ソフトバンクグループ株式会社 有価証券報告書 第39期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
提出書類 | 有価証券報告書-第39期(平成30年4月1日-平成31年3月31日) |
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提出日 | |
提出者 | ソフトバンクグループ株式会社 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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ソフトバンクグループ株式会社(E02778)
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【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2019年6月19日
【事業年度】 第39期(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
【会社名】 ソフトバンクグループ株式会社
【英訳名】 SoftBank Group Corp.
【代表者の役職氏名】 代表取締役会長 兼 社長 孫 正義
【本店の所在の場所】 東京都港区東新橋一丁目9番1号
【電話番号】 03-6889-2290
【事務連絡者氏名】 常務執行役員 君和田 和子
【最寄りの連絡場所】 東京都港区東新橋一丁目9番1号
【電話番号】 03-6889-2290
【事務連絡者氏名】 常務執行役員 君和田 和子
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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第一部 【企業情報】
本有価証券報告書における社名または略称
本有価証券報告書において、文脈上別異に解される場合または別段の記載がある場合を除き、以下の社名または略
称は以下の意味を有します。
社名または略称 意味
ソフトバンクグループ㈱ ソフトバンクグループ㈱(単体)
当社 ソフトバンクグループ㈱および子会社
※以下の略称の意味は、それぞれの会社の傘下に子会社がある場合、それらを含みます。
Sprint Corporation
スプリント
Arm Limited
アーム
SoftBank Vision Fund L.P.と代替の投資ビークル
ソフトバンク・ビジョン・ファンドまたはSVF
SB Delta Fund (Jersey) L.P.
デルタ・ファンド
Alibaba Group Holding Limited
アリババ
SB Investment Advisers (UK) Limited
SBIA
当期 2019年3月31日に終了した1年間
当第1四半期 2018年6月30日に終了した3カ月間
当第2四半期 2018年9月30日に終了した3カ月間
当第3四半期 2018年12月31日に終了した3カ月間
当第4四半期 2019年3月31日に終了した3カ月間
前期 2018年3月31日に終了した1年間
当期末 2019年3月31日
前期末 2018年3月31日
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第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
2015年3月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月
回次 31日に終了 31日に終了 31日に終了 31日に終了 31日に終了
した1年間 した1年間 した1年間 した1年間 した1年間
自2014年 自2015年 自2016年 自2017年 自2018年
4月1日 4月1日 4月1日 4月1日 4月1日
会計期間
至2015年 至2016年 至2017年 至2018年 至2019年
3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日
売上高 (百万円) 8,504,135 8,881,777 8,901,004 9,158,765 9,602,236
営業利益 (百万円) 918,720 908,907 1,025,999 1,303,801 2,353,931
親会社の所有者に
(百万円) 668,361 474,172 1,426,308 1,038,977 1,411,199
帰属する純利益
親会社の所有者に
(百万円) 991,671 195,864 1,385,958 1,153,128 1,440,235
帰属する包括利益
親会社の所有者に
(百万円) 2,846,306 2,613,613 3,586,352 5,184,176 7,621,481
帰属する持分
総資産額 (百万円) 21,034,169 20,707,192 24,634,212 31,180,466 36,096,476
1株当たり親会社
(円) 2,393.47 2,278.85 3,292.40 4,302.26 6,760.66
所有者帰属持分
基本的1株当たり純利益 (円) 562.20 402.49 1,287.01 933.54 1,268.15
希薄化後1株当たり純利益 (円) 558.75 388.32 1,275.64 908.38 1,256.53
親会社所有者帰属持分比率 (%) 13.5 12.6 14.6 16.6 21.1
親会社所有者帰属持分
(%) 28.0 17.4 46.0 23.7 22.0
純利益率
株価収益率 (倍) 12.4 13.3 6.1 8.5 8.5
営業活動による
(百万円) 1,155,174 940,186 1,500,728 1,088,623 1,171,864
キャッシュ・フロー
投資活動による
(百万円) △ 1,667,271 △ 1,651,682 △ 4,213,597 △ 4,484,822 △ 2,908,016
キャッシュ・フロー
財務活動による
(百万円) 1,719,923 43,270 2,380,746 4,626,421 2,202,291
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の
(百万円) 3,258,653 2,569,607 2,183,102 3,334,650 3,858,518
期末残高
66,154 63,591 68,402 74,952 76,866
従業員数 (名)
( 6,824 ) ( 11,297 ) ( 12,924 ) ( 13,346 ) ( 15,203 )
(注) 1 本報告書において、連結会計年度は「3月31日に終了した1年間」と記載しています。
2 百万円未満を四捨五入して記載しています。
3 従業員数は、就業人員数を表示しています。従業員数の( )は、平均臨時雇用者数であり、外数です。
4 1株当たり親会社所有者帰属持分に使用する親会社所有者帰属持分は、「親会社の所有者に帰属する持分」
から当社普通株主に帰属しない金額を控除し、算定しています。
5 2018年6月30日に終了した3カ月間より、IFRS第9号「金融商品」およびIFRS第15号「顧客との契約から生
じる収益」を適用しています。当社は、遡及修正の累積的影響を適用開始日に認識する方法を採用している
ため、2015年3月31日に終了した1年間から2018年3月31日に終了した1年間については、修正再表示して
いません。
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(2) 提出会社の経営指標等
回次 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
決算年月 2015年3月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月
売上高 (百万円) 47,423 46,118 46,312 - -
営業収益 (百万円) - - - 62,412 2,070,057
経常利益又は経常損失
(百万円) 40,482 1,193,181 2,870,956 △ 150,510 1,728,503
(△)
当期純利益 (百万円) 3,272 779,783 2,745,949 204,676 1,977,693
資本金 (百万円) 238,772 238,772 238,772 238,772 238,772
発行済株式総数 (株) 1,200,660,365 1,200,660,365 1,100,660,365 1,100,660,365 1,100,660,365
純資産額 (百万円) 894,693 1,360,467 3,707,806 3,876,390 5,440,301
総資産額 (百万円) 7,172,905 7,570,937 12,555,813 14,836,396 15,057,029
1株当たり純資産額 (円) 752.04 1,186.19 3,402.05 3,549.97 5,148.38
1株当たり配当額 40.00 41.00 44.00 44.00 44.00
(円)
(内1株当たり
( 20.00 ) ( 20.00 ) ( 22.00 ) ( 22.00 ) ( 22.00 )
(円)
中間配当額)
1株当たり当期純利益
(円) 2.75 661.90 2,477.76 187.87 1,818.47
金額
潜在株式調整後
1株当たり当期純利益 (円) 2.75 661.59 2,475.49 187.64 1,815.26
金額
自己資本比率 (%) 12.5 18.0 29.5 26.1 36.0
自己資本利益率 (%) 0.4 69.2 108.4 5.4 42.6
株価収益率 (倍) 2,536.2 8.1 3.2 42.3 5.9
配当性向 (%) 1,453.4 6.2 1.8 23.4 2.4
202 199 199 195 192
従業員数 (名)
( 11 ) ( 6 ) ( 7 ) ( 10 ) ( 15 )
株主総利回り 90.0 69.8 102.4 104.1 140.5
(%)
(比較指標:日経平均
( 129.5 ) ( 113.0 ) ( 127.5 ) ( 144.7 ) ( 143.0 )
(%)
株価)
最高株価 (円) 8,760 7,827 9,066 10,550 11,500
最低株価 (円) 6,683 4,133 5,194 7,494 6,803
(注) 1 2018年度より従来「売上高」としていた表記を「営業収益」に変更しています。これに伴い2017年度を遡及
して「営業収益」に修正しています。詳細は、注記事項(表示方法の変更)に記載しています。
また「売上高」および「営業収益」には、消費税等は含まれていません。
2 百万円未満を四捨五入して記載しています。
3 従業員数は、就業人員数を表示しています。従業員数の( )は、平均臨時雇用者数であり、外数です。
4 最高・最低株価は東京証券取引所市場第一部におけるものです。
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2 【沿革】
1981年9月 ㈱日本ソフトバンク(東京都千代田区四番町)設立、パーソナルコンピューター用パッ
ケージソフトの流通業を開始
1982年5月 月刊「Oh! PC」、月刊「Oh! MZ」創刊、出版事業に参入
1990年7月 「ソフトバンク㈱」に商号を変更
1994年7月 株式を日本証券業協会に登録
1996年1月 ヤフー㈱設立
5月 本店を東京都中央区日本橋箱崎町24番1号に移転
1998年1月 東京証券取引所市場第一部へ上場
1999年10月 純粋持ち株会社へ移行
2001年9月 ビー・ビー・テクノロジー㈱(後にソフトバンクBB㈱、現 ソフトバンク㈱)が「Yahoo!
