株式会社ネクスグループ 有価証券報告書 第35期(平成29年12月1日-平成30年11月30日)
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提出者 | 株式会社ネクスグループ |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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株式会社ネクスグループ(E05702)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 東北財務局長
【提出日】 2019年2月26日
【事業年度】 第35期(自 2017年12月1日 至 2018年11月30日)
【会社名】 株式会社ネクスグループ
【英訳名】 NCXX Group Inc.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 秋山 司
【本店の所在の場所】 岩手県花巻市椚ノ目第2地割32番地1
【電話番号】 0198-27-2851(代表)
【事務連絡者氏名】 取締役管理本部本部長 齊藤 洋介
【最寄りの連絡場所】 東京都港区南青山五丁目4番30号
【電話番号】 03-5766-9870
【事務連絡者氏名】 取締役管理本部本部長 齊藤 洋介
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
回次 第31期 第32期 第33期 第34期 第35期
決算年月 2014年11月 2015年11月 2016年11月 2017年11月 2018年11月
(千円) 6,375,427 7,416,907 12,231,134 12,198,921 11,125,302
売上高
経常利益又は経常損失(△) (千円) 692,055 △ 810,412 △ 770,026 △ 940,251 △ 47,323
親会社株主に帰属する当期純利
益又は親会社株主に帰属する当 (千円) 630,311 △ 45,483 △ 1,068,435 902,592 △ 473,969
期純損失(△)
(千円) 654,412 33,876 △ 930,013 1,022,017 △ 481,499
包括利益
(千円) 3,551,077 4,726,400 3,800,538 4,526,047 3,953,120
純資産額
(千円) 6,979,008 14,303,095 13,459,907 11,532,367 9,302,807
総資産額
(円) 276.14 308.98 241.60 259.74 216.02
1株当たり純資産額
1株当たり当期純利益又は当期
(円) 54.07 △ 3.14 △ 71.77 60.68 △ 31.82
純損失(△)
潜在株式調整後1株当たり当期
(円) 51.60 - - - -
純利益金額
(%) 48.7 32.0 26.7 33.5 34.6
自己資本比率
(%) 21.5 △ 1.1 △ 26.1 24.2 △ 13.4
自己資本利益率
(倍) 9.3 - - 6.5 -
株価収益率
営業活動によるキャッシュ・フ
(千円) 1,448,650 △ 1,090,008 341,581 △ 1,388,039 981,015
ロー
投資活動によるキャッシュ・フ
(千円) △ 851,134 △ 844,920 686,866 3,929,054 △ 1,099,133
ロー
財務活動によるキャッシュ・フ
(千円) 2,072,665 829,467 △ 2,047,010 △ 1,851,972 △ 1,389,394
ロー
(千円) 3,930,484 2,905,141 1,881,667 2,529,595 1,022,774
現金及び現金同等物の期末残高
235 712 873 272 303
従業員数
(名)
(外、平均臨時雇用者数) ( -) ( -) ( 423 ) ( 286 ) ( 345 )
(注)1 売上高には、消費税等は含まれておりません。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、第32期、第33期、第35期においては潜在株式は存
在するものの、1株当たり当期純損失であるため、第34期においては希薄化効果を有する潜在株式がない
ため、記載しておりません。
3 株価収益率については、第32期、第33期、第35期においては1株当たり当期純損失であるため、記載して
おりません。
4 従業員数欄の(外数)は、平均臨時雇用者数です。なお、第31期から第32期までの臨時雇用者はその総数
が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。
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(2)提出会社の経営指標等
回次 第31期 第32期 第33期 第34期 第35期
決算年月 2014年11月 2015年11月 2016年11月 2017年11月 2018年11月
(千円) 2,829,781 248,481 27,168 94,867 152,334
売上高
経常利益又は経常損失(△) (千円) 688,583 △ 202,598 △ 154,498 △ 868,093 △ 579,542
当期純利益又は当期純損失
(千円) 619,850 94,558 △ 75,172 △ 599,082 △ 1,304,152
(△)
(千円) 1,212,248 1,819,748 1,819,748 10,000 10,000
資本金
(株) 12,317,000 15,030,195 15,030,195 15,030,195 15,030,195
発行済株式総数
(千円) 3,378,213 4,737,277 4,660,745 4,149,577 2,800,445
純資産額
(千円) 6,094,861 9,060,409 9,067,281 8,272,319 5,477,533
総資産額
(円) 274.20 315.97 310.67 276.92 186.05
1株当たり純資産額
- - - - -
1株当たり配当額
(円)
(内、1株当たり中間配当額) ( -) ( -) ( -) ( -) ( -)
1株当たり当期純利益又は当期
(円) 53.17 6.50 △ 5.02 △ 40.16 △ 87.50
純損失(△)
潜在株式調整後1株当たり当期
(円) 50.75 - - - -
純利益金額
(%) 55.4 52.2 51.2 49.9 50.6
自己資本比率
(%) 21.2 2.0 △ 1.6 △ 13.7 △ 37.8
自己資本利益率
(倍) 9.5 128.7 - - -
株価収益率
(%) - - - - -
配当性向
38 3 2 8 29
従業員数
(名)
(外、平均臨時雇用者数) ( -) ( -) ( ▶ ) ( 11 ) ( 14 )
(注)1 売上高には、消費税等は含まれておりません。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、第33期から第35期においては潜在株式は存在する
ものの、1株当たり当期純損失であるため、第32期においては希薄化効果を有する潜在株式がないため、
記載しておりません。
3 株価収益率については、第33期から第35期においては1株当たり当期純損失であるため、記載しておりま
せん。
4 従業員数欄の(外数)は、平均臨時雇用者数です。なお、第31期及び第32期の臨時雇用者はその総数が従
業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。
5 第32期の売上高及び営業収益並びに従業員数の大幅な変動は、当社が2015年4月1日に会社分割(簡易新
設分割)により新設子会社にデバイス事業を承継させたことによるものであります。
