社が正式に株式会
社化する意思を正式公表した。2000年12月15日に、プルデンシャル・インシュアランスの取締役会が全員一致
で再編計画を採択し、2001年3月に当社はニュージャージー州銀行保険局長に株式会社化の許可を得るための
申請書を正式に提出した。当局は、2001年7月17日及び18日に同計画に関する公聴会を開き、2001年7月31日
までに保険契約者が同計画を圧倒的に支持する投票を行った。当局は、2001年10月15日に同計画を承認する命
令を交付した。同計画は2001年12月18日(プルデンシャル・ファイナンシャル・インクの普通株式の新規株式
公開が終了した日)に発効した。その時点をもって、プルデンシャル・インシュアランスは、株式保険会社と
なり、プルデンシャル・ファイナンシャル・インクの完全間接子会社となった。
2003年5月1日、当社は、購入価格総額11億8,400万ドルで、スカンディアUSインクを買収した。当該買収
により、変額年金保険に関して米国における当社の第三者による販売能力が大幅に拡大、多様化し、商品提供
の幅も広がった。
2003年7月1日、当社は、当社の小口証券ブローカー業務及び決済業務をワコビア・コーポレーションのそ
れと統合し、現在本社をミズーリ州、セントルイスとする合弁事業であるワコビア・セキュリティーズ・ファ
イナンシャル・ホールディングス・エルエルシー(「ワコビア・セキュリティーズ」)を設立した。ワコビ
ア・セキュリティーズは米国でも最大級の小口証券ブローカー及び決済組織であり、個人及び法人に対してフ
ル・サービス証券ブローカー業務及び財務アドバイザリー業務を提供している。
2003年、当社は全国的に事業展開していた損害保険事業をリバティ・ミューチュアル・グループ(「リバ
ティ・ミューチュアル」)に売却し、ニュージャージー州における損害保険事業をパリサデス・グループに売
却した。これらの事業は、当社の保険部門の一部であった損害保険セグメントの業績の一部として反映されて
いた。歴史的に見て、売却した会社は、全米個人市場において、特に自動車保険や住宅総合保険を担保範囲と
した個人向け損害保険商品の組成販売を行っていた。
2004年4月1日には、当社はコネチカット州に所在地を有するシグナ・ライフ・インシュアランス・カンパ
ニー、登録投資顧問であるグローバル・ポートフォリオ・ストラテジーズ・インク及び登録ブローカー・
ディーラーであるシグナ・ファイナンシャル・サービシズ・インクの株式を買収した。さらに、シグナの貯蓄
金融子会社であるシグナ・バンク・アンド・トラスト・カンパニーF.S.B.は当社の貯蓄金融子会社であるザ・
プルデンシャル・セービングス・バンクF.S.B.と合併された。シグナ・ライフ・インシュアランス・カンパ
ニーはその後プルデンシャル・リタイアメント・インシュアランス・アンド・アニュイティ・カンパニーに名
称を変更した。2006年の第1四半期に、買収したシグナの退職金事業の統合は実質的に完了した。
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2006年6月1日に、当社はオールステート・コーポレーション(「オールステート」)の変額年金保険事業
を総額635百万ドルの再保険取引を通じて買収した。当該買収は当社の規模を拡大し、米国における第三者に
よる販売能力(オールステートの代理店の営業部隊である約15,000名の独立契約者及び金融専門家を通した、
独占的販売網を含む。)も拡大した。オールステートから買収した変額年金保険事業の統合は、2008年度第2
四半期に完了した。
2007年に、当社はユニオン・バンク・オブ・カリフォルニアの退職金事業の一部を買収し、当社の退職金事
業に統合した。この買収により、資産残高72億ドルの、20の確定拠出プラン及び600の確定給付型年金プラン
が当事業に追加された。
2007年に、当社のライフ・プランナーの第一グループはメキシコで生命保険商品の販売を開始した。また、
当社は不動産事業の大手グループであるDLFグループとの合弁事業を通して、インドの生命保険市場に参入し
た。
2008年10月10日、当社は、役員手当ソリューション及び金融戦略(非適格役員手当制度の運営を含む。)の
提供会社であるマリンTBG・インシュアランス・エージェンシー・サービシズLLC及び関連会社を買収した。こ
の買収により、当社の商品提供の幅が拡大し、営業及び販売網も拡張し、適格及び非適格退職給付制度及び繰
延報酬制度の両方を提供する唯一のサービサーとしての当社の地位が向上した。
2009年12月31日に、当社はワコビア・セキュリティーズの合弁事業に対する少数持分を、現金45億ドルで
ウェルズ・ファーゴに売却した。
2011年2月1日に、当社はアメリカン・インターナショナル・グループ・インク(「AIG」)から、エイア
イジー・スター生命保険株式会社、AIGエジソン生命保険株式会社及びその他AIG子会社の一部の買収を完了し
た。買収総額は約48億ドルであり、その内訳は、約42億ドルの現金及び6億ドルの第三者に対する負債の引受
であった。
2011年7月1日に、当社はグローバル・コモディティ事業を419.5百万ドルでジェフリーズ・グループ・イ
ンクに売却したことを発表した。
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2011年12月6日に、当社はデラウェア州の有限責任会社である、BRPSエルエルシー(「BRPS」)及びオンタ
リオの会社である、ブルックフィールド・アセット・マネジメント・インク(BRPSと総称して「ブルック
フィールド」という。)と売買契約を締結し、当該契約に従って、当社の不動産売買仲介フランチャイズ及び
リロケーション・サービス事業をブルックフィールドに売却した。当該取引において、当社は、プルデンシャ
ル・リアル・エステート・アンド・リロケーション・サービシズ・インク(「PRERS」)の全株式資本を売却
した。PRERS及びその子会社は、当社の不動産売買仲介フランチャイズ及びリロケーション・サービス事業を
構成していた。
2012年11月1日に、当社はゼネラル・モーターズの約110,000名の有給退職者の退職者年金給付義務の譲渡
を完了したことを発表した。当該契約に基づき、当社は団体年金契約の購入について、約250億ドルの保険料
を有給従業員のためのゼネラル・モーターズ退職金制度より受領した。2013年1月1日より、当社はこれらの
退職者に対する支払の管理を開始する。
2012年12月10日に、当社はヴェライゾン・マネジメント・ペンション・プランが、当該プランの年金負債の
約75億ドルを支払うために、一時払い保険料団体年金契約を当社より購入したことを発表した。当該契約に基
づき、当社は、2013年1月1日より、ヴェライゾン・マネジメント・ペンション・プランの約41,000名の参加
者に対して将来年金を支払う義務を取消不能な形で引き継いだ。
2013年1月2日に、当社は再保険取引を通じて、ハートフォードの個人生命保険事業を買収したことを発表
した。当社は、契約高約1,350億ドルに上る約700,000件の生命保険契約について、主に再保険を提供するため
の受再手数料の形式で、615百万ドルの現金対価を支払った。
2015年1月2日、当社とクラスB株式の株主らとの間で2014年12月1日に締結された株式買戻契約に基づ
き、当社は現金購入価格総額651百万ドルに相当するクラスB株式すべてを購入し消却した。その結果、自己
株式であるクラスB株式は抹消され、「利益剰余金」の484百万ドルの減額及び「追加資本準備金」の167百万
ドルの減額をもたらした。当該株式買戻契約の規定に従い、クラスB株式の株主らはその後、購入価格の計算
に異議を唱える権利を行使した。この紛争は2016年第1四半期中に解決され、その結果、現金購入価格は119百
万ドルに増額され、総購入価格は770百万ドルとなった。現金購入価格の増額により、それに対応する「利益
剰余金」は減額となった。
2016年3月、当社は、チリ建設協会の投資対象の子会社であるインベルシオーネス・ラ・コンストゥルクシ
オンS.A.(「ILC」)からのチリの退職金サービスの大手供給業者である退職金資金運営会社(「AFPハビタッ
ト」)の間接保有持分40%の買収を完了した。当社は1株当たり899.90ペソを支払い、株式取得日の為替相場
に基づき、総購入価格は約532百万ドルとなった。当社及びILCは現在、共同持株会社を通じてAFPハビタット
の間接の支配権を等分に保有する。当社の投資は持分法で計上され、「その他の資産」として記録されてい
る。この買収により、当社は成長中のチリの年金市場に参入が可能となる。
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(2) 当社の日本における沿革
当社は、日本において以下に掲げる子会社を有している。
社名 所在地/設立年
1. プルデンシャル生命保険株式会社 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
プルデンシャルタワー
設立: 1987年
2. PGIMジャパン株式会社 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
プルデンシャルタワー
設立: 2006年
3. ジブラルタ生命保険株式会社 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
プルデンシャルタワー
設立:1947年(2001年に買収)
4. プルデンシャル・ジブラルタエージェンシー株式 所在地:東京都品川区西五反田2-15-7
会社 設立: 1976年
5. 株式会社協栄年金ホーム 所在地:千葉県流山市東深井948
設立: 1965年
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社名 所在地/設立年
6. PGビジネス・サービス株式会社 所在地:東京都豊島区東池袋4-24-3
設立: 1974年(2011年に買収)
7. プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパ 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
ン株式会社 プルデンシャルタワー
設立: 2001年、2009年に組織変更
8. 株式会社PGI 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
プルデンシャルタワー
設立: 1963年(2002年年に現在の事業を開始)
9. 株式会社三栄収納サービス 所在地:東京都豊島区東池袋4-24-3
設立: 1981年
10. PG収納サービス株式会社 所在地:東京都豊島区東池袋4-24-3
設立: 1978年(2011年に買収)
11. プルデンシャル・ジェネラル・サービス・ジャパ 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
ン有限会社 プルデンシャルタワー
設立: 2006年
12. PGIMリアル・エステート・ジャパン・リミテッド 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
プルデンシャルタワー
設立: 2007年
13. プルデンシャル・システムズ・ジャパン有限会社 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
プルデンシャルタワー
設立: 2008年
14. プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
プルデンシャルタワー
命保険株式会社
設立: 1955年(2009年に買収)
15. PGIMリアル・エステート・ファイナンス・エルエ 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
ルシー プルデンシャルタワー
設立: 2008年(米国デラウェア州にて設立)
16. 株式会社CLIS(35%はIBM株式会社が保有) 所在地:東京都品川区南大井6-26-1 大森ベルポートA
館
設立: 1990年(2011年に買収)
17. ロックストーン株式会社 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
プルデンシャルタワー
設立: 1963年
18. JREF合同会社 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
プルデンシャルタワー
設立: 2016年
19. プルデンシャル信託株式会社 所在地:東京都千代田区永田町2-13-10
プルデンシャルタワー
設立: 2015年
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プルデンシャル・ファイナンシャル・インク(E05916)
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日本における歴史
1979年 ザ・プルデンシャル・インシュアランス・カンパニー・オブ・アメリカが、ソニー株式会
社と合弁事業を開始。
1981年4月 ソニー・プルデンシャル生命保険が業務を開始。
1987年10月 プルデンシャルが合弁事業を撤退し、本店所在地を東京とする完全子会社、プルデンシャ
ル生命保険株式会社(プルデンシャル日本法人)を設立。
1988年4月 プルデンシャル日本法人が全国10ヶ所に販売代理店を構えて業務を開始。
2001年2月 東京本店に加え、プルデンシャル日本法人は、46の支社と合計2,800名の従業員を有する。
2001年4月 東京地方裁判所の認可により更生手続中の協栄生命保険株式会社を取得し、ジブラルタ生
命保険株式会社(「ジブラルタ生命」)と社名変更
2007年3月 米国法人の支店であったプルデンシャル・セキュリティーズ・ジャパンは、日本法人であ
り、プルデンシャル・セキュリティーズ・ジャパンの完全子会社であるプルデンシャル証
券株式会社に現地法人化した。
2007年6月 当社は当社の子会社であるプルデンシャル・エクイティ・グループ・エルエルシーのそれ
を含む、プルデンシャル・エクイティ・グループの株式調査、販売及び取引事業からの撤
退を発表した。
2007年12月 当社の子会社であるプルデンシャル・インベストメント・マネジメント・インクは、日本
における新たな法人を取得し、プルデンシャル・リアルエステート・インベスターズ・
ジャパン株式会社として届け出たことを発表した。その後、商号をPGIMリアル・エステー
ト・ジャパン・リミテッドに変更。
2008年5月 プルデンシャル・システムズ・ジャパン株式会社を設立した。
2009年3月 大和生命を買収。大和生命はジブラルタ生命の完全子会社である。その後、大和生命の商
号をプルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険会社に変更。
2009年4月 プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン株式会社(「PHJ」)はプルデンシャル
日本法人及びジブラルタ生命の規制保険持株会社になった。
2011年2月 プルデンシャル・ファイナンシャルは、エイアイジー・スター生命保険株式会社(「ス
ター」)及びAIGエジソン生命保険株式会社(「エジソン」)をアメリカン・インターナ
ショナル・グループ・インクから買収した。両社ともジブラルタ生命の完全子会社であ
る。
2012年1月 スター及びエジソンは、ジブラルタ生命に吸収合併された。
2015年9月 日本における新会社であるプルデンシャル信託株式会社を設立した。
2016年12月 ファイナンシャル・アシュアランス・ジャパン株式会社は、PHJに吸収合併された。
2018年4月 2018年4月4日、さつき株式会社はPGインシュアランス・サービス株式会社に吸収合併さ
れた。
2019年6月 2019年6月1日、PGインシュアランス・サービス株式会社はプルデンシャル・リアルエス
テート・マネジメント有限会社に吸収合併され、商号を株式会社PGIに変更。
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3 【事業の内容】
概要
プルデンシャル・ファイナンシャル・インクは米国、アジア、欧州及びラテン・アメリカで事業を行う、運用資
産約1兆3770億ドル(2018年12月31日現在)を有する大手金融サービス会社である。当社は、子会社、関連会社を
活用し独自の流通ネットワーク及び第三者流通ネットワークを通じて、生命保険、年金、退職金関連商品及びサー
ビス、ミューチュアル・ファンド及び投資運用などを含む広範囲の財務商品・サービスを個人顧客、法人顧客に提
供している。当社の本社機構はニュージャージー州ニューアーク市にあり、当社の普通株式はニューヨーク株式市
場において「PRU」のティッカーシンボルで取引されている。
2001 年12月18日、プルデンシャル・インシュアランスは保険契約者が所有する相互会社から株式会社へと組織変
更を行い、プルデンシャル・ファイナンシャルが全額出資する子会社となった。株式会社化はプルデンシャル・イ
ンシュアランスの組織変更計画に基づいて実行され、この再編計画の実行にあたっては、「クローズド・ブロッ
ク」と称する法制上の機構を設置運用することが必要であった。クローズド・ブロックには、 有効な利益配当型保
険及び年金商品、これらの商品について 保険契約者配当を支払うための資産並びに関連する資産及び負債が含まれ
る。
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当社の主な事業は、7セグメントを含む5部門、全社及びその他業務にて構成されている。PGIM部門は当社PGIM
セグメント(元・「投資管理」セグメント)にて構成されている。米国ワークプレイス・ソリューション部門は退
職金及び団体保険の各セグメントにて構成されている。米国個人ソリューション部門は、個人年金保険及び個人生
命保険セグメントにて構成されている。国際保険部門は、国際保険セグメントにて構成され、クローズド・ブロッ
ク部門は当社のクローズド・ブロック・セグメントにて構成されている。当社の全社及びその他業務は、撤退した
若しくは今後撤退し若しくはランオフする特定の事業セグメントに割り当てられない全社の項目 及び イニシアチブ
を含む。各セグメントの総売上高、損益計算、資産総額については、連結財務書類の注記21を参照のこと。
当社の戦略は、優良な保障、退職金及び投資管理事業の当社事業構成を軸としている。この事業構成は、収益の
多様化に基づく成長の可能性、事業の区分を超えた総合的ソリューションを顧客に提供する機会、バランスの取れ
た リスク・プロファイルによる給付金 をもたらすものである。当社は、(当社の米国ワークプレイス・ソリュー
ション部門及び米国個人ソリューション部門に代表される)当社の財務健全性事業、PGIM事業(当社の投資管理事
業)並びに国際保険事業を通じて、顧客のニーズに応え、重要な市場機会を活用するために格好の立場にある。当
社は、当社のますます重要性を増している当社の財務健全性事業を通じて、個人顧客、ワークプレイス顧客及び社
会一般の進化するニーズに対応する機会に直面している。当社はこの戦略を実行するための重要な要素を有してい
る。この要素には、2千万人の個人を対象とするワークプレイス・プラットフォーム、保障、退職金、貯蓄、収入
及び投資ニーズをカバーするソリューション、並びに様々な方法(当社 ファイナンシャル・アドバイザーを交えた
ミーティング、アドバイザーとの電話又はテレビ会議、又はデジタル方式による当社とのやり取り等 ) で顧客と関
わる顧客中心のアプローチなどが含まれる。当社の目的は、顧客が望む時に、望む場所で、望む方法で顧客のニー
ズに応えることである。技術と当社の規模を活用することで、当社はターゲット市場を大幅に拡大し、顧客及び得
意先との間のより深く長期的な関係を築き、これら顧客及び得意先の財務健全性に有意義な変化をもたらすことを
目指している。
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PGIM セグメント
PGIM セグメントは、上場及び未上場債券、上場株式及び不動産、商業用モーゲージ貸付のオリジネーション及び
サービス並びにミューチュアル・ファンド及びその他のリテール・サービスに関連する資産運用サービスを、
ミューチュアル・ファンドを含む機関投資家、個人顧客及びサブ・アドバイザリー顧客、保険会社特別勘定、ファ
ニーメイ、連邦住宅局及びフレディマックなどの政府主催の団体、並びに当社の自己勘定に対して提供している。
商品
当社の商品及びサービスは、次の8つの事業を通じて提供されている。
PGIM 債権等
PGIM債券は、コア・コンサーバティブから相対価値ヘッジファンド戦略に至るまで、すべての債券市場における
アクティブ資産運用サービスを提供している。
ジェニソン・アソシエイツ
ジェニソン・アソシエイツは一連の優良債券を対象とするアクティブ・ファンダメンタル株式・債券資産運用
サービス並びに成長、価値、ブレンド、グローバル及びスペシャリティ・エクイティ戦略を提供している。
QMA
QMAは定量的投資アプローチによるエクイティ及びマルチアセット・ソリューションを提供している。
プルデンシャル・キャピタル・グループ
プルデンシャル・キャピタル・グループは投資適格、高利回りの私募債及びメザニン型債券を含むリスク領域に
渡る私募債による企業金融サービスを提供し、投資家に様々な商品を提供している。
PGIM リアル・エステート・ファイナンス
PGIMリアル・エステート・ファイナンスは、商業担保ローン組成及び資産運用サービスを提供している。
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PGIM リアル・エステート
PGIMリアル・エステートは、ローカル・マーケット及び広域マーケットに関する深い知識を活用して公開及び非
公開の不動産持分投資サービスを提供している。
PGIM インベストメンツ
PGIMインベストメンツは、主に、米国の個人向け市場及び欧州の個人向け市場におけるPGIMの自己勘定の資産運
用経験を生かして投資運用商品の組成、販売、サービスを行っており、広範囲の投資スタイルと目的をカバーする
個人向け投資商品を提供している。
PGIM グローバル・パートナーズ
PGIMグローバル・パートナーズは、台湾で資産運用事業を営み、中国、インド及びイタリアにおいて資産運用運
営合弁事業の持分を保有している。これら事業はそれぞれ、個人及び法人の投資家及び顧客にミューチュアル・
ファンドを提供している。
また、第三者投資家に提供するファンドの設立及び管理をサポートするため、初期投資及び共同投資を行ってい
る。その他の戦略的投資は当社の自己勘定を含む投資家に対する売却若しくはシンジケートを組織するために行わ
れ、若しくは当社が提供し運用するファンドや仕組み商品の私募のために行う(初期投資)。また、当社は、投資
家によるエクイティコミットメント又はファンドの資産によって担保された当社運用のファンドに対して、短期
ローンを提供し、保証している。
マーケティング及びディストリビューション
当社は主に次の経路を通じて商品を提供している。
機関投資家向け
独立したマーケティング及び顧客サービスチームを有するPGIMの各事業の自己勘定販売部隊。
・各国の大手機関との関係を構築し、当該機関にPGIMの広範な能力を紹介するPGIMの機関投資家リレーション
シップ・グループ。
・退職金セグメントを通じた機関投資家向け資産運用サービス。
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個人投資家向け
・プルデンシャルの他の事業セグメントと関連する販売網で管理する資産。
・当社の投資オプションを商品及びプラットフォームに組み込んでいる第三者ネットワーク及び商品メーカー/
販売業者 。
・プルデンシャル・アドバイザーズの認可を受けた販売専門職、プルデンシャルの全国的な自己勘定販売組織。
一般勘定
・当社一般勘定のために様々な資産クラスに渡る投資管理サービスを提供。
収益及び収益性
当社の主な収益源は以下のとおりである。
・通常、運用資産のパーセンテージに基づき計算される資産運用手数料。一定の資産運用の取決めにおいては、
運用資産に対する利益が一定のベンチマーク又はその他の業績目標を超えた場合に業績に基づいたインセンティブ
報酬を受け取る場合もある。
・主に不動産及び未上場債券に関する一定のファンドにおいて、資産の売買に関連する取引価格のパーセンテー
ジに基づき支払われる取引手数料。
・戦略的投資からの投資利益
・商業用モーゲージ貸付組成・サービシング事業の収益。
当社の収益性は以下に大きく影響を受ける。
・マクロ市場の動向(例:金利及びエクイティ市場の業績)
・目標水準を超える投資収益を達成する当社の能力
・顧客の投資を引き寄せ、維持する当社の能力
競争
投資管理セグメントは、多数の資産運用業者及びその他の金融機関と競争している。当社の投資管理商品におい
て、当社は、投資実績、投資戦略及び投資プロセス、能力、組織としての安定感並びに顧客との関係など複数の要
因によって競争している。
当社は、各商品分野又は資産クラスの価値を高めるために設計されたアプローチを採用する特別な投資チームに
より、様々な資産クラスに商品を提供している。組織としての安定性及び強固な機関投資家向け及びリテール事業
により、顧客に投資利益を提供するために必要な才能ある人材を引き寄せ、維持することができている。当社の私
募発行及び商業用モーゲージ事業は価格、条件、出来栄え及び借主との関係の強度により競争している。
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退職金セグメント
退職金セグメントは、公共団体、民間団体及び非営利セクターにおける退職金プランのスポンサーに対して退職
金投資及び退職年金商品及びサービスを提供する。
商品
フル・サービス
・確定拠出、確定給付及び非適格退職金制度の設計、実施及び運営を支援する幅広い商品及びサービス
・退職金制度スポンサーの受託義務管理を支援するための、契約者情報記録業務及び管理サービス、保険統計顧
問サービス、顧客に応じた参加者教育及びコミュニケーションサービス、総合的な投資の案内及びコンサルティン
グ・サービス
・幅広い一般及び分離勘定のステーブル・バリュー型商品、その他の報酬ベースの商品(これを通して、顧客の
資金は分離勘定、小口のミューチュアル・ファンド及び機関投資家向けファンドに預けられている。)又は関連会
社若しくは関連会社以外の投資顧問が助言している銀行合同運用型ファンド、合成保証型投資契約、並びに最低引
出保証特約商品を含む投資商品
機関投資家向け商品
・ 支払年金 一般的に参加者の生涯にわたって予測可能な月次所得を提供する商品
・年金リスク移転商品 年金制度スポンサーを対象に発行する無配当団体年金契約であり、当社は、通常、開
始時に一時払いで支払われる保険料に対して、当該制度の一定の参加者グループに関連する投資リスク及び保険数
理計算上のリスクを制度スポンサーから引き継ぐ。
・年金リスク移転商品 第三者が保証した年金制度の長命リスクを保証する長命リスク再保険契約。これら商
品の保険料は通常、始期の一括払いではなく契約期間にわたって支払われる。
・仕組み決済、任意所得商品及びその他の団体年金を含むその他の商品。
・ ステーブル・バリュー型投資商品 当社の義務が当社の一般勘定により保証される商品で、当社は商品に応じ
た投資及び資産/負債管理リスクの一部又は全部を負担する。
・投資専門商品 これら商品は、機関投資家向けの資本市場及び適格制度において使用する。これには主に、
顧客が所有する信託に顧客資金が保有され投資結果を顧客に引き渡す報酬ベースのラップ商品が含まれる。当社は
一般勘定により保証された最小限の金利保証によって報酬収益を受け取る。
・元本・利回り保証投資契約及び融資契約 当該商品には、指定されたレートでの利息を払って、契約満了若
しくは契約終了時に元本を返還する義務が含まれる。
・一般勘定及び分離勘定ステーブル・バリュー型商品 当該商品は、一定の期間について一定のレートの利息
を支払うことが義務づけられており、徐々に口座残高を又は契約の終了時に市場価格で返済することが義務づけら
れている。これらの商品は全部若しくは一部利益配当型であり、年次若しくは半期での金利見直し(契約上の一定
の下限の対象となる。)がその前の投資実績及び商品によってはその他の要素に影響を与える。
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マーケティング及びディストリビューション
当社は主に次の経路を通じて商品を提供している。
フル・サービス
・自己勘定販売及びサポートチーム
・第三者ファイナンシャル・アドバイザー、ブローカー、給付コンサルタント及び投資コンサルタント
・制度スポンサーへの直接提供
機関投資家向け商品
・保険数理計算人及び第三者のブローカーを通じて販売される年金リスク移転商品
・第三者の専門ブローカーを通じた仕組決済方式商品
・当社のフル・サービス事業の確定拠出部門から制度スポンサーへ直接販売される任意所得商品及びその他の団
体年金
・自己勘定販売部隊及び第三者の仲介業者を通じて販売されるステーブル・バリュー型商品
引受及び価格設定
当社の収益には主に以下のものがある。
・保険契約、再保険契約及び終身年金契約の保険料
・契約者情報記録業務及びその他の総務サービス並びに当社が提供する投資商品(報酬ベースのステーブル・バ
リュー型商品を含む。)に関連する契約賦課金及び報酬収益。契約賦課金及び報酬収益は主に積立金残高及
び/又は契約者の数に基づく。
・(特定のステーブル・バリュー型商品の付与利息と関連費用の純スプレッドを拠出する)投資収益
当社の収益性は当社商品の価格設定を適切に行う当社の能力に大きく影響を受ける。当社は、当社の商品の価格
設定を以下に基づいて行っている。
・当社のフル・サービス及び機関投資家向け商品の投資環境や当社のリスク、報酬、費用、利益率目標を考慮し
た当社の価格設定モデル
支払年金分野における商品については、当社のモデルは死亡率及び、該当する場合には、早期退職リスクに関す
る仮定条件を採用している。これらの仮定条件は、特定の市場においては予測がより難しい場合があり、実績と価
格設定の間に隔たりがある場合には、当該商品の収益性にも影響を与える場合がある。
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当社の投資専門のラップ商品について、当社の価格設定リスクは、いくつかの特性によって軽減される。
・契約に基づき、当社は付与利率の見直し(最低利率を0%とする。)及び報酬の値上げができること;
・参加者が契約に基づき簿価で資金を引き出すことができるが、契約者による引き出しは即時に市場価格で又は
一定期間中に簿価で行われること;
・当社の義務はファンド価値を超過した部分の支払いに限定されていること。
競争
当社は、他の巨大大手保険会社、資産運用業者、レコードキーパー及び様々な金融機関と競争している。
フル・サービス 当社は主に以下に基づいて競争している。
・価格設定
・サービス及び投資提供の幅
・当社従業員の専門性
・投資実績
・顧客の退職給付金のニーズに適った商品提供能力
競争、契約上の報酬収益の制限、仲介業者及び業界全般での標準的かつ一貫した報酬の開示を要求する規制など
の影響により、当社に対する価格圧力は高まる一方、この事業は近年高い契約継続率を誇っている。
機関投資家向け商品 当社は主に以下に基づいて競争している。
・価格設定及び組成能力
・革新的な商品ソリューションを提供する能力
・大規模な取引を成功させる能力
機関投資家向け投資商品の販売は、投資業績、会社の信用及び財務力格付、商品デザイン、市場の見通し、販売
能力、手数料、保証利率及び顧客サービスなどの競争要因によって影響される。当社は制度スポンサーに対する革
新的な年金リスク管理ソリューション及びステーブル・バリュー型ラップ商品市場のリーダー企業としての地位を
確立した。この年金リスク移転市場は、今後も当社の専門性にマッチした魅力的なビジネス・チャンスになるであ
ろうと考えている。
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団体保険セグメント
当社の団体保険セグメントは、米国内において主として従業員用及びアフィニティー・グループ関連として機関
投資家向けに団体生命保険全般、長期、短期の団体所得補償保険、法人向け、銀行向け、信託向け団体生命保険を
提供している。当セグメントはこの他事故による死亡、傷害などの補助的損害保険の販売や、保険担保範囲に関連
する企画管理サービスの提供も行っている。
商品
団体生命保険
・雇用主支払及び従業員支払の定期生命保険、団体ユニバーサル保険、団体変額ユニバーサル生命保険、基本及
び任意の死亡・傷害保険、重症疾患保険及び傷害保険商品
・従業員支払保険は、多くの場合、転退職時に保険を継続できるようにしている。また、認められている疾患に
契約者が罹患した場合、保険料が免除される保険料免除のシステムも提供している。
・当社の団体法人・銀行・信託所有生命保険は、分離勘定を利用した団体変額生命保険契約である。当該商品
は、通常、大企業が繰延報酬制度及び退職者給付計画に対する資金調達に利用する保険である。
団体所得補償保険
・病気や傷害に対する収入補償を行う短期、長期の団体所得補償保険。短期団体所得補償保険は一般的に週単位
で給付金を、3ヶ月から6ヶ月間提供し、長期団体所得補償保険は毎月支払われ、待機期間経過後に給付金の支払
を開始し、一般的に契約者が復職又は通常の退職年齢に達するまで継続する。
・保険制度管理サービス及び休職管理サービス
マーケティング及びディストリビューション
団体保険は、主に市場別に組織された 自己勘定販売部隊 通じて商品を提供しており、併せて従業員給付制度のブ
ローカーやコンサルタントを通じて販売を行っている。
引受及び価格設定
当社の収益には主に以下のものがある。
・当社の団体生命保険及び所得補償保険商品の保険料並びに契約賦課金
・(当社商品の付与利息と関連費用の純スプレッドを拠出する)投資収益
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有価証券報告書
当社の収益性は当社商品の価格設定を適切に行う当社の能力に大きく影響を受ける。当社は、当社の商品の価格
設定を以下に基づいて行っている。
・当社、業界及び/又はその他過去の実績に基づいた引受実務及び標準料率システム。当社は、保険契約申込人
グループのリスク・プロファイルの評価を行うが、任意の商品又は保険は個別での引受が必要となることがある。
当社はいかなる個人契約の申込みについても受け入れ義務は負っておらず、保険契約申込人に対し保険適格である
という証拠の提出を要求することもできる。
・個々の商品の特約事項にもよるが、死亡率及び罹患率、金利及び費用の想定値を使用して計算する予測給付金
支払率に基づく。当社の多くの団体保険においては、複数年にわたる保障を提供しており、収益性の変動の原因と
なる場合がある。実績ベースの 収益規定のある 一部の契約については、最終保険料は該当する契約者の過去1年間
の実際の経験料率を反映して調整される。これらの契約については、保険契約者が保険期間にわたり保険金請求実
績変動に関連するリスクの一部を負担し、一部の給付を受け取り、これにより収益性の変動は少なくなる。
競争
当社は、成熟した市場における他の巨大大手生命保険・健康保険業者と競争している。当社は主に、ブランド知
名度、サービス能力、顧客関係、財務健全度、商品提供の幅及び価格によって競争している。団体保険商品の価格
設定は、市場における多数の競合企業を反映している。当社の保険料の大部分は、 5,000 名以上の個人被保険者を
有するような、大企業、アフィニティー・グループ又はその他の団体によるものであり、当社はこれを全米セグメ
ントと呼んでいる。当社はまた、 100 名から5000名の従業員を擁する機関の顧客ベースの拡大を目指しており、こ
れをプレミア・セグメントと呼んでいる。 雇用主がコスト管理を試み、給付に関する決定及び資金調達を職場で付
与される給付を引き続き重要視している従業員にシフトしている中で、従業員支払保険は重要である。当社の収益
性は任意保険市場に一部依存しており、これは将来の雇用率及び報酬率により影響を受ける。
個人年金保険セグメント
当社の個人年金保険セグメントは、主に米国の一般富裕層(投資可能資産又は年収が10万ドルを超える世帯)及
び富裕層(投資可能資産が25万ドルを超える世帯)を対象に個人変額年金保険及び定額年金保険商品を組成し販売
している。当社は革新的な商品デザインとリスク管理戦略に注力している。
商品
当社は、幅広い保障ニーズ及び目的に応える様々な商品を提供している。
変額年金保険
・最高日次生涯給付(「HDI」)変額年金によるプルデンシャル・プレミア®退職金変額年金保険は、当該保険は最
高日次勘定価値及び複合支払猶予クレジットに基づく生涯所得を提供する。
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・プルデンシャル確定給付®(「PDI」)変額年金保険は、終身解約給付金の保証も提供しているが、契約者の投
資は分離勘定における個別保証サブアカウントに対する投資に制限される。PDIには生前給付特約が含まれ、払込
購入金額に対して、指定された終身引出率が定められており、当該比率は下記のとおり、実際に終身引出が開始す
るまで、年率で上昇するが、最高日次給付の特典はない。
・プルデンシャル・プレミア® 投資変額年金保険(「PPI」)は、当該年金は最低保証死亡給付オプションのあ
る繰延税金資産積立、年金化オプションを提供し、当該契約について支払われた購入全額から一部の解約金を差し
引いた金額を、契約者の死亡時に、契約者の受益者に返金することを保証している。
・レガシー・プロテクション・プラス(「LPP」)付プルデンシャル・プレミア®退職金変額年金保険は、最初の
保有者(若しくは企業が保有する場合は年金受給者)の死亡やロールアップ上限へ達した等の特定の事象が発生す
るまでの間に、事前に設定された利率で毎年ロールアップされた購入金額に基づき、当該保険は強化された死亡給
付オプションを提供する。LPPは、当社が提供するその他の生前給付又は死亡給付オプションと同時に選択するこ
とはできない。
定額年金保険
SM
・当社は2018年1月に、一時払い定額インデックス年金保険であるプル・セキュア を開始した。当該保険は全
部又は一部の契約残高を S&P 500 などの インデックスベース戦略に割り当てることができる。インデックスベース
戦略は、最低保証予定利率及び最高保証予定利率を設定するという契約規定を条件に、選択されたインデックス及
びその選択された期間(例えば、1、3若しくは5年間など)の業績に連動した金利又は金利部分(当該インデッ
クスに対する投資ではない。)を提供する。
SM
・2018年3月、当社は繰延給付年金である受取額保証付年金(「GIST 」)を開始した。各拠出金は、発行時に
契約保有者が選択した将来の日付に開始し一生涯継続する生涯給付の増額となる。
・ 一時払い即時開始年金である プルデンシャル即時開始年金(「PIIA」)は、定期的かつ継続的な給付金支払いを
提供する。支払いは保証され、変更はできず、流動性資産を提供する商品に保障される額より高額である。
マーケティング及びディストリビューション
当社の販売への取り組みは、内部及び外部のホールセラーによるサポートのもと、下記を含む様々な販売業者に
よって行われている。
・第三者ブローカー・ディーラー
・銀行及び証券会社
・独立金融プランナー
・プルデンシャル・アドバイザーズと関連する金融専門家、プルデンシャルの全国的な自己勘定販売組織を含む
金融専門家
・(特に当社GIFT商品に関して)当社のグループ保険事業及びインターネットを通じた直接の勧誘
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引受及び価格設定
当社の収益には主に以下のものがある。
・資産運用報酬からの報酬収益、及び自社及び他社ミューチュアル・ファンドからの営業サービス費用及び販売
手数料などのサービス手数料。資産運用報酬は、変額年金保険商品における当社の自社ミューチュアル・ファンド
の平均資産の一定のパーセンテージとして決定される(他社ファンドの副投資顧問費用を除く)。
・年金分離勘定残高における日ごとの平均純資産価額、勘定価値、保険料、若しくは保証価格に基づき各種保険
関連オプションや特約の死差益及び経費及びその他の手数料などの契約賦課金及び報酬収益
・(特定の当社商品の付与利息と関連費用の純スプレッドを拠出する)投資収益
当社の収益性は当社商品の価格設定を適切に行う当社の能力に大きく影響を受ける。当社は、当社の商品の価格
設定を以下に基づいて行っている。
・リスクの評価及び適用されるヘッジ及び再保険費用を含むリスク管理戦略。
・競争及び契約継続率(契約が効力を保持する確率)や、生前給付特約オプション付き契約については、給付の
利用及び解約のタイミング及び効率などを含む投資収益や契約者の行動に関する仮定条件やその他の仮定条件。
競争
当社は、業界最大手の個人年金保険提供業者の一つであり、革新的な商品特性を提供できる能力によって、他の
退職貯蓄及び積立商品の提供会社(保険・金融サービスの一流大手企業を含む。)と競合している。当社の競争優
位性は、革新的な商品特性及び当社のリスク管理戦略、並びにブランド知名度、財務力、販売網の範囲及び当社の
顧客へのサービス能力にあると考えている。
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個人生命保険セグメント
個人生命保険セグメントは、主として米国の一般市民層(投資可能資産が2万5千ドルを超える又は年収が5万ド
ルを超える世帯)、一般富裕層(投資可能資産又は年収が10万ドルを超える世帯)及び富裕層(投資可能資産が25
万ドルを超える世帯)向けに、定期保険、変額生命保険及びユニバーサル生命保険商品の組成、販売を行ってお
り、個人、家族及び事業を守るための生命保険ソリューションを提供し、また不動産・資産移転計画をサポートす
ることに注力している。
商品
当社は、幅広い保障ニーズ及び目的に応える様々な商品を提供している。
定期生命保険 税が優遇される保証死亡給付付きの一定の年数の保険。
・当社の定期生命保険のほとんどは、非課税の死亡給付、平準保険期間中変わらない保険料保証、及び保険契約
者が末期患者となった場合に契約者をサポートするために存命中に死亡給付を受給する権利を提供する。
・当社の定期生命保険のほとんどは、保険契約者の希望により当該保険契約を、場合によっては契約者を生涯保
証する終身生命保険に切替えることが可能な切替えオプションがついている。
変額生命保険 基礎投資オプションに基づき解約払戻金を累積することができる終身保険。
・当社の変額生命保険は、保険契約者による保険料支払の金額及びタイミングを選択できる柔軟性、並びに50を
超える基礎投資オプション又は固定金利オプションを通じて解約払戻金を累積することができる可能性を保険契約
者に提供している。
・当社は3種類の変額生命保険を提供しており、当該変額生命保険は、死亡給付に加えて、適度なリスクによる
保障、高いリスクを伴う成長又は遺贈といった異なる目的を優先して調整される。
ユニバーサル生命保険 解約払戻金を累積することができる終身保険。
・当社のユニバーサル生命保険は、保険契約者による保険料支払の金額及びタイミングを選択できる柔軟性、並
びに最低保証予定利率を条件として当社が決定する付与利率に基づき利息を得る口座に解約払戻金を累積すること
ができる可能性を保険契約者に提供している。
・保証付ユニバーサル生命保険は解約払戻金不足により失効するような場合も有効に存続することを保証してい
る。
・物価指数連動型ユニバーサル生命保険は、一定の加入率並びに最低保証予定利率及び最高保証予定利率を条件
として、S&P 500 ® インデックス業績に連動した(これに対する投資ではない)解約払戻金の付与利息を1年間提供
する。
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マーケティング及びディストリビューション
当社は主に次の2つの経路を通じて商品を提供している。
・ 第三者による販売
・独立ブローカー
・銀行及び証券会社
・総代理店及びプロデューサー・グループ
・ プルデンシャル・アドバイザーズ
・プルデンシャルの生命保険、年金保険及び独自の又は一般的な投資オプションのある投資商品並びに他社の
特定保険商品及び投資商品を販売するプルデンシャルの全国的な自己勘定販売組織。
・証券会社及び投資顧問会社として登録されている、プルコ・セキュリティーズ・エルエルシーを通じて、株
式売買口座、一任勘定及び非一任勘定投資助言プログラム及びファイナンシャル・プランニング・サービスなどを
含む、個人向けの証券業務及び個人向けの投資助言業務を提供している。
・顧客との関係を中心としたソリューション指向のビジネスモデルを引き続き実施する一方、全国的にプルデ
ンシャルのブランド・プロミスを強化し推進する。
・プルデンシャルの他の事業セグメントから各事業セグメントの商品の販売のための市場に基づく引当金を受
け取る。これは連結時にセグメント間で消去される。
引受及び価格設定
当社の収益には主に以下のものがある。
・固定又は保険契約の条件に応じて柔軟な保険料。
・契約賦課金、並びに有効な契約及び/又は資産に基づく報酬から成る報酬収益。
・(当社商品の付与利息と関連費用の純スプレッドを拠出する)投資収益
当社の収益性は当社商品の価格設定を適切に行う当社の能力に大きく影響を受ける。当社は、当社の商品の価格
設定を以下に基づいて行っている。
・死亡率、罹患率、契約継続率、金利、費用、保険料支払パターン及び分離勘定ファンドの業績及び商品から生
じた課税控除並びに法定準備金を準備するための資金調達のレベル、コスト及びその利用可能性。
競争
当社は、成熟市場において他の巨大大手生命保険会社と競争している。当社は主に価格、引受のスピード及び容
易さを含むサービス、販売網、ブランド知名度及び財務力によって競争している。競合会社が多数存在するため、
価格競争は深刻である。
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当社は、市場と当社の戦略に基づき、定期的に商品の価格と内容を調整しており、これは個人生命保険事業のバ
ランスのとれた商品ポートフォリオによる、安定的で一貫した成長と、1つの商品タイプに集中することを避ける
こと目的としている。
国際保険セグメント
生命保険商品、退職金商品及び固定給付付きの個人傷害健康保険を開発し、ライフ・プランナー事業を通じて、
日本、韓国、台湾、ブラジル、アルゼンチン及びメキシコの一般富裕層及び富裕層市場に提供している。また、ジ
ブラルタ生命及びその他の事業に関連する銀行、独立系代理店及びライフ・コンサルタントを含む複数の販売網を
通じて、日本や、チリ、マレーシア、インド及びインドネシアの当社合弁事業、並びにガーナにおける当社の戦略
的投資において、広大な中流層及び一般富裕層市場に類似商品を提供している。
商品
当社の商品は以下の4種類に分類される。
生命保険商品 定額又は逓増保険や、定期又は終身の保険料支払いオプションを提供する、様々な伝統的な終身
生命保険商品が含まれる。また、当社では一定期間の保障を提供する逓増、逓減及び定額定期保険商品、並びに保
障指向の変額ユニバーサル生命保険を提供している。これらの保険商品の一部は米ドル建てであり、一部の商品は
死亡保険と一緒に健康保険又は貯蓄的な要素も加えた包括商品として販売されている。
退職金商品 定期生命保険に類する保険による保障と、あらかじめ定められた年齢から開始する生涯所得を組み
合わせている退職所得商品、顧客が選択した株式及び社債のポートフォリオに連動した金額保証のない保険金額を
提供する貯蓄型の変額ユニバーサル生命保険、並びに死亡又は保険の満期のいずれか早い時期に保険金額を支払う
養老保険が含まれる。
年金商品 主に、日本においてはジブラルタ生命事業が販売している米ドル及びオーストラリア・ドル建ての定
期年金商品であり、韓国においては当社のライフ・プランナー事業により販売されている韓国ウォン建て及び米ド
ル建ての変額年金商品である。円建て以外の商品は為替変動の影響を受けやすく、それぞれの国の金利レートの影
響も受ける場合がある。当社の定額年金商品の大半 は、契約が満期まで保有されない場合には、市場価格の調整が
要求される。
傷害及び健康保険商品 事故による死亡及び手足喪失、入院、手術、癌及びその他の致死性疾患に対する保険給
付を提供しており、しばしば特約として販売されており、独立した商品としては販売されていない。また、顧客が
該当する傷害を負った場合に保険料を免除する保険料払込免除の制度も提供している。
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独自の代理店モデル:
ライフ・プランナー 一般富裕層から富裕層の顧客及び中小企業にそのニーズに合わせた保護指向型の生命保険
商品を販売し、また中小企業に対して退職金関係の商品を販売することに注力している。当社の人材採用基準、教
育プログラム及び保障パッケージこそ当社ライフ・プランナー・モデルのキーポイントであると考えている。これ
により、ライフ・プランナー事業が高レベルのエージェント在籍率、エージェント生産性、契約継続率を誇ること
ができる。
ライフ・コンサルタント 当社のジブラルタ生命事業の提供商品を取り扱う独自の流通戦力である。この戦力は
重点的に、特にアフィニティー・グループとの関係を通じて、主に日本の広範囲の中流所得層を対象に個人保障商
品を提供している。ライフ・コンサルタント事業は変額報酬制度に基づいており、当該制度は、ライフ・コンサル
タントの在籍率、生産性の向上を図るとともに、当社のライフ・プランナー事業における保障プランにも類似させ
たものである。
第三者販売網:
銀行の販売網 主に、将来の貯蓄、早期の死亡に対する保障及び遺産計画給付を提供する生命保険商品、並びに
主に米ドル及び豪ドル建ての固定年金商品からなる。当社は、 銀行販売網を当社の中核的なライフ・プランナー及
びライフ・コンサルタントを通じた販売網の追加的なものとしてとらえている。銀行販売網を通じた日本における
売上の大部分は、単一の日本のメガバンクを通じたものである。しかし、当社は日本の4大銀行の各行及び地方銀
行とも提携しており、当社は引き続き当該販売網を通じた販売能力拡大の可能性を適宜追求する。
独立系代理店販売網 退職金給付のための保障商品及び高額解約返戻金商品を販売しており、また保護、医療
及び固定年金商品を含む様々な商品を、個人市場を通じて販売している。企業代理店及び独立系代理店を含むその
他の独立系代理店関係の組み合わせにより多様性を維持し、個人及び法人市場に安定的に重点を置く。
引受及び価格設定
当社の収益には主に以下のものがある。
-固定又は保険契約の条件に応じて柔軟な保険料。
-契約賦課金、並びに有効な契約及び/又は資産に基づく報酬から成る報酬収益。
-(当社商品の付与利息と関連費用の純スプレッドを拠出する)投資収益
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当社の収益性は当社商品の価格設定を適切に行う当社の能力に大きく影響を受ける。当社は、当社の商品の価格
設定を以下に基づいて行っている。
-一般的に商品提供や価格設定、サービス内容などに関して米国の保険規制よりも制限的な各地域の規制。各国
における国際保険の営業部門には、個々の保険契約のリスク引受に関する米国の慣行を調整適合させる引受部
門を用意している。当社は、現地の規制によって許容される範囲において、当社の商品の保険料及び契約賦課
金を予定死亡数及び罹病給付、解約払戻金、費用、必要準備金、金利、契約の継続率及び保険料払込パターン
に基づいて決定している。引受限度の設定にあたっては、それぞれの地域業界基準に配慮し、業界慣行とは異
なる選択を回避するとともに、業界の動向に順応するよう努めている。また、各国営業部門の再保険業者とと
もに引受限度の設定を行っている。
-各国の資本費用、リスク及び競争環境も考慮した上で、当該国の目標利益率を達成すること。当社の商品の収
益性は、経験死亡率、罹患率、費用及び投資実績と当初の価格設定の関連する仮定条件の差により影響を受け
る。その結果、当社の商品の収益性は期間ごとに変動する可能性がある。また、各国税法の改正なども収益率
に影響を与える場合がある。
競争
日本及び韓国の生命保険市場は、成熟した市場であり、厳しい価格競争が存在する。当社は主に価格で競争する
よりも、顧客のニーズに応じた販売、品質及び販売網の能力等の顧客サービス及び当社の財務体力で競争してい
る。アジアにおける人口統計の傾向によると、商品開発の機会が高まっており、人口のうち退職に備える人が増え
る中、貯蓄と所得補償を可能にする保険商品が販売されている。複数の補完的な販売網を有していることも当社の
強みである。しかし、販売人員及び第三者販売網の競争は極めて厳しいものである。
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全社及びその他業務
当社の事業セグメント及び撤退事業又は撤退若しくはランオフする予定の事業(クローズド・ブロック事業を除
く。)に割り当てられない項目及びイニシアチブが含まれる。クローズド・ブロック事業の業績は、特定の関連す
る資産及び負債と共に「クローズド・ブロック部門」として全社及びその他業務に含まれる撤退事業及びランオフ
事業とは別に報告される。
各事業
全社業務 主として(1) ビジネス・セグメントに入れることができない自社資本、(2) 事業セグメントに割り
当てることができない投資で、デッド・ファイナンス投資ポートフォリオ及び税額控除を含むもの並びに他のビジ
ネス・セグメントが出資する税効果投資、(3) 当社の自己資本要件及び関連金利費用を充足するために現在又は
将来使用される借入資本、(4) 事業セグメントに割当後の当社の適格及び非適格年金制度及びその他の従業員給
付制度からの収益及び費用、(5) 事業セグメントに割当後の法人レベルの活動(戦略的支出、コーポレート・ガ
バナンス、企業広報、慈善事業及び繰延報酬及び一定の臨時費用及び規制監督強化に関連するものを含む。)、
(6) 株式会社化前の契約者とのある種の債務、(7)中国における生命保険合弁事業の当社持分、(8) 資本保護の
枠組み、(9) 当社の国際保険セグメントにおける非米ドル建て利益をヘッジするために利用する外貨利益ヘッ
ジ・プログラム、(10) 当社PGIMセグメントにおける米ドル以外の通貨立ての特定の利益(固定相場ベース)の換
算のための企業間合意の影響 並びに(11) その他のセグメントとの取引(統合時の会社間取引の廃止を含む。)が
含まれる。
撤退事業及びランオフ事業 当社が売却した若しくは今後売却される事業(縮小対象の事業を含む。)で、米国
会計基準(「U.S.GAAP」)が定める「非継続事業」の経理処理に該当しない事業の業績が反映される。当社ではこ
の撤退事業の業績を調整済事業収入からは除外している。撤退事業及びランオフ事業には、以下の事業が含まれ
る。
- 長期介護保険 当社は2012年に個人及び団体長期介護保険商品の販売を打ち切った。これらの商品について
は、U.S.GAAPに基づき準備金を設定している 。 将来の 契約者給付金及び費用のための準備金を設定する場合、
当社は直近の損失計上日時点での最良推定値を使用して設定し、これには罹患率、死亡率、死亡率の改善、継
続率、費用及び金利等の仮定条件が含まれる。また当社の仮定条件には、想定される将来の 保険料引き上げの
タイミング及び金額並びに 契約者給付金の減額 の最良推定値も考慮しているが、州の規制当局の承認が必要で
ある。準備金には既報告未払保険金請求及び既発生未報告保険金請求が含まれる。
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- その他
・2018年、当社はポーランド子会社であるプラメリカを売却した。
・2018年、当社は、規制当局の承認及び通例のクロージング条件を前提として、イタリア子会社であるプラメ
リカを売却する最終的な契約を締結した。2019年2月、当該契約は終了し、当社は引き続き戦略的代替案を
模索している。
・2018年、当社はブラジルの資産運用合弁事業における少数株主持分を売却し、PGIMブラジル事業から撤退し
た。
・2008年に、財務アドバイザリー事業から撤退することを発表し、当該事業は2009年12月31日に売却された、
リテール証券仲介及び決済事業合弁会社に対する投資から構成されていた。当社が出資した合弁会社に関す
る事業の一部の費用は、主に訴訟及び規制の問題から留保された。
・2003年、当社は損害保険会社をリバティ・ミューチュアル・グループ(「リバティ・ミューチュアル」)に
売却した。当社は、リバティ・ミューチュアルが負担しない特定の損害リスクについての不利な損失につい
て再保険を受再した。
・1993年、当社は入院費保険及び主要な医療保険の引受を終了した。入院費保険及び主要な医療保険について
は、1996年医療保険の携行性と責任に関する法律が65歳以降の更新を保証している。一定の状況において、
州の規制当局から適切な承認を取得した上で、請求額を支払うために保険料が不十分であったことを説明す
ることができれば、これらの保険についての保険料を変更することが許可される。
・1990年代初頭から、当社は米国の再保険市場において積極的な活動を行わなくなった。しかしながら、再保
険協約の条件に基づき、当社は引き継いだ個人生命保険契約についての死亡率リスクを引き続き負担してい
る。
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クローズド・ブロック部門
2001 年の株式会社化に関連して、当社では保険加入者が業績を反映した加入者配当を受け取ることができる国内
の配当付き個人向け生命保険商品及び年金商品の提供を中止した。したがって、現在効力を有する当社個人向け配
当付き生命保険商品に対する債務は、これら商品に関わる給付金、加入者配当、経費、税金の支払に専ら充てられ
る資産とともに、「クローズド・ブロック」へと分離した。当社は、契約者給付金、経費及び税金の支払を行うた
めに、かつ、2000年に実施された保険契約者配当の基礎となった経験率が継続するものと仮定して、当該保険契約
者配当と同等の配当を継続して支払うために、クローズド・ブロックの存続期間中に、クローズド・ブロックの収
益と併せて十分なキャッシュ・フローを生むと予測された資産の金額を選定した。株式会社化後に販売された新規
保険契約はクローズド・ブロックに付加されることはないので、当社が保険加入者給付を全額償還するにつれて、
現行の業務は減少していくものと思われる。
クローズド・ブロックの業績は、特定の関連する資産及び負債と共に、「クローズド・ブロック部門」を構成
し、当社の調整後営業利益の定義に基づく撤退事業として取り扱われ、当社の全社業務及びその他の業務に含まれ
る他の撤退事業及びランオフ事業とは別に報告される。
連結財務書類の注記14にあるとおり、クローズド・ブロックの業績が当初資金調達で想定していた仮定よりも良
好又は不調である範囲内において、将来、クローズド・ブロックの契約者に支払われる総配当額は、2000年に実施
された保険契約者配当が継続すると仮定した場合に契約者に支払われる総配当額より増減する場合がある。仮定さ
れた金額を超過した経験率は、保険契約者配当金の一環としてクローズド・ブロックの契約者に対して長期間にわ
たって分配され、株主に対して支払われることはない。クローズド・ブロックに保証された保険給付金の支払いに
十分な資金がない場合、かかる支払いはクローズド・ブロック以外のプルデンシャル・インシュアランスの資産か
らなされる。これらの超過経験率について保険契約者配当準備金が設定されている。毎年、プルデンシャル・イン
シュアランスの取締役会は、クローズド・ブロック事業の経験率(投資収益、実現・未実現投資損益純額、死亡経
験率及びその他の要因を含む。)に基づき翌年に利益配当型保険契約に対して支払われる配当を決定する。「ク
ローズド・ブロック部門の収入・損益・総資産」については、連結財務書類の注記21を参照のこと。
当社の戦略は、保険加入者給付金の全額支払が進むにつれてこれが徐々に減少する間に、当社の組織変更計画に
従い、クローズド・ブロックを維持することである。当社はニュージャージー州銀行保険局コミッショナーによる
組織変更計画の事前の承認に基づいて、クローズド・ブロック契約に基づくリスクの全部若しくは一部を譲渡する
契約を締結することを許されている。
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主要な金融項目の季節要因
当社の報告セグメントのほとんどは、その事業の何らかの要素において季節要因を経験する。以下の表は、事業
ごとの季節要因の主要な内容を示している。
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
その他の関連収益が
PGIM
(1)
最も高くなる傾向
準備金の増加が最も PRT売上が突発的に生じ、第3四半期・第4
退職金
高くなる傾向 四半期に最も高くなる傾向
死亡率が不利になる
傾向
団体生命保険
売上高が最も高くな
る傾向
個人年金保険
死亡率が不利になる 売上高が最も高くな
個人生命保険
傾向 る傾向
年間保険料の増加に
国際保険 より利益が最も高く
なる傾向
全社及びその他 エクイティ市場及びプルデンシャル株価により、長期及び繰延報酬費用が変動する傾向
仮定について年に一
費用が最も高くなる
度行う見直しの影響
全事業
傾向
(2)
(注1) その他の関連収益には、インセンティブ報酬、取引手数料、戦略的投資業績及び商業モーゲージ貸付収益が含まれ
る。
(注2) 保険数理上の仮定について年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正の影響。
再保険
当社は、出再会社又は受再会社として定期的に再保険契約を締結している。出再会社としては、元の保険商品の
特定の権利義務を相手方に譲渡することにより再保険のリスクが緩和されている。受再会社としては、元の保険商
品の特定の権利義務を相手方から譲受することにより再保険のリスクが高まっている。当社は様々な理由から出再
会社として再保険契約を締結しているが、主な理由は損失リスクの緩和、リスク変動の抑制、将来の成長のための
付加能力の提供及び資本管理である。出再した再保険に基づき、第三者再保険業者がその債務を履行できない場合
には、当社は元の保険契約者に対し責任を負い続ける。 当社は、当該リスクを軽減するために、全社的に再保険会
社の財務状況を分析し、信用リスクの集中を監視している。当社は、当社の通常の商品提供の一環として(例え
ば、退職金セグメントにおける特定の年金リスク移転商品)、又は事業の買収を促進する目的で、受再会社として
再保険契約を締結する。
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以下の表は当社の各保険報告セグメントにおける再保険の活用の概要を示している。
セグメント 主な再保険の種類 目的
退職金 受再 長命リスク再保険年金リスク移転商品の一環として、また2004年の当社に
よるシグナの確定給付年金及び確定拠出型年金事業の買収に伴い再保険を
受再した。
団体保険 出再 大きな保険金請求額からの損失を制限するため、また顧客の要望に応じて
及び資本管理目的でほとんどの商品について再保険を出再した。
個人年金 出再/受再 2015年4月1日から2016年12月31日までの間に発行された当社のHDI v.3.0
変額年金事業のリスクを低減するために再保険を出再した。
2006年のオールステート・コーポレーション(「オールステート」)の年
金事業の買収及び内部の出再・受再再保険と合わせて、当社のリスク管理
及び資本管理活動の一環として受再した。
個人生命保険 出再/受再 死亡率リスクの緩和及び資本管理目的で、様々な商品をカバーする第三者
再保険業者及び関連会社双方との再保険を出再した。2000年以降販売した
契約については、当社は、死亡リスクの大部分に再保険をかけてきた。こ
の部分は市場の要因及び戦略的な目的によって、時間の経過とともに変動
している。
2013年のハートフォード事業の買収と合わせて再保険を受再した。
国際保険 出再 特定の保障商品の死亡率リスクの緩和及び資本管理目的で、第三者再保険
業者及び関連会社双方との再保険を出再した。
クローズド・ブロッ 出再 プルデンシャル・インシュアランスはクローズド・ブロックの実質的にす
ク べての未決済負債を、プルデンシャル・レガシー・インシュアランス・カ
ンパニー・オブ・ニュージャージー(「PLIC」)の法定保証付分離勘定に
主として共同保険方式で出再する。この再保険取引は、クローズド・ブ
ロックに長期的かつ包括的な資本の枠組みを与える。
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無形知的財産
当社は、必要に応じて連邦政府のビジネス手法特許を申請し、企業秘密を管理することにより、当社の金融サー
ビス商品の革新を獲得し、保護する。 当社では、特に、「プルデンシャル」、「プルデンシャルのロゴ」、「ロッ
ク」のシンボル及び「PGIM」を含む、連邦、州、コモンロー及び諸外国の多数のサービスマークを使用している。
当社の多数の特許及び企業秘密、サービスマークに関連する営業権は有意で競争力のある資産であると考えてい
る。
2004 年以降、当社と関連が全くない英国のプルデンシャル・ピーエルシーと「プルデンシャル」及び「プル」と
いう名称を世界中で使用するそれぞれの権利に関する契約を締結している。当該契約は「プルデンシャル」及び
「プル」の名称及び印の当社の使用に関して、米国を除く欧州及びアジア地域のほぼ全域で制約が設けられてい
る。このような制約がある地域では、当社は「ロック」のシンボルと代替的な文字マークとを組み合わせている。
当社としては、これら制限によって当社が国際的に営業し、発展していく上で重大なる影響が生ずるものでないと
考えている。
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規制
概説
当社のビジネスは、包括的な規制及び監督を受けている。これら規制が目指すところは、必ずしも当社の株主又
は債権者の保護ではなく、当社の顧客と金融システム全体の保護である。当社が適用を受ける法律規則の多くは定
期的に再吟味される。また既存の法律規則又は将来の法律規則が当社の業務又は収益性に対し制限を強め、別の形
で悪影響を及ぼし、コンプライアンス費用を増加させ、又は規制リスクを高める可能性がある。金融市場の混乱に
よって、当社の米国及び国際的な事業に適用する法規及び規制体系は広範囲にわたり変更されており、今後も変更
される可能性があると考えている。特に、2018年10月に金融安定化評議会(「カウンシル」)は、当社について、
下記のドッド・フランク金融制度改革・消費者保護法(「ドッド・フランク法」)に基づき連邦準備制度理事会
(「FRB」)の監督の対象となるノンバンク金融会社(「指定金融機関」)指定を取り消した。当社は、既存の法
律規制及び規制の枠組みに対する現行又は将来のイニシアチブによる今後の影響については予測することができな
い。
当社の海外事業では、規制において、外国会社はより厳格な要件の適用を受ける場合があり、これによって、当
社の会社間の取引、投資及びその他の事業運営の面で柔軟性が低下し、当社の流動性及び収益性に悪影響が及ぶ場
合がある。場合によっては、一部の国の規制当局は、顧客又は当該法域の金融システムを、認識されたシステミッ
クリスクから保護するために、プライバシー、顧客保護、従業員保護、コーポレート・ガバナンス及び自己資本比
率などに関して、異なる、米国又はその他の国より厳しい法令を適用する場合がある。さらに、当社の特定の国際
営業は、米国内にはない政治的、法律的、営業的リスクに直面することがある。一例を挙げれば、差別的規制、従
業員連合や労働組合に関連する労働問題、資産の国有化又は没収及び価格統制と為替統制、その他営業している国
から営業利益を振り替える場合や手持ち現地通貨を米ドルなど外国通貨に交換する場合における当社の能力を制限
する規制などがある。当社が合弁事業を行っている一部の法域においては、当社の持分に上限が設けられており、
これによって、当社はさらに営業上のリスク、コンプライアンスリスク、法的リスク及び合弁パートナーリスクに
晒され、パートナーに契約不履行があった場合に当社が受けることのできる救済の選択肢は制限されている。
当社に適用される主要な規制の枠組みについては、次のセクションの見出しに続いて詳細に記載する。
-ドッド・フランク金融制度改革・消費者保護法
・指定の取消し
・ドッド・フランク法及び財務に係る規制に関するイニシアチブ
-ERISA
-受託者責任規則及びその他の注意義務基準
-州の保険持株会社の規制
-米国の保険業務
・州の保険規制
・保険業務に影響を与える連邦及び州の証券規制
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-海外の保険規制
-米国の投資及び退職金商品並びに投資管理事業
-米国の証券及びコモディティ事業
-海外の投資商品及び退職金商品並びに投資管理事業
-デリバティブ規制
-プライバシー及びサイバーセキュリティに関する規制
-マネーローンダリング防止及び贈収賄防止に関する法律
-環境法令
-未請求財産に関する法律
-税制
・米国の税制
・海外の税制
-海外の規制イニシアチブ
国内及び海外の複数の保険規制当局はニュージャージー州銀行保険局(「NJDOBI」)が推進する年次監督者カ
レッジに参加している。監督者カレッジの目的は監督者の継続的な連携を推進し、当局間の情報共有を促進し、当
社のリスク・プロファイルに関する各当局の理解を増進することである。直近のカレッジは2018年10月に開催され
た。
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ドッド・フランク金融制度改革・消費者保護法
指定の取消し
カウンシルが当社の指定金融機関の指定を取り消した結果、当社は、ドッド・フランク法に基づき指定金融機関
に適用されるFRBの監視及び審査又は健全性基準の対象ではなくなった。したがって、当社はFRBの監督費用(過去
3年間の年間費用は約2400万ドルであった)又は特定のコンサルティング費用及びFRBの監督に関わるその他の費
用を今後は負担しない。
カウンシルは、(i)当該会社の深刻な財政難又は(ii) 当該会社の事業活動の内容、範囲、規模、スケール、集
中、相関性若しくは組み合わせが、米国の金融安定に対する脅威となりうると判断した場合には、当社を含む会社
を指定する権限を維持する。当社は依然として当社が指定基準に該当していないと考えている。
ドッド・フランク法及び金融規制に関するイニシアチブ
2017 年11月、米財務省はカウンシルの指定金融機関の指定及び指定継続に関する基準及びプロセスに関する提言
を「金融安定化評議会による指定」と題した報告書にまとめて公表した。また、2017年10月、財務省は「ビジネス
機会を創造する金融システム-資産運用及び保険」と題する報告書を公表した。この報告書は特に、主要な連邦及
び州の監督機関は各法人に基づく規制制度に注力するのではなく、商品及び企業活動に起因する潜在的システミッ
クリスク、並びに資産運用及び保険業界を全体として強化する規制の実施に注力すべきであると提言している。報
