第一三共株式会社 有価証券報告書 第14期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
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第一三共株式会社(E00984)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2019年6月17日
【事業年度】 第14期(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
【会社名】 第一三共株式会社
【英訳名】 DAIICHI SANKYO COMPANY, LIMITED
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 眞鍋 淳
【本店の所在の場所】 東京都中央区日本橋本町三丁目5番1号
【電話番号】 03-6225-1111(代表)
【事務連絡者氏名】 財務経理部長 高村 健太郎
【最寄りの連絡場所】 東京都中央区日本橋本町三丁目5番1号
【電話番号】 03-6225-1111(代表)
【事務連絡者氏名】 財務経理部長 高村 健太郎
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
回次 第10期 第11期 第12期 第13期 第14期
決算年月 2015年3月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月
(百万円) 919,372 986,446 955,124 960,195 929,717
売上収益
(百万円) 79,936 122,388 87,788 81,021 85,831
税引前利益
(百万円) 322,119 82,282 53,466 60,282 93,409
親会社の所有者に帰属する当期利益
(百万円) 366,201 26,961 38,309 62,361 163,881
親会社の所有者に帰属する当期包括利益
(百万円) 1,304,057 1,231,406 1,175,897 1,132,982 1,249,642
親会社の所有者に帰属する持分
(百万円) 1,982,286 1,900,522 1,914,979 1,897,754 2,088,051
総資産額
(円) 1,852.28 1,801.90 1,772.99 1,749.33 1,928.80
1株当たり親会社所有者帰属持分
(円) 457.56 119.37 79.63 91.31 144.20
基本的1株当たり当期利益
(円) 456.62 119.11 79.44 91.10 143.88
希薄化後1株当たり当期利益
(%) 65.8 64.8 61.4 59.7 59.8
親会社所有者帰属持分比率
(%) 28.2 6.5 4.4 5.2 7.8
親会社所有者帰属持分当期利益率
(倍) 4.2 21.0 31.5 38.6 35.4
株価収益率
(百万円) 142,776 174,281 136,234 108,439 92,033
営業活動によるキャッシュ・フロー
(百万円) △ 21,278 △ 5,967 △ 96,792 108,568 △ 142,520
投資活動によるキャッシュ・フロー
(百万円) △ 132,200 △ 122,930 △ 15,022 △ 101,766 △ 66,203
財務活動によるキャッシュ・フロー
(百万円) 189,372 222,159 246,050 357,702 243,155
現金及び現金同等物の期末残高
(人) 16,428 15,249 14,670 14,446 14,887
従業員数
(注)1.当社グループは、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2.消費税等の会計処理は主として税抜方式によっております。
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(2)提出会社の経営指標等
回次 第10期 第11期 第12期 第13期 第14期
決算年月 2015年3月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月
(百万円) 622,424 643,219 629,151 630,954 625,046
売上高
(百万円) 30,686 46,661 40,976 90,136 50,724
経常利益
(百万円) 266,569 10,555 10,479 83,729 134,069
当期純利益
(百万円) 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000
資本金
(千株) 709,011 709,011 709,011 709,011 709,011
発行済株式総数
(百万円) 1,074,160 985,391 888,519 880,001 957,680
純資産額
(百万円) 1,597,689 1,416,088 1,463,461 1,464,338 1,619,500
総資産額
(円) 1,523.23 1,439.08 1,336.57 1,355.65 1,475.37
1株当たり純資産額
60.00 70.00 70.00 70.00 70.00
1株当たり配当額
(円)
(うち1株当たり中間配当額) ( 30.00 ) ( 40.00 ) ( 35.00 ) ( 35.00 ) ( 35.00 )
(円) 378.65 15.31 15.61 126.83 206.97
1株当たり当期純利益金額
(円) 377.88 15.28 15.57 126.53 206.51
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額
(%) 67.1 69.4 60.6 60.0 59.0
自己資本比率
(%) 24.9 1.0 1.1 9.5 14.6
自己資本利益率
(倍) 5.0 163.4 160.6 27.8 24.6
株価収益率
(%) 15.8 457.1 448.5 55.2 33.8
配当性向
(人) 5,306 5,206 5,310 5,357 5,515
従業員数
(%) 113.2 151.5 155.8 218.4 313.0
株主総利回り
(比較指標:配当込みTOPIX) (%) ( 130.7 ) ( 116.5 ) ( 133.7 ) ( 154.9 ) ( 147.1 )
(円) 2,035 2,769 2,750 4,241 5,100
最高株価
(円) 1,556 1,847.5 2,191.5 2,284.5 3,277
最低株価
(注)1.売上高には、消費税等を含めておりません。
2.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第14期より
適用しており、第13期における主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等
となっております。
3.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所市場第一部におけるものであります。
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2【沿革】
2005年2月 三共株式会社及び第一製薬株式会社(以下「両社」という。)が、株式移転により完全親会社であ
る共同持株会社を設立し、両社がその完全子会社となる経営統合に基本合意
2005年5月 両社の取締役会で当社設立を決議し、経営統合契約を締結
2005年6月 両社の定時株主総会において当社設立を承認
2005年9月 当社設立
東京証券取引所第一部に株式を上場
2005年12月 第一三共ヘルスケア株式会社を設立
2006年3月 米国において三共ファルマInc.(存続会社)と第一ファーマ・ホールディングスInc.、第一ファー
マシューティカルCorp.及び第一メディカル・リサーチInc.が合併、第一三共Inc.に商号変更
2006年4月 ゼファーマ株式会社の全株式をアステラス製薬株式会社より取得
2006年7月 欧州において三共ファルマGmbH(含グループ各社)の商号を、第一三共ヨーロッパGmbH(グルー
プ)に変更
2007年4月 当社が三共株式会社及び第一製薬株式会社を吸収合併
2007年4月 第一三共ヘルスケア株式会社がゼファーマ株式会社を吸収合併
2008年11月 ランバクシー・ラボラトリーズLtd.の株式取得により同社グループを子会社化
2010年4月 第一三共エスファ株式会社を設立
2011年4月 北里第一三共ワクチン株式会社を設立
2011年4月 プレキシコンInc.の株式取得により同社を子会社化
2011年11月 第一三共(中国)投資有限公司を設立
2012年4月 ジャパンワクチン株式会社を設立
2014年11月 アンビット・バイオサイエンシズCorp.の株式取得により同社を子会社化
2015年3月 ランバクシー・ラボラトリーズLtd.がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.に吸
収合併されたことにより、同社グループを連結の範囲から除外
2017年11月 北里第一三共ワクチン株式会社の全株式取得により同社を完全子会社化
2018年8月 第一三共バイオテック株式会社を設立
2019年1月 ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.の会社名をアメリカン・リージェントInc.に変更
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3【事業の内容】
当社グループは、当社と子会社47社、関連会社3社の計51社で構成され、医薬品等の製造販売を主な事業内容とし
ております。
当社グループの営んでいる主な事業内容と当社グループを構成している各関係会社の当該事業に係る位置付けは、
次のとおりであります。
なお、当社グループは、報告セグメントが単一であるため、セグメント情報の記載を省略しております。
国内(15社):
当社は医薬品の研究開発・製造・販売を行っております。連結子会社の第一三共プロファーマ㈱及び第一三共
ケミカルファーマ㈱は医薬品の製造を行っております。連結子会社の第一三共エスファ㈱は医薬品の研究開発・
販売を、第一三共ヘルスケア㈱は一般用医薬品等の研究開発・販売を、北里第一三共ワクチン㈱はワクチンの研
究開発・製造・販売をそれぞれ行っております。
第一三共プロファーマ㈱、第一三共ケミカルファーマ㈱、第一三共エスファ㈱、北里第一三共ワクチン㈱及び
関連会社のジャパンワクチン㈱は当社に製品を供給しております。当社は連結子会社の第一三共RDノバーレ㈱
に研究開発業務を委託しております。
連結子会社の第一三共ビジネスアソシエ㈱は当社及び国内グループ各社に人事や経理等の事務サービスを提供
しているほか不動産賃貸及び保険代理業務等多岐にわたる業務を行っております。
海外(36社):
米国において、持株会社である連結子会社の第一三共U.S.ホールディングスInc.のもと、連結子会社の第一
三共Inc.は医薬品の研究開発・販売を、プレキシコンInc.は研究開発をそれぞれ行っております。当社は第一三
共Inc.に製品の供給、研究開発業務の委託をしております。第一三共Inc.の子会社であるアメリカン・リージェ
ントInc.は医薬品の研究開発・製造・販売を行っております。
欧州において、連結子会社の第一三共ヨーロッパGmbH及びそのグループ会社18社は、欧州各国で医薬品の製
造・販売を行っております。当社は第一三共ヨーロッパGmbHに原料の供給、製造の委託、研究開発業務の委託を
しております。
その他の地域において、連結子会社の第一三共(中国)投資有限公司、第一三共製薬(北京)有限公司、第一
三共製薬(上海)有限公司及び第一三共ブラジルLtda.等は医薬品の研究開発・製造・販売を行っており、当社
はそれぞれの会社に中間体及び製品を供給しております。
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当社グループの状況について事業系統図を示すと次のとおりであります。
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4【関係会社の状況】
資本金又 主要な事
議決権の
名称 住所 関係内容
所有割合
は出資金 業の内容
(連結子会社)
百万円 %
役員の兼任等
第一三共エスファ㈱ 東京都中央区 450 医薬品 100.0 当社が製品を購入
当社が事務室等を賃貸
役員の兼任等
第一三共ヘルスケア㈱ 東京都中央区 100 医薬品 100.0 当社が製品を供給
当社が事務室等を賃貸
役員の兼任等
第一三共プロファーマ㈱ 東京都中央区 100 医薬品 100.0 当社が製品を購入
当社が事務室及び工場土地を賃貸
役員の兼任等
第一三共ケミカルファー
当社が製品を購入
東京都中央区 50 医薬品 100.0
マ㈱
当社が事務室及び工場土地を賃貸
当社が設備資金を貸与
役員の兼任等
第一三共RDノバーレ㈱ 東京都江戸川区 50 医薬品 100.0 当社が研究開発業務を委託
当社が事務室を賃貸
役員の兼任等
第一三共ビジネスアソシ 当社が事務業務を委託
東京都中央区 50 その他 100.0
エ㈱ 当社が事務室及び賃貸用不動産を賃貸
当社が事務室を賃借
役員の兼任等
当社が製品を購入
北里第一三共ワクチン㈱ 埼玉県北本市 100 医薬品 100.0
当社が研究開発業務を委託
当社が事務室等を賃貸
第一三共バイオテック㈱ 埼玉県北本市 50 医薬品 100.0 役員の兼任等
役員の兼任等
ジャパンワクチン販売㈱ 東京都千代田区 10 医薬品 50.0
当社が製品を購入
第一三共U.S.ホール アメリカ USD
医薬品 100.0 役員の兼任等
ディングスInc. ニュージャージー 3.0
役員の兼任等
アメリカ 千USD 100.0
第一三共Inc. 医薬品 当社が製品を供給
ニュージャージー 170 (100.0)
当社が販促及び研究開発業務を委託
アメリカ USD 100.0 役員の兼任等
プレキシコンInc. 医薬品
カリフォルニア 1.0 (100.0) 当社が研究開発業務を委託
アメリカン・リージェン アメリカ 千USD 100.0
医薬品
トInc. ニューヨーク 200 (100.0)
アンビット・バイオサイ アメリカ USD
医薬品 100.0 役員の兼任等
エンシズCorp. カリフォルニア 1.0
役員の兼任等
ドイツ 百万EUR 当社が製品を供給
第一三共ヨーロッパGmbH 医薬品 100.0
ミュンヘン 16 当社が製造を委託
当社が販促及び研究開発業務を委託
フランス
千EUR 100.0
第一三共フランスS.A.S. リュ・エル・マルメ 医薬品
12,482 (100.0)
ゾン
ドイツ 千EUR 100.0
第一三共ドイツGmbH 医薬品
ミュンヘン 51 (100.0)
イタリア 千EUR 100.0
第一三共イタリアS.p.A. 医薬品
ローマ 120 (100.0)
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資本金又 主要な事
議決権の
名称 住所 関係内容
所有割合
は出資金 業の内容
%
スペイン 千EUR 100.0
第一三共スペインS.A. 医薬品
マドリッド 120 (100.0)
イギリス 百万GBP 100.0
第一三共UK Ltd.
医薬品
バッキンガムシャー 5 (100.0)
役員の兼任等
第一三共(中国)投資有 中国 千USD
医薬品 100.0 当社が製品を供給
限公司 上海 146,800
当社が研究開発業務を委託
第一三共製薬(北京)有 中国 千USD 100.0 役員の兼任等
医薬品
限公司 北京 83,800 (100.0) 当社が製品を供給
第一三共製薬(上海)有 中国 千USD 100.0 役員の兼任等
医薬品
限公司 上海 53,000 (100.0) 当社が製品を供給
台湾第一三共股份有限公 台湾 百万TWD 役員の兼任等
医薬品 100.0
司 台北 345 当社が製品を供給
大韓民国 百万KRW 役員の兼任等
韓国第一三共㈱ 医薬品 100.0
ソウル 3,000 当社が製品を供給
ブラジル 百万BRL 役員の兼任等
第一三共ブラジルLtda. 医薬品 100.0
サンパウロ 39 当社が製品を供給
その他21社
(持分法適用関連会社)
百万円 %
役員の兼任等
ジャパンワクチン㈱ 東京都千代田区 100 医薬品 50.0
当社が製品を供給
役員の兼任等
㈱日立ファルマエヴォ
当社が事務業務を委託
東京都千代田区 250 その他 49.0
リューションズ
当社が事務室を賃貸
その他1社
(注)1.主要な事業の内容欄は、次の事業区分によっております。
医薬品 … 医療用医薬品、一般用医薬品
その他 … 不動産賃貸他
2.上記関係会社のうち、第一三共エスファ㈱、第一三共プロファーマ㈱、ジャパンワクチン販売㈱、第一三共
(中国)投資有限公司、第一三共製薬(北京)有限公司及び第一三共製薬(上海)有限公司は、特定子会社
に該当しております。
3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有を内数で示しております。
4.ジャパンワクチン販売㈱の議決権の所有割合は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため、
連結子会社としております。
5.アメリカン・リージェントInc.については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上
収益に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等
アメリカン・リージェントInc.
(1) 売上収益 117,789百万円
(2) 税引前利益 48,123百万円
(3) 当期利益 37,270百万円
(4) 資本合計 156,387百万円
(5) 資産合計 197,482百万円
6.2019年4月1日付で北里第一三共ワクチン㈱を当社に吸収合併し、同社は解散いたしました。なお、同社の
生産及び生産技術に係る事業は会社分割により第一三共バイオテック㈱が承継し、生産及び生産技術以外の
事業は当社が承継しております。
7.2019年4月1日付でジャパンワクチン㈱及びジャパンワクチン販売㈱は解散いたしました。なお、ジャパン
ワクチン販売㈱については現在清算手続き中であり、2019年度中に清算が完了する予定であります。
8.2019年1月より、ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.の会社名をアメリカン・リージェントInc.
に変更しております。
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5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2019年3月31日現在
従業員数(名)
セグメントの名称
14,887
医薬事業
14,887
合計
(注)従業員数は就業人員数であり、当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへ
の出向者を含めております。
(2) 提出会社の状況
2019年3月31日現在
従業員数(名) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
5,515 43.0 18.9 10,979,188
従業員数(名)
セグメントの名称
5,515
医薬事業
5,515
合計
(注)1.従業員数は就業人員数であり、当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含めておりま
す。
2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含めております。
(3) 労働組合の状況
当社グループには第一三共労働組合等が組織されており、2019年3月31日現在の労働組合の組合員数合計は
7,222名であります。
労使関係について特に記載すべき事項はありません。
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社グループにおける経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判
断したものであります。
(1) 2025年ビジョン
当社グループは、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」となることを2025年ビジョンとして掲げてお
ります。
具体的には、2025年にがん事業を中心とするスペシャルティ領域(注1)が中核事業となっており、各国市場に
適合したリージョナルバリュー製品(注2)を豊富に持ち、SOC(注3)を変革する先進的な製品・パイプライン
が充実し、同時に効率的な経営による高い株主価値を実現した姿を目 指しております。
(注)1 . スペシャルティ領域:病院・専門医で主に処方される医薬品。
2. リージョナルバリュー製品:各国・各地域の事業戦略に適合した製品。
3 . SOC:スタンダードオブケアの略。現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法。
(2) 第4期中期経営計画
2025年ビジョンに向けた転換を図るための計画として、第4期中期経営計画を策定し、6つの戦略目標を中心に
持続的成長基盤の確立に取り組んでおります。
[第4期中期経営計画の6つの戦略目標]
・エドキサバンの成長
・日本No.1カンパニーとして成長
・米国事業の拡大
・がん事業の立上げ・確立
・SOCを変革する先進的医薬品の継続的創出
・利益創出力の強化
6つの戦略目標の進捗及び課題、キャッシュの創出と成長投資等への配分、株主還元方針の詳細は次のとおりで
あります。
① 6つの戦略目標
(ⅰ) エドキサバンの成長
収益を支える主力品として、抗凝固剤エドキサバンの成長へ向けた取組みを進めております。優れた製品
力と質の高い営業力によって日本ではNo.1製品に育成し、欧州やアジア地域においても主要国での承認・上
市を完了し、市場シェアを順調に拡大させてきました。
今後は、臨床試験や使用実態下のデータを創出する活動により得られたエビデンスを情報発信することに
より、有効性及び安全性の認知を図って参ります。さらに、中国での上市を成功させ、製品価値の最大化を
目指します。
(ⅱ) 日本No.1カンパニーとして成長
当社グループの地域別売上収益の柱として日本は重要な市場です。イノベーティブ医薬品(注4)事業の
強みを活かし、そこにワクチン事業、ジェネリック医薬品事業、OTC医薬品関連事業の3つの事業を加え、予
防、セルフメディケーション、治療までの様々な社会的ニーズ、医療ニーズへ的確に対応することにより、
名実ともに日本No.1カンパニーとして成長することを目指しております。
主力のイノベーティブ医薬品事業は、これまで順調に成長してきましたが、薬価制度の抜本改革により市
場環境は厳しさを増してきております。
今後は、質の高い営業力を活かし、自社開発の疼痛治療剤タリージェ、高血圧症治療剤ミネブロ等の新製
品を育成するとともに、積極的に導入活動を行うことにより、厳しい市場環境を乗り越えていきます。
(注)4 .イノベーティブ医薬品:特許等による独占販売期間が保護されている医療用医薬品。
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(ⅲ) 米国事業の拡大
グローバル企業を目指す当社グループにとって、世界最大の医薬品市場である米国は重要な市場でありま
す。第一三共Inc.による疼痛領域での事業拡大と、アメリカン・リージェントInc.による鉄欠乏性貧血治療
剤インジェクタファーとジェネリック注射剤の成長を柱とした事業の拡大を目指しておりました。
疼痛領域での事業拡大は、疼痛治療薬の開発失敗等により、当初目標の達成が困難な状態であります。一
方、鉄欠乏性貧血治療剤インジェクタファー及びジェネリック注射剤は順調に成長しております。
今後は、がんの事業体制を早期に構築し、FLT3阻害剤キザルチニブ、CSF-1R/KIT/FLT3阻害剤ペキシダルチ
ニブ等の新製品上市による事業の立上げ、拡大を目指して参ります。
(ⅳ) がん事業の立上げ・確立
後期開発品の上市によるがん事業の立上げ、初期開発品の着実な開発推進、外部資源の獲得による製品・
開発品の充実を図るための様々な取り組みを進めております。
今後は、キザルチニブ、ペキシダルチニブの新製品上市に加え、DS-8201の早期上市を実現し、グローバル
での事業体制の構築を進めて参ります。また、DS-8201、U3-1402、DS-1062等、ADCフランチャイズの価値
を、提携を含めたあらゆる取り組みを通じて最大化して参ります。
(ⅴ) SOCを変革する先進的新薬の継続的創出
疾患のターゲットとして、がんを重点領域と定め、それ以外の領域では、希少疾患、免疫疾患を中心とし
て、パートナリング(注5)、オープンイノベーション(注6)、トランスレーショナルリサーチ(注7)
を利用してSOCを変革する先進的新薬創出を目指しております。
これまで、がん治療ウィルス、核酸医薬、細胞治療等、新しいモダリティの医薬品の研究開発が順調に進
んでおります。
今後も、2025年ビジョンの先を見据え、様々な企業やアカデミア等と提携し、自社研究所の枠を超えた創
薬の可能性を探って参ります。
(注)5.パートナリング:企業、大学、研究機関等が互いの強みを活かすことで新たな価値を生み出すため
の連携。
6.オープンイノベーション:外部の開発力やアイデアを活用することで自社の課題を解決し、革新的
で新しい価値を生み出す手法。
7.トランスレーショナルリサーチ:前臨床における基礎的な研究成果を臨床現場での検証を通じて新
規の医薬品や医療技術として実用化に繋げたり、臨床現場で確認
した有効性・安全性を新たな基礎研究に応用する橋渡し研究過
程。
(ⅵ) 利益創出力の強化
グローバルレベルでの研究開発・生産・営業における体制の最適化及び調達機能の強化を進めておりま
す。
今後も、グループ全体にわたるコスト削減・効率化を行い、研究開発費、売上原価、販管費の見直しを進
め、利益創出力のさらなる強化を図って参ります。
② キャッシュの創出と成長投資等への配分
第4期中期経営計画期間中は、成長投資を優先するとともに、株主還元も充実していく方針であります。
利益創出力の強化により研究開発費控除前のフリー・キャッシュ・フローを増加させるとともに、政策保有株
式や不動産を含む資産のスリム化により、キャッシュの創出を進めて参ります。
成長投資である研究開発投資をがん領域に傾斜配分するとともに、事業開発投資についてもがん事業強化に最
大限活用して参ります。
③ 株主還元方針
第4期中期経営計画期間中は、総還元性向(注8)を期間中100%以上、配当金は普通配当を年間70円以上とす
る方針であります。配当は安定的に行い、自己株式取得を機動的に実施して参ります。
(注)8 .総還元性向:(配当金の総額+自己株式の取得総額)/親会社の所有者に帰属する当期利益
④ 計数目標の見直し
2018年10月、DS-8201をはじめとするがん領域の新製品開発が順調に進む中、がん事業の成長を加速させるた
め、当初の計数目標を見直しました。
がん事業に投資を増強・集中することで、当初の2025年度売上収益目標3,000億円を上回る5,000億円に育てる
ことを目指すことといたしました。
当初の2020年度目標(売上収益1兆1,000億円、営業利益1,650億円、ROE8%以上)は2年遅れの2022年度の実
現を目指すことといたしました。
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株主還元については、総還元性向100%以上とする当初の方針を2022年度まで維持することといたしました。
[2022年度の計数目標]
・売上収益:1兆1,000億円
・営業利益:1,650億円
・ROE:8%以上
・後期開発パイプライン価値向上:ピーク時の期待売上収益合計 5,000億円以上
[がん事業の売上収益目標]
・2022年度:1,500億円
・2025年度:5,000億円
[株主還元方針]
・総還元性向:2016年度から2022年度まで7年間で100%以上
(注)計数目標には、アストラゼネカ社とのDS-8201に関する戦略提携の影響は含めておりません。
(3) DS-8201の戦略提携
2019年3月、当社独自のADC技術を使って創製されたDS-8201の価値最大化を図るため、がん領域のグローバル事
業において豊富な経験とリソースを持つアストラゼネカ社と本剤に関するグローバルな開発及び商業化契約を締結
いたしました。
本契約の下、当社は13.5億米ドルの契約一時金を受け取ります。また、すべての開発及び販売マイルストーン等
が達成された場合、受領対価の総額は最大69億米ドルとなります。
日本を除く全世界における損益を両社で折半いたします。売上収益は、日米欧等においては第一三共が計上し、
中国、オーストラリア、カナダ等においてはアストラゼネカ社が計上いたします。
[提携の概要]
・提携先:アストラゼネカ社(本社:英国ケンブリッジ)
・提携の内容:DS-8201に関する共同開発・販売
・開発:乳がん、胃がん、非小細胞肺がん及び大腸がんを含むHER2発現がんの単剤療法及び併用療法を共
同開発し、開発費用を両社で折半
・販売:[日本を除く地域]両社が共同販促し、損益を折半
[日本] 当社が単独販売し、アストラゼネカ社にロイヤリティを支払
・地域別の売上収益計上:[当社] 日本、米国、当社が拠点を有する欧州及びその他地域の
複数国
[アストラゼネカ社]中国、オーストラリア、カナダ、ロシア及びその他地域
・製造及び製品供給:当社が製品を製造、供給
・受領対価:最大で総額69億ドル
契約一時金 13.5億ドル
開発マイルストーン等 38.0億ドル(最大)
販売マイルストーン 17.5億ドル(最大)
今後は、開発及び商業化を加速することで、本剤をより早く、より多くの患者さんに届けることを目指します。
具体的には、現在開発中のがん種・適応症について欧米での市場浸透の加速と日米欧以外での早期上市を実現し、
今後開発を行うがん種・適応症については開発計画の前倒しに加え、がん種、適応症のさらなる追加の可能性を追
求いたします。
また、同社との戦略提携を通じて、グローバル市場での自社のがん事業体制の構築を加速いたします。
さらに、DS-8201へ集中していた研究開発費と人的リソースを他のADCプロジェクトへも配分し、パイプラインの
価値を向上させて参ります。
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2【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可
能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中におけ る将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判
断したものであり、既知もしくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果とは乖離する可能性
があります。
(1) 他社競合・ジェネリック医薬品等製品販売に関するリスク
当社グループ製品と同領域の他社製品との競合、当社グループ製品の特許切れ後のジェネリック医薬品の参入等
は、当社グループの医薬品の売上を減少させる要因となり、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があり
ます。また、販売及び技術導出入契約の条件変更・終了等、及び主力品の海外発売国における保険適用等に関する
交渉結果等により、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 訴訟に関するリスク
当社グループの事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題及び公正取引に関する問題等に関
し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があり
ます。
当社、第一三共Inc.及び第一三共U.S. ホールディングスInc.並びにAllergan Sales, LLC(旧Forest
Laboratories, LLC)及びその関係会社は、オルメサルタンメドキソミルを含有する製剤(米国製品名「ベニ
カー」等)の服用により、スプルー様腸疾患(重症下痢等を主な症状とする疾患)等が発現したと主張する方々か
ら、米国連邦裁判所及び州裁判所において複数の訴訟を提起されておりましたが、2017年8月1日に原告側と和解
契約を締結し、2018年3月30日に和解内容を一部変更する契約を締結いたしました。なお、当該訴訟については、
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (2)その他 ②訴訟」に記載しております。
(3) 法規制、医療費抑制策等の行政動向に関するリスク
国内医療用医薬品は、薬事行政の下、種々の規制を受けております。薬価基準の改定をはじめとして、医療制度
や健康保険に関する行政施策の動向によっては、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。ま
た、海外においても同様に、医薬品として各種の規制を受けており、行政施策の動向による悪影響を受ける可能性
があります。
(4) M&A等に関するリスク
当社グループは、研究開発等における事業展開の一環として、M&A又は資本提携等を実施することがあります。
これらのM&A等にあたり、当社グループはデューデリジェンスを行い、当該M&A等の効果やリスクを算定したり、当
社の負担するリスクを限定するよう努めております。しかし、対象会社の経営環境や事業の変化、デューデリジェ
ンスにおいて判明しなかった情報等、又は買収後に被買収企業の経営方針、コーポレート・カルチャー、コーポ
レート・ガバナンス等の相違のために両社の協業が円滑に進まないことに起因して、当該M&A等において期待され
ていた効果が実現されない可能性や、M&A等に関する契約に基づき相手方に対して補償責任を負う可能性があり、
その場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.を吸収合
併し、その対価として当社がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受領することについ
て、2014年4月にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間で契約を締結し、2015年3月24日
(クロージング日)に完了いたしました。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間の本合併に関する契約に基づき、ランバ
クシー・ラボラトリーズLtd.のクロージング日前の品質問題等に関し、米国連邦政府又は州政府に支払う罰金及び
損害等が、クロージング日から7年経過するまでの間にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.等
に生じた場合、その63.5%について325百万米ドルを上限として補償する義務の履行を求められる可能性がありま
す。なお、当社は取得したサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.株式を2015年4月にすべて売却
しておりますが、上記契約は継続しております。
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(5) 研究開発・他社とのアライアンス等に関するリスク
新薬候補品の研究開発には、多額の費用と長い年月が必要でありますが、その間に期待された有用性が確認でき
ず研究開発を中止する可能性があります。また、臨床試験で良好な結果が得られても承認審査基準の変更等により
承認が得られなくなる可能性があります。さらに、第三者との研究開発に係る提携に関して契約の条件変更・終了
等が起こった場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、重点領域であるがん領域について、DS-8201をフラグシップアセットと位置付け、開発の拡
大・加速化に取り組んでおり、2019年3月29日にアストラゼネカ社と戦略的提携を開始いたしました。当該品目に
ついて、研究開発・上市の遅延等、承認申請の遅延等、期待した有効性・安全性が得られない事象あるいは期待し
た販売の進捗への支障等が生じた場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
北里第一三共ワクチン㈱は、2011年に厚生労働省の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業(第
2次事業)」の「細胞培養法ワクチン実生産施設整備等推進事業」の事業者に採択され、2014年3月末までに、
6ヶ月以内に4,000万人分のワクチンを供給できる体制を構築する計画でありました。しかし、設備設計時の想定
より高い投与量が必要であることが開発中に判明し、ワクチン収量向上、設備の改良等の検討に取り組んで参りま
したが、当初の事業期限である2014年3月末までに供給体制を整備することができませんでした。また、その後も
ワクチン収量を向上させるための検討に取り組んで参りましたが、2019年3月末の事業期限までに整備することが
できず、最終的に構築できた供給能力は2,318万人分となりました。なお、今後交付を受けた助成金の一部を返還
するとともに、遅延に関わる遅延損害金をお支払い致しますが、想定する遅延損害金は過年度に計上済みでありま
す。
同社は2019年4月1日に当社が吸収合併いたしましたが、当社は、同社のワクチン供給体制の構築に向けた取組
みを引き継ぎ、パンデミック発生時に必要な新型インフルエンザワクチンを確実に供給できる体制の維持・管理に
努め、与えられた責務を全うすることにより我国の保健衛生の向上に貢献して参ります 。
(6) 製造・仕入れに関するリスク
製品の一部は、当社グループの工場において独自の技術により製造しており、また、商品及び原材料の一部は、
特定の取引先にその供給を依存しております。このため、何らかの理由により製造活動や仕入れが遅延又は停止し
た場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。医薬品は医薬品医療機器法その他の国内外の
法規制等の下で製造しておりますが、品質問題の発生により製品回収等を行うことになった場合、経営成績、財政
状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 副作用発現に関するリスク
予期していなかった副作用の発現等の問題が発生した場合は、当社グループの医薬品の売上が減少するととも
に、製品回収や販売中止等に係る多額の費用が発生するなど、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があ
ります。
(8) 知的財産に関するリスク
当社グループの事業活動が他者の特許等知的財産権に抵触する場合、事業の断念や係争の可能性があります。一
方、第三者が当社グループの特許等知的財産権を侵害すると考えられる場合は、その保護のため訴訟提起等をする
場合があり、それらの動向は経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼすことがあります。特に先進諸国でのジェネ
リック医薬品拡大を背景に、訴訟提起等を含め、当社グループの知的財産に関するリスクが一層増大する可能性が
あります。
(9) 海外における事業展開に関するリスク
当社グループは、医薬品の開発、販売等の分野で、海外においても積極的に事業を展開しており、このような海
外事業においては、当該地域における政治不安や経済情勢の悪化等の地政学的な要因、当該地域の法規制や行政指
導等に抵触するリスク、現地の労使関係等に関するリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、
経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 災害等の発生による事業活動に関するリスク
地震、水害、暴風雨等の自然災害、火災、原子力発電所の事故、長時間の停電等社会インフラの障害、戦争、テ
ロ等の発生により、当社グループの工場、研究所、事業所等の施設の損壊又は事業活動の停滞等の損害が発生した
場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 環境問題に関するリスク
医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれて
おります。当社グループでは医薬品等の管理には万全を期すべく努めておりますが、万一、土壌汚染、大気汚染、
水質汚濁等深刻な環境問題が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 金融市況及び為替変動に関するリスク
株式市況の低迷等により保有する株式等の売却損や評価損が生じ、金利動向により退職給付債務の増加等が生じ
る可能性があります。また、為替相場の変動により、不利な影響を受ける可能性があります。当社グループはグ
ローバルに事業を展開し、生産・販売・輸出入を行っておりますので、為替相場の変動は経営成績、財政状態等に
悪影響を及ぼす可能性があります。
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(13) ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク
当社グループは、業務上、各種ITシステムを利用しており、また、個人情報を含む多くの機密情報を保有してお
ります。ネットワークウイルスの感染、サイバー攻撃他によるコンピュータシステムの休止等、及び機密情報の漏
洩を防止するため、情報管理に関する規程等を整備して従業員へ情報管理の重要性を周知徹底するとともに、セ
キュリティシステムの導入等の対応策を実施しておりますが、これらの事象が発生した場合、経営成績、財政状態
等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14) 財務報告に係る内部統制の整備等に関するリスク
当社グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価のための体制整備に努めております。しかし、
内部統制が有効に機能しなかった場合、又は財務報告に係る内部統制の不備又は開示すべき重要な不備が発生した
場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15) 法令違反等に関するリスク
当社グループは、グループ企業行動憲章のもとに、コンプライアンス行動基準等を制定しているほか、企業倫理
委員会や従業員ホットラインの設置等、コンプライアンス体制を構築し、事業活動に関連する法規制が遵守される
よう徹底等しておりますが、役員及び従業員の個人的な不正行為等を含め重大な法令違反が発生した場合、経営成
績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
第一三共Inc.は、主力品のプロモーション活動の一環として行った医師講演施策に関し、米国司法省より調査を
受け、同省及びその他政府機関との間で和解に至りました。本和解に基づき、第一三共Inc.は、2015年3月期に約
39百万米ドルの和解金を支払うと共に、保健福祉省監察総監室との間で法令遵守に関する協定(Corporate
Integrity Agreement)を締結し、コンプライアンス研修の実施等により、コンプライアンス体制を強化しており
ます。
(16) 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積り回収可
能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得については、経営環境の変化等を踏まえ適宜見
直しを行っておりますが、その結果、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合には繰延税
金資産が減額され、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17) その他のリスク
その他のリスクとして、金融危機の発生による資金調達環境の悪化、当社グループ製品の偽造医薬品流通による
信頼性低下等が考えられます。これらの事象が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があ
ります。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月17日)現在において当社グループが判断し
たものであります。
当社グループは、積極的なグローバル事業の展開による企業価値の向上に資するために、基準とすべき会計及び財
務報告のあり方を検討した結果、資本市場における財務情報の国際的な比較、グループ内での会計処理の統一、グ
ローバル市場における資金調達手段の多様化等を目的として、2014年3月期よりIFRSを適用しております。
当社グループの連結財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金
額及び開示に影響を与える見積りを必要としており、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断し
ておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)
連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」に記載しております。
(1) 業績等の概要
当社グループの当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)の売上収益は、前連結会計年度比
305億円(3.2%)減収の9,297億円 となりました。エドキサバン等の主力品が伸長したものの、独占販売期間の満
了によるオルメサルタンの減収及び薬価制度改革に伴う薬価引下げの影響等により、減収となりました。売上収益
に係る為替の減収影響は32億円となりました。
営業利益は、 前連結会計年度比74 億円(9 .7%)増益 の837億円 となりました。売上総利益は、 売上収益の減収に
加え、販売製品の構成比の変化及び抗悪性腫瘍剤ゼルボラフ等に関する無形資産の減損損失(151億円)を計上し
たこと等により、売上原価が増加したため、491億円(8.0%)減益の5,651億円となりました。販売費及び一般管
理費は、米国における経費削減効果に加え、有形固定資産売却益の増加に伴う販売費及び一般管理費の減少影響等
により、242億円(8.0%)減少の2,777億円となりました。研究開発費は、前連結会計年度は制吐剤配合麻薬性鎮
痛剤CL-108等に関する無形資産の減損損失(302億円)等を計上していたものの、当連結会計年度は減損損失が無
かったため、323億円(13.7%)減少の2,037億円となりました。営業利益に係る為替の減益影響は14億円となりま
した。
税引前利益は、 前連結会計年度比48 億円(5.9%)増益の858億円となりました。外貨建資産等に係る為替差損益
が悪化したこと等から、営業利益に比べて小幅な増益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、 前連結会計年度比331 億円(55.0%)増益の934億円となりました。アス
トラゼネカ社とのDS-8201(抗HER2 ADC)に関する戦略提携に伴い、将来の課税所得見込み額が増加いたしまし
た。その結果、繰延税金資産の追加計上が可能となり、法人税等が大幅に減額となったことから、大幅な増益とな
りました。
当期包括利益合計額は、 前連結会計年度比1,020 億円(164.8%)増益の1,639億円となりました。過年度の当社
グループの事業再編に係る税金負債を取崩したこと等から、 前連結会計年度 に比べ、大幅な増益となりました。
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地域別の売上状況は次のとおりであります。
① 日本
日本の売上収益は、 前連結会計年度比232億円(3.8 %)減収の5,897億円となりました。
[国内医薬事業]
国内医薬事業では、リクシアナ、カナリア、プラリア、ビムパット等の主力品の伸長及びオーソライズド・
ジェネリック(注1)製品の寄与があったものの、薬価制度改革に伴う薬価引下げの影響及び独占販売期間の満
了によるオルメテックの減収等により、売上収益は167億円(3.1%)減収の5,233億円となりました。この売上収
益には、第一三共エスファ㈱が取り扱うジェネリック事業、並びに北里第一三共ワクチン㈱及びジャパンワクチ
ン㈱等が取り扱うワクチン事業の売上収益が含まれております。なお、ジャパンワクチン㈱の事業を当社及びグ
ラクソ・スミスクライン㈱に譲渡し、合弁事業を解消することを2018年12月に決定いたしました。
当社は、ヒドロモルフォン塩酸塩を主成分とする癌疼痛治療用注射剤ナルベイン注を2018年5月に新発売いた
しました。さらに、経皮吸収型 持続性癌疼痛治療剤フェンタニルクエン酸塩1日用テープ「第一三共」を6月に
新発売いたしました。医療用麻薬製品のラインナップを拡充することにより、がん疼痛治療の多様なニーズに応
えて参ります。
当社は、当社及び当社の子会社である第一三共エスファ㈱が製造販売を行っている長期収載品41製品につい
て、国内の製造販売承認をアルフレッサ ファーマ㈱に承継(譲渡)することを、2018年7月に決定いたしまし
た。
当社は、抗HER2抗体トラスツズマブのバイオ後続品である抗悪性腫瘍剤トラスツズマブBS点滴静注用「第一三
共」を2018年11月に新発売いたしました。
当社は、抗てんかん剤ビムパットのドライシロップ及び点滴静注を2019年3月に新発売いたしました。
(注)1.オーソライズド・ジェネリック:先発医薬品メーカーからの許諾を受けて製造される後発医薬品。
[ ヘルスケア事業]
ヘルスケア事業の売上収益は、第一三共ヘルスケア㈱が取り扱うトランシーノシリーズ等が伸長いたしまし
た。一方、新会計基準の適用に伴う会計処理の変更(従来、販売費及び一般管理費として計上していた販売奨励
金を、当連結会計年度より売上控除として計上)により、65億円(9.0%)減収の664億円となりました。
<日本の主な売上構成>
(単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分 (自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日 増減
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
△167
国内医薬事業(注)2 5,400 5,233
△3.1%
△65
729 664
ヘルスケア
△9.0%
(注)2.ジェネリック事業、ワクチン事業を含む。
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<国内医薬主力品売上収益>
(単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
製品名 (自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日 増減
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
△83
ネキシウム
865 783
抗潰瘍剤
△9.6%
196
リクシアナ
453 649
抗凝固剤
43.2%
17
メマリー
486 502
アルツハイマー型認知症治療剤
3.4%
△60
ロキソニン
365 305
消炎鎮痛剤
△16.4%
プラリア
42
232 274
骨粗鬆症治療剤・関節リウマチに伴う
18.1%
骨びらんの進行抑制剤
△10
テネリア
263 253
2型糖尿病治療剤
△3.7%
イナビル △71
253 182
抗インフルエンザウイルス剤
△28.0%
△297
オルメテック
446 149
高血圧症治療剤
△66.7%
10
ランマーク
154 164
がん骨転移による骨病変治療剤
6.5%
11
エフィエント
128 139
抗血小板剤
8.3%
△13
レザルタス
168 155
高血圧症治療剤
△7.5%
△9
ユリーフ
111 103
排尿障害治療剤
△7.7%
△20
オムニパーク
140 120
造影剤
△14.4%
65
カナリア
27 92
2型糖尿病治療剤
241.9%
39
ビムパット
26 66
抗てんかん剤
148.5%
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② 北米
2019年1月より、旧ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.の会社名をアメリカン・リージェントInc.