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2【沿革】
年月 変遷の内容
1984年4月 本多通信工業株式会社グループ企業が出資する本多通信工業グループ会社として本多エレクトロン株式
会社を資本金1,000万円で設立、本店を目黒区碑文谷に設置、通信回線用機器の設計、製造を開始(後
にデジタルホームネットワーク事業。現:デバイス事業)
1984年6月 岩手県水沢市に水沢工場開設、ファクシミリ組み立てなど一部操業開始
1985年8月 岩手県花巻市に花巻工場第1期工事完成、操業開始
1985年10月 富士通株式会社半導体事業部岩手工場向けホットチャックプローバーの開発により半導体製造装置事業
を開始
1986年5月 株式会社富士銀行向けの回線切替装置の開発によりシステム&サービス事業を開始
1986年8月 財団法人岩手県高度技術振興機構の設立に参加
1987年2月 花巻工場に水沢工場を統合
1987年7月 花巻工場第2期工事完成、操業開始
1987年8月 港区芝浦に本店移転
1988年4月 富士通株式会社端末機事業部向けネットワーク監視システム用モデムアダプタの開発によりモデム事業
(後にデジタルホームネットワーク事業。現:デバイス事業)を開始
1998年9月 北部通信工業株式会社及び同グループ会社が筆頭株主となる
1998年11月 中央区日本橋本町に本店移転
1999年10月 ISO品質認証取得(ISO9001 JQA-QM3856)
2000年6月 北部通信工業株式会社及び同グループ会社保有の全当社株式をエフェットホールディング株式会社及び
エフェットホールディング株式会社運用の投資ファンドに譲渡
2002年2月 DDIポケット株式会社(現株式会社ウィルコム)向けにPHS方式で世界初の128Kbpsデータ通
信カードを発売、モバイル&ワイヤレス事業(現:デバイス事業)が拡大
2002年6月 花巻R&Dセンターを開設
2003年1月 BCN AWARDモデム部門で最優秀賞受賞
2003年2月 モバイル&ワイヤレス事業強化を目的としてジェコム株式会社を100%子会社化
2003年4月 ジェコム株式会社を合併
2003年4月 東京R&Dセンターを開設
2003年9月 東京都中央区京橋に本店移転
2003年12月 ISO環境認証取得(ISO14001 JQA-EM3575)
2004年6月 株式会社インデックスが大株主からの株式譲受により当社を子会社化、出資比率64.43%
2005年1月 BCN AWARDモデム部門で最優秀賞受賞
2005年6月 半導体製造装置事業を芝浦メカトロニクス株式会社に営業譲渡
2005年8月 インデックスネットワークス株式会社に商号変更
2005年9月 株式会社ネットインデックスに商号変更
2005年9月 100%子会社である株式会社本多エレクトロン花巻工場を新設物的分割により設立、同月22日に株式会
社ネットインデックス・イー・エスに商号変更
2005年9月 100%子会社である株式会社ネットモバイルを設立、3.5G/次世代端末の開発を開始しモバイル&ワイ
ヤレス事業を強化
2007年3月 新規携帯事業者株式会社イー・モバイル向けに3.5Gデータ通信カードを発売開始
2007年6月 株式会社ジャスダック証券取引所に株式を上場
2007年10月 システム&サービス事業の強化を目的として株式会社テック・インデックスを子会社化
2009年2月 子会社株式会社テック・インデックスの全株式を売却
2010年4月 ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQ市場に上場
2010年8月 東北地区に携帯電話販売店「ウィルコムプラザ」を開設し、サービス&ソリューション事業を開始
2010年11月 子会社各社(株式会社ネットインデックス・イー・エス及び株式会社ネットモバイル)を吸収合併
岩手県花巻市に本店を移転
2012年2月 サービス&ソリューション事業を株式会社コスモネットに事業譲渡
2012年7月 株式会社フィスコが当社を子会社化(議決権比率53.59%)
株式会社フィスコからイー・旅ネット・ドット・コム株式会社の株式を取得し、イー・旅ネット・ドッ
ト・コム株式会社及び同社の子会社3社を子会社化するとともに、インターネット旅行事業を開始
2012年12月 株式会社ネクスに商号変更
2013年12月 株式会社ネクス・ソリューションズ及びCare Online株式会社(現:株式会社ケア・ダイナ
ミクス)を子会社化
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年月 変遷の内容
2014年2月 株式会社ネクス・ソリューションズが株式会社SJI(現:株式会社カイカ)のシステム開発事業の一
部を吸収分割により承継
2015年4月 株式会社ネクスから株式会社ネクスグループに商号変更
100%子会社である株式会社ネクスを新設分割により設立。デバイス事業を承継し、持株会社へ移行
2015年6月 株式会社SJI(現:株式会社カイカ)を子会社化
2016年8月 株式会社チチカカを子会社化するとともにブランドリテールプラットフォーム事業を開始
2016年10月 イー・旅ネット・ドット・コム株式会社(連結子会社)が株式会社グロリアツアーズを子会社化
2016年12月 株式会社バーサタイル及びFISCO International Limitedを子会社化
2017年5月
株式会社バーサタイルが株式会社ファセッタズムを子会社化
2017年7月
株式会社イーフロンティアを子会社化
2017年8月
株式会社ネクス・ソリューションズの発行株式51%を株式会社カイカに譲渡し、連結子会社から持分法
適用関連会社化
2018年1月
株式会社ネクス・ソリューションズの発行株式49%を株式会社カイカと株式交換を行うことにより、株
式会社ネクス・ソリューションズを持分法適用関連会社から除外し、株式会社カイカが株式会社ネク
ス・ソリューションズを完全子会社化
2018年4月
FISCO International LimitedがNCXX International Limitedに商号変更
2018年7月
仮想通貨関連事業の新たな取り組みとしてマイニング事業を開始
2018年10月
株式会社カイカの保有株式売却により持分法適用関連会社から除外
2018年11月
株式会社バーサタイルが事業の一部を会社 分割し、株式会社バーサタイルの 完全子会社として 株式会社
ネクスプレミアムグループ及び 株式会社ネクスファームホールディングスを新設
株式会社バーサタイルから 株式会社ネクスプレミアムグループ及び 株式会社ネクスファームホールディ
ングスの株式を取得し、完全子会社化
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3【事業の内容】
当社グループは、当社及び連結子会社 14社 から構成されております。また、当社グループは、当社の主たる親会社
である株式会社フィスコのグループに属しております。
当連結会計年度末における当社グループのセグメントの事業内容及び当社と主な関係会社の当該事業に係る位置付
けは次のとおりであります。
セグメントの名称 事業内容 担当会社
経営管理 グループ経営管理 ㈱ネクスグループ
IoT関連事業 各種無線方式を適用した通信機器の開発、販売 ㈱ネクスグループ
上記にかかわるシステムソリューション提供及び ㈱ネクス
保守サービスの提供 ㈱ケア・ダイナミクス
農業ICT事業 ㈱イーフロンティア
ロボット事業のR&D
介護事業所向けASPサービス
インターネット旅行事業 旅行関連商品のe-マーケットプレイス運営 イー・旅ネット・ドット・コム㈱
法人及び個人向旅行代理業務
㈱ウェブトラベル
旅行見積りサービス
㈱グロリアツアーズ
コンシェルジュ・サービス
ブランドリテールプラッ 雑貨及び衣料などの小売業 ㈱ネクスグループ
トフォーム事業 飲食業 ㈱チチカカ
㈱バーサタイル
ブランドライセンス事業
㈱ファセッタズム
ぶどうの生産、ワインの醸造及び販売
Versatile Milano S.R.L.