告書はまた、米国の州ベースの保険規制システムの役割について確認している。議会はこれまでも時折、成立すれ
ばドッド・フランク法の一部規定の変更をもたらす法案を提出してきた。これら法案には、特定されたシステミッ
クリスクを緩和するための活動に基づくアプローチの採用を優先することをカウンシルに義務づける規定などが含
まれる。
当社は、財務省の報告書、新法又はドッド・フランク法及び金融システム規制の改訂を目的としたその他のイニ
シアチブが最終的に当社に影響する法律又は規制の変更の根拠となるか否かは予測することができない。
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ERISA
従業員退職所得保障法(「ERISA」)は、民間雇用主と労働組合とが提案した、従業員給付制度に適用される包
括的連邦法規である。ERISAの適用を受ける制度には、年金、利益配分制度や健康、生命、生涯制度を含む福祉制
度などがある。ERISAの規定の中には、報告開示規則、制度受託者に適用される行動基準、利益相反に関わる取引
や給付制度と利害関係者との間の取引の禁止(「禁止取引」として知られる。)が含まれ、ERISAはまた民事刑事
罰則施行制度などを規定する。ERISAによれば、当社の保険、投資管理及び退職金業務は、当社がERISAの受託者と
なるようなサービスも含め、すべて、従業員給付制度にサービスを提供するものとなる。さらに、ERISA制度に商
品及びサービスを提供するビジネスに対するERISAの規制に加え、当社はこれら制度との取引についてERISAの禁止
取引規則が適用される当事者であるとみなされる。このことは、たとえ利害関係者を生み出すことには無関係のビ
ジネスであっても、これら制度と取引を行う能力やこれら制度との取引が行われる条件に影響を及ぼすことになろ
う。
DOL 受託者責任規則及びその他の注意義務基準
当社及び当社の販売業者には、当社商品の販売及び当社の顧客への助言に適用される注意義務基準に関する規則
が適用される。近年、これら規則の多くが下記のとおり修正され又は見直されている。当社は、既存の規制の枠組
みの修正又は修正案が、最終的に当社事業に適用されることとなるか否かを予測することはできない。米国労働省
(「DOL」)、米国証券取引委員会(「SEC」)、全米保険監督官協会(「 NAIC 」)又は州の監督機関が発行する新
たな基準が当社の事業、営業成績、キャッシュ・フロー及び財務状況に影響する場合がある。
DOL 受託者責任規則
2018 年6月に、適格退職年金制度、プラン参加者及び個人退職積立金勘定(「IRA」)における「受託者」の定
義を変更し、プラン参加者又はIRA保有者に対する投資アドバイスは受託者の業務として取り扱われると一般に定
めたDOL規則を無効にする第5区巡回区控訴裁判所の決定が発効した。当該DOL規則は当社の年金事業及び退職金事
業に悪影響を及ぼし、又は当該DOL規則の無効化以前のコンプライアンス費用を増加させた。当社は、DOLが新たな
受託者責任規則を発行するか否か、発行する場合はそれが当社にいかなる影響を及ぼすかについて予測することは
できない。
SEC の最善の利益規則
2018 年4月、SECは規則制定及び解釈の手引きとなる一括法案を提出した。この法案は特に、ブローカー・
ディーラーが個人顧客に対して証券取引又は投資戦略について助言する際は、当該個人顧客の利益を最優先して行
動することを義務づけている。この法案には、投資顧問会社がその顧客に負うフィデューシャリー・デューティー
に関するSECの見解も明確にしている。法案が現在の形で成立すれば、当社の個人年金、退職金、PGIM及び個人生
命保険セグメント、並びに個人生命保険セグメントの業績に組み込んでいる当社のプルデンシャル・アドバイザー
販売システムに影響を及ぼすと当社は考えている。
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州の注意義務基準に関する規制
NAIC は年金適合性作業部会を設立した。当該作業部会は、年金商品の販売に適用されるモデル適合性規則の修正
案を策定している。モデル規則の修正は、最終的に当社事業に適用される州保険法適合性規則の修正の基盤となる
可能性がある。また、一部の州の規制機関及び議会は最大利益基準を採択し、又は採択を検討している。例えば、
2018年7月、 ニューヨーク州金融サービス局 (「NY DFS」)はその適合性規制の修正版を公表した。この修正は、
ニューヨーク州内における年金及び生命保険商品の販売に最大利益基準を課すこととなる。この修正は2019年8月
1日に年金商品、2020年2月1日に生命保険商品に適用される予定である。さらに、2018年10月、ニュージャー
ジー州証券局はニュージャージー州内のすべての投資専門家に対して受託者責任基準を課す法案を提出した。
日本の注意義務基準に関する規制
米国外では、2017年に日本の金融庁(「FSA」)が「顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デュー
ティー)に関する原則」、すなわち、顧客に関わる金融サービスを提供するに当たり、企業が採択すべき一般原則
をまとめた提言を公表した。プルデンシャル生命保険株式会社(プルデンシャル日本法人)、 ジブラルタ生命及び
プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社(「PGFL」)がこの原則を採用している。FSAは
ベスト・プラクティスとしてこうした 顧客本位の業務運営に関する原則 の任意の採用を推奨しているが、採用が規
制で義務づけられている訳ではない。企業の フィデューシャリー・デューティー に関するポリシーは、対象となる
顧客や商品の複雑性など個々の事業に基づき調整することができる。企業が当該原則を一旦採用し、ポリシーを策
定すると、当該企業は従業員がその フィデューシャリー・デューティー を確実に果たすための措置を講じ、その措
置の有効性を定期的に評価することが義務づけられる。
州の保険持株会社の規制
当社は、当社の保険子会社の組織が存在し、(これに該当する州は現在のところニュージャージー、アリゾナ、
コネチカット及びインディアナである。)又は、ニューヨーク州のように商業上存在するものとみなされている州
の、保険持株会社法の適用を受けている。この保険持株会社法は持株会社の直接、間接所有の各保険会社に対し、
保険会社の事業所の所在する州の保険部に登録し、持株会社制度に含まれる企業の営業に関する財務その他の情報
( グループのリスク管理並びに現在及び将来のソルベンシー・ポジションの評価を含む。) を毎年提出するよう求
めている。一般的に、持株会社制度に規定される保険業者に影響を及ぼす取引は公正かつ合理的でなければなら
ず、重要な取引の場合は、州の保険局に事前通知し、その承認、不承認を受ける必要がある。
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支配権の変更
当社の米国における各保険会社が事業所を置いている州を含む多くの州には、保険業者又は保険業者の持株会社
の直接的又は間接的な支配権変更について規制当局の承認を受ける必要があると定める保険法が存在する。当社に
も適用されるこのような法律は、いかなる者といえどもプルデンシャル・ファイナンシャルの支配権、又は当社保
険子会社の支配権を取得することを妨げている。但し、保険規制者に特定の情報を記載した弁明書を提供し、事前
に当局の承認を得ている場合はこの限りではない。多くの州の州法に基づけば、保険会社又はその親会社の議決権
株の10%以上を取得することは、反証はあるかもしれないが、支配権の変更と推定できる。したがって、事業所が
所在する州の保険規制者の事前承認を受けずにプルデンシャル・ファイナンシャルの議決権株の10%以上を取得し
た者は、上記の州法に違反していることになり、当該保険規制者からかかる株式の処分又は没収を求める若しくは
かかる株式の議決権を無効にする強制命令が出されるか、又は当該保険規制者が決定するその他の措置が適用され
ることになる。さらに、州内に事業所を置いていないが営業を行っている保険会社の支配権変更については、州の
保険局に対する事前通知を求める保険法のある州が多い。
グループ全体での監督
NJDOBI は、国際的に活動している保険グループ(「IAIGs」)のグループ全体での監督を認めるニュージャー
ジーの法律に基づき、プルデンシャル・ファイナンシャルのグループ全体の監督者としての機能を果たしている。
当該法律は、企業リスク評価の目的で、保険会社の財務状況を判断することにより、NJDOBIがプルデンシャル・
ファイナンシャル及びその子会社を審査することを認めている。この権限に基づき、NJDOBIは、ニュージャージー
州に拠点を置く保険子会社の事業を含む当社事業に関する情報を得ている。
保険持株会社のグループ全体での監督に関して重点を置くその他の分野には、以下が含まれる。
- グループ資本計算方法 :NAICは、 リスクベース資本(「 RBC 」) 集計手法を用いて米国グループの資本計算方
法を策定する作業部会を設置した。計算方法の策定にあたり、当該作業部会は、FRB及び保険監督者国際機構
(「IAIS」)によるグループ全体の自己資本構築を検討している。作業部会は、2019年には計算方法案を策定
し、実地試験を開始する予定である。
- マクロ健全性フレームワーク :NAICは、 マクロ健全性フレームワークを策定する新たな構想を設定した。これ
は、(1)外部の金融・経済リスクの保険会社への影響を監視し対処する 州の保険監督機関の能力を向上させ
ること、(2)保険会社より発生又は拡大し、外部に拡散する可能性のあるリスクの監視及び対処を改善する
こと、並びに(3)マクロ健全性に関するNAIC及び州の監視能力について一般の意識を高めることを目的とし
ている。この構想の一環としてNAICが潜在的強化分野と特定した分野には、流動性、報告及びストレス・テス
ト、再建及び破綻処理、資産のストレス・テスト、並びにカウンターパーティ・リスクと集中である。
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- 審査 : 州の保険当局は、一般的に3年から5年に一度の割合で定期的に、それぞれの州に事業所を有する保険
会社の帳票類、財務報告書、証券ファイル、市場行動を審査している。この審査は一般的に、NAICが公表して
いるガイドラインに基づき他州の保険局の協力を受けて実施される。NJDOBIは、グループ全体の監督者とし
て、当社の他の監督者と共に、定期的審査を拡大し、プルデンシャル及びその全子会社が対象となる定期審査
を拡大した。2018年6月、NJDOBIは、アリゾナ州、コネチカット州及びインディアナ州の保険局と共に、2016
年12月31日までの5年間について、プルデンシャル及びその子会社の初回のグローバルなグループ全体の連結
審査を完了したが、報告すべき事項はなかった。
新たなグループ全体の基準がプルデンシャル・ファイナンシャルに対し追加的な要件及びコンプライアンス費用
を生じさせるとしても、どのような追加的な要件及びコンプライアンス費用が課されることになるかは予測できな
い。
米国の保険業務
当社米国内保険業務全般は州の保険法の規制を受けるとともに、50州、コロンビア特別区、各準州、海外領土の
保険局による監視も受けている。プルデンシャル・インシュアランスはニュージャージー州に拠点を置き、保険規
制に関わる主務官庁はNJDOBIである。当社の他の米国内の保険子会社を規制するのは、主としてそれぞれの事業所
が拠点を置く州の保険部である。一般的に当社の保険商品は販売される州の保険規制に関わる当局による承認が必
要である。当社の保険商品に本質的な影響を及ぼすのが、連邦及びいくつかの州の各税法である。
州の保険規制
州の保険当局は、下記項目を含む、保険業務のあらゆる側面に関する広範な行政権限を有している。
(1)取引のためのライセンス供与
(2)エージェントの認可
(3)資産の法定余剰金への組み込み
(4)一定の保険商品に対する保険料率の規制
(5)保険証書様式の承認
(6)不公正な取引・不公正な保険金請求慣行の規制
(7)準備金要件及び支払基準の確立
(8)生命保険約款貸付に対する最大金利及び最少累積金額・解約金額の決定
(9)認可すべき投資その他の種類、金額、評価方法の規制
(10)再保険取引の規制(キャプティブ再保険会社の役割を含む。)
(11)その他の事項
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州の保険法規は、当社の各米国保険会社に対し、営業を行っているすべての地域の州保険局に当局が規定する又
は許容する会計基準、手続に従って連結財務書類を提出するよう求めており、各米国保険会社の営業及び勘定はい
つでも、これらの当局による審査を受け入れるよう定めている。
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財務に係る規制
配当支払制限 :ニュージャージー州保険法及び各社が事業所を有する他州の保険法では、プルデンシャル・イン
シュアランス及びその他の米国保険会社が支払う配当金額を規制している。追加の情報については、連結財務書類
の注記15を参照のこと。
リスクベース資本金 : 当社は、保険業者の支払能力規定を強化するために設計されたRBC要件の適用を受けてい
る。保険業者の法定資本が十分であるか否かを規制者が評価にあたって使用するRBCの計算方法は、会社の資産・
負債、バランスシート外項目のリスク特性を測定するものである。通常、RBCの計算は、各種資産、保険料、請
求、費用、準備金といった項目に一定の係数を適用して行う。所定のリスクカテゴリ内では、これら係数は潜在リ
スクが大きい項目では高く、小さい項目では低くなる。要求される法定資本を下回る保険業者は資本が十分でない
とみなされ、不足レベルに応じて、いろいろな段階の規制措置の適用を受ける。
再審査又は見直しの対象となったRBCの枠組みの分野には、以下が含まれる。
- 税法変更 : 2018年6月、NAICの 適正資本作業部会は、2017年減税・雇用法(「2017年税法改正」)に関連する
RBCの枠組みの修正を承認した。この法改正は、2018年12月31日時点の当社の国内生命保険会社のRBC比率に適
用される。2017年税法改正及びこの法改正による当社のRBC比率に対する影響については、 「第3 事業の状
況」 「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」 「(3)財政状態、経営
成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「流動性及び資本資源-資本-保険規制目的上の自己資本」を
参照のこと。
- ボンド・ファクター : NAIC の投資リスクベース資本作業部会は、投資資産のRBCファクターの更新(RBCのため
のNAIC分類を現在の6分類から20分類に拡大することを含む。)を作成している。
- 長命/死亡率リスク : NAIC の生命保険・年金委員会の長命リスク・サブグループ及び財政状態委員会は、法定
準備金における長命リスク並びに/又は年金関連のリスクベース自己資本規制を認識するための提言を作成し
ている。当社は主に当社の退職金及び個人年金事業でこの長命リスクを負う。NAICはまた、RBCの既存の死亡
リスクファクターの更新を作成している。
- 運用リスク : NAIC は、2018年に2018年度末のRBCの公式に適用される運用リスクチャージを採択しており、こ
のRBCの公式に明確な成長リスクチャージを追加するか否かを引き続き検討している。当社は、これらの新た
なチャージにより設定される基準値と一致する又はそれを超える法定準備金を保有する予定であるため、この
運用リスクチャージは当社の2018年のRBC比率に大きく影響しないものと見込まれる。
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RBC に関するNAICの活動は継続的なものであるため、当社は、これらの変更案が生じる最終的なタイミングや、
これらの変更がRBC又は当社の財務状態に与える影響を、判断することはできない。
保険準備金及び規制目的上の自己資本 : 各州の保険法では、当社に対し毎年準備金の適正度を分析するよう求め
ている。当社の生命保険会社の各任命保険計理人は、準備金に関連して当社が保有する資産と照らし合わせ、自社
の準備金が契約上の債務及び関連費用に対し十分備えができている旨の意見書を提出しなければならない。
特定の当社商品に関する準備金の枠組みについては、以下の分野を含め、ここ数年で見直し及び修正を行った。
- 生命保険商品の プリンシプル・ベースの準備金アプローチ : 2016 年、NAICは 生命保険商品のプリンシプル・
ベースの準備金アプローチを採択した。プリンシプル・ベースの準備金アプローチは、現行の準備金の計算式
が保険業者の債務又は負債のリスク又はコストを正確に反映していない可能性のある生命保険商品の準備金の
計算手法に取って代わるものである。プリンシプル・ベースの準備金アプローチは、3年間の導入期間を有す
る。当該アプローチは、当社の裁量により2017年1月1日以降に開始する新たな個人生命保険事業に適用する
ことができるが、2020年1月1日以降はすべての新しい個人生命保険事業への適用が義務づけられる。当社
は、異なる商品に対しては異なる実施日を選択することができる。プリンシプル・ベースの準備金アプローチ
は、2017年1月1日以前に発行した保険契約の準備金には適用されない。
当社は、2020年1月1日までにプリンシプル・ベースの準備金を採択するという要件と関連して、当社の個人
生命保険商品ポートフォリオの商品をいくつか更新した。特に、当社は保証付ユニバーサル生命保険商品にプ
リンシプル・ベースの準備金を採用し、2017年にこれら商品の更新版を導入した。保証付ユニバーサル生命保
険の更新された商品は、保険数理に関する指針No.48(「AG48」)又はその後継法である再保険控除に関する
モデル法並びに定期及びユニバーサル生命保険の責任準備金調達に関するモデル規則に基づくキャプティブ再
保険を通じた資金調達を要さずに、プリンシプル・ベースの法定準備金レベルを維持する。AG48は、現金及び
格付け証券でなければならず、かつその他の資産から調達又は支援される可能性がある一定の定期及びユニ
バーサル生命保険の準備金をサポートするために、保有する資産の一部を決定する保険数理の方法を定めてい
る。当社は引き続き、個人生命保険商品の残りのポートフォリオ(定期生命保険及び変額生命保険など)に関
する予測法定準備金レベル及び商品価格設定に対するプリンシプル・ベースの準備金の影響を評価していく。
- 変額年金変更の枠組み :NAICは2018年、変額年金保険準備金及び資本要件に適用される、現在の保険数理に関
する指針No.43(「AG43」)及びRBCの「C3フェーズII」制度についての改訂案を採択した。この変更案に
は、(i)経済性を重視したヘッジ資産と負債評価の整合、(ii)AG43及びC3フェーズIIのスタンダード・シナリ
オの改正、(iii)デリバティブ及び繰延税金資産の許容性の修正、並びに(iv)資本市場の仮定の標準化及び総
資産要件と責任準備金の整合が含まれる。NAICは2019年に枠組みの改訂版の実施を目指し、目標施行日を2020
年1月1日、任意の導入期間を3年間としている。当社は、枠組みの改訂による目標資本レベルに大きな影響
はないと見込んでいる。
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2016 年に当社は、「変額年金の出再保解約」と当社が総称している一連の取引により、以前当社のキャプ
ティブ再保険会社に対し出再されていた変額年金保険生前給付特約及び特定の退職金商品に関わるリスクを、
出再保解約した。当社はNAICの変額年金問題作業部会の最終ガイダンスに先駆けて変額年金の出再保解約を完
了したが、当社は、変額年金の出再保解約は当該枠組みで計画される主要なコンセプトの変更と合理的に整合
していると考えている。
- ニューヨーク変額年金及び生命保険商品の準備金 :当社の一定の変額年金保険及び生命保険商品の準備金の計
算方法に関するNY DFSとの合意の結果、ニューヨークで認可を受けている当社の一部の保険子会社は、ニュー
ヨーク州法の定める方針に基づき、追加の法定準備金を準備し、当該追加準備金によって、ニューヨーク州の
法定剰余金は減額される。米国において事業を行っている当社の保険会社でニューヨーク州を拠点としている
ものはなく、これらの変更は当社の保険子会社の拠点がある州又はニューヨーク州以外の州において報告され
る法定準備金に影響は与えず、したがって、RBC比率にも影響は与えない。しかし、合意された準備金の計算
方法によって、将来的にニューヨークにおいて追加の法定準備金の増額が要求される場合がある。ニューヨー
ク州の法令の会計に基づき追加の準備金を準備することが要求された場合、又は変額年金保険又は保険商品に
ついて、多額の増担保を要求された場合、米国国内の保険子会社内の資本をその他の目的のために配置する能
力に影響を与える可能性がある。
- 再保険 : NAIC の法定会計原則作業部会は年毎に更新可能な定期再保険契約のリスク移転要件に関する規則を含
む、再保険クレジットに関して、法定会計規則の見直しを行っている。現在検討されている特定の変更は、当
社の団体生命保険事業に関連する年毎に更新可能な定期再保険のための法定準備金クレジットに悪影響を及ぼ
す可能性がある。
NAIC の生命保険数理人専門委員会はまた、年毎に更新可能な定期再保険に関する責任準備金評価マニュアルの
改訂の評価を行っている。現在検討されている特定の変更は、プリンシプル・ベースの準備金アプローチを用
いて準備金が用意されている当社の個人生命保険商品に関連する年毎に更新可能な定期再保険のための法定準
備金クレジットに悪影響を及ぼす可能性がある。
- サープラスノート : NAIC の法定会計原則作業部会はリンク資産のサープラスノートに関する会計規則の改訂に
ついて評価を行っている。この改訂により、サープラスノートをサープラスではなく負債と分類し、リンク資
産を非公認資産として扱うよう義務づける可能性がある。こうした改訂は、XXX規制及びAXXXガイドラインの
準備金のための資金調達にクレジット・リンク・ノートの仕組みを使用している当社のキャプティブ再保険の
子会社の法定会計原則に基づく財務状況に悪影響を与える可能性がある。
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キャプティブ再保険会社
当社は非経済的であると判断した定期及びユニバーサル生命保険の法定準備金の一部の調達のために、キャプ
ティブ再保険の子会社を利用していた。当社が市況、規制の変更その他の理由により追加資金を調達できない場
合、当社は値上げ、一部の生命保険商品の販売縮小、又は一部の商品の改定などを行わなければならなくなる場合
があり、いずれの場合も当社の競争力、資本及び財務状況並びに業績に悪影響を与える可能性がある。当社の生命
保険準備金及び準備金の資金調達については、「第3 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析」「(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「流動
性及び資本資源-資本-資金調達-定期生命保険及びユニバーサル生命保険の準備金の調達」を参照のこと。
市場行動規制
各州の保険関係法律規則には、消費者への情報開示の様式と内容、挿図の入れ方、広告、販売慣行、クレーム処
理に関する規定を含め、保険業者の市場における活動に関するいろいろな規定がある。各州規制当局は一般的に市
場行動定期審査を通じてこの規定を実効性のあるものにしている。
保険保証協会の査定
どの州にも、州内で営業を行う保険業者を協会員とする、保険会社の保険契約者やクレーム申立人に対する保険
会社の支払不能債務を、州の保険保証協会が査定できることを定めた保険保証協会法がある。代表的な例を挙げれ
ば、各州では州内のすべての保険業者が引き受けた事業のうち、当該メンバー保険業者に比例按分した金額を用い
て各メンバー保険業者の査定を行う。多くの州は、そのような査定の償還を将来の保険料税に対する控除として提
供する。 2018 年、2017年及び2016年の各12月31日に終了した年度には、当社は州保険保証協会法による査定で、そ
れぞれおよそ2.3百万ドル、12.6百万ドル、1.5百万ドルを支払っている。2017年の査定は、 ペン・トリーティー・
ネットワーク・アメリカ・インシュアランス・カンパニー の破産を反映しており、同社は2017年3月1日に清算さ
れた。 この法律に基づく当社の米国内の保険会社各社が今後どの時期にどれだけの金額査定を受けるかは予測でき
ないが、現在支払不能手続を適用されている保険会社(ペン・トリーティー・ネットワーク・アメリカ・インシュ
アランス・カンパニー、エグゼクティブ・ライフ・オブ・カリフォルニア及びリンカーン・メモリアル・ライフ・
インシュアランス・カンパニーなど)に関する将来の査定がなされるような場合に備えて見積もった準備金(2018
年12月31日時点で総額約33.4百万ドル)を設定している。
2017 年、NAICは、長期介護保険の破産に関する課題に対処するため生命保険・健康保険保証協会モデル法の改訂
を承認した。この改定は将来の長期介護保険の破産のコストを健康・生命保険業界全体で賄うもので、保険会社の
査定の増加をもたらす。改定モデル法は、各州で採択された時点で当社にも適用される。過去の破産はこの改訂の
対象とはならない。これにより影響を受ける当社事業の現在の市場シェアを踏まえると、将来の破産に関連するコ
ストから現行の州法に基づき得られる保険料税額控除を差し引いた額は業界全体の債務総額のごくわずかな割合と
なると見込んでいる。
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保険業務に影響を与える米国の連邦及び州の証券規制
当社の変額保険商品、変額年金保険商品及びミューチュアル・ファンド商品は、一般的に連邦証券法の定義する
ところの証券であり、連邦証券法に基づく登録が必要とされる場合があり、SEC及び金融取引業規制機構
(「FINRA」)の規制対象となっているものである。当社の一部の保険子会社は、これらの商品の提供に基づき、
SECの報告及び開示義務の対象となっている。「投資商品及び投資管理業務」及び「証券及びコモディティ規制」
の項で以下に述べる規制に類似の、連邦及び州によっては州の証券規制があり、これによって、これらの商品に関
する投資アドバイスや販売その他関連活動が影響を受けている。
当社のミューチュアル・ファンド、及び州によっては当社の変額生命保険及び変額年金保険商品は、州の証券法
規に定義される「証券」に含まれる。証券として、これらの商品は書類の提出及びその他の要件に従わなければな
らない。また、これらの商品の販売は通常、州証券法による規制対象となっている。かかる規制によって、これら
の商品に関する投資アドバイスや販売その他関連活動が影響を受けている。
連邦保険局
ドッド・フランク法により、財務省内に、財務長官の任命する局長が率いる連邦保険局(「FIO」)が設立され
た。FIOは保険事業に対する監督又は規制に関する権限は有しないものの、FIO局長は、保険に関連して各種役割を
果たす。これには、カウンシルにおける議決権を持たないメンバーとしての役割、保険セクターの監視及びIAISな
どにおいて国際的な保険の課題の健全性の面で米国を代表することが含まれる。
海外の保険に関する規制
当社の国際保険事業を監督するのは、主としてそれぞれが営業している国・地域の国外保険主務官公庁である。
例えば、日本の財務省や日本における金融サービス監督機関であるFSAがこれにあたる。日本以外では、当社はア
ルゼンチン、バミューダ、ブラジル、イタリア、韓国、メキシコ及び台湾で保険会社を運営しており、合弁事業を
通して中国、インド、インドネシア及びマレーシアで保険事業を実施し、戦略的投資を通してガーナで保険事業を
実施している。これらの事業の保険規制当局は(1)会社の許認可、(2)保険販売員の許認可、(3)保険商品
の承認、(4)販売実務、(5)保険金支払実務、(6)許容される投資、(7)支払能力及び適正資本並びに
(8)保険支払準備金などを監督する。特定の商品について、いくつかの国・地域においては、規制当局が、保険
料率(若しくは価格設定の構成)又は最低金利保証を義務づけている。保険会社の帳簿及び記録の定期的な審査、
財務報告の義務、市場行動の審査及び契約提出義務などのテクニックを利用して、これらの規制当局は米国外の保
険事業を監督している。最後に、日本を含む当社の保険会社が所在する各法域の保険監督当局は、プルデンシャ
ル・ファイナンシャル及び当該法域の法律に基づいて組織されたその他の保険会社の支配権の変更をすべて承認し
なければならない。
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ソルベンシー規制
保険会社の支払能力を監督するために、当社が営業している米国外の国・地域の規制当局は、通常、保険会社に
対し、米国保険規制当局が用いるRBC比率の概念と類似の何らかの形の最低支払余力(ソルベンシー)要件を設定
している。当該ソルベンシー比率は、規制当局が、保険会社の資本及び保険金支払能力の充実度を査定するために
使用され、関連会社との取引による影響も含む。一部の国・地域においては、ソルベンシー比率の公衆への開示を
義務づけている。規制当局が要請する数値よりソルベンシー比率が低い保険会社は、過少資本とみなされ、過少資
本の度合いに応じて様々なレベルの規制措置の対象となる。
金融安定理事会(「FSB」)、IAIS又は米国若しくは欧州経済領域(「EEA」)の当局が策定した規制基準に基づ
き、今後各地の管轄区域において、ソルベンシー規制が変更される可能性がある。FSB及びIAISの発展について
は、「海外の規制イニシアチブ」の項を参照のこと。
日本の資本及びソルベンシーに関する規制 : 当社の日本国内の保険事業は、ソルベンシー・マージン比率の枠組
み(「SMR」)と呼ばれる連結ベースの資本基準の適用を受ける。この基準は、保険会社の自己資本の計算方法を
規定しており、金融市場の変動への対応、保険会社のリスク管理実務の改善及び保険会社の子会社に関連するリス
クの検討を目的としている。2016年及び2018年に、FSAは、下記の「その他の海外の規制イニシアチブ」に記載の
IAISのリスク対応グローバル保険資本基準(「ICS」)の構成要素と合致する、SMRの枠組みに代わる潜在市場に基
づく代替案の実地試験を実施した。FSAは、既存のSMRの枠組みの潜在的代替案又は改訂版を引き続き模索する可能
性がある。当社は、SMRの変更が採択されるか否か、またその変更が資本要件及びコンプライアンス費用の増加に
つながるか否かについては、予測することができない。
韓国の会計基準、資本及びソルベンシーに関する規制 : 2017年、国際会計基準審議会(「IASB」)は、韓国及び
他の一部の法域において当社事業に適用される保険契約のための会計手法である新たな国際財務報告基準
(「IFRS」)を公表した。新たなIFRSは、当初2021年に発効する予定だったが、2018年、IASBは発効日を2022年に
延期した。韓国の金融監督局及び金融委員会は、その採択の取り組みの一環として、2017年6月の負債十分性テス
トを強化する計画を発表した。この強化策は、IFRSへの移行を支援するため、生命保険会社に追加的な責任準備金
を段階的に積み立てることを義務づけており、保険会社が保有を義務づけられる準備金の水準の向上につながるも
のと見込まれている。日本では、IFRSの変更は、IFRSに基づく報告が義務づけられていないため、現時点において
は当社の事業に影響しない。
当社の韓国における保険事業は、現行の会計要件に従って作成された財務諸表に部分的に基づくRBC要件の適用
を受ける。2017年及び2018年、韓国の金融監督局(「FSS」)は、IAISのICSの構成要素と合致する、RBCの枠組み
に代わる潜在市場に基づく代替案の実地試験を実施した。FSSは、保険契約のための会計手法である新たなIFRSの
実施と並行して、変更を実施する意図でさらなる定量的影響調査を行い、既存のRBCの枠組みの潜在的代替案又は
改訂版を引き続き模索する予定である。当社は、RBCの変更が最終的に採択されるか否か、またその変更が資本要
件及びコンプライアンス費用の増加につながるか否かについては、予測することができない。
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配当支払制限
当社が海外事業を展開しているいくつかの国においては、保険規制当局が株主に分配できる配当金の金額を規制
している場合がある。海外子会社が当社に対して配当金を支払う能力については、連結財務書類の注記15を参照の
こと。
保険支払補償基金制度
日本における保険事業を含む当社の一部の国際保険事業は、保険契約者や受給者に対する支払不能保険会社の一
定の債務について、査定の対象となる場合があり、通常これは当該法域において引き受けた事業の比例持分に基づ
いて行われる。将来の査定の時期は予想することができないため、特に四半期若しくは年次の国際保険事業の業績
に重大な影響を与える場合がある。日本の保険法に基づき、日本のすべての認可保険会社は、日本保険契約者保護
機構(「PPC」)の会員でなければならず、事前拠出ベースで負担金が課される。当該負担金は、支払不能保険会
社が契約保有者及び保険請求者に対して負担する債務の一部を履行するために用いられる共同ファンドを生成す
る。PPCは、すべての保険会社会員が計上した、当該会員の新事業の持分割合に応じた金額を、各会員に課す。
2018年、2017年及び2016年の12月31日に終了した年度に、当社は、日本の保険業法に基づき負担金としてそれぞれ
約22百万ドル、21百万ドル及び22百万ドル(固定相場ベース)を支払った。
米国の投資及び退職金商品並びに投資管理事業
当社の投資商品及びサービスは、連邦及び州の証券、信託及びその他法律規則(ERISAを含む。)の適用を受け
る。当社の投資管理業務は、米国において、主にSEC、FINRA、商品先物取引委員会(「CFTC」)、州証券委員会、
州の銀行部門及び保険部門、DOLといった規制機関の規制を受ける。当社の国内における投資事業は、米国以外の
証券法及び規制を受ける場合もある。
当社の事業が提供する分離勘定、ミューチュアル・ファンド、その他プール式の投資の中には、証券法に基づく
登録の他に、1940年投資会社法(その後の改正を含む。)に基づく投資会社の営業活動としての登録がなされてい
るものもあり、これら登録実体の株式の中にはいくつかの州やコロンビア特別区における販売が認められているも
のもある。分離勘定投資商品は上記のとおり州の保険規則の対象にもなる。また、1934年証券取引法(「取引
法」。その後の改正を含む。)に基づきブローカー・ディーラーとして登録されている子会社があり、これは連
邦・州の規制の対象となっている。さらに、1940年投資顧問法(その後の改正を含む。)に基づき登録されている
投資顧問会社を務める子会社も数社ある。証券を商品として販売する当社の第三者アドバイザー及びプルデンシャ
ル・アドバイザーの認可を受けた販売専門職並びにその他の従業員は、取引法の適用を受け、かつSEC、FINRA、各
州証券委員会による審査要件及び規制の対象となっている。規制及び審査基準はこれら個人を雇用しあるいは監督
するプルデンシャル社の各種実体にも拡大適用される。
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議会は、当社の退職金商品及びサービスの退職金制度スポンサー及び管理者にとっての魅力を増減させる、又は
これらの商品若しくはサービスから収益をあげる当社の能力に有利若しくは不利となる一定の年金制度改革を随時
検討する。これらの変更は今後、当社の確定給付年金商品及びサービスの売上を妨げ、当社が投資管理、事務管理
又はその他のサービスを提供している既存のプランについてスポンサーによる中止につながる可能性があるが、年
金制度に関連して提供する商品の魅力を高める可能性もある。
議会は、米国の既存の事業者提供退職金制度を改善及び強化する法案を検討している。特に一部の政策は、制定
されれば、複数事業者型年金制度へのアクセス及びその利用を拡大することにより制度保障の促進を支援し、自ら
の退職後に向けた貯蓄が如何に退職後の月割生涯所得につながるのかをよりよく理解するためのプラン契約者の月
割生涯所得の開示へのアクセスを促進し、また現在の年金選択肢のセーフハーバー規則を改善し、ひいては生涯所
得の携行性を提供するものである。
最後に、連邦及び州の銀行法は一般に、プルデンシャル・ファイナンシャル、プルデンシャル・バンク・アン
ド・トラストFSB(「PB&T」) 又は プルデンシャル信託株式会社 の支配権の変更について規制当局の承認を受けるこ
とを義務づけている。 連邦証券法も、支配関係の変更があった場合には、年金商品に含まれるミューチュアル・
ファンドに関するものを含め、支配権の変更に際して当社の投資顧問契約を顧客が再度承認し又は同意することを
求める場合がある。
米国の証券及びコモディティ事業
当社にはブローカー・ディーラー、投資顧問会社、コモディティ・プール・オペレーター及び商品投資顧問業者
などの子会社がある。SEC、CFTC、州証券当局、FINRA、全米先物協会(「NFA」)地方債規則制定委員会、類似の
機関が当該子会社の主要規制機関である。
当社のブローカー・ディーラー及びコモディティ関連企業は、FINRA及びNFA等の「自主規制組織」に加入すると
ともに、その規制の対象となっている。自主規制組織は、会員の審査を実施するとともに、これに適用する規則も
採択している。さらに、州の証券委員会やその他の監督機関には、当社の登録ブローカー・ディーラーに対する規
制と監視の権限が与えられている。米国及びある種の他の法域におけるブローカー・ディーラー及びその営業部隊
は、販売方法や取引慣行など、証券ビジネスの多くの側面を規定する規制の適用を受けている。これら規制では、
個人顧客に対する投資の適正度、顧客の資金及び証券の利用保管法、資本の適正度、記帳状況、財務報告、取締
役、管理職、従業員の行動などが対象となっている。米国各州の証券委員会及び米国以外の規制当局をはじめ、
SEC、CFTC及びその他の政府機関や自主規制組織は、ブローカー・ディーラー、投資顧問会社又はコモディティ会
社とその従業員に対し、譴責、罰金、停止命令、ブローカー・ディーラーとしての営業停止、営業終止、営業制限
などの行政手続をとる権限を有している。当社の米国で登録されたブローカー・ディーラー子会社は、連邦純資本
要件の適用も受けており、当該要件により子会社がプルデンシャル・ファイナンシャルに対して配当金を支払う能
力を制限される場合がある。
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海外における投資及び退職金商品並びに投資管理事業
当社の保険以外の国際事業は、主に事業を行っている国の規制当局による監督を受けている。当社は、日本、台
湾、英国、アイルランド、香港、メキシコ、ドイツ、ルクセンブルグ、中国及びシンガポール等において投資関連
事業を行っており、インド、イタリア及び中国等において投資関連合弁事業、チリにおいて退職金関連合弁事業に
参加している。これらの事業は、資産運用商品サービス、ミューチュアル・ファンド、個別運用勘定及び退職金商
品を提供する。これらの事業の規制当局は、一般的に、(1)会社の許認可、(2)投資商品販売員の資格、
(3)販売実務、(4)支払能力及び適正資本、(5)ミューチュアル・ファンド商品の承認並びに関連する開
示、並びに(6)証券、商品及び適用される法律などを監督する。当社の国際投資事業は、米国証券法及び規制の
対象となる場合もある。
2016 年6月、英国は、EU離脱を問う拘束力のない国民投票を承認した。英国がEUを離脱する公式の手続きは、英
国とEU間での離脱の時期と条件について引き続き交渉がなされている。交渉の結果によって、これらの法域におけ
る当社の事業及び投資に対する離脱の最終的な影響が決定され、為替レートや資産価格の変動や、規制の変更など
をもたらす場合もある。EU離脱が英国とEUの間の将来の金融サービス及び商品の国際貿易の制約をもたらす場合、
PGIMはかかる制約のコンプライアンスを確保するため、追加的な費用及び経営上の負担を負う可能性がある。PGIM
は様々な結果に可能な範囲で備えられるよう、様々な措置を講じている。これら措置には、新たな法人の設立、EU
の特定の国における許認可の申請、及び顧客とのコミュニケーションなどを含む。
デリバティブ規制
プルデンシャル・ファイナンシャル及び当社の子会社は、デリバティブを様々な目的(金利、外貨及び株式市場
リスクのヘッジを含む。)で利用する。ドッド・フランク法により、店頭デリバティブ市場の規制に対する枠組み
が創出された。この枠組みはデリバティブ取引の決済及び報告に関する要件並びに未決済スワップの証拠金規則の
要件を定めている。当社の子会社の間で締結された関連会社間スワップは一般的にこれらの要件の大部分から除外
されている。
当社は、当社が2020年より遵守を義務づけられる新たな当初証拠金要件及び当社のカウンターパーティである銀
行に課されるデリバティブ取引の自己資本規制の強化によるヘッジ費用への潜在的影響について、監視を続けてい
る。また、決済済みスワップについて現金担保を付す必要性が高まり、それによって収益性の高い資産の収益性の
低い現金への換金が必要となり、投資収益にマイナスの影響をもたらす場合がある。
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プライバシー及びサイバーセキュリティに関する規制
当社は、金融機関及びその他の企業に対し、健康関連及び顧客に関する情報を含む個人情報の安全性と機密性を
保護し、健康関連及び顧客に関する情報の収集と開示に関する金融機関の方針・慣行を、顧客及びその他の者に知
らせることを要求している法規及び指令の対象となっている。さらに当社は、国境を越えて従業員及び顧客情報を
移動させる又は使用する場合、国際的なプライバシー法、規則及び指令を遵守しなければならない。また、これら
の法規及び指令は、以下のとおり定めている。
-社会保障番号等の一定の情報の使用及び開示について追加の保護を提供する。
-一定の個人情報保護の違反行為があった場合には、影響を受ける個人、規制当局及びその他に対して通知する
ことを義務づける。
-金融機関及び債権者に対し、個人情報の盗難を発見、防止及び軽減する有効なプログラムを実施するよう義務
づける。
-金融機関が消費者及び顧客にマーケティングのための電話をかけることや、電子メール又はファックスによる
メッセージを送ることを規制する。
-消費者情報及び消費者レポート情報を含む特定の個人情報の使用の許容範囲を定める。
米国及び当社が事業を行う国外法域の金融監督機関は、引き続きデータの機密性及びサイバーセキュリティ(規
制案の策定を含む。)に力を入れており、規制対象となっている企業の検査において、この点を今後さらに重要視
し、強化することを表明している。例えば、2018年5月に発効したEUの一般データ保護規則(「GDPR」)は、EU内
の個人に追加のプライバシー権を付与し、その違反に対する罰則を規定している。また、米国では、連邦政府が
GDPRと類似する多数の法案を提出しており、カリフォルニア州は、2020年に発効する多くの点でGDPRに類似した広
範な法律を制定した。国外では、ブラジル及びアルゼンチンを含む多くの国がGDPRに類似する規制を制定してお
り、又は制定を検討している。
2017 年10月、NAICは保険データ・セキュリティ・モデル法を採択した。当該モデル法は、保険会社に対し、サイ
バーセキュリティプログラムを構築することを義務づけており、具体的な技術的保護条項、並びにガバナンス、事
故発生時対応策、データ管理、システム検査、ベンダーの監視及び監督者への通知に関する要件が含まれる。
ニューヨーク州は2017年3月に類似法を制定しており、他にもモデル法を採択したか、又は近い将来に採択する予
定としている州がある。
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当社は、この分野の規制の手引き及び規則制定を監視しており、また、コンプライアンス費用及び規制の増加に
晒される可能性がある。セキュリティ違反及びサイバー攻撃に対処するために、当社は情報セキュリティ最高責任
者及び情報セキュリティ・オフィスが監督するプログラムを策定した。当該プログラムは、当社が所有又は管理す
るすべての情報の秘密性、保全性及び継続的な入手可能性を保護し維持するために設計されている。このプログラ
ムの一環として、当社はインシデント対応計画を作成・管理している。当該プログラムは、会社の様々な職務及び
ガバナンスグループを規定し、各事業及び運営上の役割にわたる責務の遂行のための枠組みとしての役目を果た
す。当該プログラムは、当社の技術的資源の機密保護基準を設定しており、従業員、請負業者及び第三者のトレー
ニングを含む。このプログラムの一環として、当社は当社の技術プログラム及び内部応答体制について第三者によ
る独立評価を得るため、外部アドバイザーと共に定期的演習と応答迅速性評価を実施する。当社は外部セキュリ
ティ業界と定期的にやり取りし、サイバー脅威に関する情報を監視している。
マネーローンダリング防止及び贈収賄防止に関する法律
当社の事業は、テロやマネーローンダリングに関わる可能性のある当事者を識別するにあたり金融機関、監督官
庁、法律執行者の間における協力を推進することを目的とした、様々なマネーローンダリング防止及び金融透明性
法令の対象となる。さらに、現行の米国の法及び規制に基づき、ある条件下における、特定の個人又は法人との取
引を禁止され、また、顧客の活動の監視が義務づけられることがある。このことは、当社の顧客を引き付け、確保
する能力に影響を及ぼす可能性がある。当社はまた、連邦海外汚職行為防止法及び英国贈収賄禁止法を含む、汚職
及び政府職員その他の者に対する不正な支払に関する様々な法令の適用を受ける。顧客識別、疑わしい取引の監視
と通報、政府職員とのやり取りの監視、監督機関や法律執行者からの情報提供要請への対応、他の金融機関との情
報共有化など、当社を含む金融機関にとって責務が増すため、社内慣行や処理手続、コントロール方法などの実行
と維持が求められるようになった。
環境法令
連邦・州、その他地方自治体の環境関連法律規則は、当社の不動産の所有権や運用に適用されている。目に見え
ない環境に係る責任とその除去費用は、不動産の所有、運用に内在する事柄である。予期しない環境に係る責任は
常に発生するものであるが、当社は、不動産の所有権取得に先立ち環境評価を行う等、社内手続を遵守することに
よって当該リスクを最小限に抑える努力をしている。
未請求財産に関する法律
当社は、未請求資金又は放棄された資金の特定、報告及び没収について州及びその他の法域の法律及び規制の対
象となっており、これらの条件の遵守について、監査及び検査の対象となっている。当該事項に関する詳細につい
ては、連結財務書類の注記23を参照のこと。
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税制
米国の税制
当社及び一部の国内子会社は、生命保険会社及び非生命保険会社の両方を含む連結ベースの法人税申告書を提出
する。その他の国内子会社の一部は別途、申告書を提出する。当社の実際の法人税額と適用される法定連邦法人税
率との差額は通常、非課税投資収益に対する控除額であり、配当控除(「DRD」)、米国の税率と異なる税率の外
国税額及び特定の税額控除を含む。2018年以前は、適用される法定連邦法人税率は35%だった。2018年以降の課税
年度より、適用される法定連邦法人税率は21%となる。さらに、後述のとおり、当社商品の租税属性は当社及び当
社顧客の税務上の取扱いに影響を与える場合がある。当社の税務上の取扱いについては、連結財務書類の注記2及
び同注記15の「法人所得税」の項を参照のこと。後に詳述するとおり、新たな税制及び今後改正される可能性のあ
る税法の規定が、当社の税務上の取扱い及び当社商品の魅力に影響する可能性がある。
2017 年12月22日、2017年税法改正が立法化され、2018年より概ね発効された。2017年税法改正は、税率の引き下
げと、課税所得の増加及び特定の控除額の繰延又は排除を通じた課税ベースの拡大、並びに外国子会社の所得に対
する課税システムの変更により、法人及び個人の課税を変更する。当社にとって最大の変更点は、(1)法人税率
の35%から21%への引き下げ、(2)納税引当金及びDRDの控除額の算定手法の改訂、(3)特定の商品に関する
取得費用の資産計上期間及び償却期間の延長、並びに(4)外国子会社の該当する所得に対する課税システムの全
世界課税繰延べシステムから修正された領土内所得課税システムへの変更、((a)外国子会社の所得に対する新
たな課税(グローバル無形資産低税率所得(「GILTI」))、並びに(b)持分25%以上の米国以外の関連会社に対
する支払いに対する新たな課税(税源浸食・濫用防止税(「BEAT」))を含む。)である。
法人税率の引き下げにより、当社の国内法定資本及びリスクベース資本金が減少する見込みである。詳細につい
ては、「第3 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」
「(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「流動性及び資本資源-資本-保険規制目
的上の自己資本」を参照のこと。
GILTI の規定は、外国子会社の所得に課される米国の最低課税額のうち、連結外国子会社の有形資産のみなし利
益の10%を超える部分に対し、当該外国子会社に50%の米国税率を課すことにより適用され、外国法人所得税の部
分的外国税額控除を提供する。任意の期間におけるGILTIに対する税額は、米国と事業を行う国の課税所得の認識
に関する規則の違い、米国事業における課税所得の額、及びGILTIによる米国税額の減額が適用される外国の税額
控除額を制限する米国の費用配分規則に左右されうる。場合によっては、米国事業の課税所得により、外国関連会
社の所得の50%超がGILTI規定の対象となる場合もある。米国連結PFIグループが純営業損失を被り、又は国内事業
から損失を計上した年においては、GILTI規定はかかる損失の一部又は全部に対し米国税額控除の損失を計上し、
事実上外国の所得に対する課税を増加させる。
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BEAT 規定は、一定の条件下において、当社の税費用を増加させる場合がある。BEATは米国会社からその25%以上
保有する外国関連会社への課税控除の対象となる支払いが米国税額控除の3%を超える場合に導入される代替税で
ある。これが導入されれば、BEATは2018年は5%、2019年は10%、202年には12.5%と増加する税率で修正課税所得
に課税し、外国の及び特定のその他の税額控除の恩恵なしに計算されたBEAT税額が当該年の通常の法人所得税額を
超えている場合に支払いを求められる。一般に、修正課税所得は、納税者の通常の法人所得税に、外国関連会社に
対する支払いに関する特定の「税源浸食的税額控除」の金額及び純営業損失控除の「税源浸食割合」を足し戻すこ
とにより計算される。米国関連会社が受再した再保険において当社の米国保険事業により当社の外国関連会社に支
払われた保険給付金及び保険金が税源浸食的支払いとみなされ、米国の連結PFIグループが将来BEATの対象となる
可能性がある。
2018 年、米国財務省及び内国歳入庁(「IRS」)は、多くの2017年税法改正の規定及び当該法に影響される規定
(GILTIを含む)、外国税額控除、純利息税控除及びBEATに関する規制案を公表した。財務省及びIRSは、規制案に
関するコメントを募集した。この法律の一部の規定について完全に理解し実施するためには財務省及びIRSからの
ガイダンスが必要となる可能性があり、この規制案に関する当社の分析はまだ終了していない。その他の生命保険
会社及び金融サービス会社はこれら税法改正により多少なりとも恩恵を受ける可能性があり、このことが当社の全
体的な競争上の地位に影響する可能性もある。2017年税法改正の施行にかかわらず、大統領、議会、並びに州及び
地方政府は、当社が支払う法人税額を増加し、収入を減少させる可能性がある法案を引き続き随時検討する可能性
がある。
現行の米国連邦所得税法等は一般的に、配当金の支払いがなされるまで、特定の退職金商品、年金保険商品及び
生命保険商品の利殖部分の累積額に対する課税を繰り延べることを認め、一般的に生命保険契約に基づき支払われ
た死亡保険金を課税対象から除外している。2017年税法改正ではこのルールに変更はなかった。但し、総合的な実
効税率が相対的に低い個人にとっては、当社の商品の課税繰延という特徴は魅力のないものと映る可能性もある。
個人所得税率の全般的な引き下げ及び一部の個人税額控除の廃止も、現在の顧客又は潜在的顧客が退職後に備えて
貯蓄し、当社の商品を購入することで死亡率リスク及び長命リスクを管理するための税引後所得が増加又は減少す
るかによって、当社に影響を及ぼす可能性がある。議会は、退職金貯蓄、生命保険及び年金商品の優遇税制を改訂
する立法を含め、消費者にとっての当社の商品の魅力を低減させるようなその他の税法改正を随時立法化する可能
性がある。
当社が販売する商品にはそれぞれ異なる税の特徴があり、税額控除及び税額減免の対象となるものもある。米国
又は外国の税法の改正は、分離勘定商品をサポートするための当社の投資について源泉徴収された外国税の控除申
請を行う当社の能力を含む、当社が現在得ている税額控除及び税額減免に対し、マイナスの影響をもたらす可能性
がある。このような法改正は、当社の実際の税費用を増加させ、当社の連結純利益を減額させる。
一部商品の収益性は、上述の特徴及び課税所得を継続的に生み出す当社の能力に大いに依存している。これらは
商品価格の決定の際に考慮されており、当社の資本管理戦略の一要素でもある。したがって、税法改正、課税所得
を生み出す当社の能力、又は当社商品の税の特性の利用可能性又は価値を左右するその他の要素は、商品の価格決
定及び収益に影響し、かつ当社がそれら商品の販売を減少させ、又は当社事業に悪影響を及ぼしうるその他の措置
を講じざるを得ない状況をもたらす可能性がある。
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海外の税制
当社の国際事業には、その事業が組織され、運営されている国の税法及び税に関する規制の対象となる。外国政
府は、随時、当社が支払う税金に影響を及ぼす又は当社の商品の売上に影響を及ぼす可能性がある法律を検討して
いる。例えば、経済協力開発機構(OECD)は、外国政府が検討し採択する可能性があるグローバルな税源浸食的税
のモデルの選択肢を引き続き検討している。そうした改正は当社商品の売上にマイナスの影響を及ぼし、又は当社
の収益を減少させる可能性がある。
2017 年12月19日、韓国は2018年税制改革法案を制定し、2018年1月1日以降に開始する課税年度より、3000億
ウォンを超える課税所得に対して、25%の法人税を課す課税区分を新たに追加した。200億ウォン超、3000億ウォ
ン未満の課税所得に対しては引き続き22%の法人税が課される。さらに、企業には算出法人税額の10%の地方所得
付加税(例えば、3000億ウォンを超える課税標準に対して2.5%、200億ウォンから3000億ウォンの課税標準に対し
て2.2%)が適用される。この法人税に対する地方所得付加税の10%を踏まえると、2018年税制改革法案によっ
て、韓国における最高法人税率は24.2%から27.5%に引き上げられた。
2017 年以前、日本の法人税率は、2015年4月1日以降の課税年度については23.9%だったが、2016年4月1日以
降の課税年度については23.4%、2018年4月1日以降の課税年度については23.2%に引き下げられた。さらに、日
本国内で得た当社の所得に課される地方所得税もある。日本の消費税は現在8%であり、2019年10月1日に10%へ
の増税が予定されている。当社のライフ・プランナー及びライフ・コンサルタントに支払われる保険手数料は一定
の収入限度額を超える個人については消費税の対象となる。しかし、消費税は従業員の報酬(手数料を除く)又は
保険料に対しては課税されない。
海外の規制イニシアチブ
米国におけるドッド・フランク法の採択に加え、世界各国の規制当局及び立法府は、将来における金融危機の発
生を防止する手段を積極的に模索している。当該作業の多くの点については、G20加盟国の金融監督機関の代表者
らで構成されるFSBがこれを主導している。G20、FSB及び関連当局は金融グループの監視、資本及びソルベンシー
の基準、システミック・エコノミック・リスク、役員報酬を含むコーポレート・ガバナンス、並びに関連する多く
の課題に対処するための提案を行っている。
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2013 年7月、当社は、IAISが開発し実施した定量的方法論を通じて、他の世界的保険会社8社とともにシステム
上重要なグローバルな保険会社(「G-SII」)であるとFSBから認定された。2016年11月までの間、同様の評価が実
施され、G-SII認定のリストが毎年発行されている。当社はこの間、G-SIIの認定を一貫して維持している。2017年
11月、FSBは、2016年のG-SIIリストが2018年11月までの間有効に維持されると発表した。この2018年11月の時点
で、FSBは、保険セクターの潜在的システミックリスクの評価及び管理のための活動に基づくアプローチ
(「ABA」)の策定について、IAISによる進捗の評価を行う。2018年の間、ABAを策定するIAISの活動は、保険セク
ターのシステミックリスクに対する包括的枠組み(「包括的枠組み」)の策定に発展した。包括的枠組みの主要な
要素には、マクロ健全性の監視に関するIAISの政策の強化、企業リスク管理、流動性管理、危機管理及び再生計
画、並びにIAISによる年次データの収集及び監視の継続が含まれる。IAISは、2019年に包括的枠組みの最終案をま
とめ、2020年の実施を予定する。2018年11月、FSBは、包括的枠組みの策定の進展に基づくG-SIIの認定を行わない
こと、及びG-SIIの認定を2020年以降一旦中止するというIAISの提言について、2019年11月に評価を行うことを公
表した。FSBはまた、2022年11月に年1度行われているG-SII認定の中止又は再開の必要性についても見直しを行う
と発表した。
IAIS は、その潜在的システミックリスクの評価及び管理に関する活動に加えて、IAISによる国際的に活動してい
る保険グループの監督のための、共通の枠組み(「ComFrame」)を策定している。ComFrameを通じて、IAISは、保
険会社のコーポレート・ガバナンス、事業リスクの管理、及びその他のコントロール機能、グループ全体の監督及
びグループ全体の自己資本比率に関する統一基準を設けることにより、効率的かつ国際的に統一された保険業界の
監督機能を促進することを目標としている。ComFrameの資本に関連しない要素は、一連のパブリック・コンサル
テーションを通じて繰り返し検討されており、2019年11月にIAISが採択する予定である。ICSはComFrameの自己資
本充実度に関する要素であるが、これも一連のパブリック・コンサルテーション及び任意の実地試験を通して繰り
返し検討されている。IAISは2017年11月、そのメンバーの間で締結されたICSの策定及び実施に関する契約を公表
した。この契約の規定には、IAISが2019年にICSを採択すること、IAIGsがIAIGを管轄するグループ監督当局にICS
の結果を報告することとなっている2020年に開始する5年間の監視期間、及び2025年のICSの管轄区域ごとの実施
などが含まれる。
基準を設定する機関として、IAISはICS及び包括的枠組みの中で提案された政策を含むIAISが策定する政策に従
うよう保険会社に対して要求する直接的な権限はない。しかし、当社のグループ監督機関又は当社の国際事業若し
くは海外子会社の監督機関によって採用された場合、プルデンシャル・ファイナンシャルはこれらの基準の適用対
象となる可能性がある。IAISの基準の採択は、当社の資本展開、事業の構成及び管理運営方法に影響を与える可能
性があり、米国内外での事業展開にも影響を与える可能性がある。複数の法域における立法府及び規制当局がこれ
らのイニシアチブを同時に行うことにより、プルデンシャルに対して、グループレベル及び子会社レベルで、一貫
性を欠く、相反する規制が適用される可能性がある。
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4 【関係会社の状況】
(1) 親会社
当社には親会社は存在しない。
(2) 子会社
以下では、資本金の額が100百万ドルを超える子会社を記載している。投資対象である子会社については、
資本金の額が100百万ドルを超えているものについても記載していない。資本金の額は、2018年12月31日時点
で公表されたものであり、2018年12月の提出後に書き換えられた額を記載したものではない。
資本金
提出会社の
主たる (別段の記載が
名 称 主たる業務 所有割合
事務所の所在地 ない限り
(議決権)
千ドル)
● 資産運用会社
PGIMインク ニュー ザ・プルデンシャル・インシュアラ 263,017 100%
ジャージー州 ンス・カンパニー・オブ・アメリカ (100%)
(PGIM, Inc.)
に対する投資業務。その他の子会社
(独立)
の全発行済み株式を保有。
PGIM・リアル・エステー ニュー PGIMリアル・エステート・ファイナ 460,991 100%
ト・ファイナンス・ホー ジャージー州 ンス・エルエルシーの親会社兼持株 (100%)
ルディング・カンパニー 会社。
(PGIM Real Estate
Finance Holding
Company)
PGIMストラテジック・イ デラウェア州 主に不動産(モーゲージ貸付を含 326,391 100%
ンベストメンツ・インク む)、非上場債券(銀行ローンを含 (100%)
(PGIM Investments, む)、非上場エクイティ(買収を含
む)、資産担保証券、公債及び一部
Inc.)
の状況下では上場エクイティへの戦
略的投資。
PGIMファイナンシャル・ 英国 PGIMファイナンシャル・リミテッド 191,554 100%
リミテッド はPGIMインクの英国子会社すべてを (100%)
(PGIM Financial LTD) 含むPGIMインクの英国事業の持株会
社であり、英国事業のオペレーショ
ナル・リース及びプルデンシャル・
リアル・エステート・インクの雇用
契約を保持する。
ジェニソン・アソシエイ デラウェア州 主に会社、受託者の管理に移された 130,462 有限責任会社
ツLLC 年金と利益分配計画、慈善団体、寄 (株式なし)
(Jennison Associates 贈、保険分離勘定、関連会社及び第
三者のミューチュアル・ファンド、
LLC)
その他の合同運用型ファンド、及び
ブローカー・ディーラーがスポン
サーとなっている合同運用勘定プロ
グラムの個別運用勘定への投資運用
サービスの提供。
PREIアクイジションLLC デラウェア州 企業の合法的な事業、目的又は活動 172,864 100%
(PREI Acquisition すべて(不動産の取得、管理及び処 (注:PREIア (100%)
分などを含むがこれらに限らな クイジション
LLC)
い。)。 の子会社の資
本金を含
む。)
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資本金
提出会社の
主たる (別段の記載が
名 称 主たる業務 所有割合
事務所の所在地 ない限り
(議決権)
千ドル)
● 保険業務
プルコ・ライフ・イン アリゾナ州 ニューヨークを除くすべての州にお 2,825,707 100%
シュアランス・カンパ いて個人生命保険及び一時払い据置 (100%)
ニー・オブ・アリゾナ 年金事業を行う。
(PRUCO Life Insurance
Company of Arizona)
プルデンシャル・アニュ デラウェア州 保険関連の事業を行う1つ又は複数 6,850,528 100%
イティーズ・ホールディ の保険会社の株式若しくはその他の (100%)
ング・カンパニー・イン 証券を保有する持株会社。
ク
(Prudential Annuities
Holding Company, Inc.)
プルデンシャル・リタイ コネチカット州 退職年金及び年金保険の販売及び 1,519,610 100%
アメント・インシュアラ サービスの提供。 (100%)
ンス・アンド・アニュイ
ティ・カンパニー
(Prudential Retirement
Insurance and Annuity
Company)
ニュー 生命保険会社として事業を行い、特 1,542,744 100%
プルデンシャル・レガ
ジャージー州 にCOLI保険及び私募変額生命保険 (100%)
シー・インシュアランス・
等、団体及び/又は個人の保険商品
カンパニー・オブ・ニュー
を取り扱う。
ジャージー
(Prudential Legacy
Insurance Company of New
Jersey)
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資本金
提出会社の
主たる (別段の記載が
名 称 主たる業務 所有割合
事務所の所在地 ない限り
(議決権)
千ドル)
アリゾナ州 個人生命保険事業の再保険のために 353,633 100%
プルデンシャル・アリゾ
設立。プルコ・ライフ・インシュア (100%)
ナ・リインシュアランス・
ランス・カンパニー・オブ・ニュー
キャプティブ・カンパニー
ジャージー(「PLNJ」)及びプル
(Prudential Arizona
コ・ライフの資本負担を和らげるこ
Reinsurance Captive
とを目的としている。
Company)
アリゾナ州 生命保険事業の資本管理戦略準備金 329,794 100%
プルデンシャル・アリゾ
に対する再保険を提供する。 (100%)
ナ・リインシュアランス・
ターム(Prudential
Arizona Reinsurance
Term)
アリゾナ州 当該会社は個人定期生命保険商品に 268,003 100%
プルデンシャル・ターム・
関する非経済的準備金をサポートす (100%)
リインシュアランス・カン
る目的で設立された。
パニー(Prudential Term
Reinsurance Company)
アリゾナ州 当該会社はアリゾナ州の一般法人で 1,345,177 100%
プルデンシャル・アリゾ
あり、親会社専属保険会社として設 (100%)
ナ・リインシュアランス・
立され、アリゾナ州法の条件に従っ
ユニバーサル・カンパニー
て、保険及び再保険取引を行うため
(Prudential Arizona
に設立された。
Reinsurance Universal
Co)
アリゾナ州 当該会社は、個人生命保険の資本管 397,570 100%
プルデンシャル・ユニバー
理戦略の一環として、一定のユニ (100%)
サル・リインシュアラン
バーサル生命保険商品に関する非経
ス・カンパニー
済的準備金を分離し、より効率的な
(Prudential Universal
財務体制をもって支援することを可
Reinsurance Company)
能にするために設立された。
アリゾナ州 ユニバーサル生命保険事業の再保 182,950 100%
ジブラルタ・ユニバーサ
険。 (100%)
ル・ライフ・リインシュア
ランス・カンパニー
(Gibraltar Universal
Life Reinsurance
Company)
デラウェア州 当該会社は、個人生命保険からの資 320,533 有限責任会社
ヒラカタLLC
本管理のための資金調達を支援する (株式なし)
(Hirakata, LLC)
ために設立された。当該取引の一部
として、特別目的LLCが必要とされ
る。
デラウェア州 当該会社は、TBGマリン企業を取得 107,311 有限責任会社
プルデンシャル・リタイア
するために設立された。 (株式なし)
メント・ホールディングス
LLC
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資本金
提出会社の
主たる (別段の記載がな
名 称 主たる業務 所有割合
事務所の所在地 い限り
(議決権)
千ドル)
● 国際保険会社
プルデンシャル・イン デラウェア州 当該会社はプルデンシャルの一 790,656 有限責任会社
ターナショナル・イン 部の国際保険会社の親会社であ (株式なし)
シュアランス・サービ る。
ス・カンパニー・エルエ
ルシー(Pru Intl
Insurance Svcs Co,
LLC)
プルデンシャル・ホール 日本 同社の主な事業は投資及び金融 23,380,704 100%
ディング・オブ・ジャパ 産業における事業の持株会社で (注:この金額 (100%)
ン株式会社 ある。 はプルデンシャ
(Prudential Holdings of ル・ホールディ
ング・コンソリ
Japan, Inc.)
デ イ テ ッ ド
($487,688) 、
ジブラルタ生命
プルデンシャル・ホール
($13,469,544)
ディング・オブ・ジャパ
及びザ・プルデ
ン・コンソリデイテッド
ンシャル・ライ
(Prudential Holdings
フ・インシュア
of Japan Consolidated)
ラ ン ス
($9,423,472)
ジブラルタ生命保険
を含む、プルデ
株式会社(Gibraltar
ンシャル・ホー
Life Insurance Co.,
ルディング・オ
Ltd)
ブ・ジャパン株
式会社の子会社
プルデンシャル生命保険
の資本金を含
株式会社
む。)
(The Prudential Life
Insurance Company,
Ltd.)
ザ・プルデンシャル・ラ 韓国 当該会社は大韓民国政府によっ 4,188,222 100%
イフ・インシュアラン て承認されているすべてのタイ (100%)
ス・カンパニー・オブ・ プの個人保険業務を行う。
コリア・リミテッド
(The Prudential Life
Insurance Company of
Korea, Ltd.)
プルサービコス・パル ブラジル ブラジルにおける保険事業を管 450,451 100%
ティシパソス Ltda. 理する有限責任会社。
(Pruservicos
Participacoes, Ltda.)
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資本金
提出会社の
主たる (別段の記載が
名 称 主たる業務 所有割合
事務所の所在地 ない限り
(議決権)
千ドル)
プルデンシャル・ライ 台湾省、中国 同社の事業は、台湾における個人保 752,618 100%
フ・インシュアランス・ 険である。 (100%)
オブ・タイワン・インク
(Prudential Life
Insurance of Taiwan,
Inc.)