BB」の商用サービスを開始
2004年7月 日本テレコム㈱(後にソフトバンクテレコム㈱、現 ソフトバンク㈱)を子会社化
2005年1月 ㈱福岡ダイエーホークス(現 福岡ソフトバンクホークス㈱)を子会社化
3月 本店を東京都港区東新橋一丁目9番1号に移転
2006年4月 ボーダフォン㈱(後にソフトバンクモバイル㈱、現 ソフトバンク㈱)を子会社化
2010年6月 「ソフトバンク 新30年ビジョン」を発表
2013年1月 イー・アクセス㈱(後にワイモバイル㈱、現 ソフトバンク㈱)を子会社化
7月 米国の携帯電話事業者であるスプリントを子会社化
2014年9月 関連会社のアリババが米国ニューヨーク証券取引所に上場
2015年4月 ソフトバンクモバイル㈱、ソフトバンクBB㈱、ソフトバンクテレコム㈱およびワイモバイ
ル㈱が、ソフトバンクモバイル㈱を存続会社とする吸収合併方式により合併(ソフトバン
クモバイル㈱は、2015年7月 「ソフトバンク㈱」に商号変更)
7月 「ソフトバンクグループ㈱」に商号を変更
2016年9月 英国の半導体設計会社であるアームを子会社化
2017年5月 主にテクノロジー企業への投資を行うソフトバンク・ビジョン・ファンドが活動を開始
(注)
2018年4月
スプリントが米国の携帯電話事業者Tモバイルとの合併合意を発表
12月 ソフトバンク㈱が東京証券取引所市場第一部に上場
(注)スプリントとTモバイルの株主および規制当局の承認、その他の一般的なクロージング要件の充足を必要と
します。
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3 【事業の内容】
当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定や業績の評価を行うための区分を基礎としています。2018
年6月30日に終了した3カ月間から、当社独自の組織戦略である「群戦略」に基づくグループ体制の変化に伴ってセ
グメント管理区分を見直し、「ソフトバンク事業」、「スプリント事業」、「ヤフー事業」、「アーム事業」、「ソ
フトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業」および「ブライトスター事業」の6つを報告セグメ
ントとしています。
セグメント名称 主な事業の内容 主な会社
ソフトバンク㈱
・日本国内での移動通信サービスの提供、
Wireless City Planning㈱
携帯端末の販売、ブロードバンドなど固
SB C&S㈱(旧ソフトバンクコマー
定通信サービスの提供
ソフトバンク事業
ス&サービス㈱)
・日本国内でのパソコン向けソフトウエ
ア、周辺機器、携帯端末アクセサリーの
販売
Sprint Corporation
・米国での移動通信サービスの提供、携帯
端末の販売やリース、アクセサリーの販
スプリント事業
報
売、固定通信サービスの提供
告
セ
・インターネット上の広告事業 ヤフー㈱
グ
ヤフー事業 ・イーコマース事業 アスクル㈱
メ
・会員サービス事業
ン
ト
Arm Limited
・マイクロプロセッサーのIPおよび関連テ
クノロジーのデザイン
アーム事業
・ソフトウエアツールの販売、
ソフトウエアサービスの提供
SoftBank Vision Fund L.P.
・ソフトバンク・ビジョン・ファンドによ
ソフトバンク・ビジョ
SB Delta Fund (Jersey) L.P.
ン・ファンドおよび
る投資事業
デルタ・ファンド事業
・デルタ・ファンドによる投資事業
Brightstar Corp.
ブライトスター事業 ・海外での携帯端末の流通事業
Fortress Investment Group LLC
・オルタナティブ投資の資産運用事業
福岡ソフトバンクホークス㈱
そ の 他 ・福岡ソフトバンクホークス関連事業
PayPay㈱
・スマートフォン決済事業
なお、ソフトバンクグループ㈱は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準および重
要基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断すること
となります。
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4 【関係会社の状況】
a.会社形態
資本金 議決権の
名称 住所 主要な事業の内容 関係内容
又は出資金 所有割合
ソフトバンク事業
(子会社)
日本国内での移動
通信サービスの提
ソフトバンク㈱
204,309 供、携帯端末の販 66.5%
東京都港区 役員兼務…2名
(注1)4,5,7
百万円 売、ブロードバン (66.5%)
(注2)1
ドなど固定通信
サービスの提供
ICT関連製品の製
SB C&S㈱ 100%
500 造・流通・販売、
東京都港区 役員兼務…1名
百万円 ICT関連サービスの
(注2)2 (100%)
提供
モバイルブロード
Wireless City Planning㈱ 18,899
32.2%
東京都港区 バンド通信サービ 役員兼務…1名
(32.2%)
(注1)6 百万円
スの企画・提供
決済サービス、
SBペイメントサービス㈱ 6,075 100%
東京都港区 カードサービス等
(注2)3 百万円 (100%)
の提供
オンラインビジネ
ソフトバンク・テクノロジー㈱
995 54.1%
スのソリューショ
(注1)5 東京都新宿区
ンおよびサービス
百万円 (54.1%)
(注2)4,11
の提供
IT総合情報サイト
アイティメディア㈱ 東京都 1,709 53.6%
「ITmedia」等の運
(注1)5 千代田区 百万円 (53.6%)
営
(関連会社)
EC事業者および小
売業向けのパーソ
ナライズ・エンジ
サイジニア㈱
800 32.1%
ン「デクワス」を
(注1)5 東京都港区
利用したインター
百万円 (32.1%)
(注2)11
ネットマーケティ
ング支援サービス
を提供
㈱ジーニー
1,539 31.5%
アドテクノロジー
(注1)5 東京都新宿区
事業
百万円 (31.5%)
(注2)11
スプリント事業
(子会社)
Sprint Corporation
米国 40,810 84.4%
(注1)4,8 持ち株会社 役員兼務…3名
デラウェア州 千米ドル (84.4%)
(注2)5,6
米国での移動通信
サービスの提供、
Sprint Communications, Inc.
携帯端末の販売や
米国 1,180,954 100%
(注1)4 リース、アクセサ
カンザス州 千米ドル (100%)
リーの販売、固定
(注2)5,6
通信サービスの提
供
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資本金 議決権の
名称 住所 主要な事業の内容 関係内容
又は出資金 所有割合
ヤフー事業
(子会社)
インターネット上
ヤフー㈱
東京都 8,939 48.2%
の広告事業、イー
(注1)5,6 役員兼務…2名
コマース事業、会
千代田区 百万円 (48.2%)
(注2)7,8
員サービス事業
アフィリエイト
マーケティング
バリューコマース㈱ 1,728 52.0%
東京都港区 サービス事業、ス
(注1)5 百万円 (52.0%)
トアマッチサービ
ス事業
㈱ジャパンネット銀行 37,250 46.6%
東京都新宿区 銀行業
(注1)4,6 百万円 (46.6%)
文房具等および
アスクル㈱ 21,189 45.2%
東京都江東区 サービスにおける
(注1)5,6 百万円 (45.2%)
通信販売事業
㈱イーブックイニシアティブ
東京都 872 43.5%
ジャパン
電子書籍の配信
千代田区 百万円 (43.5%)
(注1)5,6
アーム事業
(子会社)
マイクロプロセッ
サーのIPおよび関
英国
連テクノロジーの
100%
1,025
Arm Limited
デザイン、ソフト 役員兼務…5名
ケンブリッジ
( 100% )
千ポンド
ウエアツールの販
シャー州
売、ソフトウエア
サービスの提供
Arm PIPD Holdings One, LLC 米国 500,166 100%
持ち株会社
(注1)4 デラウェア州 千ポンド (100%)
Arm PIPD Holdings Two, LLC 米国 343,203 100%
持ち株会社
(注1)4 デラウェア州 千ポンド (100%)
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業
(子会社)
当社より資金援助
ソフトバンク・ビ
を受けている。
SB Investment Advisers (UK)
英国 390 ジョン・ファンド
100% 当社より債務保証
ロンドン 千米ドル およびデルタ・
Limited
を受けている。
ファンドの運営
役員兼務…1名
ブライトスター事業
(子会社)
米国
Brightstar Global Group Inc. 3
持ち株会社 89.5% 役員兼務…1名
デラウェア州
(注1)9 千米ドル
ロンドン
当社より資金援助
米国 0 100%
海外での携帯端末
Brightstar Corp.
を受けている。
の流通事業
デラウェア州 千米ドル (100%)
役員兼務…1名
全社
(子会社)
ソフトバンクグループジャパン
当社へ貸付を行っ
㈱
24
ている。
東京都港区 持ち株会社 100%
(注1)4
百万円
役員兼務…1名
(注2)9
当社へ貸付を行っ
SoftBank Group Capital
英国 5,508
ている。
Limited 持ち株会社 100%
当社より債務保証
ロンドン 千米ドル
(注1)4
を受けている。
米国 0 100%
SB Group US, Inc.
持ち株会社
デラウェア州 千米ドル (100%)
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資本金 議決権の
名称 住所 主要な事業の内容 関係内容
又は出資金 所有割合
その他
(子会社)
Fortress Investment Group
米国 オルタナティブ投 100%
- 役員兼務…1名
ニューヨーク州 資の資産運用事業 (100%)
LLC(注2)10
プロ野球球団の保
有、野球競技の運
営、野球などのス
当社より資金援
ポーツ施設の経
100 助を受けてい
営・管理、各種メ
福岡ソフトバンクホークス㈱ 福岡市中央区 100%
る。
百万円
ディアを利用した
役員兼務…1名
映像・音声・デー
タなどのコンテン
ツ配信サービス
当社より資金援
自然エネルギーに
3,154 助を受けてい
SBエナジー㈱ 東京都港区 よる発電、電気の 100%
る。
百万円
供給および販売
役員兼務…1名
東京都 23,000 スマートフォン決 100%
PayPay㈱
済事業
千代田区 百万円 (100%)
11,600
ソフトバンクロボティクスグ
東京都港区 持ち株会社 69.7% 役員兼務…1名
ループ㈱
百万円
スカイウォークファイナンス合
当社へ貸付を
同会社
0 100%
行っている。
東京都港区 持ち株会社
(注1)4
百万円 (0.0%)
役員兼務…1名
(注2)12
オンラインゲーム
の運営・販売・
㈱ベクター
マーケティング、
1,018 52.1%
(注1)5 東京都新宿区 パソコン用ソフト
百万円 (52.1%)
ウエアのダウン
(注2)11
ロード販売、広告
販売
SoftBank Ventures Asia Corp. 韓国 18,000 100%
持ち株会社
(注2)13 ソウル 百万ウォン (100%)
韓国 2,200
SoftBank Korea Corp.