MEC S.R.L.SOCIETA' AGRICOLA
NCXX International Limited
㈱ ネクスプレミアムグループ
㈱ ネクスファームホールディング
ス
仮想通貨・ブロック 仮想通貨に関する投資 ㈱ネクスグループ
チェーン事業 仮想通貨の売買、消費貸借 ㈱イーフロンティア
仮想通貨に関する派生商品の開発、運用 ㈱チチカカ
仮想通貨に関するファンドの組成
その他 財務戦略、事業戦略、リクルート支援業務等の各種 ㈱バーサタイル
コンサルティング業務 NCXX International Limited
その他
㈱ ネクスプレミアムグループ
また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財
務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
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また、事業の系統図は、次のとおりであります。
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4【関係会社の状況】
議決権の所有
資本金又は出
割合又は
住所 資金 主要な事業の内容 関係内容名称
被所有割合
(百万円)
(%)
(親会社)
被所有 48.51
情報サービス事業、コンサルティン
株式会社フィスコ
大阪府岸和田市 1,269 役員の兼務有り
(注)2、4
グ事業
(20.13)
(その他の関係会社)
株式会社フィスコダイヤモンド
被所有 20.13
東京都港区 広告代理業 役員の兼務有り
407
エージェンシー
(連結子会社)
株式会社ネクス(注)3 岩手県花巻市 310 IoT関連事業 51.00 役員の兼務有り
(連結子会社)
株式会社ケア・ダイナミクス
東京都港区 10 IoT関連事業 100.00 役員の兼務有り
(注)3
(連結子会社)
イー・旅ネット・ドット・コ
大阪府岸和田市 374 インターネット旅行事業 77.71 役員の兼務有り
ム株式会社(注)3
(連結子会社)
77.71
株式会社ウェブトラベル
東京都港区 80 インターネット旅行事業 -
(注)3、4、5
(77.71)
(連結子会社)
77.71
株式会社グロリアツアーズ
東京都港区 32 インターネット旅行事業 役員の兼務有り
(注)3、4
(77.71)
(連結子会社)
ブランドリテールプラットフォーム
株式会社チチカカ
神奈川県横浜市 10 事業、 仮想通貨・ブロックチェーン 90.00 役員の兼務有り
(注)3、6、8
事業
(連結子会社)
株式会社バーサタイル ブランドリテールプラットフォーム
東京都港区 役員の兼務有り
95 93.68
事業、その他
(注)3、9
(連結子会社)
100.00
Versatile Milano S.R.L.
ブランドリテールプラットフォーム
Italy 10,000€ -
事業
(注)3、4
(100.00)
(連結子会社)
90.91
MEC S.R.L SOCIETA' AGRICOLA
ブランドリテールプラットフォーム
Italy 55,560€ -
事業
(注)3、4
(90.91)
(連結子会社)
69.93
株式会社ファセッタズム ブランドリテールプラットフォーム
東京都渋谷区
90 -
事業
(注)3、4
(69.93)
(連結子会社)
株式会社イーフロンティア IoT関連事業 、 仮想通貨・ブロック
東京都港区 役員の兼務有り
100 99.93
(注)3、7 チェーン事業
(連結子会社)
Wanchai,
NCXX International Limited
ブランドリテールプラットフォーム
25,000千HK$ 100.00 -
事業、その他
(注)3
Hong Kong
(連結子会社)
株式会社ネクス
ブランドリテールプラットフォーム
プレミアムグループ
東京都港区 1 100.00 役員の兼務有り
事業、その他
(注)3
(連結子会社)
株式会社ネクスファーム
ブランドリテールプラットフォーム
ホールディングス
東京都港区 役員の兼務有り
1 100.00
事業
(注)3
(注)1 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2 株式会社フィスコは有価証券報告書を提出しております。
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3 株式会社ネクス、株式会社ケア・ダイナミクス、イー・旅ネット・ドット・コム株式会社、株式会社ウェブ
トラベル、株式会社グロリアツアーズ、株式会社チチカカ、株式会社バーサタイル、Versatile Milano
S.R.L、 MEC S.R.L SOCIETA' AGRICOLA、株式会社ファセッタズム、株式会社イーフロンティア、 NCXX
International Limited、株式会社ネクスプレミアムグループ、株式会社ネクスファームホールディングス
は、特定子会社に該当しております。
4 「議決権の所有割合又は被所有割合」欄の( )内は、間接所有又は間接被所有割合を内数として記載してお
ります。
5 株式会社ウェブトラベルについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占め
る割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1)売上高 1,716,611千円
(2)経常利益 49,824千円
(3)当期純利益 32,017千円
(4)純資産額 283,231千円
(5)総資産額 719,543千円
6 株式会社チチカカについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合
が10%を超えております 。
主要な損益情報等 (1)売上高 5,725,911千円
(2)経常損失 688,603千円
(3)当期純損失 724,667千円
(4)純資産額 △2,444,280 千円
(5)総資産額 2,314,236千円
7 株式会社イーフロンティアについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占
める割合が10%を超えておりますが、 仮想通貨・ブロックチェーン事業 の売上高に占める株式会社イーフロ
ンティアの売上高(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む。)の割合が 100分の90を超えているた
め、主要な損益情報等の記載を省略しております。
8 債務超過会社で債務超過の額は、2018年11月末時点で2,444,280千円となっております。
9 債務超過会社で債務超過の額は、2018年11月末時点で2,259,402千円となっております。
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5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2018年11月30日現在
セグメントの名称 従業員数(名)
22 (15)
IoT関連事業
15 (―)
インターネット旅行事業
ブランドリテールプラットフォーム事業 227(326)
2 (―)
仮想通貨・ブロックチェーン事業
6 (―)
その他
31 (4)
全社(共通)
合計 303(345)
(注)1 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者(パート及び嘱託社員)は( )内に年間の平均人員を外数で記載
しております。
2 全社(共通)と記載されている使用人は、特定の事業に区分できない管理部門に所属しているものでありま
す。
(2)提出会社の状況
2018年11月30日現在
従業員数(名) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(千円)
29(14) 44.1 1.2 5,592
セグメントの名称 従業員数(名)
IoT関連事業 12(14)
ブランドリテールプラットフォーム事業 2(―)
仮想通貨・ブロックチェーン事業 1(―)
全社(共通) 14(―)
合計 29(14)
(注)1 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者(パート及び嘱託社員)は( )内に年間の平均人員を外数で記載
しております。
2 平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。
(3)労働組合の状況
労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は円滑に推移しております。
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1)経営方針
当社グループでは、長年培った自社通信技術を基礎として「モバイル・ワイヤレスコミュニケーションのパイオニ
ア(先駆者)」として成長を続けつつ、より良い製品・サービスを提供することによって経済社会に貢献していくこ
とを社是としております。
また、当社グループの提供する通信技術・製品が、人と人とのコミュニケーションだけでなく、人と機械、あるい
は機械と機械の通信に幅広く使われること、また、コミュニケーションの円滑化を通して実りある豊かな社会が創造
されることを願い、『新しい「伝わる」と新しい「つながる」でつぎの「楽しい」を創る』を経営理念として掲げて