プラメリカ・ライフ SPA イタリア イタリア国内での生命保険商品の販 177,655 該当なし
売のために設立。 (当該会社には
(Pramerica Life SPA)
株式はない)
● その他
当社は上記の会社を含め、約430社の子会社を有している。
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5 【従業員の状況】
従業員数
2018 年12月31日現在、当社の従業員及び販売員数は50,492名(米国外に配置される29,506名を含む)であ
る。当社としては各従業員及び販売員とは満足できる関係にあると考えている。
米国従業員平均年齢:44.97
米国従業員:平均勤務年数:12.28
米国従業員:平均月間給与:9,635ドル(2018年、完全歩合制の従業員を除く。)
海外従業員平均年齢:43
海外従業員:下表を参照のこと
海外従業員:平均月間給与:入手不可能
勤続年数別従業員数(米国外)
2018年度 2017年度
1年未満 3,087 1,697
1年以上3年未満 4,153 4,858
3年以上5年未満 2,984 3,043
5年以上10年未満 4,999 5,205
10年以上15年未満 4,054 3,919
15年以上 6,682 6,716
合計 25,959 25,438
2017 年度及び2018年度のデータは当社のグローバル人事システムから取得したものであり、米国外のすべて
の従業員数を反映しておらず、下表の合計数とは一致しない。
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セグメント別従業員数-下表は米国内外の事業における従業員数を示している。
2018年12月(注1)
実数
退職金ソリューション及び投資運用
年金セグメント 1,000.5
投資運用及びアドバイザリー・サービス 3,177
プルデンシャル投資 422
国際投資 163
資産運用セグメント 3,762
退職金セグメント 2,072
退職金及び投資運用合計 6,834.5
個人生命保険及び団体保険
個人生命保険セグメント(代理店を通じた販売を含む) 6,037
団体保険セグメント 1,759
個人生命保険及び団体保険合計 7,796
国際保険及び投資
ライフ・プランナー事業 12,580.5
ジブラルタ生命(注1) 14,442
国際保険部門合計 27,022.5
全社及びその他業務
全社勘定 8,838.5
全社及びその他業務合計 8,838.5
継続事業の当社従業員数合計 50,491.5
生産及びサポート社員合計 28,521.50
販売社員合計 21,970
継続事業の当社従業員数合計 50,491.5
(注1) ジブラルタ生命の実数は、1ヶ月のずれをもって報告されている。
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第3 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
下記「2 事業等のリスク」及び「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分
析」の項を参照のこと。将来に関する記述は本書提出日現在の記述である。
2 【事業等のリスク】
以下のリスクは、慎重に検討されるべきである。リスクは以下に挙げるものに限られず、その他当社が直面す
るリスクには、上記の「将来の見通しに関する記述」における要素及び本書のその他の箇所に記載する当社の事
業のリスクが含まれるが、これらに限定されない。これらのリスクのうちの多くが相互に関連するものであり、
類似の事業や経済環境下において発生する可能性があり、これらのリスクの一部が発生した場合、他のリスクが
発生し又はその影響が増加する可能性がある。リスクが組み合わされることにより、当該リスクが当社の事業、
業績、財務状況及び流動性に与える影響の重大性が大幅に増大する場合がある。
概要
当社のリスク管理の枠組みは、リスクの定義、発生の可能性及び管理について文書化したものである。当社
は、そのリスクをタクティカル・リスクとストラテジック・リスクに分類している。タクティカル・リスクは当
社に損害を与える可能性があり、当社は、モデル、指標及び総合的なリスクの枠組みを通じてその管理・緩和を
目指している。当社のタクティカル・リスクには、投資リスク、保険リスク、市場リスク、流動性リスク及びオ
ペレーショナル・リスクが含まれる。ストラテジック・リスクは、(実施する事業の内容の変更又は実施方法の
変更を通じた)当社の基本的なビジネス・モデルの変更を生じさせる可能性がある。当社のストラテジック・リ
スクには、規制、テクノロジーの変更その他外的要因が含まれる。これらのリスク及び当社に影響を与える可能
性のある副次的なリスクについては、以下において記載する。
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投資リスク
当社の投資ポートフォリオは、債務不履行又は信用度若しくは価値の低下に伴う損失のリスクにさらされてい
る。
当社は、主に上場・非上場の満期固定証券、商業モーゲージ貸付及びその他の貸付、株式並びに非上場株式、
ヘッジファンド及び不動産等の代替資産から成る投資を通じて投資リスクにさらされている。一般勘定投資の詳
細については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(3)財政
状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「一般勘定投資」の項を参照のこと。当社はまた、カ
ウンターパーティの潜在的な債務不履行による投資リスクにもさらされている。
投資リスクは、①経済状況、②資本市場における不利な市況(個別の市場部門の混乱又は市場における買手の
不存在を含む。)、③ボラティリティ、④信用スプレッドの変動、⑤ベンチマーク金利の変動、⑥外国為替レー
トの変動、及び⑦原担保の価値の低下によって生じる可能性がある。これらの要素は、信用度、流動性並びに投
資及びデリバティブの価値に影響を与えることがあり、資本費用と未実現・実現損失の増加につながるおそれが
ある。また、当社が保有している投資の一部は、市況にかかわらず、比較的流動性が低く、当社が当該資産を満
額で速やかに売却する能力が制限される可能性がある。さらに、当社による投資の評価には、変更される又は異
なる解釈が適用される可能性があり、投資の評価の変更につながるおそれのある手法、情報及び仮定が含まれる
ことがあり、当社の経営成績又は財務状況に重大な影響が及ぶおそれがある。当社の投資の評価の詳細について
は、連結財務書類の注記6を参照のこと。
当社の投資ポートフォリオは、信用リスク(債務者(又は保証人)が、満期固定証券、ローンその他の債務に
ついて契約上の支払債務を履行できない又は履行する意思を有しないリスク)にさらされている。 信用リスク
は、特殊な(すなわち、個々の借主又は業界に特有の)態様又は市場全体の信用サイクルを通じて発生すること
がある。債務者の財務状態の悪化は、債務不履行リスクを増加させ、また、NAICのRBC、FSAのSMRその他の体制
において要求される資本費用を増加させる可能性があり、投資が中断し、当社の全体的な資本の柔軟性が制限さ
れる可能性がある。債務不履行(及び信用減損、信用販売に関する実現損失、信用関連準備金の増加)は、損失
につながる可能性があり、収益、資本、及び当社が負債を適切に処理し、将来の債務を履行する能力に悪影響を
与える可能性がある。
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有価証券報告書
当社は、カウンターパーティ・リスク(取引の最終決済前又は最終決済時にカウンターパーティが債務不履行
に陥る又はその信用度が低下するリスク)にさらされている。 当社は、通常の事業活動において、リスク管理
(市場リスクを管理するためのデリバティブ、保険リスクを管理するための再保険契約等)、投資収益の改善
(証券貸出及び買戻し等)、並びに流動性の源の提供又は資金調達(信用契約、証券貸出契約及び現先取引等)
を目的とした金融契約を締結している。これらの取引を通じて、当社は、カウンターパーティ・リスクにさらさ
れている。カウンターパーティには、商業銀行、投資銀行、ブローカー・ディーラー、保険会社及び再保険会社
が含まれる。カウンターパーティにおいて財務状態の悪化又は債務不履行が生じた場合、損失の規模は、当該時
点の市況と新たなカウンターパーティとの間の代替取引の締結に要する時間に左右される。損失は、ストレスの
生じている状況において増加する可能性が高い。
当社の投資ポートフォリオは、株式リスク(上場株式又は代替資産の市場価値の低下に伴う損失のリスク)に
さらされている。 当社は、上場株式と代替資産(非上場株式、ヘッジファンド及び不動産を含む。)をそのポー
トフォリオ構成に含めているが、これは、当該資産クラスが当社の一部の負債の長期性によってより長期間にわ
たって利益を創出するためである。上場株式及び代替資産の価格は、それぞれ程度は異なるものの、透明性が高
い。証券取引所で取引される株式(上場株式)は、多くの場合その取引の公開を要求されているため、その価格
は極めて透明性が高い。価格の透明性が低い資産には、非上場株式(合弁事業/リミテッド・パートナーシッ
プ)及び直接保有不動産が含まれる。これらの投資資産は、通常、公開市場で取引されず、換金可能な市場価値
の指数の入手が困難であり、その評価は不定期かつ/又は不安定となる可能性がある。上場株式市場及び代替市
場の継続的な低迷により、受取配当金、不動産管理収益及びキャピタル・ゲインが期待値を下回り、利益、資本
及び商品価格設定の仮定に悪影響が及ぶことにより、当社の投資ポートフォリオの収益が減少する可能性があ
る。また、当該資産は、原投資の配当が不安定であることに伴い利益のボラティリティを生じることもある。
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保険リスク
当社は、保険契約者への給付に関連して多額の負債を有しており、当該負債は、保険リスクにさらされてい
る。保険リスクとは、実際の経験が保険に関する仮定(死亡率、罹患率及び保険契約者の行動に関する仮定を含
む。)の最良の見積から不利な形で乖離するリスクをいう。 当社は、財務上の様々な不安定性から顧客を保護す
ることを目的とした各種個人・団体保険商品を提供している。当社の保険商品は、多数の個別のエクスポー
ジャーをプール及び多様化させることによってこれらのリスクがより効果的に管理可能である場合に、潜在的な
損失リスクを当社に移転することにより当該リスクから顧客を保護している。かかる移転プロセスにおいて、当
社は、当社の保険商品において実際に経験される損失が当社の予想から大きく乖離するリスクを負う。具体的に
は、保険リスクとは、当社の将来における負債に影響を与えるような乖離に関するリスクをいう。経験死亡率、
経験罹患率又は保険契約者の行動に関する経験が商品の価格設定時における当社の予想と大幅に異なる場合、当
社の収益性が減少する可能性がある。さらに、予想を上回る保険金請求を受けた場合、当社の流動性ポジション
が悪影響を受ける可能性があり、保険金を支払うために資産の売却を要求された場合に当社が投資損失を被るお
それがある。損失を出しても資産を売却する必要がある場合、当社の経営成績及び財務状況が悪影響を被る可能
性がある。保険に関する仮定の変更が当社の財務状況に与える影響については、「3 経営者による財政状態、
経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
の分析」の「会計方針及び発表-重要会計方針の適用-保険負債」の項を参照のこと。
当社の保険商品の一部は、死亡率リスク(実際の死亡率が当社の予想から不利な形で乖離するリスク)にさら
されている。 死亡率リスクとは、以下の態様で発生する可能性のあるバイオメトリクス(生物測定的)なリスク
をいう。
・ 死亡災厄 とは、パンデミック、自然災害、人災、軍事行動又はテロリズムの結果として1年当たりの死亡率
が当社の予想から不利な形で乖離するリスクである。死亡災厄事由により、当社の利益や資本が減少し、予
想を上回る額の保険金を支払うために満期前の資産の売却を強いられる可能性がある。死亡災厄リスクは、
顧客(団体生命保険及び個人生命保険の顧客を含む。)、従業員又は主要事業が集中する特定の地理的エリ
ア(主要大都市を含む。)、並びに当社が軍事行動又は紛争の可能性に直面して事業を行う国及び地域につ
いてより顕著となる。最終的な損失は、各種セグメントの被保険者の死亡率及び罹患率、再保険の回収可能
性、当社の投資ポートフォリオについて想定されるマクロ経済的影響、保有契約の失効及び解約に対する効
果、並びに新規契約及びその他の変額年金保険の売上等、様々な要素に左右される。
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・ 死亡率の傾向 は、将来における死亡率の改善が当社の予想から不利な形で乖離するリスクである。死亡率の
傾向は、長期にわたって段階的に発生する可能性がある長期的なリスクである。長生に備える商品(年金保
険、退職年金リスクの移転及び長期介護保険等)については、予想を上回る死亡率の改善に伴う不利な影響
が経験される。死亡保障商品(生命保険等)については、予想を下回る改善に伴う不利な影響が経験され
る。当該リスクが発生した場合、当社は、保有保険契約の準備金の算出にあたって使用される仮定を更新す
るが、その結果として、予想を上回る年金保険金請求又は予想より早期の生命保険金の請求に対応するため
に追加の資産が必要になる可能性がある。仮定の更新による準備金の増加は、当社の経営成績及び財務状況
に直ちに影響を与える可能性があるが、アウトフローは長期にわたって支払われるため、その経済的な影響
は、通常、長期的なものとなる。
・ 基準死亡率 は、実際の基準死亡率が商品の価格設定・評価時における予想基準死亡率から不利な形で乖離す
るリスクである。基準死亡率リスクは、仮定の基準とする上で信用に値するデータが存在しないことにより
発生する可能性がある。
当社の保険商品の一部は、罹患リスク(罹患事由や罹患の継続に関する経験が不利な形で予想から乖離するリ
スク)にさらされている。 罹患リスクは、以下の態様で発生する可能性のあるバイオメトリクス(生物測定的)
なリスクである。
・ 罹患事由 とは、保険契約者が健康を害する(かつ保険契約に基づく給付の受給につき適格となる)割合が不
利な形で予想から乖離するリスクをいう。当社は主に、短期所得補償保険商品、長期所得補償保険商品、長
期介護保険商品、及び当社が日本で販売する障害疾病保険商品につき罹患事由リスクにさらされている。
・ 罹患の継続 とは、保険契約者が健康を害している期間が不利な形で予想から乖離するリスクである。当該リ
スクは、主に当社の所得補償保険商品及び長期介護保険商品に存在する。
いずれの場合においても、罹患率に関する仮定の更新に伴う保険金請求の増加又は準備金の増加は、当社の経
営成績及び財務状況に直ちに影響を与えるが、継続的な疾病又は障害について保険金を支払う商品についての罹
患リスクの経済的な影響は、通常、罹患に関する保険金の支払いに伴って長期にわたって発生する。
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当社の保険商品の一部は、保険契約者の行動に関するリスク(保険契約者の実際の行動が不利な形で予想から
乖離するリスク)にさらされている。 保険契約者の行動に関するリスクは、以下の内容を含む。
・失効事由は、短期の失効率が不利な形で予想から乖離するリスクである(例えば、当社の財務力格付の引下
げ又は評判の悪化によって特定の保険商品の解約が増加する可能性がある。)。当該リスクにさらされてい
るのは一部の商品に限られる。一般勘定における、現金で解約返還金額を支払う商品(一般勘定ステーブ
ル・バリュー型(確定利回り型)商品等)は、短期の潜在的な失効事由リスクを生じる可能性がある。当該
商品の解約は流動性に影響を与える可能性があり、特定の市況においては、解約の請求に対応するため資産
の売却が必要となる可能性がある。失効事由は、将来の予想収益への影響を通じて当社の利益にも影響を与
える可能性がある。
・ 保険契約者の行動の効力 とは、当社の顧客又は保険契約者の行動が不利な形で予想から乖離するリスクをい
う。保険契約者の行動の効力に関するリスクは、保険契約者に対して一定程度の選択肢や柔軟性を提供する
商品特性(保険金請求の金額及び/又はタイミングに影響を与える可能性がある。)を通じて発生する。当
該選択肢には、解約、失効、一部引出し、保険約款貸付、利用及び変額保険料保険の保険料率が含まれる。
一部の行動は、市場の変動等のマクロ的要素に基づくものであるが、根本的なレベルの保険契約者の行動
は、主に保険契約者の個別のニーズに基づくものであり、提供される特性、各商品のマーケティングのアプ
ローチ及び競合会社の価格設定といった多数の要素により、商品ごとに大幅に異なることがある。例えば、
年金保険事業における継続率(契約が継続する可能性)は、多くの変額年金保険商品に含まれる最低給付額
保証の価額が市場の低迷その他要因を受けて現在の勘定価値を上回っている場合に、多大な影響を受ける場
合がある。当社の商品の多くは、顧客に対し、保険積立金の金額及びタイミング並びに解約払戻金の金額及
び引出しのタイミングについて幅広い柔軟性を提供している。とりわけこれらの商品の特性が市場において
比較的新しいものであった場合、実際の保険積立金と予想していた保険積立金の差額及びこれらの商品のた
めの引出しにより、業績が変動する場合がある。特定の生前給付特約を含む当社の特定の変額年金保険商品
の価格設定は、利用率(すなわち、契約期間中に給付を利用する契約の割合)に関する仮定( 初回の引出し
のタイミング を含む。)にも基づいている。実際の給付の利用と予想される利用の差異によって、業績が変
動する可能性がある。また、当社は、給付の売却を希望する顧客の影響を受けることがある。とりわけ生命
保険決済や末期患者の生命保険証券の買取り及び投資家の所有する生命保険といった生命保険の二次市場の
発展、並びに年金保険事業における第三者の投資家による戦略は、既存の契約の収益性及び当社の新契約の
価格設定の仮定に悪影響を与える可能性がある。保険契約者の行動の効力は、通常、段階的に発生する長期
的なリスクとなる。仮定の更新に伴う準備金の増加は、当社の経営成績及び財務状況に直ちに影響を与える
が、アウトフローは長期にわたって支払われるため、経済又はキャッシュ・フローの観点からは、当該影響
は、通常、長期に及ぶものとなる。
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商品価格を再設定する当社の能力は制限されており、保険に関する仮定からの乖離を相殺できない可能性があ
る。
当社の一部の商品では、当社が契約期間中に保険料の増額又はその他の損益勘定の調整を行うことが認められ
ているが、当該契約条項に認められる調整で収益性を維持できるとは限らず、保険契約が失効する可能性があ
る。例えば、当社の長期介護保険商品について、責任準備金に関する仮定は、予想されているが未実施の、州の
承認を必要とする保険料の引上げのタイミングと金額に関する推定に組み込まれている。価格引上げに関する当
社の実際の経験は、当社の予想と著しく異なることがあり、その結果、保険契約債務のさらなる増加が生じ、当
該増加が重大なものであるおそれがある。当社の商品の多くは、契約期間中の保険料の増額やその他の損益勘定
の調整又は当該調整の制限を認めていない。保険契約に基づき認められている場合であっても、当社は、保険料
の引上げ又はその他の手数料の調整を十分に行うことができない若しくはこれに消極的であるか、又はこれらを
一切行わないことがある。したがって、実際の経験が価格の仮定から大幅に乖離し、当社の商品の収益性が悪影
響を受ける可能性がある。
市場リスク
当社の多数の保険商品及び年金商品の収益性並びに当社が投資管理事業において稼得する手数料は、市場リス
クにさらされている。市場リスクは、金利、株価及び外国為替レートの変動に伴う損失のリスクである。
当社の保険商品及び年金商品の多くの収益性は、部分的にこれらの商品に対応する分離勘定の価値に依拠し、
これは市況により大幅に変動する可能性がある。当社の運用資産の価値の減少につながる市況は、主に運用資産
の価値に連動した手数料収入に依存する当社の投資管理事業の収益及び収益性に悪影響を与え、当社の戦略的投
資の価値を減少させる可能性がある。
当社の商品及び事業に関連する為替リスク、金利リスク及び株式市場リスク並びにその他のリスクをヘッジ及
び管理するために当社が使用するデリバティブ金融商品は、意図した又は期待した効果をもたらさない場合があ
り、実現損失が予想を上回って増加し、流動性が圧迫されるおそれがある。市況によってはヘッジ手段のアベイ
ラビリティが制限され、追加の担保の差入れが必要となり、商品関連ヘッジの実行のコストが更に増大する場合
があり、当該費用がヘッジの対象となっている原商品の価格設定により回収できない場合がある。
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市場リスクは、現在の低金利環境又はその他の要因等によって当社が利用可能な資金を適切な収益を伴う形で
投資する機会を制限する可能性があり、その結果、当社全体の業績に悪影響が及ぶ可能性がある。魅力的な投資
機会が制限されることにより、現金の長期間にわたる保有やデュレーション管理及びその他のポートフォリオ管
理を目的としたデリバティブの利用の増加につながる可能性がある。デリバティブの利用が増加することによ
り、当社のU.S.GAAPに基づく業績及び自己資本におけるボラティリティが増加する可能性がある。
当社の投資、業績及び財務状況は、世界経済、米国経済(連邦準備制度の金融政策に関連する行為、及び不利
な政治動向を含む。)、及び日本経済(インフレ又はデフレの影響、金利のボラティリティ、日本国債の格付の
変更、及び米ドルに対する円相場の重大な変動を含む。)の展開によって悪影響を受ける可能性もある。国際経
済、米国経済又は日本経済における経済活動及び金融市場が、特定の地域における不利な展開又は状況により、
悪影響を被る可能性もある。
市況の変動が当社の財務状況に与える影響については、下記「2 事業等のリスク」の項を参照のこと。
当社の保険商品、年金商品及び一部の投資商品並びに投資収益は、金利リスク(一般勘定投資並びに他の事業
体及び事業の投資資産における資産/負債のデュレーションのミスマッチにより生じる損失のリスク)にさらさ
れている。
資産/負債のデュレーションのミスマッチのリスクは、主に商品負債の特定のダイナミクスによって生じる。
キャッシュ・フローは投資可能な機会における利用可能な資産によって調整されるため、一部の商品負債につい
ては金利に関する軽度のリスクのみが想定されている。金利リスクは、主に市場において売却可能な資産によっ
て調整することのできないテイル・キャッシュ・フロー(30年以上)から発生し、当社は、将来における再投資
リスクにさらされる。市場感応型キャッシュ・フローは、無失効保証、最低保証予定利率及び/又は保険に関す
る仮定の変動を通じて他の商品負債(キャッシュ・フローが市場のパフォーマンスと連動する可能性のある商品
を含む。)と併存する。
当社の金利に対するエクスポージャーは、利益及び資本の両方にボラティリティを生じさせることにより、利
益圧縮と同様に複数年にわたって又は短期間において発生する可能性がある。例えば、当社は、一部の商品につ
いて、金利の変動に伴い当社が契約上支払うべき金額と当該契約に対応する一般勘定投資により当社が得る利益
率の間のスプレッドが減少するリスクにさらされる。金利が低下した場合又は近年のように低金利が継続した場
合、当社は利回りの低い商品に投資しなければならず、これにより、純投資収益が減少し、一部の商品を販売す
る能力が制限される可能性がある。当該リスクは、低金利環境において保険契約を維持する保険契約者が増加す
ることにより増加する。当社の保険契約には保証最低予定利率又は予定利率の再設定の制限等を定めているもの
が多く、スプレッドの減少の可能性があり、スプレッドがマイナスになる場合も想定される。
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また、金利が上昇した場合には、当社の一般勘定資産を、これらの商品や契約の競争力を維持するために必要
な、より高い予定利率の資金をまかなうための高利回りの資産と迅速に入れ替えることができない場合がある。
より高い予定利率を求めて保険契約及び年金保険契約を維持する保険契約者が減少する可能性があり、当社が損
失や流動性上のストレスにさらされる可能性がある。さらに、金利の上昇により、当社が運用する固定利付資産
の市場価値が減少し、これに伴い資産運用手数料の受領額が減少する可能性がある。
当社の金利リスクを緩和する取組みは、主に多様な満期を有する投資ポートフォリオを維持することに焦点を
当てている。当該ポートフォリオのキー・レート・デュレーション・プロファイルは、当社の負債及び剰余金の
ベンチマークのキー・レート・デュレーション・プロファイルとほぼ同じである。ただし、当該ベンチマーク
は、複雑かつとりわけ市場が不安定な時期においては不正確である負債のキャッシュ・フロー・プロファイルの
見積りに基づいている。さらに、当社が当該一致を達成する能力は、実務上及び資本市場上の制約を受ける。こ
れらの要因及びその他の要因を理由として、当社は負債を返済するために、損失を計上して満期前に投資を清算
せねばならなくなるか、又はさらなる低金利環境においてファンドに再投資せざるを得なくなる場合がある。
当社は、米国外における重要な事業活動を通じて為替リスク(関連する負債と異なる通貨建てで投資された資
産、並びに外貨建ての事業に由来する当社の利益及び外貨建ての事業に対応する資本のうち、ヘッジされていな
い部分から生じる損失のリスク)にさらされている。 米国に拠点を置き、米国外(とりわけ日本)において重要
な事業を行っている当社は、当該事業及び投資ポートフォリオに関連して外国為替リスクにさらされている。外
国為替レートの変動は、当社の収益性、財務状況及びキャッシュ・フローに悪影響を与え、U.S. GAAPに基づく
当社の経営成績のボラティリティを増加させる可能性がある。短期的には、日本事業のソルベンシー・マージン
が外国為替レートの変動の影響を受ける可能性がある。
当社の国際保険事業、非米ドル建て長寿再保険契約に係る退職金セグメントの利益及びPGIMの非米ドル建ての
投資業務について、外国為替レートの変動により、当該事業の利益及び持分の米ドル相当額について当社がボラ
ティリティを経験するリスクが生じる。当社は、様々なヘッジ戦略(外国為替ヘッジの利用及び当該事業の一部
の投資ポートフォリオにおける米ドル建ての証券の保有を含む。)を通じて当該リスクを管理することを目指し
ている。さらに、当社の日本の保険事業は、各種非円建て商品を販売している。当社は、対応する通貨建ての投
資を保有することにより当該リスクを緩和することを目指している。当社の日本以外の国際保険事業の一部につ
いて、当社は、外国為替レートに変動による子会社の株式投資の変動のリスクをヘッジしないことを選択してい
る。
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当社の米国内保険事業に対応する米国内投資ポートフォリオ及びその他の自己勘定投資ポートフォリオについ
て、当社の外国為替リスクは、主に外貨建ての投資から生じる。当社は、米国内の外貨建ての確定利付き投資の
ほぼすべてを米ドルにヘッジすることにより当該リスクを管理する。当社は、通常、非関連会社である外国事業
体の株式への投資に係る外貨リスクのすべてをヘッジしているわけではない。当社の外貨建て投資の価値及び流
動性は、現地の市場、経済及び財政状態により、悪影響を受けることがある。例えば、当社のユーロ建て投資
は、欧州における不利な経済情勢(ユーロの変動や、欧州連合の構造や加盟国の変化の可能性によるものを含
む。)による悪影響を受ける可能性があり、2016年、当社は英国の欧州連合離脱の是非を問う国民投票に伴う英
国その他欧州連合関連投資のボラティリティを経験した。
当社のヘッジその他の戦略によって効果的に外国為替リスクを緩和できる保証はない。当社のヘッジ・プログ
ラム及び外国為替レートが当社の事業に与える影響については、「3 経営者による財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析」の「(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の
「外国為替レートの影響」の項を参照のこと。
一部の商品における保障、とりわけ変額年金保険並びに(程度は少ないものの)特定の個人生命保険及び国際
保険商品は、市場の動きに敏感であり、当社の利益が減少する、又はU.S.GAAPに基づく当社の営業成績若しくは
財務状況におけるボラティリティが増加する可能性がある。
当社の商品の一部(とりわけ変額年金保険商品並びに(程度は少ないものの)特定の個人生命保険及び国際保
険商品)には、最低解約払戻金又は定期若しくは終身の年金額の保障が含まれ、それらは、勘定価値を超える可
能性がある。株式市場の低迷、株式のボラティリティの増加、信用スプレッドの拡大又は上記の金利の低下は、
当該保障に関連する負債の評価額を増加させ、その結果、準備金が増加し、純利益が減少する可能性がある。当
社は、当該リスクを部分的に緩和するため、商品特性を含む様々なヘッジ戦略及びリスク管理戦略を利用してお
り、定期的かつ段階的に当該戦略を変更することがある。しかしながら、これらの戦略が完全な効果を発揮しな
い場合がある。さらに、当社が、これらのリスクを完全にヘッジできない場合あるいは完全にヘッジしないとい
う選択を行う場合がある。ヘッジ手段が、保障費用を効果的に相殺しない場合、又は当社の債務につき不十分で
ある場合がある。株式市場若しくは金利の状況、不履行リスク又はその他の事由により、ヘッジ手段の価値が、
関連する負債と一致して変動しない場合がある。当社は、U.S.GAAPに基づく業績又は財務状況が受ける影響の予
想又は実際の影響とは一致しない基準の下、これらのリスクをヘッジすることを選択する場合がある。責任準備
金の評価額及び有効にヘッジされた当社の債務額の事業年度間の変動により、U.S.GAAPに基づく当社の業績及び
財務状況並びに保険子会社の法定資本レベルのボラティリティにつながる可能性がある。当社がヘッジ活動に関
連して行う見積り及び想定は、当社の保障に由来する実際の長期的なエクスポージャーを反映していないか、又
はこれに一致していないおそれがある。さらに、ヘッジ並びにその他の資本及びリスク管理戦略によってカバー
されない保障費用が増加するリスクは、市況又はその他の要因に伴う保険契約者の行為の変化によって深刻化す
る可能性がある。上記の要因は、個別的又は集合的に当社の業績、財務状況又は流動性に重大な悪影響を与える
可能性がある。
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多数の変額年金保険商品に含まれる最低年金額に対する負債を評価する際に、当社は、自らの不履行リスクに
対する市場認識を考慮に入れねばならない。また、格付の引上げによる当社の信用スプレッドの縮小若しくはそ
の他の事由又は市況が、これらの負債の計上価値を増加させる場合があり、その結果、当社の営業成績及び財務
状況に悪影響が及ぶおそれがある。
流動性リスク
金融サービス会社として、当社は、流動性リスク(当社が満期の到来した短期債務を履行できないリスク)に
さらされている。
流動性リスクは、他の種類のリスク(市場、保険、投資、オペレーショナルの各リスク)に誘発された事由に
よって発生する。流動性の不足は、資金調達源の不足又は即時かつ多額の現金若しくは担保のニーズが生じた場
合に発生することがある。さらに、下記の流動性の需要を充足するにあたって想定される流動性の源(信用枠
等)が利用できない又は不適切となる可能性もある。
当社において、流動性エクスポージャー及びこれに関連して重大な流動性需要を生じさせるものとして、主に
以下の4つの要因が存在する。
・ デリバティブ担保市場エクスポージャー :金利、株式及び/又は為替市場の急激な変動により、カウンター
パーティに対する担保要件が増加し、当社に流動性リスクが生じる可能性がある。
・ 資産負債のミスマッチ :資産のキャッシュ・フローと一致する前に満期を迎える負債に関連する流動性リス
クが存在する。構造的な満期のミスマッチは、より長期の資産を調達するために利用される負債が実質的に
オーバーナイトの公開取引である証券貸出等の業務において発生する可能性がある。
・ 大口資金調達 :当社の資金調達は、金融市場(コマーシャル・ペーパーの発行、証券貸出及び現先取引レ
ポ、並びに資本市場におけるその他の形式による借入等)に依存している。ストレス発生時においては、こ
れらの資金調達源が利用できない又は不利な条件の下でしか利用できないこともあり、当社の収益性の低下
や財務上の柔軟性の大幅な減少につながる可能性がある。
・ 保険のキャッシュ・フロー :当社は、深刻な死亡災厄、顧客による引出し又は失効事由に伴う想定外の現金
需要に起因する潜在的な流動性リスクに直面している。当該事由が発生した場合、当社は、保険契約者に対
して予期せぬ高額の保険金を支払わなければならない可能性がある。
当社の流動性並びに流動性の源及び使途(子会社の配当金支払能力に対する法律・規制上の制限に関する情報
を含む。)については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の
「(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「流動性及び資本資源-流動性」の項を
参照のこと。
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オペレーショナル・リスク
当社の事業は、不適切な又は破綻した手続又はシステム、人的ミス又は違法行為及び外的事由に起因する損失
のリスクにさらされている。 オペレーショナル・リスクに関する失敗が当社に対する一又は複数の、実際の又は
潜在的な影響につながることがある。
オペレーショナル・リスクの種類
・ 手続 -手続上の失敗、文書/記録の保護又は維持の失敗、評価/価格設定のモデル・手続における欠陥、プ
ロジェクト管理又は実施の失敗、不適切な販売慣行
・ システム -新たなシステムの開発・導入時における障害、システム障害
・ 人 -内部不正、雇用法の違反、無許可の行為、主要な職員の喪失又は不在、不適切な研修、不適切な監督
・ 外的事由 -外部の犯罪行為、外注に伴うリスク、ベンダーに関するリスク、自然災害その他の災害、法律/
規制の改正
・ 法務 -法令の違反
想定される影響
・ 財務上の損失 -当社が財務上の損失を被る。当該損失は、様々な要因(取引の処理における過失及び不正を
含むがこれらに限られない。)により生じる可能性がある。
・ 顧客への影響 -当社が顧客にサービスを提供できない可能性がある。事業中断事由の発生時において当社が
業務を継続できない場合又はマルウェア若しくはウイルスによるシステムへの不正侵入があった場合、こう
した影響が生じる可能性がある。
・ 規制上の罰金又は制裁 -当社が適用法令を遵守しない場合、規制上の罰金又は制裁が課されることがある。
さらに、事業活動に制限が課される可能性もある。
・ 法的行為 -法令を遵守しない場合、当社は、訴訟のリスクにさらされる。これにより、財務上の損失が生じ
る可能性もある。
業務上の失敗の結果として当社が被る可能性のある負債については、連結財務書類の注記22「偶発債務」を参
照のこと。また、当社に影響を与える未確定の規制及び係属中の裁判に関連する事項並びに当該事由が当社の事
業に与えるリスクについては、連結財務書類の注記22を参照のこと。当社は、将来においてさらなる規制上及び
法律上の行為に直面する可能性がある。
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主要事業オペレーショナル・リスク -主要事業オペレーショナル・リスクには、以下のものが含まれる。
当社は、事業中断リスク(当社のシステム及びデータが破壊されるリスク)にさらされている。 事業の実施及
び顧客へのサービス提供にあたり、当社は、電気通信、情報技術及びその他の運用システム、並びに利用する
データの完全性及び適時性に大きく依存している。当社がその全部又は一部を制御できない事象又は状況によ
り、これらのシステムが適切に機能しなくなることや停止することがある。さらに、当社は、決済機関、証券取
引所その他金融仲介機関、ベンダー、当社のサービス提供又は業務の委託先といった、他者の運営上及び技術上
の障害に関するリスクに直面している。当社は、以下に起因する事業中断事由を経験する可能性がある。
・重大なパンデミック(自然発生した病原体であるか故意に発生させられた病原体であるかを問わない。)
・地政学的リスク(武力紛争、内戦を含む。)
・テロリスト事由
・重大な自然災害又は偶発的な災害
当社は、情報セキュリティを適切に維持できないリスクにさらされている。 西洋企業(金融サービス・セク
ターを含むがこれに限られない。)に対する深刻かつ組織的なサイバー攻撃活動が継続しており、いかなる組織
もサイバー攻撃を完全に免れることはできない。サイバー攻撃に関するリスクは、以下の分野において発生す
る。
・「構造化された」及び「構造化されていない」秘密情報の保護が継続的に必要である。しかしながら、信用
できる内部関係者(当社のシステムへのアクセス権を有する従業員、コンサルタント又はベンダー)に関連
するリスクの中には、技術等の利用によっても完全に軽減することができないものがある。
・無防備な従業員を主な経路として部外者が当社ネットワーク及びシステムにアクセスすることがある。多く
の攻撃には、たとえ高度な技術を有する者からの攻撃であっても、内部ユーザーに悪意のある添付物又はリ
ンクをクリックさせ、マルウェアをインストールさせる又はユーザー名若しくはパスワードを盗み取る、と
いった初歩的な手段が含まれている。
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・これまでハッカーは、クレジットカードやデビットカードのデータに狙いを定めており、これを監視するの
は容易であった。クレジットカードのセキュリティ技術の向上により、ハッカーは、他の利益源、とりわけ
個人を特定可能な情報を取得し、又はサイバー攻撃若しくはサイバー攻撃の脅威を示して会社から金銭等を
詐取することに関心を移している。保険会社及び退職関連サービス会社は、これまで以上にハッカーの標的
となりつつある。
・国家が支援する組織がサイバー攻撃に関与しているものの、その目的は必ずしも金銭ではない。ある国家
は、外国国民及び外国政府の情報を取得し、又は商業や政治に影響を与え若しくは混乱を生じさせることを
意図しているものとみられる。
・コールセンターや音声自動応答システムを通じた不正や情報の詐取といった非技術的な企ても増加してお
り、これらがより一般的になることが予想される。
・当社は、下記のとおり、サービスの提供について第三者に依存している。当社はサービスの提供元であるす
べてのベンダーについて一定の基準を設けているものの、当該ベンダー及び当該ベンダーへのサービス提供
会社がセキュリティ侵害(契約上の手続を履行しなかったことに起因するものを含む。)にさらされる可能
性がある。
当社は、機密データのプライバシーを適切に保証できない可能性がある。 通常業務の一環として、当社は、大
量の個人情報及び保険契約者に関する秘密情報(健康に関する機密情報が含まれることもある。)を収集、保存
し、様々な第三者(サービス・プロバイダー、再保険会社等)と共有する。当社は、当該情報のプライバシーが
上記の情報セキュリティの侵害等によって侵害されるリスクにさらされている。
第三者(委託先、ベンダー、サプライヤー及び合弁事業パートナー)により、当社の事業にさらなるオペレー
ショナル・リスクが生じる。 当社のビジネス・モデルは、広い分野にわたり、受託したサービスの実施にあたっ
て第三者の利用に大きく依存している。これに伴い、第三者が委託したサービスを提供しないことにより当社
が、法律、規制、財務若しくは顧客に関する債務を履行できないリスク、又は第三者が統制のとれていない態様
で業務を行うことにより当社がレピュテーション・リスクにさらされる。当社は、特定のサービス及び機能の提
供にあたって米国外の関連会社及び第三者のベンダーを利用するが、これにより、当社は米国外における事業の
実施に特有のリスクに起因して事業が中断するリスク及び政治的なリスクにさらされる。当社が少数株主持分を
有する投資又は第三者が運用する投資において、その実施につき当社は運用及び運営を管理することができず、
当社がさらなるオペレーショナル・リスク、コンプライアンス・リスク及び法務リスクにさらされ、当社が当該
投資の価値を保護し又は増加させるための手段を講じる又は講じさせることが出来ないことがある。当社が法律
によって合弁事業に対する持分の過半数を保有することを制限される法域において、合弁事業パートナーによる
違反があった場合の当社の救済が制限される可能性がある(例えば、当社が「コール」オプションを行使する能
力を有しないことがある。)。
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関連会社及び当社の商品を販売する第三者の販売会社により、当社の事業に関してさらなる規制、競争及びそ
の他に関するリスクが生じる。 当社の商品は、主に当社のキャプティブ/関連会社の販売モデル及び第三者の販
売会社を通じて販売されている。当社のキャプティブ/関連会社の販売モデルは、多数の分散化された販売ス
タッフ(手数料ベースの報酬を受領する。)から構成される。第三者の販売会社は、通常、当社の専属ではな
く、頻繁に当社の競合会社の商品を推奨及び/又は販売することがある。したがって、当社は、そのサービスに
ついて熾烈な競争を展開しなければならない。当社が第三者の販売会社を惹きつけ、維持し、モチベーションを
与えることが出来ない場合、当該販売ネットワークに対し、当社の商品に関する支援、研修、報酬及び教育を適
切に提供することが出来ない場合、又は当社の商品に競争力がなく消費者のニーズに適切に対応できない場合、
その売上が悪影響を受けることがある。第三者の販売会社は、独立して規制上の説明責任を負うが、一部の規制
当局により、製品のメーカーが重大な販売リスクにつき説明責任を負うことが明示されている。
さらに、年金保険及び保険商品を販売するブローカー及び代理店のマーケティング慣行並びにそれらが受領す
る支払いに関する多数の調査が行われている。当該調査は、保険業界の会社並びにこれらの会社の商品のマーケ
ティング及び販売を行うブローカー及び代理店に対する強制措置につながっている。これらの調査及び強制措置
は、罰金、是正措置の実施及び/又は業界における慣行の変更につながる可能性があり、これにより、当社が商
品を販売する能力が悪影響を受ける可能性がある。さらに、当社の商品が不適切な態様で販売された場合、若し
くは当該商品が不適格な顧客に対して販売された場合、又は当社の商品の販売会社が不正行為を行った場合、当
社のレピュテーションが損なわれ、その他事業に損害が及び、規制の対象となる可能性がある。
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当社は、幅広い販売網を通じて商品を販売しているが、主要な代理店との関係も維持している。例えば、日本
における銀行を通じた当社の売上の大部分は、日本の単一の大手銀行を通じたものであり、日本におけるライ
フ・コンサルタントを通じた当社の売上の大部分は、単一の提携関係に由来するものである。当社は、定期的に
これらの提携関係の条件について交渉を行っているが、これらの条件が当社又は当該第三者にとって容認可能な
ものであり続ける保証はない。主要な提携関係の中断は、当社の商品のマーケティング能力に重大な悪影響を与
える可能性があり、当社の事業、業績及び財務状況に重大な悪影響が及ぶ場合がある。代理店は、当社の事業の
業績悪化、格付機関による当社にとって不利な行為、又は市場関連リスクに関する懸念といった理由により、当
社との販売提携の縮小又は解消を選択することがある。当社は、主要な代理店パートナーの合併、当社の商品の
販売方法に影響を与える形でのビジネス・モデルの変更、若しくは当社との代理店契約の解消というリスク、又
は新たな販売網が生じ、当社の販売努力の有効性に悪影響が及ぶというリスクも有している。銀行及びブロー
カー・ディーラーの合併の増加により、代理店の利用に関する競争が激化する可能性がある。その結果、代理店
費用が増加し、当社のこれらの販売網を通じた商品のマーケティング能力が損なわれるおそれがある。代理店の
合併活動及び/又は業界におけるその他の変更により、代理店が既存の販売契約の条件について当社にとって不
利となる再交渉を試みる可能性が高まることもある。また、新たな技術や当社の既存の関係に介入するような市
場参加者によって生じる困難に直面する可能性もある。
金融サービス会社として、当社は、モデル・リスク(モデルの欠陥やモデル上の制約、不正確な実施又はモデ
ルの誤使用又はモデルへの過度の依存により、財務的損失又はレピュテーション・リスク若しくは規制上の不利
な影響が生じるリスク)にさらされている。 主に商品の価格設定、準備金の算出及び資産の評価、並びにリスク
評価及び必要資金の算出等に関連する将来におけるキャッシュ・フローを予想するため、当社の事業及びコーポ
レート部門は、モデルを利用している。当該モデルは、適切に機能しないことがあり、また、本質的に不確定で
ある仮定や予測に依拠していることがある。当社の事業が成長及び発展を続けるにあたり、当社が使用するモデ
ルの数や複雑さは増加し、モデル(関連するデータ及び仮定を含む。)の設計、実施又は使用における誤りに対
する当社のエクスポージャーも増加する。
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ストラテジック・リスク
当社は、当社の基本的なビジネス・モデルの変更(当社が実施する事業の転換であるか実施方法の変更である
かを問わない。)につながる可能性のある事由に関するリスクにさらされている。 さらに、タクティカル・リス
クもストラテジック・リスクになりうる。例えば、低金利が長期間にわたって継続することにより、ある時点で
当社が売上目標の変更、特定の事業からの撤退及び/又はビジネス・モデルの変更を求められる可能性がある。
規制環境の変化は、当社のビジネス・モデルを不安定にする可能性がある。 過去数年間において金融規制監視
が強化されたことにより、米国その他当社が事業を行う国において、新たな法律及び規制の検討が急ピッチで行
われている。提案されている又は想定外の法律又は規制の改正により、当社の事業が悪影響を受ける可能性があ
る。国際規制当局、連邦政府・州の規制当局により昨今制定された及び検討中の法令案並びにそれらが当社の事
業に与える潜在的な影響(以下の分野を含む。)については、「第2 企業の概況」「3 事業の内容」の「規
制」の項を参照のこと。
・金融セクターの規制改革
・税源侵食防止税(BEAT)及び米国外軽課税無形資産所得(GILTI)を含む税法(米国の連邦、州及び米国外
の税法を含む。)。
・フィデューシャリー・ルール及びその他の監督基準
・米国の州保健法に基づく当社に対する規制並びにグループ全体の監督及び資本に関する基準の制定、投資資
産、生命保険準備金、変額年金保険及びその他の商品に係るRBC計数
・日本、韓国その他の米国外の法域における保険会社の資本基準
・プライバシー及びサイバー・セキュリティに関する規制
当社の事業に適用される会計規則の変更も、当社の経営成績又は財務状況に悪影響を与える可能性がある。会
計方針の発表及びそれらが当社の事業に与える潜在的な影響(会計基準アップデート(「ASU」)2018-12「金融
サービス―保険(トピック944):長期契約の会計処理に関する限定的な改善」を含む。)については、連結財
務書類の注記2を参照のこと。
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テクノロジーの変化は、当社のビジネス・モデルを不安定にする可能性がある。 当社は、テクノロジーの変化
には、当社のビジネス・モデルに著しい影響を与える下記の側面があると考えている。これ以外にも、当社のビ
ジネス・モデルに著しい影響を与える予期せぬテクノロジーの変化が生じる可能性がある。
・ 顧客とのインタラクション :テクノロジーは急速に変化しており、その過程で既存のビジネス・モデルにス
トレスを与えている。当社が想定している変更としては、顧客の当社に対するインタラクションに関する選
択肢の拡充、当社からのインタラクションに関する選択肢の拡充等がある。新たに発生する顧客の嗜好によ
り、商品設計を変更する必要が生じる可能性がある。当社の販売網は、顧客が選択する場所・時期におい
て、自動化をさらに推し進めるために変更される可能性がある。当該変更により、むこう10年間において当
社のビジネス・モデルが一時的に中断される可能性が高い。
・ 投資ポートフォリオ :テクノロジーは、当社が投資する会社に著しい影響を与える可能性がある。例えば、
環境に関する懸念は、特定の調査につながり、石油・ガスに対する風力・太陽光発電の魅力を変化させる可
能性がある。運送業界は、物品の代替運送手段を選好する可能性があり、トラック運送又は空輸の人気が低
下する可能性がある。消費者が購買行動を変化させ、オンライン上での活動を選好することにより、ショッ
ピングモールや小売店舗の役割が変化する可能性がある。
・ 医療の発達 :当社は、主に2つの面で医療の発達の影響にさらされている。遺伝子検査及び顧客・保険会社
による当該情報の利用に関する不平等性は、逆選択リスクを発生させる可能性がある。すなわち、遺伝子検
査のデータにより、当社の潜在的な顧客は、より明確な将来展望を得ることとなり、死亡又は長生の可能性
を保障する商品をより正確に選択することが可能になる。また、延命技術により、とりわけ年金ベースの契
約について保険数理上の仮定の変更を迫られる可能性がある。
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他の要因が当社のビジネス・モデルを不安定にする可能性がある。以下の項目は、当社の事業に重要な影響を
与える可能性のある項目の例である。
・ 当社の財務力格付又は信用格付の格下げにより、事業の見通し、営業成績、財務状況及び流動性等に悪影響
が及ぶ可能性がある。 格付及び格付の引下げが当社の事業に与える潜在的影響については、「3 経営者に
よる財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(3)財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フローの状況の分析」の「流動性及び資本資源-格付」の項を参照のこと。当社は、格付機関がどの
ような追加措置を講ずるのか、また格付機関の措置に対して当社がどのような対応策を取ることができるの
かを予想することができず、これらは当社の事業に悪影響を及ぼすおそれがある。格付機関は、通知を行う
ことなく随時、当社の格付を引き下げることがある。さらに、ある国の国債の格付の引下げが、当該法域に
おいて事業を行う当社の子会社の格付の引下げにつながり、ひいては当社及び他の子会社の格付が引き下げ
られることがある。例えば、2015年9月、S&Pは、日本の経済成長の勢いの不確実性と財政状態の脆弱性に
鑑みて、日本国債の格付をA+に引き下げ、当該格付のアウトルックを「安定的」とした。これに伴って、
S&Pは、当社の日本における保険子会社を含む多数の日本の金融機関の格付を引き下げた。日本国債の格付
がさらなる格付引下げの対象となる可能性もあり、これに伴って当社の日本における保険子会社の格付がさ
らに引き下げられる可能性もある。当社全体の業績における日本事業の重要性に鑑みれば、かかる格付の引
下げが当社及び当社の米国内保険子会社の格付の引下げにつながる可能性がある。
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・ ロンドン銀行間取引金利(「LIBOR」)の廃止により、当社が保有する一部のデリバティブ及び変動金利証
券並びに当社が発行した変動金利証券の金利及び価値、一部の不動産貸付及びPGIMにおいて実施するその他
の業務の価値及び収益性、並びにその他LIBORに連動する価値を有する資産又は負債に悪影響が及ぶ可能性
がある。 規制当局による行為が、主要通貨の大部分についてLIBORに代わる代替的な参照金利の設定につな
がった。2017年7月27日、英国金融行為監督機関は、2021年以降に銀行に対してLIBORの提出を要請又は強
制しない意向を表明した。しかしながら、LIBORが存続するか否か、またどのように、いかなる態様によっ
て存続するかは、依然として不透明である。米国連邦準備制度は、ニューヨーク連邦準備銀行の代替参照金
利委員会(デリバティブ市場の主要参加者と規制当局から成る。)の提言に基づき、米ドルLIBORに代わる
担保付翌日物調達金利(「SOFR」)の公表を開始し、他の通貨の代替参照金利が発表され又は既に公表され
ていることから、米国の提案においてSOFRに基づく投資商品も発表された。市場は、徐々にこれらの新たな
金利と当該金利に係る流動性に関する疑義に反応した展開を見せており、移行時の経済的価値の移転を排除
するために適切に当該金利を調整する方法は、当社及び他の市場参加者にとって大きな懸念事項となってい
る。LIBORの変更若しくは改革又はLIBORの廃止が当社がエクスポージャーを有している新規若しくは既存の
金融商品又は当社の事業活動に与える影響は、(1)個別の契約における既存のフォールバック条項及び(2)業
界参加者が新旧の商品・金融商品につき新たな参照金利及びフォールバックを開発し、かつ全面的に採用す
るか否か、またその方法及び時期によって変化する。したがって、LIBORからの移行が当社が保有する一部
のデリバティブ及び変動金利証券並びに当社が発行した証券、不動産貸付及びPGIMにおいて実施するその他
の業務並びにその他LIBORに連動する価値を有する資産又は負債、並びに契約上の権利義務に与える全体的
な影響を予想することは困難である。当該商品及び金融商品の価値又は収益性が悪影響を受ける可能性もあ
る。
・ 競争環境の変化は、当社に悪影響を与える可能性がある。 当社の各事業において、当社は、当社商品の最終
的な顧客及び多くの事業における非系列販売網を通じての販売などについて、保険会社、資産運用会社及び
多様な金融機関との厳しい競争に直面している。テクノロジーの発展、顧客の期待の変化(電磁的勧誘に関
するものを含む。)又はその他の市場の変化により、顧客の期待の高まりに当社よりも効果的に対応するこ
とができる、確立された商品や販売網を有しない新たな又は小規模な競合企業にとっての機会が創出される
可能性がある。フィンテック及びインシュアテック関連企業は、業界全体を混乱させる可能性があり、これ
らの市場参加者の多くは、業界参加者から一部出資を受けている。例えば、PGIMについて、当社は、パッシ
ブ投資やロボットによる助言を行う販売網の増加への注力に鑑みて、手数料に対する圧力の継続を予想して
いる。
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・ 気候変動により、災害の重度及び頻度が増加し、又は当社の投資ポートフォリオに悪影響が及ぶ可能性があ
る。 気候変動が天候に関連する災害及びパンデミックの発生頻度や深刻度を増加させる可能性がある。ま
た、気候変動に関連する規制が、当社がその証券を保有している会社及びその他の事業体の見通し又は当社
が当該証券の保有を継続する意思に影響を与える可能性がある。また、このことは、再保険会社等その他の
カウンターパーティにも影響を与え、当社が保有する又は他者のために運用する不動産投資等の投資の価値
にも影響が及ぶ可能性がある。当社は、気候変動又はそれに関連する規制が当社に与える長期的な影響を予
測することはできない。
・ 市況及びその他の要因により、商品販売が悪影響を受け、又は費用が増加する可能性がある。その例には、
以下のものが含まれる。
- 高度インフレ及び高金利などの市況の変動は、消費者の心理や行動を変化させ、当社の貯蓄商品及び保
障商品などの売上及び継続率に悪影響を与える可能性がある。また、これとは反対に、低インフレ及び
低金利により、これらの商品の実際の継続率と予想継続率の間に差異が生じ、収益性に悪影響が及ぶお
それがある。同様に、経済状況の変動及び金融機関に対するネガティブな公共認識は、顧客の行動に影
響を与える可能性がある(特定の商品における保険金請求額又は解約返戻金の増加を含む。)。
- 市場の低迷、市場のボラティリティの増加又はその他の市況により、顧客が投資又は商品に不満を持っ
た場合、当社の投資ベースの商品及びサービス並びに資産運用商品及びサービスの売上が下落し、特定
の保険商品の失効及び解約、並びに投資商品からの資産の引出しが増加する可能性がある。
- 年金及びその他の退職給付金制度に関する当社の割引率、予想利益率、平均寿命、医療費及び報酬増加
の仮定の変更により費用が増加し、当社の収益性が低下する場合がある。
・ 本項において記載するリスクのいずれかが現実化した場合、当社のレピュテーションが悪影響を受ける可能
性がある。 レピュテーション・リスクは、当社のリスク特定プロセスにおいて特定されたリスクにより生じ
る可能性がある。幅広いリスク事由に効果的に対処できない場合、当社のレピュテーションが損なわれるお
それがある。当社のレピュテーションが著しく損なわれる場合、保険契約者とカウンターパーティのいずれ
も当社との既存の取引関係の清算を希望する可能性がある。さらに、信用度、とりわけ信用格付が大幅に変
化した場合、資金調達市場の利用に影響が及ぶ可能性があるほか、既存の取引関係について追加の担保要件
が設定される可能性もある。こうしたリスクの管理ミスにより、当社のレピュテーション資産が損なわれる
可能性がある。当社の事業は、ブランド力、価値観の統一及び顧客への約束を守るコミットメントによって
支えられている。ネガティブな公共認識(確立された認識であるか否かを問わない。)は、ソーシャルメ
ディア等を通じて広範囲にかつ急速に共有される可能性があり、当社のレピュテーションを損ねるおそれが
ある。
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市場リスク
市場リスクは、当社の負債の価値の変動が資産の価値の変動によって相殺されない場合の資産/負債のミス
マッチによる、金利、株価及び外国為替レートの変動に起因する損失のリスクと定義される。
金利及びその他の市場の変動並びに一般的な経済状況及び市況が当社の事業及び収益性に与える潜在的な影響
については、上記を参照のこと。当社の一般勘定投資の運用全般及び当社の資産ミックス戦略についての詳細
は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(3)財政状態、経営
成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「一般勘定投資-投資の運用」の項を参照のこと。市場リスクの
変動の影響を受ける可能性のある、当社の流動性及び資本資源については、「3 経営者による財政状態、経営
成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分
析」の「流動性及び資本資源」の項を参照のこと。
市場リスク管理
市場リスク(当社は、当該リスクを投資リスクと市場リスクのエクスポージャーの両方が組み合わされたもの
とみなしている。)の管理には、様々な形のリスクの識別と測定、リスクの閾値の設定、原資産・負債における
利益を最大限にする一方でリスクをこれら閾値内で維持するための手続の策定などが含まれている。
当社のリスク管理プロセスでは、以下を含む様々な手段と手法が使用されている。
・市場の変化(金利、株価指数、為替レート等)に対する価格感応度の測定
・資産/負債の管理
・ストレス・シナリオ・テスト
・ヘッジ・プログラム、及び
・リスク管理ガバナンス(方針、制限、及び投資・市場リスク監視委員会を含む。)。
市場リスクの緩和
リスクの緩和は、主に以下の3つの形態をとっている。
・資産/負債管理:負債ベースの手法に則って、資産を管理する。例えば、投資方針では、負債の特徴に基づ
き資産の目標デュレーションが特定され、また、資産ポートフォリオは、当該デュレーションに近い範囲で
管理される。これにより、金利の変動に伴う潜在的かつ想定外の経済的損失が緩和される。
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・ヘッジ:デリバティブを用いてリスク・エクスポージャーを相殺する。例えば、当社の変額年金保険につい
て、市況の悪化に伴い発生が予想される生前給付の請求は、デリバティブ金融商品を用いてヘッジされる。
・ポートフォリオ集中リスクを管理する。例えば、事業体レベルでのキー・レート、為替及びその他の集中リ
スクの継続的な監視及び管理により、個別の市場及びリスクの発生源に対するエクスポージャーを緩和する
ための多角化に向けた努力が支援されている。
金利に関連する市場リスク
当社は、負債対応投資を行い、慎重な資産/負債管理に取り組んでいる。資産/負債のミスマッチにより、負
債の価値の変動と関連する資産の価値の変動の間に齟齬が生じるリスクが発生する。さらに、金利の変動は、そ
の他の項目(以下のものを含むが、これらに限定されない。)に影響を与える可能性がある。
・一般勘定投資によってサポートされる特定の商品に関する投資について、当社が支払を求められる金額と当
社が取得可能な利益率の間の純投資スプレッド
・運用資産又は保険契約者積立金に係る資産ベース報酬
・予想される総利益合計、並びに繰延契約取得費用及びその他の費用の償却
・一部の商品について提供される保障に対する正味エクスポージャー、並びに
・当社の規制対象事業体の資本レベル
当社は、金利変動に対する価格の感応度を測定するために、持続期間分析及び凸状分析を採用している。持続
期間分析は、金利変動に対する金融商品の公正価値の相対的感応度を測定し、凸状分析は、金利変動に関係する
持続期間の変動率を測定するものである。当社は、資産・負債管理及びデリバティブ戦略を実施し、資産・負債
価値の相対的感応度を金利変動に適合させることで、すなわち、資産・負債のデュレーション目標における「持
続期間のミスマッチ」をコントロールすることで、法人ごとに当社の金利エクスポージャーを管理している。特
定の市場において、当社は、デュレーション目標を設定する上で、当社の一部の負債の期間に近似する資産を取
得する当社の能力を妨げる資本市場の制約を考慮している。当社はまた、資産・負債管理戦略におけるリスク
ベース資本、並びに税務上の取扱い及び現在の市況も考慮している。
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当社は、現行金利から算定する利回り曲線で、信用スプレッド又は無リスク・レートの変動を反映した100
ベーシス・ポイントの上向き、下向きの平行移動を想定した仮定テスト・シナリオを用いて、金利の変動が当社
の金融資産、金融負債及びデリバティブの価値に与える影響を査定している。下表は、2018年12月31日及び2017
年12月31日現在における、100ベーシス・ポイントの上向き移動を仮定した場合のこれらの金融商品の公正価値
の潜在的な純減の推定額をとりまとめたものである。同表は、総額ベースで表示されており、U.S GAAPに基づく
金融負債とはみなされない保険負債に対する相殺の影響は除外されている。当該シナリオにより、両日において
テストされた仮定シナリオの金利リスクに対する正味エクスポージャーが最大となった。当該テスト・シナリオ
は、単に一例を挙げるために示したものであり、将来の金利又は債券市場の業績に関する当社の予想を反映する
ものではないが、そのような事象の潜在的影響を説明できる、近い将来において十分起こりうる仮定的な変動を
表していると言える。このテスト・シナリオでは、利回り曲線の非平行移動の結果生じた価値変動は測定されな
いが、この移動からは、満期が異なれば手形割引歩合の変化も異なると考えられる。その結果、100ベーシス・
ポイントの金利変動による公正価値の実損は、上記算定によって表示されたものとは異なる可能性がある。予想
される公正価値の変動には、分離勘定資産は含まれていない。
2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
公正価値 公正価値
額面価額 公正価値 の仮定的 額面価額 公正価値 の仮定的
変動 変動
(単位:百万ドル)
金利リスクを伴う金融資産:
満期固定資産(注1) 378,850 (37,691) 372,926 (36,554)
商業モーゲージ貸付及びその他貸付 59,978 (2,936) 57,341 (2,832)
金利リスクを伴うデリバティブ:
スワップ 201,872 5,164 (4,455) 210,137 4,735 (3,824)
先物 15,139 13 (778) 24,502 24 (1,081)
オプション 83,198 (337) 387 54,522 188 188
先渡し 26,220 230 (256) 25,948 (94) 0
合成保証付投資契約(合成GIC) 79,215 2 0 77,290 (1) (1)
変額年金保険及びその他の生前給付
特約に組み込まれているデリバティ (8,926) 5,030 (8,720) 5,706
ブ(注2)
金利リスクを伴う金融負債(注3):
短長期負債 (20,484) 3,095 (21,144) 3,180
3,367 3,561
保険契約者預り金勘定-投資契約 (98,428) (100,186)
(34,237) (31,657)
潜在的損失予測純額
(注1) 「売却可能満期固定証券、公正価値」、「経験料率契約者保険負債に対応する資産、公正価値」及び「満期固定証
券:売却可能有価証券、公正価値」に分類される資産を含む。2018年12月31日及び2017年12月31日現在における満
期固定証券のうち約3,540億ドル及び3,700億ドルは、「売却可能」に分類される。
(注2) 組込デリバティブの変動をヘッジするために購入されたデリバティブ金融商品による相殺の影響は、除外されてい
る。報告された数値には、第三者への出再保険は含まれていない。