に変更いたしました。製品ブランド「アメリカン・リージェント」は、従来から、ほとんどの同社製品に使用さ
れ、米国で広く普及しております。
北米の売上収益は、 前連結会計年度比261億円(14.5%)減収の1,541 億円、現地通貨ベースでは、2億3千6
百万米ドル(14.5%)減収の13億8千9百万米ドルとなりました。この売上収益には、第一三共Inc.とアメリカ
ン・リージェントInc.の売上収益が含まれております。
第一三共Inc.では、5月にジェネリック品が参入したウェルコールに加え、オルメサルタン及び配合剤、エ
フィエントが減収となりました。
アメリカン・リージェントInc.では、インジェクタファーが増収となりました。
<第一三共Inc.主力品売上収益>
(単位:百万米ドル)
前連結会計年度 当連結会計年度
製品名 (自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日 増減
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
△96
オルメサルタン(注)3
192 97
高血圧症治療剤
△49.6%
ウェルコール
△185
306 121
高コレステロール血症治療剤
△60.5%
・2型糖尿病治療剤
△74
エフィエント
96 22
抗血小板剤
△77.1%
1
サベイサ
20 21
抗凝固剤
5.8%
△4
モバンティック
42 38
オピオイド誘発性便秘薬
△9.7%
(注)3. ベニカー/ベニカーHCT、エイゾール、トライベンゾール及びオルメサルタンのオーソライズド・ジェネ
リック
<アメリカン・リージェントInc.(注4)主力品売上収益>
(単位:百万米ドル)
前連結会計年度 当連結会計年度
製品名 (自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日 増減
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
△18
ヴェノファー
279 261
鉄欠乏性貧血治療剤
△6.6%
89
インジェクタファー
310 399
鉄欠乏性貧血治療剤
28.7%
(注)4.旧ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.
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③ 欧州
欧州の売上収益は、前連結会計年度期比91億円(11.5%)増収の886億円、現地通貨ベースでは7千7百万ユー
ロ(12.6%)増収の6億9千万ユーロとなりました。オルメサルタン及び配合剤、エフィエントが減収となった
ものの、リクシアナが伸長したこと等により、増収となりました。
第一三共ヨーロッパGmbHは、高コレステロール血症治療剤ベムペド酸の欧州における独占的販売権を取得する
ライセンス契約を2019年1月に米国Esperion Therapeutics, Inc.と締結いたしました。
<第一三共ヨーロッパGmbH主力品売上収益>
(単位:百万ユーロ)
前連結会計年度 当連結会計年度
製品名 (自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日 増減
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
△45
オルメサルタン(注)5
258 213
△17.5%
高血圧症治療剤
△17
エフィエント
62 44
△28.1%
抗血小板剤
148
リクシアナ
208 357
71.3%
抗凝固剤
(注)5.オルメテック/オルメテックプラス 、セビカー及びセビカーHCT
④ アジア・中南米
アジア・中南米の売上収益は、前連結会計年度期比73億円(9.0%)増収の877億円となりました。なお、この
売上収益には、海外ラインセンシーへの売上収益等が含まれております。
中国では、合成抗菌剤クラビット等の主力品が増収となりました。
韓国では、リクシアナやオルメサルタン及び配合剤等が増収となりました。
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(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 金額(百万円) 前年同期比(%)
医薬事業 513,215 100.8
合計 513,215 100.8
(注)1.金額は正味販売価格によっております。
2.上記金額には消費税等を含めておりません。
② 受注実績
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を策定し、これにより生産を行っております。受注生産は
一部の連結子会社で行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 金額(百万円) 前年同期比(%)
医薬事業 929,717 96.8
合計 929,717 96.8
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
相手先
金額(百万円) 割合(%) 金額(百万円) 割合(%)
アルフレッサ ホールディングス
199,809 20.8 195,578 21.0
株式会社及びそのグループ会社
株式会社スズケン及びそのグルー
98,603 10.3 93,697 10.1
プ会社
2.上記金額には消費税等を含めておりません。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社 グループは、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」となることを2025年ビジョンとして掲げ、研
究開発活動、ライセンス活動に取り組んでおります。当社グループでは、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動
によるキャッシュ・フローを創出すること等によって、必要な資金調達が可能であると考えております。
① 財政状態
当連結 会計年度末における資産合計は2兆881億円となりました。営業債権及びその他の債権の増加等により、
前連結会計年度末より1,903億円の増加となりました。
負債 合計は8,383億円となりました。未払法人所得税及び引当金が減少した一方で、営業債務及びその他の債
務、並びにその他の非流動負債の増加等により、前連結会計年度末より736億円の増加となりました。
資本 合計は1兆2,497億円となりました。配当金の支払により減少した一方で、当期利益の計上等により、前連
結会計年度末より1,167億円の増加となりました。
親会社所有者 帰属持分比率は59.8%となり、前連結会計年度末より0.1%増加いたしました。
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② キャッシュ・フロー
当 連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,145億円減少の2,432億円となりました。各キャッシュ・
フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動に よるキャッシュ・フローは、税引前利益858億円、減価償却費及び償却費462億円、及び減損損失
152億円等の非資金項目の他、法人所得税の支払等による資金の減少により、920億円の収入(前連結会計年度
は1,084億円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、 定期預金への預入による支出及び設備投資や無形資産の取得による
支出等により、1,425億円の支出(前連結会計年度は1,086億円の収入)と なりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは 、配当金の支払及び借入金の返済等により、662億円の支出(前連結
会計年度は1,018億円の支出)となりました。
(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2018年10月、DS-8201をはじめとするがん領域の新製品開発が順調に進む中、がん事業
の成長を加速させるため、当初の計数目標を見直しております。がん事業に投資を増強・集中することで、当初の
2025年度売上収益目標3,000億円を上 回る5,000億円に育てることを目指すことといたしました。また、当初の2020
年度目標(売上収益1兆1,000億円、営業利益1,650億円、ROE8%以上)は2年遅れの2022年度の実現を目指すこ
とといたしました。
当連結会計年度においては、売上収益9,297億円、営業利益837億円、ROE7.8%となりました。なお、目標達成に
向けた主な取り組み課題と実績については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題
等」に記載しております。
(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこ
れらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは、その効果が発現すると見積もられる期間で償却することとしておりましたが、
IFRSでは、IFRS移行日以降、のれんの償却を 行わず、毎期減損テストを行っております。この結果、当連結
会計年度の販売費及び一般管理費は、日本基準に比べて61億円減少しております。
(無形資産)
日本基準では、技術導入契約の一時金等の支出は、費用として認識しておりましたが、IFRSでは、IAS第
38号による無形資産の定義を満たすものについては資産化しております。この結果、当連結会計年度の研究
開発費は、日本基準に比べて206億円減少しております。
(金融収益及び金融費用)
日本基準では、資本性金融商品の売却損益を純損益にて認識しておりましたが、IFRSでは、資本性金融商
品の公正価値の変動を純損益ではなく、その他の包括利益として表示することを選択しております。この結
果、当連結会計年度の税引前利益は、日本基準に比べて106億円減少しております。
(法人所得税)
日本基準では、資本性金融商品の売却損益に係る法人所得税費用を純損益にて認識しておりましたが、
IFRSでは、資本性金融商品の公正価値の変動に係る法人所得税費用を純損益ではなく、その他の包括利益と
して表示することを選択しております。この結果、当連結会計年度の当期利益は、日本基準に比べて664億
円減少しております。
なお、当連結会計年度の発生内容については「16.法人所得税」に記載しております。
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4【経営上の重要な契約等】
(1) 日本における長期収載品41製品の承継(譲渡)
当社は、2018年7月31日開催の取締役会において、当社及び当社の子会社である第一三共エスファ㈱が日本にお
いて製造販売を行っている長期収載品41製品について、国内の製造販売承認をアルフレッサ ホールディングス㈱
の子会社であるアルフレッサ ファーマ㈱(以下「AFP社」という。)に承継する決議を行い、同日、AFP社と会社
分割(吸収分割)契約を含む承継に関する契約を締結いたしました。
当該契約に基づき、当社の長期収載品35製品と第一三共エスファ㈱の長期収載品6製品、計41製品の棚卸資産及
び国内製造販売に係る権利義務を2019年3月以降AFP社に承継し、84.2億円(棚卸資産を除く)の金銭の交付を受
けております。
長期収載品41製品のうち、35製品の資産及び製造販売に係る権利義務については、2019年3月1日を効力発生日
として、会社分割によりAFP社に承継しており、それ以外の製品については、2019年3月2日以降順次、個別承継
して参ります。
(2) 北里第一三共ワクチン㈱の生産機能子会社化に伴う吸収分割及び吸収合併
当社は、2018年11月30日開催の取締役会において、北里第一三共ワクチン㈱(以下「KDSV」という。)の生産機
能子会社への再編スキームを決議し、同日、第一三共バイオテック㈱(以下「DSBT」という。)とKDSVの吸収分割
契約及び当社とKDSVの吸収合併契約を締結いたしました。
KDSVは、ヒト用の感染症予防・治療ワクチンの研究開発、製造、販売を行っております。
本再編は、KDSVの生産機能を2018年8月に設立したDSBTに移管し、安定生産と品質レベルの向上を図ると共に、
当社が製造販売業者として主体的にワクチン事業を推進することにより、当社グループとしてワクチン事業を強化
することを目的としております。
吸収分割の概要は次のとおりであります。
① 会社分割の日程
分割の効力発生日 2019年4月1日
② 会社分割の方式
KDSVを吸収分割会社、DSBTを吸収分割承継会社として、KDSVの生産及び生産技術に係る事業を会社分割により
DSBTに承継いたしました。
③ 承継する権利義務
KDSVが営む医薬品、医薬品の原薬・中間体、治験薬・治験原薬等の生産及び生産技術機能に係る事業に関して
有する資産負債、契約等の権利義務
④ 分割に 係る割当ての内容
KDSV 及びDSBTは、当社の100%連結子会社であることから、本分割による新株式の発行及び金銭等の割当てはあ
りません。
⑤ 当事会社の概要
吸収分割会社
商号 北里第一三共ワクチン株式会社
資本金 1億円
主な事業内容 ワクチンの研究開発、製造、販売等
吸収分割承継会社
商号 第一三共バイオテック株式会社
資本金 50百万円
主な事業内容 ワクチン、バイオ関連医薬品及び治験薬等の受託製造等
吸収合併の概要は次のとおりであります。
① 合併の日程
合併の効力発生日 2019年4月1日
② 合併の方式
当社を存続会社、KDSVを消滅会社とし、KDSVを当社へ吸収合併することにより、KDSVの生産及び生産技術以外
の事業(研究開発、信頼性保証及び販売等)並びに同社製品の製造販売承認を当社に承継いたしました。
これにより、KDSVは解散いたしました。
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③ 合併に係る割当ての内容
KDSVは、当社の100%連結子会社であることから、本合併による新株式の発行及び金銭等の割当てはありませ
ん。
④ 消滅会社の新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
KDSVは、新株予約権及び新株予約権付社債を発行しておりません。
⑤ 当事会社の概要
存続会社
商号 第一三共株式会社
資本金 500億円
主な事業内容 医療用医薬品の研究開発、製造、販売等
消滅会社
商号 北里第一三共ワクチン株式会社
資本金 1億円
主な事業内容 ワクチンの研究開発、製造、販売等
(3) ジャパンワクチン㈱の解散及び製品の譲渡
当社は、2018年12月26日開催の取締役会において、当社及びグラクソ・スミスクライン㈱の合弁会社であるジャ
パンワクチン㈱の解散時期及び製品の取扱い等について決議し、同日、グラクソ・スミスクライン㈱と契約を締結
いたしました。
2019年4月1日付で、ジャパンワクチン㈱の事業(一部機能を除く)を当社及びグラクソ・スミスクライン㈱そ
れぞれに譲渡いたしました。なお、2019年4月1日以降、ジャパンワクチン㈱はすべての規制上の手続きが完了す
るまで存続し、その後解散いたします。
(4) 第一三共プロファーマ㈱高槻工場の譲渡及び会社分割(簡易吸収分割)
当社は、2019年1月31日開催の取締役会において、当社の子会社である第一三共プロファーマ㈱(以下「DSPP」
という。)の高槻工場を太陽ホールディングス㈱(以下「太陽ホールディングス」という。)に譲渡することを決
議し、契約を締結いたしました。
第一三共グループは、2025年ビジョンである「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」に向け、高品質で
より効率的な生産体制の構築に取り組んでおります。このたびグローバルサプライチェーン体制を総合的に検討し
た結果、医薬品製造事業を担う高槻工場を当社グループ外企業に譲渡し、その高い技術力と生産能力等を活かすこ
とが最適との結論に至りました。
譲渡の概要は次のとおりであります。
① 譲渡の方法
2019年4月25日に当社の100%子会社である太陽ファルマテック㈱(以下「太陽ファルマテック」という。)を
設立し、2019年10月1日にDSPPが所有する高槻工場の資産等を会社分割により、太陽ファルマテックに承継いた
します。また同日、当社が所有する高槻工場の土地及び構築物(以下「土地等」という。)を会社分割により、
太陽ファルマテックに承継いたします。そのうえで同日、太陽ファルマテックの全株式を当社から太陽ホール
ディングスに譲渡いたします。株式譲渡後、当社は、高槻工場の現有製造品目を太陽ファルマテックに製造委託
いたします。
② 譲渡の対価
太陽ファルマテック全株式の太陽ホールディングスへの譲渡対価は376億円の予定であります。なお、分割対象
の高槻工場の資産等の純資産(当社が保有する土地等を含む2018年3月末の帳簿価額)は約185億円であります。
③ 当事会社の概要
譲渡会社
商号 第一三共株式会社
資本金 500億円
主な事業内容 医薬品の研究開発、製造及び販売等
譲受会社
商号 太陽ホールディングス株式会社
資本金 93億円
主な事業内容 ・プリント配線板用部材を始めとする電子部品用化学品部材の製造販売及び仕入販売
・医療用医薬品・医療用医薬部外品その他に関する開発・製造販売
・染料、顔料等の化学品の製造販売
・自然エネルギーによる発電事業等
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吸収分割の概要は次のとおりであります。
① 会社分割の日程
分割の効力発生日 2019年10月1日(予定)
② 会社分割の方式
当社を分割会社、当社の100%子会社である太陽ファルマテックを分割承継会社として、当社が保有する高槻工
場の土地等を太陽ファルマテックに承継いたします。
③ 会社分割に係る割当ての内容
太陽ファルマテックは、当社の100%連結子会社であることから、本分割による新株式の発行及び金銭等の割当
てはありません。
④ 承継する権利義務
当社が保有する高槻工場の土地等
⑤ 当事会社の概要
吸収分割会社
商号 第一三共株式会社
資本金 500億円
主な事業内容 医薬品の研究開発、製造及び販売等
吸収分割会社
商号 第一三共プロファーマ株式会社
資本金 1億円
主な事業内容 医薬品及び治験薬の製造
吸収分割承継会社
商号 太陽ファルマテック株式会社
資本金 3億円
主な事業内容 ・医薬品等の製造、製造の受託及び売買
・薬物に関する試験及び研究の受託
(5) 技術導入
契約会社名 相手先 国名 技術内容 対価 契約期間
契約一時金
第一三共㈱ 抗RANKL抗体「デノス 自 2007年7月
マイルストーン
Amgen Inc.
アメリカ
マブ」に関する技術 至 2027年6月
(当社)
一定料率の実施料
自 2016年7月
第一三共㈱
Amgen Inc.
アメリカ バイオ後続品に関する技術 マイルストーン 至 製品ごとに商業化の終了
(当社)
日
契約一時金
虚血性心不全の細胞治療薬
第一三共㈱ 自 2016年4月
マイルストーン
Cell Therapy Ltd.
イギリス 「ハートセル」に関する技
至 商業化の終了日
(当社)
一定料率の実施料
術
契約一時金
悪性リンパ腫の細胞治療薬
第一三共㈱ 自 2017年1月
マイルストーン
Kite Pharma EU B.V. 「アキシカブタジン シロ
オランダ
(当社) 至 開発又は販売の中止日
一定料率の実施料
ルーセル」に関する技術
第一三共㈱ 鼻腔噴霧インフルエンザ弱 契約一時金 自 2015年9月
MedImmune, LLC
アメリカ
(当社) 毒生ワクチンに関する技術 マイルストーン 至 上市後10年
契約一時金
第一三共Inc. 高脂血症治療剤「ウェル 自 1999年12月
マイルストーン
Genzyme Corporation
アメリカ
コール」に関する技術 至 対象特許の満了日
(連結子会社)
一定料率の実施料
アメリカン・リー 貧血治療剤「ヴェノ
Vifor (International)
自 1997年12月
ジェントInc. スイス ファー」及び「インジェク 製品購入価格
至 2030年12月
Inc.
タファー」に関する技術
(連結子会社)
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(6) 技術導出
契約会社名 相手先 国名 技術内容 対価 契約期間
契約一時金
虚血性疾患治療剤「エフィ
第一三共㈱ 自 2001年6月
マイルストーン
Eli Lilly and Company アメリカ エント(プラスグレル)」
至 対象特許の満了日
(当社)
に関する技術
一定料率の実施料
(7) 販売契約等(導入)
契約会社名 相手方の名称 国名 契約の内容 契約期間
自 2010年10月
同社のプロトンポンプ阻害剤「ネキ
第一三共㈱ スウェー 至 上市後10年
AstraZeneca AB
シウム」の日本国内における独占販
デン (以後は何れかが12ヶ月前通知
(当社)
売及び共同販促
により解約する日)
Cheplapharm Arzneimittel
第一三共㈱ 同社の高血圧症治療剤「アーチス 自 1989年7月
ドイツ
ト」の日本国内における独占販売 至 商標使用の終了日
(当社) GmbH
同社の非イオン性造影剤「オムニ
第一三共㈱ ノル 自 1987年3月
GE Healthcare AS
パーク」の日本国内における独占販
(当社) ウェー 至 販売終了の日
売
同社のアルツハイマー型認知症治療
第一三共㈱ 自 1997年12月
Merz Pharmaceuticals GmbH
ドイツ 剤「メマリー」の日本国内における
至 上市後10年
(当社)
独占販売
同社のてんかん治療薬「ビムパッ
第一三共㈱ 自 2014年11月
UCB Biopharma Sprl
ベルギー ト」の日本国内における独占販売及
(当社) 至 上市後10年
び共同販促
第一三共㈱ 同社の排尿障害治療剤「ユリーフ」 自 2004年6月
日本
キッセイ薬品工業㈱
(当社) の日本国内における共同販売 至 販売中止日
同社のインフルエンザ菌b型による
第一三共㈱ 自 2019年1月
サノフィ㈱ 日本 感染症予防小児用ワクチン「アクト
至 2019年12月
(当社)
ヒブ」の日本国内における販売
同社の血糖降下剤「テネリア」の日 自 2012年3月
第一三共㈱
日本 本国内における独占販売及び共同販 至 上市後10年
田辺三菱製薬㈱
(当社)
促 (以後1年ごとの自動更新)
自 2012年3月
第一三共㈱ 同社の血糖降下剤「カナグル」の日
田辺三菱製薬㈱ 日本 至 上市後10年
本国内における共同販促
(当社)
(以後1年ごとの自動更新)
同社の2型糖尿病治療用配合剤「カ 自 2017年3月
第一三共㈱
日本 ナリア」の日本国内における独占販 至 上市後10年
田辺三菱製薬㈱
(当社)
売及び共同販促 (以後1年ごとの自動更新)
オピオイド(麻薬性鎮痛薬)誘発性 自 2015年3月
第一三共Inc.
AstraZeneca UK Limited
イギリス 便秘薬「モバンティック」の米国内 至 年間販売額が一定基準を下
(連結子会社)
における共同販促 回ったとき
自 2016年10月
オピオイド鎮痛薬「モルファボン
Inspirion Delivery Sciences,
第一三共Inc. 至 対象特許の満了日又は2031
アメリカ ド」を含む2剤の米国内における独
(連結子会社) 年10月のうち何れか遅く到
LLC
占販売及び共同販促
来する日
自 2019年1月
第一三共ヨーロッパ
高コレステロール血症治療剤「ベム 至 対象特許の満了日又は上市
Esperion Therapeutics, Inc.
GmbH アメリカ
ペド酸」の欧州における独占販売 後12年のうち何れか遅く到
(連結子会社)
来する日
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(8) 販売契約等(導出)
契約会社名 相手方の名称 国名 契約の内容 契約期間
抗がん剤「トラスツズマブ デルクス
自 2019年3月
第一三共㈱
AstraZeneca UK Limited
イギリス テカン(DS-8201)」の全世界での共 至 国ごとに販売を中止するま
(当社)
で
同開発及び販売提携
自 2016年6月
至 対象特許の満了日、データ
第一三共㈱ 抗凝固剤「リクシアナ(エドキサバ
Servier Canada inc.
カナダ 保護期間の満了日又は2031
(当社) ン)」のカナダにおける独占販売
年6月のうち何れか遅く到
来する日
アメリカン・リー
Fresenius USA Manufacturing,
貧血治療剤「ヴェノファー」の米国 自 2008年11月
ジェントInc. アメリカ
内における販売 至 2023年12月
Inc.
(連結子会社)
第一三共ヨーロッパ
血圧降下剤「オルメテック(オルメ
Menarini International
ルクセン 自 2001年6月
GmbH サルタン)」の欧州における共同販
Operations Luxembourg S.A. ブルク 至 2020年12月
(連結子会社) 売
自 2016年2月
第一三共ノーザン 抗凝固剤「リクシアナ(エドキサバ
Merck and Company,
至 2026年2月又は対象特許の
ヨーロッパGmbH アメリカ ン)」の欧州一部地域における独占
満了日のうち何れか遅く到
Incorporated
(連結子会社) 販売
来する日
(9) 業務委託契約
契約会社名 相手方の名称 国名 契約の内容 契約期間
第一三共㈱ 自 2017年4月
㈱日立製作所 日本 IT業務の同社への委託
至 2020年3月
(当社)
(10) その他
契約会社名 相手方の名称 国名 契約の内容 契約期間
第一三共㈱
(当社)、
オルメサルタンメドキソミルを含有
第一三共Inc.
Plaintiffs’ Negotiating
する製剤の服用によりスプルー様腸 自 2017年8月
(連結子会社)、 アメリカ
疾患等が発現したと主張する原告等 至 終期を定めず
Committee
第一三共U.S.ホー
との和解に向けた合意
ルディングスInc.