おります。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、高付加価値による収益性の高い企業を目指しており、経営指標としては売上高総利益率及び売
上高営業利益率を重要な経営指標として考えております。
また、M&A等の投資につきましては、グループ戦略上の意義と回収の態様、そして回収期間を明確にしてガバナン
スを効かせることによりバランスを図っております。
(3)中長期的な経営戦略
当社グループでは、技術開発力に裏打ちされたデバイス製品だけではなく、サーバーや管理システム、さらにはエ
ンドユーザーに対するアプリケーションをワンストップで提供することにより、注力するM2M市場全体をカバーする
ことで、高い収益性を維持し、また会社財産の安定性を確保した経営を目指しております。そのためには、急激に変
化する事業環境を適切に捉え、成長性と収益性とのバランスのとれた施策を講じてまいります。
なお、中期的経営戦略において注力すべき事項は以下のとおりであります。
① 付加価値の最大化
・株主、社員への利益還元の拡大
・企業価値の増大
② 収益性の向上
・現在の成長の維持と管理コストの比率の低減
・グループ連携をした、高付加価値サービスの創造
③ コアコンピタンスの強化
・モバイル通信技術の資産応用による新製品商用化への投資、開発
・国内外企業との開発提携―共同開発
・ライセンスビジネスの立ち上げ
④ デバイス事業の強化
・IoT市場の需要に適合したハードウェアからソフトウェアサービスまでを一気通貫で提供
・AI、フィンテックなどの最新技術を取り入れたIoTデバイスおよびサービスの開発
⑤ 事業ドメインの拡大
・「IoT×◯◯」で、各産業に対して幅広いサービスを提供する
(4)対処すべき課題等
当社グループは営業利益黒字化並びに売上拡大を目指すことが当面の対処すべき課題であると認識しており、以下
に示す取り組みを推進してまいります。
①事業構造改革の推進
株式会社チチカカ、株式会社イーフロンティア、株式会社ケア・ダイナミクスをはじめとするグループ会社相互
のグループシナジー、組織再編や取引先口座共有による営業力の強化、事業収益性の強化を図ります。
② IoT関連事業 の拡大
IoT市場の成長にあわせ事業拡大を図るとともに、注目の高い自動車テレマティクス分野、フィンテック分野
(ブロックチェーン、仮想通貨関連)のサービスの拡大を目指します。
③財務体制の強化
今後の成長に向けた各種資本政策を推進してまいります。
④事業ポートフォリオの分散化
今まで培ってきた通信機器開発のノウハウをベースに異業種へのIoT化を推進してまいります。あわせて、通信
機器ハードのみの提供に限らず、ソフトウェアを含めたトータルソリューションの提供を目指します。
⑤ブランドイメージ戦略
積極的な広報活動の推進を行ってまいります。
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⑥成長分野と通信の融合
農業事業、ロボット事業など、今後の成長が期待される分野と当社グループの持つ技術資産を融合させ、新たな
サービスを創造してまいります。
2【事業等のリスク】
当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項について記載してお
ります。また、当社グループは、当社グループでコントロールできない外部要因や、必ずしも事業上のリスクに該当
しない事項についても投資判断上重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から、
以下に開示しております。
以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであり、不確実
性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)事業の特徴について
① 研究開発型企業であることについて
当社グループには研究開発型企業が存在するため、常に新しい技術をグループ内に蓄積していくことが競争力の
源泉となります。このため、優秀な技術者の確保と育成が困難になった場合、または優秀な人材が流出した場合、
当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、研究開発活動等によって技術等の進展に対応していく方針でありますが、当社グルー
プが想定していないような新技術等により事業環境が変化した場合、必ずしも迅速には対応できないおそれがあり
ます。また事業環境の変化に対応するために研究開発費等の費用が多額となる可能性も否定できません。このよう
な場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② ファブレス経営について
当社グループは、モバイル通信機器等の製造の大部分を外部にアウトソースしております。このため、アウト
ソース先企業の経営状況や当社グループによる今後のアウトソース先の開拓・維持、およびグループ内製造の対応
の状況が、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 通信事業者との関係について
当社グループの主力製品であるデータ通信端末などのモバイル通信機器は、通信事業者の仕様に基づいて開発、
生産され、通信事業者が全量を買い取る取引形態となっております。このため、通信事業者との契約の内容の変
更、販売価格や取引条件の変更、及び新規契約の成否が、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があ
ります。
④ モバイル通信機器需要の変動について
当社グループが開発、製造しているデータ通信端末などのモバイル通信機器は、製品間の競争が激しく、技術の
進化、競合製品の状況等により需要動向が大きく変動する傾向を有しております。また、短期間で新製品が投入さ
れるという性質を持っております。当社グループでは、ファブレス経営により需要の変動に対応していく方針であ
りますが、現時点において当社グループが開発、製造する製品数は少なく特定の製品に依存しているため、競合会
社の事業戦略や顧客ニーズの変化等によるモバイル通信機器の需要動向の大幅な変化や販売価格の低下等により、
当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定取引先への依存について
2018年11月期において、TRICHEER TELECOMMUNICATION LTDへ当社グループの主要なモバイル通信端末の製造をア
ウトソースしております。当社グループと同社の取引方針の変更や生産体制の変更等が、当社グループの事業及び
業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)知的財産権の保護に関するリスクについて
当社グループは、研究開発型企業として複数の知的財産を保有し、特許権の出願・登録、意匠権・商標権の登録
を行っております。当社グループは、当社グループの開発、製造する製品が第三者の知的財産権を侵害することが
ないよう努めており、現時点において侵害はないものと認識しております。ただし、将来において第三者の知的財
産権への侵害が生じてしまう可能性は否定できません。当社グループが第三者の知的財権を侵害した場合、損害賠
償請求、信用低下、企業ブランド価値の劣化などにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があ
ります。また、当社グループの知的財産が第三者によって侵害された場合には、侵害者に対する訴訟やその他防衛
策を講じるために経営資源を割くことを余儀なくされ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があり
ます。
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(4)品質管理について
当社グループは、モバイル通信機器の開発、製造を行っており、製品に不具合が生じた場合、製品の回収や修理
が必要となり、製品の欠陥が理由で事故が生じた場合、製造物責任法(PL法)により損害賠償請求を受ける可能
性があります。
当社グループでは、こうした不具合・事故が生じないよう、外注先、仕入先の管理を含め品質管理体制の整備、
安全性の向上、法令遵守を推進することに加え、事故が生じたときのために製造物賠償責任保険(PL保険)に加
入しております。しかしながら、当社グループの予見できない事由により、重大な不具合やPL法に抵触する事態
が生じた場合、回収・修理費用や損害賠償の負担、当社グループに対する顧客企業及び社会全般からの信用低下、
企業ブランドの価値劣化などにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)通信に関する法的規制等について
当社グループは、電波法による規制を受ける製品を中心に開発しております。このため、電波法及び通信にかか
わる法的規制等の動向が、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)個人情報保護について
当社グループでは、モバイル通信機器の販売・サポート、衣料品・雑貨の販売等に関連して個人情報等を保持し
ております。当社グループでは、取得した個人情報等の外部漏洩を防止するため、個人情報へのアクセス制限、定