持ち株会社 100%
ソウル 百万ウォン
米国 7
SOFTBANK Holdings Inc.
持ち株会社 100% 役員兼務…1名
デラウェア州 千米ドル
米国 0 100%
SOFTBANK America Inc.
持ち株会社 役員兼務…1名
デラウェア州 千米ドル (100%)
SB Pan Pacific Corporation 48,248
当社へ貸付を
ミクロネシア 持ち株会社 100%
行っている。
(注1)4 百万円
当社より資金援
SB INVESTMENT HOLDINGS 英国 0 100%
持ち株会社 助を受けてい
(UK)LIMITED ロンドン 千米ドル (100%)
る。
STARFISH I PTE LTD. 101,298
シンガポール 持ち株会社 100%
(注1)4 百万円
Starburst I, Inc.
米国 216 100%
(注1)4 持ち株会社 役員兼務…1名
デラウェア州 千米ドル (100%)
(注2)5,6
当社より債務保
West Raptor Holdings, LLC
米国 1,251,768 100% 証を受けてい
(注1)4 持ち株会社
る。
デラウェア州 千米ドル (100%)
(注2)15
役員兼務…1名
当社より資金援
Hayate Corporation 77,842
ミクロネシア 持ち株会社 100% 助を受けてい
(注1)4 百万円
る。
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資本金 議決権の
名称 住所 主要な事業の内容 関係内容
又は出資金 所有割合
その他
(関連会社)
46
Foxconn Ventures Pte. Ltd.
シンガポール 持ち株会社 36.4%
千米ドル
267,184 25.8%
HIKE GLOBAL PTE. LTD.
シンガポール 持ち株会社
千米ドル (1.6%)
中国のSNSサイト
「人人(レンレ
Renren Inc. 1,042 42.8%
ケイマン ン)」を運営する
(注2)14 千米ドル (42.8%)
会社などに出資し
ている会社
イーコマース事
業、コンテンツ
Alibaba Group Holding
1,000 28.9%
サービス、クラウ
Limited ケイマン 役員兼務…2名
ドサービス等を提
千人民元 (9.9%)
(注2)12,15
供する会社に出資
している会社
携帯端末向け広告
359 45.0%
InMobi Pte. Ltd.
シンガポール 配信サービスの提
千米ドル (45.0%)
供
b.リミテッド・パートナーシップ形態
名称 住所 受入資本金 主要な事業の内容 出資割合 関係内容
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業
(子会社)
ソフトバンク・ビ
SoftBank Vision Fund L.P. 48
チャンネル諸島
ジョン・ファンド 33.6%
ジャージー
(注2)16 十億米ドル
による投資
5
チャンネル諸島 デルタ・ファンド
SB Delta Fund (Jersey)L.P.
73.7%
ジャージー による投資事業
十億米ドル
上記に掲載した会社以外の関係会社の社数は1,703社であり、内訳は、子会社1,261社、関連会社416社、共同支配企業
26社です。
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EDINET提出書類
ソフトバンクグループ株式会社(E02778)
有価証券報告書
(注1) 1 議決権の所有割合の( )は、間接所有割合を内数で表記しています。
2 子会社で合同会社については、議決権の所有割合の欄には資本金等に対するソフトバンクグループ㈱の出
資割合を記載しています。
3 子会社でLLCについては、議決権の所有割合の欄には出資金に対する当社の出資割合を記載しています。
4 特定子会社に該当します。①海外所在の子会社は、その本国の会社の計算に関する法令または慣行により
単体の財務書類を作成する必要がある場合に限り単体の財務書類を作成し、企業内容等の開示に関する内
閣府令(以下「開示府令」)第19条第10項第1号から第3号までの該当性を判断しています。一方、単体
の財務書類を作成していない、または連結決算日時点で単体の財務書類を作成していない海外子会社の資
本金の額および純資産額を算出することはできないため、当該会社については、開示府令第19条第10項第
1号のみにより特定関係の有無を判断しています。②ファンド形態の子会社は、当該ファンドに適用のあ
る計算に関する法令又は慣行に則り作成されたファンドの財務書類上の純資産額により、開示府令第19条
第10項第2号の該当性を判断しています。
5 有価証券届出書または有価証券報告書を提出しています。
6 議決権の所有割合は100分の50以下ですが、当社が支配していると判断し、子会社としました。
7 ソフトバンク㈱の売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)は、連結売上高に占める割合が100分の
10を超えていますが、ソフトバンク㈱は、有価証券報告書の提出会社であるため、主要な損益情報等の記
載を省略しています。
8 Sprint Corporation(その連結子会社を含む)の売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)は、連結
売上高に占める割合が100分の10を超えていますが、セグメント情報におけるスプリント事業の売上高
(セグメント間の内部売上高または振替高を含む)に占める割合が100分の90を超えているため、主要な
損益情報等の記載を省略しています。
9 Brightstar Global Group Inc.(その連結子会社を含む)の売上高(連結会社相互間の内部売上高を除
く)は、連結売上高に占める割合が100分の10を超えていますが、セグメント情報におけるブライトス
ター事業の売上高(セグメント間の内部売上高または振替高を含む)に占める割合が100分の90を超えて
いるため、主要な損益情報等の記載を省略しています。
10 重要な債務超過の状況にある関係会社はありません。①ソフトバンクグループ㈱および子会社からの借入
金等がある関係会社は、当該借入金等を控除した負債から算定した純資産額と、日本公認会計士協会より
公表されている監査委員会研究報告第8号『有価証券報告書等の「関係会社の状況」における債務超過の
状況にある関係会社の開示に係る重要性の判断基準について』(以下「監査委員会研究報告第8号」)と
の該当性を判断しています。②海外の関係会社は、その本国の会社の計算に関する法令または慣行により
単体の財務書類を作成する必要がある場合に限り単体の財務書類を作成し、監査委員会研究報告第8号と
の該当性を判断しています。一方、単体の財務書類を作成していない海外の関係会社の純資産額を算出す
ることはできないため、当該会社については、当社の連結財務諸表作成のために継続的に入手している当
該会社の連結財務諸表を基に監査委員会研究報告第8号との該当性を判断しています。
11 開示府令第19条第10項第1号の該当性は、ソフトバンクグループ㈱に対する仕入高及び支払配当の総額の
ソフトバンクグループ㈱の営業収益の総額に占める割合で判定しています。
(注2) 1 2018年12月19日に、ソフトバンク㈱は東京証券取引所市場第一部に上場しました。当社の100%子会社で
あるソフトバンクグループジャパン㈱は、所有するソフトバンク㈱株式の一部を売出しました。
2 2019年1月1日付で、ソフトバンク コマース&サービス㈱は社名をSB C&S㈱へ変更しました。
3 2019年1月1日付で、ソフトバンク・ペイメント・サービス㈱は社名をSBペイメントサービス㈱へ変更し
ました。
4 2019年6月17日開催のソフトバンク・テクノロジー㈱第31回定時株主総会において、2019年10月1日を効
力発生日として、商号をSBテクノロジー㈱に変更することについて承認されました。
5 2018年4月6日付で、ソフトバンクグループ㈱はソフトバンクグループインターナショナル合同会社が保
有するStarburst I, Inc.およびGalaxy Investment Holdings, Inc.の全株式を取得しました。2018年4
月26日付で、ソフトバンクグループ㈱はStarburst I, Inc.およびGalaxy Investment Holdings, Inc.の
全株式をSoftBank Group Capital Limitedへ現物出資しました。なお、Starburst I, Inc.およびGalaxy
Investment Holdings, Inc.は、Sprint Corporation株式を保有しています。Sprint Corporationは
Sprint Communications, Inc.の全株式を保有しています。
6 2018年4月29日に、スプリントとT-Mobile US Inc. (以下「Tモバイル」)が、スプリントとTモバイ
ルの全ての対価を株式とする合併による取引(以下「本取引」)に関して最終的な合意に至りました。本
取引完了後、統合後の会社はソフトバンクグループ㈱の持分法適用関連会社となり、スプリントは当社の
子会社ではなくなる見込みです。
本取引において、Starburst I, Inc.およびGalaxy Investment Holdings, Inc.は、Tモバイルが直接保有
する米国子会社であるHuron Merger Sub LLCとの間で同社を存続会社とする吸収合併を行います。
(注)本取引は、スプリントとTモバイルの株主および規制当局の承認、その他の一般的なクロージング
要件の充足を必要とします。
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ソフトバンクグループ株式会社(E02778)
有価証券報告書
7 2019年6月18日開催のヤフー㈱第24回定時株主総会において、2019年10月1日を目途に持株会社体制に移
行することを目的として、会社分割および商号を「Zホールディングス㈱」に変更することを決議しまし
た。
会社分割は、必要に応じ所管官公庁の許認可等が得られることを条件とします。商号変更は、会社分割の
効力発生を条件とします。会社分割および商号変更の効力発生日は、2019年10月1日(予定)です。
8 2018年8月9日付で、ヤフー㈱による自己株式の公開買付けが成立し、ソフトバンクグループジャパン㈱
は保有するヤフー㈱の株式の一部を売却しました。2018年8月9日付で、ソフトバンク㈱はヤフー㈱の株
式を公開買付の方法により取得しました。
2019年5月8日付で、ソフトバンク㈱はヤフー㈱の2019年6月27日を払込期日とする第三者割当増資の引
受けを目的とした総数引受契約をヤフー㈱と締結しました。2019年6月5日付で、ヤフー㈱による自己株
式の公開買付けが成立し、ソフトバンクグループジャパン㈱は保有するヤフー㈱の株式の一部を売却する
こととなりました。
9 ソフトバンクグループインターナショナル合同会社は、2018年6月15日を効力発生日として、合同会社か
ら株式会社へ組織変更を行いソフトバンクグループジャパン㈱に社名変更しました。
10 Fortress Investment Group LLCは、単体の財務書類を作成していないため、出資金を表示していませ
ん。
11 2018年4月1日付で、ソフトバンクグループインターナショナル合同会社が保有するソフトバンク・テク
ノロジー㈱、㈱ベクター、㈱ジーニーおよびサイジニア㈱他7社の全株式をソフトバンク㈱へ現物出資し
ました。
12 スカイウォークファイナンス合同会社は、保有するAlibaba Group Holding Limited株式(以下「アリバ
バ株」)を担保にした借入を行っています。
13 2018年12月21日付で、SoftBank Ventures Korea Corp.は社名をSoftBank Ventures Asia Corp.へ変更し
ました。
14 2018年9月21日付で、SB Pan Pacific Corporationが保有するRenren Inc.の全株式を、SoftBank Group
Capital Limitedへ譲渡しました。
15 2019年6月3日付で、当社の100%子会社であるWest Raptor Holdings, LLCは、保有するアリババ株の一
部を売却しました。
16 SoftBank Vision Fund L.P.の受入資本金は、SoftBank Vision Fund L.P.の代替の投資ビークルの受入資
本金を含んでいます。
SoftBank Vision Fund L.P.の出資割合は、ソフトバンク・ビジョン・ファンドに関連するインセンティ
ブ・スキームによる出資を含んでいます。
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ソフトバンクグループ株式会社(E02778)
有価証券報告書