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(注3) 2018年12月31日及び2017年12月31日現在の金融負債とはみなされない保険準備金及び預り金債務、それぞれ約
3,240億ドル及び約3,060億ドルを含んでいない。当社は、これら保険負債の金利感応度が、投資契約を含む金融資
産及び金融負債の正味金利リスクを相殺する役割を果たしていると考えている。
U.S. GAAPに基づき、上記の表に反映されている一部の変額年金保険及びその他の生前給付商品のための組込
デリバティブの公正価値には、市場参加者が考える当社のNPRの影響が含まれている。当社のNPR信用スプレッド
に対する組込デリバティブの感応度に関連するNPRの詳細については、「3 経営者による財政状態、経営成績
及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」
の「会計方針及び発表-重要会計方針の適用-保険資産及び負債の感応度」の項を参照のこと。
組込デリバティブとして会計処理される当社の変額年金保険の生前給付特約オプション及び当該組込デリバ
ティブの公正価値の変動をヘッジするために使用される関連するデリバティブの詳細については、下記の「一部
の変額年金保険商品に関連する市場リスク」の項を参照のこと。当社が公正価値の決定にあたって使用する主要
な推定及び仮定に関する詳細は、連結財務書類の注記6を参照のこと。低金利環境の継続による影響について
は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(3)財政状態、経営
成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「-低金利環境の影響」の項を参照のこと。
株価に関連する市場リスク
当社は、資産/負債のミスマッチ(当社の一般勘定投資ポートフォリオにおいて保有される株式に対する投資、
並びに主に特定の変額年金保険の生前給付特約に組み込まれているデリバティブに関連する保険負債における未
ヘッジのエクスポージャーを含む。)により、株式リスクに対するエクスポージャーを有している。当社のエクイ
ティ・ベースのデリバティブは、主にこれらの生前給付の組込デリバティブに組み込まれた株式リスクをヘッジす
るものであり、当社の資本ヘッジ・プログラムの一部でもある。株価の変動により、資産価値の変動と原商品又は
ヘッジ対象商品に関連する負債の価値の変動の間に齟齬が生じるリスクが発生する。さらに、株価の変動は、その
他の項目(以下のものを含むが、これらに限られない。)に影響を与える可能性もある。
・運用資産又は保険契約者積立金に係る資産ベース報酬
・予想される総利益合計、並びに繰延契約取得費用及びその他の費用の償却
・一部の商品について提供される保障に対する正味エクスポージャー
当社は、それぞれの市場基準価格に照らして株式リスクを管理している。米国株式については、主にS&P500
及びラッセル2000などを組み合わせた市場指針に照らして、株式所有による当社利益の基準値を計算している。
当社は、東証株価指数並びに欧州、豪州及び極東株式の株価指数であるMSCI EAFE指数に照らして外国株式の基
準値を計算している。また、当社は、これら基準値指数に近似する価格感応度を目標としている。
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当社は、株式ベンチマークの市場レベルの10%の減少仮定に基づき当社の株式リスクを予測する。下表は、
2018年12月31日及び2017年12月31日現在の、当該減少に伴って予想される公正価値の潜在的な純減を示したもの
である。当該シナリオは、単に一例を挙げるために示したものであり、将来における株式市場や当社の株式ポー
トフォリオの業績に関する当社の予想を反映するものではないが、そのような事象の潜在的影響を説明できる、
近い将来において十分起こりうる仮定的な変動を表していると言える。これらのシナリオは、エクイティ基準値
レベルの下落が公正価値に与えた直接的な影響のみを考慮しており、収益として認識される資産ベース報酬の変
動、繰延契約取得費用及びその他の費用の償却の基準として利用される総利益合計の見積額の変動、又は生前給
付特約オプションの公正価値に影響を与える可能性のある市場ボラティリティ又は変額年金契約における死亡
率、利用率若しくは継続率などのその他の仮定の変更を考慮していない。さらに、これらのシナリオは、変額年
金保険商品の基礎となる投資ファンドの業績と、当社がヘッジ戦略を行う際に基礎として用いる市場指数との潜
在的な差異などのベーシス・リスクの影響を反映していない。ベーシス・リスクの影響によって、エクイティ・
ベースのデリバティブの公正価値の変動と関連する生前給付特約オプションの間との差異が、当該シナリオと比
較して拡大する場合がある。この金額の算定にあたり、分離勘定株式は除外されている。
2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
公正価値 公正価値
額面価額 公正価値 の仮定的 額面価額 公正価値 の仮定的
変動 変動
(単位:百万ドル)
株式(注1) 7,560 (756) 8,972 (897)
エクイティ・ベースのデリバティブ(注2) 77,143 867 1,528 52,275 (128) 1,373
変額年金保険及びその他の生前給付特約に組
(1,497) (1,423)
(8,926) (8,720)
み込まれているデリバティブ(注2、3)
(725) (947)
潜在的損失予測純額
(注1) 「経験料率契約者保険負債に対応する資産」及び「売却可能株式、公正価値」に分類される株式を含む。
(注2) エクイティ・ベースのデリバティブの額面価額及び公正価値並びに変額年金保険及びその他の生前給付特約オプ
ションに組み込まれているデリバティブの公正価値も、上記の「金利に関連する市場リスク」の数値に反映されて
おり、累積されていない。
(注3) 組込デリバティブの変動をヘッジするために購入されたデリバティブ金融商品による相殺の影響は、除外されてい
る。報告された数値には、第三者への出再保険は含まれていない。
外国為替レートに関連する市場リスク
米国外(とりわけ日本)においても大規模な事業を展開する米国に拠点を置く会社として、当社は、当該事
業並びに一般勘定投資ポートフォリオ及びその他の自己勘定投資ポートフォリオに関連する外国為替レートのリ
スクにさらされている。
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当社の国際保険事業について、外国為替レートの変動により、当社が米ドル換算した当該事業の利益及びエク
イティについてボラティリティを経験するリスクが発生する。当社は、各種ヘッジ戦略(外国為替ヘッジの使用
を含む。)及び特定の事業の投資ポートフォリオにおける米ドル建ての証券の保有を通じて当該リスクを積極的
に管理している。また、当社の日本の保険事業は、非円建ての各種商品を販売しており、これらは、対応する通
貨建ての投資によって裏付けられている。当該非円建ての資産が商品負債の通貨と経済的に調整される一方、外
国為替レートの変動に伴う当該資産及び負債の価値の変動については、会計上の取扱いが異なることがある。こ
れに伴い、報告されたU.S. GAAP上の利益についてボラティリティが生じることとなる。当該ボラティリティ
は、ジブラルタ生命において、原商品及び原投資と合致する個別の機能通貨を備えた米ドル建て及び豪ドル建て
の保険契約を別々の部門に分散することにより緩和されている。当社の日本以外の国際保険事業の一部につい
て、当社は、外国為替レートの変動に伴う株式投資の変動に関するリスクをヘッジしないことを選択している。
詳細については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(3)財
政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「外国為替レートの変動による影響-U.S.GAAP上の
利益に対する非現地通貨建て商品の影響」の項を参照のこと。
当社の米国内保険事業に対応する米国内の一般勘定投資ポートフォリオ及びその他の自己勘定投資ポートフォ
リオについて、外国為替リスクは、主として、外貨建ての投資によって発生する。当社は、米国内の外貨建ての
債券投資のほぼすべてを米国ドルに変換してヘッジすることによって当該リスクを管理している。当社は、関連
会社ではない米国外の事業体の株式に対する投資に係る外国為替リスクのすべてをヘッジしているわけではな
い。
当社は、外国為替レートに係るリスクを、所定の限度内にとどめるよう管理し、エクスポージャー(日本の保
険事業における株式を除く。)を外国為替レートの10%の仮定的な変動に対して予測している。下表は、2018年
12月31日及び2017年12月31日現在における、当該変動に伴う公正価値の潜在的な純減の推定額を示したものであ
る。当該シナリオは、単に一例を挙げるために示したものであり、外国為替市場の将来における変動に関する当
社の予想を反映したものではないが、当該事由の潜在的な影響を表す合理的に起こりうる短期的な仮定的変動を
示すものである。
2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
公正価値の仮定的な 公正価値の仮定的な
公正価値 公正価値
変動 変動
(単位:百万ドル)
ヘッジされていない国際子会社に対するエ
クイティ投資及び米国内一般勘定ポート 5,414 541 6,345 (635)
フォリオにおける外貨建て投資
詳細については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(3)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「一般勘定投資-ポートフォリオ構成」及び「セ
グメント別営業成績-国際保険部門」の項を参照のこと。
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デリバティブ
当社は、主に金利、株価及び為替レートの変動によって生じる市場リスクを削減するため、デリバティブ金融
商品を利用している(資産と負債のミスマッチから生じる金利又は為替レートに対するエクスポージャーの修正
のための利用を含む。)。当社のデリバティブには、主に上場している又はOTC市場におけるスワップ、先物、
オプション及び先渡契約が含まれている。
当社のデリバティブには、当社が GIC商品 について提供する金利保証も含まれている。 合成GICは、従来型の保
険関連GICの業績を想定しているが、 U.S. GAAPに基づきデリバティブとして会計処理される。これは、保険契約
者が原資産を保有しており、当社は顧客の保有する信託における顧客のファンドの簿価「ラップ」のみを提供す
るためである。当該ラップによって顧客に対して保証元本及び利息が支払われるため、金利の変動によりリスク
が生じ、顧客の資金の市場価値の減少に伴って当該保証に対する当社の正味エクスポージャーが増加するおそれ
がある。しかしながら、当社の義務は、既存の顧客のファンドの価値を超える分の金額の支払に限定されてい
る。さらに、当社は、0%を下限として 予定利率を定期的に再設定する 能力及び価格を引き上げる能力を有して
いる。また、当社の契約では、契約者は簿価で資金を引き出すことを認められているが、契約者による引出し
は、即時の引出しの場合は市場価値によってのみ、また、段階的な引出しの場合は簿価によってのみ、これを行
うことができる旨が規定されている。とりわけこれらの要素による当該契約の公正価値の変動は、その額面価額
が多額であるにもかかわらず、最小限のものである。
当社のデリバティブには、特定の金融商品に組み込まれているデリバティブも含まれており、それらは主に、
当社の変額年金保険商品の特定の生前給付特約オプションに関連するものである。詳細については、下記の「一
部の変額年金保険商品に関連する市場リスク」の項を参照のこと。
当社のデリバティブ活動の詳細については、連結財務書類の注記5を参照のこと。
一部の変額年金保険商品に関連する市場リスク
当社の変額年金契約の主なリスク・エクスポージャーは、当該商品の当初の価格設定に使用された仮定(株式
市場収益、金利及び市場のボラティリティといった資本市場に関する仮定、並びに保険数理上の計算基礎を含
む。)からの実際の逸脱又はその変更に関連するものである。当社の資本市場に関する仮定について、当社は、
資本市場の変動に伴うリスクに対するエクスポージャーを、自動リバランス機能や生前給付特約オプション・
ヘッジ・プログラムにおける特定の生前給付特約オプションの追加など、商品特性の組み合わせを通じて管理し
ている。さらに、当社は、出再保険をリスク軽減の一手段及び資本ヘッジ・プログラムとみなしている。生前給
付特約オプションを有する一部の変額生命保険は、組込デリバティブとして会計処理され、公正価値で計上され
る。組込デリバティブ及び当該組込デリバティブの公正価値の変動をヘッジするために使用される関連するデリ
バティブのU.S. GAAPに基づく価値の市場リスク感応度については、上記の「金利に関連する市場リスク」及び
「株価に関連する市場リスク」の項を参照のこと。
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当社のリスク管理戦略(生前給付ヘッジ・プログラム及びその他の商品特性を含む。)の詳細については、
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(3)財政状態、経営成績
及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「セグメント別営業成績-個人年金保険」の項を参照のこと。
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3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績等の概要
下記「(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の項を参照のこと。
(2)生産、受注及び販売の状況
上記「第2 企業の概況」「3 事業の内容」の項及び下記「(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フ
ローの状況の分析」の項を参照のこと。
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(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
下記の連結財務状況及び経営成績に関する分析は、上記の「将来の見通しに関する記述」、上記の「2 事
業等のリスク」、上記の「第2 企業の概況」「1 主要な経営指標等の推移」及び連結財務書類と併せて読まれ
るべきものである。
将来に関する記述は本書提出日現在の記述である。
概要
当社の主要事業は、5つの部門から構成され、7つのセグメントと全社及びその他が含まれている。PGIM部門
は、PGIMセグメント(旧投資管理セグメント)から成る。米国ワークプレイス・ソリューション部門は、退職金
セグメントと団体保険セグメントから成る。米国個人ソリューション部門は、個人年金保険セグメントと個人生
命保険セグメントから構成される。国際保険部門は、国際保険セグメントから構成され、クローズド・ブロック
部門は、クローズド・ブロック・セグメントから構成される。全社及びその他には、事業セグメントに割り当て
られていない法人項目及びイニシアチブ、並びに撤退若しくはラン・オフ済み又は撤退若しくはラン・オフ予定
の事業が含まれている。
収入及び費用
当社の主たる収入源は、保険料、死差益、費差益、保険商品及び投資商品からの資産運用手数料及び事務管理
手数料、並びに一般勘定その他ファンドの投資である。当社は、保険料収入を、主として特定の個人生命保険、
団体生命保険及び団体所得補償保険、退職年金保険並びに年金保険契約の販売によって受領している。当社は、
死差益、費差益及び資産運用手数料を、主に変額生命保険や変額年金保険を含む、分離勘定商品の販売及びサー
ビシング、並びにユニバーサル生命保険を含むその他の商品の販売及びサービシングから得ている。また、資産
運用手数料及び事務管理手数料は、ミューチュアル・ファンド、退職金関連商品並びにその他投資管理商品及び
サービスの販売、サービシング及び運用により稼得されている。当社の営業費用は主として、提供した保険給付
金及び将来において予想される保険給付金に対する準備金、一般業務費用、保険契約者配当、当社の商品の販売
及びサービシングに関する手数料及びその他の費用、並びに一般勘定債務に係る利息等である。
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収益性
当社の収益性は、主に、保険商品及び年金商品の価格を給付の提供及び当該商品の管理に関連する費用を上回
るマージンを創出するレベルに設定する能力に左右される。また、収益性は、その他の項目、とりわけ当社の保
険商品及び年金商品の保険数理計算上の経験及び保険契約者の行動に関する経験、並びに当社の顧客資産を獲
得・維持する能力、好ましい投資成績を創出・維持する能力、資本を効果的に配置し、担税力を活用する能力及
び費用を管理する能力にも左右される。
従来、クローズド・ブロックに含まれる利益配当型商品は、その他多くの保険契約に比べると、投下資本を下
回る収益しかもたらしてこなかった。米国内での利益配当型商品の販売を中止したため、これら旧契約が逐次満
期を迎える一方で、他の保険契約を拡大していけば、保有契約に占める伝統的な利益配当型商品の比率は、徐々
に低下するものと考えられる。しかしながら、この既存保険区分からの比較的低い収益が長期間継続することに
より、複数年にわたって連結事業業績が影響を受けることが見込まれる。
見通し
経営陣は、2019年度においても、業績が引き続き相互に競争上の優位性をもたらす市場トップクラスの事業の
独自の構成の恩恵を享受するものと予想している。当社の高品質の保障、退職金及び投資管理の各事業の構成
は、利益の多角化による成長の可能性、顧客に事業の垣根を超えた総合的ソリューションを提供する機会、及び
バランスのとれたリスク・プロファイルに由来する資本上の恩恵を生んでいる。低金利環境(下記「低金利環境
の影響」の項を参照のこと。)、一部事業における手数料の圧縮やその他の市場要素といった困難が存在してい
るものの、当社の事業に関する選択は、その堅調な実施と相まって、魅力的なリターンを創出するものと期待さ
れている。
当社は、米国ファイナンシャル・ウェルネス事業、PGIM、投資管理事業及び国際保険事業を通じて、顧客の
ニーズを充足し、重要な市場機会を活用するに際して好位置につけている。米国ファイナンシャル・ウェルネス
事業は、ワークプレイス・ソリューション事業及び個人ソリューション事業を指す。当社は、個人の顧客、事業
者顧客及び社会全体において発生するニーズにつき、重要さを増す当社のファイナンシャル・ウェルネス・ソ
リューションを通じて対応する機会を見出している。当社は、当該戦略の実施にあたり、2,000万人の個人を網
羅するワークプレイス・プラットフォーム、保障、年金、貯蓄、所得及び投資に関するニーズを網羅するソ
リューション、並びに当社のファイナンシャル・アドバイザーとの面談、アドバイザーとの通話若しくはビデオ
電話、又は完全にデジタル化された方法による当社とのやり取りといった複数の経路を通じて多角的に顧客に対
応する顧客本位のアプローチを含む主要な要素を備えている。当社の目標は、顧客が希望する時、場所及び方法
で、そのニーズに対応することである。テクノロジーと当社の規模を活用することにより、当社は、対応可能な
市場を大幅に拡大し、顧客やクライアントとの間でより深く長期的な関係性を構築し、その人生におけるファイ
ナンシャル・ウェルネスにつき有意義な差異を生み出すことができる。
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過去16年間において一貫して毎年プラスの機関投資家の正味フローにつながっている堅調な投資成績により、
PGIMもまた、差別化された結果を創出している。第三者の顧客に対するソリューションの提供に加え、PGIMは、
米国ファイナンシャル・ウェルネス事業及び国際保険事業に対し、多様な資産クラス(不動産、私募及び商業用
モーゲージ貸付等の専門的クラスを含む。)における投資に関する専門知識を通じて競争上の優位性を提供して
いる。
当社の国際保険事業には、日本における世界トップクラスの生命保険事業やブラジル、インド、インドネシア
及び中国等の人口の多い高成長市場に対する投資が含まれる。当社は、差別化された方法でこれらの市場にアプ
ローチしており、これにより、着実かつ全体的な成長、魅力的なリターン及び大規模な資本創出が実現されてい
る。
要約すると、当社は、当社の総合的かつ相補的な事業に裏付けられた将来の見通しに自信を有している。各事
業の具体的な見通しの考察は以下のとおりである。
・ 米国ワークプレイス・ソリューション :退職金事業において、当社は、リスク管理や給付費用管理といった
年金制度のスポンサーのニーズに対応した商品の提供を継続しており、変化を続ける市況における適切な価
格設定やリターン予想が担保されている。年金リスク移転取引における当社の傑出した能力と顕著な実績に
より、引き続き魅力的な成長機会が創出されることが期待されている。しかしながら、当社は、当社が最も
競争力を有しており、かつ利益が最も堅調である市場セグメントである大規模な案件が一時的に発生するも
のであるという性質に鑑みて、成長は一定なものとはならないものと予想している。さらに、当社は、フ
ル・サービス事業において経験されている利幅と手数料の圧縮が継続するものと予想しているが、これらの
困難に対処することは可能であると考えている。団体保険事業において、当社は、米国内セグメントにおけ
るトップの地位を維持する一方、プレミア市場セグメントの拡大に注力している。当社は、とりわけ保険金
請求管理の改善と継続的な価格設定の統制により便益率を上昇させた所得補償保険業務における複数年にわ
たる引受努力の恩恵を享受している。退職金及び団体保険の両方において、当社は、そのファイナンシャ
ル・ウェルネス・プラットフォームが市場において有意義な差異を提供し、より深い顧客関係の構築に寄与
しているものと考えている。
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・ 米国個人ソリューション :当社の個人年金保険事業は、顧客の投資や退職金に関するニーズの充足の支援に
対する注力を継続している。短期的な資産運用益が長期目標を上回っていることから、堅調な業績や安定的
なフリー・キャッシュ・フローが継続することが予想されている。当社は、リスク管理戦略の強化に関連す
る費用の負担を予想しているが、当該プログラムにより、とりわけ不利なシナリオにおいてボラティリティ
の少ない純利益とキャッシュ・フローが創出されることが期待されている。また、既存の保険区分の満期と
総じて金利の低い新商品の販売によって平均手数料率が自然に低下することが予想されている。当社は、こ
れらの要素が組み合わされることにより、当社の資産運用益が段階的に長期目標に近似していくものと予想
している。当社は、商品多角化戦略の実施と成果重視の各種顧客向けソリューションへの注力を継続してい
る。当社の個人生命保険事業は、多様な商品構成と魅力的なリスク・プロファイルを維持するため、商品多
角化戦略の実施を継続している。当社は、顧客を一層重視した経験を構築する一方、販売パートナーとの関
係強化も継続している。当社が多角化された商品販売の実現に向けた注力を継続していくにあたり、昨今の
商品に関する措置により長期生命保険と変額生命保険の売上高がわずかに増加する可能性がある。
・ PGIM:当社の投資管理事業は、約1.2兆ドルという独自のマルチマネージャー・モデルとプルデンシャルの
企業関係の規模を活用しつつ堅調な投資実績を維持することに重点を置いている。PGIMは、商品販売の一層
の多角化、国際投資と販売拠点の拡大、新たな投資能力の選択的な獲得及び世界トップの資産運用会社とし
ての外部からの評価のさらなる強化を目的として、ターゲットを絞った投資を行っている。これらの能力に
より、PGIMが顧客の変化に富んだニーズへの対応を継続し、複数の資産クラス、顧客セグメント及び地域の
間でフローを創出することが可能となる。当社の成長戦略は、堅調な投資成績の達成を継続し、優れた投資
能力を有する者を惹きつけ、維持し続ける能力によって裏打ちされている。当社は費用の圧迫を経験してい
るが、債券、株式及び不動産や私募債といった代替手段における高手数料収益戦略への新規流入額と多角的
な事業プロファイルによって、当社の平均手数料収益は、比較的安定している。
・ 国際保険 :当社は引き続き、日本及び当社が現在事業を行っているその他市場におけるプレゼンスの強化並
びに新興市場における販売能力の拡大に重点を置いている。当社は、顧客のニーズの高まりに応じて、保障
ソリューションに対する注力を継続し、革新を行っている。当社の死亡保障商品の収益の大部分は、業績の
金利に対するエクスポージャーの軽減に貢献する死亡率のマージンによる。日本においては、米ドル建て商
品に比重を移す形で販売構成に変化が生じている。こうした傾向は継続するものとみられている。当社は、
日本以外の特定の成長市場においても規模の拡大の達成を目指している。販売に関しては、モデルの存在す
るすべての国におけるライフ・プランナー数の増加と銀行及び独立代理店網の戦略的な拡大を目指している
が、ジブラルタ生命保険株式会社(「ジブラルタ生命」)のコンサルタントについては、品質・生産性水準
の向上への注力の継続に伴って減少することが予想されている。
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上記の米国内外の市場において成長の機会をつかむべく、当社は、事業全体で投資を継続している。これらの
投資は、商品の開発、販売及び技術に照準をあわせたものである。また、当社は、デモグラフィックが変化を続
ける中で顧客のニーズに対する理解を深め、かかるニーズに応えるためのデータ・デジタル構想の実施を通じ
て、費用効率に優れ、分かりやすい商品を幅広く提供するという目標を達成するべく商品の改良にも投資してい
る。当社は、顧客経験と最新技術を用いた助言・販売、事業間の協力、職場における個々人との関係性の一層の
強化、及び顧客が選択する販売網を通じて該当する商品・サービスを提供する能力の強化に対する注力により、
販売能力の拡大に対する投資を実施している。また、当社は、手続の円滑化と管理システムの効率性の強化のた
めに情報技術インフラにも投資している。
こうした戦略的投資は、最終的には事業の成長をもたらすものと期待されているが、中期的には費用の増加に
つながることがある。さらに、当該投資が利益を創出するのに要する期間は、各投資によって異なっている。当
該投資の費用は、業務費用の効率性と事業において創出された利益を組み合わせることによって調達されてお
り、効率性改善による利益によって引き続き当該投資費用の一部を吸収していくことが可能であるものとみられ
ている。
業界の動向
当社の米国内事業及び国際事業は、金融市場、経済状況、規制監督及び当社が競争を展開する業界に影響を与
える様々な動向に左右されている。
金融及び経済環境
米国内事業 :下記の「低金利環境の影響」に記載するとおり、米国における金利は、引き続き過去の水準を下
回っており、当社のポートフォリオの利回り及び投資スプレッド業績純額に悪影響を与え続ける可能性がある。
さらに、下記「セグメント別営業成績」における該当する記載、及び上記「2 事業等のリスク」における概説
にあるとおり、当社は、株式市場の変動と信用サイクルの動向に関連する財務的な影響にさらされている。
国際事業 :当社の国際保険事業(とりわけ日本の保険事業)は、引き続き低金利環境において実施されてい
る。日本の国内市場は、かかる低金利に適応しているが、下記の「低金利環境の影響」において述べるとおり、
現在、当社の国際保険事業における一部の保険区分に係る現時点の再投資利回りは、概ね当該保険区分に対応す
るポートフォリオの現時点の利回りを下回っており、これに伴って当社の投資スプレッド業績純額に悪影響が及
ぶおそれがある。米国における継続的な低金利環境も、日本における円建て商品と比較した場合の米ドル建て商
品の相対的な魅力に影響を与える可能性がある。さらに当社は、為替レート(とりわけ日本円)の変動による財
務的影響も受けている。円建て及び非円建て商品の相対的な魅力は、引き続き円相場の変動による影響を受ける
見込みである。さらに、下記「セグメント別営業成績」における該当する記載、及び上記「2 事業等のリス
ク」における概説にあるとおり、当社は、株式市場の変動と信用サイクルの動向に関連する財務的な影響にさら
されている。
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デモグラフィック
米国内事業 :顧客のデモグラフィックは変化を続け、ミレニアル世代向け市場や多文化的な市場等、異なる消
費者セグメントにおいて新たな機会が生まれている。消費者の期待と嗜好も変化している。当社は、既存の顧客
と潜在的な顧客の双方において、ハイテクなデバイスを通じて入手可能な、分かりやすく費用効率に優れたソ
リューションの需要が高まるものと考えている。同時に、所得保障、貯蓄及び退職を迎えるベビーブーム世代の
ニーズは、引き続き保険業界の中心を成している。貯蓄・所得保障の両方について、退職後の保障に関する格差
は依然として根強い。退職後に備える貯蓄に関するリスクと責任が雇用者から従業員へと移転している一方で、
雇用者は、従業員のファイナンシャル・ウェルネスに対する注力を強めている。
国際事業 :日本では、人口の高齢化が進んでおり、多くの個人資産プールが利回りの低い預金及び貯蓄手段に
投資されている。日本の人口の高齢化及び政府年金制度のひっ迫により、退職に備える世代の増加と相まって、
貯蓄及び定年後の収入に関するニーズを充足するための高い貯蓄性を備えた保険商品に対する需要が高まってい
る。当社は、同じく人口の高齢化が進む韓国及び台湾を含む他のアジア市場においても退職商品への同様のシフ
トを確認している。
規制環境 :当社に影響を与える可能性のある規制上の進展及び関連するリスクについては、「第2 企業の概
況」「3 事業の内容」の「規制」の項を参照のこと。
競争環境 :当社の各セグメントの競争環境及び競争基盤については、「第2 企業の概況」「3 事業の内
容」の項を参照のこと。
低金利環境の影響
グローバルな金融サービス会社である当社の業績及び財務状況は、市場金利によって大きく左右される。金利
の変動は、当社の業績及び/又は財務状況にあらゆる面で影響(以下に対するプラス又はマイナスの影響を含
む。)を与える可能性がある。
・投資関連業務(投資収益、純利鞘、投資スプレッド業績純額、新たな貸付金利、モーゲージ・ローンの繰上
返済及び社債の償還を含む。)、
・保険の準備金水準、市場経験調整、並びに繰延保険契約取得費用(「DAC」)及び買収事業価値
(「VOBA」)の償却、
・顧客勘定価値(報酬収益への影響を含む。)、
・営業権等の無形資産の公正価値及び想定される減損、
・商品の販売、設計、予定利率及び販売構成、並びに
・保険契約者の行動(解約又は脱退を含む。)
当社の二大市場(米国及び日本)における現在の金利環境、保険負債・保険契約者預り金勘定の構成、現在の
金利環境が継続した場合に当社の業績が被る仮定的な影響については、以下を参照のこと。
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米国事業(クローズド・ブロック部門を除く。)
米国における金利は、主に連邦準備制度による2008年の金融危機後の景気回復を支援するための努力に由来す
る過去最低水準を経験している。しかしながら、より最近では、経済の回復に呼応した連邦準備制度の一連の金
利引上決定に伴い、市場金利は、上昇を始めている。市況や市場動向により、連邦準備制度によるさらなる金融
政策に関する決定のタイミング、規模及び影響は不明瞭となっているが、金利の上昇傾向により、主に当社の満
期固定証券投資及び商業モーゲージ貸付に係る再投資利回りが強化される可能性がある。金利の上昇に伴い、当
社の再投資利回りは、ポートフォリオ全体の利回りに近似する又はこれを上回る可能性がある。その一方で、金
利が低下した場合、当社の再投資利回りが当社のポートフォリオ全体の利回りを下回るまで低下し、利益に悪影
響が及ぶ可能性がある。
米国個人ソリューション部門、米国ワークプレイス・ソリューション部門、PGIM部門並びに全社及びその他に
対応する一般勘定について、当社は、2020年度を通じて、当社が再投資を求められる年間の元本返済額と繰上返
済額が満期固定証券及び商業モーゲージ貸付のポートフォリオの約6.0%に相当するものと予想している。当該
事業に帰属する一般勘定には、2018年12月31日現在、当該資産が純帳簿価額ベースで約1,980億ドル含まれてい
た。2018年12月31日現在において、満期固定証券及び商業モーゲージ貸付の平均ポートフォリオ利回りは、約
4.3%である。
満期固定証券及び商業モーゲージ貸付1,980億ドルのうち、約1,130億ドルについては発行体の裁量によるコー
ル・オプション又は償還のオプションが付されており、その加重平均金利は約4%である。当該1,130億ドルの
うちの約64%が、繰上返済手数料に関する規定を含むものである。当社が現在の純利鞘を維持するために、保有
する保険区分の予定利率を引き下げない又は以下に記載するその他の資産・負債管理戦略を効果的に利用しな
い、あるいはこれらを行うことができない範囲において、現在のポートフォリオ利回りを下回るレート(保険契
約によって保証されているレートを下回る場合を含む。)により予定支払額又は繰上返済額(繰上返済手数料は
適用されない。)が再投資される場合、将来における運用成績に影響が及ぶ可能性がある。
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下表は、下記の日付現在の当社のクローズド・ブロック部門を除く米国事業の保険負債及び保険契約者預り金
勘定を種類別に示したものである。
2018年12月31日現在
( 単位:十億ドル)
固定利率・利率保証付き長期保険商品 124
最低保証予定利率に基づき予定利率を調整済みの契約 57
投資収益に関するリスクが最終的に保険契約者の負担となる利益配当型保険契約 15
合計
196
上記の金額のうち、1,240億ドルが団体年金等の長期商品、仕組み決済及び固定利率・利率保証付きのその他
の保険商品であり、その原資産をポートフォリオを下回る金利で再投資しなければならない可能性がある。当社
は、下記の資産/負債管理を通じて長期的な低金利環境がこれらの契約に及ぼす影響を緩和することを目指して
いる。
上記の570億ドルは、 予定利率が保険契約の期間にわたって最低保証予定利率に基づき調整される保険契 約に
関連するものである。最低保証予定利率を上回る保険契約について、当社は当該予定利率を引き下げることがで
きるものの、かかる引下に対する当社の意思は、競争による圧力によって抑制されることがある。下表は、関連
する勘定価値を、 最低保証予定利率の範囲 及び2018年12月31日現在の保険契約者に対する金利と各最低保証 予定
利率 の差(単位:ベーシス・ポイント)別に示したものである。
最低保証予定利率に基づき予定利率を調整済みの勘定価値
最低保証 最低保証 最低保証 最低保証
予定利率 予定利率 予定利率 予定利率
最低保証 の超過率: の超過率: の超過率: の超過率:
合計
予定利率 1-49 50-99 100-150 150
ベーシス・ ベーシス・ ベーシス・ ベーシス・
ポイント ポイント ポイント ポイント超
( 単位:十億ドル)
最低保証予定利率の範囲
1.00 %未満 0.5 1.2 0.5 0.1 0.0 2.3
1.00%-1.99% 1.0 4.1 11.1 2.1 0.6 18.9
2.00%-2.99% 1.3 0.7 1.9 1.1 0.7 5.7
3.00%-4.00% 26.7 2.0 0.2 0.2 0.0 29.1
0.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.9
4.00%超
30.4 8.0 13.7 3.5 1.3 56.9
合計(注1)
全体に占める割合
54% 14% 24% 6% 2% 100%
(注1) 投資額が満期まで維持されない場合に市場価値調整が行われる契約に関連する約8.5億ドルが含まれる。
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当該事業の保険負債及び保険契約者預り金勘定のうち残りの150億ドルは、投資収益に関するリスクが最終的
に保険契約者の負担となる利益配当型保険契約に関連するものである。当該保険契約の予定利率は、関連資産の
利益に基づいて定期的に調整される。
2019年1月1日から2019年12月31日までの米国10年国債の平均利回りが2.70%で、かつ、信用スプレッドのレ
ベルが2018年12月31日現在のレベルと同じであるという仮定的なシナリオに基づき、当社は、かかる環境におけ
る再投資による税引前調整後営業利益が受ける影響は、現在の平均ポートフォリオ利回りによる再投資と比較し
た場合、重大なものではないと予想している。
低金利環境が当社の純利鞘に与える不利な影響を緩和するため、当社は、積極的な資産・負債管理計画を採用
しており、これには、規律あるリスク管理の枠組みの範囲内における戦略的資産配分及びヘッジ戦略が含まれて
いる。当該戦略は、当社の商品の特徴に合致し、資産の金利感応度を商品負債の予想金利感応度に厳密に近似さ
せることを目指すものである。当社の資産・負債管理プログラムは、デリバティブの利用を通じて、資産と負債
の間のデュレーションのギャップのリスク、為替変動リスク及びその他のリスクの管理を支援している。当社
は、商品の変化、顧客の行動の変化及び市況の変化が生じるごとに、かかる動的なプロセスを調整している。そ
の結果、当社の資産・負債管理プロセスにより、当社が商品に関連する金利リスクを、複数の市場サイクルを通
じて管理することが可能になっている。当社の金利エクスポージャーは、当社の事業の構成(報酬ベースの利益
及び保険引受利益が、商品の収益性にとってより重大な役割を果たしている事業を含む。)によっても緩和され
ている。
クローズド・ブロック部門
クローズド・ブロック部門の一般勘定資産580億ドルのほぼすべてが、クローズド・ブロックの保険契約のみ
に関連する債務及び負債に対応している。クローズド・ブロックの詳細については、連結財務書類の注記14を参
照のこと。
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国際保険事業
当社の国際保険事業は、長年にわたって低金利環境を経験しているが、当社の国際保険事業における特定の保
険区分に係る現時点の再投資利回りは、概ね当該保険区分に対応するポートフォリオの現時点の利回りを下回っ
ている。近年、日本銀行の金融政策により一部の国債の利回りが一層低下し、一時はマイナスとなった。当社の
国際保険事業は、昨今の金利環境が当社の純利鞘に与える不利な影響を可能な限り抑制するため、積極的な資
産/負債管理プログラムを採用している。当社は、当該プログラムと併せて、ポートフォリオ強化のために逆
イールド資産の購入を中止し、期間が30年以上である長期債の購入を継続している。さらに、通貨構成及び保険
料支払方法の面で多様性の高い商品ポートフォリオにより、当社が低金利環境のマイナスの影響を一層緩和する
ことが可能になる。当社は、定期的に商品の販売とその収益性を見直している。その結果、一部の商品の価格が
改定され、一部の商品の手数料が調整されたほか、当社の収益予想に合致していない他の商品の販売が中止され
た。かかる措置の影響は、米ドルに対する円高及び新商品の導入と相まって、他の通貨建ての商品と比較した場
合の米ドル建て商品の売上の増加につながった。国際保険事業の販売成績の詳細については、下記の「国際保険
部門-国際保険-売上業績」の項を参照のこと。
下表は、下記の日付現在の当社の日本事業の保険負債及び保険契約者預り金勘定を種類別に示したものであ
る。
2018年12月31日現在
( 単位:十億ドル)
固定利率・利率保証付き長期保険商品 120
投資額が満期まで維持されない場合に市場価値調整が行われる保険契約 26
予定利率が 最低保証予定利率に基づき調整される 保険契約 10
合計
156
上記の金額のうちの約1,200億ドルが主に固定利率・利率保証付きの長期保険商品から構成されており、その
原資産を現在のポートフォリオ利回りを下回る金利で再投資しなければならない可能性がある。残りの保険負債
及び契約者預り金勘定には、投資額が満期まで維持されない場合に市場価値調整が行われる保険契約に関連する
約260億ドル、及び予定利率が 最低保証予定利率に基づき 保険契約 の期間にわたって調整される契約に関する約
100億ドルが含まれている。しかしながら、当該保険契約について、現行の予定利率の大部分は、契約上の最低
保証予定利率又はそれに近い料率である。一定の場合において、当社は最低保証予定利率を上回る保険契約につ
いて予定利率を引き下げることができるが、当該保険契約の大部分について、予定利率は、公式により決定され
る。
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日本事業及び韓国事業において、新規の名目利回りが予想を25ベーシス・ポイント下回ったという仮定的なシ
ナリオの下、かかる新規の名目利回りの低下を年換算された更新保険料の投資、投資処分による利益及び投資収
益の再投資に適用した場合、不利な影響が生じ、2019年度の調整後営業利益が約10百万ドルないし15百万ドル減
少することが予想される。かかる仮定的なシナリオは、初年度保険料、一時払保険料、複数通貨建ての定額年金
のキャッシュ・フロー、商品の価格変更に伴う潜在的な恩恵並びにその他の要素(新契約、保険契約者の行動、
競争環境の変化、資本市場の変化及びデリバティブ金融商品の効果を含むが、これらに限られない。)の影響を
除外している。
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営業成績
連結営業成績
下表は、表示された各期間の純利益(損失)をまとめたものである。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
( 単位:百万ドル)
収益 62,992 59,689 58,779
58,158 53,202 53,074
保険金・給付金及び費用
法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前利益
4,834 6,487 5,705
(損失)
822 (1,438) 1,335
法人所得税費用(ベネフィット)
運営合弁事業損益に対する持分反映前利益(損失)
4,012 7,925 4,370
76 49 49
運営合弁事業損益に対する持分(税引後)
当期純利益(損失)
4,088 7,974 4,419
14 111 51
控除:非支配持分に帰属する利益
プルデンシャル・ファイナンシャル・インクに帰属する純利益
4,074 7,863 4,368
(損失)
2018 年度と2017年度の年次比較: 「プルデンシャル・ファイナンシャル・インクに帰属する純利益(損失)」
の3,789百万ドルの減少は、主に以下を反映している。
・ 3,693百万ドルのマイナスの変動。これは主に、当期における所得税費用(前期においては、税制改革及
びその他の税務事項の影響により税務ベネフィットがあった。)を反映したものである(詳細について
は、連結財務書類の注記15を参照のこと。)。
・ 責任準備金、並びにDAC及びその他のコストの調整による1,427百万ドルのマイナスの変動(税引前)。こ
れは、当社の事業の見積利益の更新を反映しているが、これには、当社が仮定について年に一度行う見直
し及び更新並びにその他の修正の影響が含まれる。これには、下記の変額年金保険ヘッジ・プログラムに
関連する影響額は含まれていない(詳細については「セグメント別営業成績」「米国個人ソリューション
部門」「個人年金保険」の項を参照のこと。)。
・ 221百万ドルのマイナスの変動(税引前)。これは、当期における当社の撤退及びラン・オフ事業からの
損失(前期においては収益が計上された。)(上記の仮定について年に一度行う見直し及び更新並びにそ
の他の修正の影響を除く。)による。
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これらの「プルデンシャル・ファイナンシャル・インクに帰属する純利益(損失)」の減少は、以下の項目に
より一部相殺された。
・ 917百万ドルのプラスの変動。これは、下記の特定の変額年金保険に関連するヘッジ・プログラムの影響
を除外した場合のPFI(クローズド・ブロック部門を除く。)の「税引前実現投資利益(損失)、純額」
による(詳細については、「一般勘定投資」の項を参照のこと。)。
・ 635百万ドルのプラスの変動(税引前)。これは、特定の変額年金保険に関連する組込デリバティブ及び
関連するヘッジ・ポジションの価値の変動による正味影響額を反映している(詳細については「セグメン
ト別営業成績」「米国個人ソリューション部門」「個人年金保険」「変額年金保険リスク及びリスク回避
策」の項を参照のこと。)。
セグメントの営業成績
当社は、調整後営業利益というセグメントの収益性の指標を用いてセグメント並びに全社及びその他の業績を
分析している。調整後営業利益及びそのセグメントの営業成績の指標としての利用については、「セグメント指
標」の項を参照のこと。
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下表は、下記の各年度の各セグメント並びに全社及びその他の調整後営業利益への貢献額、並びに連結損益計
算書に記載の「法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前利益(損失)」に対する当該セグメントの業
績指標の調整額をまとめたものである。
12月31日に終了した年度
2018年 2017年 2016年
(単位:百万ドル)
セグメント別税引前調整後営業利益:
959 979 787
PGIM
PGIM部門合計 959 979 787
退職金
1,049 1,244 1,012
229 253 220
団体保険
米国ワークプレイス・ソリューション部門合計 1,278 1,497 1,232
個人年金保険
1,925 2,198 1,765
223 (191) 79
個人生命保険
米国個人ソリューション部門合計 2,148 2,007 1,844
国際保険 3,266 3,198 3,117
国際保険部門合計 3,266 3,198 3,117
全社及びその他 (1,283) (1,437) (1,581)
全社及びその他合計 (1,283) (1,437) (1,581)
セグメント別税引前調整後営業利益合計 6,368 6,244 5,399
調整項目:
実現投資利益(損失)、純額及び関連調整額(注1) 619 (602) 989
(316) 544 (466)
実現投資利益(損失)関連費用、純額(注2)
経験料率契約者保険負債に対応する資産における投資利益
(863) 336 (17)
(損失)、純額(注3)
710 (151) 21
資産価値の変動に伴う経験料率契約者保険負債の変動(注4)
撤退及びラン・オフ事業(注5):
(62) 45 (132)
クローズド・ブロック部門
(1,535) 38 (84)
その他撤退及びラン・オフ事業
運営合弁事業損益に対する持分及び非支配株主持分利益(注
(87) 33 (5)
6)
法人所得税及び運営合弁事業損益に対する持分反映前連結
4,834 6,487 5,705
利益(損失)
(注1) 「実現投資利益(損失)、純額」及び関連調整額を表している。詳細については、「一般勘定投資」の項及び連結
財務書類の注記21を参照のこと。
(注2) 「実現投資利益(損失)、純額」がDAC及びその他の費用の償却並びに準備金の変動に与える影響に相当する関連
費用が含まれている。また、当社の一部の年金商品の市場価値調整機能に関する支払に由来する関連費用及び「実
現投資利益(損失)、純額」が未経過収益準備金(「URR」)の償却に与える影響も含まれている。
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(注3) 「経験料率契約者保険負債に対応する資産における投資利益(損失)、純額」を表している。「経験料率契約者保
険負債、経験料率契約者保険負債に対応する資産、及びその他関連投資」の項を参照のこと。
(注4) 経験料率契約に対応する投資プールにおける資産価値の変動に起因する契約者保険負債の変動を表している。「経
験料率契約者保険負債、経験料率契約者保険負債に対応する資産、及びその他関連投資」の項を参照のこと。
(注5) 売却・撤退済み又は売却・撤退予定の撤退及びラン・オフ事業の利益(損失)への貢献を表している(終了予定で
あるがU.S. GAAPに基づく「撤退事業」としての会計上の取扱いに該当しない事業を含む。)。詳細については、
「第2 企業の概況」「3 事業の内容」の「撤退及びラン・オフ事業」の項を参照のこと。
(注6) 運営合弁事業損益に対する持分は、調整後営業利益(損失)に含まれているが、法人所得税、運営合弁事業損益に
対する持分反映前利益からは除外されている。これは、運営合弁事業損益に対する持分が、連結損益計算書におい
て税引後U.S. GAAPベースで別項目として反映されているためである。非支配持分に帰属する利益は、調整後営業
利益には含まれていないが、法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前利益(損失)には含まれている。
これは、非支配持分に帰属する利益が連結損益計算書においてU.S. GAAPに基づき別項目として反映されているた
めである。非支配持分に帰属する利益は、少数株主の持分に関連する、連結事業体からの利益を表している。
上記の2018年度のセグメント別の業績には、以下が反映されている。
PGIM 2018年度の同セグメントの業績は、主にインセンティブ報酬(純額)の減少及び戦略的投資の成績の低
迷を反映して2017年度を下回ったが、資産運用手数料(関連費用控除後)の増加によって部分的に相殺された。
退職金 2018年度の同セグメントの業績は、主に投資スプレッド業績純額の減少、仮定について年に一度行う
見直し及び更新並びにその他の修正に伴うマイナスの正味影響額、並びに一般管理費の増加を反映して2017年度
を下回ったが、責任準備金実績の貢献の増加及び保険契約の増加の影響によって部分的に相殺された。
団体保険 2018年度の同セグメントの業績は、費用の増加、投資スプレッド業績純額の寄与の減少、並びに仮
定について年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正に伴う不利な正味影響額を反映して2017年度を下
回ったが、団体生命保険契約及び団体所得補償保険契約のより有利な引受実績によって部分的に相殺された。
個人年金保険 2018年度の同セグメントの業績は、主に投資スプレッド業績純額の減少、資本ヘッジ費用の増
加及び販売費用の増加を反映して2017年度を下回ったが、償却費及び準備金の減少並びに資産ベース報酬収益の
増加によって部分的に相殺された。
個人生命保険 2018年度の同セグメントの業績は、主に仮定について年に一度行う見直し及び更新並びにその
他の修正による有利な正味影響額を反映して2017年度を上回ったが、引受実績の低迷及び投資スプレッド業績純
額の寄与の減少によって部分的に相殺された。
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国際保険 2018年度の同セグメントの業績は2017年度を上回ったが、為替レートの有利な正味影響額並びに仮
定について年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正による比較的不利な正味影響額が含まれた。上記の
項目を除外した場合、同セグメントの業績改善は、主に事業の成長、費用の減少(訴訟費用の減少を含む。)を
反映したものであったが、投資スプレッド業績純額の貢献の減少及び経験死亡率の不利な影響によって部分的に
相殺された。
全社及びその他 2018年度の業績は、本社費レベルの減少、適格年金制度からの収益の増加及び支払利息の減
少に伴う2017年度に対する損失の減少を反映したが、純投資収益の減少によって部分的に相殺された。
クローズド・ブロック部門 2018年度の業績は、2017年度の業績を下回ったが、これは主に、純実現投資利益
の減少、関連業務収益、純投資収益の減少(契約者配当準備金債務の有利な調整及び保険業務収益(純額)の増
加によって部分的に相殺された。)による。
セグメント指標
調整後営業利益 :当社では事業運営に当たり「調整後営業利益」を用いてセグメント業績を分析している。調
整後営業利益は、U.S.GAAPの定める「法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前利益(損失)」又は
「純利益(損失)」に相当するものではないが、セグメント業績を分析し、資金を割り当てるために使用するセ
グメント別の損益の基準であり、当局のガイダンスと一致しており、当社のセグメント業績の基準である。調整
後営業利益を計算する上での調整は、当社全体の業績を理解する上で重要である。調整後営業利益については、
これをU.S.GAAPに準拠して求めた利益の代用になるものではない。また、当社でいう調整後営業利益の定義は他
の企業で使われている定義とは異なっている可能性がある。しかしながら、経営のための尺度として調整後営業
利益を公表することは、継続中の事業の業績とその基礎となる当社事業の収益性を際立たせることにより、当社
事業の業績への理解を深めていただけるものと考えている。セグメント業績の表示及び調整後営業利益の定義に
ついては、連結財務書類の注記21を参照のこと。
年換算新事業保険料 :当社の個人生命保険事業、団体保険事業及び国際保険事業を運営する上で、当社は年換
算新事業保険料を分析する。年換算新事業保険料はU.S.GAAPに準拠した収益ではない。年換算新事業保険料は事
業の現在の販売業績の尺度であり、これに対して収益は、現在の販売額に加えて、主に過年度に契約された契約
の継続率と純投資利益を反映している。年換算新事業保険料には初年度の保険料の10%又は一括払商品について
は預り金が含まれている。有限払込契約についてその他調整は行っていない。
ある一定期間の年換算新事業保険料の金額は、複数の要因により大きく左右される。かかる要因には、新商品
の追加、既存商品の廃止、特定の商品への付与金利の変動及びその他商品の改変、保険料率の変更、税法の改
正、規制の変更又は競争環境の変化が含まれるがこれらに限定されない。売上高は、これらの特定の変化又は変
更の発効前に増加又は減少し、その後にかかる変化又は変更に応じて逆方向に変動することがある。
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運用資産 :当社のPGIM事業を運営する上で、当社は運用資産(U.S. GAAPに直接準拠した資産ではない。)を
分析する。これは、主な収益源が運用資産に基づく報酬であるためである。運用資産は、当社が機関投資家顧
客、個人顧客及び当社の一般勘定のために直接運用する資産、並びに第三者であるマネージャーにより運用され
ている当社の商品に投資された資産の公正市場価額又は勘定価値にあたる。
勘定価値 :個人年金保険及び退職金事業を運営する上で、当社は勘定価値を分析するが、これはU.S. GAAPに
準拠した資産ではない。個人年金保険事業における純販売額(償還額)及び退職金事業における純追加額(引出
額)はU.S. GAAPに準拠した収益ではないが、事業活動を測る尺度として利用されている。
外国為替レートの影響
外国為替レートの変動及び関連ヘッジ戦略
米国に拠点を置き、米国外(特に日本)で大規模な事業を行っている会社として、当社は米ドル相当の利益及
び株主資本利益率に影響する、外国為替レートの変動によるリスクにさらされている。当社の米ドル相当の利益
は、現地通貨ベースでみれば比較的利益が一定しているときでさえ、時として為替変動の重大な影響を受けるこ
とがある。当社の米ドル相当のエクイティは、国際事業における当社の投資価額が外国為替レートの変動に基づ
き変動することの影響を受ける。当社はデリバティブ契約の使用及び米ドル建て資産の海外の子会社における所
有など、様々なヘッジ戦略によってこれらの影響を軽減するよう努めている。
当社は、外国為替レートの変動による利益のボラティリティを削減するため、予想される米ドル以外の通貨建
て利益の流れの一部について外国為替レートを有効に固定する為替予約デリバティブ契約を締結している。為替
予約ヘッジ・プログラムは主に日本及び韓国における当社の保険事業に関連するものである。
当社は、外国為替レートの変動によるエクイティのボラティリティを削減するため、レバレッジのない状態で
の全社的な株主資本利益率に対する円ベースの事業の相対的な寄与を維持するようヘッジレベルを調整する円
ヘッジ戦略を主に採用している。当社は、このヘッジ戦略を様々な商品を採用して実施しているが、これらの商
品には、米ドル建て資産、為替デリバティブ契約、並びに日本の保険子会社が現地で保有するデュアルカレン
シー及びシンセティック・デュアルカレンシー投資が含まれる。全体的なヘッジレベルは、当社の全社的な株主
資本利益率に対する円ベースの事業の相対的な寄与の定期的な評価によって変動する。
下表は、表示された各日付現在の日本の保険子会社における米ドル相当の株主資本利益率に対する為替変動の
影響をヘッジするための商品の総額を示したものである。
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12 月31日
2018 年 2017 年
(単位:十億ドル)
為替ヘッジ商品:
米ドル相当の利益のヘッジ:
1.3 1.6
為替予約契約(未払想定元本)
米ドル相当のエクイティのヘッジ:
円を基本通貨とする事業体が有する米ドル建て資産(注1) 13.5 13.8
0.6 0.6
デュアルカレンシー及びシンセティック・デュアルカレンシー投資(注2)
米ドル相当のエクイティに対する為替ヘッジ商品合計 14.1 14.4
15.4 16.0
為替ヘッジ合計
(注1) 米ドル建て満期固定証券、償却原価及び関連未収投資収益、並びに為替デリバティブ契約の未払米ドル想定元本を
含む。この金額は、エクイティに対する為替ボラティリティの影響をヘッジする役割を果たす米ドル資産のみを表
している。当該プログラムを除いた場合、当社の日本事業には、2018年12月31日現在及び2017年12月31日現在の米
ドル建て商品に関連する米ドル建て負債に対応する米ドル建て資産それぞれ489億ドル及び412億ドルが含まれる。
(注2) デュアルカレンシー及びシンセティック・デュアルカレンシー投資は、円を基本通貨とする当社の事業体が満期固
定証券及び貸付(元本は円建て、受取利息は米ドル建て)の形態で保有している。表中の額は、将来の米ドル建て
キャッシュ・フローの現在価値である。
当社の日本における保険事業からの米ドル相当の利益及び株主資本利益率に係る外国為替レートの変動の影響
をヘッジする米ドル建て投資は円を基本通貨とする事業体において計上されており、そのため、かかる米ドル建
て投資の日本における円を基本通貨とする保険事業体において計上された価値は為替変動により影響を受ける。
当社は、為替レートが将来不利に変動した場合に、これらの米ドル建て投資の日本における円を基本通貨とする
保険事業体において計上された価値が低下し、かかる事業体の持分及び規制上のソルベンシー・マージンに悪影
響を与えるリスクを、当社の日本の保険事業に通貨ヘッジ取引を行わせることにより軽減しようと努めている。
かかるヘッジはプルデンシャル・ファイナンシャルの子会社とともに行われる。これらのヘッジ戦略は、為替変
動によるかかる米ドル建て投資の価値の変動を当社の円を基本通貨とする事業体から米ドルを基本通貨とする事
業体に移動する経済的効果がある。
これらの米ドル建て投資は同様の円建て投資よりも一般的に利子が高い。この高い利回りの、当社の米ドル建
て投資並びにデュアルカレンシー及びシンセティック・デュアルカレンシー投資に対する付加的影響は、時間の
経過とともに変わり、原投資のデュレーション及び投資の時点における米国及び日本の両国における金利の環境
により左右される。
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セグメントの営業成績に対する外国為替レートの変動による影響
当社の国際保険セグメント及びPGIMセグメントの業績は、当該セグメントの米ドル以外の利益の一部を固定為
替レートで換算するという全社及びその他の業務との社内的な取決めの影響を反映している。当社の退職金セグ
メントの業績は、2018年1月1日付の終了以前に2016年及び2017年に行われていた、外国為替に関する全社及び
その他の業務との社内的な取決めの影響を反映していた。当該外国為替リスクは現在、外部ヘッジを含む可能性
のある戦略を用いて退職金セグメントにて管理されている。全社及びその他の業務の業績には固定為替レートと
実際の平均為替レートにより当該セグメントが計上した当該期間中の為替換算調整の差額が含まれる。加えて、
当社が特定の通貨をヘッジする国際保険セグメントに限っては、全社及びその他の業務の業績には、当該期間中
に決済された為替予約契約により計上された損益の影響(実際の収益が予想していた収益とは異なったことによ
るオーバーヘッジ又はアンダーヘッジの影響が含まれる。)も含まれる。
国際保険に関して、固定為替レートは通常、同セグメントの米ドル相当の利益に対する為替変動の影響を緩和
するために設計された為替収益ヘッジ・プログラムに関連して決定される。当該プログラムに基づき、全社及び
その他の業務は、一定の通貨について予想される利益のリスク純額と米ドルを特定の為替レートで交換する為替
予約契約を第三者と締結する。これらの契約の満期は特定の非米ドル建て利益が発生することが予想される将来
の期間(通常は3年間ごと)に対応している。このプログラムを通じてヘッジされる非米ドル建て利益のレベル
を設定する上で、当社は米ドル建て商品及び投資によって生じると予想される米ドル建て利益のレベルを除外す
る。2018年12月31日に終了した12ヶ月間について、当該セグメントの利益の約18%が円建てであり、2018年12月
31日現在、2019年度、2020年度及び2021年度の予想される円建て利益のそれぞれ100%、72%及び28%をヘッジ
済みである。現在の未ヘッジ分については、当社の国際保険セグメントの将来の予想される円建て利益の米ドル
相当額は、円の為替レート変動の影響を受けることとなる。
これらの取決めにより、2018年度、2017年度及び2016年度に係る当社の国際保険セグメントの業績には、円建
ての利益については1米ドル111円、112円及び106円、並びに韓国ウォン建ての利益については1米ドル1,150韓
国ウォン、1,130韓国ウォン及び1,100韓国ウォンの固定為替レートでそれぞれ換算したことによる影響が反映さ
れている。当社は、2019年度の業績には、円建て及び韓国ウォン建ての利益を、1米ドル105円及び1米ドル
1,110韓国ウォンの固定為替レートでそれぞれ換算したことによる影響が反映されると予想している。ある年度
の固定為替レートの決定は外国為替レートの経時的な変動の影響を受けるため、当該セグメントの将来の収益
は、最終的には当該為替レートの変動による影響を受けることになる。PGIM及びその他国際保険における一定の
通貨に関して、各年度の固定為替レートは、先物為替レートを使用して前年度の第3四半期中に予め決定され
る。
下表は表示された各期間の国際保険セグメント、PGIMセグメント及び退職金セグメント並びに全社及びその他
の業務の収益及び調整後営業利益の増加(減少)を示したものである(社内的な取決めの影響を反映してい
る。)。
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有価証券報告書
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
社内的な取決めによるセグメント別の影響:
国際保険 10 3 23
PGIM 0 0 6
0 2 9
退職金(注1)
社内的な取決めによる影響(注2) 10 5 38
全社及びその他の業務:
社内的な取決めによる影響(注2) (10) (5) (38)
(13) (16) 38
為替予約契約の決済による損益(注3)
全社及びその他の業務に対する純利益(損失) (23) (21) 0
(13) (16) 38
連結収益及び調整後営業利益に対する正味影響額
(注1) 2018年1月1日付で、全社及びその他の業務と退職金セグメントとの間の社内的な取決めは終了し、当該リスクは
現在、外部ヘッジを含む可能性のある戦略を用いて退職金セグメントにて管理されている。
(注2) 加重平均月次為替レートにて換算された非米ドル建て利益と、為替収益ヘッジ・プログラムに関連して決定された
固定為替レートにて換算された非米ドル建て利益の差額。
(注3) 2018年12月31日現在、2017年12月31日現在及び2016年12月31日現在、全社及びその他の業務におけるこれらの為替
予約契約の想定元本はそれぞれ26億ドル、28億ドル及び27億ドルであり、このうち、それぞれ13億ドル、15億ドル
及び16億ドルは、日本の保険事業に関するものであった。
U.S. GAAP 上の利益に対する非現地通貨建て商品の影響
当社の国際保険事業は現地通貨建ての商品を提供しているが、一部は非現地通貨建ての商品も提供している。
特に、米ドル及び豪ドル建ての商品を提供する日本における事業が顕著である。これらの商品に関連する非現地
通貨建て保険負債はこれに対応する通貨建ての投資(うち相当部分が売却可能証券として指定されている。)に
よって支えられている。これらの非現地通貨建て資産及び負債に対する為替変動の影響は金額上合致している
が、為替変動によるこれらの資産及び負債の価値の変動を会計処理した際に差異が生じたことにより、U.S.