期的な内部監査による内部統制の強化などにより十分な注意を払っておりますが、個人情報の漏洩が生じた場合、
法令違反、顧客企業との契約上の守秘義務違反を引き起こす可能性があります。こうした事態が発生した場合、顧
客企業等からの損害賠償請求や、当社グループに対する顧客企業及び社会全般からの信用低下、企業ブランドの価
値劣化などにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)会社組織について
当社グループは、さらなる成長を達成し、同時に内部管理体制を一段と強化するために、今後の事業発展の段階
に応じて、優秀な人材の強化、および管理部門組織の一層の充実を図る必要があると考えております。このため、
事業展開に必要な段階で人材を強化できない場合や優秀な人材が流出した場合、当社グループの事業及び業績に影
響を及ぼす可能性があります。
(8)親会社との関係について
株式会社フィスコ(東京証券取引所JASDAQ(グロース)上場)は、当連結会計年度末日において、間接所
有割合を含め、当社の議決権総数の48.51%を保有している親会社であり、また、SEQUEDGE INVESTMENT
INTERNATIONAL LIMITEDは、当社のその他の関係会社に該当いたします。
当社は株式会社フィスコを中心とする企業グループ(以下、「親会社グループ」という。)に属しております。
このため、親会社グループの経営方針の変更等が、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)為替相場の変動
当社グループは価格競争力及び収益力の向上等を目的として、海外メーカー等に当社グループ製品の一部を生産
委託しております。そのため外貨建ての取引が為替相場の変動による影響を受けることとなります。為替予約等の
活用や商品ポートフォリオの組み換え等により影響の軽減に努めておりますが、今後の取引の状況及び為替相場の
動向により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、海外において資産を保有していることから、当社グループの経営成績・財政状態は為替
相場の変動の影響を受ける可能性があります。さらに、海外または日本の法規制や政策の変更等により、送金が円
滑に行い得ない状況となった場合には、当社グループの業務、会計処理が影響を受ける可能性があり、その結果、
当社グループの経営成績・財政状態が影響を受ける可能性があります。
(10)システム開発プロジェクトの採算性について
当社グループが請け負うシステム開発では、顧客の要求する機能を実現するために必要な延べ作業時間(作業工
数)を受注活動の準備段階で予め見積もり、制作に要するコストを確定させております。しかし、開発作業におい
て何らかのトラブルがあり、予め見積もっていた作業時間を超える作業が発生した場合には、その費用を当社グ
ループが負担せねばならない場合があります。
また、開発途中に仕様変更が生じ、作業工数の増加が生じたものの、その費用負担が当社グループに求められる
場合があります。
さらに、開発したシステムを顧客に納品し、顧客が異常なしと判断して検収が完了したにも関わらず、その後不
具合が発生した場合にもその解消を当社の費用負担で行わねばならない場合があります。
そこで、当社グループでは、契約時における見積もりの精度の向上をはかるべく、開発工程(フェーズ)ごとに細
かく見積もりを行う等、見積もり作業工数と実際作業工数との乖離が生じないよう努めております。プロジェクト
の採算性には十分留意していく方針ではありますが、開発案件の大型化や受注獲得の競争激化等によって、採算性
が悪化する可能性があります。
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(11)投融資について
当社グループでは、今後の事業拡大のために、国内外を問わず設備投資、子会社設立、合弁事業の展開、アライ
アンスを目的とした事業投資、M&A等を実施する場合があります。
当社グループといたしましては、投融資案件に対しリスクおよび回収可能性を十分に事前評価し投融資を行って
おりますが、投融資先の事業の状況が当社グループに与える影響を確実に予想することは困難な場合もあり、投融
資額を回収できなかった場合、当社グループの経営成績・財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)商品仕入れについて
当社グループのうち、株式会社チチカカ(以下チチカカ)で販売する商品の多くは、海外からの輸入によるもの
です。このため、当該国における予期しない法規制の変更、政情不安、大規模な自然災害の発生、社会的混乱や、
為替レートの著しい変動が発生した場合、同社への商品供給体制に影響を及ぼし、当社グループの経営成績、財政
状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)固定資産の減損
当社グループでは、損益が継続してマイナスである店舗及び移転・退店が決定した店舗のうち、固定資産簿価を
回収できないと判断した資産について減損損失を認識しております。今後、損益が継続してマイナスである店舗が
増加した場合、多額の減損損失を計上することも予想され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能
性があります。
(14)店舗移転・閉鎖に伴う損失について
当社グループではテナント契約期間満了により、移転または閉鎖を行うことがあります。この場合、原状回復に
伴う固定資産撤去、移転先への新規投資等を行うため、コストが発生いたします。今後、移転・閉鎖店舗が増加し
た場合、多額の固定資産除却損、販売管理費を計上することも予想され、当社グループの業績及び財政状態に影響
を及ぼす可能性があります。
(15)仮想通貨の運用について
当社グループは、仮想通貨運用のリスクとして、仮想通貨の価格変動や、仮想通貨市場の混乱等で仮想通貨市場
において取引ができなくなる、または通常より不利な取引を余儀なくされることによる損失リスクや、仮想通貨の
デリバティブ取引システムの障害、仮想通貨取引所のシステムの障害および経営破綻、サーバーへの不正アクセス
による盗難等があります。当社においてはリスク管理を徹底しておりますが、万が一これらのリスクが顕在化した
場合には、対応費用の増加、当社への信用の低下等が発生する可能性があり、当社の経営成績、財政状態が影響受
ける可能性があります。
(16)災害等について
店舗施設、倉庫等の周辺地域において、大規模な自然災害や事故等が発生し、同施設等に物理的な損害が生じ、
販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、また人的被害があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影
響を及ぼす可能性があります。
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績の状況
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断し
たものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や金融政策を背景に、企業収益は回復傾向にあります
が、その一方で海外の不安定な政治動向や地政学リスクが与える影響の懸念などもあり、景気の先行きは依然不透
明な状況が続きました。
政府が成長戦略に盛り込む第4次産業革命では、車や家電などすべてのものがインターネットに接続され、現実
世界(Physical Part)の制御対象の様々な状態を数値化し、仮想世界(Cyber Part)において定量的に分析する
ことで新しい知見を引き出し、さらに現実世界へフィードバック及び制御するCyber-Physical Systemが実現され
ることになり、現実世界のビッグデータをIoT技術によって保持、収集する能力、それらを仮想世界においてAIや
ブロックチェーンによって管理、分析する能力が重要と言われています。
当社が注力するCPS/IoTの市場規模は、2016年に世界で194.0兆円、日本で11.1兆円にあがり、2030年には世界で
404.4兆円、日本で19.7兆円とそれぞれ成長することが見込まれています。また、日本国内で成長率の著しい分野
として「農業」が、年平均20.2%の伸び率となっております。(出所:一般社団法人電子情報技術産業協会「注目分
野に関する動向調査2017」)
このような事業環境において、2018年1月に当社は、株式会社フィスコ仮想通貨取引所(以下FCCE)と、当社子会
社の株式会社イーフロンティア(以下イーフロンティア)が行う、仮想通貨向けのAIトレーディングシステム開発に
あたり、業務提携契約を締結いたしました。また、イーフロンティアでは、開発中のソフトの実証試験をかねて、
ビットコインに対する投資を開始し、一定の成果を上げることに成功いたしました。また、同じく2018年1月に、
持分法適用会社であった株式会社ネクス・ソリューションズ(以下ネクス・ソリューションズ)は、同じく持分法
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適用会社であった株式会社カイカ(以下カイカ)との間で、ネクス・ソリューションズがカイカの完全子会社とな
るための株式交換を行いました。カイカはネクス・ソリューションズを完全子会社化することにより、一層の業務