(連結子会社)
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5【研究開発活動】
当社グループは、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」を2025年ビジョンとして掲げております。
2025年ビジョンの達成に向けて、重点領域であるがん領域については、抗体薬物複合体(以下「ADC」という。)
フランチャイズ、急性骨髄性白血病(以下「AML」という。)フランチャイズ及びブレークスルー・サイエンス(注
1)を3つの柱として設定し、戦略的な研究開発活動に取り組んでおります。
また、がん以外の領域については、希少疾患、免疫疾患を中心として、研究の加速化を進めております。
さらに、新規モダリティ(注2)の技術研究を通じて、革新的な創薬技術に基づく研究開発活動にも取り組んでお
ります。
研究から初期開発段階では、パートナリング、オープンイノベーション、トランスレーショナルリサーチを利用し
て、標準治療を変革する先進的新薬の継続的創出を目指した活動を進めております。
後期開発段階では、がん領域と循環代謝領域等の製品の開発を進めております。
ライフサイクルマネジメント(注3)では、循環代謝領域を中心に継続した取り組みを実施しております。
(注)1. ブレークスルー・サイエンス:革新的な科学技術を応用した、がん治療法に抜本的な変革をもたらす新規
治療手段。
2.新規モダリティ:ADC、核酸医薬、治療用ウィルス、細胞治療等の新規創薬基盤技術。
3.ライフサイクルマネジメント:適応症の拡大や用法・用量の改善等により、医薬品の製品価値を一層高
め、長期間にわたりその価値を医療現場に提供するための取り組み。
当連結会計年度の研究開発費は、 2,037 億円(前連結会計年度比13.7%減)となり、売上収益に対する研究開発費
の比率は、21.9%となりました。
主な研究開発プロジェクトの進捗状況は、次のとおりであります。
(1) がん領域
① DS-8201(抗HER2 ADC):トラスツズマブ デルクステカン
HER2が発現した複数のがん種を対象としたフェーズ1試験パート2(症例拡大試験)を日本及び米国で実施
しております。
2018年6月、本試験における安全性と有効性に関する最新データを米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表いたし
ました。これらの最新データにより、HER2の発現程度によらず、また幅広いがん種において、本剤の有用性が
示唆されました。
2018年9月、HER2発現またはHER2変異のある非小細胞肺がん患者の安全性と有効性に関する最新データを世
界肺がん学会議(WCLC)で発表いたしました。これらの最新データにより、非小細胞肺がんにおいても本剤の
有用性が示唆されました。
2018年10月、本試験における安全性と大腸がん患者の有効性に関する最新データを欧州臨床腫瘍学会
(ESMO)で発表いたしました。
2018年12月、本試験におけるHER2低発現乳がん患者の最新データを米国サンアントニオ乳がんシンポジウム
(SABCS)で発表いたしました。これらの最新データより、HER2低発現の乳がん患者においても本剤の有用性が
示唆されました。また、本剤の全ての臨床試験で発現した間質性肺疾患(以下「ILD」という。)について、
ILD外部判定委員会の判定結果を含めた中間報告を実施いたしました。
上記の試験に加え、がん種ごとに以下の試験を実施しております。
(ⅰ) 乳がん
・T-DM1を含む前治療を受けたHER2陽性の再発・転移性乳がん患者を対象(3次治療以降)とした、全奏
功率を主要評価項目とするグローバル・フェーズ2試験(DESTINY-Breast01)の患者登録(約230名)
を2018年9月に完了いたしました。
米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)への承認申請目標時期を2020年としていましたが、2019年
度前半に前倒しすることを2019年3月に発表いたしました。試験結果については、結果が得られた後、
学会において発表する予定であります。具体的な承認申請時期については、今後の米国FDAとの協議に
基づいて決定いたします。
・さらに、当該患者を対象とした、本剤投与群と治験医師選択薬投与群の安全性と有効性を比較評価する
グローバル・フェーズ3試験(DESTINY-Breast02)を2018年9月に開始いたしました。
・本剤は、上記の患者に対する治療を対象として、米国FDAより、画期的治療薬の指定制度の対象品目と
認定されております。
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・トラスツズマブ等の前治療を受けたHER2陽性の再発・転移性乳がん患者を対象(2次治療)とした、本
剤投与群とT-DM1投与群の安全性と有効性を比較評価するグローバル・フェーズ3試験(DESTINY-
Breast03)を2018年9月に開始いたしました。
・HER2低発現乳がん患者を対象とした、本剤投与群と治験医師選択薬投与(化学療法)群の安全性と有効
性を比較評価するグローバル・フェーズ3試験(DESTINY-Breast04)を2019年1月に開始いたしまし
た。
(ⅱ) 胃がん
・HER2陽性の再発・進行性胃がん患者を対象とした日本及び韓国でのフェーズ2試験(DESTINY-
Gastric01)を実施しております。
・本剤は、上記の患者に対する治療を対象として、厚生労働省より、先駆け審査指定制度の対象品目と認
定されております。
(ⅲ) 非小細胞肺がん
・HER2陽性の再発・進行性非小細胞肺がん患者を対象としたグローバル・フェーズ2試験を2018年5月に
開始いたしました。
(ⅳ) 大腸がん
・HER2陽性の再発・進行性大腸がん患者を対象としたグローバル・フェーズ2試験を実施しております。
(ⅴ) 併用・研究開発提携等
・米国Bristol-Myers Squibb Co.とHER2陽性の乳がん患者を対象とした、免疫チェックポイント阻害剤ニ
ボルマブ(製品名:オプジーボ)との併用療法を評価する臨床試験を実施しております。
・米国Merck & Co., Inc.の子会社とHER2発現の乳がん及び非小細胞肺がん患者を対象とした、免疫
チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)との併用療法を評価する臨床試験
の実施に関する契約を2018年9月に締結いたしました。
・ドイツMerck KGaA及び米国Pfizer Inc.と、HER2発現またはHER2変異のある固形がんの患者を対象とし
た、免疫チェックポイント阻害薬アベルマブ(製品名:バベンチオ)及びMerck KGaAが開発中のDNA損
傷応答阻害剤(DDR阻害剤)との併用療法を評価する臨床試験に関する契約を2018年10月に締結いたし
ました。
・当社独自のADC技術を使って創製されたDS-8201の価値最大化を図るため、がん領域のグローバル事業に
おいて豊富な経験とリソースを持つアストラゼネカ社と本剤に関するグローバルな開発及び商業化契約
を2019年3月に締結いたしました。
② U3-1402(抗HER3 ADC)
HER3陽性の再発・転移性乳がん患者を対象としたフェーズ1/2試験を日本及び米国で実施しております。
2018年6月、本試験における安全性と有効性に関するデータを米国臨床腫瘍学会(ASCO)で初めて発表いた
しました。さらに、2018年12月、本試験の最新データを、米国サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)で
発表いたしました。これらの最新データにより、本剤の有用性が示唆されました。また、当社ADC技術の応用可
能性が示唆されたと考えております。
現在、上記の試験に加え、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤を投与中に病勢進行したEGFR変異のある非小細胞肺
がん患者を対象とした米国でのフェーズ1試験を実施しております。
③ キザルチニブ(FLT3阻害剤)
本剤は米国FDAよりFLT3-ITD変異を有する再発・難治性のAML治療を対象として、優先承認審査指定(注4)
を受けております。また、米国FDA及び欧州医薬品庁よりAML治療を対象として、希少疾病用医薬品指定を受け
ております。さらに、2018年8月に米国FDAよりFLT3-ITD変異を有する再発または難治性のAML治療を対象とし
て画期的治療薬の指定を、2018年9月に厚生労働省よりFLT3変異を有するAML治療を対象として希少疾病用医薬
品の指定を受けました。
2018年5月にFLT3-ITD変異を有する再発・難治性のAML患者を対象とした、欧米及びアジアでのフェーズ3試
験(QuANTUM-R試験)において、主要評価項目を達成し、2018年6月開催の欧州血液学会(EHA)のLate
Breaking Sessionで発表いたしました。本試験結果に基づき、2018年10月に日本における製造販売承認申請を
行いました。また、2018年11月に欧州医薬品庁、米国FDAに販売承認申請が受理され、それぞれ迅速審査(注
5)、優先審査(注6)の指定を受けました。
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現在、上記の試験に加え、AMLの一次治療の適応取得を目的としたグローバル・フェーズ3試験(QuANTUM-
First試験)を実施しております。
(注)4.優先承認審査指定:米国FDAより、重篤で未充足の医療ニーズが高い疾患に対し、高い治療効果が期
待できる薬剤に対して指定されるもので、審査の迅速化が見込まれる。
5.迅速審査:欧州医薬品庁より、公衆衛生及び治療上の革新性の観点から多大な貢献が期待される薬
剤に対して指定されるもので、審査期間の短縮が見込まれる。
6. 優先審査:米国FDAより、治療上重要な進歩をもたらす薬剤や、現在適切な治療法がない疾患への治
療法を提供する薬剤に対して指定されるもので、通常審査期間(10ヵ月目標)に比べ審
査期間の短縮(6ヵ月目標)が見込まれる。
(ⅰ) 併用等
・FLT3-ITD変異を有する再発または難治性のAML患者及びFLT3-ITD変異を有し強力な化学療法が受けられ
ない新規AML患者を対象とした、MDM2阻害剤ミラデメタン(注7)(DS-3032)との併用療法を評価する
グローバル・フェーズ1試験を2018年12月に開始いたしました。
(注)7.ミラデメタン(DS-3032):固形がん及び血液がん患者を対象としたフェーズ1試験を実施中
であります。また、キザルチニブとの併用は、AML疾患動物モデル
等を用いた非臨床試験において、単剤に比べて相乗効果があるこ
とが示唆されております。
④ ペキシダルチニブ(CSF-1R/KIT/FLT3阻害剤)
本剤は米国FDAより腱滑膜巨細胞腫(以下「TGCT」という。)の治療における画期的治療薬の指定制度の対象
品目と認定されております。さらに、希少疾病用医薬品指定を受けております。
2017年10月に欧米でのTGCT患者を対象としたフェーズ3試験において、主要評価項目を達成し、2018年6月
開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表いたしました。本試験結果に基づく販売承認申請が2019年2月に米国
FDAに受理され、優先審査の指定を受けました。
⑤ アキシカブタジン シロルーセル(抗CD19 CAR-T細胞)
2018年10月に厚生労働省より、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ
腫、形質転換濾胞性リンパ腫、及び高悪性度B細胞リンパ腫を対象として、希少疾病用再生医療等製品に指定さ
れました。
⑥ DS-1205(AXL阻害剤)
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤投与中に病勢進行したEGFR変異のある非小細胞肺がん患者を対象とした、EGFR
チロシンキナーゼ阻害剤ゲフィチニブ(製品名:イレッサ)との併用療法を評価する日本でのフェーズ1試験
を2018年10月に開始いたしました。
がん領域における主な研究開発提携等は、次のとおりであります。
① DarwinHealth, Inc.との新規がん標的獲得に向けた共同研究契約の締結
当社は、米国DarwinHealth, Inc.と新規がん標的獲得を目的とする共同研究契約を2018年4月に締結いたし
ました。
本契約の下、両社は特定のがん種について、同社が保有するバイオインフォマティクス技術(注8)を用い
て標的候補の探索、評価及び検証を実施いたします。
(注)8. バイオインフォマティクス技術:遺伝子の配列情報や蛋白質の発現情報など、生命体から得られる
膨大な情報をコンピュータの計算能力を駆使して効率的に解析
し、生物学的に意味のある有益な情報を抽出する技術。
② Zymeworks Inc.とのバイスペシフィック抗体に関する共同研究の拡大
当社は、2016年9月にカナダZymeworks Inc.とバイスペシフィック抗体(注9)(二重特異性抗体)に関す
る共同研究及びクロスライセンス契約を締結いたしました。本契約の下、当社は1つのバイスペシフィック抗
体の作製において、同社が独自に保有する技術基盤を使用する権利を取得し、一方、当社が保有するがん免疫
関連の抗体を活用したバイスペシフィック抗体の研究開発及び商業化の権利を同社に許諾いたしました。
2018年5月に同社との共同研究を拡大する契約を締結し、当社は新たに2つのバイスペシフィック抗体の作
製において、同社の技術基盤を使用する権利を取得いたしました。
(注)9.バイスペシフィック抗体:抗体1分子中の2つの抗原結合部位に、異なる種類の抗原が結合できる
抗体。
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③ Glycotope GmbHとのADCに関するライセンス契約の締結
当社は、ドイツGlycotope GmbHががん治療薬として開発中のgatipotuzumab(抗TA-MUC1抗体)を、当社のADC
技術を活用してADC化した薬剤の事業化を目的として、オプション契約を2017年10月に締結いたしました。
2018年7月に、予備的試験の結果を踏まえ、オプション権を行使し、本剤に関する全世界での独占的開発及
び商業化権利を取得するライセンス契約を締結いたしました。
④ ロシュグループとのHER2低発現コンパニオン診断薬開発に関する提携契約の締結
当社は、2018年11月にスイスのロシュグループとHER2低発現を特定するためのコンパニオン診断薬(注10)
の開発提携契約を締結いたしました。
(注)10.コンパニオン診断薬:薬剤投与前に治療の有効性や安全性を予測し、適切な治療を選択するために
利用され、またその治療効果のモニタリングにも利用される臨床検査薬のこ
と。
⑤ Sarah Cannon Research Instituteとのがん領域のグローバル開発に関する提携契約の締結
当社は、2018年12月に米国Sarah Cannon Research Instituteと、当社が保有するADCフランチャイズを含む
がん領域パイプラインの開発加速を目的として、日本を含むグローバル臨床試験実施に向けた提携契約を締結
いたしました。
⑥ AnHeart Therapeutics Inc.とのDS-6051に関するライセンス(製品導出)契約の締結
当社は、2018年12月に米国AnHeart Therapeutics Inc.と、当社が保有するROS1/NTRK阻害剤DS-6051に関する
ライセンス(製品導出)契約を締結いたしました。
当社が日本と米国で実施中のROS1またはNTRK融合遺伝子を持つ固形がん患者及び神経内分泌腫瘍患者を対象
としたフェーズ1試験については、本契約締結後も同社と連携して推進いたします。
(2) がん以外の領域
① エドキサバン(抗凝固剤)
日本では、2011年より下肢整形外科手術患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制の適応症で製品名リクシア
ナとして販売しており、2014年に非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑
制、並びに静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺塞栓症)の治療及び再発抑制の両効能を追加取得しており
ます。
日本を含めた全世界では、30以上の国または地域で販売されております。
現在、心房細動や静脈血栓塞栓症の患者における本剤の使用について、臨床試験や使用実態下のデータを創
出する活動に取り組んでおります。カテーテルアブレーション(注11)を施術される心房細動患者を対象とし
たELIMINATE-AF試験により確認された有効性及び安全性について、2019年3月開催の欧州不整脈学会(EHRA)
2019のLate Breaking Sessionで発表いたしました。
(注)11.カテーテルアブレーション:心房細動患者の脈を正常なリズムに戻すため、カテーテルという細い
管を血管から心臓に入れて、不整脈の原因となる電気回路を遮断する
施術。
② エサキセレノン(高血圧症治療剤)
本態性高血圧症患者を対象とした国内フェーズ3試験の結果に基づき、2018年2月に国内製造販売承認申請
を行いました。
「高血圧症」を適応として、2019年1月に国内製造販売承認を取得いたしました。
現在、糖尿病性腎症患者を対象とした国内フェーズ3試験も実施中であります。
③ ミロガバリン(疼痛治療剤)
日本及びアジアでの糖尿病性末梢神経障害性疼痛の患者を対象としたフェーズ3試験及び帯状疱疹後神経痛
の患者を対象としたフェーズ3試験の結果に基づき、2018年2月に国内製造販売承認申請を行いました。
「末梢性神経障害性疼痛(注12)」を適応として、2019年1月に国内製造販売承認を取得いたしました。
日本及びアジアでの脊髄損傷後神経痛の患者を対象としたフェーズ3試験を2019年3月に開始いたしまし
た。
(注)12.末梢性神経障害性疼痛:末梢性神経障害性疼痛は、さまざまな原因によって末梢神経に損傷や機能
異常が起こり生じる痛み。代表的なものに糖尿病性末梢神経障害性疼痛や
帯状疱疹後神経痛などがある。
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④ DS-5141(デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤)
㈱Orphan Disease Treatment Instituteと共同で臨床試験を実施しているDS-5141は、厚生労働省より先駆け
審査指定制度の対象品目と認定されております。
2018年4月に国内フェーズ1/2試験の結果概要を発表いたしました。本試験において、ジストロフィンタ
ンパク質の明らかな発現を試験期間中は確認することができなかったものの、安全性上の懸念は認められず、
遺伝子のエクソン45をスキップすることで得られるメッセンジャーRNAの発現が確認されたことから、開発を加
速して参ります。
⑤ VN-100(皮内投与型季節性インフルエンザワクチン)
当社は、当社グループにおけるインフルエンザワクチン事業を見直した結果、戦略上の理由により、VN-100
の開発中止を2018年10月に決定いたしました。
がん以外の領域における主な研究開発提携等は、次のとおりであります。
① iPS細胞由来インスリン産生細胞におけるオープンイノベーション研究の開始
当社は、三菱UFJキャピタル㈱(以下「三菱UFJキャピタル」という。)、国立大学法人東京工業大学
と、iPS細胞からインスリン産生細胞を作製し、再生医療・細胞治療への活用を目指すオープンイノベーション
研究を2019年1月に開始いたしました。
本研究を行うために、2013年に当社と三菱UFJキャピタルが共同設立したOiDEファンド投資事業有限責任
組合から共同研究等に必要な資金を全額出資し、OiDE RYO-UN㈱を設立しております。
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第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当社グループでは、生産設備の増強・合理化及び研究開発の強化・効率化等を目的とした設備投資を継続的に実施
しております。
当連結会計年度は、第一三共プロファーマ㈱及び第一三共ケミカルファーマ㈱の製造設備等を中心に全体で 38,336
百万円の設備投資を行いました。
2【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は次のとおりであります。
(1) 提出会社
2019年3月31日現在
帳簿価額(百万円)
事業所名 従業員数
セグメントの名称 設備の内容
建物及び 機械装置 土地
(所在地) (名)
その他 合計
構築物 及び運搬具 (面積㎡)
本社 1,923
医薬事業 管理設備
6,301 - 1,058 9,283 1,083
(東京都中央区)
(2,824)
品川研究開発センター 694
医薬事業 研究設備 28,341 44 2,301 31,383 1,178
(東京都品川区) (66,985)
葛西研究開発センター 45
医薬事業 研究設備 14,512 6 428 14,992 147
(東京都江戸川区) (56,045)
製薬技術本部平塚拠点
126
医薬事業 研究設備 5,058 251 1,772 7,208 320
(神奈川県平塚市) (23,423)
(注)1.上記金額には消費税等を含めておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は工具、器具及び備品、リース資産であり、建設仮勘定は含めておりません。
(2) 国内子会社
2019年3月31日現在
帳簿価額(百万円)
事業所名 セグメント 従業員数
会社名 設備の内容
建物及び 機械装置 土地
(所在地) の名称 (名)
その他 合計
構築物 及び運搬具 (面積㎡)
第一三共プロ 平塚工場
1,177
医薬事業 製造設備
13,588 9,011 471 24,249 673
ファーマ㈱ (神奈川県平塚市) (217,645)
高槻工場 65
〃 医薬事業 製造設備
5,993 6,157 306 12,523 331
(大阪府高槻市)
(61,076)
第一三共ケミカル 小名浜工場
4,304
医薬事業 製造設備 3,547 2,304 582 10,739 146
(福島県いわき市)
ファーマ㈱
(320,145)
小田原工場 1,162
〃 医薬事業 製造設備
5,933 4,404 724 12,225 291
(神奈川県小田原市) (133,064)
管理設備
本社
北里第一三共
医薬事業 製造設備
6,404 10,125 - 607 17,137 400
ワクチン㈱
(埼玉県北本市)
研究設備
(注)1.上記金額には消費税等を含めておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は工具、器具及び備品、リース資産であり、建設仮勘定は含めておりません。
3.第一三共プロファーマ㈱及び第一三共ケミカルファーマ㈱の各工場は、提出会社からの賃借資産を含めて
おります。
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(3) 在外子会社
2019年3月31日現在
帳簿価額(百万円)
事業所名 セグメント 従業員数
会社名 設備の内容
(所在地) の名称 建物及び 機械装置 土地 (名)
その他 合計
構築物 及び運搬具
(面積㎡)
パッフェンホーフェン
第一三共ヨーロッ 1,653
工場
医薬事業 製造設備 2,475 2,650 1,552 8,332 396
パGmbH (86,485)
(ドイツ バイエルン)
アメリカン・リー ニューオルバニー工場 472
医薬事業 製造設備 3,744 5,781 77 10,075 348
(アメリカ オハイオ)
ジェントInc. (138,000)
(注)1.上記金額には消費税等を含めておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は工具、器具及び備品、リース資産であり、建設仮勘定は含めておりません。
3.第一三共ヨーロッパGmbHのパッフェンホーフェン工場は、第一三共リアルエステートGmbHからの賃借資産を
含めております。
3【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
投資予定金額 着手及び完了予定年月
事業所名 セグメント 資金調達 完成後の
会社名 設備の内容
総額 既支払額
(所在地) の名称 方法 増加能力
着手 完了
(百万円) (百万円)
ニューオルバニー工場
アメリカン・リー
医薬事業 製造設備 12,704 3,373 自己資金 2017年3月 2021年3月 拡充
(アメリカ オハイオ)
ジェントInc.
ヒリヤード工場
〃 医薬事業 製造設備 4,711 2,219 自己資金 2016年4月 2021年3月 拡充
(アメリカ オハイオ)
シャーリー工場
(アメリカ ニューヨー
〃 医薬事業 製造設備 5,497 1,398 自己資金 2016年4月 2021年3月 拡充
ク)
館林工場
第一三共ケミカル
(群馬県邑楽郡千代田
医薬事業 製造設備 5,180 2,358 自己資金 2017年11月 2019年5月 新設
ファーマ㈱
町)
第一三共プロファー 平塚工場
医薬事業 製造設備 3,500 2,339 自己資金 2017年5月 2019年9月 新設
マ㈱ (神奈川県平塚市)
(注)上記金額には消費税等を含めておりません。
(2) 重要な設備の除却等
経常的な設備の更新のための除却を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
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第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 2,800,000,000
計 2,800,000,000
②【発行済株式】
上場金融商品取引所名
事業年度末現在発行数(株) 提出日現在発行数(株)
種類 又は登録認可金融商品 内容
(2019年3月31日) (2019年6月17日)
取引業協会名
東京証券取引所
単元株式数は100
709,011,343 709,011,343
普通株式
(市場第一部)
株であります。
709,011,343 709,011,343 - -
計
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
第1回新株予約権 第2回新株予約権
(2008年2月15日発行) (2008年11月17日発行)
決議年月日 2008年1月31日 2008年10月31日
取締役(社外取締役を除く) 6名 取締役(社外取締役を除く) 6名
付与対象者の区分及び人数(名)
執行役員 20名 執行役員 20名
新株予約権の数(個) (注)1 322 566
新株予約権の目的となる株式の種類、内 普通株式 普通株式
容及び数(株) (注)1 32,200 56,600
新株予約権の行使時の払込金額(円) 1 1
自 2008年2月16日 自 2008年11月18日
新株予約権の行使期間
至 2038年2月15日 至 2038年11月17日
新株予約権の行使により株式を発行する
発行価格 2,529 発行価格 1,343
場合の株式の発行価格及び資本組入額
資本組入額 1,265 資本組入額 672
(円)
新株予約権の行使の条件 (注)2
新株予約権の譲渡に関する事項 取締役会の承認を要する。
組織再編行為に伴う新株予約権の交付に
(注)3
関する事項
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第3回新株予約権 第4回新株予約権
(2009年8月17日発行) (2010年8月19日発行)
決議年月日 2009年7月31日 2010年7月30日
取締役(社外取締役を除く) 6名 取締役(社外取締役を除く) 6名
付与対象者の区分及び人数(名)
執行役員 18名 執行役員 18名
新株予約権の数(個) (注)1 1,054 1,616
新株予約権の目的となる株式の種類、内 普通株式 普通株式
容及び数(株) (注)1 105,400 161,600
新株予約権の行使時の払込金額(円) 1 1
自 2009年8月18日 自 2010年8月20日
新株予約権の行使期間
至 2039年8月17日 至 2040年8月19日
新株予約権の行使により株式を発行する
発行価格 1,339 発行価格 1,198
場合の株式の発行価格及び資本組入額
599
資本組入額 670 資本組入額
(円)
新株予約権の行使の条件 (注)2
新株予約権の譲渡に関する事項 取締役会の承認を要する。
組織再編行為に伴う新株予約権の交付に
(注)3
関する事項
第5回新株予約権 第6回新株予約権
(2011年7月12日発行) (2012年7月9日発行)
決議年月日 2011年6月27日 2012年6月22日
取締役(社外取締役を除く) 6名 取締役(社外取締役を除く) 6名
付与対象者の区分及び人数(名)
執行役員 18名 執行役員 19名
新株予約権の数(個) (注)1 1,733 2,503
新株予約権の目的となる株式の種類、内 普通株式 普通株式
容及び数(株) (注)1 173,300 250,300
新株予約権の行使時の払込金額(円) 1 1
自 2011年7月13日 自 2012年7月10日
新株予約権の行使期間
至 2041年7月12日 至 2042年7月9日
新株予約権の行使により株式を発行する
発行価格 1,113 発行価格 885
場合の株式の発行価格及び資本組入額
557 443
資本組入額 資本組入額
(円)
新株予約権の行使の条件 (注)2
新株予約権の譲渡に関する事項 取締役会の承認を要する。
組織再編行為に伴う新株予約権の交付に
(注)3
関する事項
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第7回新株予約権 第8回新株予約権
(2013年7月8日発行) (2014年7月8日発行)
決議年月日 2013年6月21日 2014年6月23日
取締役(社外取締役を除く) 6名 取締役(社外取締役を除く) 6名
付与対象者の区分及び人数(名)
執行役員 17名 執行役員 16名
新株予約権の数(個) (注)1 1,811 1,450
新株予約権の目的となる株式の種類、内 普通株式 普通株式
容及び数(株) (注)1 181,100 145,000
新株予約権の行使時の払込金額(円) 1 1
自 2013年7月9日 自 2014年7月9日
新株予約権の行使期間
至 2043年7月8日 至 2044年7月8日
新株予約権の行使により株式を発行する
発行価格 1,200 発行価格 1,362
場合の株式の発行価格及び資本組入額
600 681
資本組入額 資本組入額
(円)
新株予約権の行使の条件 (注)2
新株予約権の譲渡に関する事項 取締役会の承認を要する。
組織再編行為に伴う新株予約権の交付に
(注)3
関する事項
第9回新株予約権 第10回新株予約権
(2015年7月7日発行) (2016年7月5日発行)
決議年月日 2015年6月22日 2016年6月20日
取締役(社外取締役を除く) 6名 取締役(社外取締役を除く) 6名
付与対象者の区分及び人数(名)
執行役員 16名 執行役員 19名
新株予約権の数(個) (注)1 1,187 1,352
新株予約権の目的となる株式の種類、内 普通株式 普通株式
容及び数(株) (注)1 118,700 135,200
新株予約権の行使時の払込金額(円) 1 1
自 2015年7月8日 自 2016年7月6日
新株予約権の行使期間
至 2045年7月7日 至 2046年7月5日
新株予約権の行使により株式を発行する
発行価格 1,859 発行価格 1,961
場合の株式の発行価格及び資本組入額
930 981
資本組入額 資本組入額
(円)
新株予約権の行使の条件 (注)2
新株予約権の譲渡に関する事項 取締役会の承認を要する。
組織再編行為に伴う新株予約権の交付に
(注)3
関する事項
(注)1.当事業年度の末日(2019年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2019年5月
31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現
在に係る記載を省略しております。
2.新株予約権の行使の条件は次のとおりであります。
(1) 新株予約権者は、新株予約権の割当て時に就任していた当社の取締役又は執行役員を退任した日(新株予
約権者が取締役及び執行役員を兼務している者である場合は、以後、執行役員の地位を有し続けるか否か
にかかわらず、取締役を退任した日とし、新株予約権者が新株予約権の割当て時に執行役員である場合に
おいて、その者が執行役員の退任と同時に、取締役に就任した場合は、執行役員を退任した日ではなく、
取締役を退任した日とする。)の翌日から10年以内に終了する事業年度のうち最終事業年度末日までに限
り、新株予約権を行使できる。
(2) 新株予約権者は、新株予約権を質入れその他一切の処分をすることができない。
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(3) 新株予約権者が死亡した場合、新株予約権者の相続人は、当社及び新株予約権者との間で締結される新株
予約権割当契約に定めるところに従い、相続原因事由発生日現在において未行使の新株予約権を承継し、
これを行使することができる。
(4) 新株予約権者は、新株予約権を行使する場合、1個の新株予約権の一部の行使ができないものとする。
(5) その他の条件は、取締役会決議に基づき、当社と新株予約権者との間で締結する新株予約権割当契約の定
めるところによる。
3.組織再編行為に伴う新株予約権の交付に関する事項は次のとおりであります。
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転
(以上を総称して以下「組織再編行為」という。)をする場合においては、組織再編行為の効力発生の直前の
時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、会社法第236
条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件
に基づきそれぞれ交付することができるものとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対
象会社は新たに新株予約権を交付するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を
交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画
において定めた場合に限るものとする。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する数と同一の数とする。
(2) 新株予約権の目的である株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上調整した再編後の
行使価額に前記(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得
られる金額とする。
(5) 新株予約権の行使期間
新株予約権の行使期間は、前記「新株予約権の行使期間」に定める期間の開始日と組織再編行為の効力発
生日のいずれか遅い日から、前記「新株予約権の行使期間」に定める期間の満了日までとする。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合の資本組入額(新株予約権の行使により株式を発行する場合
における増加する資本金及び資本準備金に関する事項)
① 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1
項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じたと
きは、その端数を切り上げるものとする。
② 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、前記①記載の資本金
等増加限度額から前記①に定める増加する資本金の額を減じた額とする。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の承認を要する。
(8) 新株予約権の行使の条件並びに取得事由及び条件
新株予約権の行使の条件並びに取得事由及び条件は前記1.及び以下の定めに準じて、組織再編行為の際
に当社の取締役会で定める。
① 新株予約権者が前記1.の定めに基づき、権利を行使することができなくなった場合には、当社は、取締
役会が別途定めた日において、当該新株予約権者の有する当該新株予約権を無償で取得することができ
るものとする。
② 当社が吸収合併消滅会社となる吸収合併契約が当社の株主総会(株主総会決議が不要な場合は当社の取
締役会とする。)において承認されたとき、当社が株式交換完全子会社又は株式移転完全子会社となる
株式交換契約承認の議案又は株式移転計画承認の議案が株主総会(株主総会決議が不要な場合は当社の
取締役会とする。)で承認されたときは、当社は、取締役会が別途定めた日において、新株予約権者の
有する新株予約権を無償で取得することができるものとする。
③ 新株予約権者が書面により新株予約権の全部又は一部を放棄する旨を申し出たときは、当社は、取締役
会が別途定めた日において、当該新株予約権者の有する当該新株予約権を無償で取得することができる
ものとする。
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②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式 発行済株式 資本準備金 資本準備金
資本金増減額 資本金残高
年月日 総数増減数 総数残高 増減額 残高
(百万円) (百万円)
(株) (株) (百万円) (百万円)
2008年9月8日
△26,000,000 709,011,343 - 50,000 - 179,858
(注)
(注)会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却したことによるものであります。
(5)【所有者別状況】
2019年3月31日現在
株式の状況(1単元の株式数 100 株)
単元未満株
区分 外国法人等 式の状況
政府及び地 金融商品取 その他の法
金融機関 個人その他 計 (株)
方公共団体 引業者 人
個人以外 個人
株主数
1 113 37 531 717 42 65,626 67,067 -
(名)
所有株式数
3 2,973,280 109,627 277,855 2,244,189 141 1,477,365 7,082,460 765,343
(単元)
所有株式数
の割合
0.00 41.98 1.55 3.92 31.69 0.00 20.86 100.00 -
(%)
(注)1.自己株式61,126,861 株は、「個人その他」欄に611,268単元及び「単元未満株式の状況」欄に61株含めて記
載しております。
なお、自己株式 61,126,861 株は株主名簿記載上の株式数であり、2019年3月31日現在の実質的な所有株式数
は61,124,702株であります。
2.上記「その他の法人」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が21単元含まれております。
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(6)【大株主の状況】
2019年3月31日現在
発行済株式
(自己株式を
所有株式数 除く。)の総
氏名又は名称 住所
(千株) 数に対する所
有株式数の割
合(%)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社
62,797 9.69
東京都港区浜松町二丁目11番3号
(信託口)
JP MORGAN CHASE BANK 380055 270 PARK AVENUE, NEW YORK, NY 10017,
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済 UNITED STATES OF AMERICA 55,009 8.49
営業部) (東京都港区港南二丁目15番1号)
日本トラスティ・サービス信託銀行株式
53,972 8.33
東京都中央区晴海一丁目8番11号
会社(信託口)
日本生命保険相互会社
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
(常任代理人 日本マスタートラスト信
35,776 5.52
(東京都港区浜松町二丁目11番3号)
託銀行株式会社)
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT
ONE LINCOLN STREET, BOSTON MA USA 02111
(常任代理人 香港上海銀行東京支店 カ 20,224 3.12
(東京都中央区日本橋三丁目11番1号)
ストディ業務部)
みずほ信託銀行株式会社退職給付信託
みずほ銀行口 再信託受託者 資産管理 14,402 2.22
東京都中央区晴海一丁目8番12号
サービス信託銀行株式会社
株式会社静岡銀行
静岡県静岡市葵区呉服町一丁目10番地
(常任代理人 日本マスタートラスト信
11,390 1.76
(東京都港区浜松町二丁目11番3号)
託銀行株式会社)
日本トラスティ・サービス信託銀行株式
11,230 1.73
東京都中央区晴海一丁目8番11号
会社(信託口5)
日本トラスティ・サービス信託銀行株式
10,099 1.56
東京都中央区晴海一丁目8番11号
会社(信託口7)
JP MORGAN CHASE BANK 385151 25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON,,
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済 E14 5JP, UNITED KINGDOM 9,861 1.52
営業部) (東京都港区港南二丁目15番1号)
284,766 43.95
計
(注)以下のとおり大量保有報告書及び大量保有報告書の変更報告書が公衆の縦覧に供されておりますが、2019年3月
31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記の「大株主の状況」には含めておりません。
発行済株式総
所有株式数 数に対する所
公衆の縦覧に
氏名又は名称 住所
(千株) 有株式数の割
供された日
合(%)
株式会社三菱UFJフィナン 東京都千代田区丸の内二丁目
41,153 5.80
2018年12月3日
シャル・グループ 7番1号
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(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
2019年3月31日現在
株式数(株) 議決権の数(個)
区分 内容
- - -
無議決権株式
議決権制限株式(自己株式等) - - -
議決権制限株式(その他) - - -
完全議決権株式(自己株式等) 61,124,700 - -
普通株式
完全議決権株式(その他) 647,121,300 6,471,192 -
普通株式
1単元(100株)未満
765,343 -
単元未満株式 普通株式
の株式
709,011,343 - -
発行済株式総数
- 6,471,192 -
総株主の議決権
(注)1.「完全議決権株式(その他)」欄の株式数及び議決権の数には、証券保管振替機構名義の株式2,100株及び
この株式に係る議決権21個が含まれております。なお、同欄の株式数には、株主名簿上は当社名義となって
いるが実質的に所有していない株式2,100株が含まれておりますが、この株式に係る議決権21個は同欄の議
決権の数には含まれておりません。
2.「単元未満株式」欄の株式数には、 当社所有の自己株式2株及び証券保管振替機構名義の株式16株が含まれ
ております。なお、同欄の株式数には、株主名簿上は当社名義となっているが実質的に所有していない株式
59株が含まれております。
②【自己株式等】
2019年3月31日現在
発行済株式総
自己名義所有 他人名義所有 所有株式数の 数に対する所
所有者の氏名又は名称 所有者の住所
株式数(株) 株式数(株) 合計(株) 有株式数の割
合(%)
東京都中央区日本橋本町
61,124,700 - 61,124,700 8.62
第一三共株式会社
三丁目5番1号
61,124,700 - 61,124,700 8.62
計
(注)このほか、株主名簿上は当社名義となっているが実質的に所有していない株式が2,159株(議決権の数21個)あ
ります。
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2【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】 会社法第155条第7号に該当する普通株式の取得
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分 株式数(株) 価額の総額(百万円)
当事業年度における取得自己株式 10,792 45
当期間における取得自己株式 1,690 9
(注)「当期間における取得自己株式」には、2019年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買
取りによる株式数は含めておりません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
当事業年度 当期間
区分
処分価額の総額 処分価額の総額
株式数(株) 株式数(株)
(百万円) (百万円)
引き受ける者の募集を行った取得自己株式 - - - -
消却の処分を行った取得自己株式 - - - -
合併、株式交換、会社分割に係る移転を行っ
- - - -
た取得自己株式
その他
149 0 - -
(単元未満株式の買増請求)
その他
152,700 187 - -
(新株予約権の権利行使)
その他
76,988 309 - -
(譲渡制限付株式の付与)
保有自己株式数 61,124,702 - 61,126,392 -
(注)当期間における処理及び保有自己株式数には、2019年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株
式の買取り、買増請求及び新株予約権の権利行使による株式数は含めておりません。
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3【配当政策】
当社は、株主の皆様への利益還元を経営上重要な施策の一つとして位置付けております。具体的には、成長のため
の投資、社債の償還準備、株主還元等を総合的に勘案したうえで、配当を安定的に維持することを基本方針としてお
ります。内部留保については、持続的な企業価値の向上を図るため、成長戦略の展開に不可欠な投資として研究開
発、事業開発、設備投資及び運転資金に充当する考えであります。
当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、会社法第454条第5項に定める中間配当をする
ことができる。」旨を定款に定めており、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針として
おります。 これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であり
ます。
これらを勘案し、当期におきましては、1株当たり年70円(うち中間配当35円)の配当といたしました。
当事業年度に係る剰余金の配当は次のとおりであります。
配当金の総額 1株当たり配当額
決議年月日
(百万円) (円)
2018年10月31日
22,672 35.0
取締役会決議
2019年6月17日
22,676 35.0
定時株主総会決議
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4【コーポレートガバナンスの状況等】
(1)【コーポレートガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、経営環境の変化に対してより迅速かつ機動的に対応できる経営体制を構築するとともに、法令の遵守
と経営の透明性を確保し、経営と執行に対する監督機能の強化を図り、株主の皆様をはじめとするステークホル
ダーの信頼に応えることのできるコーポレートガバナンス体制の構築を重視しております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
(ⅰ) コーポレートガバナンス体制の概要及び当該体制を採用する理由等
当社は、監査役設置会社であり、監査役会は社外監査役を過半数とする監査役5名により構成され、経営
の適法性、健全性を監査しております。
取締役については、経営責任の明確化と経営と執行に対する監督機能の強化を目的として、取締役の任期
を1年と定め、取締役9名中4名を社外取締役とする体制としております。
また、当社は、執行役員制度を採用しております。取締役は経営の重要な意思決定と職務執行の監督を担
い、取締役会が選任する執行役員は、代表取締役社長の下で業務執行の責任と権限を負い、適正かつ迅速な
意思決定と業務執行に資する体制としております。業務執行にあたっては、社外取締役を除く取締役及び最
高経営責任者(Chief Executive Officer:以下「CEO」という。)が指名する主要な地域・法人・機能の責
任者をもって経営会議を構成し、重要事項を審議いたします。
なお、社外取締役を過半数とする3名以上の取締役で構成し、社外取締役が委員長を務める指名委員会、
報酬委員会を任意の組織として設置し、取締役及び執行役員の選定及び報酬等について審議しております。
経営環境の変化に対してより迅速かつ機動的に対応できる経営体制を構築するとともに、法令の遵守と経
営の透明性を確保し、経営と執行に対する監督機能の強化を図る上で、この体制が最適であると考え、当該
体制を採用しております。
会社の機関の内容は、次のとおりであります。
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設置する機関の名称、目的、権限及び構成員の氏名は次のとおりであります。
機関の名称 目的 権限 構成員の氏名 役職名
宇治 則孝(長) 社外取締役
取締役会の委嘱により、取締 株主総会に提出する取締
福井 次矢 社外取締役
役及び執行役員の選定等につ 役および監査役の選任お
指名委員会 いて必要な審議を行い、もっ よび解任に関する議案の 釡 和明 社外取締役
て経営の透明性の向上に資す 内容等の審議・取締役社
野原 佐和子 社外取締役
ること 長への答申
樋口 建史(オブザーバー) 社外監査役
社外取締役
釡 和明(長)
取締役会の委嘱により、取締
取締役および執行役員の
宇治 則孝 社外取締役
役及び執行役員の報酬の方針
報酬等の方針、個人別の
報酬委員会 等について必要な審議を行 福井 次矢 社外取締役
報酬等の審議・取締役社
い、もって経営の透明性の向
野原 佐和子 社外取締役
長への答申
上に資すること
社外監査役
泉本 小夜子(オブザーバー)
渡邊 亮一(長) 常勤監査役
監査に関する重要な事項につ 監査報告の作成、監査の
佐藤 賢治 常勤監査役
いて報告を受け、協議を行
方針、業務及び財産の状
監査役会 い、又は決議をすること(た 況の調査の方法その他の 泉本 小夜子 社外監査役
だし、各監査役の権限の行使 監査役の職務の執行に関
樋口 建史 社外監査役
を妨げることはできない) する事項の決定等
今津 幸子 社外監査役
古田 弘信(長) 総務本部長
総務本部 人事部長
松本 高史
総務本部 法務部長
塚口 直人
木村 悟 医薬営業本部長
奥澤 宏幸 ASCAカンパニープレジデント
高崎 渉 研究開発本部長
籔田 雅之 バイオロジクス本部長
コンプライアンスに係る
国内外の法令及び企業倫理を
柏瀬 裕人 製薬技術本部長
企業倫理 グローバルポリシーの審
遵守し、企業の社会的責任を
委員会 議、年度目標の承認、実
福手 準一 サプライチェーン本部長
果たす経営を推進すること
施報告の確認等
福知 良和 メディカルアフェアーズ本部長
荒井 美由紀 信頼性保証本部長
丹澤 亨 ワクチン事業部長
森脇 純夫 社外弁護士
渡邊 亮一(オブザーバー) 常勤監査役
常勤監査役
佐藤 賢治(オブザーバー)
早見 宏 (オブザーバー) 監査部長
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機関の名称 目的 権限 構成員の氏名 役職名
総務本部長
古田 弘信(長)
経営戦略本部 経営推進部長
村上 伸夫
総務本部 人事部長
松本 高史
総務本部 総務・調達部長
加納 幹明
総務本部 CSR部長
谷口 修之
木村 悟 医薬営業本部長
奥澤 宏幸 ASCAカンパニープレジデント
企業活動全般において、環境
高崎 渉 研究開発本部長
の保全と健康と安全の確保に
籔田 雅之 バイオロジクス本部長
EHS経営 EHSに関する方針、計画、
努め、持続可能な社会作りに
柏瀬 裕人 製薬技術本部長
委員会 実施報告等の審議
貢献する環境、健康、安全マ
福手 準一 サプライチェーン本部長
ネジメントを推進すること
荒井 美由紀 信頼性保証本部長
第一三共プロファーマ㈱
伊澤 広純
代表取締役社長
第一三共ケミカルファーマ㈱
貴志 直文
代表取締役社長
第一三共バイオテック㈱
白澤 邦内
代表取締役社長
佐藤 賢治(オブザーバー) 常勤監査役
(ⅱ ) 会社の機関の内容
取締役会は原則月1回開催し、会社の重要な業務執行を決議し、取締役の職務執行を監督しております。
また、経営会議を原則月1回開催し、業務執行に関する審議を行い、経営判断の迅速性と適正性の向上に
努めております。