GAAP上の利益が大きく変動したこともかつてはあった。
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当社は、2015年度第1四半期に、ジブラルタ生命の事業において、米ドル建て事業と豪ドル建て事業を、それ
ぞれ原商品及び原投資と同じ通貨を機能通貨とする別々の部門に分ける仕組みを導入した。この調整の結果、外
国為替レートの変動により生じるこれらの資産及び負債の価値の変動の説明における差異が減少した。この仕組
みの下で移転された米ドル及び豪ドル建ての資産について、その他の包括利益累計額(「AOCI」)に計上されて
いる外国為替の再評価に関連する累積未実現投資利益(純額)は60億ドルに上ったが、これは当該資産の満期時
又は売却時に「実現投資利益(損失)、純額」の利益として経時的に認識される。2018年12月31日現在、これらの
資産に関連する累積未実現投資利益の残余額純額は、32億ドルであった。所定満期より前にこれらの資産のうち
売却されるものがない限り、32億ドルの残余額の約9%は2019年度に認識され、約12%は2020年度に認識され、
残余額の大部分が、2021年から2024年までの間に認識されることとなる。
アルゼンチンの高インフレ経済
当社のアルゼンチンにおける保険事業であるプルデンシャル・オブ・アルゼンチン(「POA」)は、従来、当
該事業体が事業を行う主要な経済環境の通貨であることに鑑み、アルゼンチン・ペソを機能通貨として用いてき
た。2018年度中、アルゼンチンの累積インフレ率は3年間で100%を超えた。その結果、アルゼンチン経済は高
インフレとみなされ、2018年7月1日付で報告形態が変更された。U.S. GAAPにおいて、高インフレ経済にある
海外の事業体の財務書類は、将来の期間について、その機能通貨(以前はアルゼンチン・ペソ)がその親会社で
ある報告主体の報告通貨(米ドル)であるかのように再測定されることになっている。これによってPOAの業績
が米ドルに再測定及び/又は変換される方法が変更された一方、POA事業の相対的な規模を考慮すれば、当社の
財務書類への影響は過去においても重大でなく、将来においても重大でないと予想される。また、アルゼンチン
のマクロ経済環境を理由として、POAの売上は主に米ドル建てであり、したがってPOAの貸借対照表は、実質上す
べて、米ドル建て資産によって支えられている米ドル建て商品負債で構成されていることに留意すべきである。
よって、機能通貨と資産及び負債が表示される通貨とがより緊密に連携されるため、この会計上の変更は、純利
益に反映される再測定の影響を減少させる機能を果たしている。
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会計方針及び発表
重要会計方針の適用
U.S.GAAPに従って財務書類を作成するには、しばしば相当程度の判断力が求められるような会計方針を適用す
る必要がある。経営陣は、継続的に、財務書類の作成で採用された予測値や仮定を検証している。経営陣がその
時点の事実や状況に配慮して、予測値や仮定の変更が適切であると判定した場合、連結財務書類に計上される当
社の営業成績や財務状況が大幅に変更されることがある。
以下の各項では、経営陣が予測値や仮定の適用に依存している部分が最も大きいとみなす、また、経営陣によ
る最も困難で、主観的又は複雑な判断を必要とするとみなす、財務書類作成のための会計方針について説明す
る。
保険資産
繰延保険契約取得費用及び繰延販売奨励金
当社は、保険契約及び年金契約の取得又は更新に直接的に関連するコストを資産に計上する。これらのコスト
には主に手数料、契約発行費用及び引受費用、並びに成約に至った保険契約に直接的に関係するその他の特定の
費用が含まれる。また、当社は、主に個人年金保険セグメントにおける変額年金及び定額年金契約の販売奨励金
に関連する費用の繰延も行っている。販売奨励金は、主として保険加入の奨励金として保険契約者預り金勘定に
計上される金額である。販売奨励金の詳細については、連結財務書類の注記12を参照のこと。当社は、通常、
DAC及び繰延販売奨励金(「DSI」)については、契約内容に応じて、総保険料、総利益又はグロス・マージンの
レベルとタイミングに関する当社の予想に基づき、契約の想定期間にわたって償却する。下記において詳述する
とおり、DAC及びDSIの償却額を算出するにあたり、当社は、投資収益、死亡率、契約継続率及びグロス・マージ
ン、総利益又は総保険料のレベルとタイミングの見積りに影響を与えるその他の項目について予想を行う必要が
ある。当社はまた、当社のDAC及びDSIの回収可能性を定期的に評価している。特定の契約についての当該評価
は、保険料欠損テストの一環として実施される。詳細については、下記の「保険負債-責任準備金」の項を参照
のこと。2018年12月31日現在、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)のDAC及びDSIは、それぞれ198億ドル
と10億ドルであり、クローズド・ブロック部門のDACは、264百万ドルであった。
償却方法
総保険料 :当社の個人生命保険セグメントの無配当の定期生命保険契約、並びに国際保険セグメントの終身及
び定期生命保険、養老保険及び健康保険に関連するDACは、主として総保険料に比例して償却される。総保険料
は、保険契約につき保険契約者に請求される保険料と定義される。
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総利益 :当社の個人生命保険セグメント及び国際保険セグメントの変額生命保険及びユニバーサル生命保険、
並びに当社の個人年金保険セグメント及び国際保険セグメントの変額年金契約及び定額年金契約に関するDAC及
びDSIは、通常、総利益合計に比例してこれらの保険契約の想定期間にわたって償却される。総利益合計には、
実際の総利益と将来における予想総利益が含まれる。総利益は、①死亡率、契約管理、解約手数料の賦課金額及
びその他の賦課金額に保険契約者預り金の運用益を加えた金額から②保険契約者預り金勘定を超過する給付請求
額、契約管理費用、特定の事業の再保険費用純額、保険契約者預り金勘定への利息振替及びその他の還付金を控
除した額と定義される。任意の年度において総利益の著しい低迷が予想される場合、償却額を算出するための基
準として、通常、保有契約高が代用される。当社の個人年金保険セグメントの変額年金保険について、当社の変
額年金契約の生前給付特約オプションの一部に関連する組込デリバティブ及び関係するヘッジ活動の影響も、
U.S. GAAPに基づく総利益及び償却率に含まれている。当該組込デリバティブの評価モデルに係る重要なデータ
(資本市場に関する仮定及び保険数理的に決定される仮定を含む。)の詳細については、下記の「保険負債-責
任準備金」の項を参照のこと。償却費用を算出するにあたり、当社は、U.S. GAAPに基づく業績及び調整後営業
利益に含まれる総利益額を見積もっており、明確な償却率及び費用を算出するために当該見積りを使用してい
る。当社はまた、実際の総利益と当社の予想する将来の総利益の見積りの変動が当社のDAC及びDSIの償却率に与
える影響について、定期的に関連するDAC及びDSIの残高の評価及び調整を行うとともに、当該金額を損益計上す
る。DAC及びDSIの残高の調整には、仮定について年に一度行う見直し、当期の実績の四半期調整及び市場業績の
四半期調整による、総利益合計の見積額に対する影響が含まれる。各調整の詳細については、「仮定について年
に一度行う見直し及び四半期調整」の項を参照のこと。
グロス・マージン :クローズド・ブロックの伝統的な利益配当型商品に関するDACは、当該契約の想定期間に
わたって、予想されるグロス・マージンに比例して償却される。グロス・マージンは、①保険料受領額、保険契
約者預り金勘定の運用益及びその他の賦課金額から②支払済みの給付金、契約管理費用、死亡及び養老保険金給
付のための平準純保険料準備金の変動、契約者年間配当並びにその他の還付金を控除した額と定義される。当社
は、実際のグロス・マージンの影響と当社の予想する将来のグロス・マージンの変動について、将来のグロス・
マージンの当社の見積額の評価及びDAC残高の調整を行い、当該金額を損益計上する。グロス・マージンに影響
を及ぼす要因の多くがこれらの保険契約者に対する当社の配当の決定に含まれており、また、クローズド・ブ
ロック事業が多くの年度において、累積利益の株式会社化の際に決定された予想累積利益に対する超過額につい
て、「未払契約者配当金」において累積契約者配当準備金費用を認識していることから、当該利益配当型商品に
係るDAC調整は、概して当社の業績に著しいボラティリティをもたらしていない。しかしながら、将来におい
て、実際の累積利益が予想累積利益を下回り、累積契約者配当準備金がなくなった場合、グロス・マージン及び
DAC償却額の変動は、クローズド・ブロックの業績に最終的に影響を及ぼす可能性がある。2018年12月31日現
在、予想累積利益に対する実際の累積利益の超過額は、2,252百万ドルであった。
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上記で述べた以外の商品の償却方法は、主に当社の団体保険セグメント及び退職金セグメントの商品に関連す
る重要度の低いDAC及びDSI残高(当社の2018年12月31日現在のDAC及びDSI残高合計の約2%を占めていた。)に
関するものである。
仮定について年に一度行う見直し及び四半期調整
当社は、毎年、将来における総利益を見積もる際に使用する仮定の包括的なレビューを行っている。過去数年
間にわたって当社が行った、将来の総利益の予想並びにDAC及びDSIの償却額の変更につながる最も重要な仮定の
更新は、失効及びその他保険契約者の行動に関する仮定、死亡率並びに将来における予想投資収益率の修正に関
連するものであった。これらの仮定により、将来において償却費用の大規模な変更が生じる可能性がある。かか
る仮定の変更が当社の業績に与える影響が相殺効果を有する可能性があるが、当社がその長期的な変動及び相殺
効果について予想することはできない。
上記の当期の実績の四半期調整は、当該期間中の実際の総利益と、従前に予想された当該期間中の総利益の見
積額の間の差異の影響を反映するものである。各期間の実際の実績が、従前において見積もられた当該期間中の
見積額と異なる範囲において、総利益合計の前提となる水準が変動する可能性がある。この場合、当社は、すべ
ての過年度の償却について累積調整(経験値への補正)を計上する。
上記の市場成果の四半期調整は、実際のファンドの実績及び市況を踏まえた当社の総利益合計の見積りの変更
の影響を反映している。当社の変額年金契約の総利益の大部分は、分離勘定投資オプションにおいて保有する資
産の総収益率に依存しており、変額生命保険契約の総利益の大部分についても、程度は低いものの、同様であ
る。この収益率は、当社が変額年金契約及び変額生命保険契約について受領する手数料、変額年金契約に関する
最低保証死亡給付及び最低年金額保証給付並びに変額生命保険契約について支払われることが予想される保険金
について当社が負担する費用、並びにその他の収入源に影響を与える。任意の期間における当社の予想を上回る
利益は、予想を上回る積立金残高を創出する。これにより、当社が将来において変額年金契約及び変額生命保険
契約について受領するであろう手数料が増加し、当社の変額年金契約に関連する最低保証死亡給付及び最低年金
額保証給付並びに変額生命保険契約について支払われることが予想される保険金について当社が将来において負
担するであろう費用が減少する。業績が予想を下回った場合は、これと逆の現象が発生する。将来における総利
益予想の変動は、過年度のすべての償却に対する累積的な調整を認識する際に用いられる。
米国内変額年金及び変額生命保険商品のDAC及びその他の費用を評価する際に使われる短期的な将来の株式収
益率の仮定は、業界の慣行として、平均回帰アプローチにより算出される。このアプローチに基づき、当社は、
過去における株式収益を検討し、5年間の当初期間(「短期間」)にわたる予想株式収益を調整し、株式収益率
が長期の予想収益率と近似するようにする。将来における短期間の予想収益率が当社の将来における短期間の最
大収益率(15.0%)を上回っている場合、将来における最大収益率を使用する。2018年12月31日現在、当社の変
額年金保険事業及び変額生命保険事業は、長期の予想株式収益率及び短期の平均回帰予想株式収益率を、それぞ
れ8.0%と7.6%と仮定している。
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加重平均収益率の仮定は、各事業に特有の多くの要素(資産のデュレーション、資産配分及びその他の要素を
含む。)を考慮している。当社は、通常、平均回帰アプローチの結果を反映するため、短期の株式収益率及び総
利益合計の見積額を四半期ごとに更新している。当社は通常、債券の収益率の予想に用いる将来の金利を毎年更
新するが、金利が当該仮定と大幅に異なる場合は任意の四半期において更新する。2018年度において行われた仮
定について年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正により、米国債10年物利回りの長期予想は昨年から
変更されず、引き続きむこう10年間について3.75%となった。日本においては、日本国債10年の長期予想収益率
が20ベーシス・ポイント引き下げられ、むこう10年間について1.30%となった。
これらの総利益の見積額の市場業績関連調整を受けて、過年度の償却にも累積調整がなされることとなる。こ
れは、すべての過年度の総利益に対する新しい必要償却率の適用を反映している。
買収事業価値
DAC及びDSIに加えて、当社は、VOBA(買収事業価値)を資産として認識する。VOBAは、取得された保有保険契
約債務を取得日時点で算定された公正価値で表示するための、表示額に対する調整額に相当する無形資産であ
る。VOBAは、DAC及びDSIの償却にあたって使用されるものと同一の手法及び仮定を用いて、当該取得契約の想定
期間にわたり償却される(詳細については、上記の「繰延保険契約取得費用及び繰延販売奨励金」の項を参照の
こと。)。また、VOBAは、回収可能性テストの実施の対象ともなる。2018年12月31日現在、VOBAは19億ドルであ
り、これには2011年にアメリカン・インターナショナル・グループ(「AIG」)からエイアイジー・スター生命
保険株式会社、AIGエジソン生命保険株式会社、AIGファイナンシャル・アシュアランス・ジャパン株式会社及び
AIGエジソンサービス株式会社(以下、総称して「スター生命及びエジソン生命事業」という。)を取得したこ
とに関連する11億ドル、並びに2013年のハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループの個人生命
保険事業の取得に関連する5億ドルが含まれていた。残りの3億ドルは、主に従前において当社が取得した伝統
的生命保険、据置年金、定額拠出及び確定給付事業に関連するものである。スター生命及びエジソン生命事業の
保有保険契約に関連するVOBAは、その大部分が総利益よりも安定していることが予想される総保険料に応じて償
却されるため、仮定の変更の影響を受けにくい。
保険負債
責任準備金
責任準備金(支払備金及び未払損害調査費用を含む)
当社では、U.S. GAAPに定める手法を用いて、保険契約者に対する、又は保険契約者のための責任準備金を準
備する。準備金に関して使用される手法には、以下のものが含まれる。
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・ 契約期間が長い保険契約の大部分について、当社は、責任準備金に関する負債を測定するにあたり平準純保険
料式を使用する。当該手法においては、保険料収入が認識された際に責任準備金に関する負債が発生する。負
債、すなわち保険契約者に対する又は保険契約者のための将来の給付金支払額の現在価値と関連費用から将来
の純保険料の現在価値を引いた金額(総保険料のうちすべての給付及び費用をまかなうために必要な部分)
は、保険契約が締結される時点で適用される仮定を含む手法を用いて予想され、必要に応じて不利な変動のリ
スクに対する準備金が設定される。当初の仮定は、保険料が欠損していない限り、責任準備金に関する負債の
変動を特定するためにその後の会計期間においても引き続き使用される(いわゆる「ロックイン・コンセプ
ト」)。平準純保険料式の結果は、任意の時点の負債は責任準備金を調達するにあたって必要とされる、これ
までに受領された保険料の累計額(すなわち、これまでに受領した純保険料)から支払い済みの給付及び費用
を控除した額に等しい、というものである。保険契約者に対する当社の債務の一部は将来において受領する純
保険料によってまかなわれ、当該時点の負債として認識されるため、負債は必ずしも契約締結時に予想される
保険契約者に対する当社の債務の全額を反映するものではない。当社は、保険料欠損テストをテスト実施日現
在の最良推定値による仮定を用いて実施するが、不利な変動のリスクに対する準備金は設定しない。最良推定
値による仮定に基づき決定された債務額が準備金純額(すなわち、GAAPに基づく準備金からDAC、DSI又はVOBA
資産を控除後の金額)を上回った場合、既存の準備金純額は、まず当期の損失の計上を通じて当該資産を不足
額分だけ又は0まで減少させることにより調整される。不足額が保険契約に係る当該資産の残高を上回る場
合、当社は、当期の損失の計上を通じて準備金純額を超過額の分だけ増額する。保険料の欠損が認識された場
合、保険料欠損テスト日現在の仮定は、固定され、その後の評価においても使用される。また、準備金純額
は、引き続き保険料欠損テストの対象となる。さらに、有限払込契約の責任準備金には、受領した総保険料の
純保険料に対する超過分に相当する繰延利益に関する債務も含まれる。繰延利益は、基本的に保有契約高又は
給付金支払予想額に対して一定の比率で収益に認識される。
・ 特定の保険契約の特性(最低保証死亡給付(「GMDB」)、最低年金額保証給付(「GMIB」)及び無失効保証に
関する準備金)について、負債は、関連する賦課金額(管理費、死亡率、費用、解約その他等(その分類方法
を問わない。)の費用を含むすべての契約賦課金を含む。)が認識された際に決定される。当該負債は、当該
時点の最良推定値による仮定を使用して決定され、契約有効期間における予想支払超過額合計(勘定価値を超
過する支払等)の現在価値を見積賦課金額の合計(給付率等)の現在価値で除した比率に基づいている。負債
額は、現行の給付率にそれまでに認識された累積的な賦課金額を乗じ、利息を付した額からそれまでの累積的
な超過支払額を控除した額と等しい。DACに関する上記の記載と同様に、当該準備金は、仮定について年に一
度行う見直しに基づく調整及び実績(市場業績を含む。)に関する四半期ごとの調整の対象となる。当該調整
は、発行日からバランスシートの日付までの実際の経験と更新された責任準備金予想額を使用することによる
給付率への影響を反映している。更新後の給付率は、当期の利益又は損失の計上を通じて認識された準備金の
調整額を算出するために従前の全期間の賦課金額に適用される。
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・ 特定の商品の保証(主に個人年金保険セグメントの変額年金商品の特定の生前給付特約オプション)(最低積
立金保証給付(「GMAB」)、最低解約保証給付(「GMWB」)及び最低年金額・解約保証給付(「GMIWB」)を
含む。)について、当該給付は、公正価値会計の枠組みを用いて組込デリバティブとして会計処理される。当
該契約の公正価値は、将来において予想される保険契約者に対する給付金支払額の現在価値から組込デリバ
ティブに由来する特約手数料の現在価値を控除した金額として算出される。U.S. GAAPの下では、当該給付の
公正価値は、当該組込デリバティブを評価するにあたって市場参加者が使用するであろう仮定に基づいて算出
される。当該組込デリバティブの公正価値の変動は、当期の利益又は損失の計上を通じて四半期ごとに計上さ
れる。
準備金を設定する際に使用される仮定は、通常、当社の実績、業界の実績及び/又はその他の要素(いずれか
該当するもの)に基づいている。任意の中間決算期間において当社が長期的な傾向の指標となると判断するよう
な重大な変更のない限り、当社は、通常、死亡率、罹患率、定年退職及び保険契約者の行動に関する仮定等の保
険数理上の仮定を毎年更新する。当社は、通常、短期間における指標の著しい変化は想定しておらず、これらの
指標に変化が生じる場合であっても、かかる変化が長期にわたる段階的なものであると考えている。長期にわた
る低金利環境において、最良推定値による仮定に基づいて決定された準備金が負債純額を上回る可能性が増加し
ている。
当社の各セグメントが設定する準備金については、以下において詳述する。
国際保険 :当社の国際保険セグメントの責任準備金は、2018年12月31日現在、当社の責任準備金合計の45%を
占めていたが、これは主に無配当の終身生命保険及び定期生命保険商品並びに養老保険契約に関するものであ
り、通常、上記の平準純保険料式を用いて算出される。将来の給付金予想額及び費用を決定する際に使用される
主要な仮定には、死亡率、失効率、罹患率、投資利回り及び維持費用に関する仮定が含まれている。準備金はま
た、既報告未払保険金請求及び既発生未報告保険金請求を含む。さらに、特定の保険契約に係る責任準備金に
は、上記の繰延利益に関する債務に関連する金額も含まれる。
退職金 :退職金セグメントの責任準備金は、2018年12月31日現在、当社の責任準備金合計の23%を占めてい
た。当該準備金は、主に当社の無配当の団体生命年金及び仕組決済方式商品に関連するものであり、通常、上記
の平準純保険料式を用いて算出される。当該準備金を設定する際に使用される主要な仮定には、死亡率、退職
率、維持費用及び投資利回りに関する仮定が含まれている。さらに、特定の保険契約に係る責任準備金には、上
記の繰延利益に関する債務に関連する金額も含まれる。
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個人年金保険 :個人年金保険セグメントの責任準備金は、2018年12月31日現在、当社の責任準備金合計の4%
を占めており、主に組込デリバティブとして会計処理される変額年金のGMDB及びGMIB特約並びに生前給付特約オ
プションの準備金に関連するものであった。上記のとおり、GMDB及びGMIBの準備金を設定するにあたり、当社
は、直近の最良推定値による仮定を使用する。当該準備金を設定するにあたって使用される主要な仮定には、通
常、年金化、失効率、解約及び死亡率に関する仮定、並びに金利及び株式市場収益に関する仮定が含まれる。失
効率は、生前給付のイン・ザ・マネーの程度に基づき契約ごとに調整され、解約料の適用の有無などのその他の
要因を織り込んでいる。契約のイン・ザ・マネーの程度が大きい場合は、失効率は引き下げられる。失効率は、
解約手数料が適用される期間については通常より低いものと想定されることが多い。条件付終身年金契約に関し
て、当社は、開始時の不利な変動のリスクに対する準備金を設定した最良推定値による仮定又は直近の損失認識
事由の時点の最良推定値による仮定を用いた準備金を設定する。
特定の生前給付特約オプション(GMAB、GMWB及びGMIWBを含む。)に対する準備金は、上記のとおり組込デリ
バティブとして公正価値で会計処理される。資本市場の市況の変動及び各種保険数理上の基礎計算の変動によっ
ては、当該手法が、負債又はマイナス負債を生じさせる可能性がある。当該債務を移転するにあたって観測可能
で、かつ、活発な市場が存在しないため、その評価額は、オプション価格設定手法を盛り込んだ内部で策定され
たモデルを用いて算出される。当該モデルは、リスク中立的評価の枠組みに基づくものであり、評価手法、デー
タ及び将来のキャッシュ・フローのタイミングと金額に関する不確実性に固有のリスクに対するプレミアムが付
されている。これらの組込デリバティブの評価モデルにつき重要なデータには、資本市場に関する仮定(金利の
レベル及びボラティリティに関する仮定等)、市場参加者が考える当社の不履行リスク(「NPR」)、並びに保
険数理的に決定される各種仮定(死亡率並びに失効率、給付利用率及び解約率等の保険契約者の行動を含む。)
が含まれている。資本市場に関するデータ及び実際の保険契約者預り金額は、金利、株式市場及びボラティリ
ティを含む各四半期末現在の資本市場の状況に基づいて四半期ごとに更新される。リスク中立的な評価法におい
ては、イニシャル・スワップ・カーブにより、保険契約者預り金額を増加させるために使用される総利回りが引
き上げられる。当社の割引率に関する仮定は、追加のスプレッドについて調整済みのロンドン銀行間取引金利の
スワップ・カーブ(NPRの見積を含む。)に基づいている。保険数理上の仮定(保険契約者の行動及び死亡率を
含む。)は、年に1回以上見直され、経験値、将来に関する予想、及びその他のデータ(利用可能な業界の調査
結果又は取得・再保険取引等の市場取引等の観察可能な市場データを含む。)に基づき更新される。生前給付特
約オプションの評価の詳細については、連結財務書類の注記6を参照のこと。
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個人生命保険 :個人生命保険セグメントの責任準備金は、2018年12月31日現在、当社の責任準備金合計の5%
を占めており、主に定期生命保険、ユニバーサル生命保険及び変額生命保険の各商品に関連するものである。定
期生命保険契約について、責任準備金は、通常、上記の平準純保険料式を用いて算出される。将来における給付
額及び費用を決定するにあたって使用される主要な仮定には、死亡率、失効率、投資利回り及び維持費用に関す
る仮定が含まれる。変額生命保険商品及びユニバーサル生命保険商品(無失効保証を伴うユニバーサル生命保険
契約を含む。)については、主にGMDB及びGMIB契約向けの準備金に関して使用される手法を用いて設定される。
GMDB及びGMIB契約の責任準備金は、上記のとおり、直近の最良推定値による仮定を用いて設定される。当該準備
金を設定するにあたって使用される主要な仮定には、通常、死亡率、失効率及び保険料の傾向、並びに金利及び
株式市場収益に関する仮定が含まれる。準備金はまた、既報告未払保険金請求及び既発生未報告保険金請求を含
む。
団体保険 :当社の団体保険セグメントの責任準備金は、2018年12月31日現在、当社の責任準備金全体の2%を
占めており、主に団体生命保険と団体所得補償保険の給付のための準備金に関連するものである。短期の契約に
ついて、負債は、保険金請求が発生した際に確定される。団体生命保険及び団体所得補償保険の給付のための準
備金には、2018年12月31日現在の、主に団体長期所得補償保険商品に関連する当社の団体保険セグメントの支払
備金及び未払損害調査費用に関する当社の26億ドルの負債が含まれる。当該負債は、貸借対照表の日付現在にお
ける、所得補償保険に係る将来の保険金支払額及び費用の予想額、並びに既発生未報告保険金請求支払予想額を
示している。当該負債は、将来の保険金支払額及び費用の現在価値として確定される。将来における保険金支払
予想額を決定する際に使用される主な仮定は、保険請求取下げの要因、想定される金利及び想定される社会保障
税との相殺である。団体生命保険と団体所得補償保険の給付に係る残りの責任準備金は、主に当社の団体生命保
険事業に関連するものであり、保険料払込免除、清算中の保険金請求及び既発生未報告保険金請求のための準備
金が含まれる。保険料払込免除のための準備金は、将来における給付金の現在価値として算出され、死亡率や回
収率の予想等の仮定を用いている。清算中の保険金請求に係る準備金は、既報告未払保険金請求の一覧に基づい
ている。既発生未報告保険金請求に係る準備金は、保険金請求の報告につき想定される傾向を用いて設定され
る。
全社及びその他の業務 :全社及びその他の業務の責任準備金は、2018年12月31日現在、当社の責任準備金合計
の3%を占めており、主に長期介護保険商品に関連するものであった。これらの準備金は、通常、上記の平準純
保険料式を用いて算出される。保険契約の大部分については、保険料欠損準備金が計上されているため、当社
は、保険料欠損準備金が設定された直近の日付現在の仮定を使用する。当該準備金を設定するにあたって使用さ
れる主要な仮定には、金利、罹患率、死亡率、失効率、保険料率の引上及び維持費用に関する仮定が含まれる。
さらに、長期介護保険商品に関する重要度の低い特定の準備金(就業不能者責任準備金等)は、直近の最良の保
険数理上の仮定を用いて設定される。
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クローズド・ブロック部門 :クローズド・ブロック部門の伝統的な利益配当型生命保険商品の責任準備金は、
2018年12月31日現在、当社の責任準備金合計の18%を占めており、上記の平準純保険料式を用いて決定される。
この方法に基づき、責任準備金は、保険契約者の支払う保険料に比例して積み増しされる。この方式を適用する
上で、将来の保険金給付及び将来の保険料収入を判断するために予定死亡率を使用し、当該両金額の現在価値を
判断するために金利を適用する。予定死亡率は、保険契約の解約払戻金を決定するために使用される業界の標準
死亡率チャートに基づいており、使用する金利は、保険契約の解約払戻金を計算するために使用する金利であ
る。
利益発生後の損失
ある特定の状況下においては、個別の保険種目について保険契約者債務の総額が損失の認識を必要とするまで
不足することは見込まれないものの、契約初期に利益が認識され、契約後期において損失が発生するような損益
パターンとなる可能性もある。こうした状況においては、会計基準により、契約後期で認識される損失を十分に
相殺するために必要となる金額の追加の債務(利益発生後の損失又は「PFL」債務)の認識を求められる。PFL債
務は、将来において予想される損失を相殺するために現時点で必要とされる見積額に基づいている。債務は割引
ベースで測定されるため、利息を通じて将来の利益が増加し、将来における損失を相殺する形で債務が最終的に
利益に戻し入れられる。従来、当社のPFL債務は主に、直近の最良推定値による仮定を用いて正味GAAP準備金を
測定する一部のユニバーサル生命保険契約に関連するものであったため、四半期ごとに現有保険契約及び市場
データを使用して、また仮定について年に一度行う更新の一環として更新されていた。ターゲット発生日(すな
わち最大の欠損の日)において、PFL債務は保険料欠損準備金に移行し、ユニバーサル生命商品については、引
き続き四半期ごとに現有保険契約及び市場データを使用して、また仮定について年に一度行う更新の一環として
更新される。
保険契約者預り金勘定
未経過収益準備金
保険契約者預り金勘定債務は、貸借対照表の日付の時点で保険契約者の利益のために発生している契約価値を
表す。当該債務は主に、累積預り金勘定に利息振替を加えた上で、保険契約者の引出額及び預り金勘定に対して
評価されるその他の費用(該当する場合)を控除した金額に結びついている。「保険契約者預り金勘定」として
も計上される当社のURRは、2018年12月31日現在、34億ドルであった。当該準備金は主に、当社の個人生命保険
セグメント及び国際保険セグメント内の変額生命保険商品及びユニバーサル生命保険商品に関連するものであ
り、将来において提供されるサービスの契約賦課金に相当する。当該賦課金は、前受収益として繰り延べられ、
通常、上記のDAC及びDSIと同様、契約の予想継続期間にわたって、商品の総利益の見積りに比例して償却され
る。
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保険資産及び負債の感応度
下表は、合理的に発生が予想される特定の仮定の変動により、特定のセグメントにおける下記の財務書類上の
各残高が被る影響を要約したものである。下記の情報は、一例を挙げるために示したものであり、単一の仮定の
変動が2018年12月31日現在の残高に与える仮定的かつ直接的な影響のみを含んでおり、仮定の組み合わせの変更
については考慮していない。下記の数値は、該当する仮定の変動の結果として著しい影響を経験することが予想
されるセグメントについて合計で表示されている。将来の期間においても、下記の数値を超える変動が生じる可
能性がある。財務書類上の各残高の表示にあたって用いられた見積及び仮定の内容については、以下において記
載する。伝統的な長期契約及び有限払込契約については、U.S. GAAPにより、契約が発行された際に使用された
当初の仮定を「ロックイン」し、将来における全負債額の算出にあたっても、算出された負債額が将来における
給付額と費用を算出する上で適切である(すなわち、保険料の欠損がない)限りにおいて当該仮定を使用するこ
とが要求されている。したがって、仮定の仮定的変動が保険料の欠損につながる悪影響を及ぼすおそれがある場
合を除き、当該商品は下記の感応度に関する表には反映されない。同様に、伝統的な長期契約及び有限払込契約
に関する仮定の有利な変動の影響は、現在の仮定のロックインの維持が要求されていることから下記の表には反
映されず、代わりに当該有利な影響は、現有保険契約の期間にわたって純利益に計上される。
下表に表示された影響額は、以下を除く。
・ 当社の資産・負債管理戦略(下表に記載の残高の変動を相殺することを目指しており、主として投資とデリバ
ティブから成る。)の影響。当該商品に対するU.S. GAAP会計方針の適用に関連する見積及び仮定については
下記の記載を、特定の重要な仮定の変動が関連する残高に与える仮定的な影響については上記「2 事業等の
リスク」の項を参照のこと。
・ 全社及びその他の業務における撤退及びラン・オフ事業の一部門である長期介護保険事業の影響。長期介護保
険の感応度は、下表の直後の表において別途表示されている(「全社及びその他の業務における長期介護保険
事業の感応度」を参照のこと。)。長期介護保険商品の会計処理は通常、上記のロックインされた仮定のモデ
ルに従っているが、2018年の仮定について年に一度行う見直し及び更新の結果、当該事業は保険料の欠損を計
上し、当該仮定モデルのロックインを解除してこれを更新し、現在の最良推定値による仮定の一式を用いるこ
ととなった。当該事業におけるこの特殊な事例を考慮し、独立的かつ補完的な情報を提供するため、感応度は
別途表示されている。
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2018年12月31日
以下の項目の増(減)
繰延保険契約取 責任準備金及び
得費用、繰延販 保険契約者
正味影響額
売奨励金及び 預り金勘定
買収事業価値 (注1)
(単位:百万ドル)
現在の仮定の仮定的な変動:
長期金利(注2):
25ベーシス・ポイントの上昇 45 (50) 95
25ベーシス・ポイントの低下 (45) 50 (95)
長期予想株式収益率(注3):
50ベーシス・ポイントの上昇 180 (60) 240
50ベーシス・ポイントの低下 (185) 60 (245)
NPR信用スプレッド(注4):
50ベーシス・ポイントの上昇 (315) (1,515) 1,200
50ベーシス・ポイントの低下 345 1,650 (1,305)
死亡率(注5):
1%の上昇 (45) (60) 15
45 65 (20)
1%の低下
失効率(注6):
(140) (610) 470
10%の上昇
140 630 (490)
10%の低下
(注1) GMDB/GMIB準備金、特定の生前給付特約に係る組込デリバティブ負債、保険料の欠損のある商品のための準備金、
PFL負債及びURRが含まれる。
(注2) 個人生命保険セグメントと日本の保険事業の長期金利イールド・カーブの平行移動の影響を表す。
(注3) 個人年金保険セグメントの長期予想株式収益率の上昇又は低下の影響を表す。
(注4) 個人年金保険セグメントのNPR信用スプレッドの上昇又は低下の影響を表す。
(注5) 個人生命保険セグメント及び個人年金保険セグメントの死亡率の上昇又は低下の影響を表す。
(注6) 個人生命保険セグメント及び個人年金保険セグメントの失効率の上昇又は低下の影響を表す。
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全社及びその他の業務における長期介護保険事業の感応度
下表は、長期介護保険商品のための準備金の設定に用いられる特定の重要な仮定、及び当該仮定が変動した場
合に生じうる正味影響を要約している。U.S. GAAPにおいて、長期介護保険商品のための準備金は、一般的に上
記のロックインされた仮定のコンセプトを用いて計算される。そのため、下表に表示される仮定的な悪影響は、
当社の最良推定値の準備金を増加させるものであり、当社のGAAP準備金と比較した場合に仮定のロックインの解
除と純利益への支出の計上が要求される保険料の欠損を発生させる可能性があるものである。下表の仮定的な好
影響は、当社の最良推定値の準備金を減少させるが、当社のGAAP準備金をただちに減少させることにはつながら
ず(現在の仮定をロックインさせたままにすることを要求されるため)、代わりに当該好影響は、現有保険契約
の期間にわたって純利益に計上される。
下記の情報は説明を目的としており、単一の仮定の変動の影響を含んでおり、仮定の組み合わせの変更につい
ては含んでいない。新たな将来の経験値の結果、表示された金額を超える重要な仮定の変動の影響が将来におい
て発生する可能性がある。
2018 年12月31日
最良推定値の準備
金の増加(減少)
現在の仮定 仮定の変動
(単位:
100万ドル)
仮定:
罹患率の改善 なし 以下の改善を含む: (900) – (1,400)
10年/20年にわたり年率
1%
死亡率の改善 20 年にわたり年率1% 年率1%の改善の期間の短 (300) - (850)
縮:10年~なし
予想される将来の 当社及び業界の経験値に基 予想される将来の保険金支 525 - (525)
保険金支払費用/ づく。将来の保険金請求管 払費用の増加/減少:+
ベース罹患率 理の効率性を反映しない 5%~-5%
平均最終失効率 個人:0.8% -10ベーシス・ポイント~ 125 - (125)
+10ベーシス・ポイント
団体:0.6%
投資率(注1) 加重平均5.39% -25ベーシス・ポイント~ 425 - (425)
+25ベーシス・ポイント
将来の保険料率の 準備金において仮定される 未承認の保険料率引上げの 120 – (120)
増加 保険料率引上げプログラム 減少/増加:-10%~+
につき約12億ドル(注2) 10%
(注1) 投資率は、事業のブロックの存続期間を通じた予想投資利回りを反映しており、ポートフォリオ利回り、現在の投資
率及び当社による投資利回りの中長期予想に由来している。
(注2) 未承認の保険料率引上げの代わりに将来の保険料率の引上げ及び保険金・給付金の引下げを含む。
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営業権
2018年12月31日現在、当社の営業権の残高863百万ドルは、主に、退職金フル・サービス事業(455百万ド
ル)、PGIM事業(233百万ドル)、ジブラルタ生命その他事業(154百万ドル)及びライフ・プランナー事業(11
百万ドル)の報告対象ユニットに反映されている。
当社は、1年に1度、毎年12月31日付けで、又は潜在的な減損の可能性を示唆する事由若しくは状況が発生し
た場合はそれより多い頻度で営業権の減損テストを行う。営業権の減損分析は、当社の事業セグメントに相当す
る又は事業セグメントの1レベル下位に位置する報告対象ユニット・レベルで行われる。会計指針は、営業権の
減損テストについて任意適用の質的評価を定めているが、4つの報告対象ユニットはいずれも2つのステップか
ら成る定量テストを行うことを選択した。営業権及び営業権の減損テストの詳細は、連結財務書類の注記2及び
注記10を参照のこと。
ライフ・プランナー事業、ジブラルタ生命その他事業及びPGIMセグメントは、収益倍率法を用いた定量的な減
損分析を完了した。収益倍率法は、類似の事業を行う株式公開比較対象会社との比較に基づく事業の価値を示す
ものである。各比較対象会社は、様々な要因(金融リスク、規模、地理的多様性、収益性、適切な財務データ及
び活発に取引される株式の株価を含むがこれに限定されない。)に基づき分析される。各比較会社の収益率は、
各社の2019年度の予想収益に対する独立アナリストのコンセンサス予想を用いて算出されている。次に、倍率が
合計され、倍率の平均と中央値がグループ別に算出される。その後、倍率の平均と中央値のうち小さい方を報告
対象ユニットの2019年度の予想収益に適用し、価値を算出する。その後、報告対象ユニットの推定公正価値の合
計を決定するためにコントロール・プレミアムが付加される。
退職金フル・サービス事業においては、割引キャッシュ・フロー法を用いた定量的な減損分析が完了した。当
該方法は、市場での報告対象ユニットの予想収益率を反映した割引率を、その将来の予想キャッシュ・フローに
適用することで、事業の価値を算出する。これらの将来の予想キャッシュ・フローは、当社の内部予想、予想成
長率及び最終価値に基づいていた。報告対象ユニットの予想収益率は、その株主資本総額に対する必要収益率を
表すものである。報告対象ユニットの必要利益率を算出するプロセスは、資本資産価格モデル(「CAPM」)に
よって会社全体の加重平均資本費用を算出することから始まる(必要株主資本利益率の計算を含む。)。CAPMは
株式投資家が要求する収益率、つまり会社の株主資本コストを予測するために一般的に受け入れられている手法
である。CAPMに基づく計算は長期の無リスク収益率を算出することから始まり、大規模な会社の普通株式につき
求められる市場リスク・プレミアムや、市場に対するボラティリティに対処するための会社特有の調整等が適用
される。次に当社は、報告対象ユニットの個別のボラティリティ、同業他社と比較した場合の報告対象ユニット
のベンチマーク実績に基づき、当該報告対象ユニットに特有の必要利益率を決定し、報告対象ユニットの必要利
益の和(未分配の本社費及び資本の影響を考慮後)が、当社全体の必要利益に達するようにする。当該プロセス
により、報告対象ユニット特有の割引率が算出され、当該割引率は、退職金フル・サービス事業の公正価値を予
想するために当該事業の将来の予想キャッシュ・フローに適用される。
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定量テストの第1ステップを完了したところ、4つの報告対象ユニットのそれぞれについて公正価値が帳簿価
額を上回っており、2018年12月31日現在、減損は発生していないという結論に至った。PGIM事業、ライフ・プラ
ンナー事業、ジブラルタ生命その他事業及び退職金フル・サービス事業は、その推定公正価値が帳簿価額を加重
平均で231%上回っていた。よって、定量分析の第2ステップの完了は不要となった。
報告対象ユニットの公正価値の予想は、経営陣による重要な見積りの使用を含む主観的なプロセスである。テ
ストを実施した全報告対象ユニットについて、市場の下落、又はこれらの事業の公正価値に影響を及ぼすその他
の事象(割引率、金利及び増加率の見積り、若しくは当該事業をサポートするために必要な株主資本の水準の増
加を含む。)は、営業権の減損をもたらす可能性があり、その場合、損失を計上することとなる。
投資の評価(デリバティブ及び一時的ではない減損の認識を含む)
当社の投資ポートフォリオは、上場及び非上場の満期固定証券、商業モーゲージ貸付及びその他貸付、株式、
その他投資資産、並びにデリバティブ金融商品で構成される。デリバティブは、その価値が金利、為替レート、
金融指数又は証券若しくは商品の価値に由来する金融商品である。当社が通常使用するデリバティブ金融商品に
は、スワップ、先物、先渡し及びオプションが含まれており、証券取引所又は店頭取引(「OTC」)市場で取引
される。当社は、金融商品に「組み込まれる」デリバティブ商品を内包する金融商品の当事者でもある。経営陣
は、デリバティブを含む投資に関連する以下の会計方針は、見積り及び仮定に大きく依拠するものと考えてい
る。それぞれの方針については、以下に挙げる投資及びデリバティブに関連する記述の中で詳述する。
・ デリバティブを含む投資の評価
・ 一時的ではない減損(「OTTI」)の認識並びに
・ 商業モーゲージ貸付及びその他貸付の貸倒引当金の決定
当社は、売却可能に分類されている債券投資、経験料率契約者保険負債に対応する資産など売買目的有価証券
として分類されている投資、並びに一定の満期固定証券、株式、及び「その他投資資産」に含まれる一定の投資
(デリバティブ等)を、財政状態計算書において、公正価値で反映している。満期固定証券及び株式並びにデリ
バティブ商品、組込デリバティブ及びその他の投資の公正価値の決定に関する主要な見積り及び仮定についての
詳細は、連結財務書類の注記6及び「資産及び負債の評価-資産及び負債の公正価値」の項を参照のこと。
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売却可能に分類されている投資については、公正価値の変動の影響は、資本の独立科目であるその他の包括利
益累計額(「AOCI」)として、未実現利益又は損失として計上されている。売買目的有価証券に分類される当社
の投資、株式及びデリバティブに関しては、公正価値の変動の影響は「その他収益(損失)」として計上してい
る。さらに、売却可能又は満期まで保有する投資は、公正価値の低下が一時的なものでない場合に減損判定の対
象となる。一時的ではない投資価値の減少に関する当社の方針、及び満期固定証券のOTTIを計上するための手法
についての詳細は、連結財務書類の注記2を参照のこと。
商業モーゲージ貸付及びその他貸付は、主に予想される未払元金残高から未償却繰延貸付組成手数料・費用及
び未償却保険料又は割引料と貸倒引当金を差し引いて計上する。商業モーゲージ貸付及びその他貸付の評価性引
当金に関する当社の方針については、連結財務書類の注記2を参照のこと。
年金及びその他の退職後給付金
当社は、特定の適格性条件を満たす従業員を対象とした年金及びその他の退職後給付金制度を運営している。
これらの制度のための当社の純期間費用は、仮定割引率(金利)、これらの制度の資産と補償レベルの予想され
る増加に関する予想収益率、死亡率及び保健医療費における傾向を考慮する。これらの仮定のうち、当社の収益
率の仮定及び割引率の仮定は、これらの制度に関連する純期間費用に最も大きな影響を与えた。
制度資産の予想収益率はビルディングブロック方式に基づき決定する。ビルディングブロック方式は、インフ
レ、実質収益、期間プレミアム、信用スプレッド、株式リスク・プレミアム及び資産の評価増並びに費用、アク
ティブ運用の影響及び加重平均ベースで年金資産ポートフォリオに適用されるエクイティ、負債及び不動産資産
の構成のリバランシングの効果を含む。資産別の資産の割当並びに当社の年金及びその他の退職後給付金制度に
関する投資方針ガイドラインに定められた資産割当の範囲については、連結財務書類の注記17を参照のこと。
2018年度の当社の長期収益率の仮定は、米国内年金制度については6.25%、その他の退職後給付金制度について
は7.00%であった。2017年12月31日現在の制度資産の額を考慮して、計測期間の初めに、米国内の年金及びその
他の米国内の退職後給付金制度について当社の見積もった率よりも100ベーシス・ポイント多く又は少なく見積
もっていた場合、純期間費用の変動は以下の表のとおりとなった。下表の情報は、計測期間の初めの時点での投
資資産のレベルと組み合わせに基づく当社の長期収益率の仮定の変動のみを考慮しており、長期収益率の仮定の
変動に最終的に伴う可能性のある上記のその他の仮定の変更の可能性については考慮していない。
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2018年12月31日に終了した年度
純期間年金給付金費用 純期間その他の退職後給付金
の増加(減少) 費用の増加(減少)
(単位:百万ドル)
予想収益率の100ベーシス・ポイ
(128) (16)
ントの増加
予想収益率の100ベーシス・ポイ
128 16
ントの減少
米国外の年金制度は、2018年度期首現在、制度資産の5%を占めた。予想収益率の100ベーシス・ポイントの
増加が純期間年金給付金費用の6百万ドルの減少につながる可能性があり、反対に予想収益率の100ベーシス・
ポイントの減少が、純期間年金給付金費用の6百万ドルの増加につながる可能性がある。
年金や退職後給付債務を評価する際に使われる国内の割引率は、優良社債の現在収益と同じレートに基づいて
いる。2018年度の割引率を決定するにあたり採用された2017年12月31日現在の方法については、連結財務書類の
注記17を参照のこと。2018年度の割引率は、米国内年金制度については3.65%、その他の米国内の退職後給付制
度については3.60%であった。2017年12月31日現在の年金及び退職後給付債務の額を考慮して、測定年度の初め
に、当社の米国内の年金及びその他の退職後給付制度について採用した割引率より100ベーシス・ポイント多い
又は少ない割引率を採用した場合の純期間費用の変動は、下表のとおりである。下表の情報は、当社が採用した
割引率の変動のみを考慮しており、採用した割引率の変動に付随するその他の仮定の変動を考慮していない。
2018年12月31日に終了した年度
純期間年金給付金費用 純期間その他の退職後給付金
の増加(減少) 費用の増加(減少)
(単位:百万ドル)
予想割引率の100ベーシス・ポイ
(114) (7)
ントの増加
予想割引率の100ベーシス・ポイ
134 6
ントの減少
米国外の年金制度は、2018年度期首現在の年金制度債務の14%を占めている。割引率の100ベーシス・ポイン
トの増加が、純期間年金給付金費用の17百万ドルの減少につながる可能性があり、反対に割引率の100ベーシ
ス・ポイントの減少が純期間年金給付金費用の2百万ドルの増加につながる可能性がある。
年金に関する権威ある会計指針の適用、並びに割引率の変動による保険数理計算上の利益又は損失の繰延及び
償却を考慮すると、仮定割引率が100ベーシス・ポイント増加することによる定期的な退職給付費用の変動は、
仮定割引率が100ベーシス・ポイント減少することによる定期的な退職給付費用の変動に必ずしも等しくならな
いものと予想される。
当社の制度資産に対する予想収益率及び2018年度の適格年金制度の予想割引率に関しては、「セグメント別営
業成績-全社及びその他」の項を参照のこと。
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2019年12月31日に終了する年度の当社の適格年金制度からの年金保険料収入を計算するため、当社は、割引率
を2018年度の3.65%から4.30%に引き上げる。年金制度の資産の予想収益率は、2018年度の6.25%から2019年度
は6.50%に引き上げられ、報酬の予想増加率は、4.5%のままである。
仮定の変動による影響に加えて、年金及びその他の退職後給付金の純期間費用及び給付は、当社の予想とは異
なる実経験、退職従業員に対する特別給付金又は制度に基づく給付の変更等により変化する可能性がある。
2018年12月31日現在、割引率の100ベーシス・ポイントの変動に対する当社の米国内外の年金及び退職後給付
金債務の感応度は、以下のとおりである。
2018年12月31日に終了した年度
年金給付債務の 累積退職後給付金債務の
増加(減少) 増加(減少)
(単位:百万ドル)
割引率の100ベーシス・ポイント
(1,333) (172)
の増加
割引率の100ベーシス・ポイント
1,515 190
の減少
所得税
当社の実効税率は、当社が事業を行う法域における当社の予想される収入、非課税かつ控除不可能な項目、税
額控除、法定税率及び税務計画に基づく。当社の年間税率を決定する上で、事業計画に関する判断、計画機会及
び将来の結果に関する予想などを考慮する。受取配当控除(「DRD」)は、当社の実効税率と米国法定税率の間
の差異の主な要因である。DRDは、前年度と当年度の情報及び当年度の株価実績を反映した見積額である。現在
のDRDの見積りと将来におけるDRDのいずれも、DRDにつき適格な受取配当金額の変動、原資金投資からの分配金
額の変動、変額生命保険契約や年金保険契約の実際の残高の変動、当社のDRD控除前の課税対象収益といった要
因(これらに限られない。)によって変動する可能性がある。
2017年12月、証券取引委員会(「SEC」)スタッフは、「職員会計公報第118号、米国税制改正法の会計処理へ
の影響」(「SAB118」)を公表し、登録企業が1年を超えない「測定期間」中は暫定的な金額を計上することを
認めた。SAB118による救済に基づき、企業は、この税制改正の会計処理を完了させるために合理的な程度に詳細
に作成又は分析された必要情報を入手できない場合には、暫定的な金額を認識することができた。2017年度の
「運営合弁事業損益に対する持分反映前法人所得税費用(ベネフィット)合計」及び2018年度に計上された暫定
的な金額の調整に含まれる、米国の2017年税制改革法(「2017年税法」)に関連する暫定的な金額に関する説明
については、連結財務書類の注記15を参照のこと。
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有価証券報告書
2017年税法の規定により、持分比率が10%以上の非米国関連会社の1986年度以降の未送金外国利益を当社の米
国法人所得税ベースに含めることを要求されるが、関連する税金につき8年間の分割納付を選択することもでき
る。配当金に源泉徴収税が課される米国外の法域における特定の事業の未送金の外国利益は、適用ある源泉徴収
税費用を特定するにあたり永久的に再投資されるものとみなされる。当社が米国法人所得税を支払っている未送
金の利益については、連結財務書類の注記15を参照のこと。
実効税率の1パーセンテージ・ポイントの引上げ又は引下げは、当社の2018年度の「法人所得税費用(ベネ
フィット)合計」を48百万ドル減少又は増加させる可能性があった。
偶発事象
偶発事象とは、将来のある事象によって最終的に解決されるある程度の不確実性を包含している既存の状態を
言う。U.S.GAAPによれば、この将来の事象が発生する可能性があり、かつそのインパクトが適正に予測できる場
合には、偶発事象に係る計上金額(未解決の法的手続に関連する準備金等)を設定するよう求めている。当初の
準備金は、経営陣によるかかる問題の最終的解決に要するコストの最善の予測を反映し、事実関係や状況の変化
に応じて、また、それらが最終的に解決された際に改定される。
その他の会計方針
個人生命保険事業における特定の再保険契約の会計処理
2017年度に、当社は個人生命保険セグメントにおいて、ユニバーサル生命保険商品に関連する当社の再保険に
係るキャッシュ・フロー見積りの変更、及び当該キャッシュ・フローの財務書類における反映方法の変更を反映
して、237百万ドルの費用を認識した。従来の会計処理方法の下では、無失効保証に関する回収を除き、再保険
のキャッシュ・フロー(すなわち、保険料及び回収額)は一般的に発生時に認識していた。この新しい会計処理
方法の下では、予想再保険キャッシュ・フローは、基礎となる再保険契約の期間にわたり比例して認識される。
この変更に関連して、URR、DAC及びVOBAの償却に使用される見積総利益に再保険が反映される方法も改訂され
た。この変更は、会計原則の変更によって生じた会計上の見積りの変更であり、当社が仮定について年に一度行
う見直し及び更新並びにその他の修正に含まれている。この会計上の見積りの変更は、システムの移行により可
能となったキャッシュ・フローのモデル化の改訂から得られた洞察を反映しており、このシステムの移行は望ま
しい会計処理方法の変更を促した。当社は、再保険活動の成果を基礎となる元受保険活動とより密接に一致させ
ること、及び上記の残高の償却目的のためにこの事業の利益パターンをより良く反映することによって、再保険
取引の経済効果の反映が向上されると考えるため、この新たな手法を望ましいとみなしている。
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新たな会計基準の採用
2018年8月15日、財務会計基準審議会は、会計基準アップデート(「ASU」)2018-12「 金融サービス―保険
(トピック944):長期契約の会計処理に関する限定的な改善 」を発行した。これは、当社の連結財務書類及び
連結財務書類の注記に重大な影響を与えると見込まれている。当該ASUは2021年1月1日より発効し(早期適用
は認められる。)、当社が発行した長期の保険契約及び投資契約のすべてに関する会計処理及び開示の要件に、
少なくともある程度の影響を及ぼす。ASU 2018-12、並びにその他公表されたがまだ採用されていない会計基準
及び新たに採用された会計基準に関する詳細な議論に関しては、連結財務書類の注記2を参照のこと。
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セグメント別営業成績
PGIM 部門
PGIM
事業に関する最新情報
当社は、 既存事業を定期的に見直しており、当社の戦略に沿った資本の利用、又は当社の広範な戦略ともはや
合致しないと判断した事業からの撤退を模索する場合がある。
・2018年度第4四半期、当社は、デワン・ハウジング・ファイナンス・コーポレーション・リミテッド
(「DHFL」)のDHFLプラメリカ・アセット・マネジャーズ(「DPAM」)(折半出資の合弁事業であるイン
ドを拠点とする資産運用会社)における持分を取得することについて、DHFLとの仮契約を締結した。取引
の終了により、DPAMは事業の範囲を変更することなく、完全所有の事業となる。当該取引は、最終合意書
面への署名、慣例的なクロージング条件、並びに規制当局及びその他の承認を条件として、現在のところ
2019年度上半期中に完了する見込みである。
・2018年度第4四半期、当社は、ロンドンを拠点とする量的マクロ中心の投資管理企業であるワドワニ・ア
セット・マネジメント・エルエルピー(「WAM」)を取得する契約を締結した。当該取引は2019年1月に完
了し、この結果、WAMは当社のQMA事業の一部となる。
・2018年度第2四半期、当社は、ブラジルの資産運用合弁事業の少数株主持分の売却を含め、PGIMのブラジ
ル事業から撤退した。当該撤退事業の業績及び売却の影響は、全社及びその他の業務に反映されている
(「セグメント別営業成績-撤退及びラン・オフ事業-全社及びその他に含まれる撤退及びラン・オフ事
業」を参照のこと。)。
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営業成績
下表は、表示された期間について、PGIMセグメントの営業成績を示すものである。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
営業成績(注1):
収益 3,294 3,355 2,961
2,335 2,376 2,174
費用
調整後営業利益
959 979 787
実現投資利益(損失)、純額及び関連調整額 (10) (4) (6)
運営合弁事業損益に対する持分及び非支配株主持分利
(21) 95 45
益
法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前利益
928 1,070 826
(損失)
(注1) 当社のPGIMセグメントの投資活動の一部は、米ドル以外の通貨建てであるため、為替リスクにさらされている。表
示される各期間について、当社のPGIMセグメントの業績には、全社及びその他の業務との社内的な取決めの影響が
含まれているが、当該取決めは、セグメントの米ドル相当の利益に対する為替変動の影響を緩和するために設計さ
れている。この社内的な取決めに関連する詳細は、上記の「営業成績-外国為替レートの影響」を参照のこと。
調整後営業利益
2018年度と2017年度の年次比較 : 調整後営業利益は20百万ドル減少した。当該減少は主に、その他の関連収
益(関連費用控除後)の減少を反映しているが、これは業績ベースのインセンティブ報酬純額の減少及び不利な
投資業績による戦略的投資成績の低下によるものであった。当該減少はまた、事業成長を支える非報酬費用の増
加によって促進された。当該減少は、株式市場の上昇及び引き続き堅調な債券等のフローに起因する平均運用資
産の増加による資産運用報酬(関連費用控除後)の増加により一部相殺されたが、これは株式の流出により一部
相殺された。
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収益及び費用
下表は、表示された期間について、上表の「営業成績」に則して表示したPGIMセグメントの収益をタイプ別に
示したものである。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
収益(タイプ別):
資産運用手数料(源泉別):
機関投資家顧客 1,204 1,147 1,046
個人顧客(注1) 867 800 707
471 470 474
一般勘定
資産運用手数料合計 2,542 2,417 2,227
その他の関連収益(源泉別):
インセンティブ報酬 59 197 108
取引報酬 33 27 19
戦略的投資 57 88 25
121 127 103
商業モーゲージ貸付(注2)
その他の関連収益合計(注3) 270 439 255
サービス、販売及びその他の収益(注4) 482 499 479
3,294 3,355 2,961
収益合計
(注1) 個人向けミューチュアル・ファンド並びに変額年金保険及び変額生命保険の分離勘定資産、当社の確定拠出型年金
商品を通じた自己勘定ミューチュアル・ファンドに投資された資金、並びに第三者とのサブ・アドバイザリー関係
からの報酬から成る。定額年金保険からの収益と変額年金保険及び変額生命保険の固定金利勘定からの収益は、一
般勘定に含まれる。
(注2) 商業モーゲージ貸付組成・サービシング事業による、モーゲージ貸付の組成及びスプレッド貸付による収益を含
む。
(注3) 将来における収益は、当社の戦略的投資、商業用不動産市場並びにその他国内及び国際市場の市況のレベル及び多
様性によって影響を受けることになる。
(注4) 2004年7月30日付けの契約に基づく、当社とウェルズ・ファーゴの証券仲介及び決済事業の統合に関連するマ
ネー・マーケット・ミューチュアル・ファンドについての取決めに関するウェルズ・ファーゴからの支払も含む。
当該契約は、2009年12月31日におけるワコビア・セキュリティーズの合弁事業終了後10年間にわたって継続する。
当該契約に基づくウェルズ・ファーゴからの収益は、2018年度、2017年度及び2016年度において、それぞれ70百万
ドル、80百万ドル及び84百万ドルであった。
2018年度と2017年度の年次比較: 収益は61百万ドル減少した。資産運用手数料合計は125百万ドル増加した
が、これは主に、株式市場の上昇及び引き続き堅調な債券等のフローに起因する平均運用資産の増加によるもの
であり、株式の流出により一部相殺された。当該増加は、業績ベースのインセンティブ報酬総額の減少及び不利
な投資業績による戦略的投資成績の低下に起因するその他の関連収益の169百万ドルの減少を相殺してなお余り
あるものであった。
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費用は41百万ドル減少したが、これは利益の減少による報酬の減少を反映しており、事業成長による非報酬費
用の増加により一部相殺された。
運用資産
下表は、表示された日付現在の運用資産を、資産クラス別及び源泉別にまとめたものである。
2018 年 2017 年 2016 年
12 月31日 現在 12 月31日 現在 12 月31日 現在
(単位:十億ドル)
運用資産(公正価値):
機関投資家顧客:
株式 54.7 68.0 59.3
債券 395.1 379.4 332.2
43.7 42.1 40.0
不動産
機関投資家顧客合計(注1) 493.5 489.5 431.5
個人顧客:
株式 112.9 132.4 112.4
債券 125.2 111.5 94.5
2.0 1.7 2.3
不動産
個人顧客合計(注2) 240.1 245.6 209.2
一般勘定:
株式 5.1 5.8 6.4
債券 420.8 412.5 391.3
1.9 1.9 1.7
不動産
一般勘定合計 427.8 420.2 399.4
1,161.4 1,155.3 1,040.1
PGIM運用資産合計
215.9 238.3 223.7
他の報告対象セグメントにおける運用資産(注3)
1,377.3 1,393.6 1,263.8
PFI運用資産合計
(注1) 第三者の機関投資家の資産及び団体保険契約から成る。
(注2) 個人向けミューチュアル・ファンド並びに当社の変額年金保険及び変額生命保険の分離勘定資産、当社の確定拠出
型年金商品を通じて自己勘定ミューチュアル・ファンドに投資される資金、並びに第三者とのサブ・アドバイザ
リー関係からの報酬から成る。変額年金保険及び変額生命保険の定額年金保険並びに固定金利勘定は、一般勘定に
含まれている。
(注3) 当該金額は、主に米国個人ソリューション部門の年金保険商品及び変額生命保険商品、米国ワークプレイス・ソ
リューション部門の退職金及び団体生命保険商品、並びに国際保険部門の特定の一般勘定資産に関連する特定の資
産を含む。当該資産は直接PGIMによって管理されておらず、非独占ファンドに投資されているか、又は当該部門自
体若しくは当社の投資担当最高責任者機関によって管理されている。
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下表は、表示された期間について、資産の源泉別にPGIM部門の運用資産の変動をまとめたものである。
2018 年 2017 年 2016 年
12 月31日 現在 12 月31日 現在 12 月31日 現在
(単位:十億ドル)
機関投資家顧客:
期首運用資産 489.5 431.5 389.1
純追加額(引出額)マネー・マーケット活動考慮前:
第三者 14.1 11.6 5.3
(0.5) 2.4 0.8
関係者を通じた第三者(注1)
合計
13.6 14.0 6.1
市場の上昇(下落)(注2) (10.3) 42.9 24.2
0.7 1.1 12.1
その他の増加(減少)(注3)
493.5 489.5 431.5
期末運用資産
個人顧客:
期首運用資産 245.6 209.2 197.3
純追加額(引出額)マネー・マーケット活動考慮前:
第三者 (0.4) 4.1 0.4
2.3 (2.0) (0.5)
関係者を通じた第三者(注1)
合計
1.9 2.1 (0.1)
市場の上昇(下落)(注2) (7.2) 34.6 9.1
(0.2) (0.3) 2.9
その他の増加(減少)(注3)
240.1 245.6 209.2
期末運用資産
一般勘定:
期首運用資産 420.2 399.4 376.7
純追加額(引出額)マネー・マーケット活動考慮前:
第三者 0.0 0.0 0.0
9.2 3.9 8.9
関係者
合計 9.2 3.9 8.9
市場の上昇(下落)(注2) (4.2) 15.1 13.3
その他の増加(減少)(注3) 2.6 1.8 0.5
427.8 420.2 399.4
期末運用資産
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(注1) PGIMセグメントが当社の他の報告対象セグメントのために運用する資産を示している。これらの資産の追加額及び
引出額は、他の報告対象セグメントの第三者商品の流入及び流出に左右される。
(注2) 該当する場合、利益再投資を含む。
(注3) 為替レートの変動による影響、主に年金保険の生前給付ヘッジ・プログラムに伴って受領又は解除された現金担保
に関連するマネー・マーケット活動純額、及び取得事業の影響額が含まれている。為替レートの変動による影響
は、主に一般勘定に対する影響であり、2018年12月31日、2017年12月31日及び2016年12月31日に終了した事業年度
における、それぞれ12億ドル、47億ドル及び27億ドルの利益につながった。
戦略的投資
下表は、PGIMセグメントの戦略的投資を簿価(エクイティ市場リスク及び為替リスクを軽減するためのデリバ
ティブ商品の価値を含む。)で資産クラス別及び源泉別に、表示された日付現在でまとめたものである。
2018 年 12月31日現在 2017 年 12月31日現在
(単位:百万ドル)
共同投資:
不動産 207 185
債券 438 584
シード投資:
不動産 50 50
上場企業株式 738 658
272 309
債券
1,705 1,786
合計
戦略的投資の減少は、主に特定の戦略における比較的不利な業績、及び2018年4月に廃止されたリスク保持
ルールに基づく米国ローン担保証券(「CLO」)への投資の売却によるものであった。この減少は、新たなCLOへ
の投資並びに新たなミューチュアル・ファンド、証券取引所で取引されているファンド及び譲渡可能証券の集団
投資事業(「UCITs」)へのシード投資により一部相殺されている。
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米国ワークプレイス・ソリューション 部門
退職金
営業成績
下表は、表示された期間の退職金セグメントの営業成績を示すものである。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
営業成績(注1):
収益 16,825 13,843 12,876
15,776 12,599 11,864
保険金・給付金及び費用
調整後営業利益
1,049 1,244 1,012
実現投資利益(損失)、純額及び関連調整額 (249) (62) (281)
関連費用 (5) (90) (272)
経験料率契約者保険負債に対応する資産に係る投資利益(損
(588) 118 (21)
失)、純額
435 67 25
評価額の変更に伴う経験料率保険契約加入者負債の変更
642 1,277 463
法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前利益(損失)
(注1) 当社の退職金セグメントの非米ドル建ての利益の一部は、英ポンド建てである長命リスク再保険によるものである
ため、為替リスクにさらされている。2017年12月31日終了年度及び2016年12月31日終了年度につき、当社の退職金
セグメントの業績には、全社及びその他の業務との社内的な取決めの影響が含まれているが、当該取決めは、当該
セグメントの米ドル相当の利益に対する為替変動の影響を緩和するために設計されている。2018年1月1日にこの
社内的な取決めは終了し、為替リスクは当社の退職金セグメントにおいて戦略を用いて管理されており、この戦略
には外部ヘッジが含まれることがある。この取決め及びその終了によるセグメントの業績への影響は軽微である。
この社内的な取決めに関連する詳細は、上記の「営業成績-外国為替レートの影響」を参照のこと。
調整後営業利益
2018 年度と2017年度の年次比較 : 調整後営業利益は195百万ドル減少した。2018年度及び2017年度の業績
は、当社が仮定について年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正によるそれぞれ68百万ドル及び20百万
ドルの純費用を反映した。当該影響を除き、調整後営業利益は147百万ドル減少したが、これは主に投資スプ
レッド業績純額の減少及び一般管理費の増加によるものであり、準備金実績の向上により一部相殺された。投資
スプレッド業績純額の減少は、主にノンクーポン債投資からの収益減及び期限前償還報酬収益純額の減少を反映
したものであり、年金リスク移転契約の増加を含む平均勘定価値の増加により一部相殺された。一般管理費の増
加は、主に事業成長による営業費用の増加によるものであった。準備金業績からの貢献額の増加は、主に既存契
約との比較における死差益の増加を反映したものである。
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収益、保険金・給付金及び費用
2018年度と2017年度の年次比較 : 収益は2,982百万ドル増加した。保険料収入は3,053百万ドル増加した。こ
れは主に、新たな年金リスク移転取引によるものであった。この保険料収入の増加に対応して、下記のとおり、
契約者保険金・給付金が増加した。純投資収益は、主にノンクーポン債投資からの収益減及び期限前償還報酬収
益純額の減少を反映して105百万ドル減少したが、年金リスク移転契約の増加を含む資産残高の増加によって一
部相殺された。
保険金・給付金及び費用は、3,177百万ドル増加した。上記に記載されている、当社が仮定について年に一度
行う見直し及び更新からの影響を除き、保険金・給付金及び費用は、3,129百万ドル増加したが、これは主に、
上記の保険料収入の増加に関係する契約者保険金・給付金(責任準備金の変動を含む。)の増加によるもので
あった。
勘定価値
勘定価値は、営業成績の重要な要素であり、純追加額(引出額)及び市場の変動の影響により変動する。ほと
んどの報酬ベース商品についての収入は、報酬ベース勘定価値のレベルによって異なる。これは、多くの契約報
酬がこれらの価値により決定されるためである。当社のスプレッド・ベース商品の投資収入と契約者に付与する
利息は、一般勘定価値のレベルによって異なる。程度の差はあるが、勘定価値の変動は、当社のDAC及び買収事
業の価値の償却額並びに一般管理費のパターンに影響を与える。下表は、退職金セグメント商品の勘定価値及び
純追加額(引出額)の変動をまとめたものである。純追加額(引出額)は、プラン販売額及び参加者積立額若し
くは追加額のいずれかで、それからプラン及び参加者引出額及び給付金を控除したものである。勘定価値には当
社又は外部で運用されている顧客残高が含まれている。これは、残高の合計が退職金セグメントの収益を左右す
るためである。当社が運用する資産の残高については、「PGIM」の項を参照のこと。
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12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
フル・サービス商品:
期首勘定価値合計 234,616 202,802 188,961
積立額及び販売額 33,116 29,527 21,928
引出額、保険金・給付金 (26,429) (24,811) (20,127)
(9,634) 27,098 12,040
市場価額の変動、付与利息、利息収入及びその他の活動
231,669 234,616 202,802
期末勘定価値合計
機関投資家向け 投資 商品 :
期首勘定価値合計 194,492 183,376 179,964
追加額(注1) 21,310 21,630 16,140
引出額、保険金・給付金 (15,409) (17,406) (12,161)
市場価額の変動、付与利息及び利息収入 3,303 5,190 5,299
(2,937) 1,702 (5,866)
その他(注2)
200,759 194,492 183,376
期末勘定価値合計
(注1) 追加額は主に、受領した保険料に基づいて算出される団体年金、将来予測給付の現在の価値として算出される長命
リスク再保険契約、及び顧客所有の信託に預託された顧客のファンドの公正価値として算出される投資専門のス
テーブル・バリュー型契約を含む。
(注2) 「その他」の活動には当社の英ポンド建てである長命リスク再保険事業に関する為替レート変動及び外部勘定で運
用されている資産残高の変動の影響が含まれている。2018年12月31日終了年度及び2017年12月31日終了年度につい
て、「その他」の活動には、典型的には満期が90日未満であるコマーシャル・ペーパーによって保証されている
ファンディング契約に関連して、それぞれ受領額3,497百万ドル及び支払額による相殺3,457百万ドル、受領額
4,782百万ドル及び支払額による相殺4,375百万ドルが含まれている。
2018年度と2017年度の年次比較 : フル・サービス商品の勘定価値の減少は、主に顧客資金の市場価値の不利
な変動を反映しており、プラン販売額純額の増加によって一部相殺された。
機関投資家向け投資商品勘定価値の増加は、主に年金リスク移転取引による純追加額を反映したものである。