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2019年3月31日現在におけるセグメント別の従業員数は以下の通りです。
2019年3月31日現在
セグメントの名称 従業員数(名)
ソフトバンク事業 23,132 ( 6,564 )
スプリント事業 27,072 ( 2,033 )
報
告
ヤフー事業 12,069 ( 5,082 )
セ
グ
メ
アーム事業 5,864 ( 120 )
ン
ソフトバンク・ビジョン・ファンド
ト
297 ( 2 )
およびデルタ・ファンド事業
ブライトスター事業 5,298 ( 109 )
その他 2,873 ( 1,267 )
全社(共通) 261 ( 26 )
合計 76,866 ( 15,203 )
(注) 従業員数は就業人員数を表示しています。従業員数の( )は、平均臨時雇用者数であり、外数です。
(2) 提出会社の状況
2019年3月31日現在
従業員数(名)(注4) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
192 ( 15 ) 41.5 10.1 12,533,937
(注) 1 従業員数は就業人員数を表示しています。従業員数の( )は、平均臨時従業員数であり、外数です。
2 平均年齢・平均勤続年数・平均年間給与は、当社正社員平均です。
3 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。
4 全社(共通)の就業人員数に含まれます。
(3) 労働組合の状況
ソフトバンクグループ㈱に労働組合はありませんが、連結子会社の一部に労働組合が結成されています。
なお、労使関係は良好で、特記すべき事項はありません。
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ソフトバンクグループ株式会社(E02778)
有価証券報告書
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社の本有価証券報告書の提出日現在における「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下の通りです。
また、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したも
のです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービ
スを提供する企業グループとなることを目指すとともに、企業価値の最大化を図っています。
(2)目標とする経営指標
当社は、戦略的持株会社であるソフトバンクグループ㈱が、グループ会社を投資ポートフォリオとして統括する
マネジメント体制のもと、株主価値(保有株式価値-純有利子負債で算出)を中長期的に最大化することを目指
し、保有株式価値の増大を図っています。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、情報技術の発展によって社会やライフスタイルが変革する「情報革命」を主要な成長機会として確実に
とらえ、長きにわたり人々の幸せに貢献していきたいと考えています。そのためには、社会ニーズの変化をいち早
くとらえ、今後の牽引役となるテクノロジーやビジネスモデルに合わせてグループの構成を最適化しながら自己変
革を繰り返していくことが不可欠です。現在、人工知能(AI)がさまざまなビジネスモデルに組み込まれることに
より、価値創造のあり方が塗り替えられ、多くの産業が根本から再定義されようとしています。当社は、AIの活用
による市場の拡大と新産業の創出という大きなチャンスを確実にとらえるため、「群戦略」という独自の組織戦略
に取り組むとともに、2017年に設立した「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を中心に、投資活動を拡大させて
います。
「群戦略」とは
「群戦略」は、特定の分野において優れたテクノロジーやビジネスモデルを持つ多様な企業群が、それぞれ自律
的に意思決定を行いつつも、資本関係と同志的結合を通じてシナジーを創出しながら共に進化・成長を続けていく
ことを志向するものです。ソフトバンクグループ㈱は、戦略的持株会社として、群を構成する各企業の意思決定に
影響を与えつつも、自律性を重んじ、出資比率は過半にこだわらず、ブランドの統一を志向しません。こうした多
種多様な企業でグループを構成することにより、柔軟に業容を変化・拡大させ、長期にわたり成長を続けることを
目指しています。
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有価証券報告書
(4)経営環境および対処すべき課題
重要な子会社別
当社の経営陣は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド、アームおよびソフトバンク㈱を、投資規模および当社
連結収益への影響度が極めて高い、最重要子会社と認識しています。各子会社における、経営上の課題は以下の
通りです。
①ソフトバンク・ビジョン・ファンドの成功
ソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下「SVF」)は、英国ロンドンに拠点を置く投資ファンドであり、次
世代のイノベーションを引き起こす可能性のある企業やプラットフォーム・ビジネスに対して、大規模かつ長
期的な投資を行うことを目指しています。SVFに対し、ソフトバンクグループ㈱はリミテッド・パートナーとし
て出資を行っています。SVFの運営は金融行為規制機構(The Financial Conduct Authority)に登録された当
社100%子会社SB Investment Advisers (UK) Limited (以下「SBIA」)が行っており、SBIAはSVFから管理報酬
および成功報酬を受け取ります。SBIAは、以下の取り組みを通じてSVFの利益を最大化することを目指していま
す。
a.運用体制の拡充
SBIAは、ソフトバンググループ㈱の取締役であるラジーブ・ミスラがCEOを務めるほか、投資銀行やベン
チャー・キャピタル、テクノロジー企業などそれぞれ多様な経歴を持つプロフェッショナルによって運営され
ています。投資規模の拡大に合わせた投資・運用体制を確保することを目的としてSBIAは人員の拡充を進めて
おり、世界8カ国の拠点を合わせた従業員数は、2019年3月31日現在297名に達しています。
b.「ユニコーン」中心の中長期的な分散投資
SVFは、970億米ドル(2019年3月31日現在)という多額の出資コミットメントに加え、存続期間が原則2029
年11月20日までの長期にわたるという特色を有しています。このような特色を生かし、SBIAは、企業価値が10
億米ドルを超えると試算される非上場企業(いわゆる「ユニコーン」)を中心に投資を行っており、各事業分
野におけるプレゼンスを確立した企業に対して中長期に投資を行うことで、短期的な市場の変動による影響を
抑えながら、中長期的な投資リターンを追求しています。
c.投資先価値の最大化の追求
SBIAは、投資先を慎重に選定することに加え、投資後も様々な支援を行い投資先の成長を促すことにより、
SVFの保有株式価値の最大化を追求しています。具体的には、SBIAは、情報・テクノロジー分野における同社の
知見や当社の事業基盤を活用することに加え、投資先間の協業を促進することで、投資先企業のさらなる成長
を後押ししていきます。
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ソフトバンクグループ株式会社(E02778)
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②アームの新規市場での事業成長
プロセッサーの設計を手がけるアームのテクノロジーは、省電力性に優れており、2018年12月31日現在、ス
マートフォン用メインチップの95%以上に採用されています。現在、アームは研究開発投資の加速フェーズに
あり、研究開発に従事する従業員数を、2016年の当社による買収時から2019年3月31日までに34%増加させる
など、収益のほぼ全てを事業に再投資しています。この研究開発投資の加速フェーズは今後数年にわたり続く
見込みである一方、現在開発が進む新テクノロジーから生まれる収益が今後の収益性を底上げしていくと見込
んでいます。アームの製品・サービスが属する世界の半導体市場は、AIやコンピューター・ビジョンなどの新
テクノロジーが自律走行車やIoTなどの成長市場で活用されることにより、堅調に成長することが見込まれてい
ます。一方、短期的には、スマートフォン市場の減速や中国経済の低迷などの影響をうけ、半導体市場の成長
は過去に比べゆるやかになることが予想されています。このような環境下でアームは、将来何年にもわたり必
要とされるテクノロジーの開発を図っており、研究開発のさらなる拡充により、以下の戦略を長期的に実現す
ることを目指しています。
·スマートフォンやコンシューマー・エレクトロニクス、組込アプリケーションなどの市場での高いシェア
を維持
·より多数のテクノロジー(グラフィック・プロセッサーや機械学習向けプロセッサーなど)や、より高付
加価値のテクノロジー(パフォーマンスやセキュリティーの向上など)が提供可能な分野で、ロイヤル
ティー単価を向上
·自動運転やIoT、拡張現実(AR)ヘッドセットなど新興技術分野でのポジションを確立
·メーカーやクラウドサービス提供企業へのライセンス直接供与など、競争環境を変えうる新商流の導入
·IoTマネージドサービス(デバイス管理やコネクティビティー提供、データ管理など)の提供による新規収
益源の確立
世界の半導体市場
(十億米ドル)
2016年4月
2017年4月 2018年4月
~2018年3月 ~2019年3月
~2017年3月
市場規模(金額ベース) 191.2 222.3 242.4
年間成長率 2.6% 16.3% 9.1%
出典:World Semiconductor Trade Association Trade Statistics(WSTS)、2019年5月時点。プロセッサー技
術を含まないメモリーおよびアナログチップを除く。
③ソフトバンク㈱の着実な利益成長と安定的なキャッシュ・フローの創出
日本の通信市場においては、政府の競争促進政策に基づく競争が深化していることに加え、新規参入も予定
され、通信事業者間の競争はますます激化しています。一方、通信サービスにおいてはIoTやAIの活用が急速に
浸透しています。このような経営環境の中で着実な利益成長と安定的なキャッシュ・フローの創出を継続して
いくため、ソフトバンク㈱は、「Beyond Carrier」戦略のもと、以下の取り組みを通じて、これまで培った事
業資産を活かしながら、顧客基盤の拡大を通じて通信事業のさらなる成長を目指すとともに、当社グループの
知見を活かし新たな領域へ事業を拡大することによって、収益基盤の強化および確立を図っています。
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a. 通信事業のさらなる成長
① 顧客基盤の拡大
・ スマートフォンのさらなる普及
・ 「SoftBank」「Y!mobile」「LINEモバイル」の3ブランドの提供による、多様なニーズへの対応
・インターネットサービスと移動通信サービスなどのセット契約割引の提供を通じた収益機会の創出
② 通信ネットワークの高度化
・安全性と信頼性の高い通信ネットワークの構築および継続的な安定運用
・5G対応ネットワークの効率的な構築・運用
b. 新規事業の育成・拡大
·ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先および当社グループのビジネスパートナーの日本展開へ
のインキュベーターとしての参画による、通信事業の事業資産および当社グループの持つテクノロ
ジー企業群とのつながりを活用した革新的なサービスの展開
·ヤフーとのさらなる協業による、サービス・ソリューションの提供
全社
安定した財務基盤の構築
当社グループは、通信事業のキャッシュ・フローに依拠した財務運営から、ソフトバンクグループ㈱が、子会
社を含むグループ会社を投資ポートフォリオとして統括する戦略的投資持株会社としての財務運営へと移行しま
した。株式市場の変調を含む保有株式価値の変動の影響を受けやすい同ビジネスモデルにおいて、ソフトバンク
グループ㈱は、これらの影響を可能な限り抑えた安定的な財務運営を行うことにより、安全性の確保を目指して
います。具体的には、ソフトバンクグループ㈱のLTV(Loan to Value、保有資産に対する負債の割合。調整後純
有利子負債(注)÷保有株式価値で算出)を主要な指標と定め、35%を上限に、金融市場の平時においては25%
未満に収まるよう同指標を管理しながら、新規投資や投資回収、投資資産価値の上昇など投資活動の状況に応じ
て適切に負債をコントロールしていくことを目指しています。
また、子会社を含むグループ会社からの配当収入やリミテッド・パートナーとしてソフトバンク・ビジョン・