監査役は、取締役の職務執行状況に関し、厳正な監査を実施しております。監査役会は原則月1回開催
し、監査の方針及び計画、監査役の職務執行に関する事項等を決定しております。
(ⅲ) 責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役4名全員、社外監査役3名全員との間で、それぞれ会社法第423条第1項の賠償責任に
ついて、法令に定める要件に該当する場合には定款に基づき賠償責任を限定する契約(責任限定契約)を締
結しております。当該契約に基づく賠償責任の限度額は法令に定める最低限度額であります。
③ 企業統治に関するその他の事項
(ⅰ) 内部統制システムの整備の状況
当社グループは、役員及び従業員が業務を遂行するにあたり、社会的規範、法令及び当社の行動規範・社
内諸規程を遵守すること、並びにこれを担保する内部統制体制を構築することが、継続的な企業価値創造に
おける重要課題と位置付け、内部統制体制構築の基本方針を次のとおり定めております。
(a) 当社の取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ.役員及び従業員の行動規範として第一三共グループ企業行動憲章、第一三共グループ個人行動原則等
を定めるとともに、社外専門家を含む会議体を設置し、コンプライアンス体制を整備する。
ロ.経営に対する監督機能の強化・充実のため、社外取締役を置く。
ハ.監査役は、取締役の職務執行、意思決定の過程及び内容並びに内部統制体制の整備及び運用状況を監
査する。
(b) 当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
イ.情報セキュリティ体制を整備し、法令及び社内諸規程に基づき、取締役会議事録その他取締役の職務
執行に係る情報を適切に保存・管理する。
(c) 当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
イ.社内諸規程を定め、リスクマネジメント体制を整備する。
ロ.監査部は、上記体制の運営状況を監査する。
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(d) 当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
イ.CEOが戦略的な意思決定を行うことを目的として、社外取締役を除く取締役及びCEOの指名する主要な
地域・法人・機能の責任者をもって経営会議を構成し、重要事項を審議する。また意思決定手段の一
つとして決裁制度を設ける。
ロ.意思決定と職務執行の迅速性を考慮し、執行役員制度を導入する。
(e) 当社の使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ.役員及び従業員の行動規範として第一三共グループ企業行動憲章、第一三共グループ個人行動原則等
を定めるとともに、社外専門家を含む会議体を設置し、コンプライアンス体制を整備する。
ロ.「グローバルマネジメント規程」に従いCEOの命を受けた主要な地域・法人・機能の責任者及び「組織
管理規程」に従い社長の命を受けた部所長等が主管業務を掌理し、所属員の監督、管理及び指導を行
う。
ハ.人事管理及びリスクマネジメント等の体制整備に係るそれぞれの専門機能が、各部所への方針伝達と
管理、指導を行う。
ニ.監査部は、法令、定款及び社内諸規程の遵守状況について、内部監査を実施する。
(f) 当社及び当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
イ.当社は、「グローバルマネジメント規程」及び「内部統制システムの整備規程」を定め、第一三共グ
ループの経営管理体制を明確にするとともに、グループ会社に対し、経営方針等を伝達し、また、グ
ループ会社の取締役等から経営・業績等に関する報告を受ける体制を整備する。
ロ.当社は、「グループ会社管理規程」を定め、グループ会社の責任と権限を明確化する。
ハ.当社は、「リスクマネジメント推進規程」を定め、第一三共グループのリスクマネジメント体制を整
備する。
ニ.当社は、第一三共グループ個人行動原則等を定め、グループ会社に展開するとともに、第一三共グ
ループのコンプライアンス推進体制を整備し、グループ会社に周知徹底する。
ホ.当社は、「財務報告に係る内部統制規程」を定め、適切に運用することにより、第一三共グループの
財務報告の信頼性を確保する。
ヘ.当社は、「内部監査規程」を定め、グループ会社に対し、内部監査を実施する。
(g) 当社の監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する体制
イ.当社の監査役の職務を補助する専任スタッフを置く。
(h) 前記(g)の使用人の取締役からの独立性及び当社の監査役からの指示の実効性の確保に関する事項
イ.当社の監査役の専任スタッフは、当社の取締役から独立し、監査役の指揮命令の下に職務を遂行す
る。
ロ.当社の監査役の専任スタッフの人事異動、人事評価等については、予め監査役会の同意を必要とす
る。
(i) 当社及び当社子会社の取締役及び使用人が当社の監査役に報告をするための体制その他の当社の監査役
への報告に関する体制
イ.当社は、当社の取締役が、当社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、
当該事実を監査役に報告する体制を整備する。
ロ.当社の監査役は、当社の役員及び従業員並びにグループ会社の役員及び従業員等から業務執行状況等
の報告を受けるものとする。
ハ.当社の監査役は、経営会議その他の重要な会議に出席する。
ニ.決裁の手続や内容を検証するため、決裁書の通知先に監査役を常設する。
(j) その他当社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
イ.当社の監査役は、代表取締役と定期的に会合をもち、経営方針の確認や監査上の重要課題等について
の意見交換を行う。
ロ.当社の監査役は、グループ会社の監査役等と相互に情報を交換し、緊密な連携を保つ。
ハ.当社の監査役は、外部監査人及び監査部と連携し、意見交換等を行う。
ニ.当社は、前記(i).ロ.に基づき報告を行った者及び第一三共グループ個人行動原則等に基づき報告を
行った者に対し、当該報告をしたことを理由に不利な取扱いを行わない。
ホ.当社は、監査役の職務の執行について生じる費用を負担する。
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(k) 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及び体制
イ.当社は、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力及び団体に対して毅然とした姿勢で臨
み、反社会的勢力及び団体による経営活動への関与や被害を防止するために、第一三共グループ企業
行動憲章等において、反社会的勢力及び団体とは関係遮断を徹底することを基本方針に定めるととも
に、組織的体制を整備し、警察当局等と連携した情報収集や役員・従業員に対する啓発活動等によ
り、関係の排除に取り組む。
(ⅱ) リスク管理体制の整備の状況
(a) リスク管理体制の整備
当社は、「リスクマネジメント推進規程」に基づき、企業活動上の様々なリスクについて各部門・部所
がその機能、役割の下、自律的なリスクマネジメント活動を推進しております。
一方、企業経営に重大な影響が想定されるリスクについては、取締役会、経営会議等を通じて定期的な
把握・評価を行い、対策を講じることで、顕在化の未然防止に努めております。2007年度より、地震発生
等による製品供給の障害リスクに備え事業継続計画(BCP)を策定しサプライチェーン機能を中心にリスク
対策に取り組んで参りましたが、2011年3月11日に発生した東日本大震災による被災を受け、有事の際に
より速やかな業務復旧を図り、医療体制維持のため医薬品の品質確保と安定供給に努めるべく、新たな事
業継続計画を策定いたしました。
リスクが顕在化した際には、「リスクマネジメント推進規程」に基づき、社会や経営への影響度合いを
評価し、緊急的な対応体制を設置し、損失を最小限にとどめるためのクライシスマネジメント活動を行い
ます。また、その実効性を高めるため、災害対応、緊急事態対応等について、事象の内容に応じた手順書
等を策定するとともに適宜訓練を実施し見直しを行っております。
(b) コンプライアンスの重視
当社は、第一三共グループ企業行動憲章のもとに、当社及びグループ各社がコンプライアンス行動基準
等を制定しているほか、当社は社外有識者及び取締役等を構成メンバーとする企業倫理委員会や従業員
ホットラインを設置し、継続的な徹底に努めております。
(ⅲ) 子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社の子会社の業務の適正を確保するため、「グローバルマネジメント規程」及び「内部統制システムの
整備規程」を定め、第一三共グループの経営管理体制を明確にするとともに、グループ会社に対し、経営会
議、業績会議等を通じて、経営方針等を伝達し、また、グループ会社の取締役等から経営・業績等に関する
報告を受ける体制を整備しております。なお、国内グループ会社は、2015年5月施行の改正会社法及び当社
の内部統制体制構築の基本方針の改正を踏まえ、各社の取締役会において基本方針の改正を決議しておりま
す。
グローバルなコンプライアンス体制の実効性を確保するため、企業倫理委員会の諮問機関として海外子会
社のコンプライアンス・オフィサー等をメンバーとする「グローバル・コンプライアンス諮問委員会」を設
置しております。また、国内外の各グループ会社においても、当社と同様の公益通報者保護法に則ったホッ
トラインを設けております。なお、コンプライアンスの推進状況は、適宜、CEO及び企業倫理委員会に報告さ
れております。
(ⅳ) 取締役の定数及び選任要件
当社の取締役の定数は14名以内とする旨定款に定めております。また、当社の取締役の選任決議は、議決
権を行使することができる株主の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、
その際には累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
(ⅴ) 株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
当社は、以下について株主総会の決議によらず、取締役会で決議することができる旨を定款に定めており
ます。
(a) 自己株式の取得(機動的な対応を可能とするため)
(b) 中間配当をすることができる旨(株主への安定的な配当を行うため)
(ⅵ) 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決
議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その
議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
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(2)【役員の状況】
① 役員一覧
男性 11 名 女性 3 名(役員のうち女性の比率 21.4 %)
所有
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 株式数
(千株)
1979年4月 サントリー㈱入社
2000年3月 同社取締役
2002年12月 第一サントリーファーマ㈱取締役社長
2003年3月 サントリー㈱取締役退任
2003年6月 第一製薬㈱取締役
代表取締役
2006年6月 同社取締役経営企画部長
中山 讓治 1950年5月11日 生 (注)4 64
2007年4月 当社執行役員欧米管理部長
会長
2009年4月 当社常務執行役員海外管理部長
2010年4月 当社副社長執行役員日本カンパニープレジデント
2010年6月
当社代表取締役社長兼CEO
2017年4月 当社代表取締役会長兼CEO
2019年6月 当社代表取締役会長(現任)
1978年4月 三共㈱入社
2005年7月 同社安全性研究所長
2007年4月 当社安全性研究所長
2009年4月 当社執行役員研究開発本部プロジェクト推進部長
2011年4月 当社執行役員グループ人事担当兼グループCSR担当
2012年4月 当社執行役員戦略本部経営戦略部長
2014年4月 当社常務執行役員日本カンパニープレジデント兼事
代表取締役
業推進本部長
社長
眞鍋 淳 1954年8月5日 生
(注)4 31
2014年6月 当社取締役常務執行役員日本カンパニープレジデン
CEO
ト兼事業推進本部長
社長執行役員
2015年4月 当社取締役専務執行役員国内外営業管掌
2016年4月 当社取締役副社長執行役員総務・人事本部長兼メ
ディカルアフェアーズ本部長
2016年6月 当社代表取締役副社長執行役員総務・人事本部長兼
メディカルアフェアーズ本部長
2017年4月 当社代表取締役社長兼COO社長執行役員
2019年6月
当社代表取締役社長兼CEO社長執行役員(現任)
1979年4月 第一製薬㈱入社
2007年4月 当社MS推進部長
2008年4月 当社コーポレートコミュニケーション部長
2010年4月 当社執行役員コーポレートコミュニケーション部長
2012年4月 当社執行役員戦略本部製品戦略部長
代表取締役
2014年4月 当社常務執行役員戦略本部経営戦略部長
副社長
齋 寿明 1955年3月25日 生 (注)4 18
2015年4月 当社専務執行役員戦略本部長
CFO
2015年6月 当社取締役専務執行役員戦略本部長
副社長執行役員
2017年4月 当社取締役専務執行役員製品戦略本部長
2018年4月 当社取締役副社長兼CFO副社長執行役員経営戦略本
部長
2018年6月 当社代表取締役副社長兼CFO副社長執行役員経営戦
略本部長(現任)
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所有
株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(千株)
1980年4月 第一製薬㈱入社
2010年4月 当社サプライチェーン本部サプライチェーン技術部
長
2011年4月 当社執行役員サプライチェーン本部サプライチェー
ン技術部長
2011年6月 当社執行役員サプライチェーン本部サプライチェー
ン企画部長
取締役
2013年4月 当社執行役員信頼性保証本部長
東條 俊明 1955年11月11日 生 (注)4 14
専務執行役員
2014年4月 当社常務執行役員信頼性保証本部長
2016年4月 当社専務執行役員ワクチン事業管掌
2016年6月 当社取締役専務執行役員ワクチン事業管掌
2019年4月 当社取締役専務執行役員ワクチン事業管掌兼信頼性
保証管掌(現任)
(重要な兼職の状況)
第一三共バイオテック㈱取締役会長
1981年4月 第一製薬㈱入社
2009年4月 当社日本カンパニー医薬営業本部京都支店長
2014年4月 当社執行役員日本カンパニー医薬営業本部長兼マー
取締役
木村 悟 1957年9月27日 生 ケティング部長 (注)4 16
専務執行役員
2015年4月 当社常務執行役員医薬営業本部長
2016年4月 当社専務執行役員医薬営業本部長
2019年6月 当社取締役専務執行役員医薬営業本部長(現任)
1973年4月 日本電信電話公社入社
1999年6月 ㈱エヌ・ティ・ティ・データ取締役新世代情報サー
ビス事業本部長
2000年9月 同社取締役経営企画部長
2001年6月 同社取締役産業システム事業本部長
2002年4月 同社取締役法人ビジネス事業本部長
2003年6月 同社常務取締役法人システム事業本部長兼法人ビジ
ネス事業本部長
2005年6月 同社代表取締役常務執行役員
取締役 宇治 則孝 1949年3月27日 生 (注)4 3
2007年6月 日本電信電話㈱代表取締役副社長
2012年6月 同社顧問
2014年6月
当社取締役(現任)
(重要な兼職の状況)
横河電機㈱社外取締役
公益社団法人企業情報化協会名誉会長
一般社団法人日本テレワーク協会名誉会長
国際大学グローバル・コミュニケーション・セン
ター客員教授
1992年1月 佐賀医科大学附属病院総合診療部教授
1994年3月 京都大学医学部附属病院総合診療部教授
1999年4月 同大学大学院医学研究科内科臨床疫学教授
2000年4月 同大学大学院医学研究科内科臨床疫学教授兼社会健
康医学系専攻健康情報学教授兼専攻長
2001年2月 同大学大学院医学研究科内科臨床疫学教授兼社会健
康医学系専攻健康情報学教授兼専攻長兼EBM共同研
究センター長
2004年9月 聖路加国際病院内科(一般内科)医長・副院長
2005年4月 聖路加国際病院院長(現任)
取締役 福井 次矢 1951年6月24日 生 (注)4 7
2012年4月 学校法人聖路加看護学園(現 聖路加国際大学)理
事長
2015年6月 当社取締役(現任)
2016年4月 聖路加国際大学学長(現任)
(重要な兼職の状況)
聖路加国際大学学長
聖路加国際病院院長
一般社団法人日本病院会常任理事
特定非営利活動法人日本医学図書館協会会長
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所有
株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(千株)
1971年7月 石川島播磨重工業㈱(現㈱IHI)入社
1987年6月 米国IHI INC.副社長
2002年7月 石川島播磨重工業㈱(現㈱IHI)理事財務部次長・
資金グループ担当部長
2004年6月 同社執行役員財務部長
2005年4月 同社常務執行役員財務部長
2005年6月 同社取締役常務執行役員財務部長
2007年4月 同社代表取締役社長兼最高経営執行責任者
2012年4月 同社代表取締役会長
取締役 釡 和明 1948年12月26日 生 (注)4 -
2016年4月 同社取締役
2016年6月
同社相談役(現任)
2019年6月 当社取締役(現任)
(重要な兼職の状況)
㈱IHI相談役
極東貿易㈱社外取締役(2019年6月20日退任予定)
日本精工㈱社外取締役(2019年6月下旬退任予定)
住友生命保険相互会社社外取締役
㈱東京証券取引所社外監査役(2019年6月19日就任
予定)
1980年4月 ㈱三菱油化(現三菱ケミカル㈱)入社
1988年12月 ㈱生活科学研究所入社
1995年7月 ㈱情報通信総合研究所入社
1998年7月 同社ECビジネス開発室長
2001年12月 ㈱イプシ・マーケティング研究所代表取締役社長
(現任)
2006年6月 日本電気㈱社外取締役
2009年11月 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
(現任)
2012年6月 ㈱損害保険ジャパン社外監査役
2013年6月 NKSJホールディングス㈱(現SOMPOホールディング
取締役 野原 佐和子 1958年1月16日 生 (注)4 -
ス㈱)社外取締役(現任)
2014年6月 日本写真印刷㈱(現NISSHA㈱)社外取締役
2014年6月 ㈱ゆうちょ銀行社外取締役(現任)
2018年6月 東京ガス㈱社外監査役(現任)
2019年6月 当社取締役(現任)
(重要な兼職の状況)
㈱イプシ・マーケティング研究所代表取締役社長
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
SOMPOホールディングス㈱社外取締役
㈱ゆうちょ銀行社外取締役
東京ガス㈱社外監査役
1981年4月 三共㈱入社
2003年6月 同社経理部長
2004年4月 同社経営管理部長
2007年4月 当社経理部長
2009年4月 当社財務経理部長
常勤監査役 渡邊 亮一 1958年9月28日 生 2012年4月 当社総務・人事本部総務・調達部長 (注)5 12
2014年4月 当社管理本部財務経理部長
2015年4月 当社監査部長
2016年4月 当社執行役員監査部長
2019年4月 当社執行役員監査部担当
2019年6月
当社常勤監査役(現任)
1988年4月 第一製薬㈱入社
2016年4月 当社研究開発本部研究開発総務部長
常勤監査役 佐藤 賢治 1963年2月28日 生
(注)5 ▶
2019年4月 当社研究開発本部研究開発総務部参事
2019年6月 当社常勤監査役(現任)
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所有
株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(千株)
1976年3月 等松・青木監査法人(現 有限責任監査法人トーマ
ツ) 入所
1979年3月 公認会計士登録
1995年7月 同パートナー
2007年1月 金融庁企業会計審議会委員
2015年1月 総務省情報通信審議会委員(現任)
2016年8月 泉本公認会計士事務所代表(現任)
監査役 泉本 小夜子 1953年7月8日 生
(注)6 -
2017年4月
総務省情報公開・個人情報保護審査会委員(現任)
2017年6月
当社監査役(現任)
(重要な兼職の状況)
総務省情報通信審議会委員
総務省情報公開・個人情報保護審査会委員
泉本公認会計士事務所代表
フロイント産業㈱社外監査役
㈱日立物流社外取締役
1978年4月 警察庁入庁
2007年8月 警察庁官房政策評価審議官兼官房審議官
2008年8月 警視庁警務部長
2009年3月 警視庁副総監・警務部長事務取扱
2010年1月 警察庁生活安全局長
2011年8月 警視総監
監査役 樋口 建史 1953年4月11日 生 (注)7 -
2014年4月 駐ミャンマー日本国特命全権大使
2018年6月
当社監査役(現任)
(重要な兼職の状況)
損害保険ジャパン日本興亜㈱顧問
三浦工業㈱顧問
西村あさひ法律事務所アドバイザー
1996年4月 アンダーソン・毛利法律事務所(現 アンダーソ
ン・毛利・友常法律事務所)入所
2005年1月
同事務所パートナー就任(現任)
2007年4月 慶應義塾大学法科大学院准教授
2014年3月
公益財団法人石橋財団理事(現任)
監査役 今津 幸子 1968年7月28日 生 (注)7 -
2018年6月
当社監査役(現任)
(重要な兼職の状況)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー弁
護士
公益財団法人石橋財団理事
173
計
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(注)1.取締役 宇治則孝、福井次矢、釡和明及び野原佐和子は、社外取締役であります。
2.監査役 泉本小夜子 、樋口建史 及び今津幸子は、社外監 査役であります。
3.監査役 今津幸子の戸籍上の氏名は、島戸幸子であります。
4.2019年6月17日開催の定時株主総会における選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関
する定時株主総会の終結の時まで。
5.2019年6月17日開催の定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関
する定時株主総会の終結の時まで。
6.2017年6月19日開催の定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関
する定時株主総会の終結の時まで。
7.2018年6月18日開催の定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関
する定時株主総会の終結の時まで。
8.経営の執行体制は次のとおりであります。
役位 氏名 役職
代表取締役会長 中山 讓治
代表取締役社長兼CEO
眞鍋 淳
社長執行役員
代表取締役副社長兼CFO
齋 寿明 経営戦略本部長
副社長執行役員
取締役専務執行役員 東條 俊明 ワクチン事業管掌兼信頼性保証管掌
取締役専務執行役員 木村 悟 医薬営業本部長
Global Head of R&D
専務執行役員 古賀 淳一
常務執行役員 長坂 良治 秘書・渉外管掌
常務執行役員 高村 健太郎 経営戦略本部財務経理部長
常務執行役員 大槻 昌彦 事業開発部長
常務執行役員 福手 準一 サプライチェーン本部長
常務執行役員 平島 昭司 製品戦略本部長
執行役員 飛田 信一 医薬営業本部東京支店長
執行役員 古田 弘信 総務本部長
執行役員 平野 秀之 渉外部長
Head of US Corporate Division, Daiichi Sankyo, Inc.
執行役員 小川 晃司
執行役員 福知 良和 メディカルアフェアーズ本部長
執行役員 籔田 雅之 バイオロジクス本部長
執行役員 奥澤 宏幸 ASCAカンパニープレジデント
執行役員 熊倉 誠一郎 研究開発本部研究統括部長
Executive Vice President, R&D Affairs, Daiichi Sankyo, Inc.
執行役員 福岡 隆
執行役員 齋藤 宏暢 研究開発本部オンコロジー統括部オンコロジー臨床開発部長
執行役員 高崎 渉 研究開発本部長兼オンコロジー統括部長
執行役員 羽柴 知二 医薬営業本部九州支店長
執行役員 荒井 美由紀 信頼性保証本部長
② 社外役員の状況
(ⅰ) 員数
当社の社外取締役は4名、社外監査役は3名であります。
(ⅱ) 当社との関係
社外取締役及び社外監査役は、当社との特別な利害関係はありません。
(ⅲ) 機能及び役割並びに選任状況に関する考え方
取締役9名中4名の社外取締役は、企業経営、財務、医学等に通じた職務経験を活かして、取締役会にお
いて客観性、中立性、公正性に基づいた発言をする等、経営の監督機能を発揮しております。また、指名、
報酬委員会は、社外取締役を過半数とする3名以上の取締役で構成し、委員長を社外取締役から選任してお
ります(なお、現在、両委員会は、全て社外取締役で構成されております。)。
監査役5名中3名の社外監査役は、法務、リスクマネジメント、コンプライアンス、財務、会計に通じた
職務経験に基づき当社経営の監査を行っております。
当社は、取締役候補者の選定にあたっては、多様な視点に基づく決定機能の強化と、執行に対する監督機
能の強化を目的として、必ず社外取締役に該当する人材を含めることとし、社外役員(社外取締役及び社外
監査役)は、当社からの独立性を確保していることを要件としております。
「社外役員としての独立性判断基準」については、2014年3月31日の取締役会及び監査役会において、次
のとおり決議しております。
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「社外役員としての独立性判断基準」
1.次に掲げる属性のいずれにも該当しない場合、当該取締役及び監査役は、当社からの独立性を有し、一般
株主と利益相反が生じるおそれがないものと判断する。
(1) 以下に該当する本人又はその近親者(2親等内の親族を意味するものとする。以下同じ。)
① 当社及び当社の親会社、兄弟会社、子会社の現在及び過去における業務執行者(社外取締役を除く取締
役、執行役及び執行役員等その他の使用人をいう。ただし、近親者との関係においては重要な者に限る
ものとする。以下同じ。)
② コンサルタント、法律専門家、会計専門家又は医療関係者等として、当該個人が過去3事業年度のうち
いずれかの1事業年度において、当社から1,000万円を超える報酬(当社役員としての報酬を除く。)
を受けている者
(2) 以下に該当する法人その他の団体に現在及び過去10年間において業務執行者として在籍している本人又
はその近親者
① 取引関係
(ⅰ) 当社グループからの、又は、当社グループに対する製品や役務の提供の対価としての取引金額が、
過去3事業年度のうちいずれかの1事業年度において、いずれかの会社の連結売上高の2%を超え
る取引先
(ⅱ) コンサルティング・ファーム、法律事務所、監査法人、税理士法人、学校法人等であって、過去3
事業年度のうちいずれかの1事業年度において、その総収入額に占める当社グループからの支払い
報酬等の割合が10%を超える取引先
(ⅲ) 直前事業年度末における当社グループの借入額が、当社連結総資産の10%を超える借入先
② 主要株主
独立性を判断する時点において、当社の主要株主である会社その他の法人、又は当社が主要株主となっ
ている会社(主要株主とは、発行済株式総数の10%以上を保有している株主をいう。)
③ 寄付先
当社からの寄付金が、過去3事業年度のうちいずれかの1事業年度において、1,000万円を超え、か
つ、当該法人その他の団体の総収入額の2%を超える寄付先
④ 会計監査人
現在及び過去3事業年度において当社グループの会計監査人である監査法人
⑤ 相互就任関係
当社の業務執行者が、現任の社外取締役又は社外監査役をつとめている上場会社
2.前項のいずれかに該当する場合であっても、取締役会又は監査役会において総合的な検討を行い、独立性
を確保していると判断する場合には、社外役員の要件に問題がないと判断することがある。
なお、当社は社外取締役4名及び社外監査役3名を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定
し、同取引所に届け出ております。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部
統制部門との関係
社外取締役は、必要に応じて取締役会を通じて内部統制部門の状況を把握し、中立・専門的観点から発言
できる体制を整えております。
社外監査役は、監査役会(2018年度13回開催)を通じて常勤監査役より職務執行状況・経営会議議案・重
要な決裁案件・内部監査報告その他内部統制部門に関する情報等の提供を受け、また、代表取締役と監査役
間の定期的会合(1回/半期)に出席する等、取締役の職務執行を的確に監査する体制を整えております。ま
た、会計監査人より監査計画、会計監査報告及び財務報告に係る内部統制監査講評を受け、必要に応じて意
見交換を行い、適宜連携を図る体制を構築しております。
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(3)【監査の状況】
① 監査役監査の状況
監査役監査につきましては、監査役会において定めた監査役監査基準並びに監査方針及び計画等に従い、公認
会計士1名を含む監査役5名(常勤監査役2名、社外監査役3名)が会社の健全で持続的な経営に資するため取
締役会等重要な会議に出席し意見を述べるとともに、当社及びグループ各社の取締役及び使用人等から受領した
報告内容の検証、会社の業務及び財産の状況に関する調査等を実施する等取締役の職務執行を監査しておりま
す。また、会計監査人より会計監査計画、会計監査報告、財務報告に係る内部統制監査講評及び四半期レビュー
報告を受けるとともに、会計監査人の独立性や監査の品質管理体制等について報告を受け、必要に応じて説明を
求めております。当社は、監査役の監査機能強化をさらに図るため、業務執行から独立した専任の使用人3名が
監査役の業務を補助しております。
② 内部監査の状況
内部監査につきましては、社長直轄の監査部(21名)を設置し、グループにおける内部統制システムの整備及
び運用状況を監査しております。監査結果につきましては、社長、監査役及び関係部門に報告し、必要に応じて
二次統制部門である内部統制部所と連携を図り、監査結果を取り纏め適宜取締役会及び監査役会に報告しており
ます。
また、金融商品取引法に基づき、財務報告の信頼性を確保するための内部統制について整備・運用状況の評価
を行っております。
③ 会計監査の状況
(ⅰ)監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
(ⅱ)業務を執行した公認会計士
大塚 敏弘
山邉 道明
江森 祐浩
(ⅲ)監査業務に係る補助者の構成
監査業務に係る補助者は、公認会計士5名、会計士試験合格者等15名であります。
(ⅳ)監査法人の選定方針と理由
当社「会計監査人評価基準」は、会計監査人候補者については、法令等遵守体制、監査品質管理体制、監
査実績、当社からの独立性、医薬品産業に関する知識と経験、グローバルな監査体制、監査報酬等の評価項
目について、それぞれの妥当性を評価して選定し、会計監査人の再任・不再任を審議するにあたっては、こ
れらのほか、監査役への報告や経営者とのコミュニケーションの状況、監査の実施状況等の評価項目につい
て、それぞれの妥当性を評価することを定めております。
(ⅴ)監査役及び監査役会による監査法人の評価
監査役会は、当社「会計監査人評価基準」に従い、会計監査人を総合的に評価しております。
④ 監査報酬の内容等
(ⅰ)監査公認会計士等に対する報酬の内容
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬 酬 報酬 酬
210 7 210 11
提出会社
47 2 59 -
連結子会社
257 9 269 11
計
当社及び連結子会社が監査公認会計士等に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、英文決算短
信等に係る助言業務等についての対価であります。
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(ⅱ)監査公認会計士等と同一のネットワークに属するKPMGメンバーファームに対する報酬((ⅰ)を除く)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬 酬 報酬 酬
- 13
提出会社 - 41
283 133
連結子会社 310 71
283 146
計 310 113
当社及び連結子会社が監査公認会計士等と同一のネットワークに属するKPMGメンバーファームに対して報酬を支払って
いる非監査業務の内容といたしましては、税金コンサルタント業務等の対価であります。
(ⅲ)その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
当社の連結子会社であるジャパンワクチン販売㈱は、PwCあらた有限責任監査法人に監査証明業務に基づく報
酬として3百万円を支払っております。
(当連結会計年度)
当社の連結子会社であるジャパンワクチン販売㈱は、PwCあらた有限責任監査法人に監査証明業務に基づく報
酬として2百万円を支払っております。
(ⅳ)監査報酬の決定方針
往査場所、往査内容、監査日数及び報酬単価等を勘案し、監査役会の同意を受け、社内決裁手続を経て決定
しております。
(ⅴ)監査役会が会計監査人の報酬に同意した理由
監査役会は、会計監査人の前事業年度の監査計画と実績の比較、監査時間及び報酬額の推移等を確認し、当
事業年度の監査予定時間及び報酬額の妥当性を総合的に判断した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第
399条第1項の同意を行っております。
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(4)【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
(ⅰ) 取締役(社外取締役を除く)の報酬等の決定に関する方針と手続き
(a) 報酬の水準
・取締役(社外取締役を除く)の報酬等の水準は、外部専門機関の調査による他社水準を参考に、産業界
の中上位水準を志向して設定しております。
(b) 報酬の構成
・取締役(社外取締役を除く)の報酬は、企業価値の最大化に寄与することを目的に設計しております。
具体的には、固定報酬である基本報酬のほかに変動報酬として短期インセンティブとなる業績連動賞与及
び長期インセンティブとなる譲渡制限付株式報酬を採用しております。
・取締役(社外取締役を除く)の報酬の構成割合は、業績目標を100%達成した場合に、基本報酬60%・業
績連動賞与20%・譲渡制限付株式報酬20%となるように設計しております。
(c) 業績連動賞与(短期インセンティブ)
・短期インセンティブとなる業績連動賞与は、業績指標として「売上収益」、「売上収益営業利益率」及
び「親会社の所有者に帰属する当期利益」を採用し、これら指標に連動させて決定しております。
・事業規模を表す「売上収益」指標及び事業活動の効率性を示す「売上収益営業利益率」指標については
当該年度の予算に対する達成度を評価基準とする一方、企業活動の最終的な成果である「親会社の所有者
に帰属する当期利益」指標については中期経営計画に定めた当該年度目標値に対する達成度を評価基準と
しております。短期及び中長期の目標達成度を組み合わせて評価することにより、当該年度目標のみなら
ず、中期経営計画の達成に向けた取り組みを強く動機付けております。
・当事業年度における業績連動賞与に係る指標の目標並びに実績は次のとおりであります。
評価指標 評価基準 目標 実績
売上収益 当事業年度予算に対する達成度 9,100億円 9,297億円
8.6% 9.0%
売上収益営業利益率(営業利益) 当事業年度予算に対する達成度
(780億円) (837億円)
親会社の所有者に帰属する当期利益 中期経営計画における目標値に対する達成度 550億円 934億円
(d) 譲渡制限付株式報酬(長期インセンティブ)
・長期インセンティブとなる譲渡制限付株式報酬は、原則として毎年、3~5年間の譲渡制限が付された
当社株式を付与するものであります。取締役(社外取締役を除く)が当社株式を継続して保有することに
より、取締役(社外取締役を除く)に対して当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与え
るとともに、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的としております。
・役位ごとの譲渡制限付株式報酬の額を、取締役会における割当決議前日の当社株式終値で除した株数を
付与しております。
(e) 報酬の決定手続
・当社の取締役(社外取締役を除く)の報酬の額等は、まず報酬委員会において審議された後、基本報酬
は株主総会で決議された報酬総額内でCEOが決定し、業績連動賞与は取締役会決議のうえ定時株主総会にお
ける都度の承認により決定し、譲渡制限付株式報酬は株主総会で決議された報酬総額内で取締役会決議に
より決定しております。
(f) 報酬委員会の概要
・取締役会の委嘱による諮問機関である報酬委員会は、メンバーの過半数を社外取締役で構成し、また、
委員長は委員として選定された社外取締役の中から委員の互選により選定しております。報酬委員会にお
いて、取締役の報酬制度・基準の設定、役位ごとの報酬水準の検証と見直し、業績連動賞与及び譲渡制限
付株式の割当等についての審議をしております。
(g) 当事業年度における取締役会と報酬委員会の活動
・当事業年度は、4月・5月・10月・1月・2月及び3月の計6回の報酬委員会を開催し、取締役・執行
役員の業績連動賞与の支給額並びに算定基準、譲渡制限付株式報酬の割当、役員報酬水準の検証等につい
て審議いたしました。これらの報酬委員会の審議を踏まえて、5月の取締役会で業績連動賞与の支給額を
株主総会議案として決議し、6月の取締役では譲渡制限付株式報酬の割当を決議いたしました。
・今後、企業価値の一層の向上へのインセンティブを強化するため、変動報酬額を増やし変動報酬比率を
高めていくことを、報酬委員会において検討して参ります。
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(ⅱ) 社外取締役の報酬等の決定に関する方針と手続き
・社外取締役の報酬等の水準は、外部専門機関の調査による他社水準を参考に、産業界の中上位水準を志向
して設定しております。
・社外取締役の報酬については、経営の監督機能を十分に機能させるため、短期及び長期インセンティブを
設けず、基本報酬のみとしております。
・社外取締役の基本報酬の額等は、報酬委員会における審議に基づき、株主総会で決議された報酬総額内
で、CEOが決定しております。
(ⅲ) 監査役の報酬等の決定に関する方針と手続き
・監査役の報酬等の水準は、外部専門機関の調査による他社水準を参考に、産業界の中上位水準を志向して
設定しております。
・監査役の報酬については、経営の監督及び監査機能を十分に機能させるため、短期及び長期インセンティ
ブを設けず、基本報酬のみとしております。
・監査役の個別の報酬の額等は、監査役の全員の同意のもと、株主総会で決議された報酬総額内で、監査役
会において協議のうえ決定しております。
(ⅳ) 株主総会における報酬等の決議内容
・取締役の報酬総額(使用人兼取締役の使用人分給与は含まない。)は1事業年度4億5千万円以内、監査
役の報酬総額は1事業年度1億2千万円以内とすることを、2005年6月29日開催の(旧)三共㈱の第151回定
時株主総会及び(旧)第一製薬㈱の第127回定時株主総会における株式移転による完全親会社設立の件におい
て、承認いただいております。
・上記の報酬総額に係る決議とは別に、2017年6月19日開催の第12回定時株主総会において、取締役への譲
渡制限付株式報酬付与総額を1事業年度1億4千万円を上限として承認いただいております。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員報酬等の種類別の総額(百万円)
対象となる
報酬等の総額
役員の員数
役員区分
譲渡制限付
(百万円)
基本報酬 業績連動賞与
(名)
株式報酬
取締役(社外取締役を除く) 590 321 157 111 6
監査役(社外監査役を除く) 75 75 - - 2
60 60 - - ▶
社外取締役
45 45 - - 5
社外監査役
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等
役員報酬等の種類別の総額(百万円)
連結報酬等の総額
氏名 役員区分 会社区分
譲渡制限付
(百万円)
基本報酬 業績連動賞与
株式報酬
183
中山 讓治 取締役 提出会社 99 51 32
166
眞鍋 淳 取締役 提出会社 90 46 29
(注)連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しております。
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(5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする銘柄を純投資目的
と区分し、それ以外を目的とする銘柄を純投資目的以外の目的として区分しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
(ⅰ) 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証
の内容
当社は、事業上の長期的な関係の維持・強化に繋がり、当社の企業価値の向上に資すると判断する場合を除
き、原則として上場株式を保有いたしません。保有する上場株式については、取締役会で定期的に、一定の経
営指標、資本コスト等を踏まえて収益性、採算性を個別銘柄毎に検証するとともに、事業戦略、事業上の関係
を総合的に勘案して、保有の合理性を適宜見直すこととしており、実際の売却は市場への影響等を総合的に考
慮のうえ、順次実施しております。その結果、2018年度においては、10銘柄(一部売却を含む)を約143億円
で売却いたしました。
(ⅱ) 銘柄数及び貸借対照表計上額
銘柄数 貸借対照表計上額の
(銘柄) 合計額(百万円)
48 4,399
非上場株式
28 73,849
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
- - -
非上場株式
- - -
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
1 7
非上場株式
10 14,301
非上場株式以外の株式
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(ⅲ) 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
株式数(株) 株式数(株)
保有目的、定量的な保有効果 当社の株式の
銘柄
及び株式数が増加した理由 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
3,202,144 3,202,144
アルフレッサ ホー
同社株式は、販売取引関係の維持強化の
有
ルディングス㈱ ため保有しております。
10,086 7,582
9,343,000 9,343,000
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
㈱静岡銀行 有
ため保有しております。
7,876 9,399
3,490,000 3,490,000
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
小野薬品工業㈱
有
ため保有しております。
7,569 11,496
770,600 770,600
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
信越化学工業㈱
有
ため保有しております。
7,151 8,480
952,598 952,598
同社株式は、販売取引関係の維持強化の
㈱スズケン 有
ため保有しております。
6,106 4,186
2,184,007 2,184,007
㈱メディパルホール 同社株式は、販売取引関係の維持強化の
有
ディングス ため保有しております。
5,743 4,761
2,295,000 4,590,000
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
参天製薬㈱
有
ため保有しおります。
3,784 7,871
4,770,000 4,770,000
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
東レ㈱
有
ため保有しております。
3,371 4,801
804,600 898,600
㈱三井住友フィナン 同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
シャルグループ ため保有しております。
3,118 4,005
1,091,394 1,091,394
東邦ホールディング
同社株式は、販売取引関係の維持強化の
有
ス㈱ ため保有しております。
3,015 2,735
913,000 913,000
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
キッセイ薬品工業㈱
有
ため保有しております。
2,645 2,624
MS&ADインシュ
661,363 700,363
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
アランスグループ
有
ため保有しております。
2,228 2,349
ホールディングス㈱
1,304,000 1,304,000
クオールホールディ
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
無
ングス㈱ ため保有しております。
1,966 2,721
11,410,360 11,966,060
㈱みずほフィナン 同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
シャルグループ ため保有しております。
1,954 2,290
1,504,000 1,504,000
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
㈱オカムラ 有
ため保有しております。
1,743 2,180
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当事業年度 前事業年度
株式数(株) 株式数(株)
保有目的、定量的な保有効果 当社の株式の
銘柄
及び株式数が増加した理由 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
268,100 306,400
東京海上ホールディ
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
ングス㈱
ため保有しております。
1,437 1,450
200,000 291,500
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
㈱クレハ 有
ため保有しております。
1,242 2,020
114,000 114,000
㈱アインホールディ 同社株式は、事業上の関係の維持強化の
無
ングス ため保有しております。
948 906
631,000 631,000
㈱三菱UFJフィナ 同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
ンシャル・グループ ため保有しております。
347 439
438,500 438,500
㈱ほくやく・竹山 同社株式は、販売取引関係の維持強化の
有
ホールディングス ため保有しております。
335 370
127,000 127,000
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
宇部興産㈱
有
ため保有しております。
288 394
470,000 470,000
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
㈱伊予銀行 有
ため保有しております。
275 376
6,886,500 6,886,500
Zenotech
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
無
Laboratories Ltd. ため保有しております。
235 456
60,100 60,100
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
㈱青森銀行 有
ため保有しております。
176 193
59,100 59,100
第一生命ホールディ
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
ングス㈱
ため保有しております。
90 114
22,485 22,485
三井住友トラスト・
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
ホールディングス㈱ ため保有しております。
89 96
2,425 2,425
SOMPOホールディン
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
グス㈱ ため保有しております。
9 10
145,469 145,469
Silence
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
無
Therapeutics PLC ため保有しております。
8 39
- 3,055,000
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
清水建設㈱
有
ため保有しております。
- 2,905
- 765,000
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
㈱ツムラ 無
ため保有しております。
- 2,796
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当事業年度 前事業年度
株式数(株) 株式数(株)
保有目的、定量的な保有効果 当社の株式の
銘柄
及び株式数が増加した理由 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
- 333,000
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
㈱ヤクルト本社 有
ため保有しております。
- 2,620
- 88,000
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
ダイト㈱
有
ため保有しております。
- 342
(注)1.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
2.定量的な保有効果については、取引先との営業秘密等との判断により記載いたしませんが、一定の経営指
標、資本コスト等を踏まえて収益性、採算性を個別銘柄毎に検証するとともに、事業戦略、事業上の関係を
総合的に勘案して、保有の合理性を検証しております。
みなし保有株式
当事業年度 前事業年度
株式数(株) 株式数(株)
保有目的、定量的な保有効果 当社の株式の
銘柄
及び株式数が増加した理由 保有の有無
期末時価 期末時価
(百万円) (百万円)
3,908,000 3,908,000
アルフレッサ ホー
退職給付信託運用のうち、議決権の行使
有
ルディングス㈱ を指示する権限のあるもの。
12,310 9,254
3,274,000 3,274,000
㈱メディパルホール
同上 有
ディングス
8,610 7,137
1,637,000 1,637,000
東邦ホールディング
同上 有
ス㈱
4,523 4,102
㈱バイタルケーエス
2,214,000 2,214,000
ケー・ホールディン 同上 有
2,417 2,318
グス
(注)1.貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
2.定量的な保有効果については、取引先との営業秘密等との判断により記載いたしませんが、一定の経営指
標、資本コスト等を踏まえて収益性、採算性を個別銘柄毎に検証するとともに、事業戦略、事業上の関係を
総合的に勘案して、保有の合理性を検証しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
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第5【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。
以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作
成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下