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団体保険
事業に関する最新情報
2018年度第2四半期の間、当社は特定の外部カウンターパーティとの間で、当社団体生命保険事業に関連する
死亡率リスクの一部を出再するための1年更新の定期再保険契約を締結した。その結果、セグメント内で保有が
義務づけられるリスクベース自己資本が減少した。 U.S. GAAP に基づき、この契約は預金会計に計上されてい
る。当社は、当該取引の結果、本セグメントから資産を手放すことができたため、当該取引後、当該再保険契約
に関連するリスク負担費用及び投資利益の減少により当該セグメントの調整後営業利益に与えるマイナスの影響
は軽微であると見込んでいる。
営業成績
下表は、表示された期間の団体保険セグメントの営業成績並びに給付率及び営業管理費率を示すものである。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
営業成績:
収益 5,685 5,471 5,343
5,456 5,218 5,123
保険金・給付金及び費用
調整後営業利益
229 253 220
実現投資利益(損失)、純額及び関連調整額 (38) (53) (8)
0 0 (6)
関連費用
法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前利益
191 200 206
(損失)
給付率(注1):
団体生命保険(注2) 87.2% 88.9% 89.1%
団体所得補償保険(注2) 75.8% 71.8% 75.7%
団体保険合計(注2) 84.9% 85.8% 86.7%
営業管理費率(注3):
団体生命保険 12.2% 11.2% 10.6%
団体所得補償保険 27.0% 29.4% 31.4%
団体保険合計 15.1% 14.6% 14.3%
(注1) 既経過保険料、契約賦課金及び報酬収益に対する契約者保険金・給付金の比率。
(注2) 給付率は当社が仮定について年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正の影響を反映している。これらの影
響を除いた場合、団体生命保険、団体所得補償保険及び団体保険合計の給付率は、2018年度についてそれぞれ
87.4%、77.8%及び85.5%、2017年度についてそれぞれ88.7%、78.9%及び86.9%、2016年度についてそれぞれ
88.5%、82.9%及び87.5%であった。
(注3) 総保険料、並びに契約賦課金及び報酬収益に対する一般管理費(コミッションを除く。)の比率。
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調整後営業利益
2018年度と2017年度の年次比較 : 調整後営業利益は24百万ドル減少し、これには当社が仮定について年に一
度行う見直し及び更新並びにその他の修正の比較正味影響の不利な結果が含まれていた。2018年度の業績にはこ
れらの更新による31百万ドルの純利益が含まれている一方で、2017年度の業績にはこれらの更新による55百万ド
ルの純利益が含まれていた。両年度における純利益は、主に当社の団体所得補償保険事業に関連する有利な業績
によるものであった。これらの項目の影響を除いた場合、調整後営業利益は前年度と一致していたが、これは、
主に事業成長に起因する団体生命保険事業及び団体所得補償保険事業のより有利な引受実績を反映しており、事
業成長関連費用を含む費用の増加、及びノンクーポン債投資からの収益減による投資スプレッド業績純額からの
貢献額の減少により相殺された。
収益、保険金・給付金及び費用
2018年度と2017年度の年次比較 : 収益は214百万ドル増加した。上記で説明された、仮定について年に一度
行う見直し及び更新並びにその他の修正の不利な比較影響額5百万ドルを除き、収益は219百万ドル増加した。
この増加は主に、団体生命保険事業及び団体所得補償保険事業における事業成長による保険料及び契約賦課金並
びに報酬収益の増加を反映しており、ノンクーポン債投資からの収益減により一部相殺された。
保険金・給付金及び費用は238百万ドル増加した。上記で説明された、仮定について年に一度行う見直し及び
更新並びにその他の修正の不利な比較影響額19百万ドルを除いた場合、保険金・給付金及び費用は219百万ドル
増加した。当該増加は、上記で説明された保険料の増加による契約者保険金・給付金の増加及び準備金の変動、
並びに事業成長による営業費用の増加及び2018年度第2四半期における第三者引受サービス・プロバイダー契約
の終了に起因する一般管理費の増加を反映したものである。
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販売成績
下表は、表示された期間の上記「セグメント指標」に定義された団体保険セグメントの年換算新事業保険料を
示している。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
年換算新事業保険料 (注 1 ):
団体生命保険 376 287 316
183 153 119
団体所得補償保険
559 440 435
合計
(注1) 金額は、既存契約の保険料率変更、当社サービスメンバーの団体生命保険契約による追加保険契約及び団体ユニ
バーサル生命保険において解約返戻金の原資となる一方、額面保険金額の買取りはできない超過保険料からの新保
険料を除外している。
2018年度と2017年度の年次比較 : 年換算新事業保険料合計は119百万ドル増加したが、これは団体生命保険
事業及び団体所得補償保険事業における新規及び既存顧客への販売の継続的な増加を反映している。
米国個人ソリューション 部門
個人年金保険
個人年金保険セグメントは、変額年金保険及び定額年金保険の両保険を含んでおり、当該保険には、生前給付
特約オプション(例:GMIB、GMAB、GMWB及びGMIWB)並びに/又はGMDBが含まれることがある。また、当社が定
めるレート(契約上の最低額に準拠する。)又は指標のパフォーマンスに基づくレート(上限額に準拠する。)
での元本及び利息の保証を提供する定額年金保険を提供している。契約者資金に対する投資収益は、一般的に直
接契約者に帰属するため、当社の収益は、主に変額年金勘定価値からの報酬収益に由来する。当社はまた、年金
勘定価値に対応する一般勘定資産からの投資利益及びその他の運用報酬を受領する。当社の費用は、主に保険契
約者預り金勘定への利息振替及びその他の契約者に対する給付、DACの償却費及びその他のコスト、当社が提供
する様々な商品の販売及びサービスに関連する非繰延費用、これらの商品に関する特定のリスクの管理コスト、
給付保証の準備金の変動並びにその他の一般営業費から構成される。当社の業績のこれらの要素は、通常、調整
後営業利益に含まれているが、下記のとおり、一定の保証については例外としている。
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U.S.GAAP会計及び当社の保証についての調整後営業利益としての取扱いは、具体的な契約内容により異なる。
U.S.GAAPにおいて、GMDB及びGMIBの準備金は、保険履行会計枠組みに従って、保険数理計算上及び資本市場にお
けるリターンに関する仮定に基づく最良推定値に基づき計算されている。当該枠組みにおいて、将来における保
険金・給付金の支払義務の充足のために使用することが予想される受領済みの保険料の一部に相当する負債が経
時的に構築される。これらの給付に関連するリスクは留保され、業績はU.S.GAAPと基本的に一致する方法で調整
後営業利益に含まれている。
これに対して、当社の生前給付特約商品(例:GMAB、GMWB、GMIWB)はU.S.GAAPにおいて組込デリバティブと
して処理され、公正価値会計枠組みを使用して計上されている。これらの給付特約は、これらの組込デリバティ
ブを評価する際に市場参加者が使用する仮定に基づいて公正価値で計上されており、各報告期間における公正価
値の変動は、「実現投資利益(損失)、純額」に計上される。調整後営業利益は、セグメント業績を測定する目
的において、公正価値の変動を含まず、代わりに保険履行会計枠組みを用いてこれらの特約の業績を反映する。
この枠組みにおいて、各期間に認識される調整後営業利益は、当該期間に獲得した特約報酬から将来の保険金・
給付金の支払及びヘッジ・コストに充当するために必要となることが予想される報酬の部分を控除した金額を反
映する。予想される将来の保険金・給付金の支払及びヘッジ・コストに充当するために必要な報酬の部分を当社
が決定する方法の詳細については、下記の「変額年金保険リスク及びリスク回避策」を参照のこと。
営業成績
下表は、表示された期間の個人年金保険セグメントの営業成績を示すものである。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
営業成績:
収益 4,966 5,110 4,666
3,041 2,912 2,901
保険金・給付金及び費用
調整後営業利益
1,925 2,198 1,765
実現投資利益(損失)、純額及び関連調整額 846 (1,157) 2,031
(407) 577 68
関連費用
法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前
2,364 1,618 3,864
利益(損失)
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調整後営業利益
2018年度と2017年度の年次比較 : 調整後営業利益は273百万ドル減少した。下記に記載される事業の推定収
益率の変動の影響を除いた場合、調整後営業利益は56百万ドル減少した。この減少は主に、ノンクーポン債投資
からの投資収益減を反映した投資スプレッド業績純額の減少、キャピタル・ヘッジ費用の増加、及び販売額の増
加による販売費用の増加によるものであった。当該減少は、償却費及び準備金の減少並びに資産ベース報酬収益
の増加(関連費用を控除後)により一部相殺された。資産ベース報酬収益純額の増加は、市場の上昇による平均
変額年金勘定価値の上昇及び生前給付保証に関連する有利な影響を反映したものであり、純流入額の減少及び契
約上の報酬階層格下げマイルストーンに達した特定の商品の影響により一部相殺された。
事業の見積利益の変動の影響は、DAC及びその他のコストの償却額の調整額、並びに当社の変額年金保険商品
の特定の生前給付特約オプション及び/又は死亡給付特約オプションのための準備金の調整額を含む。かかる調
整額は、2018年度及び2017年度について、それぞれ34百万ドルの純費用と183百万ドルの純利益となったが、こ
れは、当社による仮定と比較した場合のヘッジ有効性の正味影響、並びに当社が仮定について年に一度行う見直
し及び更新並びにその他の修正による純利益を反映したものであった。加えて、183百万ドルの純利益は、株式
市場業績が顧客勘定に与えた正味影響をも反映していた。
収益、保険金・給付金及び費用
2018年度と2017年度の年次比較 : 収益は144百万ドル減少した。上記の事業の予想収益率の変動の影響に関
連する93百万ドルの純減少を除いた場合、収益は51百万ドル減少した。当該減少は主に、ノンクーポン債投資か
らの投資収益減を反映した投資スプレッド業績純額の減少、並びに、キャピタル・ヘッジ費用の増加による資産
運用・サービス手数料及びその他収益の減少によるものである。当該減少は、変額年金契約の年金化の増加を反
映した保険料収入の増加により一部相殺された(下記に記載される保険契約者の給付金における相殺を含んでい
る。)。また、当該一部相殺は、市場の上昇による平均変額年金勘定価値の増加及び生前給付保証に関連する有
利な影響を反映した契約賦課金及び報酬収益の増加により促進されたが、純流入額の減少及び契約上の報酬階層
格下げマイルストーンに達した特定の商品の影響により一部相殺された。
保険金・給付金及び費用は、129百万ドル増加した。上記の事業の予想収益率の変動の影響に関連する124百万
ドルの純増を除いた場合、保険金・給付金及び費用は、5百万ドル増加した。一般管理費(資本化にかかったも
のを除く。)は、販売額の増加による販売費用の増加及び技術費用の増加により27百万ドル増加した。保険契約
者の給付金(準備金の変動を含む。)は、上記のとおり、主に準備金及び年金化の増加により9百万ドル増加し
た。当該増加は、保険契約者預り金勘定への利息振替の17百万ドルの減少、及び取得費用の償却に係る11百万ド
ルの減少により一部相殺された。
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勘定価値
勘定価値は、当社の業績の重要な要素である。報酬の大部分は、分離勘定資産のレベルにより決定されるた
め、勘定価値のレベルによって当社の報酬収益は異なる。さらに、当社の報酬収益は、通常、DAC及びその他の
コストの償却パターンなどにも影響を与える。勘定価値は、新契約販売額による純流入額、解約、引出及び給付
金の支払、契約賦課金並びに有利又は不利な市場価格の変動の影響に左右される。年金保険業界の競争・規制環
境は、過去数年間にわたって活発であったが、当該環境が新契約の販売額を含む当社の純流入額に影響を与える
可能性がある。下表は、表示された各期間の勘定価値に関する情報をまとめたものである。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
個人年金保険合計 (注 1 ):
期首勘定価値合計 168,626 156,783 152,945
販売額 8,270 5,894 8,054
(11,688) (9,821) (7,881)
解約返戻金及び引出額
純販売額(引出額) (3,418) (3,927) 173
(2,084) (1,873) (1,794)
給付金
純流入額
(5,502) (5,800) (1,621)
市場価額の変動、付与利息、その他 (8,341) 21,355 9,012
(3,703) (3,712) (3,553)
契約賦課金
151,080 168,626 156,783
期末勘定価値合計
(注1)変額年金保険及び定額年金保険は、小口投資商品として販売されたものを含んでいる。確定拠出型年金商品を介した
投資は、退職金セグメントの同年金商品に含まれる。変額年金保険勘定価値は、2018年12月31日現在、2017年12月31
日現在及び2016年12月31日現在で、それぞれ1,473億ドル、1,651億ドル及び1,533億ドルであった。定額年金保険勘
定価値は、2018年12月31日現在で37億ドル、2017年12月31日現在及び2016年12月31日現在で35億ドルであった。
2018年度と2017年度の年次比較: 2018年度における勘定価値の減少は、その大部分が契約者資金の市場価値
の不利な変動によるものであった。当該減少は、総販売額の増加を反映した純販売額の増加により僅かに相殺さ
れ、また、解約返戻金及び引出額の増加、並びに過年度と概ね一致していた給付金及び契約賦課金により一部相
殺された。
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変額年金保険リスク及びリスク回避策
変額年金保険契約の主なリスクは、これらの商品の当初の価格設定の際に使用された仮定からの乖離又は変更
によるものであり、これらの仮定にはエクイティ市場の利益率、金利及び市場のボラティリティなど資本市場の
仮定や、契約者の死亡率、年金化及び引出のタイミング及び金額、並びに契約失効などの保険数理上の仮定が含
まれる。これらのリスク・エクスポージャーについては、当社の見積収益及び利益の達成は、実際の経験がこれ
らの商品の当初の価格設定に使用した仮定と異なるというリスクに左右される。当社は現在、主に、商品設計の
要素、資産・負債管理戦略、キャピタル・ヘッジ・プログラム及び出再保険の組合せにより、資本市場の変動に
より生じる一定のリスクに対するエクスポージャーを管理している。
商品設計の要素
当社が提供する変額年金保険契約には、自動リバランス特約(資産移転特約とも言う)が含まれるものがあ
る。この特約は契約レベルで実施され、年金保険契約者が選択した一定の変額投資サブ・アカウントと、(給付
の内容に応じて)一般勘定の固定金利勘定又は分離勘定の債券ファンドのサブ・アカウントの間で資産が移管さ
れる。現在販売されている最高日次給付商品に係る自動リバランス特約では、分離勘定内の指定された債券ファ
ンドのサブ・アカウントを使用している。こうした資産の移管は、契約者の総勘定価値に対する投資パフォーマ
ンスの影響など、様々な要素を考慮した特定の給付について使用される静的数式に基づいている。自動リバラン
ス特約の目的は、エクイティ市場リスク及び市場のボラティリティを低減することである。当社が使用するその
他の商品設計の要素には、資産の配分制限、最低発行年齢条件及び保険契約者預金金額の一定の制限、並びに当
社の一定の商品のための一般勘定への必要最低割当等がある。また、当社は引き続き当社のリスク・プロファイ
ルを分散する商品を導入し、特定の当社商品について、主な価格設定の要素を頻繁に変更することを認めた規定
を商品設計に組み込んだ。さらに、一部の報酬は、主に給付保証金額、契約者勘定価値及び/又は保険料に基づ
いており、報酬設定には多様性があるため、市場の変動により勘定価値が減少した場合にも一定の収益の流れが
維持される。
資産・負債管理(「ALM」)戦略(確定利付商品及びデリバティブを含む)
一定の変額年金生前給付保証と結びついた一定の資本市場リスクに対処する当社のヘッジ・プログラム実績に
おいて、当社は、将来の保険金・給付金の支払額(受領済み保険料控除後)に関する当社の最良推定値をより反
映するヘッジ・ターゲットを得るため、U.S.GAAPを一部修正して利用した。ヘッジ・ターゲットの価値の変動を
相殺することを目的とするデリバティブ・ポジションが採用された。
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2016年度第3四半期において、当社は、変額年金生前給付保証に関連する潜在的な保険金の支払いを補助する
ため、従来の確定利付商品及びデリバティブの組合せを利用した新たなALM戦略を実施した。当社がこのALM戦略
を用いて管理する経済的負債は、深刻でない市況において予想される生前給付金請求(確定利付商品のアキュム
レーションによって管理される。)、及びより深刻な市況に起因する潜在的な生前給付金請求(デリバティブ商
品を使用してヘッジされる。)から成る。当社のALM戦略のデリバティブについて執行される部分に関しては、
上場している、清算される、あるいはOTCの株式及び金利デリバティブ(エクイティ先物及び国債先物、トータ
ル・リターン・スワップ及び金利スワップ、並びにエクイティ・オプション、スワップション並びにフロア及び
キャップを含むオプションを含むがこれらに限定されない。)について取引する。当該戦略の目的は、資本市場
の変動による純利益の変動を継続して軽減する一方で、これらの商品に関連する資本及び流動性をより効率的に
管理することである。
ヘッジ戦略の変更は、U.S.GAAPにおいて当社が生前給付保証を評価し計上する方法について影響しなかった。
しかしながら、2016年度第3四半期に開始されたALM戦略においては、調整後営業利益に、経済的負債として予
想される保険金請求及びヘッジ・コストをカバーするのに必要とされる報酬部分の見積りを超過する稼得報酬が
含まれる。かかる費用をカバーするのに必要な報酬部分は、更新された見積り及び実績を反映するために四半期
ごとに更新される。当社のヘッジ資産の価値の変動と当社がヘッジしようとしている負債の価値の変動を比較す
ることにより測定される当社のヘッジ・プログラムの有効性は、実際のヘッジ・コストを織り込むことにより時
間をかけて最終的に調整後営業利益に反映される。費用の見積りは、保険金請求の見積りに沿って定期的に更新
される。DAC及びその他の費用は、調整後営業利益の目的のため、上記の調整後営業利益枠組みにおける当社の
実際及び見積総利益に比例して、契約期間中に完全に償却される。全体として、当社は概ね、この戦略により、
従前の戦略よりも調整後営業利益として認識される報酬部分が増加することを予想している。
以下の表は、U.S.GAAPにより報告された負債と、当社のALM戦略を通じて管理する経済的負債との調整を示し
ている。
12 月31日 現在
2018 年 2017 年
(単位:百万ドル)
U.S.GAAP負債(不履行リスクを含む) 8,860 8,663
4,619 3,228
不履行リスク調整
小計
13,479 11,891
(4,084) (2,742)
リスク・マージン及び評価方法差異を含む調整
9,395 9,149
ALM戦略により管理される経済的負債
2018年12月31日現在、当社の確定利付商品及びデリバティブ資産は、リスクのある事業体における経済的負債
を上回っている。
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当社は、ALM戦略において、確定利付商品及びデリバティブの価値の変動と、それに比較される、これらの資
産が対応する組込デリバティブ負債の変動との間で、U.S.GAAPの純利益影響に差異が生まれると予想している。
これらの差異は、主に3つの明確な領域に帰属する。
・当社が確定利付商品及びデリバティブによりカバーする予定である負債の測定に使用する評価方法と、
U.S.GAAPにおいて報告された負債の測定に使用する評価方法との差異 -当社が確定利付商品及びデリバ
ティブにより支払う予定である経済的負債の見積りに使用する評価方法は、U.S.GAAPにおいて負債を測定
するのに使用することが要求される評価方法と異なる。加えて、経済的負債の評価は、NPR(当社の不履行
の可能性に関係なく保証を最大限にするため)やリスク・マージン(U.S.GAAPにおいて要求されている
が、当社の最良推定値と異なる。)等、U.S.GAAP負債に含まれる一定の項目を除外する。
・ 負債とそれら負債に対応する資産との間の会計処理の差異 -U.S.GAAPにおいては、経済的負債の一部をヘッ
ジするために使用される組込デリバティブ負債及びデリバティブ商品の価値の変動は、直ちに純利益に反
映される。対照的に、経済的負債の一部に対応する確定利付商品の公正価値の変動は、売却可能金融資産
とみなされ、純利益に計上されず、その他の包括利益における未実現利益(損失)に計上される。
・ 一般的ヘッジ業績 -ALM戦略のデリバティブ部分に関しては、ヘッジによる正味影響額(ヘッジ商品の価値
の変動が、当社がヘッジする経済的負債の部分の価値の変動を相殺する程度)は、以下を含む複数の要因
の影響を受ける。当社のヘッジ商品と、当社がヘッジする経済的負債の対応する部分のキャッシュ・フ
ローのタイミングの違い、ヘッジされる実際の原契約者資金とヘッジ可能な指標との基準の違い、市場の
変動によるヘッジ商品の動態的リバランスに関連するリバランス費用、ヘッジされない可能性のある経済
的負債の特定の要素(一部の保険数理上の仮定を含む。)、及び、当社がヘッジすることを目指す経済的
負債の部分に関連するヘッジ・ポジションに関する、予想される又は実際の市場のボラティリティ。
下表は、ALM戦略におけるU.S.GAAP組込デリバティブ負債及びヘッジ・ポジションの変動による当社の連結損
益計算書に対する正味影響額、並びに調整後営業利益に含まれていない関連するDAC及びその他のコストの償却
を示したものである。
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12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル) (注1)
仮定の更新及びその他の修正の影響を除く:
ヘッジによる正味影響額(注2,3) (234) 620 (692)
NPR考慮前のU.S.GAAP負債の変動(注4) (959) 2,477 1,745
1,472 (3,890) (1,097)
NPR調整の変動
U.S.GAAPに準拠した組込デリバティブ及びヘッジ・ポジションの
279 (793) (44)
変動による正味影響額-個人年金保険に計上されるもの
DAC及びその他のコストの償却の関連収益(費用) (190) 159 243
(173) (85) 1,455
仮定の更新及びその他の修正の正味影響額
U.S.GAAPに準拠した組込デリバティブ及びヘッジ・ポジションの
(84) (719) 1,654
変動による正味影響額(NPR、DAC及びその他のコストの影響考慮
後)-個人年金保険に計上されるもの(注3)
(注1)プラスの数値は利益、マイナスの数値は損失を表す。
(注2)ヘッジによる正味影響額は、当社がデリバティブを使用してヘッジすることを目指すリスクの公正価値の変動と、そ
のリスクに関して利用されるデリバティブの公正価値の変動との差を表す。
(注3)2016年度について、2016年度第3四半期の新ALM戦略導入前における、当社の資本保護の枠組みを通じた金利リスク
管理の際の影響額である(1,523)百万ドルを除く。資本保護の枠組みを通じて当該リスクを管理するこの決定は当
社全体の資本条件に基づいていたため、その影響は全社及びその他の業務に計上された。「全社及びその他」の項を
参照のこと。
(注4)ALM戦略において管理される経済的負債とU.S.GAAP負債とのリスク・マージン及び評価方法の差、並びに確定利付商
品により管理される経済的負債の部分を表す。
2018年度における84百万ドルの純損失は、主に当社が仮定について年に一度行う見直し及び更新による173百
万ドルの費用の影響を反映したものであるが、これは、当社の保険数理上の仮定(予想引出率の更新を含む。)
及び経済的仮定の両方の修正によるものであった。当該費用は、信用スプレッドの拡大に起因するU.S.GAAP組込
デリバティブ及びヘッジ・ポジションの変動により大幅に相殺されたが、これは減少率及び不利な株式市場によ
り一部相殺された。
2017年度における719百万ドルの純損失は、主にU.S.GAAP組込デリバティブ及びヘッジ・ポジションの変動に
よる793百万ドルの損失の正味影響を反映しているが、これは主に、生前給付契約の測定に使用される信用スプ
レッドの縮小によるNPR調整額の減少によるものであった。この減少は、当社のヘッジ・ターゲットから除外さ
れたNPR考慮前のU.S.GAAP負債の一部増加、並びに、程度の差はあるが、主にファンドの好業績及び有利な負債
ベーシスに起因したヘッジによる正味影響額からの利益により一部相殺された。
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2016年度における1,654百万ドルの純利益は、主に当社が仮定について年に一度行う見直し及び更新による
1,455百万ドルの利益の影響を反映したものであるが、これは、当社の保険数理上の仮定(予想引出率の更新を
含む。)及び経済的仮定の両方の修正によるものであった。当該純利益はまた、当社のヘッジ・ターゲットから
除外された、NPR考慮前のU.S.GAAP負債の変動を反映したものである。当該影響は、主に信用スプレッドの縮小
に起因するNPR調整額の変動により一部相殺された。程度の差はあるが、当該業績は、主に不利な負債ベーシス
に起因したヘッジによる正味影響額をも反映している。これらの各項目には、対応する一部相殺があり、それら
はDAC及びその他のコストの償却に対する関連する影響に含まれた。DAC及びその他のコストの償却にはまた、上
記の2016年度第3四半期における新たなALM戦略の実施に起因する当社の総利益の見積りの変動に関連する515百
万ドルの利益が含まれた。
2016年3月31日まで、当社は国内の法定生命保険会社によって発行された生前給付保証の資本市場ヘッジ・プ
ログラムを促進するために、これらの生前給付保証を当社専属の再保険会社であるプルコ・リインシュアラン
ス・リミテッド(「プルコ・リー」)に対して出再していた。2016年4月1日より、これらの生前給付保証及び
一定の退職金商品の再保険は解約され、その後当社の一部の国内の法定生命保険会社に出再された。上記のALM
戦略は、これらの国内保険会社において実行されている。これらの取引後、プルコ・リーは関連会社の大型の再
保険を引き受けなかった。2016年9月30日、プルコ・リーはプルデンシャル・アニュイティーズ・ライフ・ア
シュアランス・コーポレーション(「PALAC」)に合併された。
キャピタル・ヘッジ・プログラム
2017年度中、当社は、エクイティ市場の影響をさらにヘッジするため、個人年金保険セグメントにおいてキャ
ピタル・ヘッジ・プログラムを開始した。同プログラムは、変額年金保険事業の全体的な資本ポジションの一部
をそのエクイティ市場へのエクスポージャーから保護することを目的としている。キャピタル・ヘッジ・プログ
ラムは、エクイティ・デリバティブ(エクイティのコール・オプション及びプット・オプション、トータル・リ
ターン・スワップ並びに先物契約を含む。)を用いて行われる。これらのデリバティブの価値の変動は、キャピ
タル・ヘッジ・プログラムの想定期間において調整後営業利益に計上される。
出再保険
2018年12月31日現在、2015年4月1日から2016年12月31日までの新契約の約50%を対象とする比例分配契約に
基づき、29億ドルの最高日次生涯給付(「HDI」)v.3.0の勘定価値が外部カウンターパーティであるユニオン・
ハミルトン・リインシュアランス・リミテッドに出再されている。HDI v.3.0は、プルデンシャル・プレミア®
退職金変額年金保険により利用可能である当社の「最高日次」生前給付保証の最新版である。2016年12月31日よ
りも後のHDI v.3.0の新たな販売は、この出再保険契約の対象とはならない。
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商品特有のリスク及びリスク回避策
特定の生前給付保証については、保険金は、主に累計引出額が保険契約者の勘定価値を初めて超えた後の保険
契約者による終身引出金の調達額に相当する。有効なブロックの年齢により、これまでに限定的な保険金の支払
のみが発生しており、現時点の仮定においては、今後5年間でそれらが大幅に増加することはないものと予想さ
れている。将来における保険金請求のタイミングと金額は、保険契約者の勘定価値に対する実際の利益と、当社
の仮定と比較した場合の実際の契約者行動に左右される。当社の現在の生前給付保証の大部分は、保険契約者に
よる「最高日次」契約価値保証を含む終身引出金を保証している。当社のプルデンシャル確定給付(「PDI」)
変額年金保険は、「最高日次」ベースの給付を提供する当社の変額年金商品を補完し、保険契約者の終身引出金
の支払を保証しているが、保険契約者の資産配分は、分離勘定内の単一の債券ファンドのサブ・アカウントに限
定されている。
当社の生前給付保証付きの変額年金保険契約の大部分及び最高日次給付特約を付されて販売されたすべての新
規契約には、自動リバランス特約及び/又はALM戦略という形をとったリスク回避機能が含まれている。当社
は、付加的なリスク回避の一種として出再保険も利用することがある。自動リバランス特約を展開する前に販売
された過去の商品の保証特約と結びついたリスクも、当社のALM戦略により管理されている。一部の過去のGMAB
商品は自動リバランス特約を含むが、ALM戦略には含まれていない。PDI商品及びGMIB特約のある契約のいずれに
もリスク回避策は存在しない。PDIに関連する一定のリスクは単一の債券ファンドのサブ・アカウントへの契約
者資産の割当の制限によって管理されている。
GMDBについて、当社は、契約者の死亡時に給付金を支払っている。当社の基本GMDBは、通常、一部の引出額を
調整後の積立金累積額の利益に等しい。一部の商品には、契約価値又は増加価値に対する最低リターンのいずれ
か高い方の金額に基づく高度GMDBオプションが含まれている。死亡給付金総額が契約者残高を上回るリスクは当
社が負担する。しかし、GMDBに関連する勘定価値の大部分では、契約者が自動リバランス特約を含む生前給付保
証を選択しているため、自動リバランス特約の対象となる。生前給付保証付きの変額年金保険勘定価値にはすべ
てGMDBが含まれている。これらの契約の生前給付及び死亡給付特約は、同じ期間について保証をしており、その
ため、当該契約の長命リスク及び死亡リスクについて当社は保険で備えている。
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下表は、当社の生前給付保証及びGMDB特約のリスク管理プロファイルを、表示された期間についてまとめたも
のである。
2018 年 12月31日現在 2017 年 12月31日現在 2016 年 12月31日現在
合計に対する 合計に対する 合計に対する
パーセン パーセン パーセン
勘定価値 勘定価値 勘定価値
テージ テージ テージ
(%) (%) (%)
(単位:百万ドル)
生前給付/GMDB特約
(注1):
ALM戦略及び自動リバラン
101,496 69 114,686 69 106,585 69
ス(注2)
ALM戦略のみ 7,520 5 9,317 6 9,409 6
自動リバランスのみ 804 1 1,003 1 1,168 1
出再保険(注3) 2,873 2 3,227 2 2,932 2
PDI 11,237 7 9,996 5 7,926 5
2,306 2,791 2,730
その他の商品 2 2 2
126,236 141,020 130,750
生前給付/GMDB特約合計
GMDB 特約及びその他
21,103 24,133 22,545
14 15 15
(注4)
変額年金保険勘定価値
147,339 165,153 153,295
合計
(注1) 生前給付保証のある契約には、当該対象契約について、すべてGMDB特約が含まれている。
(注2) 当社のALM戦略に含まれており、かつ自動リバランス特約が付されている、生前給付を伴う契約である。
(注3) 2015年4月1日から2016年12月31日までの期間における特定の新たなHDI v.3.0事業をカバーする外部カウンター
パーティとの再保険取引の対象となる契約を表す。これら生前給付を伴う契約には、自動リバランス特約も付され
ている。
(注4) GMDB特約が付され、自動リバランス特約のない契約を含む。
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個人生命保険
営業成績
下表は、表示された期間の個人生命保険セグメントの営業成績を示すものである。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
営業成績:
収益 5,831 4,974 5,355
5,608 5,165 5,276
保険金・給付金及び費用
調整後営業利益
223 (191) 79
実現投資利益(損失)、純額及び関連調整額 (318) 96 58
79 101 (223)
関連費用
法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映
(16) 6 (86)
前利益(損失)
調整後営業利益
2018 年度と2017年度の年次比較 : 調整後営業利益は414百万ドル増加したが、これは主に当社が仮定につい
て年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正による有利な比較正味影響を反映したものである。2018年度
の業績は、この年に一度の見直しによる65百万ドルの純費用を含んでいたが、これは主に、予想失効率及び予想
死亡率に関連する不利な影響によるものであった。2017年度の業績は、この年に一度の見直しによる653百万ド
ルの純費用を含んでいたが、これは主に、評価システムの変更によるモデリングの修正に関する費用によるもの
であった(特定の長期保険契約に伴う再保険の会計手法の変更及び予想失効率の変動を含む。)。これらの影響
を除いた場合、調整後営業利益は174百万ドル減少した。当該減少は主に、当社が仮定について年に一度行う見
直し及び更新並びにその他の修正による継続的な不利な影響に起因する引受実績の低下を反映しており、比較的
不利でない経験死亡率(再保険を除く。)により一部相殺されている。当該減少はまた、ノンクーポン債投資か
らの収益減に主に起因する、投資スプレッド業績純額からの貢献額の減少により促進された。
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収益、保険金・給付金及び費用
2018年度と2017年度の年次比較 : 収益は857百万ドル増加した。上記に記載されている、当社が仮定につい
て年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正の影響を除き、収益は80百万ドル増加した。当該増加は、主
に、継続的な事業成長による平均投資資産の増加及び関連性のない準備金調達活動からの投資収益の増加(下記
のとおり、これに伴い支払利息が増加した。)による純投資収益の増加によるものであり、ノンクーポン債投資
による収益の減少により一部相殺された。当該増加はまた、継続的な事業成長による保険料収入の増加により促
進された。当該増加は、2017年度第2四半期の再保険の会計手法の変更による継続的な不利な影響(下記のとお
り、関連する保険金・給付金及び費用の減少により一部相殺されている。)に起因する出再保険料純額の増加を
反映した収益の減少により一部相殺された。
保険金・給付金及び費用は443百万ドル増加した。上記に記載されている、当社が仮定について年に一度行う
見直し及び更新並びにその他の修正による影響を除き、保険金・給付金及び費用は254百万ドル増加した。当該
増加は、主に一般管理費(資本化にかかったものを除く。)の増加に関連しており、VOBAの償却の増加、営業費
用の増加、上記の準備金調達費用の増加、継続的な事業成長による契約者保険金・給付金及び保険契約者預り金
勘定の増加、並びにDACの償却の増加を反映したものである。当該増加は、上記に述べた2017年度第2四半期の
再保険の会計手法の変更による継続的な有利な影響により一部相殺されたが、これは上記に述べた収益への関連
する不利な影響により相殺されてなお余りあるものであった。
販売成績
下表は、表示された期間の個人生命保険の年換算新事業保険料(上記の「営業成績-セグメント指標」におい
て定義する。)を、販売網及び商品別に示したものである。
2018 年 2017 年 2016 年
プルデン プルデン プルデン
シャル・ シャル・ シャル・
第三者 合計 第三者 合計 第三者 合計
アドバイ アドバイ アドバイ
ザー ザー ザー
( 単位:百万ドル)
定期生命 28 185 213 30 183 213 32 168 200
保証付ユニバーサ
8 89 97 16 140 156 24 219 243
ル生命(注1)
その他のユニバー
45 105 150 37 88 125 34 61 95
サル生命(注1)
54 109 163 35 95 130 26 66 92
変額生命
135 488 623 118 506 624 116 514 630
合計
(注1) 一時払生命保険の保険料及び超過(想定外)保険料は、10%のクレジットに基づく年換算新事業保険料に含まれて
おり、2018年12月31日、2017年12月31日及び2016年12月31日に終了した事業年度において、保証付ユニバーサル生
命保険の年換算新事業保険料の約7%、15%及び13%、並びにその他のユニバーサル生命保険の年換算新事業保険
料の約0%、1%及び3%に相当した。
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2018年度と2017年度の年次比較: 年換算新事業保険料合計は、昨年度と一致していた。これは、商品構成の
多様性を向上させるために行った一定の販売、商品設計及び価格設定に関する取り組み、並びに2017年における
新保証付ユニバーサル生命保険商品に関する原則主義の準備金手法の採用に起因して、保証付ユニバーサル生命
保険の売上の低下が、変額生命保険商品及びその他のユニバーサル生命保険商品の売上げの増加により相殺され
たことによるものであった。
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国際保険部門
国際保険
事業に関する最新情報
当社は、 既存の国際事業を定期的に見直しており、もはや当社の広範な国際戦略と合致しないと判断した場合
は、当社の戦略に沿った資本の分配又は事業からの撤退を模索する場合もある。
・2018年6月、当社は当社のイタリア子会社であるプラメリカを売却する最終的な契約を締結し、この取引
は、規制当局の承認及び通例のクロージング条件を前提としている。2019年2月、当社は、同契約を解除
し、引き続き戦略的代替策を模索している。この事業の結果及び予定されている売却の影響は、当社の全社
及びその他の業務に反映されている(詳細については、「セグメント別営業成績-撤退及びラン・オフ事業
-全社及びその他に含まれる撤退及びラン・オフ事業」の項を参照のこと。)。
・2018年1月、当社は、当社のポーランド子会社であるプラメリカを売却する最終的な契約を締結した。この
取引は、2018年10月に完了し、これにより生じた利益は、当社の全社及びその他の業務に反映された(詳細
については、「セグメント別営業成績-撤退及びラン・オフ事業-全社及びその他に含まれる撤退及びラ
ン・オフ事業」の項を参照のこと。)。
営業成績
国際保険の業績は加重平均月次為替レートで換算されており、上記「営業成績-外国為替レートの影響」の項
に記載の社内的な取決めによる影響も含む。国際保険セグメントの営業成績の把握に資するように、前年度比の
外国為替変動の影響を除外して営業成績を分析している場合があり、その場合はその旨表示している。為替変動
の影響を除外した当社の営業成績は、表示された全期間について、外貨を固定為替レートで米ドルに換算するこ
とによって計算されている。下記の固定為替レートで表示された米ドル情報についても同様に計算されている。
使用された為替レートは、日本円は1米ドルに対して111円、韓国のウォンは1米ドルに対して1,150ウォンであ
り、両レートとも上記「営業成績-外国為替レートの影響」の項に記載の為替収益ヘッジ・プログラムに関連し
て決定されたものであった。さらに、下記の固定為替レートで表示されたドル情報については、米ドル建ての活
動は一般に米ドル建てで取引された金額に基づき報告されている。下記の「売上業績」の項において固定為替
レートで表示された年換算新契約保険料は、同じくこれらの固定為替レートで換算されたものを反映している。
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下表は、表示された各期間の国際保険セグメントの営業成績を示している。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
営業成績:
収益:
ライフ・プランナー事業 11,176 10,644 9,986
11,058 10,916 11,023
ジブラルタ生命及びその他事業
収益合計 22,234 21,560 21,009
保険金・給付金及び費用:
ライフ・プランナー事業 9,586 9,151 8,447
9,382 9,211 9,445
ジブラルタ生命及びその他事業
保険金・給付金及び費用合計 18,968 18,362 17,892
調整後営業利益:
ライフ・プランナー事業 1,590 1,493 1,539
1,676 1,705 1,578
ジブラルタ生命及びその他事業
調整後営業利益合計 3,266 3,198 3,117
実現投資利益(損失)純額及び関連調整額 172 985 992
関連費用 10 (18) (32)
経験料率契約者保険負債に対応する資産に係る投資利益(損
(275) 218 ▶
失)、純額
資産価値の変動による経験料率契約者保険負債の変動 275 (218) (4)
(69) (43) (47)
運営合弁事業損益に対する持分及び非支配株主持分利益
3,379 4,122 4,030
法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前利益(損失)
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調整後営業利益
2018年度と2017年度の年次比較: 当社のライフ・プランナー事業の調整後営業利益は97百万ドル増加し、こ
れには為替変動による4百万ドルの有利な正味影響額が含まれている(上記の為替ヘッジ・プログラムを含
む。)。両年度とも、仮定について年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正の影響も含み、これらによ
り、2017年度は67百万ドルの純費用であったのに対し、2018年度は49百万ドルの純費用となった。2018年度及び
2017年度の両年度における純費用は主に、日本における長期金利の仮定が引き下げられたことによる不利な経済
的仮定の更新の影響によるものであった。
上記項目の影響を除くと、当社のライフ・プランナー事業の調整後営業利益は75百万ドル増加した。この増加
は主に、当社の日本事業、韓国事業及びブラジル事業における保有契約数の増加、並びに弁護士費用の減少をは
じめとする費用の減少を反映している。これらの増加は、経験死亡率による不利な影響、並びに再投資率の低
下、ノンクーポン債投資からの収益の低下及び期限前償還手数料収益の低下の影響(継続的事業成長による平均
投資資産の増加により一部相殺された。)による投資実績純額の減少により一部相殺された。
ジブラルタ生命及びその他事業の調整後営業利益は29百万ドル減少し、これには為替変動による4百万ドルの
プラスの正味影響額が含まれていた(上記の為替ヘッジ・プログラムを含む。)。両年度とも、仮定について年
に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正の影響も含み、これらにより、2018年度は、32百万ドルの純費用
を計上した。これに対して2017年度は、21百万ドルの純利益を計上していた。
上記項目の影響を除くと、ジブラルタ生命及びその他事業の調整後営業利益は20百万ドル増加し、これは主
に、米ドル建て商品の販売による保有契約数の増加及び経験死亡率によるプラスの影響を反映するものである。
これらの増加は、ノンクーポン債投資からの収益減少、期限前償還手数料収益の減少及び再投資率の低下の影響
(継続的な事業成長による平均投資資産の増加により一部相殺されている。)による投資実績純額の減少により
一部相殺された。これらの純増加額は、事業成長イニシアチブに関連する費用をはじめとする費用の増加によっ
ても一部相殺された。
収益、保険金・給付金及び費用
2018年度と2017年度の年次比較: ライフ・プランナー事業からの収益は、532百万ドル増加し、これには為
替変動による6百万ドルのプラスの正味影響額、並びに仮定について年に一度行う見直し及び更新並びにその他
の修正による3百万ドルの相対的にプラスの正味影響額が含まれている。これらの項目を除くと、収益は523百
万ドル増加したが、この増加は主に、保有契約数の増加に関連する保険料収入並びに契約賦課金及び報酬収益の
増加によるものであった。
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ライフ・プランナー事業による保険金・給付金及び費用は、435百万ドル増加し、これには為替変動による2
百万ドルのマイナスの正味影響額、並びに仮定について年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正による
15百万ドルの相対的にプラスの正味影響額が含まれている。これらの項目を除くと、保険金・給付金及び費用は
448百万ドル増加した。この増加は主に、事業成長により契約者保険金・給付金が、準備金の変更を含め、増加
したこと、及び経験死亡率によるマイナスの影響額を反映し、これらは弁護士費用の減少をはじめとする一般管
理費(資本化にかかったものを除く。)の減少により一部相殺された。
ジブラルタ生命及びその他事業からの収益は142百万ドル増加し、これには為替変動による83百万ドルのプラ
スの正味影響額、並びに仮定について年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正による13百万ドルの相対
的にマイナスの正味影響額が含まれる。これらの項目を除くと、収益は72百万ドル増加したが、この増加は主
に、保有契約数の増加によるものであった。
ジブラルタ生命及びその他事業による保険金・給付金及び費用は171百万ドル増加し、これには為替変動によ
る79百万ドルのマイナスの正味影響額及び仮定について年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正による
40百万ドルの相対的にマイナスの正味影響額が含まれている。これらの項目を除くと、保険金・給付金及び費用
は52百万ドル増加しており、これは主に、事業成長イニシアチブに関連する費用をはじめとする一般管理費(資
本化にかかったものを除く。)の増加によるものであり、かかる増加は、経験死亡率によるプラスの影響額に関
連して契約者保険金・給付金(準備金の変動を含む。)が減少したことにより一部相殺された。
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売上業績
下表は表示された各期間における実際の為替レート及び固定の為替レートに基づく年換算新契約保険料(上記
「営業成績-セグメント指標」で定義。)を示したものである。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
( 単位:百万ドル)
年換算新 契約 保険料:
実際の為替レート基準:
ライフ・プランナー事業 1,257 1,391 1,276
1,483 1,595 1,726
ジブラルタ生命(注1)
2,740 2,986 3,002
合計(注1)
固定為替レート基準:
ライフ・プランナー事業 1,250 1,373 1,262
1,481 1,599 1,710
ジブラルタ生命(注1)
2,731 2,972 2,972
合計(注1)
(注1) 金額は、ジブラルタ生命及びその他事業の1ヶ月間の報告期間のずれの解消を反映し、一貫して表示されている。
ある一定期間の年換算新契約保険料の金額及び商品の種類及び通貨建てごとの売上構成は、複数の要因により
大きく左右される。かかる要因には、新商品の追加、既存商品の廃止、特定の商品への保証利率の変動及びその
他商品の改変、保険料率の変更、金利の変動又は通貨市場の変動、税法の改正、生命保険規制の変更又は競争環
境の変化が含まれるがこれらに限定されない。これら変化又は変更の一部については、その発効前に売上高の増
加又は減少が見られ、その後、かかる変化又は変更後に売上高が逆方向に変動することがある。
日本において、当社の商品ポートフォリオは通貨構成及び保険料支払構造が多様であるため、当社はこの極め
て低い金利環境をはじめとする市場の変化及び競争力学に適応することができる。当社は定期的に当社の商品構
成及び各商品の収益性を精査しており、それに基づき当社の期待収益を満たさない特定商品の価格を改定し、又
はその販売を中止してきた。こうした措置の影響は、特定の新商品の導入と相まって、一般的に他の通貨建ての
商品と比較して米ドル建て商品の販売増加につながっている。
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2018年度と2017年度の年次比較 :下表は表示された各期間について、商品カテゴリー及び販売網別の年換算新
契約保険料を固定為替レートで示したものである。
2018 年 12月31日に終了した年度 2017 年 12月31日に終了した年度
傷害 傷害
生命 及び 退職金 生命 及び 退職金
年金 合計 年金 合計
保険 健康 ( 注1) 保険 健康 ( 注1)
保険 保険
(単位:百万ドル)
ライフ・プラン
699 118 344 89 1,250 812 122 353 86 1,373
ナー
ジブラルタ生命
(注2):
ライフ・コン
308 44 101 329 782 369 50 113 211 743
サルタント
銀行 412 1 29 38 480 525 1 31 58 615
113 10 62 34 219 134 19 66 22 241
独立代理店
小計(注2) 833 55 192 401 1,481 1,028 70 210 291 1,599
1,532 173 536 490 2,731 1,840 192 563 377 2,972
合計
(注1) 退職所得保険、養老保険及び貯蓄型変額ユニバーサル生命保険を含む。
(注2) 金額は、ジブラルタ生命及びその他事業の1ヶ月間の報告期間のずれの解消を反映し、一貫して表示されている。
固定為替レートベースでのライフ・プランナー事業からの年換算新契約保険料は、123百万ドル減少した。こ
れは主に、2017年度第2四半期に行われた円建て商品の保険料率引上前の前年度における当社の日本事業の売上
及び保険料改定後のこれら円建て商品の売上減を反映している。この減少は、当社の日本事業における米ドル建
て商品の売上の増加により一部相殺された。
ジブラルタ生命事業からの年換算新契約保険料は、固定為替レートベースで118百万ドル減少した。ライフ・
コンサルタントの売上は、39百万ドル増加し、これは主に、米ドル建て年金商品及び米ドル建て生命保険商品の
売上が増加したことを反映している。この増加は、上記の2017年度第2四半期に行われた保険料改定後の円建て
生命保険商品の売上の減少により一部相殺された。銀行販売網の売上は、135百万ドル減少し、これは主に、定
期払生命保険商品の競争激化及び2017年度第4四半期における一括払生命保険商品の販売中止による米ドル建て
生命保険商品の売上減によるものであった。独立系代理店の売上は、22百万ドル減少したが、これは主に、上記
の2017年度第2四半期に行われた保険料改定後の円建て生命保険の売上減及び競争激化を反映しており、米ドル
建て生命保険商品及び年金商品の売上増により一部相殺された。
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販売員
下表は、表示された各期間についてライフ・プランナー及びライフ・コンサルタントの人数を示したものであ
る。
12 月31日現在
2018 年 2017 年 2016 年
ライフ・プランナー:
日本 4,183 3,941 3,824
その他の国 3,786 3,890 3,856
7,964 8,326 8,884
ジブラルタ生命のライフ・コンサルタント
15,933 16,157 16,564
合計
2018年度と2017年度の年次比較: ライフ・プランナーの人数は138名増加しており、これは、日本における
人数が採用努力及び解雇の減少により242名増加したことによるものである。その他の事業においては104名減少
したが、これは主に、(上記「事業に関する最新情報」に記載のとおり)イタリア及びポーランドのライフ・プ
ランナーが不在となったことによるものであり、採用努力の強化によるブラジルにおける増加により一部相殺さ
れた。ジブラルタ生命のライフ・コンサルタントの人数は362名減少した。これは主に、より慎重な採用活動及
び残留基準によるものである。
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全社及びその他
全社及びその他には、当社の事業セグメントへの割当後の全社業務、並びにU.S.GAAP上「非継続事業」として
会計処理することが認められるもの以外の撤退及びラン・オフ事業が含まれる。
12月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
営業成績:
キャピタル・デット利息費用 (726) (705) (686)
投資収益(営業債務支払利息を除く) 86 96 1
年金及び従業員給付 195 157 103
(838) (985) (999)
その他の全社業務(注1)
調整後営業利益 (1,283) (1,437) (1,581)
実現投資利益(損失)純額及び関連調整額
216 (407) (1,797)
関連費用 7 (26) (1)
撤退及びラン・オフ事業 (1,535) 38 (84)
▶ (19) (3)
運営合弁事業損益に対する持分及び非支配株主持分利益
(2,591) (1,851) (3,466)
法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前利益(損失)
(注1) 連結決算調整額を含む。
2018年度と2017年度の年次比較: 全社及びその他の業務による調整後営業利益ベースの損失は154百万ドル
減少した。その他の全社的活動による純費用は147百万ドル減少し、これは主に、当社の株価及びエクイティ価
額の市場における動向に連動する従業員報酬制度のコスト減少を反映するものであり、全社イニシアチブに関連
する費用をはじめとする費用の増加により一部相殺された。投資収益(営業債務支払利息を除く)は10百万ドル
減少し、これには、長期介護保険ラン・オフ事業における資金需要の高まりを支援するために行われた2018年度
第2四半期の投資移転による純投資収益の減少を含み、ノンクーポン債投資及び流動性の高い資産からの収益増
加並びに営業債務支払利息の減少により一部相殺された。キャピタル・デット利息費用は21百万ドル増加し、こ
れは2017年度第3四半期並びに2018年度第1四半期及び第3四半期の社債発行による債務残高の増加を反映する
ものであり、2018年度第2四半期の下位劣後債の償還及び2017年度第4四半期の優先債満期による償還により一
部相殺された。
年金及び従業員給付の業績は38百万ドル増加したが、これは主に、制度資産の見積利益の増加及び2017年度中
の金利の下落による制度負債に係る支払利息の減少を含む当社の適格年金制度からの収益の増加を反映するもの
である。
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2019年12月31日に終了する年度の適格年金制度に基づく年金収入の計算については、2018年12月31日をもって
割引率を3.65%から4.30%に引き上げた。制度資産の期待収益率は、2018年度の6.25%から2019年度は6.50%に
引き上げる。報酬レベルの仮定増加率は4.50%のまま維持する。上記の仮定値の実施やその他の要因により、
2019年度の当社の適格年金制度からの収入は、2018年度の水準を約50百万ドルから55百万ドル下回るものと予想
する。この減少は、2018年度中の債券等の制度資産の成長が見込みを下回ったことによる制度資産についての期
待収益率の低下及び割引率の上昇による制度負債に係る支払利息の増加によるものである。
2019年12月31日に終了する年度の退職後給付費用の計算については、2018年12月31日をもって割引率を3.60%
から4.30%に引き上げた。制度資産の期待収益率は、7.00%のまま維持する。前述の仮定値の実施その他要因に
より、当社は、2019年度の退職後給付費用は、2018年度の水準を約30百万ドルから35百万ドル上回るものと予想
する。この費用の増加は、2018年度中の資産の成長が見込みを下回ったことによる制度資産についての期待収益
率の低下及び割引率の上昇による制度負債に係る支払利息の増加によるものである。
2019年度における、就業中の従業員に係る年金その他の退職後給付業務費用は、引き続き当社の各事業セグメ
ントに割り当てられる。当社の年金及び退職後給付制度に関する詳細は、連結財務書類の注記17を参照のこと。
資本保護の枠組み
「実現投資利益(損失)、純額及び関連調整額」は、調整後営業利益からは除外されるが、これには、2018
年、2017年及び2016年の各年12月31日に終了した年度について、主に当社の資本保護の枠組み内で考慮される金
利変動の影響に関連して、それぞれ121ドルの純利益、並びに154百万ドル及び1,649百万ドルの純損失を含んで
いた。2016年度に比べ2018年度及び2017年度の業績が有利に変動したのは、主に、2016年度中に実施した当社の
個人年金リスク管理戦略における変更によるものであり、この変更により、金利リスクの管理に関連する全社及
びその他の業務と個人年金保険セグメントとの間で行っていた会社間デリバティブ取引を解除し、現在は当該リ
スクを個人年金保険セグメント内で管理している。2016年度の純損失は、全社及びその他の業務と個人年金保険
セグメントとの間で会社間デリバティブ取引を行ってはいたものの、主に金利リスクの一部を管理するため資本
運用戦略を利用したことにより生じたものであり、2016年度中に残存していたエクスポージャーに関連する金利
の変動を反映している。当社の個人年金保険セグメントのリスク管理戦略に関する詳細については、「個人年金
保険」の項を参照のこと。当社の資本保護の枠組みに関する詳細については、「流動性及び資本資源-資本保護
の枠組み」の項を参照のこと。
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撤退及びラン・オフ事業
全社及びその他に含まれる撤退及びラン・オフ事業
撤退及びラン・オフ事業の利益は、縮小中の事業を含む既に売却又は撤退したか、今後売却又は撤退する各種
事業であって、U.S. GAAP上「非継続事業」としての会計処理が適用されない事業の業績を含んでいる。かかる
撤退及びラン・オフ事業の業績は、全社及びその他の業務には反映されているが、調整後営業利益からは除外さ
れている。表示された各期間について、全社及びその他の業務に反映された撤退及びラン・オフ事業の業績の概
要は下記のとおりである。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
長期介護保険 (1,458) 42 (74)
(77) (4) (10)
その他
調整後営業利益から除外された撤退及びラン・オフ事業利益
(1,535) 38 (84)
(損失)合計
長期介護保険: 2018年12月31日に終了した年度の業績は、2017年度に比べ減少した。これは主に、仮定につ
いて年に一度行う見直し及び更新並びにその他の修正による相対的に不利な正味影響額を反映している。2018年
度の業績は、予測される将来罹患率の改善に関する当社の仮定の除外をはじめとするこれらの更新による1,458
百万ドルの純費用を含んでおり、これは、経験罹患率が過年度の予測に比べ不利なものであったことを反映して
いる。これらの影響を除くと、2018年度の業績は、2017年度に比べ減少した。この減少は主に、前年度が実現投
資利益純額であったのに対して、当年度は、デュレーション管理に使用されたデリバティブの市場価値が相対的
に不利に変動したことにより、実現投資損失純額となったことを反映している。また、この減少は、当年度は株
式への投資の市場価額が下落したことも要因であり、これは、その他の包括利益とは対称的に、ASU 2016-01の
適用の結果、2018年1月1日から純利益に計上されている。2017年12月31日に終了した年度の業績は、2016年度
に比べ増加したが、これは主に、2016年度は実現投資損失純額であったが、2017年度は実現投資利益純額となっ
たことを反映している。
その他
2018年12月31日に終了した年度の業績は対前年度比で減少したが、これは主に、当社のイタリア子会社である
プラメリカの売却が予定されていること及び当社のPGIMブラジルの業務からの撤退に関連する損失を反映してお
り、当社のポーランド子会社であるプラメリカの売却に関連する利益により一部相殺された(詳細については、
「セグメント別営業成績-国際保険部門-国際保険」及び「セグメント別営業成績-PGIM部門-PGIM」の項を参
照のこと)。
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クローズド・ブロック部門
クローズド・ブロック部門は、伝統的な国内向け配当付き生命保険及び年金保険商品の特定の保有契約、これ
らの契約の保険金・給付金及び契約者配当の支払に使用されている資産(総称して「クローズド・ブロッ
ク」)、並びに特定の関連資産及び負債を含んでいる。当社はこれら伝統的な国内向け配当付き保険契約の提供
を既に打ち切っている。詳細については、連結財務書類の注記14を参照のこと。
プルデンシャル・インシュアランス取締役会は、毎年、投資収益、実現投資利益(損失)、純額及び未実現投
資利益(損失)、純額、経験死亡率、並びにその他の要素を含めてクローズド・ブロックの実績に基づいて翌年
の配当付き保険契約の配当を決定する。配当の決定の基となるクローズド・ブロックの実績は法定の業績に基づ
いているが、クローズド・ブロックが設けられた当時、U.S. GAAPが要求するところにより、当社は、クローズ
ド・ブロックに含まれる保険契約からの将来の最大利益のタイミングの保険数理計算法を開発した。ある期の実
際の累積利益が当社の予想累積利益より多い場合には、その超過分を契約者配当準備金として計上する。その
後、将来のクローズド・ブロックの実績が当社の当初の予想を下回り、それにより超過分が相殺されない限り、
超過分を追加配当としてクローズド・ブロックの契約者に支払うことになる。クローズド・ブロック部門の費用
に計上する契約者配当は、プルデンシャル・インシュアランス取締役会が宣言した実際の契約者配当に加えて、
ある期の実際の累積利益が当社の予想累積利益を超過する部分について当社が認識する契約者配当準備金の変更
を含む。
2018年12月31日現在、実際の累積利益は予想累積利益を2,252百万ドル上回り、この超過額は契約者配当準備
金として計上された。U.S. GAAPの定める実際の累積利益は当期の実現投資損益の計上並びにクローズド・ブ
ロック契約を支える資産及び関連する負債の変動を反映している。さらに、クローズド・ブロックの設定後に発
生した未実現投資利益純額の累積額は、2018年12月31日現在で899百万ドルの契約者配当準備金として反映さ
れ、これは将来の実績により相殺されない限り、クローズド・ブロックの契約者に対して支払われ、対応する金
額はAOCIに計上される。
営業成績
下表は、表示された各期間のクローズド・ブロック部門の成績である。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
U.S. GAAP に基づく実績:
収益 4,678 5,826 5,669
4,740 5,781 5,801
保険金・給付金及び費用
(62) 45 (132)
法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前利益(損失)
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法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前利益(損失)
2018年度と2017年度の年次比較: 法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反映前利益(損失)は107百
万ドル減少した。2018年度の業績は、株式投資価額の下落及び満期固定証券の売却益の減少を主因とする実現投
資利益純額及び関連活動における554百万ドルの減少を主に反映している。この減少は、リスク管理業務に使用
されるデリバティブの価値の有利な変動により一部相殺された。純投資収益は、365百万ドル減少したが、これ
は主に、ノンクーポン債投資からの収益の減少、再投資収益率の低下及び期限前償還収益の減少によるもので
あった。保険事業業績の正味額は、144百万ドル増加し、これは主に2018年度の配当率の減少及び保有契約の減
少によるものであった。上記及びその他の変動の結果、契約者配当準備金については508百万ドルの減額が2018
年度に計上され、これに対して2017年度は143百万ドルの増額が計上された。実際累積利益が将来の期間におい
て見積累積利益を下回った場合、主に投資業績の変動により生じるクローズド・ブロック部門の利益変動は、累
積利益契約者配当準備金の変動をもって相殺できない場合がある。クローズド・ブロック部門の実現投資利益
(損失)、純額の詳細については、「一般勘定投資-実現投資損益」の項を参照のこと。
収益、保険金・給付金及び費用
2018年度と2017年度の年次比較: 収益は1,148百万ドル減少し、この減少は、上記のとおり、主に実現投資利
益純額が404百万ドル減少したこと、純投資収益が365百万ドル減少したこと、及びその他の収益が150百万ドル
減少したこと、並びに保有契約の減少に伴い保険料が225百万ドル減少したことによるものである。
保険金・給付金及び費用は、1,041百万ドル減少した。契約者配当金は、771百万ドル減少したが、これは、
2018年度の配当率の減少並びに累積利益の変動による契約者配当準備金費用の減少を反映している。準備金の変
動を含む契約者保険金・給付金は、247百万ドル減少した。この減少は、上記のとおり、主に保有契約が減少し
たことによるものである。
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法人所得税
米国連邦法定法人所得税率を2018年度については21%、2018年度より前の年度については35%として算出した
予測法人所得税額と報告された法人所得税(ベネフィット)費用との間の金額の差異は、下表に示すとおりであ
る。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
連邦法定税率による連邦法人所得税費用(ベネフィット)予想額 1,015 2,270 1,997
非課税投資所得 (246) (369) (352)
米国税率以外の外国税 349 (249) (172)
低所得者用住宅その他に関する税額控除 (112) (126) (118)
税法改正 (321) (2,858) 0
137 (106) (20)
その他
822 (1,438) 1,335
法人所得税費用(ベネフィット)計上額
実効税率
17.0% (22.2)% 23.4%
実効税率
実効税率とは、「法人所得税費用(ベネフィット)合計」を「法人所得税、運営合弁事業損益に対する持分反
映前利益」で割って求めた比率をいう。2018年度、2017年度及び2016年度の当社の実効税率は、それぞれ
17.0%、-22.2%及び23.4%であった。各重要調整項目の内容に関する詳細については、連結財務書類の注記15
を参照のこと。2016年度の23.4%から2017年度の-22.2%への実効税率の減少及び2017年度の-22.2%から2018
年度の17.0%への実効税率の増加は、主に2017年税法の影響によるものである。
未認識税務ベネフィット
当社の法人所得税金負債には、IRSや他の税務当局による調査をまだ受ける可能性がある課税年度の未認識税
務ベネフィット及び延滞税に係る負債が含まれている。監査期間の調査が終わると、あるいは連邦の追徴課税請
求期限が到来すると、それを受けて法人所得税負債を修正する可能性もある。2018年、2017年及び2016年の各年
12月31日現在の未認識税務ベネフィット合計は、それぞれ20百万ドル、45百万ドル及び26百万ドルであった。当
社では、追徴課税請求期限が到来していない課税年度に関する未認識税務ベネフィットの合計について、向こう
12ヶ月以内に重大な変動が生じるとは考えていない。
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法人所得税費用と現金払法人所得税
U.S. GAAP に基づき計上される法人所得税費用は、通常、当該年度に現金で支払った法人所得税の金額と異な
る。U.S. GAAPに基づき計上される法人所得税費用は、当社の当年度に関する連結損益計算書に報告された利益
に基づくもので、これには当年度の税金及び繰延税金の両方が含まれている。当該年度中に支払われた法人所得
税には、当年度について行われた分割納付並びに過年度に関連する税金の支払金及び還付金が含まれる。
法人所得税関連項目の詳細については、「第2 企業の概況」「3 事業の内容」の「規制」の項及び連結財務
書類の注記15を参照のこと。
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経験料率契約者保険負債、経験料率契約者保険負債に対応する資産及びその他関連投資
退職金及び国際保険のセグメントに含まれている特定の商品は、これらの商品に関連する運用成績が最終的に
契約者に帰属することが見込まれるという点において、経験料率に基づくものである。経験料率商品に対応する
投資の大半は、公正価値で計上される。こうした投資は、「経験料率契約者保険負債に対応する資産、公正価
値」として連結貸借対照表に計上される。これらの投資の実現及び未実現利益(損失)は「その他収益(損
失)」に、これらの投資による利息収入及び配当収入は「純投資収益」に計上される。程度は少ないものの、デ
リバティブ並びに商業モーゲージ及びその他貸付も、これらの経験料率商品に対応している。これらの経験料率
商品に対応するデリバティブは、連結貸借対照表上の「その他投資資産」として分類され、公正価値で計上さ
れ、実現及び未実現利益(損失)は「実現投資利益(損失)、純額」として計上される。経験料率商品に対応す
る商業モーゲージ及びその他貸付は、未返済の元本残高から未償却割引額と貸倒引当金を差し引いた値で評価さ
れ、「商業モーゲージ及びその他貸付」として連結貸借対照表に計上される。商業モーゲージ及びその他貸付の
売却利益(損失)及び評価性引当金の変動は、「実現投資利益(損失)、純額」に計上される。
当社の退職金セグメントには、経験料率契約者保険負債に対応する資産及びその他関連投資に対応する経験料
率商品が2種類ある。全利益配当型商品は、原投資による利益の全額が、関連負債への対応する調整により、保
険契約者に還元されるものであり、連結貸借対照表では主に「保険契約者預り金勘定」に分類される。負債への
調整額は、評価性引当金控除後の償却原価で計上されるすべての関連資産(商業モーゲージ及びその他貸付を含
む。)の公正価値の変動に基づく。一部利益配当型商品は、原投資による利益の一部のみが、契約上の保証利率
の変更を通じて徐々に保険契約者に還元されるものである。保証利率は通常半年ごとに再設定され、多くの場合
は最低保証利率が決められている。利益は10年以内に還元されなければならない。
当社の国際保険セグメントにおける経験料率商品は全利益配当型である。したがって、原投資による利益は全
額、関連負債への対応する調整により、保険契約者に還元される。
経験料率契約者保険負債に対応する資産、関連するデリバティブ、並びに商業モーゲージ及びその他貸付の投
資利益(損失)純額は、調整後営業利益から除外されている。これは、一貫した基準で運用される保険負債に対
応するその他投資からの実現投資利益(損失)の除外と一貫性をもたせるためである。さらに、当社は投資の実
現投資利益(損失)に係る費用の従来の取扱いと一貫性をもたせるため、経験料率保険契約に対応した投資プー
ルの資産価値変動(商業モーゲージ及びその他貸付の公正価値の変動を含む。)に伴う契約者保険負債の変動も
調整後営業利益から除外し、これは「保険契約者預り金勘定への利息振替」に計上される。結果として、これら
の商品の調整後営業利益には、経験料率保険契約より得る純報酬収益と金利スプレッドが含まれ、最終的に保険
契約者に帰属する見込みの投資プールの実現損益及び未実現損益(公正価値)における変動は除外される。
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下表は、調整後営業利益から除外されているこれらの項目が業績に対して及ぼす影響を、表示された各期間に
ついてまとめたものである。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
退職金セグメント:
以下の項目による投資利益(損失):
経験料率契約者保険負債に対応する資産、純額 (588) 118 (21)
デリバティブ 103 (168) (10)
13 (7) 5
商業モーゲージ及びその他貸付
435 67 25
資産価値の変動による経験料率契約者保険負債の変動(注1)(注2)
純利益(損失)
(37) 10 (1)
国際保険セグメント:
(275) 218 ▶
経験料率契約者保険負債に対応する資産に係る投資利益(損失)、純額
275 (218) (4)
資産価値の変動による経験料率契約者保険負債の変動
純利益(損失)
0 0 0
合計:
以下の項目による投資利益(損失):
経験料率契約者保険負債に対応する資産、純額 (863) 336 (17)
デリバティブ 103 (168) (10)
13 (7) 5
商業モーゲージ及びその他貸付
710 (151) 21
資産価値の変動による経験料率契約者保険負債の変動(注1)(注2)
純利益(損失) (37) 10 (1)
(注1) 資産価値の変動に伴う契約者負債の減少は、特定の下限により制限されており、そのため2018年、2017年及び2016
年の各年12月31日現在の報告資産額のそれぞれ99百万ドル、18百万ドル及び10百万ドルの累積的な減少を反映して
いない。当社は、報告資産価値におけるこれらの減少を報告資産価値の増加又は契約者負債の保証利率の引下げに
よって回復させてきており、将来も回復させることができるものと見込んでいる。
(注2) 商業モーゲージ及びその他貸付による契約者保険負債の変動に関する上記金額には、2018年、2017年及び2016年の
各年12月31日に終了した年度について、それぞれ23百万ドルの減少、21百万ドルの減少及び4百万ドルの増加が含
まれている。U.S. GAAPに定められているとおり、減損によるものを除く当社の一般勘定で投資目的で保有されて
いる商業モーゲージ及びその他貸付の公正価値の変動は当期の利益として認識されないが、これらの公正価値の変
動による影響は当期の全利益配当型の契約者に対する保険負債の変動として反映される。
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退職金セグメントについては、経験料率契約者保険負債の変動、並びに経験料率契約者保険負債に対応する資
産及びその他関連投資の投資利益(損失)による正味影響額は、時価調整額の認識と、将来における資産価値の
増加又は一部利益配当型商品に係る契約者負債の保証利率の減少による当該調整額の回復の認識との時間的差異
を反映している。これらの影響額はまた、上記のとおり、これらの裏付けとなっている商業モーゲージ及びその
他貸付の公正価値とこれら貸付の償却原価(評価性引当金控除後)の差額も反映している。
資産及び負債の評価
資産及び負債の公正価値
当局の公正価値の測定に関するガイダンスは公正価値の測定のための枠組みを定めたものであり、公正価値の
測定のために使用されるインプットを分類する3レベルの階層が含まれる。公正価値が当該階層のどのレベルに
該当するかは、公正価値測定に重要な最低レベルのインプットに基づき決定される。レベル3に分類される資産
及び負債の公正価値には、測定において観察不能な重要性あるインプットが最低1つ含まれる。これらの評価階
層レベルの詳細及び各階層レベル別に連結ベースで表示された、経常ベースの公正価値で測定される資産及び負
債残高については、連結財務書類の注記6を参照のこと。
下表は、表示された各期間の経常ベースの公正価値で測定された資産及び負債残高、並びに当該資産及び負債
のうち評価階層のレベル3に分類された部分をまとめたものである。また、下表においては、当該資産及び負債
(クローズド・ブロック部門が保有するものを除く。)の詳細も提示する。クローズド・ブロック部門の資産の
実質上すべてがクローズド・ブロック部門の保険契約に関する債務及び負債のみに対応するものであることを踏
まえ、当社は、プルデンシャル・ファイナンシャルの投資家に関連する当社事業に関する理解を促すにあたっ
て、クローズド・ブロック部門を除外した金額を提示することが、最も適切であると考えている。クローズド・
ブロックの詳細については、連結財務書類の注記14を参照のこと。
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2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
PFI (クローズド・ PFI (クローズド・
クローズド・ クローズド・
ブロック部門を ブロック部門を
ブロック部門 ブロック部門
除く。) 除く。)
レベル3 レベル3 レベル3 レベル3
公正価値 公正価値 公正価値 公正価値
合計 合計 合計 合計
合計 合計 合計 合計
( 注1) ( 注1) ( 注1) ( 注1)
(単位:百万ドル)
満期固定証券 、 売却可能
314,911 3,455 38,745 780 305,518 7,557 41,262 2,139
有価証券
経験料率契約者保険負債
に対応する資産:
満期固定証券 19,579 818 0 0 20,209 1,408 0 0
株式 1,460 1 0 0 1,643 ▶ 0 0
215 0 0 0 137 7 0 0
その他(注2)
小計
21,254 819 0 0 21,989 1,419 0 0
満期固定証券、売買目的
3,048 204 195 2 3,307 155 200 1
有価証券
株式 4,316 604 1,784 67 4,855 712 2,479 83
商業モーゲージ及びその
763 0 0 0 593 0 0 0
他貸付
その他投資資産(注3) 1,404 263 5 0 1,330 137 2 0
短期投資 5,040 65 453 24 5,351 8 436 0
現金同等物 9,027 59 451 18 7,722 0 577 0
その他資産 25 25 0 0 14 13 0 0
254,066 1,534 0 0 280,393 2,122 0 0
分離勘定資産
613,854 7,028 41,633 891 631,072 12,123 44,956 2,223
資産合計
責任準備金
8,926 8,926 0 0 8,720 8,720 0 0
その他負債(注3) 191 56 0 0 688 50 0 0
連結変動持分事業体
595 595 0 0 1,196 1,196 0 0
(VIE)発行債券
9,712 9,577 0 0 10,604 9,966 0 0
負債合計
(注1) 経常ベースでの公正価値で測定した資産合計額に対するレベル3資産の割合は、PFI(クローズド・ブロック部門
を除く。)及びクローズド・ブロック部門について2018年12月31日現在でそれぞれ1.1%及び2.1%、2017年12月31
日現在でそれぞれ1.9%及び4.9%であった。
(注2) 「その他」は、現金同等物及び短期投資を表す。
(注3) 「その他投資資産」及び「その他負債」には、主にデリバティブが含まれる。当該金額は、マスター・ネッティン
グ契約に基づくネッティングの影響を含む。
一定の資産及び負債に関する公正価値の決定は見積り及び仮定の適用により左右されるが、当社の営業成績に
重大な影響を与える可能性があり、資産及び負債を評価する能力は市場活動の低下又は秩序ある方法により行わ
れる取引の不足により大きく影響されるため、市況によっては、より判断力を要する場合がある。以下では、レ
ベル3のインプットを使用して評価され、当社の営業成績に重大な影響を与える可能性のある一定の資産及び負
債に関する詳細を説明する。
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満期固定証券及び株式
当社における公正価値の階層のレベル3に含まれる満期固定証券は一般的に、社内で開発した評価方法又はブ
ローカーによる指標となる相場価格に基づき価格決定される。非上場満期固定証券及び株式の一部については、
社内評価モデルは重要な観察不能なインプットを使用する。したがって、かかる証券は公正価値の階層のレベル
3に分類される。PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)のレベル3満期固定証券は、2018年12月31日現在
で約19億ドルの上場満期固定証券を含み、その価格は主にブローカーによる指標となる相場価格に基づいてお
り、また約25億ドルの非上場満期固定証券を含み、その価格は主に社内で開発されたモデルに基づいていた。使
用された重要な観察不能なインプットには、各銘柄特有のスプレッド調整、重大な非公表の財務情報、経営判
断、将来の収益及びキャッシュ・フローに関する予測、デフォルト・レートに関する仮定、流動性に関する仮定
並びにマーケット・メーカーによる指標となる相場価格などが含まれていた。これらのインプットはすべての市
場参加者がこれらのデータを入手することができないため、通常観察不能と考えられている。
資産及び負債をレベル3に分類するという当社の決定は、全般的な公正価値測定における観察不能なインプッ
トの重要性に基づいている。インプットの可観測性及び市況の変動を反映するためのレベルの変更が定期的に行
われる。2018年度第2四半期中、「資産担保証券」として報告されたCLOへの 5,078 百万ドルの 投資は、市況、流
動性及び全体的なCLOの評価インプットの可観測性の向上に伴いレベル3からレベル2に変更された。すべての
レベル変更は一般的に、変更が行われた四半期末時点で保有している資産について、当該四半期の開始時点の価
値が計上される。
満期固定証券(及び2018年1月1日以前の株式)の公正価値の変動による業績に対する影響は当該証券を売買
目的有価証券、売却可能有価証券、又は満期保有目的有価証券のいずれに分類するかに左右される。売買目的有
価証券に分類された投資の公正価値の変動は「その他収益(損失)」に計上される。売却可能有価証券に分類さ
れた投資の公正価値の変動は未実現損益として、エクイティの個別の構成要素としての「その他の包括利益(損
失)累計額」に計上される。満期保有目的に分類される投資は償却原価で計上され、公正価値の変動は業績に影
響しない。2018年1月1日より、ASU2016-01の採択により(連結財務書類の注記2を参照のこと。)、上記の分
類は株式には適用されないこととなり、公正価値の変動は「その他収益(損失)」に計上されている。
分離勘定資産
レベル3に含まれる分離勘定資産は、主に法人証券及び商業モーゲージ貸付を含む。法人証券の評価は、上記
の満期固定証券及び株式に関する記載と同様の方法でなされる。商業モーゲージ貸付の評価に関する詳細につい
ては、連結財務書類の注記6を参照のこと。分離勘定負債は、公正価値ではなく契約価値で計上されている。
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生前給付特約付き変額年金保険
レベル3に分類される責任準備金には、主にGMAB、GMWB及びGMIWBを含む、当社の個人年金セグメントが提供
している特定の変額年金保険契約の生前給付特約に関連する保証に関する債務が含まれる。これらの給付は組込
デリバティブとして公正価値で計上され、公正価値の変動は「実現投資利益(損失)、純額」に含まれる。
GMAB、GMWB及びGMIWB債務の公正価値は、将来予想される顧客に対する給付金支払額の現在価値から、組込デリ
バティブ的な特約に対する将来の特約保険料評価額の現在価値を控除して計算する。この方法を用いると、残高
は、資本市場の市況及び契約者の行動に関する様々な仮定を考慮すると、負債勘定にも負の負債勘定にも計上さ
れ得る。これらの債務の譲渡のための観察可能な活発な市場がないため、評価額はオプション価格決定の技術に
より社内で開発したモデルを用いて計算される。これらのモデルは主に観察不能な重要な仮定を使用し、当該仮
定には失効率、NPR、利用率、引出率、死亡率及びエクイティ市場の変動率等の仮定が含まれる。PFI(クローズ
ド・ブロック部門を除く。)のレベル3に分類された責任準備金は、2018年12月31日現在で、89億ドルの純負債
であった。詳細は、「セグメント別営業成績-米国個人ソリューション部門-個人年金保険」の項を参照のこ
と。
連結VIE発行債券
連結財務書類の注記4に記載のとおり、連結VIE発行債券は、特定の資産担保証券投資ビークルにより発行さ
れたノン・リコース債券(主にCLO)のことであり、当社はこれらを連結する必要がある。当社は、かかる債券
について公正価値オプションを選択しており、対応する銀行借入の担保に基づき評価される。
公正価値の決定のために使用する主な見積り及び仮定の詳細については、連結財務書類の注記6を参照のこ
と。
一般勘定投資
当社は顧客への債務及びその他一般的な債務をサポートすべく、当社の一般勘定に多種多様な投資ポートフォ
リオを維持している。一般勘定負債に対応しないため、当社の一般勘定から除外される投資及びその他資産は、
以下のとおりである。
・ デリバティブ業務にかかわる資産
・ 第三者のために運用する投資を含む投資運用業務の資産
・ 当社の貸借対照表上「分離勘定資産」とされる資産
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一般勘定ポートフォリオについては、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)とクローズド・ブロック部
門の明確な目標及び投資ポリシー・ステートメントに従い管理している。PFI(クローズド・ブロック部門を除
く。)の主たる投資目標には下記事項が含まれる。
・ 当社の主な商品負債及びその他の債務の市場リスク特性をヘッジ又はその他の方法で管理すること
・ リスク制約内で投資収益利回りを経時的に最適化すること
・ 一定のポートフォリオについては、対応する商品負債に関連する市場リスク・エクスポージャーを管理
しつつ、投資収益利回りと資本増価を含めた総利益をリスク制約内で経時的に最適化すること
当社は、以下の手段により、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)の投資収益利回りを経時的に最適化
するという目標を追求する。
・ 営業活動による正味キャッシュ・フロー(新商品の保険料による流入額を含む。)、並びに投資資産の
売却、返済、及び期限前償還による利益を魅力的なリスク調整後利回りの投資商品に投資すること
・ 該当する場合には、税金及び資本に対する影響を考慮しつつ、多様なキャッシュ・フローの需要を満た
すため、又はポートフォリオのデュレーション、信用、為替若しくはその他のリスク要因に関連するリ
スク・エクスポージャー・プロファイルを管理するために投資を売却すること
クローズド・ブロック部門の主たる投資目標には下記事項が含まれる。
・ クローズド・ブロック部門の利益配当型保険契約者が期待する合理的な配当金を提供すること
・ クローズド・ブロック部門の主な商品に関連する市場リスク・エクスポージャーを管理しつつ、投資収
益利回りと資本増価を含めた総利益をリスク制約内で最適化すること
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当社のポートフォリオ管理のアプローチは、投資収益利回り及び資産・負債リスク管理の目標を重視する一方
で、ポートフォリオ活動による資本及び税金に対する影響、並びに債務証券の価値回復に要する期間にわたり当
該債務証券を保有する当社の能力と意思に関する表明も考慮している。当社のOTTI方針(予測される債務証券の
価値回復より前に当該証券を売却する意思又は必要性に関する当社の表明を含む。)の詳細については、下記の
「実現投資損益-減損」の項を参照のこと。
投資の運用
当社の自己売買投資(一般勘定ポートフォリオを含む。)は、当社の取締役会(「取締役会」)投資委員会が
監視し、また業績とリスク・ポジションを定期的に検証している。当社の投資担当最高責任者機関(「CIO機
関」)は、当社の国内外の保険関連子会社の一般勘定ポートフォリオについて、全社的リスク管理(「ERM」)
グループの提案したリスク・リミットに従った投資方針を策定し、投資委員会が年次ベースで承認するリスク・
リミット及びエクスポージャーの範囲内で一般勘定ポートフォリオの管理を指示及び監視する。
CIO機関(保険子会社の関連機関を含む。)は、当社商品の特性及び関連する市場リスク・エクスポージャー
を理解するために、商品開発保険数理人及びERMグループと密接に連携している。かかる情報は、目標とする資
産ポートフォリオの策定に組み込まれ、当該ポートフォリオは、負債特性に関連する市場リスク・エクスポー
ジャーを管理し、当社の投資リスク制約により定められる許容度の範囲内で、魅力的なリスク調整後利益が見込
める投資リスク・エクスポージャーを設定する。当社は、特有のリスク特性をもっている特定のクラスの商品に
伴う債務や属性剰余、累積剰余に対する資産戦略を展開している。負債に関連する市場リスク・エクスポー
ジャーには金利リスク及び為替リスクが含まれ、金利リスクについては目標となる資産構成のデュレーション特
性により対応し、為替リスクについては目標となる資産構成の通貨特性により対応する。米国及び日本以外にお
ける一定の小規模市場においては、資本市場の制約により、金利リスク・エクスポージャーを米国及び日本事業
と同程度にヘッジすることができず、当社はこれらの小規模なポートフォリオについてより高い金利リスクを受
容することとなる。一般勘定ポートフォリオには、通常、投資利回り及び収益を経時的に増加させる手法とし
て、信用リスク及びその他の投資リスクに対する配分が含まれている。
当社の大部分の商品は次の3クラスに分類される。
・ 利息供与型商品:定額年金やユニバーサル生命保険などの、顧客に供与した金利を定期的に調整し、市
場と競争相手の動向や投資実績を反映させる商品
・ 配当付き個人・実績評価型団体商品:年間配当金又は利息や保険料の還付を通じて顧客が実際の投資の
成果及び業績に関与している商品
・ 期間固定又は保証期間付き商品:従来型の終身及び養老商品、保証付投資契約(「GIC」)、ファンディ
ング契約並びに支払年金商品等
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当社の全体的な投資ポートフォリオは、多数の運用ポートフォリオにより構成されている。各運用ポートフォ
リオは一定の負債一式を支えており、デュレーション、キャッシュ・フロー、流動性需要及びその他の要件をは
じめとする負債特性を支える資産構成を目標としている。2018年12月31日現在、当社のPFI(クローズド・ブ
ロック部門を除く。)に帰属する国内一般勘定投資ポートフォリオの平均デュレーション(デリバティブの影響
を含む。)は、6~7年であった。2018年12月31日現在、当社の日本における保険事業に帰属する国際一般勘定
ポートフォリオの平均デュレーション(デリバティブの影響を含む。)は11~12年であったが、これは円建て投
資商品と米ドル及び豪ドル建て投資商品の混合となっており、これら商品は当該通貨で当社が発行した保険負債
に対応する平均デュレーションが異なるためである。当社の資産・負債管理プロセスにより、複数回の市場サイ
クルにわたり当社のポートフォリオについて管理を行うことが可能である。
当社は、主として国債、政府機関債、上場・非上場の社債、仕組み証券、及び商業モーゲージ貸付等、多岐に
わたる債券等資産に対する投資によりポートフォリオ戦略を実行する。さらに、当社は、ノンクーポン債投資
(株式その他リミテッド・パートナーシップ及び有限責任会社(「LPs/LLCs」)等の投資資産を含む。)、直接
所有する不動産、デリバティブ商品及び新規事業投資も別勘定に配分している。
当社では、CIO機関及びERMグループの指図若しくは監視に従ったリスクプロフィールに合わせて、また、当社
の国内及び国際保険ポートフォリオに影響を与える市場環境を反映したプロフィールに合わせて、上場満期固定
証券ポートフォリオを管理している。ポートフォリオで実現する収益は投資収益及び投資の実現利益若しくは実
現損失に反映される。
また、ポートフォリオの収益とポートフォリオ全体の多様性を高める目的で、当社では私募社債や商業モー
ゲージ貸付(地理、不動産の種類及び借主の面で多様性のある不動産に設定されたモーゲージにより構成され
る。)を採用している。私募債は、非流動性プレミアムにより高い利回りを提供することが多く、また、一般的
に高度な信用保護を約定の形で提供する。当社にはこれを組成する能力があるので、それだけ取引が増えること
になり、さらに約定やコール保護といった有利な条件を獲得する機会も得られる上、独創的な取引構造を生かす
ことも可能である。
デリバティブ戦略は、当社のリスク管理フレームワーク内において、負債に関連する資産ポートフォリオの金
利リスク及び為替リスク・エクスポージャーを管理する能力を高めるため、また、投資ポートフォリオの信用ポ
ジション及びエクイティ・ポジションを管理するために用いている。リスク管理プロセスについては、「第3
事業の状況」「2 事業等のリスク」の項を参照のこと。
当社におけるポートフォリオの資産配分は、資産の種類、分野及び発行者について多様性を保つことを重要視
する当社の方針を反映しているものである。CIO機関は、直接、また保険子会社の関連機関を介して、主に当社
のPGIMセグメントの様々な投資管理ユニットを通してポートフォリオ戦略を実行する。PGIMセグメントが一般勘
定ポートフォリオのために実行する活動は、CIO機関により指示・監督され、ERMにより投資リスク制限の遵守に
ついて監視される。
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ポートフォリオ構成
上記のとおり、当社の投資ポートフォリオは、上場・非上場の満期固定証券、商業モーゲージ及びその他貸
付、保険約款貸付、並びにノンクーポン債投資にて構成されている。当社の一般勘定の構成には、リスク管理ア
プローチの定める規律内において、競争可能な成果に対するニーズや主に当社PGIMセグメントを通じて入手可能
である多様な投資代案の選択が反映されている。当社の投資ポートフォリオの規模のおかげで、一般の投資家で
は利用することが不可能な資産種類への投資が可能となっている。
当社は、2018年1月1日よりASU 2016-01、 金融商品-全般(サブトピック825-10):金融資産及び金融負債
の認識及び測定 を採用しており、これにより、持分投資に関連する当社の会計処理及び表示に影響が出ている。
ASU 2016-01の採用に関する詳細は、連結財務書類の注記2を参照のこと。
下表は、それぞれの日付におけるPFI(クローズド・ブロック部門を除く。)とクローズド・ブロック部門に
割り当てられた当社一般勘定の投資構成をまとめたものである。
2018 年 12月31日
PFI (クローズド・ブロック クローズド・
合計
部門を除く。) ブロック部門
(単位:百万ドル)
満期固定証券:
売却可能上場証券、公正価値 269,109 64.8% 26,203 295,312
満期保有目的上場証券、償却原価 1,745 0.4% 0 1,745
売却可能非上場証券、公正価値 45,328 10.9% 12,542 57,870
満期保有目的非上場証券、償却原価 268 0.1% 0 268
満期固定証券、売買目的有価証券、公正価
1,893 0.5% 195 2,088
値
経験料率契約者保険負債に対応する資産、
21,254 5.1% 0 21,254
公正価値
株式、公正価値 3,849 0.9% 1,784 5,633
商業モーゲージ及びその他貸付、帳簿価格 50,251 12.1% 8,782 59,033
保険約款貸付、残高 7,606 1.8% 4,410 12,016
その他投資資産(注1) 8,407 2.0% 3,316 11,723
5,948 1.4% 478 6,426
短期投資
100.0%
一般勘定投資総額
415,658 57,710 473,368
5,877 0 5,877
その他事業体及び事業の投資資産(注2)
421,535 57,710 479,245
投資総額
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2017 年 12月31日
PFI (クローズド・ブロック クローズド・
合計
部門を除く。) ブロック部門
(単位:百万ドル)
満期固定証券:
売却可能上場証券、公正価値 260,430 64.7% 27,448 287,878
満期保有目的上場証券、償却原価 1,747 0.4% 0 1,747
売却可能非上場証券、公正価値 44,479 11.1% 13,814 58,293
満期保有目的非上場証券、償却原価 302 0.1% 0 302
満期固定証券、売買目的有価証券、公正価
1,589 0.4% 200 1,789
値
経験料率契約者保険負債に対応する資産、
22,097 5.5% 0 22,097
公正価値
株式、公正価値 4,276 1.1% 2,479 6,755
商業モーゲージ及びその他貸付、帳簿価格 46,394 11.5% 9,017 55,411
保険約款貸付、残高 7,348 1.8% 4,543 11,891
その他投資資産(注1) 7,510 1.9% 3,159 10,669
6,103 1.5% 631 6,734
短期投資
100.0%
一般勘定投資総額
402,275 61,291 463,566
6,305 0 6,305
その他事業体及び事業の投資資産(注2)
408,580 61,291 469,871
投資総額(注3)
(注1) その他投資資産は、LPs/LLCsに対する投資、直接所有の投資用不動産、デリバティブ商品並びにその他雑投資で構
成されている。これらの投資の詳細については、下記の「その他投資資産」の項を参照のこと。
(注2) 当社の投資管理及びデリバティブ業務による投資資産を含む。ただし、第三者に代わって当社が運用する投資運用
業務の資産及び当社の貸借対照表上「分離勘定資産」に分類される資産を除く。これらの投資の詳細については、
下記の「その他事業体及び事業の投資資産」の項を参照のこと。
(注3) 過年度の金額は、当年度の表示に合わせて組替表示されている。詳細については、連結財務書類の注記2を参照の
こと。
2018年度におけるPFI(クローズド・ブロック部門を除く。)に帰属する一般勘定投資の増加は、主に純投資
収益の再投資及び純事業流入によるものであり、米国金利の上昇及び信用スプレッドの拡大により一部相殺され
た。当社の満期固定証券の公正価値を決定する方法については、連結財務書類の注記6を参照のこと。
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有価証券報告書
2018年及び2017年の各年12月31日現在、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)に帰属する一般勘定投資
のそれぞれ43%及び42%が当社の日本における保険事業に関するものであった。下表は、それぞれの日付におけ
る当社の日本保険事業の一般勘定における投資の構成をまとめたものである。
12 月31日
2018 年 2017 年
(単位:百万ドル)
満期固定証券:
売却可能上場証券、公正価値 133,084 128,332
満期保有目的上場証券、償却原価 1,745 1,747
売却可能非上場証券、公正価値 16,222 14,538
満期保有目的非上場証券、償却原価 268 302
満期固定証券、売買目的有価証券、公正価値 328 257
経験料率契約者保険負債に対応する資産、公正価値 2,441 2,586
株式、公正価値 1,972 2,151
商業モーゲージ及びその他貸付、帳簿価格 17,228 14,268
保険約款貸付、残高 2,715 2,545
その他投資資産(注1) 1,957 2,021
451 244
短期投資
178,411 168,991
日本における一般勘定投資総額(注2)
(注1) その他投資資産は、LPs/LLCsに対する投資、直接所有の投資用不動産、デリバティブ商品、及びその他雑投資で構
成されている。
(注2) 過年度の金額は、当年度の表示に合わせて組替表示されている。詳細については、連結財務書類の注記2を参照の
こと。
2018年度の当社の日本における保険事業の一般勘定投資の増加は、主に純事業流入、純投資収益の再投資及び
米ドルに対する円高による外貨換算の影響によるものであり、米国金利の上昇により一部相殺された。
2018年12月31日現在、当社の日本における保険事業の米ドル建て投資は649億ドル(簿価)であり、これに
は、第三者とのデリバティブ契約により円に対するヘッジを行っている25億ドル及び米ドル建て負債に対応する
500億ドルが含まれており、残りは米ドル相当のエクイティに係る当社の外貨為替レートのリスクをヘッジする
ものである。2017年12月31日現在、当社の日本における保険事業の米ドル建て投資は626億ドル(簿価)であ
り、これには、第三者とのデリバティブ契約により円に対するヘッジを行っている58億ドル及び米ドル建て負債
に対応する438億ドルが含まれており、残りは米ドル相当のエクイティに係る当社の外貨為替レートのリスクを
ヘッジするものである。米ドル建て投資の、2017年12月31日現在からの23億ドル(簿価)の増加は、主に純事業
流入によるポートフォリオの成長及び純投資収益の再投資によるものであり、これらは第三者とのデリバティブ
により円に対するヘッジを行っている米ドル建て投資の減少により一部相殺された。
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有価証券報告書
2018年及び2017年の各年12月31日現在、当社の日本における保険事業の豪ドル建て投資はそれぞれ101億ドル
及び114億ドル(簿価)であり、これは豪ドル建て負債に対応するものである。豪ドル建て投資の、2017年12月
31日現在からの13億ドル(簿価)の減少は、主に米ドルに対する豪ドル安による外貨換算の影響及び純事業流出
によるポートフォリオの縮小によるものであった。当社の日本の保険事業が保有する米ドル及び豪ドル建ての投
資の詳細並びに当社の円ヘッジ戦略については、上記の「セグメント別営業成績-外国為替レートの影響」の項
を参照のこと。
投資の成果
下表は、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)及びクローズド・ブロック部門に配分された当社一般勘
定の投資成果を表示された各期間についてまとめたものである。利回りはU.S. GAAPに準拠して報告された純投
資収益に基づいており、「実現投資利益(損失)、純額」に含まれているデュレーション管理スワップの決済を
はじめとする一部の金利関連項目は含まれていない。
2018 年 12月31日に終了した年度
PFI (クローズド・
PFI (クローズド・ クローズ
ブロック部門及び 日本における 合計
ブロック部門を ド・ブロ
日本における事業を 保険事業 ( 注5)
除く。) ック部門
除く。)
利回り 利回り 利回り
(%) 金額 (%) 金額 (%) 金額 金額 金額
( 注1) ( 注1) ( 注1)
(単位:百万ドル)
満期固定証券(注2) 4.68 7,004 2.93 3,707 3.87 10,711 1,692 12,403
経験料率契約者保
険負債に対応する 3.62 674 1.81 46 3.41 720 0 720
資産
株式 2.28 48 3.45 72 2.86 120 45 165
商業モーゲージ及
4.03 1,299 3.96 623 4.01 1,922 407 2,329
びその他貸付
保険約款貸付 5.44 258 3.92 101 4.91 359 263 622
短期投資及び現金
265 33 298 30 328
2.20 2.83 2.25
同等物
投資収益総額 4.36 3.04 3.82
9,548 4,582 14,130 2,437 16,567
(0.15) (397) (0.13) (237) (0.14) (634) (204) (838)
投資費用
投資費用差引後
4.21 2.91 3.68
9,151 4,345 13,496 2,233 15,729
の投資収益
その他投資資産
221 93 314 55 369
(注3)
その他事業体及
び事業の投資結 78 0 78 0 78
果(注4)
9,450 4,438 13,888 2,288 16,176
投資収益合計
198/713
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2017 年 12月31日に終了した年度
PFI (クローズド・
PFI (クローズド・ クローズ
ブロック部門及び 日本における 合計
ブロック部門を ド・ブロ
日本における事業を 保険事業 ( 注5)
除く。) ック部門
除く。)
利回り 利回り 利回り
(%) 金額 (%) 金額 (%) 金額 金額 金額
( 注1) ( 注1) ( 注1)
(単位:百万ドル)
満期固定証券(注2) 4.61 6,464 3.06 3,624 3.90 10,088 1,770 11,858
経験料率契約者保
険負債に対応する 3.61 695 1.73 41 3.40 736 0 736
資産
株式 5.75 247 2.91 79 4.65 326 50 376
商業モーゲージ及
4.13 1,285 4.05 515 4.10 1,800 449 2,249
びその他貸付
保険約款貸付 5.41 250 4.00 97 4.92 347 271 618
短期投資及び現金
158 14 172 25 197
1.31 1.25 1.31
同等物
投資収益総額 4.02 3.11 3.66
9,099 4,370 13,469 2,565 16,034
(0.14) (306) (0.12) (184) (0.13) (490) (177) (667)
投資費用
投資費用差引後
3.88 2.99 3.53
8,793 4,186 12,979 2,388 15,367
の投資収益
その他投資資産
498 132 630 265 895
(注3)
その他事業体及
173 0 173 0 173
び事業の投資結
果(注4)
9,464 4,318 13,782 2,653 16,435
投資収益合計
199/713
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2016 年 12月31日に終了した年度
PFI (クローズド・
PFI (クローズド・ クローズ
ブロック部門及び 日本における 合計
ブロック部門を ド・ブロ
日本における事業を 保険事業 ( 注5)
除く。) ック部門
除く。)
利回り 利回り 利回り
(%) 金額 (%) 金額 (%) 金額 金額 金額
( 注1) ( 注1) ( 注1)
(単位:百万ドル)
満期固定証券(注2) 4.63 6,043 3.14 3,472 3.95 9,515 1,696 11,211
経験料率契約者保
険負債に対応する 3.80 721 1.75 37 3.59 758 0 758
資産
株式 5.40 232 2.46 75 4.18 307 59 366
商業モーゲージ及
4.35 1,306 4.23 445 4.32 1,751 476 2,227
びその他貸付
保険約款貸付 5.49 252 4.05 95 5.00 347 280 627
短期投資及び現金
113 9 122 20 142
0.67 0.78 0.68
同等物
投資収益総額 4.26 3.19 3.84
8,667 4,133 12,800 2,531 15,331
(0.13) (248) (0.12) (165) (0.14) (413) (156) (569)
投資費用
投資費用差引後
4.13 3.07 3.70
8,419 3,968 12,387 2,375 14,762
の投資収益
その他投資資産
344 129 473 203 676
(注3)
その他事業体及
82 0 82 0 82
び事業の投資結
果(注4)
8,845 4,097 12,942 2,578 15,520
投資収益合計
(注1) 利回りの基準は、満期固定証券以外のすべての資産の種類について四半期平均簿価に基づく。満期固定証券の利回
りの基準は償却原価に基づく。また、満期固定証券、短期投資及び現金同等物の金額は証券貸付事業についてネッ
ティングが行われる(つまり、収益からリベート費用が差し引かれ、資産価額から証券貸付負債が差し引かれ
る。)。その他投資資産の利回りは、投資成績を示す有意な尺度とみなされないため、表示されていない。利回り
は、その他投資資産に関連する投資収益及び資産を除く。過年度の利回りは、当年度の表示に合わせて修正されて
いる。
(注2) 売却可能及び満期保有目的として分類される満期固定証券を含むが、売買目的として分類される満期固定証券は除
外され、当該満期固定証券はその他投資資産に含まれる。
(注3) その他投資資産は、LPs/LLCsに対する投資、直接所有の投資用不動産、デリバティブ商品、売買目的に分類される
満期固定証券及びその他雑投資で構成されている。
(注4) 投資運用事業の純投資収益を含む。
(注5) 2018年、2017年及び2016年の各年12月31日に終了した年度の総利回りは、それぞれ3.77%、3.68%及び3.82%で
あった。
2018年度のクローズド・ブロック部門及び日本の保険事業のポートフォリオを除く当社の一般勘定投資に帰属
する投資費用差引後の投資収益利回りは、2017年度に比べて増加したが、これは主に債券等の再投資率の上昇に
よるものであった。
2017年度のクローズド・ブロック部門及び日本の保険事業のポートフォリオを除く当社の一般勘定投資に帰属
する投資費用差引後の投資収益利回りは、2016年度に比べて減少したが、これは主に債券等の再投資率の低下に
よるものであった。
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2018年度の日本の保険事業ポートフォリオの投資費用差引後の投資収益利回りは、2017年度に比べ減少した。
この減少は主に、債券等の再投資率の低下並びに満期固定証券の期限前償還手数料及び償還プレミアムの減少に
よるものであった。
2017年度の日本の保険事業ポートフォリオの投資費用差引後の投資収益利回りは、2016年度に比べ減少した。
この減少は主に、債券等の再投資率の低下によるものであり、満期固定証券の期限前償還手数料及び償還プレミ
アムの増加により一部相殺された。
第三者とのデリバティブ契約により円に対してヘッジされていない米ドル建て及び豪ドル建て満期固定証券の
利回りは、これらに相当する円建ての満期固定証券の利回りよりかなり高い。2018年及び2017年の各年12月31日
に終了した年度について、第三者とのデリバティブ契約により円に対してヘッジされていない米ドル建て満期固
定証券の平均償却原価はそれぞれ約443億ドル及び414億ドルであった。米ドル建て満期固定証券の大半は、米ド
ル建ての負債に対応している。2018年及び2017年の各年12月31日に終了した年度について、第三者とのデリバ
ティブ契約により円に対してヘッジされていない豪ドル建て満期固定証券の平均償却原価は、それぞれ約98億ド
ル及び102億ドルであった。豪ドル建て満期固定証券は、豪ドル建ての負債に対応している。当社の日本の保険
事業が保有する米ドル及び豪ドル建ての投資の詳細については、上記「-営業成績-外国為替レートの影響」の
項を参照のこと。
201/713
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実現投資損益
下表は、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)及びクローズド・ブロック部門に割り当てられた当社の
一般勘定の投資タイプ別「実現投資利益(損失)、純額」、並びに関連費用及び調整額を、表示された各期間に
ついてまとめたものである。
12 月31日に終了した年度
2018 年 2017 年 2016 年
(単位:百万ドル)
PFI (クローズド・ブロック 部門を除く。):
実現投資利益(損失)、純額:
満期が近づいている証券の外貨為替レートの変動に
(23) (36) (4)
よるもの
市場で活発に取引されている証券によるもの (24) (12) (29)
(169) (121) (111)
各発行体の信用事由又は状況悪化によるもの(注1)
利益に認識された満期固定証券のOTTI損失(注2)
(216) (169) (144)
504 577 761
売却及び満期による利益(損失)、純額
満期固定証券(注3)
288 408 617
利益に認識された株式のOTTI損失(注4) 0 (23) (61)
売却及び満期による利益(損失)、純額(注6) 0 588 188
株式(注5)
0 565 127
商業モーゲージ及びその他貸付 (15) (2) 2
デリバティブ商品 1,249 (1,061) 1,011
利益に認識されたその他投資資産のOTTI損失(注7) (7) (19) (57)
その他利益(損失)、純額 106 18 6
その他
99 (1) (51)
小計
1,621 (91) 1,706
その他事業体及び事業の投資結果(注8)
226 (11) 54
合計-PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)
1,847 (102) 1,760
関連調整額
(1,228) (500) (771)
実現投資利益(損失)、純額及び関連調整額
619 (602) 989
関連費用 (316) 544 (466)
実現投資利益(損失)、純額並びに関連費用及び調整額
303 (58) 523
クローズド・ブロック部門:
実現投資利益(損失)、純額:
満期が近づいている証券の外貨為替レートの変動に
(28) (15) (13)
よるもの
市場で活発に取引されている証券によるもの (9) (13) 0
(26) (70) (65)
各発行体の信用事由又は状況悪化によるもの(注1)
利益に認識された満期固定証券のOTTI損失(注2)
(63) (98) (78)
3 271 127
売却及び満期による利益(損失)、純額(注6)
満期固定証券(注3)
(60) 173 49
利益に認識された株式のOTTI損失(注4) 0 (4) (13)
売却及び満期による利益(損失)、純額 0 505 262
株式(注5)
0 501 249
商業モーゲージ及びその他貸付 (6) 0 1
デリバティブ商品 193 (128) 162
利益に認識されたその他投資資産のOTTI損失(注7) (1) (14) (28)
その他利益(損失)、純額 ▶ 2 1
その他
3 (12) (27)
小計-クローズド・ブロック部門
130 534 434
連結PFI実現投資利益(損失)、純額
1,977 432 2,194
(注1) 該当する発行体のクレジットイベント又はその他の状況の悪化が、当該投資に関する契約上のキャッシュ・フロー
を不足させた、又は不足させる可能性がある場合を言う。利益に計上される減損の額は、当該債務証券の償却原価
と、減損前の当該債務証券の潜在的な有効金利で割り引いた、予想将来キャッシュ・フローの現在価値純額の差額
に相当する。
(注2) その他の包括利益(損失)(「OCI」)に計上されるOTTIの部分を除いており、減損時現在における減損債務証券
の公正価値と当該債務証券の予想将来キャッシュ・フローの現在価値純額との差額に相当する。
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(注3) 売却可能及び満期保有目的として分類される満期固定証券を含むが、売買目的として分類される満期固定証券は除
外される。
(注4) 2018年1月1日より、株式については、これらの投資のすべてが公正価値で評価され、公正価値の変動は利益に計
上されるため、OTTIを特定する必要がなくなった。
(注5) 2018年1月1日より、株式の実現利益(損失)は、「その他収益(損失)」に計上されている。
(注6) 2016年度中、満期固定証券期限前償還手数料及び償還プレミアムは「純投資収益」に再分類された。過年度の金額
の修正再表示は行われていない。この変更の影響は、軽微なものである。
(注7) 主にLPs/LLCsに対する投資及び直接所有の投資用不動産に関連するOTTIを含む。
(注8) 当社の投資運用業務の「実現投資利益(損失)、純額」を含む。
2018 年度と2017年度の年次比較
2018 年及び2017年の各年12月31日に終了した年度の満期固定証券の売却及び満期による純利益は、それぞれ
504百万ドル及び577百万ドルであった。これは、主に当社の国際保険セグメントで満期となった又は売却された
米ドル建て及び豪ドル建て有価証券の外国為替レートの変動の影響によるものであった。
2018 年12月31日に終了した年度のデリバティブ商品の純実現利益は、1,249百万ドルであり、これには主に以
下を含んでいた。
・ 米ドル高及び円高により外国為替ヘッジについて生じた575百万ドルの利益
・ 一部の変額年金保険契約に関連する、商品関連組込デリバティブ及び関連ヘッジポジションについて生
じた529百万ドルの利益
・ 株価指数の下落によりキャピタル・ヘッジから生じた363百万ドルの利益
・ 報酬ベース合成GICの手数料から生じた150百万ドルの利益
・ スワップ及び米国債の利回り上昇により金利デリバティブについて生じた362百万ドルの損失
2017 年12月31日に終了した年度のデリバティブ商品の純実現損失は、1,061百万ドルであり、これには主に以
下を含んでいた。
・ 一部の変額年金保険契約に関連する、商品関連組込デリバティブ及び関連ヘッジポジションについて生
じた869百万ドルの損失
・ 米ドル安により外国為替ヘッジについて生じた462百万ドルの損失
・ 株価指数の上昇によりキャピタル・ヘッジについて生じた350百万ドルの損失
・ 長期金利の下落により金利デリバティブについて生じた370百万ドルの利益
・ 報酬ベース合成GICの手数料から生じた152百万ドルの利益
・ 円高により外国為替ヘッジについて生じた26百万ドルの利益
当社の個人年金セグメントの生前給付保証及び関連するヘッジポジションについては、上記「セグメント別営
業成績―米国個人ソリューション部門-個人年金」の項を参照のこと。
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関連調整額には、「実現投資利益(損失)、純額」のうち調整後営業利益に含まれる部分並びに「その他利益
(損失)」及び「純投資収益」のうち調整後営業利益から除外される部分を含む。当該調整は、調整後営業利益
から除外されている「実現投資利益(損失)、純額及び関連調整額」を算定するために行われる。2018年及び
2017年の各年12月31日に終了した年度の業績は、それぞれ純額でマイナスの関連調整額1,228百万ドル及び500百
万ドルを反映していた。両年度の業績は、金利及び通貨デリバティブの決済及び価額の変動によるものであっ
た。2018年度の業績は、「その他利益(損失)」に計上される株式の公正価値の変動も含む。
「実現投資利益(損失)、純額」に関連する費用も調整後営業利益から除外されており、純費用又は純利益と
して反映される場合がある。2018年12月31日に終了した年度の業績は、316百万ドルの関連費用純額を反映して
おり、これに対して2017年12月31日に終了した年度の業績は、544百万ドルの関連ベネフィット純額を反映して
いた。両年度の結果とも、DACの償却に係るデリバティブ活動の影響及びその他コスト並びに一部の責任準備金
によるものであった。
減損
OTTI の水準は一般に経済情勢を反映するものであり、経済情勢が悪化すると増加し、改善すると減少すると考
えられる。従来のOTTIの原因は各発行体固有のものであり、同じ産業又は地域におけるその他の証券の減損を直
接的に引き起こすものではなかった。また、当社の信用リスクとポートフォリオ運用目標に従い投資商品の売却
を通じて上記以外のクレジット及び金利関連の損失を実現する場合もある。
当社では上場満期固定証券と非上場満期固定証券について別々のモニタリング手続を維持し、特に監視と管理
が必要とされる証券については監視リストを作成する。私募債については、当社の信用及びポートフォリオ管理
プロセスにより、評価及び運用の慎重な管理を確保している。新規の投資については、「抑制と均衡」を確立す
るための価格設定及び承認プロセスを別途設けている。当社はすべての取引について、かかる取引が内部のス
タッフを通じてオリジネートしたものか、あるいは代理人を通じてオリジネートしたものかに関わらず、信用分
析と適正評価に係る一貫した基準を適用する。地域の支店は各地域におけるポートフォリオを厳密に監視してい
る。すべての評価基準は本店で決定し、すべての投資の公正価値を四半期ごとに評価している。当社の上場及び
非上場満期固定証券投資マネージャーは、保有するすべての上場及び非上場満期固定証券を、四半期ごとに、又
は格下げ、予期せぬ価格変動及び/又は企業若しくは業界特有の問題等による信用悪化の可能性を特定するため
に必要な場合はより頻繁に、正式に見直す。
持分法を用いて会計処理されるLPs/LLCsについては、これら投資の価値の下落が一時的ではないと判断された
場合には、帳簿価額は、公正価値まで評価減又は減損される。当社のOTTI方針に関する詳細については、連結財
務書類の注記2を参照のこと。
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リテール関連投資
2018年12月31日現在、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)は、約140億ドルのリテール関連投資を有し
ており、これは主に、60億ドルの満期固定法人証券(うち88%が投資適格であった。)、加重平均ローントゥバ
リュー比率が約51%であり、また加重平均債務返済比率が2.45倍である70億ドルの商業モーゲージ貸付、並びに
10億ドルの直接保有の不動産及び不動産関連のLPs/LLCsで構成されている。
また、当社は約90億ドルの商業モーゲージ証券を有していたが、うち約84%及び16%がそれぞれAAA(スー
パーシニア)及びAAに格付けされ、多様な担保プールで構成されていた。担保プールのうち約30%は、リテール
関連投資から成り、リテール関連投資のみが担保となっているプールはなかった。商業モーゲージ証券に関する
詳細は、下記の「満期固定証券-満期固定証券の信用度」の項を参照のこと。
PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)の一般勘定投資
以下の項では、クローズド・ブロック部門で保有する投資を除く当社の投資ポートフォリオの詳細について記
載する。当社は、クローズド・ブロック部門を除く当社の投資ポートフォリオの構成の詳細は、プルデンシャ
ル・ファイナンシャル・インクへの投資家に関連する当社の業務を理解する上で最も関連性が高いと考えてい
る。というのも、実質的にすべてのクローズド・ブロック部門の資産は、クローズド・ブロックの保険契約のみ
に関連する債務及び負債に対応しているからである。クローズド・ブロックに関する詳細については、連結財務
書類の注記14を参照のこと。
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満期固定証券
以下の項では、経験料率契約者保険負債に対応する資産として分類される満期固定証券及び売買目的として分
類される満期固定証券を除く当社の満期固定証券ポートフォリオについて詳述する。
契約満期日別満期固定証券
下表は、記載された日付現在における満期固定証券ポートフォリオの償却原価の明細を、契約満期別にまとめ
たものである。
2018 年 12月31日
償却原価 構成比
(単位:百万ドル) ( %)
法人証券及び国債
満期:2019年 7,540 2.6
満期:2020年 12,378 4.2
満期:2021年 11,672 4.0
満期:2022年 10,316 3.5
満期:2023年 12,705 4.3
満期:2024年 11,805 4.0
満期:2025年 11,871 4.0
満期:2026年 12,125 4.1
満期:2027年 13,044 4.4
満期:2028年 10,576 3.6
満期:2029年 7,423 2.5
151,693 51.4
満期:2030年以降
法人証券及び国債合計
273,148 92.6
資産担保証券 9,803 3.3
商業モーゲージ証券 8,953 3.0
3,205 1.1
住宅ローン担保証券
295,109 100.0
満期固定証券合計
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業種カテゴリー別満期固定証券と未実現利益・損失
下表は、それぞれの日付におけるPFI(クローズド・ブロック部門を除く。)に帰属する当社満期固定証券
ポートフォリオの一部の構成を、関連する未実現利益及び損失の総額とともに、業種別にまとめたものである。
2018 年 12月31日 2017 年 12月31日
未実現 未実現 未実現 未実現
償却原価 利益総額 損失総額 公正価値 償却原価 利益総額 損失総額 公正価値
業種(注1) ( 注2) ( 注2) ( 注2) ( 注2)
(単位:百万ドル)
法人証券:
金融 29,831 726 724 29,833 25,906 1,646 84 27,468
消費財(非景気循
24,136 1,172 748 24,560 24,812 2,359 140 27,031
環型)
公共事業 22,179 1,073 624 22,628 22,265 2,196 118 24,343
資本財 11,623 561 386 11,798 11,232 1,076 52 12,256
消費財(景気循環
11,001 429 330 11,100 11,011 972 77 11,906
型)
外国機関 5,946 785 91 6,640 5,619 996 17 6,598
エネルギー 11,753 524 553 11,724 10,621 998 137 11,482
コミュニケーショ
6,163 455 234 6,384 6,266 782 77 6,971
ン
基幹産業 5,431 238 158 5,511 6,061 590 37 6,614
運輸 8,633 428 225 8,836 8,179 777 28 8,928
技術 3,855 155 99 3,911 4,373 318 33 4,658
3,764 151 154 3,761 3,866 348 23 4,191
その他の産業
法人証券合計
144,315 6,697 4,326 146,686 140,211 13,058 823 152,446
外国政府(注3) 97,087 16,942 301 113,728 88,539 15,848 291 104,096
住宅ローン担保証券
3,205 120 31 3,294 3,801 191 10 3,982
(注4)
資産担保証券 9,803 122 62 9,863 8,389 214 7 8,596
商業モーゲージ証券 8,953 87 86 8,954 8,850 188 64 8,974
米国政府 22,290 2,563 569 24,284 16,591 3,005 306 19,290
9,456 607 63 10,000 8,945 1,016 6 9,955
州及び地方自治体
295,109 27,138 5,438 316,809 275,326 33,520 1,507 307,339
合計(注5)
(注1) 投資データは、米国内保有上場証券については標準的な業種分類に基づき、その他一切の保有証券については類似
した業種別分類方法に基づき分類した。
(注2) 満期保有目的用として分類される証券は、2018年12月31日現在は未実現利益総額359百万ドル、未実現損失総額1
百万ドル未満を含み、これに対し2017年12月31日現在は未実現利益総額381百万ドル、未実現損失総額1百万ドル
未満を含む。
(注3) 2018年及び2017年の各年12月31日現在、償却原価に基づき、それぞれ76%及び75%は当社の日本における保険事業
が保有する日本国債である。その他の国でいずれも残高の11%を超えるものはない。
(注4) 2018年及び2017年の各年12月31日現在、償却原価に基づき、いずれも99%がA以上の格付を有している。
(注5) 上表には、その他事業体及び事業の一般勘定以外で保有されている証券は含まれていない。一般勘定以外で保有さ
れている投資の詳細については、下記の「その他事業体及び事業の投資資産」の項を参照のこと。
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2017年12月31日から2018年12月31日までの未実現利益純額の減少は、主に米国における金利の上昇及び信用ス
プレッドの拡大によるものであった。
満期固定証券の信用度
全米保険監督官協会(「NAIC」)の有価証券評価事務局(「SVO」)では、法定報告を行う目的から、保険業者
の投資内容の評価を行っており、満期固定証券については「NAIC分類」という6段階の評価を行っている。一般
的にNAIC分類「1」(最優良)、「2」(優良)には投資適格とみなされる満期固定証券が含まれるが、これに
は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(「ムーディーズ」)でBaa3以上、スタンダード・ア
ンド・プアーズ・レーティング・サービシズ(「S&P」)でBBB-以上の証券が含まれる。NAIC分類「3」から
「6」には一般的に、投資不適格とされる満期固定証券が含まれ、これには、ムーディーズでBa1以下、S&Pで
BB+以下の証券が含まれる。商業モーゲージ証券及びサブプライム・ローンを担保とする当社の資産担保証券を
含む民間機関住宅ローン担保証券のNAIC分類は、(NAICが委託する)独立した第三者によるモデルに基づく証券
レベルの推定損失額及び当該証券の法定帳簿価格(以前に認識された一切の仕入割引又は減損費用を含む。)に
基づく。
投資のための資金調達、法的書類の完成、SVO書類作成・提出過程にタイムラグがあるため、満期固定証券
ポートフォリオには、各貸借対照表日付時点でSVOによって分類がなされていない一定の証券も含まれることに
なる。SVO分類を受領できるまでは、NAIC分類によるこれら証券の分類は社内分析によってなされる予測格付に
基づくことになる。
当社の国際保険会社の投資はNAICガイドラインの対象外である。当社の日本における保険事業の投資は、日本
政府の省庁の一つである金融庁(「FSA」)による国内規制の対象となっている。金融庁には独自の投資品質基
準やリスクコントロール基準がある。当社の日本法人保険会社は金融庁の信用度調査やリスク監視指導に従って
営業している。当社の日本法人保険会社における投資の信用格付は、ムーディーズ及びS&Pを含む米国内でも定
評ある格付機関による格付又は日本の格付機関による格付に基づく類似格付に基づいている。
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下表は、それぞれの日付におけるPFI(クローズド・ブロック部門を除く。)に帰属する満期固定証券ポート
フォリオをNAIC分類又は類似の格付別にまとめたものである。
2018 年 12月31日 2017 年 12月31日
未実現 未実現
未実現 未実現
損失 損失
NAIC 分類
利益 利益
償却原価 総額 公正価値 償却原価 総額 公正価値
( 注1) (注2)
総額 総額
( 注3) ( 注3)
( 注3) ( 注3)
( 注4) ( 注4)
(単位:百万ドル)
1 222,290 24,138 2,568 243,860 207,791 27,550 925 234,416
55,768 2,267 1,999 56,036 50,751 4,560 335 54,976
2
優良又は最優良証券
278,058 26,405 4,567 299,896 258,542 32,110 1,260 289,392
小計(注5)
3 10,149 330 408 10,071 10,201 670 79 10,792
4 5,254 291 368 5,177 4,681 501 105 5,077
5 1,395 99 77 1,417 1,666 225 57 1,834
253 13 18 248 236 14 6 244
6
その他の証券小計
17,051 733 871 16,913 16,784 1,410 247 17,947
(注6)(注7)
満期固定証券
295,109 27,138 5,438 316,809 275,326 33,520 1,507 307,339
合計
(注1) 国際保険事業の投資に対する類似の格付を反映する。
(注2) SVO格付受領前のためNAIC分類の予測によって分類した証券としては、2018年及び2017年の各年12月31日現在でそ
れぞれ、1,744件、償却原価9,079百万ドル(公正価値9,135百万ドル)及び982件、償却原価6,022百万ドル(公正
価値6,217百万ドル)を含む。
(注3) 満期保有目的に分類される証券については、2018年12月31日現在は359百万ドルの未実現利益総額及び1百万ドル
未満の未実現損失総額を含み、これに対して2017年12月31日現在は381百万ドルの未実現利益総額及び1百万ドル
未満の未実現損失総額を含む。
(注4) 2018年12月31日現在は優良又は最優良以外の上場満期固定証券及び非上場満期固定証券による591百万ドル及び280
百万ドルの未実現損失総額を含んでおり、2017年12月31日現在は優良又は最優良以外の上場満期固定証券及び非上
場満期固定証券による156百万ドル及び91百万ドルの未実現損失総額を含む。
(注5) 償却原価法ベースで、2018年12月31日現在は238,824百万ドルの上場満期固定証券及び39,234百万ドルの非上場満
期固定証券を含んでおり、2017年12月31日現在は222,763百万ドルの上場満期固定証券及び35,779百万ドルの非上
場満期固定証券を含む。
(注6) 償却原価法ベースで、2018年12月31日現在は10,588百万ドルの上場満期固定証券及び6,463百万ドルの非上場満期
固定証券を含んでおり、2017年12月31日現在は9,975百万ドルの上場満期固定証券及び6,809百万ドルの非上場満期
固定証券を含む。
(注7) 償却原価法ベースで、2018年12月31日現在、外部格付機関による最も低い格付に基づき投資不適格とされた証券は
総額19,154百万ドル(満期固定証券合計の約6%)であり、これには上記の基準に基づきNAICが優良又は最優良と
した証券が含まれる。
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資産担保証券及び商業モーゲージ証券
下表は、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)に帰属する当社の売却可能満期固定証券ポートフォリオ
内の資産担保証券及び商業モーゲージ証券に関する情報をまとめたものである。
2018 年 12月31日 2017 年 12月31日
資産担保証券 商業モーゲージ証券 資産担保証券 商業モーゲージ証券
( 注2) ( 注3) ( 注2) ( 注3)
格付機関による
最も低い格付け 償却原価 公正価値 償却原価 公正価値 償却原価 公正価値 償却原価 公正価値
( 注1)
(単位:百万ドル)
AAA 9,188 9,151 7,523 7,528 7,613 7,686 8,002 8,125
AA 405 430 1,415 1,410 419 442 816 818
A 30 36 6 7 40 46 23 22
BBB 15 15 9 9 42 43 9 9
165 231 0 0 275 379 0 0
BB以下
9,803 9,863 8,953 8,954 8,389 8,596 8,850 8,974
合計(注4)
(注1) 上表は、S&P、ムーディーズ、フィッチ・レーティングス・インク(「フィッチ」)及びモーニングスターを含
む、米国内でも定評ある格付機関による2018年12月31日現在の格付を表示している。
(注2) ローン担保証券、サブプライム・ローン、自動車ローン、クレジットカード債権、教育ローン及びその他の種類の
資産を担保とするクレジットトランシェ証券を含む。
(注3) 2018年及び2017年の各年12月31日現在、償却原価に基づき、それぞれ96%及び95%が2013年以降に発行された証券
であった。
(注4) 「経験料率契約者保険負債に対応する資産」及び「満期固定証券、売買目的有価証券」として分類される満期固定
証券並びにその他事業体及び事業の一般勘定以外で保有されている証券を除く。
上記「資産担保証券」に含まれるものとしては、ローン担保証券(「CLO」)への投資がある。
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下表は、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)に帰属する当社の売却可能満期固定証券ポートフォリオ
内のCLOへの投資に関する情報をまとめたものである。
2018 年 12月31日 2017 年 12月31日
ローン担保証券
格付機関による
最も低い格付け 償却原価 公正価値 償却原価 公正価値
( 注1)
(単位:百万ドル)
AAA 7,355 7,318 6,609 6,679
AA 0 0 0 0
A 0 0 0 0
BBB 0 0 0 0
0 0 0 0
BB以下
7,355 7,318 6,609 6,679
合計(注2)
(注1) 上表は、S&P、ムーディーズ、フィッチ及びモーニングスターを含む、米国内でも定評ある格付機関による2018年
12月31日現在の格付を表示している。
(注2) 「経験料率契約者保険負債に対応する資産」及び「満期固定証券、売買目的有価証券」として分類される満期固定
証券並びにその他事業体及び事業の一般勘定以外で保有されている証券を除く。
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経験料率契約者保険負債に対応する資産
「経験料率契約者保険負債に対応する資産」の内訳は、連結財務書類の注記3を参照のこと。
商業モーゲージ及びその他貸付
投資ミックス
下表は、それぞれの日付における、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)に帰属する商業モーゲージ及
びその他貸付のポートフォリオ構成をまとめたものである。
2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
(単位:百万ドル)
商業モーゲージ及び農業不動産貸付 49,524 45,623
無担保貸付 658 661
住宅不動産担保貸付 158 196
17 5
その他の担保付貸付
帳簿上の投資額合計(引当金を含む。)(注1)
50,357 46,485
(106) (91)
貸倒引当金
商業モーゲージ及びその他貸付(純額)合計
50,251 46,394
(注2)
(注1) 引当金を含めて計上された投資額の占める割合として、2018年12月31日及び2017年12月31日現在のいずれにおいて
も、当該資産の99%超が流動資産であった。
(注2) その他事業体及び事業の一般勘定外で保有される商業モーゲージ及びその他貸付は、上表から除外されている。一
般勘定外で保有されている商業モーゲージ及びその他貸付に関する詳細については、下記の「その他事業体及び事
業の投資資産」の項を参照のこと。
当社は、専門の投資スタッフを利用し、当社の米国における多様な地域オフィス並びに主にロンドン及び東京
における国外のオフィスを通じて、商業モーゲージ及び農業不動産貸付を組成する。すべての貸付は、当社の不
動産及びモーゲージ貸付における経験に基づき開発された独自の質的格付システムを用いた基準に従って引き受
けられる。
無担保貸付は主に、権威ある会計指針に基づく証券の定義に合致しない、法人向け貸付から成る。
住宅不動産担保貸付には、主に日本におけるリコース・ローンが含まれる。これらのリコース・ローンが貸倒
となった場合、当社は、抵当財産に加え不動産所有者の動産に対しても債権を主張することができる。また、こ
れらの貸付は、第三者の保証人によっても保証されている。
その他の担保付貸付には、消費者ローンが含まれている。
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商業モーゲージ及び農業不動産貸付の構成
当社の商業モーゲージ及び農業不動産貸付ポートフォリオ戦略では、資産の種類及び立地の多様性を重視して
いる。下表は、それぞれの日付について、地域と資産の種類別に、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)
に帰属する商業モーゲージ及び農業不動産貸付の総繰越価額の内訳を表したものである。
2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
総繰越 構成比 総繰越 構成比
価額 ( %) 価額 ( %)
( 単位:百万ドル)
地域別商業モーゲージ及び
農業不動産貸付:
米国地域(注1):
太平洋地域 16,553 33.4 14,965 32.8
南大西洋地域 8,633 17.4 8,666 19.0
中部大西洋地域 6,088 12.3 5,776 12.7
東北中部地域 2,813 5.7 2,440 5.3
西南中部地域 5,044 10.2 4,671 10.2
山岳地域 2,508 5.0 2,027 4.5
ニューイングランド地域 1,879 3.8 1,774 3.9
西北中部地域 476 1.0 641 1.4
595 1.2 612 1.3
東南中部地域
米国地域-小計
44,589 90.0 41,572 91.1
欧州 3,077 6.2 2,528 5.5
アジア地域 733 1.5 619 1.4
1,125 2.3 904 2.0
その他
商業モーゲージ及び農業不動産貸付
49,524 100.0 45,623 100.0
合計
(注1) アメリカ合衆国国勢調査局によって定義された地域をいう。
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2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
総繰越 構成比 総繰越 構成比
価額 ( %) 価額 ( %)
( 単位:百万ドル)
資産別商業モーゲージ及び
農業不動産貸付:
工業用建造物 10,490 21.2 8,444 18.5
小売店舗 6,693 13.5 6,595 14.5
オフィス 10,971 22.1 10,020 22.0
アパート/集合住宅 13,818 27.9 12,993 28.5
その他 3,255 6.6 3,336 7.3
農業不動産 2,710 5.5 2,526 5.5
1,587 3.2 1,709 3.7
ホスピタリティ
商業モーゲージ及び農業不動産貸付
49,524 100.0 45,623 100.0
合計
ローントゥバリュー・レシオ及びデット・サービス・カバレッジ・レシオは一般的に、商業モーゲージ及び農
業不動産貸付の質を評価するために使用される基準である。ローントゥバリュー・レシオは、ローンを担保する
原資産の公正価値と、借入金の金額を比較したものであり、一般的にパーセンテージで表示される。ローントゥ
バリュー・レシオが100%未満の場合は、担保価値が借入金の金額を上回っていることが示唆される。ローン
トゥバリュー・レシオが100%を超えている場合、借入金の金額が担保価値を上回っていることが示唆される。
デット・サービス・カバレッジ・レシオは、資産の純営業利益と、債務元利返済金を比較したものである。デッ
ト・サービス・カバレッジ・レシオが1.0倍未満の場合、資産の運営が現行の債務支払額をカバーするのに十分
な利益を生み出していないことを示唆する。デット・サービス・カバレッジ・レシオが1.0倍超の場合、純営業
利益が債務支払額を上回っていることが示唆される。
2018年12月31日現在、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)に帰属する商業モーゲージ及び農業不動産
貸付の加重平均デット・サービス・カバレッジ・レシオは2.42倍であり、加重平均ローントゥバリュー・レシオ
は56%であった。2018年12月31日現在、商業モーゲージ及び農業不動産貸付の97%が固定金利貸付であった。
2018年度に組成された、これらの商業モーゲージ及び農業不動産貸付について、加重平均デット・サービス・カ
バレッジ・レシオは2.39倍、加重平均ローントゥバリュー・レシオは64%であった。
これらのローントゥバリュー・レシオの計算において使用される数値は、当社の商業モーゲージ及び農業不動
産貸付ポートフォリオの定期的なレビューの一環として計算されたものであり、これには担保価値の社内評価が
含まれる。当社の定期的なレビューには、品質状況の再格付プロセスも含まれており、当社は、当該プロセスに
より、上記の独自の質的格付システムに基づく引受の社内評価を更新している。以下に述べるとおり、社内の質
的格付は、当社が貸倒引当金を決定する上で、重要な指標となっている。
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建設中、改装中又はリースアップ中の担保が付されたローンについては、安定価格及び予想される純営業収益
を利用してローントゥバリュー及びデット・サービス・カバレッジ・レシオを計算する。当社の商業モーゲージ
及び農業不動産貸付ポートフォリオには、2018年12月31日及び2017年12月31日現在、当該ローンがそれぞれ7億
ドルと約10億ドル含まれていた。その他の条件が同じ場合、これらのローンは既に安定している資産を担保とす
るローンよりも潜在的にリスクが高い。2018年12月31日現在、当該ローンに関連する個別引当金はなかった。ま
た、かかる不安定なローンは、以下に述べる当社のポートフォリオ引当金の計算に含まれている。
下表は、それぞれの日付における、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)に帰属する商業モーゲージ及
び農業不動産貸付の総繰越価額を、ローントゥバリュー及びデット・サービス・カバレッジ・レシオ別にとりま
とめたものである。
2018 年12月31日現在
デット・サービス・カバレッジ・レシオ
商業
モーゲージ
1.0 倍-
及び農業
1.2 倍以上 1.0 倍未満
1.2 倍未満
不動産貸付
合計
ローントゥバリュー・レシオ
(単位:百万ドル)
0% - 59.99%
26,977 607 195 27,779
60% - 69.99%
14,260 543 0 14,803
70% - 79.99%
5,850 621 31 6,502
317 113 10 440
80%以上
商業モーゲージ及び農業不動産貸付合
47,404 1,884 236 49,524
計
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下表は、それぞれの日付における、PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)に帰属する商業モーゲージ及
び農業不動産貸付の内訳を組成年別にとりまとめたものである。
2018 年12月31日現在
総繰越 構成比
組成年
価額 ( %)
( 単位:百万ドル)
2018年 8,989 18.2
2017年 7,958 16.1
2016年 7,028 14.2
2015年 6,750 13.6
2014年 5,998 12.1
2013年 5,558 11.2
2012年 3,009 6.1
4,234 8.5
2011年以前
49,524 100.0
商業モーゲージ及び農業不動産貸付合計
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契約満期日別商業モーゲージ貸付及びその他貸付
下表は、それぞれの日付における、当社の商業モーゲージ貸付及びその他貸付ポートフォリオの構成を、契約
満期別にとりまとめたものである。
2018 年12月31日現在
総繰越 構成比
ビンテージ
価額 ( %)
( 単位:百万ドル)
2019年に契約期間満了 1,415 2.8
2020年に契約期間満了 3,414 6.8
2021年に契約期間満了 3,584 7.1
2022年に契約期間満了 3,623 7.2
2023年に契約期間満了 3,836 7.6
2024年に契約期間満了 4,909 9.7
2025年に契約期間満了 6,375 12.7
2026年に契約期間満了 4,323 8.6
2027年に契約期間満了 4,394 8.7
2028年に契約期間満了 5,016 10.0
2029年に契約期間満了 1,905 3.8
7,563 15.0
2030年以降に契約期間満了
50,357 100.0
商業モーゲージ貸付及びその他貸付合計
商業モーゲージ及びその他貸付の質
商業モーゲージ及びその他貸付のポートフォリオは継続的にレビューされている。一定の条件が満たされる場