ファンドから受け取る分配金などの収入を安定的に確保しながら、売却および借入れ(アセット・バック・ファ
イナンス)を含む投資資産の資金化や負債による資金調達を機動的に活用することで、最低2年分の社債の償還
資金に備えた潤沢な現預金を確保し安全性を維持できるよう努めています。
(注)当社グループのうち、上場子会社および関連会社であるソフトバンク㈱、スプリント、ヤフー㈱、アリバ
バのほか、アーム、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド、ブライトスターなど独
立採算で運営される事業体に帰属する有利子負債を除く
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ソフトバンクグループ株式会社(E02778)
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2 【事業等のリスク】
ソフトバンクグループ㈱および子会社・関連会社(以下「グループ会社」。ソフトバンクグループ㈱と併せて「当
社グループ」)は、戦略的投資持株会社であるソフトバンクグループ㈱がグループ会社を統括し投資ポートフォリオ
として管理する一方、グループ会社が、国内外において多岐にわたる事業を展開しています。これらの企業活動の遂
行にはさまざまなリスクを伴います。本有価証券報告書の提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及
ぼす可能性がある主なリスクは、以下の通りです。なお、これらは、当社グループで発生しうるすべてのリスクを網
羅しているものではありません。また、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提
出日現在において判断したものです。
(1)当社グループのビジネスモデルについて
当社グループは、独自の組織戦略「群戦略」(「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期
的な会社の経営戦略」を参照)のもと、子会社や関連会社(例えば、ソフトバンク㈱やアーム)への投資に加え、
投資ファンド(例えば、ソフトバンク・ビジョン・ファンド)への参画による投資を通じて、情報・テクノロジー
分野において多様な事業を展開する企業グループを構築し、中長期的な企業価値の最大化を図っていきます。この
過程において、各投資先(グループ会社を含みます。)は自律的な成長を目指す一方、ソフトバンクグループ㈱
は、戦略的投資持株会社として当社グループのネットワークを活用しながら、投資先同士による協業の促進を含め
た支援を行い、投資先各社の企業価値の向上を後押ししていきます。しかしながら、投資先の事業展開や業績が、
当社グループの投資時点における想定と異なった場合、当社グループの期待通りに投資のリターンが実現できず、
当社グループの事業活動及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、ソフトバンクグループ㈱は、純粋持株会社として、企業グループの構築に必要な投資活動のために資金調
達を行っており、グループ会社からの配当収入やリミテッド・パートナーとして参画する投資ファンドからの分配
金を主な収益として、投資資産の資金化や負債による資金調達と合わせ、投資ファンドへの支払義務の履行など
の、投資活動から生じる資金需要に対応しています。これらの配当や分配金による収入が減少した場合には、ソフ
トバンクグループ㈱の資金調達における信用力および業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、資金需要に対して
適時に十分な金額の調達がソフトバンクグループ㈱にとって好ましい条件で行えない場合には、投資活動が制限さ
れるなど、当社グループの持続的な成長に支障が生じる可能性があります。
(2)世界的な政治・経済情勢や金融市場の動向について
当社グループは、日本のほか、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域で投資や事業を
行っているため、これらの国・地域における政治・経済情勢の変化や、貿易摩擦・紛争などの国際情勢の変化によ
り、経済情勢や金融市場が悪化した場合には、当社グループの投資活動や事業活動が期待通りに展開できない可能
性があります。例えば、当社グループの保有株式価値の下落や投資回収における条件の悪化、回収の遅滞などが起
こる可能性があるほか、当社グループや投資先企業が提供するサービス・商品に対する需要の低下により各社の業
績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、流動性の低い未上場企業への投資については、市場環境が急激に悪
化した場合などには、当社グループの希望する時期・規模・条件で投資持分を売却できない可能性があります。こ
れらの結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループによる海外企業への外貨建投資においては、投資時からの為替変動により売却時に為替差損が発生
する可能性があります。また、当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、アームをはじめとする海外のグルー
プ会社の現地通貨建ての収益・費用および資産・負債を日本円に換算するため、為替相場の変動が当社グループの
業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)経営陣について
当社グループの重要な経営陣、特にソフトバンクグループ㈱代表取締役会長兼社長であり当社グループ代表であ
る孫 正義に不測の事態が発生した場合、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。
(4)投資活動について
当社グループは、ソフトバンクグループ㈱を中心に、企業買収、子会社・合弁会社の設立、事業会社・持株会社
(各種契約によって別会社を実質的に支配する会社を含みます。)・ファンドへの出資などの投資活動を行ってい
ます。これら投資活動については、以下のようなリスクがあり、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グ
ループの業績や財政状態、キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。
a. 投資先の業績によるリスク
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ソフトバンクグループ株式会社(E02778)
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投資先の収益性が低下するなど業績が悪化した場合や、当社グループがその投資時点において想定した通りに投
資先が事業を展開できない場合には、投資に伴い発生したのれんや有形固定資産、無形資産、株式などの金融資産
の 減損損失や評価損が発生する可能性、投資先から期待通りに利益分配などのリターンを得られない可能性、また
は、投資の回収ができない可能性があります。
ソフトバンクグループ㈱の個別決算においては、これらの投資活動により取得した出資持分などを含む資産の価
値が下落した場合、評価損が発生し、業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があるほか、投資先の業績が悪化
した場合には、投資先から期待通りの配当を得ることができず、キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があ
ります。
このほか、ソフトバンクグループ㈱は、当社グループの企業価値向上に必要と判断した場合、投資先に対し融資
や債務保証などの支援を行うことがあります。例えば、当社グループが投資した時点で想定した通りに事業を展開
できない場合、他の子会社などとの間で十分なシナジー(相乗効果)を創出できない場合、または事業展開のため
に想定以上の資金が必要となった場合、融資などの支援を行うことで当該投資先に係るリスク資産が増加する可能
性があります。
b. 規制リスク
当社グループが行う投資活動(企業買収や合併を含みます。)は、関係各国の規制当局から承認等が必要となる
場合があります。これらの必要な承認等が得られない場合には、当社グループの期待通りに投資ができない可能性
があります。
c. 企業買収や事業統合に関するリスク
当社グループが企業買収や事業統合を目的に行った投資において、その投資後に当社グループが取得した企業や
事業を統合した企業において重要な経営陣・従業員・取引先・顧客の喪失が起こるなど、当社グループの投資時点
において想定した通りに事業計画が進捗しない場合には、これらの企業の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性
があるほか、買収や統合後のシナジーが十分に創出されない可能性があります。その結果、これらの投資から期待
通りにリターンを得られない可能性があります。
d. 合弁事業や業務提携の提携先などに関するリスク
当社グループは、他社との合弁会社設立や業務提携などを通じて、国内外で事業展開を行うことがあります。こ
うした合弁の相手方や業務提携先が事業戦略を大幅に変更したり、その経営成績や財政状態が大幅に悪化した場
合、合弁事業や業務提携などが期待通りの成果を生まない可能性や継続が困難となる可能性があります。また、特
定の第三者との合弁事業や業務提携などを実施したことにより、その他の企業との合弁事業や業務提携などが制約
され、より大きな収益を上げる機会を逸する可能性があります。
e. 投資先のガバナンス・コンプライアンスに関するリスク
投資先が、当社グループの投資時に発見できない内部統制上の問題を抱えていたり、法令に違反する行為を行っ
ていたりする可能性があります。投資後にそうした問題や行為をモニターし是正する取り組みを導入しているもの
の、早期に是正できない場合、投資先のみならず、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し、事業活動に悪
影響を及ぼす可能性があります。
(5)技術・ビジネスモデルへの対応について
当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報・テクノロジー産業(例えば、通信産業や半導
体産業)において、事業や投資を行っています。当社グループが時流や市場の動向に沿った優れた技術やビジネス
モデルを創出または導入できない場合、それらを基に当社グループが提供する商品やサービスが市場での競争力を
失い、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性
があります。
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(6)他社との競合について
当社グループの競合他社は、その資本力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度など
において、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや
商品の開発や販売に取り組んだ場合、当社グループが販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサー
ビス・商品を提供できない、または顧客を獲得・維持できないことも考えられます。その結果として、当社グルー
プの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが、競合他社に先駆けて、または競合他社と比べて高い優位性を有する、サービス・商品を
導入した場合であっても、競合他社がこれらと同等もしくはより優れたものを導入することにより、当社グループ
の優位性が低下する可能性があるほか、研究開発に要した費用を回収できず、また、関連する事業資産(無形資産
を含みます。)を減損する可能性があります。この結果、当社グループの事業活動や業績および財政状態に悪影響
を及ぼす可能性があります。
(7)資金調達について
当社グループにおいて、ソフトバンクグループ㈱は、金融機関からの借入れや保有株式を活用した借入れ(ア
セット・バック・ファイナンス)、社債の発行などにより、投資活動など事業展開に必要な資金を調達していま
す。一方、上場子会社および関連会社であるソフトバンク㈱、スプリント、アリババ、ヤフー㈱のほか、アーム、
ブライトスター、ソフトバンク・ビジョン・ファンドなど独立採算で運営される事業体は、それぞれが独自に資金
調達を行っています。各国の金融政策や金融市場の変化等により金利が上昇した場合や、保有資産価値の減少や業
績悪化によりソフトバンクグループ㈱や各子会社・関連会社の信用格付けが引き下げられるなど信用力が低下した