「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
なお、当事業年度(2018年4月1日から2019年3月31日まで)は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関
する規則等の一部を改正する内閣府令」(平成30年6月8日内閣府令第29号)附則第2条ただし書きにより、改正
後の財務諸表等規則に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しておりま
す。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2018年4月1日から2019年3月31日
まで)の連結財務諸表及び事業年度(2018年4月1日から2019年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あ
ずさ監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適
正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作
成することができる体制の整備を行っております。その内容は次のとおりであります。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するた
め、公益財団法人財務会計基準機構に加入し、同機構及び監査法人等が主催するセミナー等に参加する等を行って
おります。
(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把
握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方
針を作成し、それに基づいて会計処理を行っております。
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1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
資産
流動資産
8,29 357,702 243,155
現金及び現金同等物
9 231,529 419,609
営業債権及びその他の債権
10 429,380 536,880
その他の金融資産
11 172,586 176,067
棚卸資産
10,347 15,471
その他の流動資産
1,201,545 1,391,183
小計
12 - 2,000
売却目的で保有する資産
流動資産合計 1,201,545 1,393,184
非流動資産
6,13 217,946 229,085
有形固定資産
6,14 75,479 77,851
のれん
6,14 173,537 169,472
無形資産
15 1,693 2,200
持分法で会計処理されている投資
10 179,177 114,895
その他の金融資産
16 40,339 94,809
繰延税金資産
8,035 6,551
その他の非流動資産
696,209 694,866
非流動資産合計
1,897,754 2,088,051
資産合計
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(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
負債及び資本
流動負債
17,21 226,164 312,660
営業債務及びその他の債務
18,29 20,000 40,000
社債及び借入金
18 516 530
その他の金融負債
16 64,609 10,451
未払法人所得税
19 34,015 7,837
引当金
7,800 12,715
その他の流動負債
353,105 384,195
小計
12 - 349
売却目的で保有する資産に直接関連する負債
353,105 384,544
流動負債合計
非流動負債
18,29 260,564 220,585
社債及び借入金
その他の金融負債 18 8,155 5,680
20 10,547 10,384
退職給付に係る負債
19 48,752 4,985
引当金
16 18,676 17,166
繰延税金負債
64,911 195,000
21
その他の非流動負債
411,608 453,802
非流動負債合計
764,713 838,346
負債合計
資本
親会社の所有者に帰属する持分
22 50,000 50,000
資本金
22 94,633 94,633
資本剰余金
22 △ 163,531 △ 162,964
自己株式
22 120,504 115,166
その他の資本の構成要素
1,031,376 1,152,806
利益剰余金
1,132,982 1,249,642
親会社の所有者に帰属する持分合計
非支配持分
58 62
非支配持分
1,133,041 1,249,705
資本合計
1,897,754 2,088,051
負債及び資本合計
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②【連結損益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
注記
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
6,24 960,195 929,717
売上収益
346,021 364,605
25
売上原価
614,173 565,112
売上総利益
販売費及び一般管理費 25 301,845 277,695
236,046 203,711
25
研究開発費
76,282 83,705
営業利益
26
金融収益 8,642 8,141
26 4,223 5,910
金融費用
320 △ 105
15
持分法による投資損益
81,021 85,831
税引前利益
16 21,210 △ 7,591
法人所得税費用
59,811 93,422
当期利益
当期利益の帰属
60,282 93,409
親会社の所有者
△ 471 12
非支配持分
59,811 93,422
当期利益
27
1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(円) 91.31 144.20
希薄化後1株当たり当期利益(円) 91.10 143.88
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③【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
注記
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
59,811 93,422
当期利益
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で
16 10,688 60,976
測定する金融資産
16 1,616 205
確定給付制度に係る再測定額
その後に純損益に振り替えられる
可能性のある項目
16,31 △ 10,229 9,289
在外営業活動体の換算差額
持分法適用会社における
3 -
16,31
その他の包括利益に対する持分
税引後その他の包括利益 2,078 70,471
61,890 163,893
当期包括利益
当期包括利益の帰属
62,361 163,881
親会社の所有者
△ 471 12
非支配持分
61,890 163,893
当期包括利益
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④【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の
注記
在外営業活 包括利益を通
資本金 資本剰余金 自己株式
新株予約権 動体の換算 じて公正価値
差額 で測定する
金融資産
50,000 103,750 △ 113,952 2,067 67,568 54,853
2017年4月1日 残高
- - - - - -
当期利益
- - - - △ 10,229 10,688
その他の包括利益
当期包括利益 - - - - △ 10,229 10,688
- △ 51 △ 50,033 - - -
自己株式の取得
自己株式の処分 - - 453 △ 74 - -
23 - - - - - -
配当金
- △ 9,064 - - - -
非支配持分の取得
その他の資本の構成要
- - - - - △ 4,369
素から利益剰余金への
振替
- - - - - -
その他の増減
- △ 9,116 △ 49,579 △ 74 - △ 4,369
所有者との取引額等合計
50,000 94,633 △ 163,531 1,993 57,339 61,171
2018年3月31日 残高
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
親会社の所有
注記 非支配持分 資本合計
その他の資本
利益剰余金 者に帰属する
確定給付制度
の構成要素
持分合計
に係る再測定
合計
- 124,489 1,011,610 1,175,897 △ 4,469 1,171,428
2017年4月1日 残高
- - 60,282 60,282 △ 471 59,811
当期利益
1,620 2,078 - 2,078 - 2,078
その他の包括利益
当期包括利益 1,620 2,078 60,282 62,361 △ 471 61,890
- - - △ 50,085 - △ 50,085
自己株式の取得
- △ 74 △ 75 304 - 304
自己株式の処分
23 - - △ 46,430 △ 46,430 - △ 46,430
配当金
- - - △ 9,064 5,007 △ 4,057
非支配持分の取得
その他の資本の構成要
△ 1,620 △ 5,989 5,989 - - -
素から利益剰余金への
振替
- - - - △ 8 △ 8
その他の増減
△ 1,620 △ 6,063 △ 40,516 △ 105,276 4,998 △ 100,277
所有者との取引額等合計
- 120,504 1,031,376 1,132,982 58 1,133,041
2018年3月31日 残高
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当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の
注記
在外営業活 包括利益を通
資本金 資本剰余金 自己株式
新株予約権 動体の換算 じて公正価値
差額 で測定する
金融資産
50,000 94,633 △ 163,531 1,993 57,339 61,171
2018年4月1日 残高
2 - - - - - -
会計方針の変更
修正再表示後の残高 50,000 94,633 △ 163,531 1,993 57,339 61,171
- - - - - -
当期利益
- - - - 9,289 60,976
16
その他の包括利益
当期包括利益 - - - - 9,289 60,976
- - △ 45 - - -
自己株式の取得
- - 612 △ 187 - -
自己株式の処分
23 - - - - - -
配当金
その他の資本の構成要
- - - - - △ 75,415
素から利益剰余金への
振替
- - - - - -
その他の増減
- - 567 △ 187 - △ 75,415
所有者との取引額等合計
50,000 94,633 △ 162,964 1,805 66,628 46,732
2019年3月31日 残高
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
親会社の所有
注記 非支配持分 資本合計
その他の資本
利益剰余金 者に帰属する
確定給付制度
の構成要素
持分合計
に係る再測定
合計
- 120,504 1,031,376 1,132,982 58 1,133,041
2018年4月1日 残高
- - △ 530 △ 530 - △ 530
2
会計方針の変更
修正再表示後の残高 - 120,504 1,030,846 1,132,452 58 1,132,510
- - 93,409 93,409 12 93,422
当期利益
205 70,471 - 70,471 - 70,471
16
その他の包括利益
当期包括利益 205 70,471 93,409 163,881 12 163,893
- - - △ 45 - △ 45
自己株式の取得
- △ 187 △ 115 310 - 310
自己株式の処分
配当金 23 - - △ 45,340 △ 45,340 - △ 45,340
その他の資本の構成要
△ 205 △ 75,621 74,006 △ 1,615 - △ 1,615
素から利益剰余金への
振替
- - - - △ 8 △ 8
その他の増減
△ 205 △ 75,808 28,550 △ 46,691 △ 8 △ 46,699
所有者との取引額等合計
- 115,166 1,152,806 1,249,642 62 1,249,705
2019年3月31日 残高
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⑤【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
注記
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
81,021 85,831
税引前利益
46,680 46,169
減価償却費及び償却費
36,672 15,194
減損損失
△ 8,642 △ 8,141
金融収益
4,223 5,910
金融費用
持分法による投資損益(△は益) △ 320 105
固定資産除売却損益(△は益) △ 5,125 △ 7,562
営業債権及びその他の債権の増減額(△は増加) 2,535 △ 187,792
棚卸資産の増減額(△は増加) △ 19,394 △ 4,018
営業債務及びその他の債務の増減額(△は減少) 238 60,419
△ 9,755 118,395
その他
128,134 124,510
小計
4,516 5,437
利息及び配当金の受取額
△ 2,038 △ 1,768
利息の支払額
△ 22,173 △ 36,146
法人所得税の支払額
108,439 92,033
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
△ 388,376 △ 452,338
定期預金の預入による支出
488,576 378,448
定期預金の払戻による収入
△ 128,492 △ 149,672
投資の取得による支出
165,458 136,858
投資の売却による収入
△ 23,399 △ 36,108
有形固定資産の取得による支出
139 1,901
有形固定資産の売却による収入
△ 14,609 △ 30,505
無形資産の取得による支出
- 752
子会社の売却による収入
△ 982 △ 548
貸付けによる支出
753 839
貸付金の回収による収入
9,501 7,852
その他
108,568 △ 142,520
投資活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
32 - △ 20,000
社債の償還及び借入金の返済による支出
△ 50,085 △ 45
自己株式の取得による支出
1 0
自己株式の売却による収入
△ 46,420 △ 45,339
配当金の支払額
△ 5,262 △ 819
32
その他
△ 101,766 △ 66,203
財務活動によるキャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 115,241 △ 116,689
8 246,050 357,702
現金及び現金同等物の期首残高
△ 3,590 2,143
現金及び現金同等物に係る換算差額
357,702 243,155
8
現金及び現金同等物の期末残高
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【連結財務諸表注記】
1.報告企業
第一三共株式会社は、日本に所在する企業であります。登記されている本店及び主要な事業所の住所は、
ホームページ(https://www.daiichisankyo.co.jp)で開示しております。
当社グループは、当社と子会社47社、関連会社3社の計51社で構成され、医薬品等の製造販売を主な事業と
しております。
当社グループの2019年3月31日に終了する年度の連結財務諸表は、2019年6月17日に代表取締役社長眞鍋淳
によって承認されております。
2.作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の
要件を満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、「3.重要な会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原価を
基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示してい
るすべての財務情報は、百万円未満を切り捨てて記載しております。
(4) 会計方針の変更
当社グループの連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、以下を除いて、前連結会計年度の連結
財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
当社グループは、当連結会計年度より、次の基準書及び解釈指針を適用しております。
概要
IFRS
IFRS第2号 株式に基づく報酬 株式に基づく報酬取引の分類及び測定の改訂
一般ヘッジ会計に係る規定の改訂
IFRS第9号 金融商品 金融資産に関する分類及び測定方法の限定的な修正並びに予想損
失減損モデルの導入
IFRS第15号 顧客との契約から生じる収益 収益認識に係る基準の改訂
投資不動産への振替又は投資不動産からの振替に関する規定の明
IAS第40号 投資不動産
確化
前払資産又は前受収益負債を認識する場合の、関連する外貨建の
IFRIC第22号 外貨建取引と前払・前受対価
資産、費用又は収益の当初認識時の換算レートに関する規定
① IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」
当社グループでは、経過措置に準拠してIFRS第15号を遡及適用し、適用開始の累積的影響を当連結会計年
度の利益剰余金期首残高の修正として認識しており、前連結会計年度の連結財務諸表の修正再表示は行って
おりません。
IFRS第15号の適用に伴い、当連結会計年度より、顧客との契約について、以下のステップを適用すること
により、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
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(ⅰ) 製商品 の販売
製商品の販売による収益は、次の指標を考慮に入れ、履行義務が充足された時点で認識しております。
・資産に対する支払を受ける現在の権利を有している。
・顧客が資産に対する法的所有権を有している。
・資産の物理的占有を移転した。
・顧客が資産を検収した。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、割引、値引、割戻及び返品などを控除した金額で
測定しております。
(ⅱ) 技術料収入
ライセンス契約に基づく収益は、関連する履行義務の内容に応じて、一時点又は一定の期間にわたり認
識しております。
上記の5ステップアプローチに基づき、履行義務の充足に照らして技術料収入の収益認識時期を見直した
結果、一部のライセンス契約について、従来の基準で既に収益認識した技術料収入を契約負債として計上
し、IFRS第15号において個々の契約ごとに決定した履行義務の充足に関する進捗度の測定方法に従い、技術
料収入を一定期間にわたり売上収益として認識しております。
また、IFRS第15号の適用に伴い、当連結会計年度より、従来、「引当金」(流動)に含めて表示しており
ました返品調整引当金及び売上割戻・控除引当金を、返金負債として「営業債務及びその他の債務」に表示
しております。
この結果、従前の会計基準を適用した場合と比較して、当連結会計年度の期首時点で「繰延税金資産」、
「営業債務及びその他の債務」、「その他の非流動負債」がそれぞれ233百万円、22,637百万円、557百万円
増加し、「引当金」(流動)、「利益剰余金」がそれぞれ22,431百万円、530百万円減少しております。
また、従前の会計基準を適用した場合と比較して、当連結会計年度において「繰延税金資産」、「営業債
務及びその他の債務」、「その他の非流動負債」がそれぞれ170百万円、21,961百万円、351百万円増加し、
「引当金」(流動)、「利益剰余金」がそれぞれ21,755百万円、387百万円減少しております。
② IFRS第9号「金融商品」
当社グループでは、当連結会計年度よりIFRS第9号(2014年)の「金融商品」を適用しております。IFRS
第9号では、金融資産の減損につき、IAS第39号「金融商品:認識及び測定」が規定する発生損失モデルか
ら予想信用損失モデルに移行しております。この基準の適用が連結財務諸表に与える影響はありません。
上記に開示した事項を除いて、これらの基準書及び解釈指針の適用が、連結財務諸表に 与える重要な影響
はありません。
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3.重要な会計方針
(1) 連結の基礎
当社グループの連結財務諸表は、当社及び子会社の財務諸表並びに関連会社の持分相当額を含めておりま
す。
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。支配とは、投資先に対するパワーを
有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリター
ンの額に影響を与える能力を有する場合をいいます。子会社の連結は、当社グループに支配が移行した日
より開始し、支配が喪失する日をもって終了しております。親会社の子会社に対する持分の変動は、子会
社の支配の獲得後に生じ、子会社に対する支配の喪失とならない場合は資本取引としております。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、
連結財務諸表の作成に際して消去しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが重要な影響力を有し、かつ当社グループの子会社ではない企業をいいま
す。 重要な影響力とは、投資先の財務及び営業の方針決定に参加するパワーであるが、当該方針に対する
支配又は共同支配ではないものをいいます。 関連会社は、当社グループが重要な影響力を有し始めた日よ
り重要な影響力を喪失する日まで持分法によって会計処理しております。
重要な影響力を喪失した後、残存持分がある場合、公正価値にて測定し、持分法を中止した日現在の投
資の帳簿価額との差額を純損益にて認識しております。
関連会社に対する投資には、取得したのれんを含めております。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、移転された対価、被取得企業のすべての
非支配持分の金額、及び段階的に達成される企業結合の場合には、取得企業が以前に保有していた被取得企
業の資本持分の取得日公正価値の総計として測定しております。移転された対価は、取得日公正価値で測定
しております。非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対
する現在の所有権金融商品の比例的な取り分として測定しております。
取得対価が、被取得企業の識別可能な資産、負債及び偶発債務の公正価値に対する当社グループの持分を
超過する額は、企業結合日においてのれんとして認識しております。反対に、被取得企業の識別可能な資
産、負債及び偶発債務の公正価値が取得対価を上回る場合には、結果として生じた利得は、取得日において
純損益にて認識しております。取得費用は、発生した期間において費用として純損益にて認識しておりま
す。
(3) 外貨換算
外貨建取引は、取引日の為替レートにより機能通貨に換算しております。外貨建貨幣性資産及び負債は期
末日の為替レートにより機能通貨に換算し、当該換算及び決済により生じる換算差額は、純損益にて認識し
ております。ただし、その他の包括利益を通じて測定する金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生
じる換算差額については、その他の包括利益にて認識しております。
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)は期末日の為替
レート、収益及び費用は平均為替レートにより表示通貨に換算しております。なお、超インフレ経済下の在
外営業活動体の財務諸表は、インフレーションの影響を反映させており、収益及び費用は期末日の為替レー
トにより表示通貨に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、IFRS移行日以降その他の包括利益にて認識
しております。在外営業活動体の持分全体の処分もしくは支配、重要な影響力の喪失を伴う持分の一部処分
を行った場合は、その他の包括利益の累積額を処分損益の一部として純損益に振り替えております。
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(4) 金融商品
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
金融資産は、当該金融資産の契約条項の当事者となった場合に当初認識しております。
金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される場合を除き、公正価値に、当該金
融資産に直接起因する取引コストを加算した金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含ん
でいない営業債権は、取引価格で当初測定しております。
金融資産は、当初認識時に、(a) 償却原価で測定する金融資産、(b) その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する金融資産、又は、(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しておりま
す。
(a) 償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております 。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデ
ルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フ
ローが特定の日に生じる。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する負債性金融商品は、次の条件が満たされる場合には、その他の包括利益を通
じて測定する金融資産に分類しております。
・ 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で
保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フ
ローが特定の日に生じる。
公正価値で測定する資本性金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買
目的で保有する資本性金融商品を除き、一部の資本性金融商品について、公正価値の事後の変動
をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
金融資産は、償却原価で測定される場合又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される場
合を除いて、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品は、公正価値の変動額をその他の
包括利益にて認識し、減損利得又は減損損失及び為替差損益は純損益にて認識しております。認識
を中止した場合は、過去にその他の包括利益に認識した利得又は損失の累計額を、資本から純損益
に組替調整額として振り替えております。
公正価値で測定する資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指
定したものは、公正価値の変動額はその他の包括利益にて認識しております。認識を中止した場
合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には、その他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り
替えております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定し、公正価値の変動額は純損益にて認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は当該金
融資産の所有に係るリスクと経済価値をほとんどすべて移転する取引において、金融資産のキャッ
シュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、認識を中止しております。
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② 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産に係る減損については、期末日ごとに信用リスクが当初認識以降に著しく
増大したかどうかを評価し、当該金融資産に係る予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒
引当金を12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。一方、金融資産に係る信用リスクが当
初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等
しい金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、常に貸倒引
当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
契約上の支払期日より30日超の経過があった場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったも
のとしております。信用リスクが著しく増大しているか否かの評価を行う際は、期日経過情報のほか、合
理的で裏付け可能な情報を考慮しております。なお、金融資産に係る信用リスクが期末日時点で低いと判
断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと判断してお
ります。
金融資産の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力
を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
予想信用損失は、契約上受け取ることのできる金額と受取が見込まれる金額との差額の現在価値に基づ
いて測定しております。減損が認識された償却原価で測定する金融資産の帳簿価額は貸倒引当金を通じて
減額し、減損損失を純損益にて認識しております。減損損失が減少する場合は、減損損失の減少額を貸倒
引当金を通じて純損益にて戻し入れております。将来の回収を現実的に見込めず、かつすべての担保が当
社グループに移転されたときに、直接減額しております。
③ 金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
金融負債は、当初認識時に、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融
負債に分類しております。すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定す
る金融負債については、直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法によ
る償却及び認識を中止した場合の利得及び損失は、純損益にて認識しております。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
公正価値で測定し、公正価値の変動は純損益にて認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融負債は、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効になった場合に認識を中止しており
ます。
④ 金融資産・負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純
額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ相殺しており
ます。
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⑤ デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブは、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジするため利用しております。これらに用
いられるデリバティブは主に、為替予約及び金利スワップ等であります。ヘッジ関係の開始時に、ヘッジ
関係並びにヘッジ実行に関する企業のリスク管理目的及び戦略の公式な指定と文書化を行っております。
当該文書にて、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジ関係がヘッジ有効性の
要求を満たしているかどうかを判定する方法を特定しております。
ヘッジ関係の開始時及び継続的に、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを評価し
ております。継続的な評価は、期末日又はヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった
時のいずれか早い方に行なっております。
デリバティブは当初認識時に公正価値で測定し、関連する取引コストは発生時に純損益にて認識してお
ります。当初認識後は、デリバティブは公正価値で測定しております。
ヘッジ会計の要件を満たすヘッジは次のように会計処理しております。
(ⅰ) 公正価値ヘッジ
デリバティブの公正価値の変動は純損益にて認識しております。ヘッジされたリスクに起因するヘッ
ジ対象の公正価値の変動はヘッジ対象の帳簿価額を修正し、純損益にて認識しております。
(ⅱ) キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効な部分は、その他の包括利益にて認識し、非有効部分は純
損益にて認識しております。その他の包括利益を通じて資本として認識した累積額は、ヘッジ対象であ
る取引が損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融
負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益にて認識している金額は、非金融資産
又は非金融負債の帳簿価額の修正として処理を行っております。予定取引又は確定約定の発生がもはや
見込めない場合は、その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積額を純損益に振り替えてお
ります。ヘッジ関係が適格要件を満たさなくなった場合にのみ、将来に向かってヘッジ会計を中止して
おります。これには、ヘッジ手段が消滅、売却、終了又は行使となった場合を含んでおります。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動
について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されてお
ります。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しております。取得原価には、原
材料、直接労務及びその他の直接費用並びに関連する製造間接費を含めており、原価の算定にあたっては、
加重平均法を用いております。正味実現可能価額は、通常の営業過程における見積売価から、完成までの見
積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
(7) 有形固定資産
有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用、並びに資産計上の要件を
満たす借入コストを含めております。
土地以外の有形固定資産は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で減価償却しております。主要な
有形固定資産の見積耐用年数は次のとおりであります。
・建物及び構築物 : 15~50年
・機械装置及び運搬具 : 4~8年
なお、減価償却方法、残存価額及び残余耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しております。
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(8) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しており、企業結合のシナ
ジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
② 無形資産
無形資産は取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
個別に取得した無形資産は取得原価で測定しており、企業結合により取得した無形資産の取得原価は企
業結合日の公正価値で測定しております。
内部発生の研究費用は発生時に費用として認識しております。内部発生の開発費用は資産として認識す
るための基準がすべて満たされた場合に限り無形資産として認識しておりますが、臨床試験の費用等、製
造販売承認の取得までに発生する内部発生の開発費は、期間の長さや開発に関連する不確実性の要素を伴
い資産計上基準を満たさないと考えられるため、発生時に費用として認識しております。
内部利用を目的としたソフトウェアの取得及び開発費用は、将来の経済的便益の流入が期待される場合
には無形資産に計上しております。
耐用年数を確定できる無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で償却しております。主要
な無形資産の見積耐用年数は次のとおりであります。
・ 営業権 : 5~14年
なお、償却方法、残存価額及び残余耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しております。
(9) リース
リースは、所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合にはファイナンス・リースに分
類し、それ以外の場合にはオペレーティング・リースに分類しております。
ファイナンス・リース取引においては、リース資産及びリース債務は、リース物件の公正価値又は最低
リース料総額の現在価値のいずれか低い金額で計上しております。
リース資産は、見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間にわたり定額法で減価償却しており
ます。
オペレーティング・リース取引においては、リース料はリース期間にわたり定額法で費用として認識して
おります。
(10) 非金融資産の減損
非金融資産のうち、キャッシュ・フローを生みだす個別の資産又は資金生成単位に含まれる資産につい
ては、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを評価しております。
減損の兆候が存在する場合には減損テストを実施し、個別の資産又は資金生成単位ごとの回収可能価額
を測定しております。なお、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産
は償却を行わず、毎年及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。
回収可能価額は、公正価値から処分費用を控除した金額と適切な利率で割り引かれたリスク調整後の将
来キャッシュ・フロー評価によって測定される使用価値のどちらか高い金額を用いております。
個別の資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合には純損益にて減損損失を認識
し、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
の れんに係る減損損失は、戻入れを行っておりません。のれん以外の固定資産に係る減損損失は、減損
損失がもはや存在しないか又は減少している可能性を示す兆候が存在する場合に当該資産の回収可能価額
を見積もっており、回収可能価額が減損処理後の帳簿価額を上回った場合には減損損失の戻入れを行って
おります。なお、減損損失の戻入れは過去の期間において当該資産に認識した減損損失がなかった場合の
帳簿価額を超えない範囲内で純損益にて認識しております。
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(11) 売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産又は処分グループは、売却
目的保有に分類しております。売却目的保有へ分類するためには、現状で直ちに売却することが可能であ
り、かつ、売却の可能性が非常に高いことを条件としており、当社グループの経営者が売却計画の実行を
確約し、原則として1年以内に売却が完了する予定である場合に限っております。売却目的保有に分類し
た後は、帳簿価額又は売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、減価償却又は償
却を行っておりません。
非継続事業には、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、グループ
のひとつの事業もしくは地域を構成し、そのひとつの事業もしくは地域の処分の計画がある場合に認識し
ております。
(12) 従業員給付
① 退職後給付
(ⅰ) 確定給付制度
確定給付制度の退職給付に係る債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予
測単位積増方式を用いて制度ごとに算定しております。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した
期末日の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。
過去勤務費用は、発生した期間の純損益にて認識しております。
数理計算上の差異は、発生した期間においてその他の包括利益にて認識し、直ちに利益剰余金に振り
替えております。
(ⅱ) 確定拠出制度
確定拠出制度の退職給付に係る費用は、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識
しております。
② その他
短期従業員給付は、割引計算をせず、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識して
おります。有給休暇費用は、それらを支払う法的債務又は推定的債務を有し、信頼性のある見積りが可能
な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積れる金額を負債として認識しております。
(13) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として現在の法的債務又は推定的債務を有し、その債務を決済するために
経済的便益を有する資源の流出の可能性が高く、その資源の流出の金額について信頼できる見積りができ
る場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、当該引当金は負債の決済に必要と予想される支出額の現在
価値で測定しております。現在価値は、貨幣の時間的価値とその負債に特有なリスクを反映した税引前割
引率を用いて計算しております。時間の経過による影響を反映した引当金の増加額は、金融費用として認
識しております。
(14) 自己株式
自己株式は資本から控除しており、自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識してお
りません。帳簿価額と処分時の対価との差額は資本として認識しております。
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(15) 株式報酬
持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用して
おります。
ストック・オプションは、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を
資本の増加として認識しております。ストック・オプションの公正価値は、付与日において、ブラック・
ショールズモデルを用いて測定しております。
譲渡制限付株式は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を資本の
増加として認識しております。譲渡制限付株式報酬の公正価値は、付与日において、付与した資本性金融
商品の公正価値を参照して測定しております。
また、現金決済型の株式報酬制度として、株価連動型報酬受給権を採用しております。
現金決済型の株式報酬については、支払額の公正価値を負債として認識し、負債が決済されるまで、当
該負債の公正価値の変動を純損益として認識しております。
(16) 収益
顧客との契約について、次のステップを適用することにより、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
① 製商品の販売
製商品の販売による収益は、次の指標を考慮に入れ、履行義務が充足された時点で認識しておりま
す。
・資産に対する支払を受ける現在の権利を有している。
・顧客が資産に対する法的所有権を有している。
・資産の物理的占有を移転した。
・顧客が資産を検収した。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、割引、値引、割戻及び返品などを控除した金額
で測定しております。
② 技術料収入
ライセンス契約に基づく収益は、関連する履行義務の内容に応じて、一時点又は一定の期間にわたり
認識しております。
顧客との契約からの対価のうち、変動対価部分については、不確実性が解消される際に重要な収益の戻
入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めております。
(17) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領することに合理的な保証が得
られた場合に公正価値で認識しております。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期
間にわたって、規則的に純損益にて認識しております。
また、資産に関する政府補助金は、繰延収益として認識し、当該資産の見積耐用年数にわたって規則的
に純損益にて認識しております。
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(18) 法人所得税
法人所得税費用は、当期法人所得税と繰延法人所得税の合計として表示しております。
当期法人所得税は、期末日において制定され又は実質的に制定されている税率を用いて、税務当局に対
する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で算定しております。これらは、企業結合に関連する
もの及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、当期の純損益にて認識しておりま
す。
繰延税金資産及び負債は、期末日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、資産が実現
する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しております。繰延税金資産及び負
債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額の差額である一時差異並びに繰越欠損金に基づいて
算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対し
て、それらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識しております。
税務当局が税務処理を認める可能性について、不確実性が存在する場合には、課税所得、税務基準額、
税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び税率を決定する際に、当該不確実性を反映しております。
なお、企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響しない取引における当初認識か
ら生じる一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。さらにのれんの当初認識に
おいて生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識しておりません。
子会社・関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識しておりま
す。ただし、一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しな
い可能性が高い場合には認識しておりません。また、子会社・関連会社に対する投資に係る将来減算一時
差異については、一時差異が予測し得る期間内に解消し、かつ課税所得を稼得する可能性が高い範囲での
み繰延税金資産を認識しております。
繰延税金資産と繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有
し、かつ繰延税金が同一の納税企業体及び同一の税務当局に関係する場合に相殺しております。
4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表の作成において、経営者は、収益、費用、資産及び負債の報告金額並びに偶発
債務の開示に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことを要求されております。しかし、これらの見積り
及び仮定に関する不確実性により、将来の期間において資産又は負債の帳簿価額に重要な修正が求められる結
果となる可能性があります。
経営者の見積り及び判断を行った項目で重要なものは次のとおりであります。
・条件付対価(注記 7.企業結合)
・非金融資産の減損(注記 13.有形固定資産、注記 14.のれん及び無形資産)
・無形資産の耐用年数(注記 14.のれん及び無形資産)
・繰延税金資産の回収可能性 及び不確実性のある税務ポジション (注記 16.法人所得税)
・引当金(注記 19.引当金)
・確定給付債務の測定(注記 20.従業員給付)
・収益認識(注記 24.売上収益)
・株式報酬の測定(注記 28.株式報酬)
・金融商品の公正価値(注記 29.金融商品)
・偶発債務(注記 35.偶発債務)
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5.未適用の新基準
基準書及び解釈指針の新設又は改訂のうち、当社グループが早期適用していない主なものは次のとおりであ
ります。
強制適用時期 当社グループ
概要
IFRS
(以降開始年度) 適用年度
負の補償を伴う期限前償還要素が負債性
IFRS第9号 金融商品 2019年1月1日 2020年3月期 金融商品に含まれている場合の分類に関
する規定
IFRS第16号 リース 2019年1月1日 2020年3月期 リースに係る基準の改訂
事業年度の途中で制度改訂、縮小又は清
IAS第19号 従業員給付 2019年1月1日 2020年3月期
算が生じた場合の会計処理の明確化
関連会社又は共同支配企業に対する金融
関連会社及び共同支配企
IAS第28号 2019年1月1日 2020年3月期 商品のうち持分法の適用を受けないもの
業に対する投資
に関する規定の明確化
法人所得税の処理に関す 法人所得税の処理に不確実性が存在する
IFRIC第23号 2019年1月1日 2020年3月期
る不確実性 場合の会計処理に関する規定
IFRS第3号 企業結合 2020年1月1日 2021年3月期 企業結合に関する事業の定義を修正
IAS第1号 財務諸表の表示
2020年1月1日 2021年3月期 「重要性がある」の定義を修正
会計方針、会計上の見積
IAS第8号
りの変更及び誤謬
保険契約についての首尾一貫した会計処
IFRS第17号 保険契約 2021年1月1日 2022年3月期
理を策定
IFRS第10号 連結財務諸表
関連会社等に対する資産の売却等の会計
- -
関連会社及び共同支配企
処理の改訂
IAS第28号
業に対する投資
IFRS第16号の適用により、従前のIAS第17号「リース」に基づき借手のオペレーティング・リースとして区