の 効率化・シナジーを拡大し、連結収益力の強化及び連結企業価値の向上を図り、当社とネクス・ソリューション
ズは、上記異動後もIoT関連の共同開発を継続して行っております。
加えて、2018年2月には、当社のブランドリテールプラットフォーム事業とのシナジーを期待し、アパレルブラ
ンドである株式会社シーズメン(JASDAQ上場、証券コード「3083」、本社:東京都中央区、代表取締役社長:青木
雅夫)の第三者割当増資の一部を引受け、資本業務提携を行いました。
2018年4月に当社は、今後注力していく、AIソリューションの提供ならびにブロックチェーン技術を利用した分
散型アプリケーション提供のための基礎研究開発と、農業ICTシステムの開発のために、第三者割当による第7回
無担保転換社債型新株予約権付社債を発行し200百万円の資金調達を実施しました。
2018年7月には当社本社(岩手県花巻市)において仮想通貨のマイニング事業を開始することを決議しました。仮
想通貨のマイニング(採掘)とは、ネットワーク上に存在する取引データの固まり(ブロック)の整合性を確保するた
めの承認作業のことで、最も早く承認できたものに対して、報酬として対象とする仮想通貨が支払われます。この
承認作業を行うには、大量の計算が必要なため、高性能なコンピューターが必要となります。通常、マイニング事
業を行うためには、マイニング機器の発熱を抑えるための相当数の冷却ファンや空調設備、またそれらを設置する
スペースや稼働させるための膨大な電力が必要とされており、これらの問題をいかに効率よく低コストで抑えるか
が事業のポイントとされています。岩手県花巻市は寒冷地となり、冬場は氷点下まで気温が下がり、夏場の平均気
温も23.8度(出所:気象庁)と低く、1年を通してその大部分を自然換気による冷却に頼ることで電気代の大幅な低
減が見込めます。また、岩手県における再生可能エネルギーのポテンシャルは全国で2位となっており、特に風力
発電、地熱発電では非常に高いポテンシャルを持っております。将来的には、このような豊富な再生エネルギーを
利用した安価な電力調達も視野に入れていく予定です。さらに、マイニング機器により排出される熱を、当社の農
業ICT事業(NCXX FARM)へ活用していきます。NCXX FARMでは1年を通してビニールハウスによるミニトマトの栽培
を行っており、冬場は外気が氷点下となるため、24時間ヒーターを稼働しビニールハウス内を野菜の育成に最適な
温度に保っております。マイニング機器も24時間稼働しておりかなりの高熱を発するため、この熱を利用すること
で冬場の暖房費の削減を行います。将来的には、排熱の利用だけではなく、マイニングしたコインにより農業事業
に必要な苗や肥料、薬剤などの仕入を行うなど、自立回転型の農業システムの構築を目指します。このように、他
の事業も含めたトータルでの効率化を図ることで、電気代の安価な諸外国で行うマイニング事業とは一線を画し
た、ネクスグループ独自のマイニング事業を展開してまいります。
マイニング事業イメージ
2018年10月には、当社の成長資金確保のため持分法適用関連会社であるカイカの株式の一部を売却し、カイカ
が当社の持分法適用会社から除外されました。当社とカイカの資本業務提携に基づく協力関係は十分に築かれてお
り、今後も資本業務提携契約自体は変更無く継続することから、株式会社ネクス (以下ネクス) のIoT技術とカイ
カの持つブロックチェーン、AIの技術をあわせた共同開発などは継続して行い、引き続きフィンテック事業領域に
おける新たなサービスの開発に向けた取り組みを行っております。
同じく、2018年11月に、当社の連結子会社である株式会社バーサタイル(以下バーサタイル)は、バーサタイル
の事業の一部を会社分割(新設分割)し、新たに設立する新設会社、株式会社ネクスプレミアムグループ(以下ネ
クスプレミアムグループ)及び株式会社ネクスファームホールディングス(以下ネクスファームホールディング
ス)に承継し、新設会社をバーサタイルの100%子会社とすることとしました。その後、11月には事業再編のため
バーサタイルが保有する、ネクスプレミアムグループ及びネクスファームホールディングスの全株式を当社が譲り
受け子会社化し、バーサタイルについては解散し、特別清算の申立てを行うことを決議いたしました。
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連結業績につきましては、イーフロンティアにおいて、仮想通貨に対する自己勘定投資を開始し、売上を計上し
ております。イーフロンティアでは前述した仮想通貨向けのAIトレーディングシステム開発にあたり開発中のソフ
トの実証試験をかねて、ビットコインに対する投資を開始し、大きな成果を上げました。また、一方で、ネクス・
ソ リューションズが持分法適用の範囲から除外となったため、売上が減少しました。さらに、当社連結子会社の
イー・旅ネット・ドット・コム株式会社(以下イー・旅ネット・ドット・コム)の売上が予定を下回りました。損
益面につきましては、営業利益において、通期として当社連結子会社の株式会社チチカカ(以下チチカカ)の販管
費の増加が見られ、第4四半期においては、チチカカの原価率が上昇したことにより、減少いたしました。経常利
益においては、チチカカが仮想通貨売却損201百万円、仮想通貨評価損192百万円を計上いたしました。昨今は下落
局面が目立つ仮想通貨市場ですが、仮想通貨価格が大きく下落した際は、リスクコントロールの一環として適宜損
切りを行っており、資金効率を常に意識したトレーディングを展開しております。結果として仮想通貨事業として
は今期一定程度の利益を上げておりますが、チチカカにおいて仮想通貨に対する投資を主たる事業としていなかっ
たため、営業外費用として計上をいたしました。
親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、当社保有株式の譲渡により特別利益651百万円を計上いたし
ましたが、「CoSTUME NATIONAL」のトレードマーク(商標権)888百万円を減損いたしました。「CoSTUME
NATIONAL」に関しましては、現状の実績を鑑み、事業計画をより保守的に見直しした結果です。今後は全世界に向
けたライセンス事業の開始、拡大のため、当事業とシナジーのある業務提携先を検討し、早急な売上の拡大に努め
てまいります。
同じく、株式会社ファセッタズムののれん136百万円の減損処理については、売上が上昇してきたものの、当初
想定していた事業計画を下回ったため、より保守的に見直しをした結果であります。
上記の結果、売上高は、11,125百万円(対前期比8.8%減)となりました。営業利益は419百万円(前期は営業損
失914百万円)、経常損失は47百万円(前期は経常損失940百万円)、税金等調整前当期純損失は265百万円(前期
は税金等調整前当期純利益1,024百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は473百万円(前期は親会社株主に帰
属する当期純利益902百万円)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントごとの業績は以下のとおりであります。
(IoT関連事業)
ネクスは、2015年より販売を開始しておりますOBDⅡ型自動車テレマティクスデータ収集ユニット
「GX410NC/GX420NC」を使用した、ソリューションの提供に注力してまいりました。2016年8月にはネクス・ソ
リューションズと共同で、介護送迎車用のOBDⅡソリューションとして安全運転支援サービス「ドライブケア」
( http://www.care-dynamics.jp/obd2/ )の開発、販売を開始しております。
このシステムにより、介護施設をはじめとする様々な送迎業務を行う事業者の運転業務の管理者や指導者は、同
時に運行される複数の車両の運行状況を確認することができ、それぞれの車両の送迎中に発生した危険運転(急発
進、急停車、急ハンドル)を全て把握でき、管理者や指導者がわかりやすい一覧やグラフなどの形式で表示をする
ことで、運転手の運転の特性の把握と個々に応じた適切な指導を行うことができます。また、継続して走行データ
を確認することにより、それぞれの運転手の改善度合いや適切なフォローを行うことが可能となります。
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また、取得できる様々なデータの組み合わせにより、エコドライブの指導を行い平均燃費の向上や、タイヤなど
の摩耗の抑制、故障を未然に防ぐための車両点検のアラートを出すなど、車両の維持管理費の低減にも活用できま
す。
最近の動向では、2018年8月、2019年度米国防権限法(NDAA2019)の成立により、華為技術(Huawei)や中興通訊
(ZTE)、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(HIKVISION)、浙江大華技術(Dahua Technology)、海能達通信
(Hytera)の計5社への締め付けが大幅に強化され、米政府機関との取引からの排除が呼びかけられており、ネクス
への同2019年度米国防権限法(NDAA2019)に関わる製品であるかに関する多数の問い合わせを受けている状況です。
ネクスでは、現在販売中の全ての製品において、今回成立した2019年度米国防権限法(NDAA2019)に関わる上記
5 社への製造委託や上記5社からの部品の採用は行っておらず、安心してお使いいただける旨ご案内させていた