場合には、これらの調達コストが増加し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、資金調達が予
定した時期・規模・条件等で行えない場合には、当社グループの投資活動や事業活動、業績および財政状態に悪影
響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、調達した資金の返済原資を確保するために、新たな資金調達やリファイナンス、一部資産の売
却などを行うことがあります。資金調達環境の悪化などにより、返済原資の捻出のために不利な条件での資産売却
や予定外の資産売却を余儀なくされる場合には 、 当社グループの業績や事業活動および財政状態に悪影響を及ぼす
可能性があります。
当社グループの金融機関からの借入れや社債などの債務には、各種コベナンツが付されていることがあります。
いずれかのコベナンツに抵触する可能性が発生し、抵触を回避するための手段を取ることができない場合、当該債
務について期限の利益を喪失する可能性があるほか、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる
可能性があります。その結果、当社グループの業績や事業活動および財政状態に悪影響を及ぼす可能性がありま
す。
(8)ソフトバンク・ビジョン・ファンドについて
ソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下「SVF」)は、英国の金融行為規制機構(the Financial Conduct
Authority)の規制を受けた、ソフトバンクグループ㈱の英国100%子会社であるSB Investment Advisers (UK)
Limited(以下「SBIA」)が運営する投資ファンドであり、革新的なビジネスモデルやサービスを展開する未上場企
業を中心に、広い範囲のテクノロジー分野で投資を行っています。SVFに対し、ソフトバンクグループ㈱はリミテッ
ド・パートナーとして出資を行っており、また、SBIAはSVFの投資の状況に応じて、SVFから管理報酬および成功報
酬を受け取ります。
2019年3月31日現在、SVFの出資コミットメント総額は970億米ドル(うち当社グループ331億米ドル)(注)であ
り、これに対するリミテッド・パートナーによる累計支払義務履行額は509億米ドル(うちソフトバンクグループ㈱
175億米ドル)、コミットメント残額は461億米ドル(うち当社グループ156億米ドル)です。
SVFおよびSBIAには、以下に記載する特有のリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、SVFお
よびSBIAの業績、ひいては、当社グループの業績、財政状態、キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があり
ます。このほか、ソフトバンクグループ㈱の業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。
a. 業績への影響
SVFを構成する事業体はすべて当社グループの連結対象です。SVFからの投資は、毎四半期末に公正価値で測定さ
れます。公正価値の変動は、投資損益(ただし、子会社株式に対する投資損益を除きます。)として、連結損益計
算書上の「ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益」に計上されます。公正価
値の測定は、取引事例法や割引キャッシュ・フロー法、類似会社比較法など複数の評価方法を組み合わせて行われ
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ます。投資先の業績の悪化や金融市場、経済情勢の低迷などにより、投資先の公正価値が下落した場合は、SVFの業
績が悪化し、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ソフトバンク
グ ループ㈱の個別決算では、SVFの業績が悪化した場合、リミテッド・パートナーとしての出資に対して評価損が発
生し、業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。
SVFの投資先のうち、IFRSに基づいて当社グループが支配をしていると見なされる投資先は、当社グループの子会
社として扱います。当該子会社の業績および資産・負債は当社グループの連結財務諸表に反映されることから、当
該子会社たる投資先の業績が悪化した場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性がありま
す。なお、SVFで計上した当該子会社への投資に係る投資損益は、内部取引として連結上消去されます。
b. 当社グループからの売却により取得する投資
SVFの投資の中には、SVFが直接取得するもののほか、その投資対象に合致する場合に限り、ソフトバンクグルー
プ㈱が直接または間接に保有する投資の売却により取得するものがあります。SVFへの売却価格は、ソフトバンクグ
ループ㈱が移管提案を機関決定した時点の公正価値に基づき決定されます。移管には関係規制当局の承認やSVFのリ
ミテッド・パートナーからの合意が必要となる場合があるため、ソフトバンクグループ㈱による移管提案の機関決
定から売却まで時間を要する、もしくは売却が行われない可能性があります。このような場合、ソフトバンクグ
ループ㈱は計画通りにSVFから売却収入が得られず、追加の資金調達が必要になるなど財務運営に悪影響を及ぼす可
能性があります。
c. 投資成果
SVFの投資成果は、ソフトバンクグループ㈱と外部投資家で構成されるリミテッド・パートナーに配分されるほ
か、SBIAに成功報酬として配分されます。SVFの投資採算が悪化し計画通りの投資成果が得られない場合には、ソフ
トバンクグループ㈱はリミテッド・パートナーとして期待通りの成果分配を受けることができない、または投資回
収できない可能性があるほか、SBIAは期待通りの成功報酬を受け取ることができない可能性があります。
また、SBIAは、投資の売却や配当および株式の資金化後に成功報酬相当額を受け取ります。ただし、SVFの投資期
間(原則2022年11月20日まで)の間に資金化された投資に対する成功報酬相当額は、リミテッド・パートナーシッ
プ・アグリーメントの定めにより、SBIAへの支払が留保され、一時的にリミテッド・パートナーに支払われます。
一時的にリミテッド・パートナーに支払われた成功報酬相当額は、投資期間後の成果分配におけるリミテッド・
パートナーへの分配額から控除され、SBIAに支払われます。また、投資期間後においても、受け取った成功報酬に
は、将来の投資成果に基づく一定の条件の下、クローバック条項(過去に受け取った成功報酬額を返還する条項)
が設定されているため、SVFの投資成果が一定以上でない場合、SBIAは期待通りの成功報酬を受け取ることができな
い可能性があるほか、SVFの清算時において、それまでに受け取った成功報酬相当額が減額される、または成功報酬
を受け取ることができない可能性があります。
d. 人材の確保・維持
SBIAは、SVFをはじめとして、運営する投資ファンドの保有株式価値の最大化を目的として、投資先を慎重に選定
することに加え、投資後の成長を促す様々な支援を行います。このような取り組みの成功には、テクノロジーや金
融市場に関する幅広い知見や投資事業の運営における専門的スキルを保有する有能な人材の確保・維持が不可欠で
す。SBIAは、投資・運用体制の拡充を進めていますが、このような有能な人材を十分に確保・維持することができ
ない場合は、運営するファンドの投資規模の維持・拡大や将来の投資成果に悪影響を及ぼす可能性があります。
e. リミテッド・パートナー
SBIAは、SVFの投資の実行にあたり、参画するリミテッド・パートナーに対して、資金拠出の要請(キャピタル・
コール)を行いますが、何らかの事情によりリミテッド・パートナーから資金が拠出されない場合は、SVFによる投
資金額が制限されるなど、SBIAの計画通りに投資を行えない可能性があります。また、出資コミットメント額の大
きなリミテッド・パートナーは、一定額以上の投資案件について拒否権を保有しているため、当該拒否権が行使さ
れた場合は、SBIAの計画通りに投資を行うことができない可能性があります。
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f. 新たな技術やビジネスモデルへの規制
SVFの投資先には、AIやビッグデータなどの新技術の事業への活用や研究開発を行う企業や、既存の枠組みとは異
なる新たなビジネスモデルを展開する企業が多く含まれます。このような新たな技術やビジネスモデルが提供され
る事業領域(例えば、自動運転やライドシェアサービス)は、多くの国・地域において厳格な規制の対象とされる
場合があります。関連する法令等の整備により、規制が設定または強化された場合は、採用する技術やビジネスモ
デルまたはこれらに関する研究開発について、内容の変更や停止または終了が必要になるなど、投資先の事業展開
および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
g. 特定の分野への投資の集中
SVFは、特定の事業領域における複数の企業に対して投資を行い、当該事業領域に対する投資の集中度が高くなる
場合があります。例えば、Uber Technologies,Inc.や、Xiaoju Kuaizhi Inc.、GRAB HOLDINGS INC.など、ライド
シェアサービスを提供する企業に投資を行っています。こうした事業領域において、需要の低迷や市場競争の激化
(投資先間の競合を含みます。)など事業環境の悪化により、投資先の収益性が低下するなど業績が悪化した場合
や、SVFの投資時点に想定した通りに事業展開ができない場合や、当該事業領域に対する市場の評価が悪化した場合
には、投資先の業績または公正価値に悪影響を及ぼす可能性があります。
(注) 当社グループの出資コミットメントは、SVFに関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の50億米ドルを含みます。
(9)通信事業について
当社グループにおいて主にソフトバンク㈱およびスプリントが営む通信事業には、以下に挙げる特有のリスクが
あります。
a. 通信ネットワークの増強
当社グループは、通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、そ
の予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強(例えば、必要な周波数の確保)していく必要があります。こ
れらの増強は計画的に行っていく方針ですが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネッ
トワークの増強を計画通り行えなかった場合、サービスの品質の低下を招き顧客の獲得・維持に悪影響を及ぼすほ
か、追加の設備投資が必要となり、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性がありま
す。
b. 他社経営資源への依存
(a) 他社設備などの利用
当社グループは、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回
線設備などを一部利用しています。今後当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用
料や接続料などが引き上げられた場合、当社グループの事業活動や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(b) 各種機器の調達
当社グループは、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯端末や携帯電話基地局の無線機)を他社
から調達しています。特定の会社への依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合
などの問題が発生し調達先や機器の切り替えが適時にできない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が
打ち切られた場合、当社グループのサービスの提供に支障を来し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性や調達先
の変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、通信機器の売上が減少する可能性があります。その結果、当
社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(c) 業務の委託
当社グループは、主に通信サービスに係る販売、顧客の獲得・維持、それらに付随する業務の全部または一部に