分され、リース料支払時に費用処理されていたリース契約について、リース契約の開始時にリース期間に応じ
た使用権資産及びリース負債が連結財政状態計算書に計上され、リース期間にわたって費用処理されます。当
社グループでは、IFRS第16号の適用にあたり比較情報の修正再表示は行わず、適用による累積的影響を利益剰
余金の期首残高の修正として認識する予定であります。また、当基準の適用による当社グループの連結財務諸
表への主な影響として、2020年3月期期首時点の連結財政状態計算書の資産合計が約339億円、負債合計が約
343億円、それぞれ増加すると見積っております。なお、連結損益計算書に与える影響は軽微であります。
当社グループ適用年度が2020年3月期であるその他の基準書及び解釈指針を適用することによる連結財務諸
表への影響は重要ではないと判断しております。また、当社グループ適用年度が2021年3月期以降である基準
書及び適用指針を適用することによる連結財務諸表への影響は検討中であり、現時点で見積ることはできませ
ん。
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6.事業セグメント
(1)報告セグメントに関する情報
当社グループは、「医薬事業」の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(2)製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスごとの売上収益は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日 増減
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
金額 構成比(%) 金額 構成比(%) 金額 増減比(%)
884,907 92.2 861,116 92.6 △23,791 △2.7
医療用医薬品
72,943 7.6 66,377 7.1 △6,566 △9.0
ヘルスケア
2,344 0.2 2,223 0.3 △120 △5.1
その他
合計 960,195 100.0 929,717 100.0 △30,478 △3.2
(3) 地域別に関する情報
売上収益及び非流動資産の地域別の内訳は次のとおりであります。
① 売上収益
(単位:百万円)
日本 北米 欧州 その他 連結
前連結会計年度
(自 2017年4月1日 618,308 185,751 79,566 76,568 960,195
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
595,901 160,220 89,759 83,835 929,717
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
(注)地理的近接度により区分しております。
② 非流動資産
(単位:百万円)
日本 北米 欧州 その他 連結
前連結会計年度
265,787 174,969 17,806 8,400 466,963
(2018年3月31日)
当連結会計年度
270,072 165,077 33,520 7,738 476,409
(2019年3月31日)
(注)主として資産の所在地に基づいて測定しており、有形固定資産、のれん及び無形資産から構成されております。
(4)主要な顧客に関する情報
連結損益計算書の 売上収益の10%以上を占める相手先は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
顧客の名称
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
アルフレッサ ホールディングス株式
199,809 195,578
会社及びそのグループ会社
株式会社スズケン及びそのグループ会
98,603 93,697
社
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7.企業結合
(1) 重要な企業結合
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
前連結会計年度における重要な企業結合はありません。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度における重要な企業結合はありません。
(2) 条件付対価
企業結合による条件付対価は、アンビット・バイオサイエンシズCorp.の急性骨髄性白血病治療薬(一般
名:キザルチニブ、開発コード:AC220)の上市時マイルストーンであり、貨幣の時間価値を考慮して計算し
ております。当社が条件付対価契約に基づき要求され得るすべての将来の支払額は、10,579百万円(割引
前)であります。
期末残高に関する為替変動リスクのエクスポージャーは69,014千米ドルであり、期末日において日本円が
米ドルに対し1%円高になった場合の税引前利益への影響は、76百万円であります。
条件付対価の公正価値ヒエラルキーのレベルはレベル3であります。条件付対価に係る公正価値変動額は
「金融費用」に計上しております。なお、公正価値のヒエラルキーについては「29.金融商品」に記載して
おります。
レベル3に分類した条件付対価の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
期首残高 6,066 5,760
企業結合による増加 - -
期中公正価値変動額 14 1,643
期中決済額 - -
為替換算差額 △320 256
期末残高 5,760 7,661
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8.現金及び現金同等物
「現金及び現金同等物」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
258,211 154,859
現金及び預金
短期投資 99,490 88,295
合計 357,702 243,155
9.営業債権及びその他の債権
連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
受取手形及び売掛金 211,222 360,789
その他 20,759 59,232
貸倒引当金 △453 △413
合計 231,529 419,609
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10.その他の金融資産
(1) その他の金融資産の内訳
連結財政状態計算書の「その他の金融資産」の内訳は次のとおりであります。
① 流動資産
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
償却原価で測定する金融資産:
預金 192,085 219,105
貸付金 501 412
債券 102,777 137,932
その他 124 143
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産:
債券 1,257 -
その他 132,633 179,285
合計 429,380 536,880
(注)「純損益を通じて公正価値で測定する金融資産」の「その他」は、為替予約と一体となった外貨建預金でありま
す。
② 非流動資産
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
償却原価で測定する金融資産:
貸付金 888 797
その他 45,891 6,349
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産:
債券 554 573
その他 9,315 9,317
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産:
株式 122,479 97,801
その他 47 56
合計 179,177 114,895
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(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の主な内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
公正価値
銘柄
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
アルフレッサ ホールディングス㈱
7,590 10,096
㈱静岡銀行 9,399 7,876
小野薬品工業㈱
11,496 7,569
信越化学工業㈱ 8,480 7,151
その他 85,559 65,162
(注)株式は主に取引又は事業上の関係の維持強化を目的に保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する金融資産に指定しております。
(3) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の認識の中止
当社グループは、資産の効率化や取引関係の見直し等を目的に、前連結会計年度及び当連結会計年度にお
いて、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の一部を売却等により処分し、認識を中止し
ております。
処分時の公正価値及び累積利得又は損失は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
公正価値 累積利得又は損失 公正価値 累積利得又は損失
株式 14,410 9,838 14,308 10,647
その他 2,262 △2,764 0 △30
(注)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、認識を中止した場合、その他の包括利益にて認識し
ていた累積利得又は損失を利益剰余金に振り替えております。
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11.棚卸資産
連結財政状態計算書の「棚卸資産」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
122,921 122,594
商品及び製品
19,409 24,400
仕掛品
30,254 29,072
原材料
172,586 176,067
合計
(注)1.連結損益計算書の「売上原価」に含まれている、費用として認識された棚卸資産の金額は、前連結会計年度
300,885百万円、当連結会計年度313,147百万円であります。
2.連結損益計算書の「売上原価」に含まれている、期中に認識した棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年
度6,697百万円、当連結会計年度6,740百万円であります。
12.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債
連結財政状態計算書の「売却目的で保有する資産」及び「売却目的で保有する資産に直接関連する負債」の
内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
売却目的で保有する資産
-
有形固定資産 2,000
-
合計 2,000
売却目的で保有する資産に直接関連する負債
-
繰延税金負債 349
-
合計 349
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13.有形固定資産
(1) 調整表及び内訳
連結財政状態計算書の「有形固定資産」に関する、取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の調整
表及び内訳は次のとおりであります。
① 取得原価
(単位:百万円)
土地、建物 機械装置 工具、器具
建設仮勘定 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
333,770 237,783 97,788 10,384 679,726
2017年4月1日 残高
9,369 9,740 7,211 26,706 53,028
個別取得
△2,140 △9,173 △4,455 - △15,769
売却又は処分
△284 △224 264 △90 △335
為替換算差額
1,024 297 △37 △25,020 △23,735
その他の増減
341,740 238,423 100,770 11,979 692,914
2018年3月31日 残高
8,854 7,225 7,170 36,871 60,122
個別取得
△4,073 △6,867 △11,982 △13 △22,937
売却又は処分
△3,016 - △43 - △3,060
売却目的保有への振替
180 86 △79 50 237
為替換算差額
148 656 △392 △21,106 △20,694
その他の増減
343,833 239,524 95,442 27,781 706,582
2019年3月31日 残高
② 減価償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円)
土地、建物 機械装置 工具、器具
建設仮勘定 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
196,445 180,302 85,205 -
2017年4月1日 残高 461,953
-
減価償却費 9,621 11,787 5,764 27,173
-
売却又は処分 △1,781 △8,514 △4,416 △14,712
△165 -
為替換算差額 124 161 120
-
その他の増減 473 △10 △29 433
204,593 183,689 86,685 - 474,968
2018年3月31日 残高
-
減価償却費 8,632 11,625 5,581 25,839
- -
減損損失 65 44 110
-
売却又は処分 △3,879 △6,101 △11,952 △21,933
△1,026 - -
売却目的保有への振替 △33 △1,059
76 -
為替換算差額 △117 △30 △71
-
その他の増減 △8 △10 △336 △356
208,452 189,129 79,914 - 477,496
2019年3月31日 残高
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③ 帳簿価額
(単位:百万円)
土地、建物 機械装置 工具、器具
建設仮勘定 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
2017年4月1日 残高 137,325 57,480 12,582 10,384 217,772
137,147 54,734 14,084 11,979 217,946
2018年3月31日 残高
135,381 50,394 15,527 27,781 229,085
2019年3月31日 残高
(注)有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発
費」に含めております。
(2) 有形固定資産の減損
潜在的な減損の兆候が見られた一定の有形固定資産については、減損テストを実施しております。
減損テストの結果、当連結会計年度110百万円の減損損失を認識し、連結損益計算書の「売上原価」に計
上しております。
(3) ファイナンス・リース契約
連結財政状態計算書の「有形固定資産」に含まれている、ファイナンス・リース契約により保有する有形
固定資産の帳簿価額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
土地、建物 機械装置 工具、器具
合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
-
2017年4月1日 残高 1,337 74 1,411
-
2018年3月31日 残高 1,349 49 1,398
-
2019年3月31日 残高 1,213 25 1,239
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14.のれん及び無形資産
(1) 調整表及び内訳
連結財政状態計算書の「のれん」及び「無形資産」に関する、取得原価、償却累計額及び減損損失累計額
の調整表及び内訳は次のとおりであります。
① 取得原価
(単位:百万円)
無形資産
のれん
研究開発 営業権、商標権等 ソフトウェア 合計
2017年4月1日 残高 78,446 101,303 262,463 25,045 388,812
個別取得 - 6,831 11,472 2,546 20,850
売却又は処分 - △33,939 △1,343 △880 △36,162
為替換算差額 △2,966 △2,812 △1,805 △424 △5,042
その他の増減 - △288 257 △852 △883
75,479 71,093 271,045 25,434 367,574
2018年3月31日 残高
個別取得 - 21,016 5,285 2,249 28,552
売却又は処分 - - △2,022 △1,877 △3,900
為替換算差額 2,371 1,882 2,675 332 4,890
その他の増減 - △11,232 11,125 △1,078 △1,184
77,851 82,761 288,109 25,060 395,931
2019年3月31日 残高
② 償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円)
無形資産
のれん
研究開発 営業権、商標権等 ソフトウェア 合計
2017年4月1日 残高 - - 150,562 21,205 171,768
償却費 - - 17,871 1,418 19,290
減損損失 - 31,612 5,060 - 36,672
売却又は処分 - △31,612 △1,334 △874 △33,821
為替換算差額 - - 597 △433 164
その他の増減 - - △31 △6 △37
172,726 21,310 194,036
2018年3月31日 残高 - -
償却費 - - 18,759 1,391 20,150
減損損失 - - 15,084 - 15,084
売却又は処分 - - △2,022 △1,877 △3,900
為替換算差額 - - 814 357 1,172
その他の増減 - - △48 △36 △85
2019年3月31日 残高 - - 205,313 21,145 226,458
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③ 帳簿価額
(単位:百万円)
無形資産
のれん
研究開発 営業権、商標権等 ソフトウェア 合計
2017年4月1日 残高 78,446 101,303 111,901 3,839 217,044
75,479 71,093 98,319 4,124 173,537
2018年3月31日 残高
77,851 82,761 82,795 3,915 169,472
2019年3月31日 残高
(注)無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含め
ております。
(2) 主要なのれん及び無形資産
当社グループでは 、前連結会計年度まで原則として主要なのれんについては会社単位の資金生成単位に配
分しておりましたが、主要な子会社の買収から数年が経過し、 子会社の知見、ノウハウ、技術及びインフラ
等をグループ全体として活かすようになったことから、のれんの配分先を見直しました。
医療用医薬品事業においては、研究開発及び商業化を当社が統合管理し、がん事業等の一体運営体制が強
化されていることから、グローバルな医療用医薬品事業全体が企業結合からシナジーを受けることが見込ま
れています。
また、ヘルスケア事業においては、事業管理の一体運営のみならず、通販事業のノウハウ、インフラをヘ
ルスケア事業に展開するなどのシナジーが発現されていることから、ヘルスケア事業全体が企業結合からシ
ナジーを受けることが見込まれています。
これに伴い、当連結会計年度より主要なのれんを、医療用医薬品事業、ヘルスケア事業の2つの資金生成
単位グループに配分することといたしました。各資金生成単位グループに配分したのれんの帳簿価額は、医
療用医薬品事業が57,919百万円、ヘルスケア事業が16,000百万円であります。
なお、前連結会計年度において主要なのれんとして開示しておりましたプレキシコンInc.及びアンビッ
ト・バイオサイエンシズCorp.の買収により発生したのれんは、医療用医薬品事業に配分されております。
主な無形資産の帳簿価額は、営業権では、第一三共㈱のビムパットに関するものが前連結会計年度12,801
百万円、当連結会計年度11,265百万円であります。定額法により償却しており、残存償却期間は7年であり
ます。また、プレキシコンInc.のゼルボラフに関するものが前連結会計年度21,232百万円、当連結会計年度
10,645百万円であります。定額法により償却しており、残存償却期間は10年であります。
仕掛研究開発では、プレキシコンInc.のペキシダルチニブに関するものが前連結会計年度26,216百万円、
当連結会計年度27,386百万円、アンビット・バイオサイエンシズCorp.のキザルチニブに関するものが前連
結会計年度27,380百万円、当連結会計年度28,601百万円であります。
(3) 費用認識した研究開発支出
研究費及び資産計上基準を満たさない開発費は、発生時に費用として認識しております。費用認識した研
究開発支出は前連結会計年度236,046百万円、当連結会計年度203,711百万円であります。
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(4) のれんの減損
のれんは、毎年及び減損の兆候が存在する場合に減損テストを実施しております。 のれんに対する減損テ
ストは次のとおり行っております。
① 医療用 医薬品事業
回収可能価額は、経営陣によって承認された2022年度までの中期計画を基礎として使用価値にて測定し
ており、2022年度以降はターミナルバリューを基に見積もっております。
税引前の割引率6.9%を用いて測定された使用価値は帳簿価額を上回っているため、当連結会計年度に
おいて減損損失は認識しておりません。また、使用価値は帳簿価額を十分に上回っており、割引率等が合
理的な範囲内で変動した場合でも使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
② ヘルスケア 事業
回収可能価額は、経営陣によって承認された2022年度までの中期計画を基礎として使用価値にて測定し
ており、2022年度以降はターミナルバリューを基に見積もっております。
税引前の割引率7.7%を用いて測定された使用価値は帳簿価額を上回っているため、当連結会計年度に
おいて減損損失は認識しておりません。また、使用価値は帳簿価額を十分に上回っており、割引率等が合
理的な範囲内で変動した場合でも使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
(5) 無形資産の減損
潜在的な減損の兆候が認められた一定の無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は、毎年及び減損の兆
候が存在する場合に減損テストを実施しております。
減損テストの結果、前連結会計年度36,672百万円、当連結会計年度15,084百万円の減損損失を認識し、連
結損益計算書の「売上原価」及び「研究開発費」に計上しております。
前 連結会計年度の減損損失は主として 当社における制吐剤配合麻薬性鎮痛剤CL-108の研究開発資産に関す
るものであり、開発及び販売契約を解約したことから、27,764百万円の減損損失を計上しております。な
お、回収可能価額には使用価値を用いており、測定された使用価値は零となっております。
当連結会計年度の減損損失は主としてプレキシコンInc.のゼルボラフに関する営業権であり、競合品の市
場参入等により収益性が低下する等の減損の兆候が見られたことから、9,538百万円の 減損損失を計上し、
当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。なお、回収可能価額には使用価値を用いてお
り、税引前の割引率16.0%を用いて測定された使用価値は10,645百万円となっております。
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15.持分法で会計処理されている投資
持分法で会計処理されている関連会社の要約財務情報は次のとおりであります。
(1) 財政状態計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
流動資産 14,494 11,272
非流動資産 948 797
資産合計 15,442 12,069
流動負債 11,439 7,151
非流動負債 693 374
負債合計 12,133 7,526
資本合計 3,309 4,543
(2) 損益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
収益 38,609 37,581
費用 38,257 37,311
当期利益 351 269
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16.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(単位:百万円)
2017年4月1日 純損益を通じて その他の包括利益 2018年3月31日
その他
残高 認識 を通じて認識 残高
繰延税金資産
前払委託研究費・共同開発費等 12,718 606 - - 13,325
減価償却費及び償却費 3,032 △506 - - 2,525
棚卸資産未実現利益・評価損等 19,701 △8,354 - - 11,347
繰越欠損金
3,943 △2,573 - - 1,370
未払費用 15,787 607 - - 16,394
訴訟損失引当金 - 11,607 - - 11,607
退職給付に係る負債 8,049 △515 △626 - 6,907
有価証券等評価損
2,286 △120 △602 - 1,562
減損損失 775 △452 - 309 632
その他 29,152 △2,991 - - 26,160
合計
95,446 △2,692 △1,229 309 91,833
繰延税金負債
無形資産 36,399 △16,725 - - 19,674
その他の包括利益を通じて公正価値で
25,659 - 2,314 - 27,974
測定する金融資産
固定資産圧縮積立金 7,970 △573 - 241 7,638
長期未収入金 - 11,425 - - 11,425
その他 4,208 △722 △26 - 3,458
合計
74,238 △6,596 2,287 241 70,171
純額 21,208 3,903 △3,517 67 21,662
(注)1.純損益を通じて認識した額の合計と繰延法人所得税合計との差額及びその他の包括利益を通じて認識した額
の合計とその他の包括利益を通じて認識した法人所得税合計との差額は、為替の変動によるものでありま
す。
2.当社グループは不確実性のある税務ポジションについて、最も可能性の高い見積りに基づき税金資産又は税
金負債を計上しております。前連結会計年度末において不確実性(有利方向の可能性)に晒されている金額
は、未払法人所得税56,108百万円、税効果61,784百万円であります。
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当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
2018年4月1日 純損益を通じて その他の包括利益 2019年3月31日
その他
残高 認識 を通じて認識 残高
繰延税金資産
前払委託研究費・共同開発費等
13,325 855 - - 14,181
減価償却費及び償却費 2,525 1,671 - - 4,196
棚卸資産未実現利益・評価損等 11,347 5,540 - - 16,887
繰越欠損金 1,370 21,478 12,576 - 35,424
未払費用
16,394 2,749 - - 19,144
訴訟損失引当金 11,607 - - △11,607 -
未払金 - 517 - 11,607 12,125
退職給付に係る負債 6,907 △190 △432 - 6,283
有価証券等評価損
1,562 △18 0 - 1,544
減損損失 632 6,874 - - 7,506
その他 26,160 △4,624 - - 21,535
合計
91,833 34,854 12,143 - 138,832
繰延税金負債
無形資産 19,674 △2,332 - - 17,341
その他の包括利益を通じて公正価値で
27,974 - △6,569 - 21,404
測定する金融資産
固定資産圧縮積立金 7,638 △507 - △349 6,781
長期未収入金 11,425 - - △11,425 -
未収入金 - 534 - 11,425 11,959
その他
3,458 215 26 - 3,700
合計 70,171 △2,090 △6,542 △349 61,188
純額 21,662 36,944 18,686 349 77,643
(注)1.純損益を通じて認識した額の合計と繰延法人所得税合計との差額及びその他の包括利益を通じて認識した額
の合計とその他の包括利益を通じて認識した法人所得税合計との差額は、為替の変動によるものでありま
す。
2.当社は、2016年3月期において、当社グループの事業再編に係る税務処理について、税務上の不確実性に対
する引当を税金負債として計上しましたが、当該連結会計年度を対象とする税務調査が終了し、当社の税務
処理が確定したため、税金負債を取崩すことといたしました。
この結果、当連結会計年度において、「未払法人所得税」が53,846百万円減少し、「繰延税金資産」が
12,576百万円増加しております。また、これに伴う法人所得税費用の減少66,422百万円は、当連結会計年度
において、その他の包括利益の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」の増加として認
識しております。
なお、当社の税務上の繰越欠損金は非経常的な要因により発生したものである一方、将来経常的に課税所得
が発生することが見込まれることから、その範囲内で繰延税金資産を認識しております。
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(2) 未認識の繰延税金資産
連結財政状態計算書において繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金(繰
越期限別の内訳)及び繰越税額控除(繰越期限別の内訳)は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
将来減算一時差異 102,413 55,577
繰越欠損金
1年以内 4,958 0
1年超5年以内 4,906 12,802
5年超 62,486 157,097
合計 72,351 169,899
繰越税額控除
- 139
1年以内
- 136
1年超5年以内
5年超 2,959 3,201
合計 2,959 3,477
(3) 未認識の繰延税金負債
繰延税金負債として認識していない子会社等に対する持分に係る一時差異の総額は、前連結会計年度末
93,475百万円、当連結会計年度末120,106百万円であります。当社グループが一時差異を解消する時期をコ
ントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない場合には、当該一時差異に関連する繰延税
金負債は認識しておりません。
(4) 純損益を通じて認識する法人所得税
純損益を通じて認識した法人所得税の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
24,384 31,284
当期法人所得税
繰延法人所得税
△2,877 △8,520
一時差異の発生及び解消
△2,885 268
税率の変更又は新税の賦課
2,588 △30,623
繰延税金資産の修正及び取崩
△3,173 △38,875
合計
21,210 △7,591
法人所得税費用合計
(注)米国の税率変更による影響
2017年12月に米国で税制改正法案が成立し、2018年4月1日以後に開始する連結会計年度から、連邦法人所得
税率が従来の35%から21%に引き下げられております。
この変更により、前連結会計年度において、当社グループの米国子会社関連の繰延税金資産及び繰延税金負債
の再測定を行った結果、法人所得税費用が2,885百万円減少しております。また、2017年度に適用される連邦法
人所得税率が35%から31.55%に引き下げられたことにより、法人所得税費用が1,014百万円減少しております。
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(5) その他の包括利益の各内訳項目に関連する法人所得税
その他の包括利益を通じて認識した法人所得税の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
税効果前 税効果 税効果後 税効果前 税効果 税効果後
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
16,218 △5,530 10,688 △10,382 71,359 60,976
金融資産
確定給付制度に係る再測定額 2,215 △599 1,616 639 △433 205
在外営業活動体の換算差額 △10,229 - △10,229 9,289 - 9,289
持分法適用会社における
3 - 3 - - -
その他の包括利益に対する持分
合計 8,209 △6,130 2,078 △454 70,925 70,471
(6) 実効税率の調整
法定実効税率と実際負担税率との差異について、原因となった主要な項目の内訳は次のとおりでありま
す。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
法定実効税率 30.7% 30.5%
交際費等永久に損金に算入されない項目 2.9% 1.9%
受取配当金等永久に益金に算入されない項目 △1.3% △0.4%
未認識の繰延税金資産の変動 3.2% △34.8%
海外税率差異 1.7% △4.9%
試験研究費等の税額控除 △4.1% △2.6%
税率変更による期末繰延税金資産の修正 △4.4% 0.3%
その他 △2.5% 1.2%
実際負担税率 26.2% △8.8%
(注)当社は、主に法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した適用税率
は前連結会計年度30.7%、当連結会計年度30.5%となっております。また、繰延税金資産及び繰延税金負債の計
算に使用する法定実効税率は、前連結会計年度30.5%、当連結会計年度30.5%となっております。ただし、在外
営業活動体についてはその所在地における法人税等が課されます。
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17.営業債務及びその他の債務
連結財政状態計算書の「営業債務及びその他の債務」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
支払手形及び買掛金 68,811 73,465
未払金 73,946 114,039
その他 83,405 125,156
合計 226,164 312,660
18.社債及び借入金、及びその他の金融負債
(1) 社債及び借入金の内訳
連結財政状態計算書の「社債及び借入金」の内訳は次のとおりであります。
① 流動負債
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
無担保社債 - 40,000
無担保銀行借入金 20,000 -
合計 20,000 40,000
② 非流動負債
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
無担保社債 179,564 139,585
無担保銀行借入金 81,000 81,000
合計 260,564 220,585
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(2) その他の金融負債の内訳
連結財政状態計算書の「その他の金融負債」の内訳は次のとおりであります。
① 流動負債
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
デリバティブ負債 - 107
ファイナンス・リース債務 516 422
合計 516 530
② 非流動負債
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
デリバティブ負債 1,786 1,811
ファイナンス・リース債務 1,021 916
その他 5,347 2,952
合計 8,155 5,680
(3) 社債の契約条件
社債の契約条件は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
会社名 銘柄 発行年月日 利率 償還期限
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
第一三共株式会社 第2回無担保社債 2009年6月24日 40,000 40,000 1.78% 2019年6月24日
第一三共株式会社 第3回無担保社債 2013年9月18日 20,000 20,000 0.55% 2020年9月18日
第一三共株式会社 第4回無担保社債 2013年9月18日 20,000 20,000 0.85% 2023年9月15日
第一三共株式会社 第5回無担保社債 2016年7月25日 75,000 75,000 0.81% 2036年7月25日
第一三共株式会社 第6回無担保社債 2016年7月25日 25,000 25,000 1.20% 2046年7月25日
合計 - - 180,000 180,000 - -
(4) 借入金の契約条件
借入金の契約条件は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分 平均利率 返済期限
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
一年以内返済予定長期借入金 20,000 - - -
長期借入金 81,000 81,000 0.01% 2020年~2023年
合計 101,000 81,000 - -
(注)平均利率は、当連結会計年度末の残高と利率を用いて算出しております。
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19.引当金
(1) 調整表及び内訳
連結財政状態計算書の「引当金」に関する、期首及び期末の帳簿価額の調整表及び内訳は次のとおりであ
ります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(単位:百万円)
返品調整 売上割戻・ 事業再編損失 訴訟損失 その他の
合計
引当金 控除引当金 引当金 引当金 引当金
12,847 12,380 27,429 - 4,917 57,574
2017年4月1日 残高
14,713 8,306 4,544 39,763 3,285 70,613
期中増加額
期中減少額(目的使用) △12,732 △12,983 △12,552 - △3,753 △42,021
期中減少額(戻入れ) - - △1,770 - △978 △2,748
- - 626 - 3 630
割引計算の期間利息費用
△626 526 444 △1,719 82 △1,292
為替換算差額
- - - - 11 11
その他の増減
14,202 8,229 18,722 38,044 3,568 82,767
2018年3月31日 残高
流動負債 14,202 8,229 10,180 - 1,402 34,015
- - 8,541 38,044 2,166 48,752
非流動負債
14,202 8,229 18,722 38,044 3,568 82,767
合計
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
事業再編損失 訴訟損失 その他の
合計
引当金 引当金 引当金
18,722 38,044 3,568 60,335
2018年4月1日 残高
1,579 - 3,210 4,789
期中増加額
期中減少額(目的使用) △7,198 - △2,973 △10,172
期中減少額(戻入れ) △2,876 - △75 △2,952
380 - 3 383
割引計算の期間利息費用
263 - △49 213
為替換算差額
- △38,044 △1,732 △39,776
その他の増減
10,869 - 1,953 12,822
2019年3月31日 残高
流動負債 6,485 - 1,351 7,837
4,383 - 601 4,985
非流動負債
10,869 - 1,953 12,822
合計
(注)IFRS第15号の適用に伴い、当連結会計年度より、従来、「引当金」(流動)に含めて表示しておりました返品調
整引当金及び売上割戻・控除引当金を、返金負債として「営業債務及びその他の債務」に表示しているため、記
載から除外しております。
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(2) 引当金の概要及び経済的便益の流出が予測される時期等
引当金の計算は、決算日における将来の経済的便益の流出金額に関する最善の見積りに基づいて行ってお
ります。見積りに使用した仮定と異なる結果が生じることにより、翌年度以降の連結財務諸表において引当
金の金額に重要な修正を行う可能性があります。
当社グループが計上している引当金の概要及び経済的便益の流出が予測される時期は次のとおりでありま
す。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、重要な資産除去債務はありません。
① 返品調整引当金
当社及び一部の連結子会社において、連結会計年度末日後の返品損失に備えるため、将来の返品見込額
に対し、売上利益及び廃棄損失相当額の合計額を計上しております。
主に1年以内に支払われることが見込まれております。
② 売上割戻・控除引当金
当社及び一部の連結子会社において、将来の売上割戻金の支出等に備えるため、実績を基礎として見積
額を計上しております。
主に1年以内に支払われることが見込まれております。
③ 事業再編損失引当金
日本、北米及び欧州における人員削減等の事業再編に伴う損失に備えるため、当該損失の見込額を計上
しております。事業再編損失引当金は、詳細な公式計画を有し、かつ計画の実施や公表を通じて、影響を
受ける関係者に当該事業再編が確実に実施されると予期させた時点で認識しております。
支払時期は、将来の事業再編の進捗等により影響を受けます。
④ 訴訟損失引当金
訴訟に係る支出に備えるため、当該支出の見込額を計上しております。
支払時期は、和解に関する手続の進捗等により影響を受けます。
前連結会計年度末において「引当金」(非流動)に計上していた和解基金への支払見込み額358百万米ド
ルが確定債務となったため、当連結会計年度末においては、「営業債務及びその他の債務」に39,741百万
円を計上しております。
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20.従業員給付
当社及び国内連結子会社は、主にグループ連合型による確定給付企業年金制度と確定拠出年金制度を採用
しております。
確定給付企業年金制度については、退職までに獲得した累積ポイントの80%に基づく金額を、退職時に、
加入期間が一定以上となる従業員は年金又は一時金の選択により、満たさない従業員は一時金で受給します。
上記年金制度は、当社グループから独立した企業年金基金が運営しており、当社グループは給付の財源とし
て、加入者ごとに付与される各月のポイントに基づき算定される掛金を当該基金に拠出し、当該基金はこれを
年金資産として安定的運用に努めております。また、当社は確定給付企業年金制度の債務に対して、当社保有
有価証券を信託資産として拠出し、退職給付信託の設定を行っております。
確定拠出年金制度については、従業員の退職までに獲得した累積ポイントの20%に基づく金額について、
各人に付与される各月ポイント換算額を当社グループから従業員各人の専用口座へ掛金拠出を行い、それ以上
の拠出を行う法的又は推定的債務を有しておりません。
なお、上記の年金制度以外に、当社グループは割増退職金等を一時金として支払う場合があります。
一部の在外営業活動体は、確定給付型又は確定拠出型の年金制度を設けております。
(1) 確定給付債務の現在価値の調整表
確定給付債務の現在価値の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
日本の制度 海外の制度 合計
2017年4月1日 確定給付債務の現在価値 137,688 15,814 153,503
384 5,650
当期勤務費用 5,266
313
利息費用 1,099 1,413
給付支払額 △4,847 △898 △5,746
従業員による拠出 - 195 195
再測定-数理計算上の差異(人口統計上の仮定) 329 △362 △32
再測定-数理計算上の差異(財務上の仮定) 5,014 △443 4,571
過去勤務費用 - △25 △25
為替換算差額 - 1,113 1,113
その他の増減 - 2 2
2018年3月31日 確定給付債務の現在価値 144,550 16,094 160,645
393 5,937
当期勤務費用 5,544
312
利息費用 1,009 1,322
給付支払額 △5,668 △757 △6,426
従業員による拠出 - 306 306
再測定-数理計算上の差異(人口統計上の仮定) 858 332 1,190
再測定-数理計算上の差異(財務上の仮定) 2,281 1,111 3,392
過去勤務費用 - 10 10
縮小・清算 - △30 △30
為替換算差額 - △642 △642
その他の増減 △13 1 △11
2019年3月31日 確定給付債務の現在価値 148,562 17,132 165,694
(注)従業員給付に係る費用については、「25.主な費用の性質に関する情報」に記載しております。
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(2) 制度資産の公正価値の調整表
制度資産の公正価値の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
日本の制度 海外の制度 合計
2017年4月1日 制度資産の公正価値 129,558 13,011 142,570
利息収益 1,036 264 1,300
給付支払額 △4,819 △623 △5,442
事業主による拠出 4,875 405 5,280
従業員による拠出 - 195 195
再測定-制度資産に係る収益 7,154 2 7,156
為替換算差額 - 938 938
2018年3月31日 制度資産の公正価値 137,805 14,194 151,999
利息収益 964 278 1,242
給付支払額 △5,482 △423 △5,906
事業主による拠出 4,922 423 5,346
従業員による拠出 - 306 306
再測定-制度資産に係る収益 5,056 88 5,145
為替換算差額 - △552 △552
2019年3月31日 制度資産の公正価値 143,266 14,315 157,581
(注)当社グループは2019年4月1日から2020年3月31日までの1年間において、確定給付年金制度に対して5,362百
万円の拠出を予定しております。
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(3) 制度資産の種類別の公正価値
制度資産の主な種類別における、制度資産の公正価値は次のとおりであります。
(単位:百万円)
日本の制度
活発な市場での市場価格があるもの 活発な市場での市場価格がないもの
前連結会計年度 当連結会計年度 前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日) (2018年3月31日) (2019年3月31日)
52,045 49,586 - -
株式
47,758 43,603 - -
債券
- - 3,329 3,530
不動産
- - 19,213 19,467
生保一般勘定
5,210 18,145 10,247 8,932
その他
105,013 111,335 32,791 31,930
合計
(単位:百万円)
海外の制度
活発な市場での市場価格があるもの 活発な市場での市場価格がないもの
前連結会計年度 当連結会計年度 前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日) (2018年3月31日) (2019年3月31日)
- -
株式 1,490 1,509
- -
債券 551 610
その他 2,164 2,242 9,988 9,953
合計 4,206 4,361 9,988 9,953
(4) 資産上限額の影響
資産上限額の影響の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
日本の制度 海外の制度 合計
70 70
2017年4月1日 資産上限額の影響 -
再測定値-資産上限額に伴う確定給付資産の純額
- 402 402
の限度の影響額
- 9 9
為替換算差額
- 482 482
2018年3月31日 資産上限額の影響
再測定値-資産上限額に伴う確定給付資産の純額
- △77 △77
の限度の影響額
為替換算差額 - △19 △19
- 384 384
2019年3月31日 資産上限額の影響
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(5) 退職給付に係る負債の内訳
連結財政状態計算書の「退職給付に係る負債」の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度(2018年3月31日)
(単位:百万円)
日本の制度 海外の制度 合計
確定給付債務の現在価値 144,550 16,094 160,645
制度資産の公正価値 △137,805 △14,194 △151,999
積立不足 6,745 1,900 8,646
資産上限額の影響 - 482 482
退職給付に係る資産 1,175 7 1,182
その他 231 5 236
退職給付に係る負債 8,152 2,395 10,547
当連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
日本の制度 海外の制度 合計
確定給付債務の現在価値 148,562 17,132 165,694
制度資産の公正価値 △143,266 △14,315 △157,581
積立不足 5,295 2,817 8,113
資産上限額の影響 - 384 384
退職給付に係る資産 1,574 52 1,627
その他 251 7 258
退職給付に係る負債 7,121 3,262 10,384
(6) 確定給付債務及び制度資産等の算定に使用される主要な想定事項
① 重要な数理計算上の仮定
重要な数理計算上の仮定は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
割引率
日本の制度 0.7% 0.6%
海外の制度 0.9%~11.5% 0.8%~13.9%
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② 感応度分析
数理計算上の仮定が1%変化することによって確定給付債務に与える影響は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
割引率
1%増加した場合の確定給付債務への影響 △22,035 △22,302
1%減少した場合の確定給付債務への影響 26,742 26,936
③ 感応度分析をするのに使用される方法や仮定及び当該方法の限界
割引率が異なる複数の計算結果をもとに、平均割引期間の概念を用いた近似式を使用する方法(対数補
間方式)により、割引率が1%増加した場合と1%減少した場合の確定給付債務額をそれぞれ算出し、期
末日の確定給付債務額との差額を影響額として算出しております。
④ 制度資産の投資戦略・運用方針
当社グループにおける制度資産の運用は、年金給付及び一時金給付の支払を将来にわたり確実に行うた
めに十分な資産を確保するべく、許容されるリスクの範囲内で、必要とされる総合収益を中長期的に確保
し、良質な年金資産を構築することを目的として行っております。
主な運用の目標として、ALM分析の結果を踏まえ、将来にわたって健全な年金財政を維持するに足る
だけの収益率を確保することとしております。個別の資産については、運用科目ごとに市場における収益
率を上回る成果を上げるよう努めることとしております。また、資産全体については、少なくとも運用科
目ごとの市場における収益率を資産構成比に応じて組み合わせた収益率を上回ることを運用の目標として
おります。
運用の目標を達成するため、各運用対象資産の期待運用収益率の予測、標準偏差(リスク)及び相関関
係を考慮した上で、将来にわたる最適な資産の組み合わせである政策的資産構成割合(以下「政策アセッ
トミックス」という。)を定め、これを維持するよう努めることとしております。この政策アセットミッ
クスは、ALM分析等の結果を踏まえ、更には基金の成熟度等を勘案した上で、中長期的観点から策定し
ております。この政策アセットミックスは原則として3年ごとに見直しを行うこととしておりますが、基