だくとともに、引き続き本禁止事項に抵触することがないよう、管理の強化をしております。
今後の動向につきましては引き続き注視しながら、製造委託先の継続的な管理・監督とともに、信頼できる 新
規製造委託先の開拓を進め、国内メーカーとして市場のニーズに対応した製品群のさらなる拡充に取り組み、国
内外の市場に向けて今後普及が見込まれるLPWAや次世代通信規格5Gなど、モバイルコンピューティングや高付加
価値通信デバイスとソフトウェアの融合により自動車テレマティクスソリューションやその他の様々なソリュー
ションの提供を行ってまいります。
株式会社ケア・ダイナミクス(以下ケア・ダイナミクス)では、介護事業者向けASPシステムの提供を行い、既
に400以上の介護施設にシステムの導入実績がありますが、介護ロボットの導入支援や介護ICTの提供などのサー
ビスを開始し「総合介護事業支援企業」へと進化いたしました。
介護事業者支援サービスとして様々な介護ロボットの販売代理を行い、マンガを使った法人案内リーフレッ
ト、広告作成サービスなどの提供を行っております。また、前述した介護送迎車用のOBDⅡソリューション「ドラ
イブケア」の導入先施設での見学会を継続開催し、無料トライアルを行っております。
また、介護施設の電気代削減を支援するための電力会社見直し及び、切り替えサポートサービスのほか、節水
システム紹介サービスも行っております。
新たに、法人向けネットワーク構築サポートサービスならびに、パラマウントベッド株式会社と販売店契約を
締結し、同社が提供する睡眠管理システムの販売も開始いたしました。
イーフロンティアは、AI思考ルーチンを搭載したソフト「AI将棋、AI囲碁、AI麻雀」などの開発・販売実績が
あり、保有するAI技術を駆使して仮想通貨のトレーディングシステムの開発を進めております。昨年、FCCEとも
業務提携を行い、共同でAI技術の実証試験を進めるとともに、同取引所から膨大な過去の取引情報の提供、デリ
バティブシステム及び高頻度取引システム のユーザーの立場としてのノウハウの提供を受けて、さらにユーザビ
*
リティが高いシステム開発を目指します。
さらに、昨年6月に米国大手メーカーのOWC社(Other World Computing,Inc)と日本国内総代理店契約を締結
しており、日本国内向けにThunderbolt3製品やeGPUなどのコンピュータ周辺機器の販売及び付帯サービスの拡大
を図ってまいります。
*「デリバティブシステム」「高頻度取引システム」とは
国内外の複数の仮想通貨取引所を網羅し、その動向をチェック、分析することで自動的に利益を獲得することを目指すシステムです。
リスクを相当に抑えながら、利益の獲得チャンスを持つことも可能なシステムとなります。
この結果、当連結会計年度の売上高は950百万円(対前期比76.3%減)、営業利益は48百万円(前期は営業損失
465百万円)となりました。
(インターネット旅行事業)
インターネット旅行事業のイー・旅ネット・ドット・コム及びその子会社では、旅行商材が氾濫する中、多様
化・高度化する消費者ニーズに対応でき、多くのお客様から満足度の高いコメントを多数いただいております。こ
れは、その背景として、厳選された経験豊富な「トラベルコンシェルジュ」(旅行コンサルタント)が登録されて
いる、日本で唯一のインターネットによるオーダーメイド旅行会社としての体制を構築できたことに他なりませ
ん。
2015年には訪日外国人向け専用サイトをオープンし、アジアを中心に検索エンジン対策を実施してまいりまし
た。訪日旅行者数は予想をはるかに上回る勢いで、2018年度末には前年比14%増の3,200万人となる予測で、宿泊
施設の不足が予想されております。このような中、グループ内の株式会社実業之日本社の協力を得て、インバウン
ド向けコンテンツの中から、需要の多い英語のスキー専用サイトを新設し、国内のスキー場204コースを掲載いた
しました。また、パラリンピック選手派遣や数々の障がい者国際大会を専門に取り扱う株式会社グロリアツアーズ
においては、障がい者スポーツのマーケットにさらに力を入れてまいります。株式会社ウェブトラベル(以下ウェ
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ブトラベル)のコンシェルジュ事業とともに一般の旅行会社では対応が難しい特徴のあるマーケット基盤を構築し
てまいります。
※セゾンカードが毎月発行する冊子へのコンシェルジュ機能説明
(UCカード会員誌「てんとう虫」及びゴールドカード冊子の共通表紙) (毎月のトラベルコンシェルジュ紹介ページ)
一方、「トラベルコンシェルジュ」の登録数も順調に推移してまいりましたが、出入りも多く、2018年11月末現
在では440名と若干の減少をしております。また、コンシェルジュが旅行以外の特技を活かせる場として、クラウ
ドソーシング事業を推進しコンシェルジュの帰属意識を高め優秀な人材確保に努めてまいります。
2018年2月より進めてまいりましたセゾンUCカードとの業務提携は、単なる広告契約ではなく、カードそのも
のの機能として位置付けた『トラベルコンシェルジュ』に関する業務提携となっており、ウェブトラベルのコン
シェルジュサービスが一層の社会的信用を得ることに繋がり、以降の見積依頼数や受注率の向上に貢献しておりま
す。
売上高は、定番のヨーロッパ方面の復活とハネムーンを中心とした海外旅行事業売上が2,215百万円、国内旅行
事業売上が170百万円となりました。お客様からの見積もり依頼件数は若干の回復傾向を受け、「ウェブトラベ
ル」サイトで前期比102%、「イー旅ネット」サイトを含めた見積もり依頼件数も前期比100%となりましたが、受
注率の改善を図った結果、受注件数は前期比116%、売上総利益率は前期同様14%を維持しており、トータルの取
扱人員も7,438名(前期比112%)となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は2,367百万円(対前期比8.4%増)、営業利益は38百万円(前期は営業損失
2百万円)となりました。
(ブランドリテールプラットフォーム事業)
チチカカは、店舗事業においては、2017年10月末時点の93店舗、当期出店2店舗(横浜ワールドポーターズ、イ
オンモール札幌発寒)、1店舗閉店(イオンモールナゴヤドーム前)により2018年10月末時点で94店舗体制、また
EC事業においては、自社オンライン店を含む6店舗体制から、Wowma、Alinomaに当期出店し8店舗体制になって
います。前期に引き続き、不採算店舗の閉店や人員体制の見直しなどによる構造改革を進めております。
また、営業施策では、広瀬アリスさん×チチカカ、2018年コラボ取り組み第二弾として、広瀬アリスさんの海外
協力活動の経験談が生の声で聞ける日本青年会議所愛知ブロック協議会主催「愛知ブロック大会田原大会」に出
店。今大会は、青年に海外協力に関心を持ってもらい、「自分も行動したい」と思えるようなきっかけづくりをひ
とつの趣旨として開催。チチカカは、すぐできる国際協力のかたちとしてコラボレーションTシャツやトートバッ
グを販売し、1枚購入につき500円を広瀬アリスさんが応援する社会貢献団体へ寄付します。商品の購入が未来の
幸せに繋がっています。
翌期にむけては、顧客基盤の拡大のため、SNSや自社アプリによる顧客接点の拡大等を引き続き推し進めます。
さらに、社員教育の観点ではマニュアル・教育体系の拡充に取り組み、収益の安定化に取り組んでまいります。
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この結果、当連結会計年度の売上高は6,445百万円(対前期比8.7%増)、営業損失は460百万円(前期は営業損
失71百万円)となりました。
(仮想通貨・ブロックチェーン事業)
イーフロンティア、チチカカにおいては、イーフロンティアが開発している仮想通貨向けのAIトレーディング
システムをトレーディングのベースとして運用を進めております。2017年とは異なり下落局面が目立つ仮想通貨
市場ですが、仮想通貨価格が大きく下落した際は、リスクコントロールの一環として適宜損切りを行っており、
資金効率を常に意識したトレーディングを展開しております。また、リスクを抑え小さな利ザヤを積み上げる運
用も検討しています。今後は、相場の方向性(上昇・下落)に頼らない運用スタイルを確立していきます。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,326百万円、営業利益は1,320百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下資金)の期末残高は、前連結会計年度末と比べて1,506百
万円減少し、1,022百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した金額は981百万円(前年同期は1,388百万円の資金支出)となりました。これは主に、資
金の増加要因として減損損失1,110百万円、仮想通貨の減少額751百万円、前渡金の減少額667百万円があり、減少
要因として売上債権の増加額926百万円、投資有価証券売却益705百万円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した金額は1,099百万円(前年同期は 3,929 百万円の資金獲得)となりました。これは主に、
資金の増加要因として仮想通貨の売却による収入1,961百万円、投資有価証券の売却による収入1,998百万円があ