ついて、他社に委託しています。委託先が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合、当社グルー
プの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、業務委託先は当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、当該業務委託先の信頼性や企業
イメージが低下した場合には、当社グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の獲得・維持に悪
影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。このほか、当該
業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、当社グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど
監督責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難
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になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
c. 電波の健康への影響に関する規制
携帯端末および携帯電話基地局が発する電波は、がんの発症率を高めるなどの健康上の悪影響を引き起こす可能
性があるとの研究結果が一部で出ています。その電波の強さについては、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)
がガイドラインを定めています。世界保健機関(WHO)は、ICNIRPのガイドラインの基準値を超えない強さの電波に
より健康に悪影響を示すという明確な証拠はないという見解を示しており、本ガイドラインの採用を各国に推奨し
ています。
当社グループは、日本においてはICNIRPのガイドラインに基づく電波防護指針に、米国においては連邦通信委員
会(FCC)が定める要件に従っています。ただし、引き続きWHOなどで研究や調査が行われており、その調査結果に
よっては、将来、規制が変更されたり、新たな規制が導入されたりする可能性があり、かかる変更や導入に対応す
るためのコストの発生や当社グループの事業運営に対する制約などにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす
可能性があります。
また、こうした規制の有無にかかわらず、携帯端末の利用に伴う健康への悪影響に関する懸念は、当社グループ
の顧客の獲得・維持を困難にする可能性があり、その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性がありま
す。
(10)自然エネルギー事業について
当社グループは、日本やインド、モンゴルなどで、太陽光発電や風力発電による自然エネルギー事業を行ってい
ます。同事業は、原則として、当社グループからの出資と金融機関等の第三者の融資によるプロジェクト・ファイ
ナンスの形態により運営を行っていますが、気象条件や発電・送電設備の不具合などにより発電量や売電量が想定
を大幅に下回った場合には、当社グループは期待通りのリターンを得られない可能性があります。
(11)法令・規制・制度などについて
当社グループは、各国の様々な分野にわたる法令・規制・制度などの下で事業および投資を行っており、その影
響を直接または間接的に受けます。具体的には、通信事業に関する各種法令・規制・制度などから、投資、イン
ターネット広告、イーコマース、エネルギー、人工知能(AI)、ロボット、金融・決済などの事業やその他の企業
活動に関する各種法令・規制・制度など(環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、個人情報・プライバシー
保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替、事業・投資許認可、輸出入に関す
るものを含みますが、これらに限りません。)まで広範に及びます。
これらの法令・規制・制度などの改正もしくは新たな法令・規制・制度などの施行または法令・規制・制度など
の解釈・適用(その変更を含みます。)により、当社グループの投資活動や事業活動が期待通りに展開できない、
新たな事業や投資が制限される、投資の回収が遅延する、もしくは不可能となるなど、当社グループの投資活動や
事業活動に支障を及ぼす可能性があるほか、金銭的負担の発生・増加により、当社グループの業績に悪影響を及ぼ
す可能性があります。
また、当社グループおよび当社グループの投資先が活動を行う国・地域において、租税法令またはその解釈・運
用が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、当社グループの
業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このほか、当社グループ(役職員を含みます。)がこれらの法令・規制・制度などに違反する行為を行った場
合、違反の認識の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導(登録・免許の取消や罰金を含みます。)
を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。その結果、当社グループの信頼性や企業
イメージが低下したり、事業活動に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グルー
プの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)カントリーリスクについて
当社グループが投資や事業を行う上での知見および経験を十分に有していない国や地域へ進出した場合には、当
社グループの投資活動や事業活動が期待通りに展開できなくなる可能性があります。
このほか、各国・地域において、戦争・紛争・テロ行為の勃発や、経済制裁の発動、伝染病の流行などにより、
政治・社会・経済的な混乱が生じた場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収
が遅延する、もしくは不可能となる可能性があります。
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(13)知的財産権について
当社グループが保有する「ソフトバンク」ブランドやアームが保有する知的財産権が第三者により侵害された場
合、当社グループの競争力や信頼性、企業イメージが低下する可能性があります。
一方、当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合には、権利侵害の差止めや損害賠償、ライ
センス使用料の請求などを受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があ
ります。アームにおいては、これらの請求が、同社の技術の使用権取得者(本(13)において「ライセンシー」)に
対してなされる可能性があり、ライセンシーに対しライセンス契約に基づく補償義務がアームに発生する可能性も
あります。
また、当社グループは、ソフトバンク㈱およびヤフー㈱の事業において、「Yahoo! JAPAN」をはじめ「Y!
mobile」や「Yahoo! BB」など、サービス名称の一部に米国のVerizon Communications Inc.の子会社が保有する
「Yahoo!」ブランドを使用しています。同社との関係に大きな変化が生じるなどしてこれらのブランドが使用でき
なくなった場合、当社グループの期待通りに事業を展開できなくなる可能性があります。
(14)情報の流出などについて
当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱ってい
ます。当社グループ(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者のサイ
バー攻撃などにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、
当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠
償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、当社グ
ループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15)人為的なミスなどによるサービスの中断・品質低下について
当社グループが提供する通信をはじめとする各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題な
どが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が
低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。サービスの中断・品質低下による影響が広範囲
にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性
があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(16)自然災害など予測困難な事情について
当社グループは、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムな
どを構築・整備しています。地震・台風・ハリケーン・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災
害、火災や停電・電力不足、テロ行為、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染などにより、
通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社グループの各種サービスの提供に支障
を来す可能性があります。これらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージ
が低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復
旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼ
す可能性があります。
また、アームにおいては、アームの技術が数十億の個人および法人向け製品に利用されており、それらは莫大な
量の個人情報や機密情報の保存・管理・伝送に利用されています。アームの技術がさらに複雑化することで、障害
または不具合が発生する確率が高まる可能性があります。アームのある一製品に関連する障害または不具合が発生
した場合、アームの企業としての信頼性や企業イメージが低下し、アームのブランド価値の喪失を招く可能性があ
ります。
日本国内においては、当社グループ各社の本社を含む拠点は、首都圏に集中しています。大規模な地震など不可
避の事態が首都圏で発生し、これらの拠点が機能不全に陥った場合、当社グループの事業の継続が困難になる可能
性があります。
(17)米国の国家安全保障を確保するための方策について
ソフトバンクグループ㈱は、一部の米国投資に関して、その投資の対象となる会社(本(17)において「対象会
社」)および米国関係省庁との間で国家安全保障契約を締結しています。この国家安全保障契約に基づき、ソフト
バンクグループ㈱と対象会社は、米国の国家安全保障を確保するための方策を実行することに合意しています。こ
れら方策の実行に伴いコストが増加する、または米国内の施設、契約、人事、調達先の選定、事業運営に制約を受
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ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(18)訴訟について
当社グループは、顧客、取引先、株主(子会社・関連会社・投資先の株主を含みます。)、従業員を含む第三者
の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社グループの
事業活動に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グ
ループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(19)スプリントのTモバイルとの合併について
2018年4月29日、スプリントとTモバイルが、スプリントとTモバイルの全ての対価を株式とする合併による取
引(本(19)において「本取引」)に関して最終的な合意に至りました。