金を取り巻く環境に著しい変化があった場合等、必要に応じて見直しを行うこととしております。
⑤ 将来の拠出に影響する積立ての取決め及び積立ての方針
国内の確定給付型企業年金制度において、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、5年
ごとに掛金の額の再計算を行うこととしております。また、企業年金基金の毎事業年度の決算において積
立金の額が責任準備金の額から許容繰越不足金を控除した額を下回る場合、掛金の額を再計算することと
しております。
企業年金基金に加入する各社の事業主は、企業年金基金の各事業年度の決算において積立金の額が最低
積立基準額を下回る場合には、必要な額を掛金として拠出することとしております。また、事業年度中に
おいて積立金の額が零となることが見込まれる場合にあっては、事業主は、当該事業年度中における給付
に関する事業に要する費用に充てるため必要な額を掛金として拠出することとしております。
⑥ 確定給付債務の満期分析に関する情報
確定給付債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度15.0年、当連結会計年度14.7年でありま
す。
(7) 確定拠出年金制度
確定拠出年金への要拠出額等に係る費用は、前連結会計年度14,502百万円、当連結会計年度14,230百万円
であります。
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21.政府補助金
連結財政状態計算書の「営業債務及びその他の債務」及び「その他の非流動負債」に含まれている、繰延収
益として認識した資産に関する政府補助金の金額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
営業債務及びその他の債務 2,044 1,929
その他の非流動負債 11,400 9,546
(注)政府補助金は主として有形固定資産の購入のために受領したものであり、このうち主なものは新型インフルエン
ザワクチンの開発・生産体制整備に関するものであります。また、上記の政府補助金に付随する未履行の条件又
はその他の偶発事象はありません。
22.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び資本剰余金
授権株式数及び全額払込済の発行済株式は次のとおりであります。
① 授権株式数
(単位:千株)
普通株式数
2017年4月1日 2,800,000
2018年3月31日 2,800,000
2019年3月31日 2,800,000
② 全額払込済の発行済株式
発行済株式数 資本金 資本剰余金
(千株) (百万円) (百万円)
2017年4月1日 709,011 50,000 103,750
2018年3月31日 709,011 50,000 94,633
2019年3月31日 709,011 50,000 94,633
(注)当社の株式は無額面であり、権利内容に何ら限定のない普通株式であります。
(2) 自己株式
自己株式の株式数及び金額は次のとおりであります。
株式数 金額
(千株) (百万円)
2017年4月1日 45,783 113,952
2018年3月31日 61,343 163,531
2019年3月31日 61,124 162,964
(注)1.自己株式はすべて当社が保有しております。
2.当社はストック・オプション制度を採用しており、その行使に伴う株式の交付は、自己株式によっておりま
す。なお、契約条件及び金額等は、「28.株式報酬」に記載しております。
3.当社は譲渡制限付株式報酬制度を採用しており、その株式の付与は、自己株式によっております。
(3) その他の資本の構成要素の内容及び目的
① 新株予約権
当社はストック・オプション制度を採用しており、会社法に基づき発行した新株予約権であります。
② 在外営業活動体の換算差額
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額であります。
③ キャッシュ・フロー・ヘッジ
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キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分であります。
④ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の変動部分であります。
⑤ 確定給付制度に係る再測定
確定給付制度に係る再測定による変動部分であります。
23.配当金
(1) 配当金支払額
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2017年6月19日
普通株式 23,212 35.0 2017年3月31日 2017年6月20日
定時株主総会
2017年10月31日
普通株式 23,217 35.0 2017年9月30日 2017年12月1日
取締役会
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2018年6月18日
普通株式 22,668 35.0 2018年3月31日 2018年6月19日
定時株主総会
2018年10月31日
普通株式 22,672 35.0 2018年9月30日 2018年12月3日
取締役会
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2018年6月18日
普通株式 22,668 35.0 2018年3月31日 2018年6月19日
定時株主総会
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2019年6月17日
普通株式 22,676 35.0 2019年3月31日 2019年6月18日
定時株主総会
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24.売上収益
(1) 財又はサービスの内容
当社グループは、医薬品等の製造販売を主な事業内容としており、顧客に移転を約束した財又はサービス
の内容は次のとおりであります。
① 製商品の販売
当社グループが顧客に移転を約束した財又はサービスの内容は、医療用医薬品及びヘルスケア品の販売
であります。このような販売については、顧客へ製商品を引き渡し、検収が完了した時点で、製商品への
支配が顧客に移転し、履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。対価につい
ては、履行義務の充足時点から概ね3ヶ月以内に支払を受けております。なお、重大な金融要素は含んで
おりません。
契約条件によっては、当社グループは割引、値引、割戻、返品等に応じる義務を負っております。この
場合の取引価格は、顧客との契約において約束された対価からこれらの見積りを控除した金額で算定して
おり、顧客に返金すると見込んでいる対価を返金負債として計上しております。当該返金負債の見積りに
あたっては、契約条件や過去の実績などに基づき計算しております。
② 技術料収入
当社グループは、第三者に製品の研究開発、製造や販売、技術の使用等を許諾する契約を締結すること
により、契約一時金、マイルストーン収入、ランニング・ロイヤリティー等の対価を得ております。
契約一時金は、履行義務が一時点で充足される場合には、ライセンスを付与した時点で収益を認識して
おり、マイルストーン収入は、事後に収益の重大な戻入が生じる可能性を考慮し、規制当局への承認申請
等の当事者間で合意したマイルストーンが達成された時点で収益を認識しております。履行義務が一時点
で充足されないものについては、当該対価を契約負債として計上し、契約に関連する履行義務の充足に従
い一定期間にわたって収益として認識しております。ランニング・ロイヤリティーは、契約相手先の売上
等を算定基礎として測定し、その発生時点を考慮して収益を認識しております。
対価については、履行義務の充足時点から概ね3ヶ月以内に支払を受けております。なお、重大な金融
要素は含んでおりません。
(2) 収益の分解
当社グループの売上収益の内訳は次のとおりであります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
地域
日本 北米 欧州 その他 合計
医療用医薬品 519,934 144,845 88,405 81,322 834,508
製商品の販売 ヘルスケア 65,298 - - 828 66,126
計 585,233 144,845 88,405 82,150 900,635
技術料収入 287 8,053 886 1,297 10,524
その他 10,380 7,321 467 388 18,557
合計 595,901 160,220 89,759 83,835 929,717
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(3) 契約残高
顧客との契約から生じた債権及び契約負債の残高は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
適用開始日
当連結会計年度
(2018年4月1日)
(2019年3月31日 )
顧客との契約から生じた債権 210,769 360,376
契約負債 8,151 160,422
(注 )1. 契約負債の主な内容は、技術料収入のうち履行義務を充足する前に顧客から対価を得た部分であります。
当該契約負債は、対応する履行義務の充足に伴い、収益へと振り替えております。
2. DS-8 201に関するアストラゼネカ社とのグローバル開発及び販売提携に伴う契約一時金により、当連結会
計年度において、 契約負債残高が148,972百万円増加しております。
3.当連結会 計年度に認識した収益のうち、期首時点の契約負債に含まれていた額は3,923百万円でありま
す。
4.当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額は
7,117百万円であり、主なものは、 マイルストーン収入及びランニング・ロイヤリティー であります。
(4) 残存履行義務に配分する取引価格
残存履行義務に配分した取引価格の総額は主に技術料収入に関するものであり、収益の認識が見込まれる
期間は以下のとおりであります。
なお、当初の予想期間が1年以内の契約であるものについては、実務上の便法を適用し、記載を省略して
おります。
当連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度
(2019年3月31日)
1年以内 13,520
1年超5年以内 45,421
5年超 101,239
合計 160,181
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25.主な費用の性質に関する情報
主な費用の性質に関する情報は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
96,374 87,509
広告宣伝費及び販売促進費
162,449 166,635
給料及び賞与
17,632 17,084
福利厚生費
21,091 21,246
退職給付費用
4,612 3,355
その他従業員給付費用
15,391 14,428
賃借料
46,680 46,169
減価償却費及び償却費
固定資産売却益(△) △ 8,288 △ 9,060
3,163 1,497
固定資産処分損
36,672 15,194
減損損失
4,496 △ 876
事業再編損
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26.金融収益及び金融費用
(1) 金融収益の内訳
「金融収益」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
受取利息
償却原価で測定する金融資産:
852 1,177
預金
26 32
貸付金
1,335 2,391
債券
0 0
その他
252 266
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
受取配当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産:
1,817 1,728
期末時点において保有している金融資産からの受取配当金
223 207
期中において認識を中止した金融資産からの受取配当金
237 398
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
売却益
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 - 0
公正価値の評価益及び実現益
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債:
312 -
デリバティブ
1,875 1,841
その他
為替差益(純額) 1,664 -
44 98
その他
8,642 8,141
合計
(2) 金融費用の内訳
「金融費用」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
支払利息
償却原価で測定する金融負債:
100 9
借入金
1,896 1,896
社債
32 34
ファイナンス・リース債務
20 13
その他
633 383
その他
公正価値の評価損及び実現損
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債:
439 593
デリバティブ
760 1,057
その他
為替差損(純額) - 68
339 1,853
その他
4,223 5,910
合計
(注)当連結会計年度における金融費用の「その他」は、主としてアンビット・バイオサイエンシズCorp.の条件付対
価の公正価値の変動額であります。
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27.1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
① 親会社の普通株主に帰属する利益
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 60,282 93,409
親会社の普通株主に帰属しない利益(百万円) - -
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円) 60,282 93,409
② 期中平均普通株式数
期中平均普通株式数(千株) 660,161 647,785
③ 基本的1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(円) 91.31 144.20
(2) 希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
① 希薄化後の普通株主に帰属する利益
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円) 60,282 93,409
当期利益調整額(百万円) - -
希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円) 60,282 93,409
② 希薄化後の期中平均普通株式数
期中平均普通株式数(千株) 660,161 647,785
新株予約権による普通株式増加数(千株) 1,550 1,443
希薄化後の期中平均普通株式数(千株) 661,712 649,228
③ 希薄化後1株当たり当期利益
希薄化後1株当たり当期利益(円) 91.10 143.88
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28.株式報酬
当社は、ストック・オプション制度を採用しており、また、前連結会計年度より、譲渡制限付株式報酬制度
を導入いたしました。一部の連結子会社は、現金決済型の株式報酬制度として、株価連動型報酬受給権を採用
しております。
(1) 譲渡制限付株式報酬制度の内容及び期中に付与した株式数と公正価値
譲渡制限付株式報酬制度の内容及び期中に付与した株式数と公正価値は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
付与日 2017年7月18日 2018年7月17日
付与数(株) 123,324 76,988
公正価値(円) 2,456.5 4,017
(注)1. 付与対象者は、社外取締役を除く当社取締役及び当社執行役員(以下、「対象取締役等」という。)であり
ます。
2.譲渡制限期間は、4年間であり、対象取締役等が、譲渡制限期間中、継続して、当社の取締役 又は取締役を
兼務しない執行役員のいずれかの地位 にあったことを条件として、譲渡制限期間が満了した時点をもって譲
渡制限が解除される仕組みであります。
3.当社は、対象取締役等との間で譲渡制限付株式割当契約を締結するものとし、その内容としては、対象取締
役等は、一定期間、譲渡制限付株式割当契約により割当てを受けた当社の普通株式について、譲渡、担保権
の設定その他の処分をしてはならないこと、及び、一定の事由が生じた場合には当社が当該普通株式を無償
取得すること等が含まれております。
(2) ストック・オプション制度の内容及び当連結会計年度末未行使残高
ストック・オプション制度の内容及び当連結会計年度末未行使残高は次のとおりであります。
ストック・オプション数
付与日 行使期間
付与数(株) 未行使数(株)
2008年2月16日から
第1回新株予約権 101,900 32,200 2008年2月15日
2038年2月15日まで
2008年11月18日から
第2回新株予約権 172,200 56,600 2008年11月17日
2038年11月17日まで
2009年8月18日から
第3回新株予約権 230,800 105,400 2009年8月17日
2039年8月17日まで
2010年8月20日から
第4回新株予約権 237,100 161,600 2010年8月19日
2040年8月19日まで
2011年7月13日から
第5回新株予約権 232,800 173,300 2011年7月12日
2041年7月12日まで
2012年7月10日から
第6回新株予約権 295,400 250,300 2012年7月9日
2042年7月9日まで
2013年7月9日から
第7回新株予約権 192,800 181,100 2013年7月8日
2043年7月8日まで
2014年7月9日から
第8回新株予約権 145,000 145,000 2014年7月8日
2044年7月8日まで
2015年7月8日から
第9回新株予約権 118,700 118,700 2015年7月7日
2045年7月7日まで
2016年7月6日から
第10回新株予約権 135,200 135,200 2016年7月5日
2046年7月5日まで
合計 1,861,900 1,359,400 - -
(注)1.当社のストック・オプション制度は、持分決済型であります。
2. 付与対象者は、社外取締役を除く当社取締役及び当社執行役員であります。
3.新株予約権者は、新株予約権の割当て時に就任していた当社の取締役又は執行役員を退任した日(新株予約
権者が取締役及び執行役員を兼務している者である場合は、以後、執行役員の地位を有し続けるか否かにか
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かわらず、取締役を退任した日とし、新株予約権者が新株予約権の割当て時に執行役員である場合におい
て、その者が執行役員の退任と同時に、取締役に就任した場合は、執行役員を退任した日ではなく、取締役
を 退任した日とする。)の翌日から10年以内に終了する事業年度のうち最終事業年度末日までに限り、新株
予約権の行使が可能であります。
4.権利確定条件は付されておりません。
5.ストック・オプション数については、株式数に換算して記載しております。
(3) ストック・オプション数の変動状況及び行使価格
ストック・オプション数の変動状況及び行使価格は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
ストック・ ストック・
加重平均行使価格 加重平均行使価格
オプション数 オプション数
(円) (円)
(株) (株)
期首未行使残高 1,569,600 1 1,512,100 1
付与 - - - -
行使 △57,500 1 △152,700 1
失効 - - - -
期末未行使残高 1,512,100 1 1,359,400 1
期末行使可能残高 1,512,100 1 1,359,400 1
行使価格範囲 1円 1円
加重平均残存契約年数 24.26年 23.45年
(注)1.ストック・オプション数については、株式数に換算して記載しております。
2.期中に権利が行使されたストック・オプションの権利行使日時点の加重平均株価は、前連結会計年度3,055
円、当連結会計年度4,397円であります。
(4) 期中に付与したストック・オプションの公正価値の測定方法
前連結会計年度及び当連結会計年度に付与したストック・オプションはありません。
(5) 株式報酬費用
株式報酬費用の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
持分決済型 272 312
現金決済型 5,740 7,047
合計 6,012 7,360
(注)1.持分決済型株式報酬取引は、当社 が 採用している 譲渡制限付株式報酬制度であります。
2.現金決済型株式報酬取引は、一部の連結子会社が特定の従業員に付与している株式増価受益権(SAR:Stock
Appreciation Right)及び譲渡制限付株式ユニット(RSU:Restricted Stock Unit)であります。
株式増価受益権は、 付与日の株価と権利行使日の株価との差額を現金にて支払うものであり、付与日から3
年経過後に権利が確定し、以後7年間にわたり権利行使が可能であります。
譲渡制限付株式ユニットは、付与日から3年経過後に権利が確定し、権利確定時の株価に配当金相当額を加
算した額を現金で支払うものであります。
3.現金決済型株式報酬取引から生じた負債の帳簿価額は、前連結会計年度8,585百万円、当連結会計年度
11,228百万円であります。
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29.金融商品
(1) リスク管理に関する事項
当社グループは、営業及び財務活動に伴い、信用リスク、為替変動リスク、金利変動リスク、市場価格の
変動リスク及び流動性リスクに晒されております。デリバティブは、これらのリスクを回避するために利用
しており、投機的な取引は行わない方針であります。デリバティブ取引の実行及び管理は、各社の経理部門
等が行っております。取引権限や限度額等を定めたデリバティブ取引管理規程を制定し、当該規程で定めら
れた基本方針に従って執行・管理を行い、取締役会に報告しております。
① 信用リスク
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。当社は、債権保全基準
に従い、営業債権について、営業管理部所が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ご
とに期日及び残高を管理するとともに、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握に努め、信用リスク
の軽減を図っております。連結子会社についても、当社の債権保全基準に準じて、同様の管理を行ってお
ります。
資金運用は、預入先や債券の発行体の信用リスクに晒されております。資金運用管理方針に従い、格付
の高い相手先のみを対象とし、相手先ごとに割り当てられた与信限度内で行い、リスクの集中を最小限に
とどめております。
デリバティブ取引は、カウンターパーティーの信用リスクに晒されております。カウンターパーティー
の信用リスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っております。
当社グループは、営業債権等の全部又は一部について回収ができない、又は回収が極めて困難であると
判断される以下のような事象等が発生した場合は債務不履行とみなし、信用減損している金融資産として
個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。個別に重要でない金融資産については、リスクの特徴
が類似するものごとにグルーピングを行い、全体として減損の評価を行っております。
・取引先の深刻な財政困難
・債権の回収不能や、再三の督促に対しての回収遅延
・取引先が破産やその他財政再建が必要な状態に陥る可能性の増加
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(ⅰ) 報告期間の末日現在で期日が経過しているが、減損していない金融資産の年齢分析
報告期間の末日現在で期日が経過しているが、減損していない金融資産の年齢分析は次のとおりであ
ります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2018年3月31日)
30日以内 316
30日超60日以内 68
60日超90日以内 27
90日超120日以内 68
120日超 340
(注)上記に記載する金融資産に関し、担保として保有する物件及びその他の信用補完をするものはありません。
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(ⅱ) 貸倒引当額の増減
当社グループは、取引先の信用状態に応じて債権の回収可能性を検討し、貸倒引当金を計上しており
ます。貸倒引当金の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
期首残高 481
期中増加額 91
期中減少額(目的使用) △19
期中減少額(戻入れ) △90
その他(為替換算差額等) △7
期末残高 454
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(ⅰ) 貸倒引当金の増減分析
貸倒引当金の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
全期間の予想信用損失に等しい金額で
12ヶ月の予想信用
計上されるもの
損失に等しい金額 合計
で計上されるもの
営業債権 信用減損金融資産
0 452 1 454
2018年4月1日 残高
- 98 - 98
期中増加額
期中減少額(目的使用) - △63 - △63
期中減少額(戻入れ) △0 △66 △0 △67
その他(為替換算差額等) △0 △8 - △8
0 412 0 413
2019年3月31日 残高
(ⅱ) 信用リスク・エクスポージャー
営業債権の期日別分析は次のとおりであります。営業債権以外の金融資産については、重要な期日経
過はなく、重要な信用リスク・エクスポージャーを有するものはありません。
(単位:百万円)
当連結会計年度
(2019年3月31日)
期日経過前 358,510
期日経過30日以内 984
期日経過30日超60日以内 303
期日経過60日超90日以内 84
期日経過90日超 905
合計 360,789
当社グループは、卸売企業に対する債権の担保として、有価証券等を保有しております。当該担保が
貸倒引当金に与える重要な影響はありません。
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② 為替変動リスク
グローバルに事業を展開していることから生じている外貨建ての営業債権債務等は、為替変動リスクに
晒されております。
(ⅰ) 為替変動リスクのエクスポージャー
為替変動リスクのエクスポージャー(純額)は次のとおりであります。なお、デリバティブ取引によ
り為替変動リスクがヘッジされている金額は除いております。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
米ドル(千米ドル) △132,190 770,317
8,836 99,639
ユーロ(千ユーロ)
(ⅱ) 為替感応度分析
当社グループが各期末日に保有する金融商品において、日本円が米ドル及びユーロに対し1%円高に
なった場合の税引前利益への影響は次のとおりであります。本分析は、その他すべての変数が一定であ
ることを前提としております。なお、米ドル及びユーロ以外のその他すべての通貨の為替変動に対する
エクスポージャーには重要性はありません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
米ドル 140 △855
△11
ユーロ △124
③ 金利変動リスク
変動金利の借入金は金利変動リスクに晒されております。当社グループは、金利変動リスクに対して、
金利スワップ取引を利用してヘッジしております。
(ⅰ) 金利変動リスクのエクスポージャー
金利変動リスクのエクスポージャーは次のとおりであります。なお、デリバティブ取引により金利変
動リスクがヘッジされている金額は除いております。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
変動金利の借入金 40,000 20,000
(ⅱ) 金利感応度分析
当社グループが各期末日に保有する変動金利の金融商品において、期末日における金利が1%上昇し
た場合の税引前利益への影響は次のとおりであります。本分析は、その他すべての変数が一定であるこ
とを前提としております。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
税引前利益への影響 △400 △200
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④ 市場価格の変動リスク
当社グループは、債券や取引先企業等の株式を保有しており、市場価格の変動リスクに晒されておりま
す。当社グループは、定期的に公正価値や発行体(取引先企業)の財務状況を把握し、また、株式につい
ては保有状況を継続的に見直すことにより管理しております。
また、連結子会社において、当社株式を対象とした現金決済型の株式報酬を設定しており、株価変動リ
スクに晒されております。
⑤ 流動性リスク
流動性リスクは、当社グループが、期限の到来した金融負債の返済義務を履行できなくなるリスクであ
ります。当社グループは、継続的にキャッシュ・フローの計画と実績をモニタリングすることで管理して
おります。また、金融機関とコミットメント・ライン契約を締結して随時利用可能な融資枠を確保し、流
動性リスクに備えております。
主な金融負債の期日別残高は次のとおりであります。
前連結会計年度(2018年3月31日)
(単位:百万円)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
帳簿価額 キャッシュ・ 1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
フロー
無担保社債 179,564 202,059 1,896 41,541 21,131 1,076 1,076 135,335
無担保銀行借入金 101,000 101,044 20,008 8 20,008 20,008 20,008 21,004
デリバティブ負債 1,786 2,123 462 462 462 396 251 87
合計 282,351 305,227 22,367 42,012 41,602 21,481 21,335 156,427
当連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
帳簿価額 キャッシュ・ 1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
フロー
無担保社債 179,585 200,162 41,541 21,131 1,076 1,076 20,992 114,343
無担保銀行借入金 81,000 81,036 8 20,008 20,008 20,008 21,004 -
デリバティブ負債 1,918 1,806 581 473 405 256 89 -
合計 262,504 283,004 42,130 41,613 21,489 21,341 42,085 114,343
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(2) 公正価値に関する事項
① 公正価値と帳簿価額の比較
公正価値と帳簿価額の比較は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
金融負債
社債 179,564 182,657 179,585 184,001
借入金 101,000 101,030 81,000 81,026
② 公正価値の測定方法
公正価値の測定方法は次のとおりであります。
(ⅰ) その他の金融資産及びその他の金融負債
活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場価格に基づいております。活
発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を用いて測定しております。デリバ
ティブの公正価値は、契約先の金融機関等から提示された価格等に基づき測定しております。
(ⅱ) 社債
社債の公正価値は、市場価格に基づいており、レベル1に分類しております。
(ⅲ) 借入金
借入金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映しており、公正価値は帳簿価額と
近似しております。また、固定金利によるものは、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に
想定される利率で割り引いて測定する方法によっており、レベル3に分類しております。
上記以外の金融資産及び金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しております。
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(3) 公正価値のヒエラルキー
① 公正価値のヒエラルキー
金融商品の公正価値のヒエラルキーは、次のとおり分類しております。
レベル1:活発な市場における相場価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外で、直接又は間接的に観察可能な価格により測定された
公正価値
レベル3:観察可能でないインプットを含む、評価技法を用いて測定された公正価値
金融商品のレベル間の振替は、四半期連結会計期間末において認識しております。
前連結会計年度(2018年3月31日)
(単位:百万円)
レベル1 レベル2 レベル3 合計
金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産:
債券 - 1,811 - 1,811
その他 8,837 133,110 - 141,948
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産:
株式 103,637 - 18,842 122,479
その他 - - 47 47
合計 112,475 134,922 18,889 266,287
金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債:
- 1,786 - 1,786
デリバティブ負債
- -
条件付対価 5,760 5,760
合計 - 1,786 5,760 7,547
(注)1.レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
2. 「純損益を 通じて公正価値で測定する金融資産」のレベル2に分類した「その他」には、為替予約と一体と
なった外貨建預金が132,633百万円含まれております。レベル2に分類した金融商品の公正価値について
は、取引先金融機関から提示された価格に基づき 算定しております。
3. レ ベル3に分類した非上場株式は、類似企業比較法及び純資産に基づく評価モデル等により、公正価値を測
定しております。この評価モデルにおいて、EBITDA倍率等の観察可能でないインプットを用いているため、
レベル3に分類しております。公正価値の測定には、類似企業に応じて5.6倍~29.5倍のEBITDA倍率等を用
いております。なお、EBITDA倍率等 が上昇した場合は、公正価値は増加いたします。
4.「 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」の条件付対価は、連結財政状態計算書の「その他の非流動
負債」に含まれております。
当連結会計年度(2019年3月31日)
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(単位:百万円)
レベル1 レベル2 レベル3 合計
金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産:
債券 - 573 - 573
その他 8,817 179,786 - 188,603
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産:
株式 80,905 - 16,895 97,801
その他 - - 56 56
合計 89,722 180,359 16,952 287,034
金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債:
デリバティブ負債 - 1,918 - 1,918
条件付対価 - - 7,661 7,661
合計 - 1,918 7,661 9,580
(注)1.レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
2. 「 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産」のレベル2に分類した「その他」には、為替予約と一体と
なった外貨建預金が179,285百万円含まれております。レベル2に分類した金融商品の公正価値について
は、取引先金融機関から 提示された価格に基づき算定しております。
3. レベル3 に分類した非上場株式は、類似企業比較法及び純資産に基づく評価モデル等により、公正価値を測
定しております。この評価モデルにおいて、EBITDA倍率等の観察可能でないインプットを用いているため、
レベル3に分類しております。公正価値の測定には、類似企業に応じて6.2倍~25.6倍のEBITDA倍率等を用
いております。なお、EBITDA倍率等が 上昇した場合は、公正価値は増加いたします。
4.「 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」の条件付対価は、連結財政状態計算書の「その他の流動負
債」及び「その他の非流動負債」に含まれております。
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② レベル3に分類した金融商品の期首残高から期末残高への調整表
レベル3に分類した金融商品の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(単位:百万円)
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産
期首残高 17,118
利得又は損失 3,715
購入 322
売却・決済 △2,267
期末残高 18,889
(注)上表には、企業結合による条件付対価を含めておりません。条件付対価については「7.企業結合」に記載して
おります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産
期首残高 18,889
利得又は損失 △1,950
20
購入
売却・決済 △7
期末残高 16,952
(注)上表には、企業結合による条件付対価を含めておりません。条件付対価については「7.企業結合」に記載して
おりま す。
(4) デリバティブ及びヘッジ会計
① キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループは、将来予想される外貨建ての営業取引等に係るキャッシュ・フローの変動をヘッジする
ため為替予約取引を利用しており、ヘッジ会計の要件を満たしている場合は、キャッシュ・フロー・ヘッ
ジに指定しております。キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したデリバティブ取引の公正価値の変動
のうち有効な部分は、その他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益にて認識しております。その他
の包括利益を通じて資本として認識した累積額は、ヘッジ対象である取引が損益に影響を与える時点で純
損益に振り替えております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、純損益に振り替えた額はあり
ません。
② ヘッジ手段に指定されていないデリバティブ
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計を適用する要件を満たさない場合を含め、経済的に合理的で
ある場合には、デリバティブ取引を利用しております。
当社グループが利用しているヘッジ手段に指定されていないデリバティブ取引は、為替変動リスクに対
するヘッジを目的とした為替予約取引及び借入金に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジを目的とし
た金利スワップ取引であります。なお、投機目的によるデリバティブは保有しておりません。
③ デリバティブの公正価値
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デリバティブの公正価値は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
デリバティブ負債
金利関連 1,786 1,811
通貨関連 - 107
合計 1,786 1,918
(5) 金融資産と金融負債の相殺
同一取引先相手に対して認識した金融資産及び金融負債の相殺に関する情報は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(単位:百万円)
連結財政状態計算書 連結財政状態計算書
認識済の金融
金融資産 取引の種類 上で相殺される認識 上に表示されている
資産の総額
済の金融負債の総額 金融資産の純額
ノーショナル
現金及び現金同等物 567 30 537
プーリング
(単位:百万円)
連結財政状態計算書 連結財政状態計算書
認識済の金融
金融負債 取引の種類 上で相殺される認識 上に表示されている
負債の総額
済の金融資産の総額 金融負債の純額
ノーショナル
社債及び借入金 30 30 -
プーリング
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
連結財政状態計算書 連結財政状態計算書
認識済の金融
金融資産 取引の種類 上で相殺される認識 上に表示されている
資産の総額
済の金融負債の総額 金融資産の純額
ノーショナル
現金及び現金同等物 11,821 11,566 254
プーリング
(単位:百万円)
連結財政状態計算書 連結財政状態計算書
認識済の金融
金融負債 取引の種類 上で相殺される認識 上に表示されている
負債の総額
済の金融資産の総額 金融負債の純額
ノーショナル
社債及び借入金 11,566 11,566 -
プーリング
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(6) 資本管理
当社グループは、株主還元の充実を目指すとともに持続的な成長を実現するため、機動的な投資に備えた
手元流動性及び資金調達余力の確保が必要であると認識しております。
そのため、中長期的な手元流動性の推移及び財務の健全性を表す格付並びに適正な資本構成を適宜モニタ
リングしております。
また、当社グループは、第4期中期経営計画で定めた事業戦略と成長投資を実行することで、持続的成長
基盤を確立し、2022年度のROEを8%以上とすることを経営目標の1つとしております。
当社グループが資本管理において用いる主な指標は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
手元流動性残高(注)1
786,456 779,479
借入金及び社債残高 280,564 260,585
ネット・キャッシュ(差引)
505,891 518,894
総還元性向(注)2
159.1% 48.5%
(注)1. 手元流動性残高には、現金及び現金同等物に加えて、取得日から償還日までの期間が3ヶ月超の債券等を含
めております。
2.総還元性向:(配当金の総額+自己株式の取得総額)/親会社の所有者に帰属する当期利益
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
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30.リース取引
当社グループは、借り手として、一部の不動産及び機械等に対してリース契約を締結しております。一部の
契約には更新オプションやエスカレーション条項が付されております。また、リース契約によって課された制
限はありません。
(1) ファイナンス・リース契約
ファイナンス・リース債務に基づく将来の支払額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
将来の支払最低リース料総額 将来の支払最低リース料総額の現在価値
前連結会計年度 当連結会計年度 前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日) (2018年3月31日) (2019年3月31日)
1年以内 542 456 516 422
1年超5年以内 1,023 920 993 883
5年超 27 32 27 32
合計 1,593 1,410 1,537 1,338
- -
控除-金利 △56 △71
将来の支払最低リース料
1,537 1,338 1,537 1,338
総額の現在価値
(2) オペレーティング・リース契約
解約不能のオペレーティング・リースに基づく将来の支払最低リース料総額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
1年以内 4,938 4,958
1年超5年以内 13,199 11,997
5年超 13,135 12,148
合計 31,273 29,104
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31.その他の包括利益
その他の包括利益に係る組替調整額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
純損益に振り替えられる可能性のあるその他の包括利益
在外営業活動体の換算差額
当期発生額 △10,230 9,325
組替調整額 1 △36
小計 △10,229 9,289
持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分
当期発生額 3 -
組替調整額 - -
小計 3 -
税効果調整前合計 △10,225 9,289
税効果額 - -
合計 △10,225 9,289
32.財務活動から生じた負債の変動
財務活動から生じた負債の変動は次のとおりであります。
(単位:百万円)
ファイナンス・
借入金 社債 合計
リース債務
101,000 179,543 1,600 282,144
2017年4月1日 残高
- - △1,196 △1,196
財務キャッシュ・フローによる変動
非資金変動
- - 1,206 1,206
新規取得
- - △73 △73
為替換算差額
- 21 - 21
その他
101,000 179,564 1,537 282,101
2018年3月31日 残高
△20,000 - △811 △20,811
財務キャッシュ・フローによる変動
非資金変動
- - 553 553
新規取得
- - 59 59
為替換算差額
- 21 - 21
その他
81,000 179,585 1,338 261,924
2019年3月31日 残高
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33.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
関連当事者との取引は、通常の事業取引と同様の条件で行っております。なお、重要な関連当事者との取
引はありません。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
基本報酬及び賞与 633 658
91
譲渡制限付株式報酬 111
合計 724 770
34.コミットメント
期末日以降の資産の購入に係るコミットメントに関する契約総額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
有形固定資産 41,078 26,335
無形資産 76,389 149,973
合計 117,468 176,309
(注) 無形資産に関するコミットメントは、主として技術導入に関する権利の購入によるものであり、医薬品の研究
開発の目標達成に伴うマイルストーンが達成された場合に生じる支払額を表示しております。上記の金額は、
すべてのマイルストーンが達成された場合に生じる最大の支払額を表示しているため、実際の支払額とは大幅
に異なる可能性があります。
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35.偶発債務
(1) 債務保証
当社は、関係会社及び従業員の金融機関からの借入金に対して、次のとおり債務保証を行っております。
関係会社及び従業員が借入金を返済できない場合、当社は返済不能額を負担する必要があります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
1,000 -
ジャパンワクチン㈱(運転資金)
580 476
従業員(住宅資金等)
(2) その他
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.を
吸収合併し、その対価として当社がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受領す
ることについて、2014年4月にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間で契約を締結
し、2015年3月24日(クロージング日)に完了いたしました。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間の本合併に関する契約に基づき、
ランバクシー・ラボラトリーズLtd.のクロージング日前の品質問題等に関し、米国連邦政府又は州政府に支
払う罰金及び損害等が、クロージング日から7年経過するまでの間にサン・ファーマシューティカル・イン
ダストリーズLtd.等に生じた場合、その63.5%について325百万米ドルを上限として補償する義務の履行を
求められる可能性があります。なお、当社は取得したサン・ファーマシューティカル・インダストリーズ
Ltd.株式を2015年4月にすべて売却しておりますが、上記契約は継続しております。
上記の補償義務の発生に伴い、当社に損害が生じる可能性がありますが、現時点で金額を合理的に見積る
ことはできません。
当社グループは、期末日現在のすべての利用可能な証拠を考慮して、決済による経済的便益の流出可能性及
び財務上の影響額を見積もっております。上記に開示した事項を除いて、将来の事業に重要な影響を与えるも
のはありません。
上記項目については、経済的便益流出の発生可能性が高くない、又は十分に信頼性をもって見積りができな
いと判断し、引当金を計上しておりません。
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36.主要な子会社及び関連会社
当社グループの主要な子会社及び関連会社は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度末の議決権所有割合について、前連結会計年度末からの著しい変動はありません。
(連結子会社)
議決権の所有割合
名称 住所 主要な事業の内容
(%)
第一三共エスファ㈱ 東京都中央区 医薬品 100.0
第一三共ヘルスケア㈱ 東京都中央区 医薬品 100.0
第一三共プロファーマ㈱ 東京都中央区 医薬品 100.0
第一三共ケミカルファーマ㈱ 東京都中央区 医薬品 100.0
第一三共RDノバーレ㈱ 東京都江戸川区 医薬品 100.0
第一三共ビジネスアソシエ㈱ 東京都中央区 その他 100.0
北里第一三共ワクチン㈱ 埼玉県北本市 医薬品 100.0
第一三共バイオテック㈱ 埼玉県北本市 医薬品 100.0
ジャパンワクチン販売㈱ (注) 東京都千代田区 医薬品 50.0
第一三共U.S.ホールディングス アメリカ
医薬品 100.0
Inc. ニュージャージー
アメリカ
第一三共Inc. 医薬品 100.0
ニュージャージー
アメリカ
プレキシコンInc. 医薬品 100.0
カリフォルニア
アメリカ
アメリカン・リージェントInc. 医薬品 100.0
ニューヨーク
アンビット・バイオサイエンシズ アメリカ
医薬品 100.0
Corp. カリフォルニア
ドイツ
第一三共ヨーロッパGmbH 医薬品 100.0
ミュンヘン
フランス
第一三共フランスS.A.S. 医薬品 100.0
リュ・エル・マルメゾン
ドイツ
第一三共ドイツGmbH 医薬品 100.0
ミュンヘン
イタリア
第一三共イタリアS.p.A. 医薬品 100.0
ローマ
スペイン
第一三共スペインS.A. 医薬品 100.0
マドリッド
イギリス
第一三共UK Ltd.