り、減少要因として仮想通貨の取得による支出3,112百万円、投資有価証券の取得による支出320百万円、無形固定
資産の取得による支出960百万円、長期貸付けによる支出760百万円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した金額は1,389百万円(前年同期は1,851百万円の資金支出)となりました。これは主に、
資金の増加要因として短期借入金の増加241百万円、長期借入れによる収入392百万円、新株予約権付社債の発行に
よる収入200百万円があり、減少要因として長期借入金の返済による支出1,055百万円、社債の償還による支出
1,165百万円があったことによります。
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(3) 生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 生産高(千円) 前年同期比(%)
IoT関連事業 625,983 9.5
ブランドリテールプラットフォーム事業 408,904 -
合計 1,034,887 15.7
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 受注高(千円) 前年同期比(%) 受注残高(千円) 前年同期比(%)
IoT関連事業 703, 197 9.5 146,793 10.6
合計 703, 197 9.5 146,793 10.6
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 販売高(千円) 前年同期比(%)
950,751
IoT関連事業 23.6
インターネット旅行事業 2,367,417 108.4
6,445,821
ブランドリテールプラットフォーム事業 108.6
1,326,207
仮想通貨・ブロックチェーン事業 -
その他 35,104 49.2
合計 11,125,302 91.2
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 仕入高(千円) 前年同期比(%)
IoT関連事業 6,320 42.2
ブランドリテールプラットフォーム事業 2,407,689 97.7
97.3
合計 2,414,009
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
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(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。なお、
キャッシュ・フローの状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分
析(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
①重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しておりま
す。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与
える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりま
すが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成
のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要
な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。
繰延税金資産
企業会計上の収益・費用と、課税所得計算上の益金又は損金の認識時点が異なることから、会計上の資産・負債
と課税上の資産・負債の額に一時的な差異が生じる場合において、一定期間内における回収可能性に基づき貸借対
照表への繰延税金資産計上の要否を検討しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依
存しますので、その見積りが減少した場合は、繰延税金資産が減少され、税金費用が計上される可能性がありま
す。
貸倒引当金
当社グループは、債権に対し貸倒引当金を計上しております。貸倒引当金は、過去の貸倒損失の実績及び回収可
能性に疑義がある債権の個別評価に基づいて計上しております。入手可能な情報に基づき貸倒引当金は十分である
と考えておりますが、将来、債権先の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合、追加の引当が必要となる可能
性があります。
有価証券
当社グループは、時価を把握することが極めて困難と認められる投資有価証券を保有しております。これらの投
資有価証券につきましては、実質価額が著しく低下し、かつ回復する見込みがないと判断した場合には、減損処理
が必要となる可能性があります。
②財政状態
(資産)
資産の残高は、前連結会計年度末と比較して2,229百万円減少し、9,302百万円となりました。この主な要因は、
現金及び預金が1,500百万円減少、前渡金が669百万円減少し、短期貸付金が1,000百万円増加したものの、投資有
価証券が1,033百万円減少し、長期貸付金が317百万円増加したことによります。
(負債)
負債の残高は、前連結会計年度末と比較して1,656百万円減少し、5,349百万円となりました。この主な要因は、
1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が1,165百万円減少、借入金残高(※)が471百万円減少したことに
よります。
(純資産)
純資産の残高は、前連結会計年度末と比較して572百万円減少し、3,953百万円となりました。この主な要因は、
利益剰余金が522百万円減少、その他有価証券評価差額金が77百万円減少したことによります。
(※注)短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、長期借入金の合計
③経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、11,125百万円(対前期比8.8%減)となりました。
詳細につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)財政状
態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
(売上総利益)
売上高総利益率は、前連結会計年度より10.5ポイント上昇し48.2%となり、売上総利益は、5,360百万円(対前
期比16.7%増)となりました。
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(営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より減少し、4,940百万円(対前期比10.3%減)となりました。
以上の結果、売上高営業利益率は、前連結会計年度より11.3ポイント上昇し3.8%となり、営業利益は419百万円
(前期は914百万円の営業損失)となりました。
(経常損益)
営業外収益は68百万円(対前期比48.1%減)となりました。これは主にカイカが当社の持分法適用会社から除外
されたことによる持分法による投資利益の減少によるものであります。営業外費用は535百万円(対前期比239.0%
増)となりました。これは主に仮想通貨売却損、仮想通貨評価損の計上によるものであります。
以上の結果、経常損失は47百万円(前期は940百万円の経常損失)となりました。
(特別損益)
特別利益は913百万円(対前期比76.5%減)となりました。これは主に投資有価証券売却益の減少によるもので
あります。特別損失は1,131百万円(対前期比41.3%減)となりました。これは主に減損損失の減少によるもので
あります。
(税金等調整前当期純利益)
以上の結果、税金等調整前当期純損失は265百万円(前期は1,024百万円の税金等調整前当期純利益)となりまし
た。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は473百万円(前期は902百万円の親会社株主に
帰属する当期純利益)となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは現在、必要な運転資金、設備投資及び投融資資金については、自己資金、借入、社債の発行、及
び保有株式の売却といった資金調達方法の中から、諸条件を総合的に勘案し、最も合理的な方法を選択して調達し
ていく方針であります。当連結会計年度におきましては、第三者割当による第7回無担保転換社債型新株予約権付
社債を発行し200百万円の資金調達を実施致しました。また、金融機関から392百万円の長期借入を行い、当連結会
計年度末においては、短期借入金383百万円、1年内返済予定の長期借入金587百万円、長期借入金1,223百万円と
なりました。
当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金等を調達して
いく方針であります。
⑤ 戦略的現状と見通し及び今後の方針について
当社では、自動車テレマティクスをはし