本取引は、スプリントとTモバイルの株主および規制当局の承認、その他の一般的なクロージング要件の充足を
必要としますが、本有価証券報告書の提出日現在において、米国司法省を含む関係規制当局から必要な承認の全て
を得られていません。関係規制当局からの承認の取得状況を含めた様々な要因により、本取引を当社グループの計
画通りの条件およびスケジュールで行うことができない場合、スプリントの事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能
性があります。その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
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3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当期における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営
者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものです。
(1)経営成績
1. 業績ハイライト
◆ 営業利益2兆3,539億円(前期比80.5%増)
- ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益が1兆2,566億円
1
・継続保有する投資からの未実現評価益が1兆3,786億円:Uber、Guardant Health、 OYO などの投資先の公
正価値が増加
・当期2件(Flipkart、NVIDIA)の投資のエグジットを完了。Flipkart株式売却により1,467億円の投資利
益を計上。NVIDIAは投資期間累計で1,383億円の投資利益、デリバティブ関連利益と合わせた利益は合計
3,068億円に
◆ 親会社所有者に帰属する純利益1兆4,112億円(前期比35.8%増)
- 財務費用△6,338億円*
- デリバティブ関連利益1,582億円:主にNVIDIA株式を使ったカラー取引により利益計上
- ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家持分の 増減額
△5,862億円*:投資利益拡大に伴い増加
- 法人所得税△2,367億円*:ソフトバンク㈱株式売出しに伴い、繰延税金資産を認識していなかった子会社
の繰越欠損金の使用などにより、4,056億円の税金費用軽減効果(*△:費用の当期計上額)
2. 事業ハイライト
- ソフトバンク㈱が上場
- スプリントとTモバイルの合併について、米国連邦通信委員会(FCC)など関係規制当局の審査プロセスが
継続中
- ソフトバンク・ビジョン・ファンド、継続保有投資先69銘柄。当期に投資先2社が上場、現在3社が上場
申請関連書類提出済み
3. 株主還元の取り組み
- 当期の年間配当は44円(配当金総額472億円)
- ソフトバンク㈱売出しによる手取金を活用し、上限6,000億円の自社株買いを決定。
当期末までに3,841億円分を取得
- 1:2の株式分割の実施を決定。分割考慮後の2020年3月期の配当を44円(配当金総額見込み927億円)と
し、当期から実質倍増
IFRS第9号および第15号の適用について
当第1四半期からIFRS第9号「金融商品」および第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下これらをまとめて
「新基準」)を適用しています。新基準適用による累積的影響額は、適用開始日(2018年4月1日)の利益剰余金期
首残高の修正として認識しているため、前期の情報は修正再表示していません。本添付資料内の表において、前期は
「旧基準」、新基準の適用が当期の業績に与える影響を、「新基準適用による影響額」として表示しています。ま
た、連結財政状態計算書においては、適用開始日に、基準適用による累積的影響額を利益剰余金およびその他の包括
利益累計額で調整しています。詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 3.重要な会計方
針」をご参照ください。
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セグメント区分の変更について
当第1四半期から、当社独自の組織戦略である「群戦略」に基づくグループ体制の変化に伴ってセグメント管理区
分を見直し、「ソフトバンク事業」、「スプリント事業」、「ヤフー事業」、「アーム事業」、「ソフトバンク・ビ
ジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業」および「ブライトスター事業」の6つを報告セグメントとしていま
す。報告セグメントの概要は、「(1)経営成績、b.セグメントの経営成績」をご参照ください。
株式分割および2020年3月期配当予想について
2019年5月9日、当社は、株式分割および2020年3月期の配当予想について、以下の通り取締役会で決議しました。
株式分割
2019年6月27日を基準日として、同日最終の株主名簿に記載または記録された株主の所有する当社普通株式を、1株
につき2株の割合をもって分割します。
2020年3月期配当予想
株式分割後の年間配当金(予想)を2019年3月期と同じ1株当たり44円00銭のままとします。これにより、2019年3
月期から実質倍増の44円00銭の増配となる見込みです。
(参考)年間配当の内訳
1株当たり配当金 配当金総額
合計
第2四半期末 期末 合計
2020年3月期予想(株式分割実行後) 22円00銭 22円00銭 44円00銭 927億円
2019年3月期実績 22円00銭 22円00銭 44円00銭 472億円
(注)2020年3月期の予想配当金総額は2019年3月末の発行済株式総数(自己株式を除く)に基づく試算値です。
ソフトバンク㈱の上場について
2018年12月19日、当社子会社ソフトバンク㈱が東京証券取引所市場第一部に上場しました。当該上場に際し、当社
100%子会社であるソフトバンクグループジャパン㈱は、所有するソフトバンク㈱株式の一部(発行済株式総数の
33.50%)を売出し、手取金2,349,832百万円を受領しました。この結果、当社のソフトバンク㈱に対する間接所有割
合は99.99%から66.49%となりました。なお、ソフトバンク㈱は引き続き当社の子会社であるため、当該売出しにお
ける売却益相当額(税金考慮後)は、資本剰余金として連結財政状態計算書に計上されています。
ソフトバンク㈱株式売出しの手取金を原資とした取り組みについて
ソフトバンク㈱の新規上場に伴う保有株式の一部売出しによる手取金約2.0兆円(想定支払税金考慮後)の使途につ
いては、今後の戦略的投資に7,000億円を充てる一方で、財務改善に約7,000億円、株主還元に6,000億円をそれぞれ振
り向けました。
このうち、財務改善については、100%子会社のスカイウォークファイナンス合同会社が保有するアリババ株式を担
保として借り入れた借入金の一部(43.7億米ドル)の返済や外貨建普通社債の一部(4.1億米ドルおよび5.2億ユー
ロ)の買入れなど、合計約7,000億円の財務改善を実施しました。株主還元については、取得価額の上限総額を6,000
億円(取得株式の上限総数112,000,000株)とする自己株式の取得枠の設定を決定し、このうち当期末までに3,841億
円(上限に対する消化割合64.0%)で36,709,400株を取得しました。
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EDINET提出書類
ソフトバンクグループ株式会社(E02778)
有価証券報告書
a. 経営成績の概況
(単位:百万円)
2019年3月31日に
3月31日に終了した1年間
終了した1年間
2018年 2019年
新基準適用
増減 増減率
旧基準 新基準
による影響額
売上高 9,158,765 9,602,236 443,471 4.8% 59,310
営業利益
(ソフトバンク・ビジョン・ファン
ドおよびデルタ・ファンドからの営
業利益を除く) 1,000,820 1,097,290 96,470 9.6% 169,066
ソフトバンク・ビジョン・ファンド
およびデルタ・ファンドからの営業
2
利益 302,981 1,256,641 953,660 314.8% 135,527
営業利益 1,303,801 2,353,931 1,050,130 80.5% 304,593
税引前利益 384,630 1,691,302 1,306,672 339.7% 261,243
純利益 1,237,812 1,454,618 216,806 17.5% 245,426
親会社の所有者に帰属する純利益 1,038,977 1,411,199 372,222 35.8% 224,510
参考:期中平均為替換算レート
2018年3月期 2019年3月期
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
1米ドル 111.61円 111.38円 112.74円 108.85円 108.71円 111.55円 112.83円 110.46円
当期の連結経営成績の概況は、以下の通りです。
(a) 売上高
売上高は、前期比443,471百万円(4.8%)増の9,602,236百万円となりました。ソフトバンク事業、スプリント事
業、ヤフー事業が増収となった一方、アーム事業とブライトスター事業はほぼ横ばいとなりました。
(b) 営業利益(ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益を除く)
営業利益(ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益を除く)は、前期比96,470
百万円(9.6%)増の1,097,290百万円となりました。ソフトバンク事業で40,423百万円、スプリント事業で1,012百万
円、アーム事業で165,346百万円、ブライトスター事業で21,238百万円、それぞれのセグメント利益が改善しました。
一方、ヤフー事業で41,376百万円、その他で68,218百万円、それぞれのセグメント利益が悪化しました。
なお、アーム事業のセグメント利益には、アームの中国子会社が合弁事業化により持分法適用関連会社となったこ
とに伴い計上した子会社の支配喪失に伴う利益176,261百万円が含まれています。
(c) ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益は1,256,641百万円となりました(前期
は302,981百万円の利益)。主に、Uber Technologies, Inc.(以下「Uber」)やGuardant Health, Inc.(以下
1
「Guardant Health」)、Oravel Stays Private Limited(以下「OYO」) など継続保有する投資の公正価値の増加に
より未実現評価益1,378,553百万円を計上したことに加え、Flipkart Private Limited(以下「Flipkart」)株式の売
却に伴い投資の実現益146,682百万円を計上したことによるものです。一方、NVIDIA Corporation(以下「NVIDIA」)
への投資については、222,628百万円の損失を計上しました。
なお、NVIDIAへの投資による累計投資期間(2016年12月~2019年1月)の利益(外部投資家持分の控除前)は、合
計306,809百万円に上りました。前期は株価上昇に伴い365,325百万円の利益を計上したものの、当期は同株式を処分
した2019年1月までの株価下落に伴い前述の通り222,628百万円の損失を計上しました。一方で、同社株式の株価下落
をヘッジするために行ったカラー取引により、前期と当期を合わせて168,471百万円のデリバティブ関連利益(営業外
損益)を計上しました。
詳細は「(1)経営成績、b.セグメントの経営成績(e)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファ
ンド事業」をご参照ください。
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ソフトバンクグループ株式会社(E02778)
有価証券報告書
(d) 営業利益
(b)と(c)の結果、営業利益は、前期比1,050,130百万円(80.5%)増の2,353,931百万円となりました。
(e) 財務費用
財務費用は、前期比117,637百万円(22.8%)増の633,769百万円となりました。主にソフトバンクグループ㈱の
3
支払利息 が45,544百万円増加しました。これは、外貨建普通社債の発行(2017年9月)や100%子会社によるアリ
ババ株式を活用した借入れにより有利子負債が増加したほか、シニアローンの一部期限前返済に伴い返済分に係る
償却原価の未償却残高を一括償却したこと