医薬品 100.0
バッキンガムシャー
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議決権の所有割合
名称 住所 主要な事業の内容
(%)
中国
第一三共(中国)投資有限公司 医薬品 100.0
上海
中国
第一三共製薬(北京)有限公司 医薬品 100.0
北京
中国
第一三共製薬(上海)有限公司 医薬品 100.0
上海
台湾
台湾第一三共股份有限公司 医薬品 100.0
台北
大韓民国
韓国第一三共㈱ 医薬品 100.0
ソウル
ブラジル
第一三共ブラジルLtda. 医薬品 100.0
サンパウロ
(持分法適用関連会社)
議決権の所有割合
名称 住所 主要な事業の内容
(%)
ジャパンワクチン㈱ 東京都千代田区 医薬品 50.0
㈱日立ファルマエヴォリューション
東京都千代田区 その他 49.0
ズ
(注)ジャパンワクチン販売㈱の議決権の所有割合は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため、連結
子会社としております。
37.後発事象
当社は、2019年4月25日付で、当社が保有する固定資産の譲渡及びリースバック取引を実行いたしました。
当社グループの資産圧縮及び保有資産の最適化が取引の理由であります。取引の詳細については、次のとおり
であります。
資産の名称 :第一三共日本橋ビル
資産の所在地 :東京都中央区日本橋三丁目14番地2
資産の種類 :土地及び建物
現況 :管理設備
譲渡契約締結日 :2019年3月29日
賃貸借契約締結日 :2019年4月25日
譲渡日(物件引渡日):2019年4月25日
譲渡益 :約106億円 ※
※譲渡益は、譲渡に係る費用等の見込額を控除した概算額であり、2020年3月期の第1四半期に
計上される予定であります。
本件における譲渡先の名称、譲渡価額及び帳簿価額については、譲渡先との取り決めにより、開示を控えさ
せていただきます。なお、譲渡先と当社グループとの間には記載すべき資本関係、人的関係及び取引関係はな
く、また、当社グループの関連当事者には該当いたしません。
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(2)【その他】
① 当連結会計年度における四半期情報等
(累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当連結会計年度
売上収益(百万円) 225,737 446,850 703,080 929,717
税引前四半期利益又は税引前
29,629 58,635 97,957 85,831
利益(百万円)
親会社の所有者に帰属する四
23,951 44,014 78,799 93,409
半期(当期)利益(百万円)
基本的1株当たり四半期(当
36.98 67.95 121.65 144.20
期)利益(円)
(会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
基本的1株当たり四半期利益
36.98 30.97 53.69 22.55
(円)
② 訴訟
当社、第一三共Inc.及び第一三共U.S.ホールディングスInc.並びにAllergan Sales, LLC(旧Forest
Laboratories, LLC)及びその関係会社は、オルメサルタンメドキソミルを含有する製剤(米国製品名「ベニ
カー」等)の服用により、スプルー様腸疾患(重症下痢等を主な症状とする疾患)等が発現したと主張する方々
から、米国連邦裁判所及び州裁判所において複数の訴訟を提起されておりますが、2017年8月に原告側と和解契
約を締結し、2018年3月に和解内容を一部変更する契約を締結いたしました。
本和解契約は、本訴訟における原告及び一定の基準を満たす未提訴者の97%が和解への参加を表明した場合等
に有効となり、その後、358百万米ドルが和解基金に支払われ、本和解合意の対象者は和解基金から支払いを受
けます。
なお、原告及び一定の基準を満たす未提訴者の97%以上が和解への参加を表明したこと等により、2018年6月
に本和解契約は有効となっております。これに伴い、前連結会計年度末において「引当金」(非流動)に計上し
ていた和解基金への支払見込み額358百万米ドルが確定債務となったため、当連結会計年度においては、「営業
債務及びその他の債務」に39,741百万円を計上しております。また、前連結会計年度末において「その他の金融
資産」(非流動)に計上していた保険により填補される見込み額については、当連結会計年度において39,035百
万円を「営業債権及びその他の債権」に計上しております。
当社は、本訴訟における法的責任を認めるものではありませんが、本和解により早期解決を図る事が最善と判
断し、世界中の患者さんのために革新的な医薬品の開発及び提供に一層注力して参ります。
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2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
資産の部
流動資産
467,093 458,102
現金及び預金
278 268
受取手形
165,948 318,513
売掛金
50,009 49,998
有価証券
66,392 73,151
商品及び製品
13,334 16,535
原材料
2,767 2,730
前払費用
3,978 1,158
短期貸付金
23,012 50,177
未収入金
2,965 3,259
その他
△ 2,087 △ 2,181
貸倒引当金
流動資産合計 793,693 971,715
固定資産
有形固定資産
62,180 60,066
建物
2,349 2,176
構築物
566 449
機械及び装置
0 0
車両運搬具
6,240 6,499
工具、器具及び備品
15,346 14,934
土地
609 919
建設仮勘定
87,292 85,045
有形固定資産合計
無形固定資産
530 467
特許権
1,735 1,499
ソフトウエア
20,520 16,512
その他
22,786 18,479
無形固定資産合計
投資その他の資産
97,475 78,305
投資有価証券
278,935 274,553
関係会社株式
105,201 105,201
関係会社出資金
8,688 13,913
長期貸付金
37,449 -
長期未収入金
7,449 6,324
前払年金費用
20,649 61,153
繰延税金資産
4,877 4,970
その他
△ 162 △ 162
貸倒引当金
560,565 544,260
投資その他の資産合計
670,644 647,785
固定資産合計
資産合計 1,464,338 1,619,500
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(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
負債の部
流動負債
37,546 43,376
買掛金
- 40,000
短期社債
20,000 -
短期借入金
38,497 85,063
未払金
43,518 42,370
未払費用
55,743 1,140
未払法人税等
5,076 2,036
未払消費税等
74,439 65,209
預り金
307 -
前受収益
- 10,171
契約負債
143 -
返品調整引当金
418 -
売上割戻引当金
- 91
環境対策引当金
2,030 4,006
その他
277,722 293,465
流動負債合計
固定負債
180,000 140,000
社債
81,000 81,000
長期借入金
164 367
長期未払金
- 143,746
契約負債
2,865 470
事業再編引当金
38,044 -
訴訟損失引当金
4,540 2,770
その他
306,614 368,353
固定負債合計
584,336 661,819
負債合計
純資産の部
株主資本
50,000 50,000
資本金
資本剰余金
179,858 179,858
資本準備金
476,416 476,301
その他資本剰余金
656,275 656,159
資本剰余金合計
利益剰余金
その他利益剰余金
6,999 6,662
固定資産圧縮積立金
282,047 370,582
繰越利益剰余金
289,046 377,244
利益剰余金合計
△ 163,531 △ 162,964
自己株式
831,789 920,440
株主資本合計
評価・換算差額等
46,218 35,434
その他有価証券評価差額金
46,218 35,434
評価・換算差額等合計
新株予約権 1,993 1,805
880,001 957,680
純資産合計
1,464,338 1,619,500
負債純資産合計
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②【損益計算書】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
630,954 625,046
売上高
271,754 273,859
売上原価
5 -
返品調整引当金繰入額
359,194 351,186
売上総利益
販売費及び一般管理費
51,443 48,012
販売促進費
818 717
広告宣伝費
42,029 43,602
給料及び手当
4,465 3,959
退職給付費用
6,345 6,523
福利厚生費
1,980 1,622
減価償却費
8,588 8,699
賃借料
5,461 5,176
旅費及び交通費
13,604 12,983
業務委託費
192,665 198,965
研究開発費
14,614 13,035
その他
342,016 343,297
販売費及び一般管理費合計
17,177 7,889
営業利益
営業外収益
396 176
受取利息
21 22
有価証券利息
72,479 41,333
受取配当金
4,370 4,022
受取賃貸料
1,664 819
為替差益
914 1,233
その他
79,846 47,606
営業外収益合計
営業外費用
537 664
支払利息
1,896 1,896
社債利息
- 93
貸倒引当金繰入額
1,989 1,632
賃貸収入原価
31 73
休止固定資産減価償却費
64 11
投資有価証券評価損
2,367 399
その他
6,888 4,771
営業外費用合計
90,136 50,724
経常利益
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(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
特別利益
42 8,125
固定資産売却益
9,838 10,647
投資有価証券売却益
※2 2,365
-
事業再編引当金戻入額
※3 18,948
-
貸倒引当金戻入額
※4 4,012
-
関係会社事業損失引当金戻入額
172 1,234
その他
33,013 22,372
特別利益合計
特別損失
451 1,002
固定資産処分損
370 -
投資有価証券売却損
※5 19,771
-
関係会社取引価格調整金
※6 28,311 ※6 4,738
関係会社株式評価損
1,907 157
その他
31,040 25,669
特別損失合計
92,109 47,427
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税 4,130 1,984
- △ 53,846
過年度法人税等
4,250 △ 34,780
法人税等調整額
8,380 △ 86,641
法人税等合計
83,729 134,069
当期純利益
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【製造原価明細書】
前事業年度 当事業年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
構成比 構成比
注記
区分 金額(百万円) 金額(百万円)
(%) (%)
番号
8,431 47.7 6,312 43.9
Ⅰ.原材料費
9,251 52.3 8,073 56.1
Ⅱ.経費
(9,251) (8,073)
(うち外注加工費) (52.3) (56.1)
17,682 100.0 14,385 100.0
当期総製造費用
合計 17,682 14,385
4,114 3,098
※1
他勘定振替高
当期製品製造原価 13,567 11,286
※1 原材料への振替及びその他の振替高であります。
(原価計算の方法)
原価計算の方法は、組別総合原価計算(標準原価計算)であります。
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③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
株主資本合
資本金 自己株式
資本準備 その他資 資本剰余 利益剰余 計
固定資産
金 本剰余金 金合計 繰越利益 金合計
圧縮積立
剰余金
金
当期首残高 50,000 179,858 479,205 659,063 7,607 236,798 244,406 △ 113,952 839,517
会計方針の変更による累積的影響額
7,341 7,341 7,341
会計方針の変更を反映した当期首残高 50,000 179,858 479,205 659,063 7,607 244,140 251,747 △ 113,952 846,859
当期変動額
固定資産圧縮積立金の取崩
△ 261 261 - -
剰余金の配当 △ 46,430 △ 46,430 △ 46,430
当期純利益 83,729 83,729 83,729
自己株式の取得 △ 50,033 △ 50,033
自己株式の処分
△ 75 △ 75 453 378
分割型の会社分割による減少 △ 2,712 △ 2,712 △ 346 346 - △ 2,712
株主資本以外の項目の当期変動額
(純額)
当期変動額合計
- - △ 2,788 △ 2,788 △ 607 37,906 37,298 △ 49,579 △ 15,069
当期末残高 50,000 179,858 476,416 656,275 6,999 282,047 289,046 △ 163,531 831,789
(単位:百万円)
評価・換算差額等
その他有価 新株予約権 純資産合計
評価・換算
証券評価差
差額等合計
額金
当期首残高 46,934 46,934 2,067 888,519
会計方針の変更による累積的影響額
7,341
会計方針の変更を反映した当期首残高 46,934 46,934 2,067 895,861
当期変動額
固定資産圧縮積立金の取崩 -
剰余金の配当
△ 46,430
当期純利益 83,729
自己株式の取得 △ 50,033
自己株式の処分 378
分割型の会社分割による減少
△ 2,712
株主資本以外の項目の当期変動額
△ 716 △ 716 △ 74 △ 790
(純額)
当期変動額合計 △ 716 △ 716 △ 74 △ 15,859
当期末残高
46,218 46,218 1,993 880,001
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当事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
株主資本合
資本金 自己株式
資本準備 その他資 資本剰余 利益剰余 計
固定資産
金 本剰余金 金合計 繰越利益 金合計
圧縮積立
剰余金
金
当期首残高 50,000 179,858 476,416 656,275 6,999 282,047 289,046 △ 163,531 831,789
会計方針の変更による累積的影響額 △ 530 △ 530 △ 530
会計方針の変更を反映した当期首残高
50,000 179,858 476,416 656,275 6,999 281,516 288,515 △ 163,531 831,259
当期変動額
固定資産圧縮積立金の取崩 △ 336 336 - -
剰余金の配当 △ 45,340 △ 45,340 △ 45,340
当期純利益
134,069 134,069 134,069
自己株式の取得 △ 45 △ 45
自己株式の処分 △ 115 △ 115 612 497
分割型の会社分割による減少
株主資本以外の項目の当期変動額
(純額)
当期変動額合計 - - △ 115 △ 115 △ 336 89,066 88,729 567 89,181
当期末残高 50,000 179,858 476,301 656,159 6,662 370,582 377,244 △ 162,964 920,440
(単位:百万円)
評価・換算差額等
その他有価 新株予約権 純資産合計
評価・換算
証券評価差
差額等合計
額金
当期首残高 46,218 46,218 1,993 880,001
会計方針の変更による累積的影響額 △ 530
会計方針の変更を反映した当期首残高
46,218 46,218 1,993 879,470
当期変動額
固定資産圧縮積立金の取崩 -
剰余金の配当 △ 45,340
当期純利益
134,069
自己株式の取得 △ 45
自己株式の処分 497
分割型の会社分割による減少 -
株主資本以外の項目の当期変動額
△ 10,783 △ 10,783 △ 187 △ 10,970
(純額)
当期変動額合計 △ 10,783 △ 10,783 △ 187 78,210
当期末残高 35,434 35,434 1,805 957,680
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【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券
① 満期保有目的の債券
…償却原価法(定額法)
② 子会社株式及び関連会社株式
…移動平均法による原価法
③ その他有価証券
時価のあるもの
…決算日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動
平均法により算定)
時価のないもの
…主として移動平均法による原価法
(2) たな卸資産
通常の販売目的で使用するたな卸資産
…総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産
定額法によっております。
なお、主な耐用年数は次のとおりであります。
・建物 : 15~50年
・機械装置 : 4~17年
・工具、器具及び備品 : 2~15年
(2) 無形固定資産
定額法によっております。
なお、将来の費用削減効果が確実な自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5
年)に基づいております。
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特
定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 返品調整引当金
当事業年度末日後の返品損失に備えるため、将来の返品見込額に対し、売上利益及び廃棄損失相当額の合
計額を計上しております。
(3) 売上割戻引当金
将来発生する売上割戻に備えるため、当事業年度末特約店在庫金額に支払見込率を乗じた額を計上してお
ります。
(4) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上
しております。 なお、退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させ
る方法については、給付算定式基準によっております。
過去勤務費用は、発生時から1年(12ヶ月)で費用処理しております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)
による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
(5) 環境対策引当金
土壌浄化対策に係る損失に備えるため、土地の一部における浄化対策費用の見積額を計上しております 。
(6) 事業再編引当金
事業の再編に伴い発生する損失等に備えるため、その発生見込額を計上しております 。
(7) 訴訟損失引当金
訴訟に係る支出 に備えるため、当該支出の見込額を計上しております 。
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4.外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、決算時の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しておりま
す。
5.ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジ処理によっております。
なお、振当処理の要件を満たしている為替予約については、振当処理によっております。
また、金利スワップの特例処理の要件を満たしている金利スワップについては、特例処理によっておりま
す。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段…為替予約、金利スワップ
ヘッジ対象…外貨建金銭債権債務、借入金
(3) ヘッジ方針
輸出入取引等に係る為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジし、投機目的によるデリバティブ取引は
行わない方針であります。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
為替予約及び特例処理によっている金利スワップは取引の重要な条件が同一であり、ヘッジ効果が極めて
高いことから、有効性の評価を省略しております。
6.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
消費税等の会計処理
消費税及び地方消費税の会計処理は、税抜方式によっております。
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(会計方針の変更)
(税効果会計に係る会計基準の適用指針の適用)
「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 平成30年2月16日)を当事業年度よ
り適用し、子会社株式等に係る将来加算一時差異の取扱いを見直しております。また、当該会計方針の変更は遡及
適用され、前事業年度については遡及適用後の財務数値となっております。
この結果、前事業年度の貸借対照表は、遡及処理を行う前に比べて、固定負債の「繰延税金負債」が7,341百万
円減少し、「繰越利益剰余金」が同額増加しております。
なお、前事業年度の損益計算書に与える影響はありません。
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 平成30年3月30日)及び「収益認識に関する会計基準の
適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 平成30年3月30日)を当事業年度より早期適用しており、約束した財
又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認
識しております。
当社では、当該会計方針の変更を「収益認識に関する会計基準」第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに
従って、過去の期間すべてに新たな会計方針を遡及適用した場合の当事業年度の期首時点の累積的影響額を繰越利
益剰余金に加減算しております。
また、当事業年度より流動負債の「返品調整引当金」及び「売上割戻引当金」を、返金負債として流動負債の
「その他」に表示しております。
この結果、従前の会計基準を適用した場合と比較して、当事業年度の期首時点で流動負債の「前受収益」150百
万円は流動負債の「契約負債」に、「返品調整引当金」143百万円及び「売上割戻引当金」418百万円は流動負債の
「その他」に、固定負債の「その他」に含まれる1,750百万円は固定負債の「契約負債」に組み替えており、「繰
延税金資産」、流動負債の「契約負債」、固定負債の「契約負債」がそれぞれ233百万円、206百万円、557百万円
増加し、「繰越利益剰余金」が530百万円減少しております。
また、従前の会計基準を適用した場合と比較して、当事業年度において「売上高」が209百万円増加し、「返品
調整引当金戻入額」が3百万円減少し、「売上総利益」、「営業利益」、「経常利益」、「税引前当期純利益」が
それぞれ206百万円増加し、流動負債の「前受収益」9,958百万は流動負債の「契約負債」に、「返品調整引当金」
139百万円及び「売上割戻引当金」352百万円は流動負債の「その他」に、固定負債の「その他」に含まれる
143,394百万円は固定負債の「契約負債」に組み替えており、「繰延税金資産」、流動負債の「契約負債」、固定
負債の「契約負債」がそれぞれ170百万円、206百万円、351百万円増加し、「繰越利益剰余金」が387百万円減少し
ております。
(表示方法の変更)
(「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」の適用に伴う変更)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日。以下「税効果会計基
準一部改正」という。)を当事業年度より適用し、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負
債は固定負債の区分に表示する方法に変更しております。
この結果、前事業年度の貸借対照表に表示しておりました流動資産の「繰延税金資産」28,980百万円及び固定負
債の「繰延税金負債」8,330百万円(「会計方針の変更」による遡及適用後)は、投資その他の資産の「繰延税金
資産」20,649百万円として組替えております。
また、税効果会計関係注記において、税効果会計基準一部改正第4項に定める「税効果会計に係る会計基準」注
解(注8)(1)(評価性引当額の合計額を除く。)に記載された内容を追加しております。
(追加情報)
(法人所得税)
当社は、2016年3月期において、当社グループの事業再編に係る税務処理について、税務上の不確実性に対する
引当を税金負債として計上しましたが、当該事業年度を対象とする税務調査が終了し、当社の税務処理が確定した
ため、税金負債を取崩すことといたしました。
この結果、当事業年度において、「未払法人税等」が56,108百万円減少し、「繰延税金資産」が14,852百万円増
加しております。また、これに伴い、「営業利益」、「経常利益」及び「税引前当期純利益」がそれぞれ2,261百
万円増加し、「当期純利益」が70,960百万円増加しております。
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(貸借対照表関係)
1.関係会社に対する金銭債権、債務
前事業年度 当事業年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
短期金銭債権 41,191百万円 33,598百万円
長期金銭債権 8,996 14,221
短期金銭債務 125,704 123,076
2.偶発債務
(1) 債務保証
関係会社の事業所等賃貸契約に対する保証並びに関係会社及び従業員の金融機関からの借入金に伴う支払債務
に対して債務保証を行っております 。
前事業年度 当事業年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
第一三共Inc. 43百万円 7百万円
ジャパンワクチン㈱(運転資金)
1,000 -
従業員(住宅資金等) 580 476
計 1,623 484
(2) その他
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.を吸収
合併し、その対価として当社がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受領することに
ついて、2014年4月にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間で契約を締結し、2015年3
月24日(クロージング日)に完了いたしました。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間の本合併に関する契約に基づき、ラン
バクシー・ラボラトリーズLtd.のクロージング日前の品質問題等に関し、米国連邦政府又は州政府に支払う罰金
及び損害等が、クロージング日から7年経過するまでの間にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズ
Ltd.等に生じた場合、その63.5%について325百万米ドルを上限として補償する義務の履行を求められる可能性
があります。なお、当社は取得したサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.株式を2015年4月に
すべて売却しておりますが、上記契約は継続しております。
上記の補償義務の発生に伴い、当社に損害が生じる可能性がありますが、現時点で金額を合理的に見積ること
はできません。
3.貸出コミットメント契約
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引金融機関5行と貸出コミットメントライン契約を締結しており
ます。
事業年度末における貸出コミットメントに係る借入未実行残高は次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
コミットメントラインの総額 20,000百万円 20,000百万円
借入実行残高 - -
差引額 20,000 20,000
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(損益計算書関係)
1.関係会社との取引高
前事業年度 当事業年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
営業取引による取引高
売上高 75,245百万円 89,471百万円
仕入高 159,800 163,721
販売費及び一般管理費 131,499 132,883
営業取引以外の取引高 73,309 62,585
※2.事業再編引当金戻入額
当事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
事業の再編に伴い発生する損失等の見込額減少による戻入額であります。
※3.貸倒引当金戻入額
前事業年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
国内関係会社向け債権に対する貸倒引当金の戻入額であります。
※4.関係会社事業損失引当金戻入額
前事業年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
国内関係会社への追加出資により、財政状態が改善されたことによる戻入額であります。
※5. 関係会社取引価格調整金
当事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当社と当社の海外子会社との間における過年度取引の移転価格に関する調整金額であります。
※6.関係会社株式評価損
前事業年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
当社所有の国内関係会社株式を評価減したものであります 。
当事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当社所有の国内関係会社株式を評価減したものであります 。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2018年3月31日現在)
子会社株式及び関連会社株式で時価のあるものはありません。
当事業年度(2019年3月31日現在)
子会社株式及び関連会社株式で時価のあるものはありません。
(注)時価を把握することが極めて困難と認められる子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
区分
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
子会社株式 278,027 273,270
関連会社株式 907 1,282
合計 278,935 274,553
これらについては、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められるものであります。
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(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
繰延税金資産
税務上の繰越欠損金 -百万円 65,276百万円
有価証券等評価損 16,934 18,375
前払委託研究費・共同開発費等 13,279 14,100
未払金 - 12,125
減価償却費 10,213 10,532
前払費用等 7,496 6,207
たな卸資産評価損等 5,274 5,345
未払賞与 3,667 4,520
未払事業税等 4,183 354
訴訟損失引当金 11,607 -
7,056 10,254
その他
繰延税金資産小計
79,709 147,092
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額 - △30,652
△18,951 △20,140
将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額
評価性引当額小計 △18,951 △50,793
繰延税金資産合計
60,758 96,299
繰延税金負債
△15,557
その他有価証券評価差額金 △20,292
△11,959
未収入金 -
△5,466
固定資産圧縮積立金 △5,746
△1,929
前払年金費用 △2,272
長期未収入金 △11,425 -
△232
△371
その他
△35,145
繰延税金負債合計 △40,109
61,153
繰延税金資産(負債)の純額 20,649
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった
主要な項目別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
法定実効税率 30.7% 30.5%
(調整)
0.7 1.0
交際費等永久に損金に算入されない項目
△22.7 △25.2
受取配当金等永久に益金に算入されない項目
0.9 △36.0
評価性引当額増減
0.5 △146.3
法人所得税の不確実性に係る調整
△1.5 △1.4
試験研究費の法人税額特別控除
- △5.9
子会社株式に係る税効果の認識
0.5 0.6
その他
税効果会計適用後の法人税等の負担率 9.1 △182.7
(収益認識関係)
連結財務諸表注記の「24.売上収益」にて記載しているため、記載を省略しております。
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(重要な後発事象)
当社は、2019年4月25日付で、当社が保有する固定資産の譲渡及びリースバック取引を実行いたしました。
当社の資産圧縮及び保有資産の最適化が取引の理由であります。取引の詳細については、次のとおりでありま
す。
資産の名称 :第一三共日本橋ビル
資産の所在地 :東京都中央区日本橋三丁目14番地2
資産の種類 :土地及び建物
現況 :管理設備
譲渡契約締結日 :2019年3月29日
賃貸借契約締結日 :2019年4月25日
譲渡日(物件引渡日):2019年4月25日
譲渡益 :約159億円 ※
※譲渡益は、譲渡に係る費用等の見込額を控除した概算額であり、2020年3月期の第1四半期に
計上される予定であります。
本件における譲渡先の名称、譲渡価額及び帳簿価額については、譲渡先との取り決めにより、開示を控えさ
せていただきます。なお、譲渡先と当社との間には記載すべき資本関係、人的関係及び取引関係はなく、ま
た、当社の関連当事者には該当いたしません。
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④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
減価償却
区分 資産の種類 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期償却額 当期末残高
累計額
建物 62,180 2,905 1,095 3,923 60,066 89,990
3
構築物 2,349 17 188 2,176 5,504
機械及び装置 566 308 289 135 449 9,336
有
形
車両運搬具 0 - 0 - 0 27
固
工具、器具及び
定
6,240 3,080 216 2,606 6,499 42,609
備品
資
産
490
土地 15,346 78 - 14,934 -
建設仮勘定 609 6,398 6,088 - 919 -
8,183
計 87,292 12,789 6,853 85,045 147,467
特許権 530 - - 62 467 -
無
形
ソフトウエア 1,735 604 - 841 1,499 -
固
定
その他 20,520 654 - 4,662 16,512 -
資
産
計 22,786 1,259 - 5,566 18,479 -
【引当金明細表】
(単位:百万円)
科目 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
貸倒引当金 2,250 93 0 2,343
環境対策引当金 - 91 - 91
事業再編引当金 2,865 - 2,395 470
訴訟損失引当金 38,044 - 38,044 -
(注)「返品調整引当金」及び「売上割戻引当金」につきましては、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準
第29号 平成30年3月30日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 平
成30年3月30日)を当事業年度より早期適用しており、当期首時点で返金負債として流動負債の「その他」に
表示しているため、記載から除外しております。
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(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3)【その他】
当社、第一三共Inc.及び第一三共U.S.ホールディングスInc.並びにAllergan Sales, LLC(旧Forest
Laboratories, LLC)及びその関係会社は、オルメサルタンメドキソミルを含有する製剤(米国製品名「ベニ
カー」等)の服用により、スプルー様腸疾患(重症下痢等を主な症状とする疾患)等が発現したと主張する方々
から、米国連邦裁判所及び州裁判所において複数の訴訟を提起されておりますが、2017年8月に原告側と和解契
約を締結し、2018年3月に和解内容を一部変更する契約を締結いたしました。
本和解契約は、本訴訟における原告及び一定の基準を満たす未提訴者の97%が和解への参加を表明した場合等
に有効となり、その後、358百万米ドルが和解基金に支払われ、本和解合意の対象者は和解基金から支払いを受
けます。
なお、原告及び一定の基準を満たす未提訴者の97%以上が和解への参加を表明したこと等により、2018年6月
に本和解契約は有効となっております。これに伴い、前事業年度末において「訴訟損失引当金」に計上していた
和解基金への支払見込み額358百万米ドルが確定債務となったため、当事業年度においては、「未払金」に
39,741百万円を計上しております。また、前事業年度末において「長期未収入金」に計上していた保険により填
補される見込み額については、当事業年度において39,035百万円を「未収入金」に計上しております。
当社は、本訴訟における法的責任を認めるものではありませんが、本和解により早期解決を図る事が最善と判
断し、世界中の患者さんのために革新的な医薬品の開発及び提供に一層注力して参ります。
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第6【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 4月1日から3月31日まで
定時株主総会 6月中
基準日 3月31日
剰余金の配当の基準日 9月30日、3月31日
1単元の株式数 100株
単元未満株式の買取り・買増し
東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
取扱場所
三菱UFJ信託銀行株式会社証券代行部
東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
株主名簿管理人
三菱UFJ信託銀行株式会社
取次所 ―
買取・買増手数料 無料
当会社の公告方法は、電子公告とする。ただし、事故その他やむを得ない
事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済
公告掲載方法
新聞に掲載して行う。
公告掲載URL https://www.daiichisankyo.co.jp/
株主に対する特典 該当事項なし
(注)1.当会社の株主はその有する単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨
を、定款に定めております。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4) 株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
2.「株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律」
(平成16年法律第88条)の施行に伴い、単元未満株式の買取り・買増しを含む株式の取扱いは、原則とし
て、証券会社等の口座管理機関を経由して行うこととなっております。ただし、特別口座に記録されてい
る株式については、特別口座管理機関である三菱UFJ信託銀行株式会社が直接取り扱います。
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第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社は、法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
2018年6月18日
事業年度(第13期 自2017年4月1日 至2018年3月31日) 関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2018年6月18日
関東財務局長に提出
(3) 四半期報告書及び確認書
(第14期第1四半期 自2018年4月1日 至2018年6月30日) 2018年8月7日
(第14期第2四半期 自2018年7月1日 至2018年9月30日) 2018年11月6日
(第14期第3四半期 自2018年10月1日 至2018年12月31日) 2019年2月6日
関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令
2018年6月19日
第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書であります。
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令
2018年7月31日
第19条第2項第12号の規定に基づく臨時報告書であります。
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令
2018年8月7日
第19条第2項第4号の規定に基づく臨時報告書であります。
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令
2018年12月26日
第19条第2項第3号の規定に基づく臨時報告書であります。
関東財務局長に提出
(5) 有価証券届出書及びその添付書類
2018年6月18日
2019年6月17日
関東財務局長に提出
(6) 有価証券届出書の訂正届出書
2018年6月19日
関東財務局長に提出
2018年6月18日に提出した有価証券届出書に係る訂正届出書であります。
(7) 訂正発行登録書
2018年4月2日
2018年6月19日
2018年7月31日
2018年8月7日
2018年12月26日
関東財務局長に提出
2017年7月14日に提出した発行登録書に係る訂正発行登録書であります。
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有価証券報告書
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
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独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2019年6月17日
第一三共株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
指定有限責任社員
公認会計士
大塚 敏弘 印
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
山邉 道明 印
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
江森 祐浩 印
業務執行社員
<財務諸表監査>
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いる第一三共株式会社の2018年4月1日から2019年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状
態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務諸
表注記について監査を行った。
連結財務諸表に対する経営者の責任
経営者の責任は、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則第93条の規定により国際会計基準に準拠して連
結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作
成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
監査人の責任
当監査法人の責任は、当監査法人が実施した監査に基づいて、独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明するこ
とにある。当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準
は、当監査法人に連結財務諸表に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得るために、監査計画を策定
し、これに基づき監査を実施することを求めている。
監査においては、連結財務諸表の金額及び開示について監査証拠を入手するための手続が実施される。監査手続は、当
監査法人の判断により、不正又は誤謬による連結財務諸表の重要な虚偽表示のリスクの評価に基づいて選択及び適用され
る。財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、当監査法人は、リスク評価
の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、連結財務諸表の作成と適正な表示に関連する内部統制
を検討する。また、監査には、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りの評価
も含め全体としての連結財務諸表の表示を検討することが含まれる。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査意見
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、国際会計基準に準拠して、第一三共株式会社及び連結子会社の2019年3月31日
現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点
において適正に表示しているものと認める。
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有価証券報告書
<内部統制監査>
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、第一三共株式会社の2019年3
月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
内部統制報告書に対する経営者の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に
係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があ
る。
監査人の責任
当監査法人の責任は、当監査法人が実施した内部統制監査に基づいて、独立の立場から内部統制報告書に対する意見を
表明することにある。当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準
に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準は、当監査法人に内部統制報告書に重要な虚偽
表示がないかどうかについて合理的な保証を得るために、監査計画を策定し、これに基づき内部統制監査を実施すること
を求めている。
内部統制監査においては、内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するた
めの手続が実施される。内部統制監査の監査手続は、当監査法人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性
に基づいて選択及び適用される。また、内部統制監査には、財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果
について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討することが含まれる。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査意見
当監査法人は、第一三共株式会社が2019年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部
統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告
に係る内部統制の評価結果について、すべての重要な点において適正に表示しているものと認める。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社が連結財務諸表に添付す
る形で別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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第一三共株式会社(E00984)
有価証券報告書
独立監査人の監査報告書
2019年6月17日
第一三共株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
指定有限責任社員
公認会計士
大塚 敏弘 印
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
山邉 道明 印
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
江森 祐浩 印
業務執行社員
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いる第一三共株式会社の2018年4月1日から2019年3月31日までの第14期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、
損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
財務諸表に対する経営者の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示
することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が
必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
監査人の責任
当監査法人の責任は、当監査法人が実施した監査に基づいて、独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することに
ある。当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準は、
当監査法人に財務諸表に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得るために、監査計画を策定し、これに
基づき監査を実施することを求めている。
監査においては、財務諸表の金額及び開示について監査証拠を入手するための手続が実施される。監査手続は、当監査
法人の判断により、不正又は誤謬による財務諸表の重要な虚偽表示のリスクの評価に基づいて選択及び適用される。財務
諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、当監査法人は、リスク評価の実施に
際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、財務諸表の作成と適正な表示に関連する内部統制を検討する。
また、監査には、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りの評価も含め全体と
しての財務諸表の表示を検討することが含まれる。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査意見
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、第一三共
株式会社の2019年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績をすべての重要な点において適
正に表示しているものと認める。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社が財務諸表に添付する形
で別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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