合、ローンは、以下の「監視リスト」のいずれかに分類される。
( 1) 「要注意債権」:ローンの評価基準が許容されるレベルを下回った場合に借主が非協力的である若しくは
重大な変更を要求する、又はポートフォリオ・マネジャーが分類の変更を指示するといった各種の検討
事項が含まれる。
(2) 「不良債権」:不履行状態にあるローン又は 差し押さえられている、若しくは借主が破産している等、元
金喪失の可能性が高いローンが含まれる。
当社の債務整理及びサービシングの専門家が監視リスト上のローンの管理にあたっている。
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当社は、貸付手続に潜在的に存在する貸倒損失のリスクに備えるための貸倒引当金を設定している。当該引当
金には、ローン審査過程で不良債権と判定されたローンに対する個別引当金、及び発生する可能性はあるが明確
には認識されていない、監視リスト上にないローンに係る損失に対するポートフォリオ引当金も含まれている。
当社は、不良債権をローン契約条件に従って支払われるべき金額の回収が困難であると判断するローンと定義し
ている。ローンに特化した貸倒引当金は、ローン元利金の最終的な回収可能性についての当社の評価に基づいて
いる。不良債権に対する貸倒引当金は、ローンの実効金利で、又は担保がある場合は担保の公正価値で割り引い
た将来の予測キャッシュ・フローの現在価値に基づいて計上される。既に発生しているが、具体的に認識されて
いない損失のためのポートフォリオ引当金は、上記の社内の質的格付に基づく現在のポートフォリオの与信構成
を考慮する。ポートフォリオ引当金は、過去のローン実績(過去の信用の推移、損失の可能性及び資産タイプ別
の損失の重度係数を含む。)を用いて決定される。当該各考慮要素については、適宜、見直し及び更新が行われ
る。商業モーゲージ及びその他貸付の貸倒引当金は、上記の要素により随時増減する可能性がある。
下表は、それぞれの日付における、当社の商業モーゲージ及びその他貸付ポートフォリオの貸倒引当金の変動
をとりまとめたものである。
2018年12月31日現在 2017年12月31日現在
( 単位:百万ドル)
期首準備金 91 90
貸倒引当金の追加(取崩し) 15 1
貸倒償却額(回収分差引後) 0 0
0 0
外貨換算差額
106 91
期末準備金
個別引当金
11 5
ポートフォリオ引当金 95 86
2018年12月31日現在の貸倒引当金は、主にポートフォリオ内の特定のローンの信用度の悪化に伴う個別引当金
の追加によって2017年12月31日現在から増加した。
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株式
PFI(クローズド・ブロック部門を除く。)に帰属する株式の主な構成要素は、上場会社の普通株式及び優先
株式、並びにミューチュアル・ファンド持分への投資である。下表は、それぞれの日付における、株式ポート
フォリオと関連する未実現損益総額の内訳を表したものである。
2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
未実現 未実現 未実現 未実現
コスト 公正価値 コスト 公正価値
利益総額 損失総額 利益総額 損失総額
(単位:百万ドル)
ミューチュアル・ファ
769 87 13 843 778 157 0 935
ンド
その他の普通株式 2,353 751 118 2,986 2,215 1,145 30 3,330
24 0 ▶ 20 11 1 1 11
非償還優先株式
株式、公正価値
3,146 838 135 3,849 3,004 1,303 31 4,276
(注1)(注2)
(注1) 「その他投資資産」において報告されている、プライベート・エクイティ及びヘッジ・ファンドへの投資並びにそ
の他の投資は、表示されている数値には含まれていない。
(注2) 過年度の金額は、当年度の表示に合わせて組替表示されている。さらなる情報については、連結財務書類の注記2
を参照のこと。
2018年12月31日現在、期末においても維持され、「その他収益(損失)」において計上されるPFI(クローズ
ド・ブロック部門を除く。)に帰属する株式の未実現利益(損失)の変動(純額)は、-569百万ドルであった。
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その他投資資産
下表は、それぞれの日付現在のPFI(クローズド・ブロック部門を除く。)に帰属する「その他投資資産」の
内訳を示したものである。
2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
(単位:百万ドル)
LPs/LLCs:
持分法:
プライベート・エクイティ 2,318 2,067
ヘッジ・ファンド 836 400
544 268
不動産関連
持分法小計
3,698 2,735
公正価値:
プライベート・エクイティ 938 731
ヘッジ・ファンド 1,256 1,361
44 63
不動産関連
公正価値小計(注1)
2,238 2,155
LPs/LLCs合計 5,936 4,890
直接保有不動産(注2) 1,777 1,875
デリバティブ金融商品 42 113
652 632
その他(注3)
8,407 7,510
その他投資資産合計(注4)
(注1) 2017年12月31日現在、794百万ドルが原価法を用いて会計処理された。
(注2) 2018年12月31日及び2017年12月31日現在、直接保有不動産について、それぞれ776百万ドル及び799百万ドルのモー
ゲージ債務が設定されていた。
(注3) 主にレバレッジド・リース並びにニューヨーク及びボストンの連邦住宅貸付銀行のメンバー株式及び活動基準での
株式を含む。当社がニューヨーク及びボストンの連邦住宅貸付銀行において保有する株式に関する詳細は、連結財
務書類の注記16を参照のこと。
(注4) 過年度の金額は、当年度の表示に合わせて組替表示されている。詳細については、連結財務書類の注記2を参照の
こと。
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その他事業体及び事業の投資資産
下記の「その他事業体及び事業の投資資産」は、一般勘定外で保有されている投資を含んでおり、主に当社の
投資管理事業及びデリバティブ事業に関連する投資資産を表している。当社のデリバティブ事業は、主に金利、
為替、信用及びエクイティに対するエクスポージャーを管理する目的において関連会社のために活動する。当社
の投資管理事業が第三者のために運用する資産、及び当社の貸借対照表上「分離勘定資産」に分類される資産は
含まれていない。
2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
(単位:百万ドル)
満期固定証券:
売却可能な上場証券、公正価値(注1) 473 608
売却可能な非上場証券、公正価値 1 1
満期固定証券、売買目的有価証券、公正価値(注1) 1,155 1,718
株式、公正価値 605 574
商業モーゲージ及びその他貸付、帳簿価額(注2) 797 634
その他投資資産(注1) 2,803 2,704
43 66
短期投資
5,877 6,305
投資合計(注3)
(注1) 2018年12月31日及び2017年12月31日現在、残高には、公正価値がそれぞれ408百万ドルと563百万ドルのローン担保
証券に対する投資が含まれている。
(注2) 帳簿価額は通常、未払いの元本残高から貸倒引当金、又は公正価値オプションが選択された場合は公正価値を控除
した金額に基づいている。
(注3) 過年度の金額は、当年度の表示に合わせて組替表示されている。詳細については、連結財務書類の注記2を参照の
こと。
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満期固定証券、売買目的有価証券
「満期固定証券、売買目的有価証券、公正価値」は、主に当社が運用会社を務める連結変動持分事業体に関連
する資産に関するものである。連結変動持分事業体の資産は、通常、公正価値オプションが選択された負債によ
り相殺される。連結変動持分事業体の詳細は、連結財務書類の注記4を参照のこと。
商業モーゲージ及びその他貸付
当社の投資管理事業には、商業モーゲージ貸付事業が含まれており、当該貸付事業は、当社の一般勘定、機関
投資家顧客、連邦住宅局及び政府系金融機関(ファニーメイ、フレディマック等)に対しモーゲージ組成、投資
管理及びサービシングを行っている。
当社の商業モーゲージ事業によるこれらのモーゲージ貸付は、「商業モーゲージ及びその他貸付」に含まれて
おり、当社の商業モーゲージ事業に関連するデリバティブ及びその他のヘッジ商品は、主に「その他投資資産」
に含まれている。
その他投資資産
その他投資資産には主に、金利、為替、信用及びエクイティに対するエクスポージャーを管理するために使用
されるデリバティブ事業の資産が含まれる。
さらに、その他投資資産には、投資管理事業の一環として行われる戦略的投資が含まれている。当社は、不動
産並びに債務証券、上場株式及び不動産証券(支配持分を含む。)に対して戦略的投資を行っている。当該投資
の一部は、当社のマネージド・ファンド及び仕組商品への共同投資目的で行われている。その他の戦略的投資
は、投資家への売却又はシンジケーション目的(一般勘定を含む。)あるいは当社が提供・運用するファンド及
び仕組商品に対するプレースメント目的のシード投資で行われている。投資管理事業の一環として、当社は、投
資家からのエクイティ・コミットメント及びファンドの資産により担保されている当社のマネージド・ファンド
に対しても融資を行っている。その他投資資産には、当社が管理しているものとみなされる連結投資ファンドに
おける特定の資産も含まれる。
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流動性及び資本資源
概観
流動性とは、当社が支払債務を履行する上で十分な現金資源を創出する能力をいう。資本とは、当社の事業の
運営を支え、事業成長のための資金を供給し、逆境に対処するための緩衝材として提供可能な長期的な金融資産
をいう。十分な流動性及び資本を創出及び維持する当社の能力は、当社の事業の収益性、全般的な経済状況、並
びに当社の資本市場及び本書に記載する流動性及び資本のその他の源へのアクセスに依存している。
効果的かつ慎重な流動性及び資本の管理は、組織全体の優先事項である。経営陣は、プルデンシャル・ファイ
ナンシャル及びその子会社の流動性を日常的に監視し、定期的な計画過程において、複数年の期間にわたる借入
金及び資金需要を予測する。当社は、当社が利用することのできる資金源からのキャッシュ・フローが、プルデ
ンシャル・ファイナンシャル及びその子会社の現在の流動性の需要(合理的に予測可能なストレス・シナリオに
おける流動性の需要を含む。)を充足する上で十分なものであると考えている。当社は、資本の分配及び資本の
使途に関する承認について定める資本管理のための枠組みを採用している。さらに、当社は、様々なストレス・
シナリオにおける保険子会社の連結ベースでの適切な資本構成を維持するために資本資源の利用可能性を担保す
るべく「資本保護の枠組み」を採用している。
当社の事業は、国内外の規制当局による包括的な規制と監督の対象となっている。当該規制には、現在、資
本、レバレッジ、流動性、ストレス・テスト、リスク管理全般、信用エクスポージャー報告及び信用集中に関す
る要件及び制限(その多くについては、現在も規則の制定作業が行われている。)が含まれている又は将来にお
いて含まれる可能性がある。当該規制上のイニシアチブ及び当社が被る潜在的な影響の詳細については、第一部
「第2 企業の概況」「3 事業の内容」の「規制」の項を参照のこと。
2018年度において、当社は、以下の重要な措置を講じ、これに伴い当社の流動性及び資本のポジションが影響
を受けた。
・15億ドルの普通株式を買い戻し、総額15億ドルの普通株式配当金を宣言した。
・16億ドルの下位劣後債及び10億ドルのミディアム・ターム・ノートを発行し、その手取金は企業運営一般
(2018年において満期を迎えるミディアム・ターム・ノートの借換えが含まれる。)に利用される。
・600百万ドル、金利8.875%、2068年満期の変動金利型下位劣後債を償還した。
・16億ドルの新規のキャプティブ・ファイナンシング・ファシリティを締結することにより、レギュレーショ
ンXXX準備金のための追加の資金調達源を獲得した。2018年12月31日現在、そのうち550百万ドルが借り入れ
られている。
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・既存のキャプティブ・ファイナンシング・ファシリティを10億ドル拡大して総額20億ドルとすることによ
り、ガイドラインAXXX準備金のための追加の資金調達源を獲得した。2018年12月31日現在、そのうちの
1,466百万ドルが借り入れられている。
・毎年更新型の長期再保険契約を締結し、これにより、団体保険セグメントにおいて保有を義務づけられるリ
スクベース資本が減少した。
資本
当社の資本管理の枠組みは、主としてリスクベース資本(「RBC」)及びソルベンシー・マージンに関する法
定基準に基づくものである。当社の多様な事業構成及び当社に適用される規制上の要件に鑑み、当社は、当社全
体の事業に関するリスクをより適切に一貫性のある形で反映するよう、当該枠組みの一定の強化を行った。
当社は、全子会社及び全事業に対する資本投下をそれぞれの信用格付目標に従って実施することを目指してお
り、プルデンシャル・ファイナンシャルの資本構成及び財務レバレッジの利用は、それらの格付目標と一致して
いると考えている。プルデンシャル・ファイナンシャルの長期優先債格付目標は、S&P、ムーディーズ、及び
フィッチについては「A」、AMベスト・カンパニー(「AMベスト」)については「a」である。当社の生命保険会
社の財務力格付目標は、S&P、ムーディーズ及びフィッチについては、それぞれ「AA/Aa/AA」であり、AMベスト
については「A+」である。一部の事業体は、現在、当該格付目標を下回っている可能性があるが、すべての生命
保険会社が上記の各格付機関によって格付けされているわけではない。格付低下による潜在的影響に関する考察
については、下記の「格付」の項を参照のこと。
資本管理
当社の資本管理の枠組みは、最終的には、当社取締役会による検討と承認を受ける。取締役会は、資本方針を
採用し、これに基づき、当社の取締役会会長、最高経営責任者及び取締役会副会長は、当社に代わって特定の資
本活動を承認する権限を有しており、また、資本活動に関する権限を適切な役員に再委任する権限も有してい
る。資本方針に基づき上級経営陣に付与された権限の範疇を超える資本コミットメントについては、取締役会が
別途これを承認する。
さらに、当社の資本・財務委員会(「CFC」)は、当社の戦略的目標、格付目標並びにその他の目標及び目的
と一致する形での資本の効果的な利用を促進するため、一定の上限額を超えた資本の使途及び配分を検討する。
当該経営委員会は、資本の使用が必要となる特定のイニシアチブ又は取引(M&Aを含む。)について多岐にわた
るデュー・ディリジェンスを行う。CFCは、当社の年間資本計画(及び当該計画のアップデート)、並びに当社
の資本、流動性及び財務ポジション、借入計画及びその関連事項について、取締役会との当該事項に関する協議
に先立ち、評価を行っている。
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資本構成
当社の資本構成は、主に株式及び発行済キャピタル・デット(下位劣後債を含む。)から成る。下表に示すと
おり、2018年12月31日現在、当社は、511億ドルの資本を有しており、その全額が各部門並びに全社及びその他
業務部門におけるすべての資金需要に対応するために利用可能であった。当社によるそれらの事業及び業務の評
価に鑑みて、当社は、当該資本レベルが当社の格付目標と合致するものであると考えている。
2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
(単位:百万ドル)
エクイティ(注1、2) 37,711 37,162
下位劣後債(ハイブリッド証券を含む。) 7,568 6,622
5,793 5,402
その他のキャピタル・デット
51,072 49,186
資本合計
(注1) プルデンシャル・ファイナンシャルに帰属する金額(その他の包括利益累計額を除く。)。
(注2) 過年度の数値は、当期の表示に合わせて再表示されている。詳細については、連結財務書類の注記1及び注記2を
参照のこと。
保険規制目的上の自己資本
当社は、プルデンシャル・インシュアランス、プルデンシャル生命保険株式会社(「プルデンシャル生
命」)、ジブラルタ生命及びその他の重要な保険子会社の規制目的上の自己資本を、当社の「AA」の格付目標と
一致するレベルで管理している。当社は、当社の米国内保険子会社の適正資本量の主要な指標として、RBC率
を、日本の保険子会社の適正資本量の主要な指標としてソルベンシー・マージン比率を使用している。
RBCは、法定の財務書類及びNAICの慣行に則ったリスク定式に基づき算出される。RBCは、とりわけ投資資産の
種類と質に関するリスク、保険会社の商品及び負債に関連する保険関連リスク、金利リスク及び事業活動に伴う
リスクを考慮する。RBC率の計算は、保険規制当局による保険会社のソルベンシー及び将来における保険金の支
払能力に関する判断を支援することを意図している。RBCの測定の報告は、保険会社のランキング又はマーケ
ティング、広告、若しくはプロモーション活動のために使用することを目的とするものではないが、一般向けに
公開される。
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下表は、当社の最も重要な米国内保険子会社の2017年12月31日(当該子会社についてRBC情報が提出された直
近の法定事業年度の終了日)現在のRBC率を示したものである。
RBC率(注1)
プルデンシャル・インシュアランス(注2) 410%
PALAC 1,034%
529%
主要な米国内連結保険子会社(注3)
(注1) RBC率の計算は、保険規制当局による保険会社のソルベンシー及び将来における保険金の支払能力の測定を支援す
ることを意図している。RBCの測定の報告は、保険会社のランキング又はマーケティング、広告、若しくはプロ
モーション活動のために使用することを目的とするものではないが、一般向けに公開される。
(注2) プルデンシャル・リタイアメント・インシュアランス・アンド・アニュイティ・カンパニー(「PRIAC」)、プル
コ・ライフ・インシュアランス・カンパニー(「プルコ・ライフ」)、プルコ・ライフ・インシュアランス・カン
パニー・オブ・ニュージャージー(「PLNJ」)(プルコ・ライフの子会社)及びプルデンシャル・レガシー・イン
シュアランス・カンパニー・オブ・ニュージャージー(「PLIC」)が含まれる。
(注3) プルデンシャル・インシュアランス及びその上記子会社並びにプルデンシャル・アニュイティーズ・ライフ・ア
シュアランス・コーポレーション(「PALAC」)を含む。連結RBCは、規制当局に対して報告されず、連結RBC率を
算出するにあたっての分子と分母の算出に係る法定会計基準とRBC指針に基づき決定される上記の会社の調整後資
本合計とリスク額の和に基づいている。
2017年税法の成立とこれに伴う法人税率の35%から21%への引下げの結果、2018年6月、NAICの自己資本特別
専門委員会により、NAICのRBCの枠組みの改定が承認された。当該改定は、2018年12月31日現在の当社の米国内
の生命保険会社のRBC率の計算に適用される。当社の保険金支払能力は影響を受けていないものの、2017年税法
に基づく法人税率の引下げに関するRBCの枠組みの改定は、特定のRBC計数を上昇させ、その結果、保険会社全体
のRBC率を低下させる効果を有する。また、当社の法定上の資本ポジションが、仮定について年に一度行う見直
し及び更新並びにその他の修正に伴う長期介護保険事業の準備金の追加によって悪影響を受けている(詳細につ
いては、「セグメント別営業成績-撤退及びラン・オフ事業」の項を参照のこと。)。現時点では公表されてい
ないが、2018年12月31日現在の当社のRBC率は、「AA」という当社の財務力格付目標の水準を上回るものとみら
れている。
米国の保険規制当局が採用するRBC率と同様に、当社が事業を行う海外の法域の規制当局も、現地の法定の会
計慣行に基づき保険会社の最低ソルベンシー・マージン要件を設けている。これらのソルベンシー・マージン
は、当社の国際保険事業の適正資本量を分析する主な基準となっている。日本等の特定の法域においては、ソル
ベンシー・マージンの開示が義務づけられており、ソルベンシー・マージンが保険会社の財務力の一般的な評価
にも影響を与えるため、ソルベンシー・マージンを一定のレベルに保つことは、当社の競争力維持のためにも重
要である。
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下表は、当社の最も重要な国際保険子会社について、2018年9月30日(情報を入手可能な直近の日付)現在に
おける、そのソルベンシー・マージン比率を示したものである。
ソルベンシー・マージン
比率
プルデンシャル生命連結(注1) 877%
948%
ジブラルタ生命連結(注2)
(注1) プルデンシャル生命の子会社であるプルデンシャル信託株式会社が含まれる。
(注2) ジブラルタ生命の子会社であるプルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社(「PGFL」)が含
まれる。
現時点では公表されていないが、2018年12月31日現在の上記の各子会社のソルベンシー・マージン比率は、
700%(規制上の最低要件の3.5倍)を超える見込みである。
当社のすべての米国内保険子会社及び重要な国際保険子会社の資本レベルは、適用ある保険業規制により求め
られる最低水準を大幅に上回っている。当社の規制目的上の自己資本レベルは、将来において、国内外の保険規
制当局が現在検討中の規制の変更や提案による影響を受ける可能性がある。RBC及びソルベンシー・マージン比
率の算出方法、並びに規制上の最低水準の詳細については連結財務書類の注記18を参照のこと。
資本保護の枠組み
当社は、保険子会社について連結ベースで様々なストレス・シナリオにおける適切な資本構成を維持する上で
利用可能な十分な資本源を確保するため、「資本保護の枠組み」を採用している。資本保護の枠組みには、市場
(株式市場、不動産、金利、貸倒損失及び為替相場を含む。)に関連するストレスの潜在的な影響が組み込まれ
ている。こうした潜在的な影響を評価するにあたり、当社は、事業レベルで総合的にリスクを評価し、当社の事
業構成によって業績がネットベースで部分的に相殺される可能性を認識している。資本保護の枠組みは、当社の
リスク管理の枠組みに組み込まれている。
リスク管理の枠組みは、当社が容認可能とみなす範囲内の周期的なボラティリティに対応しているが、オン・
バランス・シート資本の調達能力及び臨時の資本資源を含む追加の潜在的な資本資源も提供している。当社は現
在、当社が様々な潜在的ストレス・シナリオにおける適切な資本構成を維持する上で十分な資金源を利用するこ
とが可能であると考えている。
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キャプティブ再保険会社
当社は、経済状況に応じて準備金及び資本をより効率的に管理し、リスクを集約・移転するためにキャプティ
ブ再保険会社を利用している。当社のキャプティブ再保険会社は、関連会社の保険契約のみを引き受けている。
引き受けたリスクに対応するため、当社のキャプティブ再保険会社は、当社の保険子会社の「AA」という財務力
格付目標に合致すると判断されたレベルの資本の提供を受ける。当社のすべてのキャプティブ再保険会社には、
その業務について規定する社内の方針も適用される。当社は、その通常業務において、当該キャプティブ再保険
会社に対し、事業成長及びその他のニーズを支援するための資金を提供する。さらに、ファイナンシング契約に
関連して、プルデンシャル・ファイナンシャルは、複数のキャプティブ再保険会社との間でサポート契約を締結
した。
当社の米国内生命保険子会社は、「レギュレーションXXX」として知られる「生命保険契約の評価モデルに関
する規制」と題する規制、及びこれに付随するガイドラインであり、「ガイドラインAXXX」として知られる「生
命保険契約の評価モデルに関する規制の適用」の対象となる。当該規制及びこれに付随するガイドラインは、保
険会社に対し、当該事業に関する当社の保険数理上の計算基礎により要求される水準を上回る長期保険料保証を
伴う定期生命保険契約及びユニバーサル生命保険契約について法定準備金を設定することを要求している。当社
は、当該事業の準備金のうち当社が非経済的であると考える部分の調達のためにキャプティブ再保険会社を利用
している。
株主配当
株式買戻プログラム及び株主配当
2017年12月、取締役会は、当社が2018年1月1日から2018年12月31日までの期間に経営陣の裁量により最大で
15億ドルの発行済普通株式を買い戻すことを承認した。2018年12月、取締役会は、当社が2019年1月1日から
2019年12月31日までの期間に経営陣の裁量により最大で20億ドルの発行済普通株式を買い戻すことを承認した。
株式買戻しのタイミング及び金額は、市況及びその他の検討事項(とりわけ規制上の資本要件の変更、並びに成
長及び買収の機会に由来する当社の事業の資金需要の増加を含む。)に基づき、経営陣によって決定される。買
戻しは、一般市場において、デリバティブ、加速型自社株買い及びその他相対取引、並びに1934年証券取引所法
に基づく規則10b5-1(c)を遵守したプランを通じて行われる。
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下表は、2018年度の各四半期及び2017年度までの4年間における、普通株式の配当宣言額及びプルデンシャ
ル・ファイナンシャルの普通株式の買戻しを示したものである。
配当金額 株式買戻し
1株当たり 総額 株式数 費用合計
以下の日付 に終了した四半期
(ドル) (百万ドル) (百万株) (百万ドル)
2018年12月31日
0.90 376 4.1 375
2018年9月30日 0.90 380 3.8 375
2018年6月30日 0.90 382 3.7 375
2018年3月31日 0.90 387 3.3 375
配当金額 株式買戻し
1株当たり 総額 株式数 費用合計
以下の日付に終了した年度
(ドル) (百万ドル) (百万株) (百万ドル)
2018年12月31日
3.60 1,525 14.9 1,500
2017年12月31日 3.00 1,300 11.5 1,250
2016年12月31日 2.80 1,245 25.1 2,000
2015年12月31日 2.44 1,115 12.1 1,000
2014年12月31日 2.17 1,005 11.6 1,000
さらに、2019年2月6日、取締役会は、2019年2月20日現在で株主名簿に記載されている株主に対し、2019年
3月14日付けで支払われる、普通株式1株当たり1.00ドルの現金配当を宣言した。
流動性
当社の流動性管理の枠組みの原則は、会社全体の流動性管理方針に記載されており、当該方針は、取締役会に
より検討・承認されている。流動性管理とストレス・テストは、法人ベースで行われる。これは、子会社間で資
金の移転を行う能力の一部が規制上の制約によって制限されるためである。流動性のニーズは、親会社及び事業
子会社における日常の及び四半期ごとのキャッシュ・フロー予想を通じて決定される。資本市場も利用できない
際に事業子会社からのキャッシュ・フローが減少した場合に、プルデンシャル・ファイナンシャルが固定費を賄
うために利用可能な適切な流動性を担保するため、13億ドル以上という高流動性資産の目標最低残高が設定され
ている。当該最低残高は、毎年、取締役会によって検討・承認される。
当社は、通常、負債の満期前の事前借換え(prefund)を行うことにより、市況の圧迫に伴い資金調達源の利
用が制限される又は失われるリスクを軽減することを目指している。当社は、負債証券の期限を調達された資産
と一致させることにより、運営上の資金ニーズの充足のために利用される負債証券に関連するリファイナンス・
リスクを緩和する。ストレス・シナリオにおいて適切な流動性を確保するため、当社の主要事業子会社について
ストレス・テストが実施される。当社は、流動性に関するリスクを、以下に述べる流動性の代替源の利用を維持
することによって、さらに緩和することを目指している。
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プルデンシャル・ファイナンシャルの流動性
持株親会社であるプルデンシャル・ファイナンシャルが利用可能な主要資金源は、子会社からの配当、資本の
払戻し及び借入、並びに発行済み債券の手取金及び一部の株式に基づく報酬制度である。これらの資金源は、プ
ルデンシャル・ファイナンシャルの資本市場の利用、及び下記の「流動性の代替源」により補完される場合があ
る。
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プルデンシャル・ファイナンシャルにおける資金の主たる使途には、負債のサービシング、子会社に対する資
本拠出及び貸付の実施、株主配当宣言額の支払、並びに取締役会の権限の下に実施される発行済普通株式の買戻
が含まれている。
2018年12月31日現在、プルデンシャル・ファイナンシャルは、高流動性資産を保有しており、その簿価は
6,199百万ドルであった。高流動性資産には主に、現金、短期投資、米国財務省証券、その他の米国政府機関債
及び/又は外国債が含まれる。当社は、プルデンシャル・ファイナンシャルとその子会社の間の日々の資金の貸
借を円滑化することにより、現金を最大限に活用することを意図した、会社間の流動性勘定を維持している。会
社間の流動性勘定からの借入純額を除いた場合、2018年12月31日現在、プルデンシャル・ファイナンシャルは、
2017年12月31日から1,172百万ドル増となる5,548百万ドルの高流動性資産を有していた。
下表は、以下の期間における、プルデンシャル・ファイナンシャルの高流動性資産(会社間の流動性勘定から
の借入純額を除く。)の主な資金源及び使途を示したものである。
12 月31日に
終了した年度
2018 年 2017 年
資金源: (単位:百万ドル)
子会社からの配当金及び/又は資本の払戻し(注1) 4,058 3,124
債券発行による手取金 2,531 743
株式報酬及びストック・オプション行使による手取金 312 491
会社間契約に基づく子会社からの受取利息
215 230
(支払利息控除後)
法人所得税還付額(純額) 231 213
173 190
会社間のローン契約による収入(純額)(注2)
資金源合計 7,520 4,991
使途:
普通株式株主配当(注3) 1,521 1,296
株式買戻 1,500 1,250
子会社に対する資本拠出(注4) 874 1,135
外部負債の支払利息 890 907
外部長期債の返済 1,443 480
120 100
その他、純額
使途合計 6,348 5,168
1,172 (177)
高流動性資産の純増(減)
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(注1) 会社別の配当金及び資本の払戻しについては「第6 登録会社の個別要約財務情報の付表Ⅱの注記-配当金および
資本の回収額」の項を参照のこと。
(注2) 2018年度の数値には、子会社、すなわちジブラルタ・ユニバーサル・ライフ・リインシュアランス・カンパニー、
PGIMホールディング・カンパニー及びプルデンシャル・アリゾナ・リインシュアランス・ユニバーサル・カンパ
ニーからの受領額(純額)が、それぞれ750百万ドル、202百万ドル及び100百万ドルが含まれていたが、国際子会
社、ドライデン・アリゾナ・リインシュアランス・ターム・カンパニー、プルデンシャル・ユニバーサル・リイン
シュアランス・カンパニー及びその他の子会社に対する支払額(純額)それぞれ623百万ドル、150百万ドル、100
百万ドル及び6百万ドルによって相殺された。2017年度の数値には、子会社からの受領額(純額)が1,323百万ド
ル(国際子会社からの受領額)含まれるが、プルデンシャル・ユニバーサル・リインシュアランス・カンパニー、
プルデンシャル・アリゾナ・リインシュアランス・ユニバーサル・カンパニー及びPGIMホールディング・カンパ
ニーの子会社及びその他の子会社に対する支払額(純額)それぞれ500百万ドル、350百万ドル、274百万ドル及び
9百万ドルによって相殺された。
(注3) 過年度において宣言された配当金に関する現金支払額を含む。
(注4) 2018年度の数値には、ザ・プルデンシャル・インシュアランス・カンパニー・オブ・アメリカ(「PICA」)及び国
際保険子会社に対する資本拠出額590百万ドル及び284百万ドルが含まれている。2017年度の数値には、国際保険子
会社、PICA及びPGIMホールディング・カンパニーの子会社に対する資本拠出965百万ドル、149百万ドル及び21百万
ドルが含まれている。
子会社からの配当及び資本の払戻しの制限
当社の保険子会社は、プルデンシャル・ファイナンシャル及びその他の関連会社に対する配当金の支払及びそ
の他の資金移転について、適用ある保険法及び規制による制限を受けている。また、より広い範囲においては、
子会社による配当金の支払は、当該子会社の取締役会による宣言に基づき行われ、市況やその他の要素の影響を
受けることがある。具体的な配当の制限の詳細については、連結財務書類の注記18を参照のこと。
米国内保険子会社: プルデンシャル・インシュアランスは、ニュージャージー州銀行保険局(「NJDOBI」)に
対して事前の通知を行うことを条件として、ニュージャージー州保険法に定める算出額に基づき普通配当金を支
払うことを認められている。任意の12ヶ月間における当該金額を上回る額の分配金は、「特別」配当金とみなさ
れ、その支払に先立ちNJDOBIの承認を得なければならない。当社のその他の米国内保険子会社が所在する州にお
ける配当を規制する法律は、ニュージャージー州のそれに類似してはいるが、まったく同一というわけではな
い。2018年度中、プルデンシャル・ファイナンシャルは、PALACから特別配当金1,025百万ドルを受領した。
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国際保険子会社: 当社の国際保険子会社からの資本の再移転は、それらが事業を行う米国外の法域における規
制要件に従う。当社最大の国際保険子会社であるプルデンシャル生命及びジブラルタ生命は、日本の金融庁に対
して事前の通知を行うことを条件として、日本の保険法に定める算出額に基づく普通株式の配当金を支払うこと
を認められている。当該金額を上回る額の配当金及びその他の形式による資本の分配には、金融庁の事前の承認
が必要となる。普通株式配当金の支払に加え、国際保険事業は、プルデンシャル・ファイナンシャル又はその他
の関連会社によって保有される劣後債又は優先株式に係る債務の弁済、米国を拠点とする関連会社及び2019年度
以降のバミューダを拠点とする関連会社との間の関連会社間融資、関連会社間デリバティブ及び再保険契約等の
その他の方法を通じて又は当該方法による支援を受けて、プルデンシャル・ファイナンシャルに対して資本を払
い戻すことがある。プルデンシャル生命及びジブラルタ生命の規制上の事業年度は、2019年3月31日に終了し、
その後、金融庁の事前の承認を得ることなく支払うことが可能な普通株式の配当金の金額が決定される。
2018年12月31日に終了した年度について、プルデンシャル・ファイナンシャルは、国際保険子会社の米国内親
会社であるプルデンシャル・インターナショナル・インシュアランス・ホールディングスから2,062百万ドル
(その全額が当社の日本事業の親会社であるプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン株式会社
(「PHJ」)から受領された。)を受領した。当該金額のうち、260百万ドルは2016年度にその子会社からPHJに
送金され、それ以降、PHJにおいて留保されている。PHJは、残りの1,802百万ドルを2018年度に子会社から普通
株式配当金として受領した。
その他の子会社: 当社の投資管理子会社及び当社のその他の事業子会社の多くが配当金を支払う能力について
は、規制上の観点からは、その大部分が制限されていない。
保険子会社の流動性
当社は、当社のすべての債務に対処すべく、安定的で、信頼性があり、かつ費用効率の高いキャッシュ・フ
ローの源を確保するために、保険事業の流動性管理を行っている。当社の各保険子会社の流動性は、流動資産
ポートフォリオを含む多数の種類の源泉によりもたらされている。当社の保険事業全体の流動性には、子会社の
投資ポートフォリオが不可欠である。当社は、当社の投資ポートフォリオを分割し、当社の各商品ラインの要件
に特化した資産/負債管理アプローチを採用する。このことにより、金利及び信用リスクの側面を含む各ポート
フォリオの流動性の管理において適用されている規律が、商品負債の特徴に見合った方法により、強化される。
流動性は、資産ポートフォリオ及びこれが支える負債の両方の特徴を考慮した、社内で開発されたベンチマー
クに対して測定される。当社は、各種ストレス・シナリオ(会社特有の事由及び市場全般の事由を含む。)にお
ける当社の保険事業の流動性を評価するための内部の流動性基準を算出するにあたり、流動資産の様々な分類
(資産の種類及び信用度等)の特性を考慮する。当社は引き続き、継続事業から創出される現金及び当社の資産
の流動性プロファイルにより、各保険子会社について合理的に予想されるストレス・シナリオにおいて十分な流
動性が確保されているものと考えている。
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キャッシュ・フロー
当社の保険子会社の流動性の主要源泉は、保険料、投資収益・運用手数料収益、満期到達投資、保険事業及び
年金事業に関連する販売収入、並びに社内外からの借入である。当該資金の主な使途には、保険契約者に対する
給付金、保険金及び契約者配当の支払、並びに解約、引出及び契約者貸付に関連した保険契約者及び契約保有者
に対する支払が含まれる。その他の資金の使途として、手数料や一般管理費の支払、投資商品の購入、持株親会
社への配当金の支払、ヘッジ及び再保険業務、並びに資金調達活動に関連する支払が含まれることがある。
当社は、主要な保険子会社に関して、事業からのキャッシュ・フローが、現在の流動性要件に対応する上で十
分適切な水準にあると考えている。当該流動性を引き続き妥当な水準に維持できるか否かは、今後の証券市況、
金利水準の動向、保険契約者による当社の財務力の認識、保険契約者の行動、大惨事及び競合商品の相対的な安
全性及び魅力等の要因に左右されるものであり、これらの要因次第で現金流入が減少するか、又は現金支出が増
大する可能性がある。当社の保険事業の投資活動によるキャッシュ・フローは、元金の返済、投資資産の満期及
び売却による収入、並びに再投資額控除後の投資収益によるものである。かかるキャッシュ・フローに関する主
要な流動性リスクは、債務者又は債券発行者の不履行リスク、当社の取引相手方による買戻し及び/又は有価証
券貸出協定の延長希望、投資のコミットメント並びに市場のボラティリティである。当社は、信用リスク管理プ
ロセス及び当社の流動性状態の定期的なモニタリングを通して、当該リスクを綿密に管理している。
米国内保険事業 :米国内保険事業の流動性を管理する上で、当社は、契約債務を保証するために資産を選択す
る際に、想定期限よりも早期に保険契約者及び契約保有者が引出を行うリスクを考慮している。当社は、解約手
数料及びその他の約款上の規定を用いて、顧客による資金引出の範囲、タイミング、及び収益性への影響を緩和
している。下表は、それぞれの日付現在における当社の特定の米国内保険子会社の責任準備金及び保険契約者の
勘定残高に関する負債をとりまとめたものである。
2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
(単位:十億ドル)
プルデンシャル・インシュアランス 207.0 197.9
PLIC 52.6 53.2
プルコ・ライフ 41.5 38.7
PRIAC 25.8 26.4
PALAC 14.7 14.0
(91.0) (87.3)
その他(注1)
250.6 242.9
責任準備金及び保険契約者の勘定残高合計(注2)
(注1) 会社間の相殺消去の影響が含まれている。
(注2) 数値には、関連する再保険金回収額の総額が反映されている。
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上記の負債は、主に当社の一般勘定における投資資産によって裏付けられている。上述のとおり、当該契約債
務に対応する資産を選択するにあたり、当社は、保険契約者及び契約保有者が想定期限より早期に資金を引き出
すリスクを考慮する。その結果、資産には、流動資産(以下において記載する。)及びその他当社がその負債を
裏付ける上で適切と考える資産の両方が含まれることとなる。
プルデンシャル・インシュアランス及びその他の子会社について、上記の負債には、主に年金準備金及び預か
り金債務、並びに個人生命保険準備金が含まれる。個人生命保険契約は、解約手数料を生じることがあり、保険
契約者は、新規の保険契約を締結するにあたって新たな保険引受手続を踏むことが必要となる可能性がある。プ
ルデンシャル・インシュアランスの団体年金契約に対する準備金は、主に、年金リスク移転契約に関連するもの
であり、これらは、通常、期限前引出の影響を受けない。個人年金契約について、契約継続を促すため、変額年
金保険及び定額年金保険の大部分には、一定の年数について解約又は引出手数料が設定されている。また、特定
の定額年金保険については、投資額が償還期限まで維持されない場合、市場価値調整が行われる。変額年金保険
の生前給付保証も、契約が継続された場合にのみ生前給付の潜在的価値が確定されることから、契約継続が推奨
されている。
PRIACについて、上記の負債には、主にステーブル・バリュー型契約のための準備金が含まれている。当該契
約の多くが任意の引出の影響を受けるものの、引出は、通常、原資産の市場価値において行われる。ターゲット
市場における当社の堅調な競争能力及び据置払いといった契約条件に一部後押しされた顧客の高い契約継続率に
より、リスクはさらに軽減される。
2018年度における米国内保険事業の商品からの引出総額は、当社の資産/負債管理の仮定と概ね一致したもの
であったため、これに関する現金流出は当社の全体的な流動性に悪影響を及ぼすものではなかった。
国際保険事業: 米国内事業と同様に、当社の国際保険子会社の流動性を管理する上で、当社は契約債務を保証
するための資産を選択する際に、想定期限よりも早期に保険契約者及び契約保有者が資金の引出を行うリスクを
検討する。下表は、それぞれの日付における当社の特定の国際保険子会社の責任準備金及び保険契約者の勘定残
高に関する負債を示したものである。
2018 年 2017 年
12 月31日現在 12 月31日現在
(単位:十億ドル)
プルデンシャル生命(注1) 51.6 47.1
ジブラルタ生命(注2) 104.3 99.6
17.7 15.9
その他すべての国際保険子会社(注3)
173.6 162.6
責任準備金及び保険契約者の勘定残高合計(注4)
(注1) 2018年12月31日及び2017年12月31日現在、プルデンシャル生命の保険関連負債のうち、それぞれ134億ドルと118億
ドルが当社の米国内保険事業と共同で引き受けられ、かつ米ドル建て資産により裏付けられる米ドル建て商品に関
連するものである。
(注2) PGFLを含む。
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(注3) 日本を除く当社の国際保険事業を指す。
(注4) 数値は、関連する再保険金回収可能額を含めて反映されている。
上記の負債は、主に当社の一般勘定における投資資産によって裏付けられている。当該契約債務に対応する資
産を選択するにあたり、当社は、保険契約者及び契約保有者が想定期限よりも早期に資金を引き出すリスクを考
慮する。その結果、資産には、流動資産(以下において記載する。)及びその他当社がその負債を裏付ける上で
適切と考える資産の両方が含まれることとなる。
当社は、当社の日本事業が販売する、長期の定期払個人生命保険契約の大部分については、保険契約者が解約
手数料を負担する可能性があり、新たな保険契約を取得するために別途引受手続を行わなければならないため、
引出リスクはさほど重大ではないと考えている。
ジブラルタ生命は、米ドル及び豪ドル建ての定額年金保険商品を販売しており、当該商品は、円が当該通貨に
対して下落し、又はオーストラリアと米国における金利が日本における金利と比較して低下した場合に解約が増
加しやすい。当該保険契約に関連する負債の大部分には、解約による収益性への影響を緩和するための市場価値
調整機能が含まれている。2018年12月31日現在、市場価値調整機能を有する商品は、日本事業の保険関連負債の
うちの259億ドルを占めており、うち222億ドルが、非円建ての定額年金保険に由来するものであった。
流動資産
流動資産には、現金及び現金同等物、短期投資、米国財務省証券、償還期限まで保有することが指定されてい
ない満期固定証券並びに上場株式が含まれる。当社の保険会社の流動性は、主要な投資ポートフォリオの利用に
加え、資金調達及び/又はキャッシュ・フローのミスマッチ(予想を超えるレベルの保険金請求により、随時発
生するものを含む。)を管理する上で利用可能な様々な投資商品を利用することにより管理されている。当社が
子会社間の資産及び流動性を利用する能力は、規制上の及びその他の制約による制限を受けている。当社は、当
社の継続事業及び資産の流動性プロファイルが、当社の各保険子会社について、合理的に予測可能なストレス・
シナリオにおいて十分な流動性を提供すると考えている。
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下表は、それぞれの日付における、当社の特定の米国内保険事業の流動資産のポートフォリオの公正価値を示
したものである。
2018 年12月31日現在
プルデン
2017 年
シャル・ プルコ・
12 月31日
PLIC PRIAC PALAC 合計
インシュ ライフ
現在
アランス
(単位:十億ドル)
現金及び短期投資 5.0 0.9 0.3 4.5 0.4 11.1 11.7
満期固定証券投資 ( 注1) :
優良証券又は最優良証券 110.7 34.8 19.2 9.6 4.9 179.2 175.1
優良証券又は最優良証券
6.6 2.4 1.4 0.5 0.4 11.3 13.8
以外
小計
117.3 37.2 20.6 10.1 5.3 190.5 188.9
0.1 1.8 0.0 0.0 0.0 1.9 2.8
上場株式(公正価値)
122.4 39.9 20.9 14.6 5.7 203.5 203.4
合計
(注1) 償還期限まで保有することが指定されている満期固定証券を除く。NAIC又は同等の格付により分類されている。
下表は、それぞれの日付における当社の国際保険事業の流動資産のポートフォリオの公正価値を示したもので
ある。
2018 年12月31日現在
ジブラルタ 2017 年
プルデン その他
12 月31日
合計
生命
シャル生命 ( 注2)
現在
( 注1)
(単位:十億ドル)
現金及び短期投資 0.7 2.2 1.2 4.1 4.2
満期固定証券投資(注3):
優良証券又は最優良証券 (注4)
40.0 90.2 18.9 149.1 145.2
0.8 3.6 1.8 6.2 6.0
優良証券又は最優良証券以外
小計
40.8 93.8 20.7 155.3 151.2
1.7 1.6 0.7 4.0 4.5
上場株式
43.2 97.6 22.6 163.4 159.9
合計
(注1) PGFLを含む。
(注2) 日本を除く当社の国際保険事業を指す。
(注3) 償還期限まで保有することが指定されている満期固定証券を除く。NAIC又は同等の格付により分類されている。
(注4) 2018年12月31日現在、1,123億ドル(75%)が国債又は政府系機関債に投資されていた。
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当社の投資ポートフォリオの規模と流動性プロファイルに鑑み、当社は、当社の予想と異なる保険金請求実績
(保険契約者による引出及び解約を含む。)が重大な流動性リスクには当たらないものと考えている。当社の資
産/負債管理プロセスは、予想される投資の満期及び予想される保険金の支払、並びに当該負債の具体的な内容
とリスク・プロファイルを考慮する。予想を上回る保険金請求に応じる必要がある場合、当社は一時的な借入を
行うか、又は予定より早く投資を処分してこれらの請求に応じることがある。その結果、借入コスト又は実現投
資利益若しくは損失(金利又は信用スプレッドの変動に起因するものを含む。)が増加する場合がある。保険金
の支払及び予定を前倒しした投資の処分は、財務書類に計上される営業活動、投資活動及び資金調達活動からの
キャッシュ・フローのレベルに影響を与える可能性がある。これまでの経験上、当社の投資の予想される満期と
保険金の支払の間に大きな差異はなかった。
その他の活動に関連する流動性
個人年金保険に関連するヘッジ活動
ヘッジを通じて実施される個人年金保険のALM戦略及びキャピタル・ヘッジ・プログラムの一環として、当社
は、市況の悪化に関連する特定の資本市場リスクをヘッジするため、上場している、清算される、あるいはその
他店頭取引される多様な株式及び金利デリバティブの取引を実施する。個人年金保険のリスク管理戦略の詳細に
ついては、「セグメント別営業成績-米国個人ソリューション部門-個人年金保険」の項を参照のこと。個人年
金保険のALM戦略及びキャピタル・ヘッジ・プログラムにおける当該機能は、定期的な決済、購入、満期及び終
了等に係る支払といった、当該デリバティブに関連する支払債務を履行するために流動性へのアクセスを必要と
している。こうした流動性のニーズは、とりわけ金利、株式市場、死亡率及び保険契約者の行動の変化によって
大きく変動することがある。
当社の個人年金保険のALM戦略におけるヘッジ機能及びキャピタル・ヘッジ・プログラムにより、(当社が差
入側である場合には)取引先に対する、又は(当社が受領側である場合には)取引先からのデリバティブ関連担
保の差入が行われる可能性もある。担保のポジションは、ヘッジされるエクスポージャーの元本額に関連する金
利及び株式市場の変動に左右される。市況によっては、当社が差入側である場合に、担保の差入要件により、重
大な流動性のニーズが生じる可能性がある。当社ALM戦略のヘッジ機能とキャピタル・ヘッジ・プログラムを構
成するデリバティブについて、2017年12月31日現在、33億ドルの担保が受領されたのに対し、2018年12月31日現
在においては29億ドルの担保が受領された。かかる担保ポジションの変動は、主に金利の上昇による。
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為替ヘッジ活動
当社は、外国為替レートの変動(とりわけ日本円に関連する変動)に対する潜在的なエクスポージャーに対処
するため、様々なヘッジ戦略を採用している。当社の総合的な円ヘッジ戦略は、当社の円建て事業による当社全
体のレバレッジ・ニュートラル・ベースの株主資本利益率への相対的な貢献を維持するため、ヘッジレベルを調
整する。ヘッジ戦略には、以下の2つの主要な要素が含まれる。
・収益ヘッジ-当社は、日本円建ての見積利益源の一部について、外部為替予約デリバティブ契約(当該一部
の利益について実質的に外国為替レートが固定される。)を締結することによりヘッジしており、これによ
り外国為替レートの変動に起因するボラティリティが軽減される。2018年12月31日現在、当社は、2019年
度、2020年度及び2021年度の円建ての見積利益について、それぞれその100%、72%及び28%をヘッジして
いる。
・株式ヘッジ-当社は、主に米ドル建ての保有株式をヘッジするために内部及び外部のヘッジを有している。
当該ヘッジは、日本円・米ドルの為替レートの変動に起因する米ドル建て株式をヘッジする米ドル建て投資
の市場価値の変動に由来する、円建ての子会社のソルベンシー・マージンのボラティリティも軽減する。
当社のヘッジ戦略の詳細については、「営業成績-外国為替レートの影響」の項を参照のこと。
当該ヘッジ活動の現金決済は、プルデンシャル・ファイナンシャルの子会社と国際子会社又は外部の当事者の
間のキャッシュ・フローにつながる。当該キャッシュ・フローは、外国為替レートの変動やヘッジされたエクス
ポージャーの名目元本額に左右される。例えば、長期にわたる大幅な円安が、正味キャッシュ・インフローにつ
ながる可能性がある。その一方で、大幅な円高が、正味キャッシュ・アウトフローにつながる可能性もある。下
表は、円その他の通貨に関連するヘッジ活動に由来する現金決済額(純額)及び資産又は負債(純額)に関する
情報を示したものである。
2018 年 12月31日に 2017 年 12月31日に
終了した1年間 終了した1年間
現金決済:
(単位:百万ドル)
収益ヘッジ(外部)(注1) (13) (16)
株式ヘッジ:
内部(注2) 105 54
外部(注3) 246 (192)
株式ヘッジ合計 351 (138)
338 (154)
現金決済額合計
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2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
資産(負債):
(単位:百万ドル)
収益ヘッジ(外部)(注4) 67 (42)
株式ヘッジ:
436 623
内部(注2)
78 303
外部(注5)
株式ヘッジ合計(注6) 514 926
581 884
資産(負債)合計
(注1) 2018年12月31日及び2017年12月31日に終了した年度における、非円建ての現金決済がそれぞれ-11百万ドル(主に
韓国ウォン建て)及び-14百万ドル(主にブラジルレアル及びチリ・ペソ建て)含まれている。
(注2) 国際事業と米国事業の間の内部取引を指す。表示された金額は、米国事業における見積額である。
(注3) 2018年12月31日に終了した年度について、非円建ての現金決済(韓国ウォン建て)が2百万ドル含まれている。
(注4) 2018年12月31日及び2017年12月31日現在における、非円建ての資産(主に豪ドル及びブラジルレアル建て)44百万
ドル及び負債(主に韓国ウォン及び豪ドル建て)-65百万ドル含まれている。
(注5) 2018年12月31日現在における、非円建て負債(韓国ウォン建て)-2百万ドルが含まれる。
(注6) 2018年12月31日現在、市場価値(純額)のうち約524百万ドルは2019年度において、262百万ドルは2020年度におい
て、-272百万ドルはそれより後の年度において決済される予定である。資産(負債)の市場価値(純額)は、該当
する相殺ポジションが存在しない範囲において、市況の変化によって変動する。
PGIM 事業
当社の報酬ベースのPGIMの主な流動性の源には、投資管理手数料、並びに商業モーゲージのオリジネーション
報酬及びサービシング報酬が含まれる。流動資産の主な使途には、一般管理費、並びにプルデンシャル・ファイ
ナンシャルに対する配当及び資本の回収額が含まれる。報酬ベースのPGIM事業の流動性リスクは、主に当該事業
の収益性に関するものであり、それは市況や当社の投資管理成績に影響を受ける。当社は、当社の報酬ベースの
PGIM事業からのキャッシュ・フローが、当該事業の現行の流動性需要を充足する上で適切であると考えており、
また社内基準により監視されている、合理的に予測可能なストレス・シナリオに基づき生じる可能性のある流動
性需要についても対応可能であると考えている。
当社のPGIM事業が保有する戦略的投資の主な流動性の源は、投資活動によるキャッシュ・フロー、投資清算能
力、並びにプルデンシャル・ファイナンシャル及びプルデンシャル・インシュアランスの完全子会社であるプル
デンシャル・ファンディング・エルエルシー(「プルデンシャル・ファンディング」)を含む内部の資金源から
の借入である。主な流動性リスクには、適時の資産売却の失敗、資産価値の下落及びクレジット・デフォルトが
ある。2018年度中、当社のPGIM事業の流動性ポジションに重大な変更はなかった。
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流動性の代替源
プルデンシャル・ファイナンシャル及びその子会社の一部は、上記において述べた流動性の源及び下記の資産
担保付融資に加え、シンジケート、無担保信用枠、連邦住宅貸付銀行への加盟、コマーシャル・ペーパー・プロ
グラム及びプット・オプション契約その他の流動性の源も利用することができる。かかる流動性の源の詳細につ
いては、連結財務書類の注記16を参照のこと。
資産担保付融資
当社はスプレッド利益の獲得、資金借入、又はトレーディング活動の促進のため、証券貸付融資、現先取引レ
ポ及びモーゲージ・ドル・ロール等を含む資産担保付又はその他の担保付の融資を、当社の保険子会社及びその
他の子会社において行っている。これらのプログラムは、主に貸出可能な証券のポートフォリオの保有により、
市場における当該証券についての相手方の需要に基づき行われている。これらのプログラムについて受領する担
保は、主に当社の保険事業体における短期スプレッド・ポートフォリオにおいて証券を購入するために使用され
る。短期スプレッド・ポートフォリオで保有される投資には、現金及び現金同等物、短期投資(主に社債)、住
宅ローン及び満期固定証券で、かつ短期ポートフォリオによる購入時点の加重平均年数が4年以下であるもの
(主にCLO及びその他の仕組証券への投資)が含まれる。変動金利資産は、当社の短期スプレッド・ポートフォ
リオの大部分を占める。これらの短期ポートフォリオは、具体的な運用方針に従うものとし、当該運用方針は、
特に大幅な資産/負債の金利デュレーションのミスマッチを考慮していない。
下表は、それぞれの日付における、資産担保型の、又はその他の担保付の資金調達プログラムに基づく当社の
負債をとりまとめたものである。
2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
PFI (クロ PFI (クロ
クローズ クローズ
ーズド・ブ ーズド・ブ
ド・ブロッ 連結 ド・ブロッ 連結
ロック部門 ロック部門
ク部門 ク部門
を除く。) を除く。)
( 単位:百万ドル)
買戻条件付売却有価証券 6,982 2,968 9,950 4,960 3,440 8,400
貸付証券の担保金 3,063 866 3,929 3,203 1,151 4,354
売却されたが買い戻されてい
9 0 9 3 0 3
ない証券
10,054 3,834 13,888 8,166 4,591 12,757
合計(注1)
上記の証券のうち、翌日に当
社に返却され、かつ即時に担
3,939 983 4,922 3,838 1,393 5,231
保金を返済する必要のある証
券
加重平均満期(単位:日)
7 3 12 3
(注2)
(注1) 2018年12月31日及び2017年12月31日に終了した年度における1日加重平均残高は、PFI(クローズド・ブロック部
門を除く。)については、それぞれ9,653百万ドルと8,279百万ドルであり、クローズド・ブロック部門について
は、それぞれ4,343百万ドルと4,894百万ドルであった。
(注2) 翌日に当社に返却される証券を除く。
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2018年12月31日現在、当社の米国内保険事業体は、資産担保型又はその他の担保付きの融資プログラムに適格
である資産1,116億ドルを有しており、うち145億ドルは貸し出されていた。当社は、2018年12月31日現在の市況
と未払融資残高を考慮すると、残りの適格資産のうち約142億ドルは貸出可能であると考えている(PFI(クロー
ズド・ブロック部門を除く。)に関連する約99億ドルを含む。)。そのうち、23億ドルが特定の分離勘定に関連
するものであり、その利用は、当該勘定に関連する資金調達活動のみに限定されている。残りの43億ドルは、ク
ローズド・ブロック部門に関連するものであった。
資金調達
2018年12月31日及び2017年12月31日現在、当社の短期借入債務及び長期借入債務の合計は、連結ベースでそれ
ぞれ198億ドル及び186億ドルであった。当社は随時、一般市場における購入、個別に交渉した取引等を通じて、
当社の発行済債務証券の償還又は買戻しを行うことができる。かかる行為は、実勢的な市況、当社の流動性ポジ
ション及びその他の要素に左右される。下表は、それぞれの日付現在の当社の連結借入金の合計をまとめたもの
である。
2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
プルデン プルデン
シャル・ シャル・
子会社 連結 子会社 連結
ファイナ ファイナ
ンシャル ンシャル
( 単位:百万ドル)
一般財源短期借入債務:
コマーシャル・ペーパー 15 727 742 50 500 550
一年以内返済予定長期
1,100 499 1,599 830 0 830
借入債務
小計 1,115 1,226 2,341 880 500 1,380
一般財源長期借入債務:
優先債 8,630 173 8,803 8,738 173 8,911
下位劣後債 7,511 57 7,568 6,566 56 6,622
0 341 341 0 840 840
サープラスノート(注1)
小計 16,141 571 16,712 15,304 1,069 16,373
一般財源借入債務合計 17,256 1,797 19,053 16,184 1,569 17,753
リミテッド・リコース
及びノン・リコース借入債務
(注2)
短期借入債務 0 53 53 0 0 0
一年以内返済予定長期
0 57 57 0 0 0
借入債務
0 666 666 0 799 799
長期借入債務
小計 0 776 776 0 799 799
17,256 2,573 19,829 16,184 2,368 18,552
借入債務合計
(注1) 2018年12月31日及び2017年12月31日現在で、それぞれ9,095百万ドルと7,287百万ドルであった相殺手続の対象とな
る資産を控除後の金額。
(注2) リミテッド・リコース借入債務及びノン・リコース借入債務は、不動産投資資産に対してのみ償還請求される当社
の子会社のモーゲージ・デットを表している。
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2018年12月31日及び2017年12月31日現在、当社は、上記の表に示す借入について、すべての借入契約条項を遵
守していた。当社の短期及び長期の借入債務の詳細については、連結財務書類の注記16を参照のこと。
当社は、手取金の使途に応じて、借入金をキャピタル・デット、投資関連債務及び特定の事業に関連する債務
に分類する。キャピタル・デットは、当社の事業の資金需要を充足するために使用される債務であり、2018年12
月31日及び2017年12月31日現在、それぞれ134億ドル及び120億ドルであった。投資関連債務は、2018年12月31日
及び2017年12月31日現在、それぞれ39億ドル及び40億ドルであり、特定の投資資産又は投資資産ポートフォリオ
に係る資金を調達するために発行された債券から構成されている。当該債務は、かかる投資資産及びポートフォ
リオからの手取金によって弁済される。具体的には、投資関連債務には、機関投資家向けスプレッド貸付投資
ポートフォリオ、以下において述べるレギュレーションXXX及びガイドラインAXXXに基づく準備金に対応するた
めの資産、並びに機関投資家及び保険会社のポートフォリオのキャッシュ・フローのタイミングのずれの補完に
係る資金調達が含まれる。その他の借入金は、特定の目的における事業資金の調達のために利用される。これに
は、個人年金事業に関連する新規契約の取得費用の調達、上記の個人年金商品のヘッジに関連する業務上のニー
ズ、及び投資管理事業に関連する活動が含まれることがある。
プルデンシャル・ファイナンシャルの借入金
長期の借入は、主にプルデンシャル・ファイナンシャルによって行われる。プルデンシャル・ファイナンシャ
ルは、同社の資本及びその他の資金のニーズ、並びにその子会社の資本及びその他の資金のニーズを充足するた
めに当該借入を行う。プルデンシャル・ファイナンシャルは、SECに一括登録届出書を提出しており、これによ
り公募債、株式及びハイブリッド証券の発行が認可されている。SEC規則に基づく「著名適格発行者」であるプ
ルデンシャル・ファイナンシャルの一括登録届出書においては、提出時の自動的な効力発生が規定されている
が、発行可能額は規定されていない。
プルデンシャル・ファイナンシャルの借入金は、2017年12月31日から11億ドル増加した。これは15億ドルの下
位劣後債と10億ドルの優先債の発行によるものであったが、7億ドルの優先債の満期、6億ドルの下位劣後債の
償還及び1億ドルのリテール・ノートの満期によって部分的に相殺された。長期借入債務の詳細については、連
結財務書類の注記16を参照のこと。
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子会社の借入金
子会社の借入は、主にプルデンシャル・ファンディングのコマーシャル・ペーパーによる借入、資産担保付き
の資金調達及び不動産投資による資金調達から成る。当社の子会社の借入金は、発行済みコマーシャル・ペー
パーの増加により、2017年12月31日から2億ドル増加した。
定期生命保険及びユニバーサル生命保険の準備金の調達
レギュレーションXXX及びガイドラインAXXXにより、米国の生命保険会社は、長期保険料保証の付された定期
生命保険及びユニバーサル生命保険契約について、同様の保証の付されたその他の個人生命保険契約と同様の法
定準備金の設定を義務づけられている。市場参加者の多くは、やや不利な経験に対する支払能力の維持のために
合理的に必要な水準に照らして、かかる準備金の水準が過剰であると考えている。法定準備金とやや不利な経験
に対する支払能力維持のために必要な金額の差額は、法定準備金における非経済的な部分とみなされる。
当社は、レギュレーションXXX及びガイドラインAXXXに基づき当社の米国内生命保険子会社が維持を求められ
る法定準備金のうち当社が非経済的であると考える部分を調達する目的で、キャプティブ再保険子会社を利用し
ている。資金調達には、定期生命保険及びユニバーサル生命保険契約の当社のキャプティブ再保険会社への出再
保険、並びに当該キャプティブ再保険会社によるサープラスノート(法定上の資本とみなされる。)の発行が含
まれる。当該サープラスノートは、保険契約者に対する債務に劣後し、当該サープラスノートの元本及び利息の
返済は、保険規制機関の事前の承認がある場合にのみ行うことができる。
当社は外部の取引先との間で、信用連動債の受領と引き換えに当社のキャプティブ再保険子会社によるサープ
ラスノートを発行する契約を締結している(「信用連動債ストラクチャー」)。2018年12月31日現在、発行限度
額が13,750百万ドルの信用連動債ストラクチャーを有しており、うち11,445百万ドルが発行されていた。2017年
12月31日現在の発行限度額は11,100百万ドルであり、うち9,487百万ドルが発行されていた。当該契約に基づ
き、キャプティブ再保険会社は、サープラスノートと引き換えに、当社の特別目的関連会社が発行する一又は複
数の信用連動債を、発行されたサープラスノートの元本総額と等しい額だけ受領する。キャプティブ再保険会社
は、レギュレーションXXX又はガイドラインAXXX(場合による。)に基づく非経済的な準備金に対応する資産と
して当該信用連動債を保有する。キャプティブ再保険会社は、発行済信用連動債の元本金額について、キャプ
ティブ再保険会社に影響を与える特定の流動性ストレス事由が発生した際、当該事由の治癒に必要な金額を現金
により償還することができる。当該契約に従って、外部の取引先は、手数料の受領と引き換えに信用連動債に基
づく支払の資金を調達することに同意している。特定の取引において、プルデンシャル・ファイナンシャルは、
キャプティブ再保険会社に対して、一定額を上回る投資損失について補償するための資金を提供することに同意
し、かつ/又は信用連動債に基づく支払について外部取引先に弁済することに同意している。これまで、信用連
動債に基づく支払は必要となっていない。当該取引について、有効な相殺権が存在しているため、サープラス
ノート及び信用連動債の利息及び元本の支払は、純額ベースで決済され、サープラスノートは、当社の連結借入
金合計額に純額ベースで反映されている。
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下表は、2018年12月31日現在の当社の信用連動債ストラクチャーの構成を純額ベースで要約したものである。
サープラスノート
2018 年 12月31日
信用連動債ストラクチャー: 現在の発行済 融資枠の規模
当初発行日 満期日
証券数
( 単位:百万ドル)
1,750
XXX 2011-2014 2021-2024 1,750
(注1)
AXXX 2013 2033 3,129 3,500
2,350
XXX 2014-2018 2021-2034 2,500
(注2)
XXX 2014-2017 2024-2037 2,200 2,400
AXXX 2017 2037 1,466 2,000
550 1,600
XXX 2018 2038
11,445 13,750
信用連動債ストラクチャーの合計額
(注1) プルデンシャル・ファイナンシャルは、当該制度において発行された信用連動債につき支払われた金額を弁済する
ことに同意している。
(注2) 23.5億ドルのサープラスノートは、連結時に相殺消去される会社間取引を表している。プルデンシャル・ファイナ
ンシャルは、10億ドルを上限とする当該ストラクチャーにおいて発行された信用連動債につき支払われた金額を弁
済することに同意している。
2018年12月31日現在、当社は、レギュレーションXXX及びガイドラインAXXXに基づく非経済的な準備金を調達
する目的で総額23億ドルの債券を発行しており、そのうち約6億ドルがレギュレーションXXX準備金に関連する
ものであり、約17億ドルがガイドラインAXXX準備金に関連するものであった。さらに、2018年12月31日現在、ガ
イドラインAXXX準備金を調達する目的で、当社のキャプティブ再保険会社のうちの一社が、関連会社に対して、
約40億ドルのサープラスノートを発行した。
当社は、2020年1月1日までに原則主義的な準備金調達方法を採用するという要件に対応して個人生命保険商
品ポートフォリオの複数の商品の強化を実施した。特筆すべき点として、当社は、2017年度に保証付きユニバー
サル生命保険商品に関する原則主義的な準備金調達方法を採用し、当該商品の強化を実施した。保証付きユニ
バーサル生命保険商品の強化により、キャプティブ再保険を通じた資金調達を要することなく原則主義的な法定
準備金の水準が維持される。当社は、かかる原則主義的な準備金調達が、予定された法定準備金の水準と個人生
命保険商品販売の残りのポートフォリオに係る商品価格に与える影響の評価を継続している。
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格付
財務力格付(場合により、「保険金支払能力」格付とも言われる。)及び信用格付は、保険会社に対する一般
の人々の信頼及び商品販売における競争力に影響を及ぼす重要な要素である。当社の信用格付は、債券発行によ
る増資能力及び資金調達費用にとっても重要なものである。米国において広く認知された格付機関(Nationally
Recognized Statistical Ratings Organizations)は、当該機関が格付する事業体(プルデンシャル・ファイナ
ンシャル及び格付対象となる子会社等を含む。)の業績及び財務状態を継続的に検証している。
プルデンシャル・ファイナンシャル又はその格付対象子会社の信用格付又は財務力格付の低下は、とりわけ
当社の商品販売能力に制約を与え、当社の競争力を低下させ、保険契約の解約及び引出数の件数及び金額を増大
させ、当社の借入費用を増大させ、資金の借入を困難なものとし、信用状等の財務保証の獲得に悪影響を及ぼ
し、一定の契約について追加の担保条件やその他の支払義務を発生させる可能性がある。その結果、取引業者が
デリバティブ契約を解除する、及び/又は債権者、代理店若しくは取引同業者との関係が悪化するおそれがあ
る。これにより、当社の収益性、流動性及び/又は資本が悪影響を被る可能性もある。さらに、当社は当社の負
債の公正価値を決定する際、当社自身の不履行リスクを考慮している。そのため、当社の信用格付又は財務力格
付の変更は、当社の負債の公正価値に影響を与える可能性がある。
財務力格付とは、保険会社が保険契約に基づく債務を履行する財務的能力に関する格付機関の評価を表すもの
である。信用格付とは、事業体の債務履行能力に関する格付機関の評価を表すものである。下表は、プルデン
シャル・ファイナンシャル及びその子会社の一部の本書提出日現在の格付をとりまとめたものである。
AM ムーディ
ベスト S&P ーズ フィッチ
(注1) (注2) (注3) (注4)
2018年 2018年 2017年 2018年
最終評価日
12月13日 11月20日 11月15日 10月18日
現在のアウトルック 安定的 安定的 ポジティブ 安定的
財務力格付:
ザ・プルデンシャル・インシュアランス・カンパニー・オブ・アメリカ A+ AA- A1 AA-
プルコ・ライフ・インシュアランス・カンパニー A+ AA- A1 AA-
プルコ・ライフ・インシュアランス・カンパニー・オブ・ニュージャー
A+ AA- NR** AA-
ジー
プルデンシャル・アニュイティーズ・ライフ・アシュアランス・コーポ
A+ AA- NR AA-
レーション
プルデンシャル・リタイアメント・インシュアランス・アンド・アニュイ
A+ AA- A1 AA-
ティ・カンパニー
プルデンシャル生命保険株式会社(プルデンシャル生命) NR A+ NR NR
ジブラルタ生命保険株式会社 NR A+ NR NR
プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社 NR A+ NR NR
プルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・オブ・タイワ
NR twAAA NR NR
ン・インク(注5)
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AM ムーディ
ベスト S&P ーズ フィッチ
(注1) (注2) (注3) (注4)
信用格付:
プルデンシャル・ファイナンシャル・インク:
短期借入 AMB-1 A-1 P-2 F1
長期優先債務 a- A Baa1 A-
長期下位劣後債務 bbb BBB+ Baa2 BBB
ザ・プルデンシャル・インシュアランス・カンパニー・オブ・アメリカ:
資本及びサープラスノート ▶ A A3 A
プルデンシャル・ファンディング・エルエルシー:
F1 +
短期債務 AMB-1 A-1+ P-1
A +
長期優先債務 a+ AA- A2
プリコア・グローバル・ファンディングI:
aa- AA- A1 AA-
長期優先債務
* 現在のプルデンシャルの格付の「安定的」なアウトルックは、S&Pによる格付を受けたすべてのプルデンシャル事業体
(「ポジティブ」なアウトルックを付与されたプルデンシャルの日本子会社(プルデンシャル生命保険株式会社、ジブラ
ルタ生命保険株式会社及びプルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社)を除く。)に対応してい
る。
** 「NR」は、「格付なし」を意味する。
(注1) AMベスト・カンパニー(「AMベスト」)の保険会社に対する財務力格付は、「A++(優秀)」から「